説明

手形類手帳作成システム

【課題】手形類、表紙、受領票および発行依頼書の、抜けおよび順番の間違いを容易かつ確実に防止することができる手形類手帳作成システムの提供。
【解決手段】印刷情報データを記憶する記憶手段23と、発行指示が入力される発行指示入力手段20と、発行指示入力手段20に発行指示が入力されると記憶手段23に記憶された印刷情報データに基づいて、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の各用紙にそれぞれ所定の印刷を行う印刷手段13とを有し、印刷手段13が、各用紙それぞれに印刷を行う際に、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手形および小切手等の手形類を手帳化する際に用いられる手形類手帳作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関においては、手形および小切手等の手形類を発行することがあるが、この手形類の発行に際して、振出データの印刷とともにMICRデータを印刷する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、振出データの印刷とMICRデータの印刷とを別々に行う場合に、MICRデータにミスが生じないように、振出データの印刷とともに関連情報を示すバーコードを印刷しておき、MICRデータの印刷の際には、バーコードを読み取って、MICRデータを印刷する一群の手形類であることを確認してからMICRデータを印刷する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭59−080870号公報
【特許文献2】特許第3027936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようにして振出データおよびMICRデータが印刷された手形類は、予め定められた枚数が準備された後、これとは別に所定の事項が印刷された表紙、受領票、さらには発行依頼書と組み合わされて製本され、手帳化されて手形類手帳となる。ここで、発行依頼書とは、一の手形類手帳を顧客に手渡した後、顧客が手形類を切り取って使用し、未使用の手形類の枚数が所定枚数、例えば5枚となった場合に現れるものである。発行依頼書には、未使用の手形類の枚数が所定枚数になったことを表す記載と顧客の識別データとが印刷されており、この発行依頼書を手形類の残り6枚目と残り5枚目との間に挿入して手形類手帳が製本される。顧客は、この発行依頼書が現れると、次の手形類手帳の発行を依頼するために、これを切り取って金融機関に渡すことになり、金融機関はこれを受け取って次の手形類手帳を準備することになる。
【0004】
多量の手形類手帳を作成する金融機関においては、これらの作業を全自動化する装置を準備することも可能であるが、通常、大多数の金融機関においては、特に個々の店舗にとっては多量の手形類手帳を作成する機会は少なく、全自動化する装置を導入するメリットはない。よって、一般的に、所定枚数の手形類、表紙、受領票および発行依頼書に印刷が終了した後は、手作業にて製本し、手帳化することが多くなる。このとき、製本する手形類、表紙、受領票および発行依頼書の、抜けおよび順番の間違い等を生じないように、多大な注意と労力を要していた。
【0005】
したがって、本発明は、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の、抜けおよび順番の間違いを容易かつ確実に防止することができる手形類手帳作成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、印刷情報データを記憶する記憶手段と、発行指示が入力される発行指示入力手段と、該発行指示入力手段に発行指示が入力されると前記記憶手段に記憶された印刷情報データに基づいて、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の各用紙にそれぞれ所定の印刷を行う印刷手段とを有する手形類手帳作成システムであって、前記印刷手段は、各用紙それぞれに印刷を行う際に、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報を印刷することを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記頁番号情報に、他の手形類手帳と識別するための個別の手帳識別情報を含んでいることを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記頁番号情報は、バーコードで用紙に印刷されることを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、前記手形類の枚数情報が入力される枚数情報入力手段および前記発行依頼書の挿入位置情報が入力される挿入位置情報入力手段の少なくともいずれか一方を有し、前記枚数情報入力手段および前記挿入位置情報入力手段の少なくともいずれか一方に入力された情報に基づいて前記印刷手段で印刷する前記頁番号情報を調整する調整手段を有することを特徴としている。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、一群の用紙を集積状態で受け入れる受入手段と、該受入手段に受け入れた前記一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送中の用紙の前記頁番号情報を読み取る読取手段と、該読取手段で読み取った後の用紙を前記搬送手段による搬送順に重ねた状態とする集積手段と、前記読取手段の読取結果から用紙が適正であるか否かを判定し、判定結果を報知する報知手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記読取手段で、一冊の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙を検出すると、該最終頁となる用紙が前記集積手段に至るタイミングで前記搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させる停止制御手段を有することを特徴としている。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記停止制御手段は、前記読取手段で適正でない用紙を検出すると、前記搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、前記報知手段に異常を報知させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、発行指示入力手段に発行指示が入力されると、印刷手段が、記憶手段に記憶された印刷情報データに基づいて、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の各用紙にそれぞれ所定の印刷を行うことになり、その際に、各用紙それぞれに、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報を印刷する。よって、各用紙の頁番号情報を利用することで、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の、抜けおよび順番の間違いを容易かつ確実に防止することができ、誤りなく手帳化できる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、頁番号情報に、他の手形類手帳と識別するための個別の手帳識別情報を含んでいるため、複数の手形類手帳を作成する場合に、他の顧客用を含む他の手形類手帳用の用紙の混入を防止することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、頁番号情報が、バーコードで用紙に印刷されるため、自動読み取りを適正かつ容易に行うことができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、調整手段が、手形類の枚数情報が入力される枚数情報入力手段および発行依頼書の挿入位置情報が入力される挿入位置情報入力手段の少なくともいずれか一方に入力された情報に基づいて印刷手段で印刷する頁番号情報を調整するため、頁番号情報の変更を伴う情報入力に対応して頁番号情報を自動調整できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、印刷手段が、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の各用紙にそれぞれ頁番号情報を含む所定の印刷を行うことになり、印刷したこれらの用紙が順番に並べられた集積状態で受入手段に投入されると、搬送手段が、投入された一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送することになり、搬送中の用紙の頁番号情報を読取手段が読み取ることになって、その読取結果から報知手段が、用紙が適正であるか否かを判定し、判定結果を報知することになる。また、搬送手段で搬送する用紙を、読取手段で読み取った後、集積手段が搬送順に重ねた状態に戻すことになる。よって、報知手段により判定結果が適正と報知された場合、集積手段の集積状態のまま製本すれば、手形類、表紙、受領票および発行依頼書が適正な枚数、適正な順番で並べられた手形類手帳を作成できる。他方、用紙が適正でなければ、報知手段により判定結果が適正でないと報知されることになるため、誤って手帳化されることを確実に防止できる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、読取手段で、一冊の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙を検出すると、停止制御手段が、最終頁となる用紙が集積手段に至るタイミングで搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させるため、複数冊の手形類手帳用の用紙が受入手段に投入された場合に、手帳単位で用紙を停止させることになる。したがって、手帳単位で区分けすることができるため、複数冊の手形類手帳を一冊ずつ間違いなく手帳化することができる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、停止制御手段は、読取手段で適正でない用紙を検出すると、搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、報知手段に異常を報知させるため、異常があった場合に、無駄に搬送してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態の手形類手帳作成システムを図面を参照して以下に説明する。
【0021】
本実施形態の手形類手帳作成システム11は、手形および小切手等の手形類を手帳化する際に用いられるもので、パーソナルコンピュータ12と、プリンタ(印刷手段)13と、オンラインエンコーダ14とによって構成されている。
【0022】
パーソナルコンピュータ12は、発行指示等の各種指示が入力されるキーボードおよびマウスからなる入力部(発行指示入力手段、枚数情報入力手段、挿入位置情報入力手段)20と、手帳作成者に向けて表示を行う表示画面(報知手段)21と、手帳作成者に向けて音声を発生する音声発生部(報知手段)22と、印刷情報データ等の各種データを記憶する記憶部(記憶手段)23と、制御部(印刷手段、報知手段、調整手段、停止制御手段)24とで構成されており、プリンタ13およびオンラインエンコーダ14に接続されている。
【0023】
記憶部23には、手形類手帳を構成する各顧客別の手形類、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙の振出データの印刷様式と各手形類に印刷するMICRデータの印刷様式等からなる印刷情報データが記憶されている。なお、背表紙はなくても良いが、ここでは、背表紙付きの場合を例に説明する。
【0024】
プリンタ13は、パーソナルコンピュータ12の制御部24で制御されて、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙の各用紙にそれぞれ所定の振出データの印刷を行う。プリンタ13は、用紙を集積状態で受け入れ可能な給紙部30と、給紙部30に受け入れた用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送する搬送部31と、搬送部31で搬送中の用紙に印刷を行う印刷部32と、印刷部32で印刷後の用紙を排出する排紙部33とを有している。
【0025】
オンラインエンコーダ14は、パーソナルコンピュータ12の制御部24で制御されて、手形類に所定のMICR文字からなるMICRデータの印刷を行う。オンラインエンコーダ14は、一群の用紙を集積状態で受け入れる受入部(受入手段)40と、受入部40に受け入れた一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送する搬送部(搬送手段)41と、搬送部41で搬送中の用紙のバーコードを読み取るバーコードリーダ(読取手段)42と、搬送部41で搬送中でありバーコードリーダ42で読み取り後の用紙に、所定のMICR文字を印刷する印刷部43と、バーコードリーダ42でバーコードが読み取られ、印刷部43で印刷された後の用紙を搬送部41による搬送順に重ねた状態に集積する集積部(集積手段)44とを有している。
【0026】
なお、振出データの印刷とMICRデータの印刷とをプリンタ13とオンラインエンコーダ14とで別々に行うのではなく、オンラインエンコーダで同時に印刷しても良い。
【0027】
次に、上記した手形類手帳作成システム11の作動を、手形類手帳作成の手順とともに説明する。
【0028】
待機状態で、制御部24は、顧客識別情報である顧客識別番号の入力を促す表示を表示画面21に表示させており、手帳作成者によって、顧客識別番号が入力部20により入力されると、入力された顧客識別番号に一対一で関連づけられて記憶部23に記憶されている印刷情報データを読み出す。この印刷情報データは、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙の振出データの印刷様式と、手形類の基本の枚数と、発行依頼書の基本の挿入位置と、各手形類に印刷するMICR文字の印刷様式と、今回発行した場合に手形類手帳が何冊目となるかを示す手帳識別情報である発行識別番号とで構成されている。
【0029】
そして、制御部24は、読み出した印刷情報データを表示画面21に表示させることになり、そのうち、変更可能な手形類の枚数と発行依頼書の挿入位置とについては、必要があれば変更するように促す表示を表示画面21に表示させる。ここで、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙は、全顧客とも一枚ずつであり、手形類の基本の枚数および発行依頼書の挿入位置については、顧客毎に個別に予め設定されている。このため、表示画面21への表示では、手形類の基本の枚数が表示された入力欄の横に、「必要であれば、一冊に入れる手形類の枚数を変更して下さい。」といった表示を表示させることになり、発行依頼書の基本の挿入位置が表示された入力欄の横に、「未使用の手形類が残り何枚になったときに、発行依頼されるか、必要であれば、その枚数を変更して下さい。」といった表示を表示させることになる。
【0030】
手帳作成者によって、入力部20に、手形類の枚数の変更が入力されて確定操作が入力されると、制御部24は、入力された変更後の手形類の枚数を確定枚数Nとし、発行依頼書の基本の挿入位置を確定挿入位置Zとして、顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号に関連づけて記憶する。また、発行依頼書の挿入位置の変更が入力されて確定操作が入力されると、制御部24は、手形類の基本の枚数を確定枚数Nとし、入力された変更後の発行依頼書の挿入位置を確定挿入位置Zとして、顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号に関連づけて記憶する。また、手形類の枚数および発行依頼書の挿入位置の両方の変更が入力されて確定操作が入力されると、制御部24は、入力された変更後の手形類の枚数を確定枚数Nとし、入力された変更後の発行依頼書の挿入位置を確定挿入位置Zとして、それぞれを顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号に関連づけて記憶する。さらに、手帳作成者によって、入力部20に、手形類の枚数および発行依頼書の挿入位置のいずれも変更が入力されずに確定操作が入力されると、制御部24は、手形類の基本の枚数および発行依頼書の基本の挿入位置を確定枚数Nおよび確定挿入位置Zとして、顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号に関連づけて記憶する。なお、発行依頼書の挿入位置は、発行依頼書が現れた時に残っている未使用手形類の枚数によって表される(例えば、未使用手形類を5枚残す場合、Z=5)。
【0031】
上記した確定操作が入力されると、制御部24は、発行指示の入力を促す旨の表示を表示画面21により表示させる。そして、入力部20に発行指示が入力されると、制御部24は、プリンタ13により給紙部30の用紙に、まず、一枚の表紙、次に、一枚の受領票、次に、確定枚数Nおよび確定挿入位置Zから割り出される発行依頼書の挿入位置直前までの所定枚数の手形類、次に、一枚の発行依頼書、次に、確定枚数Nおよび確定挿入位置Zから割り出される発行依頼書の挿入位置より後の所定枚数の手形類、次に、一枚の背表紙を、この順番でそれぞれに設定された印刷様式で印刷する。なお、表紙、受領票、発行依頼書、手形類および背表紙のすべてに共通の用紙を使用する場合には、製本時と同じとなる上記の順番で印刷するのが良いが、例えば、いずれかに異なる用紙を用いる場合は、それに応じて、印刷する順番を変更することができる。例えば、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙がそれぞれ専用の用紙で印刷され、複数の手形類が共通の用紙で印刷される場合には、一枚ずつ印刷される表紙、受領票、発行依頼書および裏表紙をそれぞれ単独で専用の用紙に印刷し、これらとは別に、複数枚の手形類を連続的に印刷するようにしても良い。
【0032】
そして、制御部24は、プリンタ13による上記印刷時に、一冊の手形類手帳を構成する表紙、受領票、発行依頼書、手形類および背表紙には、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報をも一緒に印刷する事になり、その際に、上記のように手形類の枚数情報が変更入力された場合および発行依頼書の挿入位置情報が変更入力された場合については、それぞれの変更後の確定枚数Nおよび確定挿入位置Zに基づいてプリンタ13で印刷する頁番号情報を調整する。
【0033】
つまり、この頁番号情報は、他の顧客と識別するための個別の顧客識別情報である上記した顧客識別番号と、他の手形類手帳と識別するための個別の手帳識別情報である上記した発行識別番号と、用紙の頁番号とで構成されており、一枚一枚を識別する用紙識別番号となっている。なお、頁番号情報にさらに作成日情報を加えても良い。制御部24は、表紙の用紙には、頁番号が「1」であることを含む用紙識別番号を、受領票の用紙には、頁番号が「2」であることを含む用紙識別番号を、手形類の用紙には、頁番号が「3」〜「3+N−Z−1」および「3+N−Z+1」〜「3+N」のいずれか昇順で割り当てられた番号を含む用紙識別番号を、発行依頼書の用紙には、頁番号が「3+N−Z」であることを含む用紙識別番号を、裏表紙の用紙には頁番号が「N+4」であることを含む用紙識別番号を、それぞれプリンタ13により印刷する。それに先立って、制御部24は、これらの用紙識別番号と、各用紙識別番号がそれぞれ表紙、受領票、発行依頼書、手形類および背表紙のいずれに対応するものであるのかと、手形類である場合には、用紙識別番号が何枚目の手形類に対応しいずれのMICR文字の印刷データと対応するものであるかとを、顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号に関連づけして印刷情報データに記憶する。
【0034】
例えば、顧客識別番号が525であり、発行識別番号が109つまり109冊目に発行された手形類手帳であり、手形類の枚数N=20枚であり、発行依頼書の挿入位置Z=5である場合には、表紙には「52510901」が、受領票には「52510902」が、手形類には「52510903」〜「52510917」,「52510919」〜「52510923」のいずれかが、発行依頼書には、「52510918」が、裏表紙には「52510924」がそれぞれ用紙識別番号として印刷されることになり、制御部24は、これらの用紙識別番号をアラビア数字とバーコードとで各用紙に印刷する。
【0035】
制御部24は、表紙の用紙に、上記のように顧客識別番号、発行識別番号および頁番号「1」を含む用紙識別番号(上記例では「52510901」)をアラビア数字とバーコードとでプリンタ13により規定位置に印刷する。また、制御部24は、表紙の用紙に、「約束手形帳」等の手形類手帳の種類と、顧客識別データに関連付けて記憶された顧客情報の「当座口座名」と、この手形類手帳に含まれる手形類の用紙識別番号(上記例では「52510903」〜「52510917」,「52510919」〜「52510923」)とをプリンタ13により規定位置に印刷する。
【0036】
受領票は、顧客による手形類の受領を証明するためもので、手形類手帳を受け取った顧客の署名および捺印等がなされた後、発行金融機関側に渡されるものである。制御部24は、受領票の用紙に、上記のように顧客識別番号、発行識別番号および頁番号「2」を含む用紙識別番号(上記例では「52510902」)をアラビア数字とバーコードとでプリンタ13により規定位置に印刷する。また、制御部24は、受領票の用紙に、手形類の識別番号である用紙識別番号が所定番(上記例では「52510903」〜「52510917」,「52510919」〜「52510923」)の所定枚数(上記例では20枚)の手形類を確かに受け取った旨の表記と、署名欄および捺印欄と、この手形類手帳に含まれる手形類の用紙識別番号とをプリンタ13により規定位置に印刷する。
【0037】
発行依頼書は、追加発行依頼票とも呼ばれるもので、未使用の手形類が、予め定められた所定枚数になったことを顧客に知らせるとともに、顧客から金融機関側に次の手形類手帳の発行を依頼するためのものである。制御部24は、発行依頼書の用紙に、上記のように顧客識別番号、発行識別番号および頁番号「3+N−Z」を含む用紙識別番号(上記例では「52510918」)をアラビア数字とバーコードとでプリンタ13により規定位置に印刷する。また、制御部24は、この発行依頼書の用紙に、その金融機関側への提出を促す旨の記載と、金融機関側に対して新たな手形類手帳の発行を促す旨の記載とを、プリンタ13で規定位置に印刷する。
【0038】
制御部24は、手形類の用紙に、上記のように顧客識別番号と、発行識別番号と、頁番号「3」〜「3+N−Z−1」および「3+N−Z+1」〜「3+N」のいずれか昇順で割り当てられた番号を含む用紙識別番号(上記例では「52510903」〜「52510917」,「52510919」〜「52510923」のいずれか)とをアラビア数字とバーコードとでプリンタ13により規定位置に印刷する。また、制御部24は、この手形類の用紙に、金額欄、署名欄、捺印欄および当座カナ名等の通常手形類に必要な振出データをプリンタ13で規定位置に印刷する。
【0039】
制御部24は、背表紙の用紙に、上記のように顧客識別番号と、発行識別番号と、頁番号「N+4」とを含む用紙識別番号(上記例では「52510924」)をアラビア数字とバーコードとでプリンタ13により規定位置に印刷する。また、制御部24は、この手形類の用紙に、手形類手帳が終了した旨の記載を、プリンタ13で規定位置に印刷する。
【0040】
プリンタ13による印刷が終了すると、制御部24は、表示画面21に、続けて別の手形類手帳の用紙の印刷をプリンタ13で行うか、オンラインエンコーダ14によるMICR印刷を行うかの選択を促す表示を表示させる。別の手形類手帳の用紙の印刷をプリンタ13で行うことが入力部20で選択されると、制御部24は、上記を繰り返すことになり、MICR印刷を行うことが選択されると、制御部24は、印刷後の用紙を集積してオンラインエンコーダ14の受入部40への投入および投入後の入力部20へのスタート指示の入力を促す旨の表示を表示画面21に表示させる。
【0041】
MICR印刷を行う場合、上記表示を見て、手帳作成者は、プリンタ13から排出された用紙を取り出して、単票用紙ならば用紙識別番号を確認して昇順に並べて集積状態とし、連続用紙ならば一枚一枚切断した後、用紙識別番号を確認して昇順に並べて集積状態とする。そして、手帳作成者は、このように集積状態とした一群の用紙を、所定の向きでオンラインエンコーダ14の受入部40に投入した後、入力部20にスタート指示を入力する。
【0042】
すると、制御部24は、搬送部41を駆動して、オンラインエンコーダ14の受入部40に受け入れた一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送することになり、搬送部41で搬送中の用紙の用紙識別番号のバーコードをバーコードリーダ42で読み取る。
【0043】
そして、制御部24は、まず、受入部40から繰り出された一枚目の用紙のバーコードが示す顧客識別番号と発行識別番号と頁番号とを含む用紙識別番号から、この用紙が表紙であることを示す頁番号の「1」を含んでいるか否かを判定する。一枚目の用紙の用紙識別番号の中の頁番号が「1」でない場合には、適正でない用紙を検出したと判定して、搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、その判定結果である、異常であった旨の表示を表示画面21に表示させ、音声発生部22で警告音を発生させて、手帳作成者に異常を報知する。
【0044】
他方、一枚目の用紙の用紙識別番号の中の頁番号が「1」であった場合には、この用紙の用紙識別番号から、顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号を記憶部23に照会し、この手帳識別番号に対応した印刷情報データを読み出す。この印刷情報データは、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および背表紙の印刷様式と、手形類の確定枚数Nと、発行依頼書の確定挿入位置Zと、各手形類に印刷するMICR文字の印刷様式とを含む。そして、制御部24は、この一枚目の用紙のバーコードが示す用紙識別番号のうちの顧客識別番号と発行識別番号とからなる手帳識別番号を基準とし、これに、後続の用紙のバーコードリーダ42で読み取ったバーコードが示す用紙識別番号の手帳識別番号が一致するか否かを判断し、一致するものを同一グループの用紙と判断する。この同一グループの用紙の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙つまり裏表紙となる用紙識別番号を検出する前に、手帳識別番号が一致しない用紙を検出した場合に、制御部24は、適正でない用紙を検出したと判定して、搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、その判定結果である、異常であった旨の表示を表示画面21に表示させ、音声発生部22で警告音を発生させて、手帳作成者に異常を報知する。
【0045】
また、制御部24は、一枚目の用紙の手帳識別番号と一致する手帳識別番号を有し同グループの用紙と判断された後続の用紙について、これら同一グループの用紙の用紙識別番号の中の頁番号が、2,3,4,…と、1ずつの昇順となっているか否か確認する。同一グループの用紙のうち読み取りの順番が1ずつの昇順となっていないものを検出すると、制御部24は、適正でない用紙を検出したと判定して、搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、その判定結果である、異常であった旨の表示を表示画面21に表示させ、音声発生部22で警告音を発生させて、手帳作成者に異常を報知する。
【0046】
また、制御部24は、一枚目の用紙の手帳識別番号と一致する手帳識別番号を有し同一グループの用紙と判断された後続の用紙のうち、バーコードリーダ42で読み取ったバーコードが示す用紙識別番号が、1ずつの昇順で並んでいる用紙については、それぞれの用紙識別番号から手形類であると割り出されるものについては、用紙識別番号に一対一で対応して印刷情報データに記憶されたMICR文字を規定の位置に印刷部43で印刷する。他の表紙、受領票、発行依頼書および背表紙については、MICR文字を印刷せずに、バーコードの読み取りのみを行う。
【0047】
そして、制御部24は、一枚目の用紙の手帳識別番号と一致する手帳識別番号を有し同一グループの用紙と判断された後続の用紙のバーコードが示す用紙識別番号のうち、一冊の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙つまり裏表紙となる用紙識別番号を検出すると(つまりそれ以前に適正でない用紙がなかった場合)、この裏表紙となる用紙が集積部44に至るタイミングで搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、今回の同一グループの用紙が適正であったと判定して、その判定結果である、適正であった旨の表示を表示画面に行わせて、手帳作成者に報知する。これを見て、手帳作成者は、集積部44から同一グループの用紙を取り出して製本して手帳化する。
【0048】
なお、裏表紙が検出されて搬送部41が停止された後、受入部40に用紙が残存していることを図示略のセンサで検出した場合に、制御部24は、表示画面21に、入力部20への再スタート指示の入力を促す旨の表示を表示させる。入力部20に再スタート指示が入力されると、制御部24は、集積部44に用紙が残存していないことを図示略のセンサで検出したことを条件に、再び、上記と同様に受入部40の用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して、次の同一グループの用紙についての判定を開始することになる。これにより、プリンタ13による印刷を複数冊分一度に行って、これらの用紙を、オンラインエンコーダ14の受入部40に纏めて投入した場合には、手帳識別番号が共通の同一グループの用紙つまり手形類手帳一冊分の用紙をバーコードリーダ42で確認すると、次のスタート指示があるまで、搬送部31を停止することになり、一冊分を製本し、手帳化してから、手帳識別番号が上記とは異なる次の別の同一グループの用紙をバーコードリーダ42で確認するという動作を行うことになる。
【0049】
以上に述べたように、本実施形態の手形類手帳作成システム11によれば、入力部20に発行指示が入力されると、プリンタ13が、記憶部23に記憶された印刷情報データに基づいて、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および裏表紙の各用紙にそれぞれ所定の印刷を行うことになり、その際に、各用紙それぞれに、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報を印刷する。したがって、各用紙の頁番号情報を利用することで、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および裏表紙の、抜けおよび順番の間違いを容易かつ確実に防止することができ、誤りなく手帳化できる。
【0050】
また、頁番号情報に、他の手形類手帳と識別するための個別の手帳識別情報を含んでいるため、複数の手形類手帳を作成する場合に、他の顧客用を含む他の手形類手帳用の用紙の混入を防止することができる。
【0051】
また、頁番号情報が、バーコードで用紙に印刷されるため、バーコードリーダ42によって自動読み取りを適正かつ容易に行うことができる。
【0052】
また、制御部24が、入力部20に入力された、手形類の枚数情報および発行依頼書の挿入位置情報に基づいてプリンタ13で印刷する頁番号情報を調整するため、頁番号情報の変更を伴う情報入力に対応して頁番号情報を自動調整できる。
【0053】
また、プリンタ13が、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および裏表紙の各用紙にそれぞれ頁番号情報を含む所定の印刷を行うことになり、印刷したこれらの用紙が順番に並べられた集積状態でオンラインエンコーダ14の受入部40に投入されると、オンラインエンコーダ14は、搬送部41が、投入された一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送することになり、搬送中の用紙の頁番号情報をバーコードリーダ42が読み取ることになって、その読取結果から制御部24が、用紙が適正であるか否かを判定し、判定結果を表示画面21等に報知することになる。また、搬送部41で搬送する用紙を、バーコードリーダ42で読み取った後、集積部44が搬送順に重ねた状態に戻すことになる。よって、制御部24および表示画面21により判定結果が適正と報知された場合、集積部44の集積状態のまま取り出して製本すれば、手形類、表紙、受領票、発行依頼書および裏表紙が適正な枚数、適正な順番で並べられた手形類手帳を作成できる。他方、用紙が適正でなければ、制御部24および表示画面21により判定結果が適正でないと報知されることになるため、誤って手帳化されることを確実に防止できる。
【0054】
また、バーコードリーダ42で、一冊の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙つまり裏表紙を検出すると、制御部24が、最終頁となる用紙がオンラインエンコーダ14の集積部44に至るタイミングで搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるため、複数冊の手形類手帳用の用紙が受入部40に投入された場合に、手帳単位で用紙を停止させることになる。したがって、手帳単位で区分けすることができるため、複数冊の手形類手帳を一冊ずつ間違いなく手帳化することができる。
【0055】
また、制御部24は、バーコードリーダ42で、適正でない用紙を検出すると、搬送部41による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、表示画面21および音声発生部22に異常を報知させるため、異常があった場合に、無駄に搬送してしまうことを防止できる。
【0056】
また、一群の用紙を受け入れて集積順に搬送し、バーコードリーダ42によるバーコードの読み取りを順番に行って、搬送順に集積するために、オンラインエンコーダ14の受入部40、搬送部41および集積部44を利用しているため、コスト増を抑制することができる。勿論、一群の用紙を受け入れて集積順に搬送し、バーコードリーダ42によるバーコードの読み取りを順番に行って、搬送順に集積する専用の装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態の手形類手帳作成システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
11 手形類手帳作成システム
13 プリンタ(印刷手段)
20 入力部(発行指示入力手段、枚数情報入力手段、挿入位置情報入力手段)
21 表示画面(報知手段)
22 音声発生部(報知手段)
23 記憶部(記憶手段)
24 制御部(印刷手段、報知手段、停止制御手段)
40 受入部(受入手段)
41 搬送部(搬送手段)
42 バーコードリーダ(読取手段)
44 集積部(集積手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報データを記憶する記憶手段と、
発行指示が入力される発行指示入力手段と、
該発行指示入力手段に発行指示が入力されると前記記憶手段に記憶された印刷情報データに基づいて、手形類、表紙、受領票および発行依頼書の各用紙にそれぞれ所定の印刷を行う印刷手段とを有する手形類手帳作成システムであって、
前記印刷手段は、各用紙それぞれに印刷を行う際に、一冊の手形類手帳に製本した際の順番を表す頁番号情報を印刷することを特徴とする手形類手帳作成システム。
【請求項2】
前記頁番号情報に、他の手形類手帳と識別するための個別の手帳識別情報を含んでいることを特徴とする請求項1記載の手形類手帳作成システム。
【請求項3】
前記頁番号情報は、バーコードで用紙に印刷されることを特徴とする請求項1または2記載の手形類手帳作成システム。
【請求項4】
前記手形類の枚数情報が入力される枚数情報入力手段および前記発行依頼書の挿入位置情報が入力される挿入位置情報入力手段の少なくともいずれか一方を有し、前記枚数情報入力手段および前記挿入位置情報入力手段の少なくともいずれか一方に入力された情報に基づいて前記印刷手段で印刷する前記頁番号情報を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の手形類手帳作成システム。
【請求項5】
一群の用紙を集積状態で受け入れる受入手段と、
該受入手段に受け入れた前記一群の用紙から用紙を集積方向の一側から順に一枚ずつ繰り出して搬送する搬送手段と、
該搬送手段で搬送中の用紙の前記頁番号情報を読み取る読取手段と、
該読取手段で読み取った後の用紙を前記搬送手段による搬送順に重ねた状態とする集積手段と、
前記読取手段の読取結果から用紙が適正であるか否かを判定し、判定結果を報知する報知手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の手形類手帳作成システム。
【請求項6】
前記読取手段で、一冊の手形類手帳に製本した際に最終頁となる用紙を検出すると、該最終頁となる用紙が前記集積手段に至るタイミングで前記搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させる停止制御手段を有することを特徴とする請求項5記載の手形類手帳作成システム。
【請求項7】
前記停止制御手段は、前記読取手段で適正でない用紙を検出すると、前記搬送手段による繰り出しおよび搬送を停止させるとともに、前記報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項6記載の手形類手帳作成システム。

【図1】
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【公開番号】特開2010−39750(P2010−39750A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201801(P2008−201801)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000116079)ローレルバンクマシン株式会社 (82)
【Fターム(参考)】