説明

手摺り用子柱および手摺りの取付方法

【課題】後付けを可能とした手摺りの子柱、およびその子柱を使用して階段の手摺りを短時間で取付けることのできる取付方法を提供する。
【解決手段】階上と階下に立設した二本の親柱3の間に手摺り1を掛け渡して取付けた後に、手摺り1と階段の踏み板4との間に取付けることのできる子柱において、上端部11aが手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入し、下端部11bが踏み板4上面に形成したホゾ穴Hに嵌入する子柱本体11と、その子柱本体11の略上半部と略下半部に昇降自在に嵌装される筒状の上部装飾部材12および下部装飾部材13とで構成する。上部装飾部材12を、子柱本体11を手摺り1と踏み板4との間に取付けた後に持ち上げその上端面を手摺り1の下面に固定し、下部装飾部材13の下端面を踏み板4の上面に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の階段やバルコニーや吹き抜け部分に設置される手摺りの子柱、および当該子柱を備えた手摺りの取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅等の階段には、通常、手摺りを取り付けるが、木製の手摺りを取り付ける場合、その手摺りを構成する子柱は次のように製造され取り付けられている。
(1)子柱の製造
工場において無垢または集成材の丸棒または角材を加工して製造するが、丸棒や角材そのままではデザインに変化が少なく単調であるため、通常は「ロクロ」と称される加工装置で、それらを回転させながら様々な模様を形成する。また、角材の場合にも、丸棒と同様に横溝を数条加工する場合がある。更に、上下両端部を角材のような形状とし、中央部分を丸棒形状としたいわゆる折衷型も多く製造されている。
【0003】
しかし、木材は人工林にて植林されたものであっても、いわゆる「生物」なので、節、割れ、腐れ、その他各種の欠点が含まれているのが一般的である。従って、鉄やプラスチック板のような完全均一材料を得るのは不可能である。手摺り用の子柱には長さ1m程度で50mm角程度の無欠点材が必要とされるが、この中に、節、割れ、腐れ等が一部に含まれているだけで、不良品とされる場合もあり、分留りが低いという問題がある。
【0004】
(2)子柱の取付け
手摺りの取付けは、図15(a),(b)に示すように、施工現場で実際の住宅に合わせて1本ずつ鑿と金槌で子柱30にホゾTを形成した後、図16に示すように、踏み板4(またはボーダー)に立設し、そのホゾTを手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入して固定している。これは住宅によって階段の傾斜が微妙に異なるために、予め工場などで一定のホゾTやホゾ穴Hを加工することが困難であるという理由による。
【0005】
近年ではCAD等を用いて設計図からこの傾斜角度、間隔、その他の寸法を正確に算出し、コンピューターに連動した加工装置で正確に加工を行なうことも一般化しつつある。これによって現場での作業は大幅に軽減されている。
【0006】
しかし、施工現場においては、最初に親柱20を取付け、次いで子柱30、最後に手摺り1を取付けるといった旧来の方法がそのまま行なわれている。具体的には以下の通りである。
a.親柱20を取付ける。
b.子柱30の上下両端部にホゾTを形成する。
c.子柱30下端部のホゾTを、踏み板4上に予め形成したホゾ穴Hに嵌合する。
d.子柱30を全て取付けた後、手摺り1の下部に開けられたホゾ穴Hに、子柱30上端部のホゾTが嵌合するように合わせる。
e.手摺り1を上から軽く叩いて、嵌合が十分となるようにする。
f.手摺り1の左右両端部を、親柱20や壁に固定する。
【0007】
階段の手摺り1は、作業上の安全のため、可能な限り短期間で取付けることが好ましいが、上記のような施工上の煩雑さがあるため取付けに多大の時間を要し、そのため他の作業に支障が生じる場合もあった。
【0008】
取付けに多大の工時間を要する具体的な理由は、以下の通りである。
(1)子柱の後付けができない。
手摺りを、親柱と子柱を施工した後に取付ける必要があり、かつ、全ての子柱(通常の階段では12〜24本)の上端部をほぼ同時に手摺りの裏面に開けたホゾ孔に嵌合しなければならない。この作業は手摺りを浮かせた状態で、子柱の上端部を一つずつ確実に嵌合していかなければならないので、極めて面倒であり、多くの時間を要する。
【0009】
従来、こうした問題を解決するために、手摺りを先に取付けた後、伸縮式の子柱を縮めた状態で取付け、伸長させる手段が提案されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
【特許文献1】特開平06−280366号公報
【特許文献2】実開昭60−73726号公報
【特許文献3】実開昭56−157241号公報
【特許文献4】実公平07−21702号公報
【0010】
しかし、こうした手段は、取付け自体は簡単となる反面、多数の金具が必要であり、構造も複雑で、調整範囲が狭く、長年の使用で次第に緩んで子柱が脱落する恐れがある。
【0011】
また、手摺りの裏面やボーダーに溝を設け、子柱を斜めに滑らせて取り付け、後で溝に埋め木を埋設する手段も提案されている(例えば、特許文献5、6、7参照)。
【特許文献5】実用新案登録第2598314号
【特許文献6】特開昭54−146427号公報
【特許文献7】特開平09−256586号公報
【0012】
こうした手段は、手摺りの裏面やボーダーに溝が必要であり、手摺りを取付けた後、この溝を埋設する面倒な作業が必要となる。また、溝を埋設すると、その部分が外観面として現れるため見栄えを損なう恐れもある。
従って、子柱を、簡単な構造とし後付けすることができれば、手摺りの取付けを外観を損なうことなく容易かつ短時間で行うことができることになる。
【0013】
(2)子柱と手摺りとの間に隙間が生じ易い。
木製の手摺りは、工業的に生産された集成材であっても、水分の変動等で多少の伸縮や反り等の寸法変化を生じ易い。子柱の長さを設計通りに正確に切断加工した場合でも、これらの寸法変化に対応できない場合があり、その場合は隙間が形成され外観性を損なう。例えば、従来の子柱は、特許文献2乃至4に記載の伸縮式や、特許文献6および7などのように手摺りの裏面に溝を設置した場合以外は殆ど、隙間の変化に対応できなかった。この点も、手摺りの取付けに大きく影響を及ぼす。
【0014】
(3)ホゾ加工が困難である。
階段の傾斜に合わせて、手摺りと子柱のホゾを斜めに加工しなければならないので、現場で多大の手間を必要とする。また、加工精度が悪いと隙間が目立ち外観性を損なう。
【0015】
こうした問題を解決するために、手摺りに金具を取り付け、これに子柱を取り付ける手段が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【特許文献8】実公平05−5963号公報 しかし、この手段は、金具が露出して外観性を損ない、木製の手摺りにおいて違和感が現出されてしまい易い。
【0016】
また、子柱の下端部にボーダーとの隙間を塞ぐ蓋状の覆いを設けた手段もあるが(例えば、特許文献9、10参照)、いわゆる「隙間隠し」の手法であり外観上好ましくない。
【特許文献9】実開昭57−101225号公報
【特許文献10】実公平07−15950号公報
【0017】
さらに、ホゾを着脱式のダボとしたものもあるが(例えば、特許文献11参照)、これは、階段の傾斜に合わせて定規を設置した鋸で切断すれば正確に傾斜角に合わせることが可能ではあるものの、手摺りとボーダーとの間隔が変化した場合には隙間となってしまう恐れがある。
【特許文献11】実開昭62−11937号公報
【0018】
(4)木材の不良率が高い。
前述したように木材は「生物」なので、全長1m程度の中でも、割れ、節、変色、ピンホールその他の欠点が存在することがある。こういった場合、欠点の場所や程度によってはそれが1箇所だけでも不良品となる。補修や塗装で目立たなくすることも可能であるが、万全ではない。通常、5〜10%程度は不良品となっている。こうした点も、手摺りの取付けに大きく影響する。
【0019】
(5)多くの種類が必要となる。
一つの形状で一つの型にしか対応できないので、おのずと多数の形状を準備しておかなければならず、在庫数も多く必要となる。例えば、1枚の踏み板上に2本ずつ子柱を立設する場合は、傾斜している手摺りに対応させるために長さの異なる2本の子柱を必要とする。これも、手摺りの取付けに悪影響を及ぼす。
【0020】
(6)分留りが悪く、加工が面倒である。
例えば、上下両端部が角断面、中央部分が円断面の場合は、加工時に削り落とされる部分が多く、分留りが悪くなる。しかも、一旦、角断面に加工後、あらためて円断面に加工しなければならないので、極めて面倒な加工を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
そこで、本発明の目的とするところは、後付けを可能とした子柱、およびその子柱を使用して手摺りを容易かつ短時間で取付けることのできる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の手摺り用子柱(10)は、階段用の手摺り(1)と、階段の踏み板(4)または踏み板(4)に隣接して設けられたボーダー(5)との間に取付けることのできる子柱であって、
上端部(11a)が、前記手摺り(1)の下面に形成したホゾ穴(H)に嵌入すると共に、下端部(11b)が、前記踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に形成したホゾ穴(H)に嵌入する子柱本体(11)と、
前記子柱本体(11)の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺り(1)の下面に固定可能な筒状の上部装飾部材(12)と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項2に記載の手摺り用子柱(10)は、前記子柱本体(11)の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に固定可能な筒状の下部装飾部材(13)を更に備えることを特徴とする。
【0024】
さらに、請求項3に記載の手摺り用子柱(10)は、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺り(1)と、その手摺り(1)下部の床面(70)に設置された基台(71)との間に取付けることのできる子柱であって、
上端部(11a)が、前記手摺り(1)の下面に形成したホゾ穴(H)に嵌入すると共に、下端部(11b)が、前記基台(71)の上面に形成したホゾ穴(H)に嵌入する子柱本体(11)と、
前記子柱本体(11)の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺り(1)の下面に固定可能な筒状の上部装飾部材(12)と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0025】
また、請求項4に記載の手摺り用子柱(10)は、前記子柱本体(11)の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記基台(71)の上面に固定可能な筒状の下部装飾部材(13)を更に備えることを特徴とする。
【0026】
また、請求項5に記載の手摺り用子柱(10)は、前記子柱本体(11)の前記上部装飾部材(12)が嵌装する前記略上半部を円柱形状としたことを特徴とする。
【0027】
また、請求項6に記載の手摺り用子柱(10)は、前記上部装飾部材(12)を角筒形状としたことを特徴とする。
【0028】
さらに、請求項7に記載の手摺りの取付方法は、上端部(11a)が、階段用の手摺り(1)の下面に形成したホゾ穴(H)に嵌入すると共に、下端部(11b)が、踏み板(4)または踏み板(4)に隣接して設けられたボーダー(5)の上面に形成したホゾ穴(H)に嵌入する子柱本体(11)と、該子柱本体(11)の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材(12)と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材(13)を備える子柱(10)を使用して階段の手摺り(1)を取付ける方法であって、
階上と階下のそれぞれに親柱(3)を立設して、該二本の親柱(3)の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴(H)を形成した手摺り(1)を掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体(11)の上端部(11a)を、前記手摺り(1)のホゾ穴(H)に嵌入した後、前記子柱本体(11)の下端部(11b)を前記踏み板(4)またはボーダー(5)のホゾ穴(H)に嵌入して、前記子柱(10)を前記手摺り(1)と踏み板(4)またはボーダー(5)との間に取付け、
前記上部装飾部材(12)を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺り(1)の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材(13)を下側に下げるように移動してその下端面を踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に固定してなることを特徴とする。
【0029】
また、請求項8に記載の手摺りの取付方法は、上端部(11a)が、階段用の手摺り(1)の下面に形成したホゾ穴(H)に嵌入すると共に、下端部(11b)が、踏み板(4)または踏み板(4)に隣接して設けられたボーダー(5)の上面に形成したホゾ穴(H)に嵌入する子柱本体(11)と、該子柱本体(11)の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材(12)と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材(13)を備える子柱(10)を使用して階段の手摺り(1)を取付ける方法であって、
階下に親柱(3)を立設するとともに、階上の壁(50)に台座(51)を取付け、前記親柱(3)と台座(51)の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴(H)を形成した手摺り(1)を掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体(11)の上端部(11a)を、前記手摺り(1)のホゾ穴(H)に嵌入した後、前記子柱本体(11)の下端部(11b)を前記踏み板(4)またはボーダー(5)のホゾ穴(H)に嵌入して、前記子柱(10)を前記手摺り(1)と踏み板(4)またはボーダー(5)との間に取付け、
前記上部装飾部材(12)を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺り(1)の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材(13)を下側に下げるように移動してその下端面を踏み板(4)またはボーダー(5)の上面に固定してなることを特徴とする。
【0030】
また、請求項9に記載の手摺りの取付方法は、上端部(11a)が、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺り(1)の下面に形成したホゾ穴(H)に嵌入すると共に、下端部(11b)が、前記手摺り(1)下部の床面(70)に設置された基台(71)の上面に形成したホゾ穴(H)に嵌入する子柱本体(11)と、該子柱本体(11)の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材(12)と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材(13)を備える子柱(10)を使用して手摺り(1)を取付ける方法であって、
立設された二本の親柱(3)の間,立設された一本親柱(3)と壁(50)に取付けられた台座(51)の間,および、隣接する壁(50)にそれぞれ取付けられた台座(51)の間,のうちいずれか一つの間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴(H)を形成した手摺り(1)を掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体(11)の上端部(11a)を、前記手摺り(1)のホゾ穴(H)に嵌入した後、前記子柱本体(11)の下端部(11b)を前記基台(71)のホゾ穴(H)に嵌入して、前記子柱(10)を前記手摺り(1)と基台(71)との間に取付け、
前記上部装飾部材(12)を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺り(1)の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材(13)を下側に下げるように移動してその下端面を基台(71)の上面に固定してなることを特徴とする。
【0031】
なお、カッコ内の記号は図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0032】
本発明の請求項1に記載の手摺り用子柱によれば、子柱本体の略上半部に昇降自在に筒状の上部装飾部材を嵌装し、さらに請求項2に記載の手摺り用子柱によれば、子柱本体の略下半部に昇降自在に同じく筒状の下部装飾部材を嵌装したので、階上と階下に立設した二本の親柱の間に手摺りを掛け渡して取付けた後に、手摺りと階段の踏み板との間、または手摺りとボーダーとの間に当該子柱を取付けることができる。従って、手摺りの取付けを容易かつ短時間で行うことができる。
すなわち、従来のように、すべての子柱を立設した後、それらの上端部に形成した複数のホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて取付けるといった面倒な工程を必要としないので、短時間で容易に取付けることができる。なお、子柱を取付ける前に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に発揮させることができ、安全性の点からも好ましい。
【0033】
また、請求項1,請求項2に記載の手摺り用子柱は、以下の効果を併せて発揮する。
(1)子柱と手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)との間に隙間が生じない。
子柱本体を手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)の間に取付けた後、上部装飾部材の上端面を手摺りの下面に固定し、下部装飾部材の下端面を踏み板(あるいはボーダー)の上面に固定するので、手摺りおよび踏み板(あるいはボーダー)に形成したホゾ穴を完全に覆い隠すことができる。従って、ホゾ穴と手摺りとの間の隙間が視覚されない。
【0034】
(2)ホゾを形成する必要がない。
子柱本体は、その上端部と下端部をホゾ穴に嵌入するので、ホゾを形成する必要がない。また、手摺りおよび踏み板(またはボーダー)に形成するホゾ穴は、子柱本体が円柱形状の場合は、それに対応して単純形状の丸穴で良い。従って、ホゾ穴の形成もきわめて容易である。
また、少なくとも上部装飾部材は、通常、手摺りの傾斜に合わせて斜めに切断する必要があるが、例えば、図10に示すように、子柱本体から抜き出して切断することができるので、施工現場での加工が容易である。
【0035】
(3)不良率が低い。
外観に現れる子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材は、それぞれ別体成形するので小型であり、欠陥を除いた端材からでも成形することができる。従って、完全無欠点の木材でなくても使用可能であり、不良率が低くなる。例えば、上部装飾部材および下部装飾部材は、多少の割れや変色程度ならば何ら支障なく使用できる。
【0036】
(4)組合わせによって多種の子柱を成形できる。
同一の踏み板上に2本ずつ子柱を立設する場合、2本の長さが異なっても、一方の子柱本体の長さを短く切断して、上部装飾部材および下部装飾部材の位置を移動すれば容易に対応できる。
また、従来のように単一材料から製造された子柱では1種類しか対応できないが、本発明では、子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材をそれぞれ異なった樹種、材質、色別の材料から製造することもできる。例えば、従来は同一材質の同一色を用いていたが、子柱本体と上部装飾部材および下部装飾部材の色や樹種を意図的に変更したり、金属やプラスチック材料を木目仕上げにして用いることもできる。従って、組合わせによって、あらゆる種類の子柱を成形することができる。
【0037】
(5)分留りが高く、加工が容易である。
例えば、子柱本体を円柱形状とし、上部装飾部材および下部装飾部材を角筒形状とする場合、両者は別工程で製造するので、それぞれを最良の分留りでの木取りが可能である。従って、木材の無駄が減少する。また、それぞれを別の装置で製造するので、同一材を複数の加工装置にて加工する必要がなく、加工作業が容易となる。
【0038】
また、請求項3,請求項4に記載の発明によれば、階段用の手摺りだけでなく、バルコニーや吹き抜け部分に設置される手摺りと、その手摺り下部の床面に設置された基台との間に取付けることのできる支柱に対しても適用することができる。
【0039】
また、請求項5に記載の発明によれば、子柱の上部装飾部材が嵌装する略上半部を円柱形状としたので、当該上部装飾部材を自在に回転させることができる。
従って、当該上部装飾部材を固定する際の位置決め調整を容易に行うことができ、手摺りの取付けをさらに容易かつ短時間で行うことができる。
【0040】
また、請求項6に記載の発明によれば、上部装飾部材を角筒形状としたので、より装飾性を高めることができる。
【0041】
さらに、請求項7に記載の手摺りの取付方法によれば、二本の親柱の間に手摺りを掛け渡して取付けた後、子柱を手摺りと踏み板またはボーダーとの間に取付け、その後、上部装飾部材の上端面を手摺りの下面に固定すると共に、下部装飾部材の下端面を踏み板またはボーダーの上面に固定するので、手摺りを容易に短時間で取付けることができる。
すなわち、従来のように、複数の子柱を取付けた後に、それらの上端部に形成したホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて嵌め込むといったきわめて厄介な作業を必要としないので、取付けが容易であり、かつ短時間で行うことができる。また、親柱を取付けた直後に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に確保することができ、安全性にも優れる。
【0042】
また、請求項8に記載の手摺りの取付方法によれば、請求項7のように、手摺りを二本の親柱の間に掛け渡して取付けるのではなく、手摺りを階下に立設した一本の親柱と、階上の壁に取付けられた台座との間に掛け渡して取付ける場合であっても、請求項7のように、従来のように、複数の子柱を取付けた後に、それらの上端部に形成したホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて嵌め込むといったきわめて厄介な作業を必要としないので、取付けが容易であり、かつ短時間で行うことができる。また、親柱を取付けた直後に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に確保することができ、安全性にも優れる。
【0043】
また、請求項9に記載の手摺りの取付方法によれば、請求項7,8のように、階段用の手摺りではなく、バルコニーや吹き抜け部分に設置される手摺りと、その手摺り下部の床面に設置された基台との間に子柱を嵌め込み、手摺りを取付ける場合にも適用される。
すなわち、従来のように、複数の子柱を取付けた後に、それらの上端部に形成したホゾを、手摺りの下面に形成した複数のホゾ穴に合わせて嵌め込むといったきわめて厄介な作業を必要としないので、取付けが容易であり、かつ短時間で行うことができる。また、子柱を取付ける前に手摺りを取付けるので、手摺りとしての機能を早期に確保することができ、安全性にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1乃至図9を参照して本発明の実施形態に係る手摺り用子柱10について説明する。図1は、当該子柱10を取付けた階段の手摺り1を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る子柱10を示す斜視図であり、図3は、図2に示す子柱10の分解斜視図である。従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0045】
この手摺り用子柱10は、木造住宅の階段において、階上(2階)と階下(1階)に立設した二本の親柱の間に手摺り1を掛け渡して取付けた後に、取付けられた手摺り1と階段の踏み板4との間に取付けられるものであり、子柱本体11、上部装飾部材12および下部装飾部材13とで構成される。なお、子柱10は、図4に示すように、踏み板4に隣接して設けられたボーダー5に取り付けることもできる。
【0046】
子柱本体11は、その全体を略円柱形状とし、上端部11aが手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入すると共に、下端部11bが踏み板4(またはボーダー5)の上面に形成したホゾ穴Hに嵌入する。また、上部装飾部材12は、子柱本体11の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状であり、下部装飾部材13は、子柱本体11の略下半部に昇降自在に嵌装された同じく筒状である。
【0047】
そして、図6乃至図9に示すように、上部装飾部材12は、子柱本体11を手摺り1と踏み板4またはボーダー5との間に取付けた後において、上側に持ち上げるように移動してその上端面が手摺り1の下面に固定されるものであり、下部装飾部材13は、下側に下げるように移動してその下端面が踏み板4またはボーダー5の上面に固定されるものである。
【0048】
本実施形態においては、子柱本体11の上部装飾部材12と下部装飾部材13が嵌装する略上半部と略下半部を円柱形状とし、当該上部装飾部材12および下部装飾部材13の双方を角筒形状としている。なお、上部装飾部材12および下部装飾部材13のうち一方のみを角筒形状とすることもできる。
【0049】
こうした子柱10は有する手摺り1は、本実施形態に係る手摺りの取付方法によって取付けることができる。
すなわち、まず、図5に示すように、階上(2階)と階下(1階)のそれぞれに親柱3を立設した後、当該二本の親柱3の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴Hを形成した手摺り1を掛け渡して取付ける。
続いて、図6に示すように子柱本体11の上端部11aを手摺り1のホゾ穴Hに嵌入した後、下端部11bを踏み板4のホゾ穴Hに嵌入し、当該子柱10を手摺り1と踏み板4の間に取付ける。
そして、図7に示すように、上部装飾部材12を持ち上げてその上端面を手摺り1の下面に釘や接着剤によって固定すると共に、下部装飾部材13を下げてその下端面を踏み板4の上面に同じく釘や接着剤によって固定する。これによって、図1に示す手摺り1とすることができる。なお、子柱10をボーダー5に取付ける場合にも、図8および図9に示すように同様の手順で行う。
【0050】
この子柱10および手摺りの取付方法においては、手摺り1を取付けた後に子柱10を取付けるので、従来のように、すべての子柱10を立設した後、そられの上端部に形成したホゾTを、手摺り1の下面に形成した複数のホゾ穴Hに合わせて取付けるといったきわめて面倒な工程を必要としない。従って、短時間で容易に取付けることができる。また、子柱10を取付ける前に手摺り1を取付けるので、手摺り1としての機能を早期に発揮させることができ、安全性の点からも好ましい。
【0051】
また、本実施形態では、子柱10の略上半部と略下半部を円柱形状としたので、そこに嵌装する上部装飾部材12および下部装飾部材13を自在に回転させることができ、上部装飾部材12および下部装飾部材13を固定する際の位置決め調整を容易に行うことができる。従って、手摺り1の取付けをさらに容易かつ短時間で行うことができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、上部装飾部材12および下部装飾部材13の双方を角筒形状としているので略円柱形状の子柱本体11との相対効果によって高い装飾性を発揮する。
【0053】
なお、子柱10は、その下端部11bを階段の踏み板4に取付ける場合は、図6および図7に示すように、下部装飾部材13の下端面を水平面とし、ボーダー5に取付ける場合には、図8および図9に示すように傾斜面とする必要がある。また、上部装飾部材12の上端面は、通常、図6乃至図9に示すように手摺り1の傾斜角度に対応した傾斜面とする必要がある。
【0054】
なお、本実施形態に係る手摺り用子柱10は、以下の効果を併せて発揮する。
(1)子柱10と手摺り1および踏み板4(あるいはボーダー5)との間に隙間が生じない。
子柱本体11を手摺り1および踏み板4の間に取付けた後に、上部装飾部材12の上端面を手摺り1の下面に固定し、下部装飾部材13の下端面を踏み板4等の上面に固定するので、手摺り1および踏み板4等に形成したホゾ穴Hを完全に隠すことができる。従って、ホゾ穴Hと手摺り1との間の隙間が外から見えない。
【0055】
(2)ホゾを形成する必要がない。
子柱本体11は、その上端部11aと下端部11bをホゾ穴Hに嵌入するので、ホゾTを形成する必要がない。また、手摺り1および踏み板4に形成するホゾ穴Hは、子柱本体11が円柱形状の場合は、それに対応して単純形状の丸穴で良い。従って、ホゾ穴Hの形成もきわめて容易である。
また、少なくとも上部装飾部材12は、通常、手摺り1の傾斜に合わせて斜めに切断する必要があるが、図10に示すように、子柱本体11から抜き出して切断することができるので、施工現場での加工を容易に行うことができる。
【0056】
(3)不良率が低い。
外観に現れる子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13は、それぞれ別体成形するので小型であり、欠陥を除いた端材からでも成形することができる。従って、完全無欠点の木材でなくても使用可能であり、不良率が低下する。
【0057】
(4)組合わせによって多種の子柱10を成形できる。
同一の踏み板4上に2本ずつ子柱10を立設する場合、2本の長さが異なっても、一方の子柱本体11の長さを短く切断して、上部装飾部材12および下部装飾部材13の位置を移動すれば容易に対応できる。
また、子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13をそれぞれ異なった樹種、材質、色別の材料から製造することもできる。例えば、子柱本体11と上部装飾部材12および下部装飾部材13の色や樹種を意図的に変更したり、金属やプラスチック材料を木目仕上げにして用いることもできる。従って、組合わせによって、あらゆる種類の子柱10を成形することができる。
【0058】
(5)分留りが高く、加工が容易である。
例えば、子柱本体11を円柱形状とし、上部装飾部材12および下部装飾部材13を角筒形状とする場合、両者は別工程で製造するので、それぞれを最良の分留りでの木取りが可能である。従って、木材の無駄が減少する。また、それぞれを別の装置で製造するので、同一材を複数の加工装置にて加工する必要がなく、加工作業が容易となる。
【0059】
なお、本実施形態に係る手摺り用子柱10は、図1に示したように、階上と階下のそれぞれに立設した二本の親柱3間に掛け渡して取付けた手摺り1と、踏み板4またはボーダー5との間に取付けるようにしたが、図11に示すように、階下に立設した一本の親柱3と、階上の壁50に取付けられた台座51との間に掛け渡して取付けた手摺り1と、踏み板4またはボーダー5との間に取付けるようにすることもできる。
【0060】
また、本実施形態に係る手摺り用子柱10は、図1乃至図11に示したように、階段用の手摺りに適用した場合を示したが、図12乃至図14に示すように、バルコニーや吹き抜け部分に設置される手摺りに対しても適用することができる。
すなわち、この場合の手摺り用子柱10は、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺り1と、その手摺り1下部の床面70に設置された基台71との間に取付けることのできる子柱であって、上端部11aが、前記手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入すると共に、下端部11bが、前記基台71の上面に形成したホゾ穴Hに嵌入する子柱本体11と、前記子柱本体11の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺り1の下面に固定可能な筒状の上部装飾部材12と、さらに、前記子柱本体11の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記基台71の上面に固定可能な筒状の下部装飾部材13を備えるものである。
【0061】
また、その手摺りの取付方法は、上端部11aが、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺り1の下面に形成したホゾ穴Hに嵌入すると共に、下端部11bが、前記手摺り1下部の床面70に設置された基台71の上面に形成したホゾ穴Hに嵌入する子柱本体11と、該子柱本体11の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材12と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材13を備える子柱10を使用して手摺り1を取付ける方法であって、
図12に示したように、立設された二本の親柱3の間,あるいは、図13に示したように、立設された一本親柱3と壁50に取付けられた台座51の間,あるいは、隣接する壁50にそれぞれ取付けられた台座51の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴Hを形成した手摺り1を掛け渡して取付けた後、前記子柱本体11の上端部11aを、前記手摺り1のホゾ穴Hに嵌入した後、前記子柱本体11の下端部11bを前記基台71のホゾ穴Hに嵌入して、前記子柱10を前記手摺り1と基台71との間に取付け、前記上部装飾部材12を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺り1の下面に固定すると共に、前記下部装飾部材13を下側に下げるように移動してその下端面を基台71の上面に固定するものである。
【0062】
また、本実施形態に係る手摺り用子柱10では、上部装飾部材12を、子柱本体11の略上半部に昇降自在に嵌装し、さらに、下部装飾部材13を、子柱本体11の略下半部に昇降自在に嵌装するようにしたが、下部装飾部材13については、子柱本体11に固定し、上部装飾部材12だけを子柱本体11の略上半部で昇降自在にして、上部装飾部材12によって手摺り1との隙間を埋めるようにするようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る子柱は、階段の手摺りだけでなく、手摺りに似た格子状装飾材等にも適用できる。また、この子柱は、手摺りを取付け後に取り付けることができるので、その利点を生かして、新築物件のみならず、既存の手摺りの子柱が破損等で交換する必要がある場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す斜視図である(踏み板に取付けたもの)。
【図2】本発明の実施形態に係る子柱を示す斜視図である。
【図3】図2に示す子柱の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す斜視図である(ボーダーに取付けたもの)。
【図5】本発明の実施形態に係る手摺りの取付方法を示す説明図である(子柱を取付ける前の状態を示す)。
【図6】本発明の実施形態に係る手摺りの取付方法を示す説明図である(子柱を踏み板に取付ける状態を示す)。
【図7】本発明の実施形態に係る手摺りの取付方法を示す説明図である(子柱を踏み板に取付け終わった状態を示す)。
【図8】本発明の実施形態に係る手摺りの取付方法を示す説明図である(子柱をボーダーに取付ける状態を示す)。
【図9】本発明の実施形態に係る手摺りの取付方法を示す説明図である(子柱をボーダーに取付け終わった状態を示す)。
【図10】本発明の実施形態に係る手摺りにおいて、上部装飾部材を切断する状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す斜視図である(親柱と壁の間に設けた手摺りとボーダーとの間に取付けたもの)。
【図12】本発明の別の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す正面図である(親柱間に設けた手摺りと基台との間に取付けたもの)。
【図13】本発明の別の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す正面図である(親柱と壁の間に設けた手摺りと基台との間に取付けたもの)。
【図14】本発明の別の実施形態に係る子柱を取付けた階段の手摺りを示す正面図である(隣接する壁の間に設けた手摺りと基台との間に取付けたもの)。
【図15】従来例に係る子柱を示す斜視図である。
【図16】従来例に係る手摺りの取付方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 手摺り
3 親柱
4 踏み板
5 ボーダー
10 子柱
11 子柱本体
11a 上端部
11b 下端部
12 上部装飾部材
13 下部装飾部材
20 親柱
30 子柱
50 壁
51 台座
70 床面
71 基台
T ホゾ
H ホゾ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段用の手摺りと、階段の踏み板または踏み板に隣接して設けられたボーダーとの間に取付けることのできる子柱であって、
上端部が、前記手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、前記踏み板またはボーダーの上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、
前記子柱本体の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺りの下面に固定可能な筒状の上部装飾部材と、を少なくとも備えることを特徴とする手摺り用子柱。
【請求項2】
前記子柱本体の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記踏み板またはボーダーの上面に固定可能な筒状の下部装飾部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の手摺り用子柱。
【請求項3】
バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺りと、その手摺り下部の床面に設置された基台との間に取付けることのできる子柱であって、
上端部が、前記手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、前記基台の上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、
前記子柱本体の略上半部に昇降自在に嵌装され、上側への移動によりその上端面を、前記手摺りの下面に固定可能な筒状の上部装飾部材と、を少なくとも備えることを特徴とする手摺り用子柱。
【請求項4】
前記子柱本体の略下半部に昇降自在に嵌装され、下側への移動によりその下端面を、前記基台の上面に固定可能な筒状の下部装飾部材を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の手摺り用子柱。
【請求項5】
前記子柱本体の前記上部装飾部材が嵌装する前記略上半部を円柱形状としたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の手摺り用子柱。
【請求項6】
前記上部装飾部材を角筒形状としたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の手摺り用子柱。
【請求項7】
上端部が、階段用の手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、踏み板または踏み板に隣接して設けられたボーダーの上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、該子柱本体の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材を備える子柱を使用して階段の手摺りを取付ける方法であって、
階上と階下のそれぞれに親柱を立設して、該二本の親柱の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴を形成した手摺りを掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体の上端部を、前記手摺りのホゾ穴に嵌入した後、前記子柱本体の下端部を前記踏み板またはボーダーのホゾ穴に嵌入して、前記子柱を前記手摺りと踏み板またはボーダーとの間に取付け、
前記上部装飾部材を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺りの下面に固定すると共に、前記下部装飾部材を下側に下げるように移動してその下端面を踏み板またはボーダーの上面に固定してなることを特徴とする手摺りの取付方法。
【請求項8】
上端部が、階段用の手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、踏み板または踏み板に隣接して設けられたボーダーの上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、該子柱本体の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材を備える子柱を使用して階段の手摺りを取付ける方法であって、
階下に親柱を立設するとともに、階上の壁に台座を取付け、前記親柱と台座の間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴を形成した手摺りを掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体の上端部を、前記手摺りのホゾ穴に嵌入した後、前記子柱本体の下端部を前記踏み板またはボーダーのホゾ穴に嵌入して、前記子柱を前記手摺りと踏み板またはボーダーとの間に取付け、
前記上部装飾部材を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺りの下面に固定すると共に、前記下部装飾部材を下側に下げるように移動してその下端面を踏み板またはボーダーの上面に固定してなることを特徴とする手摺りの取付方法。
【請求項9】
上端部が、バルコニーや吹き抜け部分で設置される手摺りの下面に形成したホゾ穴に嵌入すると共に、下端部が、前記手摺り下部の床面に設置された基台の上面に形成したホゾ穴に嵌入する子柱本体と、該子柱本体の略上半部に昇降自在に嵌装された筒状の上部装飾部材と、略下半部に昇降自在に嵌装された筒状の下部装飾部材を備える子柱を使用して手摺りを取付ける方法であって、
立設された二本の親柱の間,立設された一本の親柱と壁に取付けられた台座の間,および、隣接する壁にそれぞれ取付けられた台座の間,のうちいずれか一つの間に、下面の所定箇所に複数のホゾ穴を形成した手摺りを掛け渡して取付けた後、
前記子柱本体の上端部を、前記手摺りのホゾ穴に嵌入した後、前記子柱本体の下端部を前記基台のホゾ穴に嵌入して、前記子柱を前記手摺りと基台との間に取付け、
前記上部装飾部材を上側に持ち上げるように移動してその上端面を手摺りの下面に固定すると共に、前記下部装飾部材を下側に下げるように移動してその下端面を基台の上面に固定してなることを特徴とする手摺りの取付方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2007−170078(P2007−170078A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370464(P2005−370464)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000145437)株式会社ウッドワン (70)
【Fターム(参考)】