説明

手術台のテーブル

【課題】手術台のテーブルを起倒操作する際患者の頚椎に大きな負担が掛からないようにする。
【解決手段】手術台の基台上にコラムを介してテーブル基部が乗せられ、このテーブル基部上にテーブルが乗せられ、このテーブルにおける少なくとも背支持部と腰支持部との間が屈曲自在とされる。背支持部4bと腰支持部4cとの間の距離を変更しうる接離機構が設けられ、背支持部が腰支持部に対し上方向に回動する際に、接離機構によって腰支持部と背支持部とが相対的に離反し、背支持部が腰支持部に対し下方向に回動する際に、接離機構によって腰支持部と背支持部とが相対的に接近する。これにより、患者の頭を固定したままで背支持部を起こしたり倒したりした場合における頚椎の圧迫が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルの背支持部の回動運動に連動してテーブルの腰支持部と背支持部との間の距離を変更しうる手術台のテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
手術台のテーブルは、一般に頭支持部、背支持部、腰支持部及び脚支持部を含んでおり、少なくとも背支持部と腰支持部との間が屈曲自在とされる(例えば、特許文献1,2参照。)。患者をテーブルの上に乗せ、手術の内容等に応じて背支持部と腰支持部との間を屈曲させることによって、患者の位置及び姿勢を変えることができるようにしようというものである。
【0003】
ところが、外科手術においてテーブルの頭支持部に患者の頭部を乗せてピン等で固定した状態にし、そのままテーブルの背支持部を上げ下げすると、患者の頸等に負担がかかり、頸椎が圧迫されたり、損傷を受けたりするおそれがある。また、患者をテーブルの上に乗せたままで背支持部を急激に起こしたりすると、患者の皮膚が引っ張られたり、擦られたりして内出血や褥瘡が引き起こされる場合がある。
【0004】
従来、このような不具合を防止するため、テーブルの上に柔らかいマットやクッションを敷いてその上に患者を乗せるようにしている。かくすることにより患者を乗せたままで背支持部を起こしたり、寝かせたりしても、患者の頸に大きな力が加わらないようにし、頸椎等が損傷を受けないようにすることができる。また、患者の皮膚に掛かる負荷がマットやクッションに吸収されるようにし、内出血や褥瘡の発生を防止することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−305091号公報
【特許文献2】特開2007−7302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のテーブル上にマット、クッション等柔らかいものを敷く方法によっても、頸椎の負担を軽減したり、損傷を防止したりするうえで不十分な場合がある。また、内出血や褥瘡の発生を適正に防止することも困難である場合がある。また、マット等を厚くすることも考えられるが、その場合は手術に支障を来たす場合がある。
【0007】
したがって、本発明は上記問題点を解決することができる手術台のテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、基台上にコラムを介してテーブル基部が乗せられ、このテーブル基部上にテーブルが乗せられ、このテーブルにおける少なくとも背支持部と腰支持部との間が屈曲自在とされた手術台のテーブルにおいて、上記背支持部と上記腰支持部との間の距離を変更しうる接離機構が設けられ、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記接離機構によって上記腰支持部と上記背支持部とが相対的に離反し、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記接離機構によって上記腰支持部と上記背支持部とが相対的に接近するようにした手術台のテーブルを採用する。
【0010】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の手術台のテーブルにおいて、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記接離機構によって、上記テーブル基部上で上記腰支持部が上記背支持部から離反する方向にスライドし、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記接離機構によって、上記テーブル基部上で上記腰支持部が上記背支持部に接近する方向にスライドするようにしたものとすることができる。
【0011】
請求項3に記載されるように、請求項1又は請求項2に記載の手術台のテーブルにおいて、上記接離機構が、上記テーブル基部に取り付けられたピストン・シリンダ装置と、このピストン・シリンダ装置のピストンロッドの両端を上記背支持部と上記腰支持部にそれぞれ連結する連動機構とを具備し、上記ピストン・シリンダ装置の駆動によって、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記腰支持部が上記背支持部から離反する方向にスライドし、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記腰支持部が上記背支持部に接近する方向にスライドするようにしたものとすることができる。
【0012】
請求項4に記載されるように、請求項3に記載の手術台のテーブルにおいて、上記ピストン・シリンダ装置のピストンロッドの一端を上記背支持部に連結する連動機構が、ピストンロッドの直線運動を上記背支持部の回動軸の回動運動に変換するクランク機構であり、上記ピストンロッドの他端を上記腰支持部に連結する連動機構が、ピストンロッドの直線運動を上記腰支持部のスライド運動に変換するレバー機構であるものとすることができる。
【0013】
請求項5に記載されるように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の手術台のテーブルにおいて、上記テーブルが頭支持部、背支持部、腰支持部及び脚支持部を含んでおり、頭支持部又は脚支持部が他の頭支持部又は脚支持部と交換可能とすることができる。
【0014】
請求項6に記載されるように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の手術台のテーブルにおいて、少なくとも上記背支持部又は上記腰支持部がマットレスを有し、このマットレスが上記接離機構によってスライド可能であるものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、患者の頭部をテーブル側に固定したままで背支持部を起こしたり倒したりしても、患者の頸に大きな力が加わらないようにして、頸椎等が圧迫されたり損傷を受けたりしないようにすることができる。また、患者をテーブルの上に乗せたままで背支持部を起こしたり倒したりしても、患者の皮膚が引っ張られたり、縮められたり、擦られたりすることがなく、したがって内出血や褥瘡の発生が好適に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
図1乃至図3に示すように、この手術台は、手術室の床上に置かれる基台1と、基台1上から起立するコラム2と、コラム2上に取り付けられるテーブル基部3と、テーブル基部3上に乗せられるテーブル4とを含んだ構成となっている。
【0018】
基台1は手術室の床上に静置され、コラム2は基台1内に設けられる図示しない駆動源からの動力の供給を受けて基台1上で上下に屈伸動作可能である。テーブル基部3はコラム2の上端に取り付けられ、その上にテーブル4を保持する。テーブル4は、コラム2の屈伸動作に伴い上下方向に移動可能であり、また、コラム2上で傾斜、旋回等も可能である。これらの動作をテーブル4に行わせるための機構はテーブル基部3内に収納されているが、その説明及び図示は省略する。
【0019】
テーブル4は、この実施の形態では頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4dを含んでいる。
【0020】
頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4dは、この実施の形態ではそれぞれ板状に形成されるが、手術、治療の内容に応じて他の構造の支持部と付け替えられる。例えば、頭支持部4a、脚支持部4dは、アクセサリーと称される各種構造を有した他の頭支持部、脚支持部と交換可能である。頭支持部4aと交換可能なアクセサリーとしては、頭をピンで固定する固定具があり、脚支持部4dと交換可能なアクセサリーとしては、牽引器、移動式骨盤台等がある。
【0021】
図1および図2に示すように、頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4dに、患者5の頭5a、背5b、腰5c、脚5dがそれぞれ乗るようになっている。また、頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4dの各々の上には、図示しないがマット又はクッションからなるマットレスが必要に応じて面ファスナ等によって固定され、その上に患者5が乗せられる。この実施の形態では、頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4dが各々板状に形成されるが、これら頭支持部4a、背支持部4b、腰支持部4c及び脚支持部4d自体をマットレスとして構成することも可能である。
【0022】
テーブル4の頭支持部4aと背支持部4bの相互間、腰支持部4cと脚支持部4dの相互間は、図示しないが、屈曲可能にピン結合され、また、ロック装置により所望の位置関係で固定可能である。
【0023】
テーブル4の頭支持部4aは、この実施の形態では板状のものが用いられているが、患者の頭5aを手術する場合は、頭5aをテーブルに対して固定するためにアクセサリーとして用意された他の頭支持部と付け替えられる。その場合用いる頭支持部は、図示しないが、たとえば頭5aを囲むリングとリングに放射状に螺合する複数本のピンとを具備する。リングを背支持部4b側に連結し、ピンをリング上で螺進退させることによりピンの先端を頭5aに当てて、頭5aをテーブルに対し定位置に固定することができる。これにより、頭5aの外科手術を適正に行うことができる。
【0024】
テーブル4の背支持部4bは、図1、図3及び図4に示すように、テーブル基部3に回動軸6を介して上下に回動可能に連結される。
【0025】
テーブル4の腰支持部4cは、図1、図3、図4及び図5に示すように、背支持部と腰支持部との間の距離を変更しうる接離機構を介することにより、テーブル基部3上にスライド可能に乗せられる。
【0026】
すなわち、図5に示すように、テーブル基部3の左右には腰支持部4cが乗るスライド案内レール7が固定され、テーブル基部3と一体化される。各スライド案内レール7にはテーブル4の長さ方向に沿って伸びる溝7aが形成され、この溝7a内に腰支持部4cから下方に突出するブラケット状の突起8が挿入される。腰支持部4cは突起8が溝7aに案内されることにより、テーブル基部3上をテーブル4の長さ方向にスライド可能である。
【0027】
図5及び図6に示すように、上記スライド案内レール7の下側はテーブル基部3と一体の筐体9として形成され、各筐体9内には油圧式のピストン・シリンダ装置10がテーブル4の長さ方向に固定される。ピストン・シリンダ装置10のシリンダの両端からはピストンロッド11の一端11aと他端11bがそれぞれ突出し、ピストンロッド11の一端11aと他端11bが背支持部4bと腰支持部4cにそれぞれ連動機構を介して連結される。
【0028】
ピストンロッド11の一端11aを背支持部4bに連結する連動機構は、具体的にはピストンロッド11の直線運動を、回動軸6を介した背支持部4bの回動運動に変換するクランク機構として構成される。すなわち、ピストンロッド11の先端にクランクアーム12の先端がピン13で連結され、クランクアーム12の他端が背支持部4bの回動軸6に固定される。これにより、ピストンロッド11が往復直線運動を行うと、背支持部4bが回動軸6を支点にして上下方向に回動運動を行う。
【0029】
ピストンロッド11の他端11bを腰支持部4cに連結する連動機構は、具体的にはピストンロッド11の直線運動を腰支持部4cのスライド運動に変換するレバー機構として構成される。すなわち、ピストンロッド11の他端11bにレバー14の一端がピン15で連結され、レバー14の他端が腰支持部4cのブラケット8にピン16で連結される。そして、レバー14の中間が上記筐体9に支点ピン17で枢着される。これにより、ピストンロッド11が往復直線運動を行うと、腰支持部4cがスライド案内レール7上で往復スライド運動を行う。
【0030】
左右の筐体9内にそれぞれ収納されたピストン・シリンダ装置10は図示しない制御装置によって同期的に駆動するように制御される。
【0031】
両ピストン・シリンダ装置10が起動し、ピストンロッド11の一端11aが背支持部4b側へと伸動作すると、図6、図7及び図8に示すように、クランクアーム12が回動軸6の回りを時計方向aに回動し、同時に背支持部4bも時計方向aに回動して腰支持部4cに対し起立しようとする。また、同時にピストンロッド11の他端11bは背支持部4b側へと縮動作し、レバー14が支点ピン17の回りを時計方向に回動し、腰支持部4cが背支持部から離反する方向Aにスライドする。
【0032】
これにより、図1及び図3から明らかなように、患者5はその背側の皮膚が引っ張られたり擦られたりすることなく仰臥状態から屈曲状態に姿勢を変えることができる。また、患者の頭5aが上述したようにピン等でテーブル4に固定されている場合にあっても、頸に大きな負荷が掛かることもない。
【0033】
逆に、ピストンロッド11の一端が背支持部4bと反対側へ縮動作すると、図8、図7及び図6に示すように、クランクアーム12が回動軸6の回りを反時計方向bに回動し、背支持部4bも上昇位置から腰支持部4cと同じ高さの位置へと反時計方向bに回動する。また、同時にピストンロッド11の他端11bは背支持部4cと反対側へ伸動作し、レバー14が支点ピン17の回りを反時計方向に回動し、腰支持部4cが背支持部4b側に接近する方向Bにスライドする。
【0034】
また、ピストンロッド11の一端が背支持部4bと反対側へ更に縮動作すると、図9に示すように、クランクアーム12が回動軸6の回りを更に反時計方向bに回動し、背支持部4bも腰支持部4cと同じ高さの位置から更に反時計方向bに回動する。これにより、テーブル4上の患者5の上半身は下半身よりも下側に傾斜する。また、同時にピストンロッド11の他端11bは背支持部4cと反対側へ更に伸動作し、レバー14が支点ピン17の回りを更に反時計方向に回動し、腰支持部4cが背支持部4b側に接近する方向Bに更にスライドする。
【0035】
このように、患者5はテーブル4の操作によって座位、半座位、仰臥位、反り返り等各種の体位に強制的に変えられても、体位変更時に背支持部4bと腰支持部4cとが相対的接離運動を行うので、その背側の皮膚が縮められたり擦られたりすることがない。また、患者の頭5aが上述したようにテーブル4に固定されている場合にあっても、頸に大きな負荷が掛かることもない。
【0036】
次に、上記手術台の作用について説明する。
【0037】
(1)図1及び図2に示すように、患者5がテーブル4上で仰臥位にあるときに、患者5の上半身を図3に示すように起こして患者5の体位を座位又は半座位へと変えようとする場合、術者等が制御装置を操作することによって、左右の筐体9内のピストン・シリンダ装置10が起動する。
【0038】
両ピストン・シリンダ装置10の起動によって、ピストンロッド11の一端11aが図6の位置から、図7の位置を経て図8の位置へと背支持部4b側へ伸動作する。
【0039】
ピストンロッド11の伸動作と同時にクランクアーム12が回動軸6の回りを時計方向aに回動し、背支持部4bが腰支持部4cに対し上方向に回動する。
【0040】
また、同時にピストンロッド11の他端11bが図6の位置から、図7の位置を経て図8の位置へと背支持部4b側へと縮動作する。
【0041】
ピストンロッド11の縮動作と同時にレバー14が支点ピン17の回りを時計方向に回動し、腰支持部4cが背支持部4bから離反する方向Aにスライドする。
【0042】
これにより、図1及び図3に示すように、患者5はその背側の皮膚が引っ張られたり擦られたりすることなく仰臥位から半座位又は座位へとその姿勢を変える。
【0043】
また、例えば患者5の頭5aに対して外科手術を行う場合は、図1乃至図4に示した頭支持部4aに代えて、ピン、リング等を有したアクセサリーと称される他の構造の頭支持部(図示せず)がテーブル4に取り付けられる。このように患者の頭5aがピン等によりテーブル4に固定されている場合であっても、患者5はその頸に大きな力を加えられることなく仰臥位から半座位又は座位へとその姿勢を変える。
【0044】
(2)図3に示すように、患者5がテーブル4上で上半身が起き上がって半座位又は座位の状態にあるときに、図1及び図2に示すように仰臥位に変えようとする場合、術者等が制御装置を操作することによって、左右の筐体9内のピストン・シリンダ装置10が逆方向に起動する。
【0045】
両ピストン・シリンダ装置10の逆方向への起動によって、ピストンロッド11の一端11aが図8の位置から、図7の位置を経て図6の位置へと背支持部4bと反対側へ縮動作する。
【0046】
ピストンロッド11の一端11aの縮動作と同時にクランクアーム12が回動軸6の回りを反時計方向bに回動し、背支持部4bも同じく反時計方向bすなわち下方向に回動し、腰支持部4cに対し同じ高さになる。
【0047】
また、同時にピストンロッド11の他端11bが図8の位置から、図7の位置を経て図6の位置へと背支持部4b側へと伸動作する。
【0048】
ピストンロッド11の他端11bの伸動作と同時にレバー14が支点ピン17の回りを反時計方向bに回動し、腰支持部4cが背支持部4b側に接近する方向Bにスライドする。
【0049】
これにより、図1及び図3に示すように、患者5はその背側の皮膚が縮まったり擦られたりすることなく半座位又は座位から仰臥位にその姿勢を変える。
【0050】
また、外科手術において患者5の頭5aが上記アクセサリーのピン或いはその他の手段によってテーブル4に固定されている場合であっても、患者5はその頸に大きな力を加えられることなく半座位又は座位から仰臥位にその姿勢を変える。
【0051】
(3)患者5が図1に示すような仰臥位にあるときに、術者等が制御装置を操作することによって、左右の筐体9内のピストン・シリンダ装置10を更に逆方向に動作させることも可能である。
【0052】
この場合、図9に示すように、左右両ピストン・シリンダ装置10の逆方向への起動によって、ピストンロッド11の一端11aが図6の位置から、図9の位置へと背支持部5bと反対側へ縮動作する。
【0053】
ピストンロッド11の一端11aの縮動作と同時にクランクアーム12が回動軸6の回りを反時計方向bに回動し、背支持部4bも同じく反時計方向bすなわち下方向に回動し、腰支持部4cに対し低くなる。
【0054】
また、同時にピストンロッド11の他端11bが図6の位置から図9の位置へと背支持部4b側へと伸動作する。
【0055】
ピストンロッド11の他端11bの伸動作と同時にレバー14が支点ピン17の回りを反時計方向bに回動し、腰支持部4cが背支持部4b側に接近する方向Bにスライドする。
【0056】
これにより、患者5はその背側の皮膚が縮まったり擦られたりすることなく仰臥位から反り返った体位にその姿勢を変える。
【0057】
また、患者5の頭5aがテーブル4に固定されている場合であっても、患者5はその頸に大きな力を加えられることなく仰臥位から反り返った体位にその姿勢を変える。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記実施の形態では腰支持部等を動作させる駆動源としてシリンダ・ピストン装置を用いたが、モータ等他の駆動源を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るテーブルを具備した手術台を示す正面図である。
【図2】図1に示す手術台の平面図である。
【図3】図1中、背支持部を上方向に起こした状態で示す手術台の正面図である。
【図4】手術台のテーブルを一部分解して示す斜視図である。
【図5】図4中、要部の拡大図である。
【図6】図2中、VI−VI線矢視断面図である。
【図7】背支持部を少し上方に傾斜させた状態を示す図6と同様な断面図である。
【図8】背支持部を更に上方に傾斜させた状態を示す図7と同様な断面図である。
【図9】背支持部を腰支持部よりも下方に傾斜させた状態を示す図8と同様な断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1…基台
2…コラム
3…テーブル基部
4…テーブル
4a…頭支持部
4b…背支持部
4c…腰支持部
4d…脚支持部
6…回動軸
10…ピストン・シリンダ装置
11…ピストンロッド
11a,11b…ピストンロッドの両端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上にコラムを介してテーブル基部が乗せられ、このテーブル基部上にテーブルが乗せられ、このテーブルにおける少なくとも背支持部と腰支持部との間が屈曲自在とされた手術台のテーブルにおいて、上記背支持部と上記腰支持部との間の距離を変更しうる接離機構が設けられ、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記接離機構によって上記腰支持部と上記背支持部とが相対的に離反し、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記接離機構によって上記腰支持部と上記背支持部とが相対的に接近するようにしたことを特徴とする手術台のテーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の手術台のテーブルにおいて、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記接離機構によって、上記テーブル基部上で上記腰支持部が上記背支持部から離反する方向にスライドし、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記接離機構によって、上記テーブル基部上で上記腰支持部が上記背支持部に接近する方向にスライドするようにしたことを特徴とする手術台のテーブル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の手術台のテーブルにおいて、上記接離機構が、上記テーブル基部に取り付けられたピストン・シリンダ装置と、このピストン・シリンダ装置のピストンロッドの両端を上記背支持部と上記腰支持部にそれぞれ連結する連動機構とを具備し、上記ピストン・シリンダ装置の駆動によって、上記背支持部が上記腰支持部に対し上方向に回動する際に、上記腰支持部が上記背支持部から離反する方向にスライドし、上記背支持部が上記腰支持部に対し下方向に回動する際に、上記腰支持部が上記背支持部に接近する方向にスライドするようにしたことを特徴とする手術台のテーブル。
【請求項4】
請求項3に記載の手術台のテーブルにおいて、上記ピストン・シリンダ装置のピストンロッドの一端を上記背支持部に連結する連動機構が、ピストンロッドの直線運動を上記背支持部の回動軸の回動運動に変換するクランク機構であり、上記ピストンロッドの他端を上記腰支持部に連結する連動機構が、ピストンロッドの直線運動を上記腰支持部のスライド運動に変換するレバー機構であることを特徴とする手術台のテーブル。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の手術台のテーブルにおいて、上記テーブルが頭支持部、背支持部、腰支持部及び脚支持部を含んでおり、頭支持部又は脚支持部が他の頭支持部又は脚支持部と交換可能であることを特徴とする手術台のテーブル。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の手術台のテーブルにおいて、少なくとも上記背支持部又は上記腰支持部がマットレスを有し、このマットレスが上記接離機構によってスライド可能であることを特徴とする手術台のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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