説明

打抜用型

【課題】最大隙間距離が固定された材料通し隙間を形成できるとともに、メンテナンス性によい打抜用型を提供する。
【解決手段】打抜動作完了直後でも可動型支持弾性体8によって、押し離される可動型は締付手段6に当り止められるとともに、圧縮された可動型支持弾性体8の弾性反発力によって締付手段6に直接的にないし間接的に強く押し付けられるので、締付手段6に当って戻ろうとする動作が可動型支持弾性体8の強力な弾性押し付け力によってキャンセルされて、可動型は最大隙間距離位置に微動することなく停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の材料や板状材の材料から四角形(ICカード、クレジットカード、ゲームカード、名刺など)、多角形、円形(紙カップ形態のアイスクリーム容器の円形の嵌蓋、牛乳瓶の紙製嵌蓋、紙製あるいは合成樹脂製のカップラーメン容器の開口縁に溶着、融着、接着などにより付着されたシート状ないし板状の蓋など)、複雑な形(動物などの絵柄プレートないしシート、ロゴプレートないしシート、)などの形成材を打抜形成する打抜用型に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)打抜装置のベースに固定される4本の案内シャフトを立設した固定型と、この固定型の上方に設けられた、打抜装置のハンマーにより下降可動され、かつ、固定型との間に設けられた圧縮コイルバネの弾性復元力により前記4本の案内シャフトに支持案内され上昇可動する可動型とからなり、
固定型は、ベースに固定される固定枠体、この固定枠体に設けられた上下方向に貫通する固定側案内孔、この固定側案内孔にベースに載置する形態で収納されたウレタンゴム塊製の固定側弾性体、この固定側弾性体の上に載置され形態で固定側案内孔に収納され、かつ、パンチアウト上面を固定枠上面と同一面とされたパンチアウトとからなり、
可動型は、上下に貫通した固定側案内孔と同一形状の可動側案内孔を有する可動側下部型、この可動側下部型の上部に設けられた、可動側案内孔と同一の弾性側孔を有する可動側弾性体、この可動側弾性体の上部に載置する鍔部を有するとともに、弾性側孔および可動側案内孔を通りその下面を可動側下部型の下面と同一面とされたパンチとからなっていて、
固定型と可動型の間で、4本の案内シャフトには前記圧縮コイルバネが取り付けられ、可動型をその反発付勢弾性力(反発付勢力)によって押し上げて、固定型と可動型間に材料通し隙間を形成し、
厚み0.1mm、0.2mmというような薄いシートからなる材料から打ち抜かれ形成される形成材の形態が、形成材の外周一辺に小凹部が3箇所形成された形態であり、抜き済み材の形態が、抜き後開口部の内周一辺に前記小凹部の形成に伴い形成された小凸部が3箇所形成されてなる形態であり、
ハンマーの戻り動作によるパンチの戻り動作に伴って沈み状態のパンチアウトは、固定側弾性体の復元により固定型上面と打抜面を同一面とする状態に戻り、それにより形成材が抜き済み材の打抜後開口内に戻り、抜き済み材と形成材が一体となって型外に送られ、その際に抜き済み材の打抜後開口の小凸部に形成材の小凹部が引っ掛かり、抜き済み材から形成材が外れることなく送り出されるという打抜用型が知られている。(例えば:特許文献1 特開2006−315159号公報)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−315159号公報(図5、図6、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術は次に述べるような欠点を有するものであった。
(1)非打抜時は固定型からハンマーは離れているので、非打抜時の材料通し隙間の形成は、固定型側から立ち上げられて可動型を上下移動可能に支持している4本のシャフトに通され、固定型と可動型の間に位置され該固定型と該可動型を非打抜時においてはその反発付弾性力よって離す圧縮コイルばねの最大膨張位置によるものであり、可動型の上方移動は開放状態にあるものである。
材料通し隙間は可動型を単に載せて置いているだけの圧縮コイルばねによって決められるので、ハンマー打ち下ろし終了直後は圧縮コイルばねの伸縮動作で可動型が上下に振れるため、材料通し隙間幅が安定しないものである。このため、長期間の使用で圧縮コイルばねの付勢力が弱まってくると材料通し隙間が狭くなってくる。この材料通し隙間の狭まりが材料が通らない狭さにならないように、また、圧縮コイルバネの伸縮動作による上下移動で、打抜直後に可動型が抜き済み材や形成材に当らないようにするために、そのことを予め考慮して、材料通し隙間を十分に広くしておかなければならないものである。
よって、0.1mm、0.2mmというような狭い隙間ではハンマー開放時に圧縮コイルバネの戻り反発で可動型が上下に振れ可動して形成材に当ってしまう、最大隙間距離が変化しない材料通し隙間が形成できないという欠点があった。
(2)また、特許文献1の技術は、材料から打ち抜かれた形成材は、抜き済み材の打抜跡開口部内に戻され、形成材が打抜跡開口部に収納されたままの状態で型外に搬送されるものであった。
しかるに、特許文献1の技術にあっては、前記(1)で述べたように、0.1mm、0.2mmというような狭い材料通し隙間を形成することができないものであったために、可動型が抜き済み材や形成材に当らないようにするには材料通し隙間を1mm以上にしなければならないものであったため、材料が0.1mm、0.2mmなどという薄い場合は、抜き済み材の打抜跡に形成材が入らないことがおきる危険がある、抜き済み材や形成材に反がある場合があるなどによって、型内の移送時に形成材が打抜跡から外れた状態となって搬送されることが生じ、その場合の形成材は所定の配列位置からずれた状態となり、形成材の一部が材料と重なった状態で搬送部のローラ等に挟持されてしまう。
よって、形成材が損傷して不良品が生じてしまう、また、所定の配列箇所からズレた状態の形成材配置になってしまうことが生じ、そのため、例えば、打抜配置位置と同じ配置とされた形成材重ね収納部位に収納できない形成材が生じてしまう危険があるという欠点を有するものであった。
(3)特許文献1の発明は、前記(2)の問題を解決するために、屑材の打抜跡に形成材が引っ掛かりずれないようにするために、形成材の外周には小凹が形成されるという欠点を有するものであった。
【0005】
本発明は以上のような従来技術に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、最大隙間距離が変化しない材料通し隙間を形成できるとともに、メンテナンス性のよい打抜用型を提供するにある。
また、第2の目的は、前記第1の目的に加えて、型内において抜き済み材に形成材が重なる危険のない打抜用型を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
<請求項1記載の発明>
打抜装置のベースに固定される固定型と、
この固定型と対向関係で該固定型に向かって可動可能とされた可動型と、
前記固定型あるは前記可動型に設けられた、前記固定型と前記可動型の間に位置された材料から所定の形状の形成材を打ち抜く、押し抜くないし切り抜くパンチアウトと、
前記固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型と前記可動型の間に形成された前記材料を通すための材料通し隙間と、
前記可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型である。
装置のベースはベース面が上向きのものもあれば、下向きのものもあり、上向きのものでは固定型は下となり可動型は固定型の上に位置し、下向きのものでは固定型は上となり可動型は固定型の下に位置する。また、可動型と固定型が横向きとされる形態も技術的範疇に含む。
打ち抜く材料は、主にシート状のもの板状のものであり、具体的な例としては、金属製材料、紙製材料、合成樹脂製材料、ゴム製材料、不織布、織物、食品材料など多様なものがあり、その形状も多様なものがある。
材料から形成材を打ち抜くパンチアウトとは、打ち抜く動作形態のパンチアウト、押し抜く動作形態のパンチアウト、切り抜く切抜刃からなるパンチアウトなど、可動型の直線可動動作による直線可動動作によって材料から形成材を抜き形成する動作形態のものをいう。
<請求項2記載の発明>
打抜装置のベースに固定される、固定側パンチアウトあるいは材料から形成材を打ち抜く固定側パンチを有してなる固定型と、
この固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型に対向して配置された、前記固定型との間に前記材料を通すための材料通し隙間を形成し、前記固定側パンチアウトを押し沈めて前記材料隙間に通された前記材料から前記形成材を打ち抜く可動側パンチあるいは前記固定側パンチに押し沈められる可動側パンチアウトを有してなる可動型と、
この可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型である。
装置のベースはベース面が上向きのものもあれば、下向きのものもあり、上向きのものでは固定型は下となり可動型は固定型の上に位置し、下向きのものでは固定型は上となり可動型は固定型の下に位置する。また、可動型と固定型が横向きとされる形態も技術的範疇に含む。
打ち抜く材料は、主にシート状のもの板状のものであり、具体的な例としては、金属製材料、紙製材料、合成樹脂製材料、ゴム製材料、不織布、織物、食品材料など多様である。
材料から形成材を打ち抜くパンチアウトとは、打ち抜く動作形態のパンチアウト、押し抜く動作形態のパンチアウト、切り抜く切抜刃からなるパンチアウトなど、可動型の直線可動動作による直線可動動作によって材料から形成材を抜き形成する動作形態のものをいう。
<請求項3記載の発明>
固定型の固定型側シャフト取付け部を固定型側シャフト通し孔とし、
可動型の可動型側シャフト取付け部を可動型側シャフト通し孔ないし可動型側ネジ孔とし、
連結シャフトの固定型取付け部を固定型取付け雄ネジない固定型取付けネジ孔とし、
前記連結シャフトの可動型取付け部を、前記可動側ネジ孔に螺号する雄ネジないし前記可動型側シャフト通し孔からの抜けを阻止する抜け止め部とし、
締付手段を、前記連結シャフトの固定型取付け雄ネジに螺合されるナットからなる、あるいは、前記固定型取付けネジ孔に螺合されるボルトからなる締付手段としてなるとともに、
前記可動型の締め付け移動および可動型支持弾性体の圧縮調節は、前記締付手段によってなされるようにしたことを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の打抜用型である。
<請求項4記載の発明>
材料通し隙間の最大隙間距離が、材料の1枚の厚みよりも広くかつ該材料の2枚の厚みよりも狭い隙間距離であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の打抜用型である。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
打抜装置のベースに固定される固定型と、
この固定型と対向関係で該固定型に向かって可動可能とされた可動型と、
前記固定型あるは前記可動型に設けられた、前記固定型と前記可動型の間に位置された材料から所定の形状の形成材を打ち抜く、押し抜くないし切り抜くパンチアウトと、
前記固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型と前記可動型の間に形成された前記材料を通すための材料通し隙間と、
前記可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
固定型と可動型をその弾性力によって離している可動型支持弾性体は、可動型の締付手段の締め付け移動によって圧縮されてその弾性反発力を強められた状態とされている。よって、打抜完了して可動型支持弾性体に押し離される可動型は締付手段に直接的ないし関節的(ワッシャ−等が間に介在する場合)当り止められるとともに、圧縮された可動型支持弾性体の弾性反発力によって締付手段に強く押し付けられるので、締付手段に当って戻ろうとする動作が可動型支持弾性体の強力な弾性押し付け力によってキャンセルされて、可動型は最大隙間距離位置に微動することなく停止される。すなわち、可動型が打抜直後の戻り動作時に固定型側に動く動作を規制阻止する可動型支持弾性体の強い制振制動力によって、可動型を制動する制動規制力を実現したので、0.1mm、0.2mm、0.3mmというような狭い最大隙間距離の材料通し隙間としても、可動型は抜き済み材や形成材に当ることがなく、よって、0.1mmというような狭い最大隙間距離に規制された材料通し隙間の打抜用型を可能にするという効果を奏する。
すなわち、これによって、0.1mmというような薄い材料の抜き跡に形成材を確実に戻し入れ、かつ、抜き跡から形成材が抜けることなく型外に移送できる、材料通し隙間0.15mmというような狭い最大隙間距離の材料通し隙間の打抜用型を実現するものである。
また、材料通し隙間の距離が狭いので、可動型の可動時間が短く、その分生産性の高い打抜用型を実現するという効果を奏する。
また、可動型ないし固定型と可動型支持弾性体との間にワッシャを入れるという低コストで簡単な操作によって、可動型支持弾性体の弾性力を最適なものにできるなどの調節ができるという効果を奏する。
また、固定型と可動型は連結シャフト、可動型支持弾性体および締付手段によって連結一体化(以下「連結一体化型状態」という。)とされるので、メンテナンス期間が来たら、メンテナンスをする固定型と可動型を連結一体化型状態のまま打抜装置のベースから外し、最大隙間距離を設定されメンテナンス済み連結一体化型状態のものを打抜装置のベースに固定するだけメンテナンスが完了できる。すなわち、メンテナンス時は材料通し隙間距離の調節などの一切の調節をしない、打抜装置のベースへの単なる入れ替え作業だけという簡単、短時間でメンテナンスが完了される。よって、装置の停止時間を短時間にでき、生産停止時間を短時間にでき、また、メンテナンスコストを安価にできるという効果を奏する。
また、メンテナンス期間となった型は連結一体化型状態のまま、メンテナンス工場に運びそこで必要な研磨、新刃の形成等を行い組立て所望の最大隙間距離に設定して連結一体化型状態で保管しておけばよい。
また、締付手段の締め付けによる可動型の移動によって材料通し隙間を形成するものであるので、最大隙間距離のゲージになるもの(打ち抜く材料を2枚重ねたもの、打ち抜く材料とそれより薄い材料を重ねたものなどでよい)を入れた状態で、ナットを締め付けるだけで、所望の材料通し隙間距離を簡単、素早く、安価に設定できるという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
打抜装置のベースに固定される、固定側パンチアウトあるいは材料から形成材を打ち抜く固定側パンチを有してなる固定型と、
この固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型に対向して配置された、前記固定型との間に前記材料を通すための材料通し隙間を形成し、前記固定側パンチアウトを押し沈めて前記材料隙間に通された前記材料から前記形成材を打ち抜く可動側パンチあるいは前記固定側パンチに押し沈められる可動側パンチアウトを有してなる可動型と、
この可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型であるので、このような構成としても前記請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
固定型の固定型側シャフト取付け部を固定型側シャフト通し孔とし、
可動型の可動型側シャフト取付け部を可動型側シャフト通し孔ないし可動型側ネジ孔とし、
連結シャフトの固定型取付け部を固定型取付け雄ネジない固定型取付けネジ孔とし、
前記連結シャフトの可動型取付け部を、前記可動側ネジ孔に螺号する雄ネジないし前記可動型側シャフト通し孔からの抜けを阻止する抜け止め部とし、
締付手段を、前記連結シャフトの固定型取付け雄ネジに螺合されるナットからなる、あるいは、前記固定型取付けネジ孔に螺合されるボルトからなる締付手段としてなるとともに、
前記可動型の締め付け移動および可動型支持弾性体の圧縮調節は、前記締付手段によってなされるようにしたことを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の打抜用型であるので、このような構成としても前記請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
材料通し隙間の最大隙間距離が、材料の1枚の厚みよりも広くかつ該材料の2枚の厚みよりも狭い隙間距離であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の打抜用型であるので、請求項1、2、3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
形成材が抜かれた抜き済み材の抜き跡にパンチアウトの戻し動作で形成材が戻された状態にあって、材料通し隙間の最大隙間距離が材料の一枚よりも狭い隙間距離であるので、材料通し隙間内では形成材が抜き跡から外れる危険の無い安全な状態で材料通し隙間外に送りだすことができるという効果を奏する。
これにより、形成材を抜き跡内にとどめるための凸凹などの必要性がなくなり、縁に凸凹を形成しない形成材とすることができる。
また、抜き跡に形成材を納めた抜き済み材は、材料通し隙間にある間は抜き跡から形成材が抜けることがないので、固定型と可動型を横向きとしよって材料通し隙間を縦隙間とした形態の打ち抜き装置の実現を可能とする。これによると、材料を上方から材料通し隙間に通し下方に排出する打抜装置も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1の組立分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の組立斜視図である。
【図3】本発明の実施例1の組立断面図である。
【図4】本発明の実施例1の打抜動作時の断面図である。
【図5】本発明の実施例1のハンマー開放時の断面図である。
【図6】本発明の実施例2の組立断面図である。
【図7】本発明の実施例3の組立断面図である。
【図8】本発明の実施例4の組立断面図である。
【図9】本発明の実施例4の打抜動作時の断面図である。
【図10】本発明の実施例4のハンマー開放時の断面図である。
【図11】本発明の実施例5の組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態である実施例を説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、後述する実施例の説明にあたって前述した実施例と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
図1〜図5に示す実施例1において、1は打抜用型であって、
この打抜用型1は、
打抜装置のベース2に固定される固定型3と、
この固定型3の上方に上下可動可能に位置された可動型4と、この可動型4と固定型3を連結一体化するための連結シャフト5、5と、
この連結手段5、5に螺合されて可動型4を閉め付ける締付手段6、6と、
連結シャフト5、5に取り付けられ可動型4と固定型3の間に位置されるとともに、締付手段6、6によって絞め付け圧縮された状態とされ、可動型4と固定型3をその弾性反発力によって離し、可動型4と固定型3の間に最大通し隙間距離を締付手段6、6によって規制された材料通し隙間7を形成する可動型支持弾性体8とからなっている。
【0011】
固定型3は次のような構成となっている。
打抜装置のベース2に固定するボルト10を通すネジ通し穴11を四つの角部位に設けた固定型ベース12と、
固定型ベース12の4箇所に設けられた案内シャフト取付けネジ孔13(ネジ穴)と、
案内シャフト取付けネジ孔13、13の間に設けられた、ネジ孔からなる2箇所の固定型側シャフト取付け部14、14と、
固定型ベース12の上部にボルトによって固定されたパンチアウト支持体15と、
このパンチアウト支持体15に上方が開放されて形成されたパンチアウト可動支持凹部16と、
パンチアウト支持体15の上部にボルトで固定され、パンチアウト可動支持凹部16の開放部を塞いで顎部17を形成するとともに、中央にパンチアウト通し案内孔18を設けてなるパンチアウト案内体19と、
パンチアウト可動支持凹部16に納められたウレタンゴム製部材、ニトロゴム製部材などのゴム製弾性体、あるいは圧縮コイルバネなどのパンチアウト側圧縮弾性体20と、
このパンチアウト側圧縮弾性体20の上部に設けられパンチアウト可動支持凹部16に移動可能に収納されるとともに、パンチアウト案内体19によってパンチアウト側圧縮弾性体20を圧縮する形態で、パンチアウト案内体19とパンチアウト側圧縮弾性体20の間に挟持形態とされたパンチアウトフランジ部21と、
このパンチアウトフランジ部21にボルトによって固定され、パンチアウト通し案内孔18に通され、その上面をパンチアウト案内体19の上面と同一面としてなる固定側パンチアウト22とからなるとともに、
固定側パンチアウト22に上部から圧力をかけると、その圧力でパンチアウト側圧縮弾性体20が圧縮され縮み固定側パンチアウト22およびパンチアウトフランジ部21が沈み動作し、圧力から開放されるとパンチアウト側圧縮弾性体20は膨張してパンチアウトフランジ部21および固定側パンチアウト22を浮き動作させて、パンチアウトフランジ部21が顎部17に当り浮き上がりが停止され、固定側パンチアウト22の上面がパンチアウト案内体19の上面と同一面となる。
【0012】
可動型4は次に述べるような構成となっている。
可動型ベース25と、
この可動型ベース25の上部にボルトで固定されたハンマー受け板26と、
可動型ベース25の下部にボルトによって固定されたパンチベース27と、
このパンチベース27の下部にボルトによって固定されたパンチ首部28と、
このパンチ首部28の下部にボルトによって固定されたパンチフランジ部29と、
このパンチフランジ部29の下部にボルトによって固定された可動側パンチ30と、
パンチ首部28を通す首部通し孔31を有するとともに、下面をパンチフランジ部29の上部面が当る顎部32としてなる首部通し体33と、
この首部通し体33の下部にボルトによって固定された、下部にパンチ通し孔34を有し、上部が開放されて凹形成されたフランジ収納部35を有するとともに、その下面を可動側パンチ30の下面と同一面としてなるフランジ収納体36と、
パンチフランジ部29の下部に位置され且つフランジ収納部35に収納されて、パンチフランジ部29を上方に弾性反発付勢力で押し上げ顎部32に付勢押し付け状態にしている、ボルトで締め固定されている首部通し体33によって圧縮されているパンチ側圧縮弾性体37と、
可動型ベース25の4箇所の通し孔に取付けた案内管38による4箇所の案内シャフト通し案内孔39と、
この案内シャフト通し案内孔39、39の間に設けられたシャフト通し孔である2箇所の可動型側シャフト取付け部40、40とからなっている。
【0013】
連結シャフト5、5は、可動型側シャフト取付け部40に通されるストレートシャフトからなる連結シャフト本体45と、この連結シャフト45の一方の側に設けられた固定型3の固定型側シャフト取付け部14に螺合する雄ネジからなる固定型取付け部46と、連結シャフト本体45の他方の側に設けた、可動型ベース25の上部に突出される雄ネジ部位からなる可動型取付け部47と、固定型取付け部46に螺合され該固定型取付け部46の上部に位置されてなるナット48とからなっている。
【0014】
連結シャフト本体45に取り付けられる可動型支持弾性体8は、圧縮コイルバネ、ウレタンゴム製弾性体、ニトロゴム製弾性体などの弾性体本体50と、この弾性体本体50を貫く中空部51とからなり、連結シャフト本体45を中空部51に通して移動可能に連結シャフト5に取り付けられ、固定型3と可動型4の間に位置されて該可動型4を該固定型3からその弾性反発付勢力により離した状態に弾性支持する。
【0015】
4箇所の案内シャフト取付けネジ孔13のそれぞれには、リニアベアリング55を備え下部には雄ネジ58有する案内シャフト56が、雄ネジ58を案内シャフト取付けネジ孔13に螺合し固定立上られ、リニアベアリング55は可動型4の案内シャフト通し案内孔39に通され、可動型4の上下可動を支持案内する。
【0016】
可動型支持弾性体8を取り付けた連結シャフト5の固定型取付け部46を固定型側シャフト取付け部14に固定し、かつ、連結シャフト5を可動型側シャフト取付け部40に通して可動型4を可動型支持弾性体8の上に支持した状態で、可動型4から上部に突き出した可動型取付け部47にワッシャ57を取り付け締付手段6をダブルで螺合し、締付手段6で可動型4を締め付け移動させて可動型支持弾性体8を圧縮し、可動型支持弾性体8の反発付弾性力で固定型3から離れ移動しようとする可動型4の移動をナットからなる締付手段6によって規制するとともに、可動型4と固定型3の間の材料通し隙間7は、材料Aの1枚の厚みよりも広くかつ該材料Aの2枚の厚みよりも狭い最大隙間距離に設定されている。
本実施例では、材料Aの厚み0.25mm、材料通し隙間7の最大隙間距離を、材料Aの0.25mmよりも広くかつ二枚分の0.5mmよりも狭い最大隙間距離とし、具体的には0.3mm〜0.45mmとしている。(カードでは、薄いもので0.25mm程度、クレジットカードなどは0.8mm程度が一般的。カップ麺の容器の付着蓋の厚みは mm程度。)
この状態は可動型4と固定型3が連結一体化されてなる連結一体化型状態である。
【0017】
材料Aが材料通し隙間7に通されセットされる。(図3参照)
ハンマー60が下降しハンマー受け板27に当り、可動型4全体が可動型支持弾性体8の弾性反発力に抗して圧縮しながら下降して行き、フランジ収納体36とパンチアウト案内体19とで、および、可動側パンチ30と固定側パンチアウト22とで材料Aを挟持する状態となって、フランジ収納体36によってパンチアウト案内体19の下降が停止される。
さらにハンマー60は下降してパンチ側圧縮弾性体37を収縮させることで、フランジ収納体36が下降できないで可動側パンチ30が下降して、可動側パンチ30がフランジ収納体36の下面から下方に突き出される。
突き出された可動側パンチ30は固定側パンチアウト22と材料Aを挟持しながら、該固定側パンチアウト22を押し圧する。
押し圧された固定側パンチアウト22によってパンチアウト側圧縮弾性体20が圧縮され縮小して、固定側パンチアウト22はパンチアウト案内体19内に沈み動作(移動)する。
沈み動作によって可動側パンチ30と固定側パンチアウト22によって圧迫挟持されている材料A部分が材料Aから打ち抜かれて形成材Bが形成され、形成材Bが抜かれた抜き跡を有する抜き済み材Cが形成される。(図4参照)
ハンマー60が上昇すると、可動型支持弾性体8の弾性反発力によって可動型4全体がハンマー60に当接した状態で上昇し(ハンマー60の上昇速度より可動型支持弾性体8の弾性反発押し上げ力による可動型4の上昇速度の方が早い)、可動型4は締付手段6に直接的あるいはワッシャ−などを介した間接的に当りその上昇が止められ、材料通し隙間7が0.3mm〜0.45mmの最大隙間距離で止められる。
可動型4の上昇に伴って、パンチ側圧縮弾性体37への圧縮抑え力が開放され、パンチ側圧縮弾性体37は膨張してその弾性反発力でパンチフランジ部29を押し上げ、該パンチフランジ部29と一体の可動側パンチ30も上がり、パンチフランジ部29は顎部32に押し付けられ停止し、可動側パンチ30もパンチ通し孔34内に全部が収まり、その下面がフランジ収納体36の下面と同一面を形成する。
固定型3側では、可動型4および可動側パンチ30の上昇に伴い、パンチアウト側圧縮弾性体20への圧縮圧力が開放されるので、パンチアウト側圧縮弾性体20が膨張してパンチアウトフランジ部21を押し上げ、該パンチアウトフランジ部21の上面が顎部17に当り停止され、パンチアウトフランジ部21の上昇にともない固定側パンチアウト22も形成材Bを載せたままで上昇し、固定側パンチアフト22の上面とパンチアウト案内体19の上面が同一面となり、よって形成材Bは抜き済み材Cの抜け跡に戻る以外に戻り場所がないので確実に抜け跡に戻され、最大通し隙間距離が材料Aの一枚よりも広くかつ2枚よりも狭い0.3mm〜0.45mmの材料通し隙間7により、反りなどがあっても抜け跡から外れられないで収まったまま型外に移送可能とされる。(図5参照)
【0018】
固定型3と可動型4をその弾性力によって離している可動型支持弾性体8は、締付手段6の締め付けによって締め付け移動する可動型4によって圧縮されてその弾性反発力を強められた状態とされている。
よって、打抜動作完了直後でも可動型支持弾性体8によって、押し離される可動型4は締付手段6(ワッシャ−等が間に介在する場合も含む)に当り止められるとともに、圧縮された可動型支持弾性体8の弾性反発力によって締付手段6に直接的にないし間接的(可動型4と締付手段6の間にワッシャ−やリングなど)に強く押し付けられるので、締付手段6に当って戻ろうとする動作が可動型支持弾性体8の強力な弾性押し付け力によってキャンセルされて、可動型4は最大隙間距離位置に微動することなく停止されることを実現している。
すなわち、可動型支持弾性体8による強い制振制動力によって可動型4を制動する制動規制力を実現したので、0.3mm〜0.45mmというような狭い材料通し隙間としても可動型は抜き済み材Cおよび形成材Bに当ることがない。0.1mmというような極めて狭い最大隙間距離に規制された材料通し隙間7であっても打抜可能にできるものである。
これによって、0.25mmというような薄い材料Aの屑材Cの抜き跡に形成材Bを確実に戻し入れ、かつ、抜き跡から形成材Bが抜けることなく型外に移送できる、材料通し隙間0.3mm〜0.45mmというような狭い距離に規制された最大隙間距離の材料通し隙間とした打抜用型を実現するものである。
また、可動型4ないし固定型3と可動型支持弾性体8との間にワッシャを入れるという低コストで簡単な操作によって、可動型支持弾性体8の弾性力を最適なものにできるなどの調節が簡単にできる。
また、固定型3と可動型4は連結シャフト5、可動型支持弾性体8および締付手段6によって連結一体化(以下「連結一体化型状態」という。)とされるので、メンテナンス期間が来たら、メンテナンスをする固定型3と可動型4を連結一体化型状態のまま打抜装置のベース2から外し、最大隙間距離を設定されメンテナンス済み連結一体化型状態のものを打抜装置のベース2に固定するだけメンテナンスが完了となる。
すなわち、メンテナンス時は材料通し隙間距離7の調節などの一切の調節をしない、打抜装置のベース2への連結一体化型状態のものの単なる入れ替え作業だけという簡単、短時間でメンテナンスが完了される。よって、装置の停止時間を短時間にでき、生産停止時間を短時間にでき、また、メンテナンスコストを少なくできるという効果を奏する。
また、メンテナンス期間となった型は連結一体化型状態のまま、メンテナンス工場に運びそこで必要な研磨、新刃の形成等を行い組立て所望の最大隙間距離に設定して連結一体化型状態で保管して、次回交換に備えておけばよい。
また、締付手段6の締め付けによる可動型4の移動によって所望の材料通し隙間7を形成するものであるので、最大隙間距離のゲージになるもの(打ち抜く材料を2枚重ねたもの、打ち抜く材料とそれより薄い材料を重ねたものなどでよい)を入れた状態で、ナットを締め付けるだけで、所望の最大隙間距離の材料通し隙間を簡単、短時間の低コストで設定できる。
【実施例2】
【0019】
図6に示す実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、可動型の構成を可動側パンチに替えて可動側パンチアウトした可動型78とし、固定型の構成を固定側パンチアウトを前記可動側パンチアウトを沈める固定側パンチとした固定型64とし、連結シャフトを締付手段による締め付けを固定型側で行う構成の連結シャフト90としてなる打抜用型63を形成した点にある。
【0020】
打抜用型63の構成を詳細に説明する。(実施例1と変わらない構成については説明を省略する。)
【0021】
固定型64は次に述べるような構成となっている。
固定型ベース12と、
この固定型ベース12の上部にボルトで固定されたパンチ支持体65と、
このパンチ支持体65の上部にボルトによって固定されたパンチ首部66と、
このパンチ首部66の上部にボルトによって固定された、該パンチ首部より太いパンチフランジ部67と、
このパンチフランジ部67の上部にボルトによって固定された、該パンチフランジ部67より細いい固定側パンチ68と、
パンチ首部66を通す首部通し孔69を有するとともに、上部が開放されて凹形成されたパンチフランジ部67を可動可能に収納するフランジ収納部70を有するフランジ収納体71と、
固定側パンチ68を通すパンチ通し孔72を有するとともに、上面を固定側パンチ68の上面と同一面としてなるパンチ案内体73と、
フランジ収納部70内でパンチ案内体73とパンチフランジ部67の間に圧縮挟持状態とされるとともに、パンチフランジ部67をフランジ収納部70の底部面である顎部74に付勢押し付け状態にしているパンチ側圧縮弾性体75とからなっている。
【0022】
可動型78は次のような構成となっている。
可動型ベース25と、
可動型ベース25の下部にボルトによって固定されたパンチアウト支持体79と、
このパンチアウト支持体79に下方が開放されて形成されたパンチアウト可動支持凹部80と、
パンチアウト支持体79の下部にボルトで固定され、パンチアウト可動支持凹部80の開放部を塞いで顎部81を形成するとともに、中央にパンチアウト通し案内孔82を設けてなるパンチアウト案内体85と、
パンチアウト可動支持凹部80に納められたウレタンゴム製部材、ニトロゴム製部材などのゴム製弾性体、あるいは圧縮コイルバネなどのパンチアウト側圧縮弾性体83と、
このパンチアウト側圧縮弾性体83の下部に設けられパンチアウト可動支持凹部80内に移動可能に収納されるとともに、パンチアウト案内体85によってパンチアウト側圧縮弾性体83を圧縮する形態で、パンチアウト案内体85パンチアウト側圧縮弾性体83の間に挟持形態とされたパンチアウトフランジ部84と、
このパンチアウトフランジ部84にボルトによって固定され、パンチアウト通し案内孔82に通され、その下面をパンチアウト案内体85の下面と同一面としてなる可動側パンチアウト86とからなるとともに、
固定側パンチ68で可動側パンチアウト85を下から押し圧すると、その圧力でパンチアウト側圧縮弾性体83が圧縮され縮み、可動側パンチアウト85およびパンチアウトフランジ部84が上に向かって沈み動作し、圧力から開放されるとパンチアウト側圧縮弾性体83は膨張してパンチアウトフランジ部84および可動側パンチアウト85を戻り動作させて、パンチアウトフランジ部84が顎部81に当り動作が停止され、可動側パンチアウト85の下面がパンチアウト案内体82の下面と同一面となるようになっている。
【0023】
連結シャフト90は、可動型支持弾性体8の中空部51に通されるシャフトからなる連結シャフト本体91と、この連結シャフト本体91の上部に設けられたボルトヘッドからなる可動型取付け部92と、連結シャフト本体91の下部に形成されたネジ部からなる固定型側シャフト取付け部93とからなっている。
固定型ベース12の固定型取付け部はネジ通し孔からなる固定型取付け部94となっていて、その下部にはナットからなる締付手段6が入りラチェットなどの締付工具を入れ、締付手段6を締め付け操作できる空間である締付手段収納部95となっている。
可動型78と固定型64の間に可動型支持弾性体8を挟持した状態の、可動型側シャフト取付け部40から固定型取付け部94に連結シャフト90を通し、固定型64と可動型78の間にゲージになるものを入れ、固定型側シャフト取付け部93に締付手段6を螺合させ締め付け、可動型支持弾性体8圧縮し、所望の最大隙間距離の材料通し隙間7を形成し、固定型64と可動型78を連結一体型状態にする。
【実施例3】
【0024】
図7に示す実施例3において、前記実施例1と主に異なる点は、パンチ側圧縮弾性体37をパンチベース27と首部通し体33の間に圧縮挟持する構成とし、可動型25の下降を強制的に止めるストッパー98を設けて下死点隙間102を形成した構成とし、連結シャフトを連結シャフト本体45の上部にネジ孔99を設けてなる連結シャフト100とするとともに、締付手段を可動型側シャフト取付け部40に通してネジ孔99に螺合して可動型25および可動型支持弾性体8を締め付ける締付手段101としてなる打抜用型97を形成した点にある。
【0025】
連結シャフトの下部にネジ孔を設けてボルトからなる締付手段を螺合し締め付ける形態とするのもよい。
【実施例4】
【0026】
図8〜図10に示す実施例4において、前記実施例1と主に異なる点は、固定型を固定型105とし、可動型を可動型106とした打抜用型107を形成した点にある。
固定型105は、固定ベース12と、この固定ベース12の上部にボルトで固定された、上面にパンチ入り溝108を有するパンチ受け体109とからなっている。
可動型106は、可動型ベース25と、この可動型ベース25の下部にボルトで固定された、材料Aから形成材Bを打ち抜く(切り抜く)打抜刃(=切抜刃)からなるパンチ110を下面から突出させる形態で設けてなるパンチ固定体111と、このパンチ固定体111の下面にパンチ110の外側面および内側面を覆うように設けられ、かつ、該パンチ110の刃幅よりも厚みのある合成樹脂製弾性部材あるいはゴム製弾性体からなるパンチ110の外側に設けられた外側材料抑え弾性体112と、パンチ110の内側に設けられた内側材料抑え弾性体116と、内側材料抑え弾性体116と外側材料抑え弾性体112の間の隙間からなるパンチ110が納められているパンチ鞘部113とからなっている。
また、可動型ベース25の下面には下死点シャフト114がボルトで固定され、固定型ベース12の上面には下死点シャフト115がボルトで固定され、下死点シャフト114と下死点シャフト115は対向位置とされその間には下死点隙間102が形成されている。
材料通し隙間7は、パンチ受け体109の上面と外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116の下面によって形成され、その最大隙間距離は材料Aの一枚の厚みよりも広く材料Aの2枚の厚みよりも狭い距離に、締め付け手段6の可動型支持弾性体8の締め付けによって設定(規定)されている。
【0027】
ハンマー60が打ち動作すると可動型106は下降し、外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116が材料Aに当りその下降は止められ収縮動作となり、さらに可動型106は下降して外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116を収縮させ該外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116とパンチ受け体109とで材料を挟持抑え、可動型106の下降と外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116の収縮に伴ってパンチ110の刃先が外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116から下方に突出して行パンチ入り溝108に刃先が入り、材料を切り抜いて(=打ち抜いて)形成材Bを抜き形成し(図9参照)、ハンマー60の上昇の伴い可動型106は可動型支持弾性体8の反発力により上昇可動し、材料通し隙間7の最大通し隙間距離で停止され、形成材Bおよび抜き済み材Cは外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116によってパンチ110の刃先外に押し出される(図10参照)。
【0028】
外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116あるいはいずれか一方の表面には金属板、合成樹脂製板、木製板などの材料を抑える抑え部材を設けた形態もよい。
また、材料抑え弾性体は圧縮コイルバネでもよく、この場合、圧縮コイルバネは金属板、合成樹脂製板、木製板などの材料を抑える抑え部材を設ける形態とするのがよい。
また、パンチ入り溝108を設けないで、パンチ受け体109の上面に紙製シート、合成樹脂製シートなどの刃先受けシートを位置させ、打ち抜き時にパンチ110の刃先が刃先受けシートに近接、当るあるいは少し食い込むところで停止され、刃先がパンチ受け体109の上面に当らないようにするのもよい。
また、パンチ110が完全に打ち抜かなくても(切り抜かなくても)材料から分離される形成材であるものは、刃先受けシートを設けなくても、パンチ110の刃先がパンチ受け体109の上面に届かない一で停止させることで形成材の形成が可能である。
また、内側外側材料抑え弾性体と外側材料抑え弾性体を弾性力のことなる別体とするのもよく、その抑え力を異なるようにするのもよい。
また、内側材料抑え弾性体と外側材料抑え弾性体を同じ素材のものを使用しているが、例えば、外側材料抑え弾性体の下面に材料を抑える金属塊体を設け、この金属塊体にネジ通し孔を設け、このネジ通し孔に通したボルトをパンチ固定体111あるいは可動ベース25のネジ孔に螺合して締め付け、外側材料抑え弾性体を締め付け収縮させてその弾性力を強くするのもよい。
内側材料抑え弾性体と外側材料抑え弾性体の弾性力、すなわち、材料を抑える抑え力を、形成材は内側材料抑え弾性体で損傷しない程度の強さで抑え、屑材料となる抜き済み材部分は外側材料抑え弾性体の極めて強い抑えとし、形成材の抜き縁がきれに形成されるようにするなどのことができる。
また、内側材料抑え弾性体および外側材料抑え弾性体あるいはどちらか一方の構成を、異なる弾性体層から構成される形態もよい。例えば、パンチ110に近い部位は硬い弾性体とし、そこからパンチ110から離れた部位はそれより硬くない弾性体とする、あるいはその逆の配置形態などである。
【実施例5】
【0029】
図11に示す実施例5において、前記実施4と主に異なる点は、固定型105側にパンチ110と外側材料抑え弾性体112および内側材料抑え弾性体116を設け、可動型106側にパンチ鞘部113を設けた構成の打抜用型117を形成した点にある。
より具体的には、
固定型105は、固定型ベース12と、この固定型ベース12の上部にボルトで固定された、材料Aから形成材Bを打ち抜く(切り抜く)打抜刃(=切抜刃)からなるパンチ110を上面から突出させる形態で設けてなるパンチ固定体111と、このパンチ固定体111の上面にパンチ110の外側面および内側面を覆うように設けられ、かつ、該パンチ110の刃幅よりも厚みのある合成樹脂製弾性部材あるいはゴム製弾性体からなる外側材料抑え弾性体112と、この外側材料抑え弾性体112に形成されたパンチ110が納まるパンチ鞘部113とからなっている。
可動型106は、可動ベース25と、この可動ベース25の上部にボルトで固定された、下面にパンチ入り溝A108を有するパンチ受け体109とからなっている。
図11では案内シャフト56は省略。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は材料から形成材を打抜形成する産業で利用される。
【符号の説明】
【0031】
A 材料
B 形成材
C 抜き済み材
1 打抜用型
2 打抜装置のベース
3 固定型
4 可動型
5 連結シャフト
6 締付手段
7 材料通し隙間
8 可動型支持弾性体
10 ボルト
11 ネジ通し穴
12 固定型ベース
13 案内シャフト取付けネジ孔
14 固定型側シャフト取付け部
15 パンチアウト支持体
16 パンチアウト可動支持凹部
17 顎部
18 パンチアウト通し案内孔
19 パンチアウト案内体
20 パンチアウト側圧縮弾性体
21 パンチアウトフランジ部
22 固定側パンチアウト
25 可動型ベース
26 ハンマー受け板
27 パンチベース
28 パンチ首部
29 パンチフランジ部
30 可動側パンチ
31 首部通し孔
32 顎部
33 首部通し体
34 パンチ通し孔
35 フランジ収納部
36 フランジ収納体
37 パンチ側圧縮弾性体
38 案内管
39 案内シャフト通し案内孔
40 可動型側シャフト取付け部
45 連結シャフト本体
46 固定型取付け部
47 可動型取付け部
48 ナット
50 弾性体本体
51 中空部
55 リニアベアリング
56 案内シャフト
57 ワッシャ
58 雄ネジ
60 ハンマー
63 打抜用型
64 固定型
65 パンチ支持体
66 パンチ首部
67 パンチフランジ部
68 固定側パンチ
69 首部通し孔
70 フランジ収納部
71 フランジ収納体
72 パンチ通し孔
73 パンチ案内体
74 顎部
75 パンチ側圧縮弾性体
78 可動型
79 パンチアウト支持体
80 パンチアウト可動支持凹部
81 顎部
82 パンチアウト通し案内孔
83 パンチアウト側圧縮弾性体
84 パンチアウトフランジ
85 パンチアウト案内体
86 可動側パンチアウト
90 連結シャフト
91 連結シャフト本体
92 可動型取付け部
93 固定型側シャフト取付け部
94 固定型取付け部
95 締付手段収納部
97 打抜用型
98 ストッパー
99 ネジ孔
100 連結シャフト
101 締付手段
102 下死点隙間
105 固定型
106 可動型
107 打抜用型
108 パンチ入り溝
109 パンチ受け体
110 パンチ
111 パンチ固定体
112 外側材料抑え弾性体
113 パンチ鞘部
114 下死点シャフト
115 下死点シャフト
116 内側材料抑え弾性体
117 打抜用型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打抜装置のベースに固定される固定型と、
この固定型と対向関係で該固定型に向かって可動可能とされた可動型と、
前記固定型あるは前記可動型に設けられた、前記固定型と前記可動型の間に位置された材料から所定の形状の形成材を打ち抜く、押し抜くないし切り抜くパンチアウトと、
前記固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型と前記可動型の間に形成された前記材料を通すための材料通し隙間と、
前記可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型。
【請求項2】
打抜装置のベースに固定される、固定側パンチアウトあるいは材料から形成材を打ち抜く固定側パンチを有してなる固定型と、
この固定型に設けられた固定型側シャフト取付け部と、
前記固定型に対向して配置された、前記固定型との間に前記材料を通すための材料通し隙間を形成し、前記固定側パンチアウトを押し沈めて前記材料隙間に通された前記材料から前記形成材を打ち抜く可動側パンチあるいは前記固定側パンチに押し沈められる可動側パンチアウトを有してなる可動型と、
この可動型に設けられた、シャフト通し孔である可動型側シャフト取付け部と、
連結シャフト本体、この連結シャフト本体の一方の側に設けられた、前記固定型側シャフト取付け部に取り付けられる固定型取付け部、前記連結シャフト本体の他方の側に設けた雄ネジないし雌ネジである可動型取付け部とからなる連結シャフトと
弾性体本体、この弾性体本体を貫く中空部とからなり、前記連結シャフトを前記中空部に通して該連結シャフトに取り付けられ、前記固定型と前記可動型の間に位置されて該可動型を弾性支持する可動型支持弾性体と、
この可動型支持弾性体を取り付けた前記連結シャフトの前記固定型取付け部を前記固定型側シャフト取付け部に固定し、かつ、前記連結シャフトを前記可動型側シャフト取付け部に通して前記可動型を前記可動型支持弾性体の上に支持した状態で、前記可動型取付け部に螺合されて前記可動型を締め付け移動させて前記可動型支持弾性体を圧縮し、前記可動型支持弾性体の反発付弾性力で前記固定型から離れ移動しようとする前記可動型の移動を規制するナットないしボルトなどの締付手段とからなることを特徴とする打抜用型。
【請求項3】
固定型の固定型側シャフト取付け部を固定型側シャフト通し孔とし、
可動型の可動型側シャフト取付け部を可動型側シャフト通し孔ないし可動型側ネジ孔とし、
連結シャフトの固定型取付け部を固定型取付け雄ネジない固定型取付けネジ孔とし、
前記連結シャフトの可動型取付け部を、前記可動側ネジ孔に螺号する雄ネジないし前記可動型側シャフト通し孔からの抜けを阻止する抜け止め部とし、
締付手段を、前記連結シャフトの固定型取付け雄ネジに螺合されるナットからなる、あるいは、前記固定型取付けネジ孔に螺合されるボルトからなる締付手段としてなるとともに、
前記可動型の締め付け移動および可動型支持弾性体の圧縮調節は、前記締付手段によってなされるようにしたことを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の打抜用型。
【請求項4】
材料通し隙間の最大隙間距離が、材料の1枚の厚みよりも広くかつ該材料の2枚の厚みよりも狭い隙間距離であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の打抜用型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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