説明

抄紙機用ドライヤ

【課題】乾燥工程に於ける熱効率の向上及び省エネルギ化を図る抄紙機用ドライヤを提供する。
【解決手段】抄紙機に設けられる抄紙機用ドライヤ1であって、内部に空間が形成されたフード2と、該フード内に設けられ湿紙5が掛回される乾燥ドラム群4と、熱空気を前記フード内に供給する熱空気供給ライン14と、湿紙から蒸発した蒸気と熱空気とを前記フード外に排出する混合空気排出ライン16と、該混合空気排出ラインにより排出された混合空気を圧縮する圧縮機17と、該圧縮機により圧縮された高圧混合空気を前記乾燥ドラム群に供給する混合空気供給ライン18とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機による抄造工程に於いて、湿紙の乾燥を行う抄紙機用ドライヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抄紙機により抄造を行う際には、紙原料液であるパルプ懸濁液を網状のワイヤにより層状に保持することで湿紙を形成し、形成された湿紙を走行させながら水分を除去することで、抄造を行う様になっている。
【0003】
抄造工程の1つである乾燥工程に於ける湿紙の乾燥方法の1つとして、箱状のフード内にて複数の乾燥ドラム内に蒸気を供給して乾燥ドラムを加熱し、該乾燥ドラムに湿紙を掛回して走行させることで湿紙を加熱する方法がある。この方法では、乾燥ドラムを介した湿紙と蒸気との熱交換により、蒸気が凝縮し潜熱が放出され、放出された潜熱によって湿紙を加熱することで湿紙が乾燥する様になっている。
【0004】
又、フード内には、加熱装置にて加熱された熱空気が供給されている。熱空気の供給により、フード内の温度を下げることなく湿紙からの水分の蒸発を促進することができると共に、湿紙から蒸発した蒸気が熱空気と共にフード外へ排出されることで、フード内の湿度上昇を抑制している。
【0005】
尚、紙1kgを乾燥させる際には約3000kJの熱量が必要であり、従来の抄紙機用ドライヤの場合、フード内に供給される熱空気、及び乾燥ドラム内に供給される蒸気をフード内で約3000kJ分の熱交換が行われる様加熱していたが、熱交換により湿紙から蒸発した蒸気はフード内に供給される熱空気と共にそのまま抄紙機用ドライヤの外に排出される為、加熱装置にて加熱された熱空気の熱量、及び乾燥ドラム内に供給された蒸気との熱交換により湿紙から蒸発した蒸気の潜熱を回収することができず、熱効率が悪かった。
【0006】
又、排出される蒸気の熱を回収する為、熱空気の供給過程及び蒸気の排出過程に熱交換器を設け、フード内に供給される加熱前の外気と、フードから排気される蒸気及び熱空気との間で熱交換を行うものもあるが、前記熱交換器で回収可能な熱量は10%程度であり、熱空気の熱量や蒸気の潜熱の大部分を回収しきれないまま外部に排出していた。
【0007】
尚、密閉型フード内に数カ所の仕切を設け、仕切により分割されたセクション毎に独立した給排気システムを設け、各セクション毎に給排気可能としたことで湿紙の乾燥効率の向上を図るドライヤフードとして、特許文献1に示されるものがある。
【0008】
又、フード内で湿紙から蒸発した水蒸気の一部をフード排気として系外に排出し、吸引ロールに吸引された水蒸気の一部を除湿装置で除湿し、除湿された排気を再度フード内に給気することで、系外への排気量を減少させると共に系外からの給気量を減少させ、省エネルギ化を図る抄紙機用ドライヤのフード給排気装置として、特許文献2に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−33284号公報
【特許文献2】特開平5−98590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は斯かる実情に鑑み、乾燥工程に於ける熱効率の向上及び省エネルギ化を図る抄紙機用ドライヤを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、抄紙機に設けられる抄紙機用ドライヤであって、内部に空間が形成されたフードと、該フード内に設けられ湿紙が掛回される乾燥ドラム群と、熱空気を前記フード内に供給する熱空気供給ラインと、湿紙から蒸発した蒸気と熱空気とを前記フード外に排出する混合空気排出ラインと、該混合空気排出ラインにより排出された混合空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された高圧混合空気を前記乾燥ドラム群に供給する混合空気供給ラインとを具備する抄紙機用ドライヤに係るものである。
【0012】
又本発明は、前記フード外に設けられ、外気により乾燥後の乾紙を冷却する冷却ドラム群を更に具備し、該冷却ドラム群により乾紙と熱交換された外気を前記熱空気供給ラインに供給する抄紙機用ドライヤに係るものである。
【0013】
又本発明は、前記混合空気排出ラインと前記混合空気供給ラインとに掛渡って設けられ、前記圧縮機に圧縮される前の混合空気を圧縮された後の高圧混合空気で予熱する熱交換器を更に具備する抄紙機用ドライヤに係るものである。
【0014】
更に又本発明は、混合空気内の水蒸気濃度を検出する水分計測器と制御部とを更に具備し、該制御部は前記水分計測器により計測された水蒸気濃度に基づき前記圧縮機を駆動させ、高圧混合空気の圧縮機吐出圧を制御する抄紙機用ドライヤに係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、抄紙機に設けられる抄紙機用ドライヤであって、内部に空間が形成されたフードと、該フード内に設けられ湿紙が掛回される乾燥ドラム群と、熱空気を前記フード内に供給する熱空気供給ラインと、湿紙から蒸発した蒸気と熱空気とを前記フード外に排出する混合空気排出ラインと、該混合空気排出ラインにより排出された混合空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された高圧混合空気を前記乾燥ドラム群に供給する混合空気供給ラインとを具備するので、湿紙より蒸発した蒸気を排出することなく潜熱を回収することができ、熱効率の大幅な向上が図れると共に、蒸気及び外気を加熱する加熱装置を必要とせず、大幅な省エネルギ化を図ることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例に係る抄紙機用ドライヤを示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る抄紙機用ドライヤを示す概略構成図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る抄紙機用ドライヤを示す概略構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係る抄紙機用ドライヤを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0018】
図1に於いて、本発明の第1の実施例に係る抄紙機用ドライヤ1について説明する。尚、図1中、紙面に対して左側を上流側、紙面に対して右側を下流側とする。
【0019】
図1中、2は内部に乾燥室を形成するフードであり、該フード2内には中空の乾燥ドラム3が複数、例えば上下に交互に配設された5つの乾燥ドラム3からなる乾燥ドラム群4が設けられている。前記フード2の上流側端と下流側端には、それぞれ湿紙5或は乾紙6が通過可能な開口部(図示せず)が形成され、前記フード2の上流側開口部を通過した湿紙5は各乾燥ドラム3に交互に掛回されながら走行することで乾燥され、下流側開口部を乾紙6として通過する様になっている。
【0020】
前記フード2外部の上流側には、パルプ懸濁液より抄紙し、脱水した湿紙5を走行させる走行ドラム群(図示せず)が設けられており、前記フード2の直近には湿紙5を前記フード2内に導くガイドドラム7が設けられている。
【0021】
前記フード2外部の下流側には中空の冷却ドラム8が複数、例えば上下に交互に配設された3つの冷却ドラム8からなる冷却ドラム群9が設けられ、該冷却ドラム群9と前記フード2との間には、上下方向に昇降し、乾燥後の乾紙6に適宜なテンションを与えるテンションドラム11が設けられている。又、前記冷却ドラム群9の下流側には乾紙6を走行させる走行ドラム群(図示せず)が設けられ、前記冷却ドラム群9に隣接してガイドドラム12が設けられている。
【0022】
前記テンションドラム11が上下に昇降することで、各ドラムに掛回されながら走行する湿紙5或は乾紙6のテンションが一定に保持される。
【0023】
又、前記冷却ドラム8には、外気供給ライン13が接続されると共に、前記冷却ドラム8は熱空気供給ライン14を介して前記フード2と接続されており、前記熱空気供給ライン14には電気加熱等による加熱機構15が設けられている。前記外気供給ライン13より供給される外気は、前記冷却ドラム8を介して乾紙6を冷却することで熱交換され、熱空気として前記熱空気供給ライン14を通ってそのまま前記フード2内に供給されるか、或は前記加熱機構15により、より昇温された状態で前記フード2内に供給される様になっている。尚、熱空気が前記冷却ドラム8によって充分加熱される場合には、前記加熱機構15を省略してもよい。
【0024】
尚、図1中では前記外気供給ライン13と前記熱空気供給ライン14がそれぞれ1つの前記冷却ドラム8に接続されているが、前記外気供給ライン13と前記熱空気供給ライン14は各冷却ドラム8にそれぞれ接続されてもよい。或は、前記外気供給ライン13は下流側の冷却ドラム8に接続され、更に下流側の該冷却ドラム8から上流側の冷却ドラム8に向って順次外気供給ライン13によって接続され、最も上流側の冷却ドラム8に前記熱空気供給ライン14が接続される様にしてもよい。
【0025】
又、前記フード2には前記熱空気供給ライン14より供給された熱空気、及び湿紙5から蒸発した蒸気からなる混合空気を前記フード2外へ排出する混合空気排出ライン16が接続され、該混合空気排出ライン16は混合空気を圧縮する圧縮機17に接続されている。
【0026】
該圧縮機17には前記乾燥ドラム3内に圧縮された高圧混合空気を供給する混合空気供給ライン18が接続され、又前記乾燥ドラム3にはドレンライン19が接続されている。高圧混合空気内の蒸気は、前記乾燥ドラム3を介した湿紙5との熱交換により凝縮し、凝縮した水分が前記ドレンライン19を介して前記抄紙機用ドライヤ1の外部に排出される様になっている。
【0027】
尚、図1中では前記混合空気供給ライン18と前記ドレンライン19がそれぞれ1つの前記乾燥ドラム3に接続されているが、前記混合空気供給ライン18と前記ドレンライン19は各乾燥ドラム3にそれぞれ接続されてもよい。或は、上流側の乾燥ドラム3から下流側の乾燥ドラム3に向って順次高圧混合空気が流れる様、各乾燥ドラム3が前記混合空気供給ライン18によって接続される様にしてもよい。
【0028】
次に、前記抄紙機用ドライヤ1による抄紙の乾燥工程について説明する。
【0029】
乾燥工程では、先ず図示しない走行ローラ群により、所定の湿度及び温度、例えば前工程により水分を50%程度迄脱水された30℃程度の湿紙5が、前記ガイドドラム7を経て上流側開口部(図示せず)より前記フード2内へと供給される。その後、水分の含有率が5%〜6%程度迄乾燥されると共に80℃〜90℃迄加熱された乾紙6として前記フード2外に排出され、更に前記テンションドラム11を経て前記冷却ドラム群9にて50℃程度迄冷却された後、前記ガイドドラム12を経て次工程に送出される。
【0030】
次に、乾燥工程の詳細を説明する。前記外気供給ライン13より前記冷却ドラム8内に常温、例えば30℃程度の外気が1時間当り100kg程度供給され、該冷却ドラム8に供給された外気は、該冷却ドラム8を交互に掛回された状態で走行する乾紙6と熱交換されることで予熱され、更に前記加熱機構15により適宜加熱されることで、70℃以上、好ましくは95℃の熱空気として前記熱空気供給ライン14を通って前記フード2内に供給される。尚、乾紙6との熱交換により外気が充分に加熱される場合には、前記加熱機構15による加熱は行われない。
【0031】
前記フード2内に供給された熱空気は、湿紙5より蒸発した蒸気と混合され、蒸気と熱空気との混合気体である混合空気として前記混合空気排出ライン16より前記フード2外へ排出され、前記圧縮機17に導入され、例えば1.5気圧に断熱圧縮される。
【0032】
混合空気は、断熱圧縮による温度上昇により150℃以上、好ましくは200℃迄昇温され、前記混合空気供給ライン18より高圧の乾き蒸気との混合空気として前記乾燥ドラム3内に供給される。
【0033】
前記乾燥ドラム3内に供給された高圧混合空気は、該乾燥ドラム3を介して湿紙5と熱交換される。高圧混合空気内の蒸気が凝縮することで、凝縮潜熱が放出され、凝縮潜熱により湿紙5が加熱される。又、凝縮し液化した水は、前記ドレンライン19より前記抄紙機用ドライヤ1の外部へと排出される。又、蒸気が除去され、温度が低下した空気は図示しない排気ラインを介して放出される。
【0034】
又、前記フード2の上流側開口部(図示せず)より供給された湿紙5は、前記乾燥ドラム3で加熱されることで水分が蒸発され、前記フード2の下流側開口部(図示せず)より乾紙6として排出される。
【0035】
その後、乾紙6は前記外気供給ライン13を介して前記冷却ドラム8に供給された常温の外気と、該冷却ドラム8を介して熱交換されることで冷却され、前記ガイドドラム12を経て図示しない走行ドラムにより次工程へと送られ、湿紙5の乾燥工程が完了する。
【0036】
紙1kgの乾燥には、約3000kJの熱量が必要であるが、第1の実施例の場合、乾紙6との熱交換により加熱された熱空気、及び混合空気との熱交換により湿紙5より蒸発した蒸気は、混合空気として前記圧縮機17により圧縮され、又高温且つ高圧となった高圧混合空気が排出されることなくそのまま前記乾燥ドラム3内に供給され、該乾燥ドラム3を介した湿紙5との熱交換により、該乾燥ドラム3内で凝縮し、潜熱を失い液化した水が前記ドレンライン19より排出される。
【0037】
従って、第1の実施例では、従来ではそのまま排出されていた排熱の大部分を占める蒸気の潜熱を回収することができ、熱量の総量の9割程度を回収することができるので、抄紙機の乾燥工程に於ける熱効率の大幅な向上を図ることができる。
【0038】
又、第1の実施例では、外気を加熱する前記加熱機構15は補助的に使用されるだけであり、乾紙6からの熱回収、及び前記圧縮機17の断熱圧縮により外気及び蒸気の大部分の加熱を行っているので、使用されるのは前記圧縮機17を駆動させる為の電力、紙1kg当りであれば200kJ程度の電力と前記加熱機構15を駆動させる僅かな電力のみでよく、消費エネルギが従来と比較して1/10以下となり大幅な省エネルギ化が図れ、コストの削減を図ることができる。
【0039】
次に、図2に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図2中、図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
第2の実施例では、混合空気排出ライン16と混合空気供給ライン18とに掛渡って熱交換器21を設けている。
【0041】
該熱交換器21により混合空気と高圧混合空気との間で熱交換が行われ、圧縮機17に供給される混合空気の予熱を行うことで、混合空気中の蒸気の過熱度を上げることができる。従って、混合空気内の蒸気が前記圧縮機17内で凝縮し、圧縮効率が低下することを防止することができる。又、該圧縮機17の部品腐食を防止することができ、抄紙機用ドライヤ1の耐久性を向上させることができる。
【0042】
次に、図3に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、図3中、図2中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
第3の実施例では、第2の実施例より冷却ドラム群9が除かれ、外気供給ライン22が直接フード2に接続される構成となっており、前記外気供給ライン22に加熱機構23が設けられている。
【0044】
外気は前記外気供給ライン22を介して前記フード2内に供給され、前記加熱機構23によって所定の温度迄加熱される。
【0045】
第3の実施例では、前記冷却ドラム群9(図2参照)を有さないので、抄紙機用ドライヤ1の小型化が図れると共に、製作コストの低減を図ることができる。
【0046】
次に、図4に於いて、本発明の第4の実施例について説明する。尚、第4の実施例は第2の実施例の変形例であり、図4中、図2中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第4の実施例では、水分計測器24が混合空気排出ライン16に設けられ、圧縮機駆動モータ25が圧縮機17に連結され、制御部26が前記水分計測器24及び前記圧縮機駆動モータ25に電気的に接続されている。
【0048】
前記水分計測器24は、フード2より排出され、前記混合空気排出ライン16を流れる混合空気中の水蒸気濃度を計測し、計測結果を前記制御部26に送出する様になっている。
【0049】
前記制御部26は前記圧縮機駆動モータ25を駆動制御し、該圧縮機駆動モータ25によって前記圧縮機17が駆動される。又、前記制御部26には前記水蒸気濃度と圧縮機吐出圧とが関連付けられたデータが設定されると共に、前記制御部26は前記水分計測器24からの計測結果とデータに基づき前記圧縮機駆動モータ25を介して前記圧縮機17の吐出圧を所定の値となる様制御する様になっている。
【0050】
乾燥工程に於いては、前記フード2より排出された混合空気内の水蒸気濃度が前記水分計測器24によって計測され、計測結果が前記制御部26に送出される。
【0051】
該制御部26は、前記水分計測器24の計測結果とデータに基づき、所定の圧縮機吐出圧となる様、前記圧縮機駆動モータ25を駆動させる。前記制御部26によって前記圧縮機駆動モータ25が駆動されることで、高圧混合空気の圧縮機吐出圧が所定の値に制御される。
【0052】
第4の実施例では、混合空気の水蒸気濃度に基づき高圧混合空気の圧縮機吐出圧を制御することで、前記圧縮機17に対する過剰な電力の供給を防止でき、より省エネルギ化を図ることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 抄紙機用ドライヤ
2 フード
3 乾燥ドラム
4 乾燥ドラム群
5 湿紙
6 乾紙
8 冷却ドラム
9 冷却ドラム群
14 熱空気供給ライン
16 混合空気排出ライン
17 圧縮機
18 混合空気供給ライン
21 熱交換器
24 水分計測器
26 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙機に設けられる抄紙機用ドライヤであって、内部に空間が形成されたフードと、該フード内に設けられ湿紙が掛回される乾燥ドラム群と、熱空気を前記フード内に供給する熱空気供給ラインと、湿紙から蒸発した蒸気と熱空気とを前記フード外に排出する混合空気排出ラインと、該混合空気排出ラインにより排出された混合空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された高圧混合空気を前記乾燥ドラム群に供給する混合空気供給ラインとを具備することを特徴とする抄紙機用ドライヤ。
【請求項2】
前記フード外に設けられ、外気により乾燥後の乾紙を冷却する冷却ドラム群を更に具備し、該冷却ドラム群により乾紙と熱交換された外気を前記熱空気供給ラインに供給する請求項1の抄紙機用ドライヤ。
【請求項3】
前記混合空気排出ラインと前記混合空気供給ラインとに掛渡って設けられ、前記圧縮機に圧縮される前の混合空気を圧縮された後の高圧混合空気で予熱する熱交換器を更に具備する請求項1又は請求項2の抄紙機用ドライヤ。
【請求項4】
混合空気内の水蒸気濃度を検出する水分計測器と制御部とを更に具備し、該制御部は前記水分計測器により計測された水蒸気濃度に基づき前記圧縮機を駆動させ、高圧混合空気の圧縮機吐出圧を制御する請求項1〜請求項3のうちいずれかの抄紙機用ドライヤ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−14854(P2013−14854A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147938(P2011−147938)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】