説明

投光装置及び光電スイッチ並びにレーザ加工装置

【課題】 外乱光による誤検出を生じず、光透過部材に付着した汚れを検出可能な投光装置及び光電スイッチ並びにレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光源22からの光を遮らないように配設される静電容量式の検出部45により、光透過部材35の本体ケース11外部側に付着する汚れを検出し、この検出信号を予め記憶された所定の閾値と比較することにより異常状態かどうかを制御部29にて判別し、異常状態と判別したときは異常信号をレーザ発振制御手段23に出力してレーザ光Lの出射を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光装置及び光電スイッチ並びにレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、レーザ加工装置等のように、本体ケース内のレーザ光源(投光手段)から投光された光が当該本体ケースに設けられた光透過部材を透過した後に外部の対象物等に照射されるものがある。
【0003】
この構成では、投光手段から投光された光が光透過部材を透過する構成であるために、光透過部材に塵・埃等の汚れが付着した場合には、投光された光がこれらの汚れにより遮られて十分な強度の光が外部に投光されなくなっていしまう。特に、レーザ加工装置のように、加工の際に金属スパッタが飛散するものである場合には、飛散した金属スパッタが光透過部材に付着して汚れとなりやすい。
【0004】
そこで、光透過部材に付着した汚れを検出するための方策として、光透過部材に面する位置に受光面を配してなる検出センサを設け、光透過部材に汚れが付着した際に光透過部材内にて反射して検出センサに伝わってくる光を受光し、この受光量に基づいて光透過部材の汚れを検出するものが考えられた。
【特許文献1】特公平7−16795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成は光を検出し、その受光量に基づいて光透過部材の汚れを検出する構成であるために、外部(照明等。レーザ加工装置では、対象物からの反射光等)からの外乱光が入射した場合には、その外乱光の影響を受けた受光量に基づいて光透過部材の汚れを検出するために誤検出を生じてしまう。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、外乱光による誤検出を生じず、光透過部材に付着した汚れを検出可能な投光装置及び光電スイッチ並びにレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、開口部を有する本体ケースと、
前記本体ケース内に配され、光を出射する投光手段と、
前記本体ケースの開口部に前記投光手段からの光を透過する光透過部材が配されてなる投光窓とを備え、
前記投光手段からの光を前記投光窓の前記光透過部材を透過させて前記本体ケース外に投光する投光装置であって、
前記投光手段からの光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えた構成としたところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであるところに特徴を有する。
なお、検出電極における静電容量の変化に基づく汚れの検出手段としては、静電容量センサの検出電極と大地との間に電位差を生じさせて、その電位差の変化から静電容量の変化を検知し、汚れを検出する方法などがある。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、前記投光手段から出射された光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に配設されるところに特徴を有する。
なお、ここでいう「光の光路」とは、投光手段から出射された光のうち、対象物に向けて照射される光の通る路をいう。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されているところに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されるところに特徴を有する。
【0013】
請求項7の発明は、本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなる投光窓を透過させて測定領域に光を投光する投光手段と、
前記測定領域からの透過光又は反射光を、本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなる受光窓を透過させて受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した光の受光量に基づき前記測定領域に存在する対象物の有無を検出する光電スイッチにおいて、
前記投光手段から前記受光手段に至る光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは、異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えた構成としたところに特徴を有する。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであるところに特徴を有する。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、前記投光手段から受光手段に至る光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に当接又は埋設されるところに特徴を有する。
【0016】
請求項10の発明は、請求項7又は請求項9に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は磁気センサであって、この磁気センサは、前記光透過部材に付着する金属屑により生じる渦電流変化を検知することで前記光透過部材に付着した汚れを検出するところに特徴を有する。
【0017】
請求項11の発明は、請求項7ないし請求項10のいずれかに記載のものにおいて、前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されているところに特徴を有する。
【0018】
請求項12の発明は、請求項8に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されているところに特徴を有する。
【0019】
請求項13の発明は、請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のものにおいて、前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されるところに特徴を有する。
【0020】
請求項14の発明は、開口部を有する本体ケースと、
前記本体ケース内に配され、レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなるレーザ出射窓とを備え、
前記レーザ光源からのレーザ光を前記レーザ出射窓を透過させて前記本体ケース外へ投光させ、加工対象物上に照射させることによって、前記加工対象物に所望の加工を行うレーザ加工装置において、
前記光透過部材における前記レーザ光源からのレーザ光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは、異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えた構成としたところに特徴を有する。
【0021】
請求項15の発明は、請求項14に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであるところに特徴を有する。
【0022】
請求項16の発明は、請求項14に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は、前記レーザ光源から出射された光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に当接又は埋設されるところに特徴を有する。
【0023】
請求項17の発明は、請求項14又は請求項16に記載のものにおいて、前記検出手段の検出部は磁気センサであって、前記加工対象物は金属であり、前記磁気センサは、前記レーザ光を前記加工対象物に照射して加工する際の、前記加工対象物から飛散して前記光透過部材に付着する金属屑により生じる渦電流変化を検知することで前記光透過部材に付着した汚れを検出するところに特徴を有する。
【0024】
請求項18の発明は、請求項14ないし請求項17のいずれかに記載のものにおいて、前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されているところに特徴を有する。
【0025】
請求項19の発明は、請求項15に記載のものにおいて、前記検出手段の前記検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されているところに特徴を有する。
【0026】
請求項20の発明は、請求項14ないし請求項19のいずれかに記載のものにおいて、前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0027】
<請求項1,7,14の発明>
本構成によれば、非光線式(光の受光量に基づかないで汚れを検出する方式)の検出手段により光透過部材の本体ケース外部側に付着する汚れを検出する。したがって、従来の光線式(光の受光量に基づいて汚れを検出する方式)による汚れ検知のように外乱光等の影響を受けることがなく、確実に光透過部材に付着した汚れを検出することができる。
【0028】
<請求項2,8,15の発明>
本構成によれば、検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであるから、他の変化を検出するセンサ(例えば、磁束変化を検出することにより金属を検出するセンサ)と異なり、光透過部材に付着する汚れの種類(例えば、金属か非金属かどうか)によらずに、光透過部材に付着した汚れを検出することができる。
【0029】
<請求項3,9,16の発明>
本構成によれば、検出手段の検出部は、光透過部材の前記本体ケース内部側に配設されるから、省スペース化を図ることができる。
【0030】
<請求項4,11,18の発明>
本構成によれば、検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が光透過部材のうち、投光手段(レーザ光源)から出射された光の光路外の全周に亘って配設されているから、光透過部材に付着する汚れの度合いを高い精度で検出することができる。
【0031】
<請求項5,12,19の発明>
本構成によれば、検出手段の検出部は、検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が投光手段からの光の通過領域に配されている。そして、静電容量変化に基づいて前記光透過部材に付着した汚れを検出するから、電極を光路外に設けなくても光透過部材に付着した汚れを検出できる。しかも、この構成では、光透過部材における光の通過領域(光路内)に付着する汚れを直接的に検出できるから、より精度の高い汚れの検知が可能となる。
【0032】
<請求項6,13,20の発明>
本構成によれば、異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、投光手段(レーザ光源)の出力が停止されるから、異常状態においても使用が継続されることによる電力の無駄を防止することができる。
【0033】
<請求項10,17の発明>
本構成によれば、磁気センサは、光透過部材に付着する金属屑により生じる渦電流変化を検知することで光透過部材の汚れを検出するから、例えば、金属加工などの環境下で使用される場合等のように、加工屑としての金属スパッタ等の光透過部材への付着を検出することができ、投光量の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
<実施形態1>
本発明のレーザマーキング装置(レーザ加工装置)の実施形態1を図1ないし図5を参照しつつ説明する。
1.レーザマーキング装置の構成
本発明のレーザマーキング装置10は、一面に開口部11Aを有する本体ケース11と、本体ケース11内に配され、レーザ出射窓46(投光窓)を透過させて本体ケース11外部に投光するユニット部20とから構成されている。そして、本体ケース11外部に投光されたレーザ光Lが加工対象物W上に照射されることによって、加工対象物Wに所望の加工が行われるようになっている。
【0035】
(1)本体ケース
本体ケース11は、図1,2に示すように、直方体状のケースの一面に長方形状に開口する開口部11Aが形成されている。この開口部11Aには、後述するユニット部20の光透過部材35(例えば透明なガラス、合成樹脂等)が隙間なく嵌めこまれてレーザ出射窓46が形成されており、レーザ光源22から出射された光がこの光透過部材35を透過するようになっている。
【0036】
(2)ユニット部
ユニット部20は、図3に示すように、半導体レーザ光源22を有する本体ユニット21と、収束レンズ35Aを有するヘッドユニット31と、本体ユニット21及びヘッドユニット31を接続する伝送ケーブル40とから構成されている。
【0037】
(A)本体ユニット
図3で符号22は、半導体レーザ光源であり、レーザ発振制御手段23によりドライバ22Aを介して駆動され、例えば、赤外線レーザをパルス発振する。
【0038】
また、本体ユニット21には、半導体レーザ光源22からのレーザ光Lを増幅させるレーザ予備増幅器24が設けられている。このレーザ予備増幅器24は、希土類ドープ光ファイバ24Fを備え、その一端(前端)にはドライバ25Aによって駆動される第1励起用レーザ光源25からの励起光L1と半導体レーザ光源22からのレーザ光Lとを合流させる光結合部26が設けられている。
【0039】
また、希土類ドープ光ファイバ24Fの出射端面24Aには、レーザ光Lを他端(後端)側にのみ通過させる光アイソレータ27が設けられており、この光アイソレータ27により、光ファイバの接合部分やレーザ照射面から反射するレーザ光Lが半導体レーザ光源22や希土類ドープ光ファイバ24Fに逆流することによる損傷を防止することができる。そして、半導体レーザ光源22からのレーザ光Lは、このレーザ予備増幅器24によって加工対象物Wへのマーキング可能なレベルに対して相対的に低い光強度に増幅されて伝送用光ファイバF1によってヘッドユニット31側に伝送される。そして、ヘッドユニット31のレーザ増幅器32によって加工対象物Wへのマーキング可能な光強度に最終的に増幅される。
【0040】
このような構成であれば、ラマン散乱を抑制することができる。また、レーザ予備増幅器24についても、屈曲可能な希土類ドープ光ファイバ24Fを用いているからそれを巻回することによって小型化が可能になる。また、この希土類ドープ光ファイバ長を変えることで比較的簡単に励起度を調整できる。
【0041】
また、本体ユニット21には、ヘッドユニット31との間で信号のやり取りを行うための信号入力回路28が設けられている。この信号入力回路28には、制御部29が接続されており、制御部29はヘッドユニット31の検出部45から、汚れの検出による検出信号を受けると、この検出信号を予めメモリ(図示しない)に記憶された所定の閾値と比較して異常状態を判別する。そして、異常状態と判別したときは、レーザ発振制御手段23及び表示手段49に異常信号を出力する。表示手段49は、異常信号を入力すると、汚れが検出されたことを表示する。したがって、制御部29が本発明の異常状態判別手段及び異常状態出力手段に相当する。
【0042】
レーザ発振制御手段23は、異常信号を受信するとドライバ22Aを介して半導体レーザ光源22のレーザ光Lの出射を停止させる。
【0043】
これにより、異常状態においても使用が継続されることによる電力の無駄を防止することができる。
【0044】
(B)伝送ケーブル
伝送ケーブル40は、半導体レーザ光源22からのレーザ光Lをヘッドユニット31側に伝送するための伝送用光ファイバからなる。
【0045】
(C)ヘッドユニット31
ヘッドユニット31は、主として、上記半導体レーザ光源22からのレーザ光Lを増幅する機能を有するレーザ増幅器32、励起用レーザ光源38,39、Qスイッチ47、コリメータレンズ33、上記した光走査機構34、光透過部材35、及び、本体ユニット21と信号のやり取りするための入出力回路36を備えて構成されている。
【0046】
このうちレーザ増幅器32には、希土類元素である例えばイットリビウム(Yb)を含むガラスファイバ(希土類ドープ光ファイバ32F)が備えられている。
【0047】
上記希土類ドープ光ファイバ32Fは屈曲可能であり、図示しないボビンに多数回巻回することで所要長の光路が確保されており、その両端部には2つの光結合部37A,37Bが設けられている。このうち、一方の光結合部37Aは、光結合部37Aを介して接続した伝送用光ファイバF2に入射した半導体レーザ光源22からのレーザ光Lを希土類ドープ光ファイバ32Fの一端(前端)に入射させるとともに、第2励起用レーザ光源38からの励起光L2を希土類ドープ光ファイバ32Fに合流させる機能を有する。
【0048】
また、他方の光結合部37Bは第3励起用レーザ光源39からの励起光L3を希土類ドープ光ファイバ32F内に入射させる機能を有する。なお、図示はしないが、上記したようにボビンに巻回した希土類ドープ光ファイバ32F、光結合部37A,37Bは直方体のケース内に収容されるとともに、そのケース内にシリコン樹脂を充填することで固定されている。
【0049】
一方、希土類ドープ光ファイバ32Fの出射端面32Aの外側の光路上には、半導体レーザ光源22からの発振信号に基づいてオンオフ動作するQスイッチ47(レーザ光偏向スイッチ)と、コリメータレンズ33が配置されている。Qスイッチ47は、音響光学効果(光の偏向、ラマンーナス回折、ブラッグ反射)を利用するものである。より詳しくは、二酸化テルルやガリウムリン、水晶などの結晶に与える超音波の振動数を変えることにより、その結晶中に規則的な屈折構造ができる原理を応用し、回折作用によって入射光線の射出角度を変化させるものである。なお、Qスイッチ47について他の構成としては、電界による屈折率変化が大きい光学結晶を用いて電気光学効果(具体的には、ポッケルス効果、又はカー効果)を利用する構成であってもよい。
【0050】
これにより、Qスイッチ47がオフ状態のときは、励起用光源38,39によりレーザ媒質内のイットリビウム(Ybイオン)が励起されることで放出されるレーザ光が、レーザ媒質内での誘導放出により増幅された後にコリメータレンズ33に入射する。なお、励起されるレーザ媒質内の希土類としては、エルビウム(Er)やネジウム(Nd)等であってもよい。
【0051】
これに対して、Qスイッチ47がオン状態のときはレーザ光Lは光学結晶内で屈折されてコリメータレンズ33に入射しない。
【0052】
次に、コリメータレンズ33によって平行光とされたレーザ光Lは光走査機構34に導かれる。光走査機構34は、コリメータレンズ33を通過したレーザ光Lを縦横に走査するためのX軸ガルバノミラー34A及びY軸ガルバノミラー34Bを備え、さらにそのレーザ光Lの光路上には光透過部材35が設けられている。
【0053】
光透過部材35は、長方形状の薄板からなる保護ガラス板35Bと、保護ガラス板35Bの本体ケース11内部側であって、保護ガラス板35Bと密着状態に配されてレーザ光Lを収束する収束レンズ35A(fθレンズ)とから構成されており、このうち保護ガラス板35Bが本体ケース11の開口部11Aに嵌めこまれている。
【0054】
そして、レーザマーキングの際に、金属スパッタS等が飛散した場合には、金属スパッタS等が保護ガラス板35Bに付着することにより、内側の収束レンズ35Aが保護されるようになっている(図1参照)。
【0055】
さらに、図4に示すように、収束レンズ35Aのうちレーザ光Lの光路外であって、本体ケース11の内部側には、複数(本実施形態では4つ)の静電容量センサがレーザ光Lの光路(レーザ光源22から出射されたレーザ光Lのうち加工対象物Wにマーキングスポットとして照射される光が通過する領域(図2の斜線部分の範囲))を囲むようにして等間隔に配されており、図5(A)に示すように、軸方向から中心側に向けてやや傾斜した姿勢で収束レンズ35Aの本体ケース11内部側の面に検出部45の検出面45Bが当接(密着)するようになっている。
【0056】
ここで、静電容量センサは、検出部45に内蔵された検出電極45Aと大地との間の静電容量の変化を検出回路52にて検出している。そして、金属スパッタS等の汚れが、保護ガラス板35Bに付着すると、検出電極45Aと大地との間の静電容量が変化するから、その変化に基づき検出電極45A間の電圧を検出することにより、その電圧変化から金属スパッタS等からなる汚れが保護ガラス板35Bに付着したことを検出する。
【0057】
なお、検出部45は、収束レンズ35Aに当接されていなくてもよく、図5(B)に示すように、収束レンズ35Aにドリル等により穴あけ加工が施されたものを用いて、検出部45が収束レンズ35Aに一部埋設されている構成であってもよい。また、検出部45は、光透過部材35のうちの収束レンズ35Aに当接又は埋設されていなくてもよく、図5(C)に示すように、保護ガラス板35Bに埋設又は当接(図示しない)されている構成であってもよい。
【0058】
なお、レーザマーキング装置10内には、図示はしないが冷却装置や装置各部に動作電力を供給する電源回路等も備えられている。
【0059】
2.本実施形態の動作
例えばコンソール等の入力手段41によって入力された設定値等および文字・図形等のマーキング内容の入力データやマーキングのプログラムを受けて、レーザ発振制御手段23は、この入力されたプログラムおよび各種設定値にしたがって、レーザ出力を制御するための制御信号をドライバ25A,38A,39Aに与えるとともに、X軸及びY軸の各ガルバノミラー駆動用の制御信号を光走査機構34に与える。また、レーザ発振制御手段23は、Qスイッチ47に対して発振信号を与える。
【0060】
ここで、レーザマーキング装置10の図示しない励起用スイッチをオン操作することにより第2励起用レーザ光源38はドライバ38Aにより直流駆動され、出射されたレーザ光Lは光結合部37Aを介して希土類ドープ光ファイバ32F内に入射される。この結果、希土類ドープ光ファイバ32F内が励起されてレーザ光Lが発生するが、その出力強度は加工対象物W上に照射されてもマーキングを行うのには不十分なレベルとなるように、第2励起用レーザ光源38は所定の低レベルに連続的に維持されている。したがって、この状態では希土類ドープ光ファイバ32Fは、ある一定のレベルで励起状態になっているが、これによって発生したレーザ光Lが加工対象物Wに照射されてもマーキングはされない。
【0061】
マーキング動作が開始されると、レーザ発振制御手段23からの信号に基づき半導体レーザ光源22がパルス発振するとともに、第3励起用レーザ光源39が所定レベルで連続発振する。
そして、第3励起用レーザ光源39からの励起光L3は光結合部37Bを介して希土類ドープ光ファイバ32F内に入射されてこれを高励起状態とする。次に、半導体レーザ光源22からのパルスレーザ光Lが高励起状態にある希土類ドープ光ファイバ32Fに入射して通過することにより、このパルスレーザ光Lは増幅されて出射端面32Aから出射する。
【0062】
ここで、第2及び第3の励起用レーザ光源38,39は希土類元素を励起するに適した波長帯の励起光L2,L3を出射するものが選択されており、半導体レーザ光源22には励起された希土類元素がエネルギーを失って発光するときの波長帯の光を有するものが使用されているから、誘導放出による発光が促進され、レーザ光Lが効率よく増幅される。
【0063】
希土類ドープ光ファイバ32Fの出射端面32Aから出射されたパルスレーザ光Lは、コリメータレンズ33により平行光に絞られ、この平行光はレーザ発振制御手段23からの制御信号によって駆動される光走査機構34によって所要の方向に反射される。ここで、光走査機構34は、X軸ガルバノミラーAによって一つの方向に走査し、Y軸ガルバノミラー34Bによって、X軸ガルバノミラー34Aが走査する方向と直交する方向に走査することで2次元のあらゆる方向に走査される。光走査機構34で反射された平行光は収束レンズ35Aによって平行光からスポットレーザ光に絞り込まれ、このレーザ光Lが加工対象物W表面上を走査することにより、所望のマーキングが行われる。
【0064】
3.本実施形態の効果
本実施形態によれば、検出手段の検出部45は、検出電極45Aを備え、この検出電極45Aと大地との間における静電容量の変化に基づいて光透過部材35の汚れを検出する静電容量センサであるから、従来の光線式(光の受光量に基づいて汚れを検出する方式)による汚れ検知のように外乱光等の影響を受けることがなく、確実に保護ガラス板35B(光透過部材35)の外面に付着した汚れを検出することができる。
【0065】
また、他の変化を検出するセンサ(例えば、磁束変化を検出することにより金属を検出するセンサ)と異なり、保護ガラス板35Bに付着する汚れの種類(例えば、金属か非金属かどうか)によらずに、保護ガラス板35Bに付着した汚れを検出することができる。
【0066】
さらに、複数の検出部45を有し、これらの検出部45が光透過部材35のうち、投光手段(レーザ光源22)から出射された光の光路外の全周に亘って配設されているから、光透過部材35に付着する汚れの度合いを高い精度で検出することができる。
【0067】
<実施形態2>
実施形態2を図6を参照しつつ説明する。
実施形態1では、検出電極45Aを有する検出部45を光路外に配することにより、レーザ光Lを遮らないようにしつつ、静電容量を検出したが、実施形態2では、検出電極を透明部材からなる透明電極51により構成することにより、この透明電極51をレーザ光Lの光路上に配してもレーザ光Lを遮らないようにして静電容量を検出する構成としたものである。なお、上記実施形態と同一の構成に付いては同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
具体的には、図6に示すように、収束レンズ35Aの本体ケース11内部側の屈曲された面の全体に亘って透明電極51(例えば、インジウム-スズ酸化物からなるITO膜)を密着させて、この透明電極51と大地との間の電圧変化に基づいて静電容量変化を検知回路52で検知し、保護ガラス板35Bに付着した汚れを検出するものである。なお、本実施形態では、光走査機構34を設けておらず、レーザ光源22(投光手段)からの光は直接対象物Wに投光されるようになっている。
【0069】
このようにすれば、電極を光路外に設けなくても光透過部材35に付着した汚れを検出できる。また、通常、電極を光路外に設けた場合であっても、光透過部材35の汚れは全体的に一様に付着(光路内とほぼ同じ量の汚れが光路外の検出可能位置にも付着)することが一般的であるから、光路外の汚れを検出することにより擬似的に光透過部材35における光通過領域(光路内)の汚れを検出できるものであるが、検出電極を透明電極51とすることで、光路内において直接的に光透過部材35に付着する汚れを検出できるから、より精度の高い汚れ検知を行うことが可能となる。
【0070】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図7を参照しつつ説明する。
実施形態3は、投光部61(投光手段)から投光した光のうち、対象物Wにて反射した光を受光部62(受光手段)で受光し、この受光部62における受光量に基づいて、測定領域に存在する対象物Wの有無を検出するいわゆる反射型の光電スイッチ60に適用したものである。
【0071】
図中63は光電スイッチ60のケースであって扁平な箱形をなし、一面に長方形状の投受光窓64が形成されている。このケース内には投受光窓64に対応してレンズ体64A,64Bが収容され、その後方に光ファイバーの先端としての投光部61と、受光素子からなる受光部62が設けられている。
【0072】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態を図8を参照しつつ説明する。
上記実施形態では、光透過部材35に付着した汚れの検出は、静電容量センサにより行ったが、実施形態4では、磁束の変化に基づいて検出を行う磁気センサにより光透過部材35に付着した汚れの検出を行うものである。
【0073】
具体的には、図8(A)に示すように、光透過部材35の本体ケース11内部側において、レーザ光の光路を取り囲むように巻回されたコイル71が光透過部材35に密着されている。なお、上記実施形態の静電容量センサのように、レーザ光の光路を囲むように複数の磁気センサを設ける構成としてもよい。
【0074】
なお、磁気センサは、検出コイル71より出る高周波磁界中に金属スパッタS等が接近すると、近接金属中に電磁誘導現象による誘導電流(渦電流)が流れ、金属内に熱損失が発生するから、図8(B)に示すように、このときの発振状態を検出回路72にて検出することにより、光透過部材35に付着した汚れを検出するようになっている。
【0075】
本実施形態によれば、磁気センサは、光透過部材35に付着する金属屑により生じる渦電流変化に基づく発振状態を検知することで光透過部材35の汚れを検出するから、例えば、金属加工などの環境下で使用される場合等のように、加工屑としての金属スパッタS等の光透過部材35への付着を検出することができる。
【0076】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態ではボビン状(らせん状)に巻回された希土類ドープ光ファイバ24F,32Fを用いたが、これに限らず、環状の希土類ドープ光ファイバ(いわゆるリングファイバ)であってもよい。
【0077】
(2)上記実施形態では、加工対象物Wに文字等のマーキングを施すレーザマーキング装置10に本発明を適用した例を説明したが、これに限らず、加工対象物Wに穴あけするなど所定の加工を施すレーザ加工装置に適用してもよい。このようなものでは、一般に、レーザマーキング装置10よりも光強度の高いレーザ光Lが使用されるため、その加工に伴って保護ガラス板35Bに金属スパッタSが付着しやすく、本発明を適用する意義は大きい。
【0078】
(3)実施形態3では、受光部62を設け、この受光部62で受光した光の受光量に基づいて物体の有無を検出する構成としたが、図9に示すように、受光部62を設けずに投光部61から光透過部材35を介して外部に光を投光する機能のみを有する投光装置80(具体的には、透過型の光電スイッチの投光器)としてもよい。また、実施形態2では、レーザマーキング装置10の収束レンズ35Aに透明電極51を密着させたが、かかる発明をレーザ光Lを収束させる必要のない投光装置80等に適用する場合には、収束レンズ35Aが不要となるため、保護ガラス板35Bの本体ケース11内部側の面に透明電極51を密着させる構成とすればよい(図9)。
【0079】
(4)実施形態3では、反射した光の受光量に基づいて対象物Wの有無を検出するいわゆる反射型の光電スイッチ60としたが、投光部と、受光部とを対向して配置し、対象物Wの遮光状態により変化する受光部での受光量に基づいて、対象物Wを検出するいわゆる透過型の光電スイッチとしてもよい。
【0080】
(5)上記実施形態では、保護ガラス板35Bに付着した汚れを検出する構成としたが、保護ガラス板35Bを設けずに収束レンズ35Aを外部に露出させる構成として、収束レンズ35Aの外面に付着した汚れを検出する構成としてもよい。
【0081】
(6)上記実施形態では、静電容量センサや磁気センサにより光透過部材35の汚れを検出する構成としたが、光の受光量に基づかないで汚れを検出するセンサ(非光学式のセンサ)であれば、これらに限られず、例えば、超音波等を利用して汚れを検出するセンサであってもよい。
【0082】
(7)上記実施形態では、制御部29は検出部45から検出信号を受けると、この検出信号を所定の閾値と比較して異常状態かどうかを判別し、異常状態と判別したときは、異常信号を出力する構成としたが、閾値を2つ以上設定し、それぞれの閾値と比較して異常信号を出力する構成としてもよい。例えば、汚れ検出用の閾値と、これよりも高い値の警告表示用の閾値を設定し、制御部29(異常状態判別手段及び異常状態出力手段)は、汚れ検出用の閾値を超えたときには、汚れ検出の信号を表示手段等に出力し、さらに警告表示用の閾値を超えたときには、警告信号を出力する構成としてもよい。このとき、制御部29は、警告表示用の閾値を超えたときのみレーザ光源22の出力を停止するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、静電容量センサの検出電極を透明電極にて構成する例を示し、これにより光の通過領域(光路内)で光透過部材35に付着する汚れの検出を可能としたが、検出電極は、レーザ光源(投光手段)からの光(の波長)を通過させることができるものあれば、透明なものに限られない。すなわち、レーザ光源(投光手段)からの光が本体ケース外に投光される構成であればよい。例えば、所定の波長の光のみを透過できる機能を備えた有色のフィルタ等を備えて構成される電極であってもよい。
【0083】
(8)上記実施形態では、符号22を半導体レーザ光源としたが、符号22を励起用レーザ光源として構成してもよい。この場合には、光を励起させてレーザ光Lを出射する構成の全体(図3の一点鎖線で囲まれた領域55内の全体)が本発明のレーザ光源に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態1に係るレーザマーキング装置の概略的構成を示す断面図
【図2】レーザマーキング装置の前面図
【図3】レーザマーキング装置の全体概要図
【図4】収束レンズを上方から見た図
【図5】(A)検出部が収束レンズに当接した図 (B)検出部が収束レンズに埋設された図 (C)検出部が保護ガラス板に埋設された図
【図6】本発明の実施形態2に係るレーザマーキング装置の概略的構成を示す断面図
【図7】本発明の実施形態3に係る光電スイッチの全体構成図
【図8】(A)本発明の実施形態3に係るレーザマーキング装置の検出部の概略的構成を示す平断面図 (B)レーザマーキング装置の概略的構成を示す側断面図
【図9】投光装置の概略的構成を示す断面図
【符号の説明】
【0085】
10…レーザマーキング装置(レーザ加工装置)
11…本体ケース
11A…開口部
20…ユニット部
21…本体ユニット
22…半導体レーザ光源
23…レーザ発振制御手段
29…制御部(異常状態判別手段及び異常状態出力手段)
31…ヘッドユニット
35…光透過部材
35A…収束レンズ
35B…保護ガラス板
45…検出部
45A…検出電極
46…レーザ出射窓(投光窓)
51…透明電極
60…光電スイッチ
L…レーザ光
S…金属スパッタ(汚れ)
W…加工対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する本体ケースと、
前記本体ケース内に配され、光を出射する投光手段と、
前記本体ケースの開口部に前記投光手段からの光を透過する光透過部材が配されてなる投光窓とを備え、
前記投光手段からの光を前記投光窓の前記光透過部材を透過させて前記本体ケース外に投光する投光装置であって、
前記投光手段からの光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えたことを特徴とする投光装置。
【請求項2】
前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであることを特徴とする請求項1記載の投光装置。
【請求項3】
前記検出手段の検出部は、前記投光手段から出射された光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に配設されることを特徴とする請求項1記載の投光装置。
【請求項4】
前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の投光装置。
【請求項5】
前記検出手段の検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されていることを特徴とする請求項2に記載の投光装置。
【請求項6】
前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の投光装置。
【請求項7】
本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなる投光窓を透過させて測定領域に光を投光する投光手段と、
前記測定領域からの透過光又は反射光を、本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなる受光窓を透過させて受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した光の受光量に基づき前記測定領域に存在する対象物の有無を検出する光電スイッチにおいて、
前記投光手段から前記受光手段に至る光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは、異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えたことを特徴とする光電スイッチ。
【請求項8】
前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであることを特徴とする請求項7記載の光電スイッチ。
【請求項9】
前記検出手段の検出部は、前記投光手段から受光手段に至る光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に当接又は埋設されることを特徴とする請求項7記載の光電スイッチ。
【請求項10】
前記検出手段の検出部は磁気センサであって、この磁気センサは、前記光透過部材に付着する金属屑により生じる渦電流変化を検知することで前記光透過部材に付着した汚れを検出することを特徴とする請求項7又は請求項9に記載の光電スイッチ。
【請求項11】
前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されていることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の光電スイッチ。
【請求項12】
前記検出手段の検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されていることを特徴とする請求項8に記載の光電スイッチ。
【請求項13】
前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の光電スイッチ。
【請求項14】
開口部を有する本体ケースと、
前記本体ケース内に配され、レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記本体ケースの開口部に光透過部材が配されてなるレーザ出射窓とを備え、
前記レーザ光源からのレーザ光を前記レーザ出射窓を透過させて前記本体ケース外へ投光させ、加工対象物上に照射させることによって、前記加工対象物に所望の加工を行うレーザ加工装置において、
前記光透過部材における前記レーザ光源からのレーザ光を遮らないように配設される検出部により、前記光透過部材の前記本体ケース外部側に付着する汚れを検出する非光線式の検出手段と、
前記検出手段からの検出信号を所定の閾値と比較することにより異常状態を判別する異常状態判別手段と、
前記異常状態判別手段により異常状態と判別したときは、異常信号を出力する異常状態出力手段と、を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項15】
前記検出手段の検出部は、検出電極を備え、この検出電極における静電容量の変化に基づいて前記光透過部材の汚れを検出する静電容量センサであることを特徴とする請求項14記載のレーザ加工装置。
【請求項16】
前記検出手段の検出部は、前記レーザ光源から出射された光の光路外であって、前記光透過部材の前記本体ケース内部側に当接又は埋設されることを特徴とする請求項14記載のレーザ加工装置。
【請求項17】
前記検出手段の検出部は磁気センサであって、前記加工対象物は金属であり、前記磁気センサは、前記レーザ光を前記加工対象物に照射して加工する際の、前記加工対象物から飛散して前記光透過部材に付着する金属屑により生じる渦電流変化を検知することで前記光透過部材に付着した汚れを検出することを特徴とする請求項14又は請求項16記載のレーザ加工装置。
【請求項18】
前記検出手段は、複数の検出部を有し、これらの検出部が前記光透過部材のうち、前記投光手段から出射された光の光路外の全周に亘って配設されていることを特徴とする請求項14ないし請求項17のいずれかに記載のレーザ加工装置。
【請求項19】
前記検出手段の前記検出部は、前記検出電極が透明部材で構成されてなる透明電極が前記投光手段からの光の通過領域に配されていることを特徴とする請求項15に記載のレーザ加工装置。
【請求項20】
前記異常状態出力手段により異常信号が出力されるときには、前記投光手段の出力が停止されることを特徴とする請求項14ないし請求項19のいずれかに記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−35254(P2006−35254A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217694(P2004−217694)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】