投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法
【課題】投写画面間の位置ずれを解消すべく、各投写画面の投写領域を正確に判定する。
【解決手段】複数台のプロジェクター2から投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写システムSY1であって、複数台のプロジェクター2からスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部21と、撮像部21の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクター2による複数の投写領域を判定する投写領域判定部23と、を備え、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【解決手段】複数台のプロジェクター2から投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写システムSY1であって、複数台のプロジェクター2からスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部21と、撮像部21の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクター2による複数の投写領域を判定する投写領域判定部23と、を備え、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の投写画面をスクリーン上で合成表示するための複数台のプロジェクターを制御する投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示するタイリングディスプレイ技術が知られている。当該タイリングディスプレイ技術は、1つの原画像を複数個に分割した分割画像をスクリーン上で繋ぎ合わせるように、複数のプロジェクターを用いて投写する技術である。このようなタイリングディスプレイを実現する場合、図16に示すように、各プロジェクターから投写する分割画像G1〜G4の端部に重複領域Er1〜Er4を設定し、隣接する重複領域Er1〜Er4を重畳させて原画像G0を形成する。つまり、隣り合う投写画面の画面領域の一部が重畳された状態で、全体画面が構成される。ところが、各プロジェクターの配置、傾き、個体差などにより、隣接する投写画面(分割画像)に位置ずれが生じる。このような位置ずれを、ユーザーが手動で調整しようとすると多大な時間と労力が必要となる。
【0003】
そこで、各プロジェクターからそれぞれ投写位置補正用のテストチャートをスクリーン上に投写し、当該テストチャートを撮像することにより、隣り合う投写画面間の位置ずれ量を検出し、自動的に位置ずれを解消する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−158398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、隣り合う投写画面の一部が重畳されるようにテストチャートを投写すると、その重畳領域では、どのプロジェクターから投写されたテストチャートであるかの判別が困難であり、各投写画面の投写領域を誤判定する場合がある。これにより、各プロジェクターの位置補正を正確に行うことができず、結果的に投写画面間の位置ずれを解消できないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、投写画面間の位置ずれを解消すべく、各投写画面の投写領域を正確に判定可能な投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の投写制御装置は、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写制御装置であって、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、撮像部の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、を備え、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【0008】
本発明の投写領域判定方法は、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写領域判定方法であって、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像ステップと、撮像ステップの撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定ステップと、を実行し、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、テストチャートとして、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートを用いるため、各プロジェクターから投写されたテストチャートの一部が重畳されている状態でも、その重畳領域が、どのプロジェクターから投写されたテストチャートであるかを識別できる。例えば、投写領域を左右に均等2分割したテストチャートを用いた場合であって、2台のプロジェクターから全体画面の左側・右側となるように、その一部が重畳された状態でテストチャートが投写された場合、左側の投写画面の右辺と右側の投写画面の左辺の位置の識別が困難となるが、各テストチャートの部分領域が、左右方向に1:1となるように分割されていることから、容易に左側の投写画面の右辺と右側の投写画面の左辺の位置を判別できる。これにより、各プロジェクターから投写された各投写領域を正確に判定することができる。
【0010】
上記に記載の投写制御装置において、複数台のプロジェクターから投写される複数のテストチャートは、共通のチャートであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、複数のテストチャートが共通しているため、プロジェクターごとに異なるテストチャートを用いる場合と比較して、テストチャートの開発コストと、複数種類のテストチャートを記憶するためのメモリー容量を軽減できる。
【0012】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに形が異なることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、形状認識により、各部分領域を識別できる。
なお、「形が異なる」とは、各部分領域に配置された図形の形状が異なる、各部分領域に配置された文字が異なる、図形や文字などの識別子の配列が異なる、の全てを含む概念である。
【0014】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに色が異なることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、色認識により、各部分領域を識別できる。
なお、「色が異なる」とは、各部分領域の地色(ベース色)が異なる、各部分領域の枠色が異なる、各部分領域に配置された識別子の色が異なる、の全てを含む概念である。また、「色が異なる」とは、色相、明度、彩度のうち少なくとも1のパラメーターが異なっていることを意味する。
【0016】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに、当該部分領域内における配置が異なることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、識別情報の位置認識(座標認識)により、各部分領域を識別できる。
なお、「配置が異なる」とは、部分領域の基準位置に対する識別子の基準位置が異なる、識別情報が複数の識別子からなる場合当該複数の識別子の相対位置が異なる、の両方を含む概念である。
【0018】
上記に記載の投写制御装置において、複数の部分領域は、投写領域をマトリクス状に均等分割した領域であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、複数の部分領域が同形状且つ同サイズであるため、比較的単純なアルゴリズムを用いて各投写領域を判定できる。
【0020】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、各部分領域内に、等間隔で複数配列された識別子の集合体であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、各識別子の位置を検出することで、テストチャートに歪みが生じている場合でも、正確に各投写領域を判定できる。また、最小二乗法などを用いて、投写位置を補正するための補正パラメーターを算出する場合も、正確な補正パラメーターを算出できる。
【0022】
上記に記載の投写制御装置において、複数のテストチャートは、それぞれ他のテストチャートと少なくとも一部が重畳するように投写されており、投写領域判定部により判定された複数の投写領域が、複数台のプロジェクターを用いて合成表示可能な全体投写領域を内接する最大の領域となるように、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出する補正座標算出部をさらに備えたことが好ましい。
【0023】
上記に記載の投写制御装置において、補正座標算出部により算出された補正座標に基づいて、複数台のプロジェクターに対し、補正指令を行う補正指令部をさらに備えたことが好ましい。
【0024】
これらの構成によれば、投写領域を特定するだけでなく、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出し、さらに当該補正座標に基づく補正指令を行うため、各プロジェクターにおいて補正座標の演算処理が不要となり、各プロジェクターの制御負荷を軽減できる。
【0025】
本発明の投写システムは、上記に記載の投写制御装置と、複数台のプロジェクターと、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、投写制御装置によって、投写画面の撮像から各プロジェクターの補正座標の算出までを行うため、各プロジェクターに、これらを実現するための構成が不要となり、システム全体としての構築費用を軽減できる。
【0027】
本発明の他の投写システムは、複数台のプロジェクターから成り、当該複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する投写システムであって、各プロジェクターは、投写画面の投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むテストチャートを、スクリーン上に投写する投写部を備え、複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターは、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、撮像部の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、投写領域判定部の判定結果に基づいて、投写部による投写位置の補正を行う投写位置補正部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、投写システムを構成する複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターによって、投写画面の撮像から各プロジェクターの補正座標の算出までを行うため、投写制御装置が不要となり、システム構成を簡素化できる。
なお、全てのプロジェクターで投写領域の判定を行わない場合は、投写領域の判定を行ったプロジェクターが、他のプロジェクターに対し、投写位置を補正するための補正指令を行うことが好ましい。また、全てのプロジェクターで投写領域の判定を行い、各プロジェクターが、自身の投写領域判定結果に基づいて、自身の投写位置補正を行うようにしても良い。
【0029】
本発明のテストチャートは、上記に記載の投写システムに用いられることを特徴とする。
【0030】
このテストチャートを用いることにより、複数のプロジェクターから投写された各投写画面の投写領域を正確に判定可能な投写システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る投写システムのシステム構成図である。
【図2】第1実施形態に係る投写システムの機能ブロック図である。
【図3】投写システムの投写位置補正処理を示すフローチャートである。
【図4】テストチャートの一例を示す図である。
【図5】投写領域判定処理の説明図である。
【図6】識別子の判定に関する説明図である。
【図7】識別子の座標特定に関する説明図である。
【図8】最終的な投写領域の決定に関する説明図である。
【図9】補正座標の算出に関する説明図である。
【図10】台形歪みが生じている場合の、最終的な投写領域の決定および補正座標の算出に関する説明図である。
【図11】第2実施形態に係る投写システムのシステム構成図である。
【図12】第2実施形態に係る投写システムの機能ブロック図である。
【図13】撮像対象領域の変形例を示す図である。
【図14】識別情報の変形例を示す図である。
【図15】テストチャートの領域分割パターンの変形例、および最終的な投写領域の特定方法の変形例を示す図である。
【図16】従来のタイリングディスプレイ技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、添付した図面を参照し、本発明の一実施形態に係る投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法について説明する。図1は、第1実施形態に係る投写システムSY1のシステム構成図である。同図に示すように、投写システムSY1は、コンピューター1と、当該コンピューター1と接続された複数台のプロジェクター2と(同図では、2台のみ図示)、プロジェクター2から投写された投写画面10を撮像するカメラ3と、投写画面10が投写されるスクリーンSCと、を備えている。なお、本発明の「投写制御装置」は、コンピューター1およびカメラ3から成る。
【0033】
ここで、投写画面10とは、スクリーンSCに投写光が投写される全体領域を指す。また、以下の説明において、当該全体領域を「投写領域Ea」と称し、2台のプロジェクター2のうち、第1のプロジェクター2から投写される投写領域Eaを「投写領域Ea1」、第2のプロジェクター2から投写される投写領域Eaを「投写領域Ea2」と称する。さらに、第1のプロジェクター2を「PJ1」、第2のプロジェクター2を「PJ2」と記載する。
【0034】
各プロジェクター2は、それぞれが投写する2つの投写画面10により合成画面(タイリングディスプレイ)を作成すべく、スクリーンSCに対し、左右に位置ずれして配置される。また、この場合、各投写領域Eaの端部が一部重畳するように、各プロジェクター2の投写位置が調整される。なお、ここで言う「投写位置の調整」とは、プロジェクター2本体の物理的な位置調整、自動または手動による台形歪み調整、レンズシフト調整などを指す。
【0035】
カメラ3は、少なくとも2つの投写画面10を含む撮像対象領域Ec0を撮像する。なお、カメラ3の配置は、2台のプロジェクター2の左右中間位置辺りに配置されることが好ましいが、2つの投写画面10を含む撮像対象領域Ec0を撮像可能な位置であればその配置は問わない。
【0036】
コンピューター1は、主なハードウェア構成として、制御部11、記憶部12、通信部13および操作部14を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から成り、プロジェクター2およびカメラ3の制御を含む各種制御を行う。記憶部12は、ハードディスク等から成り、OS(Operating System)をはじめ、プロジェクター2の投写位置を補正するための制御アプリケーションなど、各種アプリケーションを記憶する。また、記憶部12は、投写位置の補正に用いるテストチャート30(図4参照)も記憶する。通信部13は、プロジェクター2およびカメラ3と、有線通信または無線通信を用いて信号の入出力を行う。操作部14は、マウスやキーボードから成り、プロジェクター2に対するテストチャート30の投写や、カメラ3の撮像を指示するために用いられる。なお、テストチャート30は、コンピューター1内に記憶しておくのではなく、各プロジェクター2内に記憶させておく構成としても良い。
【0037】
次に、図2を参照し、投写システムSY1の機能構成について説明する。カメラ3は、主な機能構成として、撮像部21を備えている。撮像部21は、CCDカメラやCMOSカメラにより構成され、スクリーンSCを撮像する。撮像対象は、複数台のプロジェクター2から投写された複数のテストチャート30の投写領域Eaを含む撮像対象領域Ec0である。
【0038】
コンピューター1は、主な機能構成として、撮像結果取得部22、投写領域判定部23、補正座標算出部24および補正指令部25を備えている。撮像結果取得部22は、撮像部21の撮像結果として撮像画像を取得する。投写領域判定部23は、撮像画像に基づいて、複数台のプロジェクター2による複数の投写領域Eaを判定する。なお、投写領域Eaの判定方法については後に詳述する。
【0039】
補正座標算出部24は、投写領域判定部23により判定された複数の投写領域Eaが、複数台のプロジェクター2を用いて合成表示可能な全体投写領域(合成画面の領域)を内接する最大の領域となるように、各投写領域Eaの位置(各投写領域Eaの範囲)を補正するための補正座標を算出する。なお、補正座標としては、カメラ座標50上における補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)と、プロジェクター座標60上における補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)と、を算出する(図7,図9参照)。補正指令部25は、補正座標算出部24により算出された補正座標に基づいて、複数台のプロジェクター2に対し、補正指令を行う。
【0040】
一方、プロジェクター2は、主な機能構成として、投写位置補正部26を備えている。投写位置補正部26は、補正座標算出部24により算出された補正座標(補正プロジェクター座標)に基づいて、投写位置を補正する。なお、ここで言う「投写位置の補正」とは、プロジェクター座標60上における位置補正を指す。つまり、プロジェクター2が液晶方式の場合、液晶パネル内における位置補正を指す。
【0041】
次に、図3のフローチャート、並びに図4ないし図9の説明図を参照し、投写システムSY1の投写位置補正処理について説明する。図3に示すように、コンピューター1は、まず各プロジェクター2に対し、テストチャート30の投写を指令する(S01)。このとき、各プロジェクター2は、隣り合うテストチャート30の一部が重畳するように位置調整が行われる。また、各プロジェクター2から投写されるテストチャート30は、共通のチャートである。なお、当該テストチャート30の投写は、コンピューター1からの指令によらず、各プロジェクター2が独自に行う構成としても良い。
【0042】
ここで、図4を参照し、テストチャート30について説明する。同図(a),(b)に示すように、本実施形態に係るテストチャート30は、投写領域Eaをマトリクス状に4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割したものである。したがって、同図(b)に示すように、部分領域Eb1および部分領域Eb3の横方向長さと、部分領域Eb2および部分領域Eb4の横方向長さは、L1:L1で同一であり、部分領域Eb1および部分領域Eb2の縦方向長さと、部分領域Eb3および部分領域Eb4の縦方向長さも、L2:L2で同一となっている(図示点線は、各部分領域Ebの境界を示す仮想線であり、テストチャート30に含まれるものではない)。また、各部分領域Eb1〜Eb4は、部分領域Ebごとに異なる識別子41〜44(識別情報)を含んでいる。例えば、同図の例では、部分領域Eb1は四角形状の識別子41、部分領域Eb2はバツ形状の識別子42、部分領域Eb3はプラス形状の識別子43、部分領域Eb1は丸形状の識別子44、をそれぞれ含んでいる。また、各部分領域Eb1〜Eb4内には、各識別子41〜44が等間隔で多数配列されている。
【0043】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、カメラ3に対し、テストチャート30の撮像を指令し、撮像結果を得る(S02)。なお、当該テストチャート30の撮像は、コンピューター1からの指令によらず、カメラ3が独自に行い、撮像結果をコンピューター1に出力する構成としても良い。
【0044】
続いて、コンピューター1は、S02の撮像結果である撮像画像の画像解析を行う(S03)。また、その画像解析結果に基づいて、各プロジェクター2の投写領域Eaを判定する。以上、S02およびS03は、投写領域判定部23(図2参照)による投写領域判定処理を指す。図5は、投写領域判定処理の説明図である。ここでは、図5(a)に示す撮像結果が得られたものとする。同図は、PJ1の投写領域Ea1とPJ2の投写領域Ea2を、カメラ座標50上において示したものである。なお、カメラ座標50上におけるPJ1の投写領域Ea1を「投写領域E1」、カメラ座標50上におけるPJ2の投写領域Ea2を「投写領域E2」として図示している。投写領域Eaの判定は、部分領域Eb1および部分領域Eb3の横方向長さと、部分領域Eb2および部分領域Eb4の横方向長さが同一であり、且つ部分領域Eb1および部分領域Eb2の縦方向長さと、部分領域Eb3および部分領域Eb4の縦方向長さが同一であることに基づいて行われる。これにより、図5(b),(c)に示すように、カメラ座標50上において、PJ1の投写領域E1と、PJ2の投写領域E2がそれぞれ抽出される。
【0045】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、各投写領域E1内における識別子41〜44を判定し(S05)、当該判定結果に基づいて、カメラ座標50上における識別子41〜44の座標(X_c,Y_c)を特定する(S06)。また、プロジェクター座標60上における識別子41〜44の座標(X_p,Y_p)も特定し(S07)、これらを照合することによって、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を得るための補正パラメーターMを算出する(S08)。以上、S05〜S08は、補正座標算出部24(図2参照)による補正パラメーター算出処理を指す。
【0046】
図6は、識別子41〜44の判定に関する説明図である。識別子41〜44の判定は、カメラ座標50で行う。同図(a)に示すように、S03で特定したPJ1の投写領域E1には、PJ1のテストチャート30に含まれるべき画素以外の画素が含まれている。このような不要画素は、同図(b)に示すように、PJ2のテストチャート30との重畳領域に含まれるため、当該重畳領域でのPJ1の識別子41〜44を判定する。同図(b)は、PJ1の識別子判定を行った様子を図示しているが、PJ2についても同様に行う。
【0047】
図7(a)は、S04で判定したカメラ座標50上のPJ1の投写領域E1と、S04で判定した識別子の座標を示す図である。また、図7(b)は、PJ1のプロジェクター座標60を示す図である。これらカメラ座標50上の識別子の座標と、プロジェクター座標60上の識別子の座標とを照合し、最小二乗法を用いて2つの座標間の変換式(補正パラメーターM)を求める。図7(c)は、カメラ座標50とプロジェクター座標60の関係を示す行列式である。
【0048】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、S04の投写領域E1,E2の判定結果から、補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出する(S09)。ここでは、投写領域E1,E2の4つの頂点の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出する。なお、4つの頂点の間の座標は、線形補間により求める。また、S08で算出した補正パラメーターMに基づいて、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出する(S10)。以上、S09,S10は、補正座標算出部24(図2参照)による補正座標算出処理を指す。
【0049】
図8は、最終的な投写領域である全体投写領域E0の決定に関する説明図である。図8(a)に示すように、PJ1の投写領域E1とPJ2の投写領域E2が特定された場合、図8(b)に示すように、全体投写領域E0が投写領域E1および投写領域E2に内接される最大の領域となるように、各プロジェクター2の補正後の座標を求める。ここでは、全体投写領域E0が長方形であることを条件として、図8(b)の太枠に示すように全体投写領域E0を特定する。具体的には、各投写領域E1,E2の辺の位置関係から全体投写領域E0を特定する。2台のプロジェクター2(PJ1、PJ2)で合成画面を作成する場合、まず各投写領域E1,E2の上辺を比較して全体投写領域E0の上辺を決定し、各投写領域E1,E2の下辺を比較して全体投写領域E0の下辺を決定する。このとき、重畳領域において、それぞれの上辺が交差していない場合は、座標が下となる投写領域(ここでは、投写領域E2)の上辺を全体投写領域E0の上辺とする。同様に、全体投写領域E0の下辺は、座標が上となる投写領域(ここでは、投写領域E1)の上辺の位置とする。これにより、図9(a),(b)に示すように、PJ1およびPJ2の、カメラ座標50上における補正後の投写領域E1´,E2´を特定することができると共に、PJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出できる。さらに、算出したこれらPJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)と、補正パラメーターMに基づき、図9(c)に示す行列式により、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出できる。
【0050】
図3の説明に戻る。コンピューター1は、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出した後、接続されている各プロジェクター2(PJ1,PJ2)に対し、各プロジェクター2用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を出力する(S11)。当該S11は、補正指令部25(図2参照)による処理である。
【0051】
以上説明したとおり、第1実施形態に係る投写システムSY1によれば、テストチャート30として、投写領域Eaを複数の部分領域Ebに分割し、当該部分領域Ebごとに異なる識別子41〜44を含むチャートを用いるため、各プロジェクター2から投写されたテストチャート30の一部が重畳されている状態でも、その重畳領域が、どのプロジェクター2から投写されたテストチャート30であるかを正確に識別できる。また、プロジェクター2から投写されるテストチャート30は共通であるため、プロジェクター2ごとに異なるテストチャート30を用いる場合と比較して、テストチャート30の開発コストと記憶部12のメモリー容量を軽減できる。また、テストチャート30は、各部分領域Ebが同形状且つ同サイズとなるように分割されているため、コンピューター1は、比較的単純なアルゴリズムを用いて各投写領域E1,E2を判定できる。さらに、各部分領域Eb内には、多数の識別子41〜44が等間隔で配列されているため、各識別子41〜44の位置を検出することで、テストチャート30に歪みが生じている場合でも、正確に各投写領域E1,E2を判定できると共に、正確な補正パラメーターMを算出できる。
【0052】
なお、上記の実施形態では、PJ1,PJ2の各投写領域E1,E2の重畳領域において、それぞれの上辺が交差していない場合を例示したが、交差している場合は、図10(a)の太枠に示すように、全体投写領域E0を特定できる。つまり、それぞれの上辺の交差位置を全体投写領域E0の上辺の位置とし、それぞれの下辺の交差位置を全体投写領域E0の下辺の位置とする。また、図10(b),(c)に示すように、全体投写領域E0の特定結果から、PJ1およびPJ2の、カメラ座標50上における補正後の投写領域E1´,E2´を特定することができると共に、PJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出できる。
【0053】
また、上記の実施形態において、投写位置補正部26は、液晶パネル内において位置補正を行うものとしたが、レンズシフトなどと併用して、投写位置を補正しても良い。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図11ないし図13を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、コンピューター1により補正座標を算出したが、本実施形態では、プロジェクター2により補正座標を算出する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0055】
図11は、第2実施形態に係る投写システムSY2のシステム構成図である。同図に示すように、投写システムSY2は、複数台のプロジェクター2と(同図では、2台のみ図示)、スクリーンSCと、から成る。また、本実施形態のプロジェクター2(PJ1)は、前面にカメラ73が搭載されている。カメラ73は、全てのプロジェクター2の投写領域Ea1,Ea2を含む撮像対象領域Ec0を撮像する。なお、複数台のプロジェクター2は、有線接続であっても良いし、無線接続であっても良い。
【0056】
図12は、投写システムSY2の機能ブロック図である。プロジェクター2(PJ1)は、主な機能構成として、撮像部21、投写領域判定部23、補正座標算出部24、補正指令部25および投写位置補正部26を備えている。撮像部21は、カメラ73の機能を指す。一方、プロジェクター2(PJ2)は、主な機能構成として、投写位置補正部26を備えている。補正座標算出部24は、投写システムSY2を構成する全てのプロジェクター2の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出する。また、PJ1の投写位置補正部26は、補正座標算出部24により算出されたPJ1用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)に基づいて位置補正を行う。また、PJ2の投写位置補正部26は、補正指令部25により出力されたPJ2用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)に基づいて位置補正を行う。
【0057】
以上説明したとおり、第2実施形態に係る投写システムSY2によれば、投写システムSY2を構成する複数台のプロジェクター2のうち1台のプロジェクター2によって、テストチャート30の撮像から各プロジェクター2の補正座標の算出までを行うため、コンピューター1が不要となり、システム構成を簡素化できる。
【0058】
なお、上記の実施形態では、1台のプロジェクター2(PJ1)のみで投写領域Eaの判定や補正プロジェクター座標の算出を行う場合を例示したが、投写システムSY2を構成する全てのプロジェクター2で投写領域Eaの判定を行い、各プロジェクター2が、自身の投写領域判定結果に基づいて、自身の投写位置補正を行うようにしても良い。
【0059】
また、図13に示すように、3台のプロジェクター2(例えば、PJ1〜PJ3)で合成画面を作成する場合、3台のプロジェクター2のうち2台のプロジェクター2による撮像結果を用いて、各投写領域Ea1〜Ea3の判定を行っても良い。この場合、PJ1に搭載されたカメラ73により、投写領域Ea1,Ea2を含む撮像対象領域Ec1を撮像し、PJ2に搭載されたカメラ73により、投写領域Ea2,Ea3を含む撮像対象領域Ec2を撮像する。PJ1は、撮像対象領域Ec1の撮像結果を用いて、第1の全体投写領域Ea01を特定すると共に、PJ2から取得した撮像対象領域Ec2の撮像結果を用いて、第2の全体投写領域Ea02を特定する。その後、第1の全体投写領域Ea01と第2の全体投写領域Ea02に内接する最大の領域となるように、最終的な全体投写領域Ea0を特定する。また、当該最終的な全体投写領域Ea0の特定結果に基づいて、自身の投写位置補正とPJ2,PJ3に対する補正指令を行う。
【0060】
なお、本例の場合においても、PJ1とPJ2でそれぞれ全体投写領域Ea01,Ea02を特定し、それらの特定結果を用いて、いずれかのプロジェクター2で最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。また、PJ1〜PJ3の全てにカメラ73が搭載されている場合は、全てのカメラ73の撮像結果を利用して、最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。また、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせ、プロジェクター2に搭載されたカメラ73の撮像結果を利用し、全てのプロジェクター2を統括するコンピューター1で最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。
【0061】
以上、2つの実施形態を示したが、以下のような変形例を採用しても良い。図14は、識別情報の変形例を示す図である。図14(a)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4の地色(ベース色)81〜84が異なるテストチャート30を示している。本例においては、地色81〜84が識別情報となり、上記の実施形態と同様に、各部分領域Eb1〜Eb4の長さの比率に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、図14(a)と、図4の識別子41〜44を重ね合わせたテストチャート30としても良い。また、図4の識別子41〜44を全て同じ形状とし、識別子41〜44の色を変えることによって、各部分領域Eb1〜Eb4を区別しても良い。
【0062】
図14(b)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる識別情報91〜94が配置されたテストチャート30を示している。なお、図示点線120は、各部分領域Eb1〜Eb4を識別するための仮想線であり、実際にテストチャート30に含まれるものではない。本例においては、識別文字とその文字枠が識別情報となり、文字枠間の距離が図示の通り同一であることに基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、本例においても、文字枠の色を変えることによって、各部分領域Eb1〜Eb4を区別しても良い(この場合、識別文字は不要である)。
【0063】
図14(c)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる内容および配置の2次元コード101〜104が配置され、且つ4つの部分領域Eb1〜Eb4を区切る区切り線105,106が配置されたテストチャート30を示している。本例においては、2次元コード101〜104と区切り線105,106が識別情報となり、2次元コード101〜104のデコード結果(各部分領域Eb1〜Eb4の位置を示す情報)と、各部分領域Eb1〜Eb4の長さの比率に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、各部分領域Eb1〜Eb4内における2次元コード101〜104の配置は同じであっても良い。
【0064】
図14(d)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる配置のマーク群111〜114が配置され、且つ4つの部分領域Eb1〜Eb4を区切る区切りマーク群115,116が配置されたテストチャート30を示している。なお、図示点線枠120は、マーク群111〜114の配置の違いを示すための仮想線であり、実際にテストチャート30に含まれるものではない。本例においては、マーク群111〜114と区切りマーク群115,116が識別情報となり、各部分領域Eb1〜Eb4におけるマーク群111〜114の配置に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、マーク群111〜114に代えて、1つのマークを配置しても良い。また、区切りマーク群115,116に代えて、直線や点線などを配置しても良い。
【0065】
図15(a),(b)は、テストチャート30の領域分割パターンの変形例を示す図である。両図に示すように、部分領域Eb1〜Eb4の分割数は任意であり、必ずしも均等分割されていなくても良い。また、図15(c)は、最終的な全体投写領域E0の特定方法の変形例を示す図である。上記の実施形態では、全体投写領域E0が長方形となることを条件として、投写領域E1および投写領域E2に内接する最大の領域となるように全体投写領域E0特定したが、四角形であることを条件とした場合、同図に示すように、平行四辺形となるような全体投写領域E0を特定できる。また、ユーザーが、好みに応じて、全体投写領域E0を特定する際の条件(長方形、四角形など)を選択可能としても良い。
【0066】
なお、上記の変形例を含め、各実施形態に示したコンピューター1やプロジェクター2の各構成要素および各機能をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、本実施形態のコンピューター1やプロジェクター2の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0067】
また、上記の実施形態では、プロジェクター2の表示方式として、液晶表示方式を採用しているが、CRT表示方式やライトスイッチ表示方式(マイクロミラーデバイス方式)など、プロジェクター2の表示原理は問わない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…コンピューター 2…プロジェクター 3…カメラ(第1実施形態) 10…投写画面 30…テストチャート 41〜44…識別子 50…カメラ座標 60…プロジェクター座標 73…カメラ(第2実施形態) SC…スクリーン SY1…投写システム(第1実施形態) SY2…投写システム(第2実施形態)
【技術分野】
【0001】
複数の投写画面をスクリーン上で合成表示するための複数台のプロジェクターを制御する投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示するタイリングディスプレイ技術が知られている。当該タイリングディスプレイ技術は、1つの原画像を複数個に分割した分割画像をスクリーン上で繋ぎ合わせるように、複数のプロジェクターを用いて投写する技術である。このようなタイリングディスプレイを実現する場合、図16に示すように、各プロジェクターから投写する分割画像G1〜G4の端部に重複領域Er1〜Er4を設定し、隣接する重複領域Er1〜Er4を重畳させて原画像G0を形成する。つまり、隣り合う投写画面の画面領域の一部が重畳された状態で、全体画面が構成される。ところが、各プロジェクターの配置、傾き、個体差などにより、隣接する投写画面(分割画像)に位置ずれが生じる。このような位置ずれを、ユーザーが手動で調整しようとすると多大な時間と労力が必要となる。
【0003】
そこで、各プロジェクターからそれぞれ投写位置補正用のテストチャートをスクリーン上に投写し、当該テストチャートを撮像することにより、隣り合う投写画面間の位置ずれ量を検出し、自動的に位置ずれを解消する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−158398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、隣り合う投写画面の一部が重畳されるようにテストチャートを投写すると、その重畳領域では、どのプロジェクターから投写されたテストチャートであるかの判別が困難であり、各投写画面の投写領域を誤判定する場合がある。これにより、各プロジェクターの位置補正を正確に行うことができず、結果的に投写画面間の位置ずれを解消できないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、投写画面間の位置ずれを解消すべく、各投写画面の投写領域を正確に判定可能な投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の投写制御装置は、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写制御装置であって、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、撮像部の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、を備え、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【0008】
本発明の投写領域判定方法は、複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写領域判定方法であって、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像ステップと、撮像ステップの撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定ステップと、を実行し、テストチャートは、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、テストチャートとして、投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートを用いるため、各プロジェクターから投写されたテストチャートの一部が重畳されている状態でも、その重畳領域が、どのプロジェクターから投写されたテストチャートであるかを識別できる。例えば、投写領域を左右に均等2分割したテストチャートを用いた場合であって、2台のプロジェクターから全体画面の左側・右側となるように、その一部が重畳された状態でテストチャートが投写された場合、左側の投写画面の右辺と右側の投写画面の左辺の位置の識別が困難となるが、各テストチャートの部分領域が、左右方向に1:1となるように分割されていることから、容易に左側の投写画面の右辺と右側の投写画面の左辺の位置を判別できる。これにより、各プロジェクターから投写された各投写領域を正確に判定することができる。
【0010】
上記に記載の投写制御装置において、複数台のプロジェクターから投写される複数のテストチャートは、共通のチャートであることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、複数のテストチャートが共通しているため、プロジェクターごとに異なるテストチャートを用いる場合と比較して、テストチャートの開発コストと、複数種類のテストチャートを記憶するためのメモリー容量を軽減できる。
【0012】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに形が異なることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、形状認識により、各部分領域を識別できる。
なお、「形が異なる」とは、各部分領域に配置された図形の形状が異なる、各部分領域に配置された文字が異なる、図形や文字などの識別子の配列が異なる、の全てを含む概念である。
【0014】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに色が異なることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、色認識により、各部分領域を識別できる。
なお、「色が異なる」とは、各部分領域の地色(ベース色)が異なる、各部分領域の枠色が異なる、各部分領域に配置された識別子の色が異なる、の全てを含む概念である。また、「色が異なる」とは、色相、明度、彩度のうち少なくとも1のパラメーターが異なっていることを意味する。
【0016】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、部分領域ごとに、当該部分領域内における配置が異なることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、識別情報の位置認識(座標認識)により、各部分領域を識別できる。
なお、「配置が異なる」とは、部分領域の基準位置に対する識別子の基準位置が異なる、識別情報が複数の識別子からなる場合当該複数の識別子の相対位置が異なる、の両方を含む概念である。
【0018】
上記に記載の投写制御装置において、複数の部分領域は、投写領域をマトリクス状に均等分割した領域であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、複数の部分領域が同形状且つ同サイズであるため、比較的単純なアルゴリズムを用いて各投写領域を判定できる。
【0020】
上記に記載の投写制御装置において、識別情報は、各部分領域内に、等間隔で複数配列された識別子の集合体であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、各識別子の位置を検出することで、テストチャートに歪みが生じている場合でも、正確に各投写領域を判定できる。また、最小二乗法などを用いて、投写位置を補正するための補正パラメーターを算出する場合も、正確な補正パラメーターを算出できる。
【0022】
上記に記載の投写制御装置において、複数のテストチャートは、それぞれ他のテストチャートと少なくとも一部が重畳するように投写されており、投写領域判定部により判定された複数の投写領域が、複数台のプロジェクターを用いて合成表示可能な全体投写領域を内接する最大の領域となるように、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出する補正座標算出部をさらに備えたことが好ましい。
【0023】
上記に記載の投写制御装置において、補正座標算出部により算出された補正座標に基づいて、複数台のプロジェクターに対し、補正指令を行う補正指令部をさらに備えたことが好ましい。
【0024】
これらの構成によれば、投写領域を特定するだけでなく、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出し、さらに当該補正座標に基づく補正指令を行うため、各プロジェクターにおいて補正座標の演算処理が不要となり、各プロジェクターの制御負荷を軽減できる。
【0025】
本発明の投写システムは、上記に記載の投写制御装置と、複数台のプロジェクターと、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、投写制御装置によって、投写画面の撮像から各プロジェクターの補正座標の算出までを行うため、各プロジェクターに、これらを実現するための構成が不要となり、システム全体としての構築費用を軽減できる。
【0027】
本発明の他の投写システムは、複数台のプロジェクターから成り、当該複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する投写システムであって、各プロジェクターは、投写画面の投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むテストチャートを、スクリーン上に投写する投写部を備え、複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターは、複数台のプロジェクターからスクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、撮像部の撮像結果に基づいて、複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、投写領域判定部の判定結果に基づいて、投写部による投写位置の補正を行う投写位置補正部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、投写システムを構成する複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターによって、投写画面の撮像から各プロジェクターの補正座標の算出までを行うため、投写制御装置が不要となり、システム構成を簡素化できる。
なお、全てのプロジェクターで投写領域の判定を行わない場合は、投写領域の判定を行ったプロジェクターが、他のプロジェクターに対し、投写位置を補正するための補正指令を行うことが好ましい。また、全てのプロジェクターで投写領域の判定を行い、各プロジェクターが、自身の投写領域判定結果に基づいて、自身の投写位置補正を行うようにしても良い。
【0029】
本発明のテストチャートは、上記に記載の投写システムに用いられることを特徴とする。
【0030】
このテストチャートを用いることにより、複数のプロジェクターから投写された各投写画面の投写領域を正確に判定可能な投写システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る投写システムのシステム構成図である。
【図2】第1実施形態に係る投写システムの機能ブロック図である。
【図3】投写システムの投写位置補正処理を示すフローチャートである。
【図4】テストチャートの一例を示す図である。
【図5】投写領域判定処理の説明図である。
【図6】識別子の判定に関する説明図である。
【図7】識別子の座標特定に関する説明図である。
【図8】最終的な投写領域の決定に関する説明図である。
【図9】補正座標の算出に関する説明図である。
【図10】台形歪みが生じている場合の、最終的な投写領域の決定および補正座標の算出に関する説明図である。
【図11】第2実施形態に係る投写システムのシステム構成図である。
【図12】第2実施形態に係る投写システムの機能ブロック図である。
【図13】撮像対象領域の変形例を示す図である。
【図14】識別情報の変形例を示す図である。
【図15】テストチャートの領域分割パターンの変形例、および最終的な投写領域の特定方法の変形例を示す図である。
【図16】従来のタイリングディスプレイ技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、添付した図面を参照し、本発明の一実施形態に係る投写制御装置、投写システム、テストチャート、投写領域判定方法について説明する。図1は、第1実施形態に係る投写システムSY1のシステム構成図である。同図に示すように、投写システムSY1は、コンピューター1と、当該コンピューター1と接続された複数台のプロジェクター2と(同図では、2台のみ図示)、プロジェクター2から投写された投写画面10を撮像するカメラ3と、投写画面10が投写されるスクリーンSCと、を備えている。なお、本発明の「投写制御装置」は、コンピューター1およびカメラ3から成る。
【0033】
ここで、投写画面10とは、スクリーンSCに投写光が投写される全体領域を指す。また、以下の説明において、当該全体領域を「投写領域Ea」と称し、2台のプロジェクター2のうち、第1のプロジェクター2から投写される投写領域Eaを「投写領域Ea1」、第2のプロジェクター2から投写される投写領域Eaを「投写領域Ea2」と称する。さらに、第1のプロジェクター2を「PJ1」、第2のプロジェクター2を「PJ2」と記載する。
【0034】
各プロジェクター2は、それぞれが投写する2つの投写画面10により合成画面(タイリングディスプレイ)を作成すべく、スクリーンSCに対し、左右に位置ずれして配置される。また、この場合、各投写領域Eaの端部が一部重畳するように、各プロジェクター2の投写位置が調整される。なお、ここで言う「投写位置の調整」とは、プロジェクター2本体の物理的な位置調整、自動または手動による台形歪み調整、レンズシフト調整などを指す。
【0035】
カメラ3は、少なくとも2つの投写画面10を含む撮像対象領域Ec0を撮像する。なお、カメラ3の配置は、2台のプロジェクター2の左右中間位置辺りに配置されることが好ましいが、2つの投写画面10を含む撮像対象領域Ec0を撮像可能な位置であればその配置は問わない。
【0036】
コンピューター1は、主なハードウェア構成として、制御部11、記憶部12、通信部13および操作部14を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から成り、プロジェクター2およびカメラ3の制御を含む各種制御を行う。記憶部12は、ハードディスク等から成り、OS(Operating System)をはじめ、プロジェクター2の投写位置を補正するための制御アプリケーションなど、各種アプリケーションを記憶する。また、記憶部12は、投写位置の補正に用いるテストチャート30(図4参照)も記憶する。通信部13は、プロジェクター2およびカメラ3と、有線通信または無線通信を用いて信号の入出力を行う。操作部14は、マウスやキーボードから成り、プロジェクター2に対するテストチャート30の投写や、カメラ3の撮像を指示するために用いられる。なお、テストチャート30は、コンピューター1内に記憶しておくのではなく、各プロジェクター2内に記憶させておく構成としても良い。
【0037】
次に、図2を参照し、投写システムSY1の機能構成について説明する。カメラ3は、主な機能構成として、撮像部21を備えている。撮像部21は、CCDカメラやCMOSカメラにより構成され、スクリーンSCを撮像する。撮像対象は、複数台のプロジェクター2から投写された複数のテストチャート30の投写領域Eaを含む撮像対象領域Ec0である。
【0038】
コンピューター1は、主な機能構成として、撮像結果取得部22、投写領域判定部23、補正座標算出部24および補正指令部25を備えている。撮像結果取得部22は、撮像部21の撮像結果として撮像画像を取得する。投写領域判定部23は、撮像画像に基づいて、複数台のプロジェクター2による複数の投写領域Eaを判定する。なお、投写領域Eaの判定方法については後に詳述する。
【0039】
補正座標算出部24は、投写領域判定部23により判定された複数の投写領域Eaが、複数台のプロジェクター2を用いて合成表示可能な全体投写領域(合成画面の領域)を内接する最大の領域となるように、各投写領域Eaの位置(各投写領域Eaの範囲)を補正するための補正座標を算出する。なお、補正座標としては、カメラ座標50上における補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)と、プロジェクター座標60上における補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)と、を算出する(図7,図9参照)。補正指令部25は、補正座標算出部24により算出された補正座標に基づいて、複数台のプロジェクター2に対し、補正指令を行う。
【0040】
一方、プロジェクター2は、主な機能構成として、投写位置補正部26を備えている。投写位置補正部26は、補正座標算出部24により算出された補正座標(補正プロジェクター座標)に基づいて、投写位置を補正する。なお、ここで言う「投写位置の補正」とは、プロジェクター座標60上における位置補正を指す。つまり、プロジェクター2が液晶方式の場合、液晶パネル内における位置補正を指す。
【0041】
次に、図3のフローチャート、並びに図4ないし図9の説明図を参照し、投写システムSY1の投写位置補正処理について説明する。図3に示すように、コンピューター1は、まず各プロジェクター2に対し、テストチャート30の投写を指令する(S01)。このとき、各プロジェクター2は、隣り合うテストチャート30の一部が重畳するように位置調整が行われる。また、各プロジェクター2から投写されるテストチャート30は、共通のチャートである。なお、当該テストチャート30の投写は、コンピューター1からの指令によらず、各プロジェクター2が独自に行う構成としても良い。
【0042】
ここで、図4を参照し、テストチャート30について説明する。同図(a),(b)に示すように、本実施形態に係るテストチャート30は、投写領域Eaをマトリクス状に4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割したものである。したがって、同図(b)に示すように、部分領域Eb1および部分領域Eb3の横方向長さと、部分領域Eb2および部分領域Eb4の横方向長さは、L1:L1で同一であり、部分領域Eb1および部分領域Eb2の縦方向長さと、部分領域Eb3および部分領域Eb4の縦方向長さも、L2:L2で同一となっている(図示点線は、各部分領域Ebの境界を示す仮想線であり、テストチャート30に含まれるものではない)。また、各部分領域Eb1〜Eb4は、部分領域Ebごとに異なる識別子41〜44(識別情報)を含んでいる。例えば、同図の例では、部分領域Eb1は四角形状の識別子41、部分領域Eb2はバツ形状の識別子42、部分領域Eb3はプラス形状の識別子43、部分領域Eb1は丸形状の識別子44、をそれぞれ含んでいる。また、各部分領域Eb1〜Eb4内には、各識別子41〜44が等間隔で多数配列されている。
【0043】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、カメラ3に対し、テストチャート30の撮像を指令し、撮像結果を得る(S02)。なお、当該テストチャート30の撮像は、コンピューター1からの指令によらず、カメラ3が独自に行い、撮像結果をコンピューター1に出力する構成としても良い。
【0044】
続いて、コンピューター1は、S02の撮像結果である撮像画像の画像解析を行う(S03)。また、その画像解析結果に基づいて、各プロジェクター2の投写領域Eaを判定する。以上、S02およびS03は、投写領域判定部23(図2参照)による投写領域判定処理を指す。図5は、投写領域判定処理の説明図である。ここでは、図5(a)に示す撮像結果が得られたものとする。同図は、PJ1の投写領域Ea1とPJ2の投写領域Ea2を、カメラ座標50上において示したものである。なお、カメラ座標50上におけるPJ1の投写領域Ea1を「投写領域E1」、カメラ座標50上におけるPJ2の投写領域Ea2を「投写領域E2」として図示している。投写領域Eaの判定は、部分領域Eb1および部分領域Eb3の横方向長さと、部分領域Eb2および部分領域Eb4の横方向長さが同一であり、且つ部分領域Eb1および部分領域Eb2の縦方向長さと、部分領域Eb3および部分領域Eb4の縦方向長さが同一であることに基づいて行われる。これにより、図5(b),(c)に示すように、カメラ座標50上において、PJ1の投写領域E1と、PJ2の投写領域E2がそれぞれ抽出される。
【0045】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、各投写領域E1内における識別子41〜44を判定し(S05)、当該判定結果に基づいて、カメラ座標50上における識別子41〜44の座標(X_c,Y_c)を特定する(S06)。また、プロジェクター座標60上における識別子41〜44の座標(X_p,Y_p)も特定し(S07)、これらを照合することによって、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を得るための補正パラメーターMを算出する(S08)。以上、S05〜S08は、補正座標算出部24(図2参照)による補正パラメーター算出処理を指す。
【0046】
図6は、識別子41〜44の判定に関する説明図である。識別子41〜44の判定は、カメラ座標50で行う。同図(a)に示すように、S03で特定したPJ1の投写領域E1には、PJ1のテストチャート30に含まれるべき画素以外の画素が含まれている。このような不要画素は、同図(b)に示すように、PJ2のテストチャート30との重畳領域に含まれるため、当該重畳領域でのPJ1の識別子41〜44を判定する。同図(b)は、PJ1の識別子判定を行った様子を図示しているが、PJ2についても同様に行う。
【0047】
図7(a)は、S04で判定したカメラ座標50上のPJ1の投写領域E1と、S04で判定した識別子の座標を示す図である。また、図7(b)は、PJ1のプロジェクター座標60を示す図である。これらカメラ座標50上の識別子の座標と、プロジェクター座標60上の識別子の座標とを照合し、最小二乗法を用いて2つの座標間の変換式(補正パラメーターM)を求める。図7(c)は、カメラ座標50とプロジェクター座標60の関係を示す行列式である。
【0048】
図3の説明に戻る。続いて、コンピューター1は、S04の投写領域E1,E2の判定結果から、補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出する(S09)。ここでは、投写領域E1,E2の4つの頂点の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出する。なお、4つの頂点の間の座標は、線形補間により求める。また、S08で算出した補正パラメーターMに基づいて、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出する(S10)。以上、S09,S10は、補正座標算出部24(図2参照)による補正座標算出処理を指す。
【0049】
図8は、最終的な投写領域である全体投写領域E0の決定に関する説明図である。図8(a)に示すように、PJ1の投写領域E1とPJ2の投写領域E2が特定された場合、図8(b)に示すように、全体投写領域E0が投写領域E1および投写領域E2に内接される最大の領域となるように、各プロジェクター2の補正後の座標を求める。ここでは、全体投写領域E0が長方形であることを条件として、図8(b)の太枠に示すように全体投写領域E0を特定する。具体的には、各投写領域E1,E2の辺の位置関係から全体投写領域E0を特定する。2台のプロジェクター2(PJ1、PJ2)で合成画面を作成する場合、まず各投写領域E1,E2の上辺を比較して全体投写領域E0の上辺を決定し、各投写領域E1,E2の下辺を比較して全体投写領域E0の下辺を決定する。このとき、重畳領域において、それぞれの上辺が交差していない場合は、座標が下となる投写領域(ここでは、投写領域E2)の上辺を全体投写領域E0の上辺とする。同様に、全体投写領域E0の下辺は、座標が上となる投写領域(ここでは、投写領域E1)の上辺の位置とする。これにより、図9(a),(b)に示すように、PJ1およびPJ2の、カメラ座標50上における補正後の投写領域E1´,E2´を特定することができると共に、PJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出できる。さらに、算出したこれらPJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)と、補正パラメーターMに基づき、図9(c)に示す行列式により、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出できる。
【0050】
図3の説明に戻る。コンピューター1は、補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出した後、接続されている各プロジェクター2(PJ1,PJ2)に対し、各プロジェクター2用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を出力する(S11)。当該S11は、補正指令部25(図2参照)による処理である。
【0051】
以上説明したとおり、第1実施形態に係る投写システムSY1によれば、テストチャート30として、投写領域Eaを複数の部分領域Ebに分割し、当該部分領域Ebごとに異なる識別子41〜44を含むチャートを用いるため、各プロジェクター2から投写されたテストチャート30の一部が重畳されている状態でも、その重畳領域が、どのプロジェクター2から投写されたテストチャート30であるかを正確に識別できる。また、プロジェクター2から投写されるテストチャート30は共通であるため、プロジェクター2ごとに異なるテストチャート30を用いる場合と比較して、テストチャート30の開発コストと記憶部12のメモリー容量を軽減できる。また、テストチャート30は、各部分領域Ebが同形状且つ同サイズとなるように分割されているため、コンピューター1は、比較的単純なアルゴリズムを用いて各投写領域E1,E2を判定できる。さらに、各部分領域Eb内には、多数の識別子41〜44が等間隔で配列されているため、各識別子41〜44の位置を検出することで、テストチャート30に歪みが生じている場合でも、正確に各投写領域E1,E2を判定できると共に、正確な補正パラメーターMを算出できる。
【0052】
なお、上記の実施形態では、PJ1,PJ2の各投写領域E1,E2の重畳領域において、それぞれの上辺が交差していない場合を例示したが、交差している場合は、図10(a)の太枠に示すように、全体投写領域E0を特定できる。つまり、それぞれの上辺の交差位置を全体投写領域E0の上辺の位置とし、それぞれの下辺の交差位置を全体投写領域E0の下辺の位置とする。また、図10(b),(c)に示すように、全体投写領域E0の特定結果から、PJ1およびPJ2の、カメラ座標50上における補正後の投写領域E1´,E2´を特定することができると共に、PJ1およびPJ2の補正カメラ座標(X_c´,Y_c´)を算出できる。
【0053】
また、上記の実施形態において、投写位置補正部26は、液晶パネル内において位置補正を行うものとしたが、レンズシフトなどと併用して、投写位置を補正しても良い。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図11ないし図13を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、コンピューター1により補正座標を算出したが、本実施形態では、プロジェクター2により補正座標を算出する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0055】
図11は、第2実施形態に係る投写システムSY2のシステム構成図である。同図に示すように、投写システムSY2は、複数台のプロジェクター2と(同図では、2台のみ図示)、スクリーンSCと、から成る。また、本実施形態のプロジェクター2(PJ1)は、前面にカメラ73が搭載されている。カメラ73は、全てのプロジェクター2の投写領域Ea1,Ea2を含む撮像対象領域Ec0を撮像する。なお、複数台のプロジェクター2は、有線接続であっても良いし、無線接続であっても良い。
【0056】
図12は、投写システムSY2の機能ブロック図である。プロジェクター2(PJ1)は、主な機能構成として、撮像部21、投写領域判定部23、補正座標算出部24、補正指令部25および投写位置補正部26を備えている。撮像部21は、カメラ73の機能を指す。一方、プロジェクター2(PJ2)は、主な機能構成として、投写位置補正部26を備えている。補正座標算出部24は、投写システムSY2を構成する全てのプロジェクター2の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)を算出する。また、PJ1の投写位置補正部26は、補正座標算出部24により算出されたPJ1用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)に基づいて位置補正を行う。また、PJ2の投写位置補正部26は、補正指令部25により出力されたPJ2用の補正プロジェクター座標(X_p´,Y_p´)に基づいて位置補正を行う。
【0057】
以上説明したとおり、第2実施形態に係る投写システムSY2によれば、投写システムSY2を構成する複数台のプロジェクター2のうち1台のプロジェクター2によって、テストチャート30の撮像から各プロジェクター2の補正座標の算出までを行うため、コンピューター1が不要となり、システム構成を簡素化できる。
【0058】
なお、上記の実施形態では、1台のプロジェクター2(PJ1)のみで投写領域Eaの判定や補正プロジェクター座標の算出を行う場合を例示したが、投写システムSY2を構成する全てのプロジェクター2で投写領域Eaの判定を行い、各プロジェクター2が、自身の投写領域判定結果に基づいて、自身の投写位置補正を行うようにしても良い。
【0059】
また、図13に示すように、3台のプロジェクター2(例えば、PJ1〜PJ3)で合成画面を作成する場合、3台のプロジェクター2のうち2台のプロジェクター2による撮像結果を用いて、各投写領域Ea1〜Ea3の判定を行っても良い。この場合、PJ1に搭載されたカメラ73により、投写領域Ea1,Ea2を含む撮像対象領域Ec1を撮像し、PJ2に搭載されたカメラ73により、投写領域Ea2,Ea3を含む撮像対象領域Ec2を撮像する。PJ1は、撮像対象領域Ec1の撮像結果を用いて、第1の全体投写領域Ea01を特定すると共に、PJ2から取得した撮像対象領域Ec2の撮像結果を用いて、第2の全体投写領域Ea02を特定する。その後、第1の全体投写領域Ea01と第2の全体投写領域Ea02に内接する最大の領域となるように、最終的な全体投写領域Ea0を特定する。また、当該最終的な全体投写領域Ea0の特定結果に基づいて、自身の投写位置補正とPJ2,PJ3に対する補正指令を行う。
【0060】
なお、本例の場合においても、PJ1とPJ2でそれぞれ全体投写領域Ea01,Ea02を特定し、それらの特定結果を用いて、いずれかのプロジェクター2で最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。また、PJ1〜PJ3の全てにカメラ73が搭載されている場合は、全てのカメラ73の撮像結果を利用して、最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。また、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせ、プロジェクター2に搭載されたカメラ73の撮像結果を利用し、全てのプロジェクター2を統括するコンピューター1で最終的な全体投写領域Ea0を特定しても良い。
【0061】
以上、2つの実施形態を示したが、以下のような変形例を採用しても良い。図14は、識別情報の変形例を示す図である。図14(a)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4の地色(ベース色)81〜84が異なるテストチャート30を示している。本例においては、地色81〜84が識別情報となり、上記の実施形態と同様に、各部分領域Eb1〜Eb4の長さの比率に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、図14(a)と、図4の識別子41〜44を重ね合わせたテストチャート30としても良い。また、図4の識別子41〜44を全て同じ形状とし、識別子41〜44の色を変えることによって、各部分領域Eb1〜Eb4を区別しても良い。
【0062】
図14(b)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる識別情報91〜94が配置されたテストチャート30を示している。なお、図示点線120は、各部分領域Eb1〜Eb4を識別するための仮想線であり、実際にテストチャート30に含まれるものではない。本例においては、識別文字とその文字枠が識別情報となり、文字枠間の距離が図示の通り同一であることに基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、本例においても、文字枠の色を変えることによって、各部分領域Eb1〜Eb4を区別しても良い(この場合、識別文字は不要である)。
【0063】
図14(c)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる内容および配置の2次元コード101〜104が配置され、且つ4つの部分領域Eb1〜Eb4を区切る区切り線105,106が配置されたテストチャート30を示している。本例においては、2次元コード101〜104と区切り線105,106が識別情報となり、2次元コード101〜104のデコード結果(各部分領域Eb1〜Eb4の位置を示す情報)と、各部分領域Eb1〜Eb4の長さの比率に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、各部分領域Eb1〜Eb4内における2次元コード101〜104の配置は同じであっても良い。
【0064】
図14(d)は、投写領域Eaを4つの部分領域Eb1〜Eb4に均等分割し、各部分領域Eb1〜Eb4には、異なる配置のマーク群111〜114が配置され、且つ4つの部分領域Eb1〜Eb4を区切る区切りマーク群115,116が配置されたテストチャート30を示している。なお、図示点線枠120は、マーク群111〜114の配置の違いを示すための仮想線であり、実際にテストチャート30に含まれるものではない。本例においては、マーク群111〜114と区切りマーク群115,116が識別情報となり、各部分領域Eb1〜Eb4におけるマーク群111〜114の配置に基づいて、投写領域Eaを特定できる。なお、マーク群111〜114に代えて、1つのマークを配置しても良い。また、区切りマーク群115,116に代えて、直線や点線などを配置しても良い。
【0065】
図15(a),(b)は、テストチャート30の領域分割パターンの変形例を示す図である。両図に示すように、部分領域Eb1〜Eb4の分割数は任意であり、必ずしも均等分割されていなくても良い。また、図15(c)は、最終的な全体投写領域E0の特定方法の変形例を示す図である。上記の実施形態では、全体投写領域E0が長方形となることを条件として、投写領域E1および投写領域E2に内接する最大の領域となるように全体投写領域E0特定したが、四角形であることを条件とした場合、同図に示すように、平行四辺形となるような全体投写領域E0を特定できる。また、ユーザーが、好みに応じて、全体投写領域E0を特定する際の条件(長方形、四角形など)を選択可能としても良い。
【0066】
なお、上記の変形例を含め、各実施形態に示したコンピューター1やプロジェクター2の各構成要素および各機能をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、本実施形態のコンピューター1やプロジェクター2の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0067】
また、上記の実施形態では、プロジェクター2の表示方式として、液晶表示方式を採用しているが、CRT表示方式やライトスイッチ表示方式(マイクロミラーデバイス方式)など、プロジェクター2の表示原理は問わない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…コンピューター 2…プロジェクター 3…カメラ(第1実施形態) 10…投写画面 30…テストチャート 41〜44…識別子 50…カメラ座標 60…プロジェクター座標 73…カメラ(第2実施形態) SC…スクリーン SY1…投写システム(第1実施形態) SY2…投写システム(第2実施形態)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写制御装置であって、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、を備え、
前記テストチャートは、前記投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする投写制御装置。
【請求項2】
前記複数台のプロジェクターから投写される前記複数のテストチャートは、共通のチャートであることを特徴とする請求項1に記載の投写制御装置。
【請求項3】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに形が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに色が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項5】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに、当該部分領域内における配置が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項6】
前記複数の部分領域は、前記投写領域をマトリクス状に均等分割した領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項7】
前記識別情報は、各部分領域内に、等間隔で複数配列された識別子の集合体であることを特徴とする請求項6に記載の投写制御装置。
【請求項8】
前記複数のテストチャートは、それぞれ他のテストチャートと少なくとも一部が重畳するように投写されており、
前記投写領域判定部により判定された前記複数の投写領域が、前記複数台のプロジェクターを用いて合成表示可能な全体投写領域を内接する最大の領域となるように、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出する補正座標算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項9】
前記補正座標算出部により算出された前記補正座標に基づいて、前記複数台のプロジェクターに対し、補正指令を行う補正指令部をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の投写制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の投写制御装置と、
前記複数台のプロジェクターと、を備えたことを特徴とする投写システム。
【請求項11】
複数台のプロジェクターから成り、当該複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する投写システムであって、
各プロジェクターは、
前記投写画面の投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むテストチャートを、前記スクリーン上に投写する投写部を備え、
前記複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターは、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、
前記投写領域判定部の判定結果に基づいて、前記投写部による投写位置の補正を行う投写位置補正部と、を備えたことを特徴とする投写システム。
【請求項12】
請求項10または11に記載の投写システムに用いられることを特徴とするテストチャート。
【請求項13】
複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写領域判定方法であって、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定ステップと、を実行し、
前記テストチャートは、前記投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする投写領域判定方法。
【請求項1】
複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写制御装置であって、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、を備え、
前記テストチャートは、前記投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする投写制御装置。
【請求項2】
前記複数台のプロジェクターから投写される前記複数のテストチャートは、共通のチャートであることを特徴とする請求項1に記載の投写制御装置。
【請求項3】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに形が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに色が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項5】
前記識別情報は、前記部分領域ごとに、当該部分領域内における配置が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項6】
前記複数の部分領域は、前記投写領域をマトリクス状に均等分割した領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項7】
前記識別情報は、各部分領域内に、等間隔で複数配列された識別子の集合体であることを特徴とする請求項6に記載の投写制御装置。
【請求項8】
前記複数のテストチャートは、それぞれ他のテストチャートと少なくとも一部が重畳するように投写されており、
前記投写領域判定部により判定された前記複数の投写領域が、前記複数台のプロジェクターを用いて合成表示可能な全体投写領域を内接する最大の領域となるように、各投写領域の位置を補正するための補正座標を算出する補正座標算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の投写制御装置。
【請求項9】
前記補正座標算出部により算出された前記補正座標に基づいて、前記複数台のプロジェクターに対し、補正指令を行う補正指令部をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の投写制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の投写制御装置と、
前記複数台のプロジェクターと、を備えたことを特徴とする投写システム。
【請求項11】
複数台のプロジェクターから成り、当該複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する投写システムであって、
各プロジェクターは、
前記投写画面の投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むテストチャートを、前記スクリーン上に投写する投写部を備え、
前記複数台のプロジェクターのうち少なくとも1台のプロジェクターは、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定部と、
前記投写領域判定部の判定結果に基づいて、前記投写部による投写位置の補正を行う投写位置補正部と、を備えたことを特徴とする投写システム。
【請求項12】
請求項10または11に記載の投写システムに用いられることを特徴とするテストチャート。
【請求項13】
複数台のプロジェクターから投写された複数の投写画面をスクリーン上で合成表示する際の、各投写画面の投写領域を判定する投写領域判定方法であって、
前記複数台のプロジェクターから前記スクリーン上に投写された複数のテストチャートを撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの撮像結果に基づいて、前記複数台のプロジェクターによる複数の投写領域を判定する投写領域判定ステップと、を実行し、
前記テストチャートは、前記投写領域を複数の部分領域に分割し、当該部分領域ごとに異なる識別情報を含むチャートであることを特徴とする投写領域判定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−142669(P2012−142669A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292047(P2010−292047)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]