説明

投写型映像表示装置及びランプユニット

【課題】冷却風の流れを調整することを安価かつ容易に行うことができる投写型映像表示装置及びランプユニットを提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置であるプロジェクタは、映像表示用のランプ21を備え、冷却風を送風してランプ21を冷却する。プロジェクタは、冷却風を通す通風孔51が形成された金属板5aを備え、通風孔51が金属板5aを切り起こして形成されることにより、金属板5aが、通風孔51が形成されている通風孔形成面と、通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却風を送風してランプを冷却する投写型映像表示装置及びランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置は、光を発するランプと、ランプを覆うリフレクタとを備えている。発光に伴って発熱するランプが過剰に高温となった状態で使用され続けると、ランプの寿命が短くなってしまうため、ランプを空冷することが行われている(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
また、冷却風の流路において、冷却風を通す小さな通風孔が複数形成された格子部材を設けることが知られている。このような格子部材をランプの近傍に設けることによって、ランプを構成する発光管が破裂した場合であっても、その破片が飛散することを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−254061号公報
【特許文献2】特開2009−36869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、冷却風の効率的な流れを検証するプロジェクタの設計段階において、複数形成されている通風孔のうちの一部を塞いだ状態における冷却風の流れを知りたい場合がある。特に、ランプを効率良く冷却するための冷却風の流れを検証するために、複数の通風孔のうちの一部を塞いだ状態における冷却風の流れを知りたい場合がある。このような場合に、例えば、上記格子部材を成型する金型を作り直して通風孔の形成態様を変更する場合には、新たな金型を作るためのコストや時間が必要となる。また、例えば、通風孔の一部を接着テープで塞いで冷却風の流れを検証する場合も、通風孔を塞ぐための部材である接着テープの費用がかかる。このように、従来、通風孔を通る冷却風を制限したりするために冷却風の流れを調整することは、安価かつ容易に行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、冷却風の流れを調整することを安価かつ容易に行うことができる投写型映像表示装置及びランプユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、映像表示用のランプを備え、冷却風を送風して前記ランプを冷却する投写型映像表示装置において、前記冷却風を通す通風孔が形成された金属板を備え、前記通風孔が前記金属板を切り起こして形成されることにより、前記金属板が、前記通風孔が形成されている通風孔形成面と、この通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有することを特徴とする。
【0008】
上記発明によれば、冷却風を通す通風孔が金属板を切り起こして形成されることにより、金属板が、通風孔が形成されている通風孔形成面と、通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有する。このような構成によれば、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させることによって、冷却風が通風孔を通る状態となる。また、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させないようにすることによって、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させる場合に比べて、通風孔を通る冷却風の流れが妨げられる状態となる。従って、切り起こし部が通風孔形成面に対して屈曲する度合いを変更することにより、冷却風の流れを調整することを金属板で安価かつ容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の投写型映像表示装置において、前記切り起こし部が、前記ランプが存在する空間に向けて前記通風孔形成面から屈曲していることを特徴とする。
【0010】
上記発明によれば、切り起こし部が、ランプが存在する空間に向けて通風孔形成面から屈曲しているため、通風孔を通過した冷却風がランプに向けて流れるように、冷却風の風向を効果的に調整することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の投写型映像表示装置において、複数の前記通風孔が前記金属板に形成されるとともに、同金属板が複数の前記切り起こし部を有し、複数の前記切り起こし部のうち、所定の切り起こし部が前記通風孔形成面に対して屈曲する度合いと、他の切り起こし部が前記通風孔形成面に対して屈曲する度合いとが異なることを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、複数の切り起こし部のうちの所定の切り起こし部が通風孔形成面に対して屈曲する度合いと、他の切り起こし部が通風孔形成面に対して屈曲する度合いとが異なるため、冷却風の風向を多様に調整することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置において、前記金属板には、同金属板とは別体の他の金属板により構成される風向調整板が設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、金属板には、同金属板とは別体の他の金属板により構成される風向調整板が設けられているため、切り起こし部により調整される冷却風の風向を、風向調整板を用いてより効果的に調整することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置において、前記ランプを収容するランプケースを備え、このランプケースに前記冷却風を通すための開口部が設けられ、前記金属板が、前記開口部に取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
上記発明によれば、金属板が、ランプを収容するランプケースに設けられた開口部に取り付けられているため、ランプケースを用いて、冷却風の流路に位置するように金属板を保持することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、ランプと、このランプを収容するランプケースとを備え、このランプケースに、前記ランプを冷却する冷却風を通すための開口部が設けられたランプユニットにおいて、前記冷却風を通す通風孔が形成された金属板が、前記開口部に取り付けられ、前記通風孔が前記金属板を切り起こして形成されることにより、前記金属板が、前記通風孔が形成されている通風孔形成面と、この通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有することを特徴とする。
【0018】
上記発明によれば、冷却風を通す通風孔が金属板を切り起こして形成されることにより、金属板が、通風孔が形成されている通風孔形成面と、通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有する。このような構成によれば、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させることによって、冷却風が通風孔を通る状態となる。また、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させないようにすることによって、切り起こし部を通風孔形成面に対して屈曲させる場合に比べて、通風孔を通る冷却風の流れが妨げられる状態となる。従って、切り起こし部が通風孔形成面に対して屈曲する度合いを変更することにより、冷却風の流れを調整することを金属板で安価かつ容易に行うことができる。また、金属板が、ランプを収容するランプケースに設けられた開口部に取り付けられているため、ランプケースを用いて、冷却風の流路に位置するように金属板を保持することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、切り起こし部が通風孔形成面に対して屈曲する度合いを変更することにより、冷却風の流れを調整することを金属板で安価かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置の構成を示す模式図。
【図2】同実施形態の投写型映像表示装置が備えるランプユニットの斜視図。
【図3】同実施形態のランプユニットが備えるリフレクタ等の断面とランプとを示す断面図。
【図4】同実施形態のランプ及びリフレクタ及び風向調整部材を前方から見た状態を示す正面図。
【図5】同実施形態の風向調整部材の斜視図。
【図6】(a)(b)同実施形態の風向調整部材を構成する金属板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る投写型映像表示装置は、映像信号に基づいて映像を表示するビデオプロジェクタ1(以下、「プロジェクタ1」)である。映像をスクリーンや壁等の平面に投写して表示可能なプロジェクタ1は、液晶パネル35R,35G,35Bを用いて生成された映像の光を投射する液晶プロジェクタである。
【0022】
プロジェクタ1には、映像を表示するため光学系として、白色光を発する光源部1Aと、白色光から三原色の光を分離する光分離部1Bと、三原色の光を用いて映像を生成する映像生成部1Cと、三原色の光を合成する光合成部1Dと、合成された光を投射する投射部1Eとが設けられている。また、プロジェクタ1内には、光源部1Aが発した光を上記各部1B〜1Eに導くために、光を反射する全反射ミラー39が設けられている。
【0023】
光源部1Aは、光を出射するランプユニット2と、光の照度分布を均一化するインテグレータレンズ31と、光の偏光成分を揃える偏光変換素子32と、液晶パネル35R,35G,35Bの各々に光を集光させる集光レンズ33とを備えている。ランプユニット2が発した光は、一対のレンズアレイ31A,31Bからなるインテグレータレンズ31と、偏光変換素子32と、集光レンズ33とを通って、光分離部1Bに入射する。
【0024】
光分離部1Bは、所定の波長の光を反射するとともに他の波長の光は透過するダイクロイックミラー34R,34Bを備えている。赤色の光が透過するダイクロイックミラー34Rは、緑色及び青色の光を反射する。また、青色の光が透過するダイクロイックミラー34Bは、緑色の光を反射する。光源部1Aが発した白色光は、ダイクロイックミラー34R,34Bにより赤色及び緑色及び青色の光に分離される。赤色及び緑色及び青色の光は、映像生成部1Cに入射する。
【0025】
映像生成部1Cは、光の透過率が変化可能な液晶ライトバルブである液晶パネル35R,35G,35Bを備えている。光分離部1Bで分離された赤色の光は、液晶パネル35Rに入射する。また、光分離部1Bで分離された緑色の光は、液晶パネル35Gに入射する。また、光分離部1Bで分離された青色の光は、液晶パネル35Bに入射する。各色の光が、液晶パネル35R,35G,35Bを透過することによって三原色の映像が生成される。三原色の映像の光は、光合成部1Dに入射する。
【0026】
光合成部1Dは、クロスダイクロイックプリズムにより構成されている。クロスダイクロイックプリズムは、異なる方向から入射した光を同じ方向に向けて出射することによって光を合成する。映像生成部1Cで生成された赤色及び緑色及び青色の映像の光は、光合成部1Dで合成され、合成された映像の光は投射部1Eに入射する。
【0027】
投射部1Eは、映像の光を投射するレンズ群を有したレンズ装置により構成されている。レンズ装置は、プロジェクタ1の外部に向けて光を投射する。光合成部1Dで合成された映像の光は、投射部1Eによりプロジェクタ1外のスクリーンや壁等の平面上に投射される。
【0028】
以上のように構成された光学系のうち、ランプ21を含むランプユニット2は容易に交換を行うことができるように構成されている。ランプユニット2が光を出射することができなくなって映像が表示できなくなったときは、ランプユニット2を交換することにより、映像を表示することができる。
【0029】
また、プロジェクタ1内には、発熱するランプ21に向けて冷却風を送風するための冷却ファン(図示略)が設けられている。冷却ファンにより冷却風は、ダクト(不図示)等により形成された流路を通って、ランプユニット2に流入する。以上のように、プロジェクタ1は、映像表示用のランプ21を備え、冷却風を送風してランプ21を冷却する。
【0030】
図2を参照して、ランプユニット2の構成を説明する。
ランプユニット2は、ランプケース4と、ランプケース4に収容されたランプ21と、ランプ21とともにランプケース4に収容されたリフレクタ22と、リフレクタ22の開口を覆う透明部材23(図1参照)と、風向調整部材6と、金属板5bとを備えている。
【0031】
ランプケース4は、開口を有する箱状に形成されたランプホルダ41と、ランプホルダ41の開口端部を覆うように四角枠形状に形成されたランプカバー42とにより構成されている。ランプカバー42には、ランプ21を冷却する冷却風を通すための開口部42a,42bが設けられている。開口部42aは、ランプユニット2の外部から内部へ冷却風を流入させるための通気口であって、開口部42bは、ランプユニット2の内部から外部へ冷却風を流出させるための通気口である。開口部42aには、風向調整部材6を構成する金属板5aが取り付けられている。開口部42bにも、金属板5bが取り付けられている。
【0032】
金属板5a,5bには、それぞれ、冷却風を通す通風孔51が複数形成されている。このような金属板5a,5bを、冷却風の流路におけるランプ21の近傍に設けることにより、ランプ21を構成する発光管が破裂した場合であっても、その破片が飛散することを抑制することができる。
【0033】
金属板5aは、風向調整板61,62,63とともに風向調整部材6を構成している。風向調整板61,62,63は、金属板5aとは別体の金属板であって、スポット溶接により金属板5aに固定されている。冷却風の風向を調整する風向調整板61,62,63は、ランプ21の所望の位置に冷却風を送風するために、互いに異なる方向に向けて冷却風を案内する。以上のように、ランプユニット2は、ランプ21と、ランプ21を収容するランプケース4とを備え、ランプケース4に、ランプ21を冷却する冷却風を通すための開口部42aが設けられている。そして、以上のようなランプユニット2を備えるプロジェクタ1は、金属板5aを備えている。
【0034】
図3を参照して、ランプ21等の構成についてより詳しく説明する。なお、図3は、図4のA−A矢視線で示す部分のリフレクタ22及び透明部材23及び風向調整部材6の断面図であって、ランプ21は断面で図示していない。
【0035】
白色光を発するランプ21は、内部に発光体(図示略)が封入された発光管である。発光管は、石英ガラスにより形成され、ランプ21には、発光体に電圧を印加するための電極等が設けられている。ランプ21が例えば超高圧水銀ランプであれば、発光管の内部には水銀及びハロゲン及び始動用希ガスが封入されている。ランプ21は、発光体が封入された球状の発光部21aと、発光部21aに設けられた円柱状の電極埋設部21bとを有している。電極埋設部21bには、発光体が封入されている発光部21aへの内部に突出する電極(図示略)の一部と、この電極とランプ21の外部の電極線(図示略)とを接続するためのモリブデン泊(図示略)及びリード線21cが埋設されている。
【0036】
リフレクタ22は、断面が放物面である反射面22aを有する反射鏡である。ランプ21を覆うリフレクタ22は、ランプ21が発した光を、図中の矢印で示す前方へ反射させる。このようにして、ランプ21が発した光は、ランプ21からランプユニット2の前方に向けて出射する。リフレクタ22の前端には透明部材23が接着されている。リフレクタ22と透明部材23とにより、ランプユニット2内においてランプ21が存在する空間Mが形成されている。
【0037】
発光に伴って発熱するランプ21を効果的に冷却するために、ランプ21の斜め前方には上述の風向調整部材6が設けられている。金属板5aの通風孔51を通った冷却風は、リフレクタ22と透明部材23との間から、ランプ21が存在する空間Mに流入する。また、ランプ21が存在する空間Mからは、金属板5bの通風孔51を通ってランプユニット2外に流出する。
【0038】
図4を参照して、ランプユニット2内である空間Mにおける冷却風の流れを説明する。
風向調整板61に案内される冷却風は、矢印F1で示すように、発光部21aのうち風向調整部材6に近い部位に案内される。また、風向調整板63に案内される冷却風も、矢印F3で示すように、発光部21aのうち風向調整部材6に近い部位に案内される。一方、風向調整板61,63間に設けられた風向調整板62に案内される冷却風は、矢印F2で示すように、ランプ21を横断した後に反射面22aに沿って流れることにより、発光部21aのうち風向調整部材6から遠い部位に案内される。このようにして、発光部21aの全周が冷却される。
【0039】
図5及び図6を参照して、風向調整部材6を構成する金属板5aについてより詳しく説明する。図5は、図2等で示した風向調整部材6の全体を示す図であって、図6(a)及び(b)は、金属板5aのみを示す図である。
【0040】
金属板5aに形成されている通風孔51は、金属板5aを切り起こして形成されている。このように切り起こして形成されていることにより、金属板5aは、通風孔51が形成されている平面である通風孔形成面51aと、通風孔形成面51aに対して屈曲する切り起こし部51bとを有している。切り起こし部51bは、金属板5aにおいて通風孔形成面51aに連続する平面であって、通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いを変化させることができる。即ち、切り起こし部51bと通風孔形成面51aとの接続角度は変えることができる。また、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させないようにすることもできる。
【0041】
複数の通風孔51が形成されている金属板5aにおいて、全ての通風孔51が金属板5aを切り起こして形成されているため、金属板5aは、通風孔51に応じて複数の切り起こし部51bを有している。本実施形態においては、切り起こし部51bが通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いが直角となるように構成されている。そして、切り起こし部51bは、ランプ21が存在する空間M(図3参照)に向けて通風孔形成面51aから屈曲している。
【0042】
本発明の作用について説明する。
切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させることによって、冷却風が通風孔51を通る状態となる。また、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させないようにすることによって、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させる場合に比べて、通風孔51を通る冷却風の流れが妨げられる状態となる。このようにして、切り起こし部51bと通風孔形成面51aとの接続角度を変更することによって、冷却風の流れを制限したり変更したりすることができる。
【0043】
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)冷却風を通す通風孔51が金属板5aを切り起こして形成されることにより、金属板5aが、通風孔51が形成されている通風孔形成面51aと、通風孔形成面51aに対して屈曲する切り起こし部51bとを有する。このような構成によれば、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させることによって、冷却風が通風孔51を通る状態となる。また、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させないようにすることによって、切り起こし部51bを通風孔形成面51aに対して屈曲させる場合に比べて、通風孔51を通る冷却風の流れが妨げられる状態となる。従って、切り起こし部51bが通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いを変更することにより、冷却風の流れを調整することを金属板5aで安価かつ容易に行うことができる。
【0044】
(2)切り起こし部51bが、ランプ21が存在する空間Mに向けて通風孔形成面51aから屈曲しているため、通風孔51を通過した冷却風がランプ21に向けて流れるように、冷却風の風向を効果的に調整することができる。
【0045】
(3)金属板5aには、金属板5aとは別体の他の金属板により構成される風向調整板61,62,63が設けられているため、切り起こし部51bにより調整される冷却風の風向を、風向調整板61,62,63を用いてより効果的に調整することができる。
【0046】
(4)金属板5aが、ランプ21を収容するランプケース4に設けられた開口部42aに取り付けられているため、ランプケース4を用いて、冷却風の流路に位置するように金属板5aを保持することができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であって、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、切り起こし部51bは、ランプ21が存在する空間に向けて通風孔形成面51aから屈曲しているが、ランプ21が設けられる空間とは反対側の空間、即ち冷却風が吹いてくる方向に向けて通風孔形成面51aから屈曲させることもできる。
【0049】
・上記実施形態では、複数の切り起こし部51bについて、それらの切り起こし部51bが通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いは同じであるが、所定の切り起こし部51bが通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いと、他の切り起こし部51bが通風孔形成面51aに対して屈曲する度合いとを異ならせることもできる。このような構成によれば、冷却風の風向を多様に調整することができる。
【0050】
・上記実施形態では、金属板5aに形成されている全ての通風孔51が金属板5aを切り起こして形成される構成であるが、複数の通風孔51のうち一部が、金属板5aを切り起こして形成され、他の通風孔51は、金属板5bに形成されている通風孔51と同様に切り起こさずに形成することもできる。即ち、複数の通風孔を形成する場合には、少なくとも1つの通風孔が金属板を切り起こして形成されていればよい。
【0051】
・上記実施形態では、ランプユニット2に流入する冷却風の風向を調整する風向調整部材6に本発明を適用しているが、ランプ21を冷却した冷却風を通す通風孔51が形成される金属板5bに本発明を適用してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、プロジェクタ1は液晶パネルを用いて映像を生成する投写型映像表示装置であるが、液晶パネル以外の電気光学装置を用いて映像を生成する投写型映像表示装置に本発明を適用してもよい。例えば、微小鏡を格子状に配列したDMD(Digital Micromirror Device)を用いて映像を生成するプロジェクタに本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…ビデオプロジェクタ(投写型映像表示装置)、1A…光源部、1B…光分離部、1C…映像生成部、1D…光合成部、1E…投射部、2…ランプユニット、4…ランプケース、5a,5b…金属板、6…風向調整部材、21…ランプ、21a…発光部、21b…電極埋設部、22…リフレクタ、22a…反射面、31…インテグレータレンズ、31A,31B…レンズアレイ、32…偏光変換素子、33…集光レンズ、34R,34B…ダイクロイックミラー、35R,35G,35B…液晶ライトバルブ、39…全反射ミラー、41…ランプホルダ、42…ランプカバー、42a,42b…開口部、51…通風孔、51a…通風孔形成面、51b…切り起こし部、61,62,63…風向調整板、M…ランプ21が存在する空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示用のランプを備え、冷却風を送風して前記ランプを冷却する投写型映像表示装置において、
前記冷却風を通す通風孔が形成された金属板を備え、
前記通風孔が前記金属板を切り起こして形成されることにより、前記金属板が、前記通風孔が形成されている通風孔形成面と、この通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有する
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記切り起こし部が、前記ランプが存在する空間に向けて前記通風孔形成面から屈曲している
ことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
複数の前記通風孔が前記金属板に形成されるとともに、同金属板が複数の前記切り起こし部を有し、
複数の前記切り起こし部のうち、所定の切り起こし部が前記通風孔形成面に対して屈曲する度合いと、他の切り起こし部が前記通風孔形成面に対して屈曲する度合いとが異なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記金属板には、同金属板とは別体の他の金属板により構成される風向調整板が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記ランプを収容するランプケースを備え、このランプケースに前記冷却風を通すための開口部が設けられ、
前記金属板が、前記開口部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
ランプと、このランプを収容するランプケースとを備え、このランプケースに、前記ランプを冷却する冷却風を通すための開口部が設けられたランプユニットにおいて、
前記冷却風を通す通風孔が形成された金属板が、前記開口部に取り付けられ、
前記通風孔が前記金属板を切り起こして形成されることにより、前記金属板が、前記通風孔が形成されている通風孔形成面と、この通風孔形成面に対して屈曲する切り起こし部とを有する
ことを特徴とするランプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−7972(P2013−7972A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142173(P2011−142173)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】