説明

投写型映像表示装置

【課題】ポインティング光を適切に検出することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置は、投写面を撮像する撮像素子300から撮像画像を取得する取得部220と、最大光量画像及び最小光量画像を表示するように液晶パネル30を制御する素子制御部250と、撮像画像に基づいて、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を特定し、撮像画像に基づいて、最大光量画像の光量を特定する特定部230と、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、光量閾値を設定する設定部240を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
投写面に向けてポインティング光を出射するポインティング装置(インタラクティブペン)を用いて、インタラクティブ機能を提供する投写型映像表示装置も知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
具体的には、投写面に投写された映像とともにポインティング光を撮像素子によって撮像することによって、投写面に投写された映像内においてポインティング光の座標が特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−15560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、インタラクティブ機能では、投写面に投写された映像内においてポインティング光の座標を特定する必要がある。すなわち、投写面に投写された映像内においてポインティング光を検出する必要がある。
【0007】
しかしながら、ポインティング光の光量が不十分である場合には、投写面に投写された映像にポインティング光が埋もれてしまい、ポインティング光を検出することができない。また、様々なポインティング装置をユーザが用いることが想定され、ポインティング光の光量を予め特定することが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、ポインティング光を適切に検出することを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、光源から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル30)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット50)とを備える。投写型映像表示装置は、前記投写面を撮像する撮像素子から撮像画像を取得する取得部(取得部220)と、最大光量画像及び最小光量画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部250)と、ポインティング装置から出射されるポインティング光を検出するための光量閾値を設定する設定部(設定部240)と、前記撮像画像に基づいて、前記最小光量画像に重畳された前記ポインティング光の光量を特定し、前記撮像画像に基づいて、前記最大光量画像の光量を特定する特定部(特定部230)とを備える。前記設定部は、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、前記光量閾値を設定する。
【0010】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記特定されたポインティング光の光量よりも前記最大光量画像の光量が小さくなるように、前記投写面上に投写される映像の光量を調整する光量調整部(光量調整部270)をさらに備える。
【0011】
第1の特徴において、前記光量調整部は、前記ポインティング光と同じ色の光を前記撮像素子が検出可能である場合に、前記特定されたポインティング光の光量よりも前記ポインティング光と同じ色の映像光の最大光量が小さくなるように、前記投写面上に投写される映像の光量を調整する。
【0012】
第1の特徴において、前記素子制御部は、前記特定されたポインティング光の光量が前記特定された最大光量画像の光量よりも低い場合に、前記投写面上に投写される映像の光量に対して、前記ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、前記光変調素子を制御する。
【0013】
第1の特徴において、前記設定部は、前記投写面を構成する複数の領域毎に前記光量閾値を設定する。
【0014】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える。投写型映像表示装置は、前記投写面を撮像する撮像素子から撮像画像を取得する取得部と、前記撮像画像に基づいて、ポインティング装置から出射される非可視光のポインティング光の光量を特定する特定部と、特定されたポインティング光の光量が光量閾値よりも低い場合に、前記投写面上に投写される映像の光量に対して、前記ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、前記光変調素子を制御する素子制御部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本願によれば、ポインティング光を適切に検出することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る光量閾値の設定を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る最大光量画像及び最小光量画像を説明するための図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る最大光量画像及び最小光量画像を説明するための図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るガイド画像を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係るガイド画像を説明するための図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る光量調整を説明するための図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る光量調整を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例1に係るポインティング光の検出を説明するための図である。
【図11】図11は、変更例1に係るポインティング光の検出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える。投写型映像表示装置は、投写面を撮像する撮像素子から撮像画像を取得する取得部と、最大光量画像及び最小光量画像を表示するように光変調素子を制御する素子制御部と、ポインティング装置から出射されるポインティング光を検出するための光量閾値を設定する設定部と、撮像画像に基づいて、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を特定し、撮像画像に基づいて、最大光量画像の光量を特定する特定部とを備える。設定部は、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、光量閾値を設定する。
【0019】
実施形態では、設定部は、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、光量閾値を設定する。従って、様々なポインティング装置をユーザが用いる場合であっても、ポインティング光を適切に検出することができる。
【0020】
実施形態では、特定部は、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を特定する。従って、投写型映像表示装置の周囲の明るさ(外光の光量)の影響を排除しながら、適切な光量閾値を設定することができる。
【0021】
なお、実施形態では、投写型映像表示装置がインタラクティブ機能を有するケースについて説明する。投写型映像表示装置には、投写面を撮像する撮像素子が併設されている。
【0022】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、複数の光源ユニット10と、複数のフライアイレンズユニット20と、複数の液晶パネル30と、クロスダイクロイックプリズム40と、投写ユニット50とを有する。
【0024】
複数の光源ユニット10は、光源ユニット10R、光源ユニット10G及び光源ユニット10Bである。各光源ユニット10は、複数の固体光源によって構成されたユニットである。固体光源は、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)である。なお、光源ユニット10Rは、赤成分光Rを発する複数の固体光源(10−1R〜10−6R)によって構成される。光源ユニット10Gは、緑成分光Gを発する複数の固体光源(10−1G〜10−6G)によって構成される。光源ユニット10Bは、青成分光Bを発する複数の固体光源(10−1B〜10−6B)によって構成される。
【0025】
複数のフライアイレンズユニット20は、フライアイレンズユニット20R、フライアイレンズユニット20G及びフライアイレンズユニット20Bである。各フライアイレンズユニット20は、フライアイレンズ21及びフライアイレンズ22によって構成される。フライアイレンズ21及びフライアイレンズ22は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、各光源ユニット10が発する光が各液晶パネル30の全面に照射されるように、各光源ユニット10が発する光を集光する。
【0026】
複数の液晶パネル30は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bである。液晶パネル30Rは、赤成分光Rの偏向方向を回転させることによって赤成分光Rを変調する。液晶パネル30Rの光入射面側には、一の偏向方向(例えば、P偏向)を有する光を透過して、他の偏向方向(例えば、S偏向)を有する光を遮光する入射側偏向板31Rが設けられている。液晶パネル30Rの光出射面側には、一の偏向方向(例えば、P偏向)を有する光を遮光して、他の偏向方向(例えば、S偏向)を有する光を透過する出射側偏向板32Rが設けられている。
【0027】
同様に、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bは、それぞれ、緑成分光G及び青成分光Bの偏向方向を回転させることによって緑成分光G及び青成分光Bを変調する。液晶パネル30Gの光入射面側には、入射側偏向板31Gが設けられており、液晶パネル30Gの光出射面側には、出射側偏向板32Gが設けられている。液晶パネル30Bの光入射面側には、入射側偏向板31Bが設けられており、液晶パネル30Bの光出射面側には、出射側偏向板32Bが設けられている。
【0028】
クロスダイクロイックプリズム40は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bから出射された光を合成する。クロスダイクロイックプリズム40は、投写ユニット50側に合成光を出射する。
【0029】
投写ユニット50は、クロスダイクロイックプリズム40から出射された合成光(映像光)をスクリーン上などに投写する。
【0030】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0031】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0032】
なお、映像出力信号及び映像出力信号の下限値は、例えば、“0”であり、映像出力信号及び映像出力信号の上限値は、例えば、“255”である。
【0033】
図2に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、取得部220と、特定部230と、設定部240と、素子制御部250と、光源制御部260とを有する。なお、素子制御部250及び光源制御部260は、投写面上に投写される映像光の光量を調整する光量調整部270を構成する。
【0034】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0035】
取得部220は、投写面を撮像する撮像素子300から投写面の撮像画像を取得する。
【0036】
なお、撮像素子300は、投写面で反射される光量を検出する。撮像素子300は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを別々に検出可能に構成されていてもよい。或いは、撮像素子300は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bが合成された光の光量を検出するように構成されていてもよい。或いは、撮像素子300は、紫外光や赤外光などの非可視光を検出するように構成されていてもよい。
【0037】
特定部230は、撮像素子300から取得される撮像画像に基づいて、投写面上に投写された映像に重畳されたポインティング光を検出する。詳細には、特定部230は、後述する設定部240によって設定された光量閾値に基づいて、投写面上に投写された映像に重畳されたポインティング光を検出する。
【0038】
ここで、ポインティング光は、ポインティング装置から出射される。ポインティング光は、可視光の光であってもよく、非可視光の光であってもよい。
【0039】
なお、特定部230は、投写面上に投写された映像内においてポインティング光の座標を検出する。特定部230は、ポインティング光の座標を外部装置に出力する。
【0040】
第1実施形態では、光量閾値の設定処理において、特定部230は、撮像画像に基づいて、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を特定する。また、特定部230は、撮像画像に基づいて、最大光量画像の光量を特定する。
【0041】
ここで、最小光量画像は、投写面上に投写される最小光量を有する画像である。最小光量画像は、例えば、黒画像である。但し、ポインティング光と同じ色の光を撮像素子300が検出可能である場合には、最小光量画像において、ポインティング光と同じ色の光が最小光量であればよい。すなわち、ポインティング光が赤色である場合には、最小光量画像は、例えば、赤を含まなければよく、緑及び青が混在する画像であってもよい。
【0042】
また、最大光量画像は、投写面上に投写される最大光量を有する画像である。最大光量画像は、例えば、白画像である。但し、ポインティング光と同じ色の光を撮像素子300が検出可能である場合には、最大光量画像において、ポインティング光と同じ色の光が最大光量であればよい。すなわち、ポインティング光が赤色である場合には、最大光量画像は、例えば、最大光量の赤を含んでいればよく、緑及び青が含まれない画像であってもよい。
【0043】
設定部240は、ポインティング装置から出射されるポインティング光を検出するための光量閾値を設定する。具体的には、設定部240は、特定部230によって特定されたポインティング光の光量及び特定部230によって特定された最大光量画像の光量に基づいて、光量閾値を設定する。
【0044】
詳細には、設定部240は、図3に示すように、光量閾値として、ポインティング光の光量よりも低く、最大光量画像の光量よりも高い値を設定する。なお、最小光量画像の光量は、外光の光量と考えることができることに留意すべきである。
【0045】
なお、ポインティング光と同じ色の光を撮像素子300が検出可能である場合には、光量閾値は、ポインティング光と同じ色の光に関する閾値であることは勿論である。
【0046】
素子制御部250は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル30を制御する。
【0047】
第1に、素子制御部250は、最大光量画像及び最小光量画像を表示するように液晶パネル30を制御する。なお、最大光量画像及び最小光量画像は、単一のフレーム内に設けられていてもよく、別々なフレームに設けられていてもよい。
【0048】
例えば、最小光量画像は、図4に示すように、投写面上の任意の領域に表示される画像であってもよい。なお、最大光量画像は、最小光量画像以外の領域に表示される。
【0049】
或いは、最小光量画像は、図5に示すように、複数の領域(ここでは、領域#2、領域#4、領域#5、領域#6、領域#8)に跨って表示される画像であってもよい。例えば、最小光量画像は、投写面の横方向において投写面の全体に亘って表示される帯状の画像を含むことが好ましい。また、最小光量画像は、投写面の縦方向において投写面の全体に亘って表示される帯状の画像を含むことが好ましい。なお、最小光量画像は、不連続であってもよい。
【0050】
ここで、図5に示す最小光量画像を用いる場合には、上述した設定部240は、光量閾値を複数の領域毎に設定することが好ましい。上述した特定部230は、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を複数の領域毎に特定することは勿論である。
【0051】
なお、設定部240は、最小光量画像を含まない対象領域については、対象領域の周囲に設けられた領域で設定された光量閾値に基づいて、対象領域の光量閾値を設定する。例えば、設定部240は、領域#2及び領域#4で設定された光量閾値に基づいて、領域#1の光量閾値を設定する。
【0052】
素子制御部250は、ポインティング光を最小光量画像に重畳すべきことを指示する画像を表示するように液晶パネル30を制御することが好ましい。このような画像は、例えば、「最小光量画像上にポインティング光を照射して下さい」といったメッセージ、「最小光量画像に沿ってポインティング光を動かして下さい」といったメッセージなどである。
【0053】
第2に、素子制御部250は、ポインティング光の光量が最大光量画像の光量よりも低い場合に、投写面上に投写される映像の光量に対して、ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、液晶パネル30を制御する。
【0054】
例えば、ガイド画像は、投写面上に投写される映像の光量を減少するように指示する画像である。図6に示すように、ガイド画像は、「プロジェクターの出力を弱くして下さい」といったメッセージである。ガイド画像は、「プロジェクターを投写面から遠ざけて下さい」といったメッセージであってもよい。
【0055】
或いは、ガイド画像は、ポインティング光の光量を増大するように指示する画像である。図7に示すように、ガイド画像は、「(ポインティング装置の)電池を交換して下さい」といったメッセージである。ガイド画像は、「ポインティング装置の出力を上げて下さい」といったメッセージであってもよい。
【0056】
光源制御部260は、光源ユニット10を制御する。例えば、光源制御部260は、バックライト制御などを行う。
【0057】
光量調整部270は、図8に示すように、ポインティング光の光量が最大光量画像の光量よりも低い場合に、投写面上に投写される映像の最大光量を自動的に調整してもよい。具体的には、光量調整部270は、図9に示すように、ポインティング光の光量が最大光量画像の光量よりも大きくなるように、投写面上に投写される映像の最大光量を減少する。
【0058】
なお、素子制御部250が液晶パネル30を制御することによって、投写面上に投写される映像の最大光量が減少されてもよい。或いは、光源制御部260が光源ユニット10を制御することによって、投写面上に投写される映像の最大光量が減少されてもよい。
【0059】
ここで、光量調整部270は、ポインティング光と同じ色の光を撮像素子300が検出可能である場合には、ポインティング光と同じ色の映像光の最大光量が小さくなるように、投写面上に投写される映像の光量を調整することが好ましい。
【0060】
(作用及び効果)
第1実施形態では、設定部240は、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、光量閾値を設定する。従って、様々なポインティング装置をユーザが用いる場合であっても、ポインティング光を適切に検出することができる。
【0061】
第1実施形態では、特定部230は、最小光量画像に重畳されたポインティング光の光量を特定する。従って、投写型映像表示装置の周囲の明るさ(外光の光量)の影響を排除しながら、適切な光量閾値を設定することができる。
【0062】
第1実施形態では、設定部240は、複数の領域毎に光量閾値を設定する。従って、投写ユニット50から投写面までの距離の違いに応じて、適切な光量閾値を設定することができる。
【0063】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点についてのみ説明する。
【0064】
具体的には、変更例1では、可視光のポインティング光を出射するポインティング装置(可視光)及び非可視光のポインティング光を出射するポインティング装置(非可視光)が用いられる。
【0065】
このようなケースでは、撮像素子300は、ポインティング光と同じ色の光を検出する検出素子を有することは勿論である。
【0066】
例えば、可視光のポインティング光が赤色であり、非可視光のポインティング光が赤外光である場合には、図10に示すように、撮像素子300の光取入部にカットフィルタ310を配置することが好ましい。カットフィルタ310は、不要光(緑成分光G、青成分光Bなど)を遮光するフィルタである。
【0067】
上述した素子制御部250は、ポインティング光を最小光量画像に重畳すべきことを指示する画像を表示するように液晶パネル30を制御する。このような画像は、ポインティング装置の種別を示すメッセージ、例えば、図10に示すように、「赤外ペンでタッチして下さい」といったメッセージである。或いは、このような画像は、ポインティング装置の種別を示すメッセージ、例えば、図11に示すように、「2つ目のペンでタッチして下さい」といったメッセージである。
【0068】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点についてのみ説明する。
【0069】
具体的には、変更例2では、ポインティング装置から出射されるポインティング光は、紫外光や赤外光などの非可視光である。
【0070】
このようなケースでは、最大光量画像及び最小光量画像の表示が必須ではない。光量閾値は、例えば、予め設定された値である。
【0071】
上述した素子制御部250は、ポインティング光の光量が光量閾値よりも低い場合に、投写面上に投写される映像の光量に対して、ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、液晶パネル30を制御する。
【0072】
例えば、ガイド画像は、図7に示したように、ガイド画像は、「(ポインティング装置の)電池を交換して下さい」といったメッセージである。
【0073】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0074】
実施形態では、光変調素子として液晶パネル30が用いられるが、これに限定されるものではない。光変調素子としては、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)やDMD(Degital Micromirror Device)などが用いられてもよい。
【0075】
実施形態では、光源ユニット10は、LDやLEDなどの固体光源によって構成される。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。光源ユニット10は、UHPランプやキセノンランプなどの白色光源であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
10・・・光源ユニット、20・・・フライアイレンズユニット、30・・・液晶パネル、40・・・クロスダイクロイックプリズム、50・・・投写ユニット、100・・・投写型映像表示装置、200・・・制御ユニット、210…映像信号受付部、220…取得部、230…特定部、240…設定部、250…素子制御部、260…光源制御部、270…光量調整部、300…撮像素子、310…カットフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、
前記投写面を撮像する撮像素子から撮像画像を取得する取得部と、
最大光量画像及び最小光量画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部と、
ポインティング装置から出射されるポインティング光を検出するための光量閾値を設定する設定部と、
前記撮像画像に基づいて、前記最小光量画像に重畳された前記ポインティング光の光量を特定し、前記撮像画像に基づいて、前記最大光量画像の光量を特定する特定部とを備え、
前記設定部は、特定されたポインティング光の光量及び特定された最大光量画像の光量に基づいて、前記光量閾値を設定することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記特定されたポインティング光の光量よりも前記最大光量画像の光量が小さくなるように、前記投写面上に投写される映像の光量を調整する光量調整部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記光量調整部は、前記ポインティング光と同じ色の光を前記撮像素子が検出可能である場合に、前記特定されたポインティング光の光量よりも前記ポインティング光と同じ色の映像光の最大光量が小さくなるように、前記投写面上に投写される映像の光量を調整することを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記素子制御部は、前記特定されたポインティング光の光量が前記特定された最大光量画像の光量よりも低い場合に、前記投写面上に投写される映像の光量に対して、前記ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、前記光変調素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記投写面を構成する複数の領域毎に前記光量閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置であって、
前記投写面を撮像する撮像素子から撮像画像を取得する取得部と、
前記撮像画像に基づいて、ポインティング装置から出射される非可視光のポインティング光の光量を特定する特定部と、
特定されたポインティング光の光量が光量閾値よりも低い場合に、前記投写面上に投写される映像の光量に対して、前記ポインティング光の光量を相対的に大きくすべきことを指示するガイド画像を表示するように、前記光変調素子を制御する素子制御部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−145646(P2012−145646A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2249(P2011−2249)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】