投写型映像表示装置
【課題】実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感を軽減することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、テストパターン画像を表示するように構成される。投写型映像表示装置100は、テストパターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に投写される映像を調整した後に、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように液晶パネルを制御する。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、テストパターン画像を表示するように構成される。投写型映像表示装置100は、テストパターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に投写される映像を調整した後に、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように液晶パネルを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
初期状態においては、投写面上に投写される映像のフォーカスが合っていないため、投写面上に投写される映像のフォーカスを合わせる必要がある。例えば、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を投写面上に投写する投写型映像表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−117514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、投写型映像表示装置から投写面までの距離は、投写面内において均一ではない。従って、投写面内のどの位置でフォーカスが合っているのかが分からないと、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに不安感を与える可能性がある。
【0006】
また、投写型映像表示装置と投写面との位置関係によっては、投写面上に投写される映像の形状や映像のフォーカスを調整する必要がある(例えば、斜め投写)。従って、投写面上に投写される映像(形状やフォーカス)を簡易に調整することも望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、映像調整の手間を軽減するとともに、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することをも目的とする。或いは、本発明は、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感を軽減することを可能とする投写型映像表示装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調するように構成された光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、テストパターン画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部260)と、前記投写面上に投写された前記テストパターン画像を撮像する撮像素子(撮像素子300)から前記テストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記投写面上に投写される映像を調整する調整部(調整部280)とを備える。前記素子制御部は、前記投写面上に投写される映像の調整後に、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する。
【0009】
第1の特徴において、前記テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する形状調整画像である。前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得する。前記取得部は、前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得する。投写型映像表示装置は、前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記撮像画像に含まれる3つ以上の線分より3つ以上の交点を特定し、前記3つ以上の交点に基づいて、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係を算出する算出部(算出部250)を備える。前記調整部は、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係に基づいて、前記投写面上に投写される映像の形状を調整する。前記形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、前記所定ラインに対して傾きを有する。
【0010】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調するように構成された光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部260)を備える。前記ガイダンス画像は、前記投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0011】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す図を含む。
【0012】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す文字を含む。
【0013】
第1の特徴又は第2の特徴において、投写型映像表示装置は、所定方向への操作に応じて、前記投写面上に投写される映像のフォーカスを調整する調整具を備える。前記ガイダンス画像は、前記調整具を操作すべき方向を示す画像を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像調整の手間を軽減するとともに、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。或いは、本発明によれば、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感を軽減することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るフォーカス調整画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るフォーカス調整画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る撮像形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る撮像形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図12】第1実施形態に係る投写形状調整画像画像に含まれる交点を算出する方法を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図14】変更例1に係るガイダンス画像の第1例を説明するための図である。
【図15】変更例1に係るガイダンス画像の第1例を示す図である。
【図16】変更例1に係るガイダンス画像の第2例を説明するための図である。
【図17】変更例1に係るガイダンス画像の第2例を示す図である。
【図18】変更例2に係るガイダンス画像の第3例を示す図である。
【図19】変更例2に係るガイダンス画像の第4例を示す図である。
【図20】変更例2に係るガイダンス画像の第5例を示す図である。
【図21】変更例2に係るガイダンス画像の第6例を示す図である。
【図22】変更例2に係るガイダンス画像の第7例を示す図である。
【図23】変更例2に係るガイダンス画像の第8例を示す図である。
【図24】変更例2に係るガイダンス画像の第9例を示す図である。
【図25】その他の実施形態について説明するための図である。
【図26】その他の実施形態について説明するための図である。
【図27】その他の実施形態について説明するための図である。
【図28】その他の実施形態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
第1に、実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、テストパターン画像を表示するように光変調素子を制御する素子制御部と、投写面上に投写されたテストパターン画像を撮像する撮像素子からテストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、取得部によって取得された撮像画像に基づいて、投写面上に投写される映像を調整する調整部とを備える。素子制御部は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する。
【0019】
実施形態では、素子制御部は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示する。従って、映像調整の手間を軽減しながら、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0020】
なお、映像調整とは、映像の形状の調整、映像のフォーカスの調整、映像のズームの調整などである。
【0021】
第2に、実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する素子制御部を備える。ガイダンス画像は、投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0022】
実施形態では、素子制御部は、投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含むガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する。従って、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0023】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0024】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像素子300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0025】
撮像素子300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像素子300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。例えば、撮像素子300は、投写型映像表示装置100に対して、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0026】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な範囲(投写可能範囲410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される表示枠420を有する。
【0027】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0028】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能範囲410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能範囲410の歪みを補正する方法について主として説明する。
【0029】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0030】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0031】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0032】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0033】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0034】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0035】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0036】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0037】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0038】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0039】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0040】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0041】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0042】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0043】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0044】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0045】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0046】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0047】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0048】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0049】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0050】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0051】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、特定部240と、算出部250と、素子制御部260と、投写ユニット調整部270とを有する。
【0052】
映像信号受付部210は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0053】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、テストパターン画像として、表示枠420を検出するために用いる枠検出パターン画像、フォーカスを調整するために用いるフォーカス調整画像、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出するために用いる形状調整画像を記憶する。また、記憶部220は、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を記憶する。或いは、記憶部220は、露光値を調整するために用いる露光調整画像を記憶してもよい。
【0054】
フォーカス調整画像は、エッジ検出が容易な画像である。例えば、フォーカス調整画像は、図4に示すように、白の矩形及び黒の矩形が格子状に配置された画像である。或いは、フォーカス調整画像は、図5に示すように、白の同心円及び黒の同心円が交互に配置された画像である。或いは、フォーカス調整画像は、白のストライプ及び黒のストライプが交互に配置された画像であってもよい。
【0055】
形状調整画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する画像である。また、3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。
【0056】
なお、撮像素子300は、上述したように、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。例えば、所定ラインは、水平方向の画素列であり、所定ラインの向きは、水平方向である。
【0057】
以下において、形状調整画像の一例について、図6〜図9を参照しながら説明する。図6〜図9に示すように、形状調整画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0058】
詳細には、図6に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0059】
或いは、図7に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図4に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0060】
或いは、図8に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0061】
或いは、図9に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図9に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能範囲410の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0062】
取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される撮像画像を取得する。例えば、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される枠検出パターン画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるフォーカス調整画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される形状調整画像の撮像画像を取得する。或いは、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される露光調整画像の撮像画像を取得してもよい。
【0063】
特定部240は、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる3つの線分を特定する。続いて、特定部240は、撮像画像に含まれる3つの線分に基づいて、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。
【0064】
具体的には、特定部240は、以下の手順によって、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。ここでは、形状調整画像が図4に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0065】
第1に、特定部240は、図10に示すように、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、特定部240は、形状調整画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを特定する。
【0066】
第2に、特定部240は、図11に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。すなわち、特定部240は、形状調整画像に含まれる4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。
【0067】
第3に、特定部240は、図11に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。すなわち、特定部240は、形状調整画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。
【0068】
算出部250は、形状調整画像に含まれる3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像に含まれる3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部250は、投写型映像表示装置100(投写ユニット110)の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0069】
なお、以下においては、記憶部220に記憶された形状調整画像を記憶形状調整画像画像と称する。撮像画像に含まれる形状調整画像を撮像形状調整画像画像と称する。投写面400に投写された形状調整画像を投写形状調整画像画像と称する。
【0070】
第1に、算出部250は、投写形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶形状調整画像画像の交点Ps1、撮像形状調整画像画像の交点Pt1、投写形状調整画像画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0071】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図12を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0072】
(1)算出部250は、記憶形状調整画像画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【数1】
【0073】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0074】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0075】
同様に、算出部250は、撮像形状調整画像画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像素子300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【数2】
【0076】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0077】
ここでは、撮像素子300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像素子300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像素子300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0078】
(2)算出部250は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部250は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【数3】
但し、Ks及びKt=媒介変数
【0079】
(3)算出部250は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【数4】
【0080】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像素子300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像素子300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0081】
(4)算出部250は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部250は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。或いは、算出部250は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。
【0082】
これによって、算出部250は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部250は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0083】
第2に、算出部250は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部250は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【数5】
但し、k1、k2、k3、k4=所定係数
【0084】
これによって、算出部250は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部250は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0085】
なお、第1実施形態では、特定部240及び算出部250を別々に説明したが、特定部240及び算出部250は、1つの構成と考えてもよい。例えば、特定部240の機能を算出部250が有していてもよい。
【0086】
図3に戻って、素子制御部260は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。例えば、素子制御部260は、枠検出パターン画像、フォーカス調整画像、形状調整画像或いはガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御する。或いは、素子制御部260は、露光調整画像を表示するように液晶パネル50を制御してもよい。
【0087】
なお、素子制御部260は、投写面400上に投写された映像の調整後に、ガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御することに留意すべきである。
【0088】
また、素子制御部260は、以下に示す機能を有する。具体的には、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する(形状調整)。すなわち、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0089】
投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。第1に、投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400上に設けられる表示枠420内に投写可能範囲410を収める(ズーム調整)。具体的には、投写ユニット調整部270は、投写ユニット調整部270は、取得部230によって取得される枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、表示枠420内に投写可能範囲410が収まるように、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。
【0090】
第2に、投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400に投写された映像のフォーカスを調整する(フォーカス調整)。具体的には、投写ユニット調整部270は、取得部230によって取得されるフォーカス調整画像の撮像画像に基づいて、投写面400に投写された映像のフォーカス値が最大値となるように、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。
【0091】
ここでは、特に触れていないが、投写型映像表示装置100は、ズームを手動で調整するための調整具を有してもよい。また、投写型映像表示装置100は、フォーカスを手動で調整するための調整具を有してもよい。調整具の操作によって、投写ユニット110に設けられるレンズ群がシフトする。
【0092】
なお、素子制御部260及び投写ユニット調整部270は、投写面400に投写された映像を調整する調整部280を構成する。
【0093】
ここで、投写型映像表示装置100は、形状調整画像の全体を対象として、形状調整画像に含まれる線分を特定し、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出してもよい(一括処理モード)。すなわち、一括処理モードでは、撮像素子300は、投写可能範囲410の全体を対象としてフォーカスが調整された状態で形状調整画像の全体を撮像し、投写型映像表示装置100は、形状調整画像の全体の撮像画像に基づいて、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分を特定する。
【0094】
或いは、投写型映像表示装置100は、形状調整画像を部分的に含むように分割された複数の画像領域のそれぞれを対象として、形状調整画像に含まれる線分を特定し、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出してもよい(分割処理モード)。すなわち、分割処理モードでは、撮像素子300は、複数の画像領域毎にフォーカスが調整された状態で形状調整画像を複数の領域毎に撮像し、投写型映像表示装置100は、複数の領域毎の形状調整画像の撮像画像に基づいて、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分を特定する。
【0095】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0096】
図13に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に枠検出パターン画像を表示(投写)する。枠検出パターン画像は、例えば、白画像などである。
【0097】
ステップ20において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された枠検出パターン画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に設けられる表示枠420を検出する。
【0098】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にフォーカス調整画像を表示(投写)する。
【0099】
ステップ40において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写されたフォーカス調整画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、フォーカス調整画像のフォーカス値が最大値となるように、フォーカス調整画像のフォーカスを調整する。
【0100】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に形状調整画像を表示(投写)する。
【0101】
ステップ60において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された形状調整画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、撮像形状調整画像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定し、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。投写型映像表示装置100は、記憶形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)及び撮像形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写される映像の形状を調整する(台形補正)。
【0102】
ステップ70において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示(投写)する。
【0103】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部260は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御する。従って、映像調整の手間を軽減しながら、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0104】
第1実施形態では、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。第1に、形状調整画像に含まれる線分が所定ラインに沿っている場合と比べて、エッジ検出等を行うためにサンプリングすべき画素数を低減することができる。従って、映像調整の処理負荷を軽減することができる。第2に、形状調整画像に含まれる線分が所定ラインに沿っている場合と比べて、形状調整画像に含まれる線分の検出精度が向上する。
【0105】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0106】
具体的には、変更例1では、ガイダンス画像の一例について説明する。ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0107】
(ガイダンス画像の第1例)
例えば、図14に示すように、投写面400が4つの領域(領域A〜領域D)に分割されているケースについて説明する。このようなケースにおいて、図15に示すように、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。フォーカスが合っているか否かは図によって表される。
【0108】
詳細には、図15に示すように、フォーカスが合っている度合い(フォーカス度)が複数の領域毎にレーダーチャートで表される。なお、レーダーチャートにおいて、フォーカス度が外側に張り出しているほど、フォーカス度が高い。
【0109】
なお、投写面400内において、フォーカスが合っている度合いを示す画像(レーダーチャート)が表示される位置は任意である。また、ガイダンス画像は、各領域の位置を示す画像(例えば、図14に示す“A”などの文字)を含んでもよい。
【0110】
(ガイダンス画像の第2例)
例えば、図16に示すように、投写面400が5つの領域(領域A〜領域E)に分割されているケースについて説明する。このようなケースにおいて、図17に示すように、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。フォーカスが合っているか否かは文字によって表される。
【0111】
詳細には、図17に示すように、フォーカスが合っている度合い(フォーカス度)が複数の領域毎に文字(例えば、“A:aa%”など)で表される。なお、投写面400の全体のフォーカス度が文字(例えば、“Total:xx%”など)で表されてもよい。投写面400の全体のフォーカス度は、例えば、複数の領域毎のフォーカス度の平均値である。
【0112】
なお、投写面400内において、フォーカスが合っている度合いを示す画像(文字)が表示される位置は任意である。また、ガイダンス画像は、各領域の位置を示す画像(例えば、図16に示す“A”などの文字)を含んでもよい。
【0113】
(作用及び効果)
変更例1では、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。従って、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0114】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例2では、ガイダンス画像の一例について説明する。
【0115】
(ガイダンス画像の第3例)
図18に示すように、ガイダンス画像510は、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。ガイダンス画像510は、フォーカス調整画像が表示されるフォーカス調整画像表示位置520と重複しないように表示されることが好ましい。
【0116】
現フォーカス画像511は、投写面400の全体のフォーカス度を示す画像である。現フォーカス画像511は、例えば、枠画像513内において、特定色で塗りつぶされたバーであってもよい。フォーカスを調整するための調整具の操作に応じて、現フォーカス画像511が増減する。
【0117】
最大フォーカス位置画像512は、フォーカスが最大となる調整具の位置を示す画像である。最大フォーカス位置画像512は、例えば、矢印などの図形や文字によって表される。
【0118】
枠画像513は、現フォーカス画像511を収容する枠である。枠画像513を構成する枠内は、現フォーカス画像511とは異なる色で塗りつぶされていてもよい。枠画像513を構成する枠内は、最大フォーカス位置画像512を境界として、異なる色で塗りつぶされていてもよい。
【0119】
第3例では、現フォーカス画像511(バー)は、図18に示すように、正の方向(或いは、負の方向)に増加するように構成される。従って、最大フォーカス位置画像512を挟んで所定マージンを有するように現フォーカス画像511が増減可能なように枠画像513が表示される。
【0120】
(ガイダンス画像の第4例)
図19に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0121】
第4例では、図19に示すように、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、現フォーカス画像511(バー)が増加するように枠画像513が表示される。言い換えると、現在のフォーカス度が最大フォーカス度から離れるに連れて、現フォーカス画像511(バー)が減少するように枠画像513が表示される。例えば、正の方向(或いは、負の方向)にフォーカスを調整している場合において、現在のフォーカス度が最大フォーカス度を超えると、現フォーカス画像511(バー)が増加から減少に転じる。
【0122】
(ガイダンス画像の第5例)
図20に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。また、ガイダンス画像510は、操作方向画像514を含む。操作方向画像514は、調整具を操作すべき方向を示す画像である。操作方向画像514は、例えば、矢印や文字である。
【0123】
なお、第5例では、第3例と同様に、最大フォーカス位置画像512を挟んで所定マージンを有するように現フォーカス画像511が増減可能なように枠画像513が表示される。
【0124】
(ガイダンス画像の第6例)
図21に示すように、ガイダンス画像510は、第5例(図20を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513と、操作方向画像514とを含む。
【0125】
なお、第6例では、第4例と同様に、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、現フォーカス画像511が増加するように枠画像513が表示される。
【0126】
(ガイダンス画像の第7例)
図22に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0127】
第7例では、枠画像513は、最大フォーカス位置画像512にピークを有する正規分布状の形状を有する。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0128】
また、第7例では、現フォーカス画像511が最大フォーカス位置画像512の近傍に近づくと、現フォーカス画像511の色を変更するようにガイダンス画像510が表示される。
【0129】
(ガイダンス画像の第8例)
図23に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0130】
第8例では、枠画像513は、最大フォーカス位置画像512で面積が最大となる形状を有する。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0131】
また、第8例では、最大フォーカス位置画像512において現フォーカス画像511を構成するライン状のインディケータの面積が最大となるようにガイダンス画像510が表示される。
【0132】
(ガイダンス画像の第9例)
図24に示すように、ガイダンス画像510は、現フォーカス画像511と、枠画像513とを含む。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0133】
第9例では、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、ライン状のインディケータの移動幅が小さくなるようにガイダンス画像510が表示される。例えば、最大フォーカス度から現在のフォーカス度が近いときの移動幅w2は、最大フォーカス度から現在のフォーカス度が離れているときの移動幅w1よりも小さい。
【0134】
なお、変更例3は、変更例2と組み合わせてもよい。すなわち、第3例〜第9例に係るガイダンス画像510は、複数の領域毎に表示されてもよい。
【0135】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0136】
上述した実施形態では、光源として、白色光源を例示した。しかしながら、光源は、LED(Laser Emitting Diode)やLD(Laser Diode)であってもよい。
【0137】
上述した実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルについて例示した。しかしながら、光変調素子は、反射型の液用パネルやDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0138】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、表示枠420が検出されてから、形状調整画像が表示されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0139】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、撮像形状調整画像画像に含まれる3つ以上の交点が取得されてから、投写面400上に投写される映像の形状が調整されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0140】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、形状調整画像とともに、形状調整画像以外の所定画像(例えば、背景画像)を表示するように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0141】
例えば、撮像素子300によって検出可能な色や輝度によって形状調整画像が構成されており、撮像素子300によって検出できない色や輝度によって形状調整画像以外の所定画像が構成される。
【0142】
或いは、赤、緑及び青のうち、いずれかの色によって形状調整画像が構成されており、他の色によって形状調整画像以外の所定画像が構成される。撮像素子300は、形状調整画像を構成する色のみを検出することによって、形状調整画像の撮像画像を取得することができる。
【0143】
また、映像信号が入力されていない場合には、素子制御部260は、形状調整画像とともに、所定画像としてエラーメッセージを表示するように液晶パネル50を制御してもよい。或いは、形状調整画像に含まれる線分或いは交点を特定することができない場合に、素子制御部260は、所定画像としてエラーメッセージを表示するように液晶パネル50を制御してもよい。
【0144】
実施形態では、投写型映像表示装置100は、表示枠420の検出後に、フォーカスを調整する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、投写型映像表示装置100は、表示枠420を検出せずに、フォーカスを調整してもよい。具体的には、通常の使用態様では、投写可能範囲410の中心部分が表示枠420内に含まれることが想定されるため、投写型映像表示装置100は、投写可能範囲410の中心部分にフォーカス調整画像を表示するとともに、投写可能範囲410の中心部分に表示される映像(フォーカス調整画像)のフォーカスを調整してもよい。
【0145】
実施形態では、形状調整画像のうち、背景部分が黒であり、パターン部分が白である。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、背景部分が白であり、パターン部分が黒であってもよい。背景部分が青であり、パターン部分が白であってもよい。すなわち、エッジ検出が可能な程度、背景部分とパターン部分との間に輝度差があればよい。なお、エッジ検出が可能な程度は、撮像素子300の精度に応じて定められる。背景部分とパターン部分との間の輝度差が大きいほど、撮像素子300の精度が必要とされないため、撮像素子300のコストを低減できることは勿論である。
【0146】
上述した実施形態では、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像が投写面400上に表示(投写)されるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、図25に示すように、投写型映像表示装置100に設けられるライト群610(例えば、LED群)を構成するライトの点灯数によって、フォーカス度が案内されてもよい。このようなケースでは、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくほど、ライトの点灯数が増大する。或いは、図26に示すように、投写型映像表示装置100に設けられるスピーカ620から出力される音によって、フォーカス度が案内されてもよい。このようなケースでは、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくと、スピーカ620から音が出力される。
【0147】
実施形態では特に触れていないが、図27に示すように、フォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整具630は、ズームを手動で調整するためのズーム調整具640とは別々な位置に設けられてもよい。
【0148】
実施形態では特に触れていないが、図28に示すように、平坦面を形成するためのシール体650が投写面400に貼付されてもよい。シール体650は、形状調整画像やフォーカス調整画像が表示される位置に貼付される。
【符号の説明】
【0149】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…特定部、250…算出部、260…素子制御部、270…投写ユニット制御部、280…調整部、300…撮像素子、400…投写面、410…投写可能範囲、420…表示枠、510…ガイダンス画像、511…現フォーカス度画像、512…最大フォーカス度位置画像、513…枠画像、514…操作方向画像、610…ライト群、620…スピーカ、630…フォーカス調整具、640…ズーム調整具、650…シール体
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
初期状態においては、投写面上に投写される映像のフォーカスが合っていないため、投写面上に投写される映像のフォーカスを合わせる必要がある。例えば、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を投写面上に投写する投写型映像表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−117514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、投写型映像表示装置から投写面までの距離は、投写面内において均一ではない。従って、投写面内のどの位置でフォーカスが合っているのかが分からないと、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに不安感を与える可能性がある。
【0006】
また、投写型映像表示装置と投写面との位置関係によっては、投写面上に投写される映像の形状や映像のフォーカスを調整する必要がある(例えば、斜め投写)。従って、投写面上に投写される映像(形状やフォーカス)を簡易に調整することも望まれている。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、映像調整の手間を軽減するとともに、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することをも目的とする。或いは、本発明は、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感を軽減することを可能とする投写型映像表示装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調するように構成された光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、テストパターン画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部260)と、前記投写面上に投写された前記テストパターン画像を撮像する撮像素子(撮像素子300)から前記テストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記投写面上に投写される映像を調整する調整部(調整部280)とを備える。前記素子制御部は、前記投写面上に投写される映像の調整後に、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する。
【0009】
第1の特徴において、前記テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する形状調整画像である。前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得する。前記取得部は、前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得する。投写型映像表示装置は、前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記撮像画像に含まれる3つ以上の線分より3つ以上の交点を特定し、前記3つ以上の交点に基づいて、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係を算出する算出部(算出部250)を備える。前記調整部は、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係に基づいて、前記投写面上に投写される映像の形状を調整する。前記形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、前記所定ラインに対して傾きを有する。
【0010】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調するように構成された光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。投写型映像表示装置は、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部(素子制御部260)を備える。前記ガイダンス画像は、前記投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0011】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す図を含む。
【0012】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す文字を含む。
【0013】
第1の特徴又は第2の特徴において、投写型映像表示装置は、所定方向への操作に応じて、前記投写面上に投写される映像のフォーカスを調整する調整具を備える。前記ガイダンス画像は、前記調整具を操作すべき方向を示す画像を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像調整の手間を軽減するとともに、フォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。或いは、本発明によれば、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感を軽減することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るフォーカス調整画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るフォーカス調整画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る記憶形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る撮像形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る撮像形状調整画像画像の一例を示す図である。
【図12】第1実施形態に係る投写形状調整画像画像に含まれる交点を算出する方法を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【図14】変更例1に係るガイダンス画像の第1例を説明するための図である。
【図15】変更例1に係るガイダンス画像の第1例を示す図である。
【図16】変更例1に係るガイダンス画像の第2例を説明するための図である。
【図17】変更例1に係るガイダンス画像の第2例を示す図である。
【図18】変更例2に係るガイダンス画像の第3例を示す図である。
【図19】変更例2に係るガイダンス画像の第4例を示す図である。
【図20】変更例2に係るガイダンス画像の第5例を示す図である。
【図21】変更例2に係るガイダンス画像の第6例を示す図である。
【図22】変更例2に係るガイダンス画像の第7例を示す図である。
【図23】変更例2に係るガイダンス画像の第8例を示す図である。
【図24】変更例2に係るガイダンス画像の第9例を示す図である。
【図25】その他の実施形態について説明するための図である。
【図26】その他の実施形態について説明するための図である。
【図27】その他の実施形態について説明するための図である。
【図28】その他の実施形態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
第1に、実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、テストパターン画像を表示するように光変調素子を制御する素子制御部と、投写面上に投写されたテストパターン画像を撮像する撮像素子からテストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、取得部によって取得された撮像画像に基づいて、投写面上に投写される映像を調整する調整部とを備える。素子制御部は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する。
【0019】
実施形態では、素子制御部は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示する。従って、映像調整の手間を軽減しながら、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0020】
なお、映像調整とは、映像の形状の調整、映像のフォーカスの調整、映像のズームの調整などである。
【0021】
第2に、実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調するように構成された光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面上に投写するように構成された投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する素子制御部を備える。ガイダンス画像は、投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0022】
実施形態では、素子制御部は、投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含むガイダンス画像を表示するように光変調素子を制御する。従って、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0023】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0024】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像素子300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0025】
撮像素子300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像素子300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。例えば、撮像素子300は、投写型映像表示装置100に対して、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0026】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な範囲(投写可能範囲410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される表示枠420を有する。
【0027】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0028】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能範囲410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能範囲410の歪みを補正する方法について主として説明する。
【0029】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0030】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0031】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0032】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0033】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0034】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0035】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0036】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0037】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0038】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0039】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0040】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0041】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0042】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0043】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0044】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0045】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0046】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0047】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0048】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0049】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0050】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0051】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、特定部240と、算出部250と、素子制御部260と、投写ユニット調整部270とを有する。
【0052】
映像信号受付部210は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0053】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、テストパターン画像として、表示枠420を検出するために用いる枠検出パターン画像、フォーカスを調整するために用いるフォーカス調整画像、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出するために用いる形状調整画像を記憶する。また、記憶部220は、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を記憶する。或いは、記憶部220は、露光値を調整するために用いる露光調整画像を記憶してもよい。
【0054】
フォーカス調整画像は、エッジ検出が容易な画像である。例えば、フォーカス調整画像は、図4に示すように、白の矩形及び黒の矩形が格子状に配置された画像である。或いは、フォーカス調整画像は、図5に示すように、白の同心円及び黒の同心円が交互に配置された画像である。或いは、フォーカス調整画像は、白のストライプ及び黒のストライプが交互に配置された画像であってもよい。
【0055】
形状調整画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する画像である。また、3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。
【0056】
なお、撮像素子300は、上述したように、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。例えば、所定ラインは、水平方向の画素列であり、所定ラインの向きは、水平方向である。
【0057】
以下において、形状調整画像の一例について、図6〜図9を参照しながら説明する。図6〜図9に示すように、形状調整画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0058】
詳細には、図6に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0059】
或いは、図7に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図4に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0060】
或いは、図8に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0061】
或いは、図9に示すように、形状調整画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図9に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能範囲410の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0062】
取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される撮像画像を取得する。例えば、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される枠検出パターン画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるフォーカス調整画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される形状調整画像の撮像画像を取得する。或いは、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される露光調整画像の撮像画像を取得してもよい。
【0063】
特定部240は、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる3つの線分を特定する。続いて、特定部240は、撮像画像に含まれる3つの線分に基づいて、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。
【0064】
具体的には、特定部240は、以下の手順によって、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。ここでは、形状調整画像が図4に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0065】
第1に、特定部240は、図10に示すように、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、特定部240は、形状調整画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを特定する。
【0066】
第2に、特定部240は、図11に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。すなわち、特定部240は、形状調整画像に含まれる4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。
【0067】
第3に、特定部240は、図11に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。すなわち、特定部240は、形状調整画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。
【0068】
算出部250は、形状調整画像に含まれる3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像に含まれる3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部250は、投写型映像表示装置100(投写ユニット110)の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0069】
なお、以下においては、記憶部220に記憶された形状調整画像を記憶形状調整画像画像と称する。撮像画像に含まれる形状調整画像を撮像形状調整画像画像と称する。投写面400に投写された形状調整画像を投写形状調整画像画像と称する。
【0070】
第1に、算出部250は、投写形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶形状調整画像画像の交点Ps1、撮像形状調整画像画像の交点Pt1、投写形状調整画像画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0071】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図12を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0072】
(1)算出部250は、記憶形状調整画像画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【数1】
【0073】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0074】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0075】
同様に、算出部250は、撮像形状調整画像画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像素子300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【数2】
【0076】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0077】
ここでは、撮像素子300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像素子300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像素子300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0078】
(2)算出部250は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部250は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【数3】
但し、Ks及びKt=媒介変数
【0079】
(3)算出部250は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【数4】
【0080】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像素子300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像素子300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0081】
(4)算出部250は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部250は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。或いは、算出部250は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。
【0082】
これによって、算出部250は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部250は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0083】
第2に、算出部250は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部250は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【数5】
但し、k1、k2、k3、k4=所定係数
【0084】
これによって、算出部250は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部250は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0085】
なお、第1実施形態では、特定部240及び算出部250を別々に説明したが、特定部240及び算出部250は、1つの構成と考えてもよい。例えば、特定部240の機能を算出部250が有していてもよい。
【0086】
図3に戻って、素子制御部260は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。例えば、素子制御部260は、枠検出パターン画像、フォーカス調整画像、形状調整画像或いはガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御する。或いは、素子制御部260は、露光調整画像を表示するように液晶パネル50を制御してもよい。
【0087】
なお、素子制御部260は、投写面400上に投写された映像の調整後に、ガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御することに留意すべきである。
【0088】
また、素子制御部260は、以下に示す機能を有する。具体的には、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する(形状調整)。すなわち、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0089】
投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。第1に、投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400上に設けられる表示枠420内に投写可能範囲410を収める(ズーム調整)。具体的には、投写ユニット調整部270は、投写ユニット調整部270は、取得部230によって取得される枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、表示枠420内に投写可能範囲410が収まるように、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。
【0090】
第2に、投写ユニット調整部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400に投写された映像のフォーカスを調整する(フォーカス調整)。具体的には、投写ユニット調整部270は、取得部230によって取得されるフォーカス調整画像の撮像画像に基づいて、投写面400に投写された映像のフォーカス値が最大値となるように、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。
【0091】
ここでは、特に触れていないが、投写型映像表示装置100は、ズームを手動で調整するための調整具を有してもよい。また、投写型映像表示装置100は、フォーカスを手動で調整するための調整具を有してもよい。調整具の操作によって、投写ユニット110に設けられるレンズ群がシフトする。
【0092】
なお、素子制御部260及び投写ユニット調整部270は、投写面400に投写された映像を調整する調整部280を構成する。
【0093】
ここで、投写型映像表示装置100は、形状調整画像の全体を対象として、形状調整画像に含まれる線分を特定し、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出してもよい(一括処理モード)。すなわち、一括処理モードでは、撮像素子300は、投写可能範囲410の全体を対象としてフォーカスが調整された状態で形状調整画像の全体を撮像し、投写型映像表示装置100は、形状調整画像の全体の撮像画像に基づいて、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分を特定する。
【0094】
或いは、投写型映像表示装置100は、形状調整画像を部分的に含むように分割された複数の画像領域のそれぞれを対象として、形状調整画像に含まれる線分を特定し、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出してもよい(分割処理モード)。すなわち、分割処理モードでは、撮像素子300は、複数の画像領域毎にフォーカスが調整された状態で形状調整画像を複数の領域毎に撮像し、投写型映像表示装置100は、複数の領域毎の形状調整画像の撮像画像に基づいて、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分を特定する。
【0095】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図13は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0096】
図13に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に枠検出パターン画像を表示(投写)する。枠検出パターン画像は、例えば、白画像などである。
【0097】
ステップ20において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された枠検出パターン画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に設けられる表示枠420を検出する。
【0098】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にフォーカス調整画像を表示(投写)する。
【0099】
ステップ40において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写されたフォーカス調整画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、フォーカス調整画像のフォーカス値が最大値となるように、フォーカス調整画像のフォーカスを調整する。
【0100】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に形状調整画像を表示(投写)する。
【0101】
ステップ60において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された形状調整画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、撮像形状調整画像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定し、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。投写型映像表示装置100は、記憶形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)及び撮像形状調整画像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写される映像の形状を調整する(台形補正)。
【0102】
ステップ70において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示(投写)する。
【0103】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部260は、投写面上に投写される映像の調整後に、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように液晶パネル50を制御する。従って、映像調整の手間を軽減しながら、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0104】
第1実施形態では、形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。第1に、形状調整画像に含まれる線分が所定ラインに沿っている場合と比べて、エッジ検出等を行うためにサンプリングすべき画素数を低減することができる。従って、映像調整の処理負荷を軽減することができる。第2に、形状調整画像に含まれる線分が所定ラインに沿っている場合と比べて、形状調整画像に含まれる線分の検出精度が向上する。
【0105】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0106】
具体的には、変更例1では、ガイダンス画像の一例について説明する。ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。
【0107】
(ガイダンス画像の第1例)
例えば、図14に示すように、投写面400が4つの領域(領域A〜領域D)に分割されているケースについて説明する。このようなケースにおいて、図15に示すように、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。フォーカスが合っているか否かは図によって表される。
【0108】
詳細には、図15に示すように、フォーカスが合っている度合い(フォーカス度)が複数の領域毎にレーダーチャートで表される。なお、レーダーチャートにおいて、フォーカス度が外側に張り出しているほど、フォーカス度が高い。
【0109】
なお、投写面400内において、フォーカスが合っている度合いを示す画像(レーダーチャート)が表示される位置は任意である。また、ガイダンス画像は、各領域の位置を示す画像(例えば、図14に示す“A”などの文字)を含んでもよい。
【0110】
(ガイダンス画像の第2例)
例えば、図16に示すように、投写面400が5つの領域(領域A〜領域E)に分割されているケースについて説明する。このようなケースにおいて、図17に示すように、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。フォーカスが合っているか否かは文字によって表される。
【0111】
詳細には、図17に示すように、フォーカスが合っている度合い(フォーカス度)が複数の領域毎に文字(例えば、“A:aa%”など)で表される。なお、投写面400の全体のフォーカス度が文字(例えば、“Total:xx%”など)で表されてもよい。投写面400の全体のフォーカス度は、例えば、複数の領域毎のフォーカス度の平均値である。
【0112】
なお、投写面400内において、フォーカスが合っている度合いを示す画像(文字)が表示される位置は任意である。また、ガイダンス画像は、各領域の位置を示す画像(例えば、図16に示す“A”などの文字)を含んでもよい。
【0113】
(作用及び効果)
変更例1では、ガイダンス画像は、投写面400を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含む。従って、実際にフォーカスが合っているのか否かについて、ユーザに与える不安感が軽減される。
【0114】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、変更例2では、ガイダンス画像の一例について説明する。
【0115】
(ガイダンス画像の第3例)
図18に示すように、ガイダンス画像510は、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。ガイダンス画像510は、フォーカス調整画像が表示されるフォーカス調整画像表示位置520と重複しないように表示されることが好ましい。
【0116】
現フォーカス画像511は、投写面400の全体のフォーカス度を示す画像である。現フォーカス画像511は、例えば、枠画像513内において、特定色で塗りつぶされたバーであってもよい。フォーカスを調整するための調整具の操作に応じて、現フォーカス画像511が増減する。
【0117】
最大フォーカス位置画像512は、フォーカスが最大となる調整具の位置を示す画像である。最大フォーカス位置画像512は、例えば、矢印などの図形や文字によって表される。
【0118】
枠画像513は、現フォーカス画像511を収容する枠である。枠画像513を構成する枠内は、現フォーカス画像511とは異なる色で塗りつぶされていてもよい。枠画像513を構成する枠内は、最大フォーカス位置画像512を境界として、異なる色で塗りつぶされていてもよい。
【0119】
第3例では、現フォーカス画像511(バー)は、図18に示すように、正の方向(或いは、負の方向)に増加するように構成される。従って、最大フォーカス位置画像512を挟んで所定マージンを有するように現フォーカス画像511が増減可能なように枠画像513が表示される。
【0120】
(ガイダンス画像の第4例)
図19に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0121】
第4例では、図19に示すように、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、現フォーカス画像511(バー)が増加するように枠画像513が表示される。言い換えると、現在のフォーカス度が最大フォーカス度から離れるに連れて、現フォーカス画像511(バー)が減少するように枠画像513が表示される。例えば、正の方向(或いは、負の方向)にフォーカスを調整している場合において、現在のフォーカス度が最大フォーカス度を超えると、現フォーカス画像511(バー)が増加から減少に転じる。
【0122】
(ガイダンス画像の第5例)
図20に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。また、ガイダンス画像510は、操作方向画像514を含む。操作方向画像514は、調整具を操作すべき方向を示す画像である。操作方向画像514は、例えば、矢印や文字である。
【0123】
なお、第5例では、第3例と同様に、最大フォーカス位置画像512を挟んで所定マージンを有するように現フォーカス画像511が増減可能なように枠画像513が表示される。
【0124】
(ガイダンス画像の第6例)
図21に示すように、ガイダンス画像510は、第5例(図20を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513と、操作方向画像514とを含む。
【0125】
なお、第6例では、第4例と同様に、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、現フォーカス画像511が増加するように枠画像513が表示される。
【0126】
(ガイダンス画像の第7例)
図22に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0127】
第7例では、枠画像513は、最大フォーカス位置画像512にピークを有する正規分布状の形状を有する。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0128】
また、第7例では、現フォーカス画像511が最大フォーカス位置画像512の近傍に近づくと、現フォーカス画像511の色を変更するようにガイダンス画像510が表示される。
【0129】
(ガイダンス画像の第8例)
図23に示すように、ガイダンス画像510は、第3例(図18を参照)と同様に、現フォーカス画像511と、最大フォーカス位置画像512と、枠画像513とを含む。
【0130】
第8例では、枠画像513は、最大フォーカス位置画像512で面積が最大となる形状を有する。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0131】
また、第8例では、最大フォーカス位置画像512において現フォーカス画像511を構成するライン状のインディケータの面積が最大となるようにガイダンス画像510が表示される。
【0132】
(ガイダンス画像の第9例)
図24に示すように、ガイダンス画像510は、現フォーカス画像511と、枠画像513とを含む。現フォーカス画像511は、現在のフォーカス度を示すライン状のインディケータである。ライン状のインディケータは、調整具の操作に応じて移動するように構成される。
【0133】
第9例では、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくに連れて、ライン状のインディケータの移動幅が小さくなるようにガイダンス画像510が表示される。例えば、最大フォーカス度から現在のフォーカス度が近いときの移動幅w2は、最大フォーカス度から現在のフォーカス度が離れているときの移動幅w1よりも小さい。
【0134】
なお、変更例3は、変更例2と組み合わせてもよい。すなわち、第3例〜第9例に係るガイダンス画像510は、複数の領域毎に表示されてもよい。
【0135】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0136】
上述した実施形態では、光源として、白色光源を例示した。しかしながら、光源は、LED(Laser Emitting Diode)やLD(Laser Diode)であってもよい。
【0137】
上述した実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルについて例示した。しかしながら、光変調素子は、反射型の液用パネルやDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0138】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、表示枠420が検出されてから、形状調整画像が表示されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0139】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、撮像形状調整画像画像に含まれる3つ以上の交点が取得されてから、投写面400上に投写される映像の形状が調整されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0140】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、形状調整画像とともに、形状調整画像以外の所定画像(例えば、背景画像)を表示するように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0141】
例えば、撮像素子300によって検出可能な色や輝度によって形状調整画像が構成されており、撮像素子300によって検出できない色や輝度によって形状調整画像以外の所定画像が構成される。
【0142】
或いは、赤、緑及び青のうち、いずれかの色によって形状調整画像が構成されており、他の色によって形状調整画像以外の所定画像が構成される。撮像素子300は、形状調整画像を構成する色のみを検出することによって、形状調整画像の撮像画像を取得することができる。
【0143】
また、映像信号が入力されていない場合には、素子制御部260は、形状調整画像とともに、所定画像としてエラーメッセージを表示するように液晶パネル50を制御してもよい。或いは、形状調整画像に含まれる線分或いは交点を特定することができない場合に、素子制御部260は、所定画像としてエラーメッセージを表示するように液晶パネル50を制御してもよい。
【0144】
実施形態では、投写型映像表示装置100は、表示枠420の検出後に、フォーカスを調整する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、投写型映像表示装置100は、表示枠420を検出せずに、フォーカスを調整してもよい。具体的には、通常の使用態様では、投写可能範囲410の中心部分が表示枠420内に含まれることが想定されるため、投写型映像表示装置100は、投写可能範囲410の中心部分にフォーカス調整画像を表示するとともに、投写可能範囲410の中心部分に表示される映像(フォーカス調整画像)のフォーカスを調整してもよい。
【0145】
実施形態では、形状調整画像のうち、背景部分が黒であり、パターン部分が白である。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、背景部分が白であり、パターン部分が黒であってもよい。背景部分が青であり、パターン部分が白であってもよい。すなわち、エッジ検出が可能な程度、背景部分とパターン部分との間に輝度差があればよい。なお、エッジ検出が可能な程度は、撮像素子300の精度に応じて定められる。背景部分とパターン部分との間の輝度差が大きいほど、撮像素子300の精度が必要とされないため、撮像素子300のコストを低減できることは勿論である。
【0146】
上述した実施形態では、投写面400上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像が投写面400上に表示(投写)されるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、図25に示すように、投写型映像表示装置100に設けられるライト群610(例えば、LED群)を構成するライトの点灯数によって、フォーカス度が案内されてもよい。このようなケースでは、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくほど、ライトの点灯数が増大する。或いは、図26に示すように、投写型映像表示装置100に設けられるスピーカ620から出力される音によって、フォーカス度が案内されてもよい。このようなケースでは、現在のフォーカス度が最大フォーカス度に近づくと、スピーカ620から音が出力される。
【0147】
実施形態では特に触れていないが、図27に示すように、フォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整具630は、ズームを手動で調整するためのズーム調整具640とは別々な位置に設けられてもよい。
【0148】
実施形態では特に触れていないが、図28に示すように、平坦面を形成するためのシール体650が投写面400に貼付されてもよい。シール体650は、形状調整画像やフォーカス調整画像が表示される位置に貼付される。
【符号の説明】
【0149】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…特定部、250…算出部、260…素子制御部、270…投写ユニット制御部、280…調整部、300…撮像素子、400…投写面、410…投写可能範囲、420…表示枠、510…ガイダンス画像、511…現フォーカス度画像、512…最大フォーカス度位置画像、513…枠画像、514…操作方向画像、610…ライト群、620…スピーカ、630…フォーカス調整具、640…ズーム調整具、650…シール体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
テストパターン画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部と、
前記投写面上に投写された前記テストパターン画像を撮像する撮像素子から前記テストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記投写面上に投写される映像を調整する調整部とを備え、
前記素子制御部は、前記投写面上に投写される映像の調整後に、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する形状調整画像であり、
前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得し、
前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記撮像画像に含まれる3つ以上の線分より3つ以上の交点を特定し、前記3つ以上の交点に基づいて、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係を算出する算出部を備え、
前記調整部は、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係に基づいて、前記投写面上に投写される映像の形状を調整し、
前記形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、前記所定ラインに対して傾きを有することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部を備え、
前記ガイダンス画像は、前記投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含むことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す図を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す文字を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
所定方向への操作に応じて、前記投写面上に投写される映像のフォーカスを調整する調整具を備え、
前記ガイダンス画像は、前記調整具を操作すべき方向を示す画像を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
テストパターン画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部と、
前記投写面上に投写された前記テストパターン画像を撮像する撮像素子から前記テストパターン画像の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記投写面上に投写される映像を調整する調整部とを備え、
前記素子制御部は、前記投写面上に投写される映像の調整後に、前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する形状調整画像であり、
前記撮像素子から所定ラインに沿って出力される前記形状調整画像の撮像画像を取得し、
前記取得部によって取得された撮像画像に基づいて、前記撮像画像に含まれる3つ以上の線分より3つ以上の交点を特定し、前記3つ以上の交点に基づいて、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係を算出する算出部を備え、
前記調整部は、前記投写型映像表示装置と前記投写面との位置関係に基づいて、前記投写面上に投写される映像の形状を調整し、
前記形状調整画像に含まれる3つ以上の線分は、前記所定ラインに対して傾きを有することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面上に投写される映像のフォーカス調整を案内するガイダンス画像を表示するように前記光変調素子を制御する素子制御部を備え、
前記ガイダンス画像は、前記投写面を分割する複数の領域毎にフォーカスが合っている度合いを示す画像を含むことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す図を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記ガイダンス画像は、フォーカスが合っているか否かを示す文字を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
所定方向への操作に応じて、前記投写面上に投写される映像のフォーカスを調整する調整具を備え、
前記ガイダンス画像は、前記調整具を操作すべき方向を示す画像を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
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【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図21】
【図22】
【図23】
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【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−78658(P2012−78658A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224999(P2010−224999)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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