説明

投射型画像表示装置

【課題】ウインドシールド等の損傷により投射光が乱反射するのを防止するとともに、車外に不要なレーザ光が出てしまうのを防止することができる投射型画像表示装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源5から光線を投射して表示部2に描画を行う投射型画像表示装置において、表示部2の損傷を検出する損傷検出手段と、該損傷検出手段の検出結果に基づいて、表示部2の損傷の有無を判定するとともに、損傷が有ると判定された場合にレーザ光源5によるレーザ光の投射を停止する制御部4を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のウインドシールド等に画像を表示する投射型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のウインドシールドとして設けられ、蛍光体が担持された透明膜が合わせガラスで挟持された表示部に、レーザ光等の光線を投射することで画像を表示させるいわゆるヘッドアップディスプレイ(HUD)と呼ばれる投射型画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−168352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の投射型画像表示装置では、レーザ光等の投射光が車室内側ガラスを透過して透明膜に到達するため、車室内側ガラスにクラックが入るなど損傷が生じた場合、この損傷部分で投射光が乱反射して、例えば、表示部に表示された情報をユーザが正しく認識できなかったり、車外に不要なレーザ光が出てしまう虞がある。
【0004】
そこで、この発明は、ウインドシールド等の損傷により投射光が乱反射するのを防止するとともに、車外に不要なレーザ光が出てしまうのを防止することができる投射型画像表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、光源(例えば、実施の形態におけるレーザ光源5)から光線を投射して表示手段(例えば、実施の形態における表示部2)に描画を行う投射型画像表示装置において、前記表示手段の損傷を検出する損傷検出手段(例えば、実施の形態における導電体膜25)と、該損傷検出手段の検出結果に基づいて、前記表示手段の損傷の有無を判定するとともに、損傷が有ると判定された場合に前記光源による光線の投射を停止する制御手段(例えば、実施の形態における制御部4)を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記損傷検出手段が、前記表示手段の損傷の状態に応じて抵抗値が変動する導電体層(例えば、実施の形態における導電体膜25)と、該導電体層の抵抗値を測定する抵抗測定手段(例えば、実施の形態における電圧検出回路9)とを備え、前記制御手段は、前記抵抗測定手段の測定結果に基づいて、前記導電体層の抵抗値が所定の範囲内にあるか否かを判定して前記導電体層の抵抗値が所定の範囲内にないと判定した場合、前記光源による光線の投射を停止させるとともに、損傷が発生した旨を報知可能な出力手段(例えば、実施の形態における警告ランプ10)により損傷発生を報知させることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記表示手段は、車外側ガラス(例えば、実施の形態における車外側ガラス22)および車内側ガラス(例えば、実施の形態における車内側ガラス21)と、これら車外側ガラス及び車内側ガラスの間に設けられ前記光線が投射されることにより所定の画像を表示する表示層(例えば、実施の形態における蛍光膜24)とを備えた車両用の合わせガラスであり、前記導電体層は、前記車内側ガラスと前記表示層との間に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記光源が、前記表示手段にレーザ光を投射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、損傷検出手段により表示手段の損傷が検出された場合に制御手段が光源による光線の投射を停止させることで、表示手段への投射光が乱反射するのを防止することができるため、ユーザが表示手段から誤った情報を認識するのを防止することができ、さらに、車外に不要なレーザ光が出てしまうのを防止することができるとともに、不要な電力消費を抑制することができる効果がある。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、表示手段に損傷が生じて、抵抗測定手段で測定される導電体層の抵抗値が変動した場合、制御手段により変動した抵抗値が所定の範囲内か否かを判定し、所定の範囲内に無いと判定された場合に表示手段に投射されている光線を停止させることができるため、ガラス全面の損傷に対する検出精度を向上することができる効果がある。
また、光源による光線の投射を停止する際に、表示手段に損傷が発生した旨を、出力手段を介してユーザに報知することができるため、故障により装置が停止したとユーザが誤認するのを防止することができる効果がある。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、導電体層が車内側ガラスと表示層との間に設けられているので、車内側ガラスの損傷に対して抵抗値の変動が顕著になり、車内側ガラスの損傷を感度よく検出することができるため、例えば、光源を車内側に設けている場合、光線が透過する車内側ガラスの損傷を迅速に検出することができる効果がある。
また、車両の車内側ガラス及び車外側ガラスが両方とも割れた場合にも、制御手段により光線を停止することができるため、車外に光線が漏れるのを防止することができる。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、とりわけ、コヒーレンスの高いレーザ光を用いた場合に、表示手段の損傷によりレーザ光が乱反射して意図しない方向に向かうのを防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、この発明に係る第1の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、この第1の実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、車両のウインドシールドを構成する表示部(表示手段)2に車室内側から光線を投射することで乗員に対する注意喚起などの情報を画像として表示するものである。この投射型画像表示装置1は、画像表示のための光線を表示部2に投射する画像投射部3と、この画像投射部3の駆動制御を行う制御部4とを備えている。
【0014】
画像投射部3は、レーザ光を出射するレーザ光源5と、制御部4の出力開始信号に基づいてレーザ光源5の駆動制御を行う光源駆動部6と、レーザ光源5のレーザ光を走査する走査系7と、走査系7を駆動する走査系駆動部8とで構成されている。
【0015】
走査系7は、走査系駆動部8によって一次元ミラーである垂直走査ミラー11(図3参照)を垂直方向、水平走査ミラー12(図3参照)を水平方向に揺動させる構成となっている。つまり、レーザ光源5から出射されたレーザ光が、走査系7で垂直方向及び水平方向に走査され、レンズ13を透過して表示部2に投射されることとなる。なお、上述した走査系7では、一方向にのみ揺動する2つの一次元ミラー、垂直走査ミラー11および水平走査ミラー12を用いた場合について説明したが、垂直走査ミラー11および水平走査ミラー12として用いるミラーには、例えば、MEMSミラーおよびガルバノミラー、又は、ポリゴンミラー等を用いることができる。また、1枚のミラーで垂直方向と水平方向の2次元に操作が可能なミラーを用いて構成することもできる。
【0016】
図4に示すように、表示部2は合わせガラスで構成され、車内側ガラス21(例えば、厚さ2mm程度)と車外側ガラス22(例えば、厚さ2mm程度)との間には車外側から順に、中間膜23、蛍光膜24、導電体膜25が設けられている。
【0017】
中間膜23は、例えば、厚さ0.7mm程度のPVB(ポリビニルブチラール)等を圧着などで固着させたものであり、車両のフロントガラスの耐貫通性等を向上させるために設けられている。この中間膜23を設けることで、例えば、車外側から何らかの物体が衝突して車外側ガラス22および車内側ガラス21が破砕しても、物体の車室内への侵入、および、ガラス片の飛び散りを防止することができる。
【0018】
蛍光膜24は、いわゆる蛍光体が含有された透明樹脂膜(例えば、厚さ0.1〜10μm程度)であり、圧着や蒸着により車外側ガラス22に固着されている。蛍光体は、例えば平均粒径380nm以下の酸化物蛍光体や半導体ナノ粒子蛍光体とされ、異なる波長(紫外線など)の照射光に応じて複数色の発光が可能な単一の蛍光体や所定波長の照射光に対して互いに異なる色の発光が可能な複数種類の蛍光体の組み合わせ等により構成されている。例えば、この蛍光膜24にレーザ光源5から紫外線のレーザ光が照射されると、照射された箇所が可視発光し、このレーザ光の照射パターンに応じた画像が表示されることとなる。
【0019】
導電体膜25は、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等で略均一な厚さ(例えば、数μm程度)に形成された透明な導電体層であり、車内側ガラス21の車外側の面にスパッタリング法で固着されている。
【0020】
導電体膜25には、図6に示すように、その左右角部に一対の電極27a,27aが設けられ、この電極27a,27aがそれぞれ電圧検出回路9に接続されている。導電体膜25の電極27a,27aは種々の方法で形成することができ、例えば、蒸着や銀ペーストなどを塗布することで形成することができる。
【0021】
電圧検出回路9は、制御部4からの制御指令に基づいて、電極27a,27aを介して導電体膜25に微弱な定電流を流し、このときの電極27a,27a間の電圧値を検出するようになっており、その検出結果である電圧値の情報は、制御部4からの読み出し要求にしたがって制御部4に送信されるようになっている。ここで、電圧検出回路9で検出される電極27a,27a間の電圧値は定電流を流しているときのものであるから、電極27a,27a間の電圧値の変化は電極27a,27a間の抵抗値の変化であり、したがって、電圧検出回路9は、実質的に電極27a,27a間の抵抗値の変化を検出していることとなる。なお、電圧検出回路9で検出された電圧値に基づいて、電圧検出回路9で抵抗値を求め、この求められた抵抗値の情報を制御部4に送信するようにしてもよい。
【0022】
上述した図6において電極27a,27aを、導電体膜25の下部の左右角部に設けた場合について説明したが、導電体膜25のそれぞれ対角線上となる角部や、上下の角部に設けるようにしてもよい。また、電極27a,27aの配置は導電体膜25全体の抵抗値の変化を正確に検出可能な配置であることが好ましく、例えば、その他の態様として図7に示すように、導電体膜25の左右又は上下の辺(図7では左右の辺の場合を示す)に沿って長尺に電極27b,27bを形成し、これらが互いに平行となるように配置することで、より導電体膜25に電流が均一に流れるようになるため好ましい。
【0023】
ここで、上述した導電体膜25は、通常、固着されている車内側ガラス21にクラックが生じたり何らかの損傷が生じた場合、車内側ガラス21と同様の損傷が生じる場合が多い。このように導電体膜25に損傷が生じると、導体の電流が流れる断面積に変動が生じるため、この断面積の変動に応じた抵抗値の変動が生じることとなる。また、導電体膜25は、車内側ガラス21から部分的に剥離して車内側ガラス21と同様の損傷が生じなかった場合でも、引張りや圧縮方向に応力が加わってその厚さが変化するため、この厚さの変化に応じた抵抗値の変動が生じる。
【0024】
制御部4は、車両の各種制御を行ういわゆるECU(電子制御ユニット)であり、光源駆動部6に対して表示部2に画像を表示するための信号と、レーザ光を出射するための駆動制御を行わせる出力開始信号(出力信号)とを送信する。また、制御部4は、電圧検出回路9から電極27a,27a間の電圧情報を受信してこれら電極27a,27a間の抵抗値を求め、この抵抗値に基づいて車内側ガラス21の損傷判定処理を行う。
【0025】
制御部4には、車内側ガラス21に損傷が発生したことを乗員に報知する警告ランプ10が接続され、制御部4は、損傷判定処理の結果、損傷が発生していると判定した場合、警告ランプ10の点灯制御を行うように設定されている。なお、乗員への報知方法は警告ランプ10の点灯以外の方法であってもよく、例えば、音声出力で行ってもよい。
【0026】
ここで、図2,3に示すように、画像投射部3および電圧検出回路9は、ケースCに収容された状態で乗員前方のダッシュボードdに設置され、ケースCには画像投射部3のレーザ光源5から出射されたレーザ光が通過する表示光出射口が表示部2に臨んで設けられている。
【0027】
次に、図5に従って制御部4で行われる損傷判定処理を説明する。
まず、ステップS01において、画像表示装置の電源がONになると、電圧検出回路9に対して導電体膜25への通電を行う旨の制御指令を行いステップS02に進む。
ステップS02では、電圧検出回路9に対して電圧値の情報の送信(読み出し)要求を行い、電圧検出回路9から送信される電圧値の情報を受信する。
【0028】
ステップS03では、電圧検出回路9から受信した電圧値の情報に基づいて、導電体膜25の抵抗値が予め設定された所定の範囲内(標準範囲内)か否かを判定する。ステップS03の判定結果が「Yes」(標準範囲以内)である場合は、ステップS04に進み、「No」(標準範囲にない)である場合は、ステップS08に進む。ここで、所定の抵抗値の範囲とは、車内側ガラス21に損傷がない場合の導電体膜25の抵抗値が、例えば、誤差やノイズで変動する虞のある範囲を意味しており、これらの影響を考慮した上限閾値と下減閾値とで規定された抵抗値の範囲である。つまり、この所定の抵抗値の範囲を超える抵抗値が検出されるのは、通常、車内側ガラス21に損傷が発生した場合となる。
【0029】
ステップS04では、光源駆動部6にレーザ光の出力開始信号を送信してステップS05に進む。これにより、レーザ光源5からレーザ光が出射されて表示部2に画像が表示されることとなる。
ステップS05では、上述したステップS02と同様に、電圧検出回路9に対して電圧値の情報の送信(読み出し)要求を行い、電圧検出回路9から送信される電圧値の情報を受信する。
【0030】
ステップS06では、ステップS03と同様に、電圧検出回路9から受信した電圧値の情報に基づいて、導電体膜25の抵抗値が予め設定された所定の範囲内(標準範囲内)か否かを判定する。ステップS06の判定結果が「Yes」(標準範囲以内)である場合は、ステップS05に戻って上述した処理を繰り返し、「No」(標準範囲にない)である場合は、ステップS07に進む。
【0031】
ステップS07では、光源駆動部6に対してレーザ光の出力停止信号を送信してステップS08に進む。ここで、導電体膜25の抵抗値が所定の範囲内にないとステップS06により判定されたことで、車内側ガラス21に損傷が生じていると判定できることから、ステップS07によりレーザ光源5からのレーザ光の出射を停止させる処理を行っている。
ステップS08では、車内側ガラス21に損傷が生じていることを警告ランプ10により乗員に報知する。
【0032】
すなわち、制御部4は、装置が起動してもレーザ光を出射させる前にステップS03で損傷の有無を判定し、損傷がない場合にのみレーザ光の出射を開始して、その後継続的に損傷の有無を判定する(ステップS05,S06)。一方、損傷が生じていると判定された場合には、レーザ光の出射をいずれの場合も行わないようにして、損傷発生を警告ランプ10により乗員に報知している。
【0033】
したがって、上述した実施の形態によれば、電圧検出回路9の検出結果に基づいて表示部2の損傷が検出された場合に制御部4がレーザ光源5によるレーザ光の投射を停止させることで、表示部2への投射光が乱反射するのを防止することができるため、乗員が表示部2から誤った情報を認識するのを防止することができ、さらに、車外に不要なレーザ光が出てしまうのを防止するとともに、不要な電力消費を抑制することができる。
【0034】
また、表示部2に損傷が生じて、導電体膜25の抵抗値が変動した場合、制御部4により変動した抵抗値が所定の範囲内か否かを判定し、所定の範囲内に無いと判定された場合に表示部2に投射している光線を停止させることができるため、ノイズ等の影響で表示部2の損傷が誤検出されるのを防止することができる。
さらに、レーザ光源5によるレーザ光の出射を停止する際に、表示部2に損傷が発生した旨を、警告ランプ10を介して乗員に報知することができるため、故障によりレーザ光が停止したと乗員が誤認するのを防止することができる。
【0035】
そして、導電体膜25が車内側ガラス21と蛍光膜24との間に設けられているので、車内側ガラス21の損傷に対して抵抗値の変動が顕著になり、車内側ガラス21の損傷を感度よく検出ことができるため、例えば、レーザ光源5を車内側に設けている場合、レーザ光が透過する車内側ガラス21の損傷を迅速に検出することができる。
また、車両の車内側ガラス21及び車外側ガラス22が両方とも割れた場合にも、制御部4によりレーザ光を停止することができるため、車外にレーザ光が漏れるのを防止することができる。
【0036】
さらに、表示部2の損傷によりコヒーレンスの高いレーザ光が乱反射して意図しない方向に向かうのを防止することができる。
【0037】
なお、この発明は、上述した実施の形態の投射型画像表示装置に限られるものではない。上述した導電体膜25に、塵埃が付着したり導電体膜25の特性が変化したりすることを防止するための保護膜26を設けてもよい。
【0038】
また、上述した実施の形態では、電極27a,27a間の抵抗値に基づいて、損傷の有無を判定する場合について説明したが、電極27a,27a間の電圧値を抵抗値に変換せずに、電圧値で直接的に損傷の有無を判定する構成としてもよい。この場合、電圧検出回路9で検出される電圧値に対して所定の電圧の範囲を予め設定しておき、この所定の範囲から電極27a,27a間の電圧値が外れた場合に損傷が発生していると判定すればよい。
【0039】
さらに、車内側ガラス21に導電体膜25を固着させて損傷を検出する構成について説明したが、車外側ガラス22に対して導電体膜を固着させて車外側ガラス22の損傷を検出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態における投射型画像表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における投射型画像表示装置の配置の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における投射型画像表示装置の主に走査系の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における表示部の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における損傷判定処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の電極の正面図である。
【図7】本発明の実施の形態の電極の他の態様を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例における図4に相当する縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
2 表示部(表示手段)
4 制御部(制御手段)
5 レーザ光源(光源)
9 電圧検出回路(抵抗測定手段)
10 警告ランプ(出力手段)
21 車内側ガラス
22 車外側ガラス
24 蛍光膜(表示層)
25 導電体膜(損傷検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から光線を投射して表示手段に描画を行う投射型画像表示装置において、
前記表示手段の損傷を検出する損傷検出手段と、
該損傷検出手段の検出結果に基づいて、前記表示手段の損傷の有無を判定するとともに、損傷が有ると判定された場合に前記光源による光線の投射を停止する制御手段とを備えることを特徴とする投射型画像表示装置。
【請求項2】
前記損傷検出手段は、前記表示手段の損傷の状態に応じて抵抗値が変動する導電体層と、該導電体層の抵抗値を測定する抵抗測定手段とを備え、
前記制御手段は、前記抵抗測定手段の測定結果に基づいて、前記導電体層の抵抗値が所定の範囲内にあるか否かを判定して前記導電体層の抵抗値が所定の範囲内にないと判定した場合、前記光源による光線の投射を停止させるとともに、損傷が発生した旨を報知可能な出力手段により損傷発生を報知させることを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、車外側ガラスおよび車内側ガラスと、これら車外側ガラス及び車内側ガラスの間に設けられ前記光線が投射されることにより所定の画像を表示する表示層とを備えた車両用の合わせガラスであり、前記導電体層は、前記車内側ガラスと前記表示層との間に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示装置。
【請求項4】
前記光源は、前記表示手段にレーザ光を投射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−145540(P2009−145540A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321807(P2007−321807)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】