説明

投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラム

【課題】投影面上のセンサから引き回される電源ケーブルを省略すること。
【解決手段】投影システム100は、スクリーンSの投影面Fに画像を投影するプロジェクタ装置1と、投影面F上の画像の投影される領域の所定位置に配設され、プロジェクタ装置1からの投影光量に応じた電力を発電する光発電部35を備えたセンサ部30a,30bとを備えることを特徴とする。また、プロジェクタ装置1は、投影面Fに投影する画像データのうち少なくともセンサ部30a、30bの配設位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理回路11を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータ等の情報処理装置の発達にともなって、情報処理装置からの画像データに基づいて離れた位置の投影面上に画像を拡大投影するプロジェクタ装置を用いて、プレゼンテーションすることが行われるようになってきている。
【0003】
このようなプロジェクタ装置においては、投影面上に操作検出センサ、例えば、赤外線センサを配置して、投影面上でのユーザによる画像に対する操作を認識することが行われている(特許文献1等参照)。
【0004】
この操作検出センサ、例えば、赤外線センサは、投影面の一方辺の両端部に一対配置されて、検出用の赤外線を投影面上に出射し、該投影面の周囲に張り巡らされた反射枠で投影面上に均一に赤外線を照射している状態で、ユーザによって投影面上がタッチ操作されると、該タッチ位置が赤外線の存在しない位置となる。一対の赤外線センサは、この赤外線の存在しない投影面上の位置を、三角測量技術によって検出する。
【0005】
したがって、操作検出センサは、投影面上の操作位置を検出するために、電源電力を必要とし、従来、プロジェクタ装置から電源ケーブルを投影面に取り付けられている操作検出センサまで引き回して配線している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、プロジェクタ装置から離れた位置の投影面上まで操作検出センサに電源を供給する電源ケーブルを引き回しているため、電源ケーブルが邪魔であるだけでなく、プロジェクタ装置と投影面の設置や電源ケーブルの配回しを行う必要があり、利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、投影面上のセンサから引き回される電源ケーブルを省略することが可能な投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る投影システムは、投影面に画像を投影する投影手段と、前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設され、前記投影手段で投影された前記画像における前記所定位置の投影光量に応じた電力を発電する光電手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る投影装置は、投影面上の画像の投影される領域の所定位置に配設され、該所定位置に投影された画像の投影光量に応じた電力を発電する光電手段を備えるセンサ装置とともに用いられる投影装置であって、前記投影面に画像を投影する投影手段と、前記投影手段に供給される画像データのうち少なくとも前記光電手段の配設位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るセンサ装置は、投影面に画像を投影する投影装置とともに用いられるセンサ装置であって、前記投影面上の前記画像の投影される領域の所定位置に配設され、前記投影手段からの投影光量に応じた電力を発電する光電手段と、前記光電手段で発電された前記電力を用いて駆動する駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る発電制御方法は、投影面に画像を投影する投影ステップと、前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設された光電手段を用いて、前記投影ステップで投影された前記画像における前記所定位置の投影光量に応じた電力を発電する発電ステップと、前記投影ステップで投影する画像データのうち少なくとも前記所定位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る発電制御プログラムは、投影面に画像を投影するコンピュータに、前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設された光電手段での発電を制御させるための発電制御プログラムであって、前記投影面に画像を投影する投影処理と、前記投影処理で投影する画像データのうち少なくとも前記所定位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、投影面上のセンサから引き回される電源ケーブルを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る投影システムの概略構成を示す模式図。
【図2】図2は、本発明の実施形態1を適用したプロジェクタ装置の投影状態を示す斜視図。
【図3】図3は、図1に示すプロジェクタ装置のブロック構成図。
【図4】図4は、図1に示すセンサ部のブロック構成図。
【図5】図5は、実施形態1における操作位置検出処理の説明図。
【図6A】図6Aは、実施形態1におけるセンサ部の設置位置検出方法の一例を示す説明図。
【図6B】図6Bは、実施形態1におけるセンサ部の設置位置検出方法の他の例を示す説明図。
【図7A】図7Aは、実施形態1における投影画像によるセンサ部における発電量の変化の一例を説明するための図。
【図7B】図7Bは、実施形態1における投影画像によるセンサ部における発電量の変化の他の一例を説明するための図。
【図8】図8は、実施形態1に係る発電制御処理を示すフローチャート。
【図9】図9は、実施形態1におけるセンサ部の画像の明暗と白色画像挿入回数の関係を示す図。
【図10】図10は、実施形態1における投影画像による光量と白色画像挿入基準値との関係を示す図。
【図11】図11は、本発明の実施形態2におけるセンサ部の画像の明暗と白色フレーム差替え数との関係を示す図。
【図12】図12は、実施形態2に係る発電制御処理を示すフローチャート。
【図13】図13は、本発明の実施形態3に係るセンサ部のブロック構成図。
【図14】図14は、実施形態3に係るPCのブロック構成図。
【図15】図15は、実施形態3に係るプロジェクタ装置のブロック構成図。
【図16】図16は、実施形態3に係る発電制御処理を示すフローチャート。
【図17】図17は、本発明の実施形態4に係る発電制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【0016】
(実施形態1)
図1〜図10は、本発明の実施形態1にかかる投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムを示す図である。図1は、実施形態1にかかるプロジェクタ装置を用いた投影システムの一例を示す模式図である。図2は、図1におけるプロジェクタ装置およびスクリーンを異なる角度から見た際の模式図である。
【0017】
図1に示すように、実施形態1にかかる投影システム100は、プロジェクタ装置1と、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)110と、センサ部30aおよび30bとを備える。プロジェクタ装置1とPC110とは、たとえばRGBケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどで接続されており、スクリーンSに投影する画像の画像データがPC110からプロジェクタ装置1へ入力される。スクリーンSの投影面Fに配設された2つのセンサ部30aおよび30bは、それぞれPC110と無線回線によって接続されている。この無線回線は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)などであってよい。
【0018】
図1および図2に示すように、プロジェクタ装置1は、映像を所定距離離れた位置に設置されているスクリーンSの表面を投影面Fとして画像を投影する。スクリーンSの投影面Fには、プロジェクタ装置1からの映像の投影領域Rの上辺両隅にセンサ部30a、30bが配設されており、センサ部30a、30bは、投影面F上におけるペンPによる映像に対する指示操作位置を検出する。
【0019】
プロジェクタ装置1は、図3に示すようにブロック構成されており、システムコントロール部2、電源回路3、電源スイッチ(SW)4、映像入力部5、冷却ファン6、ファン駆動回路7、投射ランプ8、ランプ駆動回路9、光量算出部10、画像処理回路11、投射デバイス12、投射レンズ13及び操作部14等を備えている。
【0020】
映像入力部5は、PC110に接続され、このPC110から送られてくる画像データを受け取って、システムコントロール部2に出力する。なお、PC110に限らず、コンピュータや種々の映像再生装置等の情報処理装置であってよい。
【0021】
システムコントロール部2は、ROM(Read Only Memory)21及びRAM(Random Access Memory)22等を搭載するMPU(Micro Processing Unit)を用いて構成され、ROM21内のプログラム及びシステムデータに基づいて、RAM22をワークメモリとして利用しつつプロジェクタ装置1の各部を制御して、基本処理及び実施形態1にかかるセンサ電源制御処理を実行する。
【0022】
すなわち、プロジェクタ装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている実施形態1にかかるセンサ電源制御方法を実行するセンサ電源制御プログラムを読み込んでRAM22等に導入することで、後述するセンサ部30a、30bの電源電力を効率的に確保するセンサ電源制御方法を実行するプロジェクタ装置として構築されている。このセンサ電源制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体等に格納して頒布することができる。
【0023】
電源スイッチ(SW)4は、プロジェクタ装置1の電源電力のオン/オフをユーザによって指示操作するのに使用され、オン/オフ信号を電源回路3及びシステムコントロール部2に出力する。
【0024】
電源回路3には、電源プラグの取り付けられている電源コードが接続されており、電源プラグが商用電源の電源ソケットに挿入されると、AC(交流)100Vの商用電源が供給される。電源回路3は、AC100Vの商用電源が供給されている状態で、電源スイッチ4がオン操作されると、商用電源の電圧及び周波数をプロジェクタ装置1の内部回路用の電圧及び周波数に変換し、変換後の電力を電源電力としてシステムコントロール部2、冷却ファン6、投射ランプ8、投射デバイス12等の各部に供給する。
【0025】
ファン駆動回路7は、システムコントロール部2の制御下で、冷却ファン6を駆動制御する。冷却ファン6は、ファン駆動回路7によって回転駆動されると、冷却風を送って、投射ランプ8を含むプロジェクタ装置1内の各部の冷却を行う。
【0026】
ランプ駆動回路9は、システムコントロール部2の制御下で、投射ランプ8の点灯/消灯を制御する。投射ランプ8は、ランプ駆動回路9によって点灯されると、投射光を投射デバイス12に照射する。
【0027】
投射デバイス12は、画像処理回路11から与えられる画像データに基づいて、投射ランプ8からの投射光を空間光変調方式により変調する。また、投影デバイス12は、変調光を投射レンズ13を通して、スクリーンSの投影面Fへ投射する。これにより、スクリーンSの投影面Fに画像が投影される。投射デバイス12としては、例えば、液晶パネルまたはDMD(Digital Micromirror Device)等が用いられている。
【0028】
画像処理回路11には、映像入力部5から入力されてシステムコントロール部2で一時保管された画像データが入力される。画像処理回路11は、システムコントロール部2の制御下で、該システムコントロール部2から入力される画像データに必要な画像処理を施して、投射デバイス12に出力する。
【0029】
光量算出部10には、画像処理回路11に入力される画像データと同じ画像データがシステムコントロール部2から入力される。光量算出部10は、画像データのうち、投影面Fのセンサ部30a、30bに対応する位置に投影される画像データから該センサ部30a、30bに照射される光量を算出して、該センサ部30a、30bの位置の画像データに対して白色画像のフレームを挿入するフレーム挿入信号を画像処理回路1に出力する。たとえば、光量算出部10は、該画像データの明度のRGBを合計することで、光量を算出する。また、光量算出部10は、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やす必要がある場合には、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やし、逆に、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を減らしてもよい場合には、投影画像が白くなるのを抑えるために、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を減らす。さらに、光量算出部10は、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やす必要もなく、また、減らす必要もない場合には、現在における単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を維持する。なお、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やす必要がある場合とは、後述するように、投影する画像の光量によってセンサ部30a、30bの電力を賄える電力量を発電することができない場合である。また、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を減らしてもよい場合とは、後述するように、投影する画像の光量によってセンサ部30a、30bの電力を賄える電力量を十分発電することができる場合である。
【0030】
操作部14には、種々のキー、ボタン等が配設されており、操作部14は、ユーザによるプロジェクタ装置1の電源のオン/オフ以外の各種操作、例えば、投射画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、キーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をシステムコントロール部2に出力する。
【0031】
電源スイッチ4がオン操作されて電源回路3からシステムコントロール部2に電源電力が供給されると、システムコントロール部2は、ROM21に予め記憶されている制御プログラムに従って起動し、ランプ駆動回路9に制御信号を与えて投射ランプ8を点灯させるとともに、ファン駆動回路7に制御信号を与えて冷却ファン6を所定の定格回転数で回転させる。また、電源回路3からの電源電力の供給が開始されると、投射デバイス12が画像表示可能状態になり、さらに、他の種々の構成要素へ電源回路3から電力が供給される。
【0032】
また、電源スイッチ4がオフ操作されると、電源スイッチ4から電源オフ信号がシステムコントロール部2に送られる。システムコントロール部2は、電源オフ信号を検知すると、ランプ駆動回路9へ制御信号を与えて投射ランプ8を消灯させる。システムコントロール部2は、その後、所定時間が経過すると、ファン駆動回路7へ制御信号を与えて冷却ファン6を停止させるとともに、自身で自身の制御処理を終了させ、最後に電源回路3へ指示を与えて電源電力の供給を停止させる。
【0033】
上記センサ部30a、30bは、図4に示すようにブロック構成されており、赤外線発光部31、赤外線受光部32、赤外線測定部33、測定情報送信部34及び光発電部35等を備えている。
【0034】
赤外線発光部31は、スクリーンSの投影面F上に操作位置検出用の赤外線を出射する。スクリーンSの投影面Fにおける投影領域Rのセンサ部30a、30bの設けられている辺以外の全ての辺の位置には、赤外線を反射する反射枠(不図示)が配設されていて、赤外線発光部31から出射された赤外線を反射する。
【0035】
赤外線受光部32は、赤外線発光部31から出射されて反射枠によって反射された後に入射する赤外線を検出し、例えば、図4に示すように、検出結果を赤外線測定部33に出力する。
【0036】
赤外線測定部33は、赤外線受光部32の赤外線検出結果において影となった位置を、ユーザによる投影面F上における操作位置として検出して、操作位置情報を測定情報送信部34に出力する。すなわち、ユーザが投影面F上を操作することで、赤外線が遮断される。赤外線受光部32は、この操作によって赤外線が遮断されることでできる影を検出する。
【0037】
測定情報送信部34は、赤外線測定部33からの操作位置情報をプロジェクタ装置1またはプロジェクタ装置1に画像データを送っているPC110に無線送信する。
【0038】
プロジェクタ装置1またはPC110は、センサ部30a及びセンサ部30bから送られてきた操作位置情報に基づいて、例えば、図5に示すように、三角測量技術によってユーザによる投影面F上への操作位置を検出する。そして、プロジェクタ装置1またはPC110は、この操作位置を投影面F上に投影している投影映像と重ね合わせたり、投影面F上での座標の計算を行って操作位置を検出したりする。
【0039】
光発電部35は、例えば、太陽電池が用いられており、プロジェクタ装置1から投影される投影光の光量に応じた電力を発電してセンサ部30a、30bの各部31〜34に電力を供給する。
【0040】
このセンサ部30a、30bで必要とする単位時間当たりの消費電力量は、予め分かっており、また、光発電部35が投影光の光量に対して発電する発電量も予め分かっている。そこで、要求される消費電力量に対して必要十分な発電量を賄うために単位時間当たりに画像データに対して挿入すべき白色画像のフレーム挿入量を設定する白色画像フレーム挿入量データを、光量算出部10内の不揮発性メモリまたはシステムコントロール部2のROM21に格納しておく。そして、システムコントロール部2は、ROM21内に白色画像フレーム挿入量データが格納されているときには、電源スイッチ4がオンされて電源電力が供給されたときに、ROM21内の白色画像フレーム挿入量データを光量算出部10に渡す。
【0041】
そして、光量算出部10は、上述のように、投影面Fのセンサ部30a、30bに対応する位置に投影される画像データから該センサ部30a、30bに照射される光量を算出し、この光量に基づいて、上記白色画像フレーム挿入量データを参照して、該センサ部30a、30bの位置の画像データに対して白色画像のフレームを挿入するフレーム挿入信号を画像処理回路11に出力する。すなわち、光量算出部10は、白色画像フレーム挿入量データを参照して、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やす必要がある場合には、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やし、逆に、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を減らしてもよい場合には、投影画像が白くなるのを抑えるために、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を減らす。さらに、光量算出部10は、白色画像フレーム挿入量データを参照して、算出した光量では、単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を増やす必要もなく、また、減らす必要もない場合には、現在の単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を維持する。
【0042】
さらに、プロジェクタ装置1は、上記センサ部30a、30bに対応する位置に投影される画像データからセンサ部30a、30bに照射される光量を算出するために、センサ部30a、30bの投影面F上における設置位置を検出する。
【0043】
このセンサ部30a、30bの投影面F上における設置位置の検出方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、図6Aに示すように、設置位置パターンを複数用意して、操作部14の操作で、設置位置パターン選択する方法を用いることができる。また、例えば、図6Bに示すように、投影面F上におけるセンサ部30a、30bの設置位置とサイズを操作部14の操作で適宜設定する方法、プロジェクタ装置1がカメラを搭載しているときには、該カメラによりスクリーンS面を撮影して、センサ部30a、30bの設置位置を特定する方法等、種々の方法を用いることができる。なお、図6Aでは、パターン1として、スクリーンS上の投影面F上辺の両角にセンサ部30a、30bを配設する設置位置パターンが示されており、図6Bでは、サイズとしての「width」、「height」、設置位置としての「top」、「left」を数値で設定する状態が示されている。
【0044】
システムコントロール部2は、上記センサ部30a、30bの設置位置情報を取得すると、システムコントロール部2内の不揮発性メモリに格納して、電源スイッチ4がオンされたタイミング等の適宜のタイミングに光量算出部10に渡す。または、システムコントロール部2が取得したセンサ部30a、30bの設置位置情報を光量算出部10に渡して、光量算出部10が内部の不揮発性メモリに記憶し、光量算出部10が該センサ部30a、30bの位置に対応する画像データに対してのみ光量算出を行って、画像処理回路11に必要な白色画像のフレーム挿入信号の出力を行うように構成されてもよい。
【0045】
次に、本実施形態1の作用を説明する。本実施形態1のプロジェクタ装置1は、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させる。
【0046】
プロジェクタ装置1は、プロジェクタ装置1とスクリーンSが適切な位置に設置され、PC110が映像入力部5に接続され、電源コードの電源プラグがコンセントに挿入された後に、電源スイッチ4が投入される。プロジェクタ装置1は、電源スイッチ4が投入されると、各部の初期化を行う。プロジェクタ装置1は、初期化が完了し、上述のように、スクリーンSの投影面Fにおけるセンサ部30a、30bの設置位置情報を取得すると、この設置位置情報をシステムコントロール部2または光量算出部10の不揮発性メモリに格納する。
【0047】
プロジェクタ装置1は、操作部14で、投影開始の指示操作が行われると、PC110から映像入力部5を介してシステムコントロール部2に入力される画像データを画像処理回路11及び光量算出部10に渡す。画像処理回路11は、操作部14で設定された画像処理内容に応じて必要な画像処理を施して、投射デバイス12に出力する。
【0048】
投射デバイス12は、ランプ駆動回路9によって点灯駆動される投射ランプ8からの投射光を画像処理回路11から入力される画像データに基づいて空間光変調方式により変調する。変調光は、投射レンズ13を通して、スクリーンSの投影面Fへ投射される。これにより、投影面Fに画像が投影される。
【0049】
そして、光量算出部10は、システムコントロール部2から入力される画像データ、スクリーンS上のセンサ部30a、30bの配設位置情報及び白色画像フレーム挿入量データに基づいて単位時間当たりの白色画像のフレーム挿入量を決定して、単位時間当たりの該白色画像のフレーム挿入量に基づいて画像処理回路11にフレーム挿入信号を出力する。すなわち、例えば、図7Aに示すように、センサ部30a、30bに照射される投影映像の光量が少ないときには、センサ部30a、30bの光発電部35による発電量が不十分か、発電できない状態であり、図7Bに示すように、センサ部30a、30bに照射される投影映像の光量が多いときには、センサ部30a、30bの光発電部35による発電量が十分か、ある程度発電できる状態である。そして、センサ部30a、30bは、光発電部35が発電した発電電力のみを使用して、センサ動作を実行する。
【0050】
そこで、光量算出部10は、図8に示すように、センサ部30a、30bに対応する画像データの光量に基づいて発電制御処理を行う。
【0051】
すなわち、光量算出部10は、システムコントロール部2から入力される画像データのうち、センサ部30a、30b、特に、光発電部35の設置位置に対応する画像データを抜き出し(ステップS101)、該光発電部35に対応する画像データから光量を算出する(ステップS102)。光量算出部10は、該センサ部30a、30bの光発電部35に投影される画像データの明度のRGBを合計することで、光発電部35に照射される単位時間当たりの光量を算出する。
【0052】
次に、光量算出部10は、算出した光量によって光発電部35が発電することができないか否かチェックし(ステップS103)、発電することができないとき(ステップS103;YES)には、白色画像変換フレーム数を増加させ(ステップS104)、ステップS101へリターンする。
【0053】
ステップS103で、算出した光量によって光発電部35が発電することができるとき(ステップS103;NO)には、該光量によって光発電部35がセンサ部30a、30bの動作に十分以上の電力を発電するか否かチェックする(ステップS105)。
【0054】
ステップS105で、十分以上発電するとき(ステップS105;YES)には、光量算出部10は、白色画像変換フレーム数を削減させ(ステップS106)、ステップS101へリターンする。ステップS105で、十分以上発電しないとき(ステップS105;NO)には、光量算出部10は、白色画像変換フレーム数の増減を行うことなく、そのままステップS101へリターンする。
【0055】
すなわち、光量算出部10は、例えば、図9の上段に示すように、センサ部30a、30bの光発電部35の光量が少なく暗いときには、センサ部30a、30bに対応する画像データに白色画像変換フレーム数を増やして、図9の上段に破線の丸で示すように、白色画像挿入回数を増やす。また、光量算出部10は、例えば、図9の中段に示すように、センサ部30a、30bの光発電部35の光量が中程度であるときには、センサ部30a、30bに対応する画像データに白色画像変換フレーム数を増減せずに、図9の中段に破線の丸で示すように、白色画像挿入回数を中程度の状態を維持する。さらに、光量算出部10は、例えば、図9の下段に示すように、センサ部30a、30bの光発電部35の光量が多く明るいときには、センサ部30a、30bに対応する画像データに白色画像変換フレーム数を削減して、図9の下段に破線の丸で示すように、白色画像挿入回数を削減する。
【0056】
図10に示すように、たとえばa点、b点、c点の時点でプロジェクタ装置1からスクリーンSに投影する静止画像が切り替わり、センサ部30a、30bの光発電部35に対応する画像データの明度のRGB合計値が図10に示すように変化したとする。その場合、上述の発電制御処理において、光量算出部10は、a点で画像が切り替わるまでの間の光量がたとえば予め設定しておいた基準値k2と基準値k3の間の値であるため、たとえば予め設定しておいた0.1秒間隔で投影する静止画像の一部に白色画像を挿入する。また、光量算出部10は、a点からb点で画像が切り替わるまでの間の光量がたとえば予め設定しておいた基準値k1以上となるため、十分に光発電部35に投影光が照射されていると判断して、白色画像の挿入を行わない。さらに、光量算出部10は、b点からc点で画像が切り替わるまでの間の光量が基準値k1と基準値k2の間の値であるため、たとえば予め設定しておいた0.2秒間隔で投影する静止画像の一部に白色画像を挿入する。最後に、光量算出部10は、c点で投影画像が切り替わって、光量が基準値k3以下となると、たとえば予め設定しておいた0.05秒間隔で投影する静止画像に白色画像を挿入する。
【0057】
センサ部30a、30bの光発電部35における光量を判断する際に用いる基準値および光発電部35における光量に応じて挿入する白色画像の挿入間隔(挿入フレーム数)は、センサ部30a、30bで必要とする電力と光発電部35の発電能力によって、適宜設定することができる。
【0058】
このように、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、画像データに基づいて所定距離離れた投影面Fに画像を投影する投射ランプ8、投射デバイス12及び投射レンズ13等で構成される投影手段と、投影面Fに配設されて該投影面Fの画像に対する操作位置を検出するセンサ部(操作位置検出手段)30a、30bと、投影面F上の画像の投影される領域(投影領域)Rの所定位置に配設され投影手段からの投影光量に応じた電力を発電してセンサ部30a、30bに供給する光発電部(光電手段)35と、前記投影手段に供給される画像データであって光発電部35の配設位置に投影される画像データを所定割合で白色画像となる白色画像データに変換する画像処理回路11及び光量算出部10で構成される画像処理手段と、を備えている。
【0059】
したがって、センサ部30a、30bの必要な全ての電力を光発電部35で発電してセンサ部30a、30bを駆動させることができ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、画像データに基づいて所定距離離れた投影面Fに画像を投影する投影処理ステップと、該投影面Fに配設されているセンサ部30a、30bによって該投影面Fの画像に対する操作位置を検出する操作位置検出処理ステップと、画像の投影される投影領域Rの所定位置に配設されている光発電部35で投影処理ステップによる投影光量に応じた電力を発電してセンサ部30a、30bに供給する光電処理ステップと、該投影処理ステップに供給される前記画像データであって光発電部35の配設位置に投影される画像データを所定割合で白色画像となる白色画像データに変換する画像処理ステップと、を有する発電制御方法を実行している。
【0061】
したがって、センサ部30a、30bの必要な全ての電力を光発電部35で発電してセンサ部30a、30bを駆動させることができ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0062】
さらに、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、コンピュータに、画像データに基づいて所定距離離れた投影面Fに画像を投影する投影処理と、該投影面Fに配設されているセンサ部30a、30bによって該投影面Fの画像に対する操作位置を検出する操作位置検出処理と、画像の投影される投影領域Rの所定位置に配設されている光発電部35で該投影処理による投影光量に応じた電力を発電してセンサ部30a、30bに供給する光電処理と、該投影処理に供給される前記画像データであって光発電部35の配設位置に投影される画像データを所定割合で白色画像となる白色画像データに変換する画像処理と、を実行させる発電制御プログラムを搭載している。
【0063】
したがって、センサ部30a、30bの必要な全ての電力を光発電部35で発電してセンサ部30a、30bを駆動させることができ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、投射デバイス12に供給される前記画像データのうち、光発電部35の配設位置に投影される画像データの所定単位時間当たりの光量を算出する光量算出部(光量算出手段)10を備え、該光量算出部10が、画像処理回路11の処理する画像データに対して、算出した光量に基づいて単位時間当たりに変換する白色画像データのフレーム数を調整している。
【0065】
したがって、光発電部35に投射される画像データに基づいて発電に利用可能な光量を算出して、光発電部35がセンサ部30a、30bで必要な全ての電力を効率的に発電できるように画像変換することができ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0066】
さらに、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、光量算出部10は、光発電部35の配設位置に投影されるRGB各画像データの単位時間当たりにおける明度の合計値を、単位時間当たりの光量として算出している。
【0067】
したがって、光発電部35に投射される画像データに基づいて発電に利用可能な光量をより一層正確に算出して、光発電部35がセンサ部30a、30bで必要な全ての電力をより一層効率的に発電できるように画像変換することができ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態1のプロジェクタ装置1は、光発電部35の配置位置を特定する位置特定手段を備えており、この位置特定手段として、投影面F上における光発電部35の複数の配設位置パターンから適宜の配設位置パターンを選択する操作部(選択手段)14、投影面F上における光発電部35の配設位置と光発電部35のサイズを設定入力する操作部(位置指定手段)14、または、投影面F上における光発電部35、具体的には、センサ部30a、30bを撮影して光発電部35の配設位置を取得するカメラ(位置撮影手段)を備えている。
【0069】
したがって、光発電部35の設置位置を正確に取得して、該光発電部35の設置位置に投影される画像データについてのみ、光量を算出して、該光発電部35の設置位置に投影する画像データのみを適切に白色画像データに変換することができ、投影画像の品質を向上させつつ、投影面F上のセンサ部30a、30bへ電源ケーブルを配回すことなく、投影面F上の画像に対する操作位置を検出して、利用性を向上させることができる。
【0070】
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2にかかる投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムについて、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施形態1では、図9に示すように、投影する静止画像の一部に白色画像が挿入された白色画像変換フレームを用いていた。これに対し、実施形態2では、図11に示すように、白色画像変換フレームの代わりに、白色画像の挿白対象とする画像フレームを白色フレームに差し替える。
【0071】
図12は、実施形態2にかかる発電制御処理の動作を示すフローチャートである。なお、図12において、上述した実施形態1において図8を用いて説明した発電制御処理と同様の動作について、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、実施形態2にかかる発電制御処理では、図8のステップS101〜S103と同様の処理が実行される。ステップS103で、算出した光量によって光発電部35が発電することができないとき(ステップS103;YES)には、白色フレームに差し替える画像フレームの数を増加させ(ステップS204)、ステップS101へリターンする。
【0073】
ステップS103で、算出した光量によって光発電部35が発電することができるとき(ステップS103;NO)には、実施形態1と同様に、該光量によって光発電部35がセンサ部30a、30bの動作に十分以上の電力を発電するか否かチェックし(ステップS105)、十分以上発電するとき(ステップS105;YES)には、光量算出部10は、白色フレームに差し替える画像フレームの数を削減させ(ステップS206)、ステップS101へリターンする。ステップS105で、十分以上発電しないとき(ステップS105;NO)には、光量算出部10は、白色画像変換フレーム数の増減を行うことなく、そのままステップS101へリターンする。
【0074】
以上のような構成によっても、実施形態1と同様の効果を奏することが可能である。なお、その他の構成および動作は、実施形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0075】
(実施形態3)
つぎに、本発明の実施形態3にかかる投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムについて、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施形態1および2では、プロジェクタ装置1内の光量算出部10が、投影対象の画像フレームからセンサ部30a、30bの光発電部35における発電量を算出していた。これに対し、実施形態3では、スクリーンSに設置されるセンサ部において発電量を測定し、この測定結果に基づいて白色画像変換フレーム数もしくは白色フレーム差替え数を増減する。なお、以下の説明において、実施形態1または2と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0076】
実施形態3にかかる投影システムは、図1に示す投影システム100と同様の構成であるが、センサ部30a、30b、プロジェクタ装置1およびPC110がそれぞれセンサ部230a、230b、プロジェクタ装置201およびPC210に置き換えられている。
【0077】
図13は、実施形態3にかかるセンサ部の概略構成を示すブロック図である。図13に示すように、実施形態3にかかる各センサ部230a、230bは、図4に示すセンサ部30a、30bと同様の構成に加え、光発電部35で発電された電力の電圧値を測定する電圧測定部231を備える。電圧測定部231で測定された電圧値は、測定情報送信部34に入力される。測定情報送信部34は、赤外線測定部33から入力された操作位置情報に加え、電圧測定部231から入力された電力情報をプロジェクタ装置201またはプロジェクタ装置1に画像データを送っているPC210に無線送信する。
【0078】
図14は、実施形態3にかかるPCの概略構成を示すブロック図である。図14に示すように、実施形態3にかかるPC210は、測定情報受信部211と、軌跡画像生成部212と、画像合成部213と、投影画像蓄積部214と、映像出力部215と、通信インタフェース216とを備える。測定情報受信部211は、センサ230a,230bの測定情報送信部34から無線送信された操作位置情報および電力情報を受信する。受信された情報のうち操作位置情報は、軌跡画像生成部212に入力される。また、測定情報受信部211で受信された情報のうち電力情報は、通信インタフェース216を介してプロジェクタ装置201へ送信される。
【0079】
軌跡画像生成部212は、入力された操作位置情報の時系列にしたがって、ペンPの軌跡を描画し、これのイメージデータ(軌跡画像)を生成する。生成された軌跡画像は、画像合成部213に入力される。
【0080】
投影画像蓄積部214は、プロジェクタ装置201で投影する静止画像を蓄積する。画像合成部213には、上述した軌跡画像の他に、投影する静止画像も入力される。画像合成部213は、入力された静止画像に軌跡画像を重畳させ、これを投影画像として映像出力部215に入力する。映像出力部215は、入力された投影画像をたとえばRGBケーブルやBNCケーブルやUSBケーブルなどを介してプロジェクタ装置201へ出力する。
【0081】
なお、図14に示す構成において、通信インタフェース216以外の構成は、上述した実施形態1および2でも同様であってよい。
【0082】
図15は、実施形態3にかかるプロジェクタ装置の概略構成を示すブロック図である。図15に示すように、実施形態3にかかるプロジェクタ装置201は、図3に示すプロジェクタ装置1と同様の構成に加え、通信インタフェース202を備える。また、実施形態3にかかるプロジェクタ装置201では、光量算出部10が省略されている。
【0083】
通信インタフェース202には、PC210の通信インタフェース216から出力された電力情報が入力される。なお、通信インタフェース216および202間は、無線および有線のいずれで相互に接続されていてもよい。通信インタフェース202に入力された電力情報は、システムコントロール部2に入力される。システムコントロール部2は、実施形態1および2における光量算出部10と同様に、入力された電力情報に基づいて、白色画像変換フレーム数または白色フレーム差替え数を増減させる。なお、実施形態1および2では、センサ部30a、30bの光発電部35による発電量を判断する際に画像フレームから算出した光量を用いたが、実施形態3では、光量の代わりに電力情報を用いればよい。
【0084】
図16は、実施形態3にかかる発電制御処理の動作を示すフローチャートである。図16に示すように、実施形態3にかかる発電制御処理では、システムコントロール部2は、まず、通信インタフェース202を介して電力情報を受信する(ステップS301)。すると、システムコントロール部2は、電力情報に基づいて、センサ部230a,230bの光発電部35での発電量が予め定めておいた第1閾値以下であるか否かを判定する(ステップS302)。発電量が第1閾値以下である場合(ステップS302;YES)、システムコントロール部2は、白色画像変換フレーム数を増加させ(ステップS303)、ステップS301へリターンする。
【0085】
ステップS302で、発電量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS302;NO)には、システムコントロール部2は、つぎに、発電量が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS304)。発電量が第2閾値以上である場合(ステップS304;YES)、システムコントロール部2は、白色画像変換フレーム数を削減させ(ステップS305)、ステップS301へリターンする。ステップS304で、発電量が第2閾値よりも小さいとき(ステップS304;NO)には、システムコントロール部2は、白色画像変換フレーム数の増減を行うことなく、そのままステップS301へリターンする。
【0086】
以上のような構成によっても、実施形態1と同様の効果を奏することが可能である。また、本実施形態3によれば、センサ部230aおよび230bが設置された部屋の明るさなどの周囲の環境にも対処することが可能である。すなわち、たとえばセンサ部230aおよび230bが設置された部屋が暗く、光発電部35による発電量が小さい場合には、白色画像変換フレーム数または白色フレーム差替え数を増加させて光発電部35による発電量を増加させ、部屋が明るくて光発電部35による発電量が大きい場合には、白色画像変換フレーム数または白色フレーム差替え数を減少させて投影画像が白くぼやけることを抑制することが可能となる。なお、その他の構成および動作は、実施形態1または2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0087】
(実施形態4)
つぎに、本発明の実施形態4にかかる投影システム、投影装置、センサ装置、発電制御方法及び発電制御プログラムについて、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施形態では、投影画像が静止画像である場合をベースとして説明したが、これに限られるものではない。すなわち、投影画像は動画像であってもよい。その場合、1つの画像フレームではなく、複数の画像フレームに基づいて、センサ部30a、30bの光発電部35の発電量を判断してもよい。以下に、複数の動画像フレームに基づいて光発電部35の発電量を判断する場合を実施形態4として説明する。なお、以下の説明において、実施形態1、2または3と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
図17は、実施形態4にかかる発電制御処理の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、光量算出部10は、システムコントロール部2から連続して入力される複数(たとえば5つ)の動画像フレームそれぞれにおけるセンサ部30a、30b(特に、光発電部35)の設置位置に対応する画像データを抜き出す(ステップS401)。つぎに、光量算出部10は、抜き出した画像データから光量を算出する(ステップS402)。光量算出部10は、該センサ部30a、30bの光発電部35に投影される動画像データの明度のRGBを合計することで、光発電部35に照射される単位時間当たりの光量を算出する。ステップS402で算出される光量は、連続する複数の動画像フレームに対して算出された光量の平均値であってもよい。または、平均値の代わりに、所定数の動画像フレームの合計値が求められてもよい。
【0089】
その後、光量算出部10は、たとえば上述の実施形態1において図8のステップS103〜S106を用いて説明した処理と同様の処理を実行することで、光発電部35の発電量に基づいて白色画像変換フレーム数または白色フレーム差替え数を必要に応じて増減し、ステップS401へリターンする。
【0090】
以上のような動作によれば、動画像に対しても、上述した実施形態と同様の効果を奏することが可能である。なお、その他の構成および動作は、実施形態1、2または3と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1、201 プロジェクタ装置
2 システムコントロール部
3 電源回路
4 電源スイッチ(SW)
5 映像入力部
6 冷却ファン
7 ファン駆動回路
8 投射ランプ
9 ランプ駆動回路
10 光量算出部
11 画像処理回路
12 投射デバイス
13 投射レンズ
14 操作部
21 ROM
22 RAM
30a、30b、230a、230b センサ部
100 投影システム
110、210 PC
202、216 通信インタフェース
211 測定情報受信部
212 軌跡画像生成部
213 画像合成部
214 投影画像蓄積部
215 映像出力部
231 電圧測定部
S スクリーン
F 投影面
R 投影領域
P ペン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2008−76804号公報
【特許文献2】特開平11−327789号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影面に画像を投影する投影手段と、
前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設され、前記投影手段で投影された前記画像における前記所定位置の投影光量に応じた電力を発電する光電手段と、
を備えることを特徴とする投影システム。
【請求項2】
前記投影手段に供給される画像データのうち少なくとも前記所定位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記投影手段に供給される前記画像データのうち、前記所定位置に投影される部分の画像データの所定単位時間当たりの光量を算出する光量算出手段をさらに備え、
前記画像処理手段は、前記光量算出手段の算出する光量に基づいて前記単位時間当たりに前記白色画像データに変換する前記画像データのフレーム数を調整することを特徴とする請求項2に記載の投影システム。
【請求項4】
前記光量算出手段は、前記所定位置に投影されるRGBの各画像データの前記単位時間当たりにおける明度の合計値を前記単位時間当たりの光量として算出することを特徴とする請求項3に記載の投影システム。
【請求項5】
前記光電手段の配置位置を特定する位置特定手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の投影システム。
【請求項6】
前記位置特定手段は、前記投影面に対する前記光電手段の複数の配設位置パターンのうちからいずれか1つをユーザに選択させる選択手段、前記投影面に対する前記光電手段の配設位置と該光電手段のサイズとをユーザに設定入力させる位置指定手段、または、前記投影面上に配設された前記光電手段を撮影して該光電手段の配設位置を取得する位置撮影手段であることを特徴とする請求項5に記載の投影システム。
【請求項7】
前記投影面に配設されて該投影面の画像に対する操作位置を検出する操作位置検出手段をさらに備え、
前記光電手段は、前記発電した電力を前記操作位置検出手段へ供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の投影システム。
【請求項8】
投影面上の画像の投影される領域の所定位置に配設され、該所定位置に投影された画像の投影光量に応じた電力を発電する光電手段を備えるセンサ装置とともに用いられる投影装置であって、
前記投影面に画像を投影する投影手段と、
前記投影手段に供給される画像データのうち少なくとも前記光電手段の配設位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理手段と、
を備えることを特徴とする投影装置。
【請求項9】
投影面に画像を投影する投影装置とともに用いられるセンサ装置であって、
前記投影面上の前記画像の投影される領域の所定位置に配設され、前記投影手段からの投影光量に応じた電力を発電する光電手段と、
前記光電手段で発電された前記電力を用いて駆動する駆動部と、
を備えることを特徴とするセンサ装置。
【請求項10】
前記駆動部は、前記投影面に配設されて該投影面の画像に対する操作位置を検出する操作位置検出手段であることを特徴とする請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
投影面に画像を投影する投影ステップと、
前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設された光電手段を用いて、前記投影ステップで投影された前記画像における前記所定位置の投影光量に応じた電力を発電する発電ステップと、
前記投影ステップで投影する画像データのうち少なくとも前記所定位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理ステップと、
を含むことを特徴とする発電制御方法。
【請求項12】
投影面に画像を投影するコンピュータに、前記投影面上の前記画像の投影される領域内の所定位置に配設された光電手段での発電を制御させるための発電制御プログラムであって、
前記投影面に画像を投影する投影処理と、
前記投影処理で投影する画像データのうち少なくとも前記所定位置に投影される部分の画像データ、または、画像データ全体を白色画像データに変換する画像処理ステップと、
を前記コンピュータに実行させるための発電制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2013−68939(P2013−68939A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−185797(P2012−185797)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】