説明

抗ガン治療の副作用を治療するための新規組成物

本発明は、活性成分として少なくとも1種の細胞毒剤及び少なくとも1種のコレスト−4−エン−3−オン オキシム誘導体を含む、新規組成物、特に医薬組成物、に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な医薬組成物に関する。より詳しくは、本発明によれば、活性成分として少なくとも1種の細胞毒剤及び少なくとも1種のコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体を含む医薬組成物が提供される。
【背景技術】
【0002】
抗ガン化学療法に用いられる主な薬剤は、それらの活性により分類され得る。かくて、次が定義される:
− 細胞毒剤;
− ホルモン及び/又はホルモンの分泌をブロックする薬剤即ち拮抗剤;
− 免疫応答修飾剤;
− モノクローナル抗体。
これら薬剤の中で、細胞毒剤は、全てのガン性細胞を破壊するために用いられる。
殆どの細胞毒剤は、細胞のデオキシリボ核酸(DNA)又はその前駆体と相互作用する:それらは、DNA合成を阻害し又は修復不能のDNA障害を引起す。ある種の細胞毒剤は、転写段階後に作用する:それらは、タンパク質及び細胞の増殖/分裂に関与する酵素と相互作用する。細胞毒性薬剤はガン性細胞に特異的ではなく、それらはまた正常細胞にも作用する。それらの毒性をもたらすのはこの非特異性である。
更に、本文中で、「細胞毒剤」は、患者に末梢神経障害の症候群及び/又は神経系への障害を引起す可能性のある細胞毒剤、有利には抗ガン剤、を意味する。
【0003】
悪性腫瘍の化学療法の持つ主な困難性の1つは、腫瘍細胞の増殖を抑制し得る全ての細胞毒剤が、対応する正常細胞に毒性の副作用を示す、という事実に存することは、周知である。
かくて、血液、胃腸、皮膚毒性、小児の成長遅れ、生殖腺毒性、心臓、肺、肝臓毒性、腎臓毒性、膀胱毒性、聴覚毒性、上皮組織(静脈及び粘膜)への毒性、又例えば末梢神経障害のような神経毒性、が記述されている。
【0004】
本発明において、末梢神経障害は、脊髄前角の損傷を除いた、末梢神経の様々な医学的病気を意味する。末梢神経障害は大きく3つの群に分けられる:
− 1本の神経幹の損傷により定義される、単神経障害;
− 幾つかの神経幹の連続的損傷により特徴付けられる、多発性単神経障害;
− 及び、びまん(diffuse)及び四肢の対称的な損傷を伴う末梢性多神経障害(polyneuropathies)。
【0005】
臨床徴候は次を含む:萎縮、けいれん、束状化及び運動機能障害、感覚消失、触覚又は自己受容感覚減退、運動失調、痛覚鈍麻、有痛性感覚消失、熱性感覚減退、感覚異常、異常感覚、痛覚過敏、異痛(allodynia)、無反射、反射減退(Stojkovic;La revue de mwdecine interne 27、(2006)302-312)。
【0006】
末梢神経障害は、特に、抗ガン治療に用いられる細胞毒剤により引き起こされ得る。
これらの末梢神経障害は、該医薬の投与が停止されると、時には消失する。しかし、何らかの改善が観察されるまでには、数週間、又は数ヶ月もかかることがある。
本出願人の知識によれば、最近の知識を軽視すること無しに、末梢神経障害の症候群又は細胞毒剤特に抗ガン細胞毒剤により神経系に引起される損傷に対しては、満足できる治療法は無く、それは、治療が、細胞毒剤と末梢神経障害の症候群及び/又は該細胞毒剤特により神経系に引起される損傷とを治療する薬剤との単一の組成物の形において該抗ガン治療と組み合わされるか、又は同時にもしくは逐次的に投与される様々な組成物の形において該抗ガン治療と組み合わされるか、に拘わらない。細胞毒剤の望ましくない副作用は、特に、主要治療及び期待される有益性の制限を来たす。(Wickham、Clinical Journal of Oncology Nursing、11、(3)、(2007)、361−376)。例えば、時には、投与時の抗ガン剤の投与量を減らすかもしくはより少量の投与量をより高頻度に投与する、長期間に亘って点滴する、投与間隔をあける、又は末梢神経障害の場合もしくは末梢神経障害の危険性を減らすために薬剤による治療を停止する、ことが必要である。
【0007】
従って、細胞毒剤、特に抗ガン剤としてのそれらの使用、により引起される神経障害の治療及び/又は予防の分野に、必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、ガンの治療を意図する組成物であって、同時に、ガンの治療に用いられる細胞毒剤の望ましくない且つ制限された副作用である末梢神経障害を予防及び/又は治療する組成物を提供することである。
本発明による組成物は、この目的のため、次の基準の機能を持つものとして開発された:
− 該細胞毒剤により引起される「末梢神経障害」タイプの副作用の低減;
− 使用される該薬剤、特に抗ガン剤、の細胞毒活性は変化せず、又は副作用の低減により改善すらされ、抗ガン治療はより長期間でき得及び/又は投与される量が増加され得る。
本発明は、この需要にこたえるものである。それは明白な有利性を提供する。事実、本発明の新規な医薬組成物は、該組成物中に存在する細胞毒剤の量に見合った細胞毒活性を示し、末梢神経障害の出現を遅らせ及び/又は使用される細胞毒剤により引起される痛みの感覚を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
予期せず、そして驚くべきことに、本出願人は、細胞毒剤、特に抗ガン剤として用いられるもの、の末梢神経障害は、該細胞毒剤が、該細胞毒剤と少なくともコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はコレスト−4−エン−3−オン オキシム ファミリーの化合物とを含む組成物の形で生物体に投与されるとき、著しく低減され得ることを知見した。
かくて、本発明の第1の主題は組成物、特に医薬組成物であり、それは、少なくとも1種の細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤及び/又は末梢神経障害の症候群及び/又は患者の神経系への損傷を引起す薬剤、好ましくは末梢神経障害の症候群及び/又は患者の神経系への損傷を引起す抗ガン性細胞毒剤と、少なくともコレスト−4−エン−3−オン オキシムもしくはその誘導体、とを含む。
【0010】
本発明の驚くべき態様は、末梢神経障害の低減が、末梢神経障害の出現をもたらすそれらの機構のみならずガンに対する作用機構が異なることが知られている様々な抗ガン剤(Wickham、Clinical Journal of Oncology Nursing、11、(3)、(2007)、361−376)について示されるという事実に存する。
本発明の有利な態様は、該医薬組成物が、該細胞毒剤の効果を変えることなく末梢神経障害を予防及び/又は治療することを可能にするという事実に存する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、該組成物は、細胞毒剤として、末梢神経障害を望ましくない副作用として持ち得る少なくとも1種の抗ガン性細胞毒剤を含み得る。本発明による組成物は、細胞毒剤として、幾つかの特に抗ガン性細胞毒剤、及び/又は末梢神経障害を好ましくない副作用として持つ細胞毒剤、及び非常に特に末梢神経障害を好ましくない副作用として持つ抗ガン性細胞毒剤、又は少なくとも1種のそのような薬剤と少なくとも1種の他の細胞毒剤、所望により抗ガン性であるが末梢神経障害を好ましくない副作用として持たないもの、の混合物、を含み得ると理解される。
【0012】
好ましくは、本発明によれば、本発明による組成物中に含まれる該細胞毒剤は、末梢神経障害を好ましくない副作用として持つか又は持たない抗ガン性細胞毒剤、及び非常に有利には末梢神経障害を好ましくない副作用として持つ抗ガン性細胞毒剤、であり得る。
【0013】
同様に、本発明による組成物、特に医薬組成物、は、1種又はより多種のコレスト−4−エン−3−オン オキシム ファミリーの化合物を含み得る。
【0014】
末梢神経障害を引起すことが知られている細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤としては、白金誘導体、特にシスプラチン及びその誘導体、例えばカルボプラスチン(carboplatin)及びオギザリプラスチン(oxaliplatin)、ニチニチソウ(periwinkle)アルカロイド(ツルニチニチソウ(vinca)アルカロイド)特にビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)又はビンオレルビン(vinorelbine)、又はタキサン類(taxanes)例えばパクリタキセル(paclitaxel)又はドセタキセル(docetaxel)、が特に述べられ得る。
これらの薬剤は、本発明により、好ましく用いられる。
前述のように、これらの薬剤は、単独で又は互いを組み合わせて、又は他の細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤と組み合わせて、非常に特には少なくとも1種の他の細胞毒剤、特に末梢神経障害を副作用として持たない他の抗ガン性細胞毒剤と組み合わせて、用いられ得る。
【0015】
求められている効果は、本発明の組成物がまた、活性成分1種又はより多種の細胞毒剤として、式Iに相当する少なくとも1種の化合物、特にコレスト−4−エン−3−オン オキシムを含むときに得られ得る。
式1のこれらの化合物、特にコレスト−4−エン−3−オン オキシム及び末梢神経障害を低減又は治療するそれらの誘導体は、国際出願WO 2004/082581及びWO 2007/080270に記載されている。
【0016】
かくて、本発明は、少なくとも、式Iの化合物:
【化1】

式中、
Xは=N-OH基を示し、
Rは次から選ばれる基を示し、
【化2】

Aは水素原子、又はBと連結した炭素−炭素結合を示し、
Bは水素原子、水酸基、又はAと連結した(together with B)炭素−炭素結合を示し、
Cは水素原子、ケトン基又はオキシム基(N=OH)、又はDと連結した炭素−炭素結合を示し、
Dは水素原子、又はCと連結した炭素−炭素結合を示し、
Eは水素原子、又はFと連結した炭素−炭素結合を示し、
Fは水素原子、又はEと連結した炭素−炭素結合を示す、
又はその医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該エステルの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、及び少なくとも1種の細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤、
を含むことを特徴とする、組成物、特に医薬組成物、
に関する。
【0017】
医薬的に許容し得る酸との付加塩は、例えば次の酸により形成された塩であり得る:塩酸、臭素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、蟻酸、ポロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、メタンもしくはエタンスルホン酸のようなアルカンスルホン酸、ベンゼンもしくはパラトルエンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カルボン酸。本発明によれば、エステルはオキシムエステルを意味し、それは、例えば酸とヒドロキシ−イミン(又はオキシム)との間のエステル化のような当業者に公知の技術により調製され得る。オキシムエステルの例として、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、シュウ酸エステル、コハク酸エステル、酒石酸エステル、フマル酸エステル、マロン酸エステル、又はメタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル又はリン酸エステルが述べられ得る。オキシムエステルという用語はまた、例えば代謝経路により生体内で加水分解され得るエステルを示し得る。
本発明によれば、オキシム基は混合物としてもしくは分離された互いに分離されたものとして、2つのシン(sin)及びアンチ(anti)異性体を示すと理解される。
【0018】
有利に、本発明により、Xがオキシム基(=NOH)を示す化合物から選ばれ、更に次の条件を満たす、少なくとも1種の化合物が用いられ得る:
− AはBと連結した炭素−炭素結合を示し、C,Dは水素原子を示し、E,Fは水素原子又は互いに連結した炭素−炭素結合を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
− AはBと連結した炭素−炭素結合を示し、C,Dは水素原子を示し、E,Fは水素原子を示し、そしてRはR2、又はR3、又はR4の意味を持つ、
− AはBと連結した二重結合を示し、CはDと連結した炭素−炭素結合を示し、E,Fは水素原子を示し、そしてRはR1又はR6の意味を持つ、
− AはBと連結した二重結合を示し、CはDと連結した炭素−炭素結合を示し、は水素原子を示し、EはFと連結した炭素−炭素結合を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
− EはFと連結した炭素−炭素結合を示し、C、D、A、Bは水素原子を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
又はその医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該エステルの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、
更に有利に、本発明により、式Iの化合物は、コレスタン−3−オン オキシム、コレスト−4−エン−オン オキシム、コレスト−1,4−ジエン−3−オン オキシム、非常に好ましくはコレスト−4−エン‐3−オン オキシム又はコレスト−1,4−ジエン−3−オン オキシム、又はそれらの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該付加塩のエステルの1つ、から選ばれ得る。
非常に好ましくは、本発明により用いられる式Iの化合物はコレスト−4−エン-3−オン オキシムである。
本発明によれば、オキシム基は混合物としてもしくは遊離されたものとして、2つのシン(sin)及びアンチ(anti)異性体を示すと理解される。
【0019】
本発明によれば、細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤、非常に特には末梢神経障害を望ましくない副作用として持つ薬剤は、全ての公知細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤、より特には末梢神経障害を望ましくない副作用として持つ薬剤、から選ばれる薬剤であり得る。特にシスプラチン及びその誘導体例えば例えばカルボプラチン及びオギザリプラチン、ニチニチソウアルカロイド(ツルニチニチソウ)例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン(vindesine)及びビンオレルビン、又はタキサン類例えばドセタキセル及びパクリタキセル、が特に述べられ得る。
好ましい仕方において、オギザリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、又はパクリタキセルが、本発明により用いられ得る。
非常に好ましくは、本発明によれば、オギザリプラチン、ビンクリスチン、又はパクリタキセルが用いられるであろう。
「末梢神経障害を望ましくない作用として持つ細胞毒剤」という用語は、治療の間に患者に末梢神経障害を引起すあらゆる細胞毒剤、特に抗ガン性細胞毒剤を意味する。
【0020】
本発明による組成物は、例えば本発明により用いられる様々な化合物を含む単一の組成物の形で、また、夫々が本発明により用いられる様々な化合物の少なくとも1種を含む2つ又はより多くの組成物、それらは同時にもしくは逐次的に投与される、の形で提供され得る。
好ましくは、本発明によれば、該組成物は、本発明により用いられる少なくとも2種の化合物を含む単一の組成物として理解されるであろう。
本発明において、「医薬組成物」は、その成分が医薬的に許容し得る組成物を意味する。例えば、経口投与が予定されるとき、該成分は経口投与に適するか又は許容し得るものである。
本発明による組成物において、該成分は、生理学的に有効な投与量において有利に提供され得る。
【0021】
かくて、例えば、本発明の実施態様によれば、細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1つは、各々が0.1−2000mg/mlの量で、該組成物中に含まれ得る。
本発明の他の実施態様によれば、細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1つは、細胞毒剤/コレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1つ、比0.1−300で、該組成物中に含まれ得る。
最後に、他の好ましい実施態様によれば、細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1つは、各々が0.1−2000mg/mlの量で、そして細胞毒剤/コレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1つ、比0.1−300で、該組成物中に含まれ得る。
【0022】
本発明による組成物の中で、好ましい組成物として、コレスト−4−エン−3−オン オキシムとオギザリプラチンを含む組成物、コレスト−4−エン−3−オン オキシムとビンクリスチンを含む組成物、又コレスト−4−エン−3−オン オキシムとパクリタキセルを含む組成物が述べられ得る。
【0023】
本発明による組成物は、哺乳類、より性格にはヒトに用いられ得る。
本発明によれば、該組成物の複数の化合物は、通常の生薬形(galenic form)であり得る。
本発明によればまた、該組成物の各々の化合物は、他の化合物と同じ又は異なる生薬形で提供され得る。
従って、本発明により該組成物の複数の化合物が通常の生薬形であるとき、それらは、同時に且つ同じ投与経路により投与される、と理解される。
また、本発明により該組成物の各々の化合物が他の化合物と同じ又は異なる生薬形である場合、それらは、同時に又は逐次的に、同じ又は異なる投与経路により投与され得る、と理解される。
【0024】
好ましくは、該細胞毒剤は、毎日、又は2回の投与間に一日より短いかもしくは長い時間経過を設けて、投与され得、この時間経過は治療過程を通して変化され得る。好ましい仕方では、式Iの化合物は、抗ガン剤投与の前、投与中もしくは後、又は該細胞毒剤投与の前、投与中もしくは後、また、前及び投与中、前及び後、もしくは投与中及び後、に毎日服用され得る。該細胞毒剤が、最適の抗ガン効果を得るため、同じ患者の治療過程の間に変えられることもまたもくろまれ得る。
【0025】
薬剤として、コレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体、特に式Iに対応する化合物、それらのエステル、それらの医薬的に許容し得る酸との付加塩、及び該エステルの医薬的に許容し得る酸との付加塩、が、消化又は非経口経路のために処方され得る。
【0026】
本発明による薬剤は、同時的なもしくは分離的な使用、又は特にガンに侵された患者の治療の間における時間全体に亘っての使用(use spread over time)のため、更に、少なくとも1種の他の治療上活性な成分、それは同じ病理に活性であるかもしくは異なる病理に活性であるかに拘わらない、を含み得る。
【0027】
本発明によれば、該組成物は、更に、1種(又はより多種)の、賦形剤(類)(excipient(s))、又は不活性で生理的に許容し得る、即ち医薬的に不活性で無毒な、賦形薬(vehicle)、を含み得る。例えば、生理的食塩水、医薬用途と両立し且つ当業者間で公知の、生理的な、等張性の、緩衝溶液、等が述べられ得る。本発明による組成物は、分散剤、可溶化剤、安定剤、防腐剤、等から選ばれる1種又はより多種の薬剤又は賦形薬を含み得る。
【0028】
本発明による組成物は、所望により生薬形又は持続性の及び/又は制御された放出を保証する装置を用いて、注射し得る懸濁液、ゲル、油、タブレット、坐薬、粉、ゼラチンカプセル、カプセル、等、の形に処方され得る。このタイプの処方のため、セルロース、炭酸塩又はデンプンが有利に用いられる。
本発明による組成物の活性成分の1つは注射し得る溶液に処方され、一方他の(複数の)成分は経口投与のためのゼラチンカプセルに処方されること、がもくろまれ得る。
【0029】
投与は、当業者間で公知の任意の方法、好ましくは経口経路又は注射、典型的には腹膜内、脳内、くも膜内、静脈内、動脈内、筋肉内又は皮下経路による、により行われ得る。好ましい仕方では、該抗ガン剤は静脈経路により投与され、そして式Iの化合物は経口経路により投与される。
【0030】
注射のため、該組成物は、一般に、例えば注射器又は点滴を用いて注入され得る、液体懸濁液の形にまとめられる。注入速度及び/又は注入投与量、又は一般に投与されるべき投与量は、患者、病理、投与法、等により、当業者により適合され得る、と理解される。繰り返し投与が、所望により他の活性成分及び/又は任意の医薬的に許容され得る賦形薬(緩衝剤、生理的食塩水、等張性剤、安定剤を含む溶液、等)と組み合わせて、行われ得る、と理解される。
本発明は、哺乳類、特にヒトに用いられ得る。
【0031】
一般に、該化合物の1日の投与量は、望ましい治療効果を得るための最小限の投与量である。該投与量は、多くの因子、特に投与経路、投与の持続期間、投与の時間、該化合物の排出速度、該化合物と組み合わせて用いられる他の化合物(類)、患者の年齢、体重、体調、及び医療暦その他の医学的情報、に依存する。
該抗ガン性化合物及び式Iの化合物、例えばコレスト−4−エン−3−オン オキシム、の投与量は、一般にヒトについては0.001−100mg/キロ/日である。
必要なら、該1日の投与量は、1日当り2,3,4,5,6又はより多くの回の投与により、又はその日の間に適切な間隔において投与される複数回の副投与(multiple sub-doses)により、投与され得る。
抗ガン治療はまた、毎日でない投与、本発明の抗ガン性化合物の場合これが通常である、に対応し得ると理解される。
【0032】
本発明の主題はまた、本発明による組成物の、ガンを治療するが一方抗ガン治療により引起される末梢神経障害タイプの副作用を予防及び/又は治療することを意図した細胞毒性薬剤の製造のための使用、である。
本発明の主題はまた、本発明による組成物の、抗ガン治療により引起される末梢神経障害タイプの副作用を予防及び/又は治療することを意図した細胞毒性薬剤の製造のための使用、である。
他の主題は、本発明の組成物を使用することによる、抗ガン治療間の末梢神経障害タイプの副作用の発生を予防するための方法、である。
【0033】
本発明の主題はまた、少なくともコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体、特に式Iの化合物の、抗ガン治療の副作用を改善することを意図した薬剤の製造のための、先に記載したような細胞毒剤との組合せにおける使用である。
本発明の主題はまた、少なくとも1種の細胞毒性抗ガン性化合物及び少なくとも1種の式Iの化合物、を含むガンの治療のための医薬キットである。
【実施例】
【0034】
次の実施例は、本出願を説明する。
実施例1:ビンクリスチン硫酸塩(sulphate)により引起される神経障害へのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの効果。
ビンクリスチン硫酸塩の累積的投与により引起される触覚異痛へのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの効果が、ラットで評価された。
方法
体重約250gの成体オスWISTERラットが用いられた。ビンクリスチン硫酸塩は、1、4及び6日目に、200μg/kgが、静脈経路により注射された(全累積投与量、600μg/kg)。該動物の、無害な機械的刺激に対する足引っ込め(paw withdrawal)閾値、は、0、3、5及び7日目、及び次いで10−14日目の毎日測定された。
コレスト−4−エン−3−オン オキシム(10、30及び100mg/kg、1日1回)は、10−14日目に経口経路により投与され、そして足引っ込め閾値は、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの投与後4時間目に測定された。試験された投与量あたり(per tested dose)、8匹のラットが用いられた。
処理の最終日(14日目)、試験後直ちに、薬物動態検討のため、コレスト−4−エン−3−オン オキシム又は賦形剤で処理された各々の群の3匹のラットから血漿試料が得られた。
【0035】
機械的刺激に対する応答において該動物が彼らの後ろ足を引っ込める場合の機械刺激閾値は、Dynamic Planter Aesthesiometer(Ugo Basile、Itary)を用いて測定された。概説すれば、温度制御室(約22℃)中で、各々の動物は、その足の裏にアクセスする金属メッシュの床を収容しているPerspexで作られた透明な立方体の箱(22x16.6x14cm)中に置かれ、順応させるため試験の前に15分間放置された。機械的刺激は、直線的に増す力(2.5g/秒)を及ぼすステンレスフィラメント(直径0.5mm)を用いて左後ろ足に適用された。動物がその足を引っ込めるときの力(g)は自動的に記録された。各々の足引っ込め閾値は、各々の動物に用いられた処理を知らない試験者により、5分間隔で行われた3回の連続した試験の平均値として計算された。組織の損傷を避けるため、力の限度を50gとした。
【0036】
貯蔵用の、コレスト−4−エン−3−オン オキシムのコーン油溶液が、実験の最初の日に調製され、経口管摂食(5ml/kg)により1日1回投与された。コレスト−4−エン−3−オン オキシムは、細かい粉にされ、0.2、6及び20mg/mlの濃度を得るために必要な量の賦形剤と混合され、混合物は次いで少なくとも10分間の電磁攪拌により均質化される。貯蔵溶液は、投与の間4℃に保持された。賦形剤について試験化合物の効果を比較するため、統計分析が、2路ANOVA試験とそれに続くTurkey試験を用いて行われた。
結果
最初の2日で触覚異痛が現れ、最初のビンクリスチンの注射(第3日、P=0.015)に続いた。これは、2回目の注射(第5日、P<0.001)後の日に、より明白であり、そして3回目の注射(第7日、p<0.001)後に完全に樹立された。該異痛は、最後のビンクリスチンの注射(7−14日、p<0.001)後8日間顕著に残った。
【0037】
最大投与量(100mg/kg)での、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの1回投与量(single dose)の経口投与は、賦形剤で処理された(第10日、P<0.001)動物と比べて、ビンクリスチンにより引起される異痛を顕著に緩和し、一方、最小投与量では投与の最初の日には顕著な抗異痛効果を生じない(第10日、10mg/kg、p=0.086;30mg/kg、P=0.232)。第11−14日(即ち、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの投与の第2日から最終日)のコレスト−4−エン−3−オン オキシムによる毎日の処理(10、30及び100mg/kg)は、ビンクリスチンにより引起される異痛を顕著に緩和する(全てのケースで、P<0.05)。
【0038】
実施例2:パクリタキセルにより引起される神経障害を示すラットモデルの痛みに対する過敏症へのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの効果。
動物
成体オスSprague−Dawleyラットが用いられた。
パクリタキセル(Cremophorとエタノールとの50:50混合物中6mg/ml)が、使用直前に0.9%塩化ナトリウム溶液で、2mg/mlに希釈され、0、2、4及び6日目に1ml/kgの容量で、腹膜内経路により注射された。
コレスト−4−エン−3−オン オキシム(Sigma)の新しいコーン油溶液が、週毎に、0.6又は6.0mg/mlの濃度で調製された。該溶液は、5ml/kgの容量で経口管摂食により動物に与えられた。
パクリタキセルで処理された12匹の動物の3つの群が作られた:
− 群1:経口により3mg/kgでコレスト−4−エン−3−オン オキシム、毎日17日間(日(−1)−日(15)、パクリタキセルの最初の注射の日の前の日に開始し、パクリタキセルの最後の注射の日の後9日間続く)。コレスト−4−エン−3−オン オキシムとパクリタキセルが投与されねばならない日は、コレスト−4−エン−3−オン オキシムは9::00に、そしてパクリタキセルは13:00に与えられる;
− 群2:コレスト−4−エン−3−オン オキシムが30mg/kgで与えられる他は上と同様;
− 群3:動物が同一容量の賦形剤(コーン油)を受ける他は上と同様;
【0039】
動物は、別々の3日間試験環境に慣らされ、次いで、4g又は15gの圧力を及ぼすvon Frey hairs(VFH)刺激に対する正常応答を樹立するために、1日当り3回の集団活動(session)が催された。正常ラットは、4gVFHの刺激からは滅多に足を引っ込めない;かくて、パクリタキセルによる処理後の応答の増加は機械的な異痛の徴候である。正常ラットは、15gVFHの刺激から10−20%回足を引っ込める;かくて、この刺激に対する応答頻度の増加は機械的痛覚過敏を示す。
【0040】
動物は、その足の裏にアクセスする金属メッシュの床を収容しているかご中に置かれた。各々の機械的刺激は、左後ろ足のかかとの中央部に適用された。足引っ込めの有り無しが記録された。これは各々の後ろ足につき5回繰り返され、動物の応答は応答のパーセンテージとして要約された(15gVFHの刺激に対する5回の足引っ込め応答が、スコア50%に相当する)。
【0041】
ラットは、3日間試験環境に慣らされた。4g及び15gVFHにおける対照レベルの感受性に関する試験が、連続3日間行われた;最後の2回の平均が、パクリタキセルによる処理前の感受性レベルに相当する。パクリタキセルの効果を試験するための行動試験は、各々の動物に適用された処理を知らない試験者により、16日目に開始し、19、22、25、28、31、35及び40日目に繰り返された。
【0042】
曲線下領域値(area-under-the-curve value)は、16−40日目(パクリタキセルによる痛みの出現開始から実験の終了まで)の間各々の群について計算された。該AUC値は、ANOVA試験により分析され、次いで、Dunnettのt−試験により、賦形剤を受け入れた群と「一組での」("in pairs")比較がなされた。
結果
賦形剤を受け入れた、パクリタキセルで処理された動物は、顕著に機械的異痛及び機械的痛覚過敏を発現し、それは16日目に明らかになり、40日の観察期間の間持続した。
コレスト−4−エン−3−オン オキシムの3mg/kg及び30mg/kgの投与は、機械的異痛及び機械的痛覚過敏の発現を顕著に阻害した(p<0.01)。2つの投与量により観察された効果の大きさは実際上同一であった(3mg/kg及び30mg/kgの夫々につき、59−53%の異痛抑制及び45−40%の痛覚過敏抑制)。異痛抑制及び痛覚過敏抑制は最初の試験日(16日目)の間明らかであり、実験中持続した。
【0043】
実施例3:オギザリプラチンにより引起される神経障害へのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの効果。
オギザリプラチンの累積投与により引起される寒冷異痛へのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの効果が、ラットについて評価された。
方法
体重約150gの成体オスSprague−Dawleyラットが用いられた。オギザリプラチンは、1週間に3回3mg/kgで、3週間、腹膜内経路により注射された(全累積投与量、27mg/kg)。アセトンの滴下を用いる無害熱刺激に対する足引っ込め回数及び動物応答大きさが、ラットについて、夫々1日目及び18日目のオギザリプラチンによる処理の前後、次いでコレスト−4−エン−3−オン オキシムによる処理の各々の日、22−25日目、に測定された。
【0044】
コレスト−4−エン−3−オン オキシム(1日1回、1、10及び100mg/kg)は、22−25日目に経口経路により投与され、そして足引っ込めについての閾値は、コレスト−4−エン−3−オン オキシム投与の4時間後に測定された。試験された投与量当り7−9匹のラットが用いられた。
処理の最初の日と最後の日(夫々、22日目及び25日目)に、試験後直ちに、薬物動態検討のため、コレスト−4−エン−3−オン オキシムで処理された各々の群の4匹のラットから血漿試料が取得された。
【0045】
各々の動物について、動物がアセトン滴下の堆積により後ろ足を引っ込める反応回数が、各々の動物に適用された処理を知らない試験者により5分間隔で行われる6回の連続した試験の平均値として計算された。20秒を限度とした。アセトンの滴下に対する応答の大きさは、0−3の等級で採点された:0(応答なし);1(即座の足引っ込め);2(継続した足引っ込め);3(舐め(licking)及び/又は噛み(biting)を伴う足引っ込めの繰り返し)。6回の試験の各々のスコアが合計された。
【0046】
貯蔵用の、コレスト−4−エン−3−オン オキシムのコーン油溶液が、実験の最初の日に調製され、経口管摂食(5ml/kg)により1日1回投与された。コレスト−4−エン−3−オン オキシムは、細かい粉にされ、0.2、2及び20mg/mlの濃度を得るため必要な量の賦形薬と混合され、混合物は次いで少なくとも10分間の電磁攪拌により均質化される。貯蔵溶液は、投与の間4℃に保持された。賦形薬について試験化合物の効果を比較するため、統計分析が、2路ANOVA試験とそれに続くBonferroni試験を用いて行われた。
【0047】
結果
オギザリプラチンの投与後3週間で、寒冷異痛が発現した(18日目、P<0.001)。
最大投与量(100mg/kg)での、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの1回投与量の経口投与は、賦形剤で処理された(第22日、P<0.05)動物と比べて、オギザリプラチンにより引起される異痛を顕著に緩和した。100mg/kgの投与量での、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの異痛抑制効果は、22−25日目の毎日の処理後、持続した。低い投与量でのコレスト−4−エン−3−オン オキシムの投与は、投与の最初の日には顕著な異痛抑制効果を生じなかった。投与の3日目から、コレスト−4−エン−3−オン オキシムの低い投与量(1−10mg/kg)は、オギザリプラチンにより引起される寒冷異痛を顕著に緩和した(24日目、P<0.05)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の細胞毒剤、及び少なくともコレスト−4−エン−3−オン オキシム又はその誘導体の1種、を含む、有利には医薬の、組成物。
【請求項2】
少なくとも:
式Iの化合物:
【化1】

式中、
Xは=N-OH基を示し、
Rは次から選ばれる基を示し、
【化2】

Aは水素原子、又はBと連結した炭素−炭素結合を示し、
Bは水素原子、水酸基、又はAと連結した炭素−炭素結合を示し、
Cは水素原子、ケトン基又はオキシム基(N=OH)、又はDと連結した炭素−炭素結合を示し、
Dは水素原子、又はCと連結した炭素−炭素結合を示し、
Eは水素原子、又はFと連結した炭素−炭素結合を示し、
Fは水素原子、又はEと連結した炭素−炭素結合を示す、
又はその医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該エステルの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、
及び少なくとも1種の細胞毒剤、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式1の化合物が、Xがオキシム基(=NOH)を示す化合物から選ばれ、更に次の条件を満たす:
− AはBと連結した炭素−炭素結合を示し、C,Dは水素原子を示し、E,Fは水素原子又は互いに連結した炭素−炭素結合を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
− AはBと連結した炭素−炭素結合を示し、C,Dは水素原子を示し、E,Fは水素原子を示し、そしてRはR2、又はR3、又はR4の意味を持つ、
− AはBと連結した二重結合を示し、CはDと連結した炭素−炭素結合を示し、E,Fは水素原子を示し、そしてRはR1又はR6の意味を持つ、
− AはBと連結した二重結合を示し、CはDと連結した炭素−炭素結合を示し、は水素原子を示し、EはFと連結した炭素−炭素結合を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
− EはFと連結した炭素−炭素結合を示し、C、D、A、Bは水素原子を示し、そしてRはR1の意味を持つ、
又はその医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該エステルの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つである、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式Iの化合物が、コレスタン−3−オン オキシム、コレスト−4−エン−オン オキシム、コレスト−1,4−ジエン−3−オン オキシム、非常に好ましくはコレスト−4−エン‐3−オン オキシム又はコレスト−1,4−ジエン−3−オン オキシム、又はそれらの医薬的に許容し得る酸との付加塩の1つ、又はそのエステルもしくは該付加塩のエステルの1つ、から選ばれることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
式Iの化合物が、コレスト−4−エン‐3−オン オキシムであることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
該細胞毒剤が、抗ガン性細胞毒剤及び/又は患者に末梢神経障害の症候群及び/又は神経系への障害を引起す薬剤、好ましくは患者に末梢神経障害の症候群及び/又は神経系への障害を引起す抗ガン性細胞毒剤であることを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
該細胞毒剤が、シスプラチン又はその誘導体、ニチニチソウアルカロイド(ツルニチニチソウ)又はタキサン類から選ばれることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
シスプラチン誘導体が、カルボプラチン又はオギザリプラチンから選ばれることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ニチニチソウアルカロイドが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン及びビンオレルビンから選ばれることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
タキサンが、ドセタキセル及びパクリタキセルから選ばれることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
該細胞毒剤が、オギザリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン又はパクリタキセルから選ばれることを特徴とする、請求項1から10の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
該細胞毒剤が、オギザリプラチン、ビンクリスチン又はパクリタキセルから選ばれることを特徴とする、請求項1から11の何れか1項に記載の組成物。
【請求項13】
細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン‐3−オン オキシムもしくはその誘導体の1種が、各々0.1〜2000mg/mlの量で含まれることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン‐3−オン オキシムもしくはその誘導体の1種が、細胞毒剤/コレスト−4−エン‐3−オン オキシム誘導体類比0.1〜300で含まれることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項15】
細胞毒剤及び/又はコレスト−4−エン‐3−オン オキシムもしくはその誘導体の1種が、各々0.1〜2000mg/mlの量で含まれ、そして、抗ガン性化合物/コレスト−4−エン‐3−オン オキシムもしくはその誘導体比が0.1〜300であることを特徴とする、請求項1から12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、コレスト−4−エン‐3−オン オキシム及びビンクリスチンを含むことを特徴とする、請求項1から15の何れか1項に記載の組成物。
【請求項17】
組成物が、コレスト−4−エン‐3−オン オキシム及びオキシプラチン(oxiplatin)を含むことを特徴とする、請求項1から13の何れか1項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物が、コレスト−4−エン‐3−オン オキシム及びパクリタキセルを含むことを特徴とする、請求項1から14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項19】
該組成物の複数の化合物が、同じか又は異なる生薬形であることを特徴とする、請求項1から16の何れか1項に記載の組成物。
【請求項20】
ガンを治療し一方抗ガン治療により引起される末梢神経障害の副作用を予防及び/又は治療する、ことを意図した細胞毒性薬剤の製造のための、請求項1から19の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項21】
抗ガン治療により引起される末梢神経障害の副作用を予防及び/又は治療する、ことを意図した細胞毒性薬剤の製造のための、請求項1から19の何れか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2011−502112(P2011−502112A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530513(P2010−530513)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001528
【国際公開番号】WO2009/092892
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(505342058)
【Fターム(参考)】