抗凝固性留置カテーテル
血流を提供するためのカテーテル(10,410,510)は、末端と基端との間に延びている少なくとも1つの内腔(20,420,520)を形成している壁(18,418,518)を含んでいる。カテーテル(10,410,510)の末端部分(520)は、カテーテル(10,410,510)の内腔(20,420,520)内への又は当該内腔からの血流を許容するために、壁(18,418,518)内の1以上のポート(16,416,516)を選択的に開閉するために変形可能である。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2003年9月8日に出願された米国仮出願第60/501,155号の優先権を主張しており、当該出願の前記内容が本明細書に組み入れられている。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、抗凝固性留置カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
末期の腎臓疾患(ESRD)を有する患者は、生存するために日常的に透析治療を受けなければならない。留置カテーテルは、繰り返される透析に必要とされる何回も行われる血管穿刺の回数を減らすことができるので、血液透析のための有用な透析アクセス方法である。透析のための長期中心静脈カテーテル(CVCD)は、ERSD患者又は血液透析の25%以上に対する主要な長期透析アクセス方法である。
【0004】
透析装置内を流れる標準的な流れにおいては、CVCDは、血液の抜き取りのための第一の経路と、少なくとも300ml/分の流速での血液の戻りのための第二の経路とを提供しなければならない。透析装置内の標準的な流れのためのCVCDは、鎖骨を越える通路を形成する方法で2つの別個のカテーテルを頚静脈内に挿入することによって形成することができる。この構造においては、カテーテルの先端は、右心房と上大静脈との接合部の近くに配置される。綺麗にされた血液が動脈カテーテルに入る血液と混ざるのを防止するために、血液抜き取りカテーテルの先端は、血液戻りカテーテルか又は静脈カテーテルの下流の先端の上方3乃至4cmのところに配置される。
【0005】
透析装置内の標準的な流れのための別個のカテーテルの代用として、2つの別個の内腔を備えた単一体のカテーテルを透析アクセスのために使用することができる。この構造においては、動脈内腔の先端は、静脈内腔の先端の上方3乃至4cmのところに配置される。標準的な流れ構造と同様に、この構造もまた、綺麗にされた血液と動脈内腔に入る血液との混合を防止する。更に、別の代替例として、透析は、単一内腔を有する単一のカテーテルを使用することによって行うこともできる。この場合には、透析装置は、大量の処理されていない血液を給送し、次いで、処置された血液を交互の周期で戻す。
【0006】
血液は、カテーテル内のポート又は穴を介してカテーテル内の内腔内に入り或いは当該内腔から出て行く。これらのポートの設計は極めて変わりやすく且つ同様の概念が単一の及び二つの内腔のカテーテルにおいて採用されている。第一の例は、血液の流入又は流出のための先端に単一のポートを有するカテーテル内腔である。第二の例は、末端の先端に向かって内腔本体の側部に配置された血液交換ポートを有するカテーテル内腔である。もう一つ別の例は、その末端の先端に向かって内腔先端の側部近くに軸線方向に配置された多数の血液交換ポートを有するカテーテル内腔である。上記のCVCDの設計の全てが機能するけれども、この分野には改良の余地が存在し、透析カテーテルのための全ての現存するポートの設計において問題点が存在する。
【0007】
唯一の血液交換ポートを含んでいる動脈カテーテル内腔は、その位置がどこであっても、血管壁に隣接すること及び交換ポート内の血液の凝固並びに内腔及び交換ポートの末端近くの線維性鞘の成長によるポートの閉塞症の危険性が内在する。唯一の血液交換ポートを含んでいる静脈カテーテル内腔は、その位置がどこであっても、交換ポート内の血液の凝固並びに内腔及び交換ポートの末端近くの線維性鞘の成長によるポートの閉塞症の危険性が内在する。血液交換ポートの閉塞によって、少なくとも300ml/分の所望の血液交換率が発生するのが防止される。閉塞の度合いは、留置カテーテルを透析アクセスのために効率的でないようにさせるかも知れない。従って、この程度の閉塞が発生すると、留置カテーテルは交換しなければならない。
【0008】
カテーテルの末端近くに多数の血液交換ポートを含んでいる動脈カテーテルの内腔は、静脈の閉塞の発生を減じる。しかしながら、多数のポートが存在することによって、血液の凝固による閉塞の恐れが増大する。なぜならば、多数のポートは、休止時に血液が内腔内へ流れ込むのを可能にして抗凝固液を洗い流し得るからである。カテーテルの末端における抗凝固液の減少によって、ポート及び内腔内の血液の詰まりの量が増大する。血液交換ポートの閉塞は、少なくとも300ml/分の所望の血液交換率が起こるのを防止する。この閉塞度合いは、留置カテーテルを透析に対して効果がないようになるかも知れない。従って、この程度の閉塞が生じると、留置カテーテルは交換しなければならない。
【0009】
このようにして、カテーテルの血液交換ポート内及びカテーテルの末端近くでの閉塞の防止のための方法及び装置を提供する一般的な必要性が当該産業分野に存在する。これらの方法及び装置は、カテーテルの先端の詰まりが繊維鞘の包み込みによって内腔の閉塞を防止するばかりでなく、透析間の休止期間中に内腔の内側にカテーテル抗凝固封止液を維持することが望ましい。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、留置カテーテルに関する。排他的ではないが、より特別には、一つの特徴は、カテーテルの末端の詰まり及び鞘形成を防止するようになされた留置カテーテルに関する。このカテーテルの一つの用途としては、透析のためのカテーテル(CVCD)としての排他的ではない使用方法がある。他の用途もまた考えられる。
【0011】
もう一つ別の特徴は、第一の形状の血流経路を提供するための変形可能な壁部分を含み且つ第二の形状の場合に前記経路を実質的に閉じる血流のための内腔を備えたカテーテルに関する。このカテーテルの壁の拡張はまた、カテーテルの先端近くに形成し始める線維性の鞘をやんわりと破壊するであろう。
【0012】
更に別の特徴は、1以上のポートを含むカテーテルの末端部分を軸線方向に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0013】
更に別の特徴は、1以上のポートを含むカテーテルの末端部分を径方向に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0014】
更に別の特徴は、カテーテルの末端部分をカテーテルの基端部分に対して軸線方向及び径方向に同時に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流のための内腔を備えたカテーテルに関する。
【0015】
更に別の特徴は、血流のためのポートを提供するための第一の形状と、ポート内の流れを阻止するためにポートを実質的に閉じる第二の形状とを含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0016】
もう一つ別の特徴は、1以上のポートを含んでいるカテーテルの少なくとも一部分の長さを短くすることによって開かれる1以上のポートを含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0017】
更に別の特徴は、閉じられたカテーテルの内腔内にカテーテル係止液を保持し且つ開かれると通路内を流れる血流を許容する自動閉止ポートを含んでいるカテーテルに関する。
機械的、空気圧的及び液圧的手段を含むカテーテルを開閉するための種々の手段が考えられる。閉止手段は、ポートが開閉される間に患者の体内に留置されたままとすることができるように遠隔的に作動させることができる。
【好ましい実施形態の説明】
【0018】
これらの及びその他の特徴を以下に更に説明する。本発明の原理の理解を促進する目的で、図面に図示された実施形態を参照し、これの実施形態を記載するために、特別な用語が使用されている。にもかかわらず、これらの実施形態によって本発明の範囲を制限することは意図されていないことは理解されるであろう。本発明が関連する当業者が通常思い付くように、図示され又は本明細書に説明されている本発明の原理のあらゆる代替例及び更に別の改造が考えられる。
【0019】
本発明は、選択的に開閉することができるカテーテルの末端に隣接して少なくとも1つのポートを備えているカテーテルを提供する。この少なくとも1つのポートは、当該少なくとも1つのポートが静脈のような患者の脈管構造内に配置されている間に開閉することができる。他の留置用途もまた考えられるけれども、当該カテーテルの一つの用途は、透析処置において使用されることが考えられる。血液がポート内を流れるのを阻止し且つカテーテルの先端内に詰まるのを防止するために、透析処置中は閉塞状態にあるであろう。少なくとも1つのポートが閉塞された状態で、カテーテルに抗凝固液を注入することができ、当該抗凝固液はカテーテル内腔内に保持される。
【0020】
少なくとも1つのポートは、閉じられている状態で流体の流入よりも流体の流出をより容易にすると考えられる。従って、カテーテルの内腔内の抗凝固液の濃度は、少なくとも1つのポートが閉じられているときに何日もの間又は何週間もの間でさえ、同じレベルに維持することができる。透析中においては、少なくとも1つのポートは、ポート内を通り且つカテーテルの内腔内へ流れる血液の流入を可能にするために、少なくとも1つのポートに隣接した壁を変形させることによって開かれる。少なくとも1つのポートがカテーテルの末端を隣接する血管壁から持ち上がるようにさせて、脈管構造の壁面によって少なくとも1つのポートが閉塞されるのを避けることができることが考えられる。更に、少なくとも1つのポートの開放は、少なくとも1つのポートに隣接したカテーテルの末端近くに形成されるあらゆる線維質の鞘を穏やかに破壊することができる。少なくとも1つのポートの開閉の繰り返しによって、カテーテルの末端近くの線維質の鞘の形成を阻止する手段を提供することができる。
【0021】
カテーテルは、シリコーン、ポリウレタンポリカーボネート共重合体又はその他のあらゆるプラスチック若しくはポリマー材料を含む如何なる生体適合性材料によっても作ることができる。カテーテルはまた、例えば、抗菌性コーティングをも含むことができる。カテーテルはまた、メチレンブルーのような抗感染性材料によって処理することもできる。カテーテルは、8乃至15フレンチの範囲の大きさの脈管構造内に配置するのに適したあらゆる大きさとすることができる。他のサイズもまた考えられる。カテーテルの外側壁面は、例えば、円筒形、D字形状、ダブルD字形状又は裂け目とすることができる。カテーテルはまた、単一の内腔又は複数の内腔を含むこともできる。
【0022】
図1乃至3を参照すると、本体12及び末端14を含んでいるカテーテル10の末端部分が示されている。末端14に隣接して1以上のポート16が設けられており、当該ポートは、内腔20と連通している本体12の壁18内に延びている。末端14は、その中を流れる流体が流れるのを阻止するために一体の先端又はキャップによって閉塞することができる。図示された実施形態においては、各ポート16は、本体12の長手軸線13にほぼ平行に延びている細長いスリット又はギル(えら状部)である。他の実施形態では、本体12の長手軸線13を横切る方向に延びているスリット及び開閉する弁部材を備えた丸い開口部を含んでいるポート16のための他の形状が考えられている。
【0023】
図1乃至3においては、壁18内に、本体12の長手軸線に沿って延びており且つ相互に約120°ずつ本体12の外周に沿って隔てられている3つのポートが設けられている。他の実施形態では、2つのポート、4つのポート又は5つ以上のポートを含む1以上のポート16が考えられる。これらのポートは、本体12の外周に沿って均等に隔てられるか不均等に隔てられることができることが更に考えられる。図示された実施形態においては、各ポート16は、末端14から距離L1だけ隔てられた末端を含んでおり且つポート16の基端まで長さL2だけ軸線13に沿って延びている。一つの実施形態においては、長さL1は5ミリメートルであり、長さL2は15ミリメートルである。しかしながら、L1及びL2に対して、0ミリメートルから20ミリメートル以上までの範囲の他の距離もまた考えられる。
【0024】
本体12は、ポート16を開閉するための壁18の操作を容易にするために、少なくとも末端12に隣接した位置は十分な可撓性を有する材料によって作られる。図2では、本体12は、ポート16が閉じられている第一の構造又は状態にある。閉塞状態では、壁18は、低い圧力勾配で流体の流れがポート16を介して内腔20から流出するか又は流入するのを防止するために、ポート16を実質的に密封している。カテーテルの挿入中は、封止液を閉塞されたポートから流出させるために十分な圧力が発生される。図1及び3においては、壁18は、内腔20と本体12の外部との間の流体連通を提供するために、1以上のポート16を開くように操作されている。
【0025】
壁18の操作は、ポート16に沿って壁18の隣接部分を変位させるか又は変形させることを含む。変形せしめられた壁部分は、ポート16に沿って丸い又は球根形状を付与することができる。一つの実施形態においては、ポート16は、壁18を変形させることによって開かれて長さL2をL3まで減じる。ポート16に沿った壁18の1以上の部分は、ポート16を開くために、隣接している壁部分から径方向に拡張されるか又は分離され得る。壁18の変形された部分は、その周囲に形成されたあらゆる線維質鞘を穏やかに破壊することができる。更に、壁18の変形は、内腔20内を流れるあらゆる必要とされる血流を収容するのに十分な大きさを備えたポート16を提供することができる。ポート16が閉じられると、ポート16に沿った壁18の部分が各ポート16の全長に沿って相互に当接し合い且つ十分な力によって内腔20と脈管構造との間で流体が壁18を介して流入し或いは流出するのを防止し且つカテーテルが封止液で満たされたときのように穏やかに正圧の下でのみ流体の流出を許容する。
【0026】
更に、ポート16の開閉を容易にし且つポート16を開放状態或いは閉塞状態に維持するために、作動アセンブリを設けることができることが考えられる。当該作動アセンブリは、アクチュエータを含むことができる。作動アセンブリは更に、アクチュエータに結合され且つカテーテルに沿ってポート16に隣接する位置まで延びている1以上の作動部材を含むことができる。当該作動部材は、壁18を操作し且つ所望に応じてポート16を開閉するように移動可能であるか又は作動可能である。
【0027】
図4には、作動部材24の一つの実施形態を図示するために、長手軸線13を横切って断面された本体12の断面図が示されている。壁18は、内腔20の周囲に延びており且つ本体12の外部から内腔20を閉塞している。多数の通路22が壁18内に形成されており、これらは各々作動部材24をその中に収容する大きさとされている。3つの作動部材24が示されているけれども、1つ、2つ、4つ又はそれ以上の作動部材24を設けることができることも考えられる。作動部材24は、以下に更に説明するように、カテーテル10の末端14に隣接した末端からアクチュエータに結合された基端まで延びている。
【0028】
図示された実施形態においては、作動部材24は、壁18の拡張された部分26の各々の中を延びている。拡張された部分26は、壁18の内面から内腔20内へ突出しており且つ壁18内の作動部材24の挿入を受け入れるために厚い壁厚の領域を提供している。作動部材24は、例えば、ワイヤ、紐、ケーブル、腱、ロッド、リンク、ばね又は棒の形態とすることができる。作動部材24は、ステンレス鋼、チタン、ポリマー、形状記憶材料とすることができる。作動部材24は、壁18内での動きを助けるために、抗菌性材料及び/又は潤滑材料によってコーティングすることができる。他の実施形態においては、1以上の作動部材24が内腔20内を伸長させるようにすることが考えられる。
【0029】
作動部材24は、末端14に隣接した位置から基端方向へ延びており且つ基端においてアクチュエータに結合されている。作動部材24の末端は、ポート16の基端側、ポート16の末端側又はポート16に沿って配置することができることが考えられる。アクチュエータは、カテーテル10の基端部分に沿って位置決めされており且つカテーテル10の末端部分がポート16を選択的に開閉するためにアクチュエータ機構によって遠隔操作できるように患者の体外に配置されている。作動部材24がカテーテル本体内に入り及び/又は出て行く位置において、この位置は、流体の流れ及び感染を防止するためにシールし且つ処理することができる。
【0030】
作動部材24を備えた作動機構を含んでいるアクチュエータの一つの実施形態が図5にアクチュエータ50の長手方向断面によって示されている。アクチュエータ50は、カテーテル本体12の周囲に配置されており且つ摺動係止機構52と係合可能であるハブ62を含んでいる。ハブ62は、摺動係止機構52及びカテーテル本体12の一部分を受け入れるための中心通路64を含んでいる。ハブ62は更に、末端の傾斜が付けられた部分68を更に含んでおり且つカテーテル本体12に固着されている。摺動係止機構52は基端部分54を含んでおり、当該基端部分54は、摺動係止機構50を、カテーテル本体12及びハブ62に対して軸線方向に変位させる助けとするために、手で把持するか又は工具によって把持することができる。摺動係止機構52は更に、中心通路64内及びカテーテル本体12の周囲に延びている末端部分56を含んでいる。末端部分56は、作動部材24の基端25に係合するために末端に係合部材60を含んでいる。
【0031】
多数の係止面58が、係止部材66と基端部分54との間で末端部分56の長さ方向に沿って形成されている。ハブ62は、係止面58に沿った多数の位置のうちのいずれかに十分な力で係止面58と係合しハブ62に関して対応する位置に摺動係止機構52を維持するために、係止部材66を含んでいる。係止部材66は、ハブ62に対する摺動係止機構52の位置を調整するために、当該係止部材66が係止面58に沿って動くことができるように十分に弾力性である。
【0032】
カテーテルの壁18は、摺動係止機構52及び作動部材24をハブ62及びカテーテル本体12に対して基端方向且つ軸線方向に変位させることによって操作することができる。作動部材24は、ポート16を開くためにポート16に隣接した壁18の部分を引っ張る。ポート16は、摺動係止機構52及び作動部材24をハブ62及びカテーテル本体12に対して末端方向且つ軸線方向に変位させることによって閉じることができる。係止部材66は、摺動係止機構52と係合して、摺動係止機構52をハブ62に対して軸線方向に変位させるのに十分な力が適用されるまで、開放位置或いは閉塞位置のどちらかに維持する。作動機構は更に、ポートを開放位置か閉塞位置のどちらかに維持する助けとするために1以上のばね又はその他の付勢部材を更に含むことができる。
【0033】
カテーテル10の作動装置と共に使用できるアクチュエータ150のもう一つ別の実施形態が図6及び7に示されている。アクチュエータ150は、ハブ162及び摺動係止機構152を含んでいる。摺動係止機構152は、ユーザーによって把持されるための基端部分と、ハブ62の通路166内に延びている末端部分156とを含んでいる。作動部材24は、末端部分156に固定されている。ハブ162は、通路166と連通して内部に形成された一対の差し込み口170によって形成された係止面を含んでいる。係止部材158は、末端部分156から差し込み口170の対応する部分内へと延びている。差し込み口170は、各々、基端片寄り部分172と末端片寄り部分174とを含んでいる。
【0034】
ポート16を閉塞位置に位置決めし且つ維持するために、摺動係止機構152がハブ162内で末端方向に進入され且つ回転される。ポート16を開放位置に位置決めし且つ維持するために、摺動係止機構152は、ハブ162から基端方向に引き抜かれ且つ回転されて係止部材158を基端の片寄り部分172内に位置決めする。片寄り部分172に係止部材158を位置決めすることによって、ハブ162に対する摺動係止機構152の軸線方向の動きが阻止される。ポート16の開口度合いの変動並びにカテーテル本体12及び作動部材24の物理特性の変化に備えるために、差し込み口170の片寄り部分を基端片寄り部分172と末端片寄り部分174との間に設けることができる。
【0035】
カテーテル10のための作動機構のためのアクチュエータ250のもう一つ別の実施形態が図8及び9に示されている。アクチュエータ250は、ハブ262と摺動係止機構252とを含んでいる。摺動係止機構252は、当該摺動係止機構から延びている1以上の係止部材254を含んでいる。作動部材24は、摺動係止機構252に固定されており且つ当該摺動係止機構252と共に動くことができる。ハブ262は、カテーテル本体12に係合可能な一対の対向端部263を含んでいる。ハブ262は更に、一対の対向した穴開きポート264と、対向した穴開きポート264間に延びている一対の対向した側壁265とを含んでいる。少なくとも1つの差し込み口266は、少なくとも1つの側壁265内に延びている。差し込み口266は、基端に片寄り部分268を含んでいる。
【0036】
摺動係止機構252が側壁265間に配置されており且つ側壁265間をカテーテル本体12に沿って軸線方向に移動可能である。係止部材254は差し込み口266内へと延びており且つポート16を開放位置に固定するために片寄り部分268内に位置決めするために、摺動係止機構252の動きに沿って移動可能である。ポート16を閉塞位置に固定するために、第二の末端の片寄った差し込み口部分(図示せず)を設けることができ、ポート16の開口度合いの変動並びにカテーテル本体12及び作動部材24の物理特性の変動に適応するために差し込み口266の長さに沿って片寄り部分を設けることができる。
【0037】
アクチュエータ350のもう一つ別の実施形態が図10及び11に示されている。図10及び11は、カテーテルを患者の体内に維持し且つカテーテル10の周囲の潰れを防止する助けとするために、皮膚の高さより下方に配置することができるカフ40を備えたカテーテル10の基端が示されている。カテーテル10の基端は更に、ルアー型係止嵌合部42を含んでいる。アクチュエータ350は、その中を作動部材24が延びているチューブ部材352を含んでいる。チューブ部材352は、嵌合部42の末端部分のハブ43の側部から横方向に延びている。ハブ43に最も近いチューブ部材352の部分は、作動部材24の周囲のシールとして機能するようにシリコーン接着剤のようなプラスチック材料を含んでいる。作動部材24は、チューブ部材352に取り付けられており且つ作動部材24はチューブ部材352の膨張及び圧縮によって動くように保証されている。チューブ部材352は、その長さに沿ってアコーディオン形状を含んでおり、チューブ部材352の長さの伸長及び収縮を可能にするために折り畳まれる壁を備えている。チューブ部材352は、汚染を防止するために、各端部に接着するか又はシールすることができる。
【0038】
図12乃至14は、もう一つ別の実施形態によるカテーテルの末端部分の種々の図面である。カテーテル410は、中心内腔420を備えたカテーテル本体412を含んでいる。本体412の末端413は、キャップ414によってシールされており、キャップ414は、本体412と一体としても良いし又は密封係合される別個の部材としても良い。本体412は、内腔420の周囲に延びている壁418を含んでいる。壁418は、カテーテル10に関して上記した細長いスリット又はギルとすることができる1以上のポート416を含んでいる。
【0039】
壁418は更に、拡張部材428を拡張させるために、食塩水、空気、ガス又はその他の適当な流体の給送のために形成された膨張内腔422を内部に含んでいる。拡張部材428は、内腔420内に配置されており且つ図12においては収縮形状で示されており、図13及び14においては拡張形状で示されている。拡張部材428は、拡張されたり収縮されたりするときにポート416を開閉させることができるバルーン、バッグ、嚢、膜又はその他の器具の形状とすることができる。
【0040】
エンドキャップ414及び末端413は、それらの間にポケット424を形成している。膨張内腔422は、当該内腔へ流体を給送するためにポケット424と流体連通している。膨張チューブ又はステム426が末端413から内腔420内を延びている。ステム426は、ポケット424及び拡張部材428と流体連通している内部通路を含んでいる。従って、流体は、拡張部材428を選択的に拡張させるために、膨張内腔422を通ってポケット424へ及びステム426を通って拡張部材428へ移動せしめられる。
【0041】
1以上のアーム430が、ポート416に隣接した壁部分432において、拡張部材428と壁418の内面との間に延びている。図14に示されているように、アーム430は、各ポート416間に設けられている。拡張部材428が拡張せしめられると、アーム430は、壁418の壁部分432を外方へ押して径方向に変形させ、互いに隣接している壁部分432の分離をもたらし且つポート416を開かせる。図示された実施形態においては、ポート416の隣接するもの同士の間に3つのアーム430、3つのポート416及び3つの壁部分432が設けられている。
【0042】
アーム430は、開口ポート416内及び拡張された拡張部材428の周囲を内腔420内へと流れる血流経路を提供するために、壁部分432を拡張された拡張部材428から隔てている。流体が拡張部材428から取り出されると、その大きさは減少し、アーム430は壁部分432をカテーテル本体412と整合状態へと引っ張り、ポート416を閉じて血流を阻止する。ポート416を密封閉塞するために壁部分432に負の力が付与され、相互に接触している径方向内方へ壁部分432を引っ張る。
【0043】
側部に隣接して配置された一対の壁部分432を備えている単一のポート416を含むポート416のための他の構造もまた考えられる。別の実施形態においては、本体412の対向側部に一対のポート416が設けられており、対向ポート416間の中央に一対の壁部分432が隔置される。更に別の実施形態においては、隣接するポート間に配置された対応する数の壁部分を備えた4つ以上のポート416が考えられる。この実施形態の壁部分のいずれか1つ又は全てに、壁部分と拡張部材との間に延びているアームを設けても良い。
【0044】
拡張部材428を拡張させるために流体を給送するための他の構造もまた考えられる。例えば、1以上のアーム430は、拡張部材428へ流体を給送するために通路を含むことができる。別の実施形態においては、拡張部材428は、拡張内腔422と直接に流体連通している。
【0045】
図12乃至14のカテーテルの実施形態は、ポート416を選択的に開閉するためにカテーテル410の壁418を操作する空気圧手段又は液圧手段を使用している。ポート416が閉じられると、血流が内腔420内に入るのが阻止され、凝固を防止するために係止液を内腔420内に保持することができる。
【0046】
ステム426とアーム430との他の変形例もまた考えられる。例えば、ステム426は、ステム426を内腔420内に再配置するために軸線方向に拡張させたり圧縮したりすることができ又はさもなれば軸線方向に動かすことができるベローズ、アコーディオン状又はその他の適切な形状を含むことができる。アーム430はワイヤー形態又はステム426及び壁部分432に枢動可能に係合されたその他の構造を含むことができる。ステム426が第一の軸線形状であり且つ壁部分432に対して配置されつつあるときに、アーム430は、ポート416を閉塞状態に維持するためにステム426と壁部分432との間で角度が付けられる。ステム426が第二の軸線形状へと動かされると、ステム426に結合されたアーム430がそれと共に動き、アームがステム426に対してより直角に配向されるようになるときに、アーム430は、ポート416を開くために壁部分432を径方向外方へ押す。
【0047】
更に別の実施形態においては、アーム430は、ステム426と壁部分432との間で、これらの軸線に沿って拡張して壁部分432を相対的に離れる方向に動かしてポート416を開く。アーム430は、壁部分432を相対的に近づく方向に動かしてポート416を閉じるために、それらの軸に沿って潰れることができる。この実施形態においては、ステム426は拡張不可能であり及び/又は移動不可能とすることができる。一つの実施形態においては、アーム430は、その長さに沿ってアコーディオン又はベローズ形状を含んでいる。別の形態においては、アーム430は、バルーン形状を含んでおり且つ少なくとも軸線方向に拡張可能であり且つ径方向に拡張可能でもある。
【0048】
図15及び16は、別の実施形態の末端部分を示している。図15においては、カテーテルの末端ポートは閉塞状態にあり、図16においては、末端ポートは開放状態にある。カテーテル510は、第一の壁518によって形成された中心内腔520を備えたカテーテル本体512を含んでいる。第一の壁518の末端513は、流体を内腔520内へ流入させるために開放可能であり、内腔520内への流体の流入を阻止するために閉塞可能である。第一の壁518は、末端513まで延びている細長いスリット又はギルとすることができる1以上のポート516を含んでいる。隣接するポート516同士は、それらの間に延びている壁部分519によって分離されている。
【0049】
第二の壁522は、内腔520内を延びており且つ第二の内腔524を形成している。第二の内腔524は第二の壁522の末端526で開いている。第二の壁522は、流体の流れが第二の内腔524へ流入するのを阻止するために、通常は、閉塞位置へと付勢されている多数の端部部材528を含んでいる。第二の内腔524内の流体からの圧力によって、第二の内腔524から末端526内へ流入させる。他の実施形態は、内腔524が血流のために使用されないことを考えている。更に別の実施形態は、内腔524を備えないカテーテル510が設けられることを考えている。
【0050】
第二の壁522は更に、端部部材528の基端近辺に形成されている拡張部材530を含んでいる。拡張部材530は、内腔520内に収容されており且つ図15に示されている潰れた即ち小さいサイズの形状及び図16に示されている拡張された即ち拡張形状を有している。第二の壁522は、拡張部材530からの流体の給送及び除去のために、拡張部材530の内部と流体連通している拡張内腔(図示せず)を含むことができる。拡張部材530を膨張又は拡張させるための流体は、食塩水、空気、ガス又はその他の適切な流体とすることができる。
【0051】
拡張部材530は、当該拡張部材が拡張され又は収縮されるときにポート516を開いたり閉じたりすることができるバルーン、バッグ、嚢、膜又はその他の器具の形態とすることができる。図15の非拡張状態にあるときには、壁部分519のうちの隣接するもの同士が相互に当接してポート516が閉じられる。第二の内腔524内を流れる流体は、流体圧が端部部材528を分離することによって末端526を開くのに十分である場合には、第二の壁522の末端の開口を通って内腔524を出て行く。内腔520内への流体の流入が望ましい場合には、流体を、拡張部材530へ給送させて拡張部材を拡大又は拡張させることができる。拡張部材が拡張すると、当該拡張部材は、壁部分519に作用して壁518を径方向に変形させ且つ壁部分519が分離したときにポート516を開かせる。
【0052】
壁518の径方向の変位を容易にし、ポート516の能動的な閉塞を保証し、拡張部材520からの壁部分518の外れを防止するために、拡張部材530と壁部分519との間にアーム532を設けることができる。アーム532は、壁部分519を拡張部材530に取り付けている。一つの実施形態においては、拡張部材530と壁部分519との間のクリアランスはゼロであり、流体の流れは、開口ポート516を介して末端513の基端側へ向けられる。アーム532には、壁部分519の末端と拡大された拡張部材530との間に、種々の曲率半径に亘る十分な弾力性を有するアーム532が設けられている。もう一つ別の実施形態においては、アーム532は、壁518の内面と拡張部材530との間に分離を維持して、第一の壁518の末端開口を介し且つ互いに隣接する壁部分519間のポート516を介する流体の流れを容易にする。
【0053】
図示された実施形態においては、アーム532は、各々の壁部分519の末端側へ延び且つ拡張部材530と接触する。1以上のアーム532を内腔520内に配置することもでき且つアーム430に関して上記した如何なる形状をも含むことができることもまた考えられる。図示された実施形態においては、3つのアーム532、3つのポート516及び互いに隣接するポート間の3つの壁部分519が設けられている。
【0054】
壁部分519は、拡張された拡張部材530から隔てられていても良いし又は隔てられていなくても良い。拡張部材530が拡張せしめられると、開口ポート516は、その中を通る血流経路及び拡張された拡張部材520の周囲を内腔520内へ通る血流通路を提供する。流体が拡張部材530から抜き取られると、拡張部材の大きさは減少し、壁部分519は潰れて、相互に整合し且つ当接係合状態となって、ポート516を閉じ、その中を流れる流れを阻止する。一つの実施形態においては、アーム532は、拡張部材530及び壁部分519と係合して、壁部分519を閉塞状態へと引っ張ることができる。アーム532は、拡張部材530がそのサイズが小さくされた形状にあるときに、ポート516の受動的な閉塞を確保することができる。別の実施形態においては、壁部分519は、一体蝶番結合によって、閉塞状態へ向けて壁518によって自然に付勢されている。
【0055】
更に別の実施形態においては、アーム532は、アーム532の各々の一端において、壁部分519の末端に固定することができ且つ拡張されたり圧潰されたりすると拡張部材530に沿って進み又は動き回る対向端部を含んでいる。更に別の実施形態においては、アーム532は、その軸線に沿って拡張部材530と壁部分519との間で拡張して、流体がアーム532に給送されるときに壁部分519を相互に離れる方向に動かすことができる。アーム532は、それらの軸線に沿って圧潰されて、壁部分519を相互に近づく方向へ動かし且つポート516を閉じることができる。この実施形態においては、拡張部材530は、非拡張又は非拡大とすることができる。一つの実施形態においては、アーム532は、それらの長さに沿ってアコーディオン又はベローズ形状を含んでいる。別の形態においては、アーム532は、バルーン形状を有し且つ少なくとも軸線方向に拡張可能であり、径方向に拡張可能とすることもできる。
【0056】
側部に隣接して配置された一対の壁部分519を備えた単一のポート516を含むポート516のための他の形状もまた考えられる。別の実施形態においては、一対のポート516が本体512の対向側部に設けられ、一対の壁部分519が対向するポート516間の中央に隔てられている。更に別の実施形態においては、対応する数の壁部分を備えた4つ以上のポート516が隣接するポート間に配置されることも考えられる。これらの実施形態のいずれに対しても、1以上のアーム532を、拡張部材と、1以上の壁部分との間に設けてもよく、又はアーム532を設けなくても良い。
【0057】
図15乃至16のカテーテルの実施形態は、カテーテル510の壁518を操作してポート516を選択的に開閉する空気圧又は液圧手段を利用している。ポート516が閉じられると、血流が内腔520に入るのが阻止され、凝固を防止するために、係止液を内腔520内に維持することができる。凝固を防止するために、内腔524内に係止液を維持することもできる。
【0058】
以上、本発明を図面に図示し且つ以上に説明したが、これらは、例示的であり且つその特性を限定するものではないと考えられるべきである。例えば、ある実施形態に対しては、流体の流れのためのポートを開閉するためのマイクロモーター又はその他の自動若しくは機械的な装置を含むカテーテル作動機構が考えられる。本発明の精神に含まれる全ての変更及び改造が保護されることが請求されている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一つの実施形態に従ってポートを開いた状態のカテーテルの末端部分の斜視図である。
【図2】図2は、ポートが閉じられた状態の図1のカテーテルの正面図である。
【図3】図3は、ポートが開放状態にある図1のカテーテルの正面図である。
【図4】図4は、長手軸線に対して横切る方向にとられた図1のカテーテルの本体の断面図である。
【図5】図5は、図1のカテーテルを開閉するための一つの実施形態の作動機構の長手断面図である。
【図6】図6は、もう一つ別の実施形態による作動機構の長手断面図である。
【図7】図7は、図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図8は、別の実施形態による作動機構の部分断面長手正面図である。
【図9】図9は、図8の作動機構の一部分を含んでいるハブ部材の正面図である。
【図10】図10は、別の実施形態による作動機構及びポートが閉塞状態にあるときの当該作動機構の斜視図である。
【図11】図11は、図19の作動機構及びポートが開放状態にあるときの当該作動機構の斜視図である。
【図12】図12は、ポートが開閉状態にある別の実施形態のカテーテルの末端部分の正面図である。
【図13】図13は、ポートが開放状態にある図12のカテーテルの正面図である。
【図14】図14は、図13の線14−14に沿った断面図である。
【図15】図15は、ポートが閉塞状態にある別の実施形態によるカテーテルの末端部分の斜視図である。
【図16】図16は、ポートが開放状態にある図15のカテーテルの末端部分の斜視図である。
【関連出願】
【0001】
本願は、2003年9月8日に出願された米国仮出願第60/501,155号の優先権を主張しており、当該出願の前記内容が本明細書に組み入れられている。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、抗凝固性留置カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
末期の腎臓疾患(ESRD)を有する患者は、生存するために日常的に透析治療を受けなければならない。留置カテーテルは、繰り返される透析に必要とされる何回も行われる血管穿刺の回数を減らすことができるので、血液透析のための有用な透析アクセス方法である。透析のための長期中心静脈カテーテル(CVCD)は、ERSD患者又は血液透析の25%以上に対する主要な長期透析アクセス方法である。
【0004】
透析装置内を流れる標準的な流れにおいては、CVCDは、血液の抜き取りのための第一の経路と、少なくとも300ml/分の流速での血液の戻りのための第二の経路とを提供しなければならない。透析装置内の標準的な流れのためのCVCDは、鎖骨を越える通路を形成する方法で2つの別個のカテーテルを頚静脈内に挿入することによって形成することができる。この構造においては、カテーテルの先端は、右心房と上大静脈との接合部の近くに配置される。綺麗にされた血液が動脈カテーテルに入る血液と混ざるのを防止するために、血液抜き取りカテーテルの先端は、血液戻りカテーテルか又は静脈カテーテルの下流の先端の上方3乃至4cmのところに配置される。
【0005】
透析装置内の標準的な流れのための別個のカテーテルの代用として、2つの別個の内腔を備えた単一体のカテーテルを透析アクセスのために使用することができる。この構造においては、動脈内腔の先端は、静脈内腔の先端の上方3乃至4cmのところに配置される。標準的な流れ構造と同様に、この構造もまた、綺麗にされた血液と動脈内腔に入る血液との混合を防止する。更に、別の代替例として、透析は、単一内腔を有する単一のカテーテルを使用することによって行うこともできる。この場合には、透析装置は、大量の処理されていない血液を給送し、次いで、処置された血液を交互の周期で戻す。
【0006】
血液は、カテーテル内のポート又は穴を介してカテーテル内の内腔内に入り或いは当該内腔から出て行く。これらのポートの設計は極めて変わりやすく且つ同様の概念が単一の及び二つの内腔のカテーテルにおいて採用されている。第一の例は、血液の流入又は流出のための先端に単一のポートを有するカテーテル内腔である。第二の例は、末端の先端に向かって内腔本体の側部に配置された血液交換ポートを有するカテーテル内腔である。もう一つ別の例は、その末端の先端に向かって内腔先端の側部近くに軸線方向に配置された多数の血液交換ポートを有するカテーテル内腔である。上記のCVCDの設計の全てが機能するけれども、この分野には改良の余地が存在し、透析カテーテルのための全ての現存するポートの設計において問題点が存在する。
【0007】
唯一の血液交換ポートを含んでいる動脈カテーテル内腔は、その位置がどこであっても、血管壁に隣接すること及び交換ポート内の血液の凝固並びに内腔及び交換ポートの末端近くの線維性鞘の成長によるポートの閉塞症の危険性が内在する。唯一の血液交換ポートを含んでいる静脈カテーテル内腔は、その位置がどこであっても、交換ポート内の血液の凝固並びに内腔及び交換ポートの末端近くの線維性鞘の成長によるポートの閉塞症の危険性が内在する。血液交換ポートの閉塞によって、少なくとも300ml/分の所望の血液交換率が発生するのが防止される。閉塞の度合いは、留置カテーテルを透析アクセスのために効率的でないようにさせるかも知れない。従って、この程度の閉塞が発生すると、留置カテーテルは交換しなければならない。
【0008】
カテーテルの末端近くに多数の血液交換ポートを含んでいる動脈カテーテルの内腔は、静脈の閉塞の発生を減じる。しかしながら、多数のポートが存在することによって、血液の凝固による閉塞の恐れが増大する。なぜならば、多数のポートは、休止時に血液が内腔内へ流れ込むのを可能にして抗凝固液を洗い流し得るからである。カテーテルの末端における抗凝固液の減少によって、ポート及び内腔内の血液の詰まりの量が増大する。血液交換ポートの閉塞は、少なくとも300ml/分の所望の血液交換率が起こるのを防止する。この閉塞度合いは、留置カテーテルを透析に対して効果がないようになるかも知れない。従って、この程度の閉塞が生じると、留置カテーテルは交換しなければならない。
【0009】
このようにして、カテーテルの血液交換ポート内及びカテーテルの末端近くでの閉塞の防止のための方法及び装置を提供する一般的な必要性が当該産業分野に存在する。これらの方法及び装置は、カテーテルの先端の詰まりが繊維鞘の包み込みによって内腔の閉塞を防止するばかりでなく、透析間の休止期間中に内腔の内側にカテーテル抗凝固封止液を維持することが望ましい。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、留置カテーテルに関する。排他的ではないが、より特別には、一つの特徴は、カテーテルの末端の詰まり及び鞘形成を防止するようになされた留置カテーテルに関する。このカテーテルの一つの用途としては、透析のためのカテーテル(CVCD)としての排他的ではない使用方法がある。他の用途もまた考えられる。
【0011】
もう一つ別の特徴は、第一の形状の血流経路を提供するための変形可能な壁部分を含み且つ第二の形状の場合に前記経路を実質的に閉じる血流のための内腔を備えたカテーテルに関する。このカテーテルの壁の拡張はまた、カテーテルの先端近くに形成し始める線維性の鞘をやんわりと破壊するであろう。
【0012】
更に別の特徴は、1以上のポートを含むカテーテルの末端部分を軸線方向に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0013】
更に別の特徴は、1以上のポートを含むカテーテルの末端部分を径方向に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0014】
更に別の特徴は、カテーテルの末端部分をカテーテルの基端部分に対して軸線方向及び径方向に同時に変位させることによって壁部分内の1以上のポートを開閉するように変形せしめられる壁部分を含んでいる血流のための内腔を備えたカテーテルに関する。
【0015】
更に別の特徴は、血流のためのポートを提供するための第一の形状と、ポート内の流れを阻止するためにポートを実質的に閉じる第二の形状とを含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0016】
もう一つ別の特徴は、1以上のポートを含んでいるカテーテルの少なくとも一部分の長さを短くすることによって開かれる1以上のポートを含んでいる血流内腔を備えたカテーテルに関する。
【0017】
更に別の特徴は、閉じられたカテーテルの内腔内にカテーテル係止液を保持し且つ開かれると通路内を流れる血流を許容する自動閉止ポートを含んでいるカテーテルに関する。
機械的、空気圧的及び液圧的手段を含むカテーテルを開閉するための種々の手段が考えられる。閉止手段は、ポートが開閉される間に患者の体内に留置されたままとすることができるように遠隔的に作動させることができる。
【好ましい実施形態の説明】
【0018】
これらの及びその他の特徴を以下に更に説明する。本発明の原理の理解を促進する目的で、図面に図示された実施形態を参照し、これの実施形態を記載するために、特別な用語が使用されている。にもかかわらず、これらの実施形態によって本発明の範囲を制限することは意図されていないことは理解されるであろう。本発明が関連する当業者が通常思い付くように、図示され又は本明細書に説明されている本発明の原理のあらゆる代替例及び更に別の改造が考えられる。
【0019】
本発明は、選択的に開閉することができるカテーテルの末端に隣接して少なくとも1つのポートを備えているカテーテルを提供する。この少なくとも1つのポートは、当該少なくとも1つのポートが静脈のような患者の脈管構造内に配置されている間に開閉することができる。他の留置用途もまた考えられるけれども、当該カテーテルの一つの用途は、透析処置において使用されることが考えられる。血液がポート内を流れるのを阻止し且つカテーテルの先端内に詰まるのを防止するために、透析処置中は閉塞状態にあるであろう。少なくとも1つのポートが閉塞された状態で、カテーテルに抗凝固液を注入することができ、当該抗凝固液はカテーテル内腔内に保持される。
【0020】
少なくとも1つのポートは、閉じられている状態で流体の流入よりも流体の流出をより容易にすると考えられる。従って、カテーテルの内腔内の抗凝固液の濃度は、少なくとも1つのポートが閉じられているときに何日もの間又は何週間もの間でさえ、同じレベルに維持することができる。透析中においては、少なくとも1つのポートは、ポート内を通り且つカテーテルの内腔内へ流れる血液の流入を可能にするために、少なくとも1つのポートに隣接した壁を変形させることによって開かれる。少なくとも1つのポートがカテーテルの末端を隣接する血管壁から持ち上がるようにさせて、脈管構造の壁面によって少なくとも1つのポートが閉塞されるのを避けることができることが考えられる。更に、少なくとも1つのポートの開放は、少なくとも1つのポートに隣接したカテーテルの末端近くに形成されるあらゆる線維質の鞘を穏やかに破壊することができる。少なくとも1つのポートの開閉の繰り返しによって、カテーテルの末端近くの線維質の鞘の形成を阻止する手段を提供することができる。
【0021】
カテーテルは、シリコーン、ポリウレタンポリカーボネート共重合体又はその他のあらゆるプラスチック若しくはポリマー材料を含む如何なる生体適合性材料によっても作ることができる。カテーテルはまた、例えば、抗菌性コーティングをも含むことができる。カテーテルはまた、メチレンブルーのような抗感染性材料によって処理することもできる。カテーテルは、8乃至15フレンチの範囲の大きさの脈管構造内に配置するのに適したあらゆる大きさとすることができる。他のサイズもまた考えられる。カテーテルの外側壁面は、例えば、円筒形、D字形状、ダブルD字形状又は裂け目とすることができる。カテーテルはまた、単一の内腔又は複数の内腔を含むこともできる。
【0022】
図1乃至3を参照すると、本体12及び末端14を含んでいるカテーテル10の末端部分が示されている。末端14に隣接して1以上のポート16が設けられており、当該ポートは、内腔20と連通している本体12の壁18内に延びている。末端14は、その中を流れる流体が流れるのを阻止するために一体の先端又はキャップによって閉塞することができる。図示された実施形態においては、各ポート16は、本体12の長手軸線13にほぼ平行に延びている細長いスリット又はギル(えら状部)である。他の実施形態では、本体12の長手軸線13を横切る方向に延びているスリット及び開閉する弁部材を備えた丸い開口部を含んでいるポート16のための他の形状が考えられている。
【0023】
図1乃至3においては、壁18内に、本体12の長手軸線に沿って延びており且つ相互に約120°ずつ本体12の外周に沿って隔てられている3つのポートが設けられている。他の実施形態では、2つのポート、4つのポート又は5つ以上のポートを含む1以上のポート16が考えられる。これらのポートは、本体12の外周に沿って均等に隔てられるか不均等に隔てられることができることが更に考えられる。図示された実施形態においては、各ポート16は、末端14から距離L1だけ隔てられた末端を含んでおり且つポート16の基端まで長さL2だけ軸線13に沿って延びている。一つの実施形態においては、長さL1は5ミリメートルであり、長さL2は15ミリメートルである。しかしながら、L1及びL2に対して、0ミリメートルから20ミリメートル以上までの範囲の他の距離もまた考えられる。
【0024】
本体12は、ポート16を開閉するための壁18の操作を容易にするために、少なくとも末端12に隣接した位置は十分な可撓性を有する材料によって作られる。図2では、本体12は、ポート16が閉じられている第一の構造又は状態にある。閉塞状態では、壁18は、低い圧力勾配で流体の流れがポート16を介して内腔20から流出するか又は流入するのを防止するために、ポート16を実質的に密封している。カテーテルの挿入中は、封止液を閉塞されたポートから流出させるために十分な圧力が発生される。図1及び3においては、壁18は、内腔20と本体12の外部との間の流体連通を提供するために、1以上のポート16を開くように操作されている。
【0025】
壁18の操作は、ポート16に沿って壁18の隣接部分を変位させるか又は変形させることを含む。変形せしめられた壁部分は、ポート16に沿って丸い又は球根形状を付与することができる。一つの実施形態においては、ポート16は、壁18を変形させることによって開かれて長さL2をL3まで減じる。ポート16に沿った壁18の1以上の部分は、ポート16を開くために、隣接している壁部分から径方向に拡張されるか又は分離され得る。壁18の変形された部分は、その周囲に形成されたあらゆる線維質鞘を穏やかに破壊することができる。更に、壁18の変形は、内腔20内を流れるあらゆる必要とされる血流を収容するのに十分な大きさを備えたポート16を提供することができる。ポート16が閉じられると、ポート16に沿った壁18の部分が各ポート16の全長に沿って相互に当接し合い且つ十分な力によって内腔20と脈管構造との間で流体が壁18を介して流入し或いは流出するのを防止し且つカテーテルが封止液で満たされたときのように穏やかに正圧の下でのみ流体の流出を許容する。
【0026】
更に、ポート16の開閉を容易にし且つポート16を開放状態或いは閉塞状態に維持するために、作動アセンブリを設けることができることが考えられる。当該作動アセンブリは、アクチュエータを含むことができる。作動アセンブリは更に、アクチュエータに結合され且つカテーテルに沿ってポート16に隣接する位置まで延びている1以上の作動部材を含むことができる。当該作動部材は、壁18を操作し且つ所望に応じてポート16を開閉するように移動可能であるか又は作動可能である。
【0027】
図4には、作動部材24の一つの実施形態を図示するために、長手軸線13を横切って断面された本体12の断面図が示されている。壁18は、内腔20の周囲に延びており且つ本体12の外部から内腔20を閉塞している。多数の通路22が壁18内に形成されており、これらは各々作動部材24をその中に収容する大きさとされている。3つの作動部材24が示されているけれども、1つ、2つ、4つ又はそれ以上の作動部材24を設けることができることも考えられる。作動部材24は、以下に更に説明するように、カテーテル10の末端14に隣接した末端からアクチュエータに結合された基端まで延びている。
【0028】
図示された実施形態においては、作動部材24は、壁18の拡張された部分26の各々の中を延びている。拡張された部分26は、壁18の内面から内腔20内へ突出しており且つ壁18内の作動部材24の挿入を受け入れるために厚い壁厚の領域を提供している。作動部材24は、例えば、ワイヤ、紐、ケーブル、腱、ロッド、リンク、ばね又は棒の形態とすることができる。作動部材24は、ステンレス鋼、チタン、ポリマー、形状記憶材料とすることができる。作動部材24は、壁18内での動きを助けるために、抗菌性材料及び/又は潤滑材料によってコーティングすることができる。他の実施形態においては、1以上の作動部材24が内腔20内を伸長させるようにすることが考えられる。
【0029】
作動部材24は、末端14に隣接した位置から基端方向へ延びており且つ基端においてアクチュエータに結合されている。作動部材24の末端は、ポート16の基端側、ポート16の末端側又はポート16に沿って配置することができることが考えられる。アクチュエータは、カテーテル10の基端部分に沿って位置決めされており且つカテーテル10の末端部分がポート16を選択的に開閉するためにアクチュエータ機構によって遠隔操作できるように患者の体外に配置されている。作動部材24がカテーテル本体内に入り及び/又は出て行く位置において、この位置は、流体の流れ及び感染を防止するためにシールし且つ処理することができる。
【0030】
作動部材24を備えた作動機構を含んでいるアクチュエータの一つの実施形態が図5にアクチュエータ50の長手方向断面によって示されている。アクチュエータ50は、カテーテル本体12の周囲に配置されており且つ摺動係止機構52と係合可能であるハブ62を含んでいる。ハブ62は、摺動係止機構52及びカテーテル本体12の一部分を受け入れるための中心通路64を含んでいる。ハブ62は更に、末端の傾斜が付けられた部分68を更に含んでおり且つカテーテル本体12に固着されている。摺動係止機構52は基端部分54を含んでおり、当該基端部分54は、摺動係止機構50を、カテーテル本体12及びハブ62に対して軸線方向に変位させる助けとするために、手で把持するか又は工具によって把持することができる。摺動係止機構52は更に、中心通路64内及びカテーテル本体12の周囲に延びている末端部分56を含んでいる。末端部分56は、作動部材24の基端25に係合するために末端に係合部材60を含んでいる。
【0031】
多数の係止面58が、係止部材66と基端部分54との間で末端部分56の長さ方向に沿って形成されている。ハブ62は、係止面58に沿った多数の位置のうちのいずれかに十分な力で係止面58と係合しハブ62に関して対応する位置に摺動係止機構52を維持するために、係止部材66を含んでいる。係止部材66は、ハブ62に対する摺動係止機構52の位置を調整するために、当該係止部材66が係止面58に沿って動くことができるように十分に弾力性である。
【0032】
カテーテルの壁18は、摺動係止機構52及び作動部材24をハブ62及びカテーテル本体12に対して基端方向且つ軸線方向に変位させることによって操作することができる。作動部材24は、ポート16を開くためにポート16に隣接した壁18の部分を引っ張る。ポート16は、摺動係止機構52及び作動部材24をハブ62及びカテーテル本体12に対して末端方向且つ軸線方向に変位させることによって閉じることができる。係止部材66は、摺動係止機構52と係合して、摺動係止機構52をハブ62に対して軸線方向に変位させるのに十分な力が適用されるまで、開放位置或いは閉塞位置のどちらかに維持する。作動機構は更に、ポートを開放位置か閉塞位置のどちらかに維持する助けとするために1以上のばね又はその他の付勢部材を更に含むことができる。
【0033】
カテーテル10の作動装置と共に使用できるアクチュエータ150のもう一つ別の実施形態が図6及び7に示されている。アクチュエータ150は、ハブ162及び摺動係止機構152を含んでいる。摺動係止機構152は、ユーザーによって把持されるための基端部分と、ハブ62の通路166内に延びている末端部分156とを含んでいる。作動部材24は、末端部分156に固定されている。ハブ162は、通路166と連通して内部に形成された一対の差し込み口170によって形成された係止面を含んでいる。係止部材158は、末端部分156から差し込み口170の対応する部分内へと延びている。差し込み口170は、各々、基端片寄り部分172と末端片寄り部分174とを含んでいる。
【0034】
ポート16を閉塞位置に位置決めし且つ維持するために、摺動係止機構152がハブ162内で末端方向に進入され且つ回転される。ポート16を開放位置に位置決めし且つ維持するために、摺動係止機構152は、ハブ162から基端方向に引き抜かれ且つ回転されて係止部材158を基端の片寄り部分172内に位置決めする。片寄り部分172に係止部材158を位置決めすることによって、ハブ162に対する摺動係止機構152の軸線方向の動きが阻止される。ポート16の開口度合いの変動並びにカテーテル本体12及び作動部材24の物理特性の変化に備えるために、差し込み口170の片寄り部分を基端片寄り部分172と末端片寄り部分174との間に設けることができる。
【0035】
カテーテル10のための作動機構のためのアクチュエータ250のもう一つ別の実施形態が図8及び9に示されている。アクチュエータ250は、ハブ262と摺動係止機構252とを含んでいる。摺動係止機構252は、当該摺動係止機構から延びている1以上の係止部材254を含んでいる。作動部材24は、摺動係止機構252に固定されており且つ当該摺動係止機構252と共に動くことができる。ハブ262は、カテーテル本体12に係合可能な一対の対向端部263を含んでいる。ハブ262は更に、一対の対向した穴開きポート264と、対向した穴開きポート264間に延びている一対の対向した側壁265とを含んでいる。少なくとも1つの差し込み口266は、少なくとも1つの側壁265内に延びている。差し込み口266は、基端に片寄り部分268を含んでいる。
【0036】
摺動係止機構252が側壁265間に配置されており且つ側壁265間をカテーテル本体12に沿って軸線方向に移動可能である。係止部材254は差し込み口266内へと延びており且つポート16を開放位置に固定するために片寄り部分268内に位置決めするために、摺動係止機構252の動きに沿って移動可能である。ポート16を閉塞位置に固定するために、第二の末端の片寄った差し込み口部分(図示せず)を設けることができ、ポート16の開口度合いの変動並びにカテーテル本体12及び作動部材24の物理特性の変動に適応するために差し込み口266の長さに沿って片寄り部分を設けることができる。
【0037】
アクチュエータ350のもう一つ別の実施形態が図10及び11に示されている。図10及び11は、カテーテルを患者の体内に維持し且つカテーテル10の周囲の潰れを防止する助けとするために、皮膚の高さより下方に配置することができるカフ40を備えたカテーテル10の基端が示されている。カテーテル10の基端は更に、ルアー型係止嵌合部42を含んでいる。アクチュエータ350は、その中を作動部材24が延びているチューブ部材352を含んでいる。チューブ部材352は、嵌合部42の末端部分のハブ43の側部から横方向に延びている。ハブ43に最も近いチューブ部材352の部分は、作動部材24の周囲のシールとして機能するようにシリコーン接着剤のようなプラスチック材料を含んでいる。作動部材24は、チューブ部材352に取り付けられており且つ作動部材24はチューブ部材352の膨張及び圧縮によって動くように保証されている。チューブ部材352は、その長さに沿ってアコーディオン形状を含んでおり、チューブ部材352の長さの伸長及び収縮を可能にするために折り畳まれる壁を備えている。チューブ部材352は、汚染を防止するために、各端部に接着するか又はシールすることができる。
【0038】
図12乃至14は、もう一つ別の実施形態によるカテーテルの末端部分の種々の図面である。カテーテル410は、中心内腔420を備えたカテーテル本体412を含んでいる。本体412の末端413は、キャップ414によってシールされており、キャップ414は、本体412と一体としても良いし又は密封係合される別個の部材としても良い。本体412は、内腔420の周囲に延びている壁418を含んでいる。壁418は、カテーテル10に関して上記した細長いスリット又はギルとすることができる1以上のポート416を含んでいる。
【0039】
壁418は更に、拡張部材428を拡張させるために、食塩水、空気、ガス又はその他の適当な流体の給送のために形成された膨張内腔422を内部に含んでいる。拡張部材428は、内腔420内に配置されており且つ図12においては収縮形状で示されており、図13及び14においては拡張形状で示されている。拡張部材428は、拡張されたり収縮されたりするときにポート416を開閉させることができるバルーン、バッグ、嚢、膜又はその他の器具の形状とすることができる。
【0040】
エンドキャップ414及び末端413は、それらの間にポケット424を形成している。膨張内腔422は、当該内腔へ流体を給送するためにポケット424と流体連通している。膨張チューブ又はステム426が末端413から内腔420内を延びている。ステム426は、ポケット424及び拡張部材428と流体連通している内部通路を含んでいる。従って、流体は、拡張部材428を選択的に拡張させるために、膨張内腔422を通ってポケット424へ及びステム426を通って拡張部材428へ移動せしめられる。
【0041】
1以上のアーム430が、ポート416に隣接した壁部分432において、拡張部材428と壁418の内面との間に延びている。図14に示されているように、アーム430は、各ポート416間に設けられている。拡張部材428が拡張せしめられると、アーム430は、壁418の壁部分432を外方へ押して径方向に変形させ、互いに隣接している壁部分432の分離をもたらし且つポート416を開かせる。図示された実施形態においては、ポート416の隣接するもの同士の間に3つのアーム430、3つのポート416及び3つの壁部分432が設けられている。
【0042】
アーム430は、開口ポート416内及び拡張された拡張部材428の周囲を内腔420内へと流れる血流経路を提供するために、壁部分432を拡張された拡張部材428から隔てている。流体が拡張部材428から取り出されると、その大きさは減少し、アーム430は壁部分432をカテーテル本体412と整合状態へと引っ張り、ポート416を閉じて血流を阻止する。ポート416を密封閉塞するために壁部分432に負の力が付与され、相互に接触している径方向内方へ壁部分432を引っ張る。
【0043】
側部に隣接して配置された一対の壁部分432を備えている単一のポート416を含むポート416のための他の構造もまた考えられる。別の実施形態においては、本体412の対向側部に一対のポート416が設けられており、対向ポート416間の中央に一対の壁部分432が隔置される。更に別の実施形態においては、隣接するポート間に配置された対応する数の壁部分を備えた4つ以上のポート416が考えられる。この実施形態の壁部分のいずれか1つ又は全てに、壁部分と拡張部材との間に延びているアームを設けても良い。
【0044】
拡張部材428を拡張させるために流体を給送するための他の構造もまた考えられる。例えば、1以上のアーム430は、拡張部材428へ流体を給送するために通路を含むことができる。別の実施形態においては、拡張部材428は、拡張内腔422と直接に流体連通している。
【0045】
図12乃至14のカテーテルの実施形態は、ポート416を選択的に開閉するためにカテーテル410の壁418を操作する空気圧手段又は液圧手段を使用している。ポート416が閉じられると、血流が内腔420内に入るのが阻止され、凝固を防止するために係止液を内腔420内に保持することができる。
【0046】
ステム426とアーム430との他の変形例もまた考えられる。例えば、ステム426は、ステム426を内腔420内に再配置するために軸線方向に拡張させたり圧縮したりすることができ又はさもなれば軸線方向に動かすことができるベローズ、アコーディオン状又はその他の適切な形状を含むことができる。アーム430はワイヤー形態又はステム426及び壁部分432に枢動可能に係合されたその他の構造を含むことができる。ステム426が第一の軸線形状であり且つ壁部分432に対して配置されつつあるときに、アーム430は、ポート416を閉塞状態に維持するためにステム426と壁部分432との間で角度が付けられる。ステム426が第二の軸線形状へと動かされると、ステム426に結合されたアーム430がそれと共に動き、アームがステム426に対してより直角に配向されるようになるときに、アーム430は、ポート416を開くために壁部分432を径方向外方へ押す。
【0047】
更に別の実施形態においては、アーム430は、ステム426と壁部分432との間で、これらの軸線に沿って拡張して壁部分432を相対的に離れる方向に動かしてポート416を開く。アーム430は、壁部分432を相対的に近づく方向に動かしてポート416を閉じるために、それらの軸に沿って潰れることができる。この実施形態においては、ステム426は拡張不可能であり及び/又は移動不可能とすることができる。一つの実施形態においては、アーム430は、その長さに沿ってアコーディオン又はベローズ形状を含んでいる。別の形態においては、アーム430は、バルーン形状を含んでおり且つ少なくとも軸線方向に拡張可能であり且つ径方向に拡張可能でもある。
【0048】
図15及び16は、別の実施形態の末端部分を示している。図15においては、カテーテルの末端ポートは閉塞状態にあり、図16においては、末端ポートは開放状態にある。カテーテル510は、第一の壁518によって形成された中心内腔520を備えたカテーテル本体512を含んでいる。第一の壁518の末端513は、流体を内腔520内へ流入させるために開放可能であり、内腔520内への流体の流入を阻止するために閉塞可能である。第一の壁518は、末端513まで延びている細長いスリット又はギルとすることができる1以上のポート516を含んでいる。隣接するポート516同士は、それらの間に延びている壁部分519によって分離されている。
【0049】
第二の壁522は、内腔520内を延びており且つ第二の内腔524を形成している。第二の内腔524は第二の壁522の末端526で開いている。第二の壁522は、流体の流れが第二の内腔524へ流入するのを阻止するために、通常は、閉塞位置へと付勢されている多数の端部部材528を含んでいる。第二の内腔524内の流体からの圧力によって、第二の内腔524から末端526内へ流入させる。他の実施形態は、内腔524が血流のために使用されないことを考えている。更に別の実施形態は、内腔524を備えないカテーテル510が設けられることを考えている。
【0050】
第二の壁522は更に、端部部材528の基端近辺に形成されている拡張部材530を含んでいる。拡張部材530は、内腔520内に収容されており且つ図15に示されている潰れた即ち小さいサイズの形状及び図16に示されている拡張された即ち拡張形状を有している。第二の壁522は、拡張部材530からの流体の給送及び除去のために、拡張部材530の内部と流体連通している拡張内腔(図示せず)を含むことができる。拡張部材530を膨張又は拡張させるための流体は、食塩水、空気、ガス又はその他の適切な流体とすることができる。
【0051】
拡張部材530は、当該拡張部材が拡張され又は収縮されるときにポート516を開いたり閉じたりすることができるバルーン、バッグ、嚢、膜又はその他の器具の形態とすることができる。図15の非拡張状態にあるときには、壁部分519のうちの隣接するもの同士が相互に当接してポート516が閉じられる。第二の内腔524内を流れる流体は、流体圧が端部部材528を分離することによって末端526を開くのに十分である場合には、第二の壁522の末端の開口を通って内腔524を出て行く。内腔520内への流体の流入が望ましい場合には、流体を、拡張部材530へ給送させて拡張部材を拡大又は拡張させることができる。拡張部材が拡張すると、当該拡張部材は、壁部分519に作用して壁518を径方向に変形させ且つ壁部分519が分離したときにポート516を開かせる。
【0052】
壁518の径方向の変位を容易にし、ポート516の能動的な閉塞を保証し、拡張部材520からの壁部分518の外れを防止するために、拡張部材530と壁部分519との間にアーム532を設けることができる。アーム532は、壁部分519を拡張部材530に取り付けている。一つの実施形態においては、拡張部材530と壁部分519との間のクリアランスはゼロであり、流体の流れは、開口ポート516を介して末端513の基端側へ向けられる。アーム532には、壁部分519の末端と拡大された拡張部材530との間に、種々の曲率半径に亘る十分な弾力性を有するアーム532が設けられている。もう一つ別の実施形態においては、アーム532は、壁518の内面と拡張部材530との間に分離を維持して、第一の壁518の末端開口を介し且つ互いに隣接する壁部分519間のポート516を介する流体の流れを容易にする。
【0053】
図示された実施形態においては、アーム532は、各々の壁部分519の末端側へ延び且つ拡張部材530と接触する。1以上のアーム532を内腔520内に配置することもでき且つアーム430に関して上記した如何なる形状をも含むことができることもまた考えられる。図示された実施形態においては、3つのアーム532、3つのポート516及び互いに隣接するポート間の3つの壁部分519が設けられている。
【0054】
壁部分519は、拡張された拡張部材530から隔てられていても良いし又は隔てられていなくても良い。拡張部材530が拡張せしめられると、開口ポート516は、その中を通る血流経路及び拡張された拡張部材520の周囲を内腔520内へ通る血流通路を提供する。流体が拡張部材530から抜き取られると、拡張部材の大きさは減少し、壁部分519は潰れて、相互に整合し且つ当接係合状態となって、ポート516を閉じ、その中を流れる流れを阻止する。一つの実施形態においては、アーム532は、拡張部材530及び壁部分519と係合して、壁部分519を閉塞状態へと引っ張ることができる。アーム532は、拡張部材530がそのサイズが小さくされた形状にあるときに、ポート516の受動的な閉塞を確保することができる。別の実施形態においては、壁部分519は、一体蝶番結合によって、閉塞状態へ向けて壁518によって自然に付勢されている。
【0055】
更に別の実施形態においては、アーム532は、アーム532の各々の一端において、壁部分519の末端に固定することができ且つ拡張されたり圧潰されたりすると拡張部材530に沿って進み又は動き回る対向端部を含んでいる。更に別の実施形態においては、アーム532は、その軸線に沿って拡張部材530と壁部分519との間で拡張して、流体がアーム532に給送されるときに壁部分519を相互に離れる方向に動かすことができる。アーム532は、それらの軸線に沿って圧潰されて、壁部分519を相互に近づく方向へ動かし且つポート516を閉じることができる。この実施形態においては、拡張部材530は、非拡張又は非拡大とすることができる。一つの実施形態においては、アーム532は、それらの長さに沿ってアコーディオン又はベローズ形状を含んでいる。別の形態においては、アーム532は、バルーン形状を有し且つ少なくとも軸線方向に拡張可能であり、径方向に拡張可能とすることもできる。
【0056】
側部に隣接して配置された一対の壁部分519を備えた単一のポート516を含むポート516のための他の形状もまた考えられる。別の実施形態においては、一対のポート516が本体512の対向側部に設けられ、一対の壁部分519が対向するポート516間の中央に隔てられている。更に別の実施形態においては、対応する数の壁部分を備えた4つ以上のポート516が隣接するポート間に配置されることも考えられる。これらの実施形態のいずれに対しても、1以上のアーム532を、拡張部材と、1以上の壁部分との間に設けてもよく、又はアーム532を設けなくても良い。
【0057】
図15乃至16のカテーテルの実施形態は、カテーテル510の壁518を操作してポート516を選択的に開閉する空気圧又は液圧手段を利用している。ポート516が閉じられると、血流が内腔520に入るのが阻止され、凝固を防止するために、係止液を内腔520内に維持することができる。凝固を防止するために、内腔524内に係止液を維持することもできる。
【0058】
以上、本発明を図面に図示し且つ以上に説明したが、これらは、例示的であり且つその特性を限定するものではないと考えられるべきである。例えば、ある実施形態に対しては、流体の流れのためのポートを開閉するためのマイクロモーター又はその他の自動若しくは機械的な装置を含むカテーテル作動機構が考えられる。本発明の精神に含まれる全ての変更及び改造が保護されることが請求されている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一つの実施形態に従ってポートを開いた状態のカテーテルの末端部分の斜視図である。
【図2】図2は、ポートが閉じられた状態の図1のカテーテルの正面図である。
【図3】図3は、ポートが開放状態にある図1のカテーテルの正面図である。
【図4】図4は、長手軸線に対して横切る方向にとられた図1のカテーテルの本体の断面図である。
【図5】図5は、図1のカテーテルを開閉するための一つの実施形態の作動機構の長手断面図である。
【図6】図6は、もう一つ別の実施形態による作動機構の長手断面図である。
【図7】図7は、図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図8は、別の実施形態による作動機構の部分断面長手正面図である。
【図9】図9は、図8の作動機構の一部分を含んでいるハブ部材の正面図である。
【図10】図10は、別の実施形態による作動機構及びポートが閉塞状態にあるときの当該作動機構の斜視図である。
【図11】図11は、図19の作動機構及びポートが開放状態にあるときの当該作動機構の斜視図である。
【図12】図12は、ポートが開閉状態にある別の実施形態のカテーテルの末端部分の正面図である。
【図13】図13は、ポートが開放状態にある図12のカテーテルの正面図である。
【図14】図14は、図13の線14−14に沿った断面図である。
【図15】図15は、ポートが閉塞状態にある別の実施形態によるカテーテルの末端部分の斜視図である。
【図16】図16は、ポートが開放状態にある図15のカテーテルの末端部分の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
血流が貫通して通過するための少なくとも1つの内腔を形成している本体であって、患者の脈管構造内に配置することができる末端と、前記脈管構造の末端によって患者の体外に位置決め可能である基端との間に延びており、前記末端に隣接して少なくとも1つのポートを形成している隣接した壁部分を含んでおり、前記少なくとも1つのポートは、前記ポートを介して前記内腔内へ流れる血液の流れを防止するために、前記壁部分の当接係合によって形成された第一の閉塞状態を含み、前記ポートは、前記少なくとも1つのポートを開き且前記ポートを通って前記内腔内へ流れる血液の流れを許容するために、前記壁部分のうちの少なくとも1つを径方向に変形させることによって形成される第二の開口状態を含んでいるカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記開放状態と閉塞状態との各々にあるときに、前記内腔は、前記本体の前記末端において閉塞されているカテーテル。
【請求項3】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の長手軸線に対して平行に延びている細長いスリットであるカテーテル。
【請求項4】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の周囲に対称的に且つ径方向に隔置されている3つのポートを含んでいるカテーテル。
【請求項5】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが細長く且つ前記本体の前記末端から約5ミリメートル隔てられた末端と、前記少なくとも1つのポートの前記末端から約15ミリメートル隔てられた基端とを含んでいるカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが多数のポートを含んでおり、前記壁が前記多数のポートのうちの互いに隣接するポート間に壁部分を形成しており、前記壁部分は、各々、前記壁部分が径方向に変形したときに前記壁の周囲に径方向に突出して前記多数のポートを前記開放状態に向かって動かすようになされているカテーテル。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記多数のポートが前記開放状態に向かって動かされると、前記壁部分の各々が前記壁部分の径方向の変形と同時に軸線方向に変形するカテーテル。
【請求項8】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記壁部分の各々に係合された末端を有する多数の作動部材を含んでおり、前記作動部材は、前記末端から前記本体の基端に隣接したアクチュエータまで基端方向へ延びており、前記アクチュエータは、前記作動部材を前記本体に対して基端方向或いは末端方向に変位させて前記壁部分を径方向に変形させたり或いは再形成させ且つ前記多数のポートを、各々、前記開放状態と閉塞状態との間で動かすように作動可能であるカテーテル。
【請求項9】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記本体が前記少なくとも1つのポートに隣接した前記壁に係合した末端を有し且つ前記本体の基端に隣接したアクチュエータまで基端方向に延びている少なくとも1つの作動部材を含んでおり、前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの作動部材を前記本体に対して基端方向或いは末端方向に変位させ且つ前記少なくとも1つの壁部分を径方向に変形させ且つ再形成させて前記少なくとも1つの部分を、各々、前記開放状態との間で動かすように作動可能であるカテーテル。
【請求項10】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材が、前記アクチュエータに結合され且つ前記アクチュエータの操作によって、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にある第一の末端位置から前記少なくとも1つの作動部材が前記少なくとも1つの壁部分を径方向に変形させて前記少なくとも1つのポートを前記開放状態に配置する第二の基端位置まで、前記壁内を直線的に移動可能であるカテーテル。
【請求項11】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材が前記少なくとも1つのポートに沿って延びているカテーテル。
【請求項12】
請求項11に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材の前記末端が前記少なくとも1つのポートの末端側に配置されているカテーテル。
【請求項13】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記アクチュエータが、前記カテーテルの前記本体の周囲に配置されているハブと、前記少なくとも1つの作動部材に結合された摺動係止機構とを含み、前記摺動係止機構は、前記少なくとも1つの作動部材を前記本体に対して軸線方向に変位させるために、前記ハブと前記本体とに対して移動可能であるカテーテル。
【請求項14】
請求項13に記載のカテーテルであって、
前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの少なくとも1つが、前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの他方の少なくとも1つの係止面と係合可能である少なくとも1つの係止部材を含んでいて、前記少なくとも1つのポートによって、前記ハブに対する前記摺動係止機構の状態を前記開放及び閉塞状態のうちの少なくとも1つに維持することができるカテーテル。
【請求項15】
請求項14に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの係止面が複数の軸線方向に隔置された係止面を含んでおり、前記少なくとも1つの係止部材が、前記係止面に沿って軸線方向に移動可能であり且つ前記ハブに対する前記摺動係止機構の位置を維持するように選択的に係合可能であるようになされたカテーテル。
【請求項16】
請求項14に記載のカテーテルであって、
前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの1つが、軸線方向に延びている差し込み口を含んでおり、前記少なくとも1つの係止面が前記軸線方向に延びている差し込み口に対して横切る方向に延びている片寄り差し込み口によって形成されており、前記少なくとも1つの係止部材が前記軸線方向に延びている差し込み口に沿って移動可能であり且つ前記片寄り差し込み口内へ回転可能であって、前記ハブに対する前記係止機構の位置を維持し且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放及び閉塞状態のうちの1つに維持することができるようになされたカテーテル。
【請求項17】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記アクチュエータが前記本体から延びているチューブ部材を含んでおり、前記作動部材が前記チューブ部材内を延びており、前記少なくとも1つのポートが前記開放状態にあるときに、前記チューブ部材は拡張せしめられ、前記少なくとも1つの作動部材が、前記壁に沿って末端方向に変位せしめられると、前記チューブ部材は、前記少なくとも1つの作動部材が末端方向に変位せしめられて前記壁を再形成し且つ前記少なくとも1つのポートを前記閉塞状態に配置するまで、その長さに沿って収縮するようになされているカテーテル。
【請求項18】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記壁を径方向に変形させることによって、前記少なくとも1つのポートに沿って前記本体の長さが短くなるようになされたカテーテル。
【請求項19】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記壁が、径方向に変形されたときに球根形状を形成するようになされたカテーテル。
【請求項20】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記少なくとも1つのポートに隣接した前記内腔内に拡張部材を含んでおり、当該拡張部材は、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にあるときに大きさが小さい形状を有し、拡張された形状へと拡張せしめられて前記壁を径方向に変形させ且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放状態に配置することができるようになされたカテーテル。
【請求項21】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記壁が、前記拡張部材の中空内部と連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項22】
請求項21に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記膨張内腔と流体連通しており且つ前記本体の前記内腔から隔離されているポケットを前記末端に含んでおり、更に、前記ポケットと前記拡張部材の中空内部との間に延びており且つこれらの間の流体連通を提供する流体通路を形成しているステムを含んでいるカテーテル。
【請求項23】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材と前記少なくとも1つの壁部分との間に延びている少なくとも1つのアームを更に含み、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材が拡張されて前記開放状態における前記少なくとも1つのポートの位置決めをもたらすときに、少なくとも1つの壁部分に対して作用するカテーテル。
【請求項24】
請求項23に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の周囲に拡張された1つのポートを含んでおり、当該3つのポートは、前記ポートのうちの隣接するポート間に延びている3つの壁部分のうちの各1つによって相互に隔てられており、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材から前記3つの壁部分の各々まで延びている3つのアームを含んでいるカテーテル。
【請求項25】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記内腔内を延びている第二の壁部材を含んでおり、当該第二の壁部材は、第二の内腔を形成しており且つ前記少なくとも1つのポートの末端側に延びている複数の端部部材を含んでおり、前記複数の端部部材は、前記第二の内腔からの流体の流出を許容するために各々の間に末端開口部を形成しているカテーテル。
【請求項26】
請求項25に記載のカテーテルであって、
前記複数の端部部材が通常は相互に係合状態へ付勢されていて前記末端の開口部を閉じ、前記第二の内腔内の流体圧力に応答して前記末端開口部を開くように、前記複数の端部部材が相互に離れる方向へ移動するようになされているカテーテル。
【請求項27】
請求項25に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が前記第二の壁部材の周囲に延びており、前記端部部材が前記拡張部材から末端方向に延びているカテーテル。
【請求項28】
請求項27に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の末端と連通しているカテーテル。
【請求項29】
請求項28に記載のカテーテルであって、
前記壁部材の各々が、その末端から延びて前記拡張部材と接触状態となるアームを含んでいるカテーテル。
【請求項30】
請求項29に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が、当該拡張部材が前記壁部分を径方向に変形させ且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放状態へと動かすように拡張せしめられるときに、前記アームを外方へ押すようになされている前記カテーテル。
【請求項31】
請求項27に記載のカテーテルであって、
前記第二の壁部材が、前記拡張部材と流体連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項32】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの壁部分が、前記少なくとも1つの壁部分を前記少なくとも1つのポートに沿って軸線方向に圧縮することによって径方向に変形せしめられるカテーテル。
【請求項33】
カテーテルであって、
血流が貫通して通過するための少なくとも1つの内腔を形成している本体であって、患者の脈管構造内に配置することができる末端と、前記脈管構造の末端によって患者の体外に位置決め可能である基端との間に延びており、前記末端に隣接して少なくとも1つのポートを形成している隣接した壁部分を含んでおり、前記少なくとも1つのポートは、前記ポートを介して前記内腔内へ流れる血液の流れを防止するために、前記壁部分の当接係合によって形成された第一の閉塞状態を含み、前記本体は、前記少なくとも1つのポートに隣接して前記内腔内に拡張部材を含んでおり、当該拡張部材は、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にあるときに小さな外形を有しており、前記壁部分のうちの少なくとも1つを変形させるように拡張形状へと拡張可能であり、前記少なくとも1つのポートを第二の開口状態に配置して前記ポートを通って前記内腔内へ流れる血液の流れを許容するようになされた本体を含んでいるカテーテル。
【請求項34】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記開放状態において、前記少なくとも1つの壁部分が径方向に変形せしめられるようになされたカテーテル。
【請求項35】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記壁が、前記拡張部材の中空内部と流体連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項36】
請求項35に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記膨張内腔と流体連通しており且つ前記本体の前記内腔から隔離されているポケットを前記末端に含んでおり、更に、前記ポケットと前記拡張部材の前記中空内部との間に延びている流体通路を形成しているステムを含んでいるカテーテル。
【請求項37】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材と前記少なくとも1つの壁部分との間に延びている少なくとも1つのアームを更に含み、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材が拡張されて前記少なくとも1つの壁部分を変形させるときに、少なくとも1つの壁部分に対して作用するカテーテル。
【請求項38】
請求項37に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の周囲に拡張された1つのポートを含んでおり、当該3つのポートは、前記ポートのうちの隣接するポート間に延びている3つの壁部分のうちの各1つによって相互に隔てられており、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材から前記3つの壁部分の各々まで延びている3つのアームを含んでいるカテーテル。
【請求項39】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記内腔内を延びている第二の壁部材を含んでおり、当該第二の壁部材は、第二の内腔を形成しており且つ前記少なくとも1つのポートの末端側に延びている複数の端部部材を含んでおり、前記複数の端部部材は、前記第二の内腔からの流体の流出を許容するために各々の間に末端開口部を形成しているカテーテル。
【請求項40】
請求項39に記載のカテーテルであって、
前記複数の端部部材が通常は相互に係合状態へ付勢されていて前記末端の開口部を閉じ、前記第二の内腔内の流体圧力に応答して前記末端開口部を開くように、前記複数の端部部材が相互に離れる方向へ移動するようになされているカテーテル。
【請求項41】
請求項39に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が前記第二の壁部材の周囲に延びており、前記端部部材が前記拡張部材から末端方向に延びているカテーテル。
【請求項42】
請求項41に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の末端内を伸長している細長いスリットによって形成されているカテーテル。
【請求項43】
請求項42に記載のカテーテルであって、
前記壁部材の各々が、その末端から延びて前記拡張部材と接触状態となるアームを含んでいるカテーテル。
【請求項44】
請求項43に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が、当該拡張部材が前記壁部分を径方向に変形させ且つ前記ポートを前記開放状態へと動かすように拡張せしめられるときに、前記アームを外方へ押すようになされている前記カテーテル。
【請求項1】
カテーテルであって、
血流が貫通して通過するための少なくとも1つの内腔を形成している本体であって、患者の脈管構造内に配置することができる末端と、前記脈管構造の末端によって患者の体外に位置決め可能である基端との間に延びており、前記末端に隣接して少なくとも1つのポートを形成している隣接した壁部分を含んでおり、前記少なくとも1つのポートは、前記ポートを介して前記内腔内へ流れる血液の流れを防止するために、前記壁部分の当接係合によって形成された第一の閉塞状態を含み、前記ポートは、前記少なくとも1つのポートを開き且前記ポートを通って前記内腔内へ流れる血液の流れを許容するために、前記壁部分のうちの少なくとも1つを径方向に変形させることによって形成される第二の開口状態を含んでいるカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記開放状態と閉塞状態との各々にあるときに、前記内腔は、前記本体の前記末端において閉塞されているカテーテル。
【請求項3】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の長手軸線に対して平行に延びている細長いスリットであるカテーテル。
【請求項4】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の周囲に対称的に且つ径方向に隔置されている3つのポートを含んでいるカテーテル。
【請求項5】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが細長く且つ前記本体の前記末端から約5ミリメートル隔てられた末端と、前記少なくとも1つのポートの前記末端から約15ミリメートル隔てられた基端とを含んでいるカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが多数のポートを含んでおり、前記壁が前記多数のポートのうちの互いに隣接するポート間に壁部分を形成しており、前記壁部分は、各々、前記壁部分が径方向に変形したときに前記壁の周囲に径方向に突出して前記多数のポートを前記開放状態に向かって動かすようになされているカテーテル。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記多数のポートが前記開放状態に向かって動かされると、前記壁部分の各々が前記壁部分の径方向の変形と同時に軸線方向に変形するカテーテル。
【請求項8】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記壁部分の各々に係合された末端を有する多数の作動部材を含んでおり、前記作動部材は、前記末端から前記本体の基端に隣接したアクチュエータまで基端方向へ延びており、前記アクチュエータは、前記作動部材を前記本体に対して基端方向或いは末端方向に変位させて前記壁部分を径方向に変形させたり或いは再形成させ且つ前記多数のポートを、各々、前記開放状態と閉塞状態との間で動かすように作動可能であるカテーテル。
【請求項9】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記本体が前記少なくとも1つのポートに隣接した前記壁に係合した末端を有し且つ前記本体の基端に隣接したアクチュエータまで基端方向に延びている少なくとも1つの作動部材を含んでおり、前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの作動部材を前記本体に対して基端方向或いは末端方向に変位させ且つ前記少なくとも1つの壁部分を径方向に変形させ且つ再形成させて前記少なくとも1つの部分を、各々、前記開放状態との間で動かすように作動可能であるカテーテル。
【請求項10】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材が、前記アクチュエータに結合され且つ前記アクチュエータの操作によって、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にある第一の末端位置から前記少なくとも1つの作動部材が前記少なくとも1つの壁部分を径方向に変形させて前記少なくとも1つのポートを前記開放状態に配置する第二の基端位置まで、前記壁内を直線的に移動可能であるカテーテル。
【請求項11】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材が前記少なくとも1つのポートに沿って延びているカテーテル。
【請求項12】
請求項11に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの作動部材の前記末端が前記少なくとも1つのポートの末端側に配置されているカテーテル。
【請求項13】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記アクチュエータが、前記カテーテルの前記本体の周囲に配置されているハブと、前記少なくとも1つの作動部材に結合された摺動係止機構とを含み、前記摺動係止機構は、前記少なくとも1つの作動部材を前記本体に対して軸線方向に変位させるために、前記ハブと前記本体とに対して移動可能であるカテーテル。
【請求項14】
請求項13に記載のカテーテルであって、
前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの少なくとも1つが、前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの他方の少なくとも1つの係止面と係合可能である少なくとも1つの係止部材を含んでいて、前記少なくとも1つのポートによって、前記ハブに対する前記摺動係止機構の状態を前記開放及び閉塞状態のうちの少なくとも1つに維持することができるカテーテル。
【請求項15】
請求項14に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの係止面が複数の軸線方向に隔置された係止面を含んでおり、前記少なくとも1つの係止部材が、前記係止面に沿って軸線方向に移動可能であり且つ前記ハブに対する前記摺動係止機構の位置を維持するように選択的に係合可能であるようになされたカテーテル。
【請求項16】
請求項14に記載のカテーテルであって、
前記摺動係止機構と前記ハブとのうちの1つが、軸線方向に延びている差し込み口を含んでおり、前記少なくとも1つの係止面が前記軸線方向に延びている差し込み口に対して横切る方向に延びている片寄り差し込み口によって形成されており、前記少なくとも1つの係止部材が前記軸線方向に延びている差し込み口に沿って移動可能であり且つ前記片寄り差し込み口内へ回転可能であって、前記ハブに対する前記係止機構の位置を維持し且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放及び閉塞状態のうちの1つに維持することができるようになされたカテーテル。
【請求項17】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記アクチュエータが前記本体から延びているチューブ部材を含んでおり、前記作動部材が前記チューブ部材内を延びており、前記少なくとも1つのポートが前記開放状態にあるときに、前記チューブ部材は拡張せしめられ、前記少なくとも1つの作動部材が、前記壁に沿って末端方向に変位せしめられると、前記チューブ部材は、前記少なくとも1つの作動部材が末端方向に変位せしめられて前記壁を再形成し且つ前記少なくとも1つのポートを前記閉塞状態に配置するまで、その長さに沿って収縮するようになされているカテーテル。
【請求項18】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記壁を径方向に変形させることによって、前記少なくとも1つのポートに沿って前記本体の長さが短くなるようになされたカテーテル。
【請求項19】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記壁が、径方向に変形されたときに球根形状を形成するようになされたカテーテル。
【請求項20】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記少なくとも1つのポートに隣接した前記内腔内に拡張部材を含んでおり、当該拡張部材は、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にあるときに大きさが小さい形状を有し、拡張された形状へと拡張せしめられて前記壁を径方向に変形させ且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放状態に配置することができるようになされたカテーテル。
【請求項21】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記壁が、前記拡張部材の中空内部と連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項22】
請求項21に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記膨張内腔と流体連通しており且つ前記本体の前記内腔から隔離されているポケットを前記末端に含んでおり、更に、前記ポケットと前記拡張部材の中空内部との間に延びており且つこれらの間の流体連通を提供する流体通路を形成しているステムを含んでいるカテーテル。
【請求項23】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材と前記少なくとも1つの壁部分との間に延びている少なくとも1つのアームを更に含み、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材が拡張されて前記開放状態における前記少なくとも1つのポートの位置決めをもたらすときに、少なくとも1つの壁部分に対して作用するカテーテル。
【請求項24】
請求項23に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の周囲に拡張された1つのポートを含んでおり、当該3つのポートは、前記ポートのうちの隣接するポート間に延びている3つの壁部分のうちの各1つによって相互に隔てられており、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材から前記3つの壁部分の各々まで延びている3つのアームを含んでいるカテーテル。
【請求項25】
請求項20に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記内腔内を延びている第二の壁部材を含んでおり、当該第二の壁部材は、第二の内腔を形成しており且つ前記少なくとも1つのポートの末端側に延びている複数の端部部材を含んでおり、前記複数の端部部材は、前記第二の内腔からの流体の流出を許容するために各々の間に末端開口部を形成しているカテーテル。
【請求項26】
請求項25に記載のカテーテルであって、
前記複数の端部部材が通常は相互に係合状態へ付勢されていて前記末端の開口部を閉じ、前記第二の内腔内の流体圧力に応答して前記末端開口部を開くように、前記複数の端部部材が相互に離れる方向へ移動するようになされているカテーテル。
【請求項27】
請求項25に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が前記第二の壁部材の周囲に延びており、前記端部部材が前記拡張部材から末端方向に延びているカテーテル。
【請求項28】
請求項27に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の末端と連通しているカテーテル。
【請求項29】
請求項28に記載のカテーテルであって、
前記壁部材の各々が、その末端から延びて前記拡張部材と接触状態となるアームを含んでいるカテーテル。
【請求項30】
請求項29に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が、当該拡張部材が前記壁部分を径方向に変形させ且つ前記少なくとも1つのポートを前記開放状態へと動かすように拡張せしめられるときに、前記アームを外方へ押すようになされている前記カテーテル。
【請求項31】
請求項27に記載のカテーテルであって、
前記第二の壁部材が、前記拡張部材と流体連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項32】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つの壁部分が、前記少なくとも1つの壁部分を前記少なくとも1つのポートに沿って軸線方向に圧縮することによって径方向に変形せしめられるカテーテル。
【請求項33】
カテーテルであって、
血流が貫通して通過するための少なくとも1つの内腔を形成している本体であって、患者の脈管構造内に配置することができる末端と、前記脈管構造の末端によって患者の体外に位置決め可能である基端との間に延びており、前記末端に隣接して少なくとも1つのポートを形成している隣接した壁部分を含んでおり、前記少なくとも1つのポートは、前記ポートを介して前記内腔内へ流れる血液の流れを防止するために、前記壁部分の当接係合によって形成された第一の閉塞状態を含み、前記本体は、前記少なくとも1つのポートに隣接して前記内腔内に拡張部材を含んでおり、当該拡張部材は、前記少なくとも1つのポートが前記閉塞状態にあるときに小さな外形を有しており、前記壁部分のうちの少なくとも1つを変形させるように拡張形状へと拡張可能であり、前記少なくとも1つのポートを第二の開口状態に配置して前記ポートを通って前記内腔内へ流れる血液の流れを許容するようになされた本体を含んでいるカテーテル。
【請求項34】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記開放状態において、前記少なくとも1つの壁部分が径方向に変形せしめられるようになされたカテーテル。
【請求項35】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記壁が、前記拡張部材の中空内部と流体連通している膨張内腔を含んでいるカテーテル。
【請求項36】
請求項35に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記膨張内腔と流体連通しており且つ前記本体の前記内腔から隔離されているポケットを前記末端に含んでおり、更に、前記ポケットと前記拡張部材の前記中空内部との間に延びている流体通路を形成しているステムを含んでいるカテーテル。
【請求項37】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材と前記少なくとも1つの壁部分との間に延びている少なくとも1つのアームを更に含み、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材が拡張されて前記少なくとも1つの壁部分を変形させるときに、少なくとも1つの壁部分に対して作用するカテーテル。
【請求項38】
請求項37に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが前記本体の周囲に拡張された1つのポートを含んでおり、当該3つのポートは、前記ポートのうちの隣接するポート間に延びている3つの壁部分のうちの各1つによって相互に隔てられており、前記少なくとも1つのアームは、前記拡張部材から前記3つの壁部分の各々まで延びている3つのアームを含んでいるカテーテル。
【請求項39】
請求項33に記載のカテーテルであって、
前記本体が、前記内腔内を延びている第二の壁部材を含んでおり、当該第二の壁部材は、第二の内腔を形成しており且つ前記少なくとも1つのポートの末端側に延びている複数の端部部材を含んでおり、前記複数の端部部材は、前記第二の内腔からの流体の流出を許容するために各々の間に末端開口部を形成しているカテーテル。
【請求項40】
請求項39に記載のカテーテルであって、
前記複数の端部部材が通常は相互に係合状態へ付勢されていて前記末端の開口部を閉じ、前記第二の内腔内の流体圧力に応答して前記末端開口部を開くように、前記複数の端部部材が相互に離れる方向へ移動するようになされているカテーテル。
【請求項41】
請求項39に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が前記第二の壁部材の周囲に延びており、前記端部部材が前記拡張部材から末端方向に延びているカテーテル。
【請求項42】
請求項41に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも1つのポートが、前記本体の末端内を伸長している細長いスリットによって形成されているカテーテル。
【請求項43】
請求項42に記載のカテーテルであって、
前記壁部材の各々が、その末端から延びて前記拡張部材と接触状態となるアームを含んでいるカテーテル。
【請求項44】
請求項43に記載のカテーテルであって、
前記拡張部材が、当該拡張部材が前記壁部分を径方向に変形させ且つ前記ポートを前記開放状態へと動かすように拡張せしめられるときに、前記アームを外方へ押すようになされている前記カテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2007−504860(P2007−504860A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525507(P2006−525507)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/029012
【国際公開番号】WO2005/025645
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501078018)アッシュ・アクセス・テクノロジー・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/029012
【国際公開番号】WO2005/025645
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501078018)アッシュ・アクセス・テクノロジー・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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