説明

抗微生物組成物

本発明は、抗微生物組成物に関する。本発明は、具体的には洗浄または身体ケアのための、抗微生物組成物に関する。本発明の目的は、比較的速い抗微生物作用を有する抗微生物組成物を提供することである。本発明者らは驚いたことに、選択的割合で選択された成分、即ちチモールおよびテルピネオールを含む組成物が、比較的迅速な抗微生物作用を提供することを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗微生物組成物に関する。本発明は、具体的には身体洗浄、口腔ケア、または硬質表面洗浄適用例のための抗微生物組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
トリクロサンなどの塩素系抗微生物剤を含む殺菌および消毒石鹸組成物が知られている。このような組成物は、有効な抗微生物作用を提供するために、かなり長い接触時間を必要とする。実際には、使用者、特に子供は、洗浄に長い時間をかけず、この結果として、このような組成物による洗浄は、表面または局所感染の適切な予防も疾患に対する適切な防御も提供しない。使用者は、手を洗浄しているにもかかわらず、皮膚の細菌除去が比較的不十分である可能性が高く、さらなる生物および/または非生物表面の汚染を引き起こし、病原体およびその結果として生じる疾患の拡散をもたらす可能性がある。食事前、汚染された手を、遅効性抗微生物組成物を用いて比較的短時間で洗う一般の使用者、特に子供は、疾患に接触する危険性がある。さらに、歯磨き剤のような口腔ケア組成物には、研磨剤に加えて、多くの抗微生物活性剤が含まれているが、これらの活性剤は一般に、有効な抗微生物作用が生じるまでに、数時間ではないにしても数分を要する。人々は非常に短い時間で、例えば1分以下程度で歯を磨き、口をすすぐことが多く、このためこのような組成物は所望の利益をもたらすには非常に有効でない。
【0003】
同様に、硬質表面洗浄、例えば床、卓上面、または用具(utensil)洗浄の分野では、組成物中の抗微生物剤は数分未満の間、基材と接触し、その後、表面は拭き取られるか、水で洗い流される。このような製品に一般に用いられるほとんどの既知の抗微生物剤は、所望の微生物殺生に数時間を要するため、これらの短時間規模の洗浄行為は、所望の利益をもたらすには有効でない。
【0004】
従って、洗浄時間が比較的短いとき、典型的には約5分以下、好ましくは2分未満、多くの場合1分未満、または場合により15秒以下の短時間であるとき、比較的より有効な抗微生物作用をもたらす組成物を提供することが求められている。
【0005】
本発明者らは驚いたことに、選択的割合で選択された成分、即ちチモールおよびテルピネオールを含む組成物が、比較的迅速な抗微生物作用を提供することを見出した。
【0006】
GB366870(Namlooz Vennootschap、1931)は、化粧石鹸に芳香を付与する方法を記載している。一方はチモールを含み、他方はテルピネオールを含む2種の異なる石鹸香料の例が記載されている。チモールとテルピネオールの混合物を含む特定の石鹸組成物は開示されていない。
【0007】
US6534042(Pfizer、2003)は、柑橘系香味剤または柑橘系香味成分0.01から5重量%、およびメントールオイカリプトール、サリチル酸メチル、チモール、トリクロサン、およびこれらの混合物からなる群から選択されたフェノール0.01から5重量%、ならびに経口的に許容される担体を含む口腔ケア組成物を記載している。柑橘系香味成分は、柑橘系香味剤に見出されるリモネン、シトラール、カジエン(cadiene)、デシルアルデヒド、リナロール、テルピネオール、リナリルエステル、酢酸テルピニル、シトロネロール、α−テルピネン、2−ドデカナール、α−ピネン、β−ピネン、3−ペンテナール、デカナール、ならびにC8からC10およびC12アルデヒド、酸、およびエステル、ならびにこれらの混合物から選択される。この口腔ケア組成物は、プラーク発生の遅延、歯肉炎の治療、および口腔の生存微生物個体数の低減に有用であるとされている。チモールとテルピネオールを含む特定の組成物は開示されていない。
【0008】
GB508407(Shepherd、1938)は、防腐製品、および重量比1:3のサロールとチモールを混合し、混合物を溶融し、冷却して結晶を形成するステップを含むこの調製方法を記載している。結晶59部、テルピネオール41部、レッドターキーオイル(red turkey oil)200部、および水200部を含む組成物の例が記載されている。この文献に記載の組成物は、約8重量%のチモールおよび約8重量%のテルピネオールを含み、空気の消毒に特に有用であるとされている。同様に、WO2008/088827は、昆虫および害虫を防除するための組成物の数百の実施形態を開示しており、この1つが類似の高い濃度でチモールおよびテルピネオールを含む。
【0009】
US2004/0014818(Boeck)は、光合成炭化水素、炭化水素からの単離物、2−ヒドロキシ−1−イソプロピル−4−メチルベンゼン(チモール)、およびブチル化ヒドロキシトルエンを配合した溶液、クリーム、または軟膏の形態の殺菌調剤を開示しており、それぞれ抗菌有効性を有する10から20種の化合物を含む多くの組成物を例示している。この特許公開文献は、即効性の抗微生物有効性を提供する、特定の量のテルピネオールおよびチモールの特定の組み合わせを教示していない。
【0010】
上に挙げた特許はいずれも、遅効性抗微生物組成物の問題に対処していない。
【0011】
US5965518(Nakatsuら、1999)は、フェノール化合物3から20重量%および非芳香族テルペノイド20から80重量%を含む、抗微生物活性を有する香料組成物を記載している。フェノール化合物の例には、サリチル酸アミル、カバクロール、ジヒドロオイゲノール、オイゲノール、ヘキシルオイゲノール、サリチル酸ヘキシル、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、サリチル酸メチル、tert−ブチルクレゾール、チモール、およびバニリンが含まれる。非芳香族テルペノイド化合物の例には、セドレン、シネオール、シトラール、シトロネラル、シトロネロール、シメン、パラジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ファルネソール、ゲラニオール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヒドロキシシトロナロール、ヒドロキシシトロネラル、イソシトラール、リモネン、リナロール、ロンギホレン、メントール、ネロール、ネロリジオール、フェレンドレン、テルピネン、テルピネノール、およびテトラヒドロミルセノールが含まれる。チモールとテルピネオールを含む特定の組成物は開示されていない。これらの組成物は、約0.25%の濃度で用いられたとき、5分以内に微生物数を少なくとも1.5log cfu/mL低減する。抗微生物作用の速度にはいくらかの改善がみられるが、依然として比較的速い抗微生物作用を有する組成物の開発が引き続き求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】英国特許第366870号(Namlooz Vennootschap、1931)
【特許文献2】米国特許第6534042号(Pfizer、2003)
【特許文献3】英国特許第508407号(Shepherd、1938)
【特許文献4】国際公開第2008/088827号
【特許文献5】米国特許第2004/0014818号(Boeck)
【特許文献6】米国特許第5965518号(Nakatsuら、1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服もしくは改善すること、または有用な代替物を提供することである。本発明の別の目的は、比較的速い抗微生物作用を有する抗微生物組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、
(a)チモール0.01から5重量%、
(b)テルピネオール0.01から5重量%、および
(c)担体を含む、抗微生物組成物が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、
(a)本発明の第1の態様の組成物を表面に適用するステップ、および
(b)表面を適切な溶媒で洗い流すステップを含む、表面を消毒する方法が提供される。
【0016】
これらおよび他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明および添付の請求の範囲を読むことにより、当業者に明らかとなるであろう。疑いを避けるために述べると、本発明の一態様の任意の特徴は、本発明の他の任意の態様において用いることができる。用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味するが、必ずしも「からなる(consisting of)または(composed of)」ではないことが意図される。換言すると、列挙したステップまたは選択肢は、網羅的である必要はない。以下の説明に示す例は、本発明を明確にするためのものであって、これらの例自体に本発明を限定するためのものでないことに留意されたい。同様に、別段の指示のないかぎり、すべてのパーセントは重量/重量パーセントである。
【0017】
操作例および比較例、または別段の明確な指示がある場合を除いて、本明細書において反応の材料もしくは条件、材料の物理的特性、および/または使用の量を示すすべての数値は、用語「約」によって修飾されているものとして理解される。別段の指示のないかぎり、「xからy」の形式で表わされる数値の範囲は、xおよびyを含むものとして理解される。特定の特徴に関して、複数の好ましい範囲が「xからy」の形式で記載されているとき、様々な終点を組み合わせたすべての範囲も企図されるものとして理解される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
抗微生物組成物は、チモール、テルピネオール、および担体を含む。抗微生物組成物の種々の成分を以下に記載する。本発明の組成物は、非治療的使用が好ましく、より具体的には、皮膚、毛髪、もしくは口腔を含む人体の表面の洗浄における使用、または硬質表面洗浄適用例が好ましい。
【0019】
抗微生物組成物は、好ましくは0.05から5重量%、より好ましくは0.1から1重量%、最も好ましくは0.1から0.4重量%のチモールを含む。本発明の有用な抗微生物組成物のほとんどは、0.05重量%超および0.3重量%未満のチモールを含む。チモールの好ましい低濃度より低い濃度は、テルピネオールとの組み合わせによる所望の即効性抗微生物動態を満たさないため、チモールのこれらの好ましい濃度範囲は重要である。チモールの好ましい高濃度より高い濃度では、テルピネオールと組み合わせたとき、作用動態は損なわれないが、感覚的側面が重要でない治療/殺虫/除草適用例とは異なり、好ましくは身体洗浄、口腔ケア、または硬質表面洗浄適用例であり、製品が手、口、または他の身体部位に接触する本発明の適用例では、においおよび皮膚感触のような感覚的側面が損なわれることを本発明者らは見出した。チモールは、精製された形態で抗微生物組成物に添加することができる。
【0020】
または、チモールが本発明の組成物に所望の濃度で存在することを確保しながら、チモールを含むタイム油またはタイム抽出物を抗微生物組成物に添加することができる。タイム油またはタイム抽出物は、タイム植物から得られる。タイム植物は、チムス(Thymus)属に属する植物を指し、以下の種に限定されるものではない。チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、チムス・ジギス(Thymus zygis)、チムス・サツレオイデス(Thymus satureoides)、チムス・マストキナ(Thymus mastichina)、チムス・ブルーソネッティ(Thymus broussonetti)、チムス・マロカヌス(Thymus maroccanus)、チムス・パリダス(Thymus pallidus)、チムス・アルゲリエンシス(Thymus algeriensis)、チムス・セルピルム(Thymus serpyllum)、チムス・プレゴイデ(Thymus pulegoide)、およびチムス・シトリオドラス(Thymus citriodorus)が含まれる。
【0021】
チモールおよびこの異性体カルバクロールの構造を以下に示す。
【0022】
【化1】

【0023】
抗微生物組成物は、好ましくは0.05から5重量%、より好ましくは0.1から1重量%、最も好ましくは0.4から0.6重量%のテルピネオールを含む。本発明の有用な即効性抗微生物組成物のほとんどは、0.05重量%超および1重量%未満のテルピネオールを含む。身体洗浄、口腔ケア、または硬質表面洗浄適用例のための製品に用いられるとき、感覚的に不快でなく、所望の即効性抗微生物動態を満たすために、チモールの好ましい濃度範囲と同じ理由で、テルピネオールのこれらの好ましい濃度範囲は重要である。テルピネオールは好ましくは、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、またはこれらの混合物から選択される。特に好ましくは、テルピネオールはα−テルピネオールである。テルピネオールは、精製された形態で抗微生物組成物に添加することができる。
【0024】
または、テルピネオールを含むマツ油を抗微生物組成物に添加することができる。
【0025】
テルピネオール化合物の構造を以下に示す。
【0026】
【化2】

【0027】
抗微生物組成物は担体を含む。担体は、水、油、溶媒、無機粒子状材料、デンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。担体は、好ましくは組成物の0.1から99重量%である。抗微生物組成物は、固体、液体、ゲル、ペースト、または軟質固体の形態であることができ、担体は、抗微生物組成物の形式に応じて、当業者によって選択されることができる。
【0028】
無機粒子状材料の例には、粘土、タルク、方解石、ドロマイト、シリカ、およびアルミノケイ酸塩が含まれる。油の例には、鉱油、植物油、ならびに石油由来の油およびロウが含まれる。溶媒の例には、アルコール、エーテル、およびアセトンが含まれる。
【0029】
デンプンは、食物穀類から得られる天然デンプンであることができ、または変性デンプンであることができる。
【0030】
特に好ましい担体は、水または油/溶媒であり、より好ましい担体は、水と油の混合物である。身体ケア/洗浄、口腔ケア、および硬質表面洗浄のような想定されるほとんどの適用例において、抗微生物組成物は、水性ベース(水が担体である。)中に配合することができ(例えば、ゲル形式の製品)、または純粋な油/溶媒ベースに配合することができる(例えば、無水スティック形態、もしくは噴射剤含有製品)。しかしながら、最も好ましい製品形式は、エマルションベース(水および油が担体である。)を有し、例えば手洗い、洗顔、身体洗浄、またはひげそり適用例のための液体、固体、ローション、または半固体形態の石鹸製品、口腔ケア適用例のための練り歯磨き/歯磨き剤、またはバー(bar)もしくは液体形態の硬質表面洗浄用の製品である。従って、特に好ましい抗微生物組成物は、
a.チモール0.05重量%超および0.3重量%未満、
b.テルピネオール0.05重量%超および1重量%未満、および
c.担体を含む。
【0031】
抗微生物組成物は、好ましくは1から80重量%の界面活性剤を含む。一般に、界面活性剤は、「Surface Active Agents」Vol.1、Schwartz&Perry、Interscience 1949、Vol.2、Schwartz、Perry&Berch、Interscience 1958、および/または「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」現行版、Manufacturing Confectioners Company刊、または「Tenside−Taschenbuch」、H.Stache、第2版、Carl Hauser Verlag、1981のような周知の教科書に記載されている界面活性剤から選択することができる。任意の型の界面活性剤、即ちアニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、または両性の界面活性剤を用いることができる。
【0032】
特に好ましい界面活性剤は石鹸である。石鹸は、本発明の抗微生物組成物の身体洗浄適用例に適した界面活性剤である。石鹸は、好ましくはC8−C24石鹸、より好ましくはC10−C20石鹸、最も好ましくはC12−C16石鹸である。石鹸は、1つ以上の炭素−炭素二重結合または三重結合を有しても、有していなくてもよい。石鹸のカチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムであることができる。好ましくは、石鹸のカチオンは、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムから選択される。より好ましくは、石鹸のカチオンは、ナトリウムまたはカリウムである。
【0033】
石鹸は、脂肪および/または脂肪酸を鹸化することによって得ることができる。石鹸の製造に一般に用いられる脂肪または油は、獣脂、獣脂ステアリン、パーム油、パームステアリン、ダイズ油、魚油、ヒマシ油、コメヌカ油、ヒマワリ油、ヤシ油、ババス油、パーム核油などであることができる。上記方法において、脂肪酸は、ヤシ、コメヌカ、ラッカセイ、獣脂、パーム、パーム核、綿実、ダイズ、ヒマシなどから選択された油/脂肪から誘導される。脂肪酸石鹸は、合成によって(例えば、石油の酸化、またはフィッシャー・トロプシュ法による一酸化炭素の水素添加によって)調製することもできる。トール油に存在するものなど、樹脂酸を用いることができる。ナフテン酸も適している。
【0034】
獣脂脂肪酸は種々の動物源から得ることができ、一般にミリスチン酸約1から8%、パルミチン酸約21から32%、ステアリン酸約14から31%、パルミトレイン酸約0から4%、オレイン酸約36から50%、およびリノール酸約0から5%を含む。典型的な分布は、ミリスチン酸2.5%、パルミチン酸29%、ステアリン酸23%、パルミトレイン酸2%、オレイン酸41.5%、およびリノール酸3%である。パーム油に由来するもの、ならびに種々の動物獣脂およびラードに由来するものなど、他の類似の混合物も含まれる。
【0035】
ヤシ油とは、C8%、C107%、C1248%、C1417%、C168%、C182%、オレイン酸7%、およびリノール酸2%(列挙した最初の6種の脂肪酸は飽和している。)のおおよそこの炭素鎖長分布を有する脂肪酸混合物を指す。パーム核油およびババス核油などの類似の炭素鎖長分布を有する他の供給源もヤシ油という用語に含まれる。
【0036】
典型的な脂肪酸ブレンドは、ヤシ脂肪酸5から30%、および硬化コメヌカ油由来の脂肪酸70から95%からなる。ラッカセイ、ダイズ、獣脂、パーム、パーム核などの他の適切な油/脂肪から得られる脂肪酸も他の所望の割合で用いることができる。本発明の固体形態に存在するとき、石鹸は、組成物の30から90重量%、好ましくは50から85重量%、より好ましくは55から75重量%の量で存在する。液体形態の組成物に存在するとき、石鹸は、組成物の0.5から20重量%、好ましくは1から10重量%存在する。
【0037】
本発明の抗微生物組成物は、硬質表面洗浄適用例に有用である。このような適用例において、好ましい界面活性剤は、製品が液体形態であるとき、1から8個のエチレンオキシド基を含む、C8−C22、好ましくはC8−C16脂肪アルコールエトキシラートなどの非イオン性界面活性剤である。製品が硬質表面洗浄適用例のための固体形態であるとき、界面活性剤は、好ましくは第一級アルキルスルファート、第二級アルキルスルホナート、アルキルベンゼンスルホナート、またはエトキシ化アルキルスルファートから選択される。組成物はさらに、天然もしくは合成源および/またはスルホン酸に由来する、好ましくは1から3個のエチレンオキシド基を有するものである、アルキルエーテルスルファートなどのアニオン性界面活性剤を含むことができる。特に好ましいのは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。アルキルポリグルコシドも組成物に存在することができ、好ましくは炭素鎖長C6からC16を有するものである。硬質表面洗浄適用例の液体形態に適した界面活性剤濃度は一般に、組成物の約0.5から10重量%、好ましくは1から5重量%である。固体組成物において、界面活性剤は、好ましくは組成物の5から40重量%、好ましくは10から30重量%存在する。
【0038】
本発明の抗微生物組成物は、口腔ケア組成物、例えば歯磨き剤/練り歯磨き、または口腔リンス製品において有用である。このような適用例において、好ましい界面活性剤は、本質的にアニオン性、非イオン性、または両性であり、好ましくはアニオン性または両性である。アニオン性界面活性剤は、好ましくはアルカリ金属アルキルスルファート、より好ましくはラウリル硫酸ナトリウム(SLS)である。アニオン性界面活性剤の混合物も用いることができる。両性界面活性剤は、好ましくはベタイン、より好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン(アルキル基は直鎖C10−C18である。)、最も好ましくはココアミドプロピルベタイン(CAPB)である。両性界面活性剤の混合物も用いることができる。口腔ケア適用例に適切な界面活性剤濃度は一般に、全組成物の約2重量%から約15重量%、好ましくは約2.2重量%から約10重量%、より好ましくは約2.5から約5重量%である。
【0039】
従って、非常に好ましい態様において、抗微生物組成物は、界面活性剤として、石鹸、アルキルスルファート、または直鎖アルキルベンゼンスルホナートを含む。
【0040】
本発明者らは、まったく驚いたことに、単独のチモールおよび単独のテルピネオールは、個々には速い抗微生物動態作用を提供しないが、選択的濃度のチモールとテルピネオールの組み合わせは、抗微生物活性剤と表面との接触時間が短い、即ち5分未満、好ましくは2分未満、さらに好ましくは1分未満、多くの場合15秒未満である、洗い落とす方法において特に重要である相乗的抗微生物作用を提供することを見出した。偶然にも、このような洗い流す方法は、洗浄作用のための界面活性剤を含む。本発明者らがさらに驚いたことに、単独の界面活性剤は洗い落とす方法に存在する濃度で速い抗微生物殺生を提供しないが、テルピネオール、チモール、さらに界面活性剤を含む組成物で表面を洗浄すると、短時間で表面の微生物数低減の程度にさらなる改善がもたらされる。従って、一方において界面活性剤は一般に、汚れおよび組成物に用いられる抗微生物活性剤も洗い落とす原因となることが知られているが、本発明では、チモールとテルピネオールのみの組み合わせを含む組成物において微生物数の低減を増進するという点で非常に有用なさらなる利益を提供する。
【0041】
本発明のさらなる利点は、テルピネオールとチモールを含む組成物で処置した表面は、驚いたことに、その後の相当な期間、微生物増殖に対して表面を継続して防御できることが認められることである。
【0042】
この組成物はさらに、当業者に知られている種々の追加成分を含むことができる。このような追加成分には、これに限定されるものではないが、香料、顔料、防腐剤、エモリエント剤、サンスクリーン剤、乳化剤、ゲル化剤、または増粘剤が含まれる。
【0043】
抗微生物組成物は、固体、液体、ゲル、またはペーストの形態であることができる。当業者は、1種以上の担体材料および/または界面活性剤を選ぶことによって、種々の形式の組成物を調製できる。本発明の抗微生物組成物は、洗浄およびケア、特に皮膚の洗浄および皮膚のケアに有用である。抗微生物組成物は、リーブオン製品またはウォッシュオフ製品として用いることができ、好ましくはウォッシュオフ製品であることが想定される。本発明の抗微生物組成物はまた、ガラス、金属、プラスチックなどの硬質表面の洗浄およびケアに用いることもできる。
【0044】
一態様によれば、水が好ましい担体である。水が存在するとき、水は好ましくは組成物の少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、さらに好ましくは少なくとも5重量%存在する。水が担体であるとき、好ましい液体組成物は、
a.チモール0.05から5重量%、
b.テルピネオール0.05から5重量%、
c.水10から99.9重量%、および
d.界面活性剤1から30重量%を含む。
【0045】
液体抗微生物組成物は、皮膚の洗浄、具体的には手洗いまたは洗顔に有用である。
【0046】
水が担体であるとき、好ましい固体組成物は、
a.チモール0.05から5重量%、
b.テルピネオール0.05から5重量%、
c.水5から30重量%、および
d.界面活性剤30から90重量%を含む。
【0047】
固体抗微生物組成物は、好ましくは成形固体、より好ましくはバーの形態である。固体抗微生物組成物は、特に皮膚の洗浄、具体的には手洗いまたは洗顔に有用である。
【0048】
別の態様によれば、無機粒子状材料も適切な担体である。無機粒子状材料が担体であるとき、抗微生物組成物は、固体形態である。好ましくは、無機粒子状材料は、タルクである。無機粒子状材料がタルクであるとき、固体抗微生物組成物は、顔または体に適用するタルカムパウダーとして特に有用である。
【0049】
さらなる態様によれば、溶媒は、好ましい担体である。任意の溶媒を用いることができるが、アルコールが好ましい溶媒である。短鎖アルコール、具体的にはエタノールおよびプロパノールは、抗微生物ワイプまたは抗微生物手用衛生組成物の担体として特に好ましい。
【0050】
本発明の別の態様によれば、
(a)本発明の第1の態様の組成物を表面に適用するステップ、および
(b)表面を適切な溶媒で洗い流すステップを含む、表面を消毒する方法が提供される。
【0051】
表面を洗い流すための溶媒は、好ましくは水であるが、水とアルコールの混合物であることもできる。本明細書では、洗い流すという語には適切なワイプで表面を拭き取る行為が含まれる。従って、表面、例えば手、顔、体、口腔、または任意の硬質表面、例えば用具を、最初に本発明の組成物と接触させる。次いで、所定時間後、好ましくは十分な量の水で洗い流して、組成物の目に見えてまたは知覚できる残留物を除去する。または、アルコールワイプ、もしくは水/アルコール含浸ワイプを用いて、抗微生物組成物が目視できないように表面を拭き取ることができる。基材を洗い流すステップは、好ましくは組成物を基材に適用するステップ後、5分未満、好ましくは2分未満、さらに好ましくは1分未満、多くの場合15秒未満に行われる。
【0052】
一態様によれば、本発明は、非治療的利益を提供する。
【0053】
従って、本発明の別の態様によれば、微生物数をより速く低減するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用が提供される。
【0054】
本発明のさらに別の態様によれば、ヒトの身体表面の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用が提供される。ヒトの表面には、皮膚、手、および口腔が含まれる。好ましい態様は、手の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用を提供する。さらに別の好ましい態様は、口腔の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用を提供する。
【0055】
本発明はまた、治療的利益を提供する。
【0056】
従って、本発明のさらに別の態様によれば、微生物数をより速く低減するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物が提供される。
【0057】
本発明のさらに別の態様によれば、ヒトの身体表面の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用が提供される。
【0058】
実施例
本発明をここで実施例によって実証する。これらの実施例は例示のみを目的とするものであり、いかなる方法によっても請求の範囲を限定しない。
【0059】
(実施例1から3)
短い時間枠(15秒)での細菌殺生の提供におけるチモールとテルピネオールの相乗的相互作用
それぞれ個々の活性剤および組み合わせを含む組成物を、担体として水を用いて調製した(詳細は下記の表1に示す)。テルピネオールおよびチモールは、Nishant aromas、Indiaから得た。
【0060】
約10個の細菌細胞(E.Coli ATCC10536)を試験管に採り、15秒間、種々の組成物と接触させた。15秒の接触後、細菌を取り出し、連続希釈および寒天プレートにプレートすることによって、生存細胞の存在を判定した。データはlog(生存E.Coli)で示し、これは15秒の接触後に残存する生存E.Coli数のlog10である。従って、10個残存する場合、log(生存E.Coli)は4である。
【0061】
【表1】

【0062】
表1のデータは、非常に短い時間枠での抗菌殺生の提供において、チモールとテルピネオールとの間に相乗的相互作用が存在することを示している。
【0063】
(実施例4から9)
短い時間枠(15秒)での細菌殺生に対する他の抗菌剤組み合わせの効果
表2に示した他の種々の抗菌剤組み合わせを用いて、実施例1から3と類似の実験を行った。オイカリプトールおよびリナロールは、Flukaから得た。メントール、シトラール、およびゲラニオールは、Som Santi Corporation、Indiaから得た。最初に10個の細菌細胞(E.Coli ATCC10536)を採った。15秒の接触時間後の種々の組み合わせに関するlog(生存E.Coli)のデータを表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
表2のデータは、チモールおよびテルピネオールと類似のクラスの周知の化合物の他の種々の組み合わせは、速い抗菌作用を提供できないことを示している。
【0066】
(実施例10から13)
TCCと比較した、他の種々の細菌の増殖阻害におけるチモールとテルピネオールの組み合わせの効果
チモール(0.2%)およびテルピネオール(0.5%)の組み合わせを、他の種々の細菌をこの組み合わせと約15秒間接触させた後の細菌の増殖阻害における有効性に関して試験した。別の周知の抗菌活性剤TCC(トリクロロカルバニリド)を用いて、同様の実験を行った。これらの実験は、実施例1から3と同様に行い、15秒間活性剤と接触させた後に残存する生存細菌に関するデータを表3に要約する。
【0067】
【表3】

【0068】
表3のデータは、種々の基材を洗浄するとき、本発明の組成物は遭遇する多数の細菌に対して活性であり、周知の抗菌剤(TCC)はこのような有効性を提供しないことを示している。
【0069】
(実施例14から17)
種々の抗菌活性剤を含有する石鹸の抗菌有効性
種々の抗菌活性剤を含有する石鹸バー(72TFM石鹸含有)を調製した。これらの石鹸バーを、実施例1から3に用いた手順通り、インビトロアッセイで試験した。これらのアッセイに用いたサンプルは、石鹸バーの8%水溶液であった。最初に添加したE−Coliの量は、約10であった。調製した種々の石鹸バー、および15秒間活性剤と接触させた後に残存する生存細菌に関する抗菌有効性の結果を、表4に要約する。
【0070】
【表4】

【0071】
カルバクロールは、チモールの異性体である。表4のデータは、本発明の組成物を用いて調製した石鹸バー(実施例17)は、抗菌活性剤を用いずに調製した石鹸バー、または他の抗菌活性剤(これらの活性剤の一部はチモールと類似の構造を有する。)を用いて調製した石鹸バーより優れていることを示している。
【0072】
(実施例18から21)
細菌で人工的に汚染した手の洗浄における石鹸組成物の抗菌活性
以下のプロトコルを用いて、ヒトの手に付加した細菌を除去する能力における種々の組成物の抗菌有効性を試験した。
【0073】
最初に志願者の両手を消毒して、手の正常細菌叢を除去した。E.coli懸濁液100マイクロリットル(約10CFU/mlに相当)を志願者の両方の手に適用した。石鹸8%を含有するが、石鹸溶液中に抗菌活性剤の存在しない石鹸溶液で片方の手を洗浄した。もう一方の手を1種以上の抗菌活性剤を含有する石鹸で洗浄した。手は研究者が15秒間洗浄した。
【0074】
その後、志願者の手に残存する細菌を回収するために、以下の処置を行った。収集液(中和剤を含むバターフィールドリン酸緩衝液)75mlを含有する滅菌ポリエチレン袋に手を入れ、輪ゴムで手首の上を固定した。機械化されたブラシで所定の時間、ポリエチレン袋の外側をこすり、この間に細菌のほとんどが手からこすり落とされ、収集液に分散される、手の洗浄機を用いて細菌の回収を行った。サンプルを直ちに希釈し、CY寒天にプレートした。石鹸組成物で15秒間洗浄した後、手に残存する生存細菌に関する抗菌有効性を表5に要約する。
【0075】
【表5】

【0076】
表5のデータは、本発明の石鹸組成物(実施例21A)が、チモールもテルピネオールも含まない石鹸組成物(実施例21)と比較して、非常に優れた抗菌有効性を提供することを示している。対照的に、それぞれのコントロールと比較して、抗菌剤含有石鹸では(実施例18、19、および20と実施例18A、19A、および20Aを比較)このような優れた利益は認められない。
【0077】
(実施例22および23)
継続的防御
本発明の組成物で洗浄した手に継続的防御を提供する本発明の組成物の能力を調べた。プロトコルは以下に示したとおりであった。
【0078】
志願者の片方の手を、72TFM石鹸の8%溶液(抗菌活性剤を含有しない。)で洗浄した。もう一方の手を、類似の石鹸であるが、追加的にテルピネオール0.5%およびチモール0.2%を含有する石鹸で15秒間、研究者が洗浄した。手は空気乾燥させた。
【0079】
両方の手のひらにおいて、それぞれから2.8cmの3つの領域に印をつけた。0分、30分、および60分の時点で、約10のE.coli細胞に相当する25マイクロリットルを各領域に適用した。5分後、テフロン(登録商標)のカップおよりロッドを用いて細菌を回収し、CY寒天を用いて細菌を数えた。上記手順後、手に残存する生存細菌に関する抗菌有効性を表6に要約する。
【0080】
【表6】

【0081】
表6のデータは、本発明による石鹸組成物(実施例23)が、本発明以外の石鹸組成物と比較して、継続的防御を提供することを示している。
【0082】
(実施例24から29)
口腔細菌に対する本発明の組成物の抗菌活性
通常見出されるグラム陽性口腔細菌、即ちストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)ATCC25175およびグラム陰性口腔細菌ナイセリア・サブフラバ(Neisseria subflava)ATCC19243に対する本発明の組成物の抗菌活性を判定した。これはOxoplateを用いて調べた。Oxoplateは、反応系内(細菌、培地、および活性剤を含有する。)の酸素欠乏をモニターする。
【0083】
細菌
活性剤溶液を試験するために、グラム陽性(ストレプトコッカス・ミュータンス ATCC25175)およびグラム陰性(ナイセリア・サブフラバ ATCC19243)細菌を選択した。両方の細菌をBHIS寒天プレートで24時間、37℃/15%COで培養し、次いでこれをマクファーランド標準2まで(細胞から6×10)PBSに懸濁した。
【0084】
溶液
各活性剤を試験のために50%エタノール溶液に溶解した。すべての溶液は10倍濃度で製造し、プレートでの希釈を可能にした。ナイセリア・サブフラバでは、この生物体の殺生物剤に対する感受性が高いため、低い濃度を用いた。
【0085】
Oxoplate法
以下の成分をOxoplateのウェルに入れた。
【0086】
170□l BHI培地
20□l 試験溶液
10□1 細菌
最初に培地をOxoplateに入れ、その後、試験溶液、次いで細菌を入れた。各プレートにおいて、水または50%エタノールのコントロールを用いた。すべての溶液は4回反復で試験を行った。プレートを蛍光プレートリーダーに入れ、37℃でインキュベートし、18時間15分毎に測定した。ウェル底部のセンサは2つの波長指標(650/540nM)、参照(590/540nm)で測定した。
【0087】
これらの値を用いて酸素濃度を算出し、最大および最小酸素濃度に関して較正を行った。その後、18時間にわたる酸素欠乏曲線のグラフをプロットし、これを用いて、細菌が酸素を欠乏し始めるレベルを求めた。以下の表7は、酸素欠乏が観察されず、細菌の増殖がないことを示す活性剤の濃度を示す。
【0088】
【表7】

【0089】
表7のデータは、口腔に見出される細菌の増殖阻害において、チモールとテルピネオールとの間に相乗的相互作用が存在することを示している。
【0090】
上記の実施例において、ストレプトコッカス・ミュータンスの増殖を阻害する最小濃度は、テルピネオール0.1%とチモール0.04%の組み合わせであり、ナイセリア・サブフラバの増殖を阻害する濃度は、テルピネオール0.03%(0.03%)とチモール0.012%の組み合わせであった。しかしながら、より速い時間で口腔微生物の増殖を阻害する濃度は、チモール0.05から5重量%とテルピネオール0.05から5重量%の組み合わせの範囲であることが好ましい。
【0091】
(実施例30から33)
様々な量のチモールおよびテルピネオールで調製された石鹸組成物
種々の石鹸バー(72TFMのもの)を、表8に示したとおり、抗菌活性剤を用いて調製した。訓練を受けた香料専門家によって、におい強度の受容性に関して、バーを評価した。これらの評価を表8に示す。
【0092】
【表8】

【0093】
上記実施例すべての結果から、本発明のテルピネオールとチモールの特定の組み合わせにより、従来技術の組成物と比較して、比較的高い抗微生物有効性で速い抗微生物作用が提供されることは明らかである。これらの結果はさらに、テルピネオールとチモールの混合物が、単独のテルピネオールまたは単独のチモールと比較して、比較的高い抗微生物有効性で相乗的に速い抗微生物作用を提供することを実証している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.チモール0.01から5重量%、
b.テルピネオール0.01から5重量%、および
c.担体を含む、抗微生物組成物。
【請求項2】
a.チモール0.05重量%超および0.3重量%未満、
b.テルピネオール0.05重量%超および1重量%未満、および
c.担体を含む、請求項1に記載の抗微生物組成物。
【請求項3】
界面活性剤1から80%を含む、請求項1または2に記載の抗微生物組成物。
【請求項4】
界面活性剤がアニオン性である、請求項3に記載の抗微生物組成物。
【請求項5】
界面活性剤が、石鹸、アルキルスルファート、または直鎖アルキルベンゼンスルホナートである、請求項3または4に記載の抗微生物組成物。
【請求項6】
テルピネオールが、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、またはこれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗微生物組成物。
【請求項7】
前記テルピネオールが、α−テルピネオールである、請求項6に記載の抗微生物組成物。
【請求項8】
担体が水である、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗微生物組成物。
【請求項9】
a.チモール0.05から5重量%、
b.テルピネオール0.05から5重量%、
c.水10から99.9重量%、および
d.界面活性剤1から30重量%を含む、請求項8に記載の液体抗微生物組成物。
【請求項10】
a.チモール0.05から5重量%、
b.テルピネオール0.05から5重量%、
c.水5から30重量%、および
d.界面活性剤30から90重量%を含む、請求項8に記載の固体抗微生物組成物。
【請求項11】
(a)請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を表面に適用するステップ、および
(b)表面を適切な溶媒で洗い流すステップを含む、表面を消毒する方法。
【請求項12】
基材を洗い流すステップが、組成物を基材に適用するステップ後、5分未満に行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
手の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用。
【請求項14】
口腔の衛生を改善するための、チモール0.01から5重量%、テルピネオール0.01から5重量%、および担体を含む組成物の使用。

【公表番号】特表2012−505851(P2012−505851A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531447(P2011−531447)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063081
【国際公開番号】WO2010/046238
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】