説明

抗癌化合物、この調製およびこの治療的使用

本発明は、抗癌薬として使用できるニコチンアミド誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規抗癌誘導体、これらを含有する組成物および特に抗癌剤としてのこの治療的使用に関するものである。本発明は、これらの化合物の調製方法および中間生成物の幾つかにも関するものである。
【背景技術】
【0002】
WO99/31064は、式(A)の化合物について記載し:
【0003】
【化1】

式中、Aは特にアルキレン基を表し、ここでメチレン単位は、アミド単位−C(=O)−NR−に隣接しないいずれの位置においてもO、S、C=O、NH、SOまたはSOフラグメントによって置換することができる。Dは、少なくとも3個の炭素原子を含有するアルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基を表し、ここで1から3個のメチレン単位がO、S、C=O、NH、SOまたはSOフラグメントによって置換され得る。Gは特に基−(CR10−Rを表し、ここでmは0または1であり、RおよびR10は水素原子またはアルキル基を表すことができ、Rは、アラルキル基またはおそらく1から3個のヘテロ原子(N、OまたはS)を含有する単環式または2環式もしくは3環式芳香族基である、芳香族基もしくは芳香族複素環基を表す。Rは:ハロゲン、−CN、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ(−O−アルキル)、アリールオキシ(−O−アリール)、メルカプト(−SH)、アルキルチオ(−S−アルキル)、アリールチオ(−S−アリール)、カルボキシル(−COOH)、カルボキシアルキル(−アルキル−COOH)、カルボキシアルケニル(−アルケニル−COOH)、アルコキシカルボニル(−COOアルキル)、ニトロ(−NO)、アミノ(−NH)、アミノアルキル(−アルキル−NH)、モノアルキルアミノ(−NHアルキル)、ジアルキルアミノ(−N(アルキル))によって場合により置換され得る。本出願は、2個のピリジン核の一方に−CH=CH−基を、また他方のピリジン核に−C(=O)NHR基および−NRR’基をも含む本発明の化合物について記載も提案もしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第99/31064号
【発明の概要】
【0005】
使用した定義
本発明の状況では:
・「ハロゲン原子」という用語は:フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味することを意図する;
・「アルキル基」という用語は:アルカンから水素原子を除去することによって得られた、式C2n+1−の1から6個の炭素原子(好都合には1から4個の炭素原子)を含有する飽和脂肪族炭化水素ベース基を意味することを意図する。アルキル基は、直鎖または分枝であり得る。一例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基およびヘキシル基が参照され得る;
・「アルキレン基」という用語は:アルカンの2個の水素原子を、前記アルカンの2個の異なる炭素原子から除去することによって得られた、分子式−CH2n−の2価基を意味することを意図する;
・「アルコキシ基」という用語は:アルキル基が上で定義した通りである−O−アルキル基を意味することを意図する;
・「シクロアルキル」基という用語は:3から8個の炭素原子を含有し、すべての炭素原子が環式構造に関与している環式アルキル基を意味することを意図する。一例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基が参照され得る;
・「ヘテロシクロアルキル基」という用語は:環に関与して、環を形成する炭素原子に連結された少なくとも1個のヘテロ原子(O、S、N)を含むシクロアルキル基を意味することを意図する。一例として、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基またはN−(C−C)アルキルピペラジニル基、アゼパニル基、チオモルホリニル基、1−オキソ−チオモルホリニル基および1,1−ジオキソ−チオモルホリニル基が参照され得る。
【0006】
第一の態様により、本発明の主題は、式(I)の化合物である:
【0007】
【化2】

式中:
・ZおよびZ’は、NまたはCHを表し;
・Wは、−(C−C)アルキレン−CHCH−基を表し;
・Rは、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基またはフェニル基を表し;
・R’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは、
−(C−C)シクロアルキル基を表し;
−(C−C)アルキル基を表し;
○ 前記(C−C)アルキル基は、1個以上のヒドロキシル基または(C−C)アルコキシ基で場合により置換され、
○ 前記(C−C)アルキル基は、−NR基で場合により置換され, 前記−NR基中RおよびRは、互いに独立して、水素原子または(C−C)アルキル基を表すか、またはこれらと結合している窒素原子と一緒になって、(C−C)ヘテロシクロアルキル基を形成し、前記(C−C)ヘテロシクロアルキル基は、環中に、基−S(O)(q=0、1または2)または基−NHもしくは基−N(C−Cアルキル)を場合により含み、−OH、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)アルキル基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、複数の置換基の場合は互いに同じでも異なっていてもよく;
・Rは、水素原子またはフッ素原子、(C−C)アルキル基または−NR(ここでRおよびRは、水素原子または(C−C)アルキル基を表す。)から選択される、ピリジン核の少なくとも1個の置換基を表す。
【0008】
ZおよびZ’は、NまたはCHを表す。さらに詳細には、ZおよびZ’はそれぞれ、NおよびCH;CHおよびCHまたはNおよびNを表すことができる:
【0009】
【化3】

【0010】
は、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、またはフェニル基を表す。R’は、水素原子基または(C−C)アルキル基を表す。さらに詳細には、R’は水素原子を表す。Rおよび/またはR’は、表1に記載したものから選択され得る。
【0011】
は、
−(C−C)シクロアルキル基、例えばシクロプロピル基またはシクロペンチル基を表し;
−(C−C)アルキル基を表し;
○ 前記(C−C)アルキル基は、1個以上の−OHまたは(C−C)アルコキシ基、例えばメトキシ基、で場合により置換され、
○ 前記(C−C)アルキル基は、−NR基で場合により置換され, 前記−NR基中RおよびRは、互いに独立して、水素原子または(C−C)アルキル基を表すか、またはこれらと結合している窒素原子と一緒になって、(C−C)ヘテロシクロアルキル基を形成し、前記(C−C)ヘテロシクロアルキル基は、環中に、基−S(O)(q=0、1または2)または基−NHもしくは基−N(C−Cアルキル)(qはより詳しくは1または2を表す。)を場合により含む。
【0012】
およびRによって形成されたヘテロシクロアルキル基は例えば、ピロリジニル基(
【0013】
【化4】

)、ピペリジニル基(
【0014】
【化5】

)、ピペラジニル基(
【0015】
【化6】

)またはN−(C−C)アルキルピペラジニル基(
【0016】
【化7】

)、アゼパニル基(
【0017】
【化8】

)、チオモリホリニル基(
【0018】
【化9】

)、1−オキソ−チオモルホリニル基(
【0019】
【化10】

)、または1,1−ジオキソ−チオモルホリニル基(
【0020】
【化11】

)であり得る。
【0021】
およびRによって形成されたヘテロシクロアルキル基は、−OH;(C−C)アルコキシ:例えばメトキシ;(C−C)アルキル:例えばメチルから選択される、置換基が複数あるときには同一であり得るまたは相互に異なり得る、1個以上の置換基によって場合により置換され得る。それゆえ置換されたヘテロシクロアルキルは、3−ヒドロキシピペリジニル、(
【0022】
【化12】

)、4−ヒドロキシピペリジニル(
【0023】
【化13】

)、4−メトキシピペリジニル(
【0024】
【化14】

)、シス−3,5−ジメチルピペリジニル(
【0025】
【化15】

)、またはシス−2,6−ジメチル−ピペリジニル(
【0026】
【化16】

)基であり得る。
【0027】
ピリジン核は、水素原子またはフッ素原子、(C−C)アルキル基または−NR(ここでRおよびRは、水素原子または(C−C)アルキル基を表す。)から選択される、1から4個の置換基Rを含み得る。好ましくは、Rはピリジン核の位置5および/または6にある。好ましくは、置換基Rの数は1に等しく、および/またはRは、下に表すように、ピリジン核の位置5または6にある:
【0028】
【化17】

【0029】
は、なおさらに好ましくは、位置6にある。好ましくは、Rは、水素原子または−NHを表す。
【0030】
Wは、−(C−C)アルキレン−CHCH−基、特に−(CH−基を表し、mは1から6の整数である。
【0031】
式(I’)の下位基が区別され:
【0032】
【化18】

【0033】
式中、Rは(C−C)アルキル基を表し、Rは、RおよびRが相互に独立して水素原子もしくは(C−C)アルキル基を表すか、またはこれらが結合される窒素原子と共に、環内に−S(O)基(q=0、1または2)または−NH−基もしくは−N(C−C)アルキル−基を場合により含む、(C−C)ヘテロシクロアルキル基を形成する、−NR基によって場合により置換された(C−C)アルキル基を表し、Rは、ピリジン核の位置5または6に位置する、水素原子または上で定義したような−NR基を表し、mは1から6の整数である。
【0034】
ピリジン核の2重結合は、E型またはZ型であり得る。好ましくは、2重結合はE型である。
【0035】
本発明の化合物は、例示された化合物を含めて、塩基のまたは酸との付加塩の形で存在することができる。このような付加塩も本発明の一部である。これらの塩は好都合には、医薬的に許容される酸によって調製されるが、例えば化合物を精製または単離するために有用である他の酸の塩も本発明の一部である。本発明による化合物は、水和物または溶媒和物の形、即ち水の1個以上の分子とのまたは溶媒との会合または組み合わせの形でも存在し得る。このような水和物および溶解和物も、本発明の一部である。
【0036】
化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含み得る。従って、これらは、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形で存在し得る。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体ならびにこの混合物も本発明の一部である。
【0037】
第二の態様により、本発明の主題は、本発明の化合物をおよび反応中間体の幾つかをも調製する方法である。
【0038】
式(I)の化合物の調製
これらの化合物は、スキーム1に従って調製することができる。
【0039】
スキーム1
【0040】
【化19】

【0041】
ステージ(i)において、PとPとの間で薗頭カップリングを行ってPを得る。Halはハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)を表し、ALKは(C−C)アルキレン基、特に−(CH−基を表し、PGはアミン官能基保護基、例えばBOCを表し、UはOHまたは塩素などのハロゲン原子を表す。カップリングは塩基性媒体による溶媒中にて、(酸化状態(0)または(II)の)パラジウム錯体の存在下で行われる。パラジウム錯体は例えば、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)、PdCl(dppf)またはビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)であり得る。
【0042】
銅(I)クロリドなどの銅(I)塩は概して、パラジウム錯体の共触媒として要求される。しかし最近、ある触媒系、例えばTHF中のPd(dba)、P(t−Bu)、またはEtNの系は銅塩を必要としないことが発見された(Eur.J.Org.Chem.2000,3679)。
【0043】
触媒系が酸素に感受性であるときには触媒系を保存するために、脱酸素された媒体中で方法を行うことが好ましい。
【0044】
カップリングは、例えばKCO、NaHCO、EtN、KPO、Ba(OH)、NaOH、KF、CsF、CsCOなどであり得る塩基性媒体の存在下で行われる。カップリングは極性溶媒、例えばDMFの混合物中で行われ得る。温度は50から120℃である。ある場合での反応時間は、非常に長くなり得る(実施例1の条件を参照)。
【0045】
薗頭カップリング(Chem.Rev.のスキーム1)および操作条件のさらなる詳細事項ならびに使用できるパラジウム錯体、銅塩および塩基は:Chem.Rev.2007,107(3),874;Tetrahedron Lett.2007,48,7129−7133;K.Sonogashira in「Metal−Catalyzed Cross−coupling Reactions」,1998,eds.:F.Diederich,P.J.Stang,Wiley−VCH,Weinheim,ISBN 3−527−29421−Xに見出される。
【0046】
ステージ(ii)では、−C≡C−結合が水素添加される。固体担体に被着された金属触媒、例えばパラジウム(例えばPd/C)の存在下で水素を使用することができる。水素添加は、例えば室温にて、パラジウム担持木炭の存在下で約1気圧の圧力下で水素を用いて、約20から30分間の期間にわたって行われ得る。例えば実施例1.5の条件を参照。−CHCH−結合を与えるために−C≡C−結合を水素添加する他の技法が存在し、当業者に公知である。
【0047】
ステージ(iii)では、Pは、PGがBOCを表すときに例えば酸性媒体中での処理によって脱保護される。
【0048】
ステージ(iv)では、酸(U=OH)またはアシルハライド(U=Br、ClまたはF)のどちらかであるPおよびPを反応させる(アミド化反応)。Uが酸を表すとき、アミド化は好都合には、酸活性化剤(「カップリング剤」としても公知である。)、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(即ちBOP、CAS No.56602−33−6、Castro,B.,Dormoy,J.R.Tetrahedron Letter 1975,16,1219も参照)または(O−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)の存在下で行うことができる。
【0049】
スキーム1の変形によって、水素添加ステージと脱保護ステージの2つを反対にすることも可能である。
【0050】
の調製
スキーム2
【0051】
【化20】

【0052】
は、酸Pから開始して、式RR’NHのアミンによる一置換によって得られる。脂肪族または脂環式アミンの場合、反応は室温にて、およびアルコールもしくは水などのプロトン性溶媒中で、またはTHFなどの非プロトン性溶媒中で行うことができる(実施例1.1も参照)。アニリンの場合、例えばLiHMDS(((CHSi)NLi)などの強塩基を添加して、反応を高温条件下で行う。FR 2917412の14−15ページにはZ=NおよびZ’=CHの場合に一置換について記載されているが、他のZ/Z’にも適用することができる。
【0053】
Z=N、Z’=CH:Pは、2,6−ジハロニコチン酸、例えば市販されている2,6−ジクロロニコチン酸である;
Z=N、Z’=N:Pは、2,4−ジハロピリミジンカルボン酸、例えば市販されている2,4−ジクロロピリミジンカルボン酸(CAS No.37131−89−8)である;
Z=CH、Z’=CH:Pは、2,4−ジハロ安息香酸、例えば市販されている2,4−ジクロロ安息香酸(CAS No.50−84−0)である。
【0054】
ZおよびZ’がどちらもNを表し、Halが塩素原子を表す場合、Pも、市販の化合物エチル2,4−ジクロロピリミジン−5−カルボキシラートから開始して得ることができる:
【0055】
【化21】

【0056】
スキーム3
続いて酸官能基に変換されるエステル官能基を使用するスキーム3は、Z=NおよびZ’=CHの場合にも適用される:Chem.Pharm.Bull.2000,48(12),1847−1853の条件(表1および2の反応)を参照。P6
は、Pの酸から開始して、アミンRNHまたはこのアミンの塩、例えば塩酸塩を使用するアミド化によって得られる。アミド化は好都合には、酸活性化剤(カップリング剤とも呼ばれる。)、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(即ちBOP、CAS No.56602−33−6、Castro,B.,Dormoy,J.R.Tetrahedron Letter 1975,16,1219も参照)の存在下で行うことができる。反応は好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)またはジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中で、室温にて、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下で行われる。
【0057】
の調製
【0058】
【化22】

【0059】
スキーム4
は、スキーム4に従ってPから開始して、アミン官能基を与えるための、メシル離脱基を担持するアルコール官能基の中間体P10を介した変換、および次のP11のPGによる保護によって得られる。またアジ化ナトリウムをNHの代わりに使用してアジド官能基を得ることができ、続いてアジド官能基を変換してアミン官能基が得られる(Tetrahedron 1987,43(21),5145−58のスキームIIおよびTetrahedron 2008,64,3578−3588のスキーム1を参照)。
【0060】
NH化合物
アミンRNHは、市販の生成物または公開された文書にすでに記載された生成物である:
・1−(2−アミノエチル)ピペリジン:CAS No.27578−60−5、Justus Liebigs Annalen der Chemie 1950,566,210−44に記載、Acrosが販売;
・1−(2−アミノエチル)−4−ピペリジノール:CAS No.129999−60−6、J.Med.Chem.2005,48(21),6690−6695に記載;
・1−(2−アミノエチル)−3−ピペリジノール:CAS No.847499−95−0、J.Med.Chem.2005,48(21),6690−6695に記載;
・2−(4−メトキシ−1−ピペリジニル)エチルアミン:CAS No.911300−69−1、J.Med.Chem.2007,50(20),4818−4831に記載;
・ピロリジンエタンアミン:CAS No.7154−73−6、Anales de Quimica 1974,70(9−10),733−737に記載、International Laboratory Ltd,1067 Sneath Ln,San Bruno,CA94066,USAが販売;
・アゼパン−1−イルエチルアミン:CAS No.51388−00−2、Anales de Quimica 1974,70(9−10),733−737に記載;
・2−(1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル)エチルアミン:CAS No.89937−52−0、Intern.Lab.Ltdが販売;
・N−(2−アミノエチル)チアモルホリン−1−オキシド:CAS No.1017791−77−3、Sinova Inc.3 Bethesda Metro Center,Suite 700,Bethesda,MD,20814,USAが販売。
【0061】
が、RおよびRがこれらが結合される窒素原子と共に、環内に−S(O)基(q=0、1または2)または−NH−基もしくは−N(C−C)アルキル基を場合により含む、(C−C)ヘテロシクロアルキル基を形成する、−NR基によって置換された(C−C)アルキル基を表す、化合物を得るための方法は、スキーム5に記載され、Bioorg.Med.Chem.2007,15,365−373のスキーム3またはBioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,1378−1381のスキーム2に基づく:
【0062】
【化23】

【0063】
スキーム5
スキーム6に記載された別の方法は、Bioorg.Med.Chem.Lett.2006,16,1938−1940の表2に基づく:
【0064】
【化24】

【0065】
スキーム6
化合物
U=OHを有するPは、市販され得るか、または当業者に公知の方法によって調製され得るかのどちらかである。例えばトランス−3−(3−ピリジル)アクリル酸はSigma−Aldrichによって販売されている。(6−アミノピリジン−3−イル)アクリル酸(CAS No.234098−57−8;化合物E:CAS No.167837−43−6)は、J.Med.Chem.2002,45(15),3246−3256に記載されている(スキーム4を参照)。Pは、J.Med.Chem.2002,45(15),3246−3256の教示に従って、ブロモアニリンおよびアクリル酸から開始して調製することができる。ブロモアニリンおよびアクリル酸アルキルを用いたカップリングを使用して、次にエステル官能基を鹸化して酸官能基を得ることができる(この点については、US 2008269220の段落[483]またはEP1726580の段落[354]に記載された、(6−アミノピリジン−3−イル)アクリル酸の調製方法を参照)。
【0066】
は、J.Org.Chem.1998,63,8785−8789に従って対応するβ−ホルミルピリジンから開始しても、さもなければJ.Med.Chem.1989,32(3),583−93に従って2−クロロ−5−ニトロピリジンから開始しても調製することができる。
【0067】
U=Hal(アシルハライド)を有するPは、当業者に公知の反応によって、U=OHを有する酸Pおよびアシル化剤、例えばSOClまたは(COCl)から開始して得ることができる。
【0068】
化合物
は、市販され得るか(例えば3−ブチン−1−オール CAS No.927−74−2または2−プロピン−1−オール CAS No.107−19−7)、または当業者に公知の方法によって調製され得るかのどちらかである。
【0069】
1級または2級アミン官能基の保護
少なくとも1つのステージにおいて、1個以上の化学官能基、特に1級または2級アミン官能基を保護するために保護基(PG)を使用することが必要であり得る。例えば、RおよびRがどちらも水素原子を表すとき、スキーム2でのアミド化は、RNHでは化合物HN−(C−C)アルキル−NH−PGを使用して行われ、ここでPGは好都合にはBOC(tert−ブトキシカルボニル)を表す。同様に、RおよびRによって形成されたヘテロシクロアルキル基がピペラジニル基(
【0070】
【化25】

)を表すとき、この−NH−官能基は以下の化合物
【0071】
【化26】

を使用して好都合に保護することができ、ここでPGは好都合にはBOCを表す。同様に、Rが−NH基または−NHR基を表すとき、アミン官能基は、1または2個のPG基、好ましくはBOCによって好都合に保護することができる。例えば以下の化合物P
【0072】
【化27】

が使用され得る。
【0073】
続いて化学官能基は、(最終または中間)脱保護ステージによって得られ、この条件は、保護される官能基の性質および使用した保護基によって変わる。「Protective groups in Organic Synthesis」by T.Greene,Wiley,4th ed.,ISBN=978−0−471−69754−1、特にアミン官能基保護基に関するchapter 7が参照され得る。−NH官能基または−NH−官能基のBOCによる保護の場合、脱保護ステージは、例えばHClまたはトリフルオロ酢酸(TFA)を使用して酸性媒体中で行われる。それゆえ適切な場合には、会合塩(塩酸塩またはトリフルオロ酢酸塩)が得られる。
【0074】
塩の取得
塩は、上記またはその他の脱保護ステージの間に、酸に化合物をこの塩形で接触させることによって得られる。
【0075】
上のスキームにおいて、開始化合物および反応物質は、これらを調製する方法が記載されてないときには、市販されているかもしくは文献に記載されており、さもなければ文献に記載され、当業者に公知である方法に従って調製することができる。当業者は、以下に記載する実施例に与えた操作条件も基礎として使用し得る。
【0076】
第三の態様により、本発明は、上で定義したような化合物を医薬的に許容される賦形剤と組合せて含む医薬組成物に関する。賦形剤は、所望の医薬形および投与方法に従って、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。投与方法は例えば、経口または静脈内投与であり得る。
【0077】
第四の態様により、本発明の主題は、上で定義した化合物を含む薬剤、および薬剤の製造のための、上で定義したような化合物の使用でもある。薬剤は病態、特に癌を治療するのに有用であり得る。薬剤は(および本発明による化合物も)、1つ(以上)の抗癌剤と組合せて投与し得る。本治療は、同時に、別個に、あるいは連続的に投与し得る。本治療は、治療する疾患および腫瘍によって施術者により適用される。
【0078】
第5の態様により、本発明は、本発明による化合物またはこの医薬的に許容される塩もしくは水和物もしくは溶媒和物の有効量の患者への投与を含む、上で指摘した病状を治療する方法にも関する。
【0079】
実施例
以下の実施例は、本発明による幾つかの化合物の調製を例証する。例示された化合物の数は、本発明による幾つかの化合物の化学構造および物理的特性を例証する、以下の表に与えられたものが再度当てはまる。
【0080】
化合物をHPLC−UV−MSカップリング(液体クロマトグラフィー、紫外線(UV)検出および質量検出)によって分析した。使用した装置は、Agilentダイオードアレイ検出器およびWaters ZQシングル4重極質量分析計またはWaters Quattro−Microトリプル4重極質量分析計を装備した、Agilentクロマトグラフィーシステムで構成される。
【0081】
質量分析条件
分析した化合物のプロトン化から生じるイオン(MH)またはNa、Kなどの他のカチオンによる付加体の形成のイオンを観察するために、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)スペクトルを正エレクトロスプレー(ESI)モードで記録した。イオン化パラメータは次の通りである:コーン電圧:20V;キャピラリー電圧:3kV;ソース温度:120℃;脱溶媒和温度:450℃;脱溶媒和ガス:450l/hにてN
【0082】
HPLC条件は、以下の方法の1つから選択される:
【0083】
【表1】

【0084】
NMR条件
H NMRスペクトルはBruker Avance 250/Bruker Avance 400またはBruker Avance II 500分光計で記録した。DMSO−d6の中心ピーク(2.50ppm)を内部参照として使用する。以下の省略形を使用する:s:シングレット;d:ダブレット;dd:ダブルダブレット;t:トリプレット;q:クワドルプレット;m:未分解ピーク/マルチプレット;br.s:幅広シグナル。
【実施例1】
【0085】
1.1. 6−クロロ−2−エチルアミノニコチン酸
【0086】
【化28】

【0087】
丸底フラスコ内で、2,6−ジクロロニコチン酸26.1g(0.136mol)を70%エチルアミン水溶液180mlと混合する。混合物を室温(AT)にて5日間撹拌する。混合物を減圧(RP)下で蒸発させる。残渣を水100mlと共に取る。得られた生成物を氷浴を用いて冷却して、5N HCl溶液によってpH=3まで酸性化する。沈殿を濾別して、冷水で洗浄し、P上で60℃にて真空脱水させる。白色固体24.93g(91.4%)を得る。Mp=157から159℃。
【0088】
1.2. 6−クロロ−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド
【0089】
【化29】

【0090】
丸底フラスコ内で、6−クロロ−2−エチルアミノニコチン酸5.0g(24.92mmol)をTHF 300mlに溶解させた。トリエチルアミン10.41ml(74.77mmol)、次に2NメチルアミンTHF溶液14.95ml(29.91mmol)、続いてBOP 13.22g(29.91mmol)を添加する。混合物をATにて15時間撹拌する。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチルと共に取った。有機相を水で、次にNaCl飽和溶液で洗浄した。得られた生成物をNaSOで脱水し、濾過して、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(勾配DCM−MeOH 1から10%)、4.1gを得る(収率:77%)(LCMS−LS tr=1.19分)。
【0091】
1.3. 4−(6−エチルアミノ−5−メチルカルバモイルピリジン−2−イル)ブタ−3−イニル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0092】
【化30】

【0093】
6−クロロ−2−エチルアミノ−N−メチル−ニコチンアミド2.9g(3mmol)をDMF 20mlに溶解させる。tert−ブチルブタ−3−イン−1−イルカルバメート2.29g(13.57mmol)およびトリエチルアミン6.61ml(47.50mmol)を添加する。混合物をアルゴンによって30分間脱気して、次にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.47g(0.68mmol)およびCuI 0.13g(0.068mmol)を添加する。混合物を90℃にて加熱しながら12時間撹拌する。混合物を蒸発させ、残渣をCHCl(DCM)と共に取る;得られた生成物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する;得られた生成物を濾過して、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによってDCM 100/DCM−MeOH 90−10で精製する。2.5gを得る(収率=45%)。LCMS−LS:tr=2.15分。
【0094】
1.4. 6−(4−アミノブタ−1−イニル)−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド
【0095】
【化31】

【0096】
[4−(6−エチルアミノ−5−メチルカルバモイルピリジン−2−イル)ブタ−3−イニル]カルバミン酸tert−ブチルエステル2.5g(7.22mmol)をDCM 30mlに溶解させる。混合物を氷浴を使用して冷却して、TFA 11.12mlを添加する。混合物をATにて15時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって100 DCM/80−20 DCM−MeOHで精製する。0.8gを得る(収率=45%);LCMS−LS:tr=1.62分。
【0097】
1.5. 6−(4−アミノブチル)−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド
【0098】
【化32】

【0099】
6−(4−アミノブタ−1−イニル)−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド0.8g(3.25mmol)をエタノール50mlに溶解させ、混合物をATおよび常圧にて、10%Pd/C 0.07g(0.06mmol)の存在下で水素添加する。得られた生成物をWhatman濾紙で濾過して濾液を蒸発させた。0.76gを得る(収率=93.8%)(LCMS−LS:tr=1.52分)。
【0100】
1.6. エチル(2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート
【0101】
【化33】

【0102】
(E)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)アクリル酸エチルエステル1g(5.2mmol)をTHF 50mlに溶解させる。トリエチルアミン4.78ml(34.34mmol)およびDMAP 1.65g(13.01mmol)を添加する。混合物を0℃まで冷却して、次に、事前にTHF 5mlに溶解させたBocO 2.83g(13.01mmol)を滴加する。混合物をATに戻し、1時間撹拌して、次に75℃にて6時間加熱する。混合物を蒸発させ、残渣をDCMと共に取る;得られた生成物を水で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水する;濾液および蒸発を行う。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって100 DCM/95−5 DCM−MeOHで精製する。1.6gを得る(収率=80%)。
【0103】
1.7. (2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリル酸
【0104】
【化34】

【0105】
エチル(2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリレート1.2g(3.06mmol)をジオキサン50mlに溶解させ、事前に水1mlに溶解させたLiOH 0.22g(9.17mmol)を添加する。混合物を70℃にて3時間加熱する。混合物を濃縮して、最小量の水中に取り、次に混合物が沈殿するまで1N HCl溶液を滴加する。沈殿を濾別して、冷水で洗浄し、P上で60℃にて真空脱水させる。白色固体0.9g(81%)を得る。
【0106】
1.8. 6−{4−[(2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリロイルアミノ]ブチル}−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド
【0107】
【化35】

【0108】
丸底フラスコ内で、6−(4−アミノブチル)−2−エチルアミノ−N−メチル−ニコチンアミド0.59g(1.39mmol)をTHF 20mlに溶解させる。トリエチルアミン0.48ml(3.48mmol)、続いて(2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリル酸0.29g(1.16mmol)、次にBOP 0.47g(1.39mmol)を添加する。混合物をTAにて15時間撹拌する。溶媒を蒸発させて、残渣をDCMと共に取る。有機相を水で、次にNaCl飽和溶液で洗浄する。得られた生成物をNaSOで脱水して、濾過し、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(勾配DCM−MeOH 1%から15%)によって精製する。0.38gを得る(収率:55%)。
【0109】
1.9. 6−{4−[(E)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]ブチル}−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド
【0110】
【化36】

【0111】
6−{4−[(2E)−3−{6−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ピリジン−3−イル}アクリロイルアミノ]−ブチル}−2−エチルアミノ−N−メチルニコチンアミド0.3g(0.5mmol)をDCMに溶解させる;混合物を氷浴を使用して冷却して、トリフルオロ酢酸(TFA)30当量を添加する。得られた混合物をATにて12時間撹拌する。混合物を蒸発させて、残渣を10%NaCO溶液と共に取る。沈殿を濾別して、水で洗浄する。得られた生成物をP上で60℃にて真空脱水させる。0.17gを得る(収率=89%)。LCMS(TFA3)m/z=397 tr=0.57分。
【0112】
H NMR(250MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.13(t,3H)、1.37−1.54(m,2H)、1.59−1.78(m,2H)、2.56(t,2H)、2.72(d,3H)、3.17(q,2H)、3.33−3.48(m,2H)、6.26−6.60(m,5H)、7.26(d,1H)、7.58(d,1H)、7.77(d,1H)、7.88(t,1H)、8.06(s,1H)、8.18−8.43(m,2H)。
【0113】
以下の3つの他の化合物を実施例1と同じ方式で調製する:
【0114】
【化37】

【実施例2】
【0115】
[LCMS(TFA15)m/z=382 tr=4.83分;H NMR(250MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.07(t,3H)、1.31−1.51(m,2H)、1.55−1.73(m,2H)、2.52(t,2H)、2.67(d,3H)、3.16(q,2H)、3.28−3.41(m,2H)、6.36(d,1H)、6.67(d,1H)、7.33−7.52(m,2H)、7.73(d,1H)、7.92(d,1H)、8.11(t,1H)、8.20−8.37(m,2H)、8.51(d,1H)、8.71(d,1H)]。
【0116】
【化38】

【実施例3】
【0117】
[LCMS(TFA15)m/z=396 tr=5.05分;H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.15(d,6H)、1.42−1.54(m,2H)、1.61−1.75(m,2H)、2.58(t,2H)、2.72(d,3H)、3.21(q,2H)、4.13−4.24(m,1H)、6.39(d,1H)、6.72(d,1H)、7.39−7.49(m,2H)、7.77(d,1H)、7.91−7.99(m,1H)、8.15(t,1H)、8.26−8.38(m,2H)、8.55(dd,1H)、8.75(d,1H)]。
【0118】
【化39】

【実施例4】
【0119】
[LCMS(TFA3)m/z=411 tr=0.63分;H NMR(250MHz,DMSO-d6)d ppm 1.15(d,6H)、1.38−1.53(m,2H)、1.59−1.77(m,2H)、2.56(t,2H)、2.71(d,3H)、3.17(q,2H)、4.09−4.27(m,1H)、6.32(d,1H)、6.36(s,2H)、6.39(d,1H)、6.47(d、1H)、7.25(d,1H)、7.58(dd,1H)、7.77(d,1H)、7.88(t,1H)、8.05(d,1H)、8.24−8.38(m,2H)]。
【0120】
これらの4つの化合物に抗癌活性を決定するための薬理学的試験を受けさせた。これらはインビトロで以下の腫瘍系統:HCT116(ATCC−CCL247)およびPC3(ATCC−CRL1435)に対して試験した。増殖および細胞生存度を、Fujishita T.et al.,Oncology 2003,64(4),399−406に従って、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)を使用する試験で決定した。本試験では、試験化合物の72時間のインキュベーション後にMTSを着色化合物に変換するための生細胞のミトコンドリア容量を測定する。IC50は、増殖および細胞生存度の50%損失を生じる化合物の濃度を示す。
【0121】
これらの4つの化合物では、HCT116およびPC3系統でIC50<10nMが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中:
・ZおよびZ’は、NまたはCHを表し;
・Wは、−(C−C)アルキレン−CHCH−基を表し;
・Rは、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基またはフェニル基を表し;
・R’は、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは、
−(C−C)シクロアルキル基を表し;
−(C−C)アルキル基を表し;
○ 前記(C−C)アルキル基は、1個以上のヒドロキシル基または(C−C)アルコキシ基で場合により置換され、
○ 前記(C−C)アルキル基は、−NR基で場合により置換され, 前記−NR基中RおよびRは、互いに独立して、水素原子または(C−C)アルキル基を表すか、またはこれらと結合している窒素原子と一緒になって、(C−C)ヘテロシクロアルキル基を形成し、前記(C−C)ヘテロシクロアルキル基は、環中に、基−S(O)(q=0、1または2)または基−NHもしくは基−N(C−Cアルキル)を場合により含み、−OH、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)アルキル基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され、複数の置換基の場合は互いに同じでも異なっていてもよく;
・Rは、水素原子またはフッ素原子、(C−C)アルキル基または−NR(ここでRおよびRは、水素原子または(C−C)アルキル基を表す。)から選択される、ピリジン核の少なくとも1個の置換基を表す。)
【請求項2】
R’が水素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
−NR基によって形成された(C−C)ヘテロシクロアルキル基がピロリジニル(
【化2】

)、ピペリジニル(
【化3】

)、ピペラジニル(
【化4】

)またはN−(C−C)アルキルピペラジニル(
【化5】

)、アゼパニル(
【化6】

)、1−オキソ−チオモルホリニル(
【化7】

)、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル(
【化8】

)、3−ヒドロキシピペリジニル(
【化9】

)または4−ヒドロキシピペリジニル(
【化10】

)、4−メトキシピペリジニル(
【化11】

)、シス−3,5−ジメチルピペリジニル(
【化12】

)またはシス−2,6−ジメチルピペリジニル(
【化13】

)から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がピリジン核の位置5および/または6にある、請求項1から3の一項に記載の化合物。
【請求項5】
置換基Rの数が1に等しくおよび/またはRがピリジン核の位置5または6にある、請求項1から4の一項に記載の化合物。
【請求項6】
がHまたは−NHである、請求項1から5の一項に記載の化合物。
【請求項7】
Wが−(CH−を表し、mが1から6の間の整数である、請求項1から6の一項に記載の化合物。
【請求項8】
式(I’)の、請求項1に記載の化合物:
【化14】

(式中、Rは(C−C)アルキル基を表し、Rは請求項1または3で定義されたような−NR基によって場合により置換された(C−C)アルキル基を表し、Rは、ピリジン核の位置5または6に位置する、水素原子または請求項1もしくは6で定義されたような−NR基を表し、mは1から6の整数である。)
【請求項9】
が(C−C)アルキル基を表す、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
ピリジン核の2重結合がE型またはZ型である、請求項1から9の一項に記載の化合物。
【請求項11】
塩基のもしくは酸との付加塩の形の、または水和物のもしくは溶媒和物の形の、請求項1から10の一項に記載の化合物。
【請求項12】
2重結合がE型であり、塩基のもしくは酸との付加塩の形の、または水和物のもしくは溶媒和物の形であることができる、以下の1つから選択される化合物:
【化15】

【請求項13】
請求項1から12の一項に記載の化合物を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項14】
請求項1から12の一項に記載の化合物、および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項15】
抗癌剤としての、請求項1から12に記載の化合物。
【請求項16】
癌の治療または予防で使用する薬剤の製造のための、請求項1から12の一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−521395(P2012−521395A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501346(P2012−501346)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050489
【国際公開番号】WO2010/109115
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】