説明

抗癌薬としてのカスパーゼインヒビター

カスパーゼインヒビターおよび/または抗酸化剤組成物を含む、癌治療のための組成物および方法を開示する。非カスパーゼインヒビター抗癌薬を含む処方物も開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
I. 発明の背景
癌治療分野で最も必要とされているものの1つは、癌細胞の死滅を選択的に増強する手段を開発することである。癌患者に最も頻繁に使用されている治療方法は、放射線への曝露および/または化学療法であり、これは効果を得るために多数の正常な細胞を死滅させ、さらなる効果を得るためには、癌細胞よりも多くが死滅する。したがって、これらの治療薬の用量が制限される毒性は深刻な問題である。化学療法の副作用は多数あり、例えば、比較的良性の脱毛から骨髄毒性、認識機能障害、肝臓および腎臓の損傷、心臓の損傷、ならびに複数の他の器官系の損傷にまでわたる。非癌細胞に対する毒性が軽減された抗癌介入および正常な細胞の死滅が増大することなく非癌細胞も害し得る任意の抗癌治療による癌細胞の死滅を増強する試薬が必要である。これらのニーズを扱う組成物および方法を開示する。非癌細胞毒性が増大することなく癌細胞の成長を阻害する組成物および方法を開示する。非癌細胞に有毒な抗癌薬投与量を減少させても類似の量の抗癌活性が認められるので正常な細胞への全細胞毒性が減少する、任意の他の抗癌薬投与計画と組み合わせて作用する組成物および方法も開示する。
【発明の開示】
【0002】
II. 発明の概要
本発明の目的によれば、本明細書で実施および広範に記載するように、1つの局面では、本発明は、抗癌試薬に関する。
【0003】
本発明のさらなる利点は、以下の説明に一部記載されており、説明から一部が明白であるか、本発明の実施によって学ぶことができる。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲によって特に指摘された要素および組み合わせによって理解および達成される。上記の一般的説明および以下の詳細な説明は共に例示および例示のみを目的とし、特許請求の範囲に記載の本発明を制限しないと理解すべきである。
【0004】
本明細書に組み込まれ、且つ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、説明と併せて本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0005】
IV. 詳細な説明
本発明を、以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明およびこれに含まれる実施例ならびに図面およびその前後の説明を参照してより容易に理解することができる。
【0006】
本発明の化合物、組成物、物品、デバイス、および/または方法を開示および説明する前に、他で特定しない限り、特定の合成方法、特定の組換え生物工学法、または他で特定しない限り本発明は特定の試薬に制限されず、勿論、変化させることができると理解すべきである。本明細書で使用される専門用語は特定の態様の説明のみを目的とし、制限を意図しないとも理解すべきである。
【0007】
A.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」には、他で明確に記載されない限り、複数形が含まれる。したがって、例えば、用語「薬学的担体」には、2つまたはそれ以上のこのような担体の混合物などが含まれる。
【0008】
本明細書では、範囲を、「約」ある特定の値からおよび/または「約」別の特定の値までと表現することができる。範囲をこのように表現した場合、別の態様には、ある特定の値からおよび/または他の特定の値までが含まれる。同様に、値を「約」と表現する場合、先行詞「約」の使用により、特定の値が別の態様を形成すると理解される。各範囲の終点は有意に他の終点に関連し、且つ他の終点から独立するとさらに理解される。
【0009】
本明細書および特許請求の範囲では、多数の用語が参照され、これらは以下の意味を有すると定義されるべきである。
【0010】
「任意の」または「任意に」は、その後に記載される事象または環境が起こっても起こらなくてもよく、説明には前記事象または環境が起こる例および起こらない例が含まれることを意味する。
【0011】
B.組成物および方法
被験体の癌を治療するための組成物および方法を開示する。開示の組成物および方法は、制御されない細胞増殖または異常な細胞増殖を阻害することができる。開示の組成物および方法は、癌細胞の成長の遅延に有用である。開示の組成物および方法は、癌細胞の拡大の遅延に有用である。
【0012】
開示の組成部は、カスパーゼインヒビター、カスパーゼインヒビターの組み合わせ、または、より典型的には、カスパーゼインヒビターが1成分として存在する組成物の混合物のいずれかを示す。混合物には、典型的には、抗癌薬または抗癌薬の混合物(カスパーゼインヒビターまたはカスパーゼインヒビターの混合物と組み合わせた代謝拮抗薬、アルキル化剤、トポイソメラーゼインヒビター、または他の抗癌薬など)が含まれる。これらの混合物を、開示の方法(例えば、癌治療)で使用することができる。混合物には、任意の組み合わせの抗酸化剤(カスパーゼインヒビターと抗酸化剤との組み合わせなど)も含まれ得る。
【0013】
開示の組成物は、カスパーゼインヒビターを含む。カスパーゼインヒビターは、カスパーゼ活性を阻害する試薬である。カスパーゼは、アポトーシス性細胞死に関与するタンパク質ファミリーである。
【0014】
抗癌治療は、典型的には、細胞死を誘導または促進するようにデザインされる。異なる細胞死経路型が存在するが、これらは異なる細胞シグナル伝達経路に依存し、異なる酵素組を使用する。したがって、1つの経路の活性化を誘導することができる組成物は、必ずしも別の経路を標的できない。少なくとも3つの広範な細胞死型(壊死、アポトーシス、およびパラポトーシス(parapoptosis))が存在し、カスパーゼはアポトーシスとパラポトーシスの両方に関与する。一般的な概説については、例として、Wang and Lenardo,2000,Journal of Cell Science 113,753-757;Budihardjo et al.,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.1999.15:269-90;Sperandio et al.,2000,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,97:14376およびその参考文献を参照することができる。
【0015】
壊死は、遺伝子発現を必要としない細胞死形態である。これは、数ある局面のうち、細胞質空胞化およびミトコンドリアの膨張によって特徴付けられるが、核の断片化およびクロマチン凝縮によらない。ヌクレオソーム間のDNA断片化は認められず、TUNEL染色は通常認められない。カスパーゼ活性に関して、DEVD切断活性は重要でなく、カスパーゼ-3プロセシングも重要でないようである。PARP切断により、50〜62kDAのフラグメントが得られる(アポトーシスで起こる85kDaのフラグメントへの切断と対照的である)。zVAD.fmk、BAF、p35、xiapなどの試薬によって阻害されず、一般に、Bcl-xLによっても阻害されない。アクチノマイシンDまたはシクロヘキシミドによって阻害されない。
【0016】
アポトーシスは、遺伝子発現を必要とする細胞死形態である。これは、数ある局面のうち、核の断片化およびクロマチン凝縮によって特徴付けられる。ミトコンドリアの膨張は起こっても起こらなくても良い。ヌクレオソーム間のDNA断片化が認められ、TUNEL染色も同様である。カスパーゼ活性に関して、DEVD切断活性は重要であり、カスパーゼ-3プロセシングおよびPARP切断も同様である。zVAD.fmk、BAF、p35、xiap、Bcl-xLなどの試薬によって阻害される。遺伝子発現のインヒビターとして作用するアクチノマイシンDまたはシクロヘキシミドによって阻害され得る。
【0017】
パラポトーシスは、アポトーシスの要件を満たすことができない非アポトーシスプログラム細胞死の形態である(Sperandio S,de BelleI,Bredesen DE.An alternative,nonapoptotic form of programmed cell death.Proc Natl Acad Sci.USA.2000 Dec 19;97(26):14376-81)。この細胞死型は、カスパーゼインヒビターまたはBcl-xLによって阻害されないが、カスパーゼ-9酵素原の触媒変異体によって阻害される。カスパーゼ-9によって媒介されるパラポトーシス経路は、Apaf-1独立性であり、酵素原プロセシング部位の非アポトーシス的に活性な形態への変異によって阻害されない。これは、核断片化によって特徴付けられないが、クロマチン凝縮がいくらか起こり得る(しかし、アポトーシスよりは少ない)。ミトコンドリアの膨張が後期に起こり、細胞質空胞化が起こる。ヌクレオソーム間のDNA断片化が認められず、TUNEL染色も認められない。カスパーゼ活性に関して、DEVD切断活性は重要でなく、カスパーゼ-3プロセシングやPARP切断も重要でないことが明らかである。zVAD.fmk、BAF、p35、xiap、Bcl-xLなどの試薬によって阻害されない。対照的に、アクチノマイシンDまたはシクロヘキシミドによって阻害される。
【0018】
抗癌薬投与計画は、癌細胞を死滅または阻害するためのこれらの種々の経路をターゲティングすることができる。例えば、特定の癌細胞型がある経路を介して死滅する傾向がある場合、癌細胞をターゲティングするための試薬はこの特定の経路の活性化をターゲティングすることができる。同様に、非癌細胞がある細胞死型になる傾向がある場合、癌細胞を死滅させる場合でさえも、癌細胞に対する特異性を欠くので、この経路を活性化する試薬は好ましくない。
【0019】
1.組成物
開示の組成物の調製に使用する成分ならびに本明細書に開示の方法内で使用される組成物自体を開示する。これらおよび他の材料を本明細書に開示し、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などを開示する場合、それぞれの種々の個体の特定の言及およびこれらの化合物集団の並べ替えを明らかに開示できないので、それぞれ具体的に検討し、本明細書に記載されると理解される。例えば、特定のカスパーゼインヒビターを開示および考察する場合およびカスパーゼインヒビターを含む多数の分子から作製することができる多数の改変を考察する場合、特に反対に示されない限り可能なカスパーゼインヒビターおよび改変物のそれぞれおよび全ての組み合わせおよび並べ替えを特に検討する。したがって、分子クラスA、B、およびCならびに分子クラスD、E、およびFおよび組み合わせ分子の例(A-D)を開示する場合、それぞれが個別に引用されていない場合でも、それぞれ個別および集合的に検討され、意味する組み合わせ(A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、およびC-F)が開示されると見なす。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも開示する。従って、例えば、A-E、B-F、およびC-Eの下位集団が開示されると見なす。この概念を本願の全ての局面(開示のの組成物の作製および使用方法における段階が含まれるが、これらに限定されない)に適用する。したがって、実施することができる種々のさらなる段階が存在する場合、開示の方法の任意の特定の態様または態様の組み合わせを使用してこれらのさらなる各段階を実施することができると理解される。
【0020】
癌細胞におけるカスパーゼ機能の阻害にはこれらの細胞の死滅が誘導され得ることを本明細書に開示する。カスパーゼ阻害により癌患者で使用する治療投与計画によって誘導される癌細胞の死滅を増強することができることも開示する。カスパーゼインヒビターは正常な細胞(非形質転換細胞)に対して明らかな細胞傷害活性を示さず、実際に化学療法薬の細胞傷害効果から正常な(非形質転換)細胞を救済することができるので、これらを抗癌薬として単独で使用するか、癌細胞の死滅を選択的に増強するための他の抗癌薬投与計画への添加物として使用することができる。
【0021】
a)カスパーゼ
細胞死プロセスは、インターロイキン変換酵素(ICE)および酵素原としても公知のカスパーゼの発見により増強された。カスパーゼは、アポトーシスプロセスを誘発するためのカスケードで作用するシステインプロテアーゼファミリーである。これらの結果は、カスパーゼ活性化が形質転換細胞の機能に重要であることを示す。したがって、例えば、直接カスパーゼ阻害以外のこのような活性化の他の防止手段の同定は類似の治療の利点を有すると予想される。カスパーゼ-3、-6、および-7は、種々のアポトーシスインデューサー(腫瘍壊死受容体1ファミリーの細胞死受容体の活性化など)に応答する細胞の処分(execution)に関連する。これらの処分カスパーゼは、受容体活性化によって直接活性化されるだけでなく、カスパーゼ-8および-10などの上流イニシエーターのタンパク質分解活性によっても活性化される。典型的には、カスパーゼ-3は、カスパーゼ-6および-7の上流に存在し、カスパーゼ-8はカスパーゼ-3の上流に存在する。カスパーゼ-8はカスパーゼ-9も活性化することができる。カスパーゼ-9を、細胞死受容体の活性化以外のアポトーシス促進刺激によって活性化することもできる。同様に、カスパーゼ-9活性化により、処分カスパーゼならびにカスパーゼ-8およびカスパーゼ-10を活性化することができる。カスパーゼ-9自体を、パラプトーシスを誘導する個別の機構によって活性化することもできる。
【0022】
複数の生化学経路が細胞死およびカスパーゼを含む多数の細胞死経路に寄与し、アポトーシスまたは細胞死の他の形態の開始で重要な役割を果たす酵素が同定された。一般的な概説については、例として、Wang and Lenardo,2000,Journal of Cell Science 113,753-757;Budihardjo et al.,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.1999.15:269-90;Sperandio et al.,2000,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,97:14376およびこれらに含まれる参考文献を参照することができる。カスパーゼファミリー内でさえ、異なるカスパーゼが、異なる細胞死型および/または異なる細胞集団の中心となり得る。癌細胞は、細胞死を開始することができる代謝バランスだけでなく、死滅プロセスで使用されるエフェクター経路においても正常細胞と異なり得る。腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)がカスパーゼ-9依存機構によってヒト肝細胞での細胞死を誘導することを証明した研究によってこれが示される。カスパーゼ-9インヒビターZ-LEHD-FMKは、TRAIL関連毒性から肝細胞を有効に防御する。対照的に、このインヒビターは、SW480(結腸腺癌)細胞株およびH460(非小細胞肺癌)細胞株をTRAIL誘導死から防御しなかった。典型的には、カスパーゼ8および9は異なって調節され、カスパーゼ8はFas関連経路によって切断され、カスパーゼ9は広範なアポトーシス刺激(カスパーゼ8活性化の結果)を介して切断される(例えば、概説として、Budihardjo,I.,Oliver,H.,Lutter,M.,Luo,X.,and Wang,X.Biochemical pathways of caspase activation during apoptosis.,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.15:269-290,1999 and Kruidering,M.and Evan,G.I.Caspase-8 in apoptosis:the beginning of "the end.",IUBMB Life.50:85-90,2000)。
【0023】
(1)カスパーゼ阻害
カスパーゼ構造の知識およびその重要性の認識により、広範な種々のカスパーゼインヒビターが開発されている。全てのカスパーゼの活性化を停止させるパン-カスパーゼインヒビターおよび各カスパーゼの特異的インヒビターを開発することが可能である。特に、カスパーゼ8、9、3、および1の特異的インヒビターが存在する。いくつかのペプチドベースのインヒビター、主にテトラペプチド-インヒビターがデザインされている(例えば、Cryns and Yuan,1998,Genes Dev.12:1551:Talanian et al.,1997,J.Biol.Chem.272:9677;Garcia-Calvo et al.,1998,J.Biol.Chem.273:32608に記載されている)。ペプチド配列は、特定のカスパーゼによって切断される基質の認識配列に基づく。例えば、テトラペプチドアルデヒドAc-YVAD-CHOは、プロ-IL-1β切断部位に基づくのでカスパーゼ-1の強力なインヒビターであり、PARP切断部位を含むアルデヒドテトラペプチド(c-DEVD-CHO)はカスパーゼ-3を優先的に(しかし、特異的ではない)阻害する。例えば、R&D Systemのカスパーゼインヒビターサンプルパックカタログ番号FMKSP01(3/13/00発行)、Pharmingen,Inc.および本発明の関連技術の当業者に周知の複数の他の企業のカスパーゼインヒビターの文献に記載のように、ペプチドベースのインヒビターは、全てのカスパーゼに利用可能である。ペプチドz-VAD-fmkは、広範なカスパーゼインヒビターである。典型的には、カスパーゼインヒビターは、アポトーシスによる細胞死プロセスの妨害能力によって特徴付けられる。例えば、(Schlegel et al.,1996,J.Biol.Chem.,271:1841;Martins et al.,1997,J.Biol.Chem.272:7421;Huany et al.,1999,Mol.Cell.Biol.19:2986;Guo and Kyprianou,1999,Cancer Res.59:1366;Ulaisincharoen et al.,1999,Clin.Exp.Immunol.116:41;Zaks et al,1999,J.Immunol.162:3273;Gastman et al.,1999,Cancer Res.59:1422)などの参考文献に記載のように、カスパーゼインヒビターは、正常細胞および腫瘍細胞株の細胞死の防止が報告されている。したがって、これらのカスパーゼインヒビターの有効性が広範に試験されている。
【0024】
プロT細胞の増幅におけるカスパーゼ活性化も示されており、カスパーゼは抗CD3刺激後に一次T細胞において活性化され、この活性化は増殖応答に必要なようである。NIH3T3細胞は腫瘍壊死因子作用およびFas関連細胞死ドメインタンパク質/カスパーゼ-8シグナル伝達の阻害による他の細胞死誘導リガンドに対して感作されることが示されている。細胞は、細胞周期のG2/M期での蓄積を示すが、さらなる進行の代わりに死滅し、カスパーゼ-3活性の欠如にもかかわらずアポトーシスのいくつかの特徴を示す。TNFの作用に対する感作はまた、NIH3T3細胞のzVAD.fmk(広範なカスパーゼインヒビター)への曝露に関連した(Luschen et al,.2000,J.Biol.Chem.275:24670)。本願に関して、細胞死ドメイン受容体およびそのアダプタータンパク質(Fas関連細胞死ドメインタンパク質など)との特異的相互作用に関してデータを解釈することが重要である。
【0025】
上記研究と対照的に、細胞死受容体誘発によって誘導されたアポトーシスがFADDもしくはカスパーゼ-8のドミナントネガティブ形態の過剰発現またはいずれかのカスパーゼもしくは、いくつかの細胞では、ミトコンドリアシトクロムc放出の阻害によって遮断されることが示されている(Hsu,H.,Shu,H.B.,Pan,M.G.,and Goeddel,D.V.(1996)Cell 84,299-308,Boldin,M.P.,Goncharov,T.M.,Goltsev,Y.V.,and Wallach,D.(1996)Cell 85,803-815,Wajant,H.,Johannes,F.J.,Haas,E.,Siemienski,K.,Schwenzer,R.,Schubert,Y.G.,Weiss,T.,Grell,M.,and Scheurich,P.(1998)Curr.Biol.8,113-116;Scaffidi,C.,Fulda,S.,Srinivasan,A.,Friesen,C.,Li,F.,Tomaselli,K.J.,Debatin,K.-M.,Krammer,P.H.,and Peter,M.E.(1998)EMBO J.17,1675-1687)。実際、Luschen et al.による研究では、カスパーゼ-8阻害はHELA細胞に対して無毒であり、実際、これらの細胞をTNF誘導アポトーシスから防御することが認められた。しかし、U937細胞の場合、カスパーゼ-8阻害は腫瘍壊死因子に対する感受性も増加することができることが報告されている(Khwaja,A.,and Tatton,L.(1999)J.Biol.Chem.274,36817-36823)。しかし、これに関して、その名称にもかかわらず、腫瘍壊死因子自体は少数の癌細胞に対してしか細胞傷害性を示さないことに留意することが重要である。NIH3T3細胞およびU937細胞のカスパーゼ-8阻害によるTNF媒介細胞死の増強が、原則では明らかにされない特別な場合であると見なされるようである。対照的に、本発明では、非常に異なる細胞傷害薬クラス(これらは化学療法薬である)に注意を払っている。さらに、本発明で提供した例は、Luschen and othersの研究と対照的に、カスパーゼ-3およびカスパーゼ-9の阻害も含まれることを本発明者らが発見した原則の拡大を証明する。さらに、Luschen et al.の研究では、ラジカルスカベンジャーであるブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)での前処理により、NIH3T3細胞が腫瘍壊死因子とカスパーゼ-8阻害との組み合わせによって誘導される細胞傷害性から防御され、本発明の例は、カスパーゼ-8阻害と抗酸化剤の適用との組み合わせ自体が癌細胞に有毒であることを示す。
【0026】
開示の方法および他の非カスパーゼインヒビター抗癌薬と組み合わせで使用することができる多数の異なるカスパーゼインヒビターが存在する。多数の刊行物および特許は、ペプチドベースのインヒビターであり得るか小分子インヒビターであり得る広範なインヒビターの詳細な要旨を提供し、以下は例であり、カスパーゼ阻害に関する材料について参照として本明細書に組み入れられる。本発明の内容に等しく関与する広範なカスパーゼインヒビターの作製アプローチを証明する制限を意図しない非包括的な例を以下に示す。
【0027】
米国特許第6,197,750号(Karanewsky,et al.)は、システインプロテアーゼのICE/ced-3ファミリーのインヒビターとしてのC末端修飾オキサミルジペプチドを記載する。
【0028】
米国特許第6,242,422号(Karanewsky,et al.)は、システインプロテアーゼのice/ced-3ファミリーの(置換)アシルジペプチジルインヒビターを記載する。
【0029】
米国特許第6,187,771号(Karanewsky,et al.)は、酵素のICE/ced-3プロテアーゼファミリーの阻害のための三環系化合物を記載する。本発明の化合物を、高次構造が制限されたジペプチド模倣物に組み込む。この模倣物は、そのペプチド対応物と比較して改良された性質(例えば、生物学的利用能を増強させる吸収および安定性の改良など)を示す。
【0030】
カスパーゼのジペプチドインヒビターの例は、システインプロテアーゼのICE/ced-3ファミリーのインヒビターとしてC末端修飾(N置換)-2-インドリルジペプチドを記載した米国特許第6,184,244号(Karanewsky,et al.)に記載されている。
【0031】
カスパーゼの修飾ジペプチドインヒビターの他の例は、カスパーゼ-3のインヒビターとしてγ-ケト酸ジペプチドを記載した米国特許第6,225,288号(Han,et al.)に示されている。
【0032】
その発現の阻害(例えば、特定のカスパーゼをコード化するRNAを特異的に分解するためのアンチセンス化合物の使用)によって、カスパーゼを調整することもできる。カスパーゼ発現自体の調整によるカスパーゼ活性を調整するためのこのようなアプローチの例は、カスパーゼ3発現のアンチセンス調整を記載した米国特許第6,303,374号(Zhang,et al)およびカスパーゼ8発現のアンチセンス調整を記載した米国特許第6,258,600号(Zhang,et al)に記載されている。
【0033】
カスパーゼ活性の阻害に加えて、類似の結果はカスパーゼ発現の減少によって得られると予想される。このような発現を、例えば、mRNAの発現または機能を破壊するテクノロジーの使用によって減少させることができる。このようなテクノロジーには、抗アンチセンスRNA(触媒性および非触媒性の両方)、RNA阻害、カスパーゼプロモーター由来の発現の直接阻害、および当業者に自明の他のこのようなアプローチが含まれる。
【0034】
(2)非カスパーゼインヒビター抗癌薬
開示の組成物および組成物の使用方法には、カスパーゼインヒビターでもない抗癌薬の使用が含まれ得る。本明細書に開示される、カスパーゼインヒビターではなく抗癌薬である組成物を有するカスパーゼインヒビターである組成物の組み合わせは、望ましい抗癌活性を有し得る。開示の組成物中に任意の抗癌薬を含め、開示の方法で使用することができる。用語「非カスパーゼ抗癌薬」は、カスパーゼインヒビターが本明細書に開示の抗癌薬ではないことを示すことを意味せず、カスパーゼインヒビターは抗癌薬としても作用することができる。むしろ、非カスパーゼインヒビター抗癌薬は、カスパーゼインヒビターとして機能しないが抗癌活性を有する組成物をいう。典型的には、非カスパーゼインヒビター抗癌薬は、非癌細胞および癌細胞の死滅に影響を与えるが、本発明の組成物および方法で使用した非カスパーゼインヒビター抗癌薬はこの効果を有する必要はない。したがって、典型的には、非カスパーゼ抗癌薬は、非癌細胞に対して有毒である。
【0035】
カスパーゼインヒビター活性も有さないと理解されている多数の抗癌薬型が存在する。例えば、非カスパーゼインヒビター抗癌薬には、例えば、DNA相互作用薬(DNA介入剤など)、DNAアルキル化剤、およびDNA鎖破壊剤、DNAトポイソメラーゼIIインヒビター、代謝拮抗薬、およびチューブリン相互作用薬が含まれ得る。
【0036】
DNA相互作用薬の非限定的な例には、アルキル化剤(シスプラチン、シクロホスファミド、アルトレタミンなど)、DNA鎖破壊剤(ブレオマイシンなど)、および介入(intercalating)トポイソメラーゼIIインヒビター(ダクチノマイシンおよびドキソルビシンなど)、非介入トポイソメラーゼIIインヒビター(エトポシドおよびテニポシドなど)、およびDNA小溝結合剤(minor groove binder)プリカマイシンが含まれ得る。
【0037】
DNAアルキル化剤は、細胞DNA、RNA、タンパク質分子、小アミノ酸、グルタチオン、および類似の化学物質と共有結合化学付加物(adduct)を形成する。一般に、これらのアルキル化剤は、細胞構成要素(核酸、タンパク質、アミノ酸、またはグルタチオン中のアミノ、カルボキシ、ホスフェート、スルフヒドリル基など)中の求核原子と反応する。
【0038】
典型的なアルキル化剤には、ナイトロジェンムスターゼ(クロラムブシル、シクロホスファミド、イソファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタードなど;アジリジン(チオテパなど);メタンスルホン酸エステル(ブスルファンなど);ニトロソ尿素(カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシンなど);白金複合体(シスプラチン、カルボプラチンなど);生体還元アルキル化剤(マイトマイシン、プロカルバジン、デカルバジン、およびアルトレタミンなど)が含まれる。
【0039】
非限定的なDNAトポイソメラーゼIIインヒビターのリストには、介入剤(アムサクリン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、およびミトザントロンなど);非介入剤(エトポシドおよびテニポシドなど)が含まれる。代謝拮抗薬は、典型的には、2つの主要な機構のうちの一方または他方によって核酸産生を妨害する。第1に、いくつかの代謝拮抗薬は、DNA合成の中間前駆体であるデオキシリボヌクレオシド三リン酸の産生を阻害し、それによりDNA複製が阻害される。第2に、いくつかの代謝拮抗薬は、同化ヌクレオチド経路中でこれらを置換することができるプリンまたはピリミジンに十分に類似している。次いで、これらのアナログを、その通常の対応物の代わりにDNAおよびRNAに置換することができる。本明細書中で有用な代謝拮抗薬の例には、葉酸アンタゴニスト(メトトレキセートなど)、およびトリメトレキサートピリミジンアナログ(フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、CB3717、アザシチジン、シタラビンなど)、およびフロキシウリジンプリンアンタゴニスト(メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビン、ペントスタチンが含まれる)、糖修飾アナログ(シクトラビン(Cyctrabine)、フルダラビンが含まれる)、およびリボヌクレオチドレダクターゼインヒビター(ヒドロキシ尿素が含まれる)が含まれる。
【0040】
ファルネシルトランスフェラーゼインヒビターも有用な抗癌薬である。ファルネシルトランスフェラーゼインヒビターを使用して、シグナル伝達分子のファルネシル化を防止し、それにより、細胞膜へ組み込む必要性が無くなる。例えば、米国特許第6,218,406号に記載のように、複数のファルネシルトランスフェラーゼインヒビターが同定されている。
【0041】
チューブリン相互作用薬も有用な抗癌薬である。チューブリン相互作用薬は、チューブリン(重合して細胞微小管を形成するタンパク質)上の特定の部位への結合によって作用する。微小管は、重要な細胞構造単位である。相互作用薬がタンパク質上に結合した場合、細胞は微小管を形成することができない。チューブリン相互作用薬には、ビンクリスチンおよびビンブラスチン(共にアルカロイド)ならびにパクリタキセルが含まれる。
【0042】
副腎皮質ステロイドも有用な抗癌薬と見なされる。副腎皮質ステロイドは、天然の副腎コルチゾールまたはヒドロコルチゾールに由来する。その抗炎症性ならびにいくつかの有糸分裂の阻害能力およびDNA合成の停止能力のためにこれらを使用する。これらの化合物には、プレドニゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾロンが含まれる。
【0043】
他の抗癌薬には、例えば、以下が含まれ得る。ヒドロキシ尿素は、主に酵素リボヌクレオチドレダクターゼの阻害によって作用するようである。アスパラゲナーゼは、アスパラギンを非機能的アスパラギン酸に変換し、それにより腫瘍中でのタンパク質合成を阻害する酵素である。通常、腫瘍塊を実質的に減少させるためにホルモン剤および黄体形成ホルモン(leutinizing hormone)を使用しない。しかし、これらを化学療法薬またはベンズイミダゾールと組み合わせて使用することができる。
【0044】
ホルモン遮断薬も癌および腫瘍の治療で有用である。ホルモン感受性腫瘍でこれらを使用し、これらは、通常天然の供給源に由来する。これらには、以下が含まれる:エストロゲン、抱合エストロゲン、エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、およびイデネストロール;プロゲスチン(カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、およびメゲストロールなど);アンドロゲン(テストステロン、プロピオン酸テストステロンなど)、フルオキシメステロン、メチルテストステロン;黄体形成ホルモン放出ホルモン薬またはゴナドトロピン放出ホルモンアンタゴニストが前立腺癌の治療で主に使用される。これらには、酢酸ロイプロリドおよび酢酸ゴセレリンが含まれる。これらは、精巣のステロイド生合成を防止する。
【0045】
抗ホルモン薬には、抗エストロゲン薬(タモキシフェンなど);抗アンドロゲン薬(フルタミドなど);および抗アドレナリン薬(ミトタンおよびアミノグルテチミドなど)が含まれる。
【0046】
さらに別のクラスの潜在的な抗腫瘍薬は、サイクリン依存性キナーゼインヒビターの一般的なクラスである。このような化合物の例には、米国特許第6,262,096号に記載のアミノチアゾールインヒビターが含まれる。
【0047】
抗腫瘍薬として、強力な細胞傷害性を有する新規のアルキルケトン化合物が記載されており(米国特許第6,251,882号(少なくとも抗癌化合物およびアルキルケトン化合物に関する材料において参照として本明細書に組み入れられる))、白血病および乳癌細胞に対して特に有用である。シグナル伝達分子のインヒビター(グリベック、チルホスチン)および細胞分裂および/または細胞生存に関与するシグナル伝達事象のカスケードを妨害する他のこのようなインヒビターは、癌治療薬のさらに別の例を示す。
【0048】
これらは代表的な組成物であり、示さない限り抗癌薬はこれらに制限されないと理解される。さらに、本明細書に開示の各抗癌組成物もまたそれぞれ本明細書に開示されると理解される。
【0049】
(3)抗酸化剤
抗酸化剤はまた、抗腫瘍活性を有することが示されており、開示の混合物中で任意の組み合わせで使用することができる。
【0050】
一般に、抗酸化剤は、酸素と反応し、酸化中間体と反応する化合物である。抗酸化剤は典型的には酸素と反応するので、典型的には、抗酸化剤は遊離基発生物(generator)および遊離基とも反応する("The Antioxidants--The Nutrients that Guard Your Body"by Richard A.Passwater,Ph.D.,1985,Keats Publishing Inc.(少なくとも抗酸化剤に関する材料において参照として本明細書に組み入れられる))。組成物は、任意の抗酸化剤を含むことができ、非限定的なリストには、非フラボノイド抗酸化剤、遊離基を直接捕捉することができる栄養素(マルチカロテン、β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン(zeanthins)、セレン、ビタミンE(α-、β-、およびγ-(トコフェロール、特に、α-トコフェロールなど)が含まれる)、コハク酸ビタミンE、トロロックス(可溶性ビタミンEアナログ)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸、およびニコチンアミド)、ビタミンA、13-シスレチノイン酸、N-アセチル-L-システイン(NAC)、他のグルタチオンプロドラッグ、アスコルビン酸ナトリウム、ピロリジン-ジチオ-カルバメート、およびコエンザイムQ10が含まれる);遊離基の破壊を触媒する酵素(ペルオキシダーゼ(H2O2に対して作用するグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPX)など)、H2O2に対して作用するカタラーゼ(CAT)を含む有機過酸化物など、O2H2O2を不均衡にするスーパーオキシドジムスターゼ(SOD);グルタチオントランスフェラーゼ(GSHTx)、グルタチオンレダクターゼ(GR)、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)、ならびにその模倣物、アナログ、およびポリマー(SODなどの抗酸化酵素のアナログおよびポリマーは、例えば、米国特許出願第5,171,680号(少なくとも抗酸化剤および抗酸化酵素に関連する材料において参照として本明細書に組み入れられる)));グルタチオン;セルロプラスミン;システイン、システアミン(β-メルカプトエチルアミン)、フラボノイド、葉酸および葉酸塩のようなフラボノイド様分子、ならびに反応性酸化中間体による損傷に対するスピントラップ保護基が含まれるが、これらに限定されない。抗酸化酵素およびその模倣物ならびに抗酸化栄養素の概説を、Kumar et al,Pharmac.Ther.Vol 39:301,1988 and Machlin L.J.and Bendich,F.A.S.E.B.Journal Vol.1:441-445,1987(抗酸化剤に関連する材料において参照として本明細書に組み入れられる)に見出すことができる。さらに、細胞の酸化還元電位を、PPARの調節によって生じるペルオキシソーム機能の調節によって操作することができる。したがって、本発明の1つの態様として、細胞中のより高い還元状態を促進するために選択したPPARレギュレーターの組み合わせ(例えば、PPAR-αアンタゴニストまたはPPAR-γアゴニスト)を、より一般的に使用されている抗酸化剤に加えてまたはその代わりに使用することができる。
【0051】
「フェニルクロモン」としても公知のフラボノイドは、抗酸化特性を有する天然に存在する水溶性化合物である。フラボノイドは維管束植物に広く分布し、多数の野菜、果物、ならびに茶およびワイン(特に、赤ワイン)などの飲料で見出される。フラボノイドは、抱合した芳香族化合物である。最も広く存在するフラボノイドは、フラボンおよびフラボノール(例えば、ミリセチン(3,5,7,3',4',5',-ヘキサヒドロキシフラボン)、ケルセチン(3,5,7,3',4'-ペンタヒドロキシフラボン)、ケンフェロール(3,5,7,4'-テトラヒドロキシフラボン)、フラボン(アピゲニン(5,7,4'-トリヒドロキシフラボン)およびルテオリン(5,7,3',4'-テトラヒドロキシフラボン))、そのグリコシドならびにケルセチン)である。
【0052】
b)抗癌処方物
開示の組成物は、カスパーゼインヒビターを含む。本明細書で開示されるように、カスパーゼインヒビターは、単独で投与した場合、抗癌活性を有するが、カスパーゼインヒビターは他の抗癌治療(化学療法、放射線療法、手術、および他の癌治療との組み合わせが含まれる)と組み合わせて投与される有用な化合物でもある。カスパーゼインヒビターを、非カスパーゼインヒビター抗癌薬および/または抗酸化剤と組み合わせることができると理解される。カスパーゼインヒビター、非カスパーゼインヒビター抗癌薬、および抗酸化剤も任意の組み合わせで使用することができると理解される。例えば、異なる抗酸化剤の組み合わせを、一つまたは複数の異なるカスパーゼインヒビターと組み合わせて使用することができる。同様に、異なる非カスパーゼインヒビター抗癌薬の組み合わせを一つまたは複数の異なるカスパーゼインヒビターと組み合わせて使用することができる。さらに、本明細書に開示の組み合わせはカスパーゼインヒビターの任意の組み合わせを含み得ると理解される。
【0053】
(1)カスパーゼインヒビター単体
抗癌治療を必要とする被験体への投与のためのカスパーゼインヒビター処方物を本明細書に開示する。本明細書で考察されるように、任意の薬学的に許容される担体および処方物を使用することができる。本明細書で開示されるように、抗癌治療で使用するために、カスパーゼインヒビターは、カスパーゼ活性を阻害する同一濃度(例えば、アポトーシスを阻害する濃度)で活性を有する。
【0054】
(2)カスパーゼインヒビター+非カスパーゼインヒビター抗癌薬処方物
開示の組成物は、カスパーゼインヒビターと他の非カスパーゼインヒビター抗癌薬との混合物を含む。非カスパーゼインヒビター抗癌薬は、典型的には非癌細胞および癌細胞に対して細胞死を引き起こし得ると当技術分野において理解される。本発明の組成物の混合物は、抗癌活性レベルが得られる濃度の非カスパーゼインヒビター抗癌薬のみを含む処方物と比較して混合物がより低い濃度の非カスパーゼインヒビター抗癌薬を含む場合でさえ非カスパーゼインヒビター抗癌薬のみと類似の抗癌活性レベルを得ることができるので、非カスパーゼインヒビター抗癌薬の毒作用を、本発明の組成物の混合物によって減少させることができる。
【0055】
カスパーゼインヒビターの処方物には、カスパーゼ活性が阻害される(例えば、非癌細胞のアポトーシスが阻害される)濃度が含まれ得る。さらに、処方物には、非カスパーゼインヒビター抗癌薬の任意の治療処方物が含まれ得る。しかし、開示の組成物および処方物の1つの利点は、非カスパーゼインヒビター抗癌薬をカスパーゼインヒビターと共に投与した場合、非カスパーゼインヒビター抗癌薬の用量を減少させながら同一の治療癌細胞死滅レベルを保持することができることである。
【0056】
カスパーゼインヒビターと非カスパーゼインヒビター抗癌薬との組み合わせのこの有益な効果に取り組む1つの方法は、単独で使用する非カスパーゼインヒビター抗癌薬の少なくとも約99%または少なくとも約98%または少なくとも約97%または少なくとも約96%または少なくとも約95%または少なくとも約94%または少なくとも約93%または少なくとも約92%または少なくとも約91%または少なくとも約90%または少なくとも約89%または少なくとも約88%または少なくとも約87%または少なくとも約86%または少なくとも約85%または少なくとも約84%または少なくとも約83%または少なくとも約82%または少なくとも約81%または少なくとも約80%または少なくとも約79%または少なくとも約78%または少なくとも約77%または少なくとも約76%または少なくとも約75%または少なくとも約74%または少なくとも約73%または少なくとも約72%または少なくとも約71%または少なくとも約70%または少なくとも約69%または少なくとも約68%または少なくとも約67%または少なくとも約66%または少なくとも約65%または少なくとも約64%または少なくとも約63%または少なくとも約62%または少なくとも約61%または少なくとも約60%または少なくとも約59%または少なくとも約58%または少なくとも約57%または少なくとも約56%または少なくとも約55%または少なくとも約54%または少なくとも約53%または少なくとも約52%または少なくとも約51%または少なくとも約50%または少なくとも約49%または少なくとも約48%または少なくとも約47%または少なくとも約46%または少なくとも約45%または少なくとも約44%または少なくとも約43%または少なくとも約42%または少なくとも約41%または少なくとも約40%または少なくとも約39%または少なくとも約38%または少なくとも約37%または少なくとも約36%または少なくとも約35%または少なくとも約34%または少なくとも約33%または少なくとも約32%または少なくとも約31%または少なくとも約30%または少なくとも約29%または少なくとも約28%または少なくとも約27%または少なくとも約26%または少なくとも約25%または少なくとも約24%または少なくとも約23%または少なくとも約22%または少なくとも約21%または少なくとも約20%または少なくとも約19%または少なくとも約18%または少なくとも約17%または少なくとも約16%または少なくとも約15%または少なくとも約14%または少なくとも約13%または少なくとも約12%または少なくとも約11%または少なくとも約10%または少なくとも約9%または少なくとも約8%または少なくとも約7%または少なくとも約6%または少なくとも約5%または少なくとも約4%または少なくとも約3%または少なくとも約2%または少なくとも約1%を有する処方物を生成することである。
【0057】
カスパーゼインヒビターと非カスパーゼインヒビター抗癌薬との組み合わせのこの有益な効果に取り組む1つの方法は、単独で使用した場合に、全力価で使用した場合に全用量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬が製造する癌細胞死滅活性の少なくとも約99%または少なくとも約98%または少なくとも約97%または少なくとも約96%または少なくとも約95%または少なくとも約94%または少なくとも約93%または少なくとも約92%または少なくとも約91%または少なくとも約90%または少なくとも約89%または少なくとも約88%または少なくとも約87%または少なくとも約86%または少なくとも約85%または少なくとも約84%または少なくとも約83%または少なくとも約82%または少なくとも約81%または少なくとも約80%または少なくとも約79%または少なくとも約78%または少なくとも約77%または少なくとも約76%または少なくとも約75%または少なくとも約74%または少なくとも約73%または少なくとも約72%または少なくとも約71%または少なくとも約70%または少なくとも約69%または少なくとも約68%または少なくとも約67%または少なくとも約66%または少なくとも約65%または少なくとも約64%または少なくとも約63%または少なくとも約62%または少なくとも約61%または少なくとも約60%または少なくとも約59%または少なくとも約58%または少なくとも約57%または少なくとも約56%または少なくとも約55%または少なくとも約54%または少なくとも約53%または少なくとも約52%または少なくとも約51%または少なくとも約50%または少なくとも約49%または少なくとも約48%または少なくとも約47%または少なくとも約46%または少なくとも約45%または少なくとも約44%または少なくとも約43%または少なくとも約42%または少なくとも約41%または少なくとも約40%または少なくとも約39%または少なくとも約38%または少なくとも約37%または少なくとも約36%または少なくとも約35%または少なくとも約34%または少なくとも約33%または少なくとも約32%または少なくとも約31%または少なくとも約30%または少なくとも約29%または少なくとも約28%または少なくとも約27%または少なくとも約26%または少なくとも約25%または少なくとも約24%または少なくとも約23%または少なくとも約22%または少なくとも約21%または少なくとも約20%または少なくとも約19%または少なくとも約18%または少なくとも約17%または少なくとも約16%または少なくとも約15%または少なくとも約14%または少なくとも約13%または少なくとも約12%または少なくとも約11%または少なくとも約10%または少なくとも約9%または少なくとも約8%または少なくとも約7%または少なくとも約6%または少なくとも約5%または少なくとも約4%または少なくとも約3%または少なくとも約2%または少なくとも約1%を生成する量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬を有する処方物を生成することである。
【0058】
カスパーゼインヒビターと非カスパーゼインヒビター抗癌薬との組み合わせのこの有益な効果に取り組む別の方法は、同一の治療効果を得るために単独で使用した場合の非カスパーゼインヒビター抗癌薬によって死滅する非癌細胞の少なくとも約99%または少なくとも約98%または少なくとも約97%または少なくとも約96%または少なくとも約95%または少なくとも約94%または少なくとも約93%または少なくとも約92%または少なくとも約91%または少なくとも約90%または少なくとも約89%または少なくとも約88%または少なくとも約87%または少なくとも約86%または少なくとも約85%または少なくとも約84%または少なくとも約83%または少なくとも約82%または少なくとも約81%または少なくとも約80%または少なくとも約79%または少なくとも約78%または少なくとも約77%または少なくとも約76%または少なくとも約75%または少なくとも約74%または少なくとも約73%または少なくとも約72%または少なくとも約71%または少なくとも約70%または少なくとも約69%または少なくとも約68%または少なくとも約67%または少なくとも約66%または少なくとも約65%または少なくとも約64%または少なくとも約63%または少なくとも約62%または少なくとも約61%または少なくとも約60%または少なくとも約59%または少なくとも約58%または少なくとも約57%または少なくとも約56%または少なくとも約55%または少なくとも約54%または少なくとも約53%または少なくとも約52%または少なくとも約51%または少なくとも約50%または少なくとも約49%または少なくとも約48%または少なくとも約47%または少なくとも約46%または少なくとも約45%または少なくとも約44%または少なくとも約43%または少なくとも約42%または少なくとも約41%または少なくとも約40%または少なくとも約39%または少なくとも約38%または少なくとも約37%または少なくとも約36%または少なくとも約35%または少なくとも約34%または少なくとも約33%または少なくとも約32%または少なくとも約31%または少なくとも約30%または少なくとも約29%または少なくとも約28%または少なくとも約27%または少なくとも約26%または少なくとも約25%または少なくとも約24%または少なくとも約23%または少なくとも約22%または少なくとも約21%または少なくとも約20%または少なくとも約19%または少なくとも約18%または少なくとも約17%または少なくとも約16%または少なくとも約15%または少なくとも約14%または少なくとも約13%または少なくとも約12%または少なくとも約11%または少なくとも約10%または少なくとも約9%または少なくとも約8%または少なくとも約7%または少なくとも約6%または少なくとも約5%または少なくとも約4%または少なくとも約3%または少なくとも約2%または少なくとも約1%のみを死滅させる(または死滅させない)処方物を生成することである。
【0059】
上記段落は、包括を意図しないが、単独で使用される非カスパーゼインヒビター抗癌薬量の減少率に取り組むことによって、開示の組成物が同一の治療効果を得るために必要な非カスパーゼインヒビター抗癌薬の量を減少させる能力に取り組む。または、処方物中で使用することができる非カスパーゼインヒビターの量を、単独で使用した場合に得られる非カスパーゼインヒビター抗癌薬の死滅活性率を得ることによっても取り組むことができる。例えば、処方物は、全用量の同一の試薬によって死滅する癌細胞の50%を死滅させる非カスパーゼインヒビター抗癌薬量を含み得る。簡単に述べれば、上記の変化量および上記で考察した比率をここでは繰り返さないが、この制限を開示したと見なす。したがって、「単独で使用される非カスパーゼインヒビター抗癌薬量の減少率」と比較して異なる比率のリストのみに関して、それぞれおよび全ての開示された比率もまた「単独で使用した場合に得られる非カスパーゼインヒビター抗癌薬の死滅活性の比率」に関する制限と組み合わせて利用可能であると理解される。開示の組成物および混合物はまた、既存の用量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬または抗酸化剤の有効性の増強に有用である。従って、単独または組み合わせて(すなわち、非カスパーゼインヒビター抗癌薬と抗酸化剤との組み合わせ)使用した場合の非カスパーゼインヒビター抗癌薬または抗酸化剤の腫瘍細胞死滅と比較して腫瘍細胞死滅が増強されるカスパーゼインヒビターと非カスパーゼインヒビター抗癌薬および/または抗酸化剤との組み合わせを開示する。開示の組成物および組み合わせにより、非カスパーゼインヒビター抗癌薬および/または抗酸化剤に対する化学療法抵抗性を減少させることもできる。例えば、図5は、カスパーゼインヒビターと化学療法薬との同時投与による化学療法抵抗性逆転の可能性を示す。
【0060】
上記パラグラフはまた、単独で使用される非カスパーゼインヒビター抗癌薬量の比率の減少に取り組むことおよび単独で使用された場合に得られる非カスパーゼインヒビター抗癌薬の死滅活性率の考慮によって、開示の組成物の同一の治療効果を得るために必要な非カスパーゼインヒビター抗癌薬量を減少させる能力に取り組む。または、処方物中で使用することができる非カスパーゼインヒビターの量を、単独で使用した場合の非カスパーゼインヒビター抗癌薬と比較した開示の組み合わせ処方物によって死滅する(または「死滅しない」)非癌細胞の比率によって取り組むこともできる。例えば、組み合わせ処方物は、「単独で使用した場合に全用量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬が死滅させる非癌細胞の50%未満のみを死滅させる」一定量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬およびカスパーゼインヒビターを含み得る。簡単に述べれば、上記の変化量および上記で考察した比率をここでは繰り返さないが、この制限を開示したと見なす。したがって、「単独で使用される非カスパーゼインヒビター抗癌薬量の減少率」のみに関して、それぞれおよび全ての開示された比率もまた「単独で使用した場合に全用量の非カスパーゼインヒビター抗癌薬が死滅させる非癌細胞の50%未満の死滅」に関する制限と組み合わせて利用可能であると理解される。
【0061】
(3)抗酸化処方物
抗酸化組成物を含む処方物もまた本明細書で開示される。癌治療で使用するためのカスパーゼインヒビターの処方物およびカスパーゼインヒビターおよび非カスパーゼインヒビター抗癌薬を有する処方物を、抗酸化剤と組み合わせ、抗癌投与計画のために投与することができる。抗酸化剤の添加により、カスパーゼインヒビターまたは非カスパーゼインヒビター抗癌薬のいずれかの量が減少し、これは本明細書で考察するように、有利であり得る。抗酸化剤はまた、死滅する腫瘍細胞量を増加させるために他の化学療法の有効性を増強することができる。抗酸化剤を含む処方物を、カスパーゼインヒビターと非カスパーゼインヒビター抗癌薬との組み合わせ処方物のための本明細書で考察したそれぞれおよび全ての方法で取り組むことができる。言い換えれば、処方物中の抗酸化剤量は、カスパーゼインヒビターを含む処方物ならびにカスパーゼインヒビターおよび非カスパーゼインヒビター抗癌薬を含む処方物の両方について単独で治療するために必要な比率に基づき得る。同様に、抗酸化剤量を、癌細胞死滅率および非癌細胞死滅率(または死滅しない比率)の調査によって取り組むことができる。これに関して任意の抗酸化剤を使用することができるが、現在、抗酸化剤の組み合わせにより有効性が増大することが示されている。
【0062】
**これは、抗酸化剤と化学療法薬との組み合わせについての本発明者ら自身の抗酸化剤研究および広範に存在する文献の主要部とを切り離す必要がある。一連の議論は、カスパーゼ阻害が他の化学療法増強手段(すなわち、抗酸化剤)と同一の手段によって作用するかどうかを調査することができる。
【0063】
c)薬学的担体/薬学的製品の送達
上記のように、薬学的に許容される担体中の組成物を、インビボで投与することもできる。「薬学的に許容される」は、生物学的または望ましくない材料(すなわち、いかなる望ましくない生物学的効果を生じないか、含まれる薬学的組成物のいかなる他の成分と有害な様式で相互作用せずに組成物と共に被験体に材料を投与することができる)を意味する。当業者に周知のように、担体は、本来、有効成分のいかなる分解も最小にし、被験体の任意の副作用も最小にするように選択される。
【0064】
組成物を、経口、非経口(例えば、静脈内)、筋肉内注射、腹腔内注射、経皮、体外、局所などで投与することができるが、典型的には、局所鼻腔内投与または吸入による投与が好ましい。本明細書で使用される、「局所鼻腔内投与」は、鼻および鼻の片方または両方の鼻腔への組成物の投与を意味し、これには、スプレー機構もしくは小滴機構または組成物のエアゾール化による送達を含み得る。後者は、多数の動物を同時に治療する場合に有効であり得る。吸入による組成物の投与は、噴霧または小滴機構による送達によって鼻または口を介し得る。挿管を介して呼吸器系(例えば、肺)の任意の領域に直接送達させることができる。組成物の正確な必要量は、被験体毎に変化し、被験体の種、年齢、体重、およびおよび身体全体の健康、治療を受ける病態の重症度、特に使用する組成物および投与様式などに依存する。したがって、組成物毎に正確な量を特定することはできない。しかし、当業者は、適切な「有効量」を、本明細書に教示された日常的な実験のみを使用して決定することができる。
【0065】
組成物の非経口投与は、使用する場合、一般に注射によって特徴付けられる。従来の形式(液体溶液または懸濁液、注射前の液体による溶液または懸濁液に適切な固体形態、または乳濁液のいずれか)で注射物質を調製することができる。より最近修正された非経口投与アプローチは、一定の投薬量を維持するような持続放出系または徐放系の使用を含む。米国特許第3,610,795号(参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
【0066】
材料は、溶液、懸濁液(例えば、微粒子、リポソーム、または細胞に組み込まれる)中に存在し得る。これらを、抗体、受容体、または受容体リガンドを介して特定の細胞型にターゲティングすることができる。以下の参考文献は、特定のタンパク質を腫瘍組織にターゲティングするためのこのテクノロジーの使用例である(Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,2:447-451,(1991);Bagshawe,K.D.,Br.J.Cancer,60:275-281,(1989);Bagshawe,etc.,Br.J.Cancer,58:700-703,(1988),Senter,et al.,Bioconjugate Chem.,4:3-9,(1993);Battelli,et al.,Cancer Immunol.Immunother.,35:421-425,(1992);Pietersz and McKenzie,Immunolog.Reviews,129:57-80,(1992);およびRoffler,et al.,Biochem.Pharmacol,42:2062-2065,(1991))。「ステルス体(stealth)」などの溶剤および他の抗体が抱合したリポソーム(結腸癌への脂質媒介薬物ターゲティングが含まれる)、細胞特異的リガンドを介したDNAの受容体媒介ターゲティング、リンパ球指向腫瘍ターゲティング、およびインビボでのマウス神経膠腫の高特異性治療レトロウイルスターゲティング。以下の参考文献は、特定のタンパク質を腫瘍組織にターゲティングするためのこのテクノロジーの使用例である:Hughes et al.,Cancer Research,49:6214-6220,(1989);およびLitzinger and Huang,Biochimica et Biophysica Acta,1104:179-187,(1992)。一般に、受容体は、構成性またはリガンド誘導性のいずれかでのエンドサイトーシス経路に関与する。クラスリンコーティングピット中のこれらの受容体クラスターがクラスリンコーティング小胞を介して細胞に侵入し、酸性化エンドソームを通過して受容体が分類されるか、細胞表面に再利用されるか細胞内に保存され、またはリソソーム中で分解される。内在化経路は、栄養素の取り込み、活性化タンパク質の除去、高分子のクリアランス、ウイルスおよび毒素の日和見侵入、リガンドの分離および分解、ならびに受容体レベルの調節などの種々の機能を使用する。多数の受容体は、細胞型、受容体濃度、リガンド型、リガンドの価数、およびリガンド濃度に依存して、1つより多くの細胞内経路に従う。受容体媒介エンドサイトーシスの分子および細胞機構は概説されている(Brown and Greene,DNA and Cell Biology 10:6,399-409(1991))。
【0067】
(1)薬学的に許容される担体
組成物(抗体が含まれる)を、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療で使用することができる。
【0068】
薬学的担体は当業者に公知である。最も典型的には、これらは、ヒトへの薬物投与の標準的担体であり、滅菌水、生理食塩水、および生理学的pHの緩衝液などの溶液が含まれる。組成物を、筋肉内または皮下に投与することができる。当業者が使用する標準的な手順に従って他の組成物を投与する。
【0069】
薬学的組成物には、選択分子に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝液、防腐剤、および界面活性剤などが含まれ得る。薬学的組成物には、一つまたは複数の界面活性剤(抗菌薬、抗炎症薬、および麻酔薬など)も含まれ得る。
【0070】
局所または全身治療のいずれが望ましいか、および治療領域に依存する多数の方法で薬学的組成物を投与することができる。投与は、局所(眼内、膣内、直腸内、鼻腔内が含まれる)、経口、吸入、または非経口(例えば、静脈内点滴、皮下、腹腔内、または筋肉内注射)であり得る。開示の組成物ならびに組み合わせおよび混合物を、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、または経皮に投与することができる。
【0071】
非経口投与のための調製物には、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(オリーブ油など)、および注射用有機エステル(オレイン酸エチルなど)である。水性担体には、水、アルコール/水溶液、乳濁液、または懸濁液(生理食塩水および緩衝化媒体が含まれる)が含まれる。非経口溶剤には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液、または不揮発油が含まれる。静脈内溶剤には、流動物および栄養補給物(replenisher)、および電解質補給物(リンゲルデキストロースに基づくもの)などが含まれる。防腐剤および他の添加剤はまた、例えば、抗菌薬、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスなどであり得る。
【0072】
局所投与のための処方物には、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、および粉末が含まれ得る。従来の薬学的担体、水溶液、粉末、または油性基剤、および増粘剤などは、必要であるか望ましい。
【0073】
経口投与のための組成物には、粉末、顆粒、懸濁液、水溶液、非水性媒体、カプセル、サシェ、または錠剤中の溶液が含まれる。増粘剤、嬌味嬌臭薬、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましい。
【0074】
いくつかの組成物を、無機酸(塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸など)および有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸など)との反応または無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなど)および有機塩基(モノ、ジ、トリアルキル、ならびにアリールアミンおよび置換エタノールアミンなど)との反応によって形成される薬学的に許容される酸または塩基付加塩として潜在的に投与することができる。
【0075】
(2)治療用途
組成物投与のための投薬量範囲は、障害の症状が影響を受ける所望の効果を得るのに十分な範囲である。投薬量は、副作用(望ましくない交差反応およびアナフィラキシー反応など)を引き起こすほど大量であるべきではない。一般に、投薬量は、患者の年齢、病態、性別、および疾患の程度によって変化し、投薬量を当業者が決定することができる。任意の禁忌(counterindication)事象において各医師が投薬量を調整することができる。投薬量を変化させることができ、毎日1回またはそれ以上を1日または数日間投与することができる。
【0076】
d)キット
本明細書に開示の方法の実施において使用することができる試薬に適切なキットを本明細書に開示する。キットは、本明細書で考察したか、開示の方法の実施に必要であるか有利であると理解される任意の試薬または試薬の組み合わせを含み得る。例えば、キットは、カスパーゼインヒビターおよび非カスパーゼインヒビター抗癌薬を含む被験体に送達する準備ができている処方物を含み得る。
【0077】
2.組成物の作製方法
他で特記しない限り、特定の試薬または化合物について当業者に公知の任意の方法を使用して、本明細書に開示の組成物および開示の方法の実施に必要な組成物を作製することができる。
【0078】
3.組成物の使用方法
a)研究ツールとしての組成物の使用方法
研究ツールとして種々の方法で開示の組成物を使用することができる。例えば、開示の化合物(開示の組み合わせなど)を使用して、アポトーシス経路を研究することができる。
【0079】
b)癌細胞増殖の阻害方法
開示の組成物および処方物を使用して、異常な細胞増殖を阻害することができる。例えば、開示の組成物を使用して、癌細胞の細胞成長を阻害することができる。この開示の組成物を使用して、癌細胞増殖を阻害することができる。したがって、組成物を使用して、癌患者を治療することができる。任意の治療効果が有利であり、治療される患者は治癒する必要はないと理解される。組成物を使用して癌細胞を死滅させることができる。癌細胞の死滅は、細胞が分裂しないだけでなく、破壊されることを意味する。癌細胞の成長の阻害および癌細胞の死滅は共に有利であり得る。
【0080】
開示の組成物を使用して、癌などの細胞増殖を調節できない任意の疾患を治療することができる。異なる癌型の非限定的なリストを以下に示す。リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、白血病、癌、固形組織内の癌、扁平上皮癌、腺癌、肉腫、神経膠腫、悪性度の高い神経膠腫、グリア芽腫、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、星状細胞腫、形質細胞腫、組織球腫、黒色腫、腺腫、低酸素性腫瘍、骨髄腫、AIDS関連リンパ腫、もしくは肉腫、転移性癌、または一般的な癌。
【0081】
開示の組成物を使用して治療することができる代表的であるが非限定的な癌のリストを以下に示す。リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱癌、脳腫瘍、神経系癌、頭頸部癌、頭頸部の扁平上皮癌、腎癌、肺癌(小細胞肺癌および非小細胞肺癌など)、神経芽腫/グリア芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、肝臓癌、黒色腫、口、喉、喉頭、および肺の扁平上皮癌、結腸癌、子宮頸癌、頸癌、乳癌、上皮癌、腎癌、泌尿生殖器癌、肺癌、食道癌、頭頸部癌、大腸癌、造血系癌(hematopoietic cancer)、睾丸癌、結腸直腸癌、前立腺癌、または膵臓癌。この治療プロトコールが広範に利用可能であることは、種々の癌細胞集団が同一の刺激に対して応答するという非常に多数の共通点、癌遺伝子の共同的効果の研究から明らかになった癌細胞挙動の一般性、および当業者に周知の発見された複数の他の株によって支持される。
【0082】
本明細書に開示の組成物を、前癌症状(子宮頸部および肛門の異形成、他の異形成、重症異形成、過形成、異型過形成、および新形成など)の治療に使用することもできる。
【0083】
c)修正形態
本願を通して、種々の刊行物を参照する。本発明が属する分野の状況をより完全に説明するために、そのこれらの刊行物全体の開示が本出願に参考として組み入れられる。参考文献中の文で考察された参考文献に含まれる材料について、開示の参考文献はまた個別且つ詳細に参照として本明細書に組み入れられる。
【0084】
本発明の範囲または精神を逸脱することなく、本発明で種々の修正形態および変形形態を得ることができることが当業者に自明である。本明細書および本明細書に開示の本発明の実施を考慮して、本発明の他の態様が当業者に自明である。明細書および実施例は例示のみを目的とすると見なされ、本発明の真の範囲および精神は特許請求の範囲に示すことが意図される。
【0085】
C.実施例
以下の実施例は、どのようにして特許請求の範囲に記載の化合物、組成物、物品、デバイス、および/または方法を作製および評価するのかを当業者に完全に開示および説明するために提起し、これは純粋に本発明の例示を意図し、本発明者らが本発明と見なす範囲の制限を意図しない。数(例えば、量、温度など)に関して正確であるように努力したが、いくらかのエラーおよび逸脱が含まれるはずである。他で示さない限り、パーツ(parts)は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
【0086】
実施例: 腫瘍細胞の死滅、細胞傷害薬およびカスパーゼインヒビターの投与による腫瘍細胞死滅の増強
種々の細胞を、種々のカスパーゼインヒビターの存在下でBCNU(カルムスチンとしても公知)に曝露した。このアルキル化剤は、中枢神経系癌の治療および一定のリンパ腫の治療で頻繁に使用されている。既知組成培地中での腫瘍細胞および正常なヒト脳前駆細胞の成長を、種々のアルキル化剤および/またはカスパーゼインヒビターの条件下でアッセイした。細胞を、BCNUに対する感受性の特徴づけの結果に依存して種々の投薬量のBCNUに曝露した。一般に、このアルキル化剤の細胞傷害効果からの防御を認識し、例えば、カスパーゼインヒビターおよびこの化合物の活性の条件に依存して抗癌活性の増大を認識することができる投薬量を使用した。
【0087】
得られた結果の種々の例を、図1〜7に示す。このデータの作成に使用した一般的プロトコールを以下に示す。細胞を、24ウェルプレート中に1000細胞/ウェルでプレートした。24時間後、細胞を、20μMの濃度のカスパーゼインヒビターで1時間前処理し、用量応答実験によって決定した場合に約50%の腫瘍細胞が死滅する濃度のBCNUに1時間曝露した。一般に、5μg/ml〜20μg/mlのBCNU濃度を適用した。曝露期間は、インビボでのBCNUの公知のクリアランス速度に基づいた。BCNU処理から48時間後、細胞をMTTで標識し、DAPIで対比染色し、生存細胞数を決定した。細胞生存率を、対照に正規化した。全ての実験を少なくとも四連で行った。エラーバーは、SEMを示す。
【0088】
本明細書のデータは、カスパーゼ活性の阻害は、化学療法投与計画と組み合わせて、腫瘍細胞の死滅および腫瘍細胞の死滅の増強に効果があることを示す。本明細書のデータは、他の化学療法薬の援助の無いカスパーゼ阻害により癌細胞成長が阻害され、非癌細胞を損傷することなく癌細胞に損傷をあたえるので、単独で癌治療の治療ストラテジーとして使用することができることを示す。本明細書に開示のデータはまた、他の癌治療および一定の適用におけるカスパーゼインヒビターの抗癌活性の有効性を増強するために、カスパーゼインヒビターを他の癌治療と組み合わせることができることを示す。細胞機能および本明細書中のデータにおけるカスパーゼの広範な重要性は、カスパーゼインヒビターと多数の種々の異なる種の癌治療との同時適用によりこれらの治療効果を増強することができることを示す。さらに、本明細書中のデータは、腫瘍はパン-カスパーゼだけでなく特定のカスパーゼにも感受性を示すことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】パン-カスパーゼインヒビターへの1789グリア芽腫細胞株の曝露により、BCNUへの曝露の効果と等価に細胞数が減少することを示す図である。BCNUとパン-カスパーゼインヒビターとの組み合わせ曝露により、BCNUのみへの曝露よりも細胞の死滅数が有意に増加した。BCNUとカスパーゼ3インヒビターとの同時曝露によって、BCNU誘導性死滅が類似に増強した。
【図2】カスパーゼ9インヒビターへの1789グリア芽腫細胞株の曝露により、BCNUのみへの曝露の効果と等価に細胞数が減少することを示す図である。BCNUとカスパーゼ9インヒビターとの組み合わせ曝露により、BCNUのみへの曝露よりも細胞の死滅数が有意に増加した。
【図3】カスパーゼ9インヒビターへのUT-12グリア芽腫細胞株の曝露により、BCNUへの曝露の効果とよりもなおさらに細胞数が減少することを示す図である。カスパーゼ-8インヒビターとカスパーゼ-9インヒビターとの組み合わせへの曝露によって同様に減少する。BCNUと共に投与したBCNUとカスパーゼ-8およびカスパーゼ-9のインヒビターとの組み合わせ曝露は、BCNUのみへの曝露よりも有意に増加した細胞死数と関連した。さらに、BCNUとカスパーゼ-8およびカスパーゼ-9のインヒビターとの組み合わせにより、カスパーゼインヒビター自体の投与またはBCNU自体の投与よりも癌細胞の死滅が有意に多かった。
【図4】BCNUおよびパン-カスパーゼインヒビターへのUT-12グリア芽腫細胞株の組み合わせ曝露により、BCNUのみの曝露を超える死滅細胞数が増加したことを示す図である。
【図5】BCNU(グリア芽腫細胞株1789およびUT-12で使用した用量と等価な用量)へのUT-9星状細胞腫細胞株(低悪性度星状細胞腫、WHO等級11)の曝露では、細胞数の減少は小さいことを示す図である。対照的に、カスパーゼ-9インヒビターと共にBCNUを添加した場合、死滅細胞数は有意に増加する。これらの実験により、カスパーゼインヒビターの活性化もまた化学療法抵抗性を克服することができることが示唆される。
【図6】BCNUと組み合わせたカスパーゼ9およびパン-カスパーゼ阻害の細胞傷害効果を、ビタミンCの投与によってさらに増強することができることを示す図である。全組み合わせにより全UT-12神経膠腫細胞が死滅する。したがって、癌細胞の化学的感受性をさらに増強するために、カスパーゼインヒビターを他の非毒性化合物と組み合わせて投与することができる。
【図7】腫瘍細胞死滅の増強におけるカスパーゼインヒビターの効果(図1〜6に示す)と対照的に、これらの同一のインヒビターは、正常なヒト脳前駆細胞に同一の効果を示さないことを示す図である。この例は、BCNUでのヒトグリア制限前駆細胞(glia restricted precursor cell)(GRP)の治療を示す。カスパーゼ8および9インヒビターは、これら自体を投与した場合に、BCNUの細胞傷害活性を増強せず、且つヒトGRP細胞の生存度を脅かすことも無い。
【図8】カスパーゼインヒビターは正常な星状細胞に対してBCNUの細胞傷害効果を増強しないことを示す図である。BCNUによって星状細胞は死滅するが、カスパーゼ-8によっては死滅しなかった。カスパーゼ-8のインヒビターはこれらの細胞を救済せず、BCNUのみよりも悪くさせることもない。救済の失敗は、カスパーゼ-9の活性化によってBCNUが優先的に作用し得るという考えとい一致する。これを支持して、カスパーゼ-9の阻害により実際に星状細胞が部分的に防御された。
【図9】カスパーゼインヒビターと抗酸化剤との同時投与により、カスパーゼインヒビター自体の投与よりも腫瘍細胞の死滅が有効であることを示す図である。
【図10】SW480結腸癌細胞へのカスパーゼインヒビターの投与では、シスプラチン誘導死から救済できないだけでなく、実際のシスプラチンのみを使用して得た減少よりもなおさらに細胞数が減少することを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスパーゼインヒビターおよび非カスパーゼインヒビター抗癌薬を含む組成物。
【請求項2】
カスパーゼインヒビターが、パン-カスパーゼインヒビターである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
カスパーゼインヒビターが、カスパーゼ9インヒビター、カスパーゼ-3インヒビター、カスパーゼ-8インヒビター、またはパン-カスパーゼインヒビターからなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼ産生を阻害する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼの活性化を阻害する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼのシグナル伝達経路を阻害する、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
非カスパーゼ抗癌薬が、アルキル化剤、DNA鎖破壊薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼインヒビター、チューブリン相互作用薬、および分裂インヒビターからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
非カスパーゼインヒビター抗癌薬がBCNUである、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
抗酸化剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
抗癌薬自体が抗酸化剤である、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
抗酸化剤がビタミンCまたはグルタチオンプロドラッグである、請求項10または11記載の組成物。
【請求項12】
薬学的担体をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜13のいずれか一項記載の組成物を細胞に移入する段階を含む、癌細胞の成長を阻害する方法。
【請求項14】
癌細胞が死滅する、請求項14記載の方法。
【請求項15】
請求項13記載の組成物を被験体に投与する段階を含む、癌を有する被験体の治療方法。
【請求項16】
カスパーゼインヒビターを細胞に移入する段階を含む、癌細胞の成長を阻害する方法。
【請求項17】
癌細胞が死滅する、請求項17記載の方法。
【請求項18】
薬学的に許容される形態のカスパーゼインヒビターを被験体に投与する段階を含む、癌を有する被験体の治療方法。
【請求項19】
カスパーゼインヒビターがパン-カスパーゼインヒビターである、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
カスパーゼインヒビターが、カスパーゼ-3、カスパーゼ-8、またはカスパーゼ-9に特異的である、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼの産生を阻害する、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼの活性化を阻害する、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼのシグナル伝達経路を阻害する、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
カスパーゼインヒビターおよび抗酸化剤を含む組成物。
【請求項25】
カスパーゼインヒビターがパン-カスパーゼインヒビターである、請求項26記載の組成物。
【請求項26】
カスパーゼインヒビターが、カスパーゼ-3、カスパーゼ-8、またはカスパーゼ-9からなる群より選択されるカスパーゼに特異的である、請求項26記載の組成物。
【請求項27】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼの産生を阻害する、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼの活性化を阻害する、請求項26記載の組成物。
【請求項29】
カスパーゼインヒビターがカスパーゼのシグナル伝達経路を阻害する、請求項26記載の組成物。
【請求項30】
抗酸化剤が、非フラボノイド抗酸化剤、マルチカロテン、β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアンチン、セレン、ビタミンE、トコフェロール、コハク酸ビタミンE、トロロックス、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンA、13-シスレチノイン酸、N-アセチル-L-システイン、グルタチオンプロドラッグ、アスコルビン酸ナトリウム、ピロリジン-ジチオ-カルバメート、コエンザイムQ10、ペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジムスターゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタチオン、セルロプラスミン、システイン、システアミン、フラボノイド、ならびにその模倣物、アナログ、およびポリマーからなる群より選択される、請求項26〜32のいずれか一項記載の組成物。
【請求項31】
抗酸化剤がビタミンCである、請求項26〜32のいずれか一項記載の組成物。
【請求項32】
非カスパーゼ抗癌薬をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項33】
抗酸化剤がビタミンCである、請求項26〜32のいずれか一項記載の組成物。
【請求項34】
薬学的担体をさらに含む、請求項26〜36のいずれか一項記載の組成物。
【請求項35】
請求項26〜37のいずれか一項記載の組成物を細胞に移入する段階を含む、癌細胞の成長を阻害する方法。
【請求項36】
癌細胞が死滅する、請求項38記載の方法。
【請求項37】
請求項38記載の組成物を被験体に投与する段階を含む、癌を有する被験体の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−503852(P2006−503852A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540239(P2004−540239)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/030607
【国際公開番号】WO2004/028474
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(303036496)ユニバーシティー オブ ロチェスター (6)
【Fターム(参考)】