説明

抗菌性コンタクトレンズおよびその製造方法

【課題】抗菌性レンズおよびその生産方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るレンズは、銀と特定のリガンドモノマーとを含む。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願に対するクロスリファレンス〕
本特許出願は、2000年12月21日に出願された米国仮特許出願第60/257,030号に基づく優先権を主張した、2001年12月20日出願の米国特許出願第10/028,400号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は抗菌性を有するコンタクトレンズおよびその製造、使用および保管の方法に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
コンタクトレンズは1950年代から視力を改善するために商業的に用いられている。最初のコンタクトレンズは硬質材料から作製されていた。これらのレンズは現在も使用されているが、これらは初期における快適性が低く、酸素に対する透過性が比較的乏しいため、全ての患者に適しているとは言えない。この分野におけるその後の開発により、ヒドロゲルを基材とするソフトコンタクトレンズが出現し、これらは、今日極めて人気がある。ソフトレンズがより快適であり、その快適性レベルが高められたことにより、ソフトコンタクトレンズの使用者が、ハードコンタクトレンズの使用者よりも遙かに長時間にわたりレンズを装着することができることに、多くの使用者が気付いている。
【0004】
上記のような利点にもかかわらず、これらのレンズ使用時間が延びることにより、ソフトコンタクトレンズの表面上に、特に緑膿菌等のような、バクテリア等の微生物の集積が助長される可能性がある。バクテリア等の微生物の集積はソフトコンタクトレンズ装着者に独特の問題ではなく、ハードコンタクトレンズの使用中にも生じる可能性がある。
【0005】
それゆえ、コンタクトレンズの表面におけるバクテリア等の微生物の増殖および/またはバクテリア等の微生物の付着を抑制するコンタクトレンズの製造についてのニーズがある。さらに、コンタクトレンズの表面におけるバクテリア等の微生物の付着および/または増殖を助長しないコンタクトレンズの製造についてのニーズがある。また、バクテリア等の微生物の増殖に関連する有害反応を抑制するコンタクトレンズの製造についてのニーズがある。
【0006】
種々の方法およびレンズが知られているが、バクテリア等の微生物の増殖および/または付着を抑制し、充分な光学的透明性を有するその他のコンタクトレンズならびにこれらのレンズを作製する方法については依然ニーズが存在する。本発明はこのニーズに応えることを目的としている。
【0007】
〔発明の詳細な説明〕
本発明には抗菌効能の改良された抗菌性レンズが含まれる。具体的には、本発明のレンズは、約0.6を超える金属対リガンドの比率、好ましくは0.8の金属対リガンドの比率を有する。
【0008】
本発明のレンズには、銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーが含まれる。あるいは、本質的にそれらからなるか、または、それらからなる。
【0009】
【化1】

ここで、
wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド(alkyldisulfide)、フェニルジスルフィド(phenyldisulfide)、尿素、C1-6アルキル尿素(alkylurea)、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素または置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、これらの置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)である。ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル(benzimidazolyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル(benzotriazolyl)、ナフタロイル(naphthaloyl)、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル(4-methylpiperidin-1-yl)、4−メチルピペラジン−1−イル(4-methylpiperazin-1-yl)、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である。
また、R41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルまたは置換フェニルカルボニルである(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる。
【0010】
好ましいリガンドモノマーには、
wが0〜1であり;
31が水素であり;
32が、アミン、C1-3アルキルアミン、フェニルアミン、置換フェニルアミンまたはチオC1-3アルキルカルボニルであり;
41が水素である
モノマーが含まれる。
より好ましいリガンドモノマーには、1−アリル−2チオ尿素および次のモノマーが含まれる。
【化2】

リガンドモノマーの混合物も使用できる。特に好ましい形態では、前記少なくとも一つのリガンドモノマーには1−アリル−2−チオ尿素が含まれる。
【0011】
本明細書において用いられる用語「レンズ」は眼内または眼上に置かれる眼用装置を意味する。これらの装置は光学的な補正を可能とし、あるいは、美容に用いることもできる。用語レンズには、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ(overlay lenses)、眼用インサートおよび光学用インサートが含まれるが、これらに限られるわけではない。ソフトコンタクトレンズはシリコーンエラストマーまたはヒドロゲルから作製され、これらには、シリコーンヒドロゲルおよびフルオロヒドロゲル(fluorohydrogels)が含まれるが、これらに限られるわけではない。これらのヒドロゲルは、硬化レンズ内において互いに共有結合する疎水性および/または親水性のモノマー等のレンズ形成成分から形成することができる。
【0012】
本明細書において用いられる用語「ポリマー」は、コポリマー、ホモポリマー、またはこれらの混合物を意味する。重合の前に、上記リガンドモノマーまたはそのホモポリマーが、初期モノマー混合物の重量パーセントに基づく量で、ポリマーの調製に適切な希釈剤が使用される場合にはそれを含め、コンタクトレンズのモノマー混合物に添加される。本発明のリガンドモノマーの重量パーセンテージはレンズ組成により変更し得る。リガンドモノマーの最大パーセンテージは、得られたコンタクトレンズの物性を損なわないパーセンテージである。この物性には、得られたレンズの弾性率が含まれるが、これに限られるわけではない。リガンドモノマーの最小パーセンテージは、所望の抗菌性効果を与えるのに十分な量の銀のレンズへの取り込みを可能とする量である。少なくとも一つのリガンドモノマーを、約0.01〜約20.0重量%、モノマー混合物に添加することが好ましく、約0.01〜約1.5重量%添加することがより好ましく、約0.01〜約0.4重量%添加することが更により好ましく、約0.05〜約0.2重量%添加することが最も好ましい。なお、これらは全て、モノマー混合物中の全レンズ形成成分に基づく量である。
【0013】
本技術分野で公知の適切なレンズ形成成分には、アクリルまたはビニル含有モノマー、疎水性モノマーおよびマクロマー、内部湿潤剤ならびに相溶化用(compatibilizing)モノマーおよびマクロマー、開始剤、紫外線吸収性化合物、視認用着色剤、架橋剤、これらの組合せ等が含まれる。アクリル含有モノマーには、アクリル基:(CH2=CRCOX−)(ここで、RはHまたはCH3であり、XはOまたはNである)が含まれ、容易に重合する。これには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセリンメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0014】
ビニル含有モノマーはビニル基(−CH=CH2)を有し、N−ビニルラクタム(例えば、N−ビニルピロリドンまたはNVP、ただし、これらに限られるわけではない)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド等のモノマーが含まれるが、これらに限られるわけではない。NVPが好ましい。
【0015】
ここで使用される用語「相溶化用モノマーおよびマクロマー」は、少なくとも一つのシリコーン基および少なくとも一つのヒドロキシル基を含む反応成分を意味する。このような成分は、US6,367,929号、WO03/022321号およびWO03/022322号に開示されている。これらの開示文書ならびにここで参照されるその他全ての特許および出願は、その全体が本明細書に包含される。適切な例には、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxypropylbis (trimethylsiloxy) methylsilane)が含まれる。
【0016】
適切な疎水性成分には、シリコーン含有成分およびフッ素含有成分が含まれる。シリコーン含有成分は、モノマー、マクロマーまたはプレポリマー中に、少なくとも一つの[−Si−O−Si]基および少なくとも一つの重合性官能基を含む。このSiおよび結合Oは、シリコーン含有成分中、シリコーン含有成分の総分子量の20重量%より大きな量で存在することが好ましく、シリコーン含有成分の総分子量の30重量%より大きな量で存在することがより好ましい。本発明に役立つシリコーン含有成分の例は、US3,808,178号;4,120,570号;4,136,250号;4,153,641号;4,740,533号;5,034,461号,5,070,215号、WO03/022322号、WO03/022321号、US6,367,929号、US5,998,498号、5,760,100号、5,260,000号、4,711,943号、4,139,513号、US4,139,548号、US4,235,985号およびEP080539号に見出し得る。適切な疎水性モノマーの例には、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、モノメタクリロキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、3−メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、N−トリス(トリメチルシロキシ)−シリルプロピルメタクリルアミド、N−トリス(トリメチルシロキシ)−シリルプロピルアクリルアミドおよびこれらの組合せが含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0017】
本発明のシリコーンヒドロゲルは、内部湿潤剤も含み得る。この内部湿潤剤には、少なくとも一つの、約100,000ダルトン以上の重量平均分子量を持つ物質を意味する「高分子量親水性ポリマー」が含まれるが、これに限られるわけではない。これらの物質をシリコーンヒドロゲル配合物中へ取り込むと、硬化シリコーンヒドロゲルの湿潤性が増加する。WO03/022321号に適切な高分子量親水性ポリマーが開示されている。この文献は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0018】
約1〜約15重量%が高分子量親水性ポリマーの適切な量であり、約3〜約15%がより好ましく、約3〜約12%が最も好ましい。これらは全て全レンズ形成成分をベースとする。
【0019】
高分子量親水性ポリマーの例には、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタムおよび官能性ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタムが含まれるが、これらに限られるわけではない。DMAまたはn−ビニルピロリドンとグリシジルメタクリレートとから作製される親水性プレポリマーも使用し得る。グリシジルメタクリレート環が開裂してジオールとなり得、これが、他の親水性プレポリマーとともに混合系で使用されて、高分子量親水性ポリマー、ヒドロキシル官能性シリコーン含有モノマーおよび相溶性を与えるその他の任意のグループの相溶性を向上させ得る。好ましい高分子量親水性ポリマーは、そのバックボーンに環状部分を含むポリマーである。環状アミドまたは環状イミドがより好ましい。高分子量親水性ポリマーには、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドンおよびポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ−2−エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖、多糖、これらの混合物およびコポリマー(ブロックまたはランダム、枝分れ、多鎖、櫛型または星状等)が含まれるが、これらに限られるわけではない。ここで、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)が好ましい。
【0020】
架橋剤、紫外線吸収剤、着色剤等のその他のレンズ形成成分は本技術分野で公知であり、ここで記述する必要はない。
【0021】
本発明で使用される開始剤のタイプには重要な意味はない。適切な開始剤には、中程度の高温でフリーラジカルを発生させる、過酸化ラウリル(lauryl peroxide)、過酸化ベンゾイル、イソプロピルパーカーボネート(isopropyl percarbonate)、アゾビスイソブチロニトリル等の熱開始剤および、たとえば、芳香族α−ヒドロキシケトン、アルコキシオキシベンゾイン、アセトフェノン、アシルホスフィンオキシド(acylphosphine oxides)、ビスアシルホスフィンオキシドおよび第三アミンプラスジケトン(a tertiary amine plus a diketone)、これらの混合物等の光開始剤系が含まれる。光開始剤の説明に役立つ例には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(DMBAPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(Irgacure 819)、2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルホスフィンオキシドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエステル(benzoin methyl ester)およびカンファキノン(camphorquinone)とエチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートとの組み合わせがある。市販の可視光開始剤系には、Irgacure 819、Irgacure 1700、Irgacure 1800、Irgacure 1850(全て、Ciba Specialty Chemicals社製品)およびLucirin TPO開始剤(BASFから入手可能)が含まれる。市販の紫外線光開始剤には、Darocur 1173およびDarocur 2959(Ciba Specialty Chemicals社)が含まれる。これらおよび使用し得る他の光開始剤は、第III巻、フリーラジカルカチオンおよびアニオン光重合のための光開始剤(Photoinitiators for Free Radical Cationic & Anionic Photopolymerization)、第2版、J.V.CrivelloおよびK.Dietlikerによる版;G.Bradley編集;John Wiley and Sons社;ニューヨーク;1998に開示されている。この文献は、参照により本明細書に包含される。
【0022】
リガンドモノマーまたはそのホモポリマーは、重合前に、ポリマーの調製に対し適切な希釈剤が使用される場合にはその希釈剤を含めて、最初のモノマー混合物の重量パーセントに基づく量で希釈剤中のレンズ形成成分と混合される。リガンドモノマーの重量パーセンテージは、レンズ組成によって異なり得る。リガンドモノマーの最大パーセンテージは、得られたコンタクトレンズの物性を損なわないパーセンテージである。この物性には、得られたレンズの弾性率が含まれるが、これに限られるわけではない。リガンドモノマーの最小パーセンテージは、所望の抗菌性効果を与えるのに十分な量の銀のレンズへの取り込みを可能とする量である。コンタクトレンズ配合物に、レンズ形成成分とリガンドモノマーとの総量に基づいて、約0.01〜約20.0重量%のガンドモノマーを添加することが好ましく、約0.01〜約3重量%がより好ましく、実施形態によっては、100〜約2,000ppmといった少量を添加してもよい。
【0023】
リガンドモノマーは、US5,710,302号、WO94/21698号、EP406161号、JP2000016905号、US5,998,498号、WO03/022322号、WO03/022321号、5,760,100号、5,260,000号およびUS6,087,415号に記載されているソフトコンタクトレンズ配合物に添加される。更に、リガンドモノマーは、市販のソフトコンタクトレンズの配合物に添加することができる。市販のソフトコンタクトレンズ配合物の例には、エタフィルコンA(etafilcon A)、ゲンフィルコンA(genfilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ポリマコン(polymacon)、アクアフィルコンA(acquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、セノフィルコンA(senofilcon A)、ガリフィルコンA(galyfilcon A)およびロトラフィルコンA(lotrafilcon A)の配合物が含まれるが、これらに限られるわけではない。好ましいコンタクトレンズ配合物は、エタフィルコンA、バラフィルコンA、ロトラフィルコンA、セノフィルコンA、ガリフィルコンAおよび、US5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,849,811号、同第5,789,461号、同第5,998,498号、WO03/022321号、WO03/022322号および10/236,762号、ならびにUS6,087,415号において調製されているようなシリコーンヒドロゲルである。
【0024】
上記の配合物およびリガンドモノマーから調製したレンズは、レンズをコーティングするために用いられる多くの剤によりコーティングし得る。例えば、US3,854,982号、同第3,916,033号、同第4,920,184号および同第5,002,794号、同第5,712,327号および同第6,087,415号ならびにWO01/27662号,WO03/011551号における手順、組成物および方法が使用可能であり、これらの特許は、参照により、これらの手順、組成物および方法について本明細書に包含される。これらの引用されているコーティングの特許に加えて、形成済みのレンズを処理する別の方法がある。本発明のレンズはこれらの方法により処理し得る。これらの方法を説明する以下の出版物、US5,453,467号、同第5,422,402号、WO93/00391号、US4,973,493号および同第5,350,800号は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0025】
ハードコンタクトレンズは、ポリ(メチル)メタクリレート、シリコンアクリレート、フルオロアクリレート、フルオロエーテル、ポリアセチレンおよびポリイミドの各種ポリマーを含むが、これらに限られるわけではないポリマーから作製される。この調製方法の代表的な例は、US4,330,383号において見ることができる。本発明の眼内レンズは、公知の材料を用いて形成できる。例えば、これらのレンズは、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等およびこれらの組み合わせ物を含むがこれらに限られない、硬質材料から作製し得る。更に、ヒドロゲル、シリコーン材料、アクリル材料、フルオロカーボン材料等またはこれらの組み合わせ物を含むがこれらに限られない柔軟性材料が使用可能である。WO00/26698号、WO00/22460号、WO99/29750号、WO99/27978号、WO00/22459号には、典型的な眼内レンズが記載されている。本リガンドモノマーは、ソフトコンタクトレンズについて上述したのと同様の様式およびパーセンテージで、ハードコンタクトレンズ配合物および眼内レンズ配合物に添加し得る。なお、本特許出願において引用されている全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に包含される。
【0026】
本明細書において用いられる用語「銀」は、レンズ中に取り込まれている銀イオンを意味する。銀は、脱イオン水(「DI」)中の硝酸銀等の銀溶液中で、硬化および水和したレンズを洗浄することによりそのレンズに添加できる。ただし、このことは、レンズに取り込まれている銀の酸化状態(Ag1+、またはAg2+)に結び付けられて考えるべきではない。銀のその他の供給源としては、酢酸銀、クエン酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ピクリン酸銀および硫酸銀が含まれるが、これらに限られるわけではない。これらの溶液中の銀の濃度は、レンズに対し既知量の銀を加えるのに必要とされる濃度から、飽和状態の銀溶液まで変更し得る。必要とされる銀溶液の濃度を計算するために、以下の計算が用いられる。すなわち、銀溶液の濃度を、レンズあたりの銀の所望量にレンズの乾燥重量を掛け、それを処理溶液の全体の体積で割った値に等しくする。
銀溶液の濃度(μg/mL)=[レンズ中における所望の銀(μg/g)×平均のレンズ乾燥重量(g)]/処理溶液の全体積(mL)
例えば、40μg/gの銀を含有するレンズが必要な場合には、そのレンズの乾燥重量が0.02gであり、そのレンズを処理するために用いる容器が3mLの容積を有していれば、必要とされる銀濃度は0.27μg/mLになる。
【0027】
レンズ中の銀の重量%対リガンド重量%の比率は、約0.6より大きくあるべきであり、約0.8より大きいことが好ましいことが判明した。本発明の比率が使用されると、少なくとも約0.4log(cfu/レンズ)、好ましくは約1log(cfu/レンズ)を超える微生物付着のlog減少を達成し得る。
【0028】
本発明のレンズを調製するために使用されるリガンドモノマーの濃度に依存して、約0.10μg/mL〜0.3g/mLの範囲内の濃度の銀溶液を使用し得る。脱イオン水の他、水、緩衝水溶液およびポリエーテルまたはアルコール等の有機溶液といったその他の液状媒体を使用できる。一般的に、レンズは、銀溶液中約60分間洗浄されるが、この時間は、約5〜約130℃の範囲の温度において、約1分〜約2時間の範囲で変更可能である。銀処理の後、これらのレンズは数回にわたり水により洗浄されて、銀イオンが、リガンドを介して、放出可能なようにポリマーに結合しているレンズが得られる。レンズに取り込まれる銀の量は、約0.006重量%(60ppm)〜約10重量%(100,000ppm)の範囲にある。ここで、少なくとも約60ppmを含有するレンズは、所望の抗菌特性を有する。レンズに取り込まれる銀の量は、約60〜約4,000ppmが好ましく、60〜約2,000ppmがより好ましく、約60〜約1,000ppmが更により好ましい。
【0029】
用語「抗菌性」は、以下の特性、すなわち、レンズに対するバクテリア等の微生物の付着の抑制、レンズ上におけるバクテリア等の微生物の増殖の抑制および、レンズの表面上またはレンズから延在する半径内におけるバクテリア等の微生物の死滅、の一つ以上を示すレンズを意味する。なお、以下において、レンズに対するバクテリア等の微生物の付着、レンズに対するバクテリア等の微生物の増殖、レンズの表面上におけるバクテリア等の微生物の存在は、集合的に、「微生物の産生(microbial production)」と呼ばれる。本発明のレンズは少なくとも0.4log減少だけ微生物の産生を抑制する(60%以上の抑制)。好ましくは、本発明のレンズは、生存するバクテリア等の微生物の少なくとも1logの減少(≧90%の抑制)を示す。このようなバクテリア等の微生物には、特に、緑膿菌、アカントアメーバ属、黄色ブドウ球菌、大腸菌、表皮ブドウ球菌および霊菌等の、眼内に見出される有機体が含まれるが、これらに限られるわけではない。上記の抗菌性レンズは、好ましくは透明なレンズであり、現在入手可能な市販のレンズ(エタフィルコンA、ゲンフィルコンA、レネフィルコンA、ポリマコン(polymacon)、アクアフィルコンA、バラフィルコンA、ガリフィルコン、セノフィルコンおよびロトラフィルコンA等、ただし、これらに限られるわけではない)に匹敵する透明度を有している。
【0030】
本発明の抗菌性レンズの利点は多い。例えば、銀を取り込んだ他の抗菌性レンズでは、含有している銀が、通常、何らかの無機質粒状物質に配位している。多くの場合、上記の粒状物質は、裸眼または拡大鏡により見ることができ、使用者の視覚的な鋭敏性に影響を及ぼし得る。しかしながら、本発明のレンズはこのような問題を有していない。リガンドモノマーは、一般的に、上記抗菌性レンズにおける他の成分の全てに対して可溶性である。それゆえ、これらのレンズが製造される場合、抗菌成分に起因する実質的な粒状物質はレンズ中に含まれない。本発明の抗菌性レンズは、エタフィルコンA、ゲンフィルコンA、レネフィルコンA、ポリマコン、アクアフィルコンA、バラフィルコンA、ガリフィルコン、セノフィルコンおよびロトラフィルコンA等の市販のレンズに匹敵する透明度を有している。
【0031】
さらに、本発明には、銀および少なくとも一つのリガンドモノマーを含んでなるポリマーを含有した抗菌性レンズの製造方法が含まれる。ここで、その方法は、
(a)少なくとも一つのリガンドモノマーを含むレンズを作製するステップおよび、
(b)少なくとも約0.6の銀対リガンドモノマー比率を与えるのに十分な量の銀溶液で上記レンズを処理するステップを含み、実質的にこれらのステップからなり、あるいは、これらのステップからなる。
上記用語、レンズ、抗菌性、リガンドモノマーおよび銀は、全て、前述の意味および好ましい範囲を有している。用語「銀溶液」は、銀を含有する任意の液状媒体を意味する。本液状媒体には、水、脱イオン水、緩衝水溶液、アルコール、ポリオールおよびグリコールが含まれるが、これらに限られるわけではない。好ましい媒体は脱イオン水である。上記溶液における銀は、一般的に、硝酸銀、酢酸銀、クエン酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ピクリン酸銀および硫酸銀等の銀塩である。これらの溶液中の銀の濃度は、レンズに対し既知量の銀を加えるのに必要とされる濃度から、飽和状態の銀溶液まで変更し得る。必要とされる銀溶液の濃度は、上述のごとく計算し得る。
【0032】
本発明のレンズを調製するために、約0.10μg/mL〜0.3g/mLの範囲の銀溶液がこれまでに用いられてきた。一般的に、レンズは、銀溶液中約60分間掛けて洗浄されるが、この時間は、約5〜約130℃の範囲の温度において、約1分〜約2時間の範囲で変更可能である。この銀処理の後、これらのレンズは数回にわたり水により洗浄されて、銀がポリマー中に取り込まれたレンズが得られる。
【0033】
さらに、本発明には、銀および上記リガンドモノマーのポリマーを含んでなり、本質的にこれらよりなり、または、これらからなるレンズケースが含まれる。
【0034】
用語レンズケースは、レンズを使用しない時に中に入れてレンズを保持するための空間を画定するように構成された容器を意味する。この用語は、レンズ用の包装を含み、この場合の包装には、レンズを硬化後に保管する任意のユニットが含まれる。この包装の例には、使い捨てのブリスターパック、多数回使用型の保管ケース等が含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0035】
このような容器の一例がUS5,515,117号の図3に示されている。リガンドモノマーは、レンズ容器、レンズカバーまたはレンズバスケット中に取り込まれることができる。リガンドモノマーは、レンズ容器またはレンズバスケット中に組み込まれていることが好ましい。
【0036】
この容器成分は、リガンドモノマー以外に、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)およびこれらのコポリマー等;ポリエステル、ポリウレタン;ポリアクリレートおよびポリメタクリレート等のアクリルポリマー;およびポリカーボネート等、の透明熱可塑性ポリマー材料から作製することができる。また、これらの任意の組み合わせ、たとえば成形、により作製される。例えば、従来技術を用いて単一ユニットとして成型されている。
【0037】
銀は本発明の抗菌性レンズ中に取り込まれるのと同様の様式でレンズ容器中に取り込み得る。より具体的には、リガンドモノマーを他の成分の配合物と組み合わせ、成型、硬化の後に、銀溶液により処理する。リガンドモノマーは、好ましくは、(初期のモノマー混合物に基づいて)約0.01〜約10.0重量%、さらに好ましくは約0.01〜約1.5%で、レンズケース成分のいずれかまたはその全体に存在する。このような環境中にレンズを保管することにより、レンズ上におけるバクテリアの増殖およびバクテリアの増殖により生じる悪影響が抑制される。このようなレンズケースの他の例には、US6,029,808号において見ることができるレンズケースがある。この特許は、参照により、そこに開示されているコンタクトレンズ用のブリスターパック型のハウジングについて本明細書に包含される。
【0038】
さらに、本発明には、哺乳類の目の中における微生物の産生に伴う悪影響を減少させる方法が含まれる。この方法は、銀と少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーとを含んでなる抗菌性レンズを供給することを含み、実質的にこのことからなり、あるいは、このことからなっている。
【0039】
用語「微生物の産生に伴う悪影響」には、目の炎症、コンタクトレンズ関連の周縁部の潰瘍、コンタクトレンズ関連の赤目、浸潤性角膜炎および細菌性角膜炎が含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0040】
本発明を説明するために以下の実施例が記載されている。これらの実施例は本発明を限定するものではない。これらは、本発明を実施する方法を示唆しているに過ぎない。コンタクトレンズの分野における知識を有する者およびその他の専門家であれば、本発明を実施する別の方法を見出すことができよう。しかしながら、それらの方法は本発明の範囲に含まれると見なされる。
【0041】
〔実施例〕
実施例においては以下の略語が用いられている。
PVP=ポリビニルピロリジノン
MAA=メタクリル酸
PAA=ポリ(アクリル酸)
ATU=アリルチオ尿素
Cell/prot=(アクリルアミドメチル)セルロースアセテートプロピオネート
3M3P=3−メチル−3−プロパノール
D3O=3,7−ジメチル−3−オクタノール
TAA=t−アミルアルコール
BAGE=ホウ酸によりエステル化したグリセリン
DI=脱イオン水
PBS=リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4±0.2
TPBS=0.05%のTweenTM(商標)80を含むリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4±0.2
TSA=無菌トリプシン性大豆寒天(tryptic soy agar)
TSB=無菌トリプシン性大豆ブロス(tryptic soy broth)
60%IPA=イソプロピルアルコール、60%v/vDI
70%IPA=イソプロピルアルコール、70%v/vDI
10%IPA=イソプロピルアルコール、10%v/vDI
MVD=改良渦流装置
TBACB=テトラブチルアンモニウム−m−クロロベンゾエート(tetrabutylammonium-m-chlorobenzoate)
TMI=ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート(dimethyl meta-isopropenyl benzyl isocyanate)
MMA=メチルメタクリレート
HEMA=ヒドロキシエチルメタクリレート
mPDMS=モノ−メタクリロキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、MW=800〜1000
DMA=N,N−ジメチルアクリルアミド
Blue HEMA=US特許第5,944,853号の実施例4に記載されている、反応性ブルーナンバー4とHEMAとの反応生成物
DAROCUR 1173=2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
EGDMA=エチレングリコールジメタクリレート
TMPTMA=トリメチロイルプロパントリメタクリレート(trimethyloyl propane trimethacrylate)
TEGDMA=テトラエチレングリコールジメタクリレート
Norbloc=2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
CGI 1850=1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメチオキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとの1:1(w/w)混合物
w/w=重量/全重量
w/v=重量/全体積
v/v=体積/全体積
pHEMA=US特許出願第09/921,192号,「モールドトランスファーによる物品のコーティング方法(Methods for Coating Articles by Mold Transfer)」の実施例14に記載されているポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレートコーティング
【0042】
本発明のコンタクトレンズについて、以下のバイオアッセイを用いて、抗菌効能を評価した:緑膿菌,ATCC#15442(American Type Culture Collection、Rockville、メリーランド州)の培養物を、トリプシン性大豆媒体中で一晩掛けて増殖した。この培養物を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.4+/−0.2)で三回洗い、このバクテリアペレットを、10mLのPBS中に再懸濁させた。バクテリア接種材料を、約1×106コロニー形成単位/mL(cfu/mL)の最終濃度になるように調製した。三つのコンタクトレンズを、30mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.4+/−0.2)を三回換えてリンスし、残余の溶液を除去した。それぞれのリンス済みレンズを、2mLのバクテリア接種材料と共に、滅菌したガラス瓶中に置き、これを、シェーカー−インキュベーター(100rpm)中、37+/−2℃で、2時間回転した。それぞれのレンズをガラス瓶から取り出し、PBSを三回代えて五回リンスし、ゆるく結合した細胞を除去し、1mLのPBSを収納した24−ウェルのミクロタイタープレートの個々のウエルに置き、これを、シェーカー−インキュベーター中、37+/−2℃で、更に22時間回転した。それぞれのレンズを、再度、PBSを三回代えて五回リンスし、ゆるく結合した細胞を除去し、0.05%(w/v)TweenTM80を含む10mLのPBS中に入れ、レンズに残っているバクテリアの付着を妨げるように遠心力を掛けながら、2,000rpmで3分間ボルテックス処理した(vortexed)。得られた上澄み液について、生菌を数え、三つのレンズに付着していた検出可能な生菌の結果を平均化し、このデータを、対照物{表1の配合物(ただし銀を添加せず)から作製されたレンズ}と比較して、接種材料のlog減少として示した。
【0043】
銀の量は、Instrumental Neutron Activation Analysis社の「INAA」によって測定した。INAAは、原子炉中の中性子の照射による、特定の放射性核種の人工的導入に基づく定性的および定量的な元素分析法である。五つのレンズを、個々に20mLのポリプロピレンシンチレーション瓶に置き、真空オーブン中、約60℃で最低4時間乾燥する。このレンズを、個々に秤量し、照射瓶中に置き、分析した。サンプルの照射後、放射性核種の崩壊によって放出される特性ガンマ線を定量的に測定する。検出された特定エネルギーのガンマ線は、特定の放射性核種の存在を示すものであり、これにより、高度の選択性が可能となる。Becker,D.A.;Greenberg,R.R.;Stone,S.F.J. Radioanal. Nucl. Chem. 1992、160(1)、41−53;Becker,D.A.;Anderson,D.L.;Lindstrom,R.M.;Greenberg,R.R.;Garrity,K.M.;Mackey,E.A.J. Radioanal. Nucl. Chem. 1994、179(1)、149−54。コンタクトレンズ材料中の銀量を定量化するために使用されるINAA手順は、次の二つの原子核反応を用いる:
1.活性化反応において、原子炉で生じた放射性中性子の捕獲後、安定109Ag(同位体存在度=48.16%)から110Agが生じる。
2.崩壊反応において、110Ag(τ1/2=24.6秒)は、主に、この放射性核種に特徴的なエネルギー(657.8keV)で、初期濃度に比例したネガトロン放出によって崩壊する。
照射された標準およびサンプルからの110Agの崩壊に特有のガンマ線放出は、技術的に十分確立されたパルス高さ分析技術であるガンマ線分光分析によって測定され、検体の濃度の測定値が得られる。
【0044】
レンズ中の重量%ATUは、HPLCを用いて測定される。三つのレンズを秤量し、20mLのガラスシンチレーション瓶に入れ、メタノールで抽出する。この抽出物を、以下の条件を用いて、HPLCによって分析する。
カラム:Prodigy ODS3 150+4.6mm、5μm粒子直径
移動相:5%メタノール 95%水
検出器波長:210nm
注入量:10μL
流速:1mL/分
【0045】
抽出物中のATUの量は、外部標準に対するATUピーク面積と比較して定量化される。ポリマー中に取り込まれた(すなわち共重合した)ATUの量は、名目濃度からこの値を差し引いて計算される。
【0046】
〔実施例1〕
窒素下、周囲温度でドライボックス中に収容されている乾燥状態の容器に、30.0g(0.277モル)のビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、TBACBの1M溶液(1,000mLの乾燥THF中に386.0gのTBACBを含んだ液)の13.75mLの溶液、61.39g(0.578モル)のp−キシレン、154.28g(1.541モル)のメチルメタクリレート(開始剤に対して1.4当量)、1892.13g(9.352モル)の2−(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート(開始剤に対して8.5当量)および4399.78g(61.01モル)のTHFを加えた。熱電対およびコンデンサーを備えた乾燥状態の三つ口丸底フラスコに、ドライボックス中で調製した上記の混合物を投入した。系はすべて窒素供給源に接続されていた。
【0047】
反応混合物を、撹拌し窒素パージしながら15℃に冷却した。この溶液が15℃に到達した後、191.75g(1.100モル)の1−トリメチルシロキシ−1−メトキシ−2−メチルプロペン(1当量)を反応容器中に注入した。この反応を約62℃まで発熱させた後、11mLの乾燥THF中に154.4gのTBACBを含有する0.40M溶液の30mLを、残りの反応の間に計量供給した。反応温度が30℃に到達し、この計量供給を開始した後、467.56g(2.311モル)の2−(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート(開始剤に対して2.1当量)、3636.6g(3.463モル)のn−ブチルモノメタクリロキシプロピル−ポリジメチルシロキサン(開始剤に対して3.2当量)、3673.84g(8.689モル)、TRIS(開始剤に対して7.9当量)および20.0gのビス(ジメチルアミノ)メチルシランの溶液を加えた。
【0048】
上記の混合物を約38〜42℃に発熱させた後、30℃に冷却させた。この時点において、10.0g(0.076モル)のビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、154.26g(1.541モル)のメチルメタクリレート(開始剤に対して1.4当量)および1892.13g(9.352モル)の2−(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート(開始剤に対して8.5当量)の溶液を加え、この混合物を、再び、約40°まで発熱させた。反応温度を約30℃に降下させ、7.6L(2ガロン)のTHFを加えて粘度を下げた。439.69gの水、740.6gのメタノールおよび8.8g(0.068モル)のジクロロ酢酸の溶液を加え、この混合物を4.5時間にわたり還流してHEMAの保護基を外した。その後、揮発物を除去し、トルエンを加えて水の除去を促進し、蒸気温度が110℃に到達するようにした。
【0049】
上記反応フラスコを約110℃に維持しながら、443g(2.201モル)のTMIおよび5.7g(0.010モル)のジブチル錫ジラウレートの溶液を加えた。この混合物を、IRによりイソシアネートのピークが消えるまで反応させた。トルエンを減圧下に蒸発させ、灰白色の無水で蝋質の反応性モノマーを得た。このマクロマーを、約2:1のアセトン対マクロマーの重量基準でアセトン中に入れた。24時間後に、水を加えてマクロマーを沈殿させ、このマクロマーをろ別して、真空オーブン中、45℃〜60℃で20時間〜30時間掛けて乾燥した。
【0050】
〔実施例2〜4〕
表1にリストしたパーセンテージの諸成分と、表2にリストした量のATUとD3Oとの80:20重量%混合物とを、次のようにして、溶解することにより、反応性モノマー混合物を形成した:表1の諸成分とATUとをエルレンマイヤーフラスコ中で、D3Oと混合し、全成分が溶解するまで、約45℃で超音波処理し、ついで、US特許第4,640,489号に記載されたタイプの八つのキャビティレンズ型中に入れ、55℃で30分掛けて硬化させた。重合は窒素パージ下に行い、フィリップス社製TL 20W/03T蛍光灯で発生する5mWcm-2可視光線で光開始した。硬化後、型を開け、レンズを、60%IPA/水中に離型し、次いで、IPA/ID中で残存モノマーおよび希釈液を浸出除去した。最後に、生理的ホウ酸塩緩衝食塩水と脱イオン水とのどちらかでレンズを平衡状態にした。
【表1】

【0051】
〔実施例5〜7〕
硝酸銀をDI水中に加えた原液を作製した(1.0157gAgNO3/100mL水)。このAgNO3溶液を、DI水で1:100に希釈した。上記の実施例2〜4で作製したレンズを、一レンズ当たり3mLの特別な充填溶液(脱イオンH2O中に次のもの:0.18重量%ホウ酸ナトリウム[1330−43−4],Mallinckrodtおよび0.91重量%のホウ酸[10043−35−3],Mallinckrodt、を含む「SPS」)の入ったガラス瓶中に入れた。硝酸銀を、所望の銀対ATU比率となるように計算した量で、それぞれの瓶に加えた。レンズが入っている瓶を、121℃で2時間掛けてオートクレーブ処理した。これらの処理レンズを銀溶液から取り出して、蒸留水(300mL)の中に入れた。これらのレンズを約30分間掛けて、蒸留水中において回転または撹拌した。この水洗浄処理を更に三回繰り返した。このようにして得られたレンズを生理食塩水中に保管し、抗菌性能力を決定するために試験した。このバクテリアの付着評価の結果を下記表2に示す。更に、これらのレンズを、中性子活性化機器分析により分析し、レンズ中に取り込まれた銀量を決定した。このデータは表2に示されている。
【表2】

【0052】
〔実施の態様〕
本発明の好ましい実施態様は以下の通りである。
(1) 銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含む反応混合物から形成されたポリマーを含む抗菌性レンズにおいて、
【化3】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選択され{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記の、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ナフタロイル、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれ(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
前記銀が放出可能なように前記リガンドに結合し、前記銀が、前記レンズ中、銀対リガンドモノマーの比率が少なくともほぼ0.6で表される量で存在する、
抗菌性レンズ。
(2) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
wは0〜1であり;
31は、水素であり;
32は、アミン、C1-3アルキルアミン、フェニルアミン、置換フェニルアミンおよびチオC1-3アルキルカルボニルからなる群から選ばれ、
41は水素である、抗菌性レンズ。
(3) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがソフトコンタクトレンズである、抗菌性レンズ。
(4) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
式Iの前記モノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
(5) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.8重量%存在する、抗菌性レンズ。
(6) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.3重量%存在する、抗菌性レンズ。
(7) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.2重量%存在する、抗菌性レンズ。
(8) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀対リガンドモノマーの前記比率が少なくともほぼ0.8である、抗菌性レンズ。
(9) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがシリコーンヒドロゲルである、抗菌性レンズ。
(10) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンA、バラフィルコンA、アクアフィルコンA、レネフィルコンA、ガリフィルコン、セノフィルコンまたはロトラフィルコンAである、抗菌性レンズ。
(11) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
1、R4、R5、R6、R8、R9およびR10が、それぞれ独立に、水素またはメチルであり;
2が、NH−R3であり;
3が、−(CR45q−(CHR6m−SO3H、−(CR89t−(CHR10u−P(O)(OH)2または−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CHR7CH2であり;
qが1〜2であり;mが1〜2であり;R7が水素であり、tが1であり;uが1〜2であり;nが2〜3であり;xが2〜3である、抗菌性レンズ。
(12) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
式Iの前記モノマーが、1−アリル−2チオ尿素および以下のモノマーからなる群から選ばれたものである、抗菌性レンズ。
【化4】

(13) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜4,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
(14) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜2,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
(15) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜1,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
(16) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがシリコーンヒドロゲルであり、前記リガンドモノマーが1−アリル−2−チオ尿素である、抗菌性レンズ。
(17) 実施態様(16)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜4,000ppm存在し、前記リガンドモノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
(18) 実施態様(1)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンA、バラフィルコンA、アクアフィルコンA、レネフィルコン、ガリフィルコン、セノフィルコンまたはロトラフィルコンAであり、前記リガンドモノマーが1−アリル−2−チオ尿素である、抗菌性レンズ。
(19) 実施態様(18)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜2,000ppm存在し、前記リガンドモノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
(20) 実施態様(19)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンAまたはアクアフィルコンAである、抗菌性レンズ。
(21) 実施態様(20)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜1,000ppm存在する、レンズ。
(22) 銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーを含む抗菌性レンズの製造方法において、
【化5】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選ばれ{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ナフタロイル、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれ(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる);
前記方法が、
(a)少なくとも一つのリガンドモノマーを含むレンズを作製するステップおよび、
(b)少なくともほぼ0.6の銀対リガンドモノマー比率を前記レンズに与える濃度の銀溶液で前記レンズを処理するステップを含む、
方法。
(23) 実施態様(22)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記銀溶液が、0.1μg/mL〜0.3g/mLの濃度を有する硝酸銀水溶液である、方法。
(24) 実施態様(22)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記処理ステップが、前記銀溶液に前記レンズを浸漬するステップを含む、方法。
(25) 実施態様(24)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズを前記銀溶液中に2分〜2時間浸漬する、方法。
(26) 実施態様(22)に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記処理ステップが、前記レンズを銀溶液中に20分〜5年間保存するステップを含む、方法。
(27) 実施態様(22)に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀対リガンドモノマーの前記比率が少なくともほぼ0.8である、方法。
(28) 実施態様(1)に記載のレンズにおいて、
前記レンズが、微生物の活動において少なくともほぼ0.4logの減少を示す、レンズ。
(29) 実施態様(1)に記載のレンズにおいて、
前記レンズが、微生物の活動において少なくともほぼ1logの減少を示す、レンズ。
(30) 銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーを含むレンズケースにおいて、
【化6】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選ばれ{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ナフタロイル、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれる(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
レンズケース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含む反応混合物から形成されたポリマーを含む抗菌性レンズにおいて、
【化1】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選択され{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記の、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル(pyridinyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、ピラジニル(pyrazinyl)、ベンズイミダゾリル(benzimidazolyl)、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)、ベンゾトリアゾリル(benzotriazolyl)、ナフタロイル(naphthaloyl)、キノリニル(quinolinyl)、インドリル(indolyl)、チアジアゾリル(thiadiazolyl)、トリアゾリル(triazolyl)、4−メチルピペリジン−1−イル(4-methylpiperidin-1-yl)、4−メチルピペラジン−1−イル(4-methylpiperazin-1-yl)、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれ(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
前記銀が放出可能なように前記リガンドに結合し、前記銀が、前記レンズ中、銀対リガンドモノマーの比率が少なくともほぼ0.6で表される量で存在する、
抗菌性レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
wは0〜1であり;
31は、水素であり;
32は、アミン、C1-3アルキルアミン、フェニルアミン、置換フェニルアミンおよびチオC1-3アルキルカルボニルからなる群から選ばれ、
41は水素である、抗菌性レンズ。
【請求項3】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがソフトコンタクトレンズである、抗菌性レンズ。
【請求項4】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
式Iの前記モノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項5】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.8重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項6】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.3重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項7】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記リガンドモノマーが0.01〜0.2重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項8】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀対リガンドモノマーの前記比率が少なくともほぼ0.8である、抗菌性レンズ。
【請求項9】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがシリコーンヒドロゲルである、抗菌性レンズ。
【請求項10】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンA、バラフィルコンA、アクアフィルコンA、レネフィルコンA、ガリフィルコン、セノフィルコンまたはロトラフィルコンAである、抗菌性レンズ。
【請求項11】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
1、R4、R5、R6、R8、R9およびR10が、それぞれ独立に、水素またはメチルであり;
2が、NH−R3であり;
3が、−(CR45q−(CHR6m−SO3H、−(CR89t−(CHR10u−P(O)(OH)2または−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CHR7CH2であり;
qが1〜2であり;mが1〜2であり;R7が水素であり、tが1であり;uが1〜2であり;nが2〜3であり;xが2〜3である、抗菌性レンズ。
【請求項12】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
式Iの前記モノマーが、1−アリル−2チオ尿素および以下のモノマーからなる群から選ばれたものである、抗菌性レンズ。
【化2】

【請求項13】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜4,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
【請求項14】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜2,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
【請求項15】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜1,000ppm存在する、抗菌性レンズ。
【請求項16】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズがシリコーンヒドロゲルであり、前記リガンドモノマーが1−アリル−2−チオ尿素である、抗菌性レンズ。
【請求項17】
請求項16に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜4,000ppm存在し、前記リガンドモノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項18】
請求項1に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンA、バラフィルコンA、アクアフィルコンA、レネフィルコン、ガリフィルコン、セノフィルコンまたはロトラフィルコンAであり、前記リガンドモノマーが1−アリル−2−チオ尿素である、抗菌性レンズ。
【請求項19】
請求項18に記載の抗菌性レンズにおいて、
銀が60〜2,000ppm存在し、前記リガンドモノマーが0.01〜1.5重量%存在する、抗菌性レンズ。
【請求項20】
請求項19に記載の抗菌性レンズにおいて、
前記レンズが、エタフィルコンAまたはアクアフィルコンAである、抗菌性レンズ。
【請求項21】
請求項20に記載のレンズにおいて、
銀が60〜1,000ppm存在する、レンズ。
【請求項22】
銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーを含む抗菌性レンズの製造方法において、
【化3】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選ばれ{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ナフタロイル、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれ(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる);
前記方法が、
(a)少なくとも一つのリガンドモノマーを含むレンズを作製するステップおよび、
(b)少なくともほぼ0.6の銀対リガンドモノマー比率を前記レンズに与える濃度の銀溶液で前記レンズを処理するステップを含む、
方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記銀溶液が、0.1μg/mL〜0.3g/mLの濃度を有する硝酸銀水溶液である、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法において、
前記処理ステップが、前記銀溶液に前記レンズを浸漬するステップを含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
前記レンズを前記銀溶液中に2分〜2時間浸漬する、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法において、
前記処理ステップが、前記レンズを銀溶液中に20分〜5年間保存するステップを含む、方法。
【請求項27】
請求項22に記載の方法において、
銀対リガンドモノマーの前記比率が少なくともほぼ0.8である、方法。
【請求項28】
請求項1に記載のレンズにおいて、
前記レンズが、微生物の活動において少なくともほぼ0.4logの減少を示す、レンズ。
【請求項29】
請求項1に記載のレンズにおいて、
前記レンズが、微生物の活動において少なくともほぼ1logの減少を示す、レンズ。
【請求項30】
銀および、式Iで表される少なくとも一つのリガンドモノマーを含むポリマーを含むレンズケースにおいて、
【化4】

wは0〜1であり;
Yは酸素または硫黄であり;
31は、水素またはC1-6アルキルであり;
32は、ヒドロキシル、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸、チオC1-6アルキルカルボニル、チオC1-6アルキルアミノカルボニル、−C(O)NH−(CH2d−R33、−O−R33、−NH−R33、−S−(CH2d−R33、−(CH2d−R33、C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、C1-6アルキルアミン、フェニルアミン、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルアミン、置換フェニルアミン、置換フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキル尿素および置換C1-6アルキルチオ尿素(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれたものである)からなる群から選ばれ{ここで、
dは0〜8であり、
33は、チオC1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル(ここで、前記アルキル置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換フェニル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
−(CR3435q−(CHR36m−SO3H(ここで、R34,R35およびR36は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、qは1〜6であり、mは0〜6である)、
−(CH2n−S−S−(CH2xNH−C(O)CR37CH2(ここで、R37は水素またはC1-6アルキルであり、nは1〜6であり、xは1〜6である)、
−(CR3839t−(CHR40u−P(O)(OH)2(ここで、R38,R39およびR40は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシルおよびC1-6アルキルからなる群から選ばれ、tは1〜6であり、uは0〜6である)、
フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ナフタロイル、キノリニル、インドリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジニル、置換ピリミジニル、置換ピラジニル、置換ベンズイミダゾリル、置換ベンゾチアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、置換ナフタロイル、置換キノリニル、置換インドリル、置換チアジアゾリル、置換トリアゾリル、置換4−メチルピペリジン−1−イルまたは置換4−メチルピペラジン−1−イル(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル、カルボン酸、アミン、アミジン、N−(2−アミノピリミジン)スルホニル、N−(アミノピリジン)スルホニル、N−(アミノピラジン)スルホニル、N−(2−アミノピリミジン)カルボニル、N−(アミノピリジン)カルボニル、N−(アミノピラジン)カルボニル、N−(2−アミノピリミジン)ホスホニル、N−(2−アミノピリジン)ホスホニル、N−(アミノピラジン)ホスホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)スルホニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノインドリル)スルホニル、N−(アミノチアゾリル)スルホニル、N−(アミノトリアゾリル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)スルホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)スルホニル、N−(アミノベンズイミダゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾチアゾリル)カルボニル、N−(アミノベンゾトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノインドリル)カルボニル、N−(アミノチアゾリル)カルボニル、N−(アミノトリアゾリル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)カルボニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)カルボニル、N−(2−アミノベンズイミダゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノベンゾトリアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノインドリル)ホスホニル、N−(2−アミノチアゾリル)ホスホニル、N−(2−アミノトリアゾリル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペリジニル)ホスホニル、N−(アミノ−4−メチルピペラジニル)ホスホニル、アセトアミド、ニトリル、チオール、C1-6アルキルジスルフィド、C1-6アルキルスルフィド、フェニルジスルフィド、尿素、C1-6アルキル尿素、フェニル尿素、チオ尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニルチオ尿素、置換C1-6アルキルジスルフィド、置換フェニルジスルフィド、置換C1-6アルキル尿素、置換C1-6アルキルチオ尿素、置換フェニル尿素および置換フェニルチオ尿素からなる群の一以上の構成要素から選ばれ、この場合に、前記C1-6アルキルジスルフィド、フェニルジスルフィド、C1-6アルキル尿素、C1-6アルキルチオ尿素、フェニル尿素およびフェニルチオ尿素の置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)である};
41は、水素、C1-6アルキル、フェニル、C1-6アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換C1-6アルキル、置換フェニル、置換C1-6アルキルカルボニルおよび置換フェニルカルボニルからなる群から選ばれる(ここで、前記置換基は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アミン、アミジン、アセトアミドおよびニトリルからなる群から選ばれる)、
レンズケース。

【公表番号】特表2007−523362(P2007−523362A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547503(P2006−547503)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/043722
【国際公開番号】WO2005/065731
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【Fターム(参考)】