抗CD40抗体及びその使用
本発明は、新規な組成物の発現、分泌、及び使用のための、例えば、抗原を抗原提示細胞にデリバリーするためのワクチン及び抗原デリバリーベクターとしての使用のための組成物及び方法を含む。一実施形態では、ベクターは、ヒト化抗体を含む、抗CD40抗体又はその断片及び抗CD40抗体又はその断片に連結された1又は2以上の抗原ペプチドである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、免疫の分野、特に、新規な抗CD40抗体及び抗CD40抗体ベースのワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の範囲を限定することなく、背景技術は、抗原提示に関連して記載される。ワクチン及び抗原提示のための方法の1つの例は、CD40に結合するカルボキシ末端に連結されたアミノ末端抗原をコードするDNAワクチンについてLedbetter et al.に発行された米国特許第7,118,751号明細書において教示される。手短に言えば、抗原特異的体液性免疫応答及び細胞性免疫応答を改善するために、細胞表面受容体に対して1又は2以上の抗原をターゲティングするワクチンが、教示される。細胞表面受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)は、内部移行され、細胞内区画の中に抗原(複数可)が運搬され、ここで、抗原(複数可)は、ペプチドに消化され、MHC分子上にロードされる。ペプチド抗原に特異的なT細胞は、活性化され、免疫応答の増強に至る。ワクチンは、少なくとも1つの受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)又は少なくとも1つの受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)をコードするDNAプラスミドを含んでいてもよい。本発明の好ましい実施形態は、CD40受容体に対してHIV−1 env抗原をターゲティングし、CD40陽性細胞に対する抗原のデリバリー及びT細胞に対してHIV−1 env抗原を提示する細胞上のCD40受容体の選択的な活性化がもたらされる。
【0003】
他の例は、アンタゴニスト抗CD40モノクローナル抗体及びそれらの使用方法についてLi et al.によって提出された米国特許出願第20080254026号において見つけられる。手短に言えば、CD40発現細胞上でのCD40シグナル伝達の刺激によって媒介される疾患を治療するための療法において使用するための組成物及び方法が開示され、提供される。方法は、治療有効量のアンタゴニスト抗CD40抗体またその抗原結合断片をその必要のある患者に投与するステップを含む。アンタゴニスト抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、著しいアゴニスト活性はないが、抗体がヒトCD40発現細胞上のCD40抗原に結合する場合に、アンタゴニスト活性を示す。抗CD40抗体又はその抗原結合断片のアンタゴニスト活性は、B細胞などのヒトCD40発現細胞の増殖及び/又は分化を有利に阻害する。
【0004】
他の例は、微生物TLRアゴニスト、CD40アゴニスト又は4−1BBアゴニストを含み、抗原も含んでよいアジュバントの組合せ並びに細胞性免疫を相乗的に増強するためのその使用についてDeluciaによって提出された米国特許出願第20080241139号において教示される。手短に言えば、この出願は、完全なウイルス、細菌若しくは酵母、又は膜、スフェロプラスト、サイトプラスト若しくはゴーストなどのその部分など、少なくとも1つの微生物TLRアゴニスト、CD40アゴニスト又は4−1BBアゴニストを含み、抗原も含んでよいアジュバントの組合せであって、3つの成分がすべて、異なっていてもよい又は同じ組換え微生物若しくは組換えウイルスを含んでいてもよい、アジュバントの組合せを教示し、これらが開示される。癌及びHIV感染症などの様々な慢性疾患の治療のためのこれらの免疫アジュバントの使用もまた、提供される。
【0005】
Bernett et al.によって提出された米国特許出願第20080199471号は、最適化CD40抗体及び最適化CD40抗体を使用するための方法に関する。手短に言えば、この出願は、CD40をターゲティングする抗体を教示し、抗体は、親抗体に関する少なくとも1つの修飾を含み、修飾により、親抗体と比較して、FcγRに対する親和性が改変される又はエフェクター機能が改変される。本発明の抗体を使用するための方法もまた、開示される。
【0006】
最後に、Tripp et al.によって提出された米国特許出願第20080181915号は、呼吸器合胞体ウイルスについてのCD40リガンドアジュバントに関する。手短に言えば、この出願は、宿主において、RSVに対する免疫応答を増強するための方法及びアジュバントを教示し、方法及びアジュバントは、CD40結合タンパク質の供給源を含む。好ましくは、CD40結合タンパク質は、CD40Lであり、供給源は、CD40Lコード領域に作用可能に連結されたプロモーターを含むベクターである。本発明のアジュバント及び方法によってもたらされる、免疫応答の増強は、Th1サイトカインの発現の増加及び抗体の産生の増加の両方を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,118,751号明細書
【特許文献2】米国特許出願第20080254026号
【特許文献3】米国特許出願第20080241139号
【特許文献4】米国特許出願第20080199471号
【特許文献5】米国特許出願第20080181915号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、本発明は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片である。一態様では、抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3、若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又はヒト重鎖定常領域のバリアントを含む。一態様では、抗体は、軽鎖定常領域をさらに含み、軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む。他の態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列を含む及び/又は抗体は、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列を含む。他の態様では、抗体は、ハイブリドーマ抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)によって産生される。他の態様では、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。一態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。他の態様では、組換え抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域と少なくとも90、95、99又は100%の配列同一性を含む。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。
【0009】
本発明の他の実施形態は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であり、抗体は、請求項1に記載の抗体である。
【0010】
本発明の他の実施形態は、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及びb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合するヒト化組換え抗体又はその抗原結合断片である。一態様では、抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3、若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又はヒト重鎖定常領域のバリアントを含む。一態様では、抗体は、軽鎖定常領域をさらに含み、軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む。他の態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される。他の態様では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列を含む。一態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)の少なくとも可変領域を含む。他の態様では、ヒト化抗体は、ヒト抗体フレームワーク上に、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及びb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域の相補性決定領域を含む。
【0011】
本発明の他の実施形態は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であり、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する、請求項に記載の抗体、組換え抗体、又はその抗原結合断片である。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)抗体の少なくとも可変領域を含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0012】
本発明の他の実施形態は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸である。一態様では、核酸は、抗体をヒト化するヒト抗体に由来する核酸配列をさらに含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0013】
本発明の他の実施形態は、ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む発現ベクターである。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0014】
本発明の他の実施形態は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸をコードするベクターを含む宿主細胞である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0015】
本発明の他の実施形態は、ポリペプチドを作製する方法であって、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む宿主細胞を、核酸配列が発現する条件下で培養し、それによってポリペプチドを作製するステップ並びに宿主細胞からポリペプチドを回収するステップを含む方法である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0016】
本発明の他の実施形態は、ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む発現ベクターである。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0017】
本発明の他の実施形態は、ポリペプチドを作製するための方法であって、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含むベクターを含む宿主細胞を、核酸配列が発現する条件下で培養し、それによってポリペプチドを作製するステップ並びに宿主細胞からポリペプチドを回収するステップを含む方法である。
【0018】
本発明の他の実施形態は、配列番号9、11、12又は14の核酸配列を有する軽鎖及び配列番号8、10又は13の核酸配列を有する重鎖を含む、CD40に特異的な抗体をコードする単離核酸配列である。一態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される抗体断片である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0019】
本発明の他の実施形態は、ヒト化抗体についてアクセプター生殖細胞系列配列を同定するための方法であって、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びにc)非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、比較が、1)非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるサブステップ;2)配列のCDR領域及びFR領域を定めるサブステップ;3)非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるサブステップ;並びに4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての残基スコアを合計するサブステップを含む、ステップ;並びにd)最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列をアクセプター生殖細胞系列配列として同定するステップを含む方法である。一態様では、非ヒト抗体は、CD40に特異的である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0020】
本発明の他の実施形態は、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びにc)非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、比較は、1)非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるステップ;2)配列のCDR領域及びFR領域を定めるステップ;3)非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるステップ;並びに4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての残基スコアを合計するステップのサブステップを含むステップ;並びにd)アクセプター生殖細胞系列配列として最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列を同定するステップを含む方法によって生成される抗体である。一態様では、非ヒト抗体は、CD40に特異的である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0021】
本発明の他の実施形態は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片を宿主細胞において発現させるステップを含む抗体を作製するための方法である。一態様では、宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、又は哺乳動物細胞である。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0022】
本発明の他の実施形態は、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片であり、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。一態様では、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7の1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列、又はその両方を含む。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。他の態様において、抗体は、単独で、少なくとも10%、20%、25%、28%、30%、又は35%のB細胞増殖を引き起こすことができる。
【0023】
本発明の他の実施形態は、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片であり、抗体は、単独で、B細胞の少なくとも10%のB細胞増殖を引き起こすことができる。一態様では、増殖するB細胞のパーセンテージは、少なくとも15%、20%、25%、28%、30%又は35%である。一態様では、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7の1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列、又はその両方を含む。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。他の態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。
【0024】
本発明の特徴及び利点についてのより完全な理解のために、ここでは、添付の図面に加えて、発明を実施するための形態について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トランスフェクト293F細胞から分泌され、還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性組換え抗体を示す図である(レーン1〜5)。
【図2】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1及び2)。
【図3】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリング(peptide string)に融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1〜5)。
【図4】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1〜6)。
【図5】αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が、PBMC培養物との関連において抗原特異的T細胞の増大を誘発する効力をアッセイするためにインビトロにおいて使用するプロトコールを示す図である。
【図6A−C】様々な濃度の抗CD40.LIPO5ペプチドストリングワクチンと共にインキュベートした、HIV患者に由来するPBMCにおけるHIVペプチド特異的IFNγ産生を示す図である。Cは、コントロールグループであり、これらは、ワクチンを受けず、それぞれのペプチドに対する培養物のベースラインの応答を確定する。
【図7】8人のHIV患者に由来する5つのペプチド領域に対するαCD40.LIPO5ペプチドワクチン応答の概要を示す図である。
【図8A−C】αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが、多数のサイトカインを分泌することができるHIVペプチド特異的T細胞の増大−ワクチンにおいて望ましい特徴を誘発することを示す図である。また、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが、多数のサイトカインの産生によって特徴づけられる、gag253、nef66、nef116、及びpol325ペプチド特異的応答を誘発することを示す図でもある(患者A5)。
【図9】DCによる、ターゲティングによる取り込み及びそれらの表面MHC複合体上へのペプチドエピトープの提示から結果として生じる抗原特異的T細胞の増大を指示するためのその能力についてαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを試験するためのプロトコールを示す図である。
【図10A−B】様々な用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療したDC−T細胞共培養物からの、HIVペプチドに応じたサイトカイン分泌を示す図である(患者A10)。
【図11A−B】αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A4に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していないことを示す図である。
【図12A】太字で可動性リンカー領域を、下線を引いて結合配列を、且つ灰色の影付きでHIVペプチド領域を示すαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン重鎖配列を示す図である。αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A3に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253、nef66、及びnef116領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していないことを示す図である。
【図12B−1−B−2】30nMの3つの異なるHIV5ペプチドDCターゲティングワクチンと共にインキュベートしたHIV患者A17 PBMCから誘起されたHIV抗原特異的T細胞応答を示す図である。
【図12C−1−C−2】PBMCが異なるHIV患者(A2)に由来する以外は、図12B−1及びB−2において示す研究に類似する研究を示す図である。
【図12D】15の異なるHIVペプチド応答[3人の患者においてサンプリングした5つのペプチド領域]を示す図であり、抗CD40.HIV5pepワクチンが、広範囲のHIVペプチド特異的CD8+及びCD4+T応答の誘発について、抗DCIR.HIV5pep、抗LOX−1.HIV5pep、及び非LIPO5ミックスより優れていたことが分かった。
【図13】抗CD40 mAb:IL−4DCの内部移行を示す図である。IL−4DCは、500ng/mlの抗CD40−Alexa 568と共に処理した。
【図14】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたDCによるCD4及びCD8 T細胞増殖を示す図である。2ug/mlの抗CD40−HA又はコントロールIg−HA1をロードした5×10e3 IFNDCは、7日間、CFSE標識自己由来CD4+又はCD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、抗CD4抗体又は抗CD8抗体を用いて染色した。細胞増殖は、CFSE希釈液を測定することによって試験した。
【図15】CD4+T増殖に対するHA1融合タンパク質の力価測定を示す図である。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K)は、7日間、CFSE標識CD4+T細胞(200K)と共に共培養した。
【図16】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す図である。CD4+T細胞は、5uMの示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、細胞内IFNγを染色した。
【図17】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す図である。CD4+T細胞は、36時間、示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、培養上清は、IFNγの測定のために分析した。
【図18】CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す図である。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K/ウェル)は、10日間、精製CD8+T細胞と共に共培養した。細胞は、抗CD8及びテトラマーを用いて染色した。細胞は、健常ドナーに由来する(HLA−A*0201+)。
【図19】CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す図である(異なる健常ドナーに由来する細胞を使用する8回の反復実験の概要)。
【図20】抗CD40−MART−1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す図である。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、10uMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。
【図21】抗CD40−Flu M1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す図である。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、1.0nMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。
【図22】PSA(前立腺特異的抗原)に連結された抗CD4012E12から構成されるワクチンが、ナイーブT細胞集団からの増大を誘発する能力を試験するためのプロトコールの概略を示す図である。PSA特異的CD4+T細胞は、PSAエピトープの広範囲のアレイに相当する。手短に言えば、健常ドナーに由来する単球のIFNα及びGM−CSFを用いる培養に由来するDCをワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を、新鮮な培地中に置き、同じドナーに由来する純粋なCD4+T細胞を追加する。数日後に、PSAペプチドを追加し、4時間後に、培養上清中に分泌されたγIFNレベルを決定する。
【図23】多くのPSAペプチドが、強力なγIFN産生応答を誘発し、抗CD4012E12及び類似する抗CD40作用物質が、抗原をDCに効率的にデリバリーすることができることを示し、抗原の多数のエピトープに対する免疫応答のプライミングをもたらすことを示す図である。
【図24】抗CD40−PSAを用いてターゲティングされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘発することを示す図である。IFNDCは、PSAを有する1ug mAb融合タンパク質を用いてターゲティングした。精製自己由来CD8+T細胞を10日間、共培養した。細胞は、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)−テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常ドナーに由来する。結果により、抗CD40がPSAをDCに有効にデリバリーし、これは、次に、PSA特異的CD8+T細胞の増大を誘発することが実証される。
【図25】スキーム(左)並びにドナー2についてのペプチドのプール及びコントロールのT細胞によるIFNγ産生を示す図である。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【図26】ペプチドの精査並びにドナー2についての図25において示されるペプチドのプール及びコントロールから得られたT細胞によるIFNγ産生を示す図である。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【図27】抗CD40−MART−1ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図28】MART−1についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す図である。
【図29】抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図30】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体のデザインを示す図である。
【図31】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図32】gp100についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す図である。
【図33】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図34】CD40ライゲーションを介してのシグナル伝達(細胞死として読み取られる)を検出するアッセイを使用して、様々な抗体を用いて得られた結果を示す図である。
【図35】抗体がdocとの融合タンパク質に作製され、次いで捕獲を行った際の、様々な構築物との結合を示す図である。
【図36−37】GM−CSF及びIFNaの追加あり又はなし(図36A〜D)並びに24時間DCと共にインキュベートした可溶性の抗体のみ(図37A〜D)のサイトカイン産生を比較する図である。
【図38A−B】B細胞増殖に対する本発明の抗CD40抗体の様々な濃度の効果を実証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の様々な実施形態の作製及び使用を下記に詳細に議論するが、本発明は、種々様々の特定の状況で具現することができる、多くの適用可能な発明概念を提供することを十分に理解するべきである。本明細書において議論される特定の実施形態は、本発明を作製し、且つ使用するための特定の方法を単に例証するものであり、本発明の範囲を定めるものではない。
【0027】
本発明についての理解を容易にするために、多くの用語を下記に定義する。本明細書において定義される用語は、本発明に関する当業者らによって一般的に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」などの用語は、単数の要素のみを指すように意図するのではなく、そのうちの特定の例が例証のために使用されてもよい概括的な分類を含む。本明細書における術語は、本発明の特定の実施形態を記載するために使用されるが、それらの使用は、請求項において概説されるもの以外は、本発明を定めるものではない。
【0028】
本発明はまた、バリアント及びその断片の抗体(又は「Ab」)の他の修飾、例えば抗CD40融合タンパク質を含む(抗体は、用語「免疫グロブリン」と同義的に使用される)。本明細書において使用される場合、用語「抗体又はその断片」は、完全な抗体又は抗体の断片、例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、及び一本鎖Fv断片(ScFv)又は例えばCD40に特異的に結合する免疫グロブリンの任意の生物学的に有効な断片を含む。ヒト起源に由来する抗体又はヒト化抗体は、ヒトにおいて免疫原性が低下しており又はそれがなく、非ヒト抗体と比較して少ない数の免疫原性エピトープを有する又はそれを有していない。抗体及びそれらの断片は、ヒトにおいてレベルが低下した抗原性を有するように又は抗原性を有しないように一般に選択されるであろう。
【0029】
本明細書において使用される場合、用語「Ag」又は「抗原」は、免疫グロブリン分子の抗原結合領域に結合することができる又は免疫応答、例えば主要組織適合抗原(MHC,Major Histocompatibility Antigen)細胞タンパク質上への抗原の提示によるT細胞媒介性免疫応答を誘発することができる物質を指す。本明細書において使用される場合、「抗原」は、ペプチド、小分子、炭水化物、脂質、核酸、又はその組合せであってもよい抗原決定基、ハプテン、及び免疫原を含むが、これらに限定されない。熟練した免疫学者は、T細胞への提示のために処理される抗原を議論する場合に、用語「抗原」が、MHCによってT細胞受容体に提示されるT細胞エピトープである抗原のそれらの部分(例えばペプチド断片)を指すことを認識するであろう。「抗原」、抗体の可変ドメインの相補性決定領域(軽及び重)に結合する抗原の部分に特異的な抗体の形態におけるB細胞媒介性免疫応答との関連において使用される場合、結合部分は、直鎖状の又は立体的なエピトープであってもよい。本発明との関連において、抗原という用語は、両方の状況に対して使用される、すなわち、抗体は、タンパク質抗原(CD40)に特異的なだけではなく、MHCによるT細胞への提示のための1又は2以上のペプチドエピトープを運搬する。ある場合には、本発明のワクチン又は融合タンパク質によってデリバリーされる抗原は、内部移行され、例えば、抗体又は融合タンパク質の1又は2以上の部分の切断によって、提示前に抗原提示細胞によって処理される。
【0030】
本明細書において使用される場合、用語「抗原ペプチド」は、B細胞又はT細胞によって特異的に認識されるポリペプチド抗原のその部分を指す。B細胞は、抗体産生を介して外来性の抗原決定基に対して応答するが、Tリンパ球は、媒介細胞性免疫である。したがって、抗原ペプチドは、抗体によって又はMHCとの関連においてT細胞受容体によって認識される抗原の部分である。
【0031】
本明細書において使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫グロブリンに特異的に結合することができる又は主要組織適合遺伝子複合体(MHC,Major Histocompatibility Complex)タンパク質(例えばクラスI若しくはクラスII)によってT細胞受容体に提示することができる任意のタンパク質決定基を指す。エピトープ決定基は、T細胞受容体に対してある種のアミノ酸側鎖基を提示し、例えば、溝、ペプチド側鎖基、及びT細胞受容体の特異的な電荷特性のために溝中に、ある種の他の残基を有するMHC分子の溝の中に適合する5〜30アミノ酸長の、一般に短いペプチドである。一般に、解離定数が1mM、100nM、又はさらに10nMである場合、抗体は、抗原に特異的に結合する。
【0032】
本明細書において使用される場合、用語「ベクター」は、2つの異なる状況において使用される。ワクチンに関連して用語「ベクター」を使用する場合、ベクターは、ワクチンの抗原部分を誘導する又はデリバリーするために使用される非抗原性部分を表すために使用される。例えば、抗体又はその断片は、免疫応答を誘発する抗原に結合してもよい又はそれと融合タンパク質を形成してもよい。細胞ワクチンについては、抗原のデリバリー及び/又は提示のためのベクターは、抗原提示細胞であり、これは、抗原がロードされる細胞によってデリバリーされる。ある場合には、細胞ベクター自体もまた、抗原(複数可)を処理し、T細胞に提示し、抗原特異的免疫応答を活性化してもよい。核酸との関連において使用される場合、「ベクター」は、宿主細胞において、1又は2以上の所望の遺伝子又はポリヌクレオチド配列をデリバリーすることができ、好ましくは、発現させることができる構築物を指す。ベクターの例は、ウイルスベクター、ネイキッドDNA発現ベクター又はネイキッドRNA発現ベクター、陽イオン性縮合剤と関連したDNA発現ベクター又はRNA発現ベクター、リポソーム中に封入されたDNA発現ベクター又はRNA発現ベクター、及びプロデューサー細胞などのある種の真核細胞を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書において使用される場合、用語「安定した」及び「不安定な」は、タンパク質を指す場合、その3次元構造及び/若しくは活性を維持する(安定した)又はその3次元構造及び/若しくは活性を直ちに若しくは次第に失う(不安定な)ペプチド又はタンパク質を表すために使用される。本明細書において使用される場合、用語「不溶性の」は、細胞中で産生される場合(例えば真核細胞若しくは原核細胞中で又はインビトロにおいて発現させた組換えタンパク質)、変性条件又は変性作用物質(例えば、それぞれ、熱又は化学的な変性剤)の使用がない限り、溶液中で可溶性ではないタンパク質を指す。本明細書において教示される抗体又はその断片及びリンカーは、それらのペプチドとの抗体融合タンパク質を、不溶性の及び/又は不安定なものから安定した及び/又は可溶性のタンパク質に変えることが分かった。不安定性に対する安定性の他の例は、同じ溶液中で測定された場合に、安定したコンホメーションを有するタンパク質のドメインが、タンパク質の不安定なドメインよりも高い融解温度(Tm,melting temperature)を有する場合である。ドメインは、Tmの差異が、同じ溶液中で測定された場合に、少なくとも約2℃、より好ましくは約4℃、より好ましくは約7℃、より好ましくは約10℃、より好ましくは約15℃、より好ましくは約20℃、より好ましくは約25℃、最も好ましくは約30℃である場合、他のドメインと比較して、安定している。
【0034】
本明細書において使用される場合、「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、一重又は二重鎖形態をしたデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの鎖を指す(天然ヌクレオチドの既知のアナログを含む)。二重鎖核酸配列は、相補的配列を含むであろう。ポリヌクレオチド配列は、1又は2以上のリンカーと融合タンパク質を形成する、免疫グロブリンの可変及び/又は定常領域ドメインをコードしてもよい。本発明で使用するために、マルチクローニング部位(MCS,multiple cloning site)は、リンカーの間の発現用ペプチドのインフレームの挿入を可能にするために抗体の重鎖及び/又は軽鎖のカルボキシ末端の位置の中に設計されてもよい。本明細書において使用される場合、用語「単離ポリヌクレオチド」は、ゲノム、cDNA、又は合成起源のもの又はそのいくつかの組合せのポリヌクレオチドを指す。その起源により、「単離ポリヌクレオチド」は、(1)「単離ポリヌクレオチド」が自然界において見つけられるポリヌクレオチドのすべて若しくは一部と関連していない、(2)それが自然界において連結されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、又は(3)より大きな配列の一部として自然界に存在しない。当業者は、ベクターをデザインし、且つ実現するために、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるCurrent Protocols in Molecular Biology, 2007 by John Wiley and Sonsにおいて教示されるものなどの、当技術分野において知られている技術を使用することによって核酸レベルで操作することができることを認識するであろう。手短に言えば、コードする核酸配列は、発現ベクターであってもよいベクターにおけるポリメラーゼ連鎖反応、オリゴヌクレオチド又はポリメラーゼ連鎖反応断片の酵素による挿入を使用して挿入することができる。抗体軽鎖、重鎖、又は両方のカルボキシ末端での挿入物の挿入を容易にするために、マルチクローニング部位(MCS)は抗体配列を有する配列中に設計されてもよい。
【0035】
本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチド」は、アミノ酸のポリマーを指し、特定の長さの産物を指さず、したがって、ペプチド、オリゴペプチド、及びタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化、及びその他同種のものをも指さない又はそれをも除外する。例えば、アミノ酸の1又は2以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含有するポリペプチド、置換された連結を有するポリペプチド、及び天然に存在する及び天然に存在しない、当技術分野において知られている他の修飾が定義内に含まれる。用語「ドメイン」又は「ポリペプチドドメイン」は、フォールドして、その本来のコンホメーションで単一の球状の領域になり、且つ個別の結合特性又は機能的特性を示してもよいポリペプチドの配列を指す。
【0036】
指定の核酸配列「に由来する」ポリペプチド又はアミノ酸配列は、配列においてコードされるポリペプチドのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列又はその部分を有するポリペプチドを指し、部分は、配列においてコードされるポリペプチドと免疫学的に同一であると見なせる少なくとも3〜5のアミノ酸、好ましくは、少なくとも4〜7のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも8〜10のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも11〜15のアミノ酸からなる。この術語はまた、指定の核酸配列から発現したポリペプチドをも含む。
【0037】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容されるキャリヤー」は、本発明の免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質と組み合わせられた場合に、Igが生物学的活性を保持することを可能にし、対象の免疫系と一般に非反応性である任意の物質を指す。例として、リン酸緩衝生理食塩水、水、油/水エマルションなどのエマルション、及び様々なタイプの湿潤剤などの標準的な医薬キャリヤーを含むが、これらに限定されない。リン酸緩衝食塩水又は通常の(0.85%)食塩水であってもよい、ある種の希釈剤が、例えばエアロゾル投与又は非経口投与のために、本発明と共に使用されてもよい。
【0038】
本発明で使用するための抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)の少なくとも可変領域を含む。
【0039】
本発明は、配列中に、超可変領域CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lを含み、CDR1Lは、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有し、CDR2Lは、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号42)を有し、CDR3Lは、アミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号43)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号37において示される、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VL)を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0040】
したがって、本発明は、配列中に、超可変領域CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hを含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号44)を有し、CDR2Hは、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号45)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号46)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号38において示される、少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)を含む抗原結合部位を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0041】
一態様では、本発明は、上記に定義される重鎖可変ドメイン(VL)を含む単離免疫グロブリン軽鎖を含む単一ドメインCD40結合分子を提供する。他の態様では、本発明は、上記に定義される重鎖可変ドメイン(VH)を含む単離免疫グロブリン重鎖を含む単一ドメインCD40結合分子を提供する。
【0042】
他の態様では、本発明はまた、CD40結合分子が、a)配列中に、超可変領域CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lを含み、CDR1Lは、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有し、CDR2Lは、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号42)を有し、CDR3Lは、アミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号43)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号1において示される、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VL)、b)配列中に、超可変領域CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hを含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号44)を有し、CDR2’は、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号45)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号46)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号38において示される、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VH)を含む少なくとも1つの抗原結合部位を含む、重鎖(VH)及び軽鎖(VL)可変ドメインの両方を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0043】
その他に示されない限り、いかなるポリペプチド鎖も、N末端で始まり、C末端で終わるアミノ酸配列を有するものとして本明細書において記載される。抗原結合部位がVH及びVLの両方のドメインを含む場合、これらは、同じポリペプチド分子上に置かれてもよい又は好ましくは、それぞれのドメインは、異なる鎖上にあってもよく、VHドメインは、免疫グロブリン重鎖又はその断片の一部であり、VLは、免疫グロブリン軽鎖又はその断片の一部である。
【0044】
本明細書において使用される場合、用語「CD40結合分子」は、単独で又は本明細書において教示される1若しくは2以上のVL及びVH CDR、いくつかの場合では、2、3、4、5、若しくは6つすべてのCDRを有する他の分子と関連してCD40抗原に結合することができる任意の分子を指す。結合反応は、例えば、他の分子のCD40への結合若しくは任意の種類の結合をブロックすることによって決定するためのバイオアッセイ又は特異性が無関係であるが、アイソタイプが同じ抗体、例えば抗CD25抗体若しくは抗CD80抗体が使用されるネガティブコントロール試験に関連しての活性アッセイ(例えば免疫応答の活性化、低下、若しくは修飾)を含む標準的な方法(定質的アッセイ)によって示されてもよい。
【0045】
本発明はまた、10〜30のアミノ酸、好ましくは15〜25のアミノ酸を通常含むペプチドリンカーによって共有結合された、抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインを有する一本鎖抗体に作製できる。そのため、そのような構造は、重鎖及び軽鎖の定常部分を含まず、小さなペプチドスペーサーは、完全な定常部分ほど抗原性ではないはずであると考えられる。
【0046】
本明細書において使用される場合、用語「キメラ抗体」は、重鎖若しくは軽鎖又はその両方の定常領域がヒト起源であるが、重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインが非ヒト(例えばマウス、ハムスター、若しくはラット)起源のものである又はヒト起源のものであるが、異なるヒト抗体に由来する抗体を指す。
【0047】
本明細書において使用される場合、用語「CDR移植抗体」は、超可変相補性決定領域(CDR)が、非ヒト(例えばマウス)抗体又は異なるヒト抗体などのドナー抗体に由来するが、免疫グロブリンのすべての又は実質的にすべての他の部分(例えば可変ドメインの保存領域、つまりフレームワーク領域)が、アクセプター抗体に由来する(ヒト化抗体の場合には、ヒト起源の抗体)、抗体を指す。CDR移植抗体は、フレームワーク領域中に、例えば超可変領域に隣接するフレームワーク領域の部分においてドナー配列の少数のアミノ酸を含んでいてもよい。
【0048】
本明細書において使用される場合、用語「ヒト抗体」は、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許第0546073 B1号、米国特許第5,545,806号明細書、米国特許第5,569,825号明細書、米国特許第5,625,126号明細書、米国特許第5,633,425号明細書、米国特許第5,661,016号明細書、米国特許第5,770,429号明細書、欧州特許第0 438474 B1号、及び欧州特許第0 463151 B1号において概括的な用語で記載されるように、重鎖及び軽鎖の両方の定常領域及び可変領域がすべてヒト起源のものであり又は必ずしも同じ抗体に由来しないが、ヒト起源の配列と実質的に同一であり、且つマウス、ハムスター、又はラットの免疫グロブリン可変部分及び定常部分の遺伝子がそれらのヒト対応物と交換された、マウスによって産生された抗体を含む、抗体を指す。
【0049】
本発明のCD40結合分子は、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_11B6.1C3、又は抗CD40_12B4.2C10抗体から得られるCDRを含むヒト化抗体とすることができる。キメラ抗体の1つの例は、ヒト起源である重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメイン、例えば、配列番号1及び配列番号2の一部である抗CD40_12E12.3F3抗体、配列番号3及び配列番号4若しくは配列番号5における抗CD40_12B4.2C10、並びに/又は抗CD40_11B6.1C3、配列番号6及び配列番号7又はその組合せの可変ドメインを含む。定常領域ドメインはまた、好ましくは、例えば"Sequences of Proteins of Immunological Interest", Kabat E. A. et al, US Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institute of Healthにおいて記載されるように、適したヒト定常領域ドメインを含む。核酸配列は、例えば配列番号8及び9中に見つけることができる。
【0050】
超可変領域は、任意の種類のフレームワーク領域、例えばヒト起源のフレームワーク領域と結合させてもよい。適したフレームワーク領域は、Kabat E. A.において記載された。1つの重鎖フレームワークは、例えば、配列番号2の一部である抗CD40_12E12.3F3抗体、抗CD40_12B4.2C10−配列番号4若しくは配列番号5、及び/又は抗CD40_11B6.1C3−配列番号7、又はその組合せ、例えばFR1L、FR2L、FR3L、及びFR4L領域の重鎖フレームワークである。同様に、配列番号1は、FR1H、FR2H、FR3H、及びFR4H領域の配列を含む抗CD40_12E12.3F3(又は抗CD40_12B4.2C10及び抗CD40_11B6.1C3、それぞれ配列番号3及び6についての等価物)の重鎖フレームワークを示す。CDRは、参照によって本明細書に組み込まれる、フレームワーク領域、関連する部分、及びフレームワーク配列を含む新しいヒト可変鎖フレームワーク領域及びヒト化抗体を教示するRybak et al.に対して発行された7,456,260において記載されるものなどのように、ヒト抗体フレームワークに追加されてもよい。遺伝子レベルで移植を達成するために、本発明はまた、VL及びVH領域並びに完全抗体及びそのヒト化バージョンについての基礎となる核酸配列を含む。本発明の核酸配列は、それぞれ抗CD40抗体軽鎖及び重鎖である配列番号8及び9、並びに同じアミノ酸配列について多様なコドン使用頻度を含む核酸配列と、核酸又はアミノ酸レベルで85、90、95、又は100%の配列同一性を有する保存的変異とを含む。同様に、CDRは、個々に、グループで、又は2、3、4、若しくは5つ又は全部で、核酸又はアミノ酸レベルで85、90、95、又は100%の配列同一性を有していてもよい。
【0051】
すべてのヒトにおいて天然に存在するタンパク質に対して産生されたモノクローナル抗体は、典型的に、非ヒト系において、例えばマウスにおいて開発されており、そのため典型的に、非ヒトタンパク質である。この直接的な結果として、ハイブリドーマによって産生される異種抗体は、ヒトに投与された場合、異種免疫グロブリンの定常部分によって主に媒介される、望ましくない免疫応答を誘発する。異種抗体は、宿主免疫応答を誘発する傾向があり、それによって、長期間にわたってそれらを投与することができないので、そのような抗体の使用が限定される。そのため、ヒトに投与された場合に実質的な同種応答を誘発しないであろう一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、又はとりわけヒト抗体を使用するのが特に有用である。本発明は、実質的に同一の特性を有する元々のタンパク質の単に対立形質である、1つの、少数の、又はさらにいくつかのアミノ酸の欠失、付加、又は置換などのアミノ酸配列の小さな変化を有する抗体を含む。
【0052】
その受容体へのCD40の結合の阻害は、本文において以下に記載されるアッセイを含む様々なアッセイにおいて好都合に試験されてもよい。用語「同じ程度まで」によって、参照分子及び等価分子が、統計的基礎に基づいて、上記に言及されるアッセイのうちの1つにおいて本質的に同一のCD40結合阻害曲線を示すことを意味する。例えば、使用されるアッセイは、本発明の結合分子によるCD40の結合の競合的阻害のアッセイであってもよい。
【0053】
一般に、ヒト抗CD40抗体は、(a)位置1のアミノ酸から始まり位置107のアミノ酸で終わる配列番号1において示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメイン及びヒト軽鎖の定常部分を含む少なくとも1つの軽鎖;並びに(b)配列番号2において示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメイン及びヒト重鎖の定常部分を含む少なくとも1つの重鎖を含む。ヒト重鎖の定常部分は、γ1、γ2、γ3、γ4、μ、β2、又はδ若しくはε型、好ましくはγ型であってもよいのに対して、ヒト軽鎖の定常部分は、κ又はλ型(λ1、λ2、及びλ3サブタイプを含む)であってもよいが、好ましくはκ型である。可変ドメイン及び定常ドメインの一般的な位置のアミノ酸配列は、当技術分野においてよく知られており、一般に、Kabatの命名法に従う。
【0054】
本発明のCD40結合分子は、組換えDNA技術によって産生されてもよい。これを考慮して、結合分子をコードする1又は2以上のDNA分子は、構築され、適切な制御配列下に置かれ、発現に適した宿主生物の中に移入されなければならない。
【0055】
したがって、非常に一般的な方法では、(i)本発明の単一ドメインCD40結合分子、本発明の一本鎖CD40結合分子、本発明のCD40結合分子の重鎖若しくは軽鎖又はその断片をコードするDNA分子;及び(ii)組換え法による本発明のCD40結合分子の産生のための本発明のDNA分子の使用が提供される。
【0056】
現在の最先端技術は、本明細書において提供される情報、つまり、超可変領域のアミノ酸配列及びそれらをコードするDNA配列を考慮すれば、当業者が本発明のDNA分子を合成することができるようなものである。可変ドメイン遺伝子を構築するための方法は、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるEPA 239 400中に記載されている。手短に言えば、MAbの可変ドメインをコードする遺伝子が、クローニングされる。フレームワーク及び超可変領域をコードするDNAセグメントが、決定され、フレームワーク領域をコードするDNAセグメントが結合部で適した制限部位と一緒に融合されるように、超可変領域をコードするDNAセグメントが、取り出される。制限部位は、標準的な手順によってDNA分子の突然変異誘発によって適切な位置に生成されてもよい。二重鎖合成CDRカセットは、配列番号1及び3又は2及び4中に示される配列(それぞれアミノ酸配列及び核酸配列)に従ってDNA合成によって調製される。フレームワークの結合部でそれらをライゲーションすることができるように、これらのカセットは、付着末端と共に提供されることが多い。
【0057】
本発明のCD40結合分子をコードするDNA構築物を得るために産生ハイブリドーマ細胞系からmRNAを入手する必要はない。例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第90/07861号パンフレットは、遺伝子のヌクレオチド配列に関して書かれた情報のみを考慮しての、組換えDNA技術による抗体の産生のための十分な教示を提供する。手短に言えば、方法は、所望のDNA配列を提供するために、多くのオリゴヌクレオチドの合成、PCR法によるそれらの増幅、及びそれらのスプライシングを含む。
【0058】
適したプロモーター又は重鎖及び軽鎖定常部分をコードする遺伝子を含む発現ベクターは、公的に入手可能である。したがって、一度、本発明のDNA分子が調製されれば、それは、適切な発現ベクター中に好都合に移入されてもよい。例えば、国際公開第88/1649号パンフレットにおいて記載されるように、一本鎖抗体をコードするDNA分子もまた、標準的な方法によって調製されてもよい。以上を考慮すると、記載要件の十分性の基準に従う必要のあるハイブリドーマ又は細胞系寄託物はない。
【0059】
例えば、CD40に特異的に結合する第1及び第2のDNA構築物が、作製される。手短に言えば、第1のDNA構築物は、軽鎖又はその断片をコードし、且つa)フレームワーク及び超可変領域を交互に含む可変ドメインをコードする第1の部分であって、超可変領域は、配列CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lであり、これらのアミノ酸配列は、配列番号1において示され、可変ドメインの第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、可変ドメインの最後のアミノ酸をコードするコドンで終わる第1の部分並びにb)重鎖の定常部分の第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、定常部分又はその断片の最後のアミノ酸をコードするコドンで終わり、終止コドンが続く、軽鎖定常部分又はその断片をコードする第2の部分を含む。
【0060】
第1の部分は、配列番号1、2、3、4、5、6又は7中に示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメインをコードする。第2の部分は、ヒト重鎖の定常部分、より好ましくはヒトγ1鎖の定常部分をコードする。この第2の部分は、ゲノム起源のDNA断片(イントロンを含む)又はcDNA断片(イントロンを有していない)であってもよい。
【0061】
第2のDNA構築物は、重鎖又はその断片をコードし、且つa)フレームワーク及び超可変領域を交互に含む可変ドメインをコードする第1の部分であって、超可変領域は、CDR1H並びにCDR2H及びCDR3Hであってもよく、これらのアミノ酸配列は、配列番号2において示され、可変ドメインの第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、可変ドメインの最後のアミノ酸をコードするコドンで終わる第1の部分並びにb)軽鎖の定常部分の第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、定常部分又はその断片の最後のアミノ酸をコードするコドンで終わり、終止コドンが続く、重鎖定常部分又はその断片をコードする第2の部分を含む。
【0062】
第1の部分は、配列番号2中に示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメインをコードする。第1の部分は、位置1のヌクレオチドから始まり、位置321のヌクレオチドで終わる配列番号2中に示されるヌクレオチド配列を有する。また、好ましくは、第2の部分は、ヒト軽鎖の定常部分、より好ましくはヒトκ鎖の定常部分をコードする。
【0063】
本発明はまた、CDR1L、CDR2L、CDR3L、CDR1H、CDR2H、若しくはCDR3H又はフレームワーク、典型的に少数のみ(例えばFR1〜4L若しくはH)の1又は2以上の残基が、例えば、対応するDNA配列の部位特異的突然変異誘発によって、配列番号37及び配列番号38中に示される残基から変化している、CD40結合分子をも含む。本発明は、そのような変化したCD40結合分子をコードするDNA配列を含む。特に、本発明は、CDR1L、CDR2L、及び/又はCDR3Lの1又は2以上の残基が配列番号37中に示される残基から変化しており、且つCDR1H、CDR2H、及び/又はCDR3Hの1又は2以上の残基が配列番号38中に示される残基又は配列番号1、3及び6からの等価物から変化している、CD40結合分子を含む。
【0064】
それぞれのDNA構築物は、適した制御配列のコントロール下に、特に、適したプロモーターのコントロール下に置かれる。任意の種類のプロモーターが、使用されてもよい、ただし、DNA構築物が発現のための移入されるであろう宿主生物にそれがふさわしいことを条件とする。しかしながら、発現が哺乳動物細胞中で起こる場合、免疫グロブリン遺伝子プロモーターは、B細胞中で使用されてもよい。第1及び第2の部分は、イントロンによって隔てられてもよく、エンハンサーは、第1及び第2の部分の間のイントロン中に好都合に配置されてもよい。転写されるが、翻訳されないそのようなエンハンサーの存在は、効率的な転写を支援してもよい。特定の実施形態では、第1及び第2のDNA構築物は、例えば重鎖ヒト遺伝子のエンハンサーを含む。
【0065】
所望の抗体は、細胞培養物又はトランスジェニック動物において産生されてもよい。適したトランスジェニック動物は、適した制御配列下に置かれた第1及び第2のDNA構築物を卵の中にマイクロインジェクトすること、適切な偽妊娠しているメスの中にそのように調製された卵に移入すること、及び所望の抗体を発現している子孫を選択することを含む標準的な方法によって得られてもよい。
【0066】
本発明はまた、上記に記載されるDNA構築物の少なくとも1つを含む、原核細胞系又は真核細胞系において複製することができる発現ベクターを提供する。次いで、DNA構築物を含有するそれぞれの発現ベクターは、適した宿主生物の中に移入される。DNA構築物が2つの発現ベクター上に別々に挿入される場合、それらは、別々に移入されてもよく、つまり、細胞当たり1種類のベクターとして移入されてもよく又は同時移入されてもよく、この後者が可能性として好ましい。適した宿主生物は、細菌、酵母、又は哺乳動物細胞系であってもよく、この後者が好ましい。より好ましくは、哺乳動物細胞系は、リンパ起源のもの、例えば骨髄腫B細胞、ハイブリドーマB細胞、通常の不死化B細胞であり、これは、好都合に、いかなる内因的な抗体重鎖も軽鎖も発現しない。
【0067】
抗体鎖が細胞培養物中で産生される場合、DNA構築物は、最初に、単一の発現ベクター又は2つの異なるが適合する発現ベクターの中に挿入され、後者が可能性として好ましい。哺乳動物細胞における発現については、CD40結合分子のコード配列は、CD40結合分子の高レベルの発現を可能にする又は促進する遺伝子座内の宿主細胞DNAの中に統合されることが好ましい。
【0068】
本発明のさらなる態様では、(i)上記に定義される発現ベクターを用いて形質転換される生物を培養するステップ及び(ii)培養からCD40結合分子を回収するステップを含む、CD40結合分子の産物のプロセスが提供される。
【0069】
本発明に従って、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、及び/又は抗CD40_11B6.1C3抗体は、ヒトCD40に対して結合特異性を有するように思われることが分かった。そのため、このエピトープに対する抗体、例えば抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、及び/又は抗CD40_11B6.1C3抗体が、樹状細胞(DC)の中に抗原を効率的にデリバリーすることができることは最も驚くべきことである。成熟ヒトCD40の抗原性エピトープに対して結合特異性を有する抗体、特に、キメラ抗体及びCDR移植抗体並びにとりわけヒト抗体並びにDC抗原ローディングのためのそのような抗体の使用は、新規であり、且つ本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
本発明の抗CD40抗体を治療適応に使用するために、適切な投薬量は、もちろん、例えば、用いられることとなる、本明細書において開示される抗体、宿主、投与のモード、並びに治療されている状態の性質及び重症度に依存して変動するであろう。しかしながら、予防的な使用において、良好な結果は、体重1キログラム当たり約0.05mg〜約10mg、より通常では、体重1キログラム当たり約0.1mg〜約5mgの投薬量で一般に見出される。予防的な使用のための投薬の頻度は、通常、1週間当たり約1回〜3カ月ごとに約1回の範囲、より通常では、2週間ごとに約1回〜10週間ごとに約1回、例えば4〜8週間ごとに1回の範囲にあるであろう。本発明の抗CD40抗体は、非経口的に、静脈内に、例えば、肘前静脈若しくは他の末梢静脈の中に、筋肉内に、又は皮下に投与することができる。
【0071】
本発明の医薬組成物は、従来の方法で、例えば凍結乾燥形態で製造されてもよい。即時の投与については、それは、適した水性キャリヤー、例えば注射用の滅菌水又は滅菌緩衝生理的食塩水中に溶解される。注入による、どちらかと言うとボーラス注入としての投与のために、より大量の溶液を作製することが望ましいと考えられる場合、製剤の時に食塩水の中にヒト血清アルブミン又は患者自身のヘパリン化血を組み込むことが有利である。過剰なそのような生理学的に不活性なタンパク質の存在は、輸液と共に使用される容器及び管材料の壁への吸着による抗体の損失を予防する。アルブミンが使用される場合、適した濃度は、生理食塩水の0.5〜4.5重量%である。
【0072】
本発明の一実施形態は、本発明のヒト化抗体を含む免疫複合体、例えば、1又は2以上のエフェクター分子、抗原(複数可)、及び/又は検出可能な標識(複数可)に連結されたヒト化抗CD40抗体を提供する。好ましくは、エフェクター分子は、例えば、1又は2以上のT細胞エピトープ、毒素、小分子、サイトカイン若しくはケモカイン、酵素、又は放射標識を含む、1又は2以上のペプチドなどの治療用分子である。
【0073】
例示的な毒素は、シュードモナス外毒素又はジフテリア毒素を含むが、これらに限定されない。小分子の例は、タキソール、ドキソルビシン、エトポシド、及びブレオマイシン(bleiomycin)などの化学療法化合物を含むが、これらに限定されない。例示的なサイトカインは、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、並びにIL−12、IL−17、及びIL−25を含むが、これらに限定されない。例示的な酵素は、RNアーゼ、DNアーゼ、プロテアーゼ、キナーゼ、及びカスパーゼを含むが、これらに限定されない。例示的な放射性同位体は、32P及び125Iを含むが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書において使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫応答を刺激することができる分子又は物質を指す。一実施例では、エピトープは、ポリペプチド及びポリペプチドをコードする核酸を含むが、これらに限定されない。ポリペプチドへの核酸の発現は、ポリペプチドが処理され、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子上に提示される場合、免疫応答を刺激することができる。一般に、エピトープは、それらがT細胞受容体及びそれぞれのT細胞アクセサリー分子と相互作用することができるように、細胞の表面上に提示され、クラスI又はクラスII MHCの結合溝に非共有結合するペプチドを含む。
【0075】
抗原のタンパク質分解性のプロセシング。MHCによって抗原提示細胞上に表出されるエピトープは、より大きなペプチド又はタンパク質抗原前駆物質の切断ペプチド又は切断産物である。MHC Iエピトープについては、タンパク質抗原は、細胞中に存在するプロテアソームによって消化されることが多い。細胞内プロテアソーム消化により、次いでMHCタンパク質にロードされる、長さが約3〜23アミノ酸のペプチド断片が産生される。細胞内又は細胞外環境のさらなるタンパク質分解性の活性により、これらの断片をさらに切り、且つ処理することができる。MHCクラスIIエピトープのプロセシングは、一般に、リソソーム/エンドソームコンパートメントに由来する細胞内プロテアーゼを介して生じる。本発明は、一実施形態では、それに対する免疫応答の増強が求められるペプチドを抗原提示細胞に直接、誘導する、抗CD40抗体(又はその断片)に付着している、前処理されたペプチドを含む。
【0076】
免疫原性化合物として潜在的に有効なエピトープを同定するために、MHC結合のみの予測は、有用であるが、不十分である場合が多い。本発明は、抗原提示細胞及びレスポンダーT細胞の特定の供給源に対して求められる免疫応答に最も至るであろう、抗原内のエピトープを特異的に同定するための方法を含む。
【0077】
本発明は、患者自身の抗原提示細胞及びT細胞のレパートリーを使用して所望の免疫応答を最ももたらすであろう、エピトープの同定のために迅速で容易なアッセイを可能にする。本発明の組成物及び方法は、いかなるタンパク質配列にも適用可能であり、MHCに結合することができ、抗原に応答するであろうT細胞に適切に提示されるエピトープを使用者が同定することを可能にする。したがって、本発明は、いかなる特定の標的又は病状にも限定されないが、その代わりに、いかなる有用な供給源に由来するMHCエピトープ(複数可)をも包含する。
【0078】
本明細書において使用される場合、用語「ベニヤ(veneered)」は、非ヒト抗体の特異性をヒトフレームワークの中に「移植する」ために、非ヒト抗体(例えばマウス、ラット、又はハムスター)から得られた抗原結合部位又はCDRが、ヒト重鎖及び軽鎖保存構造フレームワーク領域(FR)の中に例えば、軽鎖又は重鎖のポリヌクレオチド中に置かれる、ヒト化抗体フレームワークを指す。ベニヤ抗体を発現する1又は2以上のポリヌクレオチド発現ベクターは、非ヒト抗体の抗原特異性を示し、且つそれらの発現、安定性、可溶性、又はその組合せを増強するであろう翻訳後修飾を受ける組換えヒト抗体の発現のために、哺乳動物細胞にトランスフェクトすることができる。
【0079】
抗原
本発明で使用するためのウイルス抗原の例は、HIV、HCV、CMV、アデノウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルスなどを含むが、これらに限定されない。非限定的な例は、gag、pol、及びenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質、リバーストランスクリプターゼ、並びに他のHIV成分などのヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原に由来するレトロウイルス抗原などのレトロウイルス抗原;B型肝炎ウイルスのS、M、及びLタンパク質、B型肝炎ウイルスのプレS抗原、並びにC型肝炎ウイルスRNAなどの、他の肝炎、例えばA型、B型、C型肝炎ウイルス成分などの肝炎ウイルス抗原;赤血球凝集素及びノイラミニダーゼなどのインフルエンザウイルス抗原並びに他のインフルエンザウイルス成分;麻疹ウイルス融合タンパク質などの麻疹ウイルス抗原及び他の麻疹ウイルス成分;タンパク質E1及びE2などの風疹ウイルス抗原並びに他の風疹ウイルス成分;VP7scなどのロタウイルス抗原及び他のロタウイルス成分;エンベロープ糖タンパク質Bなどのサイトメガロウイルス抗原及び他のサイトメガロウイルス抗原成分;RSV融合タンパク質、M2タンパク質などの呼吸器合胞体ウイルス抗原及び他の呼吸器合胞体ウイルス抗原成分;前初期タンパク質、糖タンパク質Dなどの単純ヘルペスウイルス抗原及び他の単純ヘルペスウイルス抗原成分;gpI、gpIIなどの帯状疱疹ウイルス抗原及び他の帯状疱疹ウイルス抗原成分;タンパク質E、M−E、M−E−NS1、NS1、NS1−NS2A、80%Eなどの日本脳炎ウイルス抗原及び他の日本脳炎ウイルス抗原成分;狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質などの狂犬病ウイルス抗原及び他の狂犬病ウイルス抗原成分。ウイルス抗原のさらなる例については、Fundamental Virology, Second Edition, eds. Fields, B. N. and Knipe, D. M. (Raven Press, New York, 1991)を参照されたい。少なくとも1つのウイルス抗原は、アデノウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルス、ヘルペスウイルス、ロタウイルス、ハンタウイルス、コロナウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、オルソミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、レオウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ポックスウイルス、ヘパドナウイルス、又は海綿状ウイルスに由来するペプチドであってもよい。ある特定の非限定的な実施例では、少なくとも1つのウイルス抗原は、HIV、CMV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、麻疹、ポリオ、痘瘡、風疹;呼吸器合胞体ウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、日本脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、及び/又は感冒ウイルスのうちの少なくとも1つから得られるペプチドである。
【0080】
一態様では、1又は2以上の抗原ペプチドは、Nef(66〜97):VGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGL(配列番号148);Nef(116〜145):HTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKL(配列番号149);Gag p17(17〜35):EKIRLRPGGKKKYKLKHIV(配列番号150);Gag p17〜p24(253〜284):NPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILD(配列番号151);及びPol 325〜355(RT 158〜188):AIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLY(配列番号152)のうちの少なくとも1つから選択される。一態様では、融合タンパク質ペプチドは、SSVSPTTSVHPTPTSVPPTPTKSSP(配列番号11);PTSTPADSSTITPTATPTATPTIKG(配列番号12);TVTPTATATPSAIVTTITPTATTKP(配列番号13);又はTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAA(配列番号14)から選択される1又は2以上のリンカーによって隔てられる。
【0081】
本発明の抗CD40抗原ワクチンを使用してデリバリーされてもよい抗原性の標的は、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又は寄生虫抗原などの抗原をコードする遺伝子を含む。病原体は、トリパノソーマ、サナダムシ、回虫、蠕虫、マラリア原虫を含む。胎児抗原又は前立腺特異的抗原などの腫瘍マーカーは、このようにターゲティングされてもよい。他の例は、HIV envタンパク質及びB型肝炎表面抗原を含む。ワクチン接種の目的のための本発明によるベクターの投与は、それに対する強い免疫応答が所望されるであろう導入遺伝子の長期的な発現を可能にするために、ベクター関連抗原が、十分に非免疫原性であることを必要とする。いくつかの場合では、個人のワクチン接種は、年1回又は2年に1回などのように、希にのみ必要とされてもよく、感染病原体からの長期的な免疫性の防御を提供する。ベクターにおいて使用するための及び究極的に本発明での抗原としての生物、アレルゲン、並びに核酸配列及びアミノ酸配列の特定の例は、関連する部分、特に本発明で使用されてもよい生物及び特異的配列を対応させる表が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,541,011号明細書において見出される。
【0082】
本明細書において開示される抗CD40抗原ワクチンで使用するための細菌抗原は、例えば、百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、ペルタクチン、FIM2、FIM3、アデニル酸シクラーゼ、及び他の百日咳細菌抗原成分などの細菌抗原;ジフテリア毒素又はトキソイドなどのジフテリア(diptheria)細菌抗原及び他のジフテリア細菌抗原成分;破傷風毒素又はトキソイドなどの破傷風細菌抗原及び他の破傷風細菌抗原成分;Mタンパク質などのストレプトコッカス細菌抗原及び他のストレプトコッカス細菌抗原成分;リポ多糖などのグラム陰性桿菌細菌抗原及び他のグラム陰性細菌抗原成分、ミコール酸、熱ショックタンパク質65(HSP65,heat shock protein 65)、30kDa主要分泌タンパク質、抗原85Aなどのマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)細菌抗原及び他のミコバクテリウムの抗原成分;ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)細菌抗原成分;ニューモリシン、肺炎球菌莢膜多糖などの肺炎球菌細菌抗原及び他の肺炎球菌細菌抗原成分;莢膜多糖などのヘモフィルス・インフルエンザエ(haemophilus influenza)細菌抗原及び他のヘモフィルス・インフルエンザエ細菌抗原成分;炭疽菌防御抗原などの炭疽菌細菌抗原及び他の炭疽菌細菌抗原成分;rompAなどのリケッチア細菌抗原及び他のリケッチア細菌抗原成分を含むが、これらに限定されない。本明細書において記載される細菌抗原と共に、他の細菌抗原、マイコバクテリウム抗原、マイコプラズマ抗原、リケッチア抗原、又はクラミジア抗原もまた含まれる。部分的な又は完全な病原体はまた、ヘモフィルス・インフルエンザエ(haemophilus influenza);熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum);髄膜炎菌(neisseria meningitidis);ストレプトコッカス・ニューモニエ(streptococcus pneumoniae);ナイセリア・ゴノレー(neisseria gonorrhoeae);サルモネラ血清型チフス;赤痢菌;ビブリオ・コレラエ(vibrio cholerae);デング熱;脳炎;日本脳炎;ライム病;ペスト菌;西ナイルウイルス;黄熱;ツラレミア;肝炎(ウイルス;細菌);呼吸器合胞体ウイルス(RSV,respiratory syncytial virus);HPIV 1及びHPIV 3;アデノウイルス;痘瘡;アレルギー、並びに癌であってもよい。
【0083】
本発明の組成物及び方法で使用するための真菌抗原は、例えば、カンジダ真菌抗原成分;熱ショックタンパク質60(HSP60,heat shock protein 60)などのヒストプラズマ真菌抗原及び他のヒストプラズマ真菌抗原成分;莢膜多糖などのクリプトコッカス真菌抗原及び他のクリプトコッカス真菌抗原成分;小球抗原(spherule antigen)などのコクシジオイデス真菌抗原及び他のコクシジオイデス真菌抗原成分;並びにトリコフィチンなどの白癬菌真菌抗原及び他のコクシジオイデス真菌抗原成分を含むが、これらに限定されない。
【0084】
原生動物抗原及び他の寄生虫抗原の例は、メロゾイト表面抗原、スポロゾイト表面抗原、スポロゾイト周囲抗原、生殖母細胞/生殖体表面抗原、血液段階抗原(blood-stage antigen)pf 155/RESA、及び他のマラリア原虫抗原成分などの熱帯熱マラリア原虫抗原;SAG−1、p30、及び他のトキソプラズマ抗原成分などのトキソプラズマ抗原;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、パラミオシン、及び他の住血吸虫抗原成分などの住血吸虫抗原;gp63、リポホスホグリカン、及びその関連タンパク質などのリーシュマニア主要抗原及び他のリーシュマニア抗原並びに他のリーシュマニア抗原成分;並びに75〜77kDa抗原、56kDa抗原、及び他のトリパノソーマ抗原成分などのトリパノソーマ・クルージ(trypanosoma cruzi)抗原を含むが、これらに限定されない。
【0085】
本発明の抗CD40抗原ワクチンを使用してターゲティングすることができる抗原は、一般に、内部移行の見込み、免疫細胞特異性のレベル、ターゲティングされる免疫細胞の種類、免疫細胞成熟度、及び/又は活性化のレベル並びにその他同種のものを含む多くの因子に基づいて選択されるであろう。本実施形態では、抗体は、単一特異性抗体又は1つの抗CD40結合ドメイン及び第2の抗原、例えば、MHCクラスI、MHCクラスII、B7−2、CD18、CD29、CD31、CD43、CD44、CD45、CD54、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、及び/又はDectin−1並びにその他同種のものなどの樹状細胞についての細胞表面マーカーに対する1つの結合ドメインを含むが、いくつかの場合では、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD56、及び/又はCD57が存在しない二重特異性抗体であってもよい。抗原提示細胞についての細胞表面マーカーの例は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD45、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、並びに/又はFcγ受容体を含むが、これらに限定されない。T細胞についての細胞表面マーカーの例は、CD3、CD4、CD8、CD14、CD20、CD11b、CD16、CD45、及びHLA−DRを含むが、これらに限定されない。
【0086】
デリバリーのための細胞表面上の標的抗原は、典型的に、腫瘍組織の細胞の細胞表面、細胞質、核、細胞小器官、及びその他同種のものに由来する腫瘍抗原のそれらの特性を含む。本発明の抗体部分の腫瘍標的の例は、限定されることなく、白血病及びリンパ腫などの血液癌、星状細胞腫若しくは膠芽腫などの神経性の腫瘍、黒色腫、乳癌、肺癌、頭頸部癌、胃癌又は結腸癌などの胃腸腫瘍、肝臓癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮癌、卵巣癌、膣癌、精巣癌、前立腺癌、若しくは陰茎癌などの尿生殖器の腫瘍、骨腫瘍、血管腫瘍、又は唇、鼻咽頭、咽頭及び口腔、食道、直腸、胆嚢、胆管、喉頭、肺及び気管支、膀胱、腎臓、脳及び神経系の他の部分、甲状腺の癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、並びに白血病に由来する抗原を含む。
【0087】
本発明を使用して、単独で又は抗原提示のための免疫細胞と組み合わせてデリバリーされてもよい抗原の例は、腫瘍タンパク質、例えば突然変異癌遺伝子;腫瘍と関連するウイルスタンパク質;並びに腫瘍ムチン及び糖脂質を含む。抗原は、腫瘍と関連するウイルスタンパク質であってもよく、上記に示したウイルスのクラスに由来するものになるであろう。ある種の抗原は、腫瘍に特有のものであってもよい(腫瘍前駆細胞によって通常発現されないタンパク質である、あるサブセット)又は腫瘍前駆細胞中で通常発現されるが、腫瘍の突然変異特性を有するタンパク質であってもよい。他の抗原は、活性又は細胞内分布の改変、例えば、腫瘍抗原を生じる、遺伝子の突然変異を有する通常のタンパク質の突然変異バリアント(複数可)を含む。
【0088】
抗CD40融合タンパク質ワクチンにおいて使用される腫瘍抗原の特定の非限定的な例は、例えばCEA、前立腺特異的抗原(PSA)、HER−2/neu、BAGE、GAGE、MAGE 1〜4、6、及び12、MUC(ムチン)(例えばMUC−1、MUC−2など)、GM2ガングリオシド及びGD2ガングリオシド、ras、myc、チロシナーゼ、MART(黒色腫抗原)、Pmel 17(gp100)、N−アセチルグルコサミントランスフェラーゼVイントロンV配列(GnT−VイントロンV配列)、前立腺Ca psm、PRAME(黒色腫抗原)、β−カテニン、黒色腫遍在性突然変異遺伝子産物(MUM−1−B)、GAGE(黒色腫抗原)1、MAGE、BAGE(黒色腫抗原)2〜10、c−ERB2(Her2/neu)、DAGE、エプスタイン−バーウイルス核抗原(EBNA)1〜6、gp75、ヒトパピローマウイルス(HPV)E6及びE7、p53、肺抵抗性タンパク質(LRP)、Bcl−2、Ki−67、サイクリンB1、gp100、サバイビン、並びにNYESO−1を含む。
【0089】
さらに、免疫原性分子は、自己免疫疾患、主として、関連する標的器官、組織、又は細胞によって発現される分子に特異的な抗体の活性による病態、例えばSLE又はMGの開始及び/又は蔓延に関与する自己抗原とすることができる。そのような疾患において、関連する自己抗原に対する進行中の抗体媒介性(つまりTh2型)免疫応答を、細胞性(つまりTh1型)免疫応答の方へ誘導することが望ましい可能性がある。その代わりに、適切な自己抗原に対するTh1応答を予防的に誘発することによって、関連する自己免疫疾患を有していないが、それに対して感受性であることが疑われている対象における自己抗原に対するTh2応答の発生を予防すること又はそのレベルを減少させることが望ましい可能性がある。所望の自己抗原は、限定されることなく、(a)SLEに関して、Smithタンパク質、RNPリボ核タンパク質、並びにSS−A及びSS−Bタンパク質;並びに(b)MGに関して、アセチルコリン受容体を含む。1又は2以上の種類の自己免疫応答に関与する他の種々の抗原の例は、例えば黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、テストステロン、成長ホルモン、プロラクチン、及び他のホルモンなどの内因的なホルモンを含む。
【0090】
自己免疫疾患、アレルギー、及び移植片拒絶に関与する抗原は、本発明の組成物及び方法において使用することができる。任意の1又は2以上の以下の自己免疫疾患又は自己免疫障害に関与する抗原は、本発明において使用することができる:糖尿病、真性糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群に次ぐ乾性角結膜炎を含むシェーグレン症候群、円形脱毛症、節足動物咬傷反応によるアレルギー応答、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、らいリバーサル反応、癩性結節性紅斑、自己免疫性ぶどう膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症(acute necrotizing hemorrhagic encephalopathy)、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少症、多発軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、クローン病、グレーブス眼症、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ぶどう膜炎、並びに間質性肺線維症。自己免疫疾患に関与する抗原の例は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD 65,glutamic acid decarboxylase 65)、天然DNA、ミエリン塩基性タンパク質、ミエリンプロテオリピドタンパク質、アセチルコリン受容体成分、チログロブリン、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH,thyroid stimulating hormone)受容体を含んでいる。
【0091】
アレルギーに関与する抗原の例は、スギ花粉抗原、ブタクサ花粉抗原、ドクムギ花粉抗原などの花粉抗原、チリダニ抗原及びネコ抗原などの動物由来抗原、組織適合性抗原、並びにペニシリン及び他の治療薬を含む。移植片拒絶に関与する抗原の例は、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、及び神経の移植片成分などの、移植片レシピエントに移植されることとなる移植片の抗原性成分を含む。抗原は、自己免疫疾患を治療するのに有用な改変ペプチドリガンドであってもよい。
【0092】
エフェクタータンパク質の機能的な利点に実質的に影響しない方法で、任意のタンパク質エフェクター分子の配列が改変されてもよいことが当業者らによって十分に理解されるであろう。例えば、グリシン及びアラニンは、典型的に、アスパラギン酸及びグルタミン酸並びにアスパラギン及びグルタミンと同様に交換可能であると考えられる。当業者は、エフェクター配列の多くの異なる変異が、本来のエフェクターとほぼ同じ活性を有するエフェクターをコードするであろうと認識するであろう。エフェクター分子及び抗体は、上記に記載されるように、化学的又は組換え手段によってコンジュゲートされてもよい。化学的修飾は、例えば、タンパク質化学の当技術分野においてよく知られている方法によって、直接又は連結化合物を通して、エフェクター分子及び抗体を互いに連結するための誘導体化を含む。共有結合及び非共有結合の結合手段の両方は、本発明のヒト化抗体で使用されてもよい。
【0093】
抗体にエフェクター分子を付着させるための手順は、抗体に付着することとなる成分の化学構造によって変わるであろう。ポリペプチドは、典型的に、エフェクター分子の結合をもたらすための、抗体上の適した官能基との反応に利用可能である様々な官能基;例えばカルボン酸基(COOH)、遊離アミン基(−−NH2)、又はスルフヒドリル(−−SH)基を含有する。その代わりに、抗体は、例えば、Pierce Chemical Company、Rockford Illから入手可能なものなどの多くのリンカー分子のいずれかの付着によって、さらなる反応性の官能基に曝露する又は付着させるために誘導体化することができる。
【0094】
リンカーは、抗体及びエフェクター分子の両方に対して共有結合を形成することができる。適したリンカーは、当業者らによく知られており、直鎖若しくは分岐鎖炭素リンカー、ヘテロ環式炭素リンカー、又はペプチドリンカーを含むが、これらに限定されない。抗体及びエフェクター分子がポリペプチドである場合、リンカーは、それらの側鎖を通して構成アミノ酸に結合されてもよい(例えばシステインに対するジスルフィド結合を通して)。しかしながら、好ましい実施形態では、リンカーは、末端アミノ酸のアルファ炭素アミノ基及びカルボキシル基に連結されるであろう。
【0095】
いくつかの状況において、免疫複合体がその標的部位に到達した場合に、抗体からエフェクター分子を遊離することが望ましい。そのため、これらの状況において、免疫複合体は、標的部位の近くで切断可能な連結を含むであろう。抗体からエフェクター分子を放出するためのリンカーの切断は、標的細胞の内部で又は標的部位の近くで免疫複合体がさらされる酵素活性又は条件によって促されてもよい。標的部位が腫瘍である場合、腫瘍部位に存在する条件下で切断可能なリンカーが、使用されてもよい(例えば腫瘍関連酵素又は酸性pHに曝露される場合)。
【0096】
エフェクター分子及び本発明の抗体の例示的な化学的修飾はまた、よく知られている方法による、循環系における滞留の時間を延長し、且つ免疫原性を低下させるための、ポリエチレングリコール(PEG)を用いる誘導体化を含む(例えばLisi, et al., Applied Biochem. 4:19 (1982);Beauchamp, et al., Anal Biochem. 131:25 (1982);及びGoodson, et al., Bio/Technology 8:343 (1990)を参照されたい)。
【0097】
本発明は、能動及び受動免疫実施形態の両方で使用するためのワクチンを企図する。ワクチンとしての使用に適していると提唱される免疫原性組成物は、最も容易には、本明細書において開示される方法において調製される免疫原性T細胞刺激ペプチドから直接、調製されてもよい。最終のワクチン接種物質は、望まれない低分子量分子を取り出すために広範囲に透析される及び/又は所望の媒体へのより迅速な製剤のために凍結乾燥される。本発明のある実施形態では、本発明の組成物及び方法は、細胞ワクチンを製造するために使用される、例えば、抗体の抗原デリバリー抗CD40結合部分は、抗原提示細胞に抗原(複数可)を誘導するために使用され、これは、次いで、提示のためにMHCタンパク質上に抗原を「ロードする」。そのため、細胞ワクチンは、抗原ロード抗原提示細胞を生成するために本発明の組成物を使用してロードされた抗原提示細胞である。
【0098】
ワクチンが抗CD40結合タンパク質自体、例えば、完全抗体又はその断片である場合、次いで、これらの「活性成分」は、当技術分野、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,608,251号明細書;第4,601,903号明細書;第4,599,231号明細書;第4,599,230号明細書;及び第4.578,770号明細書において理解される方法を使用して、作製して、ワクチンにすることができる。典型的に、そのようなワクチンは、注射剤として、例えば、注射前の液体中での再懸濁に適した溶液若しくは懸濁液又は固体形態として調製される。調製物はまた、乳化されてもよい。活性免疫原性成分は、薬学的に許容され、活性成分と適合する添加剤と混合されることが多い。適した添加剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、又はその他同種のもの及びその組合せである。さらに、所望の場合、ワクチンは、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、又はワクチンの有効性を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含有してもよい。
【0099】
ワクチンは、投薬製剤と適合する方法で、且つ治療的に有効で、免疫原性となるであろう量で投与される。投与されることとなる量は、例えば、免疫応答を生成する個人の免疫系の能力を含めて、治療されることとなる対象に依存する。投与するのに必要な細胞又は活性成分の正確な量は、医師の判断に依存する。しかしながら、適した投薬範囲は、細胞ワクチンについて約数千の細胞(〜数百万の細胞)である。次いで、標準的なエピトープ又はエピトープデリバリーワクチンについては、ワクチンは、ワクチン接種当たりの数百マイクログラムの活性成分であってもよい。最初の投与及びブースター注射に適した投与計画は、多様であるが、最初の投与、それに続く二次の接種又は他の投与によって代表される。
【0100】
適用の方法は、広く変動してもよいが、本明細書におけるある実施形態は、最も、静脈内に又は腫瘍若しくは感染の部位に直接デリバリーされるであろう。それとは関係なく、ワクチンの投与のための従来の方法のうちのいずれも適用可能である。ワクチンの投薬量は、投与経路に依存し、宿主のサイズに従って変動するであろう。
【0101】
多くの場合では、ワクチンの複数回の投与、例えば、毎週又は1週間おきに提供される4〜6回のワクチン接種が望ましいであろう。通常のワクチン接種レジメンは、2〜12週間の間隔又は3〜6週間の間隔で行われることが多いであろう。1〜5年、通常3年の間隔の定期的なブースターは、防御レベルの免疫応答を維持するのに又は寛解若しくは再感染の見込みに際して望ましい可能性がある。免疫の過程の後に、最も一般的にインビトロにおいて行われる、例えばT細胞活性化、サイトカイン分泌、又はさらに抗体産生についてのアッセイが続けられてもよい。これらの免疫応答アッセイは、よく知られており、種々様々の特許において、また本明細書において教示されるように見出される。
【0102】
本発明のワクチンは、核酸ベクターが使用されるか、最終精製タンパク質、又は最終ワクチン形態が使用されるかに依存して、1又は2以上の「単位用量」で提供されてもよい。単位用量は、その投与、つまり適切な経路及び治療レジメンと関連して所望の応答をもたらすように計算される、治療用組成物の所定の量を含有するとして定義される。投与されることとなる量並びに特定の経路及び製剤は、当業者らの技術の範囲内にある。治療されることとなる対象、特に、対象の所望の免疫系及び防御の状態もまた、評価されてもよい。単位用量は、単回注射として投与する必要はないが、一定期間にわたる持続注入を含んでいてもよい。本発明の単位用量は、体重1kg当たりのDNA(又は体重1kg当たりのタンパク質)を単位として好都合に記載されてもよく、約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.5、1、10、50、100、1,000mg以上の範囲の、体重1kg当たりのDNA又はタンパク質が投与される。
【0103】
同様に、デリバリーされる抗CD40抗原ワクチンの量は、体重1kg当たり約0.2〜約8.0mgで変動し得る。したがって、特定の実施形態では、0.4mg、0.5mg、0.8mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、及び7.5mgのワクチンが、インビボにおいて個人にデリバリーされてもよい。投与されることとなるワクチンの投薬量は、治療されている対象の体重及び健康状態並びに投与経路及び治療の頻度に大いに依存する。リポソームデリバリーベクター又はウイルスデリバリーベクターにあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgのポリヌクレオチドから1μg〜100mgのタンパク質の範囲の量で投与されてもよい。したがって、特定の組成物は、1μg、5μg、10μg、20μg、3.0μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、1.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgのベクターに独立して結合された約1μg、5μg、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、又は1,000μgポリヌクレオチド又はタンパク質を含んでいてもよい。
【0104】
本発明の抗体は、検出可能な標識に共有結合又は非共有結合されてもよい。そのような使用に適した検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、又は化学的方法によって検出可能な任意の組成物を含む。本発明において有用な標識は、磁気ビーズ(例えばDYNABEADS)、蛍光色素(例えばフルオレセインイソチオシアネート、Texasレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質、及びその他同種のもの)、放射標識(例えば3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びELISAにおいて一般的に使用される他のもの)、並びにコロイド金又は色ガラス又はプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色定量標識を含む。
【0105】
そのような標識を検出するための方法は、当業者らによく知られている。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルム又はシンチレーションカウンターを使用して検出されてもよく、蛍光マーカーは、放射される照射を検出するために光検出器を使用して検出されてもよい。酵素による標識は、典型的に、基質と共に酵素を提供し、且つ基質に対する酵素の作用によって産生される反応産物を検出することによって検出され、比色定量標識は、単に色標識を視覚化することによって検出される。
【0106】
本発明の抗体及び/又は免疫複合体組成物は、静脈内投与又は体腔の中への投与などの非経口投与に特に有用である。投与のための組成物は、薬学的に許容されるキャリヤー、好ましくは水性キャリヤー中で溶解された抗体及び/又は免疫複合体の溶液を一般的に含むであろう。様々な水性キャリヤー、例えば緩衝食塩水及びその他同種のものを使用することができる。これらの溶液は、滅菌で、望ましくない物質が一般にない。これらの組成物は、従来のよく知られている滅菌技術によって滅菌されてもよい。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤、並びにその他同種のもの、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、及びその他同種のものなどの、生理学的条件に近づけるのに必要とされる、薬学的に許容される補助物質を含有してもよい。これらの製剤中の融合タンパク質の濃度は、広く変動し得、選択される投与の特定のモード及び患者の必要に従って、体液容量、粘性、体重、及びその他同種のものに基づいて主として選択されるであろう。
【0107】
したがって、静脈内投与のための本発明の典型的な医薬免疫複合体組成物は、1日当たり1人の患者当たり約0.1〜10mgとなるであろう。1日当たり1人の患者当たり0.1〜約100mgまでの投薬量が使用されてもよい。投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者らに知られているであろう又は明白であろう、また、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE, 19TH ED., Mack Publishing Company, Easton, Pa.(1995)などの刊行物においてより詳細に記載されている。
【0108】
本発明の組成物は、治療処置のために投与することができる。治療上の適用では、組成物は、疾患及びその合併症を治す又は部分的に阻止するのに十分な量で、疾患に罹患している患者に投与される。これを達成するのに適切な量は、「治療有効用量」として定義される。この使用に有効な量は、疾患の重症度及び患者の健康の全身状態に依存するであろう。化合物の有効量は、症状(複数可)の主観的な軽減又は臨床医若しくは他の有資格観察者によって示される客観的に同定可能な改善のいずれかをもたらす量である。
【0109】
組成物の単回又は複数回の投与は、患者によって必要とされ、且つ忍容される投薬量及び頻度に依存して投与される。いかなる場合も、組成物は、患者を有効に治療するのに十分な量の本発明のタンパク質を提供するはずである。好ましくは、投薬量は、1回投与されるが、治療結果が達成されるまで又は副作用が療法の中止の根拠となるまで定期的に適用されてもよい。一般に、用量は、患者に対して容認できない毒性をもたらすことなく、疾患の症状又は徴候を治療する又は回復させるのに十分である。
【0110】
本発明の免疫複合体組成物の放出制御非経口製剤は、植込錠、油性注射液として、又は粒子系として作製することができる。タンパク質デリバリー系の概観については、参照によって本明細書に組み込まれるBanga, A. J., THERAPEUTIC PEPTIDES AND PROTEINS: FORMULATION, PROCESSING, AND DELIVERY SYSTEMS, Technomic Publishing Company, Inc., Lancaster, Pa., (1995)を参照されたい。粒子系は、マイクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェア、及びナノ粒子を含む。マイクロカプセルは、中心のコアとして治療用タンパク質を含有する。マイクロスフェアでは、治療薬は、粒子の全体にわたって分散している。約1μmよりも小さな粒子、マイクロスフェア、及びマイクロカプセルは、一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフェア、及びナノカプセルと呼ばれる。ナノ粒子のみが静脈内に投与されるように、キャピラリーは、約5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的に、直径が約100μmであり、皮下に又は筋肉内に投与される。
【0111】
ポリマーは、本発明の免疫複合体組成物のイオン放出制御に使用することができる。薬剤デリバリー制御において使用するための様々な分解性及び非分解性ポリマーマトリックスは、当技術分野において知られている(Langer, R., Accounts Chem. Res. 26:537-542 (1993))。例えば、ブロックコポリマー及びpoloxamer 407(登録商標)は、低温で粘着性で、さらに流動性の液体として存在するが、体温で半流動性ゲルを形成し、ヒドロキシアパタイトは、タンパク質の放出制御のためのマイクロキャリヤーとして使用されてきた及び/又はリポソームは、脂質カプセル剤の薬剤ターゲティング及び放出制御に使用されてもよい。治療用タンパク質のデリバリー制御のための多数のさらなる系が知られている。例えば、これらのそれぞれの関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,055,303号明細書、第5,188,837号明細書、第4,235,871号明細書、第4,501,728号明細書、第4,837,028号明細書、第4,957,735号明細書及び第5,019,369号明細書、第5,055,303号明細書;第5,514,670号明細書;第5,413,797号明細書;第5,268,164号明細書;第5,004,697号明細書;第4,902,505号明細書;第5,506,206号明細書、第5,271,961号明細書;第5,254,342号明細書、並びに第5,534,496号明細書を参照されたい。
【0112】
本発明の抗体の様々な使用の中に、特異的なヒト細胞によって引き起こされる様々な疾患状態が含まれる。例えば、本明細書において開示される抗体、マウス抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)のヒト化バージョンについて、抗体について1つの適用は、CD40を発現する細胞の治療、接触、画像診断、活性化、又は非活性化である。
【0113】
他の実施形態では、本発明は、1又は2以上のT細胞エピトープ又はB細胞エピトープとコンジュゲートされた又はそれとの融合タンパク質の形態をした、抗原、例えばCD40又はその免疫反応性断片のデリバリーのためのキットを提供する。本明細書において使用される「生物学的試料」は、抗原を含有する生物学的組織又は体液の試料である。そのような試料は、生検材料に由来する組織、血液、及び血液細胞(例えば白血球)を含むが、これらに限定されない。好ましくは、細胞は、リンパ球、例えば樹状細胞である。生物学的試料はまた、組織学的目的のために採取される凍結切片などの組織の切片をも含む。生物学的試料は、多細胞真核生物、好ましくは、ラット、マウス、雌ウシ、イヌ、モルモット、又はウサギなどの哺乳動物、より好ましくは、マカク、チンパンジー、又はヒトなどの霊長動物から典型的に得られる。最も好ましくは、試料は、ヒトに由来する。本発明の抗体はまた、例えば、インビボにおける画像診断のための診断ツールとして、インビボにおいて使用されてもよい。
【0114】
キットは、典型的に、1又は2以上の抗原についてのコード配列が挿入されてもよいカルボキシ末端の1又は2以上のフレームワーク部分又は多重クローニング部位と共に、本発明の抗体(又はその断片)をコードする核酸配列を含むであろう。いくつかの実施形態では、抗体は、scFv断片又はdsFv断片などのヒト化抗CD40 Fv断片となるであろう。さらに、キットは、典型的に、本発明の抗体の使用のための方法を開示する説明書を含むであろう(例えば、自己由来樹状細胞とすることができる樹状細胞を用いる免疫前の樹状細胞へのローディングのための)。キットはまた、キットがデザインされる特定の適用を容易にするためにさらなる成分を含んでいてもよい。したがって、例えば、キットは、標識を検出するための方法をさらに含有していてもよい(例えば、酵素による標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、ヒツジ抗マウスHRPなどの適切な二次標識、又はその他同種のもの)。キットは、特定の方法の実施に日常的に使用される緩衝液及び他の試薬をさらに含んでいてもよい。そのようなキット及び適切な内容物は、当業者らによく知られている。
【0115】
本発明のための使用の他のセットでは、本発明の抗体によってターゲティングされた抗体は、培養物中の細胞の集団から、ターゲティングされた細胞を取り除くために使用することができる。例えば、T細胞の特異的な集団が好ましい場合、本発明の抗体は、進行中の免疫応答の逆効果を有するT細胞の集団を豊富にするために使用されてもよい。したがって、例えば、癌、ウイルス、又は他の病原体に対する免疫応答を引き起こすであろう抗原について、ターゲティング成分として、本発明の抗体を使用して抗原をロードした樹状細胞を患者に提供することによって、癌を有する患者から培養された細胞から癌細胞を取り除くことができる。同様に、抗体は、調節性T細胞の集団を増加させる又は免疫応答を、細胞毒性T細胞応答に向けて若しくはそれを避けて駆動する又はさらにB細胞応答を駆動するために使用することができる。
抗CD40_12E12.3F3
抗CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C、下線を引いた領域は、重鎖V領域アミノ酸配列を示す。
MNLGLSLIFLVLVLKGVQCEVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYYPDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSAKTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS (配列番号1)
抗CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C、下線を引いた領域は、軽鎖V領域アミノ酸配列を示す。
MMSSAQFLGLLLLCFQGTRCDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSILHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIGNLEPEDIATYYCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC- (配列番号2)
抗CD40_12B4.2C10
抗CD40_12B4.2C10重鎖:
MEWSWIFLFLLSGTAGVHSEVQLQQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTDYVLHWVKQKPGQGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFKGKATLTSDKSSSTAYMELSSLTSEDSAVYYCARGYPAYSGYAMDYWGQGTSVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQKGEFV (配列番号3)
抗CD40_12B4.2C10軽鎖:
MMSSAQFLGLLLLCFQGTRCDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCHHGNTLPWTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号4)
抗CD40_12B4.2C10軽鎖、別のクローン(17K6)
MDFQVQIFSFLLISASVIMSRGQIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCSASSSVSYMYRYQQKPGSSPKPWIYGTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQYHSYPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号5)
抗CD40_11B6.1C3
抗CD40_11B6.1C3重鎖:
MGWSWIFLFLLSGTAGVLSEVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYSFTGYYMHWVKQSHVKSLEWIGRINPYNGATSYNQNFKDKASLTVDKSSSTAYMELHSLTSEDSAVYYCAREDYVYWGQGTTLTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQKGEFV (配列番号6)
抗CD40_11B6.1C3軽鎖:
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFALKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPWTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号7)
[抗CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C]、下線を引いた領域は、重鎖V領域配列を示す。
ATGAACTTGGGGCTCAGCTTGATTTTCCTTGTCCTTGTTTTAAAAGGTGTCCAGTGTGAAGTGAAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTAGTGCAGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGCAACCTCTGGATTCACTTTCAGTGACTATTACATGTATTGGGTTCGCCAGACTCCAGAGAAGAGGCTGGAGTGGGTCGCATACATTAATTCTGGTGGTGGTAGCACCTATTATCCAGACACTGTAAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACACCCTGTACCTGCAAATGAGCCGGCTGAAGTCTGAGGACACAGCCATGTATTACTGTGCAAGACGGGGGTTACCGTTCCATGCTATGGACTATTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号8)
[抗CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C]、下線を引いた領域は、軽鎖V領域配列を示す。
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTAGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGTGCAAGTCAGGGCATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTATTACACATCAATTTTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGATTATTCTCTCACCATCGGCAACCTGGAACCTGAAGATATTGCCACTTACTATTGTCAGCAGTTTAATAAGCTTCCTCCGACGTTCGGTGGAGGCACCAAACTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号9)
抗CD40_12B4.2C10_H−V−hIgG4H−C重鎖
ATGGAATGGAGTTGGATATTTCTCTTTCTTCTGTCAGGAACTGCAGGTGTCCACTCTGAGGTCCAGCTGCAGCAGTCTGGACCTGAGCTGGTAAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACATTCACTGACTATGTTTTGCACTGGGTGAAACAGAAGCCTGGGCAGGGCCTTGAGTGGATTGGATATATTAATCCTTACAATGATGGTACTAAGTACAATGAGAAGTTCAAAGGCAAGGCCACACTGACTTCAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCAGCAGCCTGACCTCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTGCAAGGGGCTATCCGGCCTACTCTGGGTATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号10)
抗CD40_12B4.2C10_K−V−hIgGK−C(バリアント1)軽鎖
ATGGATTTTCAAGTGCAGATTTTCAGCTTCCTGCTAATCAGTGCCTCAGTCATAATGTCCAGGGGACAAATTGTTCTCACCCAGTCTCCAGCAATCCTGTCTGCATCTCCAGGGGAGAAGGTCACCATGACCTGCAGTGCCAGCTCAAGTGTAAGTTACATGTACAGGTACCAGCAGAAGCCAGGATCCTCACCCAAACCCTGGATTTATGGCACATCCAACCTGGCTTCTGGAGTCCCTGCTCGCTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACCTCTTATTCTCTCACAATCAGCAGCATGGAGGCTGAAGATGCTGCCACTTATTACTGCCAGCAATATCATAGTTACCCGCTCACGTTCGGTGCTGGGACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号11)
抗CD40_12B4.2C10_K−V−hIgGK−C(バリアント2)軽鎖
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCATCATGGTAATACGCTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号12)
抗CD40_11B6.1C3_H−V−hIgG4H−C重鎖
ATGGGATGGAGCTGGATCTTTCTCTTTCTCCTGTCAGGAACTGCAGGTGTCCTCTCTGAGGTCCAGCTGCAACAGTCTGGACCTGAGCTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATATCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGGCTACTACATGCACTGGGTGAAGCAAAGCCATGTAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGACGTATTAATCCTTACAATGGTGCTACTAGCTACAACCAGAATTTCAAGGACAAGGCCAGCTTGACTGTAGATAAGTCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCCACAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGAGAGGACTACGTCTACTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号14)
抗CD40_11B6.1C3_K−V−hIgGK−C軽鎖
ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTGATGTTCTGGATTCCTGCTTCCAGCAGTGATGTTGTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCCTTGTACACAGTAATGGAAACACCTATTTACATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCGCACTCAAGATCAGTAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTTCTGCTCTCAAAGTACACATGTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号15)
【実施例1】
【0116】
抗CD40−HIVペプチドワクチン
5つの19〜32アミノ酸長配列を、様々なMHCクラスI分子との関連において、HIV−1 Nef、Gag、及びEnvタンパク質中で同定される多数の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープから選択した。CTL応答は、マウス、霊長動物、及びヒトにおいてリポペプチドワクチンによって効率的に誘発することができることが報告されている。次いで、5つのHIVペプチドは、(Palm)−NH2基によってC末端の位置で修飾した、また、5つのHIVペプチド配列は、科学文献において[例えばCharacterization of a multi-lipopeptides mixture used as an HIV-1 vaccine candidate (1999) Klinguer et al., Vaccine, Volume 18, 259-267]且つ特許出願において[Cytotoxic T lymphocyte-inducing lipopeptides and use as vaccines. Gras-Masse H. et al.、欧州特許第EP0491628号(1992-06-24);米国特許第5871746号明細書(1999-02-16)]十分に記載されている。
【0117】
非常に望ましいHIVワクチンは、上記のHIVペプチドに融合された組換え抗樹状細胞受容体抗体から構成されるであろう。本発明は、タンパク質及びHIVワクチンを効率的に作製するための組成物及び方法を含む。
【0118】
下記に示される配列は、5つの選択されたHIVペプチドのアミノ酸配列であり、それぞれのHIVタンパク質内のアミノ酸位置を括弧内に示す。
【0119】
Nef(66〜97)は、VGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGL(配列番号16)である。
【0120】
Nef(116〜145)は、HTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKL(配列番号17)である。
【0121】
Gag p17(17〜35)は、EKIRLRPGGKKKYKLKHIV(配列番号18)である。
【0122】
Gag p17〜p24(253〜284)は、NPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILD(配列番号19)である。
【0123】
Pol 325〜355(RT 158〜188)は、AIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLY(配列番号20)である。
【0124】
本発明は、HIVペプチド及び可動性リンカー配列をコードする構築物を構築するための組成物及び方法を含む。重鎖発現ベクターは、典型的に、重鎖C末端残基コドンに又は[flex−v1ベクターについては]flex−v1配列のC末端コドンに追加されたNhe I部位[g|ctagc]を有する。可動性リンカー配列又はHIVペプチド配列は、N末端の可動性リンカー又はHIVペプチドコドンに先行するSpe I部位[a|ctagt]、C末端の可動性リンカー又はHIVペプチドコドンを追加されたNhe I部位、その後に続くTGA終止コドン、その後に続くEco RI部位、その後に続くNot I部位を有する。そのような可動性リンカー又はHIVペプチドSpe I−Not I断片は、Nhe I−Not I消化を用いて調製された重鎖ベクターの中に挿入される。Nhe I及びSpe Iは適合する部位であるが、ライゲーションされた場合、[g|ctagt]は、もはやNhe I部位でもSpe I部位でもない。したがって、さらなるSpe I−Not I可動性リンカー又はHIVペプチド断片は、最初の可動性リンカー又はHIVペプチドに対して遠位の、新しいNhe I−Not Iの間に挿入することができる。この方法で、HIVペプチド及び/又は可動性リンカーコード領域のストリングは、発現ベクター重鎖コード領域に追加することができる。
【0125】
図1は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、還元SDS−PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性組換え抗体を示す(レーン1〜5)。図2は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS−PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1及び2)。図3は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1〜5)。図4は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1〜6)。
【実施例2】
【0126】
HIVペプチドワクチン−インビトロ抗原ターゲティングバイオロジー
インビトロにおけるHIV患者に対する抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン試験。αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が抗原提示を媒介する能力を研究するために、融合rAbは、HIVに感染した個人に由来する血液細胞に追加し、末梢血単核細胞(PBMC)からのサイトカイン産生を測定した。
【0127】
図5は、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が、PBMC培養物との関連において抗原特異的T細胞の増大を誘発する効力をアッセイするためにインビトロにおいて使用するプロトコールを示す。手短に言えば、HIV患者のアフェレーシスに由来するPBMC(2×106細胞/ml)を、用量範囲のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンと共にインキュベートした。2日目に、100U/ml IL−2を培養物に追加し、次いで、培地は、2日ごとに100U/ml IL−2を用いてリフレッシュする。10日目に、増大した細胞に、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAb中に組み込まれる5つのHIVペプチド配列に対応する個々の長いペプチドを48時間曝露する。次いで、培養上清は、収集し、多重ビーズアッセイ(Luminex)を使用してサイトカイン産生(ペプチド配列に対するT細胞受容体[TCR]特異性を有するT細胞による)について評価する。そのようなアッセイにおいて検出された抗原特異的サイトカイン産生は、それが抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンの存在に依存する場合、培養物中の抗原提示細胞[APC]によるワクチン取り込み及びプロセシング[タンパク質分解性の分解]及びMHC上へのペプチドの提示を反映する。抗原−MHC複合体は、特定のHIV抗原−MHC複合体のみを認識するTCRを有するT細胞によって認識される。HIV患者では、そのような細胞は、HIV感染症に応じて患者内に増大した記憶T細胞であろう。
【0128】
ワクチンの5つのHIVペプチド領域すべてに由来するエピトープは、APCによって提示することができる。図5中のスキームは、抗CD40.LIPO5ペプチドワクチンに応じてHIVペプチド特異的T細胞のインビトロにおける増大をアッセイするために使用した。7人の個人に由来する結果を図6中に示し、またαCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAbが、研究した患者のすべてにおいてHIVペプチド特異的IFNγ応答を誘発したことを示す。したがって、α−CD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAbにより、DCが、それぞれの個人のT細胞に、ワクチン内の5つのペプチドのうちの少なくとも1つ又は2つの異なるペプチドを交差提示することを可能にする。しかしながら、IFNγ産生を刺激したHIVペプチドのセットは、それぞれの患者で異なり、最も、HIV特異性について記憶T細胞の異なるプールを反映するであろう。
【0129】
図6A〜Cは、様々な濃度の抗CD40.LIPO5ペプチドストリングワクチンと共にインキュベートした、HIV患者に由来するPBMCにおけるHIVペプチド特異的IFNγ産生を示す。Cは、コントロールグループであり、ワクチンを受けず、それぞれのペプチドに対する培養物のベースラインの応答を確定する。
【0130】
図7は、8人のHIV患者に由来する5つのペプチド領域に対するαCD40.LIPO5ペプチドワクチン応答の概要を示す。データは、ペプチド特異的IFNγ産生に基づく。図7は、抗原特異的応答が8人のHIV患者内で観察されたことを示す。データは、ワクチン上のすべてのHIVペプチド領域が処理され、T細胞に提示される能力を有することを実証し、適切なTCRを運ぶ細胞が存在する場合のみ、これらのペプチドに対する応答が観察されるであろうという有望な状況が想定される。したがって、それぞれの患者は、特徴的な範囲のそのような細胞を有する。
【0131】
αCD40.LIPO5ペプチドワクチンは、広い範囲のサイトカインを分泌することができる抗原特異的T細胞の増殖を誘起することができる。
【0132】
図8A〜Cは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが多数のサイトカインを分泌することができるHIVペプチド特異的T細胞の増大−ワクチンにおいて望ましい特徴を誘発することを示す。図8A〜Cでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンは、多数のサイトカインの産生によって特徴づけられる、gag253、nef66、nef116、及びpol325ペプチド特異的応答を誘発する。これは、患者A5である。
【0133】
エクスビボDCの抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン接種。
図9は、DCによる、ターゲティングによる取り込み及びそれらの表面MHC複合体上へのペプチドエピトープの提示から結果として生じる抗原特異的T細胞の増大を指示するためのその能力についてαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを試験するためのプロトコールを示す図である。手短に言えば、HIV患者単球は、IFNα及びGM−CSFを用いる2日間の培養によってDCに分化する。次いで、異なる用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン又は5つのペプチドのミックスを18時間追加する。自己由来T細胞を3日目に共培養物(1:20の比で)に追加した。5日目に、100U/ml IL−2を培養物に追加し、次いで、培地は、2日ごとに100U/ml IL−2を用いてリフレッシュする。10日目に、増大した細胞に、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAb中に組み込まれる5つのHIVペプチド配列に対応する個々の長いペプチドを48時間再度曝露する。次いで、培養上清は、収集し、Luminexを使用してサイトカイン産生について評価する。
【0134】
図10A〜Bは、様々な用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療したDC−T細胞共培養物からの、HIVペプチドに応じたサイトカイン分泌を示す。これは、患者A10である。図10A〜B中に示す患者A10における結果は、gag17、gag253、及びpol325 HIVペプチド領域内のエピトープに対応する抗原特異的T細胞の増大を実証する。ほとんどの場合では、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン及び非LIPO5ワクチン[αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン中の配列に相当する配列を有する5つの非脂質付加HIVペプチドの混合物]の間に応答の一致がある。したがって、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンは、このインビトロ環境において十分に機能し、培養されたDCは、HIV抗原を有効に処理し、T細胞に提示する。これは、エクスビボにおけるワクチン接種のためのαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンの使用を例証し、それに従って「ワクチン接種されるDC」は、同じ患者への将来の再注射のために凍結保存されるであろう。
【0135】
αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン−可動性リンカー領域の可能性のある免疫効果。αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン内にHIVペプチド配列を分散させている可動性リンカー配列自体がT細胞エピトープを含有する可能性がある。図11A〜Bは、患者A4が、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン内の5つの可動性リンカー配列に対して特異性を有する記憶T細胞の有意なプールを有するように思われないことを示す。図11A〜Bでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A4に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していない。太字のエリアに対する配列中の対応する可動性リンカーの長いペプチドと共に、図9中に記載されるプロトコールを使用し、HIVペプチドは、下記の配列中に示す太字イタリック体とする。
【0136】
太字で可動性リンカー領域を、下線を引いて結合配列を、且つ太字イタリック体の影付きでHIVペプチド領域を示すαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン重鎖配列。
【0137】
図12Aでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A3に由来するPBMCは、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253、nef66、及びnef116領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していない。図8中に示される太字のエリアに対する配列中の対応する可動性リンカーの長いペプチドと共に、図1中に記載されるプロトコールを使用した。
【0138】
図12B−1及びB−2は、30nMの3つの異なるHIV5ペプチドDCターゲティングワクチンと共にインキュベートしたHIV患者A17 PBMCから誘起されたHIV抗原特異的T細胞応答を示す。細胞は、IL−2と共に10日間培養し、次いで、DCターゲティングワクチン内に包含される5つのHIVペプチド配列に相当する個々の長さのペプチドを用いて刺激した。1時間後に、ブレフェルジンAを追加し、FACS分析のために染色する前にさらに5時間、インキュベーションを継続した。FACSプロットは、CD3+T細胞上のIFNg及びCD8の染色を示す。円は、ワクチンなしで培養したPBMCに由来する細胞と比較した、IFNg+細胞の有意な、ワクチンに誘起された増大を示す。CD8−細胞は、CD4+T細胞である。データは、抗CD40.HIV5pepワクチンが、他のDCターゲティング媒体で見られない、nef66(N66)特異的CD8+T細胞の強い増大を誘起することを示す。
【0139】
これらは、LIPO5 HIVペプチドストリングに基づくデータである。例えば、抗CD40重鎖は、配列
EVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYYPDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSAKTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKASQTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNPASEKIRLRPGGKKKYKLKHIVASSSVSPTTSVHPTPTSVPPTPTKSSPASNPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILDASPTSTPADSSTITPTATPTATPTIKGASHTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKLASTVTPTATATPSAIVTTITPTATTKPASVGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGLASTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAAASAIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLYAS (配列番号22)
を有する抗CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Pep−gag17−f1−gag253−f2−nef116−f3−nef66−f4−pol158]である。
【0140】
図12C−1及びC−2は、PBMCが異なるHIV患者(A2)に由来する以外は、図12Bにおいて示す研究に類似する研究を示す。データは、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞応答が、他のDCターゲティングワクチンではなく抗CD40.HIV5pepによって又はペプチド自体の混合物によって誘起されたことを示す。
【0141】
図12Dは、15の異なるHIVペプチド応答[3人の患者においてサンプリングした5つのペプチド領域]の分析に基づいて、抗CD40.HIV5pepワクチンが、広範囲のHIVペプチド特異的CD8+及びCD4+T応答の誘発について、抗DCIR.HIV5pep、抗LOX−1.HIV5pep、及び非LIPO5ミックスより明らかに優れていることを示す。
【0142】
可動性リンカー配列の免疫原性は、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンデザインについての関心事である。可動性リンカー配列内のエピトープに対する特異性を有するT細胞のリコールを試験する、上記に示す限られたデータセットは、これらの配列に対するヒトレパートリーが多様であることを示唆する。また、これらの配列が新たに応答を刺激する能力は試験していない。サルにおけるαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンに対する応答は、本発明を使用して試験することができる。必要ならば、これらの領域内のある種の望ましくないエピトープは、予測的な計算手段及びペプチド刺激の精査の組合せによって同定することができ、次いで、TCR相互作用を抑止する突然変異を導入することによって排除することができる。
【0143】
ヒト化抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、重鎖及び軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、ドナーヒト抗体に由来し、軽鎖相補性決定領域(CDR)は、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有するCDR1L、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号23)を有するCDR2L、及びアミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号23)を有するCDR3Lに対して少なくとも80%、90%、95%、又はそれよりも高い同一性を有し、重鎖相補性決定領域は、CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hに対して少なくとも80%、90%、95%、又はそれよりも高い同一性を含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号24)を有し、CDR2Hは、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号25)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号26)を有する。例えば、ヒト化抗体は、配列番号2、4、5又は7のフレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有するVLフレームワーク及び配列番号1、3又は6のフレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有するVHフレームワークを含んでいてもよい。他の態様では、ドナーCDR配列は、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、抗CD40_11B6.1C3、又はそれらの重鎖若しくは軽鎖の組合せ、及び/又はそれらの可変領域に由来し、さらに、抗体又はその断片は、CD40に特異的に結合する。
【実施例3】
【0144】
前立腺特異的抗原(PSA)、サイクリンD1、MART−1、インフルエンザウイルス核タンパク質(NP)、及びインフルエンザウイルス赤血球凝集素(H1N1、PR8)のHA1サブユニット並びにペプチドスクリーニング
抗CD40 mAbの内部移行。1×106 IL−4DCは、非特異的結合をブロックするために3%BSAを含有するPBS中で3mg/mlヒトガンマグロブリンと共に氷中で1時間インキュベートした。細胞に、Alexa 568標識抗CD40 mAbを氷上で30分間適用した(すべて、非特異的ブロック中20ng/ml最終濃度で)。次いで、細胞は、洗浄し、37℃で、0〜90分間の異なる時間、表面結合抗体を内部移行させた。内部移行の後に、細胞は、1%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する氷冷PBS(PBA)を用いて2度洗浄し、4℃で一晩、PBS中、氷冷1%メタノールフリーホルムアルデヒド(MFF)中で固定した。細胞は、4℃で20分間、0.5%サポニンを含有するPBS 3%BSA(PBAS)中で浸透性にし、96ウェル丸底ポリプロピレンマイクロタイタープレートに移入した。氷冷PBASを用いて2度洗浄した後に、細胞は、PBAS中3mg/mlヒトガンマグロブリンと共に氷上で1時間インキュベートした。BODIPY−ファロイジンをPBAS中で希釈し、氷中で1時間、細胞と共にインキュベートした。細胞は、さらに、核対比染色として、TOPRO−IIを用いて染色した。スライドは、Leica SP1共焦点顕微鏡上で画像処理した。
【0145】
細胞。細胞表面染色のためのモノクローナル抗体を、BD Biosciences(CA)から購入した。健常ドナーに由来する単球(1×106/ml)は、GM−CSF(100ng/ml)、IL−4(50ng/ml)又はGM−CSF(100ng/ml)、及びIFNα(500ユニット/ml)(R&D、CA)を含有するCellgenics培地(フランス)中で培養した。IFNDCについては、細胞にIFNα及びGM−CSFを1日目に与えた。IL−4DCについては、同量のサイトカインを、1日目及び3日目に培地に補足した。PBMCは、密度勾配遠心分離によってPercoll(商標)勾配(GE Healthcare社製、Buckinghamshire、UK)を使用して、バフィーコートから単離した。全CD4+及びCD8+T細胞は、StemCellキット(CA)を使用することによって精製した。
【0146】
ペプチド。前立腺特異的抗原(PSA)、サイクリンD1、MART−1、インフルエンザウイルス核タンパク質(NP)、及びインフルエンザウイルス赤血球凝集素(H1N1、PR8)のHA1サブユニットについての15アミノ酸長(11アミノ酸オーバーラップ)を合成した(Mimotopes)。
【0147】
DC及びT細胞の共培養並びにサイトカイン発現。組換え融合タンパク質(抗CD40−HA1、コントロールIg−HA1、抗CD40−PSA、抗CD40サイクリンD1、抗CD40−MART−1、抗MARCO−MART−1、及びコントロールIg−MART−1)をロードした5×103 DCを、8日間、2×105 CFSE標識CD4+T細胞と共に共培養した。増殖は、APCを用いて標識した抗CD4抗体を用いて細胞を染色した後に、CFSE希釈液を測定することによって試験した。
【0148】
細胞内IFNγの発現を測定するために、CD4+T細胞は、ブレフェルジンAの存在下において5時間、1〜5uMの示すペプチドを用いて再刺激した。異なる実験では、CD4+T細胞は、36時間、示すペプチドを用いて再刺激し、次いで、CD4+T細胞によって分泌されたサイトカインは、Luminexによって測定した。
【0149】
CD8+T細胞は、20ユニット/ml IL−2及び20ユニット/ml IL−7の存在下において10日間、DCと共に共培養した。培養の10日目に、CD8+T細胞は、抗CD8及び示すテトラマーを用いて染色した。
【0150】
CTLアッセイ。培養の10日目に、5時間の51Cr放出アッセイを行った。T2細胞に、51Crを最初に適用し、次いで、MART−1の10uM HLA−A2エピトープ又はインフルエンザウイルスM1の1nMエピトープを用いて標識した。ペプチドを有していないT2細胞は、コントロールとして使用した。3回の試料の平均値を計算し、特異的な溶解のパーセンテージは、以下の式を使用して決定した。特異的な溶解のパーセンテージ=100×(実験51Cr放出−コントロール51Cr放出)/(最大51Cr放出−コントロール51Cr放出)。最大の放出は、2.5%Triton X−100中の標的からの数を指す。
【0151】
ヒトCD40に特異的なmAbの調製。受容体外部ドメイン.hIgG(ヒトIgG1Fc)及びAP(ヒト胎盤アルカリホスファターゼ)の融合タンパク質は、それぞれ、マウスを免疫し、mAbをスクリーニングするために産生した。ヒトIgFc融合タンパク質のための哺乳動物ベクターは、記載されるように設計した[J. Immunol. 163: 1973-1983 (1999)]。受容体外部ドメイン.APタンパク質についての哺乳動物発現ベクターは、近位のインフレームXho I部位並びに遠位の6C末端His残基、その後に続くTGA終止コドン及びNot I部位を追加しながら、AP残基133〜1581(gb|BC009647|)についてのcDNAを増幅するために、PCRを使用して生成した。このXho I−Not I断片を、上記の外部ドメイン.IgGベクター中のヒトIgG Fcコード配列と交換した。融合タンパク質は、メーカーのプロトコールに従ってFreeStyle(商標)293発現系(Invitrogen社製、CA)を使用して産生した(1.3ml 293Fectin試薬/Lを用いる合計1mgのプラスミドDNAのトランスフェクション)。受容体外部ドメイン.hIgGは、0.1Mグリシン、pH2.7を用いて溶出した、1ml HiTrapプロテインA親和性クロマトグラフィー(GE Healthcare社製、CA)によって精製した。画分は、2M Trisを用いて中和し、次いで、PBSに対して透析した。
【0152】
マウスmAbは、従来の技術によって生成した。手短に言えば、6週齢のBALB/cマウスは、Ribiアジュバントと共に20μgの受容体外部ドメイン.hIgGFc融合タンパク質を用いて、i.p.免疫し、次いで、10日及び15日後に20μg抗原を用いてブーストした。3カ月後に、マウスは、脾臓を採取する3日前に再度ブーストした。最終のブーストの3〜4日後に、流入領域リンパ節(LN,lymph node)を収集した。脾臓に由来するB細胞又はLN細胞を、SP2/O−Ag 14細胞(ATCC)と融合した。ハイブリドーマ上清は、融合パートナーのみと比較して受容体外部ドメイン融合タンパク質に特異的な又はアルカリホスファターゼに融合された受容体外部ドメインに特異的なmAbを分析するためにスクリーニングした[J. Immunol. 163: 1973-1983 (1999)]。次いで、陽性ウェルは、完全長受容体cDNAをコードする発現プラスミドを用いて一時的にトランスフェクトした293F細胞を使用してFACSにおいてスクリーニングした。選択されたハイブリドーマは、単細胞クローニングし、CELLineフラスコ(Integra社製、CA)中で増大させた。ハイブリドーマ上清は、等量の1.5Mグリシン、3M NaCl、1×PBS、pH7.8(結合緩衝液)と混合し、MabSelect樹脂(GE Healthcare社製、CA)(800μl/5ml上清)に流した。樹脂は、結合緩衝液を用いて洗浄し、0.1Mグリシン、pH2.7を用いて溶出した。2M Trisを用いる中和の後に、mAbはPBSに対して透析した。
【0153】
組換えmAbの発現及び精製。全RNAは、RNeasyキット(Qiagen社製、CA)を使用して、ハイブリドーマ細胞から調製し、供給された5’プライマー及び遺伝子特異的3’プライマー(mIgGκ、5’ggatggtgggaagatggatacagttggtgcagcatc3’(配列番号48);mIgG2a、5’ccaggcatcctagagtcaccgaggagccagt3’)(配列番号49)を使用して、cDNA合成及びPCR(SMART RACEキット、BD Biosciences社製)に使用した。次いで、PCR産物は、クローニングし(pCR2.1 TAキット、Invitrogen社製)、DNA塩基配列決定(MC Lab、CA)によって特徴づけた。マウス重(H)及び軽(L)鎖可変(V)領域cDNAの誘導配列を使用して、特異的なプライマーは、下流のヒトIgGκ又はIgG4H領域をコードする発現ベクターの中にクローニングするために、側面に位置する制限部位を組み込みながら、シグナルペプチド及びV領域をPCR増幅するために使用した。キメラmVκ−hIgκの発現のためのベクターは、Xho I及びNot Iの部位が側面に位置する残基401〜731(gi|63101937|)を増幅し、pIRES2−DsRed2(BD Biosciences社製)のXho I−Not Iの間にこれを挿入することによって構築した。PCRは、開始コドンからmAb Vκ領域を増幅するために使用し、Nhe I又はSpe I部位を、次いでCACCを(例えばgi|76779294|の残基126)をコードする領域に追加し、遠位のXho I部位を追加した。次いで、PCR断片は、上記のベクターのNhe I−Not Iの間にクローニングした。コントロールヒトIgGκ配列は、gi|49257887|残基26〜85及びgi|21669402|残基67〜709に相当する。コントロールヒトIgG4Hベクターは、ジスルフィド結合を安定化し、残存性のFcR相互作用を抑止するS229P及びL236Eの置換を有するgi|19684072|の残基12〜1473に相当し[J. Immunol. 164: 1925-1933 (2000)]、終止コドンの代わりに配列5’gctagctgattaattaa3’を追加しながらpIRES2−DsRed2のBgl II及びNot I部位の間に挿入した。PCRは、開始コドンからmAb VH領域を増幅するために使用し、CACC、次いでBgl II部位を、gi|19684072|の残基473をコードする領域に追加した。次いで、PCR断片は、上記のベクターのBgl II−Apa Iの間にクローニングした。
【0154】
インフルエンザHA1融合タンパク質の発現及び精製。インフルエンザHA1抗原コード配列は、CipAタンパク質[クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium. thermocellum)]gi|479126|残基147〜160が先行する、P321L変異を有し、6つのC末端His残基を有する赤血球凝集素[インフルエンザA型ウイルス(A/プエルトリコ/8/34(H1N1))]gi|126599271|残基18〜331であり、組換え抗体HA1融合タンパク質(rAb.HA1)をコードするために重鎖ベクターNhe I及びNot I部位の間に挿入した。同様に、組換え抗体−PSA融合タンパク質(rAb.PSA)は、近位の配列GCTAGCGATACAACAGAACCTGCAACACCTACAACACCTGTAACAACACCGACAACAACACTTCTAGCGC(配列番号27)(Nhe I部位及びCipAスペーサー)並びに遠位のNot I部位と共にgi|34784812|前立腺特異的抗原残基101〜832を同じ重鎖ベクターの中に挿入することによってコードした。組換え抗体タンパク質は、hFc融合タンパク質について上記に記載されるように、発現し、精製した。ある場合には、rAb.抗原コード領域及び対応する軽鎖コード領域は、異なるcetHS-puro UCOEベクター(Millipore社製、CA)に移入した。前もって適応された血清なしの浮遊細胞系と組み合わせたUCOEベクターの使用により、大量のタンパク質の迅速な産生を可能にした[Cytotechnology 38, 43-46 (2002)]。GlutaMAX及びHT培地(Invitrogen社製)を補足したCD-CHO中で成長させたCHO−S細胞を、500ml Corning Ehrlenmyerフラスコ中にトランスフェクションの24時間前に5×105mlで接種し、125rpmで8%CO2中でインキュベートした。トランスフェクションの日に、少なくとも95%の生存率を有する1.2×107細胞を、GlutaMAXを有するCD-CHO中に、125mlフラスコ中30mlの最終容量まで追加した。0.6mlのOptiPRO SFM(Invitrogen社製)中48mlのFreeStyle Max試薬(Invitrogen社製)は、24mgのSce I直線化軽鎖ベクター及び24mgのSce I直線化重鎖ベクターに緩やかに混合しながら追加し、混合し、0.6mlのOptiPRO SFM中に滅菌濾過した。20分後に、DNA脂質複合体を、回旋しながら、125ml CHO-S培養フラスコにゆっくり追加した。細胞は、5mg/mlのピューロマイシン(A.G. Scientific社製、CA)、2×GlutaMAX、及び0.25×Pen/Strep(Invitrogen社製)を含有する、CHO-M5(Sigma社製、CHOキット1のC0363成分)とCD-CHOの30mlの混合培地溶液を追加する24時間前にインキュベートした。2日目に、さらに5mg/mlのピューロマイシンを培養物に直接追加し、トランスフェクション後6日から細胞生存率を経過観察しながら、約10〜14日、選択を進行させた。生細胞数が減少し、生存密度が約2〜3×106/mlとなったら、細胞は、1E6/mlで、新鮮な選択培地(2×GlutaMAX、0.25×Pen/Strep、10mg/mlピューロマイシンを有するCD CHO-S+CHO M5)に移入した。生存率が90%超に到達した場合、凍結細胞ストックを調製した。細胞密度が2×106/mlを超過したら、細胞は、500mlフラスコ中4×250mlに調整するまで選択培地中で分けた。細胞生存率が、80%未満に落ちた場合、上清を収集し、最大の最終細胞密度は約7×106/mlであった。内毒素レベルは、0.2ユニット/ml未満であった。
【0155】
組換えインフルエンザM1及びMART−1タンパク質の発現及び精製。PCRは、開始コドンの遠位にNhe I部位及び終止コドンの遠位にNot I部位を組み込みながらインフルエンザA型/プエルトリコ/8/34/シナイ山(H1N1)M1遺伝子のORFを増幅するために使用した。消化断片は、pET-28b(+)(Novagen社製)の中にクローニングし、His6タグと共にインフレームでM1 ORFを置き、したがってHis.Flu M1タンパク質をコードした。Nco I及びNhe I部位の間に挿入されたC.サーモセラム(未公開)に由来するN末端169残基コヘシンドメインをコードするpET28b(+)誘導体は、Coh.Hisを発現した。コヘシン−Flex−hMART−1−ペプチドA−Hisの発現について、配列GACACCACCGAGGCCCGCCACCCCCACCCCCCCGTGACCACCCCCACCACCACCGACCGGAAGGGCACCACCGCCGAGGAGCTGGCCGGCATCGGCATCCTGACCGTGATCCTGGGCGGCAAGCGGACCAACAACAGCACCCCCACCAAGGGCGAATTCTGCAGATATCCATCACACTGGCGGCCG(配列番号28)
(配列番号29)をコードするイタリック体の残基は、免疫優性HLA−A2拘束性ペプチドであり、ペプチドを囲む下線を引いた残基は、MART−1に由来する)は、上記のベクターのNhe I及びXho I部位の間に挿入した。タンパク質は、大腸菌(E. coli)株BL21(DE3)(Novagen社製)又はT7 Express(NEB社製)中で発現させ、120mg/L IPTGを追加したら、カナマイシン抵抗性(40μg/ml)について選択し、200回/分で振盪しながら、対数増殖期中期まで37℃でLB中で成長させた。3時間後に、細胞は、遠心分離によって収集し、−80℃で保存した。それぞれの1Lの発酵に由来する大腸菌細胞は、0.1mlのプロテアーゼ阻害剤Cocktail II(Calbiochem社製、CA)と共に、30ml 氷冷50mM Tris、1mM EDTA pH8.0(緩衝液B)中で再懸濁した。細胞は、5分間の休み時間と共に、設定18(Fisher Sonic Dismembrator 60)で2×5分間、氷上で超音波処理し、次いで、4℃で20分間、17,000r.p.m.(Sorvall SA-600)で回転させた。His.Flu M1精製については、50ml細胞溶解物上清画分は、5ml Q Sepharoseビーズを通過させ、6.25ml 160mM Tris、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を、Q Sepharose通過画分に追加した。これは、Ni++を用いて荷電した5ml HiTrapキレート化HPカラム上に4ml/分でロードした。カラムに結合したタンパク質は、20mM NaPO4、300mM NaCl pH7.6(緩衝液D)を用いて洗浄し、100mM H3COONa pH4.0を用いてさらに洗浄した。結合したタンパク質は、100mM H3COONa pH4.0を用いて溶出した。ピーク画分は、プールし、100mM H3COONa pH5.5を用いて平衡化した5ml HiTrap Sカラム上に4ml/分でロードし、平衡緩衝液を用いて洗浄し、その後、50mM NaPO4 pH5.5中0〜1M NaClの勾配を用いて溶出した。約500mM NaClで溶出するピーク画分をプールした。Coh.Flu M1.His精製については、2Lの培養物に由来する細胞を上記のように溶解した。遠心分離後に、2.5ml Triton X114は、5分間氷上でインキュベーションしながら上清に追加した。5分間の25℃でのさらなるインキュベーションの後に、上清は、25℃での遠心分離後にTriton X114から分離した。抽出は、反復し、上清は、5mlのQ Sepharoseビーズを通過させ、6.25ml 160mM Tris、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を、Q Sepharose通過画分に追加した。次いで、タンパク質は、上記に記載されるようにNi++キレート化クロマトグラフィーによって精製し、緩衝液D中0〜500mMイミダゾールを用いて溶出した。
【0156】
図13は、抗CD40 mAb:IL−4DCの内部移行を示す。IL−4DCは、500ng/mlの抗CD40−Alexa 568と共に処理した。図14は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたDCによるCD4及びCD8 T細胞増殖を示す。2ug/mlの抗CD40−HA又はコントロールIg−HA1をロードした5×10e3 IFNDCは、7日間、CFSE標識自己由来CD4+又はCD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、抗CD4抗体又は抗CD8抗体を用いて染色した。細胞増殖は、CFSE希釈液を測定することによって試験した。図15は、CD4+T増殖に対するHA1融合タンパク質の力価測定を示す。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K)は、7日間、CFSE標識CD4+T細胞(200K)と共に共培養した。図16は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す。CD4+T細胞は、5uMの示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、細胞内IFNγを染色した。図17は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す。CD4+T細胞は、36時間、示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、培養上清は、IFNγの測定のために分析した。図18は、CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K/ウェル)は、10日間、精製CD8+T細胞と共に共培養した。細胞は、抗CD8及びテトラマーを用いて染色した。細胞は、健常ドナーに由来する(HLA−A*0201+)。図19は、CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す(異なる健常ドナーに由来する細胞を使用する8回の反復実験の概要)。図20は、抗CD40−MART−1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、10uMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。図21は、抗CD40−Flu M1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、1.0nMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。図22は、PSA(前立腺特異的抗原)に連結された抗CD4012E12から構成されるワクチンが、ナイーブT細胞集団からの増大を誘発する能力を試験するためのプロトコールの概略を示す。PSA特異的CD4+T細胞は、PSAエピトープの広範囲のアレイに相当する。手短に言えば、健常ドナーに由来する単球のIFNα及びGM−CSFを用いる培養に由来するDCをワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を、新鮮な培地中に置き、同じドナーに由来する純粋なCD4+T細胞を追加する。数日後に、PSAペプチドを追加し、4時間後に、培養上清中に分泌されたγIFNレベルを決定する。
【0157】
図23は、多くのPSAペプチドが、強力なγIFN産生応答を誘発し、抗CD4012E12及び類似する抗CD40作用物質が、抗原をDCに効率的にデリバリーすることができることを示し、抗原の多数のエピトープに対する免疫応答のプライミングをもたらすことを示す。PSAの抗原のペプチドマッピング。2ug/mlの抗CD40−PSAをロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、36時間、PSAに由来する、5uMの個々のペプチドを用いて再刺激した。IFNγの量は、Luminexによって測定した。細胞は、健常ドナーに由来する。
【0158】
図24は、抗CD40−PSAを用いてターゲティングされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘発することを示す。IFNDCは、PSAを有する1ug mAb融合タンパク質を用いてターゲティングした。精製自己由来CD8+T細胞を10日間、共培養した。細胞は、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)−テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常ドナーに由来する。結果により、抗CD40がPSAをDCに有効にデリバリーし、これは、次に、PSA特異的CD8+T細胞の増大を誘発することが実証される。手短に言えば、2ug/mlの抗CD40−PSAをロードした5×10e3 IFNDCは、10日間、精製自己由来CD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−0*201陽性健常ドナーに由来する。
【0159】
図25は、スキーム(左)並びにドナー2についてのペプチドのプール及びコントロールのT細胞によるIFNγ産生を示す。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【0160】
図26は、ペプチドの精査並びにドナー2についての図25において示されるペプチドのプール及びコントロールから得られたT細胞によるIFNγ産生を示す。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【0161】
結論として、CD40を介して、最も強力な抗原提示細胞であるDCに抗原をデリバリーすることは、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞媒介性免疫の両方を誘発し、且つ活性化するための効率的な方法である。したがって、抗CD40 mAbから作製されたワクチンは、癌及び感染症に対して強力な免疫を誘発するであろう。
【0162】
ペプチド情報:
HA1配列:
MKANLLVLLCALAAADADTICIGYHANNSTDTVDTVLEKNVTVTHSVNLLEDSHNGKLCR (配列番号30)
LKGIAPLQLGKCNIAGWLLGNPECDPLLPVRSWSYIVETPNSENGICYPGDFIDYEELRE (配列番号31)
QLSSVSSFERFEIFPKESSWPNHNTNGVTAACSHEGKSSFYRNLLWLTEKEGSYPKLKNS (配列番号32)
YVNKKGKEVLVLWGIHHPPNSKEQQNLYQNENAYVSVVTSNYNRRFTPEIAERPKVRDQA (配列番号33)
GRMNYYWTLLKPGDTIIFEANGNLIAPMYAFALSRGFGSGIITSNASMHECNTKCQTPLG (配列番号34)
AINSSLPYQNIHPVTIGECPKYVRSAKLRMVTGLRNIPSI (配列番号35)
【0163】
図17中のペプチドの配列
ペプチド22: SSFERFEIFPKESSWPN (配列番号36)
ペプチド45: GNLIAPWYAFALSRGFG (配列番号37)
ペプチド46: WYAFALSRGFGSGIITS (配列番号38)
【0164】
NP配列:
MASQGTKRSYEQMETDGERQNATEIRASVGKMIGGIGRFYIQMCTELKLSDYEGRLIQNS (配列番号39)
LTIERMVLSAFDERRNKYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRVNGKWMRELILYDKEEIRRIW (配列番号30)
RQANNGDDATAGLTHMMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAG (配列番号41)
AAVKGVGTMVMELVRMIKRGINDRNFWRGENGRKTRIAYERMCNILKGKFQTAAQKAMMD (配列番号42)
QVRESRNPGNAEFEDLTFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGPAVASGYDFEREGYSLVG (配列番号43)
IDPFRLLQNSQVYSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVLSFIKGTKVLPRGKLST (配列番号44)
RGVQIASNENMETMESSTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQISIQPTFSVQRNLPF (配列番号45)
DRTTIMAAFNGNTEGRTSDMRTEIIRMMESARPEDVSFQGRGVFELSDEKAASPIVPSFD (配列番号46)
MSNEGSYFFGDNAEEYDN (配列番号48)
【0165】
図23中のペプチドの配列
ペプチド22: GKWVRELVLYDKEEIRR (配列番号49)
ペプチド33: RTGMDPRMCSLMQGSTL (配列番号50)
ペプチド46: MCNILKGKFQTAAQKAM (配列番号51)
【0166】
前立腺特異的抗原(PSA)配列
MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWV (配列番号52)
LTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHD (配列番号53)
LMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVIS (配列番号54)
NDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERP (配列番号55)
SLYTKVVHYRKWIKDTIVANP (配列番号56)
【0167】
図23中のペプチドの配列
ペプチド1: APLILSRIVGGWECE (配列番号57)
ペプチド4:ECEKHSQPWQVLVAS (配列番号58)
ペプチド25:GDDSSHDLMLLRLSE (配列番号59)
ペプチド26: SHDLMLLRLSEPAEL (配列番号60)
ペプチド49: SGDSGGPLVCNGVLQ (配列番号61)
ペプチド54: GSEPCALPERPSLYT (配列番号62)
ペプチド56: ERPSLYTKVVHYRKW (配列番号63)
ペプチド58: VVHYRKWIKDTIVAN (配列番号64)
【0168】
サイクリンD1配列
MRSYRFSDYLHMSVSFSNDMDLFCGEDSGVFSGESTVDFSSSEVDSWPGDSIACFIEDER (配列番号65)
HFVPGHDYLSRFQTRSLDASAREDSVAWILKVQAYYNFQPLTAYLAVNYMDRFLYARRLP (配列番号66)
ETSGWPMQLLAVACLSLAAKMEEILVPSLFDFQVAGVKYLFEAKTIKRMELLVLSVLDWR (配列番号67)
LRSVTPFDFISFFAYKIDPSGTFLGFFISHATEIILSNIKEASFLEYWPSSIAAAAILCV (配列番号68)
ANELPSLSSVVNPHESPETWCDGLSKEKIVRCYRLMKAMAIENNRLNTPKVIAKLRVSVR (配列番号69)
ASSTLTRPSDESSFSSSSPCKRRKLSGYSWVGDETSTSN (配列番号70)
【0169】
図26中のペプチドの配列
ペプチド7: DRVLRAMLKAEETCA (配列番号71)
ペプチド8: RAMLKAEETCAPSVS (配列番号72)
ペプチド10: TCAPSVSYFKCVQKE (配列番号73)
【0170】
MART−1抗原。MART−1は、腫瘍関連メラニン細胞分化抗原である。MART−1抗原を用いるワクチン接種は、メラニン細胞分化抗原を発現する腫瘍細胞に対して宿主細胞傷害性T細胞応答を刺激し、腫瘍細胞溶解をもたらし得る。
【0171】
図27は、抗CD40−MART−1ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図28は、MART−1についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す。図27及び28は、ヒトMART−1のかなりの(約2/3)部分に融合された組換え抗DC受容体ターゲティング抗体発現の成功を可能にするための可動性リンカー技術の使用を示す。全MART−1コード領域に対して重鎖C末端で融合された組換え抗体は、産生哺乳動物細胞から全く分泌されなかった[示さず]。Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1付加物は、特に十分に発現し、最大負荷のMART−1エピトープを運ぶFlex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2付加物のように、MART−1−ターゲティングワクチンの好ましい一実施形態となる。スライド2及びMART−1パワーポイントプレゼンテーションは、多数の抗DC受容体媒体にこれらの付加物を上手く追加することができることを示す。
【0172】
下記の配列は、重鎖−pep3−pep1−pep2融合タンパク質のhMART−1ペプチドストリングであり、それぞれのhMART1ペプチド配列[太字イタリック体]は、ペプチド間スペーサーfによって隔てられる[太字で示す]。この場合、セルロソームアンカースキャフォルディンB前駆物質[バクテロイデス・セルロソルベンス、gag−nefワクチンの本発明開示において記載される]に由来する27アミノ酸長リンカーflex−v1(v1)[イタリック体]は、重鎖C末端及びhMART1ペプチド可動性スペースストリングの間に挿入した。下線を引いたAS残基は、結合配列である。
【0173】
[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1]C981:
【0174】
[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2]C978:
【0175】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1]C1012:
【0176】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2]C1013:
【0177】
MART−1 DNA配列:
3つのペプチド、開始/終止部位を有するMART−1構築物に下線を引き、ペプチド1は太字とし、ペプチド2は太字イタリック体とし、ペプチド3は太字で下線を引く。
【0178】
MART1−ペプチド3、イタリック体の部分はCD4+免疫優性エピトープである。
【0179】
Flex-4
ASTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAAAS (配列番号80)
【0180】
MART1−ペプチド1、イタリック体の部分は、CD4+免疫優性エピトープであり、下線を引いたイタリック体の部分は、CD8+免疫優性エピトープである。
【0181】
MART1−ペプチド2、イタリック体の部分は、CD4+免疫優性エピトープである。
VLLLIGCWYCRRRNGYRALMDKSLHVGTQCALTRRCPQEG(配列番号83)
【0182】
2つのペプチドを有するMART1構築物:
ペプチド3は、太字イタリック体で下線を引き、flex−4は太字とし、ペプチド1は、太字イタリック体で下線を引く。
【0183】
タンパク質配列:C978。rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3(太字イタリック体で下線を引く)−f4(太字)−Pep−1(太字イタリック体)−f3 (イタリック体)−Pep−2(太字で下線を引く)]
【0184】
タンパク質配列:C981。rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3(太字イタリック体で下線を引く)−f4−(太字)−Pep−1](太字で下線を引く)
【0185】
GP100抗原。GP100抗原は黒色腫関連抗原である。ワクチン製剤で投与された場合、gp100抗原は、この抗原を発現する腫瘍に対して細胞毒性T細胞HLA−A2.1拘束性免疫応答を刺激し、これにより、腫瘍サイズの低下がもたらされ得る。
【0186】
組換え抗体重鎖コード領域に融合されたGP100外部ドメインコード領域は、産生哺乳動物細胞によって全く分泌されなかった[示さず]。全配列を下記に示す。イタリック体の残基は、リーダー配列及び膜貫通ドメインであり、ペプチドは、太字イタリック体とし、膜貫通ドメインは、イタリック体で下線を引く。
【0187】
知られているHLA−A0201拘束性ペプチド配列は、
GP100 M: 209-217 (2M): IMDQVPFSV (配列番号88); 209-217 WT: ITDQVPFSV (配列番号89) GP100 M: 280-288 (9V): YLEPGPVTV (配列番号90) 280-288 WT: YLEPGPVTA (配列番号91) GP100 WT: 154-162: KTWGQYWQV (配列番号92)である。
【0188】
図29〜33は、分泌抗DC受容体ターゲティングワクチンとして発現が成功したgp100付加物を示す。これらは、可動性リンカー配列及びgp100外部ドメインコード領域の断片化及びシャフリングを用いた。gp100ワクチン付加物の好ましい実施形態を記載する。
【0189】
図29は、抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図30は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体のデザインを示す。図31は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図32は、gp100についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す。図33は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。
【0190】
rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−hgp100−Pep−1−f4−Pep−3−f3−Pep−4−f4−Pep−5−f3−Pep−2]C1285、ペプチドは、太字イタリック体とし、可動性リンカーは、太字とし、下線を引いたAS残基は、結合配列である。
【0191】
rAB−cetHS−puro[hIgG4H−C−Flex−hgp100−Pep−1−f4−Pep−3−f3−Pep−4−f4−Pep−5−f3−Pep−2]C1286:
【0192】
gp100:−核酸配列。ペプチド1−下線を引く、ペプチド2−イタリック体、ペプチド3−太字、ペプチド4−太字で下線を引く、ペプチド5 太字イタリック体。
【0193】
GP100 ペプチド1−核酸配列。
GATACAACAGAACCTGCAACACCTACAACACCTGTAACAACACCGACAACAACAAAAGTACCCAGAAACCAGGACTGGCTTGGTGTCTCAAGGCAACTCAGAACCAAAGCCTGGAACAGGCAGCTGTATCCAGAGTGGACAGAAGCCCAGAGACTTGACTGCTGGAGAGGTGGTCAAGTGTCCCTCAAGGTCAGTAATGATGGGCCTACACTGATTGGTGCAAATGCCTCCTTCTCTATTGCCTTGAACTTCCCTGGAAGCCAAAAGGTATTGCCAGATGGGCAGGTTATCTGGGTCAACAATACCATCATCAATGGGAGCCAGGTGTGGGGAGGACAGCCAGTGTATCCCCAGGAAACTGACGATGCCTGCATCTTCCCTGATGGTGGACCTTGCCCATCTGGCTCTTGGTCTCAGAAGAGAAGCTTTGTTTATGTCTGGAAGACCTGGGGCCAATACTGGCAAGTTCTAGGGGGCCCAGTGTCTGGGCTGAGCATTGGGACAGGCAGGGCAATGCTGGGCACACACACCATGGAAGTGACTGTCTACCATCGCCGGGGATCCCAGAGCTATGTGCCTCTTGCTCATTCCAGCTCAGCCTTCACCATTACTGACCAGGTGCCTTTCTCCGTGAGCGTGTCCCAGTTGCGGGCCTTGGATGGAGGGAACAAGCACTTCCTGAGAAATCAG (配列番号96)
【0194】
タンパク質配列:
DTTEPATPTTPVTTPTTTKVPRNQDWLGVSRQLRTKAWNRQLYPEWTEAQRLDCWRGGQVSLKVSNDGPTLIGANASFSIALNFPGSQKVLPDGQVIWVNNTIINGSQVWGGQPVYPQETDDACIFPDGGPCPSGSWSQKRSFVYVWKTWGQYWQVLGGPVSGLSIGTGRAMLGTHTMEVTVYHRRGSQSYVPLAHSSSAFTITDQVPFSVSVSQLRALDGGNKHFLRNQ (配列番号97)
【0195】
GP100−ペプチド3
GGCACCACAGATGGGCACAGGCCAACTGCAGAGGCCCCTAACACCACAGCTGGCCAAGTGCCTACTACAGAAGTTGTGGGTACTACACCTGGTCAGGCGCCAACTGCAGAGCCCTCTGGAACCACATCTGTGCAGGTGCCAACCACTGAAGTCATAAGCACTGCACCTGTGCAGATGCCAACTGCAGAGAGCACAGGTATGACACCTGAGAAGGTGCCAGTTTCAGAGGTCATGGGTACCACACTGGCAGAGATGTCAACTCCAGAGGCTACAGGTATGACACCTGCAGAGGTATCAATTGTGGTGCTTTCTGGAACCACAGCTGCA (配列番号98)
【0196】
タンパク質配列:
GTTDGHRPTAEAPNTTAGQVPTTEVVGTTPGQAPTAEPSGTTSVQVPTTEVISTAPVQMPTAESTGMTPEKVPVSEVMGTTLAEMSTPEATGMTPAEVSIVVLSGTTAA (配列番号99)
【0197】
GP100−ペプチド4:
CAGGTAACAACTACAGAGTGGGTGGAGACCACAGCTAGAGAGCTACCTATCCCTGAGCCTGAAGGTCCAGATGCCAGCTCAATCATGTCTACGGAAAGTATTACAGGTTCCCTGGGCCCCCTGCTGGATGGTACAGCCACCTTAAGGCTGGTGAAGAGACAAGTCCCCCTGGATTGTGTTCTGTATCGATATGGTTCCTTTTCCGTCACCCTGGACATTGTCCAG (配列番号100)
【0198】
タンパク質配列:
QVTTTEWVETTARELPIPEPEGPDASSIMSTESITGSLGPLLDGTATLRLVKRQVPLDCVLYRYGSFSVTLDIVQ (配列番号101)
【0199】
GP100−ペプチド5
GGTATTGAAAGTGCCGAGATCCTGCAGGCTGTGCCGTCCGGTGAGGGGGATGCATTTGAGCTGACTGTGTCCTGCCAAGGCGGGCTGCCCAAGGAAGCCTGCATGGAGATCTCATCGCCAGGGTGCCAGCCCCCTGCCCAGCGGCTGTGCCAGCCTGTGCTACCCAGCCCAGCCTGCCAGCTGGTTCTGCACCAGATACTGAAGGGTGGCTCGGGGACATACTGCCTCAATGTGTCTCTGGCTGATACCAACAGCCTGGCAGTGGTCAGCACCCAGCTTATCGTGCCTGGGATTCTTCTCACAGGTCAAGAAGCAGGCCTTGGGCAG (配列番号102)
【0200】
タンパク質配列:
GIESAEILQAVPSGEGDAFELTVSCQGGLPKEACMEISSPGCQPPAQRLCQPVLPSPACQLVLHQILKGGSGTYCLNVSLADTNSLAVVSTQLIVPGILLTGQEAGLGQ (配列番号103)
【0201】
GP100−ペプチド2
CCTCTGACCTTTGCCCTCCAGCTCCATGACCCTAGTGGCTATCTGGCTGAAGCTGACCTCTCCTACACCTGGGACTTTGGAGACAGTAGTGGAACCCTGATCTCTCGGGCACYTGTGGTCACTCATACTTACCTGGAGCCTGGCCCAGTCACTGCCCAGGTGGTCCTGCAGGCTGCCATTCCTCTCACCTCCTGTGGCTCCTCCCCAGTTCCAGCTAGC (配列番号104)
【0202】
タンパク質配列:
PLTFALQLHDPSGYLAEADLSYTWDFGDSSGTLISRAXVVTHTYLEPGPVTAQVVLQAAIPLTSCGSSPVPAS(配列番号105)
【0203】
サイクリンB1抗原。CCNB1としても知られているサイクリンB1は、有糸分裂に関与する調節タンパク質をコードするヒト遺伝子である。サイクリンB1は、p34(cdc2)と複合体を形成して、成熟促進因子(MPF)を形成する。別の転写開始部位の結果である、別の2つの転写物が知られている。第1の転写物は、恒常的に発現される転写物をコードする。第2の転写物は、G2/M期に主に発現される細胞周期調節性転写物である。
【0204】
以下のアミノ酸配列は、ヒトサイクリンB1である。T細胞エピトープを含有することが知られている2つのペプチド領域は、太字で下線を引き、またイタリック体で下線を引いて強調する。
ペプチド-1 MEMKILRALNFGLGRPLPLHFLRRASKIGEVDVEQHTLAKYLMELTMLDY (配列番号107)
ペプチド-2
DWLVQVQMKFRLLQETMYMTVSIIDRFMQNNCVPKK (配列番号108)
【0205】
図35は、トランスフェクトされた哺乳動物293F細胞から分泌されたプロトタイプサイクリンB1ワクチンの相対的な発現レベルの概要を示す。可動性リンカー配列は、分泌を容易にする。
【0206】
C1189 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−2(イタリック体)−ペプチド−1(太字−イタリック体)−f4(太字)] [ASリンカー、下線を引く]
【0207】
上記は、抗CD4012E12サイクリンB1ワクチンの1つの形態についての成熟分泌重鎖の配列である。AS残基は、結合制限部位に由来する。DNAコード配列を下記に示す、また、これは、シグナルペプチドを含む。
【0208】
C1143 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hCyclinB1−ペプチド−2(イタリック体)−f3(太字)] [ASリンカー、下線を引く]。
【0209】
上記は、抗CD4012E12サイクリンB1ワクチンの1つの形態についての成熟分泌重鎖の配列である。AS残基は、結合制限部位に由来する。DNAコード配列を下記に示す、また、これは、シグナルペプチドを含む。
【0210】
C911 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−1(イタリック体)−f4(太字)]
【0211】
C911 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−1(イタリック体)−f4(太字)]核酸配列。
【0212】
D型サイクリン抗原。D型サイクリンは、細胞周期のG1期中に主に発現する。サイクリンD1の発現パターンは、リンパ腫及び非小細胞肺癌を含むある種の癌型において広範囲に研究されてきた。乳癌の約30パーセントは、サイクリンD1陽性である。サイクリンD1の過剰発現は、今や、特有の染色体転座t(11;14)によって特徴づけられるマントル細胞リンパ腫、悪性非ホジキンリンパ腫の診断のための十分に確立された基準である。
【0213】
サイクリンD1−ペプチド1は太字、ペプチド2は太字で下線を引き、ペプチド−3はイタリック体、ペプチド4は下線を引く。
【0214】
Pep-1:
MEHQLLCCEVETIRRAYPDANLLNDRVLRAMLKAEETCAPSVSYFKCV (配列番号117)
【0215】
Pep-2
QKEVLPSMRKIVATWMLEVCEEQKCEEEVFPLAMNYLDRFLSLEPVKKSRLQLLGATCMFVASKMKETIPLTAEKLCIYTDNSIRPEELLQMELL (配列番号118)
【0216】
Pep-3
LVNKLKWNLAAMTPHDFIEHFLSKMPEAEENKQIIRKHAQTFVALCATDVKFISNPPSMV (配列番号119)
【0217】
Pep-4
AAGSVVAAVQGLNLRSPNNFLSYYRLTRFLSRVIKCDPDCLRACQEQIEALLESSLRQAQQNMDPKAAEEEEEEEEEVDLACTPTDVRDVDI (配列番号120)
【0218】
【表1】
【0219】
図34は、CD40ライゲーションを介してのシグナル伝達(細胞死として読み取られる)を検出するアッセイを使用して、様々な抗体を用いて得られた結果を示す。CD40自体は、そのようなシグナルを送ることができるが、FASの細胞内ドメインは、CHO細胞中で発現した場合、比較のために使用する(Fas CHO v. CHO)。手短に言えば、CHS−S細胞は、FAS細胞内ドメインに融合されたhCD40ectodomain(商標)又はhCD40についての発現ベクターを用いてトランスフェクトした。これらの細胞は通常増殖するが、CD40ライゲーションを通してのシグナル伝達は、アポトーシスシグナルを活性化した。48時間後に、MTTを培養物に追加し、活性ミトコンドリア(つまり生細胞)の含有量に直接比例する色素の還元を測定する。
【0220】
ELISA。プレートは、CD40 ecto(ヒト又はNHP coh)、次いでmAb、抗mIgG HRP又はCBD doc/次いでCD40 ecto(coh=コヘシン、NHP=非ヒト霊長動物、HRP=ホースラディッシュペルオキシダーゼ)、次いでmAb、及び次いで抗mIgG HRPを用いてコートするか、捕獲は、抗mIgG、次いでMab、次いでビオチン化CD40 ecto(ヒト又はNHP coh)とする。サイトカイン産生は、上記の実施例において記載されるように測定した。
【0221】
図35は、抗体がdocとの融合タンパク質に作製され、次いで捕獲を行った際の、様々な構築物との結合を示す。図36及び37は、GM−CSF及びIFNaの追加あり又はなし(図36A〜D)並びに24時間DCと共にインキュベートした可溶性の抗体のみ(図37A〜D)のサイトカイン産生を比較する。図38A〜Bは、直接的なB細胞増殖に対する本発明の抗CD40抗体の様々な濃度の効果を実証する。
【0222】
B細胞増殖。健常ドナーのPBMCに由来するB細胞は、B細胞濃縮キット(BD製)によって濃縮した。CFSE標識5×10e4 B細胞は、6日間、50ユニット/ml IL−2の存在下において、10% FCSを含有するRPMI培地中で培養した。B細胞増殖は、フローサイトメトリーを使用して、CFSE希釈液を測定することによって試験した。驚いたことに、抗体が、様々な希釈液でB細胞増殖を引き起こすことができることが分かったが、免疫グロブリンコントロール及び抗CD40抗体(データ示さず)は、引き起こさなかった。
【0223】
本明細書において示される様々な構築物は、(1)抗体が、組換えマウスv領域ヒトIgG4 C領域キメラとして再構成され、(2)H鎖C末端抗原を追加した(1)との関連において活性を保持することができる場合、CD40抗体(例えば12E12)が、可変ドメインとして強い活性化が可能であることを実証する。これらの可変領域、ペプチド融合タンパク質及び/又は複合体は、ワクチン効能を大いに増強する。
【0224】
本明細書において議論されるいかなる実施形態も、本発明のいかなる方法、キット、試薬、又は組成物に関しても実現することができ、逆もまた同様であることが企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用することができる。
【0225】
本明細書において記載される特定の実施形態は、本発明の限定としてではなく例証として示されることが理解されるであろう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態において用いることができる。当業者らは、日常的な実験作業だけを使用して、本明細書において記載される特定の手順に対する多数の等価物を認識する又は確認することができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲内であると考えられ、請求項によって包含される。
【0226】
本明細書において言及されるすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関する、当業者らの技術のレベルを示す。すべての刊行物及び特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物又は特許出願が参照によって組み込まれるように明確に個々に示されるのと同じ程度まで参照によって本明細書に組み込まれる。
【0227】
請求項及び/又は明細書中の用語「含む(comprising)」に関連して使用される場合の単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、「1つ(one)」を意味してもよいが、それはまた、「1又は2以上の」、「少なくとも1つの」、及び「1又は1を超える」の意味と一致している。請求項中の用語「又は」の使用は、選択肢のみを指すように明示的に示されない限り、「及び/又は」を意味するために使用される又は選択肢は相互に排他的であるが、開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持する。本出願の全体にわたって、用語「約」は、値が、値を決定するために用いられるデバイス、方法についての誤差の固有の偏差又は研究対象の間に存在する偏差を含むことを示すために使用される。
【0228】
本明細書及び請求項(複数可)において使用される場合、単語「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの含む(including)の任意の形態)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有する(containing)の任意の形態)は、包括的又は非限定的であり、さらなる、記載されていないエレメント又は方法のステップを除外しない。
【0229】
本明細書において使用される用語「又はその組合せ」は、用語に先行する、列挙されたアイテムのすべての交換及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はその組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを含むように意図され、順序が特定の状況において重要な場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABもまた含む。この例を続けると、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの、1又は2以上のアイテム又は用語の反復を含有する組合せが明らかに含まれる。当業者は、状況からその他に明白でない限り、典型的に、いかなる組合せにおいてもアイテム又は用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0230】
本明細書において開示され、請求される組成物及び/又は方法はすべて、本開示に照らして不必要な実験作業なしで作製し、実施することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態によって記載されたが、変形が、本発明の概念、精神、及び範囲から逸脱することなく、組成物及び/又は方法に並びに本明細書において記載される方法のステップ又はステップの順序において適用されてもよいことが当業者らに明白であろう。当業者らに明白なすべてのそのような類似する代用及び修飾は、添付の請求項によって定義される本発明の精神、範囲、及び概念内にあると考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、免疫の分野、特に、新規な抗CD40抗体及び抗CD40抗体ベースのワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の範囲を限定することなく、背景技術は、抗原提示に関連して記載される。ワクチン及び抗原提示のための方法の1つの例は、CD40に結合するカルボキシ末端に連結されたアミノ末端抗原をコードするDNAワクチンについてLedbetter et al.に発行された米国特許第7,118,751号明細書において教示される。手短に言えば、抗原特異的体液性免疫応答及び細胞性免疫応答を改善するために、細胞表面受容体に対して1又は2以上の抗原をターゲティングするワクチンが、教示される。細胞表面受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)は、内部移行され、細胞内区画の中に抗原(複数可)が運搬され、ここで、抗原(複数可)は、ペプチドに消化され、MHC分子上にロードされる。ペプチド抗原に特異的なT細胞は、活性化され、免疫応答の増強に至る。ワクチンは、少なくとも1つの受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)又は少なくとも1つの受容体に結合するドメインに連結された抗原(複数可)をコードするDNAプラスミドを含んでいてもよい。本発明の好ましい実施形態は、CD40受容体に対してHIV−1 env抗原をターゲティングし、CD40陽性細胞に対する抗原のデリバリー及びT細胞に対してHIV−1 env抗原を提示する細胞上のCD40受容体の選択的な活性化がもたらされる。
【0003】
他の例は、アンタゴニスト抗CD40モノクローナル抗体及びそれらの使用方法についてLi et al.によって提出された米国特許出願第20080254026号において見つけられる。手短に言えば、CD40発現細胞上でのCD40シグナル伝達の刺激によって媒介される疾患を治療するための療法において使用するための組成物及び方法が開示され、提供される。方法は、治療有効量のアンタゴニスト抗CD40抗体またその抗原結合断片をその必要のある患者に投与するステップを含む。アンタゴニスト抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、著しいアゴニスト活性はないが、抗体がヒトCD40発現細胞上のCD40抗原に結合する場合に、アンタゴニスト活性を示す。抗CD40抗体又はその抗原結合断片のアンタゴニスト活性は、B細胞などのヒトCD40発現細胞の増殖及び/又は分化を有利に阻害する。
【0004】
他の例は、微生物TLRアゴニスト、CD40アゴニスト又は4−1BBアゴニストを含み、抗原も含んでよいアジュバントの組合せ並びに細胞性免疫を相乗的に増強するためのその使用についてDeluciaによって提出された米国特許出願第20080241139号において教示される。手短に言えば、この出願は、完全なウイルス、細菌若しくは酵母、又は膜、スフェロプラスト、サイトプラスト若しくはゴーストなどのその部分など、少なくとも1つの微生物TLRアゴニスト、CD40アゴニスト又は4−1BBアゴニストを含み、抗原も含んでよいアジュバントの組合せであって、3つの成分がすべて、異なっていてもよい又は同じ組換え微生物若しくは組換えウイルスを含んでいてもよい、アジュバントの組合せを教示し、これらが開示される。癌及びHIV感染症などの様々な慢性疾患の治療のためのこれらの免疫アジュバントの使用もまた、提供される。
【0005】
Bernett et al.によって提出された米国特許出願第20080199471号は、最適化CD40抗体及び最適化CD40抗体を使用するための方法に関する。手短に言えば、この出願は、CD40をターゲティングする抗体を教示し、抗体は、親抗体に関する少なくとも1つの修飾を含み、修飾により、親抗体と比較して、FcγRに対する親和性が改変される又はエフェクター機能が改変される。本発明の抗体を使用するための方法もまた、開示される。
【0006】
最後に、Tripp et al.によって提出された米国特許出願第20080181915号は、呼吸器合胞体ウイルスについてのCD40リガンドアジュバントに関する。手短に言えば、この出願は、宿主において、RSVに対する免疫応答を増強するための方法及びアジュバントを教示し、方法及びアジュバントは、CD40結合タンパク質の供給源を含む。好ましくは、CD40結合タンパク質は、CD40Lであり、供給源は、CD40Lコード領域に作用可能に連結されたプロモーターを含むベクターである。本発明のアジュバント及び方法によってもたらされる、免疫応答の増強は、Th1サイトカインの発現の増加及び抗体の産生の増加の両方を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,118,751号明細書
【特許文献2】米国特許出願第20080254026号
【特許文献3】米国特許出願第20080241139号
【特許文献4】米国特許出願第20080199471号
【特許文献5】米国特許出願第20080181915号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、本発明は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片である。一態様では、抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3、若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又はヒト重鎖定常領域のバリアントを含む。一態様では、抗体は、軽鎖定常領域をさらに含み、軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む。他の態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列を含む及び/又は抗体は、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列を含む。他の態様では、抗体は、ハイブリドーマ抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)によって産生される。他の態様では、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。一態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。他の態様では、組換え抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域と少なくとも90、95、99又は100%の配列同一性を含む。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。
【0009】
本発明の他の実施形態は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であり、抗体は、請求項1に記載の抗体である。
【0010】
本発明の他の実施形態は、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及びb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合するヒト化組換え抗体又はその抗原結合断片である。一態様では、抗体は、重鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域は、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3、若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又はヒト重鎖定常領域のバリアントを含む。一態様では、抗体は、軽鎖定常領域をさらに含み、軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む。他の態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される。他の態様では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列を含む。一態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)の少なくとも可変領域を含む。他の態様では、ヒト化抗体は、ヒト抗体フレームワーク上に、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及びb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域の相補性決定領域を含む。
【0011】
本発明の他の実施形態は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であり、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する、請求項に記載の抗体、組換え抗体、又はその抗原結合断片である。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)抗体の少なくとも可変領域を含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0012】
本発明の他の実施形態は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸である。一態様では、核酸は、抗体をヒト化するヒト抗体に由来する核酸配列をさらに含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0013】
本発明の他の実施形態は、ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む発現ベクターである。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0014】
本発明の他の実施形態は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸をコードするベクターを含む宿主細胞である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3、若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0015】
本発明の他の実施形態は、ポリペプチドを作製する方法であって、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む宿主細胞を、核酸配列が発現する条件下で培養し、それによってポリペプチドを作製するステップ並びに宿主細胞からポリペプチドを回収するステップを含む方法である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0016】
本発明の他の実施形態は、ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含む発現ベクターである。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0017】
本発明の他の実施形態は、ポリペプチドを作製するための方法であって、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチドをコードする単離核酸を含むベクターを含む宿主細胞を、核酸配列が発現する条件下で培養し、それによってポリペプチドを作製するステップ並びに宿主細胞からポリペプチドを回収するステップを含む方法である。
【0018】
本発明の他の実施形態は、配列番号9、11、12又は14の核酸配列を有する軽鎖及び配列番号8、10又は13の核酸配列を有する重鎖を含む、CD40に特異的な抗体をコードする単離核酸配列である。一態様では、結合断片は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される抗体断片である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0019】
本発明の他の実施形態は、ヒト化抗体についてアクセプター生殖細胞系列配列を同定するための方法であって、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びにc)非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、比較が、1)非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるサブステップ;2)配列のCDR領域及びFR領域を定めるサブステップ;3)非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるサブステップ;並びに4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての残基スコアを合計するサブステップを含む、ステップ;並びにd)最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列をアクセプター生殖細胞系列配列として同定するステップを含む方法である。一態様では、非ヒト抗体は、CD40に特異的である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0020】
本発明の他の実施形態は、a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びにc)非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、比較は、1)非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるステップ;2)配列のCDR領域及びFR領域を定めるステップ;3)非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるステップ;並びに4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての残基スコアを合計するステップのサブステップを含むステップ;並びにd)アクセプター生殖細胞系列配列として最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列を同定するステップを含む方法によって生成される抗体である。一態様では、非ヒト抗体は、CD40に特異的である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0021】
本発明の他の実施形態は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片を宿主細胞において発現させるステップを含む抗体を作製するための方法である。一態様では、宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、又は哺乳動物細胞である。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6及び/又は配列番号2、4、5若しくは7の重鎖可変ドメインと90、95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。
【0022】
本発明の他の実施形態は、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片であり、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。一態様では、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7の1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列、又はその両方を含む。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。他の態様において、抗体は、単独で、少なくとも10%、20%、25%、28%、30%、又は35%のB細胞増殖を引き起こすことができる。
【0023】
本発明の他の実施形態は、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片であり、抗体は、単独で、B細胞の少なくとも10%のB細胞増殖を引き起こすことができる。一態様では、増殖するB細胞のパーセンテージは、少なくとも15%、20%、25%、28%、30%又は35%である。一態様では、抗体は、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7の1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む。他の態様では、抗体は、配列番号1、3若しくは6のポリペプチド配列、配列番号2、4、5若しくは7のポリペプチド配列、又はその両方を含む。他の態様では、抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される。他の態様では、抗体は、ヒト化抗体である。他の態様では、樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体は、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを樹状細胞に分泌させることができる。他の態様では、抗体は、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを、GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に分泌させることができる。
【0024】
本発明の特徴及び利点についてのより完全な理解のために、ここでは、添付の図面に加えて、発明を実施するための形態について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トランスフェクト293F細胞から分泌され、還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性組換え抗体を示す図である(レーン1〜5)。
【図2】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1及び2)。
【図3】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリング(peptide string)に融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1〜5)。
【図4】トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す図である(レーン1〜6)。
【図5】αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が、PBMC培養物との関連において抗原特異的T細胞の増大を誘発する効力をアッセイするためにインビトロにおいて使用するプロトコールを示す図である。
【図6A−C】様々な濃度の抗CD40.LIPO5ペプチドストリングワクチンと共にインキュベートした、HIV患者に由来するPBMCにおけるHIVペプチド特異的IFNγ産生を示す図である。Cは、コントロールグループであり、これらは、ワクチンを受けず、それぞれのペプチドに対する培養物のベースラインの応答を確定する。
【図7】8人のHIV患者に由来する5つのペプチド領域に対するαCD40.LIPO5ペプチドワクチン応答の概要を示す図である。
【図8A−C】αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが、多数のサイトカインを分泌することができるHIVペプチド特異的T細胞の増大−ワクチンにおいて望ましい特徴を誘発することを示す図である。また、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが、多数のサイトカインの産生によって特徴づけられる、gag253、nef66、nef116、及びpol325ペプチド特異的応答を誘発することを示す図でもある(患者A5)。
【図9】DCによる、ターゲティングによる取り込み及びそれらの表面MHC複合体上へのペプチドエピトープの提示から結果として生じる抗原特異的T細胞の増大を指示するためのその能力についてαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを試験するためのプロトコールを示す図である。
【図10A−B】様々な用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療したDC−T細胞共培養物からの、HIVペプチドに応じたサイトカイン分泌を示す図である(患者A10)。
【図11A−B】αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A4に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していないことを示す図である。
【図12A】太字で可動性リンカー領域を、下線を引いて結合配列を、且つ灰色の影付きでHIVペプチド領域を示すαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン重鎖配列を示す図である。αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A3に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253、nef66、及びnef116領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していないことを示す図である。
【図12B−1−B−2】30nMの3つの異なるHIV5ペプチドDCターゲティングワクチンと共にインキュベートしたHIV患者A17 PBMCから誘起されたHIV抗原特異的T細胞応答を示す図である。
【図12C−1−C−2】PBMCが異なるHIV患者(A2)に由来する以外は、図12B−1及びB−2において示す研究に類似する研究を示す図である。
【図12D】15の異なるHIVペプチド応答[3人の患者においてサンプリングした5つのペプチド領域]を示す図であり、抗CD40.HIV5pepワクチンが、広範囲のHIVペプチド特異的CD8+及びCD4+T応答の誘発について、抗DCIR.HIV5pep、抗LOX−1.HIV5pep、及び非LIPO5ミックスより優れていたことが分かった。
【図13】抗CD40 mAb:IL−4DCの内部移行を示す図である。IL−4DCは、500ng/mlの抗CD40−Alexa 568と共に処理した。
【図14】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたDCによるCD4及びCD8 T細胞増殖を示す図である。2ug/mlの抗CD40−HA又はコントロールIg−HA1をロードした5×10e3 IFNDCは、7日間、CFSE標識自己由来CD4+又はCD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、抗CD4抗体又は抗CD8抗体を用いて染色した。細胞増殖は、CFSE希釈液を測定することによって試験した。
【図15】CD4+T増殖に対するHA1融合タンパク質の力価測定を示す図である。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K)は、7日間、CFSE標識CD4+T細胞(200K)と共に共培養した。
【図16】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す図である。CD4+T細胞は、5uMの示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、細胞内IFNγを染色した。
【図17】抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す図である。CD4+T細胞は、36時間、示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、培養上清は、IFNγの測定のために分析した。
【図18】CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す図である。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K/ウェル)は、10日間、精製CD8+T細胞と共に共培養した。細胞は、抗CD8及びテトラマーを用いて染色した。細胞は、健常ドナーに由来する(HLA−A*0201+)。
【図19】CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す図である(異なる健常ドナーに由来する細胞を使用する8回の反復実験の概要)。
【図20】抗CD40−MART−1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す図である。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、10uMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。
【図21】抗CD40−Flu M1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す図である。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、1.0nMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。
【図22】PSA(前立腺特異的抗原)に連結された抗CD4012E12から構成されるワクチンが、ナイーブT細胞集団からの増大を誘発する能力を試験するためのプロトコールの概略を示す図である。PSA特異的CD4+T細胞は、PSAエピトープの広範囲のアレイに相当する。手短に言えば、健常ドナーに由来する単球のIFNα及びGM−CSFを用いる培養に由来するDCをワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を、新鮮な培地中に置き、同じドナーに由来する純粋なCD4+T細胞を追加する。数日後に、PSAペプチドを追加し、4時間後に、培養上清中に分泌されたγIFNレベルを決定する。
【図23】多くのPSAペプチドが、強力なγIFN産生応答を誘発し、抗CD4012E12及び類似する抗CD40作用物質が、抗原をDCに効率的にデリバリーすることができることを示し、抗原の多数のエピトープに対する免疫応答のプライミングをもたらすことを示す図である。
【図24】抗CD40−PSAを用いてターゲティングされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘発することを示す図である。IFNDCは、PSAを有する1ug mAb融合タンパク質を用いてターゲティングした。精製自己由来CD8+T細胞を10日間、共培養した。細胞は、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)−テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常ドナーに由来する。結果により、抗CD40がPSAをDCに有効にデリバリーし、これは、次に、PSA特異的CD8+T細胞の増大を誘発することが実証される。
【図25】スキーム(左)並びにドナー2についてのペプチドのプール及びコントロールのT細胞によるIFNγ産生を示す図である。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【図26】ペプチドの精査並びにドナー2についての図25において示されるペプチドのプール及びコントロールから得られたT細胞によるIFNγ産生を示す図である。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【図27】抗CD40−MART−1ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図28】MART−1についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す図である。
【図29】抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図30】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体のデザインを示す図である。
【図31】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図32】gp100についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す図である。
【図33】さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す図である。
【図34】CD40ライゲーションを介してのシグナル伝達(細胞死として読み取られる)を検出するアッセイを使用して、様々な抗体を用いて得られた結果を示す図である。
【図35】抗体がdocとの融合タンパク質に作製され、次いで捕獲を行った際の、様々な構築物との結合を示す図である。
【図36−37】GM−CSF及びIFNaの追加あり又はなし(図36A〜D)並びに24時間DCと共にインキュベートした可溶性の抗体のみ(図37A〜D)のサイトカイン産生を比較する図である。
【図38A−B】B細胞増殖に対する本発明の抗CD40抗体の様々な濃度の効果を実証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の様々な実施形態の作製及び使用を下記に詳細に議論するが、本発明は、種々様々の特定の状況で具現することができる、多くの適用可能な発明概念を提供することを十分に理解するべきである。本明細書において議論される特定の実施形態は、本発明を作製し、且つ使用するための特定の方法を単に例証するものであり、本発明の範囲を定めるものではない。
【0027】
本発明についての理解を容易にするために、多くの用語を下記に定義する。本明細書において定義される用語は、本発明に関する当業者らによって一般的に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」などの用語は、単数の要素のみを指すように意図するのではなく、そのうちの特定の例が例証のために使用されてもよい概括的な分類を含む。本明細書における術語は、本発明の特定の実施形態を記載するために使用されるが、それらの使用は、請求項において概説されるもの以外は、本発明を定めるものではない。
【0028】
本発明はまた、バリアント及びその断片の抗体(又は「Ab」)の他の修飾、例えば抗CD40融合タンパク質を含む(抗体は、用語「免疫グロブリン」と同義的に使用される)。本明細書において使用される場合、用語「抗体又はその断片」は、完全な抗体又は抗体の断片、例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、及び一本鎖Fv断片(ScFv)又は例えばCD40に特異的に結合する免疫グロブリンの任意の生物学的に有効な断片を含む。ヒト起源に由来する抗体又はヒト化抗体は、ヒトにおいて免疫原性が低下しており又はそれがなく、非ヒト抗体と比較して少ない数の免疫原性エピトープを有する又はそれを有していない。抗体及びそれらの断片は、ヒトにおいてレベルが低下した抗原性を有するように又は抗原性を有しないように一般に選択されるであろう。
【0029】
本明細書において使用される場合、用語「Ag」又は「抗原」は、免疫グロブリン分子の抗原結合領域に結合することができる又は免疫応答、例えば主要組織適合抗原(MHC,Major Histocompatibility Antigen)細胞タンパク質上への抗原の提示によるT細胞媒介性免疫応答を誘発することができる物質を指す。本明細書において使用される場合、「抗原」は、ペプチド、小分子、炭水化物、脂質、核酸、又はその組合せであってもよい抗原決定基、ハプテン、及び免疫原を含むが、これらに限定されない。熟練した免疫学者は、T細胞への提示のために処理される抗原を議論する場合に、用語「抗原」が、MHCによってT細胞受容体に提示されるT細胞エピトープである抗原のそれらの部分(例えばペプチド断片)を指すことを認識するであろう。「抗原」、抗体の可変ドメインの相補性決定領域(軽及び重)に結合する抗原の部分に特異的な抗体の形態におけるB細胞媒介性免疫応答との関連において使用される場合、結合部分は、直鎖状の又は立体的なエピトープであってもよい。本発明との関連において、抗原という用語は、両方の状況に対して使用される、すなわち、抗体は、タンパク質抗原(CD40)に特異的なだけではなく、MHCによるT細胞への提示のための1又は2以上のペプチドエピトープを運搬する。ある場合には、本発明のワクチン又は融合タンパク質によってデリバリーされる抗原は、内部移行され、例えば、抗体又は融合タンパク質の1又は2以上の部分の切断によって、提示前に抗原提示細胞によって処理される。
【0030】
本明細書において使用される場合、用語「抗原ペプチド」は、B細胞又はT細胞によって特異的に認識されるポリペプチド抗原のその部分を指す。B細胞は、抗体産生を介して外来性の抗原決定基に対して応答するが、Tリンパ球は、媒介細胞性免疫である。したがって、抗原ペプチドは、抗体によって又はMHCとの関連においてT細胞受容体によって認識される抗原の部分である。
【0031】
本明細書において使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫グロブリンに特異的に結合することができる又は主要組織適合遺伝子複合体(MHC,Major Histocompatibility Complex)タンパク質(例えばクラスI若しくはクラスII)によってT細胞受容体に提示することができる任意のタンパク質決定基を指す。エピトープ決定基は、T細胞受容体に対してある種のアミノ酸側鎖基を提示し、例えば、溝、ペプチド側鎖基、及びT細胞受容体の特異的な電荷特性のために溝中に、ある種の他の残基を有するMHC分子の溝の中に適合する5〜30アミノ酸長の、一般に短いペプチドである。一般に、解離定数が1mM、100nM、又はさらに10nMである場合、抗体は、抗原に特異的に結合する。
【0032】
本明細書において使用される場合、用語「ベクター」は、2つの異なる状況において使用される。ワクチンに関連して用語「ベクター」を使用する場合、ベクターは、ワクチンの抗原部分を誘導する又はデリバリーするために使用される非抗原性部分を表すために使用される。例えば、抗体又はその断片は、免疫応答を誘発する抗原に結合してもよい又はそれと融合タンパク質を形成してもよい。細胞ワクチンについては、抗原のデリバリー及び/又は提示のためのベクターは、抗原提示細胞であり、これは、抗原がロードされる細胞によってデリバリーされる。ある場合には、細胞ベクター自体もまた、抗原(複数可)を処理し、T細胞に提示し、抗原特異的免疫応答を活性化してもよい。核酸との関連において使用される場合、「ベクター」は、宿主細胞において、1又は2以上の所望の遺伝子又はポリヌクレオチド配列をデリバリーすることができ、好ましくは、発現させることができる構築物を指す。ベクターの例は、ウイルスベクター、ネイキッドDNA発現ベクター又はネイキッドRNA発現ベクター、陽イオン性縮合剤と関連したDNA発現ベクター又はRNA発現ベクター、リポソーム中に封入されたDNA発現ベクター又はRNA発現ベクター、及びプロデューサー細胞などのある種の真核細胞を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書において使用される場合、用語「安定した」及び「不安定な」は、タンパク質を指す場合、その3次元構造及び/若しくは活性を維持する(安定した)又はその3次元構造及び/若しくは活性を直ちに若しくは次第に失う(不安定な)ペプチド又はタンパク質を表すために使用される。本明細書において使用される場合、用語「不溶性の」は、細胞中で産生される場合(例えば真核細胞若しくは原核細胞中で又はインビトロにおいて発現させた組換えタンパク質)、変性条件又は変性作用物質(例えば、それぞれ、熱又は化学的な変性剤)の使用がない限り、溶液中で可溶性ではないタンパク質を指す。本明細書において教示される抗体又はその断片及びリンカーは、それらのペプチドとの抗体融合タンパク質を、不溶性の及び/又は不安定なものから安定した及び/又は可溶性のタンパク質に変えることが分かった。不安定性に対する安定性の他の例は、同じ溶液中で測定された場合に、安定したコンホメーションを有するタンパク質のドメインが、タンパク質の不安定なドメインよりも高い融解温度(Tm,melting temperature)を有する場合である。ドメインは、Tmの差異が、同じ溶液中で測定された場合に、少なくとも約2℃、より好ましくは約4℃、より好ましくは約7℃、より好ましくは約10℃、より好ましくは約15℃、より好ましくは約20℃、より好ましくは約25℃、最も好ましくは約30℃である場合、他のドメインと比較して、安定している。
【0034】
本明細書において使用される場合、「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、一重又は二重鎖形態をしたデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの鎖を指す(天然ヌクレオチドの既知のアナログを含む)。二重鎖核酸配列は、相補的配列を含むであろう。ポリヌクレオチド配列は、1又は2以上のリンカーと融合タンパク質を形成する、免疫グロブリンの可変及び/又は定常領域ドメインをコードしてもよい。本発明で使用するために、マルチクローニング部位(MCS,multiple cloning site)は、リンカーの間の発現用ペプチドのインフレームの挿入を可能にするために抗体の重鎖及び/又は軽鎖のカルボキシ末端の位置の中に設計されてもよい。本明細書において使用される場合、用語「単離ポリヌクレオチド」は、ゲノム、cDNA、又は合成起源のもの又はそのいくつかの組合せのポリヌクレオチドを指す。その起源により、「単離ポリヌクレオチド」は、(1)「単離ポリヌクレオチド」が自然界において見つけられるポリヌクレオチドのすべて若しくは一部と関連していない、(2)それが自然界において連結されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、又は(3)より大きな配列の一部として自然界に存在しない。当業者は、ベクターをデザインし、且つ実現するために、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるCurrent Protocols in Molecular Biology, 2007 by John Wiley and Sonsにおいて教示されるものなどの、当技術分野において知られている技術を使用することによって核酸レベルで操作することができることを認識するであろう。手短に言えば、コードする核酸配列は、発現ベクターであってもよいベクターにおけるポリメラーゼ連鎖反応、オリゴヌクレオチド又はポリメラーゼ連鎖反応断片の酵素による挿入を使用して挿入することができる。抗体軽鎖、重鎖、又は両方のカルボキシ末端での挿入物の挿入を容易にするために、マルチクローニング部位(MCS)は抗体配列を有する配列中に設計されてもよい。
【0035】
本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチド」は、アミノ酸のポリマーを指し、特定の長さの産物を指さず、したがって、ペプチド、オリゴペプチド、及びタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化、及びその他同種のものをも指さない又はそれをも除外する。例えば、アミノ酸の1又は2以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含有するポリペプチド、置換された連結を有するポリペプチド、及び天然に存在する及び天然に存在しない、当技術分野において知られている他の修飾が定義内に含まれる。用語「ドメイン」又は「ポリペプチドドメイン」は、フォールドして、その本来のコンホメーションで単一の球状の領域になり、且つ個別の結合特性又は機能的特性を示してもよいポリペプチドの配列を指す。
【0036】
指定の核酸配列「に由来する」ポリペプチド又はアミノ酸配列は、配列においてコードされるポリペプチドのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列又はその部分を有するポリペプチドを指し、部分は、配列においてコードされるポリペプチドと免疫学的に同一であると見なせる少なくとも3〜5のアミノ酸、好ましくは、少なくとも4〜7のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも8〜10のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも11〜15のアミノ酸からなる。この術語はまた、指定の核酸配列から発現したポリペプチドをも含む。
【0037】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容されるキャリヤー」は、本発明の免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質と組み合わせられた場合に、Igが生物学的活性を保持することを可能にし、対象の免疫系と一般に非反応性である任意の物質を指す。例として、リン酸緩衝生理食塩水、水、油/水エマルションなどのエマルション、及び様々なタイプの湿潤剤などの標準的な医薬キャリヤーを含むが、これらに限定されない。リン酸緩衝食塩水又は通常の(0.85%)食塩水であってもよい、ある種の希釈剤が、例えばエアロゾル投与又は非経口投与のために、本発明と共に使用されてもよい。
【0038】
本発明で使用するための抗体は、抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)の少なくとも可変領域を含む。
【0039】
本発明は、配列中に、超可変領域CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lを含み、CDR1Lは、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有し、CDR2Lは、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号42)を有し、CDR3Lは、アミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号43)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号37において示される、少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VL)を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0040】
したがって、本発明は、配列中に、超可変領域CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hを含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号44)を有し、CDR2Hは、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号45)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号46)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号38において示される、少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)を含む抗原結合部位を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0041】
一態様では、本発明は、上記に定義される重鎖可変ドメイン(VL)を含む単離免疫グロブリン軽鎖を含む単一ドメインCD40結合分子を提供する。他の態様では、本発明は、上記に定義される重鎖可変ドメイン(VH)を含む単離免疫グロブリン重鎖を含む単一ドメインCD40結合分子を提供する。
【0042】
他の態様では、本発明はまた、CD40結合分子が、a)配列中に、超可変領域CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lを含み、CDR1Lは、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有し、CDR2Lは、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号42)を有し、CDR3Lは、アミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号43)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号1において示される、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VL)、b)配列中に、超可変領域CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hを含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号44)を有し、CDR2’は、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号45)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号46)を有し、これらのアミノ酸配列は、配列番号38において示される、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VH)を含む少なくとも1つの抗原結合部位を含む、重鎖(VH)及び軽鎖(VL)可変ドメインの両方を含むCD40結合分子、及び抗CD40_11B6.1C3又は抗CD40_12B4.2C10抗体についてのその直接的な等価物を提供する。
【0043】
その他に示されない限り、いかなるポリペプチド鎖も、N末端で始まり、C末端で終わるアミノ酸配列を有するものとして本明細書において記載される。抗原結合部位がVH及びVLの両方のドメインを含む場合、これらは、同じポリペプチド分子上に置かれてもよい又は好ましくは、それぞれのドメインは、異なる鎖上にあってもよく、VHドメインは、免疫グロブリン重鎖又はその断片の一部であり、VLは、免疫グロブリン軽鎖又はその断片の一部である。
【0044】
本明細書において使用される場合、用語「CD40結合分子」は、単独で又は本明細書において教示される1若しくは2以上のVL及びVH CDR、いくつかの場合では、2、3、4、5、若しくは6つすべてのCDRを有する他の分子と関連してCD40抗原に結合することができる任意の分子を指す。結合反応は、例えば、他の分子のCD40への結合若しくは任意の種類の結合をブロックすることによって決定するためのバイオアッセイ又は特異性が無関係であるが、アイソタイプが同じ抗体、例えば抗CD25抗体若しくは抗CD80抗体が使用されるネガティブコントロール試験に関連しての活性アッセイ(例えば免疫応答の活性化、低下、若しくは修飾)を含む標準的な方法(定質的アッセイ)によって示されてもよい。
【0045】
本発明はまた、10〜30のアミノ酸、好ましくは15〜25のアミノ酸を通常含むペプチドリンカーによって共有結合された、抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメインを有する一本鎖抗体に作製できる。そのため、そのような構造は、重鎖及び軽鎖の定常部分を含まず、小さなペプチドスペーサーは、完全な定常部分ほど抗原性ではないはずであると考えられる。
【0046】
本明細書において使用される場合、用語「キメラ抗体」は、重鎖若しくは軽鎖又はその両方の定常領域がヒト起源であるが、重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインが非ヒト(例えばマウス、ハムスター、若しくはラット)起源のものである又はヒト起源のものであるが、異なるヒト抗体に由来する抗体を指す。
【0047】
本明細書において使用される場合、用語「CDR移植抗体」は、超可変相補性決定領域(CDR)が、非ヒト(例えばマウス)抗体又は異なるヒト抗体などのドナー抗体に由来するが、免疫グロブリンのすべての又は実質的にすべての他の部分(例えば可変ドメインの保存領域、つまりフレームワーク領域)が、アクセプター抗体に由来する(ヒト化抗体の場合には、ヒト起源の抗体)、抗体を指す。CDR移植抗体は、フレームワーク領域中に、例えば超可変領域に隣接するフレームワーク領域の部分においてドナー配列の少数のアミノ酸を含んでいてもよい。
【0048】
本明細書において使用される場合、用語「ヒト抗体」は、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許第0546073 B1号、米国特許第5,545,806号明細書、米国特許第5,569,825号明細書、米国特許第5,625,126号明細書、米国特許第5,633,425号明細書、米国特許第5,661,016号明細書、米国特許第5,770,429号明細書、欧州特許第0 438474 B1号、及び欧州特許第0 463151 B1号において概括的な用語で記載されるように、重鎖及び軽鎖の両方の定常領域及び可変領域がすべてヒト起源のものであり又は必ずしも同じ抗体に由来しないが、ヒト起源の配列と実質的に同一であり、且つマウス、ハムスター、又はラットの免疫グロブリン可変部分及び定常部分の遺伝子がそれらのヒト対応物と交換された、マウスによって産生された抗体を含む、抗体を指す。
【0049】
本発明のCD40結合分子は、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_11B6.1C3、又は抗CD40_12B4.2C10抗体から得られるCDRを含むヒト化抗体とすることができる。キメラ抗体の1つの例は、ヒト起源である重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメイン、例えば、配列番号1及び配列番号2の一部である抗CD40_12E12.3F3抗体、配列番号3及び配列番号4若しくは配列番号5における抗CD40_12B4.2C10、並びに/又は抗CD40_11B6.1C3、配列番号6及び配列番号7又はその組合せの可変ドメインを含む。定常領域ドメインはまた、好ましくは、例えば"Sequences of Proteins of Immunological Interest", Kabat E. A. et al, US Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institute of Healthにおいて記載されるように、適したヒト定常領域ドメインを含む。核酸配列は、例えば配列番号8及び9中に見つけることができる。
【0050】
超可変領域は、任意の種類のフレームワーク領域、例えばヒト起源のフレームワーク領域と結合させてもよい。適したフレームワーク領域は、Kabat E. A.において記載された。1つの重鎖フレームワークは、例えば、配列番号2の一部である抗CD40_12E12.3F3抗体、抗CD40_12B4.2C10−配列番号4若しくは配列番号5、及び/又は抗CD40_11B6.1C3−配列番号7、又はその組合せ、例えばFR1L、FR2L、FR3L、及びFR4L領域の重鎖フレームワークである。同様に、配列番号1は、FR1H、FR2H、FR3H、及びFR4H領域の配列を含む抗CD40_12E12.3F3(又は抗CD40_12B4.2C10及び抗CD40_11B6.1C3、それぞれ配列番号3及び6についての等価物)の重鎖フレームワークを示す。CDRは、参照によって本明細書に組み込まれる、フレームワーク領域、関連する部分、及びフレームワーク配列を含む新しいヒト可変鎖フレームワーク領域及びヒト化抗体を教示するRybak et al.に対して発行された7,456,260において記載されるものなどのように、ヒト抗体フレームワークに追加されてもよい。遺伝子レベルで移植を達成するために、本発明はまた、VL及びVH領域並びに完全抗体及びそのヒト化バージョンについての基礎となる核酸配列を含む。本発明の核酸配列は、それぞれ抗CD40抗体軽鎖及び重鎖である配列番号8及び9、並びに同じアミノ酸配列について多様なコドン使用頻度を含む核酸配列と、核酸又はアミノ酸レベルで85、90、95、又は100%の配列同一性を有する保存的変異とを含む。同様に、CDRは、個々に、グループで、又は2、3、4、若しくは5つ又は全部で、核酸又はアミノ酸レベルで85、90、95、又は100%の配列同一性を有していてもよい。
【0051】
すべてのヒトにおいて天然に存在するタンパク質に対して産生されたモノクローナル抗体は、典型的に、非ヒト系において、例えばマウスにおいて開発されており、そのため典型的に、非ヒトタンパク質である。この直接的な結果として、ハイブリドーマによって産生される異種抗体は、ヒトに投与された場合、異種免疫グロブリンの定常部分によって主に媒介される、望ましくない免疫応答を誘発する。異種抗体は、宿主免疫応答を誘発する傾向があり、それによって、長期間にわたってそれらを投与することができないので、そのような抗体の使用が限定される。そのため、ヒトに投与された場合に実質的な同種応答を誘発しないであろう一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、又はとりわけヒト抗体を使用するのが特に有用である。本発明は、実質的に同一の特性を有する元々のタンパク質の単に対立形質である、1つの、少数の、又はさらにいくつかのアミノ酸の欠失、付加、又は置換などのアミノ酸配列の小さな変化を有する抗体を含む。
【0052】
その受容体へのCD40の結合の阻害は、本文において以下に記載されるアッセイを含む様々なアッセイにおいて好都合に試験されてもよい。用語「同じ程度まで」によって、参照分子及び等価分子が、統計的基礎に基づいて、上記に言及されるアッセイのうちの1つにおいて本質的に同一のCD40結合阻害曲線を示すことを意味する。例えば、使用されるアッセイは、本発明の結合分子によるCD40の結合の競合的阻害のアッセイであってもよい。
【0053】
一般に、ヒト抗CD40抗体は、(a)位置1のアミノ酸から始まり位置107のアミノ酸で終わる配列番号1において示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメイン及びヒト軽鎖の定常部分を含む少なくとも1つの軽鎖;並びに(b)配列番号2において示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメイン及びヒト重鎖の定常部分を含む少なくとも1つの重鎖を含む。ヒト重鎖の定常部分は、γ1、γ2、γ3、γ4、μ、β2、又はδ若しくはε型、好ましくはγ型であってもよいのに対して、ヒト軽鎖の定常部分は、κ又はλ型(λ1、λ2、及びλ3サブタイプを含む)であってもよいが、好ましくはκ型である。可変ドメイン及び定常ドメインの一般的な位置のアミノ酸配列は、当技術分野においてよく知られており、一般に、Kabatの命名法に従う。
【0054】
本発明のCD40結合分子は、組換えDNA技術によって産生されてもよい。これを考慮して、結合分子をコードする1又は2以上のDNA分子は、構築され、適切な制御配列下に置かれ、発現に適した宿主生物の中に移入されなければならない。
【0055】
したがって、非常に一般的な方法では、(i)本発明の単一ドメインCD40結合分子、本発明の一本鎖CD40結合分子、本発明のCD40結合分子の重鎖若しくは軽鎖又はその断片をコードするDNA分子;及び(ii)組換え法による本発明のCD40結合分子の産生のための本発明のDNA分子の使用が提供される。
【0056】
現在の最先端技術は、本明細書において提供される情報、つまり、超可変領域のアミノ酸配列及びそれらをコードするDNA配列を考慮すれば、当業者が本発明のDNA分子を合成することができるようなものである。可変ドメイン遺伝子を構築するための方法は、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるEPA 239 400中に記載されている。手短に言えば、MAbの可変ドメインをコードする遺伝子が、クローニングされる。フレームワーク及び超可変領域をコードするDNAセグメントが、決定され、フレームワーク領域をコードするDNAセグメントが結合部で適した制限部位と一緒に融合されるように、超可変領域をコードするDNAセグメントが、取り出される。制限部位は、標準的な手順によってDNA分子の突然変異誘発によって適切な位置に生成されてもよい。二重鎖合成CDRカセットは、配列番号1及び3又は2及び4中に示される配列(それぞれアミノ酸配列及び核酸配列)に従ってDNA合成によって調製される。フレームワークの結合部でそれらをライゲーションすることができるように、これらのカセットは、付着末端と共に提供されることが多い。
【0057】
本発明のCD40結合分子をコードするDNA構築物を得るために産生ハイブリドーマ細胞系からmRNAを入手する必要はない。例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第90/07861号パンフレットは、遺伝子のヌクレオチド配列に関して書かれた情報のみを考慮しての、組換えDNA技術による抗体の産生のための十分な教示を提供する。手短に言えば、方法は、所望のDNA配列を提供するために、多くのオリゴヌクレオチドの合成、PCR法によるそれらの増幅、及びそれらのスプライシングを含む。
【0058】
適したプロモーター又は重鎖及び軽鎖定常部分をコードする遺伝子を含む発現ベクターは、公的に入手可能である。したがって、一度、本発明のDNA分子が調製されれば、それは、適切な発現ベクター中に好都合に移入されてもよい。例えば、国際公開第88/1649号パンフレットにおいて記載されるように、一本鎖抗体をコードするDNA分子もまた、標準的な方法によって調製されてもよい。以上を考慮すると、記載要件の十分性の基準に従う必要のあるハイブリドーマ又は細胞系寄託物はない。
【0059】
例えば、CD40に特異的に結合する第1及び第2のDNA構築物が、作製される。手短に言えば、第1のDNA構築物は、軽鎖又はその断片をコードし、且つa)フレームワーク及び超可変領域を交互に含む可変ドメインをコードする第1の部分であって、超可変領域は、配列CDR1L、CDR2L、及びCDR3Lであり、これらのアミノ酸配列は、配列番号1において示され、可変ドメインの第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、可変ドメインの最後のアミノ酸をコードするコドンで終わる第1の部分並びにb)重鎖の定常部分の第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、定常部分又はその断片の最後のアミノ酸をコードするコドンで終わり、終止コドンが続く、軽鎖定常部分又はその断片をコードする第2の部分を含む。
【0060】
第1の部分は、配列番号1、2、3、4、5、6又は7中に示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメインをコードする。第2の部分は、ヒト重鎖の定常部分、より好ましくはヒトγ1鎖の定常部分をコードする。この第2の部分は、ゲノム起源のDNA断片(イントロンを含む)又はcDNA断片(イントロンを有していない)であってもよい。
【0061】
第2のDNA構築物は、重鎖又はその断片をコードし、且つa)フレームワーク及び超可変領域を交互に含む可変ドメインをコードする第1の部分であって、超可変領域は、CDR1H並びにCDR2H及びCDR3Hであってもよく、これらのアミノ酸配列は、配列番号2において示され、可変ドメインの第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、可変ドメインの最後のアミノ酸をコードするコドンで終わる第1の部分並びにb)軽鎖の定常部分の第1のアミノ酸をコードするコドンから始まり、定常部分又はその断片の最後のアミノ酸をコードするコドンで終わり、終止コドンが続く、重鎖定常部分又はその断片をコードする第2の部分を含む。
【0062】
第1の部分は、配列番号2中に示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する可変ドメインをコードする。第1の部分は、位置1のヌクレオチドから始まり、位置321のヌクレオチドで終わる配列番号2中に示されるヌクレオチド配列を有する。また、好ましくは、第2の部分は、ヒト軽鎖の定常部分、より好ましくはヒトκ鎖の定常部分をコードする。
【0063】
本発明はまた、CDR1L、CDR2L、CDR3L、CDR1H、CDR2H、若しくはCDR3H又はフレームワーク、典型的に少数のみ(例えばFR1〜4L若しくはH)の1又は2以上の残基が、例えば、対応するDNA配列の部位特異的突然変異誘発によって、配列番号37及び配列番号38中に示される残基から変化している、CD40結合分子をも含む。本発明は、そのような変化したCD40結合分子をコードするDNA配列を含む。特に、本発明は、CDR1L、CDR2L、及び/又はCDR3Lの1又は2以上の残基が配列番号37中に示される残基から変化しており、且つCDR1H、CDR2H、及び/又はCDR3Hの1又は2以上の残基が配列番号38中に示される残基又は配列番号1、3及び6からの等価物から変化している、CD40結合分子を含む。
【0064】
それぞれのDNA構築物は、適した制御配列のコントロール下に、特に、適したプロモーターのコントロール下に置かれる。任意の種類のプロモーターが、使用されてもよい、ただし、DNA構築物が発現のための移入されるであろう宿主生物にそれがふさわしいことを条件とする。しかしながら、発現が哺乳動物細胞中で起こる場合、免疫グロブリン遺伝子プロモーターは、B細胞中で使用されてもよい。第1及び第2の部分は、イントロンによって隔てられてもよく、エンハンサーは、第1及び第2の部分の間のイントロン中に好都合に配置されてもよい。転写されるが、翻訳されないそのようなエンハンサーの存在は、効率的な転写を支援してもよい。特定の実施形態では、第1及び第2のDNA構築物は、例えば重鎖ヒト遺伝子のエンハンサーを含む。
【0065】
所望の抗体は、細胞培養物又はトランスジェニック動物において産生されてもよい。適したトランスジェニック動物は、適した制御配列下に置かれた第1及び第2のDNA構築物を卵の中にマイクロインジェクトすること、適切な偽妊娠しているメスの中にそのように調製された卵に移入すること、及び所望の抗体を発現している子孫を選択することを含む標準的な方法によって得られてもよい。
【0066】
本発明はまた、上記に記載されるDNA構築物の少なくとも1つを含む、原核細胞系又は真核細胞系において複製することができる発現ベクターを提供する。次いで、DNA構築物を含有するそれぞれの発現ベクターは、適した宿主生物の中に移入される。DNA構築物が2つの発現ベクター上に別々に挿入される場合、それらは、別々に移入されてもよく、つまり、細胞当たり1種類のベクターとして移入されてもよく又は同時移入されてもよく、この後者が可能性として好ましい。適した宿主生物は、細菌、酵母、又は哺乳動物細胞系であってもよく、この後者が好ましい。より好ましくは、哺乳動物細胞系は、リンパ起源のもの、例えば骨髄腫B細胞、ハイブリドーマB細胞、通常の不死化B細胞であり、これは、好都合に、いかなる内因的な抗体重鎖も軽鎖も発現しない。
【0067】
抗体鎖が細胞培養物中で産生される場合、DNA構築物は、最初に、単一の発現ベクター又は2つの異なるが適合する発現ベクターの中に挿入され、後者が可能性として好ましい。哺乳動物細胞における発現については、CD40結合分子のコード配列は、CD40結合分子の高レベルの発現を可能にする又は促進する遺伝子座内の宿主細胞DNAの中に統合されることが好ましい。
【0068】
本発明のさらなる態様では、(i)上記に定義される発現ベクターを用いて形質転換される生物を培養するステップ及び(ii)培養からCD40結合分子を回収するステップを含む、CD40結合分子の産物のプロセスが提供される。
【0069】
本発明に従って、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、及び/又は抗CD40_11B6.1C3抗体は、ヒトCD40に対して結合特異性を有するように思われることが分かった。そのため、このエピトープに対する抗体、例えば抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、及び/又は抗CD40_11B6.1C3抗体が、樹状細胞(DC)の中に抗原を効率的にデリバリーすることができることは最も驚くべきことである。成熟ヒトCD40の抗原性エピトープに対して結合特異性を有する抗体、特に、キメラ抗体及びCDR移植抗体並びにとりわけヒト抗体並びにDC抗原ローディングのためのそのような抗体の使用は、新規であり、且つ本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
本発明の抗CD40抗体を治療適応に使用するために、適切な投薬量は、もちろん、例えば、用いられることとなる、本明細書において開示される抗体、宿主、投与のモード、並びに治療されている状態の性質及び重症度に依存して変動するであろう。しかしながら、予防的な使用において、良好な結果は、体重1キログラム当たり約0.05mg〜約10mg、より通常では、体重1キログラム当たり約0.1mg〜約5mgの投薬量で一般に見出される。予防的な使用のための投薬の頻度は、通常、1週間当たり約1回〜3カ月ごとに約1回の範囲、より通常では、2週間ごとに約1回〜10週間ごとに約1回、例えば4〜8週間ごとに1回の範囲にあるであろう。本発明の抗CD40抗体は、非経口的に、静脈内に、例えば、肘前静脈若しくは他の末梢静脈の中に、筋肉内に、又は皮下に投与することができる。
【0071】
本発明の医薬組成物は、従来の方法で、例えば凍結乾燥形態で製造されてもよい。即時の投与については、それは、適した水性キャリヤー、例えば注射用の滅菌水又は滅菌緩衝生理的食塩水中に溶解される。注入による、どちらかと言うとボーラス注入としての投与のために、より大量の溶液を作製することが望ましいと考えられる場合、製剤の時に食塩水の中にヒト血清アルブミン又は患者自身のヘパリン化血を組み込むことが有利である。過剰なそのような生理学的に不活性なタンパク質の存在は、輸液と共に使用される容器及び管材料の壁への吸着による抗体の損失を予防する。アルブミンが使用される場合、適した濃度は、生理食塩水の0.5〜4.5重量%である。
【0072】
本発明の一実施形態は、本発明のヒト化抗体を含む免疫複合体、例えば、1又は2以上のエフェクター分子、抗原(複数可)、及び/又は検出可能な標識(複数可)に連結されたヒト化抗CD40抗体を提供する。好ましくは、エフェクター分子は、例えば、1又は2以上のT細胞エピトープ、毒素、小分子、サイトカイン若しくはケモカイン、酵素、又は放射標識を含む、1又は2以上のペプチドなどの治療用分子である。
【0073】
例示的な毒素は、シュードモナス外毒素又はジフテリア毒素を含むが、これらに限定されない。小分子の例は、タキソール、ドキソルビシン、エトポシド、及びブレオマイシン(bleiomycin)などの化学療法化合物を含むが、これらに限定されない。例示的なサイトカインは、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、並びにIL−12、IL−17、及びIL−25を含むが、これらに限定されない。例示的な酵素は、RNアーゼ、DNアーゼ、プロテアーゼ、キナーゼ、及びカスパーゼを含むが、これらに限定されない。例示的な放射性同位体は、32P及び125Iを含むが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書において使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫応答を刺激することができる分子又は物質を指す。一実施例では、エピトープは、ポリペプチド及びポリペプチドをコードする核酸を含むが、これらに限定されない。ポリペプチドへの核酸の発現は、ポリペプチドが処理され、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子上に提示される場合、免疫応答を刺激することができる。一般に、エピトープは、それらがT細胞受容体及びそれぞれのT細胞アクセサリー分子と相互作用することができるように、細胞の表面上に提示され、クラスI又はクラスII MHCの結合溝に非共有結合するペプチドを含む。
【0075】
抗原のタンパク質分解性のプロセシング。MHCによって抗原提示細胞上に表出されるエピトープは、より大きなペプチド又はタンパク質抗原前駆物質の切断ペプチド又は切断産物である。MHC Iエピトープについては、タンパク質抗原は、細胞中に存在するプロテアソームによって消化されることが多い。細胞内プロテアソーム消化により、次いでMHCタンパク質にロードされる、長さが約3〜23アミノ酸のペプチド断片が産生される。細胞内又は細胞外環境のさらなるタンパク質分解性の活性により、これらの断片をさらに切り、且つ処理することができる。MHCクラスIIエピトープのプロセシングは、一般に、リソソーム/エンドソームコンパートメントに由来する細胞内プロテアーゼを介して生じる。本発明は、一実施形態では、それに対する免疫応答の増強が求められるペプチドを抗原提示細胞に直接、誘導する、抗CD40抗体(又はその断片)に付着している、前処理されたペプチドを含む。
【0076】
免疫原性化合物として潜在的に有効なエピトープを同定するために、MHC結合のみの予測は、有用であるが、不十分である場合が多い。本発明は、抗原提示細胞及びレスポンダーT細胞の特定の供給源に対して求められる免疫応答に最も至るであろう、抗原内のエピトープを特異的に同定するための方法を含む。
【0077】
本発明は、患者自身の抗原提示細胞及びT細胞のレパートリーを使用して所望の免疫応答を最ももたらすであろう、エピトープの同定のために迅速で容易なアッセイを可能にする。本発明の組成物及び方法は、いかなるタンパク質配列にも適用可能であり、MHCに結合することができ、抗原に応答するであろうT細胞に適切に提示されるエピトープを使用者が同定することを可能にする。したがって、本発明は、いかなる特定の標的又は病状にも限定されないが、その代わりに、いかなる有用な供給源に由来するMHCエピトープ(複数可)をも包含する。
【0078】
本明細書において使用される場合、用語「ベニヤ(veneered)」は、非ヒト抗体の特異性をヒトフレームワークの中に「移植する」ために、非ヒト抗体(例えばマウス、ラット、又はハムスター)から得られた抗原結合部位又はCDRが、ヒト重鎖及び軽鎖保存構造フレームワーク領域(FR)の中に例えば、軽鎖又は重鎖のポリヌクレオチド中に置かれる、ヒト化抗体フレームワークを指す。ベニヤ抗体を発現する1又は2以上のポリヌクレオチド発現ベクターは、非ヒト抗体の抗原特異性を示し、且つそれらの発現、安定性、可溶性、又はその組合せを増強するであろう翻訳後修飾を受ける組換えヒト抗体の発現のために、哺乳動物細胞にトランスフェクトすることができる。
【0079】
抗原
本発明で使用するためのウイルス抗原の例は、HIV、HCV、CMV、アデノウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルスなどを含むが、これらに限定されない。非限定的な例は、gag、pol、及びenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質、リバーストランスクリプターゼ、並びに他のHIV成分などのヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原に由来するレトロウイルス抗原などのレトロウイルス抗原;B型肝炎ウイルスのS、M、及びLタンパク質、B型肝炎ウイルスのプレS抗原、並びにC型肝炎ウイルスRNAなどの、他の肝炎、例えばA型、B型、C型肝炎ウイルス成分などの肝炎ウイルス抗原;赤血球凝集素及びノイラミニダーゼなどのインフルエンザウイルス抗原並びに他のインフルエンザウイルス成分;麻疹ウイルス融合タンパク質などの麻疹ウイルス抗原及び他の麻疹ウイルス成分;タンパク質E1及びE2などの風疹ウイルス抗原並びに他の風疹ウイルス成分;VP7scなどのロタウイルス抗原及び他のロタウイルス成分;エンベロープ糖タンパク質Bなどのサイトメガロウイルス抗原及び他のサイトメガロウイルス抗原成分;RSV融合タンパク質、M2タンパク質などの呼吸器合胞体ウイルス抗原及び他の呼吸器合胞体ウイルス抗原成分;前初期タンパク質、糖タンパク質Dなどの単純ヘルペスウイルス抗原及び他の単純ヘルペスウイルス抗原成分;gpI、gpIIなどの帯状疱疹ウイルス抗原及び他の帯状疱疹ウイルス抗原成分;タンパク質E、M−E、M−E−NS1、NS1、NS1−NS2A、80%Eなどの日本脳炎ウイルス抗原及び他の日本脳炎ウイルス抗原成分;狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質などの狂犬病ウイルス抗原及び他の狂犬病ウイルス抗原成分。ウイルス抗原のさらなる例については、Fundamental Virology, Second Edition, eds. Fields, B. N. and Knipe, D. M. (Raven Press, New York, 1991)を参照されたい。少なくとも1つのウイルス抗原は、アデノウイルス、レトロウイルス、ピコルナウイルス、ヘルペスウイルス、ロタウイルス、ハンタウイルス、コロナウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、オルソミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、レオウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ポックスウイルス、ヘパドナウイルス、又は海綿状ウイルスに由来するペプチドであってもよい。ある特定の非限定的な実施例では、少なくとも1つのウイルス抗原は、HIV、CMV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、麻疹、ポリオ、痘瘡、風疹;呼吸器合胞体ウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、日本脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、及び/又は感冒ウイルスのうちの少なくとも1つから得られるペプチドである。
【0080】
一態様では、1又は2以上の抗原ペプチドは、Nef(66〜97):VGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGL(配列番号148);Nef(116〜145):HTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKL(配列番号149);Gag p17(17〜35):EKIRLRPGGKKKYKLKHIV(配列番号150);Gag p17〜p24(253〜284):NPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILD(配列番号151);及びPol 325〜355(RT 158〜188):AIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLY(配列番号152)のうちの少なくとも1つから選択される。一態様では、融合タンパク質ペプチドは、SSVSPTTSVHPTPTSVPPTPTKSSP(配列番号11);PTSTPADSSTITPTATPTATPTIKG(配列番号12);TVTPTATATPSAIVTTITPTATTKP(配列番号13);又はTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAA(配列番号14)から選択される1又は2以上のリンカーによって隔てられる。
【0081】
本発明の抗CD40抗原ワクチンを使用してデリバリーされてもよい抗原性の標的は、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又は寄生虫抗原などの抗原をコードする遺伝子を含む。病原体は、トリパノソーマ、サナダムシ、回虫、蠕虫、マラリア原虫を含む。胎児抗原又は前立腺特異的抗原などの腫瘍マーカーは、このようにターゲティングされてもよい。他の例は、HIV envタンパク質及びB型肝炎表面抗原を含む。ワクチン接種の目的のための本発明によるベクターの投与は、それに対する強い免疫応答が所望されるであろう導入遺伝子の長期的な発現を可能にするために、ベクター関連抗原が、十分に非免疫原性であることを必要とする。いくつかの場合では、個人のワクチン接種は、年1回又は2年に1回などのように、希にのみ必要とされてもよく、感染病原体からの長期的な免疫性の防御を提供する。ベクターにおいて使用するための及び究極的に本発明での抗原としての生物、アレルゲン、並びに核酸配列及びアミノ酸配列の特定の例は、関連する部分、特に本発明で使用されてもよい生物及び特異的配列を対応させる表が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,541,011号明細書において見出される。
【0082】
本明細書において開示される抗CD40抗原ワクチンで使用するための細菌抗原は、例えば、百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、ペルタクチン、FIM2、FIM3、アデニル酸シクラーゼ、及び他の百日咳細菌抗原成分などの細菌抗原;ジフテリア毒素又はトキソイドなどのジフテリア(diptheria)細菌抗原及び他のジフテリア細菌抗原成分;破傷風毒素又はトキソイドなどの破傷風細菌抗原及び他の破傷風細菌抗原成分;Mタンパク質などのストレプトコッカス細菌抗原及び他のストレプトコッカス細菌抗原成分;リポ多糖などのグラム陰性桿菌細菌抗原及び他のグラム陰性細菌抗原成分、ミコール酸、熱ショックタンパク質65(HSP65,heat shock protein 65)、30kDa主要分泌タンパク質、抗原85Aなどのマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)細菌抗原及び他のミコバクテリウムの抗原成分;ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)細菌抗原成分;ニューモリシン、肺炎球菌莢膜多糖などの肺炎球菌細菌抗原及び他の肺炎球菌細菌抗原成分;莢膜多糖などのヘモフィルス・インフルエンザエ(haemophilus influenza)細菌抗原及び他のヘモフィルス・インフルエンザエ細菌抗原成分;炭疽菌防御抗原などの炭疽菌細菌抗原及び他の炭疽菌細菌抗原成分;rompAなどのリケッチア細菌抗原及び他のリケッチア細菌抗原成分を含むが、これらに限定されない。本明細書において記載される細菌抗原と共に、他の細菌抗原、マイコバクテリウム抗原、マイコプラズマ抗原、リケッチア抗原、又はクラミジア抗原もまた含まれる。部分的な又は完全な病原体はまた、ヘモフィルス・インフルエンザエ(haemophilus influenza);熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum);髄膜炎菌(neisseria meningitidis);ストレプトコッカス・ニューモニエ(streptococcus pneumoniae);ナイセリア・ゴノレー(neisseria gonorrhoeae);サルモネラ血清型チフス;赤痢菌;ビブリオ・コレラエ(vibrio cholerae);デング熱;脳炎;日本脳炎;ライム病;ペスト菌;西ナイルウイルス;黄熱;ツラレミア;肝炎(ウイルス;細菌);呼吸器合胞体ウイルス(RSV,respiratory syncytial virus);HPIV 1及びHPIV 3;アデノウイルス;痘瘡;アレルギー、並びに癌であってもよい。
【0083】
本発明の組成物及び方法で使用するための真菌抗原は、例えば、カンジダ真菌抗原成分;熱ショックタンパク質60(HSP60,heat shock protein 60)などのヒストプラズマ真菌抗原及び他のヒストプラズマ真菌抗原成分;莢膜多糖などのクリプトコッカス真菌抗原及び他のクリプトコッカス真菌抗原成分;小球抗原(spherule antigen)などのコクシジオイデス真菌抗原及び他のコクシジオイデス真菌抗原成分;並びにトリコフィチンなどの白癬菌真菌抗原及び他のコクシジオイデス真菌抗原成分を含むが、これらに限定されない。
【0084】
原生動物抗原及び他の寄生虫抗原の例は、メロゾイト表面抗原、スポロゾイト表面抗原、スポロゾイト周囲抗原、生殖母細胞/生殖体表面抗原、血液段階抗原(blood-stage antigen)pf 155/RESA、及び他のマラリア原虫抗原成分などの熱帯熱マラリア原虫抗原;SAG−1、p30、及び他のトキソプラズマ抗原成分などのトキソプラズマ抗原;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、パラミオシン、及び他の住血吸虫抗原成分などの住血吸虫抗原;gp63、リポホスホグリカン、及びその関連タンパク質などのリーシュマニア主要抗原及び他のリーシュマニア抗原並びに他のリーシュマニア抗原成分;並びに75〜77kDa抗原、56kDa抗原、及び他のトリパノソーマ抗原成分などのトリパノソーマ・クルージ(trypanosoma cruzi)抗原を含むが、これらに限定されない。
【0085】
本発明の抗CD40抗原ワクチンを使用してターゲティングすることができる抗原は、一般に、内部移行の見込み、免疫細胞特異性のレベル、ターゲティングされる免疫細胞の種類、免疫細胞成熟度、及び/又は活性化のレベル並びにその他同種のものを含む多くの因子に基づいて選択されるであろう。本実施形態では、抗体は、単一特異性抗体又は1つの抗CD40結合ドメイン及び第2の抗原、例えば、MHCクラスI、MHCクラスII、B7−2、CD18、CD29、CD31、CD43、CD44、CD45、CD54、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、及び/又はDectin−1並びにその他同種のものなどの樹状細胞についての細胞表面マーカーに対する1つの結合ドメインを含むが、いくつかの場合では、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD56、及び/又はCD57が存在しない二重特異性抗体であってもよい。抗原提示細胞についての細胞表面マーカーの例は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD45、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、並びに/又はFcγ受容体を含むが、これらに限定されない。T細胞についての細胞表面マーカーの例は、CD3、CD4、CD8、CD14、CD20、CD11b、CD16、CD45、及びHLA−DRを含むが、これらに限定されない。
【0086】
デリバリーのための細胞表面上の標的抗原は、典型的に、腫瘍組織の細胞の細胞表面、細胞質、核、細胞小器官、及びその他同種のものに由来する腫瘍抗原のそれらの特性を含む。本発明の抗体部分の腫瘍標的の例は、限定されることなく、白血病及びリンパ腫などの血液癌、星状細胞腫若しくは膠芽腫などの神経性の腫瘍、黒色腫、乳癌、肺癌、頭頸部癌、胃癌又は結腸癌などの胃腸腫瘍、肝臓癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮癌、卵巣癌、膣癌、精巣癌、前立腺癌、若しくは陰茎癌などの尿生殖器の腫瘍、骨腫瘍、血管腫瘍、又は唇、鼻咽頭、咽頭及び口腔、食道、直腸、胆嚢、胆管、喉頭、肺及び気管支、膀胱、腎臓、脳及び神経系の他の部分、甲状腺の癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、並びに白血病に由来する抗原を含む。
【0087】
本発明を使用して、単独で又は抗原提示のための免疫細胞と組み合わせてデリバリーされてもよい抗原の例は、腫瘍タンパク質、例えば突然変異癌遺伝子;腫瘍と関連するウイルスタンパク質;並びに腫瘍ムチン及び糖脂質を含む。抗原は、腫瘍と関連するウイルスタンパク質であってもよく、上記に示したウイルスのクラスに由来するものになるであろう。ある種の抗原は、腫瘍に特有のものであってもよい(腫瘍前駆細胞によって通常発現されないタンパク質である、あるサブセット)又は腫瘍前駆細胞中で通常発現されるが、腫瘍の突然変異特性を有するタンパク質であってもよい。他の抗原は、活性又は細胞内分布の改変、例えば、腫瘍抗原を生じる、遺伝子の突然変異を有する通常のタンパク質の突然変異バリアント(複数可)を含む。
【0088】
抗CD40融合タンパク質ワクチンにおいて使用される腫瘍抗原の特定の非限定的な例は、例えばCEA、前立腺特異的抗原(PSA)、HER−2/neu、BAGE、GAGE、MAGE 1〜4、6、及び12、MUC(ムチン)(例えばMUC−1、MUC−2など)、GM2ガングリオシド及びGD2ガングリオシド、ras、myc、チロシナーゼ、MART(黒色腫抗原)、Pmel 17(gp100)、N−アセチルグルコサミントランスフェラーゼVイントロンV配列(GnT−VイントロンV配列)、前立腺Ca psm、PRAME(黒色腫抗原)、β−カテニン、黒色腫遍在性突然変異遺伝子産物(MUM−1−B)、GAGE(黒色腫抗原)1、MAGE、BAGE(黒色腫抗原)2〜10、c−ERB2(Her2/neu)、DAGE、エプスタイン−バーウイルス核抗原(EBNA)1〜6、gp75、ヒトパピローマウイルス(HPV)E6及びE7、p53、肺抵抗性タンパク質(LRP)、Bcl−2、Ki−67、サイクリンB1、gp100、サバイビン、並びにNYESO−1を含む。
【0089】
さらに、免疫原性分子は、自己免疫疾患、主として、関連する標的器官、組織、又は細胞によって発現される分子に特異的な抗体の活性による病態、例えばSLE又はMGの開始及び/又は蔓延に関与する自己抗原とすることができる。そのような疾患において、関連する自己抗原に対する進行中の抗体媒介性(つまりTh2型)免疫応答を、細胞性(つまりTh1型)免疫応答の方へ誘導することが望ましい可能性がある。その代わりに、適切な自己抗原に対するTh1応答を予防的に誘発することによって、関連する自己免疫疾患を有していないが、それに対して感受性であることが疑われている対象における自己抗原に対するTh2応答の発生を予防すること又はそのレベルを減少させることが望ましい可能性がある。所望の自己抗原は、限定されることなく、(a)SLEに関して、Smithタンパク質、RNPリボ核タンパク質、並びにSS−A及びSS−Bタンパク質;並びに(b)MGに関して、アセチルコリン受容体を含む。1又は2以上の種類の自己免疫応答に関与する他の種々の抗原の例は、例えば黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、テストステロン、成長ホルモン、プロラクチン、及び他のホルモンなどの内因的なホルモンを含む。
【0090】
自己免疫疾患、アレルギー、及び移植片拒絶に関与する抗原は、本発明の組成物及び方法において使用することができる。任意の1又は2以上の以下の自己免疫疾患又は自己免疫障害に関与する抗原は、本発明において使用することができる:糖尿病、真性糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群に次ぐ乾性角結膜炎を含むシェーグレン症候群、円形脱毛症、節足動物咬傷反応によるアレルギー応答、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、らいリバーサル反応、癩性結節性紅斑、自己免疫性ぶどう膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症(acute necrotizing hemorrhagic encephalopathy)、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少症、多発軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス−ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、クローン病、グレーブス眼症、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ぶどう膜炎、並びに間質性肺線維症。自己免疫疾患に関与する抗原の例は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD 65,glutamic acid decarboxylase 65)、天然DNA、ミエリン塩基性タンパク質、ミエリンプロテオリピドタンパク質、アセチルコリン受容体成分、チログロブリン、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH,thyroid stimulating hormone)受容体を含んでいる。
【0091】
アレルギーに関与する抗原の例は、スギ花粉抗原、ブタクサ花粉抗原、ドクムギ花粉抗原などの花粉抗原、チリダニ抗原及びネコ抗原などの動物由来抗原、組織適合性抗原、並びにペニシリン及び他の治療薬を含む。移植片拒絶に関与する抗原の例は、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、及び神経の移植片成分などの、移植片レシピエントに移植されることとなる移植片の抗原性成分を含む。抗原は、自己免疫疾患を治療するのに有用な改変ペプチドリガンドであってもよい。
【0092】
エフェクタータンパク質の機能的な利点に実質的に影響しない方法で、任意のタンパク質エフェクター分子の配列が改変されてもよいことが当業者らによって十分に理解されるであろう。例えば、グリシン及びアラニンは、典型的に、アスパラギン酸及びグルタミン酸並びにアスパラギン及びグルタミンと同様に交換可能であると考えられる。当業者は、エフェクター配列の多くの異なる変異が、本来のエフェクターとほぼ同じ活性を有するエフェクターをコードするであろうと認識するであろう。エフェクター分子及び抗体は、上記に記載されるように、化学的又は組換え手段によってコンジュゲートされてもよい。化学的修飾は、例えば、タンパク質化学の当技術分野においてよく知られている方法によって、直接又は連結化合物を通して、エフェクター分子及び抗体を互いに連結するための誘導体化を含む。共有結合及び非共有結合の結合手段の両方は、本発明のヒト化抗体で使用されてもよい。
【0093】
抗体にエフェクター分子を付着させるための手順は、抗体に付着することとなる成分の化学構造によって変わるであろう。ポリペプチドは、典型的に、エフェクター分子の結合をもたらすための、抗体上の適した官能基との反応に利用可能である様々な官能基;例えばカルボン酸基(COOH)、遊離アミン基(−−NH2)、又はスルフヒドリル(−−SH)基を含有する。その代わりに、抗体は、例えば、Pierce Chemical Company、Rockford Illから入手可能なものなどの多くのリンカー分子のいずれかの付着によって、さらなる反応性の官能基に曝露する又は付着させるために誘導体化することができる。
【0094】
リンカーは、抗体及びエフェクター分子の両方に対して共有結合を形成することができる。適したリンカーは、当業者らによく知られており、直鎖若しくは分岐鎖炭素リンカー、ヘテロ環式炭素リンカー、又はペプチドリンカーを含むが、これらに限定されない。抗体及びエフェクター分子がポリペプチドである場合、リンカーは、それらの側鎖を通して構成アミノ酸に結合されてもよい(例えばシステインに対するジスルフィド結合を通して)。しかしながら、好ましい実施形態では、リンカーは、末端アミノ酸のアルファ炭素アミノ基及びカルボキシル基に連結されるであろう。
【0095】
いくつかの状況において、免疫複合体がその標的部位に到達した場合に、抗体からエフェクター分子を遊離することが望ましい。そのため、これらの状況において、免疫複合体は、標的部位の近くで切断可能な連結を含むであろう。抗体からエフェクター分子を放出するためのリンカーの切断は、標的細胞の内部で又は標的部位の近くで免疫複合体がさらされる酵素活性又は条件によって促されてもよい。標的部位が腫瘍である場合、腫瘍部位に存在する条件下で切断可能なリンカーが、使用されてもよい(例えば腫瘍関連酵素又は酸性pHに曝露される場合)。
【0096】
エフェクター分子及び本発明の抗体の例示的な化学的修飾はまた、よく知られている方法による、循環系における滞留の時間を延長し、且つ免疫原性を低下させるための、ポリエチレングリコール(PEG)を用いる誘導体化を含む(例えばLisi, et al., Applied Biochem. 4:19 (1982);Beauchamp, et al., Anal Biochem. 131:25 (1982);及びGoodson, et al., Bio/Technology 8:343 (1990)を参照されたい)。
【0097】
本発明は、能動及び受動免疫実施形態の両方で使用するためのワクチンを企図する。ワクチンとしての使用に適していると提唱される免疫原性組成物は、最も容易には、本明細書において開示される方法において調製される免疫原性T細胞刺激ペプチドから直接、調製されてもよい。最終のワクチン接種物質は、望まれない低分子量分子を取り出すために広範囲に透析される及び/又は所望の媒体へのより迅速な製剤のために凍結乾燥される。本発明のある実施形態では、本発明の組成物及び方法は、細胞ワクチンを製造するために使用される、例えば、抗体の抗原デリバリー抗CD40結合部分は、抗原提示細胞に抗原(複数可)を誘導するために使用され、これは、次いで、提示のためにMHCタンパク質上に抗原を「ロードする」。そのため、細胞ワクチンは、抗原ロード抗原提示細胞を生成するために本発明の組成物を使用してロードされた抗原提示細胞である。
【0098】
ワクチンが抗CD40結合タンパク質自体、例えば、完全抗体又はその断片である場合、次いで、これらの「活性成分」は、当技術分野、例えば、関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,608,251号明細書;第4,601,903号明細書;第4,599,231号明細書;第4,599,230号明細書;及び第4.578,770号明細書において理解される方法を使用して、作製して、ワクチンにすることができる。典型的に、そのようなワクチンは、注射剤として、例えば、注射前の液体中での再懸濁に適した溶液若しくは懸濁液又は固体形態として調製される。調製物はまた、乳化されてもよい。活性免疫原性成分は、薬学的に許容され、活性成分と適合する添加剤と混合されることが多い。適した添加剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、又はその他同種のもの及びその組合せである。さらに、所望の場合、ワクチンは、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、又はワクチンの有効性を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含有してもよい。
【0099】
ワクチンは、投薬製剤と適合する方法で、且つ治療的に有効で、免疫原性となるであろう量で投与される。投与されることとなる量は、例えば、免疫応答を生成する個人の免疫系の能力を含めて、治療されることとなる対象に依存する。投与するのに必要な細胞又は活性成分の正確な量は、医師の判断に依存する。しかしながら、適した投薬範囲は、細胞ワクチンについて約数千の細胞(〜数百万の細胞)である。次いで、標準的なエピトープ又はエピトープデリバリーワクチンについては、ワクチンは、ワクチン接種当たりの数百マイクログラムの活性成分であってもよい。最初の投与及びブースター注射に適した投与計画は、多様であるが、最初の投与、それに続く二次の接種又は他の投与によって代表される。
【0100】
適用の方法は、広く変動してもよいが、本明細書におけるある実施形態は、最も、静脈内に又は腫瘍若しくは感染の部位に直接デリバリーされるであろう。それとは関係なく、ワクチンの投与のための従来の方法のうちのいずれも適用可能である。ワクチンの投薬量は、投与経路に依存し、宿主のサイズに従って変動するであろう。
【0101】
多くの場合では、ワクチンの複数回の投与、例えば、毎週又は1週間おきに提供される4〜6回のワクチン接種が望ましいであろう。通常のワクチン接種レジメンは、2〜12週間の間隔又は3〜6週間の間隔で行われることが多いであろう。1〜5年、通常3年の間隔の定期的なブースターは、防御レベルの免疫応答を維持するのに又は寛解若しくは再感染の見込みに際して望ましい可能性がある。免疫の過程の後に、最も一般的にインビトロにおいて行われる、例えばT細胞活性化、サイトカイン分泌、又はさらに抗体産生についてのアッセイが続けられてもよい。これらの免疫応答アッセイは、よく知られており、種々様々の特許において、また本明細書において教示されるように見出される。
【0102】
本発明のワクチンは、核酸ベクターが使用されるか、最終精製タンパク質、又は最終ワクチン形態が使用されるかに依存して、1又は2以上の「単位用量」で提供されてもよい。単位用量は、その投与、つまり適切な経路及び治療レジメンと関連して所望の応答をもたらすように計算される、治療用組成物の所定の量を含有するとして定義される。投与されることとなる量並びに特定の経路及び製剤は、当業者らの技術の範囲内にある。治療されることとなる対象、特に、対象の所望の免疫系及び防御の状態もまた、評価されてもよい。単位用量は、単回注射として投与する必要はないが、一定期間にわたる持続注入を含んでいてもよい。本発明の単位用量は、体重1kg当たりのDNA(又は体重1kg当たりのタンパク質)を単位として好都合に記載されてもよく、約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.5、1、10、50、100、1,000mg以上の範囲の、体重1kg当たりのDNA又はタンパク質が投与される。
【0103】
同様に、デリバリーされる抗CD40抗原ワクチンの量は、体重1kg当たり約0.2〜約8.0mgで変動し得る。したがって、特定の実施形態では、0.4mg、0.5mg、0.8mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、及び7.5mgのワクチンが、インビボにおいて個人にデリバリーされてもよい。投与されることとなるワクチンの投薬量は、治療されている対象の体重及び健康状態並びに投与経路及び治療の頻度に大いに依存する。リポソームデリバリーベクター又はウイルスデリバリーベクターにあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgのポリヌクレオチドから1μg〜100mgのタンパク質の範囲の量で投与されてもよい。したがって、特定の組成物は、1μg、5μg、10μg、20μg、3.0μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、1.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgのベクターに独立して結合された約1μg、5μg、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、又は1,000μgポリヌクレオチド又はタンパク質を含んでいてもよい。
【0104】
本発明の抗体は、検出可能な標識に共有結合又は非共有結合されてもよい。そのような使用に適した検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、又は化学的方法によって検出可能な任意の組成物を含む。本発明において有用な標識は、磁気ビーズ(例えばDYNABEADS)、蛍光色素(例えばフルオレセインイソチオシアネート、Texasレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質、及びその他同種のもの)、放射標識(例えば3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びELISAにおいて一般的に使用される他のもの)、並びにコロイド金又は色ガラス又はプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色定量標識を含む。
【0105】
そのような標識を検出するための方法は、当業者らによく知られている。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルム又はシンチレーションカウンターを使用して検出されてもよく、蛍光マーカーは、放射される照射を検出するために光検出器を使用して検出されてもよい。酵素による標識は、典型的に、基質と共に酵素を提供し、且つ基質に対する酵素の作用によって産生される反応産物を検出することによって検出され、比色定量標識は、単に色標識を視覚化することによって検出される。
【0106】
本発明の抗体及び/又は免疫複合体組成物は、静脈内投与又は体腔の中への投与などの非経口投与に特に有用である。投与のための組成物は、薬学的に許容されるキャリヤー、好ましくは水性キャリヤー中で溶解された抗体及び/又は免疫複合体の溶液を一般的に含むであろう。様々な水性キャリヤー、例えば緩衝食塩水及びその他同種のものを使用することができる。これらの溶液は、滅菌で、望ましくない物質が一般にない。これらの組成物は、従来のよく知られている滅菌技術によって滅菌されてもよい。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤、並びにその他同種のもの、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、及びその他同種のものなどの、生理学的条件に近づけるのに必要とされる、薬学的に許容される補助物質を含有してもよい。これらの製剤中の融合タンパク質の濃度は、広く変動し得、選択される投与の特定のモード及び患者の必要に従って、体液容量、粘性、体重、及びその他同種のものに基づいて主として選択されるであろう。
【0107】
したがって、静脈内投与のための本発明の典型的な医薬免疫複合体組成物は、1日当たり1人の患者当たり約0.1〜10mgとなるであろう。1日当たり1人の患者当たり0.1〜約100mgまでの投薬量が使用されてもよい。投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者らに知られているであろう又は明白であろう、また、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE, 19TH ED., Mack Publishing Company, Easton, Pa.(1995)などの刊行物においてより詳細に記載されている。
【0108】
本発明の組成物は、治療処置のために投与することができる。治療上の適用では、組成物は、疾患及びその合併症を治す又は部分的に阻止するのに十分な量で、疾患に罹患している患者に投与される。これを達成するのに適切な量は、「治療有効用量」として定義される。この使用に有効な量は、疾患の重症度及び患者の健康の全身状態に依存するであろう。化合物の有効量は、症状(複数可)の主観的な軽減又は臨床医若しくは他の有資格観察者によって示される客観的に同定可能な改善のいずれかをもたらす量である。
【0109】
組成物の単回又は複数回の投与は、患者によって必要とされ、且つ忍容される投薬量及び頻度に依存して投与される。いかなる場合も、組成物は、患者を有効に治療するのに十分な量の本発明のタンパク質を提供するはずである。好ましくは、投薬量は、1回投与されるが、治療結果が達成されるまで又は副作用が療法の中止の根拠となるまで定期的に適用されてもよい。一般に、用量は、患者に対して容認できない毒性をもたらすことなく、疾患の症状又は徴候を治療する又は回復させるのに十分である。
【0110】
本発明の免疫複合体組成物の放出制御非経口製剤は、植込錠、油性注射液として、又は粒子系として作製することができる。タンパク質デリバリー系の概観については、参照によって本明細書に組み込まれるBanga, A. J., THERAPEUTIC PEPTIDES AND PROTEINS: FORMULATION, PROCESSING, AND DELIVERY SYSTEMS, Technomic Publishing Company, Inc., Lancaster, Pa., (1995)を参照されたい。粒子系は、マイクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェア、及びナノ粒子を含む。マイクロカプセルは、中心のコアとして治療用タンパク質を含有する。マイクロスフェアでは、治療薬は、粒子の全体にわたって分散している。約1μmよりも小さな粒子、マイクロスフェア、及びマイクロカプセルは、一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフェア、及びナノカプセルと呼ばれる。ナノ粒子のみが静脈内に投与されるように、キャピラリーは、約5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的に、直径が約100μmであり、皮下に又は筋肉内に投与される。
【0111】
ポリマーは、本発明の免疫複合体組成物のイオン放出制御に使用することができる。薬剤デリバリー制御において使用するための様々な分解性及び非分解性ポリマーマトリックスは、当技術分野において知られている(Langer, R., Accounts Chem. Res. 26:537-542 (1993))。例えば、ブロックコポリマー及びpoloxamer 407(登録商標)は、低温で粘着性で、さらに流動性の液体として存在するが、体温で半流動性ゲルを形成し、ヒドロキシアパタイトは、タンパク質の放出制御のためのマイクロキャリヤーとして使用されてきた及び/又はリポソームは、脂質カプセル剤の薬剤ターゲティング及び放出制御に使用されてもよい。治療用タンパク質のデリバリー制御のための多数のさらなる系が知られている。例えば、これらのそれぞれの関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,055,303号明細書、第5,188,837号明細書、第4,235,871号明細書、第4,501,728号明細書、第4,837,028号明細書、第4,957,735号明細書及び第5,019,369号明細書、第5,055,303号明細書;第5,514,670号明細書;第5,413,797号明細書;第5,268,164号明細書;第5,004,697号明細書;第4,902,505号明細書;第5,506,206号明細書、第5,271,961号明細書;第5,254,342号明細書、並びに第5,534,496号明細書を参照されたい。
【0112】
本発明の抗体の様々な使用の中に、特異的なヒト細胞によって引き起こされる様々な疾患状態が含まれる。例えば、本明細書において開示される抗体、マウス抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(寄託番号HS446、ATCC受託番号____)、及び抗CD40_11B6.1C3(寄託番号HS440、ATCC受託番号____)のヒト化バージョンについて、抗体について1つの適用は、CD40を発現する細胞の治療、接触、画像診断、活性化、又は非活性化である。
【0113】
他の実施形態では、本発明は、1又は2以上のT細胞エピトープ又はB細胞エピトープとコンジュゲートされた又はそれとの融合タンパク質の形態をした、抗原、例えばCD40又はその免疫反応性断片のデリバリーのためのキットを提供する。本明細書において使用される「生物学的試料」は、抗原を含有する生物学的組織又は体液の試料である。そのような試料は、生検材料に由来する組織、血液、及び血液細胞(例えば白血球)を含むが、これらに限定されない。好ましくは、細胞は、リンパ球、例えば樹状細胞である。生物学的試料はまた、組織学的目的のために採取される凍結切片などの組織の切片をも含む。生物学的試料は、多細胞真核生物、好ましくは、ラット、マウス、雌ウシ、イヌ、モルモット、又はウサギなどの哺乳動物、より好ましくは、マカク、チンパンジー、又はヒトなどの霊長動物から典型的に得られる。最も好ましくは、試料は、ヒトに由来する。本発明の抗体はまた、例えば、インビボにおける画像診断のための診断ツールとして、インビボにおいて使用されてもよい。
【0114】
キットは、典型的に、1又は2以上の抗原についてのコード配列が挿入されてもよいカルボキシ末端の1又は2以上のフレームワーク部分又は多重クローニング部位と共に、本発明の抗体(又はその断片)をコードする核酸配列を含むであろう。いくつかの実施形態では、抗体は、scFv断片又はdsFv断片などのヒト化抗CD40 Fv断片となるであろう。さらに、キットは、典型的に、本発明の抗体の使用のための方法を開示する説明書を含むであろう(例えば、自己由来樹状細胞とすることができる樹状細胞を用いる免疫前の樹状細胞へのローディングのための)。キットはまた、キットがデザインされる特定の適用を容易にするためにさらなる成分を含んでいてもよい。したがって、例えば、キットは、標識を検出するための方法をさらに含有していてもよい(例えば、酵素による標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、ヒツジ抗マウスHRPなどの適切な二次標識、又はその他同種のもの)。キットは、特定の方法の実施に日常的に使用される緩衝液及び他の試薬をさらに含んでいてもよい。そのようなキット及び適切な内容物は、当業者らによく知られている。
【0115】
本発明のための使用の他のセットでは、本発明の抗体によってターゲティングされた抗体は、培養物中の細胞の集団から、ターゲティングされた細胞を取り除くために使用することができる。例えば、T細胞の特異的な集団が好ましい場合、本発明の抗体は、進行中の免疫応答の逆効果を有するT細胞の集団を豊富にするために使用されてもよい。したがって、例えば、癌、ウイルス、又は他の病原体に対する免疫応答を引き起こすであろう抗原について、ターゲティング成分として、本発明の抗体を使用して抗原をロードした樹状細胞を患者に提供することによって、癌を有する患者から培養された細胞から癌細胞を取り除くことができる。同様に、抗体は、調節性T細胞の集団を増加させる又は免疫応答を、細胞毒性T細胞応答に向けて若しくはそれを避けて駆動する又はさらにB細胞応答を駆動するために使用することができる。
抗CD40_12E12.3F3
抗CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C、下線を引いた領域は、重鎖V領域アミノ酸配列を示す。
MNLGLSLIFLVLVLKGVQCEVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYYPDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSAKTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS (配列番号1)
抗CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C、下線を引いた領域は、軽鎖V領域アミノ酸配列を示す。
MMSSAQFLGLLLLCFQGTRCDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSILHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIGNLEPEDIATYYCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC- (配列番号2)
抗CD40_12B4.2C10
抗CD40_12B4.2C10重鎖:
MEWSWIFLFLLSGTAGVHSEVQLQQSGPELVKPGASVKMSCKASGYTFTDYVLHWVKQKPGQGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFKGKATLTSDKSSSTAYMELSSLTSEDSAVYYCARGYPAYSGYAMDYWGQGTSVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQKGEFV (配列番号3)
抗CD40_12B4.2C10軽鎖:
MMSSAQFLGLLLLCFQGTRCDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCHHGNTLPWTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号4)
抗CD40_12B4.2C10軽鎖、別のクローン(17K6)
MDFQVQIFSFLLISASVIMSRGQIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCSASSSVSYMYRYQQKPGSSPKPWIYGTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQYHSYPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号5)
抗CD40_11B6.1C3
抗CD40_11B6.1C3重鎖:
MGWSWIFLFLLSGTAGVLSEVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYSFTGYYMHWVKQSHVKSLEWIGRINPYNGATSYNQNFKDKASLTVDKSSSTAYMELHSLTSEDSAVYYCAREDYVYWGQGTTLTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQKGEFV (配列番号6)
抗CD40_11B6.1C3軽鎖:
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFALKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPWTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC (配列番号7)
[抗CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C]、下線を引いた領域は、重鎖V領域配列を示す。
ATGAACTTGGGGCTCAGCTTGATTTTCCTTGTCCTTGTTTTAAAAGGTGTCCAGTGTGAAGTGAAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTAGTGCAGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGCAACCTCTGGATTCACTTTCAGTGACTATTACATGTATTGGGTTCGCCAGACTCCAGAGAAGAGGCTGGAGTGGGTCGCATACATTAATTCTGGTGGTGGTAGCACCTATTATCCAGACACTGTAAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACACCCTGTACCTGCAAATGAGCCGGCTGAAGTCTGAGGACACAGCCATGTATTACTGTGCAAGACGGGGGTTACCGTTCCATGCTATGGACTATTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号8)
[抗CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C]、下線を引いた領域は、軽鎖V領域配列を示す。
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTAGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGTGCAAGTCAGGGCATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTATTACACATCAATTTTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGATTATTCTCTCACCATCGGCAACCTGGAACCTGAAGATATTGCCACTTACTATTGTCAGCAGTTTAATAAGCTTCCTCCGACGTTCGGTGGAGGCACCAAACTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号9)
抗CD40_12B4.2C10_H−V−hIgG4H−C重鎖
ATGGAATGGAGTTGGATATTTCTCTTTCTTCTGTCAGGAACTGCAGGTGTCCACTCTGAGGTCCAGCTGCAGCAGTCTGGACCTGAGCTGGTAAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACATTCACTGACTATGTTTTGCACTGGGTGAAACAGAAGCCTGGGCAGGGCCTTGAGTGGATTGGATATATTAATCCTTACAATGATGGTACTAAGTACAATGAGAAGTTCAAAGGCAAGGCCACACTGACTTCAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCAGCAGCCTGACCTCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTGCAAGGGGCTATCCGGCCTACTCTGGGTATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号10)
抗CD40_12B4.2C10_K−V−hIgGK−C(バリアント1)軽鎖
ATGGATTTTCAAGTGCAGATTTTCAGCTTCCTGCTAATCAGTGCCTCAGTCATAATGTCCAGGGGACAAATTGTTCTCACCCAGTCTCCAGCAATCCTGTCTGCATCTCCAGGGGAGAAGGTCACCATGACCTGCAGTGCCAGCTCAAGTGTAAGTTACATGTACAGGTACCAGCAGAAGCCAGGATCCTCACCCAAACCCTGGATTTATGGCACATCCAACCTGGCTTCTGGAGTCCCTGCTCGCTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACCTCTTATTCTCTCACAATCAGCAGCATGGAGGCTGAAGATGCTGCCACTTATTACTGCCAGCAATATCATAGTTACCCGCTCACGTTCGGTGCTGGGACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号11)
抗CD40_12B4.2C10_K−V−hIgGK−C(バリアント2)軽鎖
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCATCATGGTAATACGCTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号12)
抗CD40_11B6.1C3_H−V−hIgG4H−C重鎖
ATGGGATGGAGCTGGATCTTTCTCTTTCTCCTGTCAGGAACTGCAGGTGTCCTCTCTGAGGTCCAGCTGCAACAGTCTGGACCTGAGCTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATATCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGGCTACTACATGCACTGGGTGAAGCAAAGCCATGTAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGACGTATTAATCCTTACAATGGTGCTACTAGCTACAACCAGAATTTCAAGGACAAGGCCAGCTTGACTGTAGATAAGTCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCCACAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGAGAGGACTACGTCTACTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCAGCCAAAACGAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCGAAGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAAGCTAGCTGA (配列番号14)
抗CD40_11B6.1C3_K−V−hIgGK−C軽鎖
ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTGATGTTCTGGATTCCTGCTTCCAGCAGTGATGTTGTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCCTTGTACACAGTAATGGAAACACCTATTTACATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCGCACTCAAGATCAGTAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTTCTGCTCTCAAAGTACACATGTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTCGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTATGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG (配列番号15)
【実施例1】
【0116】
抗CD40−HIVペプチドワクチン
5つの19〜32アミノ酸長配列を、様々なMHCクラスI分子との関連において、HIV−1 Nef、Gag、及びEnvタンパク質中で同定される多数の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープから選択した。CTL応答は、マウス、霊長動物、及びヒトにおいてリポペプチドワクチンによって効率的に誘発することができることが報告されている。次いで、5つのHIVペプチドは、(Palm)−NH2基によってC末端の位置で修飾した、また、5つのHIVペプチド配列は、科学文献において[例えばCharacterization of a multi-lipopeptides mixture used as an HIV-1 vaccine candidate (1999) Klinguer et al., Vaccine, Volume 18, 259-267]且つ特許出願において[Cytotoxic T lymphocyte-inducing lipopeptides and use as vaccines. Gras-Masse H. et al.、欧州特許第EP0491628号(1992-06-24);米国特許第5871746号明細書(1999-02-16)]十分に記載されている。
【0117】
非常に望ましいHIVワクチンは、上記のHIVペプチドに融合された組換え抗樹状細胞受容体抗体から構成されるであろう。本発明は、タンパク質及びHIVワクチンを効率的に作製するための組成物及び方法を含む。
【0118】
下記に示される配列は、5つの選択されたHIVペプチドのアミノ酸配列であり、それぞれのHIVタンパク質内のアミノ酸位置を括弧内に示す。
【0119】
Nef(66〜97)は、VGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGL(配列番号16)である。
【0120】
Nef(116〜145)は、HTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKL(配列番号17)である。
【0121】
Gag p17(17〜35)は、EKIRLRPGGKKKYKLKHIV(配列番号18)である。
【0122】
Gag p17〜p24(253〜284)は、NPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILD(配列番号19)である。
【0123】
Pol 325〜355(RT 158〜188)は、AIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLY(配列番号20)である。
【0124】
本発明は、HIVペプチド及び可動性リンカー配列をコードする構築物を構築するための組成物及び方法を含む。重鎖発現ベクターは、典型的に、重鎖C末端残基コドンに又は[flex−v1ベクターについては]flex−v1配列のC末端コドンに追加されたNhe I部位[g|ctagc]を有する。可動性リンカー配列又はHIVペプチド配列は、N末端の可動性リンカー又はHIVペプチドコドンに先行するSpe I部位[a|ctagt]、C末端の可動性リンカー又はHIVペプチドコドンを追加されたNhe I部位、その後に続くTGA終止コドン、その後に続くEco RI部位、その後に続くNot I部位を有する。そのような可動性リンカー又はHIVペプチドSpe I−Not I断片は、Nhe I−Not I消化を用いて調製された重鎖ベクターの中に挿入される。Nhe I及びSpe Iは適合する部位であるが、ライゲーションされた場合、[g|ctagt]は、もはやNhe I部位でもSpe I部位でもない。したがって、さらなるSpe I−Not I可動性リンカー又はHIVペプチド断片は、最初の可動性リンカー又はHIVペプチドに対して遠位の、新しいNhe I−Not Iの間に挿入することができる。この方法で、HIVペプチド及び/又は可動性リンカーコード領域のストリングは、発現ベクター重鎖コード領域に追加することができる。
【0125】
図1は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、還元SDS−PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性組換え抗体を示す(レーン1〜5)。図2は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS−PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1及び2)。図3は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1〜5)。図4は、トランスフェクト293F細胞から分泌され、次いで還元SDS.PAGE及びクーマシーブリリアントブルー染色によって分析した、様々なHIVペプチドストリングに融合されたプロテインA親和性精製組換え抗体を示す(レーン1〜6)。
【実施例2】
【0126】
HIVペプチドワクチン−インビトロ抗原ターゲティングバイオロジー
インビトロにおけるHIV患者に対する抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン試験。αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が抗原提示を媒介する能力を研究するために、融合rAbは、HIVに感染した個人に由来する血液細胞に追加し、末梢血単核細胞(PBMC)からのサイトカイン産生を測定した。
【0127】
図5は、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合組換え抗体(αCD40.LIPO5 rAb)が、PBMC培養物との関連において抗原特異的T細胞の増大を誘発する効力をアッセイするためにインビトロにおいて使用するプロトコールを示す。手短に言えば、HIV患者のアフェレーシスに由来するPBMC(2×106細胞/ml)を、用量範囲のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンと共にインキュベートした。2日目に、100U/ml IL−2を培養物に追加し、次いで、培地は、2日ごとに100U/ml IL−2を用いてリフレッシュする。10日目に、増大した細胞に、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAb中に組み込まれる5つのHIVペプチド配列に対応する個々の長いペプチドを48時間曝露する。次いで、培養上清は、収集し、多重ビーズアッセイ(Luminex)を使用してサイトカイン産生(ペプチド配列に対するT細胞受容体[TCR]特異性を有するT細胞による)について評価する。そのようなアッセイにおいて検出された抗原特異的サイトカイン産生は、それが抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンの存在に依存する場合、培養物中の抗原提示細胞[APC]によるワクチン取り込み及びプロセシング[タンパク質分解性の分解]及びMHC上へのペプチドの提示を反映する。抗原−MHC複合体は、特定のHIV抗原−MHC複合体のみを認識するTCRを有するT細胞によって認識される。HIV患者では、そのような細胞は、HIV感染症に応じて患者内に増大した記憶T細胞であろう。
【0128】
ワクチンの5つのHIVペプチド領域すべてに由来するエピトープは、APCによって提示することができる。図5中のスキームは、抗CD40.LIPO5ペプチドワクチンに応じてHIVペプチド特異的T細胞のインビトロにおける増大をアッセイするために使用した。7人の個人に由来する結果を図6中に示し、またαCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAbが、研究した患者のすべてにおいてHIVペプチド特異的IFNγ応答を誘発したことを示す。したがって、α−CD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAbにより、DCが、それぞれの個人のT細胞に、ワクチン内の5つのペプチドのうちの少なくとも1つ又は2つの異なるペプチドを交差提示することを可能にする。しかしながら、IFNγ産生を刺激したHIVペプチドのセットは、それぞれの患者で異なり、最も、HIV特異性について記憶T細胞の異なるプールを反映するであろう。
【0129】
図6A〜Cは、様々な濃度の抗CD40.LIPO5ペプチドストリングワクチンと共にインキュベートした、HIV患者に由来するPBMCにおけるHIVペプチド特異的IFNγ産生を示す。Cは、コントロールグループであり、ワクチンを受けず、それぞれのペプチドに対する培養物のベースラインの応答を確定する。
【0130】
図7は、8人のHIV患者に由来する5つのペプチド領域に対するαCD40.LIPO5ペプチドワクチン応答の概要を示す。データは、ペプチド特異的IFNγ産生に基づく。図7は、抗原特異的応答が8人のHIV患者内で観察されたことを示す。データは、ワクチン上のすべてのHIVペプチド領域が処理され、T細胞に提示される能力を有することを実証し、適切なTCRを運ぶ細胞が存在する場合のみ、これらのペプチドに対する応答が観察されるであろうという有望な状況が想定される。したがって、それぞれの患者は、特徴的な範囲のそのような細胞を有する。
【0131】
αCD40.LIPO5ペプチドワクチンは、広い範囲のサイトカインを分泌することができる抗原特異的T細胞の増殖を誘起することができる。
【0132】
図8A〜Cは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンが多数のサイトカインを分泌することができるHIVペプチド特異的T細胞の増大−ワクチンにおいて望ましい特徴を誘発することを示す。図8A〜Cでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンは、多数のサイトカインの産生によって特徴づけられる、gag253、nef66、nef116、及びpol325ペプチド特異的応答を誘発する。これは、患者A5である。
【0133】
エクスビボDCの抗CD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン接種。
図9は、DCによる、ターゲティングによる取り込み及びそれらの表面MHC複合体上へのペプチドエピトープの提示から結果として生じる抗原特異的T細胞の増大を指示するためのその能力についてαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを試験するためのプロトコールを示す図である。手短に言えば、HIV患者単球は、IFNα及びGM−CSFを用いる2日間の培養によってDCに分化する。次いで、異なる用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン又は5つのペプチドのミックスを18時間追加する。自己由来T細胞を3日目に共培養物(1:20の比で)に追加した。5日目に、100U/ml IL−2を培養物に追加し、次いで、培地は、2日ごとに100U/ml IL−2を用いてリフレッシュする。10日目に、増大した細胞に、αCD40.LIPO5 HIVペプチド融合rAb中に組み込まれる5つのHIVペプチド配列に対応する個々の長いペプチドを48時間再度曝露する。次いで、培養上清は、収集し、Luminexを使用してサイトカイン産生について評価する。
【0134】
図10A〜Bは、様々な用量のαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療したDC−T細胞共培養物からの、HIVペプチドに応じたサイトカイン分泌を示す。これは、患者A10である。図10A〜B中に示す患者A10における結果は、gag17、gag253、及びpol325 HIVペプチド領域内のエピトープに対応する抗原特異的T細胞の増大を実証する。ほとんどの場合では、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン及び非LIPO5ワクチン[αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン中の配列に相当する配列を有する5つの非脂質付加HIVペプチドの混合物]の間に応答の一致がある。したがって、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンは、このインビトロ環境において十分に機能し、培養されたDCは、HIV抗原を有効に処理し、T細胞に提示する。これは、エクスビボにおけるワクチン接種のためのαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンの使用を例証し、それに従って「ワクチン接種されるDC」は、同じ患者への将来の再注射のために凍結保存されるであろう。
【0135】
αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン−可動性リンカー領域の可能性のある免疫効果。αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン内にHIVペプチド配列を分散させている可動性リンカー配列自体がT細胞エピトープを含有する可能性がある。図11A〜Bは、患者A4が、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン内の5つの可動性リンカー配列に対して特異性を有する記憶T細胞の有意なプールを有するように思われないことを示す。図11A〜Bでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A4に由来するPBMCが、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していない。太字のエリアに対する配列中の対応する可動性リンカーの長いペプチドと共に、図9中に記載されるプロトコールを使用し、HIVペプチドは、下記の配列中に示す太字イタリック体とする。
【0136】
太字で可動性リンカー領域を、下線を引いて結合配列を、且つ太字イタリック体の影付きでHIVペプチド領域を示すαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチン重鎖配列。
【0137】
図12Aでは、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンを用いて治療した患者A3に由来するPBMCは、抗原特異的T細胞の増大を誘発し、gag253、nef66、及びnef116領域に対して特異性を有するが、可動性リンカー配列に対して特異性を有していない。図8中に示される太字のエリアに対する配列中の対応する可動性リンカーの長いペプチドと共に、図1中に記載されるプロトコールを使用した。
【0138】
図12B−1及びB−2は、30nMの3つの異なるHIV5ペプチドDCターゲティングワクチンと共にインキュベートしたHIV患者A17 PBMCから誘起されたHIV抗原特異的T細胞応答を示す。細胞は、IL−2と共に10日間培養し、次いで、DCターゲティングワクチン内に包含される5つのHIVペプチド配列に相当する個々の長さのペプチドを用いて刺激した。1時間後に、ブレフェルジンAを追加し、FACS分析のために染色する前にさらに5時間、インキュベーションを継続した。FACSプロットは、CD3+T細胞上のIFNg及びCD8の染色を示す。円は、ワクチンなしで培養したPBMCに由来する細胞と比較した、IFNg+細胞の有意な、ワクチンに誘起された増大を示す。CD8−細胞は、CD4+T細胞である。データは、抗CD40.HIV5pepワクチンが、他のDCターゲティング媒体で見られない、nef66(N66)特異的CD8+T細胞の強い増大を誘起することを示す。
【0139】
これらは、LIPO5 HIVペプチドストリングに基づくデータである。例えば、抗CD40重鎖は、配列
EVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYYPDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSAKTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKASQTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNPASEKIRLRPGGKKKYKLKHIVASSSVSPTTSVHPTPTSVPPTPTKSSPASNPPIPVGEIYKRWIILGLNKIVRMYSPTSILDASPTSTPADSSTITPTATPTATPTIKGASHTQGYFPDWQNYTPGPGVRYPLTFGWLYKLASTVTPTATATPSAIVTTITPTATTKPASVGFPVTPQVPLRPMTYKAAVDLSHFLKEKGGLASTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAAASAIFQSSMTKILEPFRKQNPDIVIYQYMDDLYAS (配列番号22)
を有する抗CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Pep−gag17−f1−gag253−f2−nef116−f3−nef66−f4−pol158]である。
【0140】
図12C−1及びC−2は、PBMCが異なるHIV患者(A2)に由来する以外は、図12Bにおいて示す研究に類似する研究を示す。データは、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞応答が、他のDCターゲティングワクチンではなく抗CD40.HIV5pepによって又はペプチド自体の混合物によって誘起されたことを示す。
【0141】
図12Dは、15の異なるHIVペプチド応答[3人の患者においてサンプリングした5つのペプチド領域]の分析に基づいて、抗CD40.HIV5pepワクチンが、広範囲のHIVペプチド特異的CD8+及びCD4+T応答の誘発について、抗DCIR.HIV5pep、抗LOX−1.HIV5pep、及び非LIPO5ミックスより明らかに優れていることを示す。
【0142】
可動性リンカー配列の免疫原性は、αCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンデザインについての関心事である。可動性リンカー配列内のエピトープに対する特異性を有するT細胞のリコールを試験する、上記に示す限られたデータセットは、これらの配列に対するヒトレパートリーが多様であることを示唆する。また、これらの配列が新たに応答を刺激する能力は試験していない。サルにおけるαCD40.LIPO5 HIVペプチドワクチンに対する応答は、本発明を使用して試験することができる。必要ならば、これらの領域内のある種の望ましくないエピトープは、予測的な計算手段及びペプチド刺激の精査の組合せによって同定することができ、次いで、TCR相互作用を抑止する突然変異を導入することによって排除することができる。
【0143】
ヒト化抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、重鎖及び軽鎖可変領域のフレームワーク領域は、ドナーヒト抗体に由来し、軽鎖相補性決定領域(CDR)は、アミノ酸配列SASQGISNYLN(配列番号41)を有するCDR1L、アミノ酸配列YTSILHS(配列番号23)を有するCDR2L、及びアミノ酸配列QQFNKLPPT(配列番号23)を有するCDR3Lに対して少なくとも80%、90%、95%、又はそれよりも高い同一性を有し、重鎖相補性決定領域は、CDR1H、CDR2H、及びCDR3Hに対して少なくとも80%、90%、95%、又はそれよりも高い同一性を含み、CDR1Hは、アミノ酸配列GFTFSDYYMY(配列番号24)を有し、CDR2Hは、アミノ酸配列YINSGGGSTYYPDTVKG(配列番号25)を有し、CDR3Hは、アミノ酸配列RGLPFHAMDY(配列番号26)を有する。例えば、ヒト化抗体は、配列番号2、4、5又は7のフレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有するVLフレームワーク及び配列番号1、3又は6のフレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有するVHフレームワークを含んでいてもよい。他の態様では、ドナーCDR配列は、抗CD40_12E12.3F3、抗CD40_12B4.2C10、抗CD40_11B6.1C3、又はそれらの重鎖若しくは軽鎖の組合せ、及び/又はそれらの可変領域に由来し、さらに、抗体又はその断片は、CD40に特異的に結合する。
【実施例3】
【0144】
前立腺特異的抗原(PSA)、サイクリンD1、MART−1、インフルエンザウイルス核タンパク質(NP)、及びインフルエンザウイルス赤血球凝集素(H1N1、PR8)のHA1サブユニット並びにペプチドスクリーニング
抗CD40 mAbの内部移行。1×106 IL−4DCは、非特異的結合をブロックするために3%BSAを含有するPBS中で3mg/mlヒトガンマグロブリンと共に氷中で1時間インキュベートした。細胞に、Alexa 568標識抗CD40 mAbを氷上で30分間適用した(すべて、非特異的ブロック中20ng/ml最終濃度で)。次いで、細胞は、洗浄し、37℃で、0〜90分間の異なる時間、表面結合抗体を内部移行させた。内部移行の後に、細胞は、1%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含有する氷冷PBS(PBA)を用いて2度洗浄し、4℃で一晩、PBS中、氷冷1%メタノールフリーホルムアルデヒド(MFF)中で固定した。細胞は、4℃で20分間、0.5%サポニンを含有するPBS 3%BSA(PBAS)中で浸透性にし、96ウェル丸底ポリプロピレンマイクロタイタープレートに移入した。氷冷PBASを用いて2度洗浄した後に、細胞は、PBAS中3mg/mlヒトガンマグロブリンと共に氷上で1時間インキュベートした。BODIPY−ファロイジンをPBAS中で希釈し、氷中で1時間、細胞と共にインキュベートした。細胞は、さらに、核対比染色として、TOPRO−IIを用いて染色した。スライドは、Leica SP1共焦点顕微鏡上で画像処理した。
【0145】
細胞。細胞表面染色のためのモノクローナル抗体を、BD Biosciences(CA)から購入した。健常ドナーに由来する単球(1×106/ml)は、GM−CSF(100ng/ml)、IL−4(50ng/ml)又はGM−CSF(100ng/ml)、及びIFNα(500ユニット/ml)(R&D、CA)を含有するCellgenics培地(フランス)中で培養した。IFNDCについては、細胞にIFNα及びGM−CSFを1日目に与えた。IL−4DCについては、同量のサイトカインを、1日目及び3日目に培地に補足した。PBMCは、密度勾配遠心分離によってPercoll(商標)勾配(GE Healthcare社製、Buckinghamshire、UK)を使用して、バフィーコートから単離した。全CD4+及びCD8+T細胞は、StemCellキット(CA)を使用することによって精製した。
【0146】
ペプチド。前立腺特異的抗原(PSA)、サイクリンD1、MART−1、インフルエンザウイルス核タンパク質(NP)、及びインフルエンザウイルス赤血球凝集素(H1N1、PR8)のHA1サブユニットについての15アミノ酸長(11アミノ酸オーバーラップ)を合成した(Mimotopes)。
【0147】
DC及びT細胞の共培養並びにサイトカイン発現。組換え融合タンパク質(抗CD40−HA1、コントロールIg−HA1、抗CD40−PSA、抗CD40サイクリンD1、抗CD40−MART−1、抗MARCO−MART−1、及びコントロールIg−MART−1)をロードした5×103 DCを、8日間、2×105 CFSE標識CD4+T細胞と共に共培養した。増殖は、APCを用いて標識した抗CD4抗体を用いて細胞を染色した後に、CFSE希釈液を測定することによって試験した。
【0148】
細胞内IFNγの発現を測定するために、CD4+T細胞は、ブレフェルジンAの存在下において5時間、1〜5uMの示すペプチドを用いて再刺激した。異なる実験では、CD4+T細胞は、36時間、示すペプチドを用いて再刺激し、次いで、CD4+T細胞によって分泌されたサイトカインは、Luminexによって測定した。
【0149】
CD8+T細胞は、20ユニット/ml IL−2及び20ユニット/ml IL−7の存在下において10日間、DCと共に共培養した。培養の10日目に、CD8+T細胞は、抗CD8及び示すテトラマーを用いて染色した。
【0150】
CTLアッセイ。培養の10日目に、5時間の51Cr放出アッセイを行った。T2細胞に、51Crを最初に適用し、次いで、MART−1の10uM HLA−A2エピトープ又はインフルエンザウイルスM1の1nMエピトープを用いて標識した。ペプチドを有していないT2細胞は、コントロールとして使用した。3回の試料の平均値を計算し、特異的な溶解のパーセンテージは、以下の式を使用して決定した。特異的な溶解のパーセンテージ=100×(実験51Cr放出−コントロール51Cr放出)/(最大51Cr放出−コントロール51Cr放出)。最大の放出は、2.5%Triton X−100中の標的からの数を指す。
【0151】
ヒトCD40に特異的なmAbの調製。受容体外部ドメイン.hIgG(ヒトIgG1Fc)及びAP(ヒト胎盤アルカリホスファターゼ)の融合タンパク質は、それぞれ、マウスを免疫し、mAbをスクリーニングするために産生した。ヒトIgFc融合タンパク質のための哺乳動物ベクターは、記載されるように設計した[J. Immunol. 163: 1973-1983 (1999)]。受容体外部ドメイン.APタンパク質についての哺乳動物発現ベクターは、近位のインフレームXho I部位並びに遠位の6C末端His残基、その後に続くTGA終止コドン及びNot I部位を追加しながら、AP残基133〜1581(gb|BC009647|)についてのcDNAを増幅するために、PCRを使用して生成した。このXho I−Not I断片を、上記の外部ドメイン.IgGベクター中のヒトIgG Fcコード配列と交換した。融合タンパク質は、メーカーのプロトコールに従ってFreeStyle(商標)293発現系(Invitrogen社製、CA)を使用して産生した(1.3ml 293Fectin試薬/Lを用いる合計1mgのプラスミドDNAのトランスフェクション)。受容体外部ドメイン.hIgGは、0.1Mグリシン、pH2.7を用いて溶出した、1ml HiTrapプロテインA親和性クロマトグラフィー(GE Healthcare社製、CA)によって精製した。画分は、2M Trisを用いて中和し、次いで、PBSに対して透析した。
【0152】
マウスmAbは、従来の技術によって生成した。手短に言えば、6週齢のBALB/cマウスは、Ribiアジュバントと共に20μgの受容体外部ドメイン.hIgGFc融合タンパク質を用いて、i.p.免疫し、次いで、10日及び15日後に20μg抗原を用いてブーストした。3カ月後に、マウスは、脾臓を採取する3日前に再度ブーストした。最終のブーストの3〜4日後に、流入領域リンパ節(LN,lymph node)を収集した。脾臓に由来するB細胞又はLN細胞を、SP2/O−Ag 14細胞(ATCC)と融合した。ハイブリドーマ上清は、融合パートナーのみと比較して受容体外部ドメイン融合タンパク質に特異的な又はアルカリホスファターゼに融合された受容体外部ドメインに特異的なmAbを分析するためにスクリーニングした[J. Immunol. 163: 1973-1983 (1999)]。次いで、陽性ウェルは、完全長受容体cDNAをコードする発現プラスミドを用いて一時的にトランスフェクトした293F細胞を使用してFACSにおいてスクリーニングした。選択されたハイブリドーマは、単細胞クローニングし、CELLineフラスコ(Integra社製、CA)中で増大させた。ハイブリドーマ上清は、等量の1.5Mグリシン、3M NaCl、1×PBS、pH7.8(結合緩衝液)と混合し、MabSelect樹脂(GE Healthcare社製、CA)(800μl/5ml上清)に流した。樹脂は、結合緩衝液を用いて洗浄し、0.1Mグリシン、pH2.7を用いて溶出した。2M Trisを用いる中和の後に、mAbはPBSに対して透析した。
【0153】
組換えmAbの発現及び精製。全RNAは、RNeasyキット(Qiagen社製、CA)を使用して、ハイブリドーマ細胞から調製し、供給された5’プライマー及び遺伝子特異的3’プライマー(mIgGκ、5’ggatggtgggaagatggatacagttggtgcagcatc3’(配列番号48);mIgG2a、5’ccaggcatcctagagtcaccgaggagccagt3’)(配列番号49)を使用して、cDNA合成及びPCR(SMART RACEキット、BD Biosciences社製)に使用した。次いで、PCR産物は、クローニングし(pCR2.1 TAキット、Invitrogen社製)、DNA塩基配列決定(MC Lab、CA)によって特徴づけた。マウス重(H)及び軽(L)鎖可変(V)領域cDNAの誘導配列を使用して、特異的なプライマーは、下流のヒトIgGκ又はIgG4H領域をコードする発現ベクターの中にクローニングするために、側面に位置する制限部位を組み込みながら、シグナルペプチド及びV領域をPCR増幅するために使用した。キメラmVκ−hIgκの発現のためのベクターは、Xho I及びNot Iの部位が側面に位置する残基401〜731(gi|63101937|)を増幅し、pIRES2−DsRed2(BD Biosciences社製)のXho I−Not Iの間にこれを挿入することによって構築した。PCRは、開始コドンからmAb Vκ領域を増幅するために使用し、Nhe I又はSpe I部位を、次いでCACCを(例えばgi|76779294|の残基126)をコードする領域に追加し、遠位のXho I部位を追加した。次いで、PCR断片は、上記のベクターのNhe I−Not Iの間にクローニングした。コントロールヒトIgGκ配列は、gi|49257887|残基26〜85及びgi|21669402|残基67〜709に相当する。コントロールヒトIgG4Hベクターは、ジスルフィド結合を安定化し、残存性のFcR相互作用を抑止するS229P及びL236Eの置換を有するgi|19684072|の残基12〜1473に相当し[J. Immunol. 164: 1925-1933 (2000)]、終止コドンの代わりに配列5’gctagctgattaattaa3’を追加しながらpIRES2−DsRed2のBgl II及びNot I部位の間に挿入した。PCRは、開始コドンからmAb VH領域を増幅するために使用し、CACC、次いでBgl II部位を、gi|19684072|の残基473をコードする領域に追加した。次いで、PCR断片は、上記のベクターのBgl II−Apa Iの間にクローニングした。
【0154】
インフルエンザHA1融合タンパク質の発現及び精製。インフルエンザHA1抗原コード配列は、CipAタンパク質[クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium. thermocellum)]gi|479126|残基147〜160が先行する、P321L変異を有し、6つのC末端His残基を有する赤血球凝集素[インフルエンザA型ウイルス(A/プエルトリコ/8/34(H1N1))]gi|126599271|残基18〜331であり、組換え抗体HA1融合タンパク質(rAb.HA1)をコードするために重鎖ベクターNhe I及びNot I部位の間に挿入した。同様に、組換え抗体−PSA融合タンパク質(rAb.PSA)は、近位の配列GCTAGCGATACAACAGAACCTGCAACACCTACAACACCTGTAACAACACCGACAACAACACTTCTAGCGC(配列番号27)(Nhe I部位及びCipAスペーサー)並びに遠位のNot I部位と共にgi|34784812|前立腺特異的抗原残基101〜832を同じ重鎖ベクターの中に挿入することによってコードした。組換え抗体タンパク質は、hFc融合タンパク質について上記に記載されるように、発現し、精製した。ある場合には、rAb.抗原コード領域及び対応する軽鎖コード領域は、異なるcetHS-puro UCOEベクター(Millipore社製、CA)に移入した。前もって適応された血清なしの浮遊細胞系と組み合わせたUCOEベクターの使用により、大量のタンパク質の迅速な産生を可能にした[Cytotechnology 38, 43-46 (2002)]。GlutaMAX及びHT培地(Invitrogen社製)を補足したCD-CHO中で成長させたCHO−S細胞を、500ml Corning Ehrlenmyerフラスコ中にトランスフェクションの24時間前に5×105mlで接種し、125rpmで8%CO2中でインキュベートした。トランスフェクションの日に、少なくとも95%の生存率を有する1.2×107細胞を、GlutaMAXを有するCD-CHO中に、125mlフラスコ中30mlの最終容量まで追加した。0.6mlのOptiPRO SFM(Invitrogen社製)中48mlのFreeStyle Max試薬(Invitrogen社製)は、24mgのSce I直線化軽鎖ベクター及び24mgのSce I直線化重鎖ベクターに緩やかに混合しながら追加し、混合し、0.6mlのOptiPRO SFM中に滅菌濾過した。20分後に、DNA脂質複合体を、回旋しながら、125ml CHO-S培養フラスコにゆっくり追加した。細胞は、5mg/mlのピューロマイシン(A.G. Scientific社製、CA)、2×GlutaMAX、及び0.25×Pen/Strep(Invitrogen社製)を含有する、CHO-M5(Sigma社製、CHOキット1のC0363成分)とCD-CHOの30mlの混合培地溶液を追加する24時間前にインキュベートした。2日目に、さらに5mg/mlのピューロマイシンを培養物に直接追加し、トランスフェクション後6日から細胞生存率を経過観察しながら、約10〜14日、選択を進行させた。生細胞数が減少し、生存密度が約2〜3×106/mlとなったら、細胞は、1E6/mlで、新鮮な選択培地(2×GlutaMAX、0.25×Pen/Strep、10mg/mlピューロマイシンを有するCD CHO-S+CHO M5)に移入した。生存率が90%超に到達した場合、凍結細胞ストックを調製した。細胞密度が2×106/mlを超過したら、細胞は、500mlフラスコ中4×250mlに調整するまで選択培地中で分けた。細胞生存率が、80%未満に落ちた場合、上清を収集し、最大の最終細胞密度は約7×106/mlであった。内毒素レベルは、0.2ユニット/ml未満であった。
【0155】
組換えインフルエンザM1及びMART−1タンパク質の発現及び精製。PCRは、開始コドンの遠位にNhe I部位及び終止コドンの遠位にNot I部位を組み込みながらインフルエンザA型/プエルトリコ/8/34/シナイ山(H1N1)M1遺伝子のORFを増幅するために使用した。消化断片は、pET-28b(+)(Novagen社製)の中にクローニングし、His6タグと共にインフレームでM1 ORFを置き、したがってHis.Flu M1タンパク質をコードした。Nco I及びNhe I部位の間に挿入されたC.サーモセラム(未公開)に由来するN末端169残基コヘシンドメインをコードするpET28b(+)誘導体は、Coh.Hisを発現した。コヘシン−Flex−hMART−1−ペプチドA−Hisの発現について、配列GACACCACCGAGGCCCGCCACCCCCACCCCCCCGTGACCACCCCCACCACCACCGACCGGAAGGGCACCACCGCCGAGGAGCTGGCCGGCATCGGCATCCTGACCGTGATCCTGGGCGGCAAGCGGACCAACAACAGCACCCCCACCAAGGGCGAATTCTGCAGATATCCATCACACTGGCGGCCG(配列番号28)
(配列番号29)をコードするイタリック体の残基は、免疫優性HLA−A2拘束性ペプチドであり、ペプチドを囲む下線を引いた残基は、MART−1に由来する)は、上記のベクターのNhe I及びXho I部位の間に挿入した。タンパク質は、大腸菌(E. coli)株BL21(DE3)(Novagen社製)又はT7 Express(NEB社製)中で発現させ、120mg/L IPTGを追加したら、カナマイシン抵抗性(40μg/ml)について選択し、200回/分で振盪しながら、対数増殖期中期まで37℃でLB中で成長させた。3時間後に、細胞は、遠心分離によって収集し、−80℃で保存した。それぞれの1Lの発酵に由来する大腸菌細胞は、0.1mlのプロテアーゼ阻害剤Cocktail II(Calbiochem社製、CA)と共に、30ml 氷冷50mM Tris、1mM EDTA pH8.0(緩衝液B)中で再懸濁した。細胞は、5分間の休み時間と共に、設定18(Fisher Sonic Dismembrator 60)で2×5分間、氷上で超音波処理し、次いで、4℃で20分間、17,000r.p.m.(Sorvall SA-600)で回転させた。His.Flu M1精製については、50ml細胞溶解物上清画分は、5ml Q Sepharoseビーズを通過させ、6.25ml 160mM Tris、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を、Q Sepharose通過画分に追加した。これは、Ni++を用いて荷電した5ml HiTrapキレート化HPカラム上に4ml/分でロードした。カラムに結合したタンパク質は、20mM NaPO4、300mM NaCl pH7.6(緩衝液D)を用いて洗浄し、100mM H3COONa pH4.0を用いてさらに洗浄した。結合したタンパク質は、100mM H3COONa pH4.0を用いて溶出した。ピーク画分は、プールし、100mM H3COONa pH5.5を用いて平衡化した5ml HiTrap Sカラム上に4ml/分でロードし、平衡緩衝液を用いて洗浄し、その後、50mM NaPO4 pH5.5中0〜1M NaClの勾配を用いて溶出した。約500mM NaClで溶出するピーク画分をプールした。Coh.Flu M1.His精製については、2Lの培養物に由来する細胞を上記のように溶解した。遠心分離後に、2.5ml Triton X114は、5分間氷上でインキュベーションしながら上清に追加した。5分間の25℃でのさらなるインキュベーションの後に、上清は、25℃での遠心分離後にTriton X114から分離した。抽出は、反復し、上清は、5mlのQ Sepharoseビーズを通過させ、6.25ml 160mM Tris、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を、Q Sepharose通過画分に追加した。次いで、タンパク質は、上記に記載されるようにNi++キレート化クロマトグラフィーによって精製し、緩衝液D中0〜500mMイミダゾールを用いて溶出した。
【0156】
図13は、抗CD40 mAb:IL−4DCの内部移行を示す。IL−4DCは、500ng/mlの抗CD40−Alexa 568と共に処理した。図14は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたDCによるCD4及びCD8 T細胞増殖を示す。2ug/mlの抗CD40−HA又はコントロールIg−HA1をロードした5×10e3 IFNDCは、7日間、CFSE標識自己由来CD4+又はCD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、抗CD4抗体又は抗CD8抗体を用いて染色した。細胞増殖は、CFSE希釈液を測定することによって試験した。図15は、CD4+T増殖に対するHA1融合タンパク質の力価測定を示す。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K)は、7日間、CFSE標識CD4+T細胞(200K)と共に共培養した。図16は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す。CD4+T細胞は、5uMの示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、細胞内IFNγを染色した。図17は、抗CD40−HA1を用いてターゲティングしたIFNDCがHA1特異的CD4+T細胞を活性化することを示す。CD4+T細胞は、36時間、示されるペプチドをロードしたDCを用いて再度刺激し、次いで、培養上清は、IFNγの測定のために分析した。図18は、CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す。融合タンパク質をロードしたIFNDC(5K/ウェル)は、10日間、精製CD8+T細胞と共に共培養した。細胞は、抗CD8及びテトラマーを用いて染色した。細胞は、健常ドナーに由来する(HLA−A*0201+)。図19は、CD40のターゲティングが、MART−1特異的CD8+T細胞への交差提示の増強をもたらすことを示す(異なる健常ドナーに由来する細胞を使用する8回の反復実験の概要)。図20は、抗CD40−MART−1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、10uMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。図21は、抗CD40−Flu M1を用いてターゲティングしたIFNDCを用いて誘発されたCD8+CTLが機能的であることを示す。融合タンパク質を用いてターゲティングしたIFNDCと共に共培養したCD8+T細胞は、1.0nMペプチドエピトープをロードしたT2細胞と混合した。図22は、PSA(前立腺特異的抗原)に連結された抗CD4012E12から構成されるワクチンが、ナイーブT細胞集団からの増大を誘発する能力を試験するためのプロトコールの概略を示す。PSA特異的CD4+T細胞は、PSAエピトープの広範囲のアレイに相当する。手短に言えば、健常ドナーに由来する単球のIFNα及びGM−CSFを用いる培養に由来するDCをワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を、新鮮な培地中に置き、同じドナーに由来する純粋なCD4+T細胞を追加する。数日後に、PSAペプチドを追加し、4時間後に、培養上清中に分泌されたγIFNレベルを決定する。
【0157】
図23は、多くのPSAペプチドが、強力なγIFN産生応答を誘発し、抗CD4012E12及び類似する抗CD40作用物質が、抗原をDCに効率的にデリバリーすることができることを示し、抗原の多数のエピトープに対する免疫応答のプライミングをもたらすことを示す。PSAの抗原のペプチドマッピング。2ug/mlの抗CD40−PSAをロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、36時間、PSAに由来する、5uMの個々のペプチドを用いて再刺激した。IFNγの量は、Luminexによって測定した。細胞は、健常ドナーに由来する。
【0158】
図24は、抗CD40−PSAを用いてターゲティングされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘発することを示す。IFNDCは、PSAを有する1ug mAb融合タンパク質を用いてターゲティングした。精製自己由来CD8+T細胞を10日間、共培養した。細胞は、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)−テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常ドナーに由来する。結果により、抗CD40がPSAをDCに有効にデリバリーし、これは、次に、PSA特異的CD8+T細胞の増大を誘発することが実証される。手短に言えば、2ug/mlの抗CD40−PSAをロードした5×10e3 IFNDCは、10日間、精製自己由来CD8+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、テトラマーを用いて染色した。細胞は、HLA−0*201陽性健常ドナーに由来する。
【0159】
図25は、スキーム(左)並びにドナー2についてのペプチドのプール及びコントロールのT細胞によるIFNγ産生を示す。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【0160】
図26は、ペプチドの精査並びにドナー2についての図25において示されるペプチドのプール及びコントロールから得られたT細胞によるIFNγ産生を示す。2ug/mlの抗CD40サイクリンD1をロードした5×10e3 IFNDCは、8日間、精製自己由来CD4+T細胞(2×10e5)と共に共培養した。次いで、細胞は、ブレフェルジンAの存在下において、5時間、サイクリンD1に由来する5uMの個々のペプチドを用いて再度刺激した。細胞は、細胞内IFNγ発現を測定するために染色した。
【0161】
結論として、CD40を介して、最も強力な抗原提示細胞であるDCに抗原をデリバリーすることは、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞媒介性免疫の両方を誘発し、且つ活性化するための効率的な方法である。したがって、抗CD40 mAbから作製されたワクチンは、癌及び感染症に対して強力な免疫を誘発するであろう。
【0162】
ペプチド情報:
HA1配列:
MKANLLVLLCALAAADADTICIGYHANNSTDTVDTVLEKNVTVTHSVNLLEDSHNGKLCR (配列番号30)
LKGIAPLQLGKCNIAGWLLGNPECDPLLPVRSWSYIVETPNSENGICYPGDFIDYEELRE (配列番号31)
QLSSVSSFERFEIFPKESSWPNHNTNGVTAACSHEGKSSFYRNLLWLTEKEGSYPKLKNS (配列番号32)
YVNKKGKEVLVLWGIHHPPNSKEQQNLYQNENAYVSVVTSNYNRRFTPEIAERPKVRDQA (配列番号33)
GRMNYYWTLLKPGDTIIFEANGNLIAPMYAFALSRGFGSGIITSNASMHECNTKCQTPLG (配列番号34)
AINSSLPYQNIHPVTIGECPKYVRSAKLRMVTGLRNIPSI (配列番号35)
【0163】
図17中のペプチドの配列
ペプチド22: SSFERFEIFPKESSWPN (配列番号36)
ペプチド45: GNLIAPWYAFALSRGFG (配列番号37)
ペプチド46: WYAFALSRGFGSGIITS (配列番号38)
【0164】
NP配列:
MASQGTKRSYEQMETDGERQNATEIRASVGKMIGGIGRFYIQMCTELKLSDYEGRLIQNS (配列番号39)
LTIERMVLSAFDERRNKYLEEHPSAGKDPKKTGGPIYRRVNGKWMRELILYDKEEIRRIW (配列番号30)
RQANNGDDATAGLTHMMIWHSNLNDATYQRTRALVRTGMDPRMCSLMQGSTLPRRSGAAG (配列番号41)
AAVKGVGTMVMELVRMIKRGINDRNFWRGENGRKTRIAYERMCNILKGKFQTAAQKAMMD (配列番号42)
QVRESRNPGNAEFEDLTFLARSALILRGSVAHKSCLPACVYGPAVASGYDFEREGYSLVG (配列番号43)
IDPFRLLQNSQVYSLIRPNENPAHKSQLVWMACHSAAFEDLRVLSFIKGTKVLPRGKLST (配列番号44)
RGVQIASNENMETMESSTLELRSRYWAIRTRSGGNTNQQRASAGQISIQPTFSVQRNLPF (配列番号45)
DRTTIMAAFNGNTEGRTSDMRTEIIRMMESARPEDVSFQGRGVFELSDEKAASPIVPSFD (配列番号46)
MSNEGSYFFGDNAEEYDN (配列番号48)
【0165】
図23中のペプチドの配列
ペプチド22: GKWVRELVLYDKEEIRR (配列番号49)
ペプチド33: RTGMDPRMCSLMQGSTL (配列番号50)
ペプチド46: MCNILKGKFQTAAQKAM (配列番号51)
【0166】
前立腺特異的抗原(PSA)配列
MWVPVVFLTLSVTWIGAAPLILSRIVGGWECEKHSQPWQVLVASRGRAVCGGVLVHPQWV (配列番号52)
LTAAHCIRNKSVILLGRHSLFHPEDTGQVFQVSHSFPHPLYDMSLLKNRFLRPGDDSSHD (配列番号53)
LMLLRLSEPAELTDAVKVMDLPTQEPALGTTCYASGWGSIEPEEFLTPKKLQCVDLHVIS (配列番号54)
NDVCAQVHPQKVTKFMLCAGRWTGGKSTCSGDSGGPLVCNGVLQGITSWGSEPCALPERP (配列番号55)
SLYTKVVHYRKWIKDTIVANP (配列番号56)
【0167】
図23中のペプチドの配列
ペプチド1: APLILSRIVGGWECE (配列番号57)
ペプチド4:ECEKHSQPWQVLVAS (配列番号58)
ペプチド25:GDDSSHDLMLLRLSE (配列番号59)
ペプチド26: SHDLMLLRLSEPAEL (配列番号60)
ペプチド49: SGDSGGPLVCNGVLQ (配列番号61)
ペプチド54: GSEPCALPERPSLYT (配列番号62)
ペプチド56: ERPSLYTKVVHYRKW (配列番号63)
ペプチド58: VVHYRKWIKDTIVAN (配列番号64)
【0168】
サイクリンD1配列
MRSYRFSDYLHMSVSFSNDMDLFCGEDSGVFSGESTVDFSSSEVDSWPGDSIACFIEDER (配列番号65)
HFVPGHDYLSRFQTRSLDASAREDSVAWILKVQAYYNFQPLTAYLAVNYMDRFLYARRLP (配列番号66)
ETSGWPMQLLAVACLSLAAKMEEILVPSLFDFQVAGVKYLFEAKTIKRMELLVLSVLDWR (配列番号67)
LRSVTPFDFISFFAYKIDPSGTFLGFFISHATEIILSNIKEASFLEYWPSSIAAAAILCV (配列番号68)
ANELPSLSSVVNPHESPETWCDGLSKEKIVRCYRLMKAMAIENNRLNTPKVIAKLRVSVR (配列番号69)
ASSTLTRPSDESSFSSSSPCKRRKLSGYSWVGDETSTSN (配列番号70)
【0169】
図26中のペプチドの配列
ペプチド7: DRVLRAMLKAEETCA (配列番号71)
ペプチド8: RAMLKAEETCAPSVS (配列番号72)
ペプチド10: TCAPSVSYFKCVQKE (配列番号73)
【0170】
MART−1抗原。MART−1は、腫瘍関連メラニン細胞分化抗原である。MART−1抗原を用いるワクチン接種は、メラニン細胞分化抗原を発現する腫瘍細胞に対して宿主細胞傷害性T細胞応答を刺激し、腫瘍細胞溶解をもたらし得る。
【0171】
図27は、抗CD40−MART−1ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図28は、MART−1についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す。図27及び28は、ヒトMART−1のかなりの(約2/3)部分に融合された組換え抗DC受容体ターゲティング抗体発現の成功を可能にするための可動性リンカー技術の使用を示す。全MART−1コード領域に対して重鎖C末端で融合された組換え抗体は、産生哺乳動物細胞から全く分泌されなかった[示さず]。Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1付加物は、特に十分に発現し、最大負荷のMART−1エピトープを運ぶFlex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2付加物のように、MART−1−ターゲティングワクチンの好ましい一実施形態となる。スライド2及びMART−1パワーポイントプレゼンテーションは、多数の抗DC受容体媒体にこれらの付加物を上手く追加することができることを示す。
【0172】
下記の配列は、重鎖−pep3−pep1−pep2融合タンパク質のhMART−1ペプチドストリングであり、それぞれのhMART1ペプチド配列[太字イタリック体]は、ペプチド間スペーサーfによって隔てられる[太字で示す]。この場合、セルロソームアンカースキャフォルディンB前駆物質[バクテロイデス・セルロソルベンス、gag−nefワクチンの本発明開示において記載される]に由来する27アミノ酸長リンカーflex−v1(v1)[イタリック体]は、重鎖C末端及びhMART1ペプチド可動性スペースストリングの間に挿入した。下線を引いたAS残基は、結合配列である。
【0173】
[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1]C981:
【0174】
[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2]C978:
【0175】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1]C1012:
【0176】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3−f4−Pep−1−f3−Pep−2]C1013:
【0177】
MART−1 DNA配列:
3つのペプチド、開始/終止部位を有するMART−1構築物に下線を引き、ペプチド1は太字とし、ペプチド2は太字イタリック体とし、ペプチド3は太字で下線を引く。
【0178】
MART1−ペプチド3、イタリック体の部分はCD4+免疫優性エピトープである。
【0179】
Flex-4
ASTNGSITVAATAPTVTPTVNATPSAAAS (配列番号80)
【0180】
MART1−ペプチド1、イタリック体の部分は、CD4+免疫優性エピトープであり、下線を引いたイタリック体の部分は、CD8+免疫優性エピトープである。
【0181】
MART1−ペプチド2、イタリック体の部分は、CD4+免疫優性エピトープである。
VLLLIGCWYCRRRNGYRALMDKSLHVGTQCALTRRCPQEG(配列番号83)
【0182】
2つのペプチドを有するMART1構築物:
ペプチド3は、太字イタリック体で下線を引き、flex−4は太字とし、ペプチド1は、太字イタリック体で下線を引く。
【0183】
タンパク質配列:C978。rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3(太字イタリック体で下線を引く)−f4(太字)−Pep−1(太字イタリック体)−f3 (イタリック体)−Pep−2(太字で下線を引く)]
【0184】
タンパク質配列:C981。rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−hMART−1−Pep−3(太字イタリック体で下線を引く)−f4−(太字)−Pep−1](太字で下線を引く)
【0185】
GP100抗原。GP100抗原は黒色腫関連抗原である。ワクチン製剤で投与された場合、gp100抗原は、この抗原を発現する腫瘍に対して細胞毒性T細胞HLA−A2.1拘束性免疫応答を刺激し、これにより、腫瘍サイズの低下がもたらされ得る。
【0186】
組換え抗体重鎖コード領域に融合されたGP100外部ドメインコード領域は、産生哺乳動物細胞によって全く分泌されなかった[示さず]。全配列を下記に示す。イタリック体の残基は、リーダー配列及び膜貫通ドメインであり、ペプチドは、太字イタリック体とし、膜貫通ドメインは、イタリック体で下線を引く。
【0187】
知られているHLA−A0201拘束性ペプチド配列は、
GP100 M: 209-217 (2M): IMDQVPFSV (配列番号88); 209-217 WT: ITDQVPFSV (配列番号89) GP100 M: 280-288 (9V): YLEPGPVTV (配列番号90) 280-288 WT: YLEPGPVTA (配列番号91) GP100 WT: 154-162: KTWGQYWQV (配列番号92)である。
【0188】
図29〜33は、分泌抗DC受容体ターゲティングワクチンとして発現が成功したgp100付加物を示す。これらは、可動性リンカー配列及びgp100外部ドメインコード領域の断片化及びシャフリングを用いた。gp100ワクチン付加物の好ましい実施形態を記載する。
【0189】
図29は、抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図30は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体のデザインを示す。図31は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。図32は、gp100についてのCD4+及びCD8+免疫優性エピトープの概要を示す。図33は、さらなる抗CD40gp100ペプチド抗体の発現及び構築物のデザインを示す。
【0190】
rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−hgp100−Pep−1−f4−Pep−3−f3−Pep−4−f4−Pep−5−f3−Pep−2]C1285、ペプチドは、太字イタリック体とし、可動性リンカーは、太字とし、下線を引いたAS残基は、結合配列である。
【0191】
rAB−cetHS−puro[hIgG4H−C−Flex−hgp100−Pep−1−f4−Pep−3−f3−Pep−4−f4−Pep−5−f3−Pep−2]C1286:
【0192】
gp100:−核酸配列。ペプチド1−下線を引く、ペプチド2−イタリック体、ペプチド3−太字、ペプチド4−太字で下線を引く、ペプチド5 太字イタリック体。
【0193】
GP100 ペプチド1−核酸配列。
GATACAACAGAACCTGCAACACCTACAACACCTGTAACAACACCGACAACAACAAAAGTACCCAGAAACCAGGACTGGCTTGGTGTCTCAAGGCAACTCAGAACCAAAGCCTGGAACAGGCAGCTGTATCCAGAGTGGACAGAAGCCCAGAGACTTGACTGCTGGAGAGGTGGTCAAGTGTCCCTCAAGGTCAGTAATGATGGGCCTACACTGATTGGTGCAAATGCCTCCTTCTCTATTGCCTTGAACTTCCCTGGAAGCCAAAAGGTATTGCCAGATGGGCAGGTTATCTGGGTCAACAATACCATCATCAATGGGAGCCAGGTGTGGGGAGGACAGCCAGTGTATCCCCAGGAAACTGACGATGCCTGCATCTTCCCTGATGGTGGACCTTGCCCATCTGGCTCTTGGTCTCAGAAGAGAAGCTTTGTTTATGTCTGGAAGACCTGGGGCCAATACTGGCAAGTTCTAGGGGGCCCAGTGTCTGGGCTGAGCATTGGGACAGGCAGGGCAATGCTGGGCACACACACCATGGAAGTGACTGTCTACCATCGCCGGGGATCCCAGAGCTATGTGCCTCTTGCTCATTCCAGCTCAGCCTTCACCATTACTGACCAGGTGCCTTTCTCCGTGAGCGTGTCCCAGTTGCGGGCCTTGGATGGAGGGAACAAGCACTTCCTGAGAAATCAG (配列番号96)
【0194】
タンパク質配列:
DTTEPATPTTPVTTPTTTKVPRNQDWLGVSRQLRTKAWNRQLYPEWTEAQRLDCWRGGQVSLKVSNDGPTLIGANASFSIALNFPGSQKVLPDGQVIWVNNTIINGSQVWGGQPVYPQETDDACIFPDGGPCPSGSWSQKRSFVYVWKTWGQYWQVLGGPVSGLSIGTGRAMLGTHTMEVTVYHRRGSQSYVPLAHSSSAFTITDQVPFSVSVSQLRALDGGNKHFLRNQ (配列番号97)
【0195】
GP100−ペプチド3
GGCACCACAGATGGGCACAGGCCAACTGCAGAGGCCCCTAACACCACAGCTGGCCAAGTGCCTACTACAGAAGTTGTGGGTACTACACCTGGTCAGGCGCCAACTGCAGAGCCCTCTGGAACCACATCTGTGCAGGTGCCAACCACTGAAGTCATAAGCACTGCACCTGTGCAGATGCCAACTGCAGAGAGCACAGGTATGACACCTGAGAAGGTGCCAGTTTCAGAGGTCATGGGTACCACACTGGCAGAGATGTCAACTCCAGAGGCTACAGGTATGACACCTGCAGAGGTATCAATTGTGGTGCTTTCTGGAACCACAGCTGCA (配列番号98)
【0196】
タンパク質配列:
GTTDGHRPTAEAPNTTAGQVPTTEVVGTTPGQAPTAEPSGTTSVQVPTTEVISTAPVQMPTAESTGMTPEKVPVSEVMGTTLAEMSTPEATGMTPAEVSIVVLSGTTAA (配列番号99)
【0197】
GP100−ペプチド4:
CAGGTAACAACTACAGAGTGGGTGGAGACCACAGCTAGAGAGCTACCTATCCCTGAGCCTGAAGGTCCAGATGCCAGCTCAATCATGTCTACGGAAAGTATTACAGGTTCCCTGGGCCCCCTGCTGGATGGTACAGCCACCTTAAGGCTGGTGAAGAGACAAGTCCCCCTGGATTGTGTTCTGTATCGATATGGTTCCTTTTCCGTCACCCTGGACATTGTCCAG (配列番号100)
【0198】
タンパク質配列:
QVTTTEWVETTARELPIPEPEGPDASSIMSTESITGSLGPLLDGTATLRLVKRQVPLDCVLYRYGSFSVTLDIVQ (配列番号101)
【0199】
GP100−ペプチド5
GGTATTGAAAGTGCCGAGATCCTGCAGGCTGTGCCGTCCGGTGAGGGGGATGCATTTGAGCTGACTGTGTCCTGCCAAGGCGGGCTGCCCAAGGAAGCCTGCATGGAGATCTCATCGCCAGGGTGCCAGCCCCCTGCCCAGCGGCTGTGCCAGCCTGTGCTACCCAGCCCAGCCTGCCAGCTGGTTCTGCACCAGATACTGAAGGGTGGCTCGGGGACATACTGCCTCAATGTGTCTCTGGCTGATACCAACAGCCTGGCAGTGGTCAGCACCCAGCTTATCGTGCCTGGGATTCTTCTCACAGGTCAAGAAGCAGGCCTTGGGCAG (配列番号102)
【0200】
タンパク質配列:
GIESAEILQAVPSGEGDAFELTVSCQGGLPKEACMEISSPGCQPPAQRLCQPVLPSPACQLVLHQILKGGSGTYCLNVSLADTNSLAVVSTQLIVPGILLTGQEAGLGQ (配列番号103)
【0201】
GP100−ペプチド2
CCTCTGACCTTTGCCCTCCAGCTCCATGACCCTAGTGGCTATCTGGCTGAAGCTGACCTCTCCTACACCTGGGACTTTGGAGACAGTAGTGGAACCCTGATCTCTCGGGCACYTGTGGTCACTCATACTTACCTGGAGCCTGGCCCAGTCACTGCCCAGGTGGTCCTGCAGGCTGCCATTCCTCTCACCTCCTGTGGCTCCTCCCCAGTTCCAGCTAGC (配列番号104)
【0202】
タンパク質配列:
PLTFALQLHDPSGYLAEADLSYTWDFGDSSGTLISRAXVVTHTYLEPGPVTAQVVLQAAIPLTSCGSSPVPAS(配列番号105)
【0203】
サイクリンB1抗原。CCNB1としても知られているサイクリンB1は、有糸分裂に関与する調節タンパク質をコードするヒト遺伝子である。サイクリンB1は、p34(cdc2)と複合体を形成して、成熟促進因子(MPF)を形成する。別の転写開始部位の結果である、別の2つの転写物が知られている。第1の転写物は、恒常的に発現される転写物をコードする。第2の転写物は、G2/M期に主に発現される細胞周期調節性転写物である。
【0204】
以下のアミノ酸配列は、ヒトサイクリンB1である。T細胞エピトープを含有することが知られている2つのペプチド領域は、太字で下線を引き、またイタリック体で下線を引いて強調する。
ペプチド-1 MEMKILRALNFGLGRPLPLHFLRRASKIGEVDVEQHTLAKYLMELTMLDY (配列番号107)
ペプチド-2
DWLVQVQMKFRLLQETMYMTVSIIDRFMQNNCVPKK (配列番号108)
【0205】
図35は、トランスフェクトされた哺乳動物293F細胞から分泌されたプロトタイプサイクリンB1ワクチンの相対的な発現レベルの概要を示す。可動性リンカー配列は、分泌を容易にする。
【0206】
C1189 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−2(イタリック体)−ペプチド−1(太字−イタリック体)−f4(太字)] [ASリンカー、下線を引く]
【0207】
上記は、抗CD4012E12サイクリンB1ワクチンの1つの形態についての成熟分泌重鎖の配列である。AS残基は、結合制限部位に由来する。DNAコード配列を下記に示す、また、これは、シグナルペプチドを含む。
【0208】
C1143 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hCyclinB1−ペプチド−2(イタリック体)−f3(太字)] [ASリンカー、下線を引く]。
【0209】
上記は、抗CD4012E12サイクリンB1ワクチンの1つの形態についての成熟分泌重鎖の配列である。AS残基は、結合制限部位に由来する。DNAコード配列を下記に示す、また、これは、シグナルペプチドを含む。
【0210】
C911 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−1(イタリック体)−f4(太字)]
【0211】
C911 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1(太字)−hサイクリンB1−ペプチド−1(イタリック体)−f4(太字)]核酸配列。
【0212】
D型サイクリン抗原。D型サイクリンは、細胞周期のG1期中に主に発現する。サイクリンD1の発現パターンは、リンパ腫及び非小細胞肺癌を含むある種の癌型において広範囲に研究されてきた。乳癌の約30パーセントは、サイクリンD1陽性である。サイクリンD1の過剰発現は、今や、特有の染色体転座t(11;14)によって特徴づけられるマントル細胞リンパ腫、悪性非ホジキンリンパ腫の診断のための十分に確立された基準である。
【0213】
サイクリンD1−ペプチド1は太字、ペプチド2は太字で下線を引き、ペプチド−3はイタリック体、ペプチド4は下線を引く。
【0214】
Pep-1:
MEHQLLCCEVETIRRAYPDANLLNDRVLRAMLKAEETCAPSVSYFKCV (配列番号117)
【0215】
Pep-2
QKEVLPSMRKIVATWMLEVCEEQKCEEEVFPLAMNYLDRFLSLEPVKKSRLQLLGATCMFVASKMKETIPLTAEKLCIYTDNSIRPEELLQMELL (配列番号118)
【0216】
Pep-3
LVNKLKWNLAAMTPHDFIEHFLSKMPEAEENKQIIRKHAQTFVALCATDVKFISNPPSMV (配列番号119)
【0217】
Pep-4
AAGSVVAAVQGLNLRSPNNFLSYYRLTRFLSRVIKCDPDCLRACQEQIEALLESSLRQAQQNMDPKAAEEEEEEEEEVDLACTPTDVRDVDI (配列番号120)
【0218】
【表1】
【0219】
図34は、CD40ライゲーションを介してのシグナル伝達(細胞死として読み取られる)を検出するアッセイを使用して、様々な抗体を用いて得られた結果を示す。CD40自体は、そのようなシグナルを送ることができるが、FASの細胞内ドメインは、CHO細胞中で発現した場合、比較のために使用する(Fas CHO v. CHO)。手短に言えば、CHS−S細胞は、FAS細胞内ドメインに融合されたhCD40ectodomain(商標)又はhCD40についての発現ベクターを用いてトランスフェクトした。これらの細胞は通常増殖するが、CD40ライゲーションを通してのシグナル伝達は、アポトーシスシグナルを活性化した。48時間後に、MTTを培養物に追加し、活性ミトコンドリア(つまり生細胞)の含有量に直接比例する色素の還元を測定する。
【0220】
ELISA。プレートは、CD40 ecto(ヒト又はNHP coh)、次いでmAb、抗mIgG HRP又はCBD doc/次いでCD40 ecto(coh=コヘシン、NHP=非ヒト霊長動物、HRP=ホースラディッシュペルオキシダーゼ)、次いでmAb、及び次いで抗mIgG HRPを用いてコートするか、捕獲は、抗mIgG、次いでMab、次いでビオチン化CD40 ecto(ヒト又はNHP coh)とする。サイトカイン産生は、上記の実施例において記載されるように測定した。
【0221】
図35は、抗体がdocとの融合タンパク質に作製され、次いで捕獲を行った際の、様々な構築物との結合を示す。図36及び37は、GM−CSF及びIFNaの追加あり又はなし(図36A〜D)並びに24時間DCと共にインキュベートした可溶性の抗体のみ(図37A〜D)のサイトカイン産生を比較する。図38A〜Bは、直接的なB細胞増殖に対する本発明の抗CD40抗体の様々な濃度の効果を実証する。
【0222】
B細胞増殖。健常ドナーのPBMCに由来するB細胞は、B細胞濃縮キット(BD製)によって濃縮した。CFSE標識5×10e4 B細胞は、6日間、50ユニット/ml IL−2の存在下において、10% FCSを含有するRPMI培地中で培養した。B細胞増殖は、フローサイトメトリーを使用して、CFSE希釈液を測定することによって試験した。驚いたことに、抗体が、様々な希釈液でB細胞増殖を引き起こすことができることが分かったが、免疫グロブリンコントロール及び抗CD40抗体(データ示さず)は、引き起こさなかった。
【0223】
本明細書において示される様々な構築物は、(1)抗体が、組換えマウスv領域ヒトIgG4 C領域キメラとして再構成され、(2)H鎖C末端抗原を追加した(1)との関連において活性を保持することができる場合、CD40抗体(例えば12E12)が、可変ドメインとして強い活性化が可能であることを実証する。これらの可変領域、ペプチド融合タンパク質及び/又は複合体は、ワクチン効能を大いに増強する。
【0224】
本明細書において議論されるいかなる実施形態も、本発明のいかなる方法、キット、試薬、又は組成物に関しても実現することができ、逆もまた同様であることが企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用することができる。
【0225】
本明細書において記載される特定の実施形態は、本発明の限定としてではなく例証として示されることが理解されるであろう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態において用いることができる。当業者らは、日常的な実験作業だけを使用して、本明細書において記載される特定の手順に対する多数の等価物を認識する又は確認することができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲内であると考えられ、請求項によって包含される。
【0226】
本明細書において言及されるすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関する、当業者らの技術のレベルを示す。すべての刊行物及び特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物又は特許出願が参照によって組み込まれるように明確に個々に示されるのと同じ程度まで参照によって本明細書に組み込まれる。
【0227】
請求項及び/又は明細書中の用語「含む(comprising)」に関連して使用される場合の単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、「1つ(one)」を意味してもよいが、それはまた、「1又は2以上の」、「少なくとも1つの」、及び「1又は1を超える」の意味と一致している。請求項中の用語「又は」の使用は、選択肢のみを指すように明示的に示されない限り、「及び/又は」を意味するために使用される又は選択肢は相互に排他的であるが、開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持する。本出願の全体にわたって、用語「約」は、値が、値を決定するために用いられるデバイス、方法についての誤差の固有の偏差又は研究対象の間に存在する偏差を含むことを示すために使用される。
【0228】
本明細書及び請求項(複数可)において使用される場合、単語「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの含む(including)の任意の形態)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有する(containing)の任意の形態)は、包括的又は非限定的であり、さらなる、記載されていないエレメント又は方法のステップを除外しない。
【0229】
本明細書において使用される用語「又はその組合せ」は、用語に先行する、列挙されたアイテムのすべての交換及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はその組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを含むように意図され、順序が特定の状況において重要な場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABもまた含む。この例を続けると、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの、1又は2以上のアイテム又は用語の反復を含有する組合せが明らかに含まれる。当業者は、状況からその他に明白でない限り、典型的に、いかなる組合せにおいてもアイテム又は用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0230】
本明細書において開示され、請求される組成物及び/又は方法はすべて、本開示に照らして不必要な実験作業なしで作製し、実施することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態によって記載されたが、変形が、本発明の概念、精神、及び範囲から逸脱することなく、組成物及び/又は方法に並びに本明細書において記載される方法のステップ又はステップの順序において適用されてもよいことが当業者らに明白であろう。当業者らに明白なすべてのそのような類似する代用及び修飾は、添付の請求項によって定義される本発明の精神、範囲、及び概念内にあると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、及び配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
重鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖定常領域が、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又は前記ヒト重鎖定常領域のバリアントを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
軽鎖定常領域をさらに含み、前記軽鎖定常領域が、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項1に記載の抗体。
【請求項10】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
ヒト化抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であって、前記抗体が、請求項1に記載の抗体である、組成物。
【請求項13】
抗体が、ヒト化抗体である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びにb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合するヒト化組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項15】
重鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖定常領域が、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域、又は前記ヒト重鎖定常領域のバリアントを含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
ヒト化抗体が、ヒト抗体フレームワーク上にa)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びにb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域の相補性決定領域を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項17】
軽鎖定常領域をさらに含み、前記軽鎖定常領域が、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項18】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される、請求項14に記載の抗体。
【請求項19】
抗体又はその抗原結合断片が、配列番号2、4、5及び7のポリペプチド配列のうちの少なくとも1つ、並びに配列番号1、3及び7のうちのポリペプチド配列の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項20】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項14に記載の抗体。
【請求項21】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項14に記載の抗体。
【請求項22】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であって、前記抗体が、請求項14に記載の抗体である、組成物。
【請求項23】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする単離核酸。
【請求項24】
請求項14に記載のポリペプチドをコードする単離核酸。
【請求項25】
ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、請求項23に記載の核酸配列を含む発現ベクター。
【請求項26】
請求項25に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項27】
ポリペプチドを作製する方法であって、核酸配列が発現する条件下で請求項26に記載の宿主細胞を培養し、それによって前記ポリペプチドを作製するステップ、及び前記宿主細胞から前記ポリペプチドを回収するステップを含む方法。
【請求項28】
ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、請求項24に記載の核酸配列を含む発現ベクター。
【請求項29】
請求項28に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項30】
ポリペプチドを作製する方法であって、核酸配列が発現する条件下で請求項29に記載の宿主細胞を培養し、それによって前記ポリペプチドを作製するステップ、及び前記宿主細胞から前記ポリペプチドを回収するステップを含む方法。
【請求項31】
配列番号9、11、12及び14の核酸配列を有する軽鎖並びに配列番号8、10及び13の核酸配列を有する重鎖を含む、CD40に特異的な抗体をコードする単離核酸配列。
【請求項32】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される抗体断片である、請求項31に記載の核酸。
【請求項33】
ヒト化抗体についてアクセプター生殖細胞系列配列を同定するための方法であって、
a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;
b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びに
c)前記非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、前記比較が、
1)前記非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるサブステップ;
2)前記配列のCDR領域及びFR領域を定めるサブステップ;
3)前記非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるサブステップ;並びに
4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての前記残基スコアを合計するサブステップを含む、ステップ;並びに
d)最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列を前記アクセプター生殖細胞系列配列として同定するステップを含む、方法。
【請求項34】
非ヒト抗体が、CD40に特異的である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法によって作製される抗体。
【請求項36】
抗体を作製する方法であって、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びに配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含み、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片を宿主細胞において発現させるステップを含む、方法。
【請求項37】
宿主細胞が、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
抗体が、ヒト化抗体である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体が単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、抗体が、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
抗体が、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体が単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項43】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項44】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項45】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項46】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項42に記載の抗体。
【請求項47】
ヒト化抗体である、請求項42に記載の抗体。
【請求項48】
抗体が単独で、B細胞の少なくとも10%のB細胞増殖を引き起こすことができる、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項49】
増殖するB細胞のパーセンテージが、少なくとも15%、20%、25%、28%、30%、又は35%である、請求項48に記載の抗体。
【請求項50】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項51】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項52】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項53】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項48に記載の抗体。
【請求項54】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項48に記載の抗体。
【請求項55】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項48に記載の抗体。
【請求項56】
ヒト化抗体である、請求項48に記載の抗体。
【請求項1】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、及び配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
重鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖定常領域が、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域又は前記ヒト重鎖定常領域のバリアントを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
軽鎖定常領域をさらに含み、前記軽鎖定常領域が、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン及び配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99、又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項1に記載の抗体。
【請求項10】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
ヒト化抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であって、前記抗体が、請求項1に記載の抗体である、組成物。
【請求項13】
抗体が、ヒト化抗体である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びにb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含む、いずれもCD40に結合するヒト化組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項15】
重鎖定常領域をさらに含み、前記重鎖定常領域が、ガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3若しくはガンマ−4ヒト重鎖定常領域、又は前記ヒト重鎖定常領域のバリアントを含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
ヒト化抗体が、ヒト抗体フレームワーク上にa)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びにb)配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域の相補性決定領域を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項17】
軽鎖定常領域をさらに含み、前記軽鎖定常領域が、ラムダ又はカッパヒト軽鎖定常領域を含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項18】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される、請求項14に記載の抗体。
【請求項19】
抗体又はその抗原結合断片が、配列番号2、4、5及び7のポリペプチド配列のうちの少なくとも1つ、並びに配列番号1、3及び7のうちのポリペプチド配列の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の抗体。
【請求項20】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項14に記載の抗体。
【請求項21】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項14に記載の抗体。
【請求項22】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて、抗体又はその抗原結合断片を含む組成物であって、前記抗体が、請求項14に記載の抗体である、組成物。
【請求項23】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする単離核酸。
【請求項24】
請求項14に記載のポリペプチドをコードする単離核酸。
【請求項25】
ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、請求項23に記載の核酸配列を含む発現ベクター。
【請求項26】
請求項25に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項27】
ポリペプチドを作製する方法であって、核酸配列が発現する条件下で請求項26に記載の宿主細胞を培養し、それによって前記ポリペプチドを作製するステップ、及び前記宿主細胞から前記ポリペプチドを回収するステップを含む方法。
【請求項28】
ベクターをトランスフェクトした宿主細胞によって認識される制御配列に作動可能に連結される、請求項24に記載の核酸配列を含む発現ベクター。
【請求項29】
請求項28に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項30】
ポリペプチドを作製する方法であって、核酸配列が発現する条件下で請求項29に記載の宿主細胞を培養し、それによって前記ポリペプチドを作製するステップ、及び前記宿主細胞から前記ポリペプチドを回収するステップを含む方法。
【請求項31】
配列番号9、11、12及び14の核酸配列を有する軽鎖並びに配列番号8、10及び13の核酸配列を有する重鎖を含む、CD40に特異的な抗体をコードする単離核酸配列。
【請求項32】
結合断片が、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、及び二重特異性抗体からなる群から選択される抗体断片である、請求項31に記載の核酸。
【請求項33】
ヒト化抗体についてアクセプター生殖細胞系列配列を同定するための方法であって、
a)配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域及び配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域から選択される所望の生物学的活性を有する非ヒト抗体を同定するステップ;
b)非ヒト抗体VH及びVLドメインのアミノ酸配列を決定するステップ;並びに
c)前記非ヒト抗体配列をヒト生殖細胞系列配列の群と比較するステップであって、前記比較が、
1)前記非ヒトVH及びVLドメイン配列に残基番号を割り当てるサブステップ;
2)前記配列のCDR領域及びFR領域を定めるサブステップ;
3)前記非ヒト及びヒト生殖細胞系列配列において同一であるそれぞれの残基位置に所定の数値スコアを割り当てるサブステップ;並びに
4)それぞれのヒト生殖細胞系列配列の総スコアを得るためにすべての前記残基スコアを合計するサブステップを含む、ステップ;並びに
d)最も高い総残基スコアを有するヒト生殖細胞系列配列を前記アクセプター生殖細胞系列配列として同定するステップを含む、方法。
【請求項34】
非ヒト抗体が、CD40に特異的である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法によって作製される抗体。
【請求項36】
抗体を作製する方法であって、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域、並びに配列番号1、3及び7のうちの少なくとも1つの抗体重鎖可変領域を含み、いずれもCD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片を宿主細胞において発現させるステップを含む、方法。
【請求項37】
宿主細胞が、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
抗体が、ヒト化抗体である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体が単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、抗体が、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
抗体が、配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、抗体が単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項43】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と90%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項44】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項45】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項46】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項42に記載の抗体。
【請求項47】
ヒト化抗体である、請求項42に記載の抗体。
【請求項48】
抗体が単独で、B細胞の少なくとも10%のB細胞増殖を引き起こすことができる、CD40に結合する組換え抗体又はその抗原結合断片。
【請求項49】
増殖するB細胞のパーセンテージが、少なくとも15%、20%、25%、28%、30%、又は35%である、請求項48に記載の抗体。
【請求項50】
配列番号1、3又は6のポリペプチド配列を含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項51】
配列番号2、4、5又は7のポリペプチド配列を含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項52】
配列番号2、4、5及び7のうちの少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメイン、並びに配列番号1、3又は7のいずれか1つの抗体重鎖可変領域と95、99又は100%の配列同一性を有する少なくとも1つの可変ドメインを含む、請求項48に記載の抗体。
【請求項53】
抗CD40_12E12.3F3(ATCC受託番号PTA−9854)、抗CD40_12B4.2C10(ATCC寄託番号HS446、受託番号______)、及び抗CD40_11B6.1C3(ATCC寄託番号HS440、受託番号______)から選択されるハイブリドーマによって産生される、請求項48に記載の抗体。
【請求項54】
樹状細胞に、前記樹状細胞を事前に活性化することなく、単独で、IL−6、MIP−1a、IL−12p40及びTNFアルファのうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項48に記載の抗体。
【請求項55】
GM−CSF及びインターフェロンアルファにより活性化された樹状細胞に、IL−6、MIP−1a、IP−10、IL−10及びIL−12p40のうちの少なくとも1つを分泌させることができる、請求項48に記載の抗体。
【請求項56】
ヒト化抗体である、請求項48に記載の抗体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B−1】
【図12B−2】
【図12C−1】
【図12C−2】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【図36C】
【図36D】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図37D】
【図38A】
【図38B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B−1】
【図12B−2】
【図12C−1】
【図12C−2】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【図36C】
【図36D】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図37D】
【図38A】
【図38B】
【公表番号】特表2012−520074(P2012−520074A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554097(P2011−554097)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/026375
【国際公開番号】WO2010/104761
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(509004712)ベイラー リサーチ インスティテュート (38)
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/026375
【国際公開番号】WO2010/104761
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(509004712)ベイラー リサーチ インスティテュート (38)
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
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