折りたたみ式袋物
【課題】１枚の正方形布を基本とする布体をベースとするものでありながら、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供する
【解決手段】布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形で要部を構成し、互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成され、前記布状体と、前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成される。
【解決手段】布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形で要部を構成し、互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成され、前記布状体と、前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、折りたたみ式袋物に係り、特に風呂敷などの正方形布を用いた袋物の改良に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
伝統的な風呂敷は、古くから日本文化の中で広く用いられてきており、１枚の布が果たす役割としては非常に大きいものがあった。そして、結んだり解いたり、持ち歩きの際に包みが崩れないように、また持ちやすいように、との配慮から、留め具や紐を用いてきた。
【０００３】
このような留め具や紐の使用においても、さまざまな改良がなされてきた。たとえば特許文献１では、方形状の本体の相対する２辺の中央に、部分的に紐を配し其々に結び留め、もう１対の相対する２辺には、巾一杯に貫通させており、この紐を引き出すと袋状になり、その２本の紐の端を其々に結び、持ち手として使用する。
【０００４】
また、特許文献２においてはループ状の紐を用い、４辺の紐通し用管状部に貫通させており、その紐を引き出して袋状にする。すなわち、この例では、図６１に示すように、布体（１０１）の周囲各辺に沿って、４隅付近を開口状にした紐通路（１０２）を設け、紐（１０３）が各通路にループ状に挿通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開昭５２−１４７４号公報
【特許文献２】特開平１１−１５２１４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記の特許文献１においては、袋の状態にしたときの布目がバイアス状ではない為、きれいなギャザーが出ず、意匠性が十分でないだけでなく、軽い物の場合はよいが、重い物を入れる場合、荷物の収まりは良くない。さらに隅部の用布面積も活かされない。
上記特許文献２においては、４辺に配された紐を引いて袋状にするが、図６１にも示されているように、開口を絞り込んで袋状にするものである。この構造では、外観上も風呂敷の延長に過ぎず、バッグをイメージするには程遠い形状である。またその紐は、ループ状であるために、収納する際に隅部の用布を充分に活用することが出来ず収納量が少ない。口を閉じて使用する場合はさらに収納量が少なくなる。引き出された紐はいずれもループ状であり、それを結び留めるのは煩雑であり、解く場合は尚いっそう煩雑である。
【０００７】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そこで本発明の折りたたみ式袋物は、上記の課題を解決すべく、正方形の布状体と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、前記紐部は、前記正方形の布状体の各辺の端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐とで構成されており、前記紐通し用管状部は、各辺の中央部の５分の３の長さを有するように構成されたことを特徴とする。
すなわち、正方形の布状体の４隅を遊離片としこの遊離片を付加的に有する８角形、あるいは正方形の４隅を除いた８角形を用いたものであって、基本的には８角形の要部を持つ布状体で構成される。そして互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有する８角形の布状体と、前記１対の短辺を除く前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、前記紐部は、前記８角形の長辺に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記短辺を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記長辺の端縁に沿って導出された紐とで構成されている。
この構成によれば、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、使用時には布体という平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れ、持ちやすいバッグに変身し得るものとなる。さらに、用布面積を効率よく活かし、それによる収納量の増大を図ることができる。
【０００９】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、複数の用布を重ね合わせて形成される。
【００１０】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形であり、互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成され、８角形の布状体と、前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成される。
【００１１】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、前記短辺に連続する直角二等辺三角形の連続片が遊離片として残るように正方形の４隅を残して形成された８角形からなる本体部と、前記４つの遊離片とで構成されたものである。
【００１２】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体が、正方形の４隅を折り込みにより形成された隅切りである短辺と、前記正方形の辺である長辺とを有する８角形の布状体であり、使用時に、前記紐の導出部で囲まれた１対の短辺は、それぞれ当該短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成する。
この構成によれば、紐の導出部で囲まれた１対の短辺が、絞込まれてしまうのではなく、短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成することで、バッグのまちのような外観となり、美しい外観を具有するものとなる。そしてその収納力を充分に活かした場合は布状体が荷物に密着し、ピンと張りを呈することで、荷物の重量を布状体全体に分散させることになり、持ちやすくもなる。また収納として余裕がある場合は美しいギャザーや重なりを呈する。
【００１３】
ここでは、正方形布の４隅を折り込みにより形成された隅切り部分である短辺を有する８角形の布状体であり、前記布状体の相対向する１対の短辺に対して対称に設けた１対の紐部で構成されており、前記紐部は前記８角形の長辺に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記短辺を介し近接する２つの長辺に設けられた紐通し用管状部に連続して貫通させた紐とで構成されており、それに対向する側にも紐を貫通させている。
この構成によれば、使用時、折り込みにより２重になった部分が、短辺の張り出し部の張りに有効に作用し、意匠性に優れたものとなる。
さらに短辺、長辺の縫製にあたり、正方形布に対して切り込み、切除をしないため、形状維持と耐久性に優れたものとなっている。
【００１４】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記長辺と短辺の長さは３：√２となるように形成された８角形である。
この構成によれば、正方形の１辺を１：３：１に分割し、４隅の隅部を内部に折り込むことで短辺の布目も正バイアスで構成され、伸縮性を充分に活かすことが出来、形状に沿った美しいギャザーができ、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供することができる。
【００１５】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から所定の距離にある管状部であるものを含む。
【００１６】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、着脱自在であるものを含む。
【００１７】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記布状体の前記長辺の周縁部に装着された複数のリングで構成されたものを含む。
【００１８】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある第１の管状部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある第２の管状部とを具備したものを含む。
【００１９】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記布状体は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、前記紐通し用管状部は、長辺に沿って端縁から第１の距離にある外縁部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある内縁部とを具備したものを含む。
【発明の効果】
【００２０】
以上説明したように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、使用時には布体という平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、持ちやすいバッグのような外観をもつものとなり、極めて意匠性の高い袋物となる。さらに、用布面積を効率よく活かし、それによる収納量の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の布目を模した斜視図
【図２】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の平面図
【図３】 本発明の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部を示す図
【図４】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の寸法関係を示す説明図
【図５】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図６】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の使用時の布状体を示す説明図（３：√２の比率の場合）
【図７】 本発明の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体の比較例を示す図、（ａ）短辺が短い例を示す図、（ｂ）短辺が長い例を示す図
【図８】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物（図１）の上面図
【図９】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の側面図
【図１０】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の底面図
【図１１】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の平面図
【図１２】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の正面図
【図１３】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の上面図
【図１４】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の側面図
【図１５】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の底面図
【図１６】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の平面図
【図１７】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の紐部
【図１８】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の断面図
【図１９】 本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物の平面図
【図２０】 本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物の要部拡大図
【図２１】 本発明の実施の形態５の折りたたみ式袋物の平面図
【図２２】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の平面図
【図２３】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の縫製工程図
【図２４】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の使用例の正面図
【図２５】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の上面図
【図２６】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の側面図
【図２７】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の底面図
【図２８】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の平面図
【図２９】 発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場の断面斜視図
【図３０】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の正面図
【図３１】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の上面図
【図３２】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の側面図
【図３３】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の底面図
【図３４】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に荷物を収納した場合の斜視図
【図３５】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の平面図
【図３６】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部を示す図
【図３７】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の寸法関係を示す説明図
【図３８】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図３９】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体（使用例１）を示す説明図
【図４０】 本発明の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体との比較例を示す図、（ａ）短辺が短い例を示す図、（ｂ）短辺が長い例を示す図
【図４１】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４２】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４３】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４４】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例１の使用状態を示す組立工程（紐操作）を示す説明図（ａ）布状体に荷物を載せた図、（ｂ）紐操作を示す図、（Ｃ）紐操作の最終段階を示す図
【図４５】 図４４（ｃ）の要部拡大図
【図４６】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例２の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図４７】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例２の使用時の布状体を示す図（３：√２の比率の場合）
【図４８】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の平面図
【図４９】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例１の使用状態を示す組立工程（紐操作）を示す説明図（ａ）布状体に荷物を載せた図、（ｂ）紐操作を示す図、（ｃ）紐操作の最終段階を示す図
【図５０】 図４９（ｃ）の要部拡大図
【図５１】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の場合の布状体の原理説明を示すための斜視図（３：√２の比率の場合）
【図５２】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の上面図
【図５３】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の側面図
【図５４】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の底面図
【図５５】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の正面図
【図５６】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の上面図
【図５７】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の側面図
【図５８】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の底面図
【図５９】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の紐操作を示す説明図
【図６０】 本発明の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部の変形例を示す図
【図６１】 従来例の包装袋を示す図
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に荷物を収納した布状体に布目を模した斜視図である。図２はこの折りたたみ式袋物の展開状態を示す図である。
この折りたたみ式袋物は、図２に示すように、正方形の布状体１１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部１２とで構成されており、前記紐部は、前記正方形の布状体の各辺の端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部１３と、前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐１４とで、構成されており、前記紐通し用管状部は、各辺の中央部に、各辺の長さＤ０の５分の３の長さを有するように構成されている。
そして、この布状体は、正方形の４隅を遊離片Ｆとしており、この正方形の１辺の長さＤ０の５分の１の長さを２等辺とする直角２等辺３角形を除くと８角形を構成する。すなわち、主要部は８角形で構成されており、互いに平行で長さの等しい２対の長辺Ｂ０（Ｂ０１とＢ０３、Ｂ０２とＢ０４）と、互いに平行で、長さの等しい２対の短辺Ａ０（Ａ０１とＡ０３、Ａ０２とＡ０４）とを有する８角形の布状体１１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部１２とで構成されている。そして、各紐部は８角形の長辺Ｂ０に設けられた４本の紐通し用管状部１３と、短辺Ａ０を介し近接する２つの紐通し用管状部１３に連続して貫通せしめられ、長辺Ｂ０の端縁に沿って導出された紐１４とで構成されている。この長辺Ｂ０（Ｂ０１とＢ０３、Ｂ０２とＢ０４）は正方形の１辺の５分の３の長さを有している。
【００２３】
そして、この布状体１１の長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４には、４本の紐通し用管状部１３が形成され、その両端に開口Ｈ０１、Ｈ０２、Ｈ０３、Ｈ０４、Ｈ０５、Ｈ０６、Ｈ０７、Ｈ０８が形成されている。その開口は、前記長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４と、短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４との交点から短辺に沿って設けられている。
正方形の布状体は、４隅の遊離片Ｆと、主要部を構成する８角形とで構成される。この８角形の布状体に、２本の紐が貫通しており、その紐１４の一方は、開口Ｈ０１から挿入されＡ０２の短辺を経て開口Ｈ０４から導出され、紐１４の他方は開口Ｈ０８から挿入されＡ０４の短辺を経て開口Ｈ０５から導出されている。各紐１４の両端には、抜け落ち防止部分１６を形成している。
【００２４】
つまり、紐１４の先端部分は装飾を兼ねて、図３に示すように紐と相性の良い、共布で細工を施し、抜け落ち防止部分１６を形成する。
【００２５】
なお、紐の長さについては、布状体の出来上がり巾の長さが短い場合は、袋物自体が小さいため紐の長さも短くなる。そのため使用する場合に紐の長さが充分でない場合もあるので、結びしろと持ち手に要する長さを見込んだ上で紐の長さを決めると良い。
【００２６】
次に、本発明の実施の形態で用いる布状体の、長辺と短辺の長さの割合について、図４を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、正方形の布状体の巾Ｄ０を１：３：１に分割し、この１／５Ｄ０分だけ、４隅の隅部を正バイアスにて遊離片Ｆを構成するように残すことにより、長辺Ｂ０（Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４）と短辺Ａ０（Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４）とが交互に形成された８角形の布状体が形成される。図４に示すように、長辺Ｂ０の長さが３であるとき、遊離片の斜辺部分でもある短辺の長さは√２となる。
【００２７】
上述したように、図４において、１５Ｓは元の正方形の布状体の巾Ｄ０の１／５を一辺とする正方形、１５Ｌは短辺を一辺とする正方形である。１５Ｓと１５Ｌに挟まれた３角形は直角２等辺３角形１５Ｔとなる。正方形布を用いているが、４隅の小さい格子模様で表した直角２等辺３角形の部分を遊離片Ｆとし、基本的な骨格構造をなすのは、８角形の布状体である。つまり、４隅の直角２等辺３角形の部分を遊離片Ｆとし、この遊離片Ｆの斜辺を、短辺としている。ここで、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、この４隅の遊離片Ｆの部分の直角２等辺３角形と他の直角２等辺３角形１５Ｔは合同となる。ここで長辺Ｂ０は正方形１５Ｓの１辺とその両隣の直角２等辺３角形１５Ｔの短い辺２つ分に相当し、ここに紐通し用管状部１３が形成される。
【００２８】
図５は本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の布状体の使用例１の原理を説明する図である。図４の短辺Ａ０１とＡ０３が袋物の口となり、短辺Ａ０２とＡ０４がまちの部分を形成しており、図５に従って作成し、荷物を収納した状況を表したものが図１に示す本発明の折りたたみ式袋物となる。
【００２９】
図４に示すように、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、底部となる８角形の領域Ｒ０の周囲に、正方形１５Ｓと１５Ｌ、直角２等辺３角形１５Ｔが上下、左右が対称となるように配置される。この状態で、図５に示すように、立体形に折りたたまれ、紐通し用管状部１３が形成された各長辺Ｂ０の部分がギャザーで縮められるが、この図より、基本的な構造部を構成する正方形１５Ｓと１５Ｌに対し、その間に直角２等辺３角形が対称的に配されており、この直角２等辺３角形部分の存在により、均一にギャザー部を形成することができることが分かる。この図形的特徴が本発明の実用性及び安定した意匠性を提供している。
【００３０】
図４は上記に述べたように、長辺と短辺の比が望ましい場合の３：√２で構成された寸法関係を示した図である。図５は図４に示した布状体を用いて形成した袋物すなわち、使用例１の折りたたみ方の原理を説明した図である。図６は、図４と図５に従い作成された使用例１の布状体を袋物の形状にしたものに布目を模した説明図である。
【００３１】
図６に示すように、挿入した紐１４を引くと、紐通し用管状部１３にギャザーが寄せられ、袋物の口となる短辺Ａ０１とＡ０３及びまちの部分の短辺Ａ０２とＡ０４は、ギャザー部を介してほぼ直線となり、袋物の底部となる外周は布目のバイアスが活かされ半円形に近い形状となる。このことが袋物としての機能を高め、４隅の遊離片は、短辺の位置で外方に折り返され、隅部に存在することで、ボリューム感を持たせることになり、形状を美しくするように作用している。
【００３２】
実際に荷物を収納する際には、紐１４を引き出して、絞り込まれた紐通し用管状部１３はＵ字状に湾曲する。それにより寄せられたギャザーが広げられ、底部にかけて、均等に放射状に自然に平らになる。なお４隅の遊離片Ｆは短辺の位置で自然に外側に折り返り、図６から分かるように、上記ギャザーの作用により、程よくふくらみ、ボリュームをもたせることができ、袋物の形状を美しくしている。また、収納された荷物の重量がかかることで、袋物の口となる短辺Ａ０１、Ａ０３は密着するように接して、口を閉じる状態となる。一方、折り畳まれて外方へ張り出している短辺Ａ０２、Ａ０４は、上方に持ち上がり、袋物としてのデザイン性を高めている。バイアスの布目である底部の中心線ＬＣは伸ばされて、袋物の口に見合う外周を形成する長さを有しており、中心線Ｌ０Ｃを含む断面が半円形の形状となる。
【００３３】
上記のように紐を絞りこむことで袋物全体がバイアス状の布目となり、そして遊離片Ｆは短辺の位置で外方に折りかえり、装飾片としてさらに美観を呈するものとなる。また本体構造についても、バイアスの布目である布状体が、荷物の形状に沿うことから、収まりも良く、使い勝手の良さに繋がり、形状の美観を高めている。
【００３４】
このようにして、正方形布の４隅を遊離片として残し、長辺と短辺の比が３：√２の８角形の要部をもつ布状体で構成することで、平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れた袋物となる。
【００３５】
上記で長辺と短辺の長さが望ましい比である３：√２の場合について説明したが、比較検討するために、短辺が望ましい場合より短い例に布目を模した図７（ａ）と、短辺が望ましい場合より長い例に布目を模した図７（ｂ）を示す。
まず、短辺の長さが望ましい比より小さい場合について述べる。たとえば、長辺と短辺の比を４：√２とするとき（正方形布の１辺を１：４：１に分割するとき）、短辺が短くなるので、長辺が長くなる。この場合、長辺を短辺で割った値は約２．８となる（望ましい場合の長辺を短辺で割った値は約２．１）。この場合、使用時に紐を引くと、長くなった長辺の紐通し用管状部が縮められる。その結果、図７（ａ）に示すように長辺が長くなった分ギャザー分が多くなり、それら４辺の長辺の膨らみが袋物全体を膨らませている。このふくらみが、荷物の形状に沿うことを妨げており、荷物の収まりが悪く、意匠性に欠けるものである。なお、この場合の遊離片Ｆは短辺の位置でうまく折れ曲がらず、収まりが悪い。
【００３６】
次に、短辺の長さが望ましい比より長い場合について説明する。このときは短辺が長く、長辺が短くなるので、長辺を短辺で割った値が約１．５となる場合を図７（ｂ）に示した。図のように、長くなった短辺では、袋の口となる短辺が閉じないので袋物としての機能は備わりにくい。図から分かるように、折りたたまれて外方へ張り出されるはずの短辺Ａ０２、Ａ０４は、紐通し用管状部１３の開口Ｈ０２から底部の中心線Ｌ０Ｃにかけての直線の布目に沿って大きなしわが出来て垂れ下がる。その大きなしわは、収納する荷物の重量が多くなるにつれて際だち、短辺は直線の布目にそって折れ曲がるため、形状も美しくない。このように、長くなった短辺では、荷物を収納した場合も、袋の口が閉じることなく、荷物の収まりも悪く、袋物としての機能はもとより、形状が美しくない。この場合の遊離片Ｆは短辺の位置で外方に折り返るが、布状体に比して遊離片の占める割合が大きくバランスが悪い。
【００３７】
なお、本発明の折りたたみ式袋物の布状体、つまり４隅を遊離片として付加的に有する８角形の布状体として使用するものの、実際には風呂敷などの正方形であることを原則とし、正バイアスを活かした袋物である。ただし若干の縦横の寸法差は、融通及び調節されることから、用布の縦と横の長さの差は４％程度であれば誤差の範囲であり、袋物の機能への影響は少ない。
【００３８】
以下、本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の製造方法について説明する。ここでは、１枚の正方形の布状体１１を用布として用い、袋物に組み立てた場合について説明する。
本実施の形態では図２に示すように、まず４隅の遊離片Ｆが付加されている布状体１１の長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４に沿って、紐通し用管状部１３を構成するためのテープ状の布を、重ねて縫製する。この縫製により、紐通し用管状部１３と、その両端に８個の開口Ｈ０１乃至Ｈ０８が形成される。開口Ｈ０１乃至Ｈ０８は、長辺と短辺の交点から短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４に沿って形成されている。
本実施の形態では、開口が、短辺に連続している４隅の遊離片Ｆの斜辺部分に沿って形成されており、４隅の遊離片Ｆは装飾片として残されている。
【００３９】
このようにして紐通し用管状部１３を形成した後、この紐通し用管状部１３に２本の紐を貫通させて、紐を結ぶと、図８乃至図１０に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物となる。図８は上面図、図９は側面図、図１０は底面図である。
【００４０】
なお、前記実施の形態では、テープ状の布を紐通し用管状部１３として用いたが、実施の形態１の製造方法の変形例として正方形の下面用布と上面用布を重ねてステッチをかけることで紐通し用管状部を形成してもよく、２枚以上の用布を重ねてステッチをかけることで紐通し用管状部を形成してもよい。
【００４１】
例えば下面用布と上面用布とを重ねて形成する場合、８角形の上面用布上に正方形の下面用布を貼り付けるようにしてもよい。この場合、上面用布の４隅の遊離片Ｆの部分を、短辺の位置で内側に折り込み縫製すると、４辺の紐通し用管状部１３及び８個の開口が形成される。その開口Ｈ０１乃至Ｈ０８は紐通し用管状部１３の両端に形成されており、長辺と短辺の交点から短辺に沿っている。なお下面用布の４隅の遊離片はそのまま残されており、使用時には外側に折り返されて装飾片として作用する。
【００４２】
また、下面用布と上面用布とを正方形のまま２枚重ねて縫製して形成した場合、使用時に上面用布の４隅の遊離片Ｆの部分を、短辺の位置で内側に折りたたむと、内側は、紐通し用管状部１３及び８個の開口を覆い、遊離片Ｆが袋物の蓋体として作用する一方下面用布の４隅の遊離片はそのまま残されており、外側に折り返されて装飾片としての作用を呈する。このとき、縫製については、紐通し用管状部１３の端縁の位置を図２に示したものとは逆に、紐通し用管状部１３の内方側の端縁が外方側の端縁よりも内側になるように、縫い止り位置を内方側で控えるようにするのが望ましい。
【００４３】
（実施の形態２）
次に本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物について説明する。
前記実施の形態１では、１枚仕立てまたは２枚仕立ての布状体の長辺に沿って周縁部に紐通し用管状部を形成したものについて説明したが、本実施の形態では図１１乃至図１５に示すように、布状体１１の端縁から所定の距離をとり内側に紐部１２を設けた布状体である。縫製については実施の形態１と同様であるが、異なる点は、布状体の端縁から紐部１２にかけて所定の距離の幅をとっていることで、この幅は全体のバランスから、布状体１１の幅Ｄ０の１０％程度とする。寸法比は、この紐部の位置で八角形の寸法比を満たすように形成される。
図１１は本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の平面図、図１２は正面図、図１３は上面図、図１４は側面図、図１５は底面図である。
本実施の形態においても、遊離片Ｆを付加的に有する８角形の要部の周囲の部分が、使用時、紐を絞り込むとギャザーが寄せられて、装飾片として、美観を加えることになる。特に１枚仕立とすることで軽量感が付加される。
【００４４】
（実施の形態３）
次に本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図１６乃至図１８に示すように、紐部１２を着脱自在に構成したことを特徴とするものである。すなわち、紐部を面ファスナー２０で布状体１１に着脱自在に装着できるように形成している。図１７及び図１８は紐部１２を示し、図１８は図１７のＸ−Ｘ断面である。紐部１２は紐１４と紐通し用管状部１３とで構成され、背面に面ファスナー２０が取り付けられている。この紐部１２の背面の面ファスナーに対応する面ファスナー２０を上記布状体の図１６に示す所定の位置に取り付ける。他部については前記実施の形態２と同様に形成しているためここでは説明を省略する。
この構成によれば、そのまま風呂敷として用いたい場合には紐部が邪魔になることなく、使用できるため、用途を制限されることなく使用可能である。
【００４５】
（実施の形態４）
次に本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図１９および図２０に示すように、紐通し用管状部を構成する用布に代えて、リング２１を用いて紐通し用管状部を構成するものである。リング２１は長辺Ｂ０１乃至Ｂ０４に沿って装着されており、この長辺と短辺Ａ０１乃至Ａ０４との比は３：√２となる。図１９は平面図、図２０は要部拡大図である。
このように紐通し用管状部をリング２１に代えて構成してもよい。
この場合は、リングが装飾になり遊離片Ｆとともに美観を加えるものとなる。
リングは、正方形の布状体の周縁部に通すだけでよいため製造が極めて容易である。
【００４６】
（実施の形態５）
次に本発明の実施の形態５の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図２１に示すように、第１及び第２の紐部１２ｏ及び１２ｉを二重に配置した（ダブル配置した）ものである。すなわち２つの紐部が、布状体１１の端縁に沿っている外側の第１の紐部１２ｏと、端縁から所定の距離内側にある第２の紐部１２ｉとで構成されている布状体である。
これら２つの紐部の紐通し用管状部１３が、それぞれ８角形の要部を形成しており、紐１４についてもそれぞれ装着されており、いずれを使用するかによって、袋物本体部の大きさが変更可能である。すなわち、収納するものが大きい場合は外側の紐部１２ｏの紐通し用管状部の紐を引いて使用し、収納するものが小さい場合は内側の第２の紐部１２ｉの紐通し用管状部の紐を引いて使用する。このように、大小２ウェイで使用することができる。
ここで、紐通し用管状部のみを２つ設けておき、紐は用途に応じていずれかに装着できるようにしてもよい。
【００４７】
（実施の形態６）
次に、図２２乃至図３１を参照しつつ本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図２２、図２３に示すように、布状体１１（１１ａ、１１ｂ）は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、中表に折り返すことで大小２種類の大きさの袋物として使用できるようにしたものである。紐通し用管状部１３は前記布状体の長辺Ｂ０に沿って形成されており、この紐通し用管状部１３は、布状体の端縁から第１の距離に形成される外側の外縁部１３ｏと、前記外縁部から所定の距離をとり形成される内側の内縁部１３ｉとを具備している。ここで短辺部は縫い合わされていない。図２２に示す状態のときは紐通し用管状部１３を構成する外縁部１３ｏの位置で紐が絞られるため、大型の袋物を得ることができる。一方図２８に示すように、中表に折り返したときは内縁部１３ｉが外縁となり、紐１４はこの位置で絞られる。このようにして、袋物としては、大小２種類の異なる大きさにすることが可能で、大小いずれの大きさの場合でも、表裏両面の使用が可能となる。
【００４８】
この紐通し用管状部１３の外縁部１３ｏを長辺とする８角形における、長辺Ｂ０と短辺Ａ０との比は３：√２であり、また、内縁部１３ｉを長辺とする８角形における長辺Ｂｉ０（Ｂｉ０１、Ｂｉ０２、Ｂｉ０３、Ｂｉ０４）と短辺Ａｉ０（Ａｉ０１、Ａｉ０２、Ａｉ０３、Ａｉ０４）との比も３：√２である。
【００４９】
つまり、外縁部１３ｏを長辺とする大きい８角形と、内縁部１３ｉを長辺とする小さい８角形は、いずれも、長辺と短辺の比が３：√２の相似形であり、同心上に配置することで大きさの異なる２種類の袋物を形成することが可能となる。
【００５０】
この構成により、布状体の縫い代である内縁部１３ｉに沿って中表に裏返す、つまり、布状体の内側の面を表側に折り返すことが可能となり、図２８に示すようにひとまわり小さな袋物として使用できる。これらの大小関係は図２２と図２８の比較から明らかである。
【００５１】
このように折り返すことで、布状体の外形を変化させ、大きさの異なる２種類の布状体として使用することが可能となり、いずれの大きさの場合も表裏両面の使用が可能となるように構成されたことを特徴とするものである。ここでは１つの紐通し用管状部に対し紐１４は１本で、紐１４の位置が布状体の折り方で異なり、内縁部１３ｉに沿うか、外縁部１３ｏに沿うかで紐１４の位置も移動することになる。
この内縁部と外縁部との距離は３．５から５ｃｍ程度であり、美観を損なうことなく形成できるのは３．５ｃｍ程度である。
【００５２】
図２２は、本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の平面図、図２３はこの折りたたみ式袋物の縫製工程図、図２４はこの折りたたみ式袋物の使用例の正面図、図２５は同上面図、図２６は同側面図、図２７は同底面図、図２８は、同折りたたみ式袋物を折り返した場合の平面図、図２９は同断面を含む要部斜視図、図３０は同折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の正面図、図３１は同上面図、図３２は同側面図、図３３は同底面図である。
【００５３】
次に、本実施の形態の折りたたみ式袋物の縫製方法について説明する。図２２および図２３に示すように、この場合は正方形の布状体を少なくとも２枚を重ねて、細かい点線で表した外縁部１３ｏと、内縁部１３ｉの部分にのみ縫いを施すと紐通し用管状部１３が形成される。この縫製をすることで、縫いの施されていない４辺の短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４のいずれからでも容易に、内側の面を表側に折り返すことが出来る。
【００５４】
このように紐通し用管状部１３は、外縁部１３ｏと、内縁部１３ｉとの間隔を、３．５から５ｃｍ程度の幅広に形成されており、布状体は表裏両面、及び折り返した状態での表裏両面の使用が可能となるように形成されている点が異なる。ここでは図２３に示すように内側の面にレース１９を挟み込んで紐通し用管状部１３の内縁部１３ｉが形成されている。
【００５５】
大きい袋物に組み立てる場合は実施の形態１と同様である。
この場合も、２本の紐を引っ張り、紐を結ぶと、図２４乃至図２７に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物と同様となる。図２４は正面図、図２５は上面図、図２６は側面図、図２７は底面図である。
【００５６】
次に、小さい袋物に組み立てる場合について説明する。
図２８に平面図、図２９に図２８のＹ−Ｙ断面を含む要部斜視図に示すように、１辺の長さを小さくした袋物を形成することが出来る。
４隅の遊離片Ｆに隣接する短辺のいずれからでも、内側の面を表側に折り返すことが可能である。中表となるように、袋物を構成する布状体全体を折り返すのである。折り返された布状体は、図２８からも分かるように、細かい点線で表した紐通し用管状部１３と遊離片Ｆは収まりよく内側に折り込まれた状態である。このように、紐通し用管状部１３の内縁部１３ｉを長辺とする、ひとまわり小さな８角形の布状体となる。
【００５７】
この場合も、２本の紐を引っ張り、紐を結ぶと、図３０乃至図３３に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物と同様にひとまわり小型の袋物となる。図３０は正面図、図３１は上面図、図３２は側面図、図３３は底面図である。
【００５８】
このように外縁部１３ｏを長辺とした場合の折りたたみ式袋物を示す図２４乃至図２７と、内縁部１３ｉを長辺とした場合の折りたたみ式袋物を示す図３０乃至図３３との比較からもわかるように、外観も収容量も異なる２種類の袋物を形成している。
このようにして本実施の形態では２種類の大きさの袋物を形成することができる。
【００５９】
なお、この例では、用布２枚の場合について説明したが、３枚以上重ねて用いても良く、この場合は枚数に応じて異なる面を使用でき、雰囲気の異なる布を使用することにより、多様性を持たせることができる。また、前述したように大小２種類の大きさ変更に伴う裏返しに対応できる用布については、無地、先染めなどの柄物いずれについても、裏面の仕上がりのよい用布を用いることが望ましい。このように、意匠性だけでなく、意外性のある雰囲気の袋物を提供することが出来る。
【００６０】
さらにまた、３枚以上の布状体を２枚づつ紐通し用管状部の縁部を構成するように縫い、いずれかの２枚の布状体を中表となるように折り返すことで、３種以上の大きさを取ることの可能な袋物を形成することができる。
例えば、布状体を、第１乃至第３の用布を重ね合わせ、第１及び第２の用布は、前記第３の用布を残して、縫い合わされる一方、第２及び第３の用布は、前記第１の用布を残して、縫い合わされる。
また、第１及び第２の用布を重ね合わせて形成した、図２３の布状体を、２組以上縫い合わせて形成してもよい。この場合、紐通し用管状部の位置をずらして、形成することで、大きさを多段階に変更可能となる。
【００６１】
また、紐は、複数の芯体と前記芯体を覆う布体で形成されるようにすることで、より強度が高く、美観に優れた袋物を構成することが可能となる。
【００６２】
さらにまた、布体は、撚り糸を用いた平織り布を用いるのが、すべりがよく、組み立て性に優れた折りたたみ式袋物を形成することが可能となる。
【００６３】
さらに、表面にすべり加工の施された布を用いることでよりすべりのよいものとすることができる。
【００６４】
（実施の形態７）
図３４は本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に荷物を収納した布状体に布目を模した斜視図であり、用布の端を折り重ねることにより形成された額縁状の縁取りを有する形態である。図３５はこの折りたたみ式袋物の展開状態を示す図である。
この折りたたみ式袋物は、図３５に示すように、互いに平行で長さの等しい２対の長辺Ｂ（Ｂ１とＢ３、Ｂ２とＢ４）と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺Ａ（Ａ１とＡ３、Ａ２とＡ４）とを有する８角形の布状体１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部２とで構成されており、前記各紐部は、前記８角形の長辺Ｂに設けられた４本の紐通し用管状部３と、前記短辺Ａを介し近接する２つの紐通し用管状部３に連続して貫通せしめられ、前記長辺Ｂの端縁に沿って導出された紐４とで構成されている。
【００６５】
そして、この布状体１の長辺Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４には４本の紐通し用管状部３が形成され、其々短辺Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４との境界である紐通し用管状部３の両端には、開口Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３、Ｈ４、Ｈ５、Ｈ６、Ｈ７、Ｈ８が形成されている。この８角形の布状体に、２本の紐が貫通しており、その紐４の一方は開口Ｈ１から挿入されＡ２の短辺を経て開口Ｈ４から導出され、紐４の他方は開口Ｈ８から挿入されＡ４の短辺を経て開口Ｈ５から導出されている。各紐４の両端には抜け落ち防止部分６を形成している。
【００６６】
紐４の先端部分は装飾を兼ねて、図３６に示すように紐と相性の良い、共布で細工を施し、抜け落ち防止部分６を形成する。
【００６７】
なお、紐の長さについては、布状体の出来上がり巾の長さが短い場合は、袋物自体が小さいため紐の長さも短くなる。そのため使用する場合に紐の長さが充分でないので、結びしろと持ち手に要する長さを見込んだ上で決めると良い。
【００６８】
次に、本発明の実施の形態で用いる布状体の、長辺と短辺の長さの割合について、図３７を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、正方形の布状体の巾Ｄを１：３：１に分割し、この１／５Ｄ分だけ、４隅の隅部を正バイアスにて折り込みをすることにより、長辺Ｂと短辺Ａとが交互に形成された８角形の布状体が形成される。図３７に示すように、長辺Ｂの長さが３であるとき、折り込まれた短辺の長さは√２となる。
【００６９】
上述したように、図３７において、５Ｓは元の正方形の布状体の巾Ｄの１／５を一辺とする正方形、５Ｌは短辺を一辺とする正方形である。５Ｓと５Ｌに挟まれた３角形は直角２等辺３角形５Ｔとなる。正方形布を８角形の布状体とするために、４隅の１点鎖線で表した直角２等辺３角形の部分を折り込み、短辺としているが、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、この折り込む部分の直角２等辺３角形と他の直角２等辺３角形５Ｔは合同となる。ここで長辺Ｂは正方形５Ｓとその両隣の直角２等辺３角形５Ｔの短い辺２つに相当し、ここに紐通し用管状部３が形成される。
【００７０】
図３８は本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の布状体の使用例１の原理を説明する図である。図３７の短辺Ａ１とＡ３が袋物の口となり、短辺Ａ２とＡ４がまちの部分を形成するように折りたたみ、図３８に従って作成して、荷物を収納した状況を表したものが図３４に示す本発明の折りたたみ式袋物となる。
【００７１】
図３７に示すように、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、底部となる８角形の領域Ｒの周囲に、正方形５Ｓと５Ｌ、直角２等辺３角形５Ｔが上下、左右が対称となるように配置される。このとき底部となる８角形はこの折りたたみ式袋物の８角形に対して同心状に配置されている。この状態で、図３８に示すように、立体形に折りたたまれ、紐通し用管状部３が形成された各長辺Ｂの部分がギャザーで縮められるが、この図より、基本的な構造部を構成する正方形５Ｓと５Ｌに対し、その間に直角２等辺３角形が対称的に配されており、この直角２等辺３角形部分の存在により、均一にギャザー部を作ることができることが分かる。この図形的特徴が本発明の実用性及び安定した意匠性を提供している。
【００７２】
図３７は上記に述べたように、長辺と短辺の比が望ましい場合の３：√２で構成された寸法関係をも示した図である。図３８は図３７を基に使用例１の形態となる折りたたみ方の原理を説明した図である。図３９は、図３７と図３８に従い作成された使用例１の布状体を袋物の形状にしたものに布目を模した説明図である。
【００７３】
図３９に示すように、挿入した紐４を引くと、紐通し用管状部３にギャザーが寄せられ、袋物の口となる短辺Ａ１とＡ３、まちの部分の短辺Ａ２とＡ４がギャザー部を介してほぼ直線となり、袋物の底部となる外周は布目のバイアスが活かされ半円形に近い形状となる。このことが袋物としての機能を高め、形状も美しくする。
【００７４】
実際に荷物を収納する際には、紐４を引き出して、絞り込まれた紐通し用管状部３はＵ字状に湾曲する。それにより寄せられたギャザーが広げられ、底部にかけて、均等に放射状に自然に平らになる。図３９から分かるように、上記ギャザーの作用により、程よくふくらみ、袋物の形状を美しくしている。また、収納された荷物の重量がかかることで、袋物の口となる短辺Ａ１、Ａ３は重なり合い、口を閉じる状態となる。一方、折り畳まれて外方へ張り出している短辺Ａ２、Ａ４は、上方に持ち上がり、袋物としてのデザイン性を高めている。バイアスの布目である底部の中心線Ｌｃは伸ばされて、袋物の口に見合う外周を形成する長さを有しており、中心線Ｌｃを含む断面が半円形の形状となる。
【００７５】
上記のように紐を絞りこむことで袋物全体がバイアス状の布目となる。バイアスの布目である布状体が、荷物の形状に沿うことから、収まりも良く、使い勝手の良さに繋がり、形状の美観を高めている。
【００７６】
このようにして、長辺と短辺の比が３：√２の８角形の布状体で構成することで、平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れた袋物となる。
【００７７】
上記で長辺と短辺の長さが望ましい比である３：√２の場合について説明したが、比較検討するために、短辺が望ましい場合より短い例に布目を模した図４０（ａ）と、短辺が望ましい場合より長い例に布目を模した図４０（ｂ）を示す。
まず、短辺の長さが望ましい比より小さい場合について述べる。たとえば、長辺と短辺の比を４：√２とするとき（正方形布の１辺を１：４：１に分割するとき）、短辺が短くなるので、長辺が長くなる。この場合、長辺を短辺で割った値は約２．８となる（望ましい場合の長辺を短辺で割った値は約２．１）。この場合、使用時に紐を引くと、長くなった長辺の紐通し用管状部が縮められる。その結果、図４０（ａ）に示すように長辺が長くなった分ギャザー分が多くなり、それら４辺の長辺の膨らみが袋物全体を膨らませている。このふくらみが、荷物の形状に沿うことを妨げており、荷物の収まりが悪く、意匠性に欠けるものである。
【００７８】
次に、短辺の長さが望ましい比より長い場合について説明する。このときは短辺が長く、長辺が短くなるので、長辺を短辺で割った値が約１．５となる場合を図４０（ｂ）に示した。図のように、長くなった短辺では、袋の口となる短辺が閉じないので袋物としての機能は備わりにくい。図から分かるように、折りたたまれて外方へ張り出されるはずの短辺Ａ２、Ａ４は、紐通し用管状部３の開口Ｈ２から底部の中心線Ｌｃにかけての直線の布目に沿って大きなしわが出来て垂れ下がる。その大きなしわは、収納する荷物の重量が多くなるにつれて際だち、短辺は直線の布目にそって折れ曲がるため、形状も美しくない。このように、長くなった短辺では、荷物を収納した場合も、袋の口が閉じることなく、荷物の収まりも悪く、袋物としての機能はもとより、形状が美しくない。
【００７９】
なお、本発明の折りたたみ式袋物の布状体、つまり隅部を折りたたむ前の布状体は風呂敷などの正方形であることを原則とし、正バイアスを活かした袋物である。ただし若干の縦横の寸法差は、融通及び調節されることから、用布の縦と横の長さの差は４％程度であれば誤差の範囲であり、袋物の機能への影響は少ない。
【００８０】
以下、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の製造方法について説明する。ここでは、用布２枚を用いた場合について説明する。
まず、図４１に示すように正方形の下面用布１ａと上面用布１ｂを重ねた状態で、下面用布の隅を折り重ねる。ついで、図４２に示すように、さらに隅を折り込んで、縫い目８を施すと４辺の短辺部分Ａ（Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４）が形成される。ついで図４３に示すように、下面用布１ａの４つの長辺Ｂ（Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４）の端縁を折り込んで、縫い目８を施すと、４辺の紐通し用管状部３が形成される。上記４辺の紐通し用管状部３の折り込みにより８個の開口が形成される。その開口Ｈ１乃至Ｈ８は紐通し用管状部３の端縁に対し４５度の傾斜角を有している。
【００８１】
このようにして紐通し用管状部３を形成した後、２本の紐を貫通させて、紐を結ぶと、実施の形態７の折りたたみ式袋物となる。
【００８２】
なお、この例では、用布２枚の場合について説明したが、３枚以上重ねて用いても良く、また、用布１枚にて、仕立てることも可能である。下面用布１ａを用いる場合は、図４３の下面を袋物の表面として使用する。複数枚の用布を用いる場合は、より風合いもよく強度的に優れ、張りもあり意匠性にも優れた袋物を提供することが出来る。
用布の性質により必要であるならば、縫いを施す部分に、接着芯を貼り付けて布目を補強しても良い。布の片面に特殊な糊が塗布された接着芯を、表地の裏面に当て、アイロンの熱で押さえるだけで、効率よく芯地を貼着することができる。
【００８３】
次に、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物、組立工程（使用例１）について説明する。
図４４（ａ）乃至（ｃ）は使用例１の使用時の組立工程、紐の操作を説明する図である。細長い形状のものを収納する場合には、図４４（ａ）に示したように、布状体を広げ、短辺Ａ１、短辺Ａ３に平行になるように中央に荷物を載せ、図４４（ａ）、図４４（ｂ）に示すように、短辺Ａ１と短辺Ａ３を上面で突き合わせて、両側の開口Ｈ１、Ｈ４とＨ５、Ｈ８から引き出した紐４を、２本ずつ向き合う形で、束ねるように重ねる。図４４（ｃ）に示すように、重なっている紐の１本を用いて、開口に近い部分で結びとめ、もう一方も同様に結びとめる。
【００８４】
上記のように、荷物を収納すると、紐通し用管状部３は絞り込まれた状態となる。この袋物を持ち上げることで、布状体の中心Ｃから紐通し用管状部３にかけての布目が、重量負担を集約するように、紐通し用使用管状部３に伝えている。重量により紐と布状体が一体となり、重量負担を担うこととなる。このとき、収納する荷物の重量が増えるにつれ、外方に張り出した短辺Ａ２、Ａ４が上方に持ち上がる。
【００８５】
図４５は図４４（ｃ）の要部拡大図である。図に示すように紐通し用管状部３は絞り込まれており、きれいにおさまっている。開口Ｈ１とＨ４が重なり合い、それにより、袋の口である短辺Ａ１とＡ３も重なり合うこととなる。外方へ張り出された短辺の開口Ｈ２、Ｈ３は露出している紐のわの部分が、４５度で斜めになっている開口を紐通し用管状部内に引き込むような状態となり、短辺の張り出しを支えており、さらに形状も美しく、袋物としての機能をより高めている。
【００８６】
図４４（ｃ）のように紐結びをすることで、紐が４本重なり、重厚な感じの持ち手となり、使い勝手も向上し、袋物としての機能も高い。紐を引いて紐通し用管状部を絞り込むことで短辺が引き上げられて、用布面積の効率化が計られ、形状の美しさを呈しかつ持ち易くなる。
【００８７】
このように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、図３９に示したように、紐の導出部で囲まれた１対の短辺Ａ２、Ａ４が、絞込まれてしまうのではなく、短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成することで、バッグのまちのような外観となり、美しい外観を具有するものとなる。そしてその収納力を充分に活かすべく、大きな荷物を収納した場合は、布状体が荷物に密着しピンと張りを呈することで、荷物の重量を布状体全体に分散させ、持ちやすくもなる。また収納として余裕がある場合は、バイアス布としての美しいギャザーや重なりを呈する。
【００８８】
また、この例では紐通し用管状部の開口が、前記長辺に対し４５度の傾斜角をなすように形成されていることで、収納の際紐を引っ張ると、図４５に示したように、短辺が重なり合い、口を閉じる状態になる。それにより、収納物を包み込むことができるようになり、袋物としての機能をより高める結果となる。
【００８９】
次に、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例２について説明する。
この使用例２の使用状態を図４６、図４７に示す。図４６は、図３７の原理説明の図をもとに、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例２の布状体に正方形５Ｌ、５Ｓ、直角２等辺３角形５Ｔの位置関係を示した図である。図４７はその使用例２の布状体に布目を模した図である。この使用例２の場合は、周縁部すべてが上面に集められており、立方体や球体も、安定して美しく包める使用方法である。
【００９０】
以上説明してきたように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、バイアスの布目で使用する布状体は、縫い代分を含め一続きである１枚の用布にて形成しており、バイアスの伸縮性を充分に活かすことが出来る。短辺となる、隅部を切除せず折り込むことで形状維持と耐久性を奏効する。折りたたみ式袋物の用布面積を効率よく活かして収納力を高めており、形状に沿って包み込むことができる。
【００９１】
また、その収納力を充分に活かした場合は布状体が荷物に密着し、ピンと張りを呈する。上記布状体の構成は、直線の布目とバイアスの布目を活かした設計となっており、さらに２本の紐を用いることで、布状体全体に重量を分散させる仕組みとなっている。それらにより収納したときの形状も良く安定感がある。また収納として余裕がある場合は、美しいギャザーや重なりを呈する。
【００９２】
上記構成の布状体に荷物を包んで持ち上げると、紐がおのずと締まり安定するが、荷物がかさ高なものである場合も、重いものである場合も、収納する際には、紐を結び留める必要がある。その際、開口の部分に負担がかかることになるが、開口の端縁は、バイアスの布目が２重となっていることで、重量負担を軽減させている。加えて、開口の傾斜角により、収納の際紐を引っ張ると、短辺が重なり合いを呈し、口を閉じる状態になり、袋物の機能をより高めている。
【００９３】
すなわち、包む荷物に重量があるとき、バイアスの布目の布状体が荷物の形状に沿い袋物としての形状が出来上がるのであるが、軽くて、かさ高な荷物の場合には、紐を引っ張り、結びとめることで布状体を袋物の形状にする。このため、紐を引っ張ることと結ぶことで、開口に負担をかけることになるが、開口の布目がバイアスでしかも２重となっているので布目が伸びて、開口にかかる重量負担を軽減することとなる。用布本体は正方形布であり、用布に切り込みを入れず、切除もしていないため、伸びた部分は元に戻すことができるので、バイアスの伸縮性の効果を十分に活かすことができる。
【００９４】
また紐の端には、装飾を兼ねた抜け落ち防止の細工を施している。引き出して結ぶ際に、用途や体格に応じて、
持ち手になる紐の長さを随意に変えられる。紐が２本である布状体の構成から、荷物の形状により持ち方や包み方を変えることが出来る。上記により時に応じ軽快に袋物の体裁と機能を有することとなり、利便性を高めている。
【００９５】
上述したように、実用性だけでなく、本発明の折りたたみ式袋物によれば、４隅を折り込んだだけの単なる平らな布体が２本の紐により変化をし、美しいバッグの形を呈するといった意外性に加え、多彩な用布を用いることが出来、用布の選択によってもさまざまな風合いの折りたたみ式袋物を提供することができる。
【００９６】
（実施の形態８）
次に、本発明の折りたたみ式袋物、実施の形態８について、図面を参照しつつ説明する。図４８は、本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の平面図である。前記実施の形態７と異なるのは、紐の導出部の構造である。前記実施の形態７では図３５に示したように、紐通し用管状部の開口が、長辺に対して４５度の傾斜角をなすように形成されており、短辺上に設けられた開口縁から、紐が導出されていたのに対し、本実施の形態では、図４８に示すように、紐通し用管状部３の開口が、長辺と短辺の交点から、短辺の辺に沿って設けられている点であり、短辺上に設けられた開口縁から、長辺の端縁に沿って紐が導出されている。用布は２枚あるいは、複数枚を用いており、両面使用の形態である。他は実施の形態７と同様であり、ここでは説明を省略する。また符号については、図３５と同一符号を付した。
【００９７】
上記実施の形態８の折りたたみ式袋物は、両面使用の形態であることから、製造に際しては両面用布の縫い代の始末を、外周の端縁にて、内部に折り込み形成する。図４８に示すように、ミシン縫製で縫い目８を施すと、４辺の短辺Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４が形成され、長辺Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４の部分には、紐通し用管状部３が形成される。このようにして形成された８角形の布状体は、両面使用が可能となり、そこへ２本の紐を貫通させることで、図４９（ｃ）に示すように、折りたたみ式袋物となる。
【００９８】
この場合も、荷物を収納して持ち上げると、紐が自ずと締まり安定するが、その際、開口の正バイアスの布目が伸びて、かかる負担を軽減している。この場合も上記の構成により袋物の形状も良く、より機能も高められる。
【００９９】
以下、本発明の実施の形態８の使用例１について説明する。
図４９（ａ）乃至（ｃ）は、図４８に示した本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例１の、組み立て工程を説明する斜視図である。図４９（ｃ）は、使用例１の使用状態に、布目を模した全体図である。図５０は図４９（ｃ）の要部拡大図である。この場合は、両面使用の形態である開口の、端縁の縫い目に相当する部分を、縫い合わせることなく開口としている。そのため両面用布の間から、するりと紐を引き出すことができる。結びとめる場合も、その開口縁の布目が伸びて、結びとめた部分に沿うように囲む形状となる。図５０に示すように、短辺Ａ１、Ａ３が接した状態で、持ち上げられることにより、袋の口を閉じた状態になる。両面使用の形態にするために、両面の用布の縫い代は内部に折り込まれており、その折り重ねられた端縁に、表から縫いを施している。それにより、正バイアスの布目となる短辺は伸縮性がより活かされ、荷物の形状に沿いやすくなり、かさ高な荷物の場合にも、包み易く、袋物としての機能性を高めている。
【０１００】
さらに開口を含め紐通し用管状部３の形成については、いずれかの用布１枚を用いて、その縫い代分を含めた、用布の端に至るまで、一続きで形成されている。それにより紐通し用管状部３の内側は、縫い代も縫い目もなく、紐通し用管状部内はすっきりとしており、使い勝手もよくなり、耐久性も著しく向上する。
【０１０１】
次に、本発明の折りたたみ式袋物の実施の形態８の使用例２について説明する。
図５１は使用例２の使用状態に原理説明の位置関係を表した正面図である。正方形５Ｌ、５Ｓ、直角２等辺３角形５Ｔの位置関係は図３８と同様であるのでここでは説明を省略する（符号は図４８参照）。図５２、５３、５４は上面図、側面図、底面図である。本発明の布状体を広げて荷物を載せてから、紐の先端を結んで、その２つの結び目７を持ち上げるだけで、紐が引き出されて、図５１のようにショルダーバッグ様の体裁となる。この使用例の場合は、非常に簡単に荷物を収納でき便利である。また、用布面積を効率よく活かしており、形状を問わず、多くの物を収納できる。
【０１０２】
また、実施の形態８の使用例３について説明する。本発明の折りたたみ式袋物の使用例３の使用状態を図５５乃至図５９に示す。菓子折りなどの天地無用の場合の収納に適する使用例を示す。菓子折りの箱や、かさ高な物を安定させて美しく収納できる。そのためには、図５９の紐の操作の説明図に示すように、２本の紐による操作で、周縁部を上面に引き上げると良い。このとき、紐通し用管状部３が中央から２つに折れて、開口Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３、Ｈ４が相接する。開口Ｈ５、Ｈ６、Ｈ７、Ｈ８も同様に相接し、袋の口を閉じた状態となり、荷物の収まりも良く、安定して美しく収納できる。
【０１０３】
この場合の２本の紐にも、抜け落ち防止部分を施す。図６０に示すように変形例として、挿入した紐の先端を用いて玉結びなどの飾り結びを施しても良い。
【０１０４】
上記使用例１から３について説明したが、袋物としての形状が大きく異なるのは、仕立て方や、布状体の面積の大小からもたらされるものだけではなく、収納する荷物の形状の違いからくる紐の操作の違いも大きいことが分かる。
例えば、
（１）横に長い形状の物を収納する場合に、２本の紐を引き出して開口近くで結びとめた、ふくらみをもつバッグのようになる使用例。
（２）立方体や球体などに向く使用例。
（３）引き出した紐の端を結びショルダーバッグのようにする使用例。
（４）引き出した紐を、短辺に露出している紐にくぐらせてから、結びとめて菓子折りなどの箱や、かさ高な物に向く使用例。
このような使用例があり、さらに持ち手になる紐の長さも、体格や使用状況に応じて必要な長さに結ぶことが出来る。紐の結び方も、それぞれの好みで変えることができる。
【０１０５】
以上説明してきたように、本発明の折りたたみ式袋物は、簡単な紐の操作の違いで、想定を超えた形状の変化を見ることが出来る。これらのことから、使用の形態は記載する以外に、使う人のセンスと裁量により広がりを見る可能性を多く有するものである。
【０１０６】
またフラットな布を出発材料として、折り畳むだけで、きわめて軽量で意匠性に優れた折りたたみ式袋物を提供することが可能となる。
さらにまた、実施の形態８の両面使用の場合には、食事の際にもひざ掛けとして用いたり、あるいは、短辺のひとつの紐を長くして、首にかけ、もう一方の紐をウエストで縛ることで、ジャケットのインナーとしても使用でき、バッグの中に１枚入れておくだけで種々の用途に使用可能である。
【０１０７】
従来、表裏のある１枚の布の風呂敷にて包みを施し、使用するに当たり、必ず裏面が目に入り、解く場合も同様である。絹製の風呂敷など大変に美しく優雅であるが日常的に使用するには、高価でもあり、耐久性にも不安がある。これに対し、本発明の折りたたみ式袋物において、用布を複数枚用いて形成することで、耐久性ばかりでなく、繊細な風合いの用布も使用可能となる。
なお、以上の実施の形態のすべてにおいて、複数枚の布状体を重ねて使用したり、紐部を着脱自在に変更したり、リングなどで代用したり、各実施の形態で用いられている構成の一部を適宜組み合わせて使用することも可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【０１０８】
以上説明したように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、きわめてシンプルな構成でありながら、外観性に優れた袋物であり、機械的強度も高く収納性に優れていることから、洋布のみならず、和布でも製造でき、和洋装いずれの場合にも適用可能であり、携帯用としても有効である。
【符号の説明】
【０１０９】
【符号の説明】
１、 １１ 布状体
１ａ、 １１ａ 下面用布
１ｂ、 １１ｂ 上面用布
２、 １２ 紐部（２は紐通し用管状部３と紐４で構成、１２は紐通し用管状部１３ と紐１４で構成）
１２ｏ 布状体の端縁から近い側にある第１の紐部
１２ｉ 布状体の端縁から遠い側にある第２の紐部
３、 １３ 紐通し用管状部
１３ｏ 紐通し用管状部の外縁部
１３ｉ 紐通し用管状部の内縁部
４、 １４ 紐
５Ｓ、 １５Ｓ 小さい正方形
５Ｌ、 １５Ｌ 大きい正方形
５Ｔ、 １５Ｔ 直角２等辺３角形
６、 １６ 抜け落ち防止部分
７、 １７ 持ち手になる紐の結び目
８、 １８ ミシン縫製の縫い目
１９ レース
２０ 面ファスナー
２１ リング
Ａ１、 Ａ０１ 短辺
Ａｉ０１ 内側短辺
Ａ２、 Ａ０２ 短辺
Ａｉ０２ 内側短辺
Ａ３、 Ａ０３ 短辺
Ａｉ０３ 内側短辺
Ａ４、 Ａ０４ 短辺
Ａｉ０４ 内側短辺
Ｂ１、 Ｂ０１ 長辺
Ｂｉ０１ 内側長辺
Ｂ２、 Ｂ０２ 長辺
Ｂｉ０２ 内側長辺
Ｂ３、 Ｂ０３ 長辺
Ｂｉ０３ 内側長辺
Ｂ４、 Ｂ０４ 長辺
Ｂｉ０４ 内側長辺
Ｃ、 Ｃ０ 布状体の中心
Ｄ、 Ｄ０ 本考案折りたたみ式袋物布状体出来上がり巾
Ｆ 遊離片
Ｈ１、 Ｈ０１ 開口
Ｈ２、 Ｈ０２ 開口
Ｈ３、 Ｈ０３ 開口
Ｈ４、 Ｈ０４ 開口
Ｈ５、 Ｈ０５ 開口
Ｈ６、 Ｈ０６ 開口
Ｈ７、 Ｈ０７ 開口
Ｈ８、 Ｈ０８ 開口
Ｌ、 Ｌ０Ｃ 底部の中心線
Ｒ、 Ｒ０ 底部となる８角形の領域
１０１ 布体
１０２ 紐通路
１０３ 紐
１０４ 通路口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、折りたたみ式袋物に係り、特に風呂敷などの正方形布を用いた袋物の改良に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
伝統的な風呂敷は、古くから日本文化の中で広く用いられてきており、１枚の布が果たす役割としては非常に大きいものがあった。そして、結んだり解いたり、持ち歩きの際に包みが崩れないように、また持ちやすいように、との配慮から、留め具や紐を用いてきた。
【０００３】
このような留め具や紐の使用においても、さまざまな改良がなされてきた。たとえば特許文献１では、方形状の本体の相対する２辺の中央に、部分的に紐を配し其々に結び留め、もう１対の相対する２辺には、巾一杯に貫通させており、この紐を引き出すと袋状になり、その２本の紐の端を其々に結び、持ち手として使用する。
【０００４】
また、特許文献２においてはループ状の紐を用い、４辺の紐通し用管状部に貫通させており、その紐を引き出して袋状にする。すなわち、この例では、図６１に示すように、布体（１０１）の周囲各辺に沿って、４隅付近を開口状にした紐通路（１０２）を設け、紐（１０３）が各通路にループ状に挿通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開昭５２−１４７４号公報
【特許文献２】特開平１１−１５２１４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記の特許文献１においては、袋の状態にしたときの布目がバイアス状ではない為、きれいなギャザーが出ず、意匠性が十分でないだけでなく、軽い物の場合はよいが、重い物を入れる場合、荷物の収まりは良くない。さらに隅部の用布面積も活かされない。
上記特許文献２においては、４辺に配された紐を引いて袋状にするが、図６１にも示されているように、開口を絞り込んで袋状にするものである。この構造では、外観上も風呂敷の延長に過ぎず、バッグをイメージするには程遠い形状である。またその紐は、ループ状であるために、収納する際に隅部の用布を充分に活用することが出来ず収納量が少ない。口を閉じて使用する場合はさらに収納量が少なくなる。引き出された紐はいずれもループ状であり、それを結び留めるのは煩雑であり、解く場合は尚いっそう煩雑である。
【０００７】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
そこで本発明の折りたたみ式袋物は、上記の課題を解決すべく、正方形の布状体と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、前記紐部は、前記正方形の布状体の各辺の端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐とで構成されており、前記紐通し用管状部は、各辺の中央部の５分の３の長さを有するように構成されたことを特徴とする。
すなわち、正方形の布状体の４隅を遊離片としこの遊離片を付加的に有する８角形、あるいは正方形の４隅を除いた８角形を用いたものであって、基本的には８角形の要部を持つ布状体で構成される。そして互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有する８角形の布状体と、前記１対の短辺を除く前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、前記紐部は、前記８角形の長辺に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記短辺を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記長辺の端縁に沿って導出された紐とで構成されている。
この構成によれば、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、使用時には布体という平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れ、持ちやすいバッグに変身し得るものとなる。さらに、用布面積を効率よく活かし、それによる収納量の増大を図ることができる。
【０００９】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、複数の用布を重ね合わせて形成される。
【００１０】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形であり、互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成され、８角形の布状体と、前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成される。
【００１１】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体は、前記短辺に連続する直角二等辺三角形の連続片が遊離片として残るように正方形の４隅を残して形成された８角形からなる本体部と、前記４つの遊離片とで構成されたものである。
【００１２】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記布状体が、正方形の４隅を折り込みにより形成された隅切りである短辺と、前記正方形の辺である長辺とを有する８角形の布状体であり、使用時に、前記紐の導出部で囲まれた１対の短辺は、それぞれ当該短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成する。
この構成によれば、紐の導出部で囲まれた１対の短辺が、絞込まれてしまうのではなく、短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成することで、バッグのまちのような外観となり、美しい外観を具有するものとなる。そしてその収納力を充分に活かした場合は布状体が荷物に密着し、ピンと張りを呈することで、荷物の重量を布状体全体に分散させることになり、持ちやすくもなる。また収納として余裕がある場合は美しいギャザーや重なりを呈する。
【００１３】
ここでは、正方形布の４隅を折り込みにより形成された隅切り部分である短辺を有する８角形の布状体であり、前記布状体の相対向する１対の短辺に対して対称に設けた１対の紐部で構成されており、前記紐部は前記８角形の長辺に設けられた４本の紐通し用管状部と、前記短辺を介し近接する２つの長辺に設けられた紐通し用管状部に連続して貫通させた紐とで構成されており、それに対向する側にも紐を貫通させている。
この構成によれば、使用時、折り込みにより２重になった部分が、短辺の張り出し部の張りに有効に作用し、意匠性に優れたものとなる。
さらに短辺、長辺の縫製にあたり、正方形布に対して切り込み、切除をしないため、形状維持と耐久性に優れたものとなっている。
【００１４】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物において、前記長辺と短辺の長さは３：√２となるように形成された８角形である。
この構成によれば、正方形の１辺を１：３：１に分割し、４隅の隅部を内部に折り込むことで短辺の布目も正バイアスで構成され、伸縮性を充分に活かすことが出来、形状に沿った美しいギャザーができ、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供することができる。
【００１５】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から所定の距離にある管状部であるものを含む。
【００１６】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、着脱自在であるものを含む。
【００１７】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記布状体の前記長辺の周縁部に装着された複数のリングで構成されたものを含む。
【００１８】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある第１の管状部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある第２の管状部とを具備したものを含む。
【００１９】
また、本発明は、上記折りたたみ式袋物であって、前記布状体は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、前記紐通し用管状部は、長辺に沿って端縁から第１の距離にある外縁部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある内縁部とを具備したものを含む。
【発明の効果】
【００２０】
以上説明したように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、１枚の正方形布を基本とする布体でありながら、使用時には布体という平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、持ちやすいバッグのような外観をもつものとなり、極めて意匠性の高い袋物となる。さらに、用布面積を効率よく活かし、それによる収納量の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の布目を模した斜視図
【図２】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の平面図
【図３】 本発明の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部を示す図
【図４】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の寸法関係を示す説明図
【図５】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図６】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の使用時の布状体を示す説明図（３：√２の比率の場合）
【図７】 本発明の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体の比較例を示す図、（ａ）短辺が短い例を示す図、（ｂ）短辺が長い例を示す図
【図８】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物（図１）の上面図
【図９】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の側面図
【図１０】 本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の底面図
【図１１】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の平面図
【図１２】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の正面図
【図１３】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の上面図
【図１４】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の側面図
【図１５】 本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の使用例の底面図
【図１６】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の平面図
【図１７】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の紐部
【図１８】 本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物の断面図
【図１９】 本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物の平面図
【図２０】 本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物の要部拡大図
【図２１】 本発明の実施の形態５の折りたたみ式袋物の平面図
【図２２】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の平面図
【図２３】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の縫製工程図
【図２４】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の使用例の正面図
【図２５】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の上面図
【図２６】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の側面図
【図２７】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の底面図
【図２８】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の平面図
【図２９】 発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場の断面斜視図
【図３０】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の正面図
【図３１】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の上面図
【図３２】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の側面図
【図３３】 本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の底面図
【図３４】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に荷物を収納した場合の斜視図
【図３５】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の平面図
【図３６】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部を示す図
【図３７】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の寸法関係を示す説明図
【図３８】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例１の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図３９】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体（使用例１）を示す説明図
【図４０】 本発明の折りたたみ式袋物の３：√２の比率である布状体との比較例を示す図、（ａ）短辺が短い例を示す図、（ｂ）短辺が長い例を示す図
【図４１】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４２】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４３】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の縫製工程を示す図
【図４４】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例１の使用状態を示す組立工程（紐操作）を示す説明図（ａ）布状体に荷物を載せた図、（ｂ）紐操作を示す図、（Ｃ）紐操作の最終段階を示す図
【図４５】 図４４（ｃ）の要部拡大図
【図４６】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例２の原理説明図（３：√２の比率の場合）
【図４７】 本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に用いられる布状体の使用例２の使用時の布状体を示す図（３：√２の比率の場合）
【図４８】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の平面図
【図４９】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例１の使用状態を示す組立工程（紐操作）を示す説明図（ａ）布状体に荷物を載せた図、（ｂ）紐操作を示す図、（ｃ）紐操作の最終段階を示す図
【図５０】 図４９（ｃ）の要部拡大図
【図５１】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の場合の布状体の原理説明を示すための斜視図（３：√２の比率の場合）
【図５２】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の上面図
【図５３】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の側面図
【図５４】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例２の底面図
【図５５】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の正面図
【図５６】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の上面図
【図５７】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の側面図
【図５８】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の底面図
【図５９】 本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例３の紐操作を示す説明図
【図６０】 本発明の折りたたみ式袋物に用いられる紐の先端部の変形例を示す図
【図６１】 従来例の包装袋を示す図
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物に荷物を収納した布状体に布目を模した斜視図である。図２はこの折りたたみ式袋物の展開状態を示す図である。
この折りたたみ式袋物は、図２に示すように、正方形の布状体１１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部１２とで構成されており、前記紐部は、前記正方形の布状体の各辺の端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部１３と、前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐１４とで、構成されており、前記紐通し用管状部は、各辺の中央部に、各辺の長さＤ０の５分の３の長さを有するように構成されている。
そして、この布状体は、正方形の４隅を遊離片Ｆとしており、この正方形の１辺の長さＤ０の５分の１の長さを２等辺とする直角２等辺３角形を除くと８角形を構成する。すなわち、主要部は８角形で構成されており、互いに平行で長さの等しい２対の長辺Ｂ０（Ｂ０１とＢ０３、Ｂ０２とＢ０４）と、互いに平行で、長さの等しい２対の短辺Ａ０（Ａ０１とＡ０３、Ａ０２とＡ０４）とを有する８角形の布状体１１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部１２とで構成されている。そして、各紐部は８角形の長辺Ｂ０に設けられた４本の紐通し用管状部１３と、短辺Ａ０を介し近接する２つの紐通し用管状部１３に連続して貫通せしめられ、長辺Ｂ０の端縁に沿って導出された紐１４とで構成されている。この長辺Ｂ０（Ｂ０１とＢ０３、Ｂ０２とＢ０４）は正方形の１辺の５分の３の長さを有している。
【００２３】
そして、この布状体１１の長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４には、４本の紐通し用管状部１３が形成され、その両端に開口Ｈ０１、Ｈ０２、Ｈ０３、Ｈ０４、Ｈ０５、Ｈ０６、Ｈ０７、Ｈ０８が形成されている。その開口は、前記長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４と、短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４との交点から短辺に沿って設けられている。
正方形の布状体は、４隅の遊離片Ｆと、主要部を構成する８角形とで構成される。この８角形の布状体に、２本の紐が貫通しており、その紐１４の一方は、開口Ｈ０１から挿入されＡ０２の短辺を経て開口Ｈ０４から導出され、紐１４の他方は開口Ｈ０８から挿入されＡ０４の短辺を経て開口Ｈ０５から導出されている。各紐１４の両端には、抜け落ち防止部分１６を形成している。
【００２４】
つまり、紐１４の先端部分は装飾を兼ねて、図３に示すように紐と相性の良い、共布で細工を施し、抜け落ち防止部分１６を形成する。
【００２５】
なお、紐の長さについては、布状体の出来上がり巾の長さが短い場合は、袋物自体が小さいため紐の長さも短くなる。そのため使用する場合に紐の長さが充分でない場合もあるので、結びしろと持ち手に要する長さを見込んだ上で紐の長さを決めると良い。
【００２６】
次に、本発明の実施の形態で用いる布状体の、長辺と短辺の長さの割合について、図４を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、正方形の布状体の巾Ｄ０を１：３：１に分割し、この１／５Ｄ０分だけ、４隅の隅部を正バイアスにて遊離片Ｆを構成するように残すことにより、長辺Ｂ０（Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４）と短辺Ａ０（Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４）とが交互に形成された８角形の布状体が形成される。図４に示すように、長辺Ｂ０の長さが３であるとき、遊離片の斜辺部分でもある短辺の長さは√２となる。
【００２７】
上述したように、図４において、１５Ｓは元の正方形の布状体の巾Ｄ０の１／５を一辺とする正方形、１５Ｌは短辺を一辺とする正方形である。１５Ｓと１５Ｌに挟まれた３角形は直角２等辺３角形１５Ｔとなる。正方形布を用いているが、４隅の小さい格子模様で表した直角２等辺３角形の部分を遊離片Ｆとし、基本的な骨格構造をなすのは、８角形の布状体である。つまり、４隅の直角２等辺３角形の部分を遊離片Ｆとし、この遊離片Ｆの斜辺を、短辺としている。ここで、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、この４隅の遊離片Ｆの部分の直角２等辺３角形と他の直角２等辺３角形１５Ｔは合同となる。ここで長辺Ｂ０は正方形１５Ｓの１辺とその両隣の直角２等辺３角形１５Ｔの短い辺２つ分に相当し、ここに紐通し用管状部１３が形成される。
【００２８】
図５は本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の布状体の使用例１の原理を説明する図である。図４の短辺Ａ０１とＡ０３が袋物の口となり、短辺Ａ０２とＡ０４がまちの部分を形成しており、図５に従って作成し、荷物を収納した状況を表したものが図１に示す本発明の折りたたみ式袋物となる。
【００２９】
図４に示すように、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、底部となる８角形の領域Ｒ０の周囲に、正方形１５Ｓと１５Ｌ、直角２等辺３角形１５Ｔが上下、左右が対称となるように配置される。この状態で、図５に示すように、立体形に折りたたまれ、紐通し用管状部１３が形成された各長辺Ｂ０の部分がギャザーで縮められるが、この図より、基本的な構造部を構成する正方形１５Ｓと１５Ｌに対し、その間に直角２等辺３角形が対称的に配されており、この直角２等辺３角形部分の存在により、均一にギャザー部を形成することができることが分かる。この図形的特徴が本発明の実用性及び安定した意匠性を提供している。
【００３０】
図４は上記に述べたように、長辺と短辺の比が望ましい場合の３：√２で構成された寸法関係を示した図である。図５は図４に示した布状体を用いて形成した袋物すなわち、使用例１の折りたたみ方の原理を説明した図である。図６は、図４と図５に従い作成された使用例１の布状体を袋物の形状にしたものに布目を模した説明図である。
【００３１】
図６に示すように、挿入した紐１４を引くと、紐通し用管状部１３にギャザーが寄せられ、袋物の口となる短辺Ａ０１とＡ０３及びまちの部分の短辺Ａ０２とＡ０４は、ギャザー部を介してほぼ直線となり、袋物の底部となる外周は布目のバイアスが活かされ半円形に近い形状となる。このことが袋物としての機能を高め、４隅の遊離片は、短辺の位置で外方に折り返され、隅部に存在することで、ボリューム感を持たせることになり、形状を美しくするように作用している。
【００３２】
実際に荷物を収納する際には、紐１４を引き出して、絞り込まれた紐通し用管状部１３はＵ字状に湾曲する。それにより寄せられたギャザーが広げられ、底部にかけて、均等に放射状に自然に平らになる。なお４隅の遊離片Ｆは短辺の位置で自然に外側に折り返り、図６から分かるように、上記ギャザーの作用により、程よくふくらみ、ボリュームをもたせることができ、袋物の形状を美しくしている。また、収納された荷物の重量がかかることで、袋物の口となる短辺Ａ０１、Ａ０３は密着するように接して、口を閉じる状態となる。一方、折り畳まれて外方へ張り出している短辺Ａ０２、Ａ０４は、上方に持ち上がり、袋物としてのデザイン性を高めている。バイアスの布目である底部の中心線ＬＣは伸ばされて、袋物の口に見合う外周を形成する長さを有しており、中心線Ｌ０Ｃを含む断面が半円形の形状となる。
【００３３】
上記のように紐を絞りこむことで袋物全体がバイアス状の布目となり、そして遊離片Ｆは短辺の位置で外方に折りかえり、装飾片としてさらに美観を呈するものとなる。また本体構造についても、バイアスの布目である布状体が、荷物の形状に沿うことから、収まりも良く、使い勝手の良さに繋がり、形状の美観を高めている。
【００３４】
このようにして、正方形布の４隅を遊離片として残し、長辺と短辺の比が３：√２の８角形の要部をもつ布状体で構成することで、平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れた袋物となる。
【００３５】
上記で長辺と短辺の長さが望ましい比である３：√２の場合について説明したが、比較検討するために、短辺が望ましい場合より短い例に布目を模した図７（ａ）と、短辺が望ましい場合より長い例に布目を模した図７（ｂ）を示す。
まず、短辺の長さが望ましい比より小さい場合について述べる。たとえば、長辺と短辺の比を４：√２とするとき（正方形布の１辺を１：４：１に分割するとき）、短辺が短くなるので、長辺が長くなる。この場合、長辺を短辺で割った値は約２．８となる（望ましい場合の長辺を短辺で割った値は約２．１）。この場合、使用時に紐を引くと、長くなった長辺の紐通し用管状部が縮められる。その結果、図７（ａ）に示すように長辺が長くなった分ギャザー分が多くなり、それら４辺の長辺の膨らみが袋物全体を膨らませている。このふくらみが、荷物の形状に沿うことを妨げており、荷物の収まりが悪く、意匠性に欠けるものである。なお、この場合の遊離片Ｆは短辺の位置でうまく折れ曲がらず、収まりが悪い。
【００３６】
次に、短辺の長さが望ましい比より長い場合について説明する。このときは短辺が長く、長辺が短くなるので、長辺を短辺で割った値が約１．５となる場合を図７（ｂ）に示した。図のように、長くなった短辺では、袋の口となる短辺が閉じないので袋物としての機能は備わりにくい。図から分かるように、折りたたまれて外方へ張り出されるはずの短辺Ａ０２、Ａ０４は、紐通し用管状部１３の開口Ｈ０２から底部の中心線Ｌ０Ｃにかけての直線の布目に沿って大きなしわが出来て垂れ下がる。その大きなしわは、収納する荷物の重量が多くなるにつれて際だち、短辺は直線の布目にそって折れ曲がるため、形状も美しくない。このように、長くなった短辺では、荷物を収納した場合も、袋の口が閉じることなく、荷物の収まりも悪く、袋物としての機能はもとより、形状が美しくない。この場合の遊離片Ｆは短辺の位置で外方に折り返るが、布状体に比して遊離片の占める割合が大きくバランスが悪い。
【００３７】
なお、本発明の折りたたみ式袋物の布状体、つまり４隅を遊離片として付加的に有する８角形の布状体として使用するものの、実際には風呂敷などの正方形であることを原則とし、正バイアスを活かした袋物である。ただし若干の縦横の寸法差は、融通及び調節されることから、用布の縦と横の長さの差は４％程度であれば誤差の範囲であり、袋物の機能への影響は少ない。
【００３８】
以下、本発明の実施の形態１の折りたたみ式袋物の製造方法について説明する。ここでは、１枚の正方形の布状体１１を用布として用い、袋物に組み立てた場合について説明する。
本実施の形態では図２に示すように、まず４隅の遊離片Ｆが付加されている布状体１１の長辺Ｂ０１、Ｂ０２、Ｂ０３、Ｂ０４に沿って、紐通し用管状部１３を構成するためのテープ状の布を、重ねて縫製する。この縫製により、紐通し用管状部１３と、その両端に８個の開口Ｈ０１乃至Ｈ０８が形成される。開口Ｈ０１乃至Ｈ０８は、長辺と短辺の交点から短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４に沿って形成されている。
本実施の形態では、開口が、短辺に連続している４隅の遊離片Ｆの斜辺部分に沿って形成されており、４隅の遊離片Ｆは装飾片として残されている。
【００３９】
このようにして紐通し用管状部１３を形成した後、この紐通し用管状部１３に２本の紐を貫通させて、紐を結ぶと、図８乃至図１０に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物となる。図８は上面図、図９は側面図、図１０は底面図である。
【００４０】
なお、前記実施の形態では、テープ状の布を紐通し用管状部１３として用いたが、実施の形態１の製造方法の変形例として正方形の下面用布と上面用布を重ねてステッチをかけることで紐通し用管状部を形成してもよく、２枚以上の用布を重ねてステッチをかけることで紐通し用管状部を形成してもよい。
【００４１】
例えば下面用布と上面用布とを重ねて形成する場合、８角形の上面用布上に正方形の下面用布を貼り付けるようにしてもよい。この場合、上面用布の４隅の遊離片Ｆの部分を、短辺の位置で内側に折り込み縫製すると、４辺の紐通し用管状部１３及び８個の開口が形成される。その開口Ｈ０１乃至Ｈ０８は紐通し用管状部１３の両端に形成されており、長辺と短辺の交点から短辺に沿っている。なお下面用布の４隅の遊離片はそのまま残されており、使用時には外側に折り返されて装飾片として作用する。
【００４２】
また、下面用布と上面用布とを正方形のまま２枚重ねて縫製して形成した場合、使用時に上面用布の４隅の遊離片Ｆの部分を、短辺の位置で内側に折りたたむと、内側は、紐通し用管状部１３及び８個の開口を覆い、遊離片Ｆが袋物の蓋体として作用する一方下面用布の４隅の遊離片はそのまま残されており、外側に折り返されて装飾片としての作用を呈する。このとき、縫製については、紐通し用管状部１３の端縁の位置を図２に示したものとは逆に、紐通し用管状部１３の内方側の端縁が外方側の端縁よりも内側になるように、縫い止り位置を内方側で控えるようにするのが望ましい。
【００４３】
（実施の形態２）
次に本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物について説明する。
前記実施の形態１では、１枚仕立てまたは２枚仕立ての布状体の長辺に沿って周縁部に紐通し用管状部を形成したものについて説明したが、本実施の形態では図１１乃至図１５に示すように、布状体１１の端縁から所定の距離をとり内側に紐部１２を設けた布状体である。縫製については実施の形態１と同様であるが、異なる点は、布状体の端縁から紐部１２にかけて所定の距離の幅をとっていることで、この幅は全体のバランスから、布状体１１の幅Ｄ０の１０％程度とする。寸法比は、この紐部の位置で八角形の寸法比を満たすように形成される。
図１１は本発明の実施の形態２の折りたたみ式袋物の平面図、図１２は正面図、図１３は上面図、図１４は側面図、図１５は底面図である。
本実施の形態においても、遊離片Ｆを付加的に有する８角形の要部の周囲の部分が、使用時、紐を絞り込むとギャザーが寄せられて、装飾片として、美観を加えることになる。特に１枚仕立とすることで軽量感が付加される。
【００４４】
（実施の形態３）
次に本発明の実施の形態３の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図１６乃至図１８に示すように、紐部１２を着脱自在に構成したことを特徴とするものである。すなわち、紐部を面ファスナー２０で布状体１１に着脱自在に装着できるように形成している。図１７及び図１８は紐部１２を示し、図１８は図１７のＸ−Ｘ断面である。紐部１２は紐１４と紐通し用管状部１３とで構成され、背面に面ファスナー２０が取り付けられている。この紐部１２の背面の面ファスナーに対応する面ファスナー２０を上記布状体の図１６に示す所定の位置に取り付ける。他部については前記実施の形態２と同様に形成しているためここでは説明を省略する。
この構成によれば、そのまま風呂敷として用いたい場合には紐部が邪魔になることなく、使用できるため、用途を制限されることなく使用可能である。
【００４５】
（実施の形態４）
次に本発明の実施の形態４の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図１９および図２０に示すように、紐通し用管状部を構成する用布に代えて、リング２１を用いて紐通し用管状部を構成するものである。リング２１は長辺Ｂ０１乃至Ｂ０４に沿って装着されており、この長辺と短辺Ａ０１乃至Ａ０４との比は３：√２となる。図１９は平面図、図２０は要部拡大図である。
このように紐通し用管状部をリング２１に代えて構成してもよい。
この場合は、リングが装飾になり遊離片Ｆとともに美観を加えるものとなる。
リングは、正方形の布状体の周縁部に通すだけでよいため製造が極めて容易である。
【００４６】
（実施の形態５）
次に本発明の実施の形態５の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図２１に示すように、第１及び第２の紐部１２ｏ及び１２ｉを二重に配置した（ダブル配置した）ものである。すなわち２つの紐部が、布状体１１の端縁に沿っている外側の第１の紐部１２ｏと、端縁から所定の距離内側にある第２の紐部１２ｉとで構成されている布状体である。
これら２つの紐部の紐通し用管状部１３が、それぞれ８角形の要部を形成しており、紐１４についてもそれぞれ装着されており、いずれを使用するかによって、袋物本体部の大きさが変更可能である。すなわち、収納するものが大きい場合は外側の紐部１２ｏの紐通し用管状部の紐を引いて使用し、収納するものが小さい場合は内側の第２の紐部１２ｉの紐通し用管状部の紐を引いて使用する。このように、大小２ウェイで使用することができる。
ここで、紐通し用管状部のみを２つ設けておき、紐は用途に応じていずれかに装着できるようにしてもよい。
【００４７】
（実施の形態６）
次に、図２２乃至図３１を参照しつつ本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物について説明する。
本実施の形態では、図２２、図２３に示すように、布状体１１（１１ａ、１１ｂ）は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、中表に折り返すことで大小２種類の大きさの袋物として使用できるようにしたものである。紐通し用管状部１３は前記布状体の長辺Ｂ０に沿って形成されており、この紐通し用管状部１３は、布状体の端縁から第１の距離に形成される外側の外縁部１３ｏと、前記外縁部から所定の距離をとり形成される内側の内縁部１３ｉとを具備している。ここで短辺部は縫い合わされていない。図２２に示す状態のときは紐通し用管状部１３を構成する外縁部１３ｏの位置で紐が絞られるため、大型の袋物を得ることができる。一方図２８に示すように、中表に折り返したときは内縁部１３ｉが外縁となり、紐１４はこの位置で絞られる。このようにして、袋物としては、大小２種類の異なる大きさにすることが可能で、大小いずれの大きさの場合でも、表裏両面の使用が可能となる。
【００４８】
この紐通し用管状部１３の外縁部１３ｏを長辺とする８角形における、長辺Ｂ０と短辺Ａ０との比は３：√２であり、また、内縁部１３ｉを長辺とする８角形における長辺Ｂｉ０（Ｂｉ０１、Ｂｉ０２、Ｂｉ０３、Ｂｉ０４）と短辺Ａｉ０（Ａｉ０１、Ａｉ０２、Ａｉ０３、Ａｉ０４）との比も３：√２である。
【００４９】
つまり、外縁部１３ｏを長辺とする大きい８角形と、内縁部１３ｉを長辺とする小さい８角形は、いずれも、長辺と短辺の比が３：√２の相似形であり、同心上に配置することで大きさの異なる２種類の袋物を形成することが可能となる。
【００５０】
この構成により、布状体の縫い代である内縁部１３ｉに沿って中表に裏返す、つまり、布状体の内側の面を表側に折り返すことが可能となり、図２８に示すようにひとまわり小さな袋物として使用できる。これらの大小関係は図２２と図２８の比較から明らかである。
【００５１】
このように折り返すことで、布状体の外形を変化させ、大きさの異なる２種類の布状体として使用することが可能となり、いずれの大きさの場合も表裏両面の使用が可能となるように構成されたことを特徴とするものである。ここでは１つの紐通し用管状部に対し紐１４は１本で、紐１４の位置が布状体の折り方で異なり、内縁部１３ｉに沿うか、外縁部１３ｏに沿うかで紐１４の位置も移動することになる。
この内縁部と外縁部との距離は３．５から５ｃｍ程度であり、美観を損なうことなく形成できるのは３．５ｃｍ程度である。
【００５２】
図２２は、本発明の実施の形態６の折りたたみ式袋物の平面図、図２３はこの折りたたみ式袋物の縫製工程図、図２４はこの折りたたみ式袋物の使用例の正面図、図２５は同上面図、図２６は同側面図、図２７は同底面図、図２８は、同折りたたみ式袋物を折り返した場合の平面図、図２９は同断面を含む要部斜視図、図３０は同折りたたみ式袋物を折り返した場合の使用例の正面図、図３１は同上面図、図３２は同側面図、図３３は同底面図である。
【００５３】
次に、本実施の形態の折りたたみ式袋物の縫製方法について説明する。図２２および図２３に示すように、この場合は正方形の布状体を少なくとも２枚を重ねて、細かい点線で表した外縁部１３ｏと、内縁部１３ｉの部分にのみ縫いを施すと紐通し用管状部１３が形成される。この縫製をすることで、縫いの施されていない４辺の短辺Ａ０１、Ａ０２、Ａ０３、Ａ０４のいずれからでも容易に、内側の面を表側に折り返すことが出来る。
【００５４】
このように紐通し用管状部１３は、外縁部１３ｏと、内縁部１３ｉとの間隔を、３．５から５ｃｍ程度の幅広に形成されており、布状体は表裏両面、及び折り返した状態での表裏両面の使用が可能となるように形成されている点が異なる。ここでは図２３に示すように内側の面にレース１９を挟み込んで紐通し用管状部１３の内縁部１３ｉが形成されている。
【００５５】
大きい袋物に組み立てる場合は実施の形態１と同様である。
この場合も、２本の紐を引っ張り、紐を結ぶと、図２４乃至図２７に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物と同様となる。図２４は正面図、図２５は上面図、図２６は側面図、図２７は底面図である。
【００５６】
次に、小さい袋物に組み立てる場合について説明する。
図２８に平面図、図２９に図２８のＹ−Ｙ断面を含む要部斜視図に示すように、１辺の長さを小さくした袋物を形成することが出来る。
４隅の遊離片Ｆに隣接する短辺のいずれからでも、内側の面を表側に折り返すことが可能である。中表となるように、袋物を構成する布状体全体を折り返すのである。折り返された布状体は、図２８からも分かるように、細かい点線で表した紐通し用管状部１３と遊離片Ｆは収まりよく内側に折り込まれた状態である。このように、紐通し用管状部１３の内縁部１３ｉを長辺とする、ひとまわり小さな８角形の布状体となる。
【００５７】
この場合も、２本の紐を引っ張り、紐を結ぶと、図３０乃至図３３に示すように、実施の形態１の折りたたみ式袋物と同様にひとまわり小型の袋物となる。図３０は正面図、図３１は上面図、図３２は側面図、図３３は底面図である。
【００５８】
このように外縁部１３ｏを長辺とした場合の折りたたみ式袋物を示す図２４乃至図２７と、内縁部１３ｉを長辺とした場合の折りたたみ式袋物を示す図３０乃至図３３との比較からもわかるように、外観も収容量も異なる２種類の袋物を形成している。
このようにして本実施の形態では２種類の大きさの袋物を形成することができる。
【００５９】
なお、この例では、用布２枚の場合について説明したが、３枚以上重ねて用いても良く、この場合は枚数に応じて異なる面を使用でき、雰囲気の異なる布を使用することにより、多様性を持たせることができる。また、前述したように大小２種類の大きさ変更に伴う裏返しに対応できる用布については、無地、先染めなどの柄物いずれについても、裏面の仕上がりのよい用布を用いることが望ましい。このように、意匠性だけでなく、意外性のある雰囲気の袋物を提供することが出来る。
【００６０】
さらにまた、３枚以上の布状体を２枚づつ紐通し用管状部の縁部を構成するように縫い、いずれかの２枚の布状体を中表となるように折り返すことで、３種以上の大きさを取ることの可能な袋物を形成することができる。
例えば、布状体を、第１乃至第３の用布を重ね合わせ、第１及び第２の用布は、前記第３の用布を残して、縫い合わされる一方、第２及び第３の用布は、前記第１の用布を残して、縫い合わされる。
また、第１及び第２の用布を重ね合わせて形成した、図２３の布状体を、２組以上縫い合わせて形成してもよい。この場合、紐通し用管状部の位置をずらして、形成することで、大きさを多段階に変更可能となる。
【００６１】
また、紐は、複数の芯体と前記芯体を覆う布体で形成されるようにすることで、より強度が高く、美観に優れた袋物を構成することが可能となる。
【００６２】
さらにまた、布体は、撚り糸を用いた平織り布を用いるのが、すべりがよく、組み立て性に優れた折りたたみ式袋物を形成することが可能となる。
【００６３】
さらに、表面にすべり加工の施された布を用いることでよりすべりのよいものとすることができる。
【００６４】
（実施の形態７）
図３４は本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物に荷物を収納した布状体に布目を模した斜視図であり、用布の端を折り重ねることにより形成された額縁状の縁取りを有する形態である。図３５はこの折りたたみ式袋物の展開状態を示す図である。
この折りたたみ式袋物は、図３５に示すように、互いに平行で長さの等しい２対の長辺Ｂ（Ｂ１とＢ３、Ｂ２とＢ４）と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺Ａ（Ａ１とＡ３、Ａ２とＡ４）とを有する８角形の布状体１と、前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部２とで構成されており、前記各紐部は、前記８角形の長辺Ｂに設けられた４本の紐通し用管状部３と、前記短辺Ａを介し近接する２つの紐通し用管状部３に連続して貫通せしめられ、前記長辺Ｂの端縁に沿って導出された紐４とで構成されている。
【００６５】
そして、この布状体１の長辺Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４には４本の紐通し用管状部３が形成され、其々短辺Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４との境界である紐通し用管状部３の両端には、開口Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３、Ｈ４、Ｈ５、Ｈ６、Ｈ７、Ｈ８が形成されている。この８角形の布状体に、２本の紐が貫通しており、その紐４の一方は開口Ｈ１から挿入されＡ２の短辺を経て開口Ｈ４から導出され、紐４の他方は開口Ｈ８から挿入されＡ４の短辺を経て開口Ｈ５から導出されている。各紐４の両端には抜け落ち防止部分６を形成している。
【００６６】
紐４の先端部分は装飾を兼ねて、図３６に示すように紐と相性の良い、共布で細工を施し、抜け落ち防止部分６を形成する。
【００６７】
なお、紐の長さについては、布状体の出来上がり巾の長さが短い場合は、袋物自体が小さいため紐の長さも短くなる。そのため使用する場合に紐の長さが充分でないので、結びしろと持ち手に要する長さを見込んだ上で決めると良い。
【００６８】
次に、本発明の実施の形態で用いる布状体の、長辺と短辺の長さの割合について、図３７を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、正方形の布状体の巾Ｄを１：３：１に分割し、この１／５Ｄ分だけ、４隅の隅部を正バイアスにて折り込みをすることにより、長辺Ｂと短辺Ａとが交互に形成された８角形の布状体が形成される。図３７に示すように、長辺Ｂの長さが３であるとき、折り込まれた短辺の長さは√２となる。
【００６９】
上述したように、図３７において、５Ｓは元の正方形の布状体の巾Ｄの１／５を一辺とする正方形、５Ｌは短辺を一辺とする正方形である。５Ｓと５Ｌに挟まれた３角形は直角２等辺３角形５Ｔとなる。正方形布を８角形の布状体とするために、４隅の１点鎖線で表した直角２等辺３角形の部分を折り込み、短辺としているが、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、この折り込む部分の直角２等辺３角形と他の直角２等辺３角形５Ｔは合同となる。ここで長辺Ｂは正方形５Ｓとその両隣の直角２等辺３角形５Ｔの短い辺２つに相当し、ここに紐通し用管状部３が形成される。
【００７０】
図３８は本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の布状体の使用例１の原理を説明する図である。図３７の短辺Ａ１とＡ３が袋物の口となり、短辺Ａ２とＡ４がまちの部分を形成するように折りたたみ、図３８に従って作成して、荷物を収納した状況を表したものが図３４に示す本発明の折りたたみ式袋物となる。
【００７１】
図３７に示すように、長辺と短辺の比を３：√２とする場合、底部となる８角形の領域Ｒの周囲に、正方形５Ｓと５Ｌ、直角２等辺３角形５Ｔが上下、左右が対称となるように配置される。このとき底部となる８角形はこの折りたたみ式袋物の８角形に対して同心状に配置されている。この状態で、図３８に示すように、立体形に折りたたまれ、紐通し用管状部３が形成された各長辺Ｂの部分がギャザーで縮められるが、この図より、基本的な構造部を構成する正方形５Ｓと５Ｌに対し、その間に直角２等辺３角形が対称的に配されており、この直角２等辺３角形部分の存在により、均一にギャザー部を作ることができることが分かる。この図形的特徴が本発明の実用性及び安定した意匠性を提供している。
【００７２】
図３７は上記に述べたように、長辺と短辺の比が望ましい場合の３：√２で構成された寸法関係をも示した図である。図３８は図３７を基に使用例１の形態となる折りたたみ方の原理を説明した図である。図３９は、図３７と図３８に従い作成された使用例１の布状体を袋物の形状にしたものに布目を模した説明図である。
【００７３】
図３９に示すように、挿入した紐４を引くと、紐通し用管状部３にギャザーが寄せられ、袋物の口となる短辺Ａ１とＡ３、まちの部分の短辺Ａ２とＡ４がギャザー部を介してほぼ直線となり、袋物の底部となる外周は布目のバイアスが活かされ半円形に近い形状となる。このことが袋物としての機能を高め、形状も美しくする。
【００７４】
実際に荷物を収納する際には、紐４を引き出して、絞り込まれた紐通し用管状部３はＵ字状に湾曲する。それにより寄せられたギャザーが広げられ、底部にかけて、均等に放射状に自然に平らになる。図３９から分かるように、上記ギャザーの作用により、程よくふくらみ、袋物の形状を美しくしている。また、収納された荷物の重量がかかることで、袋物の口となる短辺Ａ１、Ａ３は重なり合い、口を閉じる状態となる。一方、折り畳まれて外方へ張り出している短辺Ａ２、Ａ４は、上方に持ち上がり、袋物としてのデザイン性を高めている。バイアスの布目である底部の中心線Ｌｃは伸ばされて、袋物の口に見合う外周を形成する長さを有しており、中心線Ｌｃを含む断面が半円形の形状となる。
【００７５】
上記のように紐を絞りこむことで袋物全体がバイアス状の布目となる。バイアスの布目である布状体が、荷物の形状に沿うことから、収まりも良く、使い勝手の良さに繋がり、形状の美観を高めている。
【００７６】
このようにして、長辺と短辺の比が３：√２の８角形の布状体で構成することで、平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れた袋物となる。
【００７７】
上記で長辺と短辺の長さが望ましい比である３：√２の場合について説明したが、比較検討するために、短辺が望ましい場合より短い例に布目を模した図４０（ａ）と、短辺が望ましい場合より長い例に布目を模した図４０（ｂ）を示す。
まず、短辺の長さが望ましい比より小さい場合について述べる。たとえば、長辺と短辺の比を４：√２とするとき（正方形布の１辺を１：４：１に分割するとき）、短辺が短くなるので、長辺が長くなる。この場合、長辺を短辺で割った値は約２．８となる（望ましい場合の長辺を短辺で割った値は約２．１）。この場合、使用時に紐を引くと、長くなった長辺の紐通し用管状部が縮められる。その結果、図４０（ａ）に示すように長辺が長くなった分ギャザー分が多くなり、それら４辺の長辺の膨らみが袋物全体を膨らませている。このふくらみが、荷物の形状に沿うことを妨げており、荷物の収まりが悪く、意匠性に欠けるものである。
【００７８】
次に、短辺の長さが望ましい比より長い場合について説明する。このときは短辺が長く、長辺が短くなるので、長辺を短辺で割った値が約１．５となる場合を図４０（ｂ）に示した。図のように、長くなった短辺では、袋の口となる短辺が閉じないので袋物としての機能は備わりにくい。図から分かるように、折りたたまれて外方へ張り出されるはずの短辺Ａ２、Ａ４は、紐通し用管状部３の開口Ｈ２から底部の中心線Ｌｃにかけての直線の布目に沿って大きなしわが出来て垂れ下がる。その大きなしわは、収納する荷物の重量が多くなるにつれて際だち、短辺は直線の布目にそって折れ曲がるため、形状も美しくない。このように、長くなった短辺では、荷物を収納した場合も、袋の口が閉じることなく、荷物の収まりも悪く、袋物としての機能はもとより、形状が美しくない。
【００７９】
なお、本発明の折りたたみ式袋物の布状体、つまり隅部を折りたたむ前の布状体は風呂敷などの正方形であることを原則とし、正バイアスを活かした袋物である。ただし若干の縦横の寸法差は、融通及び調節されることから、用布の縦と横の長さの差は４％程度であれば誤差の範囲であり、袋物の機能への影響は少ない。
【００８０】
以下、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の製造方法について説明する。ここでは、用布２枚を用いた場合について説明する。
まず、図４１に示すように正方形の下面用布１ａと上面用布１ｂを重ねた状態で、下面用布の隅を折り重ねる。ついで、図４２に示すように、さらに隅を折り込んで、縫い目８を施すと４辺の短辺部分Ａ（Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４）が形成される。ついで図４３に示すように、下面用布１ａの４つの長辺Ｂ（Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４）の端縁を折り込んで、縫い目８を施すと、４辺の紐通し用管状部３が形成される。上記４辺の紐通し用管状部３の折り込みにより８個の開口が形成される。その開口Ｈ１乃至Ｈ８は紐通し用管状部３の端縁に対し４５度の傾斜角を有している。
【００８１】
このようにして紐通し用管状部３を形成した後、２本の紐を貫通させて、紐を結ぶと、実施の形態７の折りたたみ式袋物となる。
【００８２】
なお、この例では、用布２枚の場合について説明したが、３枚以上重ねて用いても良く、また、用布１枚にて、仕立てることも可能である。下面用布１ａを用いる場合は、図４３の下面を袋物の表面として使用する。複数枚の用布を用いる場合は、より風合いもよく強度的に優れ、張りもあり意匠性にも優れた袋物を提供することが出来る。
用布の性質により必要であるならば、縫いを施す部分に、接着芯を貼り付けて布目を補強しても良い。布の片面に特殊な糊が塗布された接着芯を、表地の裏面に当て、アイロンの熱で押さえるだけで、効率よく芯地を貼着することができる。
【００８３】
次に、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物、組立工程（使用例１）について説明する。
図４４（ａ）乃至（ｃ）は使用例１の使用時の組立工程、紐の操作を説明する図である。細長い形状のものを収納する場合には、図４４（ａ）に示したように、布状体を広げ、短辺Ａ１、短辺Ａ３に平行になるように中央に荷物を載せ、図４４（ａ）、図４４（ｂ）に示すように、短辺Ａ１と短辺Ａ３を上面で突き合わせて、両側の開口Ｈ１、Ｈ４とＨ５、Ｈ８から引き出した紐４を、２本ずつ向き合う形で、束ねるように重ねる。図４４（ｃ）に示すように、重なっている紐の１本を用いて、開口に近い部分で結びとめ、もう一方も同様に結びとめる。
【００８４】
上記のように、荷物を収納すると、紐通し用管状部３は絞り込まれた状態となる。この袋物を持ち上げることで、布状体の中心Ｃから紐通し用管状部３にかけての布目が、重量負担を集約するように、紐通し用使用管状部３に伝えている。重量により紐と布状体が一体となり、重量負担を担うこととなる。このとき、収納する荷物の重量が増えるにつれ、外方に張り出した短辺Ａ２、Ａ４が上方に持ち上がる。
【００８５】
図４５は図４４（ｃ）の要部拡大図である。図に示すように紐通し用管状部３は絞り込まれており、きれいにおさまっている。開口Ｈ１とＨ４が重なり合い、それにより、袋の口である短辺Ａ１とＡ３も重なり合うこととなる。外方へ張り出された短辺の開口Ｈ２、Ｈ３は露出している紐のわの部分が、４５度で斜めになっている開口を紐通し用管状部内に引き込むような状態となり、短辺の張り出しを支えており、さらに形状も美しく、袋物としての機能をより高めている。
【００８６】
図４４（ｃ）のように紐結びをすることで、紐が４本重なり、重厚な感じの持ち手となり、使い勝手も向上し、袋物としての機能も高い。紐を引いて紐通し用管状部を絞り込むことで短辺が引き上げられて、用布面積の効率化が計られ、形状の美しさを呈しかつ持ち易くなる。
【００８７】
このように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、図３９に示したように、紐の導出部で囲まれた１対の短辺Ａ２、Ａ４が、絞込まれてしまうのではなく、短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成することで、バッグのまちのような外観となり、美しい外観を具有するものとなる。そしてその収納力を充分に活かすべく、大きな荷物を収納した場合は、布状体が荷物に密着しピンと張りを呈することで、荷物の重量を布状体全体に分散させ、持ちやすくもなる。また収納として余裕がある場合は、バイアス布としての美しいギャザーや重なりを呈する。
【００８８】
また、この例では紐通し用管状部の開口が、前記長辺に対し４５度の傾斜角をなすように形成されていることで、収納の際紐を引っ張ると、図４５に示したように、短辺が重なり合い、口を閉じる状態になる。それにより、収納物を包み込むことができるようになり、袋物としての機能をより高める結果となる。
【００８９】
次に、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例２について説明する。
この使用例２の使用状態を図４６、図４７に示す。図４６は、図３７の原理説明の図をもとに、本発明の実施の形態７の折りたたみ式袋物の使用例２の布状体に正方形５Ｌ、５Ｓ、直角２等辺３角形５Ｔの位置関係を示した図である。図４７はその使用例２の布状体に布目を模した図である。この使用例２の場合は、周縁部すべてが上面に集められており、立方体や球体も、安定して美しく包める使用方法である。
【００９０】
以上説明してきたように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、バイアスの布目で使用する布状体は、縫い代分を含め一続きである１枚の用布にて形成しており、バイアスの伸縮性を充分に活かすことが出来る。短辺となる、隅部を切除せず折り込むことで形状維持と耐久性を奏効する。折りたたみ式袋物の用布面積を効率よく活かして収納力を高めており、形状に沿って包み込むことができる。
【００９１】
また、その収納力を充分に活かした場合は布状体が荷物に密着し、ピンと張りを呈する。上記布状体の構成は、直線の布目とバイアスの布目を活かした設計となっており、さらに２本の紐を用いることで、布状体全体に重量を分散させる仕組みとなっている。それらにより収納したときの形状も良く安定感がある。また収納として余裕がある場合は、美しいギャザーや重なりを呈する。
【００９２】
上記構成の布状体に荷物を包んで持ち上げると、紐がおのずと締まり安定するが、荷物がかさ高なものである場合も、重いものである場合も、収納する際には、紐を結び留める必要がある。その際、開口の部分に負担がかかることになるが、開口の端縁は、バイアスの布目が２重となっていることで、重量負担を軽減させている。加えて、開口の傾斜角により、収納の際紐を引っ張ると、短辺が重なり合いを呈し、口を閉じる状態になり、袋物の機能をより高めている。
【００９３】
すなわち、包む荷物に重量があるとき、バイアスの布目の布状体が荷物の形状に沿い袋物としての形状が出来上がるのであるが、軽くて、かさ高な荷物の場合には、紐を引っ張り、結びとめることで布状体を袋物の形状にする。このため、紐を引っ張ることと結ぶことで、開口に負担をかけることになるが、開口の布目がバイアスでしかも２重となっているので布目が伸びて、開口にかかる重量負担を軽減することとなる。用布本体は正方形布であり、用布に切り込みを入れず、切除もしていないため、伸びた部分は元に戻すことができるので、バイアスの伸縮性の効果を十分に活かすことができる。
【００９４】
また紐の端には、装飾を兼ねた抜け落ち防止の細工を施している。引き出して結ぶ際に、用途や体格に応じて、
持ち手になる紐の長さを随意に変えられる。紐が２本である布状体の構成から、荷物の形状により持ち方や包み方を変えることが出来る。上記により時に応じ軽快に袋物の体裁と機能を有することとなり、利便性を高めている。
【００９５】
上述したように、実用性だけでなく、本発明の折りたたみ式袋物によれば、４隅を折り込んだだけの単なる平らな布体が２本の紐により変化をし、美しいバッグの形を呈するといった意外性に加え、多彩な用布を用いることが出来、用布の選択によってもさまざまな風合いの折りたたみ式袋物を提供することができる。
【００９６】
（実施の形態８）
次に、本発明の折りたたみ式袋物、実施の形態８について、図面を参照しつつ説明する。図４８は、本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の平面図である。前記実施の形態７と異なるのは、紐の導出部の構造である。前記実施の形態７では図３５に示したように、紐通し用管状部の開口が、長辺に対して４５度の傾斜角をなすように形成されており、短辺上に設けられた開口縁から、紐が導出されていたのに対し、本実施の形態では、図４８に示すように、紐通し用管状部３の開口が、長辺と短辺の交点から、短辺の辺に沿って設けられている点であり、短辺上に設けられた開口縁から、長辺の端縁に沿って紐が導出されている。用布は２枚あるいは、複数枚を用いており、両面使用の形態である。他は実施の形態７と同様であり、ここでは説明を省略する。また符号については、図３５と同一符号を付した。
【００９７】
上記実施の形態８の折りたたみ式袋物は、両面使用の形態であることから、製造に際しては両面用布の縫い代の始末を、外周の端縁にて、内部に折り込み形成する。図４８に示すように、ミシン縫製で縫い目８を施すと、４辺の短辺Ａ１、Ａ２、Ａ３、Ａ４が形成され、長辺Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３、Ｂ４の部分には、紐通し用管状部３が形成される。このようにして形成された８角形の布状体は、両面使用が可能となり、そこへ２本の紐を貫通させることで、図４９（ｃ）に示すように、折りたたみ式袋物となる。
【００９８】
この場合も、荷物を収納して持ち上げると、紐が自ずと締まり安定するが、その際、開口の正バイアスの布目が伸びて、かかる負担を軽減している。この場合も上記の構成により袋物の形状も良く、より機能も高められる。
【００９９】
以下、本発明の実施の形態８の使用例１について説明する。
図４９（ａ）乃至（ｃ）は、図４８に示した本発明の実施の形態８の折りたたみ式袋物の使用例１の、組み立て工程を説明する斜視図である。図４９（ｃ）は、使用例１の使用状態に、布目を模した全体図である。図５０は図４９（ｃ）の要部拡大図である。この場合は、両面使用の形態である開口の、端縁の縫い目に相当する部分を、縫い合わせることなく開口としている。そのため両面用布の間から、するりと紐を引き出すことができる。結びとめる場合も、その開口縁の布目が伸びて、結びとめた部分に沿うように囲む形状となる。図５０に示すように、短辺Ａ１、Ａ３が接した状態で、持ち上げられることにより、袋の口を閉じた状態になる。両面使用の形態にするために、両面の用布の縫い代は内部に折り込まれており、その折り重ねられた端縁に、表から縫いを施している。それにより、正バイアスの布目となる短辺は伸縮性がより活かされ、荷物の形状に沿いやすくなり、かさ高な荷物の場合にも、包み易く、袋物としての機能性を高めている。
【０１００】
さらに開口を含め紐通し用管状部３の形成については、いずれかの用布１枚を用いて、その縫い代分を含めた、用布の端に至るまで、一続きで形成されている。それにより紐通し用管状部３の内側は、縫い代も縫い目もなく、紐通し用管状部内はすっきりとしており、使い勝手もよくなり、耐久性も著しく向上する。
【０１０１】
次に、本発明の折りたたみ式袋物の実施の形態８の使用例２について説明する。
図５１は使用例２の使用状態に原理説明の位置関係を表した正面図である。正方形５Ｌ、５Ｓ、直角２等辺３角形５Ｔの位置関係は図３８と同様であるのでここでは説明を省略する（符号は図４８参照）。図５２、５３、５４は上面図、側面図、底面図である。本発明の布状体を広げて荷物を載せてから、紐の先端を結んで、その２つの結び目７を持ち上げるだけで、紐が引き出されて、図５１のようにショルダーバッグ様の体裁となる。この使用例の場合は、非常に簡単に荷物を収納でき便利である。また、用布面積を効率よく活かしており、形状を問わず、多くの物を収納できる。
【０１０２】
また、実施の形態８の使用例３について説明する。本発明の折りたたみ式袋物の使用例３の使用状態を図５５乃至図５９に示す。菓子折りなどの天地無用の場合の収納に適する使用例を示す。菓子折りの箱や、かさ高な物を安定させて美しく収納できる。そのためには、図５９の紐の操作の説明図に示すように、２本の紐による操作で、周縁部を上面に引き上げると良い。このとき、紐通し用管状部３が中央から２つに折れて、開口Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３、Ｈ４が相接する。開口Ｈ５、Ｈ６、Ｈ７、Ｈ８も同様に相接し、袋の口を閉じた状態となり、荷物の収まりも良く、安定して美しく収納できる。
【０１０３】
この場合の２本の紐にも、抜け落ち防止部分を施す。図６０に示すように変形例として、挿入した紐の先端を用いて玉結びなどの飾り結びを施しても良い。
【０１０４】
上記使用例１から３について説明したが、袋物としての形状が大きく異なるのは、仕立て方や、布状体の面積の大小からもたらされるものだけではなく、収納する荷物の形状の違いからくる紐の操作の違いも大きいことが分かる。
例えば、
（１）横に長い形状の物を収納する場合に、２本の紐を引き出して開口近くで結びとめた、ふくらみをもつバッグのようになる使用例。
（２）立方体や球体などに向く使用例。
（３）引き出した紐の端を結びショルダーバッグのようにする使用例。
（４）引き出した紐を、短辺に露出している紐にくぐらせてから、結びとめて菓子折りなどの箱や、かさ高な物に向く使用例。
このような使用例があり、さらに持ち手になる紐の長さも、体格や使用状況に応じて必要な長さに結ぶことが出来る。紐の結び方も、それぞれの好みで変えることができる。
【０１０５】
以上説明してきたように、本発明の折りたたみ式袋物は、簡単な紐の操作の違いで、想定を超えた形状の変化を見ることが出来る。これらのことから、使用の形態は記載する以外に、使う人のセンスと裁量により広がりを見る可能性を多く有するものである。
【０１０６】
またフラットな布を出発材料として、折り畳むだけで、きわめて軽量で意匠性に優れた折りたたみ式袋物を提供することが可能となる。
さらにまた、実施の形態８の両面使用の場合には、食事の際にもひざ掛けとして用いたり、あるいは、短辺のひとつの紐を長くして、首にかけ、もう一方の紐をウエストで縛ることで、ジャケットのインナーとしても使用でき、バッグの中に１枚入れておくだけで種々の用途に使用可能である。
【０１０７】
従来、表裏のある１枚の布の風呂敷にて包みを施し、使用するに当たり、必ず裏面が目に入り、解く場合も同様である。絹製の風呂敷など大変に美しく優雅であるが日常的に使用するには、高価でもあり、耐久性にも不安がある。これに対し、本発明の折りたたみ式袋物において、用布を複数枚用いて形成することで、耐久性ばかりでなく、繊細な風合いの用布も使用可能となる。
なお、以上の実施の形態のすべてにおいて、複数枚の布状体を重ねて使用したり、紐部を着脱自在に変更したり、リングなどで代用したり、各実施の形態で用いられている構成の一部を適宜組み合わせて使用することも可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【０１０８】
以上説明したように、本発明の折りたたみ式袋物によれば、きわめてシンプルな構成でありながら、外観性に優れた袋物であり、機械的強度も高く収納性に優れていることから、洋布のみならず、和布でも製造でき、和洋装いずれの場合にも適用可能であり、携帯用としても有効である。
【符号の説明】
【０１０９】
【符号の説明】
１、 １１ 布状体
１ａ、 １１ａ 下面用布
１ｂ、 １１ｂ 上面用布
２、 １２ 紐部（２は紐通し用管状部３と紐４で構成、１２は紐通し用管状部１３ と紐１４で構成）
１２ｏ 布状体の端縁から近い側にある第１の紐部
１２ｉ 布状体の端縁から遠い側にある第２の紐部
３、 １３ 紐通し用管状部
１３ｏ 紐通し用管状部の外縁部
１３ｉ 紐通し用管状部の内縁部
４、 １４ 紐
５Ｓ、 １５Ｓ 小さい正方形
５Ｌ、 １５Ｌ 大きい正方形
５Ｔ、 １５Ｔ 直角２等辺３角形
６、 １６ 抜け落ち防止部分
７、 １７ 持ち手になる紐の結び目
８、 １８ ミシン縫製の縫い目
１９ レース
２０ 面ファスナー
２１ リング
Ａ１、 Ａ０１ 短辺
Ａｉ０１ 内側短辺
Ａ２、 Ａ０２ 短辺
Ａｉ０２ 内側短辺
Ａ３、 Ａ０３ 短辺
Ａｉ０３ 内側短辺
Ａ４、 Ａ０４ 短辺
Ａｉ０４ 内側短辺
Ｂ１、 Ｂ０１ 長辺
Ｂｉ０１ 内側長辺
Ｂ２、 Ｂ０２ 長辺
Ｂｉ０２ 内側長辺
Ｂ３、 Ｂ０３ 長辺
Ｂｉ０３ 内側長辺
Ｂ４、 Ｂ０４ 長辺
Ｂｉ０４ 内側長辺
Ｃ、 Ｃ０ 布状体の中心
Ｄ、 Ｄ０ 本考案折りたたみ式袋物布状体出来上がり巾
Ｆ 遊離片
Ｈ１、 Ｈ０１ 開口
Ｈ２、 Ｈ０２ 開口
Ｈ３、 Ｈ０３ 開口
Ｈ４、 Ｈ０４ 開口
Ｈ５、 Ｈ０５ 開口
Ｈ６、 Ｈ０６ 開口
Ｈ７、 Ｈ０７ 開口
Ｈ８、 Ｈ０８ 開口
Ｌ、 Ｌ０Ｃ 底部の中心線
Ｒ、 Ｒ０ 底部となる８角形の領域
１０１ 布体
１０２ 紐通路
１０３ 紐
１０４ 通路口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
正方形の布状体と、
前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、
前記紐部は、
前記正方形の布状体の各辺の両端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部と、
前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐とで、構成されており、
前記紐通し用管状部は、各辺の中央部の５分の３の長さを有するように構成された折りたたみ式袋物。
【請求項２】
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、複数の用布を重ね合わせて形成された折りたたみ式袋物。
【請求項３】
請求項１または２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、
前記短辺に連続する直角二等辺三角形の連続片が遊離片として残るように正方形の４隅を残して形成された８角形からなる本体部と、
前記４つの遊離片とで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項４】
請求項１または２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形であり、
互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成された８角形の布状体と、
前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項５】
請求項４に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、正方形布の４隅を折り込むことにより形成された隅切り部である短辺と、前記正方形の辺である長辺とを有する８角形の布状体であり、
前記紐の導出部で囲まれた１対の短辺は、それぞれ当該短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を形成し得るように構成された折りたたみ式袋物。
【請求項６】
［１枚布で］
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から所定の距離にある管状部である折りたたみ式袋物。
【請求項７】
［着脱自在］
請求項７に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、着脱自在である折りたたみ式袋物。
【請求項８】
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記布状体の前記長辺の周縁部に装着された複数のリングで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項９】
請求項１乃至７のいずれかに記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある第１の管状部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある第２の管状部とを具備した折りたたみ式袋物。
【請求項１０】
請求項２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある外縁部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある内縁部とを具備し、
前記布状体は表裏両面の使用が可能となるように構成された折りたたみ式袋物。
【請求項１】
正方形の布状体と、
前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成されており、
前記紐部は、
前記正方形の布状体の各辺の両端部を残して中央部に設けられた４本の紐通し用管状部と、
前記各辺の端部を介し近接する２つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられ、前記各辺の端縁に沿って導出された紐とで、構成されており、
前記紐通し用管状部は、各辺の中央部の５分の３の長さを有するように構成された折りたたみ式袋物。
【請求項２】
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、複数の用布を重ね合わせて形成された折りたたみ式袋物。
【請求項３】
請求項１または２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、
前記短辺に連続する直角二等辺三角形の連続片が遊離片として残るように正方形の４隅を残して形成された８角形からなる本体部と、
前記４つの遊離片とで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項４】
請求項１または２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、正方形の４隅を残して形成された８角形であり、
互いに平行で長さの等しい２対の長辺と、互いに平行で長さの等しい２対の短辺とを有し、前記長辺と短辺の比が３：√２となるように形成された８角形の布状体と、
前記２対の短辺のうちの１対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された１対の紐部とで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項５】
請求項４に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、正方形布の４隅を折り込むことにより形成された隅切り部である短辺と、前記正方形の辺である長辺とを有する８角形の布状体であり、
前記紐の導出部で囲まれた１対の短辺は、それぞれ当該短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を形成し得るように構成された折りたたみ式袋物。
【請求項６】
［１枚布で］
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から所定の距離にある管状部である折りたたみ式袋物。
【請求項７】
［着脱自在］
請求項７に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、着脱自在である折りたたみ式袋物。
【請求項８】
請求項１に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記布状体の前記長辺の周縁部に装着された複数のリングで構成された折りたたみ式袋物。
【請求項９】
請求項１乃至７のいずれかに記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある第１の管状部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある第２の管状部とを具備した折りたたみ式袋物。
【請求項１０】
請求項２に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、少なくとも要部が２枚仕立てで構成され、
前記紐通し用管状部は、前記長辺に沿って端縁から第１の距離にある外縁部と、前記第１の距離よりも大きい第２の距離にある内縁部とを具備し、
前記布状体は表裏両面の使用が可能となるように構成された折りたたみ式袋物。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【図４８】
【図４９】
【図５０】
【図５１】
【図５２】
【図５３】
【図５４】
【図５５】
【図５６】
【図５７】
【図５８】
【図５９】
【図６０】
【図６１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【図４８】
【図４９】
【図５０】
【図５１】
【図５２】
【図５３】
【図５４】
【図５５】
【図５６】
【図５７】
【図５８】
【図５９】
【図６０】
【図６１】
【公開番号】特開２０１１−２２９８８５（Ｐ２０１１−２２９８８５Ａ）
【公開日】平成２３年１１月１７日（２０１１．１１．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１１５７７１（Ｐ２０１０−１１５７７１）
【出願日】平成２２年４月２８日（２０１０．４．２８）
【特許番号】特許第４６４８４９３号（Ｐ４６４８４９３）
【特許公報発行日】平成２３年３月９日（２０１１．３．９）
【出願人】（５０９０２３８１６）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１１月１７日（２０１１．１１．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年４月２８日（２０１０．４．２８）
【特許番号】特許第４６４８４９３号（Ｐ４６４８４９３）
【特許公報発行日】平成２３年３月９日（２０１１．３．９）
【出願人】（５０９０２３８１６）
【Ｆターム（参考）】
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