説明

折り畳み可能な傘状遮蔽体を備える移動式シェルタ

車両と、その一端が車両に回動自在に結合され、他端が折り畳み可能な傘状遮蔽体に結合されたポストとを有する移動式シェルタ。遮蔽体は、遮蔽体をポストに取り付けるフレームと、フレームに結合された複数の関節付きブレースアセンブリとを有し、後者はそれぞれ回動自在に相互接続された複数のブレースを有する。ブレースアセンブリは接地末端と、スプレッダリングに回動自在に取り付けられた回動関節とを有し、スプレッダリングはポストに係合する。スプレッダリングをポストの周知で昇降させると、ブレースアセンブリは、格納位置−ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、ブレースアセンブリの接地末端がポストの近傍に位置する−と、配置位置−ブレースアセンブリがポストから離れた位置に配置され、ブレースアセンブリの接地末端がポストから離隔された位置にあり、スプレッダリングがフレームに着脱自在に取り付けられている−との間で、シフトされ得る。遮蔽体を組み立てるためには、ポストを車両から離れて垂直な姿勢となるように回動し、スプレッダリングをポストに沿って上昇させ、ブレースアセンブリをその格納位置から配置位置に傘のようにシフトさせる。一端ブレースアセンブリがその配置位置におかれると、ポストは遮蔽体フレームから外すことができ、車両がポストをもって遮蔽体から走り去ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘状シェルタに関するものであり、特に折り畳み可能な傘状遮蔽体を備える移動式シェルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、サーカスの興業やコンサートなどの野外イベントを開催するために屋外の空き地に折り畳み可能な遮蔽物を設置することが知られている。そのような遮蔽物は、大人数の観客とともに公演を行うためのステージ領域を収容するために十分な広さを有していなければならず、従って非常に大きく高いものとなり得、例えば幅40メートル、高さ12メートルものサイズを有し得る。そのような遮蔽物を建設するために、複数の作業者がポール、キャンバス、ケーブル、ロープ、他の部品をつなぎ合わせることが必要であり、多くの場合幅のせまい梯子を立てて作業が行われる。この組立て作業は最新の注意が必要で時間のかかる作業であり、数人の作業者が丸一日作業して2、3日かかり、また組み立て中に怪我をすることもある危険な作業を伴い得る。
【0003】
テントのような既存の小型のシェルタは、何れも傘状の折り畳み可能なフレームを有し、迅速かつ容易に組立てできるものである。この種のフレームは容易かつ迅速に、コンパクトな輸送用の形状に折畳むことができる。傘状シェルタのフレームは、それぞれ回動自在に相互続された複数のロッドから構成された多数の脚部を有し、かつ中空スリーブが軸線方向に摺動可能に取り付けられるポストを有する。シェルタを広げるためには、傘と同じ方式でスリーブをポストに沿って摺動させ、脚部を完全に所定の位置に配置させる。同様に、シェルタを折畳むためには、スリーブをポストに沿って下向きに摺動させて、脚部を完全に引っ込める。
【0004】
しかし、この種のシェルタは小型のものであり、大型のシェルタ用のものではない。実際に、その構造は脆弱で、その内部構造は大容量の遮蔽体に置き換えられるようなものではない。従って、例えば最大2000名の人数を収容可能なタイプの、輸送や設置が容易な大容量の折り畳み可能な遮蔽体に対するニーズが存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
車両と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体と、
ポストとを有する移動式シェルタであって、
前記傘状遮蔽体は、
フレームと、
複数の関節付きブレースアセンブリであって、各ブレースアセンブリは、複数の回動自在に相互接続されたブレースを有し、接地末端を有し、かつ前記フレームに前記フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有する、該複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記複数の関節付きブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記ポストは、
前記フレームに着脱自在に取り付けられ得る第1末端部分と、
前記車両に支持された第2末端部分とを有することを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、第1格納位置と第2配置位置との間で移動可能であり、
前記第1格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストの近傍に位置し、かつ前記スプレッダ部材が前記ポストの前記第1末端部分から離れた位置で前記ポストに係合し、
前記第2配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストから離隔された位置にあり、前記スプレッダ部材が前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記スプレッダ部材は、前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置と前記第2配置位置との間で動かされるとき、前記ポストに移動可能な形で係合し、前記ポストに沿って案内され、
前記ブレースアセンブリが、前記第2配置位置にあるときには、前記ポストの第1末端部分は前記フレームから外すことが可能となり、前記車両が前記遮蔽体から前記ポストを持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にし得ることを特徴とするシェルタに関するものである。
【0006】
或る実施態様では、前記遮蔽体上に、前記スプレッダ部材を前記ポストに沿って強制的に移動させるべく駆動されるアクチュエータが設けられる。
【0007】
或る実施態様では、前記アクチュエータが、
前記ポストによって支持された吊り上げシステムと、
前記吊り上げシステムに動作可能に結合され、前記ポストに摺動自在に係合するプッシュ部材とを有し、
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材は前記プッシュ部材と前記フレームとの中間に位置し、
前記吊り上げシステムが駆動されると、前記プッシュ部材は前記ポストに沿って強制的に移動されて前記スプレッダ部材を摺動させる。
【0008】
或る実施態様では、前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材が前記プッシュ部材に着脱自在に取り付けられる。
【0009】
或る実施態様では、前記ポストが、細長い形状のソケットとポスト持ち上げ機構とを有するポスト取り付けベース部を介して前記車両に取り付けられ、前記ポスト第2末端部分は前記ソケットに摺動自在に係合し、前記ポスト持ち上げ機構によって前記ポスト第2末端部分が前記ソケット内をその内側及び外側限界位置の間で前記ソケットに沿って移動可能となっている。
【0010】
或る実施態様では、前記ポスト取り付けベース部は前記車両に回動自在に取り付けられ、従って前記ポスト取り付けベース部が前記ポストを前記車両に回動自在に取り付けられ、これによって前記ポストが、前記ポストが前記車両に対して実質的に平行に置かれる第1位置と、前記ポストが前記車両に対して直立する第2限界位置との間で移動可能となっている。
【0011】
或る実施態様では、前記ブレースアセンブリのそれぞれは、
前記遮蔽体フレームに回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するフレーム結合ブレースと、
前記スプレッダ部材に回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するスプレッダブレースであって、前記フレーム結合ブレースの前記第2末端は、前記スプレッダブレースに前記スプレッダブレースの前記第1末端と前記第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該スプレッダブレースと、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置において地面に置かれる第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有する接地ブレースであって、前記スプレッダブレースの前記第2末端が前記接地ブレースに前記接地ブレースの第1末端と第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該接地ブレースと、
前記フレーム結合ブレースの第1末端と第2末端との中間に回動自在に結合される第1末端と、前記接地ブレースの第2末端に回動自在に結合される前記第1末端の反対側の第2末端とを有する中間ブレースとを有する。
【0012】
或る実施態様では、前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置から前記第2配置位置に移動するときに、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が、擬似的放物線の軌跡を描いて、前記ブレースアセンブリが前記車両に接触するのを避けるように動く。
【0013】
或る実施態様では、前記車両がトレーラーである。
【0014】
また本発明は、
車両と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体と、
ポストとを有する移動式シェルタであって、
前記傘状遮蔽体は、
フレームと、
複数の関節付きブレースアセンブリであって、各ブレースアセンブリは、複数の回動自在に相互接続されたブレースを有し、接地末端を有し、かつ前記フレームに前記フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有する、該複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記複数の関節付きブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記ポストは、前記フレームに取り付け可能な第1結合部材と、前記車両に取り付け可能な第2結合部材とを有し、前記第1結合部材及び前記第2結合部材の少なくとも一方が着脱自在な取り付け結合部であることを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、第1格納位置と第2配置位置との間で移動可能であり、
前記第1格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストの近傍に位置し、かつ前記スプレッダ部材が前記ポストの前記第1末端部分から離れた位置で前記ポストに係合し、
前記第2配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストから離隔された位置にあり、前記スプレッダ部材が前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記スプレッダ部材は、前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置と前記第2配置位置との間で動かされるとき、前記ポストに移動可能な形で係合し、前記ポストに沿って案内され、
前記ブレースアセンブリが、前記配置位置にあるときには、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域から前記ポストを取り除くことができることを特徴とするシェルタにも関連する。
【0015】
或る実施態様では、前記ポストの前記第2結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストを前記車両から着脱自在であり、
前記第1結合部材が回動自在であり、従って前記ポストが前記フレームに回動自在に取り付けられ、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記車両から取り外すことができ、前記車両は前記遮蔽体から走り去ることができ、前記ポストは前記第1結合部材の周囲で前記ブレースアセンブリの少なくとも1つに隣接した状態の格納位置に回動されて、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできる。
【0016】
或る実施態様では、前記ポストの前記第1結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストを前記フレームに着脱自在に取り付けられており、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記フレームから外すことができ、前記車両は前記ポストを前記遮蔽体から持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明による移動式シェルタ10を示す。以下に説明するように、シェルタ10は、車体12、トレーラー12の上に回動自在に取着された遮蔽体支持ポスト40、及びポスト40に着脱自在に取り付けられた折り畳み可能な傘状遮蔽体100を有する。
【0018】
車体12は、動力付きかまたは動力付きでない、ポスト40及び遮蔽体100の重量を支持するに十分な頑丈さを有するあらゆる種類の車両であり得る。添付の図面に示す実施例では、車両12はトレーラーであり、本明細書中では「車両」でなく「トレーラー」と称することもある。図1乃至図3に示すように、トレーラー12は、フロントエンド14a及び反対側のリアエンド14bを形成するシャシ14を有する。シャシ14は、平行に離隔した2本のビーム15、15’と、ビーム15と15’との間に固定された横方向に延在する3本のクロスバー17とを有する。2対の車輪16及び16’は、それぞれシャシのリアエンド14bの近傍でビーム15及び15’の後部に回動自在に取り付けられている。シャシのフロントエンド14aの近傍では、2本のけん引用バー19及び19’がそれぞれビーム15及び15’から”L字形”に延び、一点に集まって相互作用する形状をなしている。その相互作用する部位には、けん引用連結部18が固定的に設けられており、これによってトレーラー12を、自動車やトラックのような動力付きの車両(図示せず)に取り付けて牽引できるようにしている。さらに、フロント遮蔽体支持部材21が、シャシフロントエンド14aに近いけん引用バー19及び19’に固定的に取り付けられている。
【0019】
伸縮自在な支持脚部20は、シャシ14のフロントエンドに取り付けられ、支持脚部20は、管状スリーブ20a、スリーブ20aの上側端に取り付けられたクランク20b、及び管状スリーブ20aの内空間に摺動自在に係合するロッド(図示せず)の下側に取り付けられたサンドシュー20cを有する。サンドシュー20cは、クランク20bを適切に操作することによってスリーブ20a内に引っ込めたり、そこから出すように摺動させることができる。
【0020】
2本の伸張可能なアーム22及び22’は、シャシのリアエンド14bに隣接するビーム15及び15’の末端に回動自在に取り付けられ、垂直回転軸(図示せず)の周囲でシャシ14に対して回動可能である。アーム22及び22’のそれぞれは、管状スリーブ部22a及び22a’、及び管状スリーブ部22a及び22a’の内部空隙に係合する摺動ロッド部22b及び22b’を有する。各アーム22及び22’の全体の長さを調節するために、ロッド部22b及び22b’は選択的に摺動させてスリーブ部22a及び22a’に出し入れできる。さらに、伸縮自在な支持脚部24及び24’は、直交する向きにロッド部22b及び22b’の遊端に固定される。
【0021】
アーム22及び22’及び支持脚部24及び24’は、支持脚部20と協働して、支持脚部20、24及び24’が地面に係合しているときにトレーラー12が静止することを確実にしている。
【0022】
図1乃至図3に示すように、トレーラー12はさらに、ポスト取り付け用ベース部25を備えている。ポストベース部25は、シャシ14のリアエンド14bに隣接する部分に回動自在に取り付けられ、水平回転軸28の周りを回転できる。ポストベース部25は、シャシのリアエンド14bに隣接するビーム15及び15’に回動可能に取り付けられる、2枚の一箇所に集まる形状の側面取り付けフランジ26及び26’を有する。ポストベース部25は、フランジ26及び26’のビーム15及び15’に取り付けられる側とは反対側の端部に一体的に取り付けられるポスト持ち上げ機構27をも有する。持ち上げ機構27の詳細については後述する。
【0023】
2つの回動レバー29は、回動軸28の近傍でフランジ26及び26’に取り付けられ、回動レバー29の一方は図面に示されている(他方の回動レバーは図1及び図2においてフランジ26’の背後に隠されている)。回動レバー29の遊端は、油圧シリンダ30及び30’の対応する一方の一端に取り付けられ、油圧シリンダ30及び30’の他方の端部は、シャシのリアエンド14bの近傍においてビーム15及び15’の最も両端から遠い内側の部分の面に回動可能に取り付けられる。シリンダ30及び30’は、ポストベース部25を軸28周りに2つの限界位置の間で回動させるのを機械的に補助する。2つの限界位置とは、シリンダ30及び30’が引っ込められ、図1に示すように持ち上げ機構27がシャシ14の上で水平な向きとなるように配置される水平制限位置と、シリンダ30及び30’が引き出され、図3に示すように持ち上げ機構27がビーム15及び15’のリアエンドより先の位置で垂直な向きとなるように配置される垂直制限位置である。
【0024】
図4乃至図6に示すように、ポスト持ち上げ機構27は、長手軸33があり、細長い円筒形のソケット35と、ソケット35の底部末端に取り付けられ、そこから水平方向に延出する平坦な中空の舌状部31とを有する。ソケット35は、その中心に孔を有する内側円盤状プレート35aを有し、プレート35aはソケット35の底部末端から僅かに上方向にオフセットされ、外周部がソケット35の内側壁に固着されている。内側プレート35bの中心孔にはベアリング35bが取り付けられている。ねじ山付きのシャンク34a及びシャンク34aの底部末端から一体的に延出するピボットピン部分34bをなすエンドレス持ち上げねじ34は、ソケット35に回動可能に取り付けられる。シャンク34aは内側プレート35aとソケット35の上側エッジとの間に延在するような寸法を有する。ピボットピン部分34bは、軸受35bに軸支され、下向きにそれを貫通して突出する形で延在する。従ってエンドレスねじ34は、長手軸33を中心に、軸受35bへの環状の係合部の周りを回転させることができる。さらに、スプロケット34cがピボットピン部分34bの下側端部に固定される。ソケット35も、支持プレート35の下に位置し、舌状部31の中空部に位置が合った側部孔36を有する。
【0025】
舌状部31の上側面には貫通孔が設けられ、貫通孔の周囲には軸受38が取り付けられている。舌状部31はドリルアダプタ32を有し、ドリルアダプタは互換性のドリルビット(図示せず)を受容するように構成され、シャフト32bの上側端に固定される。シャフト32bは、軸受38に軸支されて、下向きにそれを貫通して突出する形で延在する。従って、ドリルアダプタ32は、舌状部31に回動可能に取り付けられ、その上に外向きに延在している。加えて、スプロケット32cは、シャフト32bの下側端部に同心となるように取り付けられる。
【0026】
スプロケット32cは、孔36を通してスプロケット34cと32cに掛けられたエンドレスチェーン37を結合手段としてスプロケット34cに機械的に結合される。ドリルアダプタ32が回転すると、トルクはスプロケット32cからチェーン37を介してスプロケット34cに伝達され、軸受35bに周囲が係合しているエンドレスねじ34は長手軸38周りに回転する。
【0027】
上記のような細長い形状のポスト40は、上側端部40a、下側端部40b、その両端の間をポストに沿った向きに延びる中心長手軸を有する。ポスト40は、頑丈な材料、例えばアルミニウムやステンレス鋼を加工することによって形成される。ポスト40は、その下側端部に固定された円盤状の底部プレート42、及びプレート42を貫通してそれと同心で延在する円筒形の管状カラー44を有し、カラー44はねじ山付きの内部壁を有する。ポスト下側端部40bは持ち上げ機構27のソケット35に摺動自在に係合して、ポスト40の長手軸線がソケットの長手軸線33と一致するようにする。詳述すると、ねじ34のシャンク34aは、エンドレスねじ34を回転させることでカラー44に螺合され、シャンク34aのねじ山とカラー44のねじ山は協働して、ポスト40を、長手軸線33に沿って移動させ、持ち上げ機構27のソケット35から出し入れさせる。このときポスト40自体は回転しない。ポスト末端部40bをソケット35に対して軸線方向に摺動させるのを容易にするべく、2つのブシュ39及び41がソケット35の内側壁とポスト40bの外周壁との間に取り付けられる。ブシュ41はポスト40の下側端部にしっかりと固定され、ブシュ39はソケット35の内側壁の上側の縁に隣接した部分にしっかりと固定される。リング39及び41はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、即ちテフロン(登録商標))のような低摩擦材料から作成され得る。ポスト40をソケット35に対して低摩擦で移動できるようにすることに加えて、ブシュ39及び41は、ポスト40がソケット35から誤って外れるのを防止するための抗脱落手段としての役目も果たす。実際に、ポスト40がソケット35から軸線方向に押出されると、ブシュ41は最終的にブシュ39に当接し、それによってポスト40がソケット35から更に外に出ることが防止され得る。従って、ポスト40は、ポスト下側プレート42が下向きにソケットの内部プレート35aに当接する位置である下側制限位置と、ソケットの内側壁に固着された上側ブシュ39にポストの下側ブシュ41が当接する位置である上側制限位置との間で軸線方向に移動可能となる。
【0028】
遮蔽体係合取り付け具92は、ポストの上側端部40aの内周壁に係合し、固定される。取り付け具92は円筒形の主要本体部92aと、主要本体部92aと一体に形成され径方向に突出する周方向に配列されたリブ92bとを有する。周方向に配列されたブレード92cは、図10の拡大図に見られるように、取り付け具92の上側端に一体に形成されそこから上方向に突出し、一点(取り付け具のとがった先端部)に集まる形状をなす。ブレード92cは、段形状の凹部92dを備えている。後述するように、取り付け具92によって、折り畳み可能な傘状遮蔽体100をポスト40に着脱自在に取り付けることが可能となる。
【0029】
図7に示すように、ポスト40は、それに沿って延在する2本の細長いトラック52及び52’を備える。トラック52及び52’は、長手軸線33に平行で、ポスト40の直径方向に互いに反対側に配置される。トラック52及び52’のそれぞれ(例えばトラック52)は、ポスト40に固定される形で平行に間隔をおいて設けられた2本の細長いフランジ52a及び52bを有する。
【0030】
図4乃至図7、図11乃至図13に記載のように、プッシュリング46は、ポスト40上にポストと同心で摺動自在に取り付けられる。2本の細長い並列パイプ型ブシュ45及び45’がプッシュリング46の内側壁のトラック52とトラック52’との間で互いに径方向反対側の位置にねじ止めされる(図5、図6、図11及び図12参照)。ブシュ45及び45’は、例えばPTFEなどの低摩擦材料から作製される。プッシュリング46は、ブシュ45及び45’から離れた位置でかつリング46上で径方向反対側の位置に断面がU字形状の横方向の2本の案内溝47及び47’も有する。溝47及び47’は、トラック52及び52’をそのなかに収容するサイズに形成され、プッシュリング46を、それがトラック52及び52’に係合した状態でそれに沿って摺動することによりポスト40に沿って摺動するのを案内する役目を果たす。ケーブルガイド49(図7にのみ部分的に図示されている)は、溝47及び47’のそれぞれの内部に収容される。溝47内に収容されたケーブルガイドのみが図面にはあらわれており、反対側のケーブルガイドは図7においては溝47’の下に隠されている。ケーブルガイド49の目的については後述する。
【0031】
遮蔽体100を配置するためには、プッシュリング46は(後述のように)上側端部40aまたは下側端部40bの何れかに向かってポスト40に沿って昇降するように駆動されなければならない。プッシュリング46をポスト40の周りで昇降させるように駆動するために、遮蔽体100に機械的補助手段、即ちポスト40上に取り付けられプッシュリングに操作可能な形で結合されたプッシュリング駆動・吊り上げシステム48が設けられる。プッシュリング吊り上げシステム48(図7)は、吊り上げベース部50を有し、該吊り上げベース部50は、内部に半円形の凹部を画定している上側プレート54と、一方の端部がトッププレート54に固着され他方の端部がポスト40に固着されている3本のL字形のブラケット56とを有する。各ブラケット56は、水平方向の同一平面状にある平坦で水平な上側端部をそれぞれ有する。ブラケット56は、プレート54とポスト40の両方が凹部51とポスト40との間に空隙をつくるように取り付けられる。ポスト40がソケット35に対して一定の位置にあるとき、ソケット35の上側縁部分は、(例えば図5に示すように)ポスト40と吊り上げベース部50のプレート54との間の空隙に係合する。更に、吊り上げベース部50をポスト40から離隔した位置に適切に支持する他に、ブラケット56はプッシュリング46に対するストップ部としての役目も果たす。実際に、プッシュリング46はブラケット56を超えてポスト40に沿って下向きに摺動できない。プッシュリングがブラケット56の平坦な水平上側端部に当接して、そこに止められるからである。
【0032】
吊り上げベース部50の上側プレート54の底面上には、2枚の側部プレート58及び58’と2枚の中間プレート60及び60’が上側プレートに直交する形で固定して取り付けられる。シャフト62は、上側プレート54の凹部51と反対側の縁部に隣接する位置において、それぞれプレート58、58’、60及び60’に支持された軸受59、59’、61及び61’を続けて貫通する形で回動自在に横向きに延在する。ドリルアダプタ32のドリルソケット32aに類似したドリルソケット64は、側部プレート58’の軸受59’に軸支されて該軸受を貫通する形で延在するシャフト62の末端に動作可能に結合される。ドリルソケット64を選択的に回転させることにより、シャフト62も回動できることになる。
【0033】
吊り上げシステム48は、側部プレート58と中間プレート60との間に取り付けられた第1スプロケット機構63を有し、シャフト62が回転すると駆動され得るようになっている。類似の第2スプロケット機構63’は、図7ではその大部分が隠れて見えないが、側部プレート58’と中間プレート60’との間に取り付けられている。第2スプロケット63’は、第1スプロケット63とは鏡像関係にあり、同様にシャフト62が回転すると駆動され得る。ここでは第1スプロケット63機構についてのみ詳細に説明したが、第2スプロケット機構63’も同様の機能を果たすことを理解されたい。
【0034】
第1スプロケット機構63は、軸受59と軸受61との間の位置でシャフト62に固定されたスプロケットホイール66を有する。他方のスプロケットホイール68はドラム70に結合され、凹部51が形成された上側プレート54の縁部に隣接した側部プレート58と中間プレート60との間の位置に回動自在に取り付けられる。スプロケットホイール66及び68は、エンドレスチェーン69を介して互いに動作可能に結合される。従って、ドリルソケット64が回転されるとシャフト62も回動され、スプロケットホイール66も回転されることになる。スプロケットホイール66の回転は、スプロケットホイール68・ドラム70アセンブリの回転をもたらす。
【0035】
ケーブル72の一端はドラム70に取り付けられる。ケーブル72はドラム70から上側プレート54の孔53を通って上向きに延びている。ケーブル72はドラム70から、トラック52の下でトラック52と垂直方向に位置が合わせられた下側プーリアセンブリ74まで延び、さらにトラック52の上でトラック52と垂直方向に位置が合わせられた上側プーリアセンブリ(図面では隠れている)まで上側に延びている。ケーブル72は、トラック52のフランジ52aと52bの間で複数回交互に往復する形で、上側プーリアセンブリと下側プーリアセンブリとの間に張られており、プッシュリング46の溝47のなかに位置するケーブルガイド49によって、もつれることなく中間部を横断する形で延びている。ケーブルガイド49は、その目的のために別々の平行なケーブルチャネルを有しているにすぎない。ケーブル72のドラム70に取り付けられた方とは反対側の末端はケーブルガイド49に固定され、ケーブルガイド49はプッシュリング46に固定されている。
【0036】
ドリルソケット64が第1の方向に回転すると、スプロケットホイール68とドラム70が回転され、ケーブル72はドラム70に巻き取られる。ケーブル72はドラム70から延びて、上側及び下側プーリアセンブリに交互に掛かり、最後に上側プーリアセンブリから下側に延びてプッシュリング46への取り付け位置に達していることから、ケーブル72の第1の端部をドラム70に巻き取ることにより、プッシュリング46に取り付けられたケーブル72の第2の端部はポスト40に沿って上向きに持ち上げられ、結果的にプッシュリング46がポスト40に沿って上向きに摺動する形に吊り上げられる。2つの垂直方向に位置の合わせられたプーリアセンブリは、互いに協働してケーブル72が必要とする引っ張り力を低速側に変速し、プッシュリング46が低速だが強制的にポスト40に沿って上昇し、重い遮蔽体100を、従来型のハンドドリルで引き起こされる回転トルクのみで上述のように配置することできる。
【0037】
ドリルソケット64を反対方向に回転させることによってケーブル72をドラム70から解くことができることも理解されよう。しかし、ケーブル72をドラム70から解くには、プッシュリング46を下側プーリアセンブリ74に向かって下降させるだけでは不十分である。実際、プッシュリング46にも、上側及び下側プーリアセンブリに取り付けられた制動プーリ73の作用に対抗するために下向きの力を手で加えなければならない。実際、プッシュリング46がポストの上側端部40aに向かって上向きに吊り上げられ、ポスト40上の持ち上げ位置に残されたとき、制動プーリ73は協働して、プッシュリング46が重力の作用でポストの下側端部40bに下降するのを防止する。従って、プッシュリング46がポスト40に沿って下降するために、シャフト60を選択的に回動すればケーブル72はドラム70から必ず解けるが、そうでない場合には制動プーリが自発的な降下を防止するようになっていなければならない。
【0038】
第2スプロケット機構63’は、それ自身のドラム、ケーブル、プーリアセンブリを有しており、プッシュリング46に対して同時に対称的にポスト40に沿って吊り上げるように作用し、かつプッシュリング46をポスト40に沿って降下させるためにそのケーブルが解けるようにする。
【0039】
図5乃至図7に示すように、プッシュリング46はフィンガ機構75を有しており、その目的は以下に説明する。フィンガ機構75は2本の軸77及び77’を有しており、これら2本の軸はそれぞれ回動部材78(図面では軸77が取り付けられた回動部材78のみが示されている)と回動部材79及び79’とを回動自在な状態で貫通している。回動部材79及び79’は、プッシュリング46にそこから突出する形で一体的に取り付けられている。軸77及び77’のそれぞれは、回動部材78及び79、79’に対して各回転軸80及び80’を中心に回動可能である。2つのフック形状のフィンガ76及び76’は、それぞれ細長部分76a及び76a’とリブ76b及び76b’を有しており、細長部分76a及び76a’の一端において、回動部材78に隣接する軸77及び77’の末端に軸に直交する形で固定的に取り付けられる。連結レバー82及び82’の一端は軸77及び77’の両端にそれに直交する形で固定的に取り付けられ、フィンガ76及び76’の細長部分76a及び76a’と鈍角をなす(例えばフィンガ76及び76’と95゜の角度をなす)。連結レバー82及び82’の他方の端部のそれぞれは、対応する回動ピン83(レバー82に取り付けられた回動ピン83のみが図示されている)に回動自在に結合され、回動ピンはナット84に取り付けられている。ナット84は垂直に配設されたボルト86に螺合し、ボルト86は、溝47の外側壁に取り付けられた上側及び下側回動部材87及び88にねじ山を介さずに回動自在に係合し、それを貫通している。上側回動部材87を超えて上向きに突出するボルトの上側端部86はナットに固定され、ボルト86が回動部材87から飛び出さないようにされている。アイレット(穴状部)90は下側回動部材88を越えて下向きに突出する形でボルト86の下側端に固定される。
【0040】
アイレット90は、例えば独立した手で操作する細長いフック付きの棒のような器具(図示せず)を用いてそれを手で回すことによって、ボルト86を回転するために設けられている。ボルト86が回動部材87及び88への取り付け部周りに回されると、ボルト86のねじ山がナット84のねじ山と協働して、ナット84をボルト86の外側で軸線方向に動かす。ナット84がボルト86の外側を軸線方向に動くと、ナット84のピン83に結合されたレバー82及び82’の一端が、ボルト86の外側でのナット84の動きに従って動き、従って軸77及び77’を回動させ、さらにフィンガ76及び76’が軸線80及び80’周りに回動することになる。ナット84がボルト86の外側に沿って上向きに動かされると、フィンガ76及び76’は図5及び図11に示すようにポスト40から離れる向きに回動される。ナット84がボルト86に沿って下向きに動かされると、フィンガ76及び76’は、図6、図12、及び図13に示すようにポスト40に近づく向きに回動される。
【0041】
図8に示すように、遮蔽体100はフレーム102を有し、フレーム102は細長い管状及び円筒形状の柱幹部材104を有する。柱幹部材104は上側端104a及び下側端104bを有する。フレーム102は、柱幹部材104bの上側端からそれと同心で上向きに延びる、細長い円筒形のロッド部分106を有する。下側部分104は、後の詳述する理由からポストと実質的に等しい直径を有する。
【0042】
取り付けリング108は、柱幹部材104とロッド部分106の間の接合部においてフレーム102に固定的に取り付けられる。リング108は、ブレース取り付け部材109の環状の配列を有する。弓形のブレースアセンブリの環状配列110は、取り付けリング108を介してフレーム102に取り付けられる。
【0043】
各ブレースアセンブリ110は、回動自在に相互接続された以下の各種ブレースを有する。
・フレーム結合ブレース112。フレーム結合ブレース112は、その一端が取り付けリング108の対応するブレース取り付け部材109に回動自在に結合され、これによってブレースアセンブリ110をフレーム102にしっかりと回動自在に結合している。フレーム結合ブレース112の他方の端部は次に記載のスプレッダブレース114の中間部分に回動自在に取り付けられる。
・スプレッダブレース114。スプレッダブレース114は、その一端が後述するスプレッダリング120(本明細書ではスプレッダ部材120とも称する)に回動自在に取り付けられる。ブレース114の他方の端部は、次の記載の接地ブレース118の中間上側部分に回動自在に取り付けられる。
・接地ブレース118。接地ブレース118には複数の孔119が形成されている。ブレース118は、杭孔132を有する脚部112が一体的に取り付けられた第1接地端を有し、その反対側には次に記載の中間ブレース116の一端に回動自在に取り付けられる第2端部を有する。
・中間部ブレース116。中間部レース116は、ブレース118への結合部の反対側の一端において、フレーム結合ブレース112の中間部分に回動自在に結合される。
【0044】
ブレース112、114、116、及び118は、例えば加工されたアルミニウムや、Kevlar(登録商標)繊維又はファイバーグラス等の複合材料のような丈夫な材料から形成され、大きな機械的応力に対して変形せずに耐えるのに適した形状とされる。
【0045】
更に、各接地ブレース118は、図19に示すような2本の細長いキャンバス取り付けスロット208を有する。キャンバス200は、図17乃至図19に示すように遮蔽体100に取り付けられ、複数の連続した横方向のキャンバス部分202を有し、開口部204を有する少なくとも1つのキャンバス部分203を有する。キャンバス開口部204は、使用時に遮蔽体100の入口としての役目を果たす。横方向キャンバス部分202及び203のそれぞれは2本の細長い縁部を有し、その縁部に沿って細長い取り付けリブ206(図19参照)が取り付けられている。詳述すると、各横方向キャンバス部分の縦方向に延びる縁部は、リブ206に設けられた平坦な縦方向スロット207に圧入される。リブ206のそれぞれは、細長い円筒形部分209を有し、この円筒形部分209が接地ブレース118の1つにおける対応するスロット208に係合し、そのスロットと共に蟻継ぎ型係合部を形成する。これによって、リブ−スロット結合により、各キャンバス部分202及び203は、2本の連続した接地ブレース118の間に張られる形で固定される。接地ブレース118及びキャンバス部分203及び204は、遮蔽体200の頂部まで延びておらず、従って遮蔽体フレーム構造の上側部分をカバーするために、リブのない上側キャンバス部分210が設けられる。上側キャンバス部分210は、中間ブレース118及びフレーム結合ブレース112の上側部分に載せられ取り付けられている。上側キャンバス部分210には孔が設けられ、搬送ロッド106がそれを貫通して延在できるようになっている。
【0046】
上述のように、スプレッダブレース114は、その一端においてスプレッダリング120に結合される。スプレッダリング120は、それと一体的に設けられて径方向外向きに突出しているブレース取り付け部材121の環状配列を有し、この環状配列にスプレッダブレース114が回動自在に取り付けられる。図7に示すように、スプレッダリング120はその径方向反対側の位置にプッシュリング46の溝47及び47’に類似した2本の横方向溝122及び122’を有する。スプレッダリング120はプッシュリング46とポスト40の間でポスト40に摺動自在に係合し得る。溝122及び122’は、スプレッダリング120がポスト40に係合した時その内部にトラック52及び52’を収容するサイズとされる。スプレッダリング120は、(後述するように)遮蔽体フレーム柱幹部材104に係合して、それに着脱自在な形で取り付けられる。従ってスプレッダリング120は、(図5乃至図7に示すように、)その径方向反対側の位置に2つのフレーム取り付け孔124及び124’を有する。
【0047】
図9及び図10に示すように、管状カラー131はフレーム柱幹部材の下側端104bの近傍において管状柱幹部材104の内側壁にぴったりと係合して、そこに固定される。ばね付勢された取り付け機構130は、フレーム柱幹部材104の内側孔内に設けられ、カラー131の範囲内に部分的に収容される。
【0048】
取り付け機構130は、カラー131の内側壁にしっかりと固定されたL字形取り付けブラケット132を有する。円筒形のポストに係合するネック134は、ブラケット132に一体的に取り付けられ、フレーム柱幹部材104と同心となるようにその内部に適切に配置される。ブラケット132に取り付けられる位置の反対側において、ポストに係合するネック134は、位置合わせタブ134を一体的に有する。この位置合わせタブ134の遊端は、カラー131の内側壁に付勢しつつ係合し、ネック134の遮蔽体フレーム柱幹部材104に対する位置が不測の事態によりずれるのを防止し、これによってネック134が柱幹部材104内で同心に位置合わせされた状態を保つ。
【0049】
ネック134は更に、そこからL字形に一体的に垂設された2つの側部取り付け回動部材138及び138’を有する。この2つの側部取り付け回動部材は、ネック134の径方向に正反対の位置に配置される。2つの着脱自在な取り付けフック部材140及び140’は、主シャンク部分140a及び140a’と、シャンク部分140a及び140a’の下側端から突出する保持部分140b及び140b’を有し、シャンク部分140a及び140a’の中央領域において回動部材138及び138’に回動自在に取り付けられる。保持部分140b及び140b’のそれぞれは、上側の水平なフラットエッジ141a及び141a’と、下方向内向きに傾斜したプッシュエッジ141b及び141b’を有する。保持部分140b及び140b’は、フレーム柱幹部材104の内側から、フレーム柱幹部材に形成された孔142及び142’を通して径方向外向きに突出する。保持部分140b及び140b’は、シャンク部分140a及び140a’の上側端とカラー131の上側周縁部との間に張られたばね144及び144’の作用によって径方向外向きに継続して付勢される。
【0050】
また、取り付け機構130は、ポスト取り外しレバー146を備える。レバー146はハンドル部分146aと、ハンドル部分146aの内側端に一体に取り付けられた楔形部分146bとを有し、両部分によってL字形を形成している。楔形部分146bは、その下側の遊端から突出するフック部分146cを有する。フック部分146cは水平な上側エッジと、ダボ140a及び140a’のエッジ141a、141a’及び141b、141b’に類似する水平な上側エッジと、内向きに傾斜した下側エッジとを有する。レバー146は、ハンドル部分146aと楔形部分146bとのL字形接合部においてブラケット132の遊端に回動自在に取り付けられる。2つの位置合わせされた孔がカラー131と柱幹部材104の両方に形成され、それらを通してハンドル部分146aは、フレーム柱幹部材104の外側に延びることができる。ばね150は、楔形部分146bとブラケット132との間で圧縮され、図9及び図10に示すようにレバー146のハンドル部分146aを継続的に上向きに付勢し、即ち楔形部分146bがブラケット132から離れる方向に継続して付勢されることになる。
【0051】
取り付け機構130は、以下に説明するようにスプレッダリング120をフレーム柱幹部材104に着脱自在に取り付けること、及びポスト40をフレーム102に着脱自在に取り付けること、という2つの目的のために設けられる。
【0052】
遮蔽体100は、その輸送中には格納/輸送用形態にされ、この形態では図1に示すように遮蔽体がトレーラ12の上に水平に配置される。また、この格納形態では、ポスト40はソケット35内に完全に引っ込められ、ポストの下側プレート42はソケット35の下側プレート35aと隣接した状態となっている。一方、ポスト40の取り付け具92は、フレーム柱幹部材104内に挿入されている。取り付け具の径方向リブ92bは、管状の柱幹部材104の内側壁にぴったりと係合し、取り付け具主本体部92aの上側端部はネック134の内側壁に係合している(図10参照)。このような取り付け具92の相対的な配置によって、リブ92bが取り付け機構130の動く部品から離され、その動きの邪魔にならないようにされている。ブレード92cは、ネック134の上側周縁部から上側に突出し、取り付け機構130のレバー楔形部分146bは、2つの位置合わせされた連続したブレード92cの間にぴったりと押し込まれた状態になっている。レバーフック部分146cは、同じ2つの連続したブレード92cの凹部92dを通して延在し、フック部分146cの上側水平エッジは、凹部92dの上側エッジに係合している。フック部分146cは、ばね156の付勢の下で、凹部92dにしっかりと、しかし着脱自在に係合された状態が維持される。これによってポスト40はフレーム柱幹部材104に着脱自在に取り付けられる。
【0053】
スプレッダリング120は、遮蔽体100の格納形態においてはポスト40に係合し、プッシュリング46と同心で隣接した状態でその上に位置している。更に、プッシュリング46のフィンガ76及び76’は、ポスト40の側に回動され、フィンガ76及び76’のダボ76b及び76b’は、スプレッダリング120の孔122及び122’に係合する。従って、プッシュリング46とスプレッダリング120は、着脱自在な形で互いに結合される。更に、リング46及び120のアセンブリは、ポスト40上の下方向の限界位置に配置され、プッシュリング46の下側周縁部がブラケット56のフラット水平上側エッジに当接する形となっている(図13参照)。
【0054】
最後に、この格納形態においては、ブレース112、114、116、及び118は、ブレースアセンブリ110がポスト40及びフレーム102の側に折り畳まれる形に手で回動されている。
【0055】
遮蔽体100の組立て手順について以下詳述する。この手順は、遮蔽体100の形態を上述の格納形態から組立てられた配置形態にシフトすることである。遮蔽体100の組立ては、図14乃至図17を参照して以下に説明する。
【0056】
始めにシェルタ10が、トレーラ12の牽引用連結部18を介して自動車又はトラックに固定され、シェルタ10は、遮蔽体100が組み立てられ固定される所望の領域に運ばれる。その後、シェルタの輸送中にシャシ14の側に折り畳まれていたトレーラ支持アーム22及び22’(図1及び図2参照)はシャシ14から外し、ロッド部分22b及び22b’を、図3に示すようにスリーブ部分22a及び22a’から摺動して引き出す。次に、支持脚部20、24、24’のクランクを適切に操作して、各サンドシューが地面に載るようにする。これが終了した時、トレーラ12は安定的に地上に配置され、遮蔽体100の配置手順を開始できる状態となっている。
【0057】
次に油圧シリンダ30及び30’を選択的に駆動して外に伸ばす。シリンダ30及び30’が伸びるにつれ、回動レバー29またはポストベース部25が、図3及び図14において矢印Aで示すように軸線28周りに回動される。従って、ポストベース部25は、図1に示すようなその水平方向の限界位置から図3に示すようなその垂直方向の限界位置にシフトされる。一旦これが達成されると、舌状部31から突出するドリルソケット32に適合するドリルビットを備えたドリルをもつ作業者が、ドリルアダプタ32のソケット32aに自分のドリルのビットを装着して、ソケット32aを回転させるべくドリルを動かすことができるようになる。エンドレスねじ34は、ソケット32aに動作可能に結合されているので、ソケット32aと共に回動される。エンドレスねじ34が回転すると、ポスト40が持ち上げ機構27のソケット35に対して軸線方向上向きに移動することになる。ポスト40が上昇するにつれ、遮蔽体100も同様に、図14に示す矢印Bの方向に持ち上げられ、ブレースアセンブリ110の脚部122が、トレーラ12の真上で地面から離れた位置に配置されることになる。
【0058】
その後作業員は、ドリルソケット32aから自分のドリルビットを外し、それを吊り上げシステム48のドリルソケット64に取り付けることができる。ドリルを選択的に駆動すると、ソケット64が回動され、これによって吊り上げシステム48が、プッシュリング46を、ケーブル72、72’、及びそのケーブルが掛けられたプーリアセンブリを介してポストの上側末端部分40aに向かって吊り上げる。この時、プッシュリング46はフィンガ76及び76’によってスプレッダリング120に結合される。この結果、スプレッダリング120は、プッシュリング46によって上向きに押され、両リングが一体となってポスト40に沿って上昇することになる。
【0059】
スプレッダブレース114は、上述のようにスプレッダリング120に回動自在に取り付けられている。従って、スプレッダリング120がポスト40に沿ってポスト上側末端部分40a及びフレーム柱幹部材104に向かって上昇するにつれ、ブレース114が、ブレース112、116、及び118相互の回転角度位置を変えることになる。ブレースアセンブリ110は、その折り畳み位置(ブレースアセンブリがポスト40の側に折り畳まれ、接地脚部122がポスト40の近傍にある位置)から、配置位置(ブレースアセンブリがポスト40から離れて拡がり、脚部122がポスト40から離れたところにある位置)に次第にシフトされる。図15に示すように、ブレースアセンブリ110の配置は傘の骨組みの配置に類似している。
【0060】
ブレース112、114、116、及び118の相互接続は、脚部122が、ブレースアセンブリ110が拡がる間に擬似的放物線を描くような形態である。ポスト40がソケット35から引き出され、且つブレースアセンブリ110がポスト40の側に折り畳まれた状態にある時、脚部122は、トレーラ12の上で且つ地面から離れた位置にある。ブレースアセンブリ110の配置過程の第1の上昇段階では、脚部122がポスト40から径方向に離れる向きに動かされ、その初期の折り畳み位置から僅かに持ち上げられてトレーラ12に引っ掛からないようにされる。次に脚部122がその擬似的放物線の頂点の位置に達すると、ブレースアセンブリ110は、その配置過程の第2の下降段階に入る。この段階では脚部122が地面に向かって下降し、図16に示すような位置に達する。
【0061】
スプレッダリング120はその上昇過程の終わりに、ポスト40上を摺動してその上側端部を越え、フレーム柱幹部材104の上に移動しなければならない。ポスト40はフレーム柱幹部材104に挿入されて結合されていることから、その外側壁同士は同心で結合され、連続的な滑り面を形成している。両部材は同じ外径を有するからである。この結果、スプレッダリング120はポスト40に沿って摺動して上昇し、ポスト40から離れて、フレーム柱幹部材104の上に引っかかることなく滑らかに移動することができる。
【0062】
スプレッダリング120がポスト40から押されてフレーム柱幹部材104上に摺動すると、結果的にスプレッダリング120の頂部周縁部が取り付け機構130のばね付勢された保持部分140b及び140b’に接触することになる。スプレッダリング120が、更に上方向に押されると、スプレッダリング120の上側周縁部は、保持部分140b及び140b’の傾斜したプッシュエッジ141b及び141b’に押し当てられることになる。次に保持部分140b及び140b’が、フレーム柱幹部材104に対して径方向内向きに押し曲げられ、スプレッダリング120は摺動して孔142及び142’に重なる。スプレッダリング120の摺動による上昇過程は、プッシュリング46がポスト40の最も高い位置まで摺動した時に終了する(プッシュリングは上側プーリアセンブリを越えて摺動することができない)。この時、スプレッダリング120の孔124及び124’は、フィンガ76及び76’のダボ76b及び76b’が係合しており、且つフレーム柱幹部材104の孔142及び142’に対して向かい合わせで接触し重ね合わせられた状態にあり、ブレースアセンブリ110は完全に配置される。
【0063】
次にフック付きの細長いスティック(図示せず)をもっている作業者が、その細長いスティックのフックを機構76のアイレット90に挿入し、スティックをその長手軸の周りに手で回転させて、アイレット90を回転させる。アイレット90の回転により、ボルト86が回転し、ナット84がボルト86に沿って上昇することになる。この結果、レバー82、82’、軸77及び77’、及びフィンガ76及び76’の両アセンブリはそれぞれ回転軸80及び80’の周りに回動し、フィンガ76及び76’がスプレッダリング120から離れる向きに回動し、ダボ76b及び76b’がスプレッダリング120の孔124及び124’から次第に抜けてゆくことになる。ダボ76b及び76b’が孔124及び124’から抜けてゆくと、保持部材140b及び140b’が出てきて、ばね付勢されたフック部材140及び140’が回転軸138及び138’の周りに回るにつれて保持部材140b及び140b’が次第に孔124及び124’に係合してゆく。ダボ76b及び76b’が完全に孔124及び124’から外れると、スプレッダリング120はプッシュリング46から外れ、保持部材140b及び140b’が孔124及び124’を貫通した状態となり、従ってスプレッダリング120はフレーム柱幹部材104に着脱自在な形で固定されることになる。
【0064】
次に作業者は、ドリルをもってポストベース部25の持ち上げ機構27のところにゆき、ポスト40を持ち上げる時とは反対の方向にドリルソケット32aを回す。一方他の作業者は、フック付きの細長いスティックを用いてレバー146のハンドル部分146aを下向きに引っ張り、ポスト40の着脱自在な取り付け部をフレーム柱幹部材104から外すことができる。即ち、ポスト40は、図16の矢印Cに示すようにソケット35の中に引っ込められ、取り付け具92はフレーム柱幹部材104から摺動して外に出て、この時遮蔽体の全負荷はブレースアセンブリ110によってのみ支持された状態となる。次にシリンダ30及び30’が選択的に引っ込めて、ポスト40を(図16の矢印Dに示すように)トレーラ12に側に戻るように回動させる。次に支持脚部20、24、及び24’は引っ込められ、アーム22及び22’は元のようにシャシ14の側に折り畳まれ、トレーラ12が、キャンバスの開口部204を通して2本の連続した接地ブレース118及び118’の間を通って外に出てゆける状態となる。遮蔽体100の装着を完了させるために、杭(図示せず)を脚部122の杭孔123を通して地面の中に打ち込み、これによって遮蔽体100を地面にしっかりと固定することができる。こうして遮蔽体は組み立てられ、使用可能状態となる。
【0065】
従って、キャンバス200は、組立て過程の間ブレースに取り付けられたままの状態であり、折り畳まれた形態から拡げられた形態に配置されて遮蔽体ブレースの下に位置する全領域を覆うことになる、ということが理解されよう。
【0066】
以下片付け手順について詳細に説明する。始めに、トレーラ12を連続した接地ブレース118の間のキャンバス開口部104を通して遮蔽体100の下に入れ、アーム22及び22’及び支持脚部20、24、及び24’を用いてトレーラを地面に安定的に据え付け、ポスト40を遮蔽体柱幹部材104と垂直方向に位置の合った状態となるように垂直な向きに回動させる。トレーラ12は、遮蔽体100の下に配置するときには、ポスト40のトラック52及び52’がスプレッダリング120の案内溝122及び122’の下で垂直方向に位置の合った状態となるようにしなければならない。トラック52及び52’が案内溝122及び122’の下で垂直方向に位置の合っていない状態にある場合には、作業者がソケット35の周りでポスト40を手で回動させることにより位置合わせすることができる。次に、作業者はポスト持ち上げ機構27のところにゆき、自分のドリルを用いてソケット32を回転させて、取り付け具92がフレーム柱幹部材104の下側端104bに係合し、且つレバー146のフック部分146cが凹部92dに着脱自在な形で係合するまでポスト40を軸線方向上向きに持ち上げる。即ちポスト40が遮蔽体フレーム柱幹部材104に着脱自在な形で取り付けられるまでポスト40を軸線方向に持ち上げる。
【0067】
ポスト40がフレーム柱幹部材104に適切に係合した時、プッシュリング46がポスト40上のその最も高い限界位置に達していたならば、作業者は、フィンガ76及び76’を孔124及び124’の中に回動させるために細長いフック付きスティックを用いてアイレット90を回動させる。フィンガ76及び76’が孔124及び124’の中に回動し次第に係合していくと、保持部材140b及び140b’は、ダボ76b及び76b’によって径方向内向きに押されて柱幹部材104内に押し込まれ、その保持部材140b及び140b’は、ばね付勢144及び144’に対抗してスプレッダリング120から外れる。次に、作業者は、自分のドリルでドリルソケット64を回転させて、吊り上げシステム48のドラム70からケーブル72及び72’を解き、一方別の作業者はフック付きの細長いスティックを用いてアイレット90を通してグリップしたプッシュリング46を引き下げる。プッシュリング46は、スプレッダリング120を引き下げ、両リング46及び120は一体となってポスト40に沿って降下する。この過程が終了したとき、ブレースアセンブリ110は元通りポスト40側に折り畳まれる。プッシュリング46及びスプレッダリング120がその最も下の位置にある時、プッシュリング46の下側周縁部は吊り上げシステム48のブラケット56の上側エッジに当接し、ブレースアセンブリ110は完全に折り畳まれた状態となる。次にポスト40をソケット35の中に引っ込めて、トレーラ12上で、ポスト40を折り畳まれた遮蔽体100と共に元の水平な姿勢に回動し、上側フレーム部分104がブラケット21に当接してそれに支持された状態にする。支持脚部20、24、及び24’から構成されていたトレーラ固定手段を外し、アーム22及び22’を元通りシャシ14の側に折り畳むと、取り外し過程が完了する。図1には示されていないが、ブレースが折り畳み形態にある時でも、キャンバス200は遮蔽体ブレース上に取り付けられたままであることを理解されたい。
【0068】
配置状態の遮蔽体100は非常に広い面積、例えば直径40m(130ft)、高さ12m(40ft)で下側の全面積が1256m2(13200ft2)になるまで拡げられるが、これを非常にコンパクトな形態に折り畳むことができる。実際、格納位置にある遮蔽体100を運搬するトレーラ12のアセンブリは比較的コンパクトであり、このアセンブリは高さが2.5m(8ft)及び長さ13.75m(45ft)程度で、配置位置にあっては上述の寸法となる遮蔽体を運搬することができる。
【0069】
更に、上述の組立て及び片付け手順から推察され得るように、遮蔽体100は非常に素早く容易に組み立てることができる。遮蔽体100を組み立てるために必要なのは、通常は、ドリルと、細長いポストと、トレーラ12が取り付けられる動力付きの車両と、2名の作業者だけである。別の実施形態では、動力器具を用いずにただ1人の作業者のみでも遮蔽体を組み立てるのに十分である。この組立てには完了まで約1時間しか掛からず、作業者にも大きな肉体的な負担は掛からない。更に、2人の作業者は遮蔽体を組み立てるために特別な知識は殆ど必要ない。上記の寸法の一般的な遮蔽体の場合には、組立て作業者のチームに要求されるのは、組立て及び片付け手順の知識のみである。最後に、従来の遮蔽体を組み立てる場合のように、作業者が高い危険にさらされる(部品が間違って組み立てられるために遮蔽体が不測の倒壊を引き起こす等)ことはなく、遮蔽体100の組立て(片付け)の間に事故は起きる可能性は殆どない。
【0070】
本発明の実施形態として別の方式も考えられる。例えば、ポスト持ち上げ機構27は、ポスト40をソケット35の周りに軸線方向に移動させ得るものであれば任意の適切な形に設計することができる。また、ポスト40にプッシュリング46及び吊り上げシステム48を設ける代わりに、スプレッダリング120をポスト40に沿って昇降させるための任意の別の手段をポスト40上に設けることができる。更に、取り付け機構130の代わりに、スプレッダリング120及びポスト40をフレーム102に取り付けるための別の着脱自在な取り付け手段を設けてもよい。
【0071】
また、2本の連続したブレースアセンブリ110の間に強化ケーブルを取り付けて、遮蔽体の構造を更に強化し、これによって遮蔽体のキャンバス上に吹きつけられる強風に対する耐性や安定性を強化することができる。
【0072】
更に別の実施形態では、その上側端が遮蔽体フレーム柱幹部材に回動自在に取り付けられ、その下側端がトレーラに着脱自在に取り付けられたポストを設けることが考えられる。この別実施形態によるシェルタでは、スプレッダリングが最上部の位置に達してブレースが完全に配置状態になると、ポストはトレーラから外れ、その上側端を中心に上方向に回動され、トレーラによって持ち去られる代わりにスプレッダブレースに隣接した格納位置を取ることになる。
【0073】
本発明の別の実施態様では、回動可能な関節で結合された2つの部分に分解されたポストを設けることが考えられる。この関節により、遮蔽体フレーム柱幹部材の真下に車両を位置合わせする必要なく遮蔽体を取り付けたり引っ込めたりすることが可能となる。車両から延びた第1のポスト部分が傾斜しても、遮蔽体フレーム柱幹部材から延びた第2のポスト部分は遮蔽体フレーム柱幹部材に垂直に係合したままの状態とすることが可能となるからである。
【0074】
当業者であれば、上述の実施例の説明を参照すれば他の設計変更や改良を考えることもできるであろう。説明を簡潔なものとするため、そのような設計変更や改良についての説明はここでは省略されているが、そのような設計変更や改良を加えた実施形態も特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】トレーラーに載置された折り畳み可能な傘状遮蔽体を備える本発明の移動式シェルタの正面側からみた斜視図。ここでは格納形態にある遮蔽体が示されており、図面を分かり易くするためにキャンバスは省略されている。
【図2】図1の移動式シェルタのトレーラーとポストの正面側からみた斜視図。
【図3】図1の移動式シェルタの正面側からみた斜視図であって、遮蔽体がトレーラーに対して垂直な姿勢に回動された状態を示す図。
【図4】図3のシェルタの部分拡大斜視図であって、遮蔽体のポストを中心にした図。
【図5】図4の線5−5に沿って切断したシェルタの部分断面図。
【図6】図5に類似した、遮蔽体のフレームの柱幹部材に係合するポストの上側部分を示す図。
【図7】遮蔽体のポストの上に取着された吊り上げシステム及びプッシュリングの正面からみた拡大斜視図。
【図8】遮蔽体が配置状態にあるところをキャンバスを省略して示したシェルタの背面側からみた斜視図。
【図9】遮蔽体のフレームに取着された取り付け機構の拡大斜視図。遮蔽体の柱幹部材は点線で示されている。
【図10】図9に類似した拡大斜視図。取り付け機構に係合するポストの上側部が示されている。
【図11】ポストに係合するスプレッダリングとプッシュリングの拡大斜視図。ここでは、スプレッダブレースの内側端、プッシュリングの側部に取り付けられた2つのフィンガの回動、及びプッシュリング及びスプレッダリングのポストに沿った下方向の変位が図11−図13に連続的に示されている。
【図12】ポストに係合するスプレッダリングとプッシュリングの拡大斜視図。ここでは、スプレッダブレースの内側端、プッシュリングの側部に取り付けられた2つのフィンガの回動、及びプッシュリング及びスプレッダリングのポストに沿った下方向の変位が図11−図13に連続的に示されている。
【図13】ポストに係合するスプレッダリングとプッシュリングの拡大斜視図。ここでは、スプレッダブレースの内側端、プッシュリングの側部に取り付けられた2つのフィンガの回動、及びプッシュリング及びスプレッダリングのポストに沿った下方向の変位が図11−図13に連続的に示されている。
【図14】図15−図17とともにシェルタの配置手順を示す図。図を分かり易くするためキャンバスは省略されている。
【図15】図14、図16−図17とともにシェルタの配置手順を示す図。図を分かり易くするためキャンバスは省略されている。
【図16】図14−図15、図17とともにシェルタの配置手順を示す図。図を分かり易くするためキャンバスは省略されている。
【図17】図14−図16とともにシェルタの配置手順を示す図。キャンバスは一部が示されている。
【図18】完全に配置された状態にある遮蔽体の斜視図。
【図19】図18の線19−19で切った断面を示す拡大断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体と、
ポストとを有する移動式シェルタであって、
前記傘状遮蔽体は、
フレームと、
複数の関節付きブレースアセンブリであって、各ブレースアセンブリは、複数の回動自在に相互接続されたブレースを有し、接地末端を有し、かつ前記フレームに前記フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有する、該複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記複数の関節付きブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記ポストは、
前記フレームに着脱自在に取り付けられ得る第1末端部分と、
前記車両に支持された第2末端部分とを有することを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、第1格納位置と第2配置位置との間で移動可能であり、
前記第1格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストの近傍に位置し、かつ前記スプレッダ部材が前記ポストの前記第1末端部分から離れた位置で前記ポストに係合し、
前記第2配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストから離隔された位置にあり、前記スプレッダ部材が前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記スプレッダ部材は、前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置と前記第2配置位置との間で動かされるとき、前記ポストに移動可能な形で係合し、前記ポストに沿って案内され、
前記ブレースアセンブリが、前記第2配置位置にあるときには、前記ポストの第1末端部分は前記フレームから外すことが可能となり、前記車両が前記遮蔽体から前記ポストを持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にし得ることを特徴とするシェルタ。
【請求項2】
前記遮蔽体上に、前記スプレッダ部材を前記ポストに沿って強制的に移動させるべく駆動されるアクチュエータが設けられることを特徴とする請求項1に記載のシェルタ。
【請求項3】
前記アクチュエータが、
前記ポストによって支持された吊り上げシステムと、
前記吊り上げシステムに動作可能に結合され、前記ポストに摺動自在に係合するプッシュ部材とを有することを特徴とし、
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材は前記プッシュ部材と前記フレームとの中間に位置することを特徴とし、
前記吊り上げシステムが駆動されると、前記プッシュ部材は前記ポストに沿って強制的に移動されて前記スプレッダ部材を摺動させることを特徴とする請求項2に記載のシェルタ。
【請求項4】
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材が前記プッシュ部材に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のシェルタ。
【請求項5】
前記ポストが、細長い形状のソケットとポスト持ち上げ機構とを有するポスト取り付けベース部を介して前記車両に取り付けられ、前記ポスト第2末端部分は前記ソケットに摺動自在に係合し、前記ポスト持ち上げ機構によって前記ポスト第2末端部分が前記ソケット内をその内側及び外側限界位置の間で前記ソケットに沿って移動可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のシェルタ。
【請求項6】
前記ポスト取り付けベース部は前記車両に回動自在に取り付けられ、従って前記ポスト取り付けベース部が前記ポストを前記車両に回動自在に取り付けられ、これによって前記ポストが、前記ポストが前記車両に対して実質的に平行に置かれる第1位置と、前記ポストが前記車両に対して直立する第2限界位置との間で移動可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のシェルタ。
【請求項7】
前記ブレースアセンブリのそれぞれは、
前記遮蔽体フレームに回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するフレーム結合ブレースと、
前記スプレッダ部材に回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するスプレッダブレースであって、前記フレーム結合ブレースの前記第2末端は、前記スプレッダブレースに前記スプレッダブレースの前記第1末端と前記第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該スプレッダブレースと、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置において地面に置かれる第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有する接地ブレースであって、前記スプレッダブレースの前記第2末端が前記接地ブレースに前記接地ブレースの第1末端と第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該接地ブレースと、
前記フレーム結合ブレースの第1末端と第2末端との中間に回動自在に結合される第1末端と、前記接地ブレースの第2末端に回動自在に結合される前記第1末端の反対側の第2末端とを有する中間ブレースとを有する請求項1に記載のシェルタ。
【請求項8】
前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置から前記第2配置位置に移動するときに、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が、擬似的放物線の軌跡を描いて、前記ブレースアセンブリが前記車両に接触するのを避けるように動くことを特徴とする請求項7に記載のシェルタ。
【請求項9】
前記車両がトレーラーであることを特徴とする請求項1に記載のシェルタ。
【請求項10】
車両と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体と、
ポストとを有する移動式シェルタであって、
前記傘状遮蔽体は、
フレームと、
複数の関節付きブレースアセンブリであって、各ブレースアセンブリは、複数の回動自在に相互接続されたブレースを有し、接地末端を有し、かつ前記フレームに前記フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有する、該複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記複数の関節付きブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記ポストは、前記フレームに取り付け可能な第1結合部材と、前記車両に取り付け可能な第2結合部材とを有し、前記第1結合部材及び前記第2結合部材の少なくとも一方が着脱自在な取り付け結合部であることを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、第1格納位置と第2配置位置との間で移動可能であり、
前記第1格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストの近傍に位置し、かつ前記スプレッダ部材が前記ポストの前記第1末端部分から離れた位置で前記ポストに係合し、
前記第2配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記ポストから離隔された位置にあり、前記スプレッダ部材が前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記スプレッダ部材は、前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置と前記第2配置位置との間で動かされるとき、前記ポストに移動可能な形で係合し、前記ポストに沿って案内され、
前記ブレースアセンブリが、前記配置位置にあるときには、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域から前記ポストを取り除くことができることを特徴とするシェルタ。
【請求項11】
前記ポストの前記第2結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストを前記車両から着脱自在であることを特徴とし、
前記第1結合部材が回動自在であり、従って前記ポストが前記フレームに回動自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記車両から取り外すことができ、前記車両は前記遮蔽体から走り去ることができ、前記ポストは前記第1結合部材の周囲で前記ブレースアセンブリの少なくとも1つに隣接した状態の格納位置に回動されて、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできることを特徴とする請求項10に記載のシェルタ。
【請求項12】
前記ポストの前記第1結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストを前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記フレームから外すことができ、前記車両は前記ポストを前記遮蔽体から持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできることを特徴とする請求項10に記載のシェルタ。
【請求項13】
前記遮蔽体上に、前記スプレッダ部材を前記ポストに沿って強制的に移動させるべく駆動されるアクチュエータが設けられることを特徴とする請求項12に記載のシェルタ。
【請求項14】
前記アクチュエータが、
前記ポストによって支持された吊り上げシステムと、
前記吊り上げシステムに動作可能に結合され、前記ポストに摺動自在に係合するプッシュ部材とを有することを特徴とし、
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材は前記プッシュ部材と前記フレームとの中間に位置することを特徴とし、
前記吊り上げシステムが駆動されると、前記プッシュ部材は前記ポストに沿って強制的に移動されて前記スプレッダ部材を摺動させることを特徴とする請求項13に記載のシェルタ。
【請求項15】
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材が前記プッシュ部材に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項14に記載のシェルタ。
【請求項16】
前記ポストが、前記ポスト取り付けベース部を介して前記車両に取り付けられ、前記ポスト取り付けベース部は、ソケットと、ポスト持ち上げ機構とを有し、前記ポストは前記ソケットに摺動自在に係合し、前記ポスト持ち上げ機構は、前記ポストが前記ソケットに出し入れされるように前記ポストを強制的に摺動させることを特徴とする請求項10に記載のシェルタ。
【請求項17】
前記ポストの前記第2結合部材は回動自在で、前記ポストを前記車両に回動自在に結合し、従って前記ポストが前記車両に対して実質的に水平に置かれる第1位置と、前記ポストが前記車両に対して実質的に垂直になる第2限界位置との間で移動可能となっていることを特徴とする請求項12に記載のシェルタ。
【請求項18】
前記ブレースアセンブリのそれぞれは、
前記遮蔽体フレームに回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するフレーム結合ブレースと、
前記スプレッダ部材に回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するスプレッダブレースであって、前記フレーム結合ブレースの前記第2末端は、前記スプレッダブレースに前記スプレッダブレースの前記第1末端と前記第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該スプレッダブレースと、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置において地面に置かれる第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有する接地ブレースであって、前記スプレッダブレースの前記第2末端が前記接地ブレースに前記接地ブレースの第1末端と第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該接地ブレースと、
前記フレーム結合ブレースの第1末端と第2末端との中間に回動自在に結合される第1末端と、前記接地ブレースの第2末端に回動自在に結合される前記第1末端の反対側の第2末端とを有する中間ブレースとを有する請求項12記載のシェルタ。
【請求項19】
前記ブレースアセンブリが前記第1格納位置から前記第2配置位置に移動するときに、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が、擬似的放物線の軌跡を描いて、前記ブレースアセンブリが前記車両に接触するのを避けるように動くことを特徴とする請求項18に記載のシェルタ。
【請求項20】
前記車両がトレーラーであることを特徴とする請求項12に記載のシェルタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面で移動可能な車両と、
第1末端部分及びその反対側の第2末端部分とを有するポストと、
前記ポストの前記第2末端部分を前記車両に回動自在に結合するポスト取り付けベース部と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体とを有する移動式シェルタであって、
前記ポスト取り付けベース部が前記第2末端部分を前記車両に回動自在に結合することによって、前記ポストが前記車両に対して、前記ポストに対して垂直でかつ前記ポスト取り付けベース部から離隔された位置にある実質的に水平なベース部回転軸の周りに回転可能となり、従って前記ポストが、前記車両の上に輸送状態で横に置かれるとともに前記ポストの前記第2末端部分が前記地面から上側に離隔した位置に置かれる格納位置と、前記ポストが垂直にされるとともに前記ポストの前記第2末端部分が前記地面に接近した位置に置かれる配置位置との間で回動可能となることを特徴とし、
前記傘状遮蔽体は、
前記ポストの前記第1末端部分に着脱自在に取り付け可能なフレームと、
前記フレームに取り付けられ、かつ接地末端を有する複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記ブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、格納位置と配置位置との間で移動可能であり、
前記格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、
前記配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記地面に置かれる状態にあって前記遮蔽体を支持していることを特徴とし、
前記ブレースアセンブリが、前記配置位置にあるときには、前記ポストの前記第1末端部分は前記フレームから外すことが可能となり、前記車両が前記遮蔽体から前記ポストを持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にし得ることを特徴とするシェルタ。
【請求項2】
前記ポスト取り付けベース部が、少なくとも1本の細長い形状のフランジを含み、前記フランジは、その第1末端において前記車両に回動自在に取り付けられ、その第2末端において前記ポストの前記第2末端部分を支持しており、前記フランジが前記ポストの位置を前記ベース部回転軸から離隔させていることを特徴とする請求項1に記載のシェルタ。
【請求項3】
前記ポスト取り付けベース部が、前記フランジの前記第2末端に取り付けられたソケットを備えるポスト持ち上げ機構を有し、前記ポストの前記第2末端部分が前記ソケットに摺動自在に係合し、前記ポスト持ち上げ機構が選択的に駆動されることによって前記ポスト第2末端部分が前記ソケット内をその内側及び外側限界位置の間で前記ソケットに沿って移動可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のシェルタ。
【請求項4】
前記ブレースアセンブリが前記格納位置にあり、かつ前記ポストが前記配置位置にあるとき、前記ブレースアセンブリの前記接地末端は前記地面から上側に離隔した位置にあり、前記ブレースアセンブリが前記格納位置から前記配置位置に移動するときに、前記ブレースアセンブリの前記接地末端は擬似的放物線を描いて動き、前記擬似的放物線における上昇する向きの第1放物線部分においては前記車両に接触するのを避けるように動き、かつ前記擬似的方物線における下降する向きの第2放物線部分においては前記地面に向かって下向きに動くことを特徴とする請求項2に記載のシェルタ。
【請求項5】
前記ブレースアセンブリのそれぞれが、前記遮蔽体フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有し、
前記スプレッダ部材は、前記ポストに移動可能に係合して前記ポストに案内され、前記ブレースアセンブリを前記格納位置と前記配置位置との間で動かすことを特徴とする請求項2に記載のシェルタ。
【請求項6】
前記ブレースアセンブリのそれぞれは、
前記遮蔽体フレームに回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するフレーム結合ブレースと、
前記スプレッダ部材に回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するスプレッダブレースであって、前記フレーム結合ブレースの前記第2末端は、前記スプレッダブレースに前記スプレッダブレースの前記第1末端と前記第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該スプレッダブレースと、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置において地面に置かれる第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有する接地ブレースであって、前記スプレッダブレースの前記第2末端が前記接地ブレースに前記接地ブレースの第1末端と第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該接地ブレースと、
前記フレーム結合ブレースの第1末端と第2末端との中間に回動自在に結合される第1末端と、前記接地ブレースの第2末端に回動自在に結合される前記第1末端の反対側の第2末端とを有する中間ブレースとを有する請求項5に記載のシェルタ。
【請求項7】
前記シェルタ上に、前記スプレッダ部材を前記ポストに沿って強制的に移動させるべく駆動されるアクチュエータが設けられることを特徴とする請求項5に記載のシェルタ。
【請求項8】
前記アクチュエータが、
前記ポストによって支持された吊り上げシステムと、
前記吊り上げシステムに動作可能に結合され、前記ポストに摺動自在に係合するプッシュ部材とを有することを特徴とし、
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材は前記プッシュ部材と前記フレームとの中間に位置することを特徴とし、
前記吊り上げシステムが駆動されると、前記プッシュ部材は前記ポストに沿って強制的に移動されて前記スプレッダ部材を摺動させることを特徴とする請求項7に記載のシェルタ。
【請求項9】
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材が前記プッシュ部材に着脱自在に結合されることを特徴とする請求項8に記載のシェルタ。
【請求項10】
前記スプレッダ部材が、少なくとも1個の取り付け孔が形成されたスプレッダリングを含み、前記プッシュ部材は、少なくとも1個の取り付けフィンガを回動自在に支持するプッシュリングを含むことを特徴とし、
前記プッシュリングの前記取り付けフィンガは、選択的に回動させることによって前記スプレッダリングの前記取り付け孔に係合でき、前記プッシュリングと前記スプレッダリングとを着脱自在に結合させられることを特徴とする請求項9に記載のシェルタ。
【請求項11】
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるとき、前記スプレッダ部材は前記遮蔽体フレームに着脱自在に取り付けられ、前記ポストを取り除くことを特徴とする請求項5に記載のシェルタ。
【請求項12】
前記フレームは管形状で、取り付け機構が収容される内部空間を有し、前記ポストは円筒形状で、前記ポストの前記第1末端部分に遮蔽体が係合する取り付け具を含み、従って前記ポストの前記取り付け具が前記フレームの前記内部空間に入って、前記フレーム取り付け機構に着脱自在に係合することを特徴とする請求項2に記載のシェルタ。
前記ポストは前記
【請求項13】
地面で移動可能な車両と、
両端に第1結合部材及び第2結合部材を有するポストと、
前記ポストの前記第2末端部分を前記車両に回動自在に結合するポスト取り付けベース部と、
折り畳み可能な傘状遮蔽体とを有する移動式シェルタであって、
前記ポスト取り付けベース部が前記第2結合部材を前記車両に回動自在に結合することによって、前記ポストが前記車両に対して、前記ポストに対して垂直でかつ前記ポスト取り付けベース部から離隔された位置にある実質的に水平なベース部回転軸の周りに回転可能となり、従って前記ポストが、前記車両の上に輸送状態で横に置かれるとともに前記ポストの前記第2結合部材が前記地面から上側に離隔した位置に置かれる格納位置と、前記ポストが垂直にされるとともに前記ポストの前記第2結合部材が前記地面に接近した位置に置かれる配置位置との間で回動可能となることを特徴とし、
前記傘状遮蔽体は、
前記第1結合部材を介して前記ポストに取り付けられたフレームと、
前記フレームに取り付けられ、かつ接地末端を有する複数の関節付きブレースアセンブリと、
前記ブレースアセンブリに支持されたキャンバスとを有することを特徴とし、
前記関節付きブレースアセンブリは、格納位置と配置位置との間で移動可能であり、
前記格納位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストに対して折り畳まれ、
前記配置位置では、前記ブレースアセンブリが前記ポストから離れた位置に配置され、キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を作り、前記ブレースアセンブリの前記接地末端が前記地面に置かれる状態にあって前記遮蔽体を支持していることを特徴とし、
前記第1結合部材と前記第2結合部材の少なくとも一方は、着脱自在な取り付け結合部であり、前記ブレースアセンブリが、前記配置位置にあるときには、前記ポストが前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域から取り除かれ得ることを特徴とするシェルタ。
【請求項14】
前記ポスト取り付けベース部が、少なくとも1本の細長い形状のフランジを含み、前記フランジは、その第1末端において前記車両に回動自在に取り付けられ、その第2末端において前記ポストの前記第2結合部材を支持しており、前記フランジが前記ポストの位置を前記ベース部回転軸から離隔させていることを特徴とする請求項13に記載のシェルタ。
【請求項15】
前記ポストの前記第2結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストは前記ポスト取り付けベース部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記第1結合部材が回動自在であり、従って前記ポストが前記フレームに回動自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記ポスト取り付けベース部から取り外すことができ、前記車両は前記遮蔽体から走り去ることができ、前記ポストは前記第1結合部材の周囲で前記ブレースアセンブリの少なくとも1つに隣接した状態の格納位置に回動されて、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできることを特徴とする請求項14に記載のシェルタ。
【請求項16】
前記ポストの前記第1結合部材が着脱自在であり、従って前記ポストは前記フレームに着脱自在に取り付けられていることを特徴とし、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるときには、前記ポストは前記フレームから外すことができ、前記車両は前記ポストを前記遮蔽体から持ち去って、前記キャンバスで遮蔽された使用可能な領域を何もない状態にできることを特徴とする請求項14に記載のシェルタ。
【請求項17】
前記ポスト取り付けベース部が、前記フランジの前記第2末端に取り付けられたソケットを備えるポスト持ち上げ機構を有し、前記ポストが前記ソケットに摺動自在に係合し、前記ポスト持ち上げ機構が選択的に駆動されることによって前記ポストが前記ソケット内をその内側及び外側限界位置の間で前記ソケットに沿って移動可能となっていることを特徴とする請求項16に記載のシェルタ。
【請求項18】
前記ブレースアセンブリが前記格納位置にあり、かつ前記ポストが前記配置位置にあるとき、前記ブレースアセンブリの前記接地末端は前記地面から上側に離隔した位置にあり、前記ブレースアセンブリが前記格納位置から前記配置位置に移動するときに、前記ブレースアセンブリの前記接地末端は擬似的放物線を描いて動き、前記擬似的放物線における上昇する向きの第1放物線部分においては前記車両に接触するのを避けるように動き、かつ前記擬似的方物線における下降する向きの第2放物線部分においては前記地面に向かって下向きに動くことを特徴とする請求項16に記載のシェルタ。
【請求項19】
前記ブレースアセンブリのそれぞれが、前記遮蔽体フレームに回動自在に取り付けられた第1回動関節、及びスプレッダ部材に回動自在に取り付けられた第2回動関節を有し、
前記スプレッダ部材は、前記ポストに移動可能に係合して前記ポストに案内され、前記ブレースアセンブリを前記格納位置と前記配置位置との間で動かすことを特徴とする請求項16に記載のシェルタ。
【請求項20】
前記ブレースアセンブリのそれぞれは、
前記遮蔽体フレームに回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するフレーム結合ブレースと、
前記スプレッダ部材に回動自在に結合された第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有するスプレッダブレースであって、前記フレーム結合ブレースの前記第2末端は、前記スプレッダブレースに前記スプレッダブレースの前記第1末端と前記第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該スプレッダブレースと、
前記ブレースアセンブリが前記配置位置において地面に置かれる第1末端と、前記第1末端の反対側の第2末端とを有する接地ブレースであって、前記スプレッダブレースの前記第2末端が前記接地ブレースに前記接地ブレースの第1末端と第2末端との中間で回動自在に取り付けられる、該接地ブレースと、
前記フレーム結合ブレースの第1末端と第2末端との中間に回動自在に結合される第1末端と、前記接地ブレースの第2末端に回動自在に結合される前記第1末端の反対側の第2末端とを有する中間ブレースとを有する請求項19に記載のシェルタ。
【請求項21】
前記シェルタ上に、前記スプレッダ部材を前記ポストに沿って強制的に移動させるべく駆動されるアクチュエータが設けられることを特徴とする請求項19に記載のシェルタ。
【請求項22】
前記アクチュエータが、
前記ポストによって支持された吊り上げシステムと、
前記吊り上げシステムに動作可能に結合され、前記ポストに摺動自在に係合するプッシュ部材とを有することを特徴とし、
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材は前記プッシュ部材と前記フレームとの中間に位置することを特徴とし、
前記吊り上げシステムが駆動されると、前記プッシュ部材は前記ポストに沿って強制的に移動されて前記スプレッダ部材を摺動させることを特徴とする請求項21に記載のシェルタ。
【請求項23】
前記スプレッダ部材が前記ポストに係合しているとき、前記スプレッダ部材が前記プッシュ部材に着脱自在に結合されることを特徴とする請求項22に記載のシェルタ。
【請求項24】
前記スプレッダ部材が、少なくとも1個の取り付け孔が形成されたスプレッダリングを含み、前記プッシュ部材は、少なくとも1個の取り付けフィンガを回動自在に支持するプッシュリングを含むことを特徴とし、
前記プッシュリングの前記取り付けフィンガは、選択的に回動させることによって前記スプレッダリングの前記取り付け孔に係合でき、前記プッシュリングと前記スプレッダリングとを着脱自在に結合させられることを特徴とする請求項23に記載のシェルタ。
【請求項25】
前記ブレースアセンブリが前記配置位置にあるとき、前記スプレッダ部材は前記遮蔽体フレームに着脱自在に取り付けられ、前記ポストを取り除くことを特徴とする請求項19に記載のシェルタ。
【請求項26】
前記フレームは管形状で、取り付け機構が収容される内部空間を有し、前記ポストは円筒形状で、前記ポストの前記第1結合部材は遮蔽体が係合する取り付け具を含み、従って前記ポストの前記取り付け具が前記フレームの前記内部空間に入って、前記フレーム取り付け機構に着脱自在に係合することを特徴とする請求項16に記載のシェルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2006−501385(P2006−501385A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538616(P2004−538616)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001480
【国際公開番号】WO2004/029388
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(505116507)
【氏名又は名称原語表記】BOUCHARD, Paul−Andre
【住所又は居所原語表記】1562 Van Horne, Outremont, Quebec H2V 1L5, CANADA
【Fターム(参考)】