説明

折り畳み装置および折り畳み方法

【課題】本発明の課題は、板状部材を載置部材に平行に配置し板状部材を載置部材に向かってスライド移動させる回転型の折り畳み装置において、いかなるサイズの被折畳物であっても折り畳むことができるようにすることにある。
【解決手段】本発明に係る折り畳み装置100では、初期状態において被折畳物CL1,CL2の一部が載置部材201の側端から垂れ下がるように被折畳物が載置部材に載置される。スライド移動部材211〜214は、初期状態において載置部材の下側に載置部材と対向するように配置され、載置部材に向かってスライド移動可能である。回転機構220は、載置部材およびスライド移動部材を左右方向に回転させる。上下移動部材284,401は、正面視においてスライド移動部材のスライド移動方向が鉛直方向Dvに交差する状態とされると、載置部材とスライド移動部材との間を上側から下側に向かって移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の柔軟物を折り畳むための折り畳み装置および折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「被折畳物の一部が載置部材の左右に垂れ下がるように被折畳物が載置部材の表側面に置かれた後、その載置部材を略90°回転させることによって被折畳物の片側の垂下り部分を載置部材の裏面の近傍に位置させてから、載置部材の裏側面に向かって板状部材を移動させて載置部材と板状部材とにより被折畳物を挟み込み、その動作を左右交互に数回程度繰り返すことによって被折畳物を折り畳んでいく方法(以下「回転型の折り畳み方法」という)」や、「その方法を自動的に実現する装置(以下「回転型の折り畳み装置」という)」が提案されている(例えば、国際公開第WO2008/032826号パンフレット)。
この回転型の折り畳み方法や折り畳み装置を使用すれば、被折畳物を折り畳む際に、被折畳物にダメージやストレスを与えにくくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2008/032826号パンフレット(例えば、要約や段落[0154]の記載参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような折り畳み装置を小型化するには板状部材を載置部材に平行に配置し板状部材を載置部材に向かってスライド移動させるのが好ましいが、このようにすると、板状部材と載置部材との配置距離により折り畳むことができる被折畳物のサイズが制限される。被折畳物の垂下り部分がその配置間隔よりも長いと、板状部材および載置部材が略90°に回転させられるときに、被折畳物の垂下り部分が板状部材に引っ掛かり、被折畳物を折り畳むことができなくなるからである。
【0005】
本発明の課題は、板状部材を載置部材に平行に配置し板状部材を載置部材に向かってスライド移動させる回転型の折り畳み装置や折り畳み方法において、いかなるサイズの被折畳物であっても折り畳むことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係る折り畳み装置は、載置部材、スライド移動部材、回転機構および上下移動部材を備える。初期状態において、載置部材には、被折畳物の一部が左側および右側の少なくとも一方の側に垂れ下がるように被折畳物を載置することができる。スライド移動部材は、少なくとも1つ設けられ、初期状態において載置部材の下側に載置部材と対向するように配置される。また、このスライド移動部材は、載置部材に向かってスライド移動可能である。回転機構は、載置部材およびスライド移動部材を左右方向に回転させる。なお、このとき、載置部材およびスライド移動部材は、内部に存在する軸を中心として回転させられる。また、このとき、載置部材およびスライド移動部材は、旋回されながら回転させられてもかまわない。また、載置部材およびスライド移動部材の回転角度は、初期位置から−110°から+110の範囲内であるのが好ましい。また、この回転機構には、載置部材を回転させる載置部材回転機構と、スライド移動部材を回転させるスライド移動部材回転機構とが存在していてもかまわない。上下移動部材は、正面視においてスライド移動部材のスライド移動方向が鉛直方向に交差する状態とされた場合において、載置部材とスライド移動部材との間およびスライド移動部材同士の間の少なくとも載置部材とスライド移動部材との間を上側から下側に向かって移動する。
【0007】
この折り畳み装置では、先ず、被折畳物の一部が左側および右側の少なくとも一方の側に垂れ下がるように被折畳物が載置される。なお、以下、被折畳物の垂下り部分がスライド移動部材と載置部材との配置距離よりも長くなっているものとして説明を進める。そして、載置部材およびスライド移動部材が左側または右側に回転させられると、被折畳物の片側の垂下り部分がスライド移動部材に引っ掛かりながらスライド移動部材により持ち上げられる。このとき、載置部材とスライド移動部材との間に上下移動部材が上側から下側に向かって移動される。すると、被折畳物の垂下り部分が、載置部材とスライド移動部材との間に収められ、載置部材の裏面の近傍に位置するようになる。続いて、スライド移動部材が載置部材の裏面に向かってスライド移動する。この結果、被折畳物の片側の垂下り部分が載置部材と板状部材とにより挟み込まれる。このため、この折り畳み装置は、小型ながら、いかなるサイズの被折畳物であっても折り畳むことができる。
【0008】
なお、載置部材が略90°回転した状態から略−180°回転させられ、上記と同様の動作が繰り返されてもよい。被折畳物の片側の垂下り部分の一部が載置部材およびスライド移動部材からとび出している場合、上記のような繰り返し動作が行われることにより、その被折畳物のとび出している部分をさらに折り畳むことができるからである。
【0009】
本発明の第2局面に係る折り畳み装置は、第1局面に係る折り畳み装置であって、上下移動部材は、載置部材とスライド移動部材との間およびスライド移動部材同士の間の少なくとも載置部材とスライド移動部材との間を上側から下側に向かって旋回する。なお、かかる場合、載置部材から最遠のスライド移動部材の載置部材と対抗しない側に電動機等の駆動源を取り付け、その駆動源により上下移動部材を旋回させるのが好ましい。
【0010】
このため、この折り畳み装置では、被折畳物の片側の垂下り部分がスライド移動部材に引っ掛かるとともに上下移動部材の上側に位置するような場合が起こったとしても、上下移動部材が被折畳物の垂下り部分を載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができる。
【0011】
本発明の第3局面に係る折り畳み装置は、第2局面に係る折り畳み装置であって、上下移動部材は、載置部材とスライド移動部材との間およびスライド移動部材同士の間の少なくとも載置部材とスライド移動部材との間を上側から下側に向かって規定回数、旋回する。
【0012】
このため、この折り畳み装置では、一回の上下移動部材の旋回動作により載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができないような長さの被折畳物の垂下り部分が生じる場合であっても、その被折畳物の垂下り部分を載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができる。
【0013】
本発明の第4局面に係る折り畳み装置は、第2局面に係る折り畳み装置であって、物体検知部をさらに備える。物体検知部は、スライド移動部材の載置部材と対向しない側に物体が存在することを検知する。そして、上下移動部材は、物体検知部が物体の存在を検知しなくなるまで、旋回し続ける。
【0014】
このため、この折り畳み装置では、一回の上下移動部材の旋回動作では載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができないような長さの被折畳物の垂下り部分が存在する場合であっても、その被折畳物の垂下り部分を確実に載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができ、また、その落とし込み処理にかかる時間も最短化することができる。
【0015】
本発明の第5局面に係る折り畳み装置は、第1局面に係る折り畳み装置であって、上下移動部材は、載置部材とスライド移動部材との間およびスライド移動部材同士の間の少なくとも載置部材とスライド移動部材との間を上側から下側に向かって直線移動する。なお、かかる場合、上下移動部材は左右二箇所に配置されるのが好ましい。
【0016】
このため、この折り畳み装置では、初期状態において載置部材の高さ位置よりも高い位置に上下移動部材を配置しておくと共に上下移動部材が十分に下方まで下がるように設計しておけば、被折畳物の垂下り部分がスライド移動部材に引っ掛かるような場合が起こったとしても、一度の上下移動部材の移動で被折畳物の片側の垂下り部分を載置部材とスライド移動部材との間に落とし込むことができる。
【0017】
本発明の第6局面に係る折り畳み方法は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップおよび第4ステップを備える。第1ステップでは、被折畳物の一部が載置部材の左側および右側の少なくとも一方の側に垂れ下がるように被折畳物が載置部材に載置される。第2ステップでは、被折畳物の一部が垂れ下がっている側の方向に、載置部材およびスライド移動部材が回転させられて、載置部材とスライド移動部材との対向方向が鉛直方向に交差する状態となる。なお、このスライド移動部材は、載置部材に対向して設けられている。第3ステップでは、載置部材とスライド移動部材との間において上下移動部材が上側から下側に向かって移動させられる。第4ステップでは、スライド移動部材が載置部材に向かってスライド移動させられ、被折畳物の一部が挟み込まれる。
【0018】
このため、この折り畳み方法では、被折畳物の垂下り部分がスライド移動部材と載置部材との配置距離よりも長くなっている場合であっても、第3ステップで被折畳物の垂下り部分が、載置部材とスライド移動部材との間に収められ、載置部材の裏面の近傍に位置するようになる。このため、この折り畳み方法を採用すれば、小型ながら、いかなるサイズの被折畳物であっても折り畳むことができる折り畳み装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の側面拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の正面拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の平面拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の背面拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の初期状態の正面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第2状態の正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第3状態の正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第4状態の正面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第5状態の正面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第6状態の正面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第7状態の正面図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第8状態の正面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第9状態の正面図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第10状態の正面図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第11状態の正面図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の搬送機構の第2状態の側面図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の搬送機構の第3状態の側面図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の搬送機構の第4状態の側面図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の初期状態時の被折畳物の状態を示す簡易化正面図である。
【図23】被折畳物の垂下り部分の長さが接触バー部の位置よりも短い場合における折り畳み装置の折り畳み機構の第2状態時の被折畳物の状態を示す簡易化正面図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る折り畳み装置の折り畳み機構の第2状態時において被折畳物が載置板と第1折り畳み板との間の空間に落とし込まれた状態を示す簡易化正面図である。
【図25】被折畳物の垂下り部分の長さが接触バー部の位置よりも長い場合における折り畳み装置の折り畳み機構の第2状態時の被折畳物の状態を示す簡易化正面図である。
【図26】変形例(E)に係る折り畳み装置における上下移動バーの正面動作説明図である。
【図27】変形例(E)に係る折り畳み装置における上下移動バーの側面動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る折り畳み装置100は、図1〜3に示されるように、主に、フレーム120、折り畳み機構200および搬送機構300から構成される。
以下、折り畳み装置100の各構成要素について詳述する。
<折り畳み装置の構成>
(1)フレーム
フレーム120は、図1〜3に示されるように、主に、前フレーム130、横フレーム140および後フレーム150から構成される。
以下、フレーム120の各構成要素について詳述する。
(1−1)前フレーム
【0021】
前フレーム130は、図1〜3に示されるように、主に、2本の第1柱部材131a,131b、2本の第1上側梁部材132a,132b、1本の第1下側梁部材133および1枚の第1板部材134から構成されている。
第1柱部材131a,131bは、軸が鉛直方向Dvに沿うように設置されている。
【0022】
第1上側梁部材132a,132bは、第1柱部材131a,131bの上側において水平方向Dhに延びており、第1柱部材131a,131bを連結している。
第1下側梁部材133は、第1柱部材131a,131bの下側において水平方向Dhに延びており、第1柱部材131a,131bを連結している。
【0023】
第1板部材134は、板面が鉛直方向Dvに沿うように配置されており、第1上側梁部材132a,132bに固定されている。なお、この第1板部材134には、折り畳み機構200が回転自在に固定される。
(1−2)横フレーム
横フレーム140は、図1〜3に示されるように、2本の梁部材であって、下方において前フレーム130と後フレーム150とを連結している。
(1−3)後フレーム
【0024】
後フレーム150は、図1〜3に示されるように、主に、2本の第2柱部材151a,151b、1本の第2上側梁部材152、1本の第2下側梁部材153および2本の脚部材154a,154bから構成されている。なお、この後フレーム150には、搬送機構300が取り付けられる。
第2柱部材151a,151bは、軸が鉛直方向Dvに沿うように設置されている。
第2上側梁部材152は、第2柱部材151a,151bの最上端において水平方向Dhに延びており、第2柱部材151a,151bを連結している。
第2下側梁部材153は、第2柱部材151a,151bの最下端において水平方向Dhに延びており、第2柱部材151a,151bを連結している。
【0025】
脚部材154a,154bは、第2下側梁部材153の両端部において下方に延びており、第1柱部材131a,131bと共に折り畳み装置100を略水平に保つ役目を担っている。
(2)折り畳み機構
【0026】
折り畳み機構200は、上述のように前フレーム130の第1板部材134に回転自在に固定されており、図4〜7に示されるように、主に、一対の載置板201、4枚の折り畳み板211〜214、二重シャフト回転機構220、載置板間距離調節機構230、第1折り畳み板スライド機構240、第2折り畳み板スライド機構260および回転バー機構280から構成される。なお、以下の説明において、符号211の折り畳み板を「第1折り畳み板」と称し、符号212の折り畳み板を「第2折り畳み板」と称し、符号213の折り畳み板を「第3折り畳み板」と称し、符号214の折り畳み板を「第4折り畳み板」と称することがある。
以下、折り畳み機構200の各構成要素について詳述する。
(2−1)載置板
【0027】
載置板201は、一対の略長方形状の板状部材であって、図1に示されるように、先端に向かうに従って下方に傾斜している。この載置板201には、初期状態において、被折畳物である衣服などが載置される。
【0028】
また、この載置板201は、載置板間距離調節機構230によってその距離が調節される。なお、載置板201の離間距離は、衣服のサイズ等に応じて調節される。
(2−2)折り畳み板
【0029】
折り畳み板211〜214は、載置板201に載置された被折畳物を折り畳んでいく役目を担う部材であって、図1〜4に示されるように、平面視において略直角台形状を呈し、初期状態において載置板201と一定の間隔をもって対向するように載置板201の下方に配置されている。
【0030】
なお、本実施の形態において、第1折り畳み板211、第2折り畳み板212および第3折り畳み板213は、先端に向かうに従って上方に反っている。一方、第4折り畳み板214は、載置板201と同様に先端に向かうに従って下方に傾斜している。
【0031】
また、本実施の形態において、第1折り畳み板211および第3折り畳み板213は、図5において、向かって左側に斜辺がくるように、向かって左側寄りに配置されている。その一方、第2折り畳み板212および第4折り畳み板214は、図5において、向かって右側に斜辺がくるように、向かって右側寄りに配置されている。
(2−3)二重シャフト回転機構
【0032】
二重シャフト回転機構220は、図4、図6および図8に示されるように、主に、二重シャフト221、載置板回転モータ222、折り畳み板回転モータ223、中シャフトプーリー224、外シャフトプーリー225、第1プーリーベルト226及び第2プーリーベルト227から構成される。
【0033】
二重シャフト221は、中シャフト221aおよび外シャフト221bから構成されている。なお、中シャフト221aは、円柱状のシャフトである。また、外シャフト221bは円筒状のシャフトである。そして、中シャフト221aは、両端側の一部が外シャフト221bから突出するようにして、外シャフト221aに回転自在に挿入されている。
中シャフトプーリー224は、中シャフト221aの基端側に嵌め込まれている。
外シャフトプーリー225は、外シャフト221bの基端側に嵌め込まれている。
【0034】
第1プーリーベルト226は、載置板回転モータ222のシャフトと中シャフトプーリー224とに架け渡されており、載置板回転モータ222の回転動力を中シャフト221aに伝達して中シャフト221aを回転させる役目を担う。
【0035】
第2プーリーベルト227は、折り畳み板回転モータ223のシャフトと外シャフトプーリー225とに架け渡されており、折り畳み板回転モータの回転動力を外シャフト221bに伝達して外シャフト221bを回転させる役目を担う。
載置板回転モータ222および折り畳み板回転モータ223は、正転および逆転が可能なモータである。
【0036】
なお、本実施の形態において、中シャフト221aは載置板間距離調節機構230に連結されており、外シャフト221bは第1折り畳み板スライド機構240に連結されている。つまり、本実施の形態では、載置板回転モータ222が回転すると、載置板間距離調節機構230および載置板201が回転する。なお、正確には、載置板201は中シャフト221aを中心として旋回しながら載置板201の板面内の仮想軸を中心として回転することになる。また、折り畳み板回転モータ223が回転すると、第1折り畳み板スライド機構240および折り畳み板211〜214が外シャフト221bを中心として旋回しながら各折り畳み板211〜214の板面内の仮想軸を中心として回転することになる。
【0037】
また、本実施の形態では、載置板201および折り畳み板211〜214は、対向関係が変化することなく回転されるように設計されている。
(2−4)載置板間距離調節機構
【0038】
載置板間距離調節機構230は、図4〜6に示されるように、主に、第1ボールネジ231、第1ナット232、第1レール部材233、載置板取付部材234および第1ボールネジ駆動モータ235から構成されている。
【0039】
第1ボールネジ231は、右ネジ型ボールネジ部と左ネジ型ボールネジ部とから構成されている。なお、ここで、右ネジ型ボールネジ部と左ネジ型ボールネジ部は、同軸上に配置されている。また、この第1ボールネジ231は、軸が第1レール部材233のレール部233aと平行になるように第1レール部材233に回転自在に固定されている。
【0040】
第1ナット232は、第1ボールネジ231の右ネジ型ボールネジ部および左ネジ型ボールネジ部のそれぞれに螺合されており、第1ボールネジ駆動モータ234の駆動により第1ボールネジ231の軸方向に沿ってレール部材233の上をスライド移動する。なお、本実施の形態では、第1ナット232は、第1ボールネジ231の右ネジ型ボールネジ部および左ネジ型ボールネジ部のそれぞれに螺合されているため、第1ナット232は互いに反対方向にスライド移動することになる。つまり、第1ナット232は、互いに近接するようにスライド移動するか、互いに離間するようにスライド移動することとなる。
【0041】
載置板取付部材234は、載置板201を第1ナット232に固定する役目を担う。また、この載置板取付部材234は、裏側に第1レール部材233のレール部233aに噛み合うレール勘合部(図示せず)が設けられている。
第1ボールネジ駆動モータ235は、シャフトが第1ボールネジ231の軸に沿うように第1ボールネジ231の端部に連結されている。
(2−5)第1折り畳み板スライド機構
【0042】
第1折り畳み板スライド機構240は、図4〜7に示されるように、主に、第2ボールネジ241、第2ナット242、第2レール部材243、第2ボールネジ駆動モータ244および第2折り畳み板スライド機構260から構成されている。なお、本実施の形態に係る第1折り畳み板スライド機構240では、上記構成が4セット設けられている。
【0043】
第2ボールネジ241は、図4〜7に示されるように、載置板201と略直交する方向に沿って4本、互いに平行な関係となるように配置されている。また、これらの第2ボールネジ241は、図5において、第2レール部材243の左側に2本、右側に2本、配置されている。なお、第2ボールネジ241は、軸が第2レール部材243のレール部243aに平行となるように第2レール部材243に回転自在に固定されている。
【0044】
第2ナット242は、上記4つの第2ボールネジ241それぞれに螺合されており、第2ボールネジ駆動モータ244の駆動により第2ボールネジ241の軸方向に沿って第2レール部材243の上をスライド移動する。
【0045】
第2折り畳み板スライド機構260は、4枚の折り畳み板211〜214と第2ナット242との間にそれぞれ介在しており、4枚の各折り畳み板211〜214を各第2ナット242に固定する役目を担う。また、この第2折り畳み板スライド機構260は、裏側に第2レール部材243のレール部243aに噛み合うレール勘合部(図示せず)が設けられている。
第2ボールネジ駆動モータ244は、各シャフトが各第2ボールネジ241の軸に沿うように各第2ボールネジ241の上端部に連結されている。
(2−6)第2折り畳み板スライド機構
【0046】
第2折り畳み板スライド機構260は、図4〜7に示されるように、主に、第3ボールネジ261a〜261d、第3ナット(図示せず)、第3レール部材263、第3ギア264a〜264dおよび第3ボールネジ駆動モータ265から構成されている。なお、本実施の形態に係る第2折り畳み板スライド機構260では、第3ボールネジ駆動モータ265を除く上記構成が4セット設けられている。また、以下の説明において、符号261aの第3ボールネジを「第31ボールネジ」と称し、符号261bの第3ボールネジを「第32ボールネジ」と称し、符号261cの第3ボールネジを「第33ボールネジ」と称し、符号261dの折り畳み板を「第34ボールネジ」と称することがある。また、符号264aの第3ギアを「第31ギア」と称し、符号264bの第3ギアを「第32ギア」と称し、符号264cの第3ギアを「第33ギア」と称し、符号264dの第3ギアを「第34ギア」と称することがある。
【0047】
第3ボールネジ261a〜261dは、図4〜7に示されるように、第1ボールネジ231と略平行になるように4本配置されている。
【0048】
第3ナットは、上記4本の第3ボールネジ261a〜261dそれぞれに螺合されている。そして、これらの第3ナットには、それぞれ折り畳み板211〜214が取り付けられている。なお、載置板201から最も離れている第3ナットには第4折り畳み板214が取り付けられており、載置板201から2番目に離れている第3ナットには第3折り畳み板213が取り付けられており、載置板201から3番目に離れている第3ナットには第2折り畳み板212が取り付けられており、載置板201に最も近い第3ナットには第1折り畳み板211が取り付けられている。
【0049】
そして、第3ギア264a〜264dが全て噛み合った状態で第3ボールネジ駆動モータ265により第34ボールネジ261dが回転されると、第34ボールネジ261dに螺合される第3ナットは、第34ボールネジ261dの軸方向に沿って第3レール部材263の上を、図5の向かって右側に向かってスライド移動する。また、第33ボールネジ261cに螺合される第3ナットは、第33ボールネジ261cの軸方向に沿って第3レール部材263の上を、図5の向かって左側に向かってスライド移動する。また、第32ボールネジ261bに螺合される第3ナットは、第32ボールネジ261bの軸方向に沿って第3レール部材263の上を、図5の向かって右側に向かってスライド移動する。また、第31ボールネジ261aに螺合される第3ナットは、第31ボールネジ261aの軸方向に沿って第3レール部材263の上を、図5の向かって左側に向かってスライド移動する。
【0050】
第3ギア264a〜264dは、平歯ギアであって、軸が第3ボールネジ261a〜261dの回転軸に一致するように、各第3ボールネジ261a〜261dの端部に取り付けられている。そして、これらの第3ギア264a〜264dが全て噛み合った状態で第3ボールネジ駆動モータ265により第34ボールネジ261dが回転されると、第34ギア264dが第34ボールネジ261dの回転方向と同方向に回転され、第33ギア264cが第34ボールネジ261dの回転方向と逆方向に回転され、第32ギア264bが第34ボールネジ261dの回転方向と同方向に回転され、第31ギア264aが第34ボールネジ261dの回転方向と逆方向に回転されることになる。この現象により、上記第3ナットのスライド移動が可能となっている。
第3ボールネジ駆動モータ265は、シャフトが第34ボールネジ261dの軸に沿うように第34ボールネジ261dの端部に連結されている。
(2−7)回転バー機構280
【0051】
回転バー機構280は、図4〜7に示されるように、主に、バー回転モータ281、第41ギア286、第42ギア(図示せず)および回転バー285から構成されている。
バー回転モータ281は、正転および逆転が可能なモータであって、第4折り畳み板214の裏側(載置板201と対抗しない側)に取り付けられている。
第41ギア286は、図9に示されるように、ベベルギア(かさ歯車)であって、軸がバー回転モータ281のシャフトの回転軸に一致するように、シャフトの先端部に取り付けられている。
第42ギアは、第41ギア286と同様に、ベベルギア(かさ歯車)であって、軸が回転バー285のシャフト部282(後述)の回転軸と一致するように、シャフト部282の後端部に取り付けられており、第41ギア286と噛み合っている。
回転バー285は、図4〜7に示されるように、主に、シャフト部282、クランク部283および接触バー部284から構成されている。シャフト部282は、バー回転モータ281の軸に沿って延びている。クランク部283は、シャフト部282の先端から、シャフト部282の軸に略直交する方向に沿って延びている。接触バー部284は、クランク部283の先端から、シャフト部282の軸方向と平行な方向に沿ってバー回転モータ側に延びている。
そして、バー回転モータ281が駆動されると、載置板201と折り畳み板211〜214との間の空間内を接触バー部284が上側から下側へ向かって通過することになる。
(3)搬送機構
【0052】
搬送機構300は、図1〜3に示されるように、主に、引き抜き板301、引き抜き板上下搬送機構310、引き抜き板回動機構320および引き抜き板前後搬送機構330から構成される。
以下、搬送機構300の各構成要素について詳述する。
(3−1)引き抜き板
【0053】
引き抜き板301は、略長方形状の板部材である。なお、この引き抜き板301には、図3に示されるように、後方に延びる2つの突出部303、及びその突出部303に固定される回転バー302が形成されている。また、回転バー302には、第21プーリー(図示せず)が取り付けられている。
(3−2)引き抜き板上下搬送機構
【0054】
引き抜き板上下搬送機構310は、図1〜3に示されるように、主に、第4ボールネジ312、第4ボールネジ駆動モータ311、第4ナット314、取付板313、第11プーリー315、第12プーリーベルト316および第12プーリー317から構成される。
第4ボールネジ312は、図1〜3に示されるように、軸が鉛直方向Dvに沿うように配置される。
【0055】
第4ナット314は、第4ボールネジ312に螺合されており、第4ボールネジ駆動モータ311の駆動により第4ボールネジ312の軸方向に沿って移動する。
【0056】
取付板313には、第4ナット314が固定されている。また、この取付板313の両端には、レール部313a,313bが形成されている。なお、これらのレール部313a,313bは、後フレーム150の第2柱部材151a,151bに嵌め込まれている。つまり、第4ナット314が第4ボールネジ312に沿って上下に移動するとき、この取付板313は第2柱部材151a,151bに沿って上下移動することになる。また、この取付板313の前面には、引き抜き板回動機構320を介して引き抜き板301が取り付けられている。
第11プーリー315は、図1〜3に示されるように、第4ボールネジ駆動モータ311のシャフトに取り付けられている。
第12プーリー317は、図3に示されるように、第4ボールネジ312の下端部に取り付けられている。
第12プーリーベルト316は、第11プーリー315および第12プーリー317に架け渡されている。
【0057】
つまり、第4ボールネジ駆動モータ311が駆動されると、第4ボールネジ駆動モータ311の回転動力は、第11プーリー315、第12プーリーベルト316および第12プーリー317を介して第4ボールネジ312に伝達され、その結果、第4ボールネジ312が自身の軸を中心として回転する。そして、この結果、取付板313が第2柱部材151a,151bに沿って上下移動することになる。
(3−3)引き抜き板回動機構
【0058】
引き抜き板回動機構320は、図3に示されるように、主に、回転バー支持体322a,322b、第22プーリー323、第22プーリーベルト324および回転バー駆動モータ321から構成される。
回転バー支持体322a,322bは、引き抜き板301の後方に設けられる回転バー302を回転自在に支持する。
第22プーリー323は、回転バー駆動モータ321のシャフトに取り付けられている。
第22プーリーベルト324は、第22プーリー323、および回転バー302に取り付けられている第21プーリーに架け渡されている。
【0059】
つまり、回転バー駆動モータ321が駆動されると、回転バー駆動モータ321の回転動力は、第22プーリー323、第22プーリーベルト324および第21プーリーを介して回転バー302に伝達され、その結果、引き抜き板301が下方から上方に開動しながら持ち上がる。
(3−4)引き抜き板前後搬送機構
【0060】
引き抜き板前後搬送機構330は、搬送機構300の前後移動を実現するために設けられており、図2に示されるように、主に、前後駆動モータ331、ワイヤー(図示せず)およびワイヤー支持部332から構成されている。
前後駆動モータ331が駆動すると、ワイヤーがワイヤー支持部332に沿って移動し、この移動により搬送機構300が前後移動する。
<折り畳み装置の動作>
以下、図8〜25を用いて本発明の実施の形態に係る折り畳み装置100の動作を説明する。
【0061】
先ず、本発明の実施の形態に係る折り畳み装置100では、折り畳み機構200が図8に示される状態、すなわち、正面視において載置板201と折り畳み板211〜214との対向方向が鉛直方向に一致するように載置板201の下方に折り畳み板211〜214が配置される状態(初期状態)となっている。この状態において布地等の被折畳物が載置板201の上に置かれる。なお、載置板201の幅は、上述の通り、載置板間距離調節機構230により調節される。
【0062】
次に、二重シャフト回転機構220により折り畳み機構200が図8の向かって右側に向かって(反時計回りに)略90°回転され(図8の矢印R1参照)、折り畳み機構200が図9に示される状態(第2状態)、すなわち、載置板201および折り畳み板211〜214の上面が左方を向く状態(正面視において、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が向かって右側から向かって左側に向かう方向となり、且つ、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が鉛直方向Dvと略直交する状態)とされる。そして、折り畳み機構200がこの状態となると、バー回転モータ281により接触バー部284が、図9の矢印方向r1、すなわち、載置板201と第1折り畳み板211との間の空間を上側から下側に向かって規定回数旋回させられる。なお、被折畳物の一部が折り畳み板211〜214に引っ掛かっている場合、接触バー部284の旋回動作により被折畳物の引っ掛かり部分が載置板201と第1折り畳み板211との間の空間に落とし込まれる(図22〜25の簡易化正面図参照)。なお、図23に示されるように、被折畳物の垂下り部分がクランク部283の先端、つまり、接触バー284の最下位置に至らないような被折畳物CL1が載置板201に載置された場合、接触バー284は、その被折畳物CL1を上側から下側へ押し下げることになる。このため、接触バー284が一回転または二回転しただけで、その垂下り部分は、図24に示されるように、載置板201と第1折り畳み板211との間の空間に落とし込まれる。一方、図25に示されるように、被折畳物の垂下り部分がクランク部283の先端、つまり、接触バー284の最下位置に至るような被折畳物CL2が載置板201に載置された場合、接触バー284は、第4折り畳み板214の外側の空間において被折畳物CL2を下側から上側へ持ち上げ、その持ち上げた部分を載置板201と第1折り畳み板211との間の空間に落とし込むことになる。このため、接触バー284が一、二回旋回しただけでは、その垂下り部分が載置板201と第1折り畳み板211との間の空間に落とし込まれない場合がある。したがって、ここでは、接触バー284は規定の三回以上旋回されることとなっている。
【0063】
接触バー部284の旋回が終了すると、第1折り畳み板スライド機構240により第1折り畳み板211が、図10に示されるように、載置板側にスライド移動され(図9の矢印S1参照)、被折畳物の一部が載置板201と第1折り畳み板211とにより挟持される(第3状態)。
【0064】
次いで、二重シャフト回転機構220により折り畳み機構200が図10の向かって左側に向かって(時計回りに)略180°回転され(図10の矢印R2参照)、折り畳み機構200が図11に示される状態(第4状態)、すなわち、載置板201および折り畳み板211〜214の上面が右方を向く状態(正面視において、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が向かって左側から向かって右側に向かう方向となり、且つ、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が鉛直方向Dvと略直交する状態)とされる。そして、折り畳み機構200がこの状態となると、バー回転モータ281により接触バー部284が、図11の矢印方向r2、すなわち、第1折り畳み板211と第2折り畳み板212との間の空間を上側から下側に向かって規定回数旋回させられる。
【0065】
接触バー部284の旋回が終了すると、第1折り畳み板スライド機構240により第2折り畳み板212が、図12に示されるように、載置板側にスライド移動され(図11の矢印S2参照)、被折畳物の一部が第1折り畳み板211と第2折り畳み板212とにより挟持される(第5状態)。なお、このとき、第32ギア264bが第31ギア264aに噛み合う。
【0066】
続いて、二重シャフト回転機構220により折り畳み機構200が図12の向かって右側に向かって(反時計回りに)略180°回転され(図12の矢印R3参照)、折り畳み機構200が図13に示される状態(第6状態)、すなわち、載置板201および折り畳み板211〜214の上面が左方を向く状態(正面視において、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が向かって右側から向かって左側に向かう方向となり、且つ、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が鉛直方向Dvと略直交する状態)とされる。そして、折り畳み機構200がこの状態となると、バー回転モータ281により接触バー部284が、図13の矢印方向r3、すなわち、第2折り畳み板212と第3折り畳み板213との間の空間を上側から下側に向かって規定回数旋回させられる。
【0067】
接触バー部284の旋回が終了すると、第1折り畳み板スライド機構240により第3折り畳み板213が、図14に示されるように、載置板側にスライド移動され(図13の矢印S3参照)、被折畳物の一部が第2折り畳み板212と第3折り畳み板213とにより挟持される(第7状態)。なお、このとき、第33ギア264cが第32ギア264bに噛み合う。
【0068】
続いて、二重シャフト回転機構220により折り畳み機構200が図14の向かって左側に向かって(時計回りに)略180°回転され(図14の矢印R4参照)、折り畳み機構200が図15に示される状態(第8状態)、すなわち、載置板201および折り畳み板211〜214の上面が右方を向く状態(正面視において、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が向かって左側から向かって右側に向かう方向となり、且つ、折り畳み板211〜214のスライド移動方向が鉛直方向Dvと略直交する状態)とされる。そして、折り畳み機構200がこの状態となると、バー回転モータ281により接触バー部284が、図15の矢印方向r4、すなわち、第3折り畳み板213と第4折り畳み板214との間の空間を上側から下側に向かって規定回数旋回させられる。
【0069】
接触バー部284の旋回が終了すると、第1折り畳み板スライド機構240により第4折り畳み板214が、図16に示されるように、載置板側にスライド移動され(図15の矢印S4参照)、被折畳物の一部が第3折り畳み板213と第4折り畳み板214とにより挟持される(第9状態)。なお、このとき、第34ギア264dが第33ギア264cに噛み合う。
【0070】
続いて、二重シャフト回転機構220により折り畳み機構200が図16の向かって右側に向かって(反時計回りに)略90°回転され(図16の矢印R5参照)、折り畳み機構200が図17に示される状態(第10状態)、すなわち、載置板201および折り畳み板211〜214の上面が斜め上方を向く状態とされる。
【0071】
続いて、図19に示されるように、引き抜き板上下搬送機構310により引き抜き板301が所定の高さまで引き上げられた後(第2状態)、図20に示されるように、引き抜き板前後搬送機構330により引き抜き板301が所定位置まで前進させられる(第3状態)。なお、このとき、引き抜き板301は、板面が鉛直方向Dvに沿う状態となっている。その後、図21に示されるように、引き抜き板回動機構320により、引き抜き板301が第4折り畳み板214に略平行となるまで位置まで回動される(第4状態)。
【0072】
その後、図18に示されるように、第2折り畳み板スライド機構260により、第1折り畳み板211が図18の向かって右側に向かってスライド移動され、第2折り畳み板212が図18の向かって左側に向かってスライド移動され、第3折り畳み板213が図18の向かって右側にスライド移動され、第4折り畳み板214が図18の向かって左側にスライド移動される(第11状態)。つまり、折り畳み板211〜214が被折畳物から除去されることになり、引き抜き板301による被折畳物の引き抜きが容易となる。
【0073】
最後に、引き抜き板301が引き抜き板前後搬送機構330により後退させられながら、引き抜き板上下搬送機構310により引き下げられ、引き抜き板301が、図1に示される状態となる。
なお、以上に示した折り畳み装置100の動作は、図示しない制御装置によって実行される。
<折り畳み装置の特徴>
(1)
【0074】
本実施の形態に係る折り畳み装置100では、折り畳み板211〜214が、載置板201に対抗するように設けられ、載置板201に対してスライド移動するように構成されている。このため、この折り畳み装置100では、折り畳み板211〜214の旋回半径を小さくすることができる。したがって、この折り畳み装置100は、小型化されることができる。
(2)
【0075】
本実施の形態に係る折り畳み装置100には、回転バー機構280が設けられており、折り畳み板211〜214の旋回移動中に被折畳物が折り畳み板211〜214に引っ掛かったとしても、回転バー機構280により被折畳物の引っ掛かり部分が載置板201と折り畳み板211〜214との間あるいは折り畳み板211〜214の間の空間に落とし込まれる。このため、この折り畳み装置100では、どのようなサイズの被折畳物であっても載置板201および折り畳み板211〜214により折り畳むことができる。
(3)
【0076】
本実施の形態に係る折り畳み装置100では、折り畳み板211〜214の形状が平面視において略直角台形状とされており、第1折り畳み板211および第3折り畳み板213が図5において向かって左側に斜辺がくるように向かって左側寄りに配置されており、第2折り畳み板212および第4折り畳み板214が図5において向かって右側に斜辺がくるように向かって右側寄りに配置されている。このため、この折り畳み装置100では、被折畳物が長袖シャツ等である場合、袖部分を真っすぐ下に垂れ下げることができ、延いては袖部分にしわを生じさせることなく綺麗に折り畳んでいくことができる。
<変形例>
(A)
【0077】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では載置板間距離調節機構230により載置板201の幅を調節することができたが、被折畳物のサイズが一定である等の事情がある場合には、載置板間距離調節機構230を除去し、載置板を1枚の板材としてもかまわない。
(B)
【0078】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では折り畳み板211〜214が4枚設けられたが、折り畳み板211〜214の枚数は、特に限定されず、被折畳物の形状やサイズに応じて増減されてもかまわない。
(C)
【0079】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では正面視において折り畳み機構200が初期状態の位置から鉛直方向に対して略90°の角度で左右に回転させられたが、折り畳み機構200は、90°よりも大きい角度で左右に回転させられてもかまわない。
(D)
【0080】
先の実施の形態では特に言及しなかったが、折り畳み板211〜214は、枠体であってもかまわないし、棒状の部材であってもかまわない。なお、折り畳み板211〜214を棒状部材とする場合、第1折り畳み板211の向かって左側の斜辺、第2折り畳み板212の向かって右側の斜辺、第3折り畳み板213の向かって左側の斜辺、第4折り畳み板214の向かって右側の斜辺に対応する位置にその棒状部材を配置する必要がある。なお、下記変形例(G)に本思想を適用する場合、その思想は逆となる。つまり、かかる場合、1折り畳み板211の向かって右側の辺、第2折り畳み板212の向かって左側の辺、第3折り畳み板213の向かって右側の辺、第4折り畳み板214の向かって左側の辺に対応する位置にその棒状部材を配置する必要がある。
(E)
【0081】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では第4折り畳み板214の裏側に取り付けられる回転バー機構280により、折り畳み板211〜214に引っ掛かった被折畳物を載置板201と第1折り畳み板211との間、折り畳み板211〜214の間に落とし込んだが、回転バー機構280に代えて、図26および図27に示されるような上下移動バー401により、折り畳み板211〜214に引っ掛かった被折畳物を載置板201と第1折り畳み板211との間、折り畳み板211〜214の間に落とし込んでもかまわない。かかる場合、上下移動バー401は、正面視において折り畳み装置100の載置板201の両脇に設けられ、折り畳み機構200の状態に応じて循環移動することになる(図27参照)。なお、かかる場合、上下移動バー401の初期位置は、折り畳み機構200が第2状態や第4状態とされたときの載置板201の上辺と折り畳み板211〜214の上辺とを含む面よりも十分に高い位置に設定される。このため、この上下移動バー401が一度、上から下に移動すれば、被折畳物の片側の引っ掛かり部分が載置板201と折り畳み板211〜214との間あるいは折り畳み板211〜214の間に落とし込まれる。
【0082】
なお、このような上下移動バー401は、正面視や側面視において上側から下側に向かって斜めに移動してもよいし、上側から下側に向かってジグザグに移動してもかまわない。
(F)
【0083】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では、接触バー部284が規定回数だけ旋回されたが、第4折り畳み板214の裏側、つまり回転バー機構280の設置側に被折畳物が存在するか否かを検知する検知部(例えば、光電センサや赤外線センサ等)を設け、その検知部が被折畳物の存在を検知しなくなるまで接触バー部284を旋回させるようにしてもかまわない。なお、かかる場合、予め、第4折り畳み板214の裏側にセンサ受光部を設け、載置板201の両脇にセンサ発光部を設けるか、第4折り畳み板214の裏側にセンサ発光部を設け、載置板201の両脇にセンサ受光部を設けておけばよい。このようにすれば、被折畳物の引っ掛かり部分を確実に載置板201と第1折り畳み板211との間、折り畳み板211〜214の間に落とし込むことができ、また、その落とし込み処理にかかる時間も最短化することができる。
(G)
【0084】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では、折り畳み機構200が図8の向かって右側に向かって略90°回転され、次に図10の向かって左側に向かって略180°回転され、次いで図12の向かって右側に向かって略180°回転され、続いて図14の向かって左側に向かって略180°回転され、最後に図16の向かって右側に向かって略90°回転されたが、折り畳み機構200は図8の向かって左側に向かって略90°回転され、次に向かって右側に向かって略180°回転され、次いで向かって左側に向かって略180°回転され、続いて向かって右側に向かって略180°回転され、最後に向かって左側に向かって略90°回転されてもかまわない。なお、かかる場合、第2折り畳み板スライド機構260において、第3ギア264a〜264dの回転方向を全て逆転させる必要がある。
(H)
【0085】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では折り畳み機構200や搬送機構300においてプーリーやプーリーベルト、ギア、モータ直結等による駆動が利用されているが、これらの利用については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜選択し得る。
(I)
【0086】
先の実施の形態に係る折り畳み装置100では載置板201および折り畳み板211〜214は対向関係が変化することなく回転されるように設計されていたが、折り畳み機構200の回転動作が止まったとき(第2状態、第4状態、第6状態および第8状態)にその対向関係が保たれていれば、載置板201の回転タイミングと折り畳み板211〜214の回転タイミングがずれてもかまわない。
【符号の説明】
【0087】
100 折り畳み装置
201 載置板(載置部材)
211,212,213,214 折り畳み板(スライド移動部材)
220 二重シャフト回転機構(回転機構)
284 接触バー部(上下移動部材)
401 上下移動バー(上下移動部材)
CL1,CL2 被折畳物
Dv 鉛直方向
Dh 水平方向
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係る折り畳み装置は、小型化することができると共に、いかなるサイズの折畳物であっても折り畳むことができるという特徴を有し、例えば、家庭向けの折り畳み装置として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期状態において被折畳物を、前記被折畳物の一部が左側および右側の少なくとも一方の側に垂れ下がるように載置可能である載置部材と、
前記初期状態において前記載置部材の下側に前記載置部材と対向するように配置され、前記載置部材に向かってスライド移動可能である、少なくとも1つのスライド移動部材と、
前記載置部材および前記スライド移動部材を左右方向に回転させる回転機構と、
正面視において前記スライド移動部材のスライド移動方向が鉛直方向に交差する状態とされた場合において、前記載置部材と前記スライド移動部材との間および前記スライド移動部材同士の間の少なくとも前記載置部材と前記スライド移動部材との間を上側から下側に向かって移動する上下移動部材と
を備える、折り畳み装置。
【請求項2】
前記上下移動部材は、前記載置部材と前記スライド移動部材との間および前記スライド移動部材同士の間の少なくとも前記載置部材と前記スライド移動部材との間を上側から下側に向かって旋回する
請求項1に記載の折り畳み装置。
【請求項3】
前記上下移動部材は、前記載置部材と前記スライド移動部材との間および前記スライド移動部材同士の間の少なくとも前記載置部材と前記スライド移動部材との間を上側から下側に向かって規定回数、旋回する
請求項2に記載の折り畳み装置。
【請求項4】
前記スライド移動部材の前記載置部材と対向しない側に物体が存在することを検知する物体検知部をさらに備え、
前記上下移動部材は、前記物体検知部が前記物体の存在を検知しなくなるまで、旋回し続ける
請求項2に記載の折り畳み装置。
【請求項5】
前記上下移動部材は、前記載置部材と前記スライド移動部材との間および前記スライド移動部材同士の間の少なくとも前記載置部材と前記スライド移動部材との間を上側から下側に向かって直線移動する
請求項1に記載の折り畳み装置。
【請求項6】
被折畳物の一部が載置部材の左側および右側の少なくとも一方の側に垂れ下がるように前記被折畳物を前記載置部材に載置する第1ステップと、
前記被折畳物の一部が垂れ下がっている側の方向に、前記載置部材と、前記載置部材に対向して設けられるスライド移動部材とを回転させて、前記載置部材と前記スライド移動部材との対向方向が鉛直方向に交差する状態とする第2ステップと、
前記載置部材と前記スライド移動部材との間に上下移動部材を上側から下側に向かって移動させる第3ステップと、
前記スライド移動部材を前記載置部材に向かってスライド移動させ、前記被折畳物の一部を挟み込む第4ステップと
を備える折り畳み方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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