説明

折畳みシート積層体およびその製造方法

【課題】搬送作業や包装作業時などにおいて折畳みシートの一部が捲れるといった不具合を抑制し、製造に際しての歩留りを良くすることが可能な折畳みシート積層体を提供する。
【解決手段】上片部10および下片部11を有し、この下片部11は、上片部10よりも幅狭な下片上部11aと下片下部11bとが重なり合った構成とされた左右略対称の複数の第1および第2の折畳みシート1A,1Bが積層されている折畳みシート積層体Aであって、平状シートが偏平状に二つ折りされて下片上部11aおよび下片下部11bよりも幅広な上片部30および下片部31が上下厚み方向に重なった構成を有する複数の第3の折畳みシート3をさらに備えており、これらは、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの積層部分の下方または下部に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティシュなどの折畳みシートを積層させた折畳みシート積層体、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェットティシュの積層体の一例として、図6に示すようなものがある(たとえば、特許文献1を参照)。同図に示す積層体Bは、断面形状が左右対称の第1および第2の折畳みシート1A,1Bが上下厚み方向に積層されたものである。第1および第2の折畳みシート1A,1Bは、ともに上片部10および下片部11を有しているが、下片部11は二つ折りされており、上片部10よりも幅狭な下片上部11aと下片下部11bとが重なり合った構成となっている。これら第1および第2の折畳みシート1A,1Bは、一方の上片部10の一部が他方の下片部11上に重なるようにして交互に積層されている。
【0003】
このウェットティシュの積層体Bは、包装用の容器4内に収容され、この容器4の上面部の取出口40から1枚ずつ外部に引き抜かれて使用される。このような使用状態においては、最上層の1枚目の折畳みシート1Aを外部に引き抜くと、その下片部11との摩擦作用により、2枚目の折畳みシート1Bの上片部10のうち、1枚目の折畳みシート1Aの下片部11に重なっていた部分が容器4の外部に脱出する。下片部11は、上片部10よりも幅狭な状態に二つ折りされているために、容器4から上片部10が脱出する寸法を小さくすることが可能である。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるような不具合を生じていた。
【0005】
すなわち、ウェットティシュの積層体Bは、最上層から最下層までの全てのシートが第1および第2の折畳みシート1A,1Bによって占められており、最下層の底面部分には、2つ折り状の小幅な下片上部11aおよび下片下部11bが存在している。このような部分は、取り扱い時において捲れ易い。このため、この積層体Bをたとえばコンベアなどを利用して搬送し、容器4内に収容させる包装作業を行なう場合に、コンベアどうしの繋ぎ目や、容器4の収容口部分などに引っ掛かりを生じ易く、容器4内への収容作業を適切に行なうことが困難となる場合があった。
【0006】
また、前記の積層体Bの製造方法としては、折り板装置スタンド方式と称される方法がある。この方法では、まず複数の巻取ロールから繰り出される複数の帯状シートを複数の折り板装置に供給し、折り加工を施すことによって第1および第2の折畳みシート1A,1Bの原型となる複数の帯状折畳みシートを形成し、これらを順次積層させていく。そして、所定枚数の帯状折畳みシートが積層された段階で、これらを所望寸法に切断する。この方法においては、帯状シートを折り板装置に供給する場合に、各シートの折り畳み寸法に多少のバラツキが発生し、たとえば複数の下片部11の幅s1が不揃いとなる場合がある。すると、従来においては、積層体の各部の高さが一様にならず、たとえばコンベアでの搬送時や、包装作業時において傾きを生じ易くなる不具合があった。さらに、前記した製造過程において、帯状折畳みシートの積層体をカッタによって切断する際には、最下層の下片部11がひらつき、この部分を適切に切断することができず、破れを生じる場合もあり、製造に際しての歩留りが悪くなっていた。したがって、このような不具合が適切に解消されることが要請される。
【0007】
【特許文献1】特開平7−213453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、搬送作業や包装作業時などにおいて折畳みシートの一部が捲れるといった不具合を抑制し、製造に際しての歩留りを良くすることが可能な折畳みシート積層体、およびその製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の側面により提供される折畳みシート積層体は、上下厚み方向に重なった上片部および下片部を有し、かつこの下片部は、その一部分において折り返されていることにより前記上片部よりも幅狭な下片上部と下片下部とが重なり合った構成とされた複数の折畳みシートを備えており、これら複数の折畳みシートとしては、断面形状が左右略対称とされた複数の第1および第2の折畳みシートがあり、これら第1および第2の折畳みシートは、一方の上片部が他方の下片部上に重なるようにして交互に積層されている、折畳みシート積層体であって、平状シートが偏平状に二つ折りされた形態を有し、かつ前記下片上部および下片下部よりも幅広な上片部および下片部が上下厚み方向に重なった構成を有する複数の第3の折畳みシートをさらに備えており、これら複数の第3の折畳みシートは、前記第1および第2の折畳みシートの積層部分の下方または下部に積層されていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、次に述べるような効果が得られる。
【0012】
すなわち、第1および第2の折畳みシートの積層部分の下方または下部には複数の第3の折畳みシートが積層されているために、第1および第2の折畳みシートの幅狭な下片部が折畳みシート積層体の底面部に位置することが回避され、または底面部に位置する量が少なくなり、これらの部分が容易に捲れないようにすることが可能となる。一方、第3の折畳みシートは、平状シートが偏平状に二つ折りされた形態であり、しかもその幅が大きいために、この第3の折畳みシート自体が底面に位置していても容易には捲れ難い。したがって、本発明に係る折畳みシート積層体を、たとえばコンベアにより搬送して所望の容器内に収容させる包装作業を行なう場合に、コンベアどうしの繋ぎ目や、容器の収容口部分などにこの折畳みシート積層体の底面部分が引っ掛かりを生じて捲れるようなことを生じ難くし、前記作業を適切に行なうことが可能となる。
【0013】
さらに重要な効果として、複数の第3の折畳みシートが積層された部分については、平坦かつ腰の強い部分とし、本発明における折畳みシート積層体は、そのような平坦かつ腰の強い部分を土台としたシート積層構造とすることができる。したがって、折畳みシート積層体全体の安定性が増し、たとえば第1および第2の折畳みシートの複数の下片部の幅が不揃いな寸法に形成された場合であっても、傾きを生じ難くし、コンベア搬送やその他の取り扱いに際して便利となる。また、複数の第3の折畳みシートは、腰が強く切断性も良好なものとなるため、製造時におけるカッタによる切断不良も生じ難くなり、歩留りを良くする効果も得られる。
【0014】
本発明の第2の側面により提供される折畳みシート積層体の製造方法は、複数の巻取ロールから繰り出された複数の帯状シートを、複数の折り板装置に供給することにより、上片部および下片部を有し、かつこの下片部は前記上片部よりも幅狭な下片上部と下片下部とが重なり合って断面形状が左右略対称とされた複数の第1および第2の帯状折畳みシートを形成するシート折畳み工程と、前記複数の第1および第2の帯状折畳みシートのうち、一方の上片部を他方の下片部上に重ねるようにして、これら第1および第2の帯状折畳みシートを交互に積層させることにより帯状折畳みシート積層体を作製するシート積層工程と、前記帯状折畳みシート積層体を所望寸法長に切断する工程と、を有している、折畳みシート積層体の製造方法であって、前記シート折畳み工程は、帯状シートを偏平状に二つ折りすることにより、前記下片上部および前記下片下部よりも幅広な上片部および下片部が上下厚み方向に重なった構成を有する複数の第3の帯状折畳みシートを形成する工程を含んでおり、前記シート積層工程は、前記複数の第3の帯状折畳みシートを、前記第1および第2の帯状折畳みシートの積層部分の下方または下部に積層させる工程を含んでいることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される折畳みシート積層体を容易かつ適切に製造することが可能であり、上述したのと同様な効果が得られる。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明が適用された折畳みシート積層体の一実施形態を示している。なお、本発明の実施形態において、図6に示した従来技術と同一または類似の要素については、前記従来技術と同一の符号を付している。
【0019】
本実施形態の折畳みシート積層体Aは、湿潤液が含浸された紙製のウェットティシュの積層体であり、複数枚のウェットティシュとして、複数の第1および第2の折畳みシート1A,1Bに加え、複数の第3の折畳みシート3を具備している。これら第1ないし第3の折畳みシート1A,1B,3は、いずれも平面視矩形状であり、図1の紙面と直交する方向における長さは、略同一寸法に揃えられている。
【0020】
第1および第2の折畳みシート1A,1Bは、先に述べた従来技術のものと同様なものであり、上下厚み方向に重なった上片部10および下片部11を有している。ただし、下片部11は、その一部分において折り返されており、上片部10の約1/2幅の下片上部11aと下片下部11bとが重なり合った構成とされている。第1の折畳みシート1Aにおいては、下片部11が上片部10の幅方向中心よりも左側領域に偏っているのに対し、第2の折畳みシート1Bにおいては、下片部11が上片部10の幅方向中心よりも右側領域に偏っている。第1および第2の折畳みシート1A,1Bは、左右略対称の断面形状であり、これらは一方の上片部10が他方の下片部11上に重なるようにして上下厚み方向に交互に積層されている。
【0021】
第3の折畳みシート3は、平状シートが偏平な略U字状に二つ折りされた形態を有しており、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの上片部10と略同一幅の上片部30および下片部31を有している。本実施形態の折畳みシート積層体Aは、2枚の第3の折畳みシート3を備えており、これらは互いに向きが反対とされ、一方が他方の内部に挟み込まれるようにして重ねられている。また、これら2枚の第3の折畳みシート3は、第1および第2の折畳みシート1A,1Bのそれぞれの最下層の下片部11どうしの間に挟み込まれている。
【0022】
本実施形態における折畳みシート積層体Aは、図1の仮想線に示すように、上面部に取出口40を有する容器4内に収容され、この状態で使用される。容器4は、たとえば可撓性を有する合成樹脂製フィルムからなる袋状であるが、これに代えて、たとえば硬質の容器とすることもできる。図面には示されていないが、容器4には、不使用時において取出口40を閉塞し、折畳みシート1A,1B,3の乾燥を防止するための蓋が設けられている。
【0023】
次に、前記した折畳みシート積層体Aの製造方法の一例について、図2を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、図2(a)に示すように、複数の巻取ロールRから複数の帯状シート1’を繰り出させて、複数のガイド50,51を経由させて複数の折り板装置5に供給する。これら複数の折り板装置5は、メインガイド板やこれに付属する複数の補助ガイド板などを有するものであり、帯状シート1’が搬送される過程においてこの帯状シート1’の幅を徐々に狭めるようにガイドしながらガイド板によって所望の断面形状に折り曲げる機能を有するものであり、コンベア60a上に直列に並んで設けられている。これら複数の折り板装置5のうち、1段目(図2(a)の右端)および2段目の2つの折り板装置5においては、同図(b)に示すように互いに重なり合った2つの帯状折畳みシート3’を形成させる。これらは、図1に示した第3の折畳みシート3の原型である。
【0025】
次いで、3段目の折り板装置5においては、図2(c)に示すように、2つの帯状折畳みシート3’を挟み込む帯状折畳みシート1A"を形成させる。この帯状折畳みシート1A"は、図1に示した複数の第1の折畳みシート1Aのうち、最下層に位置するものの原型である。4段目以降の複数の折り板装置5においては、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの原型となる帯状折畳みシート1A’,1B’を交互に形成しつつ、それらの一部分どうしを挟み込ませるようにし、それらを順次上側に積層させていく。この工程により、図2(d)に示すような帯状折畳みシート積層体A’を形成する。この積層体A’の形成後には、湿潤液供給装置61を利用し、帯状折畳みシート1A’,1B’,3’に湿潤液を含浸させる。この含浸処理は、たとえば積層体A’の搬送経路の両側に配置された複数のノズル(図示略)から積層体A’に向けて湿潤液を噴霧することにより行なうことができる。このような処理を終えた積層体A’は、その後コンベア60a,60bから、次段のコンベア60c,60dに移行させる過程において、カッタ62を利用して所望の長さに切断する。
【0026】
前記したような一連の工程により、図1に示した折畳みシート積層体Aが適切に製造される。また、このようにして製造された複数の折畳みシート積層体Aは、その後コンベア60c,60dによってその上下が挟まれた状態で次段の包装工程位置に搬送される。この包装工程は、たとえば帯状の合成樹脂製フィルムをフォーマを利用して筒状に形成しつつ、この筒状部分の内部に折畳みシート積層体Aを進入させ、その後前記フィルムに切断およびシール処理を施してこのフィルムを袋体とすることにより行なわれる。
【0027】
次に、前記した折畳みシート積層体Aの作用について説明する。
【0028】
まず、図1に示すように、2枚の第3の折畳みシート3が、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの積層部の下部に挿入されていることにより、この折畳みシート積層体Aの底面部には、幅が狭い下片部11が1つだけ存在した構成となっている。図6に示した従来技術では、下片部11が2つ存在しており、この部分がコンベアでの搬送時などにおいて捲れ易くなっていたが、本実施形態では、底面部に存在する下片部11の数を少なくし、底面の平坦化が図られている。したがって、コンベアでの搬送時などにおいて、折畳みシート積層体Aの底面部が引っ掛かりを生じてその搬送に支障を生じたり、あるいは折畳みシート積層体Aに破れを生じるといったことを生じ難くすることができる。
【0029】
また、2枚の第3の折畳みシート3は、第1および第2の折畳みシート1A,1Bのいわば土台としての役割を果たしているが、これら第3の折畳みシート3の積層部分は、幅が広く平らであり、しかも腰が強い。このため、折畳みシート積層体Aの全体の姿勢が安定し、コンベアでの搬送時などにおいて傾きなどを生じ難くし、容器4への収容作業なども的確に行なうことが可能となる。さらに、第3の折畳みシート3の積層部分は、既述したように腰が強く、しかも折畳みシート積層体Aの底面には幅狭な下片部11が1つしか存在しないために、製造過程において、帯状折畳みシート積層体A’をカッタ62によりその上方から切断する際の切断性も良好なものとなる。したがって、切断不良に起因して底部に破れなどが生じる頻度も少なくなり、製造に際しての歩留りも良好となる。
【0030】
なお、容器4の取出口40から複数の折畳みシート1A,1B,3を順次引き出して使用する場合、第3の折畳みシート3については2枚同時に引き出され易い。しかしながら、第1および第2の折畳みシート1A,1Bがたとえば計100枚あるいはそれ以上の枚数であるのに対し、第3の折畳みシート3は僅かに2枚であり、全体に占める割合はごく僅かである。しかも、この第3の折畳みシート3は、最終の折畳みシートとして引き出される。したがって、第3の折畳みシート3が仮に2枚同時に引き出されたとしてもユーザにとってはとくに不便または不都合を生じることはない。
【0031】
図3〜図5は、本発明の他の例を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0032】
図3(a)に示す構成においては、第1および第2の折畳みシート1A,1Bのうちの最下層の下片部11が、第3の折畳みシート3の2つの上片部30間に挟み込まれている。このような構成によれば、折畳みシート積層体の底面には、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの下片部11が全く存在しない構成となり、折畳みシート積層体の底面は、第3の折畳みシート3のみによって構成された滑らかな平面となる。したがって、取り扱い時において折畳みシート積層体の底面がコンベアなどに引っ掛かりを生じるといったことがより徹底して防止される。また、第1および第2の折畳みシート1A,1Bのうちの最下層のものを容器外部に引き出すときには、その際の摩擦により第3の折畳みシート3の一部を容器外部に適切に引き出させることも可能である。
【0033】
図3(b)に示す構成においては、第1および第2の折畳みシート1A,1Bの積層部の全体が、第3の折畳みシート3の上片部30上に載せられている。このような構成であっても、図3(a)に示した実施形態と同様に、折畳みシート積層体の底面が平面状となり、引っ掛かりなどを防止するのに最適となる。本実施形態から理解されるように、本発明においては、第1および第2の折畳みシート1A,1Bと第3の折畳みシート3とは、互いに積層された関係にあればよく、それらの一方が他方に挟み込まれた構成とされていなくてもかまわない。
【0034】
図4(a),(b)に示す構成においては、2枚の第3の折畳みシート3が互いに噛み合わされている。第3の折畳みシートどうしを積層させる場合、このような噛み合わせ構造にすることもできる。なお、図面には示されていないが、本発明においては、第3の折畳みシート3を積層させる場合に、それらを噛み合わせるようなことなく、単純に上下厚み方向に積層させただけの構成とすることも可能である。
【0035】
図5に示す構成においては、第3の折畳みシート3を計4枚積層させている。このように第3の折畳みシート3の枚数を多くすると、折畳みシート積層体の下層部の腰の強さや、積層体全体の姿勢の安定性をより高めることが可能となる。ただし、本発明においては、第3の折畳みシートが複数枚用いられていればよく、その具体的な枚数は限定されるものではない。
【0036】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る折畳みシート積層体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。同様に、本発明に係る折畳みシート積層体の製造方法の各工程の具体的な構成も、種々に変更自在である。
【0037】
第1および第2の折畳みシート1の下片上部および下片下部の幅は、上片部の約1/2の幅でなくてもよい。また、それら下片上部および下片下部の幅が互いに相違していてもかまわない。第3の折畳みシートの上片部および下片部については、第1および第2の折畳みシートの上片部の幅と略同一であることが好ましいものの、やはりこれに限定されず、要は第1および第2の折畳みシートの下片上部および下片下部よりも大きな幅であればよい。
【0038】
本発明でいう折畳みシートとは、ウェットティシュに限らず、湿潤液が含浸されていないドライタイプのティシュも含む概念である。その材質も、紙以外の合成紙、不織布、織布などとすることが可能であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る折畳みシート積層体の一例を示す概略断面図である。
【図2】(a)は、図1に示す折畳みシート積層体の製造方法の一例を模式的に示す説明図であり、(b)は、(a)のIIb-IIb要部断面図であり、(c)は、(a)のIIc-IIc要部断面図であり、(d)は、(a)のIId-IId要部断面図である。
【図3】(a),(b)は、本発明に係る折畳みシート積層体の他の例を示す要部概略断面図である。
【図4】(a),(b)は、本発明に係る折畳みシート積層体の他の例を示す要部概略断面図である。
【図5】本発明に係る折畳みシート積層体の他の例を示す要部概略断面図である。
【図6】従来技術の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0040】
A 折畳みシート積層体
1A 第1の折畳みシート
1B 第2の折畳みシート
3 第3の折畳みシート
10 上片部(第1および第2の折畳みシートの)
11 下片部(第1および第2の折畳みシートの)
11a 下片上部(第1および第2の折畳みシートの)
11b 下片下部(第1および第2の折畳みシートの)
30 上片部(第3の折畳みシートの)
31 下片部(第3の折畳みシートの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下厚み方向に重なった上片部および下片部を有し、かつこの下片部は、その一部分において折り返されていることにより前記上片部よりも幅狭な下片上部と下片下部とが重なり合った構成とされた複数の折畳みシートを備えており、
これら複数の折畳みシートとしては、断面形状が左右略対称とされた複数の第1および第2の折畳みシートがあり、これら第1および第2の折畳みシートは、一方の上片部が他方の下片部上に重なるようにして交互に積層されている、折畳みシート積層体であって、
平状シートが偏平状に二つ折りされた形態を有し、かつ前記下片上部および下片下部よりも幅広な上片部および下片部が上下厚み方向に重なった構成を有する複数の第3の折畳みシートをさらに備えており、
これら複数の第3の折畳みシートは、前記第1および第2の折畳みシートの積層部分の下方または下部に積層されていることを特徴とする、折畳みシート積層体。
【請求項2】
複数の巻取ロールから繰り出された複数の帯状シートを、複数の折り板装置に供給することにより、上片部および下片部を有し、かつこの下片部は前記上片部よりも幅狭な下片上部と下片下部とが重なり合って断面形状が左右略対称とされた複数の第1および第2の帯状折畳みシートを形成するシート折畳み工程と、
前記複数の第1および第2の帯状折畳みシートの一方の上片部を他方の下片部上に重ねるようにして、これら第1および第2の帯状折畳みシートを交互に積層させることにより帯状折畳みシート積層体を作製するシート積層工程と、
前記帯状折畳みシート積層体を所望寸法長に切断する工程と、
を有している、折畳みシート積層体の製造方法であって、
前記シート折畳み工程は、帯状シートを偏平状に二つ折りすることにより、前記下片上部および前記下片下部よりも幅広な上片部および下片部が上下厚み方向に重なった構成を有する複数の第3の帯状折畳みシートを形成する工程を含んでおり、
前記シート積層工程は、前記複数の第3の帯状折畳みシートを、前記第1および第2の帯状折畳みシートの積層部分の下方または下部に積層させる工程を含んでいることを特徴とする、折畳みシート積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−135822(P2007−135822A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332746(P2005−332746)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(398070926)株式会社サン・ジャパン (1)
【Fターム(参考)】