抜け止め防止ねじ及び挿抜レバー
【課題】大きな位置決め調整代を確保することができる抜け止め防止ねじを得ることを目的とする。
【解決手段】外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている抜け止用ねじ部4と、抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいねじ軸5とを備える。
【解決手段】外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている抜け止用ねじ部4と、抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいねじ軸5とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サブラックに対してパネル(例えば、ドーターボードパネル)を取り付ける際に用いる抜け止め防止ねじと、サブラックに対してパネルを挿抜する際に用いる挿抜レバーとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1,2,3には、サブラックに対してパネルを取り付ける際に用いる従来の抜け止め防止ねじが開示されている。
図13は従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図14は従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
また、図15はパネルをサブラックに止める前の状態を示す従来の抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【0003】
抜け止め防止ねじは、外径がパネル111のねじ穴112の内径より大きいねじつまみ部101と、サブラック114に施されている雌ねじ115及びパネル111のねじ穴112の内周に施されている雌ねじ113と嵌り合う雄ねじ102aが外周に施されているねじ部102と、ねじ部102とねじつまみ部101の間に設けられており、軸径がパネル111のねじ穴112の内径より小さいねじ軸103とから構成されている。
【0004】
抜け止め防止ねじを用いて、パネル111をサブラック113に止める場合、図13及び図15に示すように、パネル111のねじ穴112を通されているねじ部102をサブラック114に施されている雌ねじ115に当ててから、ねじつまみ部101を回転させることで、ねじ部102の外周に施されている雄ねじ102aを雌ねじ115にねじ入れるようにする。
抜け止め防止ねじは、ねじ軸103の軸径がパネル111のねじ穴112の内径より小さいため、ねじ軸103の周りには隙間があり、この隙間が、ねじ部102を雌ねじ115に当てる際のねじ部102の位置決め調整代となる。
【0005】
また、パネル111のねじ穴112の内周には、ねじ部102の雄ねじ102aと嵌り合う雌ねじ113が施されているため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、ねじ部102の端面がパネル111に当接する。
このため、ねじつまみ部101を回転させない限り、抜け止め防止ねじがパネル111から抜けることがない。
【0006】
なお、パネル111の挿抜レバーをロックする構造は、例えば、以下の特許文献4に開示されているが、ロックするための構造部が必要であるため、その構造部を設ける領域を確保しなければならない。また、部品点数が増えて複雑になり、小さくすることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−42546号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−349537号公報(図2)
【特許文献3】特開2007−227584号公報(図2)
【特許文献4】特許第3862944号(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の抜け止め防止ねじは以上のように構成されているので、ねじ軸103の周りの隙間が、ねじ部102を雌ねじ115に当てる際のねじ部102の位置決め調整代となっている。しかし、強度的にねじ軸103の軸径をあまり小さくすることができないため、あまり大きな位置決め調整代を確保することができないなどの課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、大きな位置決め調整代を確保することができる抜け止め防止ねじを得ることを目的とする。
また、この発明は、ロック用の構造部を設けることなく、パネルの挿抜を行うことができる挿抜レバーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る抜け止め防止ねじは、外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、その先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、その抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、その先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、その抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図3】パネルをサブラックに止める前の状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図7】パネルをサブラックに止めた状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図9】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入する前の状態を示す全体断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した状態を示す全体断面図である。
【図11】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した後に、抜け止め防止ねじが止められている状態を示す全体断面図である。
【図12】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを示す拡大部品分解図である。
【図13】従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図14】従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図15】パネルをサブラックに止める前の状態を示す従来の抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図2はこの発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
また、図3はパネルをサブラックに止める前の状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
図1及び図2では、上下の2箇所で、抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める例を示している。
【0014】
図において、ねじつまみ部1はパネル11をサブラック14に止める際に、抜け止め防止ねじを回転させるための部材であり、外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きくなっている。
先端部2は抜け止め防止ねじの先端がサブラック14のねじ穴15に対して斜め挿入されることを防止する目的(挿入時に先端をガイドする目的)で球形状に形成されており、軸径がねじ穴15の内径より小さくなっている。
【0015】
先端ねじ部3はサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さくなっている。
抜け止用ねじ部4は先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている。
ねじ軸5は抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さくなっている。
【0016】
パネル11にはねじ穴12が設けられており、ねじ穴12の内周には、先端ねじ部3より大きな抜け止用ねじ部4の雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が施されている。
このため、パネル11のねじ穴12は、従来のねじ穴112(図15を参照)よりも、大きな穴となっており、ねじ軸5の周りの隙間が、従来のねじ軸103の周りの隙間(図15を参照)よりも広くなっている。
サブラック14にはねじ穴15が設けられており、ねじ穴15の内周には先端ねじ部3の雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ16が施されている。
【0017】
次に動作について説明する。
図1の抜け止め防止ねじは、大きな位置決め調整代を確保するために、ねじ部を2段構成にしている。
図1の抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める場合、図1及び図3に示すように、パネル11のねじ穴12を通されている球状の先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入してから、ねじつまみ部1を回転させることで、先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aをねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにする。
【0018】
抜け止め防止ねじは、ねじ軸5の軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいため、ねじ軸5の周りには隙間があり、この隙間が、先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入する際の位置決め調整代となる。
ただし、この発明の実施の形態1では、先端ねじ部3より大きい抜け止用ねじ部4の外径に合わせて、パネル11のねじ穴12が施されているため、従来のように、先端ねじ部3の外径に合わせて、パネル11のねじ穴12が施される場合よりも、ねじ穴12が大きくなっている。
【0019】
このため、従来よりも、ねじ軸5の周りの隙間が広くなっており、位置決め調整代が大きくなっている。
これにより、例えば、サブラック14の雌ねじ16のピッチの精度が大きくなっても、ねじつまみ部1を用いて位置調整を行うことで、他の部品との干渉を招いたり、サブラック14のねじ穴15に対する斜め挿入を招いたりすることがなくなる。
このため、無理のない締め付けが可能になり、また、ねじの齧りなどのねじ締め付けの不具合を防止することができる。
【0020】
なお、パネル11のねじ穴12の内周には、抜け止用ねじ部4の雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が施されているため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、抜け止用ねじ部4の端面がパネル11に当接する。
このため、ねじつまみ部1を回転させない限り、抜け止め防止ねじがパネル11から抜けることがない。
【0021】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている抜け止用ねじ部4と、抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいねじ軸5とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果を奏する。
【0022】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図5はこの発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
バネ6は一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包している。
ガイドスペーサ7はねじつまみ部1の軸1aの移動を案内する軸5方向のスペーサである。
ガイドスペーサ7の穴には、ねじつまみ部1の軸1aが嵌り合う方向で、ねじつまみ部1の軸1aが通される。
【0023】
抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態では、ねじつまみ部1が安定しないため(例えば、図1や図3を参照)、この実施の形態2では、バネ6及びガイドスペーサ7を追加している。
バネ6は、一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包しているため、抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態でも、ねじつまみ部1がバネ6によってパネル11に固定される。
これにより、ねじつまみ部1が無意識に動くことがなくなり、サブラック14に固定される前に、ねじつまみ部1が他部品と干渉するなどの状況の発生を防止することができる。
【0024】
なお、抜け止め防止ねじがサブラック14に固定される前は、図4に示すように、バネ6が圧縮されることなく伸びているため、ねじつまみ部1はパネル11から離れて、抜け止用ねじ部4がパネル11に引っかかった状態で止まっている。
抜け止め防止ねじをサブラック14に固定する際には、図5に示すように、ねじつまみ部1の軸1aをガイドスペーサ7内で、バネ6を圧縮する方向に動かし、ねじつまみ部1の段差がガイドスペーサ7の端面と当たるまで、先端ねじ部3をサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにする。
【0025】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包しているバネ6と、ねじつまみ部1の軸1aの移動を案内するガイドスペーサ7とを設けるように構成したので、抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態でも、ねじつまみ部1の安定化を図ることができる効果を奏する。
【0026】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
また、図7はパネルをサブラックに止めた状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
この実施の形態3では、上記実施の形態1よりも更に、ねじ軸5の周りの隙間を広げて、位置決め調整代を大きくしているものである。
【0027】
この実施の形態3では、更に、位置決め調整代を大きくするために、図1〜5のパネル11のねじ穴12に対して、一方向に長穴を追加することで(図7の例では、上下方向に長穴が追加されている)、異形のねじ穴21をパネル11に施すようにしている。
なお、異形のねじ穴21にも、図1〜5のねじ穴12と同様に、抜け止用ねじ部4の外周に施されている雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が内周に施されている。
【0028】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、一方向に長穴が施されている異形のねじ穴21をパネル11に施すようにしているので、更に、ねじ軸5の周りの隙間を広げて、位置決め調整代を大きくすることができる効果を奏する。
【0029】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による抜け止め防止ねじの拡大断面図であり、図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ワッシャー22は先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ23が中心部のねじ穴の内周に施されており、外径がパネル11のねじ穴17の内径より大きくされている。
図8の抜け止め防止ねじでは、パネル11の穴17の内周には、雌ねじ13が施されていない。
【0030】
上記実施の形態1〜3では、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、抜け止用ねじ部4の端面がパネル11に当接することで、パネル11からの抜け止め防止ねじの抜けを防止するものを示したが、抜け止用ねじ部4の代わりに、ワッシャー22を用いるようにしてもパネル11からの抜けを防止することができる。
【0031】
パネル11の穴17に対して先端ねじ部3を通してから、ワッシャー22のねじ穴に先端部2を挿入し、図8に示すように、ワッシャー22がパネル11と先端ねじ部3の間に位置するまで、先端ねじ部3をワッシャー22のねじ穴にねじ入れるようにする。
ワッシャー22の外径は、パネル11の穴17の内径より大きいため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、ワッシャー22がパネル11に当接する。
【0032】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、外径がパネル11の穴17の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11の穴17の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11の穴17の内径より小さいねじ軸5と、先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ23が中心部のねじ穴の内周に施されており、外径がパネル11の穴17の内径より大きいワッシャー22とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果を奏する。
【0033】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入する前の状態を示す全体断面図であり、図10はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した状態を示す全体断面図である。
また、図11はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した後に、抜け止め防止ねじが止められている状態を示す全体断面図であり、図12はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを示す拡大部品分解図である。
図において、図1〜8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0034】
サブラック14に対してパネル11を挿抜する際に用いる挿抜レバー30は、パネル11の側面(例えば、左側面)に一体になっているボス31と、ウェーブワッシャー32と、ねじ穴が施されているレバー33と、ねじ穴が施されている基板34と、基板34、レバー33及びウェーブワッシャー32のねじ穴を通してボス31と嵌め合うねじ35とから構成されている。
【0035】
挿抜レバー30は、パネル11の左側面に一体になっているボス31に対してウェーブワッシャー32の穴を嵌め、その上にレバー33のねじ穴を嵌めてから、ボス31の端面に基板34をねじ止めしたものである。
基板34をねじ35で固定した後は、ウェーブワッシャー32は圧縮されている状態であり、ウェーブワッシャー32の面摩擦によって、重力や振動に伴うレバー33の回転を抑制している。
【0036】
具体的には、レバー33の操作時は、ねじつまみ部1がバネ6の反力で、パネル11に安定して保持されており、図中、レバー33を反時計回りに回転させて、ねじつまみ部1をバネ6の圧縮方向(図中、右方向)に押すことで、バネ6を縮ませて、抜け止め防止ねじの先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入後、先端ねじ部3をサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにすれば、パネル11をサブラック14に挿入することができる。
このとき、ねじつまみ部1及びガイドスペーサ7は、パネル11に固定されていないため、パネル11のねじ穴12の範囲での、ねじつまみ部1の位置調整を阻害するものではない。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、パネル11の側面との間にウェーブワッシャー32が挟み込まれる状態でパネル11の側面に取り付けられている挿抜レバー30を実装しているので、ロック用の構造部を設けることなく、パネルの挿抜を行うことができる効果を奏する。
【0038】
なお、この実施の形態5では、挿抜レバー30をパネル11の側面に実装しているものを示しているが、効果を期待できる構成として、ねじつまみ部1を摘まんでも、パネル11の挿抜が行えないものが想定される。
その他の例としては、パネル11の取っ手を掴んでも、抜け止め防止ねじを支えることができないが、その状態でパネル11の挿抜を行う必要があるものが想定される。
【0039】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ねじつまみ部、1a ねじつまみ部の軸、2 先端部、3 先端ねじ部、3a 雄ねじ、4 抜け止用ねじ部、4a 雄ねじ、5 ねじ軸、6 バネ、7 ガイドスペーサ、11 パネル、12 ねじ穴、13 雌ねじ、14 サブラック、15 ねじ穴、16 雌ねじ、17 穴、21 ねじ穴、22 ワッシャー、30 挿抜レバー、31 ボス、32 ウェーブワッシャー、33 レバー、34 基板、35 ねじ、101 ねじつまみ部、102 ねじ部、102a 雌ねじ、103 ねじ軸、111 パネル、112 ねじ穴、113 雌ねじ、114 サブラック、115 雌ねじ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、サブラックに対してパネル(例えば、ドーターボードパネル)を取り付ける際に用いる抜け止め防止ねじと、サブラックに対してパネルを挿抜する際に用いる挿抜レバーとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、以下の特許文献1,2,3には、サブラックに対してパネルを取り付ける際に用いる従来の抜け止め防止ねじが開示されている。
図13は従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図14は従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
また、図15はパネルをサブラックに止める前の状態を示す従来の抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【0003】
抜け止め防止ねじは、外径がパネル111のねじ穴112の内径より大きいねじつまみ部101と、サブラック114に施されている雌ねじ115及びパネル111のねじ穴112の内周に施されている雌ねじ113と嵌り合う雄ねじ102aが外周に施されているねじ部102と、ねじ部102とねじつまみ部101の間に設けられており、軸径がパネル111のねじ穴112の内径より小さいねじ軸103とから構成されている。
【0004】
抜け止め防止ねじを用いて、パネル111をサブラック113に止める場合、図13及び図15に示すように、パネル111のねじ穴112を通されているねじ部102をサブラック114に施されている雌ねじ115に当ててから、ねじつまみ部101を回転させることで、ねじ部102の外周に施されている雄ねじ102aを雌ねじ115にねじ入れるようにする。
抜け止め防止ねじは、ねじ軸103の軸径がパネル111のねじ穴112の内径より小さいため、ねじ軸103の周りには隙間があり、この隙間が、ねじ部102を雌ねじ115に当てる際のねじ部102の位置決め調整代となる。
【0005】
また、パネル111のねじ穴112の内周には、ねじ部102の雄ねじ102aと嵌り合う雌ねじ113が施されているため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、ねじ部102の端面がパネル111に当接する。
このため、ねじつまみ部101を回転させない限り、抜け止め防止ねじがパネル111から抜けることがない。
【0006】
なお、パネル111の挿抜レバーをロックする構造は、例えば、以下の特許文献4に開示されているが、ロックするための構造部が必要であるため、その構造部を設ける領域を確保しなければならない。また、部品点数が増えて複雑になり、小さくすることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−42546号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−349537号公報(図2)
【特許文献3】特開2007−227584号公報(図2)
【特許文献4】特許第3862944号(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の抜け止め防止ねじは以上のように構成されているので、ねじ軸103の周りの隙間が、ねじ部102を雌ねじ115に当てる際のねじ部102の位置決め調整代となっている。しかし、強度的にねじ軸103の軸径をあまり小さくすることができないため、あまり大きな位置決め調整代を確保することができないなどの課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、大きな位置決め調整代を確保することができる抜け止め防止ねじを得ることを目的とする。
また、この発明は、ロック用の構造部を設けることなく、パネルの挿抜を行うことができる挿抜レバーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る抜け止め防止ねじは、外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、その先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、その抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、その先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、その抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図3】パネルをサブラックに止める前の状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図7】パネルをサブラックに止めた状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【図9】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入する前の状態を示す全体断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した状態を示す全体断面図である。
【図11】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した後に、抜け止め防止ねじが止められている状態を示す全体断面図である。
【図12】この発明の実施の形態5による挿抜レバーを示す拡大部品分解図である。
【図13】従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
【図14】従来の抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
【図15】パネルをサブラックに止める前の状態を示す従来の抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図2はこの発明の実施の形態1による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
また、図3はパネルをサブラックに止める前の状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
図1及び図2では、上下の2箇所で、抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める例を示している。
【0014】
図において、ねじつまみ部1はパネル11をサブラック14に止める際に、抜け止め防止ねじを回転させるための部材であり、外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きくなっている。
先端部2は抜け止め防止ねじの先端がサブラック14のねじ穴15に対して斜め挿入されることを防止する目的(挿入時に先端をガイドする目的)で球形状に形成されており、軸径がねじ穴15の内径より小さくなっている。
【0015】
先端ねじ部3はサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さくなっている。
抜け止用ねじ部4は先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている。
ねじ軸5は抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さくなっている。
【0016】
パネル11にはねじ穴12が設けられており、ねじ穴12の内周には、先端ねじ部3より大きな抜け止用ねじ部4の雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が施されている。
このため、パネル11のねじ穴12は、従来のねじ穴112(図15を参照)よりも、大きな穴となっており、ねじ軸5の周りの隙間が、従来のねじ軸103の周りの隙間(図15を参照)よりも広くなっている。
サブラック14にはねじ穴15が設けられており、ねじ穴15の内周には先端ねじ部3の雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ16が施されている。
【0017】
次に動作について説明する。
図1の抜け止め防止ねじは、大きな位置決め調整代を確保するために、ねじ部を2段構成にしている。
図1の抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める場合、図1及び図3に示すように、パネル11のねじ穴12を通されている球状の先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入してから、ねじつまみ部1を回転させることで、先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aをねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにする。
【0018】
抜け止め防止ねじは、ねじ軸5の軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいため、ねじ軸5の周りには隙間があり、この隙間が、先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入する際の位置決め調整代となる。
ただし、この発明の実施の形態1では、先端ねじ部3より大きい抜け止用ねじ部4の外径に合わせて、パネル11のねじ穴12が施されているため、従来のように、先端ねじ部3の外径に合わせて、パネル11のねじ穴12が施される場合よりも、ねじ穴12が大きくなっている。
【0019】
このため、従来よりも、ねじ軸5の周りの隙間が広くなっており、位置決め調整代が大きくなっている。
これにより、例えば、サブラック14の雌ねじ16のピッチの精度が大きくなっても、ねじつまみ部1を用いて位置調整を行うことで、他の部品との干渉を招いたり、サブラック14のねじ穴15に対する斜め挿入を招いたりすることがなくなる。
このため、無理のない締め付けが可能になり、また、ねじの齧りなどのねじ締め付けの不具合を防止することができる。
【0020】
なお、パネル11のねじ穴12の内周には、抜け止用ねじ部4の雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が施されているため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、抜け止用ねじ部4の端面がパネル11に当接する。
このため、ねじつまみ部1を回転させない限り、抜け止め防止ねじがパネル11から抜けることがない。
【0021】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、外径がパネル11のねじ穴12の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11のねじ穴12の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3よりねじつまみ部1側に設けられており、パネル11のねじ穴12の内周に施されている雌ねじ13と嵌り合う雄ねじ4aが外周に施されている抜け止用ねじ部4と、抜け止用ねじ部4とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11のねじ穴12の内径より小さいねじ軸5とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果を奏する。
【0022】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図であり、図5はこの発明の実施の形態2による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止めた状態を示す全体断面図である。
図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
バネ6は一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包している。
ガイドスペーサ7はねじつまみ部1の軸1aの移動を案内する軸5方向のスペーサである。
ガイドスペーサ7の穴には、ねじつまみ部1の軸1aが嵌り合う方向で、ねじつまみ部1の軸1aが通される。
【0023】
抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態では、ねじつまみ部1が安定しないため(例えば、図1や図3を参照)、この実施の形態2では、バネ6及びガイドスペーサ7を追加している。
バネ6は、一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包しているため、抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態でも、ねじつまみ部1がバネ6によってパネル11に固定される。
これにより、ねじつまみ部1が無意識に動くことがなくなり、サブラック14に固定される前に、ねじつまみ部1が他部品と干渉するなどの状況の発生を防止することができる。
【0024】
なお、抜け止め防止ねじがサブラック14に固定される前は、図4に示すように、バネ6が圧縮されることなく伸びているため、ねじつまみ部1はパネル11から離れて、抜け止用ねじ部4がパネル11に引っかかった状態で止まっている。
抜け止め防止ねじをサブラック14に固定する際には、図5に示すように、ねじつまみ部1の軸1aをガイドスペーサ7内で、バネ6を圧縮する方向に動かし、ねじつまみ部1の段差がガイドスペーサ7の端面と当たるまで、先端ねじ部3をサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにする。
【0025】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、一方の端面がねじつまみ部1の端面と当たり、他方の端面がパネル11の端面と当たるようにねじ軸5を内包しているバネ6と、ねじつまみ部1の軸1aの移動を案内するガイドスペーサ7とを設けるように構成したので、抜け止め防止ねじを用いて、パネル11をサブラック14に止める前の状態でも、ねじつまみ部1の安定化を図ることができる効果を奏する。
【0026】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による抜け止め防止ねじを用いて、パネルをサブラックに止める前の状態を示す全体断面図である。
また、図7はパネルをサブラックに止めた状態を示す抜け止め防止ねじの拡大断面図である。
図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
この実施の形態3では、上記実施の形態1よりも更に、ねじ軸5の周りの隙間を広げて、位置決め調整代を大きくしているものである。
【0027】
この実施の形態3では、更に、位置決め調整代を大きくするために、図1〜5のパネル11のねじ穴12に対して、一方向に長穴を追加することで(図7の例では、上下方向に長穴が追加されている)、異形のねじ穴21をパネル11に施すようにしている。
なお、異形のねじ穴21にも、図1〜5のねじ穴12と同様に、抜け止用ねじ部4の外周に施されている雄ねじ4aと嵌り合う雌ねじ13が内周に施されている。
【0028】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、一方向に長穴が施されている異形のねじ穴21をパネル11に施すようにしているので、更に、ねじ軸5の周りの隙間を広げて、位置決め調整代を大きくすることができる効果を奏する。
【0029】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による抜け止め防止ねじの拡大断面図であり、図において、図1〜3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ワッシャー22は先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ23が中心部のねじ穴の内周に施されており、外径がパネル11のねじ穴17の内径より大きくされている。
図8の抜け止め防止ねじでは、パネル11の穴17の内周には、雌ねじ13が施されていない。
【0030】
上記実施の形態1〜3では、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、抜け止用ねじ部4の端面がパネル11に当接することで、パネル11からの抜け止め防止ねじの抜けを防止するものを示したが、抜け止用ねじ部4の代わりに、ワッシャー22を用いるようにしてもパネル11からの抜けを防止することができる。
【0031】
パネル11の穴17に対して先端ねじ部3を通してから、ワッシャー22のねじ穴に先端部2を挿入し、図8に示すように、ワッシャー22がパネル11と先端ねじ部3の間に位置するまで、先端ねじ部3をワッシャー22のねじ穴にねじ入れるようにする。
ワッシャー22の外径は、パネル11の穴17の内径より大きいため、図中左方向に、抜け止め防止ねじが引っ張られても、ワッシャー22がパネル11に当接する。
【0032】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、外径がパネル11の穴17の内径より大きいねじつまみ部1と、サブラック14に施されている雌ねじ16と嵌り合う雄ねじ3aが外周に施されており、外径がパネル11の穴17の内径より小さい先端ねじ部3と、先端ねじ部3とねじつまみ部1の間に設けられており、軸径がパネル11の穴17の内径より小さいねじ軸5と、先端ねじ部3の外周に施されている雄ねじ3aと嵌り合う雌ねじ23が中心部のねじ穴の内周に施されており、外径がパネル11の穴17の内径より大きいワッシャー22とを備えるように構成したので、大きな位置決め調整代を確保することができる効果を奏する。
【0033】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入する前の状態を示す全体断面図であり、図10はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した状態を示す全体断面図である。
また、図11はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを用いて、パネルをサブラックに挿入した後に、抜け止め防止ねじが止められている状態を示す全体断面図であり、図12はこの発明の実施の形態5による挿抜レバーを示す拡大部品分解図である。
図において、図1〜8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0034】
サブラック14に対してパネル11を挿抜する際に用いる挿抜レバー30は、パネル11の側面(例えば、左側面)に一体になっているボス31と、ウェーブワッシャー32と、ねじ穴が施されているレバー33と、ねじ穴が施されている基板34と、基板34、レバー33及びウェーブワッシャー32のねじ穴を通してボス31と嵌め合うねじ35とから構成されている。
【0035】
挿抜レバー30は、パネル11の左側面に一体になっているボス31に対してウェーブワッシャー32の穴を嵌め、その上にレバー33のねじ穴を嵌めてから、ボス31の端面に基板34をねじ止めしたものである。
基板34をねじ35で固定した後は、ウェーブワッシャー32は圧縮されている状態であり、ウェーブワッシャー32の面摩擦によって、重力や振動に伴うレバー33の回転を抑制している。
【0036】
具体的には、レバー33の操作時は、ねじつまみ部1がバネ6の反力で、パネル11に安定して保持されており、図中、レバー33を反時計回りに回転させて、ねじつまみ部1をバネ6の圧縮方向(図中、右方向)に押すことで、バネ6を縮ませて、抜け止め防止ねじの先端部2をサブラック14のねじ穴15に挿入後、先端ねじ部3をサブラック14のねじ穴15の内周に施されている雌ねじ16にねじ入れるようにすれば、パネル11をサブラック14に挿入することができる。
このとき、ねじつまみ部1及びガイドスペーサ7は、パネル11に固定されていないため、パネル11のねじ穴12の範囲での、ねじつまみ部1の位置調整を阻害するものではない。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、パネル11の側面との間にウェーブワッシャー32が挟み込まれる状態でパネル11の側面に取り付けられている挿抜レバー30を実装しているので、ロック用の構造部を設けることなく、パネルの挿抜を行うことができる効果を奏する。
【0038】
なお、この実施の形態5では、挿抜レバー30をパネル11の側面に実装しているものを示しているが、効果を期待できる構成として、ねじつまみ部1を摘まんでも、パネル11の挿抜が行えないものが想定される。
その他の例としては、パネル11の取っ手を掴んでも、抜け止め防止ねじを支えることができないが、その状態でパネル11の挿抜を行う必要があるものが想定される。
【0039】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ねじつまみ部、1a ねじつまみ部の軸、2 先端部、3 先端ねじ部、3a 雄ねじ、4 抜け止用ねじ部、4a 雄ねじ、5 ねじ軸、6 バネ、7 ガイドスペーサ、11 パネル、12 ねじ穴、13 雌ねじ、14 サブラック、15 ねじ穴、16 雌ねじ、17 穴、21 ねじ穴、22 ワッシャー、30 挿抜レバー、31 ボス、32 ウェーブワッシャー、33 レバー、34 基板、35 ねじ、101 ねじつまみ部、102 ねじ部、102a 雌ねじ、103 ねじ軸、111 パネル、112 ねじ穴、113 雌ねじ、114 サブラック、115 雌ねじ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、上記先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、上記抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えた抜け止め防止ねじ。
【請求項2】
一方の端面がねじつまみ部の端面と当たり、他方の端面がパネルの端面と当たるようにねじ軸を内包しているバネと、上記ねじつまみ部の軸の移動を案内するガイドスペーサとを設けたことを特徴とする請求項1記載の抜け止め防止ねじ。
【請求項3】
パネルのねじ穴の形状が、一方向に長穴が施されている異形形状であり、
抜け止用ねじ部の外周に施されているねじが、異形形状である上記ねじ穴と嵌り合うことを特徴とする請求項1記載の抜け止め防止ねじ。
【請求項4】
外径がパネルの穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルの穴の内径より小さい先端ねじ部と、上記先端ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルの穴の内径より小さいねじ軸と、上記先端ねじ部の外周に施されているねじと嵌り合うねじ穴が施されており、外径が上記パネルの穴の内径より大きいワッシャーとを備えた抜け止め防止ねじ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の抜け止め防止ねじの先端ねじ部をサブラックに施されているねじ穴と嵌め合わせる際、上記先端ねじ部と上記ねじ穴が当たる手前の位置まで、上記サブラックを移動させる挿抜レバーであって、
パネルの側面との間にウェーブワッシャーが挟み込まれる状態で、上記パネルの側面に取り付けられていることを特徴とする挿抜レバー。
【請求項1】
外径がパネルのねじ穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルのねじ穴の内径より小さい先端ねじ部と、上記先端ねじ部より上記ねじつまみ部側に設けられており、上記パネルに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されている抜け止用ねじ部と、上記抜け止用ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルのねじ穴の内径より小さいねじ軸とを備えた抜け止め防止ねじ。
【請求項2】
一方の端面がねじつまみ部の端面と当たり、他方の端面がパネルの端面と当たるようにねじ軸を内包しているバネと、上記ねじつまみ部の軸の移動を案内するガイドスペーサとを設けたことを特徴とする請求項1記載の抜け止め防止ねじ。
【請求項3】
パネルのねじ穴の形状が、一方向に長穴が施されている異形形状であり、
抜け止用ねじ部の外周に施されているねじが、異形形状である上記ねじ穴と嵌り合うことを特徴とする請求項1記載の抜け止め防止ねじ。
【請求項4】
外径がパネルの穴の内径より大きいねじつまみ部と、サブラックに施されているねじ穴と嵌り合うねじが外周に施されており、外径が上記パネルの穴の内径より小さい先端ねじ部と、上記先端ねじ部と上記ねじつまみ部の間に設けられており、軸径が上記パネルの穴の内径より小さいねじ軸と、上記先端ねじ部の外周に施されているねじと嵌り合うねじ穴が施されており、外径が上記パネルの穴の内径より大きいワッシャーとを備えた抜け止め防止ねじ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の抜け止め防止ねじの先端ねじ部をサブラックに施されているねじ穴と嵌め合わせる際、上記先端ねじ部と上記ねじ穴が当たる手前の位置まで、上記サブラックを移動させる挿抜レバーであって、
パネルの側面との間にウェーブワッシャーが挟み込まれる状態で、上記パネルの側面に取り付けられていることを特徴とする挿抜レバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182171(P2012−182171A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42168(P2011−42168)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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