説明

抵抗式タッチパネルコントローラ構造及び多点座標の判別並びに演算の方法

【課題】抵抗式タッチパネルコントローラ構造に応用され多点タッチコントロールの座標を演算並びに判断する方法の提供。
【解決手段】抵抗式タッチパネルを提供し、第1接触体及び少なくとも一つの第2接触体の該抵抗式タッチパネルとの接触の接触時間差に基づき、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定し、並びに該抵抗式タッチパネルの検出する電圧値により第1接触座標及び少なくとも一つの中点座標を順に決定し、且つ第1接触体に該抵抗式タッチパネルと接触を保持させる。該第1接触座標及び該中点座標に基づき、順に少なくとも一つの第2接触座標を決定し、そのうち、該該中点座標、該第2接触体及び該第2接触座標の数は同じとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の抵抗式タッチパネルコントローラ構造及び多点座標の判別並びに演算の方法に係り、特に、履歴座標の位置により新座標を計算する方式で多点座標を生成し、更にディスプレイに出力し、多点タッチコントロール実行可能な機能を形成する構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは1970年代に米軍が軍事用途に開発し、1980年代には技術が民間に移転され、各種用途に発展した。伝統的な電子計算装置(例えばコンピュータ)の入力方式は、キーボード或いはマウス等周辺設備を入力インタフェースとしているが、これらの周辺入力装置の体積は持ち運ぶには大き過ぎ、電子製品の薄型化の大きな傷害となりやすい。薄型化電子装置の要求のために、タッチパネルはポータブル電子製品にあって次第に消費者の注目を集めている。このほか、タッチパネルは個人のポータブル情報製品に応用される以外に、応用領域は情報家電、公共情報、通信設備、オフィス自動化設備、情報収集設備、及び工業設備等の領域へと広がっており、このためタッチパネルの研究発展は、近年、次第に電子産業の発展のポイントになっている。
【0003】
抵抗式タッチパネルは価格的に優勢を有し、現在、使用量が最も多い技術の一つであり、抵抗式の原理は上下の2片の接触時に発生する電圧降下を利用する方式により座標軸をサーチし、例えばX軸とY軸をそれぞれ一対の0〜5Vの電圧により駆動し、抵抗式タッチパネルが接触(Touch)された時に、回路が導通することにより、電圧降下が発生することから、コントローラが電圧降下の占める比率を計算し、その後に座標軸を算出する。
【0004】
抵抗式タッチパネルの構造については、上下2層のパネルを具え、通常パネル上層はインジウム錫酸化物(ITO)がポリエチレンテレフタレート(PET)に電気めっきされたものが材料とされ、下層は同様にインジウム錫酸化物(ITO)がポリエチレンテレフタレート(PET)或いはガラスに電気めっきされたものが材料とされる。平常の不使用時には、上下2層は絶縁体(Spacer Dot)により離間され、これによりカーソルが一点に固定される(Constant Touch)の問題が防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
周知の上述の抵抗式タッチパネルは一対の0〜5Vの電圧により駆動され、抵抗式タッチパネルがタッチされる時、回路が導通し、電圧降下を発生し、且つ(X,Y軸)座標を送出し、この制御方式はわずかに単点タッチコントロールを行なえるだけであり、多点タッチコントロールは達成できない。本発明は一種の、抵抗式タッチパネル上で多点タッチコントロールを行なえる方法と構造を提供し、周知の技術の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、この方法は抵抗式タッチパネルコントローラに応用され、
抵抗式タッチパネルを提供し、第1接触体及び少なくとも一つの第2接触体の該抵抗式タッチパネルとの接触の接触時間差に基づき、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定し、並びに該抵抗式タッチパネルの検出する電圧値により第1接触座標及び少なくとも一つの中点座標を順に決定し、且つ第1接触体に該抵抗式タッチパネルと接触を保持するものとし、該第1接触座標及び該中点座標に基づき、順に少なくとも一つの第2接触座標を決定し、そのうち、該該中点座標、該第2接触体及び該第2接触座標の数は同じとし、以上を包含することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、FIFOバッファにより、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項3の発明は、請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該第1接触座標及び該中点座標をタッチ検出器と座標発生回路に送り計算し、並びに座標レジスタに保存することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項4の発明は、請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標レジスタより計算後の該第1接触座標及び該中点座標を中点計算回路と演算座標選択回路に送ることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項5の発明は、請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該中点計算回路の獲得した結果に基づき、座標対比回路によりそれ以上接触の状況があるかを判断し、並びにタッチモード切換回路により状態変更信号を伝送し、且つ該演算座標選択回路が該状態変更信号に基づき適当な座標値を選択して該座標発生回路に伝送することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項6の発明は、請求項5記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標発生回路は該FIFOバッファ及び該演算座標選択回路の発生する値により該第2接触座標を計算し、並びに該タッチモード切換回路により該座標レジスタに送り、さらにインタフェースバスにより出力することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項7の発明は、請求項6記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該インタフェースバスはI2Cインタフェースバス或いはSPIインタフェースバスとされることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項8の発明は、請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該FIFOバッファは二つのX、Y座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項9の発明は、請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該FIFOバッファは二つ以上のX、Y座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項10の発明は、請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該タッチ検出器はFIFOバッファの数値が設定値より大きいかを判断し、該タッチパネルが2点以上の接触を有するかを判断し、並びに制御信号を出力することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項11の発明は、請求項10記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該タッチモード切換回路はタッチ検出器の制御信号を受信可能で、それによりタッチモード切換回路の状態切換を決定することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項12の発明は、請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標発生回路は該FIFOバッファ、該演算座標選択回路、及び該タッチモード切換回路の状態を読み取り、X、Y軸座標数値を獲得することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項13の発明は、請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標レジスタは該座標発生回路の伝送するX、Y軸座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項14の発明は、請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該演算座標選択回路は該座標レジスタ及び該FIFOバッファのデータを共に参考として第2点の新接触点より大きいX、Y軸座標数値を計算することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項15の発明は、請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該中点計算回路は多点の間の中点を計算することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項16の発明は、請求項5記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標対比回路は多点の間のどの点が釈放されるかを比較し、並びに比較後の信号を該タッチモード切換回路に送ることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法としている。
請求項17の発明は、多点タッチパネルコントローラ構造において、それは抵抗式タッチパネルに用いられ、
パネルが出力するX、Y軸座標数値を保存する、少なくとも一組のFIFOバッファ、 該FIFOバッファの数値が設定値より大きいか否かを読取り、パネルが2点以上接触されているかを判断し、並びに制御信号を出力するタッチ検出器、
該タッチ検出器の制御信号を受け取り、タッチモード切換回路の状態切換を決定する、タッチモード切換回路、
該FIFOバッファとタッチモード切換回路の状態を読取り、X、Y軸座標数値を獲得する、座標生成回路、
該座標生成回路の伝送するX、Y軸座標数値を保存する、座標レジスタ、
該座標レジスタ、該タッチモード切換回路及び該FIFOバッファのデータを共に参考とし、第2点より大きい新接触点のX、Y軸座標数値を演算する、演算座標選択回路、 多点の間の中点を計算する、中点計算回路、
多点の間のどの点が釈放されたかを比較し、並びに比較後の信号をタッチモード切換回路に伝送する、座標対比回路、
を包含することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造としている。
請求項18の発明は、請求項17記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該座標レジスタが保存するX、Y軸座標数値はインタフェースバスにより送出されることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造としている。
請求項19の発明は、請求項18記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該インタフェースバスはI2Cインタフェースバス或いはSPIインタフェースバスであることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造としている。
請求項20の発明は、請求項17記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該座標レジスタは左右に移動可能なレジスタとされることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は一種の抵抗式タッチパネルコントローラ構造及び多点座標の判別並びに演算の方法を提供する。本発明によると、履歴座標の位置により、新座標を算出する方式で多点座標を計算し、さらにディスプレイに出力する。本発明は以下のような長所を有する。
1.原理及び構造が簡単である。
2.多点タッチコントロール方式を応用して対応する機能の操作を完成する。
3.大幅にハードウエアコストを削減できる。
4.タッチパネルを変更或いは特別に設計する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の提供する多点タッチパネルコントローラの演算判断方法は以下を包含し、すなわち、抵抗式タッチパネルを提供し、第1接触体及び少なくとも一つの第2接触体の該抵抗式タッチパネルとの接触の接触時間差に基づき、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定し、並びに該抵抗式タッチパネルの検出する電圧値により第1接触座標及び少なくとも一つの中点座標を順に決定し、且つ第1接触体に該抵抗式タッチパネルと接触を保持させる。該第1接触座標及び該中点座標に基づき、順に少なくとも一つの第2接触座標を決定し、そのうち、該該中点座標、該第2接触体及び該第2接触座標の数は同じとする。
【0009】
本発明によると、多点タッチパネルコントローラ構造は、抵抗式タッチパネルコントローラに応用され、それは以下を包含し、すなわち、
パネルが出力するX、Y軸座標数値を保存する、少なくとも一組のFIFOバッファ、
該FIFOバッファの数値が設定値より大きいか否かを読取り、パネルが2点以上接触されているかを判断し、並びに制御信号を出力するタッチ検出器、
該タッチ検出器の制御信号を受け取り、タッチモード切換回路の状態切換を決定する、タッチモード切換回路、
該FIFOバッファとタッチモード切換回路の状態を読取り、X、Y軸座標数値を獲得する、座標生成回路、
該座標生成回路の伝送するX、Y軸座標数値を保存する、座標レジスタ、
該座標レジスタ、該タッチモード切換回路及び該FIFOバッファのデータを共に参考とし、第2点より大きい新接触点のX、Y軸座標数値を演算する、演算座標選択回路、 多点の間の中点を計算する、中点計算回路、
多点の間のどの点が釈放されたかを比較し、並びに比較後の信号をタッチモード切換回路に伝送する、座標対比回路、
を包含する。
【実施例1】
【0010】
図1乃至図3は本発明の履歴座標に基づき新座標を計算する方式の表示図であり、そのうち、履歴座標はタッチパネルに保留されたタッチポイントの位置を指し、該履歴座標を利用して新座標を計算する方式により、多点座標を生成して抵抗式パネルに出力し、その演算原理は以下のとおりである。
【0011】
そのうち、図1はタッチパネルの第1点の位置を示し、該第1点P1の位置が接触状態を保持すれば、履歴座標を形成できる。
【0012】
そのうち、図2ではタッチパネルの第1点位置が接触状態を保持している状態で、第2点接触位置が発生している。ただし、このとき、タッチパネルに示される座標位置は、第1点と第2点の中点Pm位置とされ、且つ該中点座標位置の電圧降下は不連続の跳動を発生し、この不連続の跳動がパネル内部部品に検出された後に、パネル上の2点が同時に接触されているか否かを判断できる。
【0013】
そのうち、図3では、第1点P1位置(記録された履歴座標)及び第1点と第2点の中点Pm位置を取得した後に、逆相ベクトル及び第1点P1位置及び第1点と第2点の中点Pm位置の距離を利用して正確な第2点P2位置を計算する。
【0014】
図4乃至図8は本発明の履歴座標に基づき新座標を計算する方式の更なる表示図であり、そのうち3点接触を以て多点接触の実際の状況を説明し、その実施される演算原理は以下のようである。
【0015】
抵抗式タッチパネルを提供し、第1接触体(例えば、使用者の親指)及び少なくとも一つの第2接触体(例えば、使用者の人指し指及び中指)がそれぞれ該抵抗式タッチパネルに接触する接触時間差により、該第1接触体及び該第2接触体の接触順序(この例の接触順序は順にP1、P2、P3とされる)を決定し、並びに該抵抗式タッチパネルの検出した電圧値により順に、第1接触座標(すなわちP1の座標)及び少なくとも一つの中点座標、即ち、点Pm1及びPm2の座標を決定する。ただし、実際には該抵抗式タッチパネルは僅かに最後の一点Pm2の座標のみ生成し、その他の中点座標(例えばPm1)は履歴軌跡とみなされる必要があり、且つ該第1接触体は該抵抗式タッチパネルと接触状態を保持する。該第1接触座標(即ち点P1の座標)及び該中点座標(点Pm2の座標及び履歴軌跡の点Pm1の座標)により、順に少なくとも一つの第2接触座標(即ち点P3及び点P2の座標)を決定し、そのうち、該中点座標、該第2接触体及び該第2接触座標の数量は同じである。
【0016】
上述の実施例により、それがさらに多くの接触体に延伸されるとき、その概念は、抵抗式タッチパネルの検出により、その検出した電圧値を対応する座標位置に換算する、というものである。ただ一つの接触体が抵抗式タッチパネルに接触するとき、タッチパネルは該接触体のパネル上での絶対座標(即ちP1)を検出できる。もし、二つ以上の接触体が同時にタッチパネル上に存在するならば、タッチパネルは全ての接触体の対応座標を検出することはできず、ただ一つの唯一の中点座標Pm(measure point)を検出できるだけであり、この座標Pmとタッチパネルに接触する全ての接触体の絶対座標の間には関係式が存在する。仮に、現在n−1個の接触体がタッチパネル上に同時に存在するとすると、それによりタッチパネルはわずかに一つの唯一座標Pmn-2 を生成し得る。もし、このとき、第n個の接触体がタッチパネルに接触すると、そのタッチパネル上で対応する絶対座標はPnとされ、即ちタッチパネルが一つの唯一の座標Pmn-1 を生成し、座標Pmn-1 とこのn個の物体の関係式は、Pmn-1 がPmn-2 とPnの中点座標とされる。タッチパネル上でただ順にPmn とPmn-1 のみを順に検出できるため、Pmn とPmn-1 より第n点の座標Pnを導出する。もし、n個の接触体が異なる時間点にタッチパネルに接触し、並びにこのn個の接触体がパネルに接触する時間の前後の順序によりその対応する絶対座標P1、P2、P3・・・Pnを定義するなら、時間順序の先後により、タッチパネルは順に絶対座標P1と中点座標Pm1、Pm2、Pm3・・・を検出し、n個の接触体が完全にタッチパネルに接触するとき、最後にタッチパネルが唯一の中点座標Pmn-1 (即ち最後の一つの中点座標)を検出して後述する関係式に基づき、我々は絶対座標P1と中点座標Pm1より絶対座標P3を導出し、他もこれにより類推されるとおりである。
【0017】
図9を参照されたい。上述の概念の記載に基づき、簡単に単点或いは多点判断のフローを簡単に整理することができる。ただし以下のフローは好ましい実施フローに過ぎず、本発明の実施概念は特許請求の範囲の記載に準じるものとする。
11: 開始
12: X、Y座標修正。このステップはパネル内部の演算回路の初期化を意味する。
13: パネルが接触されているかを判定し、この接触の工具はタッチペン或いは手指とされ得て、イエスであれば、ステップ14を実行し、ノーであればステップ13を重複実行する。
14: 単点走査を行い単点座標を取得し、該単点座標は多点接触の第1点(履歴座標)とされ得て、第2点以後の座標は後続のステップを待って判断される。
15: 該単点座標が不連続性の変化を発生するかを第1次判断し、該単点座標位置に電圧降下により発生する不連続の跳動が発生した場合は、該不連続の跳動はパネル内部素子により検出された後、パネル上に同時に接触されている2点があるかを判断し、もし実行結果がイエスであれば、ステップ16を実行し、ノーであればステップ14を実行し、単点座標を取得する。
16: 該単点座標が開始点であるかを判断し、たは単点接触の位置或いは多点接触が発生する中点位置でありうるため、その他の素子により信号を伝送し演算し、該単点座標が開始点であるか否かを判断し、その実行結果がイエスであれば、該パネルのタッチコントロール状態がわずかに単点タッチコントロールであることを示し、ゆえに更にステップ12を実行し、もし実行結果がノーであれば、該パネルのタッチコントロール状態が多点タッチコントロールであることを示し、即ちステップ17を実行する。
17: 多点走査を実行し並びに多点座標位置を計算し、もし多点タッチコントロール状態であると判断すれば、第1点位置(記録された履歴座標)と第1点と多点が形成する多角形の中点位置(自動形成される座標点であるが、ただし正確に使用者が接触する第2点以後の座標)を利用した後、逆相ベクトル及び第1位置及び中点位置の距離を利用して正確な多角形の各点位置を計算する。
18: 該単点座標が不連続性の変化を発生するか否かを判断し、もし実行結果がイエスならば、単点座標位置にそれ以上電圧降下が発生する不連続な跳動がないことを表示し、多点走査が形成する多角形がすでに固定されてそれ以上変化しないことを代表し、ゆえにステップ17に戻り最終多点座標を獲得し、もし実行結果がノーならば、使用者が多点座標を押下げた後、続いて新たな座標点に接触することを表示し、ゆえにステップ14に戻り新単点座標を取得し、さらに後続のステップにより計算する。
【0018】
既知の第1点により第2点の正確な位置を計算する公式演算は以下のとおりである:
X座標公式は以下のとおり:
一点のとき:X1 =NEWX
第2点が押下られる時:
2 =[(NEWX =midx1)×2]+midx1
そのうちmidx1=X1
第3点が押下られる時:
3 =[(NEWX =midx2)×2]+midx2
そのうち、
【0019】
【数1】

【0020】
第4点が押下られる時:
4 =[(NEWX =midx3)×2]+midx3
そのうち、
【0021】
【数2】

【0022】
第5点が押下られる時:
5 =[(NEWX =midx4)×2]+midx4
そのうち、
【0023】
【数3】

【0024】
ゆえに、
1 =NEWX,midx1=X1
n=[(NEWX=midx(n-1))×2]+midx(n-1)
そのうち、
【0025】
【数4】

【0026】
YとXは同じであり、ゆえに、
1 =NEWy,midy1=Y1
n=[(NEWy=midy(n-1))×2]+midy(n-1)
そのうち、
【0027】
【数5】

【0028】
図10に示されるのは、本発明の多点タッチパネルの機能ブロック構造図であり、本実施例の提供する抵抗式タッチパネル21は、市場で一般にみられる抵抗式タッチパネルであり、抵抗式タッチパネル21の出力はアナログ・デジタル変換器22を通し、X、Y軸座標がt,t+1のFIFOバッファ(FIFO queue)23内部に保存され、タッチ検出器24を利用してt,t+1の2点の値が一定の大きさを超えるかが判断され、即ちこのほかのタッチペン或いは手指が該パネルに2点以上接触するかが判断され、信号を発生してタッチモード切換回路25の状態の変更を告知し、このとき、座標発生回路(General point)26も該タッチモード切換回路25の状態、演算座標選択回路27、座標レジスタ(Save queue)28及びFIFOバッファ(t,t+1)23より読み取った情報を利用して新点の位置を計算し、該座標レジスタ28が保存するX、Y軸座標数値は、I2Cインタフェースバス31(或いはSIPインタフェースバス)により送出する。中点計算回路29は3点の間の中点を計算して座標対比回路(Comp)30に提供しどの点を釈放するか(Release)の比較に供する。該座標レジスタ28は左右移動可能なレジスタであり、その用途は多点タッチコントロールの座標を最多で3組保存することで、必要に応じて更に拡充し、4点以上のタッチコントロール検出を行なう。
【0029】
以上の構造中、FIFOバッファ23を利用して異なる時間点を記録するとき、タッチパネルの検出する座標は、第1個のタッチパネルの接触の絶対座標P1或いは異なる時間点の中点座標Pmとされ得る。該FIFOバッファ23を通し、2点の中点座標を記録できる。接触点がタッチパネルに接触する或いはタッチパネルより離れる一瞬に、中点に瞬間電圧変化が発生する。この電圧変化が、該FIFOバッファ23に先後の異なる中点座標を記録させる。先後の二つの中点座標の値がある一つの標準を超過した後、タッチパネル上の接触点に数量の変化が発生するかを判別できる。
【0030】
図10の構造の演算判断フローは図11から図13に示されるとおりである。図11を参照されたい。
1.t,t+1FIFOバッファ23の得た座標の値をタッチ検出器24、座標発生回路26に送り計算し、且つすでに座標レジスタ28に保存された値を中点計算回路29の計算した現在状態の適当な座標と共に演算座標選択回路27に送る。
【0031】
図12を参照されたい。
2.座標対比回路30を利用し、中点計算回路29の提供する情報より釈放された動作が発生するかを判定し、タッチモード切換回路25に状態変更の標準を提供し、適当な信号を各素子に送出する。信号により演算座標選択回路27が濾過した適当な値を座標発生回路26に提供する。
【0032】
図13を参照されたい。
3.該座標発生回路26はt,t+1FIFOバッファ23、演算座標選択回路27の提供する情報により新たな座標を計算し、タッチモード切換回路25により適当な出力を選択して座標レジスタ28に送り点の座標を更新し、さらにI2Cインタフェースバス31(或いはSPIインタフェースバス)を通し送出する。
【0033】
上述の図1から図13の記載により、本発明の主要な技術特徴は、一種の抵抗式タッチパネルコントローラの構造と多点座標の演算判断の方法を提供し、履歴座標の位置により、さらに新座標を計算する方式で多点タッチコントロールの効果を発生することとされる。
【0034】
本発明を一般のディスプレイに応用すると、以下のようなメリットがある。
1.原理及び構造が簡単である。
2.多点タッチコントロール方式を応用して対応する機能の操作を完成する。
3.大幅にハードウエアコストを削減できる。
4.タッチパネルを変更或いは特別に設計する必要がない。
【0035】
以上のメリットを有するため本発明は市場で極めて商業価値を有する。
総合すると、本発明の提供する多点タッチパネルコントローラ構造及び判断演算方法は、履歴座標の位置により、新座標を計算する方式とされ、その構造は簡単で、製造が容易で生産コストを下げることができ、これにより業界の要求を満足させられ、産業の競争力を高め、周辺産業の発展を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の表示図である。
【図2】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の表示図である。
【図3】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の表示図である。
【図4】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の更なる表示図である。
【図5】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の更なる表示図である。
【図6】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の更なる表示図である。
【図7】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の更なる表示図である。
【図8】本発明の履歴座標により新座標を計算する方法の更なる表示図である。
【図9】本発明の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法のフローチャートである。
【図10】本発明の多点タッチパネルコントローラの機能ブロック構造図である。
【図11】図10の構造の演算判断フローチャートである。
【図12】図10の構造の演算判断フローチャートである。
【図13】図10の構造の演算判断フローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
P1 第1点
Pm 第1点と第2点の中点
P2 第2点
11 開始
12 X、Y座標修正
13 パネルが接触されているかを判定
14 単点走査を実行し単点座標取得
15 該単点座標が不連続性の変化を発生するかを第1次判断
16 該単点座標が開始点であるかを判断
17 多点走査を実行し並びに多点座標位置を計算
18 該単点座標が不連続性の変化を発生するかを第2次判断
21 抵抗式タッチパネル
22 アナログ・デジタル変換器
23 FIFOバッファ
24 タッチ検出器
25 タッチモード切換回路
26 座標発生回路
27 演算座標選択回路
28 座標レジスタ
29 中点計算回路
30 座標対比回路
31 I2Cインタフェースバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、この方法は抵抗式タッチパネルコントローラに応用され、
抵抗式タッチパネルを提供し、第1接触体及び少なくとも一つの第2接触体の該抵抗式タッチパネルとの接触の接触時間差に基づき、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定し、並びに該抵抗式タッチパネルの検出する電圧値により第1接触座標及び少なくとも一つの中点座標を順に決定し、且つ第1接触体に該抵抗式タッチパネルと接触を保持するものとし、該第1接触座標及び該中点座標に基づき、順に少なくとも一つの第2接触座標を決定し、そのうち、該該中点座標、該第2接触体及び該第2接触座標の数は同じとし、以上を包含することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項2】
請求項1記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、FIFOバッファにより、該第1接触体と該第2接触体の接触順序を決定することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項3】
請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該第1接触座標及び該中点座標をタッチ検出器と座標発生回路に送り計算し、並びに座標レジスタに保存することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項4】
請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標レジスタより計算後の該第1接触座標及び該中点座標を中点計算回路と演算座標選択回路に送ることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項5】
請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該中点計算回路の獲得した結果に基づき、座標対比回路によりそれ以上接触の状況があるかを判断し、並びにタッチモード切換回路により状態変更信号を伝送し、且つ該演算座標選択回路が該状態変更信号に基づき適当な座標値を選択して該座標発生回路に伝送することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項6】
請求項5記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標発生回路は該FIFOバッファ及び該演算座標選択回路の発生する値により該第2接触座標を計算し、並びに該タッチモード切換回路により該座標レジスタに送り、さらにインタフェースバスにより出力することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項7】
請求項6記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該インタフェースバスはI2Cインタフェースバス或いはSPIインタフェースバスとされることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項8】
請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該FIFOバッファは二つのX、Y座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項9】
請求項2記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該FIFOバッファは二つ以上のX、Y座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項10】
請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該タッチ検出器はFIFOバッファの数値が設定値より大きいかを判断し、該タッチパネルが2点以上の接触を有するかを判断し、並びに制御信号を出力することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項11】
請求項10記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該タッチモード切換回路はタッチ検出器の制御信号を受信可能で、それによりタッチモード切換回路の状態切換を決定することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項12】
請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標発生回路は該FIFOバッファ、該演算座標選択回路、及び該タッチモード切換回路の状態を読み取り、X、Y軸座標数値を獲得することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項13】
請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標レジスタは該座標発生回路の伝送するX、Y軸座標数値を保存できることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項14】
請求項3記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該演算座標選択回路は該座標レジスタ及び該FIFOバッファのデータを共に参考として第2点の新接触点より大きいX、Y軸座標数値を計算することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項15】
請求項4記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該中点計算回路は多点の間の中点を計算することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項16】
請求項5記載の多点タッチパネルコントローラの演算判断方法において、該座標対比回路は多点の間のどの点が釈放されるかを比較し、並びに比較後の信号を該タッチモード切換回路に送ることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラの演算判断方法。
【請求項17】
多点タッチパネルコントローラ構造において、それは抵抗式タッチパネルに用いられ、 パネルが出力するX、Y軸座標数値を保存する、少なくとも一組のFIFOバッファ、 該FIFOバッファの数値が設定値より大きいか否かを読取り、パネルが2点以上接触されているかを判断し、並びに制御信号を出力するタッチ検出器、
該タッチ検出器の制御信号を受け取り、タッチモード切換回路の状態切換を決定する、タッチモード切換回路、
該FIFOバッファとタッチモード切換回路の状態を読取り、X、Y軸座標数値を獲得する、座標生成回路、
該座標生成回路の伝送するX、Y軸座標数値を保存する、座標レジスタ、
該座標レジスタ、該タッチモード切換回路及び該FIFOバッファのデータを共に参考とし、第2点より大きい新接触点のX、Y軸座標数値を演算する、演算座標選択回路、 多点の間の中点を計算する、中点計算回路、
多点の間のどの点が釈放されたかを比較し、並びに比較後の信号をタッチモード切換回路に伝送する、座標対比回路、
を包含することを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造。
【請求項18】
請求項17記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該座標レジスタが保存するX、Y軸座標数値はインタフェースバスにより送出されることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造。
【請求項19】
請求項18記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該インタフェースバスはI2Cインタフェースバス或いはSPIインタフェースバスであることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造。
【請求項20】
請求項17記載の多点タッチパネルコントローラ構造において、該座標レジスタは左右に移動可能なレジスタとされることを特徴とする、多点タッチパネルコントローラ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−59141(P2009−59141A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225365(P2007−225365)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(507294753)介面光電股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】