説明

押出ラミネート成形用樹脂組成物

【課題】低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性に優れた各種包装材料等のヒートシール層を形成することができる押出ラミネート成形用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】メタロセン触媒の存在下に、エチレン80〜99.9モル%及び1−ブテン0.1〜20モル%を共重合させて得られる所定の特性を有するエチレン・1−ブテン共重合体(A)60〜95重量%と、管状反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造された所定の特性を有する低密度ポリエチレン(B)5〜40重量%とを含む押出ラミネート成形用樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定のエチレン・1−ブテン共重合体を主体とする押出ラミネート成形用樹脂組成物に関する。この押出ラミネート成形用樹脂組成物は、低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性にも優れるため、各種包装材料等のヒートシール層を形成する材料として好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
従来、各種包装材料等のヒートシール層として、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン、チーグラー系触媒を用いた直鎖状低密度ポリエチレン、あるいはこれらの混合物が用いられてきたが、近年は低温ヒートシール性や機械的強度の改善のため、メタロセン系触媒による直鎖状低密度ポリエチレンが用いられるようになっている。
【0003】
例えば、メタロセン系触媒により製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体と、高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレンとを含む押出ラミネート成形用樹脂組成物が特許文献1に、易引裂性フィルム用樹脂組成物が特許文献2に記載されている。
また、メタロセン系触媒により製造されたエチレン・1−ブテン共重合体と、高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレンとを含む易引裂性フィルムが特許文献3に記載されている。
【0004】
これらの材料は積層体のヒートシール層として広く用いられ、洗剤、調味料等の各種液体包装や、菓子、医薬品等のその他一般的な包装に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−278953号公報
【特許文献2】特開2005−53997号公報
【特許文献3】特開2003−201377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載の易引裂性フィルムは、易引裂性に優れているが、低温ヒートシール性とヒートシール強度には、改善の余地があった。そこで、本発明は、低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性に優れた各種包装材料等のヒートシール層を形成することができる押出ラミネート成形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のエチレン・1−ブテン共重合体と低密度ポリエチレンとを用いることで、低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性に優れたヒートシール層を形成できる押出ラミネート成形用樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、メタロセン触媒の存在下に、エチレン80〜99.9モル%及び1−ブテン0.1〜20モル%を共重合させて得られる下記特性(a−1)〜(a−3)を有するエチレン・1−ブテン共重合体(A)65〜95重量%と、管状反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造された下記特性(b−1)〜(b−2)を有する低密度ポリエチレン(B)5〜35重量%とを含む押出ラミネート成形用樹脂組成物である。
(a−1)密度(d)が0.890〜0.910g/cmである。
(a−2)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が6〜30g/10分である。
(a−3)示差走査熱量計(DSC)測定による融点ピークを1以上有し、そのうち最も高い融点(Tm1)と密度(d)との関係が、下記の式(1)を満たす。
【0008】
【数1】

(b−1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1.5〜2.5g/10分である。
(b−2)密度が0.916〜0.919g/cmである。
【0009】
また、本発明は、少なくとも前記の押出ラミネート成形用樹脂組成物からなる層と基材層とを含む積層体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の押出ラミネート成形用樹脂組成物は、低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性にも優れるため、食品、医薬品、一般雑貨、衣料品、工業材料等の各種包装材として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で用いるエチレン・1−ブテン共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いてエチレン80〜99.9モル%と、1−ブテン0.1〜20モル%とを共重合させて得られる。好ましくはエチレン87〜99.5モル%と、1−ブテン0.5〜13モル%、より好ましくはエチレン90〜99モル%と、1−ブテン1〜10モル%とを共重合させて得られる共重合体である。
【0012】
重合に用いるメタロセン触媒としては、周期律表第4族の遷移金属からなるメタロセン化合物を有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物により活性化させたもの等、公知の触媒を用いることができる。エチレン・1−ブテン共重合体は、例えば気相重合反応、液相重合反応などの方法により製造することが出来る。好ましくはメタロセン触媒含有固体成分を気相流動床反応器に供給し、気相状態でエチレンと1−ブテンとを共重合させる連続式気相流動床重合法で製造するのが好ましい。
【0013】
上記エチレン・1−ブテン共重合体(A)の密度は0.890〜0.910g/cmが好ましく、0.895〜0.910g/cmがより好ましく、0.900〜0.910g/cmが特に好ましい。密度がこの範囲より高いとシール開始温度が高くなり好ましくなく、低いと耐熱性、耐ブロッキング性、押出ラミネート成形時のロールリリース性が悪化する。
【0014】
190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は5〜50g/10分が好ましく、6〜40g/10分がより好ましく、10〜30g/10分が特に好ましい。MFRがこの範囲より高いとネックインが大きくなり、ヒートシール強度が低下する。また、低いと成形時の押出機負荷が大きくなる、引裂強度が高くなって易引裂性に劣るなどの問題が生じる。
【0015】
分子量分布(Mw/Mn)は、3〜7の範囲であることが好ましく、3.2〜6.5の範囲であることがさらに好ましく、3.5〜6の範囲であることが特に好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲より小さい場合、成形加工時に押出機などの成形機の負荷が大きくなるために好ましくなく、大きい場合は、製膜したフィルムの耐ブロッキング性、ヒートシール性が悪化する。
【0016】
上記エチレン・1−ブテン共重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)測定による融点ピークを1つ以上有していることが好ましく、密度が0.890〜0.910g/cmの範囲において融点ピークを2つ以上有していることが特に好ましい。さらに、これらのうち最も高い融点Tm1(℃)と密度d(g/cm)は、上記密度範囲において下記の式(1)を満たしていることが好ましい。
【0017】
【数1】

【0018】
具体的には、密度が0.900g/cm未満の重合体では融点が113℃以下、0.900〜0.910g/cmの重合体では114.5℃以下であるのが好ましい。
【0019】
本発明で用いる低密度ポリエチレン(B)は、管状反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造され、密度は0.916〜0.919g/cmであるのが好ましい。また、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は1.5〜2.5g/10分であるのが好ましい。MFRの値がこの範囲より大きいとネックインが大きくなり、小さいと上記エチレン・1−ブテン共重合体と均一に混合するのが難しくなる。また、槽型反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレンを用いると、押出ラミネート成形時の溶融延展性が劣るため、溶融延展膜の端部が不安定になり所望の成形幅にて成形できないなどの問題が起きる。
【0020】
本発明の押出ラミネート成形用樹脂組成物は、上記エチレン・1−ブテン共重合体(A)65〜95重量%と、上記低密度ポリエチレン(B)5〜35重量%とを含む組成物である。低密度ポリエチレン(B)の量がこの範囲より多くなるとヒートシール強度が低下し、また、臭気が問題となる場合がある。
【0021】
樹脂組成物の各成分の混合方法、混合装置、混合設備については特に制限はなく、公知の単軸押出機(混練機)、二軸押出機(混練機)、二軸押出機と単軸押出機(混練機)を直列に接続したタンデム型混練装置、カレンダー、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の装置などを用いることができる。この際、必要に応じて各種添加剤を使用することもできる。
【0022】
このようにして得られる本発明の樹脂組成物を用いて押出ラミネート成形する場合に基材層として用いられる基材としては、上質紙、クラフト紙等の紙、アルミニウム箔等の金属箔、二軸延伸ナイロン等のナイロン系基材、二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のポリエステル系基材、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリオレフィン系基材等が挙げられる。
【0023】
これらの基材上に、本発明の樹脂組成物を公知の方法で押出ラミネート成形することにより、低温ヒートシール性とヒートシール強度が良好で易引裂性に優れた積層体が得られる。
【0024】
本発明の樹脂組成物を厚さ30μmのフィルムにした場合の引取方向(MD)に対して垂直方向(横方向)(TD)の引裂強度は、10〜100g/15mmの範囲であるのが好ましく、20〜90g/15mmの範囲であるのがさらに好ましく、30〜80g/15mmの範囲であるのが特に好ましい。引裂強度が高すぎると包装に用いたときの開封性が悪くなり、低すぎると破袋しやすくなる。
【0025】
樹脂組成物自体の引裂強度が高い場合であっても、積層体の層間接着強度が、500g/15mm以上の場合には、積層体全体の引裂性は基材そのものの引裂性を反映し、引裂性の良い基材を利用すれば引裂性は良好となる。しかし、層間接着強度が300g/15mm以下の場合、引裂時に樹脂組成物層の剥離が起こり、樹脂組成物そのものの引裂強度が積層体全体の引裂性に大きな影響を与えることとなり、引裂性の良い基材を利用しても、易引裂性を向上させることができない。なお、積層体を包装材料として用いる場合、全ての包装材料に当てはまるものではないが、300g/15mm以下の層間接着強度であっても、包装という内容物を保護する機能は損なわれない場合がある。
【0026】
一般的に、押出ラミネート成形による積層体の製造において、ポリエチレン組成物と異素材である基材との接着強度を大きくさせるために、基材への特殊な前処理(表面処理、接着付与剤コーティングなど)や溶融した組成物へのオゾン処理、組成物へ配合する添加剤の削減、接着が良好な基材選定、生産速度の低減、など、多大な手間と設備費用がかかる手法を用いている。しかし、本発明の樹脂組成物は、300g/15mm以下の層間接着強度の場合であっても、積層体の易引裂性は良好であるため、上記のような接着強度を大きくする手法を用いる必要がない。
【実施例】
【0027】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。実施例における各測定方法は以下の通りである。
【0028】
[メルトフローレート(MFR)]
JIS K7210(190℃、2.16kg荷重)に準じて測定した。
[密度]
JIS K7112に準じて測定した。
[融点]
JIS K7121に準じ、アニール速度5℃/分(0℃まで)、融点測定時10℃/分の昇温速度で測定した。
[コモノマー濃度]
公知の方法により、H−NMRスペクトルより算出した。
[分子量分布]
Waters社製 GPC/V2000を用いて以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算の値を算出した。
カラム:SHODEX AT−806M×2本
移動相:劣化防止剤入りODCB
温度:145℃
[押出機負荷]
押出ラミネート成形時のスクリューモーターの電流値を目視で読み取った。
[ネックイン]
押出ラミネート成形時のTダイスから押し出された樹脂組成物が積層された幅を用い、(Tダイス幅)−(積層樹脂幅)をネックインとした。
[フィッシュアイ(FE)]
組成物を65mmφフルフライトスクリュー、圧縮比2.7、L/D28の単軸押出機(池貝鉄鋼製)にて200℃、40kg/時間の条件で溶融混練してペレット状物を調製した。これを30mmφ押出機、コートハンガータイプTダイス(幅300mm)、ダイ直下樹脂温度200℃、成形速度12m/分で、厚み30μmの単層フィルムとし、フィルム1mあたりに含まれる500μm以上の長さを有するゲル状の突起物(フィッシュアイ)をCCDカメラによる欠点検出器にて測定した。
[エルメン引裂]
FE測定で作成した30μmのフィルムを用い、JIS K7128に準じて、TD方向のエルメンドルフ引裂強度を測定した。
[接着強度]
積層体をMD方向に15mm幅の短冊状に切り出し、長手方向の一方より基材と樹脂組成物を剥離させ、各々の層をつまみ、速度300mm/mimにて、T字状の形状を保ちながら、剥離していない部分を剥離させる際の抵抗力を接着強度とする。
【0029】
実施例で用いた重合体は以下の通りである。
[エチレン・1−ブテン共重合体(A)]
メタロセン触媒を用いて気相法プロセスで重合して得られたパウダー状の重合体に、過熱劣化防止剤としてチバスペシャリティケミカルズ製イルガノックス1076およびイルガフォス168を各1000ppm、中和剤としてステアリン酸カルシウムを500ppm配合し、45mm三条二軸押出機(池貝鉄鋼製)を用いて200℃設定で溶融混練して得たペレットである。
[低密度ポリエチレン(B)]
管状反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造された低密度ポリエチレンで、形状はペレット状である。
【0030】
(実施例1)
表1に示した特性を有するエチレン・1−ブテン共重合体(A)と低密度ポリエチレン(B)とを含む組成物と、表面処理していないアルミ基材(7μm)とを用いて、インナーデュッケルタイプTダイス(幅500mm)を備えた押出ラミネーターにて、ダイ直下樹脂温度310℃、エアーギャップ120mm、成形速度100m/minの条件で押出ラミネート成形して積層体を得た。得られた積層体におけるアルミ基材と組成物の接着強度は、100g/15mmであった。
この積層体の組成物面同士を重ね合わせ、幅5mm(長さ300mm)のヒートシールバーを用いて、圧力2kg/cm、時間1秒の条件で、MD方向と直角にシールしたサンプルを、温度(バー片側のみ設定)を60℃から130℃まで5℃毎のシール温度で作成した。このサンプルのシール部を15mm幅の短冊に切り取って、500mm/分の速度でシール面同士を剥離させ、強度が50gを超えた温度をシール開始温度とした。また、温度130℃でシールしたサンプルの15mm幅の短冊を、500mm/分の速度でシール面を剥離させたときの最大応力を測定し、130℃シール強度を測定した。
カット性は、この積層体を用いて水100ccをなるべく空気が入らないように充填した袋サイズ100×150mmの4方シール袋(MD方向が長い袋)の長手方向の上部一箇所にノッチをつくったものを用い、このノッチを起点として、TD方向に水をこぼさないように袋を引き裂いた際の開封のしやすさで評価した。成人男女5名にて各5袋評価し、○:最後まで開封しやすい、△:最後まで開封できるが抵抗力が強い、×:抵抗が強く最後まで開封できない、の各指標で表した。
臭気は、積層体1mを2cm四方にカットし、500ccのガラス製広口ビンにいれて50℃1時間加熱した後に感じる強さを成人男女5名にて評価し、5段階(5が最も強い臭気)で表した。
これらの結果を表1にまとめた。
【0031】
(実施例2〜5)
表1に示した特性を有するエチレン・1−ブテン共重合体(A)と、低密度ポリエチレン(B)とを含む組成物を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた積層体におけるアルミ基材と組成物の接着強度は、85〜150g/15mmであった。結果を表1にまとめた。
【0032】
(比較例1、2)
表1に示した密度が高いエチレン・1−ブテン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
得られた積層体はシール開始温度が高く、低温シール性が劣っていた。
【0033】
(比較例3)
表1に示した密度が高く、MFRが低いエチレン・1−ブテン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
成形時の押出負荷が大きく、また、得られた積層体のシール開始温度が高く、低温シール性も劣っていた。さらに、引裂強度が大きく、カット性に問題があった。
【0034】
(比較例4、5)
エチレン・1−ブテン共重合体(A)の代わりに、エチレン・1−ヘキセン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
シール開始温度、130℃シール強度とも良好であったが、引裂強度が大きいためカット性が悪く、手で開封することが困難であった。
【0035】
(比較例6)
低密度ポリエチレン(B)の含有量が多い以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
130℃シール強度が低く、臭気がやや強かった。
【0036】
(比較例7)
低密度ポリエチレン(B)を用いない以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
ネックインが大きく、成形性に問題があった。
【0037】
(比較例8、9)
エチレン・1−ブテン共重合体(A)の代わりに、チーグラー・ナッタ触媒を用いて得られたエチレン・1−ブテン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
シール開始温度が高く、130℃シール強度も低いため、シール性に問題があった。また、臭気もやや強かった。さらに、フィッシュアイが多く見られた。
【0038】
(比較例10)
表1に示した低密度ポリエチレンのみを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
シール開始温度が高く、130℃シール強度も低いため、シール性に問題があった。また、臭気もやや強かった。
【0039】
(比較例11、12)
表1に示した高圧ラジカル法で製造された市販のエチレン・酢酸ビニル共重合体のみを用い、成形時のダイ直下温度を250℃とした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
シール開始温度は良好であったが、130℃シール強度も低くシール性に問題があった。また、臭気が強く、フィッシュアイも多く見られた。
【0040】
(比較例13、14)
低密度ポリエチレン(B)のMFRが低いもの、高いものを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2にまとめた。
MFRが低い低密度ポリエチレン(B)を用いた場合は、フィッシュアイが多くみられた。また、MFRが高い低密度ポリエチレン(B)を用いた場合は、ネックインが大きく、成形性に問題があった。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタロセン触媒の存在下に、エチレン80〜99.9モル%及び1−ブテン0.1〜20モル%を共重合させて得られる下記特性(a−1)〜(a−3)を有するエチレン・1−ブテン共重合体(A)60〜95重量%と、管状反応容器を用いた高圧ラジカル法で製造された下記特性(b−1)〜(b−2)を有する低密度ポリエチレン(B)5〜40重量%とを含む押出ラミネート成形用樹脂組成物。
(a−1)密度(d)が0.890〜0.910g/cmである。
(a−2)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が6〜30g/10分である。
(a−3)示差走査熱量計(DSC)測定による融点ピークを1以上有し、そのうち最も高い融点(Tm1)と密度(d)との関係が、下記の式(1)を満たす。
【数1】

(b−1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1.5〜2.5g/10分である。
(b−2)密度が0.916〜0.919g/cmである。
【請求項2】
少なくとも請求項1に記載の押出ラミネート成形用樹脂組成物からなる層と基材層とを含む積層体。


【公開番号】特開2012−177034(P2012−177034A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40668(P2011−40668)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(506252783)宇部丸善ポリエチレン株式会社 (5)
【Fターム(参考)】