押出成形体の製造方法および押出成形装置
【課題】補強用繊維の向きが押出方向に配向するのを抑制し、強度が向上した割れ難い押出成形体の、より簡便な製造方法、および押出成形装置を提供する。
【解決手段】本発明の押出成形体の製造方法は、成形材料が圧送される流路2を有する押出装置と、該押出装置20の流路の先端に縮径部12と直管部と押出口11とを順に有するダイ10とが接合されてなる押出成形装置の前記ダイ10の押出口11から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、前記押出成形装置20は孔を有するオリフィス板17が前記ダイ10の内部であって押出口11から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口11の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【解決手段】本発明の押出成形体の製造方法は、成形材料が圧送される流路2を有する押出装置と、該押出装置20の流路の先端に縮径部12と直管部と押出口11とを順に有するダイ10とが接合されてなる押出成形装置の前記ダイ10の押出口11から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、前記押出成形装置20は孔を有するオリフィス板17が前記ダイ10の内部であって押出口11から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口11の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出成形体の製造方法および押出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、触媒、触媒担体、吸着材、乾燥材、調湿材等は、直径2〜10mm、長さ2〜20mm程度の円柱形または円筒形等の成形体に成形され、反応器に充填されて種々の化学反応プロセスに使用される。このような触媒等の成形体を製造するために、従来から押出成形法が採用されている。すなわち、所定の成形材料をダイの押出口から押出し、押出された成形体を所定の長さに切断して押出成形体を得ている。
【0003】
前記成形材料は、原料粉末と溶媒とを含み、前記溶媒には、通常、バインダー材が溶解されている。そして、成形体の強度を向上させる上で、成形材料に補強用繊維を混ぜ込み、分散させることが行われている。
【0004】
ところが、押出成形体は、たとえ補強用繊維が分散されていても、床に落とす等の衝撃や圧力で割れやすいという問題があった。特に円柱形または円筒形の場合には押出方向に沿って割れやすかった。この問題を解決する方法として、押出口内または押出口近傍のダイ内に成形材料を攪拌するための攪拌手段を設けた製造方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−272961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に提案されている押出成形体の製造方法では攪拌手段を設けるため製造装置が複雑高度化したり、攪拌手段に大きな動力が必要であった。
【0007】
本発明の課題は、補強用繊維の向きが押出方向に配向するのを抑制し、強度が向上した割れ難い押出成形体の、より簡便な製造方法、および押出成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、押出装置の押出口から離間した所定部位に、所定の開口部面積の孔を有するオリフィス板を設けることにより、補強用繊維の向きが押出方向に配向するのを抑制し、強度が向上した割れ難い押出成形体が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の押出成形体の製造方法は、成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置の前記ダイの押出口から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【0010】
また、本発明の押出成形体の製造装置は、成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の押出成形体の製造方法および押出成形装置によれば、押出装置の押出口から離間した所定部位に、所定の開口部面積の孔を有するオリフィス板を設けているため、押出される成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されるのを簡単に抑制することができる。
すなわち、成形体内の補強用繊維の向きがランダムに分散されるので押出方向の強度が弱くなるのを抑制することができ、成形体の機械的強度が向上し、該成形体を割れ難くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の押出成形体を製造する押出成形装置の一実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図2】従来の押出成形体を製造する押出成形装置を示す部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の押出成形体を製造する押出成形装置に設けるオリフィス板の形状の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(成形材料)
本発明に用いられる成形材料は、原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含み、通常、バインダー材を含む。
【0014】
(原料粉末)
本発明に用いられる成形材料を構成する原料粉末としては、リンおよびモリブデンを含み、かつバナジウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも1つの元素と、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタンおよびセリウムから選ばれる少なくとも1つの元素とを含むヘテロポリ酸粉末が好ましい。
【0015】
前記へテロポリ酸以外の成形材料としては、例えば特開2003−10700号公報に記載されているメタクロレインを気相接触させることにより酸化してメタクリル酸を製造するための触媒粉末やその前駆体粉末が挙げられる。特公昭59−15015号公報に記載されているアルミナからなる触媒担体を製造するためのアルミナやアルミナ前駆体の粉末等が挙げられる。なお、本発明にかかる原料粉末は、前記で例示したものに限定されるものではなく、所望の原料粉末を用いることができる。
【0016】
原料粉末の粒子径は、特に制限されないが、平均1次粒子径で、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜2μmである。平均2次粒子径は、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μmである。また前記原料粉末のBET比表面積は、特に制限されないが、通常100〜500m2/g、好ましくは300〜400m2/gである。
【0017】
(補強用繊維)
本発明に用いられる成形材料を構成する補強用繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維等の無機繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維(ナイロン繊維等)、ポリイミド繊維等の合成繊維等が挙げられる。
【0018】
補強用繊維の繊維長は、成形体の大きさ等によって決定されるため、特に限定されるものではないが、平均繊維長としては、通常0.01〜1mm、好ましくは0.1〜0.8mm、平均繊維径としては、通常1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmであるのがよい。補強用繊維の含有量としては、原料粉末(乾燥重量)100重量部に対して通常1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜4重量部であるのがよい。
【0019】
(溶媒)
本発明に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、流動パラフィン、大豆油、白絞油、軽油、灯油等のパラフィン類等が挙げられる。溶媒の含有量としては、触媒粉末100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
【0020】
(バインダー材)
本発明に用いられるバインダー材としては、例えば硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩、セルロース、ポリビニルアルコール、ピリジン、ポリアクリルアミド、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の有機化合物が挙げられる。
【0021】
バインダー材の含有量としては、原料粉末と補強繊維との混合物(以下、「触媒粉末」と言う。)100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であるのがよい。
【0022】
(オリフィス板)
図3(a)〜(c)は、本発明の押出成形体を製造する押出成形装置に使用するオリフィス板の孔の形状の一実施形態を示す図である。
オリフィス板の孔の形状は、押出口11の中心に対して、回転対称形状、特に点対称形状であることが好ましい。具体的な形状としては、円形状、十字形状、長円形状、正方形状、長方形状、菱形形状、六角形状、八角形状、I型形状、星型、卍型等が挙げられる。オリフィス板の孔の数は複数でもよいが、単数であることが好ましい。孔の数を複数個設ける場合は同一形状のものを設けてもよいし、異なる形状のものを設けてもよい。また、孔の幅W(図3参照)は成形体の大きさによって変動するため特に限定されないが、通常0.1mm〜5mm、好ましくは0.5〜2mm程度がよい。
また、複数のオリフィス板を押出方向に沿って並設してもよい。
【0023】
(押出成形装置)
このような成形材料から押出成形体を製造するのに使用する押出成形装置としては、図1に示すものが挙げられる。図1は、本発明の押出成形体を製造する押出成形装置の一実施形態を示す部分拡大断面図である。同図に示すように、この押出成形体の製造装置20は、開口部面積をS1とし、成形材料を押出すことによって押出成形体を製造する押出口11を有するダイ10を有する。押出口11はダイ10の略中央部に形成され、前記材料を連続的に押出すように構成されている。
【0024】
具体的に説明すると、ダイ10は押出装置の前面に取り付けられている。該押出装置としては、例えばプランジャー式押出装置、スクリュー式押出装置等が挙げられる。該押出装置は、単軸(1軸)または2軸のいずれであってもよい。押出口11後方の押出装置内部には、流路2が形成されている、成形材料は、押出装置により流路2を通って圧送され、一定流路で押出口11から押出される。押出圧は特に制限されないが、通常1〜10MPa、好ましくは2〜4MPaである。
【0025】
流路2側から順に、縮径部12、直管部15を経由して押出口11に至る。縮径部12は、流路2と同じ内径の一端と、直管部15と同じ内径の他端とを有し、流路2から直管部15に向かって縮径されている。直管部15は円柱状の孔からなり、その先端部が押出口11であって、押出口11から成形材料が円柱状に押出される。
【0026】
ここで、本実施の形態では、押出口11から離間した部位に孔を有するオリフィス板17を設け、このオリフィス板17の孔の開口部面積をS2とした時、押出口の開口部面積(S1)に対する比(S2/S1)が0.9以下であり、好ましくは、0.8以下である。これにより押出成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されるのを抑制することができる。
【0027】
この開口部面積がS2の孔を有するオリフィス板17は、直管部15、直管部15と縮径部12との接合部、縮径部12のいずれかに設けるのが好ましい。このオリフィス板17と押出口11との距離は押出部の開口部径(d)以上である。
【0028】
このような押出成形装置20を用いて押出成形体を得るには、まず、前記した成形材料を押出装置に供給して混練しつつ、流路2内を圧送させて、一定流量で押出口11から円柱状に押出す。
【0029】
このとき、オリフィス板17の孔を経由して押出されるため、成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されがたい。したがって、押出方向の強度が弱くなるのを抑制することができ、機械的強度が向上した割れ難い成形体を得ることができる。
【0030】
押出速度としては、特に限定されないが、通常10〜50mm/秒程度である。また、成形材料を押出すときの温度(押出温度)としては、通常20〜25℃である。
【0031】
押出口11から押出された成形体は、ダイ10の前面に設けた図示しない切断装置にて所定長さに切断されてもよい。なお、切断する場合、成形体の長さとしては、通常2〜20mm程度である。
【0032】
本発明における成形体の具体例としては、触媒、触媒担体、吸着材、乾燥材、調湿材が挙げられる。また、成形体の材料は無機材料に限定されるものではなく、種々のプラスチック材料等に対しても本発明は運用可能である。
【0033】
なお、前記した実施の形態では、直管部と縮径部とを有する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明にかかる押出口は、直管部のみで構成されていてもよい。
【0034】
また前記した実施形態では、円柱状の成形体を得る場合について説明したが、例えば直管部内にピンを挿入すれば円筒形の成形体を得ることができる。すなわち、押出口の直管部内に、該直管部の内径よりも小さい外径を有するピンを挿入する。このピンの先端を、ダイの前面と同じ位置か、または外方に位置するように調整する。これにより、成形材料を押出口から円筒状に押出して、円筒形の成形体を得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
<押出成形体の製造>
まず、成形材料を以下のようにして調整した。すなわち、原料粉末は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅およびセシウムから選ばれる元素をそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.3および1.4の原子比で含むヘテロポリ酸を用いた。補強用繊維は、平均繊維長0.1mm、平均繊維径2μmのアルミナシリカ繊維を用いた。
【0037】
前記アルミナシリカ繊維を、該アルミナシリカ繊維の割合が原料粉末(乾燥重量)100重量部に対して表1に示す割合となるよう前記原料粉末に添加し、そこに純水に硝酸アンモニウム(バインダー材)を溶解させた水溶液を純水および硝酸アンモニウムの各割合が原料粉末100重量部に対して純水を9.7重量部、硝酸アンモニウムを13重量部となるように前記原料粉末に添加し、混合して成形材料を得た。
【0038】
次に、得られた成形材料を、ダイの押出口から連続的に押出して押出成形体を製造した。用いた押出成形体の製造装置の構成は、以下の通りである。
【0039】
<実施例1〜4>
押出装置:単軸(1軸)スクリュー式押出装置を用いた。
ダイ:図1に示すように押出装置の流路側2から順に、縮径部12、オリフィス板17、直管部15から構成されてなるものを用いた。直管部15の軸方向の長さは20mmのものを用いた。オリフィス板17としては、図3(a)に示すように十字形状の孔201を有するものを使用し、十字形状の孔201の幅は表1に示す通り、1mmと2mmの2種類のものを使用した。1mmのものを使用するとS2/S1が0.4であり、2mmのものを使用すると0.76である。
<実施例5〜6>
実施例1〜4に使用した押出装置を用い、オリフィス板17としては、図3(b)に示すように星型形状の孔210を有するものを使用した。星型形状の孔210の幅は表1に示す通り、0.5mmと1mmの2種類のものを使用した。0.5mmのものを使用するとS2/S1が0.41であり、1mmのものを使用すると0.73である。
<実施例7〜8>
実施例1〜4にて使用した押出装置を用い、オリフィス板17としては、図3(c)に示すように卍型形状の孔211を有するものを使用した。卍型形状の孔211の幅は表1に示す通り、0.5mmと1mmの2種類のものを使用した。0.5mmのものを使用するとS2/S1が0.37であり、1mmのものを使用すると0.64である。
<比較例1〜3>
押出装置:単軸(1軸)スクリュー式押出装置を用いた。
ダイ:図2に示すように押出装置の流路102側から順に、縮径部112、直管部115から構成されてなるものを用いた。直管部115の軸方向の長さは20mmのものを用いた。
【0040】
<成形>
成形材料を押出装置に供給して混練しつつ圧送し、押出口から直径5.4mmの円柱状に押出し、長さ6.2mmで切断して、表1中の実施例1〜8および比較例1、2にかかる押出成形体を得た。なお、各押出成形体において、押出速度は、いずれも31mm/秒、押出温度は、いずれも25℃に設定した。また、押出成形体の切断は、押口の前面を一定速度でピアノ線を横切らせることによって行った。
【0041】
得られた各押出成形体を、恒温恒湿槽(90℃、30%Rh)にて3時間予備乾燥した後、空気気流中226℃で10時間、空気気流中250℃で1時間の順に熱処理した。続いて、窒素気流中で435℃に昇温して、同温度にて4時間保持した。その後、空気気流中で70℃まで冷却してから取り出した。冷却後の各押出成形体を目視観察した。その結果、いずれの押出成形体においても、曲がりや反りの発生は見られなかった。
【0042】
[評価]
得られた各押出成形体について、落下強度試験を行った。試験方法を以下に示すと共に、その結果を表1に示す。
【0043】
<落下強度試験>
押出成形体を垂直に立てられ下端に高さ30mmのシリコーンゴム製の栓をした内径25.4mm、長さ5mの鉄パイプ中を上端から落下させた。このときの成形体の粉化率を測定した。すなわち、落下した成形体を篩にかけ、粉砕品、半割れ品および良品に篩別し、良品の割合にて評価した。
【0044】
粉砕品、半割品および良品の割合は、以下の基準にて評価した。
粉砕品:8メッシュ下(−8#)[8メッシュの篩(目開き2.36mm)を通過したものの割合(重量%)]半割品:8メッシュ上4メッシュ下(+8#〜+4#)[4メッシュの篩(目開き4.75mm)を通過し、8メッシュ篩(目開き2.36mm)を通貨しないものの割合(重量%)]良品:4メッシュ上(+4#)[4メッシュの篩(目開き4.75mm)を通過しないものの割合(重量%)]
【0045】
【表1】
表1から明らかなように、補強用繊維の添加量が同じもの同士で比較すると、落下強度は、実施例1〜8は比較例2または3より優れ、補強用繊維の添加量の多い比較例1と同等またはそれ以上に向上していた。
この結果から、本発明によれば、簡易かつ簡便な方法により、成形体内の補強用繊維の向きがランダムに分散されて、押出方向の強度を弱くなることを抑制することができ、機械的強度が向上した割れ難い成形体を得ることができると言える。
【符号の説明】
【0046】
2 流路
10 ダイ
11 押出口
12 縮径部
15 直管部
17 オリフィス板
20 押出成形装置
102 流路
110 ダイ
111 押出口
112 縮径部
115 直管部
120 成形体
201 十字形オリフィス孔
210 星形オリフィス孔
211 卍形オリフィス孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出成形体の製造方法および押出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、触媒、触媒担体、吸着材、乾燥材、調湿材等は、直径2〜10mm、長さ2〜20mm程度の円柱形または円筒形等の成形体に成形され、反応器に充填されて種々の化学反応プロセスに使用される。このような触媒等の成形体を製造するために、従来から押出成形法が採用されている。すなわち、所定の成形材料をダイの押出口から押出し、押出された成形体を所定の長さに切断して押出成形体を得ている。
【0003】
前記成形材料は、原料粉末と溶媒とを含み、前記溶媒には、通常、バインダー材が溶解されている。そして、成形体の強度を向上させる上で、成形材料に補強用繊維を混ぜ込み、分散させることが行われている。
【0004】
ところが、押出成形体は、たとえ補強用繊維が分散されていても、床に落とす等の衝撃や圧力で割れやすいという問題があった。特に円柱形または円筒形の場合には押出方向に沿って割れやすかった。この問題を解決する方法として、押出口内または押出口近傍のダイ内に成形材料を攪拌するための攪拌手段を設けた製造方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−272961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に提案されている押出成形体の製造方法では攪拌手段を設けるため製造装置が複雑高度化したり、攪拌手段に大きな動力が必要であった。
【0007】
本発明の課題は、補強用繊維の向きが押出方向に配向するのを抑制し、強度が向上した割れ難い押出成形体の、より簡便な製造方法、および押出成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、押出装置の押出口から離間した所定部位に、所定の開口部面積の孔を有するオリフィス板を設けることにより、補強用繊維の向きが押出方向に配向するのを抑制し、強度が向上した割れ難い押出成形体が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の押出成形体の製造方法は、成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置の前記ダイの押出口から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【0010】
また、本発明の押出成形体の製造装置は、成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の押出成形体の製造方法および押出成形装置によれば、押出装置の押出口から離間した所定部位に、所定の開口部面積の孔を有するオリフィス板を設けているため、押出される成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されるのを簡単に抑制することができる。
すなわち、成形体内の補強用繊維の向きがランダムに分散されるので押出方向の強度が弱くなるのを抑制することができ、成形体の機械的強度が向上し、該成形体を割れ難くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の押出成形体を製造する押出成形装置の一実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図2】従来の押出成形体を製造する押出成形装置を示す部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の押出成形体を製造する押出成形装置に設けるオリフィス板の形状の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(成形材料)
本発明に用いられる成形材料は、原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含み、通常、バインダー材を含む。
【0014】
(原料粉末)
本発明に用いられる成形材料を構成する原料粉末としては、リンおよびモリブデンを含み、かつバナジウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも1つの元素と、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタンおよびセリウムから選ばれる少なくとも1つの元素とを含むヘテロポリ酸粉末が好ましい。
【0015】
前記へテロポリ酸以外の成形材料としては、例えば特開2003−10700号公報に記載されているメタクロレインを気相接触させることにより酸化してメタクリル酸を製造するための触媒粉末やその前駆体粉末が挙げられる。特公昭59−15015号公報に記載されているアルミナからなる触媒担体を製造するためのアルミナやアルミナ前駆体の粉末等が挙げられる。なお、本発明にかかる原料粉末は、前記で例示したものに限定されるものではなく、所望の原料粉末を用いることができる。
【0016】
原料粉末の粒子径は、特に制限されないが、平均1次粒子径で、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜2μmである。平均2次粒子径は、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μmである。また前記原料粉末のBET比表面積は、特に制限されないが、通常100〜500m2/g、好ましくは300〜400m2/gである。
【0017】
(補強用繊維)
本発明に用いられる成形材料を構成する補強用繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維等の無機繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維(ナイロン繊維等)、ポリイミド繊維等の合成繊維等が挙げられる。
【0018】
補強用繊維の繊維長は、成形体の大きさ等によって決定されるため、特に限定されるものではないが、平均繊維長としては、通常0.01〜1mm、好ましくは0.1〜0.8mm、平均繊維径としては、通常1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmであるのがよい。補強用繊維の含有量としては、原料粉末(乾燥重量)100重量部に対して通常1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜4重量部であるのがよい。
【0019】
(溶媒)
本発明に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、流動パラフィン、大豆油、白絞油、軽油、灯油等のパラフィン類等が挙げられる。溶媒の含有量としては、触媒粉末100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
【0020】
(バインダー材)
本発明に用いられるバインダー材としては、例えば硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩、セルロース、ポリビニルアルコール、ピリジン、ポリアクリルアミド、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の有機化合物が挙げられる。
【0021】
バインダー材の含有量としては、原料粉末と補強繊維との混合物(以下、「触媒粉末」と言う。)100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であるのがよい。
【0022】
(オリフィス板)
図3(a)〜(c)は、本発明の押出成形体を製造する押出成形装置に使用するオリフィス板の孔の形状の一実施形態を示す図である。
オリフィス板の孔の形状は、押出口11の中心に対して、回転対称形状、特に点対称形状であることが好ましい。具体的な形状としては、円形状、十字形状、長円形状、正方形状、長方形状、菱形形状、六角形状、八角形状、I型形状、星型、卍型等が挙げられる。オリフィス板の孔の数は複数でもよいが、単数であることが好ましい。孔の数を複数個設ける場合は同一形状のものを設けてもよいし、異なる形状のものを設けてもよい。また、孔の幅W(図3参照)は成形体の大きさによって変動するため特に限定されないが、通常0.1mm〜5mm、好ましくは0.5〜2mm程度がよい。
また、複数のオリフィス板を押出方向に沿って並設してもよい。
【0023】
(押出成形装置)
このような成形材料から押出成形体を製造するのに使用する押出成形装置としては、図1に示すものが挙げられる。図1は、本発明の押出成形体を製造する押出成形装置の一実施形態を示す部分拡大断面図である。同図に示すように、この押出成形体の製造装置20は、開口部面積をS1とし、成形材料を押出すことによって押出成形体を製造する押出口11を有するダイ10を有する。押出口11はダイ10の略中央部に形成され、前記材料を連続的に押出すように構成されている。
【0024】
具体的に説明すると、ダイ10は押出装置の前面に取り付けられている。該押出装置としては、例えばプランジャー式押出装置、スクリュー式押出装置等が挙げられる。該押出装置は、単軸(1軸)または2軸のいずれであってもよい。押出口11後方の押出装置内部には、流路2が形成されている、成形材料は、押出装置により流路2を通って圧送され、一定流路で押出口11から押出される。押出圧は特に制限されないが、通常1〜10MPa、好ましくは2〜4MPaである。
【0025】
流路2側から順に、縮径部12、直管部15を経由して押出口11に至る。縮径部12は、流路2と同じ内径の一端と、直管部15と同じ内径の他端とを有し、流路2から直管部15に向かって縮径されている。直管部15は円柱状の孔からなり、その先端部が押出口11であって、押出口11から成形材料が円柱状に押出される。
【0026】
ここで、本実施の形態では、押出口11から離間した部位に孔を有するオリフィス板17を設け、このオリフィス板17の孔の開口部面積をS2とした時、押出口の開口部面積(S1)に対する比(S2/S1)が0.9以下であり、好ましくは、0.8以下である。これにより押出成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されるのを抑制することができる。
【0027】
この開口部面積がS2の孔を有するオリフィス板17は、直管部15、直管部15と縮径部12との接合部、縮径部12のいずれかに設けるのが好ましい。このオリフィス板17と押出口11との距離は押出部の開口部径(d)以上である。
【0028】
このような押出成形装置20を用いて押出成形体を得るには、まず、前記した成形材料を押出装置に供給して混練しつつ、流路2内を圧送させて、一定流量で押出口11から円柱状に押出す。
【0029】
このとき、オリフィス板17の孔を経由して押出されるため、成形体内の補強用繊維の向きが押出方向に配向されがたい。したがって、押出方向の強度が弱くなるのを抑制することができ、機械的強度が向上した割れ難い成形体を得ることができる。
【0030】
押出速度としては、特に限定されないが、通常10〜50mm/秒程度である。また、成形材料を押出すときの温度(押出温度)としては、通常20〜25℃である。
【0031】
押出口11から押出された成形体は、ダイ10の前面に設けた図示しない切断装置にて所定長さに切断されてもよい。なお、切断する場合、成形体の長さとしては、通常2〜20mm程度である。
【0032】
本発明における成形体の具体例としては、触媒、触媒担体、吸着材、乾燥材、調湿材が挙げられる。また、成形体の材料は無機材料に限定されるものではなく、種々のプラスチック材料等に対しても本発明は運用可能である。
【0033】
なお、前記した実施の形態では、直管部と縮径部とを有する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明にかかる押出口は、直管部のみで構成されていてもよい。
【0034】
また前記した実施形態では、円柱状の成形体を得る場合について説明したが、例えば直管部内にピンを挿入すれば円筒形の成形体を得ることができる。すなわち、押出口の直管部内に、該直管部の内径よりも小さい外径を有するピンを挿入する。このピンの先端を、ダイの前面と同じ位置か、または外方に位置するように調整する。これにより、成形材料を押出口から円筒状に押出して、円筒形の成形体を得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
<押出成形体の製造>
まず、成形材料を以下のようにして調整した。すなわち、原料粉末は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅およびセシウムから選ばれる元素をそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.3および1.4の原子比で含むヘテロポリ酸を用いた。補強用繊維は、平均繊維長0.1mm、平均繊維径2μmのアルミナシリカ繊維を用いた。
【0037】
前記アルミナシリカ繊維を、該アルミナシリカ繊維の割合が原料粉末(乾燥重量)100重量部に対して表1に示す割合となるよう前記原料粉末に添加し、そこに純水に硝酸アンモニウム(バインダー材)を溶解させた水溶液を純水および硝酸アンモニウムの各割合が原料粉末100重量部に対して純水を9.7重量部、硝酸アンモニウムを13重量部となるように前記原料粉末に添加し、混合して成形材料を得た。
【0038】
次に、得られた成形材料を、ダイの押出口から連続的に押出して押出成形体を製造した。用いた押出成形体の製造装置の構成は、以下の通りである。
【0039】
<実施例1〜4>
押出装置:単軸(1軸)スクリュー式押出装置を用いた。
ダイ:図1に示すように押出装置の流路側2から順に、縮径部12、オリフィス板17、直管部15から構成されてなるものを用いた。直管部15の軸方向の長さは20mmのものを用いた。オリフィス板17としては、図3(a)に示すように十字形状の孔201を有するものを使用し、十字形状の孔201の幅は表1に示す通り、1mmと2mmの2種類のものを使用した。1mmのものを使用するとS2/S1が0.4であり、2mmのものを使用すると0.76である。
<実施例5〜6>
実施例1〜4に使用した押出装置を用い、オリフィス板17としては、図3(b)に示すように星型形状の孔210を有するものを使用した。星型形状の孔210の幅は表1に示す通り、0.5mmと1mmの2種類のものを使用した。0.5mmのものを使用するとS2/S1が0.41であり、1mmのものを使用すると0.73である。
<実施例7〜8>
実施例1〜4にて使用した押出装置を用い、オリフィス板17としては、図3(c)に示すように卍型形状の孔211を有するものを使用した。卍型形状の孔211の幅は表1に示す通り、0.5mmと1mmの2種類のものを使用した。0.5mmのものを使用するとS2/S1が0.37であり、1mmのものを使用すると0.64である。
<比較例1〜3>
押出装置:単軸(1軸)スクリュー式押出装置を用いた。
ダイ:図2に示すように押出装置の流路102側から順に、縮径部112、直管部115から構成されてなるものを用いた。直管部115の軸方向の長さは20mmのものを用いた。
【0040】
<成形>
成形材料を押出装置に供給して混練しつつ圧送し、押出口から直径5.4mmの円柱状に押出し、長さ6.2mmで切断して、表1中の実施例1〜8および比較例1、2にかかる押出成形体を得た。なお、各押出成形体において、押出速度は、いずれも31mm/秒、押出温度は、いずれも25℃に設定した。また、押出成形体の切断は、押口の前面を一定速度でピアノ線を横切らせることによって行った。
【0041】
得られた各押出成形体を、恒温恒湿槽(90℃、30%Rh)にて3時間予備乾燥した後、空気気流中226℃で10時間、空気気流中250℃で1時間の順に熱処理した。続いて、窒素気流中で435℃に昇温して、同温度にて4時間保持した。その後、空気気流中で70℃まで冷却してから取り出した。冷却後の各押出成形体を目視観察した。その結果、いずれの押出成形体においても、曲がりや反りの発生は見られなかった。
【0042】
[評価]
得られた各押出成形体について、落下強度試験を行った。試験方法を以下に示すと共に、その結果を表1に示す。
【0043】
<落下強度試験>
押出成形体を垂直に立てられ下端に高さ30mmのシリコーンゴム製の栓をした内径25.4mm、長さ5mの鉄パイプ中を上端から落下させた。このときの成形体の粉化率を測定した。すなわち、落下した成形体を篩にかけ、粉砕品、半割れ品および良品に篩別し、良品の割合にて評価した。
【0044】
粉砕品、半割品および良品の割合は、以下の基準にて評価した。
粉砕品:8メッシュ下(−8#)[8メッシュの篩(目開き2.36mm)を通過したものの割合(重量%)]半割品:8メッシュ上4メッシュ下(+8#〜+4#)[4メッシュの篩(目開き4.75mm)を通過し、8メッシュ篩(目開き2.36mm)を通貨しないものの割合(重量%)]良品:4メッシュ上(+4#)[4メッシュの篩(目開き4.75mm)を通過しないものの割合(重量%)]
【0045】
【表1】
表1から明らかなように、補強用繊維の添加量が同じもの同士で比較すると、落下強度は、実施例1〜8は比較例2または3より優れ、補強用繊維の添加量の多い比較例1と同等またはそれ以上に向上していた。
この結果から、本発明によれば、簡易かつ簡便な方法により、成形体内の補強用繊維の向きがランダムに分散されて、押出方向の強度を弱くなることを抑制することができ、機械的強度が向上した割れ難い成形体を得ることができると言える。
【符号の説明】
【0046】
2 流路
10 ダイ
11 押出口
12 縮径部
15 直管部
17 オリフィス板
20 押出成形装置
102 流路
110 ダイ
111 押出口
112 縮径部
115 直管部
120 成形体
201 十字形オリフィス孔
210 星形オリフィス孔
211 卍形オリフィス孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置の前記ダイの押出口から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、前記押出成形装置は孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする押出成形体の製造方法。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【請求項2】
前記オリフィス板が前記ダイの直管部、直管部と縮径部との接合部および縮径部のいずれかに設けられている請求項1に記載の押出成形体の製造方法。
【請求項3】
前記オリフィス板の孔の中心が前記直管部の中心軸と一致し、前記オリフィス板の孔の形状が該孔の中心に対して回転対称形状である請求項1または2に記載の押出成形体の製造方法。
【請求項4】
前記押出成形体の形状が円柱形または円筒形である請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形体の製造方法。
【請求項5】
成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする押出成形装置。
【請求項6】
前記オリフィス板が前記ダイの直管部、直管部と縮径部との接合部および縮径部のいずれかに設けられている請求項5に記載の押出成形装置。
【請求項7】
前記オリフィス板の孔の中心が前記直管部の中心軸と一致し、前記オリフィス板の孔の形状が該孔の中心に対して回転対称形状である請求項5または6に記載の押出成形装置。
【請求項1】
成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置の前記ダイの押出口から以下に定義する成形材料を押し出して押出成形体を製造する方法であり、前記押出成形装置は孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする押出成形体の製造方法。
成形材料:原料粉末と補強用繊維と溶媒とを含む成形材料
【請求項2】
前記オリフィス板が前記ダイの直管部、直管部と縮径部との接合部および縮径部のいずれかに設けられている請求項1に記載の押出成形体の製造方法。
【請求項3】
前記オリフィス板の孔の中心が前記直管部の中心軸と一致し、前記オリフィス板の孔の形状が該孔の中心に対して回転対称形状である請求項1または2に記載の押出成形体の製造方法。
【請求項4】
前記押出成形体の形状が円柱形または円筒形である請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形体の製造方法。
【請求項5】
成形材料が圧送される流路を有する押出装置と、該押出装置の流路の先端に縮径部と直管部と押出口とを順に有するダイとが接合されてなる押出成形装置であり、孔を有するオリフィス板が前記ダイの内部であって押出口から押出口の開口部径(d)以上離間した部位に設けられ、押出口の開口部面積をS1、オリフィス板の孔の開口部面積をS2としたときのS2/S1が0.9以下であることを特徴とする押出成形装置。
【請求項6】
前記オリフィス板が前記ダイの直管部、直管部と縮径部との接合部および縮径部のいずれかに設けられている請求項5に記載の押出成形装置。
【請求項7】
前記オリフィス板の孔の中心が前記直管部の中心軸と一致し、前記オリフィス板の孔の形状が該孔の中心に対して回転対称形状である請求項5または6に記載の押出成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−269590(P2010−269590A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58011(P2010−58011)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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