説明

押出機シリンダの熱交換機構および熱交換方法

【課題】シリンダ構造の違いによることなく冷却加熱を同等に行うことができる、簡単な構造で清掃が容易な、スクリュ式押出機用の熱交換機構および熱交換方法を提供する。
【解決手段】本発明の熱交換機構は直線的に形成されたドリル穴10a、10bが形成されたシリンダ1と、各ドリル穴10a、10bのそれぞれに対応する貫通穴31a、31bと、各貫通穴31a、31bを連通させる連通部33が形成されたフランジ30と、フランジ10の貫通穴31a、31bのそれぞれを挿通し、ドリル穴10a、10bのそれぞれに挿入される、着脱可能なサイフォンパイプ20a、20bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュ式押出機のシリンダにおける熱交換機構および熱交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
押出機のシリンダの冷却加熱は、シリンダ側に設けられた冷却加熱用ジャケットに媒体を通し、媒体の蒸発潜熱や顕熱を利用した熱交換により行われる。
【0003】
媒体用ジャケットはスクリュを収納するスクリュ収納穴の外周に設けられており、スパイラル状に形成されたもの(特許文献1、2)や、図5〜図7に示すようにスクリュ収納穴の軸方向に形成されたもの等がある。
【0004】
図5〜図7に、従来の熱交換機構を備えた小型の二軸押出機の中間シリンダ、ベントシリンダおよびサイドフィードシリンダの各シリンダの正面図および側面図を示す。なお、各図の(a)が正面図であり、(b)が側断面図である。
【0005】
図5に示す中間シリンダ110には、2つの円弧が連通した断面形状のスクリュ収納部100と、その周辺にドリルジャケット101が形成されている。さらに、ドリルジャケット101の外側にはタイバーボルト用穴103が形成されている。
【0006】
ドリルジャケット101は冷却加熱用ジャケットとして用いられるものであり、スクリュ収納部100の軸長手方向に円周状に複数本形成されている貫通穴であるドリル穴106と、シリンダ外部に通じる媒体の流出入口104と、各ドリル穴106を互いに連通させるバイパス105と、中間シリンダ110の前後面にてドリル穴106の両端部およびバイパス105を塞ぐことで媒体の流路、すなわち、ジャケットを形成するジャケット塞ぎ板107とからなる。ジャケット塞ぎ板107は、溶接によって中間シリンダ110の両端面に取り付けられている。
【0007】
図6に示すベントシリンダ120にはベント穴121が形成されており、図7に示すサイドフィードシリンダ130には、サイドフィード穴131が形成されている。よって、これら各シリンダ120、130はベント穴121、サイドフィード穴131が形成されていない領域にドリル穴106が形成されている。
【0008】
次に、ドリルジャケット101内の媒体の流れについて説明する。媒体は流出入口104の一方から供給される。供給された媒体はバイパス105をスクリュ収納部100の周方向に流れてバイパス105に連通するドリル穴106の一端側からドリル穴106内に流れ込む。ドリル穴106に流れ込んだ媒体は、スクリュ収納部100内を冷却あるいは加熱しながらスクリュ収納部100の軸方向に流れ、ドリル穴106の他端側まで流れる。ドリル穴106の他端側に到達した媒体はバイパス105によって隣接する別のドリル穴106内へと誘導される。媒体は、以上のような流れを繰り返し、最終的には流出入口104の他方から中間シリンダ110の外部へと排出される。
【0009】
図6に示すベントシリンダ120および図7に示すサイドフィードシリンダ130におけるドリルジャケット101内の媒体の流れ方も基本的に上述したした中間シリンダ110のドリルジャケット101内と同様である。
【特許文献1】特開平11−198215号公報
【特許文献2】特開平5−057768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した軸方向に貫通する複数のドリル穴106とこれらを連通させるバイパス105とをシリンダ110、120、130に形成し、ジャケット塞ぎ板105にて塞ぐことでドリルジャケットを形成する方式は、構造が複雑で加工や溶接に時間が掛かる。また、この方式は、複雑な構造であるために寸法的な制約も生じてしまい、シリンダ自体の寸法が小さくすることができない。その結果として、大きい加熱容量、あるいは大きな冷却容量が必要となる。
【0011】
また、中間シリンダ110、ベントシリンダ120およびサイドフィードシリンダ130はそれぞれ構造が異なることからドリル穴106の本数や形成位置が異ならざるを得ない。その結果、熱交換効率がシリンダ形状によって左右されてしまう場合がある。
【0012】
さらにドリルジャケット101はシリンダ内部の密閉構造であるため、ジャケットが詰まった時の清掃が困難という問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、シリンダ構造の違いによることなく冷却加熱を同等に行うことができる、簡単な構造で清掃が容易な、スクリュ式押出機用の熱交換機構および熱交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の熱交換機構は、シリンダに形成されたスクリュ収納部内の溶融材料と媒体との間における熱交換機構において、スクリュ収納部と交差する方向に直線的に形成されたドリル穴が形成されたシリンダと、各ドリル穴のそれぞれに対応する貫通穴と、各貫通穴を連通させる連通部が形成され、各ドリル穴に各貫通穴が対応するようにシリンダに着脱可能に取り付けられたフランジと、フランジの貫通穴のそれぞれを挿通し、ドリル穴のそれぞれに挿入される着脱可能なサイフォンパイプとを有し、各サイフォンパイプとフランジの各貫通穴との間には隙間が形成され、各サイフォンパイプの外周と各ドリル穴の内周との間には隙間が形成され、かつ各サイフォンパイプの先端部と各ドリル穴の最深部との間に先端空間部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の熱交換機構は、ドリル穴、連通部といった媒体が流れる流路がいずれも直線的に形成されているため、内部の清掃が容易である。また、本発明の熱交換機構は構成が簡単であるため、中間シリンダ、ベントシリンダ、サイドフィードシリンダのようにシリンダ形状が異なったとしてもいずれにも適用可能で、かつ、その形状によって熱交換効率が大きく左右されることもない。
【0016】
また、本発明の熱交換機構は、各サイフォンパイプの外周には、各ドリル穴の内周に当接する振動防止体が設けられているものであってもよい。この場合、各サイフォンパイプは振動防止体がドリル穴の内周に当接することでパイプが片持ち支持になってしまうのを防止している。これにより、パイプが繰り返し振動による疲労破壊や、その先端部がドリル穴内部に当たって破損してしまうといったことを防止することができる。
【0017】
また、本発明の熱交換機構は、フランジが、シリンダにボルトによって固定されているものであってもよい。この場合、フランジの着脱が容易であるため、フランジに形成された連通部内の清掃が容易となる。また、従来のジャケット塞ぎ板のような溶接作業が不要であるため、熱交換機構をシリンダに持たせることが容易となる。
【0018】
本発明の熱交換方法は、本発明の熱交換機構を用いた熱交換方法であって、媒体をサイフォンパイプ内に、一端側から供給して他端側から先端空間部へと排出させ、排出された媒体を先端空間部から隙間へと流し込ませ、隙間を通った媒体を隙間を介して連通部へと流入させ、連通部を流れた媒体を隙間を介して隙間へと流入させ、隙間を通った媒体を先端空間部へと流し込ませ、先端空間部に流れ込んだ媒体をサイフォンパイプの一端側からその内部に流し込ませて他端側から排出させる熱交換方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、媒体が流れる流路がいずれも直線的に形成されているため、内部の清掃が容易である。また、本発明の熱交換機構は構成が簡単であるため、コスト低減が可能であるだけでなく、シリンダ形状によって熱交換効率が左右されにくいものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1(a)および図1(b)に本実施形態の熱交換機構の断面図および側面図をそれぞれ示す。図1(a)は図1(b)のB−B線における断面図である。
【0021】
本実施形態の熱交換機構は、溶融材料が混練されるシリンダ1と、シリンダ1内の溶融材料と蒸発潜熱、顕熱の授受による熱交換を行うための媒体を供給するための第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bと、媒体の流路の一部を構成するフランジ30とを有する。
【0022】
シリンダ1は概ね立方形状で2つの円弧が連通した断面形状のスクリュ収納部5が形成されている。また、シリンダ1には、スクリュ収納部5の上側に第1のドリル穴10aと加熱体用穴11aが形成され、スクリュ収納部5の下側に第2のドリル穴10bと加熱体用穴11bが形成されている。また、第1のドリル穴10aと第2のドリル穴10bとは図1(b)に示すようにシリンダ1の対角線上に形成されている。第1および第2のドリル穴10a、10bは側面2側から空けられておりシリンダ1を貫通していない。第1および第2のドリル穴10a、10bは直線的にドリル加工によって形成されたものであるため、簡単に形成することができる。加熱体用穴11a、11bもドリル加工によるものであり、シリンダ1を貫通して形成されていてもよいし、非貫通であってもよい。
【0023】
第1および第2のドリル穴10a、10bはそれぞれ第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bとが着脱可能に挿入され、加熱体用穴11a、11bにはシースヒータ等の加熱体50が着脱可能に挿入される。第1および第2のドリル穴10a、10b内の清掃、第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bの清掃といったメンテナンスを行う場合、第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bは第1および第2のドリル穴10a、10bから抜き取られてメンテナンスは実施される。
【0024】
シリンダ1の側面2にはガスケット40を挟んで、両端部に貫通穴31a、32aが形成されたフランジ30が取り付けられている。貫通穴31a、31bの両側にはボルト41が挿通する挿通穴が形成されており、フランジ30は、これら挿通穴を通したボルト41にてシリンダ1に固定される。フランジ30は貫通穴31aと貫通穴31bとを連通させる連通部33が形成されている。本実施形態のフランジ30は、フランジ30の貫通穴31b側の端部からドリル加工によって連通部33が形成されている。よって、フランジ30の貫通穴31b側の開口端を塞ぐために当該開口端には塞ぎプラグ34が嵌め込まれている。この塞ぎプラグ34は取り外し可能である。
【0025】
第1のサイフォンパイプ20aは、その外径が第1のドリル穴10aおよび加熱体用穴11aの内径より小さく、先端部であってその外周に90度毎に4つの振動防止体22が設けられている。振動防止体22は点溶接で肉盛りすることで設けるものであってもよい。また、本実施形態では4つの振動防止体が設けられた例を示したが、その個数はこれに限定されるものではない。
【0026】
4つの振動防止体22は第1のサイフォンパイプ20aが第1のドリル穴10aに挿入された状態で第1のドリル穴10aの内壁面に当接する。振動防止体22の機能については後述する。第2のサイフォンパイプ20bの構造も第1のサイフォンパイプ20aと同じ構造である。
【0027】
次に、サイフォンパイプが取り付けられた状態における媒体の流れについて説明する。
【0028】
第1のサイフォンパイプ20aの一端側の媒体入り口23aから媒体が供給される。供給された第1のサイフォンパイプ20a内を通り、他端側から先端部空間12aへと排出される。先端部空間12aは第1のサイフォンパイプ20aの先端部と第1のドリル穴10aの穴の先端部との間に形成された空間であり、ドリル加工によって形成された最深部である。媒体は先端部空間12aでその流れ方向を供給された方向と反対方向に変え(Uターン)、第1のサイフォンパイプ20aの外周と第1のドリル穴10aの内周との間に形成された隙間11aを通り、フランジ30の連通部33へと向かう。媒体が隙間11aを流れる際にシリンダ1を介してスクリュ収納部5内の溶融材料を冷却、あるいは加熱する。
【0029】
熱交換しながら隙間11aをフランジ30の方向へと向かって流れた媒体はフランジ30の連通部33へと流れ込む。シリンダ1とフランジ30との間にはガスケット40が挟み込まれているのでシリンダ1からフランジ30側へと媒体が流れていく際にシリンダ1とフランジ30との間から媒体が漏洩することはない。フランジ30の貫通穴31aと第1のサイフォンパイプ20aとの間にも隙間31a1、31a2が形成されている。媒体は隙間31a1を介して連通部33へと流れ込む。一方、隙間31a2はシーリング(図示せず)が施されており、この隙間31a2から媒体が漏洩することはない。
【0030】
連通部33に流れ込んだ媒体は、第2のサイフォンパイプ20bの外周と第2のドリル穴10bの内周との間に形成された隙間11bを通り、先端部空間12bへと流れ込む。フランジ30とシリンダ1との間にはガスケット40が挟み込まれているのでシリンダ1とフランジ30との間から媒体が漏洩することはない。フランジ30の貫通穴31bと第2のサイフォンパイプ20bとの間にも隙間31b1、31b2が形成されている。媒体は隙間31b1を介して連通部33から隙間11bへと流れ込む。一方、隙間31b2はシーリング(図示せず)が施されており、この隙間31a2から媒体が漏洩することはない。
【0031】
熱交換を行いながら隙間11bを流れた媒体は、先端部空間12bへと流れ込む。先端部空間12bは第2のサイフォンパイプ20bの先端部と第2のドリル穴10bの穴の先端部との間に形成された空間である。なお、連通部33の第2のサイフォンパイプ20b側は塞ぎプラグ34が嵌め込まれているため媒体がフランジ30から外部へと漏洩することはない。
【0032】
媒体は先端部空間12bでその流れ方向を供給された方向と反対方向に変え、第2のサイフォンパイプ20bの先端の開口から第2のサイフォンパイプ20b内へと流入する。第2のサイフォンパイプ20b内へと流入した媒体は、媒体出口23bから外部へと排出される。
【0033】
ところで、本実施形態のシリンダ1は、スクリュ収納部5内における不図示のスクリュによる材料の混練や隙間11a、11bを媒体が流れる際に媒体の脈動などに起因する振動してしまう場合がある。このような振動が継続的に発生すると、各サイフォンパイプ20a、20bにもその振動が伝達され各ドリル穴10a、10b内で振動することとなる。振動が繰り返し印加されると各サイフォンパイプ20a、20bが疲労破壊してしまうおそれや、その振幅が大きい場合各サイフォンパイプ20a、20bの先端部が各ドリル穴10a、10b内壁面に当たって破損してしまう場合がある。振動防止体22は第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bの先端部を第1および第2のドリル穴10a、10bに押し付けている。つまり、振動防止体22は各サイフォンパイプ20a、20bが片持ち支持とならないようにし、サイフォンパイプの先端部が振動するのを防止し、上述したような疲労破壊やパイプの先端部が衝突破壊を防ぐためのものである。
【0034】
次に、図2〜図4に、本実施形態の中間シリンダ、ベントシリンダおよびサイドフィードシリンダの各シリンダの正面図および側面図を示す。なお、各図の(a)が正面図であり、(b)が側断面図である。
【0035】
図2に示す中間シリンダ60は、図1に示したシリンダ1と同じ構造である。すなわち、中間シリンダ60は、スクリュ収納部5が概ね中央部分に形成されており、第1および第2のドリル穴10a、10bがそれぞれ対角線上に形成されており、2つの加熱体用穴11aが形成されている。図3に示すベントシリンダ70には、以上の構成の他、ベント穴71が形成されており、また、図4に示すサイドフィードシリンダ80にはサイドフィード穴81が形成されている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の簡単な構造でシリンダ1を冷却加熱することが可能である。すなわち、本実施形態の熱交換機構は、スクリュ収納部5内の溶融材料との熱交換を行う媒体の流路が複数の非貫通の第1および第2のドリル穴10a、10bが形成されたシリンダ1と、これら第1および第2のドリル穴10a、10bを連通させるためにシリンダ1にボルト41によって固定されたフランジ30と、第1および第2のドリル穴10a、10bに差し込まれる第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bとのみからなるものである。
【0037】
本実施形態の熱交換機構は、流路が真直ぐの第1および第2のドリル穴10a、10bと第1および第2のサイフォンパイプ20a、20bとで形成されているため、シリンダの製作が簡単である。
【0038】
また、従来例で示した構成のシリンダは、媒体用の流路を構成するためジャケット塞ぎ板を溶接で取り付けていた。これに対して本実施形態の熱交換機構は、シリンダ1をフランジ30でボルト41によって固定する構成を採用している。このように本実施形態の熱交換機構を製作する過程において溶接工程が不要となり、容易に製作することができるので、コストを低減させることができる。また、このような簡単な構成とすることで装置自体の小型化も容易となる。
【0039】
また、本実施形態の熱交換機構の清掃は、サイフォンパイプをドリル穴から引き抜き、ドリル穴内を清掃する、また、取り出したサイフォンパイプの外周、内周を清掃するだけでよい。また、これらドリル穴およびパイプは真直ぐのものであるため、清掃も極めて簡単である。
【0040】
従来例で示した構成のシリンダは、媒体用の流路を構成するためジャケット塞ぎ板を溶接で取り付けていた。これに対して本実施形態の熱交換機構は、シリンダ1をフランジ30でボルト41によって固定する構成を採用している。フランジ30に形成された連通部33は、ドリル加工によって形成された真直ぐのものであり、取り外し可能な塞ぎプラグ34で塞ぐことで閉じた流路の一部を構成する。よって、連通部33内を清掃は、塞ぎプラグ34を取り外すことで容易に行うことができる。また、フランジ30はシリンダ1から取り外すことができるため、作業性もよい。
【0041】
なお、上述した説明では、シリンダに形成されたドリル穴、フランジに形成された連通部33はいずれもドリル加工により形成されることで直線状の穴形状をしているが、これに限定されるものではなく、本発明の目的とする穴内の清掃等のメンテナンスが容易な穴形状であれば、長手方向に多少曲がって形成されているものであってもよい。また、各穴はドリル加工により形成されることでその断面形状は円形となるが、周知の技術であって他の加工方法によって形成することで円形以外の断面形状を有するものとなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の熱交換機構の一例の断面図および側面図である。
【図2】本発明の熱交換機構を適用可能な、小型押出機の中間シリンダの正面図および側面図である。
【図3】本発明の熱交換機構を適用可能な、小型押出機のベントシリンダの正面図および側面図である。
【図4】本発明の熱交換機構を適用可能な、小型押出機のサイドフィードシリンダの正面図および側面図である。
【図5】従来の熱交換機構を適用可能な、小型押出機の中間シリンダの一例の正面図および側面図である。
【図6】従来の熱交換機構を適用可能な、小型押出機のベントシリンダの一例の正面図および側面図である。
【図7】従来の熱交換機構を適用可能な、小型押出機のサイドフィードシリンダの一例の正面図および側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 シリンダ
2 側面
5 スクリュ収納部
10a 第1のドリル穴
10b 第2のドリル穴
11a、11b 加熱体用穴
11a 11b隙間
12a、12b 先端部空間
20a 第1のサイフォンパイプ
20b 第2のサイフォンパイプ
22 振動防止体
23a 媒体入り口
23b 媒体出口
30 フランジ
31a、31b 貫通穴
31a1、31a2、31b1、31b2 隙間
33 連通部
34 プラグ
40 ガスケット
41 ボルト
50 加熱体
60 中間シリンダ
70 ベントシリンダ
71 ベント穴
80 サイドフィードシリンダ
81 サイドフィード穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(1)に形成されたスクリュ収納部(5)内の溶融材料と媒体との間における熱交換機構において、
前記スクリュ収納部(5)と交差する方向に直線的に形成されたドリル穴(10a、10b)が形成された前記シリンダ(1)と、
前記各ドリル穴(10a、10b)のそれぞれに対応する貫通穴(31a、31b)と、前記各貫通穴(31a、31b)を連通させる連通部(33)が形成され、前記各ドリル穴(10a、10b)に前記各貫通穴(31a、31b)が対応するように前記シリンダ(1)に着脱可能に取り付けられたフランジ(30)と、
前記フランジ(10)の貫通穴(31a、31b)のそれぞれを挿通し、前記ドリル穴(10a、10b)のそれぞれに挿入される、着脱可能なサイフォンパイプ(20a、20b)とを有し、
前記各サイフォンパイプ(20a、20b)と前記フランジ(10)の前記各貫通穴(31a、31b)との間には隙間(31a1、31b1)が形成され、前記各サイフォンパイプ(20a、20b)の外周と前記各ドリル穴(10a、10b)の内周との間には隙間(11a、11b)が形成され、かつ前記各サイフォンパイプ(20a、20b)の先端部と前記各ドリル穴(10a、10b)の最深部との間に先端空間部(12a、12b)が形成されていることを特徴とする熱交換機構。
【請求項2】
前記各サイフォンパイプ(20a、20b)の外周には、前記各ドリル穴(10a、10b)の内周に当接する振動防止体(22)が設けられている、請求項1に記載の熱交換機構。
【請求項3】
前記フランジ(30)は、前記シリンダ(1)にボルト(41)によって固定されている、請求項1または2に記載の熱交換機構。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱交換機構を用いた熱交換方法であって、
媒体を、前記サイフォンパイプ(20a)内に、一端側から供給して他端側から前記先端空間部(12a)へと排出させ、
排出された媒体を、前記先端空間部(12a)から前記隙間(11a)へと流し込ませ、
前記隙間(11a)を通った媒体を、前記隙間(31a1)を介して連通部(33)へと流入させ、
前記連通部(33)を流れた媒体を、前記隙間(31b1)を介して前記隙間(11b)へと流入させ、
前記隙間(11b)を通った媒体を、前記先端空間部(12b)へと流し込ませ、
前記先端空間部(12b)に流れ込んだ媒体を、前記サイフォンパイプ(20b)の一端側からその内部に流し込ませて他端側から排出させる熱交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−76098(P2007−76098A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265184(P2005−265184)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】