説明

抽選機能付きカードゲームシステム

【課題】カード発行コストを増加させることなく、ゲームオプションをプレイヤの予測可能性なしに登場させることができ、またキャラクタカード又はアイテムカードのパラメータを予測可能性なしに変更させることのできるゲームシステム、ゲーム機及びゲームカードを提供する。
【解決手段】情報ネットワークを介してサーバ4に接続可能に構成され、ゲームカード2の情報を読み込むことで特定のゲームを実行するゲーム機3であって、ゲームデータを格納するゲームデータ格納手段と、ゲームオプション情報格納手段と、ゲームオプション情報格納手段から前記ゲームデータに付加するゲームオプション情報を特定するゲームオプション情報特定手段と、前記ゲームカードのゲームデータ識別情報5に基づいてゲームデータをロードすると共に前記ゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するゲーム実行手段と、を有することを特徴とするゲーム機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機と、このゲーム機が通信ネットワークを通じて接続するサーバとで構成され、ゲーム機が受け付けたゲームカードに格納されたゲームデータの識別情報を読み取ることでプレイ可能なゲームシステムに用いられるゲーム機、及びそれに用いられるゲームカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャラクタの図柄や能力値が付されたカード(以下、「キャラクタカード」という)を用いたカードゲームが広く知られている。このゲームでは、プレイヤは、所定のキャラクタカードを、当該所定のキャラクタカードに対応したゲーム装置に挿入、設置、スキャン、等することにより、その挿入等されたキャラクタカードに格納されたゲームデータの識別情報を読み取らせてゲームを進行させることができる。
【0003】
このようなカードゲームでは、多くの場合、キャラクタカードとは別に、当該キャラクタのパラメータを設定するアイテムが格納されたカード(以下、「アイテムカード」という)も併用されている。例えば、このようなカードゲームとして、対戦型のカードゲームが知られている。プレイヤは、キャラクタカードとアイテムカードとを併用することにより、自分のキャラクタカードの能力値を上げたり、相手のキャラクタカードの能力値を下げたりすることができる。これにより、対戦の勝敗は、キャラクタカードの能力値だけでは決まらず、併用する1若しくはそれ以上のアイテムカードの能力、キャラクタカードとの相性、使用するタイミング、等も重要な要素になる。そのため、プレイヤがゲームの開始時や進行中に上記のような要素を考慮することによって、カードゲーム進行のバリエーションが増加し、プレイヤは飽きることなくゲームを進行させることができる。
【0004】
このようなカードゲームとしては、例えば特許文献1などが知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のようなキャラクタカードとアイテムカードとを併用するカードゲームでは、キャラクタカード及びアイテムカードに設定された能力値や性質等のパラメータは、カード毎に固定されているものである。そのため、プレイヤはある程度経験を積むと、ゲームの進行状況において最も適切なカードの組み合わせや使用方法等の、ゲームを進行する上での知識や攻略法を習得してしまう。即ち、プレイヤはゲームの必勝法が分かってしまい、ゲームをすればするほどゲームへの興味が薄れてしまう恐れがある。
【0007】
また、プレイヤの興味を持続させるために、キャラクタカード及びアイテムカードの種類を増加させたり、イベント限定(非売品)のカードを発行しているが、これらは一時的な対応策にすぎない。また、カードの発行コストがカードゲーム全体のコストを増加させる原因にもなっている。従って、このような課題の根本的な解決が望まれている。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、カード発行コストを増加させることなく、ゲームオプションをプレイヤの予測可能性なしに登場させることができ、またキャラクタカード又はアイテムカードのパラメータを予測可能性なしに変更させることのできるゲームシステム、ゲーム機及びゲームカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の主要な観点によれば、情報ネットワークを介してサーバに接続可能に構成され、ゲームカードの情報を読み込むことで特定のゲームを実行するゲーム機であって、前記ゲームカードには、ゲームデータ識別情報と抽選コードとが記録されており、前記ゲーム機は、前記特定のゲームにロードされるゲームデータを格納するゲームデータ格納手段と、前記ロードされるゲームデータに付加されるゲームオプション情報を格納するゲームオプション情報格納手段と、前記ゲームカードの抽選コードを読み込んで前記サーバに送信し、このサーバから抽選の結果を受け取る抽選実行手段と、前記サーバから受け取った抽選結果に基づいて、ゲームオプション情報格納手段から前記ゲームデータに付加するゲームオプション情報を特定するゲームオプション情報特定手段と、前記ゲームカードのゲームデータ識別情報に基づいてゲームデータをロードすると共に前記ゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するゲーム実行手段と、を有することを特徴とするゲーム機が提供される。
【0010】
このような構成によれば、ゲームオプション情報の付与をサーバによる抽選によって決定することができる。これにより、ゲームオプション情報に係る特定のゲームカードが使用された場合に、所定の確率でゲームオプション情報が付与されることになり、ゲームプレイ毎に同一のプレイ結果になる回数が減少する。
【0011】
また、ゲームカードの識別情報とは別に格納された抽選コードに基づいて抽選を実行することで、ゲームアイテムを付与したりゲームデータのパラメータを変化させることができる。そのため、カードの種類を増やさなくてもカードゲームのバリエーションを増やすことができる。
【0012】
また、本発明の1実施形態において、前記ゲームオプション情報格納手段に格納されたゲームオプション情報は、特定のゲームデータ識別情報に関連付けられており、前記ゲーム実行手段は、ゲームカードのゲームデータ識別情報に基づいてゲームデータをロードする際に当該ゲームデータ識別情報に関連付けられたゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するものである。この場合、前記ゲームオプション情報格納手段は、前記ゲームデータの識別情報毎に少なくとも1つのゲームオプション情報を格納するものであることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、抽選に当選した場合には、読み取ったゲームカードのゲームデータに応じて適切なゲームオプション情報を付加することができる。
【0014】
また、本発明の他の1実施形態において、前記抽選結果であるゲームオプション情報識別情報は、複数のゲームオプション情報を特定する任意の当選パターンであり、
前記ゲーム実行手段は、前記当選パターンに含まれる1若しくはそれ以上のゲームオプション情報を前記ゲームオプション情報格納手段から取り出し前記ゲームデータに付加してゲームを実行させるものである。
【0015】
このような構成によれば、ゲームオプション情報の抽選は、「当たり、はずれ」だけではなく様々なバリエーションの抽選を実行することができる。例えば、3つのゲームオプション情報から1番だけ当選、1番と3番だけ当選、すべて当選のような複数の当選パターンを設定できる。
【0016】
さらに本発明の別の1実施形態において、前記ゲーム機は、さらに、前記抽選に当選した場合に、当選した1若しくはそれ以上のゲームオプション情報の中から、ゲームオプション情報に関するユーザの選択を受け付ける選択受付手段を備え、前記ゲーム実行手段は、1以上のゲームオプション情報が選択された場合に、当該選択された1若しくは複数のゲームオプション情報を、前記ゲームデータに付加してゲームを実行させるものである。
【0017】
このような構成によれば、ユーザの好みや、ゲームの進行状況に併せてユーザが希望するゲームオプション情報を自由に選択してゲームを進行させることができる。
【0018】
さらに本発明の別の1実施形態において、前記ゲームカードは、1のゲームデータの識別情報について異なる抽選コードが割り当てられているゲームカードを含むものであり、前記抽選実行手段は、当該ゲームカードの抽選コードを読み込むものである。
【0019】
このような構成によれば、同一のゲームデータの識別情報が格納された同種のゲームカードであっても、異なる抽選コードが格納される場合があるため、ゲームカード毎に異なる抽選が実行される。これにより、ユーザは、同種のゲームカードを複数枚所有していても、ゲームオプション情報が付加されるかを予測できず、ゲームへの興味を持続できる。
【0020】
また、本発明の第2の主要な観点によれば、上述のゲーム機がネットワークを介して接続されるサーバであって、前記ゲームオプション情報に対応するゲームオプション識別情報を格納するゲームオプション識別情報格納手段と、前記ゲームカードの抽選コードをゲーム機から受け取り、抽選によって前記ゲームオプション識別情報を特定若しくは落選を決定する抽選実行手段と、このサーバから抽選の結果であるゲームオプション識別情報を送信する抽選結果送信手段と、を有することを特徴とするサーバが提供される。この場合、前記抽選実行手段は、ゲームオプション情報毎にそれぞれ抽選を実行し当落を決定し、当選した場合には、そのゲームオプション識別情報をゲーム機に送信するものであることが望ましい。
【0021】
このような構成によれば、複数あるゲームオプション情報毎にそれぞれ当落を決定することにより、「当たり、はずれ」だけではなく様々なバリエーションの抽選を実行することができる。例えば、3つのゲームオプション情報のうち、1番は当選、2番は落選、3番は当選、などのように抽選が実行される。
【0022】
さらに本発明の別の1実施形態において、前記サーバは、さらに、前記抽選の結果の履歴を前記抽選コードに関連付けて格納する抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段を備えるものであり、前記抽選実行手段は、前記送信された抽選コードに関する抽選結果履歴を前記抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段から読み出し、その読み出された抽選結果履歴に応じて、前記ゲームオプション情報について予め設定されている当選確率を変化させ、その変化した当選確率に基づいて抽選を実行するものである。
【0023】
このような構成によれば、抽選結果履歴に応じて抽選確率を動的に調整することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、カード発行コストを増加させることなく、ゲームオプションをプレイヤの予測可能性なしに登場させることができ、またキャラクタカード又はアイテムカードのパラメータを予測可能性なしに変更させることのできるゲームシステム、ゲーム機及びゲームカードを得ることができる。
【0025】
また、本発明は、使用するゲームカードの種類などから、ゲームオプションの使用可否や使用可能なゲームオプションの種類をユーザが予測できないというギャンブル性を備えることによって、ユーザの興味を持続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(全体構成)
図1は本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成図である。
図1に示すように、このゲームシステムは、ゲームカード2のゲームデータ識別情報5を読み込むことで特定のゲームを実行するゲーム機3と、このゲーム機3とLANやインターネット等の情報ネットワークを介して接続され前記ゲームカード2の抽選コード6を利用してゲームデータに付加するゲームオプション情報の抽選を行うサーバ4とを有する。
【0028】
すなわち、この実施形態は、ゲームにロードされるキャラクタ等のゲームデータに付加する武具等のゲームオプション情報を前記サーバ4において抽選によって決定するものであり、前記ゲームカード2をその抽選のための媒体として利用されるものである。
【0029】
(ゲームカード)
図2は、この実施形態で用いられるゲームカード2を示す模式図である。
このゲームカード2には、図2に示すように、カード名称23の他、ゲームデータの中身を示すキャラクタの図柄24、キャラクタのパラメータ25(攻撃力、防御力等)、QRコードでそれぞれ表されるゲームデータ識別情報5及び抽選コード6が印刷されている。ゲームデータ識別情報5及び抽選コード6は、QRコードに限られるものではなく、ゲーム機の読み取り装置によって機械読み取り可能である限り、一次元のバーコードや数字又は文字列などであっても良い。
【0030】
(ゲーム機)
図3は、ゲーム機3を示す概略システム構成図である。
前記ゲーム機3は、図3に示すように、ホストコンピュータに内蔵されたCPU31に、システムバス32を介して、RAM33、ROMやHDD、磁気ディスクなどの外部記憶装置34、及び入出力インタフェース(I/F)35が接続されてなる。この入出力I/F35には、ディスプレイ等の出力装置36、プレイヤから読取可能範囲内の適当な場所に提示されたゲームカード2に格納されたゲームデータ識別情報5及び抽選コード6を、光学的又は電子的等の手段によって読み取るバーコードリーダ等のカード情報読取部37aと、後述する抽選によって複数のゲームオプション情報が当選した場合、プレイヤがゲームオプション情報として実行を希望する1以上のゲームオプション情報の選択を受け付けるジョイスティックやプッシュボタン等の選択受付部37bとを備える入力装置37、モデムなどの通信デバイス38及びCD−ROMやDVD−ROMなどのリムーバブル記録媒体用のドライブ39が夫々接続されている。
【0031】
また、前記外部記憶装置34は、記憶装置内に確保された一定の記憶領域からなるデータ格納エリア34aとプログラム格納エリア34bを有する。
【0032】
データ格納エリア34aは、ゲームプログラムや画像データ、音声データ等の情報を記憶するための領域であり、前記特定のゲームにロードされるゲームデータを格納するゲームデータ格納手段41と、前記ロードされるゲームデータに付加されるゲームオプション情報を格納するゲームオプション情報格納手段42と、抽選パターンテーブル格納手段43とが格納されている。
【0033】
プログラム格納エリア34bには、前記ゲームカードの抽選コード6を読み込んで前記サーバ4に送信し、このサーバ4から抽選の結果である抽選パターンを受け取る抽選実行手段44と、前記サーバから受け取った抽選パターンに基づいてゲームオプション識別情報を特定すると共に、特定されたゲームオプション識別情報とゲームデータ識別情報5とに基づいて前記ゲームオプション情報格納手段42から前記ゲームデータに付加するゲームオプション情報を特定するゲームオプション情報特定手段45と、前記ゲームカードのゲームデータ識別情報5に基づいて、ゲームキャラクタの画像データや音声データ等を読み出してゲームデータをロードすると共に前記ゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するゲーム実行手段46とが格納されている。
【0034】
前記ゲームデータ格納手段41は、キャラクタの図柄、名称、能力値、並びに効果音、背景画、等のゲーム進行において使用されるゲームデータを、BMP、JPG、PNG等の画像データ、WAV、WMA、MID等の音声データ、AVI、RAM、SWF等の動画データとして格納している。
【0035】
前記ゲームオプション情報格納手段42は、抽選に当選した場合に付加されるゲームオプション情報を格納する。図7に示すように、各ゲームデータ識別情報5には、ゲームオプション識別情報に対応するオプション名及びオプションデータが設定されている。このオプション名は文字列で表され、オプションデータは上記のような画像、音声、動画データである。
【0036】
抽選パターンテーブル格納手段43は、図6に示す抽選パターンテーブル7を格納する。このテーブル7には、サーバ4によって抽選される抽選パターンと、1若しくはそれ以上のゲームオプション識別情報とが対応して格納されている。後述するように、サーバ4がこの抽選パターンのいずれかを当選させる抽選を実行することによって、この抽選パターンテーブル7に従って、どのゲームオプション識別情報が当選したかが特定される。このように、ゲーム機側で抽選パターンを登録しておくことで、同じ抽選結果でも、ゲームデータ毎又はゲーム機毎に異なるオプションを付加できる(当選又は落選処理を実行できる)。
【0037】
抽選実行手段44は、カード情報読取部37aによって読み取られた抽選コード6を、抽選を実行するサーバ4に向けて通信デバイス38を介して送信するものである。また、抽選実行手段44は、サーバ4から抽選の結果である抽選パターンを受け取り、その抽選パターンをゲームオプション情報特定手段45に送信する。
【0038】
ゲームオプション情報特定手段45は、送信された抽選パターンと抽選パターンテーブル7とに基づいて、当選したゲームオプション識別情報を特定する。また、カード情報読取部37aによって読み取られたゲームデータ識別情報5と、特定されたゲームオプション識別情報とに基づいて、ゲームオプション情報格納手段42からゲームオプション情報を検索する。
【0039】
ゲーム実行手段46は、前記カード情報読取部37aによって読み取られたゲームデータ識別情報5に基づいて、ゲームデータ格納手段41から、BMP、JPG、PNG等の画像データ、及びWAV、WMA、MID等の音声データを取り出し、それらの各種データを規定のデータフォーマットに変換することによりゲームデータを実行するものである。また、プレイヤが入力装置から入力した操作信号に応じて演算処理を行うことにより、ゲームを進行させる。また、ゲーム実行手段46は、上記のようにゲームオプション識別情報が検索され、選択受付部37bにより選択された場合に、色補正、コントラスト調整、画像エフェクト処理等の所定の演算処理を行うことによって、前記選択されたゲームオプション情報の画像又は動画データと、実行中のゲームデータの画像又は動画データとを合成させる。そして、合成後の画像又は動画と共に、選択されたゲームオプション情報についての出現時の効果音等の音声データを出力装置36に転送する。これにより、アイテム等のゲームオプション情報が浮いて見えたり、背景画像などに比べて違和感ないように表示させることができる。また、ゲームオプション情報を目立たせることによって、プレイヤに「当選時の優越感」を与えることもできる。また、上記のような画像調整と共に、実行中の攻撃力や防御力等のゲームデータを、選択されたゲームオプション情報に係るゲームデータで書き換え、その書き換えられた攻撃力や防御力等のゲームデータを出力装置36に送信する。
【0040】
これらの構成要素は、実際には、コンピュータソフトウエアプログラムとしての一連の命令であり、CPU31によってRAM33上に呼び出されて展開され実行されることで、本発明の各構成要素を構成するようになっている。
【0041】
(サーバ)
図4は、サーバ4を示す概略システム構成図である。
サーバ4は、図4に示すように、ホストコンピュータに内蔵されたCPU51に、システムバス52を介して、RAM53、ROMやHDD、磁気ディスクなどの外部記憶装置54、及び入出力インタフェース(I/F)55が接続されている。この入出力I/F55には、ディスプレイ等の出力装置56、キーボードやマウス等の入力装置57、モデムなどの通信デバイス58及びCD−ROMやDVD−ROMなどのリムーバブル記録媒体用のドライブ59が夫々接続されている。
【0042】
外部記憶装置54は、図4に示すように、記憶装置内に確保された一定の記憶領域であるデータ格納エリア54aとプログラム格納エリア54bとを備えている。
【0043】
データ格納エリア54aには、抽選コード6についての抽選結果の履歴を格納する抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61が格納されている。
【0044】
また、プログラム格納エリア54bは、前記ゲームカードの抽選コード6をゲーム機3から受け取り、抽選によって前記ゲームオプション識別情報を特定若しくは落選を決定する抽選実行手段62と、このサーバから抽選の結果である抽選パターンを送信する抽選結果送信手段63と、抽選コード6についての抽選結果の履歴を更新する抽選結果履歴更新手段64とを格納する。
【0045】
前記抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61は、抽選コード6についての抽選結果の履歴を当該抽選コード6に関連付けて格納している。この抽選結果履歴は、具体的には、例えば、特定の抽選コード6について、過去に10回抽選を行い、ゲームオプション識別情報1に3回当選し、ゲームオプション識別情報2に2回当選し、5回は落選した、等の情報である。また、前記抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61は、抽選確変アルゴリズムを格納している。この抽選確変アルゴリズムが実行されることで、後述する抽選において用いられる抽選の確率が変動される。具体的には、例えば、1〜10回目の抽選の場合、若しくは11回目以上の抽選であり且つ特定の事象Xの当選回数が3回以上の場合には予め設定された当選確率で抽選が実行され、11回目以上の抽選であり且つ特定の事象Xの当選回数が3回以下の場合には、前記予め設定された当選確率をP%増加させた当選確率で抽選が実行される、等のアルゴリズムが設定されている。
【0046】
前記抽選実行手段62は、通信デバイス48を介してゲーム機3から受信した抽選コード6に基づいて抽選を実行する。具体的には、抽選実行手段62は、例えば乱数発生アルゴリズムにより乱数を発生させ、この乱数及び抽選コード6をもとに所定の演算を行うことにより、図6の抽選パターンのいずれか一つを決定する抽選を行う機能を有する。
【0047】
前記抽選結果送信手段63は、ゲーム機3から受信した抽選コード6と共に、抽選結果の抽選パターンの番号を、通信デバイス48を介してゲーム機3に送信する機能を有する。
【0048】
抽選結果履歴更新手段64は、抽選実行手段62による抽選後、抽選に用いた抽選コード6について、抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61に格納されている抽選結果履歴を当該抽選コード6に関連付けて更新する。
【0049】
上記ゲーム機と同様、これらの各構成要素は、実際には、コンピュータソフトウエアプログラムとしての一連の命令であり、CPU51によってRAM53上に呼び出されて展開され実行されることで、後で詳しく説明する作用を奏し、本発明の各構成要素を構成するようになっている。
【0050】
以下、上記ゲーム機及びサーバの各構成要素の詳しい構成を、実際のゲームプレイ動作を説明することを通じて、詳細に説明する。なお、以下においては、架空の生命体同士の戦いをモチーフとした対戦型カードゲームを説明する。
【0051】
(動作)
図8は、各構成要素の作用を示すフローチャートである。なお、図中の各符号S1〜S14は、以下の説明中の各ステップS1〜ステップS14に対応するものである。
【0052】
まず、ステップS1において、プレイヤが「ソルジャー」のゲームカード2をゲーム機3に備えられた図示しないスロットに提示すると、ゲーム機3のカード情報読取部37aが、このゲームカード2に格納されたゲームデータ識別情報5及び抽選コード6を読み取り、その読み取ったゲームデータ識別情報5をゲーム実行手段46に送信する(ステップS1)。ゲーム実行手段46は、送信されたゲームデータ識別情報5に基づいて、ソルジャーに関連するゲームデータをゲームデータ格納手段41から抽出する。例えば、識別番号A001であれば「ソルジャー」、識別番号A002であれば「魔法使い」、等である。即ち、上記した図2に示す「ソルジャー」のゲームカード2には、ゲームデータ識別情報5として識別番号A001が格納されている。続いて、ゲーム実行手段46は、名称として「ソルジャー」、攻撃力として「3」、防御力として「4」等の抽出したゲームデータを出力装置36に送信し、出力装置36が、図5(A)に示すように、適切な音声や画像を表示する(ステップS2)。
【0053】
また、カード情報読取部37aがステップS1で読み取った抽選コード6を抽選実行手段44に送信すると共に、抽選実行手段44はその抽選コード6を通信デバイス38を介してサーバ4に送信する(ステップS3)。サーバ4が通信デバイス48を介して抽選コード6を受信すると、その後のステップS4〜ステップS10において、サーバ4の抽選実行手段62が、乱数及び抽選コード6をもとに所定の演算を行うことにより、図6の抽選パターンのいずれか一つを決定する抽選を実行する。
【0054】
サーバ4の抽選では、まずステップS4において、抽選実行手段62が、抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61から、受信した抽選コード6についての抽選結果履歴を取得する(ステップS4)。次に、抽選実行手段62が、読み出した抽選結果履歴に応じて、当選確率を変化させて抽選を実行する。この当選確率の変化は、抽選実行手段62が、抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61から抽選確変アルゴリズムを読み出して実行することにより行われる。具体的には、例えば、1〜10回目の抽選の場合、若しくは11回目以上の抽選であり且つ特定の事象Xの当選回数が3回以上の場合には予め設定された当選確率で抽選を実行し、11回目以上の抽選であり且つ特定の事象Xの当選回数が3回以下の場合には、前記予め設定された当選確率をP%増加させた当選確率で抽選を実行する、等である(ステップS5〜ステップS8)。或いは、抽選回数に関係なく、特定の抽選コード6が特定のゲームオプション識別情報に0〜3回当選している場合には、前記特定のゲームオプション識別情報に当選する確率を20%とし、4回以上の場合には10%とする、等としても良い。
【0055】
抽選結果送信手段63は、上述のような抽選が実行された後、受信した抽選コード6と共に、抽選結果の抽選パターンの番号を通信デバイス48を介してゲーム機3に送信する(ステップS9)。続いて、抽選結果履歴更新手段64が、抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段61に格納されている抽選結果履歴を抽選コード6に関連付けて更新する(ステップS10)。
【0056】
ゲーム機3の抽選実行手段44は、抽選コード6と当選したゲームオプション識別情報とを通信デバイス38を通じて受信する。そして、抽選実行手段44は、受信した抽選コード6がステップS3で送信した抽選コード6と一致するかを確認する(ステップS11)。その後、ゲームオプション情報特定手段45は、サーバ4から受信した抽選パターンの番号と、抽選パターンテーブル格納手段43に格納された抽選パターンテーブル7とを照合し、どのゲームオプション識別情報が当選したかを取得する。次に、ゲームオプション情報特定手段45は、ステップS1においてカード情報読取部37aが読み取ったゲームデータ識別情報5と当選したゲームオプション識別情報とに基づいて、ゲームオプション情報格納手段42に格納されたゲームオプション情報テーブル8の中から、前記読み取ったゲームデータ識別情報5に応じたゲームオプション情報を検索する(ステップS12)。
【0057】
その後、選択受付部37bが、前記検索されたゲームオプション情報の中から、プレイヤが希望する1以上のゲームオプション情報の選択を受け付ける(ステップS13)。そして、ゲームオプション情報特定手段45は、その選択されたゲームオプション情報についてのオプション名を映像信号として出力装置36に送信すると共に、その選択されたゲームオプション情報についての画像や出現時の効果音のデータをゲーム実行手段46に送信する。そして、ゲーム実行手段46は、出現時の効果音、図柄等の選択されたゲームオプション情報についてのデータと、すでにロードされているゲームデータとを、画像編集や画像調整等の所定の演算処理により合成し、その映像・音声信号を出力装置36に送信する(ステップS14)。また、ゲーム実行手段46は、画像・音声の演算処理と共に、ロードされているゲームデータついての攻撃力や防御力等のゲームデータを、選択されたゲームオプション情報の種類に応じて書き換え、その書き換えられた攻撃力や防御力等のゲームデータを出力装置36に送信する。
【0058】
図5は、ゲーム実行手段46が、検索されたゲームオプション情報をゲームデータに一時的に付加する例を示した図である。例えば、ゲームデータ識別情報5によって特定されるキャラクタが「ソルジャー」であり、検索されたゲームオプション情報が「アーマー」であれば、検索に係る「アーマー」が「ソルジャー」に装着されて表示される。このとき、検索されたゲームオプション情報の付加前の「ソルジャー」のパラメータは「攻撃力3、防御力4」であるが(図5A)、ゲームオプション情報が付加された後には、「攻撃力3、防御力5」となっている(図5B)。なお、この一時的に付加されたゲームオプション情報は、当該プレイが終了すると、ゲームデータから取り除かれ、「ソルジャー」のパラメータは「攻撃力3、防御力4」に戻る。
【0059】
以上が、本発明に係るゲームカード2、ゲーム機3、及びサーバ4を用いた場合のゲーム処理の説明である。なお、上述したゲーム進行における所定のゲーム処理以外のカードゲームに関する基本的なルール(例えば、攻撃によるダメージ等で体力ポイントが減少する、体力がゼロになると行動不能になる、等)は、従来のゲームと同様である。
【0060】
また、この実施形態では、サーバ4が抽選実行手段62を備えているが、ゲーム機3の抽選実行手段44が同様の抽選機能を備えていても良い。この場合、ゲーム機3の外部記憶装置34は、抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段を更に備えており、抽選実行手段44は上述した抽選を実行できる。
【0061】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述の抽選は、サーバ4の抽選実行手段62が所定のゲームオプション識別情報毎に当落の抽選を行うものであっても良い。この場合、抽選後、抽選結果送信手段63は、抽選コード6と共に、どのゲームオプション識別情報が当選したかの情報をゲーム機3に送信する。そしてゲームオプション情報特定手段45は、受信したゲームオプション識別情報を検索する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明に係るゲームシステムの構成図である。
【図2】図2は、本発明に係るゲームカードを示す模式図である。
【図3】図3は、本発明に係るゲーム機を示す概略システム構成図である。
【図4】図4は、本発明に係るサーバを示す概略システム構成図である。
【図5】図5は、本発明に係るゲーム機のプレイ画面を示す図である。
【図6】図6は、本発明に係る抽選パターンテーブルを示す図である。
【図7】図7は、本発明に係るゲームオプション情報テーブルを示す図である。
【図8】図8は、本発明に係るゲーム進行のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1…ゲームシステム
2…ゲームカード
3…ゲーム機
4…サーバ
5…ゲームデータ識別情報
6…抽選コード
7…抽選パターンテーブル
8…ゲームオプション情報テーブル
23…カード名称
24…キャラクタの図柄
25…キャラクタのパラメータ
31…CPU
32…システムバス
33…RAM
34…外部記憶装置
34a…データ格納エリア
34b…プログラム格納エリア
35…入出力インタフェース(I/F)
36…出力装置
37…入力装置
37a…カード情報読取部
37b…選択受付部
38…通信デバイス
39…ドライブ
41…ゲームデータ格納手段
42…ゲームオプション情報格納手段
43…抽選パターン格納手段
44…抽選実行手段
45…ゲームオプション情報特定手段
46…ゲーム実行手段
51…CPU
52…システムバス
53…RAM
54…外部記憶装置
54a…データ格納エリア
54b…プログラム格納エリア
55…入出力インタフェース(I/F)
56…出力装置
57…入力装置
58…通信デバイス
59…ドライブ
61…抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段
62…抽選実行手段
63…抽選結果送信手段
64…抽選結果履歴更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報ネットワークを介してサーバに接続可能に構成され、ゲームカードの情報を読み込むことで特定のゲームを実行するゲーム機であって、
前記ゲームカードには、ゲームデータ識別情報と抽選コードとが記録されており、
前記ゲーム機は、
前記特定のゲームにロードされるゲームデータを格納するゲームデータ格納手段と、
前記ロードされるゲームデータに付加されるゲームオプション情報を格納するゲームオプション情報格納手段と、
前記ゲームカードの抽選コードを読み込んで前記サーバに送信し、このサーバから抽選の結果を受け取る抽選実行手段と、
前記サーバから受け取った抽選結果に基づいて、ゲームオプション情報格納手段から前記ゲームデータに付加するゲームオプション情報を特定するゲームオプション情報特定手段と、
前記ゲームカードのゲームデータ識別情報に基づいてゲームデータをロードすると共に前記ゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するゲーム実行手段と、
を有することを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム機であって、
前記ゲームオプション情報格納手段に格納されたゲームオプション情報は、特定のゲームデータ識別情報に関連付けられており、
前記ゲーム実行手段は、ゲームカードのゲームデータ識別情報に基づいてゲームデータをロードする際に当該ゲームデータ識別情報に関連付けられたゲームオプション情報を付加して前記特定のゲームを実行するものである
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項2記載のゲーム機であって、
前記ゲームオプション情報格納手段は、前記ゲームデータの識別情報毎に少なくとも1つのゲームオプション情報を格納するものである
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1記載のゲーム機であって、
前記抽選結果であるゲームオプション情報識別情報は、複数のゲームオプション情報を特定する任意の当選パターンであり、
前記ゲーム実行手段は、前記当選パターンに含まれる1若しくはそれ以上のゲームオプション情報を前記ゲームオプション情報格納手段から取り出し前記ゲームデータに付加してゲームを実行させるものである
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項5】
請求項1記載のゲーム機であって、このゲーム機は、さらに、
前記抽選に当選した場合に、当選した1若しくはそれ以上のゲームオプション情報の中から、ゲームオプション情報に関するユーザの選択を受け付ける選択受付手段を備え、
前記ゲーム実行手段は、1以上のゲームオプション情報が選択された場合に、当該選択された1若しくは複数のゲームオプション情報を、前記ゲームデータに付加してゲームを実行させるものである
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項6】
請求項1記載のゲーム機であって、
前記ゲームカードは、1のゲームデータの識別情報について異なる抽選コードが割り当てられているゲームカードを含むものであり、
前記抽選実行手段は、当該ゲームカードの抽選コードを読み込むものである
ことを特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項1記載のゲーム機がネットワークを介して接続されるサーバであって、
前記ゲームオプション情報に対応するゲームオプション識別情報を格納するゲームオプション識別情報格納手段と、
前記ゲームカードの抽選コードをゲーム機から受け取り、抽選によって前記ゲームオプション識別情報を特定若しくは落選を決定する抽選実行手段と、
このサーバから抽選の結果であるゲームオプション識別情報を送信する抽選結果送信手段と、
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項7記載のサーバにおいて、
前記抽選実行手段は、ゲームオプション情報毎にそれぞれ抽選を実行し当落を決定し、当選した場合には、そのゲームオプション識別情報をゲーム機に送信するものである
ことを特徴とするサーバ。
【請求項9】
請求項7記載のサーバであって、このサーバは、さらに、
前記抽選の結果の履歴を前記抽選コードに関連付けて格納する抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段を備えるものであり、
前記抽選実行手段は、前記送信された抽選コードに関する抽選結果履歴を前記抽選結果履歴/抽選確変アルゴリズム格納手段から読み出し、その読み出された抽選結果履歴に応じて、前記ゲームオプション情報について予め設定されている当選確率を変化させ、その変化した当選確率に基づいて抽選を実行するものである
ことを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−51400(P2010−51400A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217263(P2008−217263)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】