説明

拡張されたダイナミックレンジに亘ってトルクを迅速に発生させるための、低イナーシャを有する装置

本発明は、トルク設定点に応じて出力部材(3)上にトルクを発生させるための装置に関し、装置は、出力部材が連結されるシャフト(2)を有する、第1動力の少なくとも一つのモーター(1)又は少なくとも一つの小モーターを含む第1モーターユニットと、結合手段(4)を介して出力部材に回転可能に連結されるシャフト(12)を有する、第1動力よりも高い第2動力の少なくとも一つのモーター(11)又は少なくとも一つの大モーターを含む第2モーターユニットと、サーボ制御手段(50)とを含み、サーボ制御手段(50)は、トルク設定点(Msp)に応じて、粘性結合手段が、トルク設定点に適合する粘性トルク(Mvisc)を提供するように第2モーターユニット(11)に動力を与え、且つ、これと並行して、第1モーターユニット(1)が、粘性トルクがトルク設定点の値に到達するまで、トルク設定点と粘性トルクとの間の付加トルクを生成するように第1モーターユニット(1)に動力を与えるべくプログラムされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張されたダイナミックレンジに亘ってトルクを迅速に発生させるための、低イナーシャを有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
触覚インターフェース(haptic interface)、特に力フィードバック装置、例えば、患者の運動機能を回復させることを意図する装具の分野において、装置の動作に対する周囲の抵抗をシミュレートする力又はトルクを及ぼすのにモーターを使用することは一般的な慣行である。仮想の接触をシミュレートすべく、例えば、電気モーターは、操作者によって必要とされる装置の動作に対抗する抵抗トルクを装置の出力部材に及ぼすように制御される。
【0003】
仮想剛体面との接触をシミュレートすべく、モーターは実際の剛体面であるかのように反応しなければならない。不運にも、強力なモーターは概して高摩擦トルクを有することが知られ、このことは、無制限の動作又は質感の感触(feel of a texture)をシミュレートするための低い大きさ(amplitude)の力を生成するためのモーターの能力を制限する。さらに、斯かるモーターは、操作者によって感じられうる高イナーシャを有する。
【0004】
この摩擦及びイナーシャを補償するために、力のサーボ制御ループが、アクチュエータの出力におけるトルクを直接測定するトルクメーターを用いて使用されうる。トルクメーター本来の構造的な困難性に加えて、ダイナミックシステムにおけるトルクメーターの場所が、安定性と精度との間の良好な妥協案を得るのに極めて重要である。
【0005】
強力ではないモーターは、低摩擦及び低イナーシャを有して使用されうる。しかしながら、この態様において装填された斯かるモーターは、その性能の限界において作動することが多く、このため、耐用年数が制限されるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、広いダイナミックレンジに亘って迅速に力を発生させるための低イナーシャを有する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、トルク設定点に応じて出力部材上にトルクを発生させるための装置が提案され、装置は、
出力部材が連結されるシャフトを有する、第1動力の少なくとも一つのモーター又は少なくとも一つの小モーターを含む第1モーターユニットと、
少なくとも一つの関連付けられた粘性結合器を介して出力部材に回転可能に連結されるシャフトを有する、第1動力よりも高い第2動力の少なくとも一つのモーター又は少なくとも一つの大モーターを含む第2モーターユニットと、
トルク設定点に応じて、粘性結合器が、トルク設定点に適合する粘性トルクを提供するように大モーターに動力を与え、且つ、並行して、小モーターが、粘性トルクがトルク設定点の値に到達するまで、トルク設定点と粘性トルクとの間の付加トルクを生成するように小モーターに動力を与えるべくプログラムされるサーボ制御手段とを含む。
【0008】
「粘性」という用語は、粘性結合器によって起こされるトルクが二つのシャフトの回転速度間の差に比例するという事実について言及する。
【0009】
したがって、モーターが、大モーターのシャフトが一定の速度で回転し又は静止している安定状態にあるときにトルク設定点が急に増大せしめられる場合、二つのモーターのシャフト間の速度差が迅速に増大するように、大モーターのシャフトをできるだけ速く加速させるべく大モーターに動力が供給され、このことによって、粘性結合器によって生成される粘性トルクの増加がもたらされ、この粘性トルクは所要のトルクに漸進的に増加する。
【0010】
これと並行して、小モーターも、その性能の限界の範囲内における大きさを有する、トルク設定点と粘性トルクとの間のトルク差を提供するように動力が与えられる。さらに、小モーターは、その低イナーシャ及びその低摩擦のおかげでかなり大きなダイナミックレンジを有し、このため、このローディング(loading)に迅速に反応することができる。
【0011】
出力部材は、小モーターのシャフトにおけるトルクに、粘性結合器によって発生せしめられた粘性トルクを加算した合計トルクを常に受ける。この合計は、トルク設定点が、おそらく、小モーターが生成しうる最大トルクを超える場合の、非常に初期の反応期間を除いて、トルク設定点にほぼ等しい。
【0012】
このため、本発明の装置は低イナーシャを有し且つ広範囲の大きさに亘って迅速にトルク設定点に反応する。大モーターのイナーシャは粘性結合器及びサーボ制御手段によって取り除かれ(filtered)、この結果、操作者は大モーターのイナーシャを感じない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の装置の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の装置のための一つの可能なサーボ制御システムのブロック図である。
【図3A】図3Aは、本発明の装置の、トルク設定点への反応のグラフである。
【図3B】図3Bは、本発明の装置の、トルク設定点への反応のグラフである。
【図4】図4は、本発明の装置に特に適切な粘性結合器の部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、添付の図面を参照して与えられる、本発明の一つの特定の実施形態の装置の以下の記述を考慮すると、より理解されうる。
図1を参照すると、本発明の装置は第1モーターユニットを含み、第1モーターユニットは、ここでは(本明細書において小モーターと称される)第1動力の電気モーター1を具備し、第1動力の電気モーター1は、出力部材3を保持する一方の端部を備えたシャフト2を有し、出力部材3に既定のトルクを適用することが必要とされる。ここでは、出力部材はハンドルによって象徴的に表される。これは、操作者によって操作されるステアリングホイール又は把手でありうる。
【0015】
装置は第2モーターユニットを含み、第2モーターユニットは、ここでは、シャフト12を有する(本明細書において大モーターと称される)より大きな動力のモーター11を具備し、シャフト12は、渦電流結合器(eddy current coupler)4を介して小モーター1のシャフト2に連結される。
【0016】
したがって、当業者にとって明らかであるように、出力部材3は、結合器4によって、小モーター1によってそのシャフト2に及ぼされるトルクに加えて、結合器4によって小モーター1のシャフト2に及ぼされるトルクを受ける。
【0017】
ここでは、結合器4は、以下の式に従って、モーター1のシャフトの回転速度とモーター11のシャフトの回転速度との間の差に比例したトルクを発生させる粘性結合器である。
visc=b×(ω11−ω1
ここで、bは結合器の粘性係数であり、ω11及びω1はモーター11、1のシャフト12、2の回転速度である。
【0018】
二つのモーター1、11は、図2の図表において示されるシステムによってサーボ制御される。この図表には、小モーター1及びその出力シャフト2、結合器4、大モーター11及びその出力シャフト12、並びに出力部材3が見られうる。図2において破線の囲みによって象徴的に表されたコンピュータ50は、以下に記述されるサーボ制御法に従ってモーターをサーボ制御するのに関与する。
【0019】
説明の目的で、開始の状況は、モーターのシャフト2、12が、シャフトが静止している安定状態であり、この結果、結合器4によってトルクは発生せしめられない。出力部材3は操作者によって保持される。
【0020】
その後、コンピュータ50はトルク設定点Mspを受信する。この設定点から、コンピュータは二つの作動設定点M1、M11を発生させ、二つの作動設定点M1、M11は小モーター1及び大モーター11にそれぞれ送られる。ここでは、これら設定点は、モーターの各々に直接送られるように図式的に表される。当然のことながら、モーター1、11は、これらモーターによって発生せしめられたトルクが、対応する作動設定点のイメージ(image)となるように制御される量の電気動力を受容することが理解されなければならない。
【0021】
図表において見られうるように、小モーターは、コンパレータ22の出力である作動設定点M1を受信し、コンパレータ22は、結合器4によって発生せしめられる粘性トルクMviscの概算値M’viscをトルク設定点Mspから減算したトルクに等しい差信号εを発生させる。大モーター11について作動設定点M11を発生させるべく、コンパレータ22の出力は訂正器23によって処理される。訂正器23の機能は、大モーター11の反応の速度及び精度を改善することである。
【0022】
結合器4によって発生せしめられた粘性トルクMviscの概算値M’viscは、小モーター1及び大モーター11にそれぞれ関連付けられた位置センサー5、15を使用してコンピュータによって生成され、位置センサー5、15はモーター1、11のシャフトの角度位置をコンピュータ50に供給する。これら角度位置から得られる速度ω1及びω11はコンパレータ20によって比較され、概算値M’viscを定めるべく、ω1とω11との間の差が、結合器4の粘性係数に等しいゲイン21の値bによって乗算される。
【0023】
図3Aは、時間t=0において0から10(mN・m)に上昇するステップ形態のトルク設定点Mspへの装置の反応を示す。この設定点に応じて、訂正器23は、大モーター11のシャフト12を非常に速く加速させるべく、(ここでは目標トルクの4倍程度の)高い作動設定点M11を大モーター11に送る。この加速によって、粘性トルクMviscは漸進的に増加する。
【0024】
この時間の間、小モーター1は、作動設定点M1にほぼ等しい付加トルクを供給し、トルクM11の遅延(delay)と比較して短い遅延は無視される。ここでは、小モーター1を保護すべく、設定点を最大値(この例では8mN・m)に制限することが意図的に決定された。粘性トルクMviscの漸進的増加によって、小モーターに適用される作動設定点M1は、粘性トルクMviscがトルク設定点Mspに等しくなるとき、0に到達するまで比例して減少する。その後、小モーター1は完全に負荷から解放される。グラフは、粘性トルクが増加するにつれて漸進的に0に下がる小モーターのトルクを示す。
【0025】
この時間の間、大モーター11のシャフトは、大モーター11によってそのシャフトに及ぼされるトルクM11が、トルク設定点に大モーターの摩擦トルクを加算した合計にほぼ等しい、速度において安定する。
【0026】
(グラフ上で太線の)システムの反応トルクは、小モーターによって及ぼされたトルクM1に、粘性結合器によって及ぼされたトルクMviscを加算した合計である。粘性トルクが、トルク設定点(10mN・m)と小モーターの最大トルク(8mN・m)との間の差、すなわち2mN・mに到達するのにかかる時間の長さの間、始めを除いてステップ形態(step-form)の設定点に密接に追従することが分かる。
【0027】
図3Bは、値が10mN・mから0に下がるステップ形態のトルク設定点への装置の反応を示す。ステップ形態の設定点に密接に追従することが同様に見られうる。
【0028】
このため、本発明の装置によって、操作者が大モーターの慣性又は摩擦を感じることなく、ステップ形態のトルク設定点に非常に近い反応が可能となる。
【0029】
本発明の装置は極めて単純であり且つ修正に適する。例えば、結合器4の出力は、図示されるように小モーターのシャフトを介してではなく、直接、出力部材3に連結されることができ、当然のことながら、出力部材3はこの場合もなお小モーターの出力シャフトに連結される。
【0030】
さらに、ここに示される例では第1モーターユニット(小モーター)が単一のモーターを具備するが、当然のことながら、複数のモーターが互いに連結されうる。同様に、第2モーターユニット(大モーター)は、ここでは、対応する連結部材に関連付けられた単一のモーターを具備するが、複数のモーターを含むことができ、適切な場合、各々のモーターは個々の連結部材に関連付けられる。代替的に、第2モーターユニットを構成する複数のモーターは全て共通のギアに噛合することができ、共通のギアは単一の連結部材を介して出力部材に連結される。
【0031】
さらに、第2モーターに与えられる作動設定点M11は、トルク設定点Mspと概算の粘性トルクM’viscとの差から訂正器によってここでは生成されるが、任意の他の態様において生成されうる。例えば、回転速度を測定することによってここで得られた粘性トルクの概算値はエスティメータ(estimator)又はモーターユニットのモデルによって同様に良好に得られうる。作動設定点M11は、訂正器によってトルク設定点Mspを処理することによって又は第2モーターユニットにその作動設定点としてトルク設定点Mspを単に送ることによってトルク設定点Mspから直接生成されうる。
【0032】
図4は渦電流粘性結合器4の構成を部分的に断面図において示し、渦電流粘性結合器4は特に本発明の装置に適切である。渦電流粘性結合器4は、出力シャフト32のハブ31に螺合された金属(例えばアルミニウム)ディスク30を具備し、図1に見られうるように、出力シャフト32のハブ31は小モーター1のシャフト2に連結される。結合器は入力シャフト33を有し、図1において見られうるように、入力シャフト33は大モーター11のシャフト12に連結され且つディスク30を囲んでいるケージ(cage)34を保持する。シャフト32、33は回転軸受35によって共通の軸線上に保たれる。
【0033】
ケージ34は第1フランジ36を含み、第1フランジ36はクランプカラー37によって入力シャフト33上にクランプされる。第1フランジ36は、永久磁石38を受容する複数の径方向のノッチ(notch)を含み、全ての永久磁石38はシャフト32、33の回転の軸線に対して平行な分極方向を有するが、分極方向は一つのマグネットと次のマグネットとで互い違いである。第1フランジ36の一方の側において磁石38はディスク30に面し、他方の側において磁石38は環状の強磁性金属プレート40と接触し、環状の強磁性金属プレート40は、第1フランジ36によって保持され、且つ、近接するマグネット間の磁束線を閉じる。この周囲において、第1フランジ36は狭間胸壁(crenellation)を有し、狭間胸壁は周囲のベルト41の一方の側の横方向の凹部において係合される。周囲のベルト41の他方の側の同様の横方向の凹部は第2フランジ42の周囲の狭間胸壁と協働する。第2フランジ42は、永久磁石43を受容する、第1フランジ36と同数のノッチを含み、永久磁石43はシャフト32、33の回転の軸線に対して平行な分極方向を有するが、分極方向は一つのマグネットと次のマグネットとで互い違いである。第2フランジ42の一方の側において磁石43はディスク30に面し、他方の側において磁石43は環状の強磁性金属プレート45と接触し、環状の強磁性金属プレート45は、第2フランジ42によって保持され、且つ、近接するマグネット間の磁束線を閉じる。ここでは、フランジ36、42及び周囲ベルト41はプラスチック材料から生成される。
【0034】
二つのフランジ36、42によって保持されたマグネット38、43は、面する二つのマグネットが同一の分極方向を有するような態様において互いに面する。この態様において配置されたマグネットは、磁束線を有する、フランジ36とフランジ42との間における磁束を発生させ、磁束線はディスク30に対して垂直であり且つ一つのフランジと次のフランジとで交互に向けられる。斯かる結合器は、ディスク30の回転速度とケージ34の回転速度との間の差に比例した磁気トルクを作り出す。好ましくは、永久磁石38、43とディスク30との間の隙間は、損失を減少させるべく非常に小さい。
【0035】
粘性結合器4の他の構成も可能である。第1の変形はチューブ状形態であり、チューブ状形態では、金属ディスクが、径方向に分極した磁石を保持する二つのチューブ状フランジの間において回転するチューブによって置き換えられる。最後に、磁石は、示された交互配置の代わりに、任意の他の配置、例えばハルバッハ配列を構成する配置を有してもよい。
【0036】
水圧結合器(hydraulic coupler)のような他のタイプの粘性結合器が渦電流粘性結合器の代わりに使用されうる。
【0037】
本発明は様々な潜在用途を有する。触覚システムは、概して、人間と接触している任意の装置に及ぶ。リハビリテーション装具は、低い機械インピーダンスのアクチュエータから恩恵を受ける。この特性は、プログラムされうるインピーダンスの範囲を広くする。仮想現実及び遠隔操作の分野では、非常にトランスペアレントなシステムが設計されうる。
【0038】
器具類の分野では、広帯域幅に亘って、高い力を提供することができる、非常に少ない見掛けの質量を有する振動ダッシュポット(vibrating dashpot)が生成されうる。この態様では、構造が、測定された構造を乱すことなくランダムな広帯域幅の信号による励起を含む方法によって特定されうる。別の用途は、周囲振動からの荷重を分離するためのアクティブ・サスペンション(除振台、アクティブ浮上(active levitation))に関し、障害(interference)が広帯域に亘って拒まれる。
【0039】
輸送機関の分野におけるアクティブ・サスペンションだけでなくディスクブレーキカリパスの電気機械的な作動についても可能性がありうる。
【0040】
ロボット工学の分野では、(電子部品、食品製品、又は民生用機械装置を組み立てるための)制御された接触力を有する、高性能の(非常に速く且つ非常に軽い)組立システムが生成されうる。高速なシステム(研磨、エッチング、バリ取り)が生成されることができ、高速なシステムでは、処理の成功が、幾何学的不確実性(geometrical uncertainty)に関わらず、適用される力に依存する。
【0041】
医療装置の分野では、X線管(及び他の移動可能な陽電子(mobile positron)等の画像システム)について、高い荷重を支えるのに十分強力であるが正確であり振動がなく且つ(不測の又は他の理由による)人間との接触に適合する架台(gantry)が生成されうる。同様に、低相互作用の(low-interaction)装置が、鼓動する心臓のような、振動し且つ生きている生体臓器と永久に接触するために生成されうる。
【0042】
航空宇宙分野では、高性能のサーボ制御された照準システム(aiming system)(例えば、アンテナ、レーダー)が生成されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部材(3)上にトルクを発生させるための装置であって、
前記出力部材が連結されるシャフト(2)を有する、第1動力の少なくとも一つのモーター(1)を含む第1モーターユニットと、
結合手段(4)を介して前記出力部材に回転可能に連結されるシャフト(12)を有する、前記第1動力よりも高い第2動力の少なくとも一つのモーター(11)を含む第2モーターユニットと
を含む装置において、
前記結合手段(4)が粘性結合手段であり、当該装置がサーボ制御手段(50)を含み、該サーボ制御手段(50)は、トルク設定点(Msp)に応じて、前記粘性結合手段が、前記トルク設定点に適合する粘性トルク(Mvisc)を提供するように前記第2モーターユニット(11)に動力を与え、且つ、これと並行して、前記第1モーターユニット(1)が、前記粘性トルクが前記トルク設定点の値に到達するまで、該トルク設定点と前記粘性トルクとの間の付加トルクを生成するように前記第1モーターユニット(1)に動力を与えるべくプログラムされることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記サーボ制御手段が、前記トルク設定点(Msp)と、前記粘性結合器によって発生せしめられた前記トルクの概算値M’viscとの間の差(ε)から前記第1モーターユニット(1)についての作動設定点M1を生成するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1モーターユニットについての前記作動設定点が特定の最大値に制限される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記サーボ制御手段が、前記第2モーターユニット(11)について、前記トルク設定点(Msp)と、前記粘性結合器によって生成された前記トルクの概算値M’viscとの間の差(ε)であって、訂正器(23)によって処理される差(ε)から生成される作動設定点を発生させるようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記粘性結合器(4)が、前記結合手段の入力シャフトの速度と前記結合手段の出力シャフトの速度との間の差に比例したトルクを生成すべく渦電流を用いる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記粘性結合手段が、永久磁石(38、43)を保持する二つのフランジを有するケージ(34)を具備し、前記永久磁石(38、43)が、前記フランジ間において回転するように設置されたディスク(30)に対して垂直に延在する磁束線を有する磁束を前記フランジ間において画成すべく径方向に延在する、請求項5に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−520654(P2012−520654A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553424(P2011−553424)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052970
【国際公開番号】WO2010/102998
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(504317743)ユニベルシテ ピエール エ マリー キュリー(パリ シズエム) (18)
【出願人】(501089863)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) (173)
【Fターム(参考)】