説明

拡張可能な人工器官を展開中に制御するためのデバイスおよび方法

展開中の人工器官の位置の正確な制御を可能にする人工器官移送デバイスおよび方法が、提供される。人工器官移送デバイスは、複数の人工器官を担持し、選択可能な数の人工器官の移送のための展開機構を備えることができる。展開中の人工器官の軸方向と回転方向位置をいずれかまたは両方を制御する制御機構が、人工器官移送デバイス内に設けられている。このことは、正確かつ予測可能に目標部位での複数の人工器官の展開を可能にし、人工器官間の過度の間隔または重なりを除去する。特定の実施形態では、本発明の人工器官が、冠状または末梢動脈内またはその他の脈管位置内の狭窄した病変部位内で展開される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ステントは、血管内腔の開存性を維持するための血管内への埋込みのために設計された管状の人工器官である。ステントは、いくつかの例を挙げると、冠状動脈、大腿動脈、腸管動脈、腎動脈、頚動脈、代用血管、胆管、気管、尿道を含む、体全体にわたる様々な管内で使用される。ステントは、通常、コンパクトなつぶれた形状のステントを治療部位へ運び、その後ステントを血管内で展開させる、長い可撓性の移送カテーテルを用いて埋め込まれる。ある適用例では、バルーン拡張可能なステントが使用される。これらのステントは、ステンレス鋼またはコバルト・クロムなどの可鍛性の金属製であり、ステントを塑性変形させて血管壁に接触させるために移送カテーテルの先端でバルーンを用いて拡張される。他の適用例では、自己拡張型のステントが使用される。これらは、カテーテルを介した移送のためにコンパクトな形状につぶされ、かつカテーテルから展開されたときに自己拡張して血管と接触する弾性の材料製である。ステントを自己拡張させるために一般的に使用される材料は、ステンレス鋼や、ニッケル・チタニウム(Nitinol(商標))などの弾性または超弾性の合金である。
【0002】
自己拡張型のステントが様々な使用例で有望性を示しているが、このようなステントはいくつかの課題に直面する。このような課題の1つは、いくつかの場合、血管内の疾患が極めて広範囲であるため、極めて長い、例えば30〜200mmの長さのステントが必要とされることである。現在入手可能なステントは、通常長さ30mm未満であり、これよりも長く作製された場合、過度の剛性の影響を受ける。このような剛性は大腿動脈などの末梢血管で特に問題である。足ではその運動がこのような血管内に埋め込まれたステント内での高度の可撓性を必要とする。
【0003】
剛性の問題を克服するために、複数の短いステントを端と端をつないで展開するという概念が提案されている。しかし、この手法には、いくつかの欠点がある。第1に、現在入手可能な移送カテーテルは、カテーテル1本当たり1つのステントしか移送することが可能でない。複数のステントを配置するために、複数のカテーテルを挿入し、取外し、交換しなければならず、リスクを高め、処置時間を延長し、コストを上昇させ、過度の材料の無駄を生じさせる。それに加えて、複数のステントを端と端をつないで展開することは、ステントの配置とステント間の間隔を正確に制御することが不可能である。このことは、隣接するステントの重なりおよび/またはステント間の過度の間隔を結果として生じさせ、このことが、再狭窄、ステント配置後に血管が再狭窄することなどの合併症に至ると考えられている。自己拡張型のステントでは、ステントがカテーテルから解放されるとき、その弾性が、ステントを予測できない距離でカテーテルの先端から遠位に排出する、すなわち「ウォーターメロン・シード(watermelon seed)」する傾向があるため、問題は特に深刻である。このような展開の間、ステントは、移送カテーテルに対して軸方向だけでなく回転方向にも変位することになり、不正確、制御不可能かつ予測不可能なステントの配置を結果として生じさせることがある。
【0004】
参照によって本明細書に組み込まれる、2003年12月16日に提出された同時係属出願整理番号第10/738,666号に開示されているものなどの、交互配置式のステントまたはステント・セグメントは、従来型の移送システムにさらに大きな課題を与えている。交互配置式ステントは、隣接するステント上の同様の構造と交互配置する、ステントの各端部上に軸方向に延びる要素を有する。このような交互配置は、隣接するステント間の隙間を最小にし、十分な足場を確実にするために血管壁被覆領域を増加させ、血管壁からのプラークの突出を最小にする。しかし、このような交互配置は、金属の重なりとステント間の過度の隙間を回避するために、隣接するステントの相対的な回転と軸方向の位置決めが展開中に維持されることを必要とする。従来型の移送システムは、自己拡張型ステントが展開されるとき、それらの軸方向と回転方向の両方の位置を制御することが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の問題点を克服するステントとステント移送システムが必要とされる。特に、ステントとステント移送システムは、複数のカテーテルの使用を必要とすることなく、様々な長さの、長い脈管領域のステンティングを容易にするべきである。このようなステントとその移送システムはまた、長く、かつ可撓性の高いステントが必要とされる末梢血管やその他の領域での使用のために十分な可撓性を提供すべきである。また、ステントとステント移送システムは、カテーテルの交換を必要とすることなく単一のカテーテルを使用して、1つまたは複数の治療部位への様々な長さの複数のステントの移送を可能にすべきである。さらに、ステントとステント移送システムは、複数の自己拡張型ステントを、ほぼ一定の間隔でかつ重なることなく、血管内で端と端をつないで展開することを可能にするために、ステント配置とステント間距離の正確かつ再現可能な制御を容易にすべきである。また、ステントとその移送システムは、正確な交互配置式ステントまたはステント・セグメントの展開、および各ステントまたはセグメントの軸方向間隔と回転方向の両方の位置の制御を可能にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、単一の移送カテーテルを使用した複数の人工器官の正確かつ制御可能な移送を可能にする、人工器官、人工器官移送システム、人工器官展開の方法を提供する。本発明の人工器官、移送システム、移送方法は、人工器官間の間隔が、一定にかつ最適な距離で維持されるように、人工器官配置の正確な制御を可能にする。いくつかの実施態様では、移送カテーテルに対する人工器官の軸方向と回転方向の変位の両方が、展開中に制御され、重なることなく互いに交互配置された複数の人工器官の移送を可能にする。本発明の人工器官、人工器官移送システム、移送方法はさらに、人工器官の長さが、治療される予定の部位の長さに適合するようにその場でカスタマイズさせることができる。本発明は、自己拡張型の人工器官の移送のために特に有用であるが、バルーン拡張可能な人工器官もまた、本発明の範囲内で企図されている。本発明は、冠状動脈へ、および膝窩動脈、大腿動脈、脛骨動脈、腸管動脈、腎動脈、頚動脈などの末梢血管へのステントの移送によく適している。本発明は、さらに、胆管、神経、泌尿器、生殖器、腸、肺などの他の管への人工器官の移送、さらには、人工器官の展開の正確な制御が望まれる至る所の、様々な解剖学的領域への他のタイプの人工器官の移送のためにも有用である。
【0007】
本発明の第1の態様によると、人工器官移送カテーテルは、第1の内腔を有する外側シャフトと、第1の内腔内に担持され、第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するように構成された複数の自己拡張型の管状の人工器官と、第1の内腔から選択された数の人工器官を展開させるための展開機構と、人工器官が第1の内腔から展開されるとき人工器官の拡張を制御するために人工器官と相互作用する制御部材とを備える。
【0008】
制御部材が複数の軸方向に延びるワイヤを備え、人工器官が、ワイヤと結合され、かつその上で軸方向にスライド自在であり、ワイヤが、人工器官の制御された拡張を可能にするために半径方向に偏位可能である。ワイヤが、人工器官が拡張するとき半径方向外向きに移動するように構成された自由な遠端部を有している。ワイヤの遠端部は、選択された数の人工器官の展開の後で外側シャフト内へ引込み可能である。人工器官が、複数の開口を備える側壁を有し、ワイヤがその開口を通って編成(編むまたは縫うように係合)されてもよい。ワイヤが、人工器官の外側面の周囲に、および人工器官の内側面を通って延びるループを形成し、人工器官展開の後で人工器官の周囲からワイヤを引き出されることができる。このような場合、各ワイヤの少なくとも1つの端部が、人工器官展開の後でワイヤを引き出することができるように解放可能である。
【0009】
移送カテーテルは、第1の内腔内に配置された内側シャフトをさらに備え、人工器官が、内側シャフトの周囲のスライド自在に配置され、各ワイヤの遠端部が内側シャフトと解放可能に結合されるようにしてもよい。ノーズ・コーンが、人工器官の遠位の内側シャフトに取り付けられ、各ワイヤの遠端部が、ノーズ・コーンと解放可能に結合される。内側シャフトもまた、内側内腔と、内側内腔と連絡している少なくとも1つのポートとを有し、制御ワイヤが、内側内腔およびポートを通ってスライド自在に配置される。
【0010】
また、制御部材が人工器官の周囲に配置されたスリーブを備え、スリーブが人工器官の制御された拡張を可能にするために拡張可能であってもよい。スリーブは、エラストマー、拡張可能なメッシュまたは織物材料、またはその他の拡張可能な構造である。拡張されたとき、スリーブが、遠位の方向に広がるコーン形状を形成する。スリーブが、外側シャフトに対してスライド自在であってよい。スリーブが、少なくとも1つの長手方向スリットをその中に有し、それによってスリーブが、長手方向スリットで分割することによって拡張できるようにしてもよい。スリーブが、長手方向スリットに隣接する一対の対向する縁部を有し、縁部を互いに対してある角度で移動させることによってコーン形状が形成されてもよい。スリーブがまた、長手方向スリットによって分離された複数の長手方向部または梁を備え、長手方向部を、人工器官の制御された拡張を可能にするために外向きに偏位可能としてもよい。リテーナが、その半径方向の偏位を選択的に防止するために長手方向部に解放可能に結合されてもよい。リテーナは、第1の内腔を通ってスライド自在に配置された内側シャフトと結合されたカプセルを備え、長手方向部がカプセル内に受けらる。
【0011】
移送カテーテルの展開機構が、第1の内腔内にスライド自在に配置されたプッシング要素を備えてもよく、そのプッシング要素は、人工器官を外側シャフトに対して遠位方向に進行させるために人工器官の少なくとも1つと係合する。好ましい実施態様では、人工器官が自己拡張型であり、ステンレス鋼、Nitinolまたは適切なポリマーなどの弾性材料または形状記憶材料製である。このような自己拡張型の人工器官は、外側シャフト内でそれから展開されるまで非拡張状態に保持され、それらは、血管壁または病変部位と接触する拡張形状に弾性的に拡張する。本発明の移送システムはまた、バルーン拡張可能な人工器官でも有用である。いずれの場合でも、拡張可能なバルーン、バルブ部材、その他の機構が、ステント展開を容易にするために移送カテーテル内に備えられてもよい。
【0012】
本発明の別の態様では、複数の人工器官が互いに解放可能に相互接続される。この場合、制御部材はプッシング要素上に相互接続構造を備え、相互接続構造が、人工器官の外側シャフトに対する遠位方向運動に抵抗するために、人工器官の少なくとも1つと解放可能に結合される。
【0013】
展開中、ステントの移送カテーテルおよび/または互いに対する軸方向位置を制御することに加えて、移送カテーテルの制御部材は、人工器官の互いに対する回転方向位置を維持するように構成されているのが好まし。このことは、軸方向に交互配置している要素を有するステントの移送を容易にし、このような要素間の過度の間隔または重なりを防止する。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、血管内腔内に人工器官を移送するための人工器官移送カテーテルは、第1の内腔を有する外側シャフトと、第1の内腔内に担持され、第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するように構成された複数の自己拡張型の管状の人工器官と、第1の内腔から選択された数の人工器官を展開させるための展開機構と、人工器官が展開されているときに外側シャフトの血管に対する運動を制限するために血管と係合するように構成された固定部材とを備える。一実施態様では、固定部材は、内側シャフトに装着された拡張可能な部材を備え、内側シャフトが第1の内腔内にスライド自在に配置されている。拡張可能な部材は、好ましくはバルーンを備える。拡張可能な部材は、血管内腔内で展開された人工器官内で拡張するように構成されてもよい。拡張可能な部材は、好ましくは、第2の人工器官が展開された人工器官に隣接して展開される間、展開された人工器官内で拡張したままであるように構成されている。このことは、展開された人工器官と移送カテーテルの間の相対的な位置を維持し、このようして、第2の人工器官が、展開された人工器官から予測可能な距離で展開される。
【0015】
本発明の別の態様では、血管内腔内に人工器官を移送するための人工器官移送カテーテルは、第1の内腔を有する外側シャフトを備え、さらに、第1の内腔内に担持され、第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するように構成され、各人工器官が、遠位部分が拡張して血管と係合するように構成される一方、近位部分が第1の内腔内に少なくとも部分的に配置される遠位部分と近位部分を有する複数の自己拡張型の管状の人工器官と、第1の内腔から選択された数の人工器官を展開させるための展開機構とを備える。好ましくは、遠位部分は、近位部分が展開されるとき、人工器官がカテーテルに対してほぼ一定の位置に留まるように、近位部分の展開の前に血管と係合するように構成されている。
【0016】
一実施態様では、人工器官の遠位と近位部分が、少なくとも1つのばね部材によって相互接続され、ばね部材が、引込み形状と伸長形状を有し、引込み形状に偏倚されており、遠位部分の血管内への展開が、ばねを伸長形状へ伸長させる。このような場合、近位部分の血管内への展開が、近位部分を遠位部分に向かって引き出すために、ばねが引込み形状に少なくとも部分的に戻ることを可能にする。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、複数の自己拡張型人工器官を担持している移送カテーテルを治療部位に配置するステップと、展開するために所望の数の人工器官を選択するステップと、展開させると各人工器官が拡張して血管と接触するように、移送カテーテルから血管内へ所望の数の人工器官を展開させるステップと、選択された数の人工器官のそれぞれの、その展開中の移送カテーテルに対する軸方向変位を制御するステップとを含む1つまたは複数の人工器官を血管内の治療部位に移送する方法を提供する。
【0018】
一実施態様では、軸方向変位が、所望の数の人工器官の周囲に配置された拡張可能なスリーブによって制御される。この方法は、人工器官が展開された後、人工器官の周囲からスリーブを引き込むステップをさらに含んでもよい。軸方向変位はまた、所望の数の人工器官と結合された複数のワイヤによって制御されてもよい。ワイヤが、人工器官のそれぞれの中の開口を通って編成され、かつ人工器官が展開された後、人工器官から引き込まれてもよい。
【0019】
この方法は、選択された数の人工器官の展開中、その移送カテーテルおよび/または互いに対する回転方向変位を制御するステップをさらに含んでもよい。
【0020】
人工器官の軸方向変位は、所望の数の人工器官の少なくとも一部分の展開中、血管内で拡張可能な部材を拡張させることによって制御されてもよい。別法として、軸方向変位が、まず人工器官の第1のものの遠位部分を拡張させて血管と係合させる一方、人工器官の第1のものの近位部分を移送チューブ内に残し、次に人工器官の第1のものの近位部分を拡張させて血管と係合させることによって制御されてもよい。
【0021】
さらなる代替形態として、人工器官が、移送カテーテル内にある間解放可能に相互接続され、軸方向変位が、人工器官の少なくとも1つを移送カテーテルの拘束部材と接続することによって制御されてもよい。この場合、選択された数の人工器官が、展開の際に移送カテーテルに残っている人工器官から脱着する。
【0022】
本発明のさらなる態様では、人工器官移送カテーテルが、第1の内腔を形成する外側シャフトと、第1の内腔内に担持された複数の自己拡張型の管状の人工器官と、人工器官が第1の内腔から展開されるとき、人工器官の拡張を制御するために人工器官と相互作用する可動コイル部材とを備える。この人工器官は、第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するよう一般に構成される。
【0023】
いくつかの実施態様では、コイル部材が、コイル部材を回転させることによって展開された人工器官から取外し可能である。いくつかの実施態様では、人工器官が、複数の開口を備える側壁を有し、コイル部材が、開口を通って編成されてもよい。別法として、人工器官が複数の支柱を備え、支柱の少なくとも1つが内向きに曲げられ、コイル部材が内向きに曲げられた支柱を通って編成されてもよい。任意選択で、コイル部材が、人工器官の制御された拡張を可能にするために半径方向に拡張可能である。いくつかの実施態様では、コイル部材の遠位部分が、選択された数の人工器官の展開の後で外側シャフト内へ引込み可能である。いくつかの実施態様では、人工器官がコイル部材内に配置されている。
【0024】
様々な実施態様では、コイル部材が、つるまき線を形成する複数のループを備えてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、2つから6つの間のループが、各人工器官内に配置されている。他の実施態様では、7つ以上のループが各人工器官内に配置されている。いくつかの実施態様では、コイル部材は、連続的なチューブを形成するために互いに接触する複数のループを備える。
【0025】
任意選択で、移送カテーテルは、第1の内腔から選択された数の人工器官を展開させるための展開機構を備えてもよい。いくつかの実施態様では、例えば、展開機構が第1の内腔内にスライド自在に配置されたプッシング要素を備え、プッシング要素が、人工器官を外側シャフトに対して遠位方向に進行させるために人工器官の少なくとも1つと係合している。任意選択で、隣接する人工器官の隣接する端部が、人工器官の互いに対する回転に抵抗するために交互配置されてもよい。ある実施態様では、プッシング要素の遠端部が、人工器官の回転に抵抗するために最も近位の人工器官の近端部と交互配置される。これらおよびその他の実施態様では、コイル部材は、任意選択で、人工器官の互いに対する回転方向位置を維持するように構成されてもよい。
【0026】
本発明の別の態様によると、人工器官を血管内腔内へ移送するための人工器官移送カテーテルは、第1の内腔を形成する外側シャフトと、第1の内腔内にスライド自在に配置された内側シャフトと、外側シャフトの遠端部と結合された第1の端部および内側シャフトの遠端部と結合された第2の端部を有する外転可能なチューブと、外転可能なチューブ内に担持された複数の自己拡張型の管状の人工器官とを備える。また、人工器官は、外転可能なチューブからの展開の際に、半径方向に拡張するよう一般に構成されている。外側シャフトを内側シャフトに対して近位方向に移動させることが、人工器官の1つまたは複数を展開させるように外転可能なチューブの遠位部分を外転させる。
【0027】
いくつかの実施態様では、内側シャフトの内部表面が、人工器官を内部表面に対して解放可能に保持するための少なくとも1つの粘着性の要素を備える。例えば、一実施態様では、粘着性の要素が粘着性の表面被覆を備える。別法として、粘着性の要素が、その中に人工器官が取外し可能に埋め込まれる軟化可能な材料を備えてもよい。他の実施態様では、粘着性の要素が、人工器官内の開口を通って延びるように配置された複数の内側に面した突起を備える。このような突起は、これらには限定されないが、マッシュルーム状、L字型、T字型、ホック状、円形、スパイク状、ピラミッド状、棘状、矢印状、直線状などの様々な実施態様の複数の形状のいずれかを有してもよい。さらに他の実施態様では、粘着性の要素が、これらには限定されないが、隆起、剛毛、棘、隆起リブ、波、溝、ピット、チャネル、戻り止め、ランダムな表面不規則性などの構造を備えてもよい。
【0028】
本発明の別の態様では、1つまたは複数の人工器官を血管内の治療部位に移送する方法は、複数の自己拡張型人工器官を担持している移送カテーテルを治療部位に配置するステップと、展開するために所望の数の人工器官を選択するステップと、移送カテーテルから血管内へ所望の数の人工器官を、それぞれが拡張して血管と接触するように展開させるステップと、選択された数の人工器官のそれぞれの、その展開中の移送カテーテルに対する軸方向変位を、人工器官と結合された拡張可能なコイル部材によって制御するステップと、拡張可能なコイル部材を展開された人工器官から取り外すステップとを含む。
【0029】
いくつかの実施態様では、コイル部材を取り外すステップが、コイル部材を回転させるステップを含む。例えば、コイル部材は、コイル部材を回転させるステップが、コイル部材を1つまたは複数の人工器官から編成解除するように、人工器官を通ってらせん状に編成されてもよい。いくつかの実施態様では、この方法はまた、選択された数の人工器官の展開中、その移送カテーテルに対する回転方向変位を制御するステップを含む。一実施態様では、例えば、回転方向変位が、隣接する人工器官の隣接する端部を交互配置し、かつ最も近位の人工器官の近端部をカテーテル・デバイスの一部分と交互配置することによって制御される。いくつかの実施態様では、コイル部材の遠位部分が、選択された数の人工器官とともに拡張する。
【0030】
本発明のさらに別の態様では、1つまたは複数の人工器官を血管内の治療部位に移送する方法は、外転可能なチューブ内で複数の自己拡張型人工器官を担持している移送カテーテルを治療部位に配置するステップと、展開するために所望の数の人工器官を選択するステップと、展開させると各人工器官が拡張して血管と接触するように、所望の数の人工器官を移送カテーテルから血管内へ展開させるように外転可能なチューブの遠位部分を外転させるステップとを含む。いくつかの実施態様では、外転可能なチューブの遠位部分が、カテーテル・デバイスの外側シャフトをカテーテル・デバイスの内側シャフトに対してスライドさせることによって外転させられる。例えば、いくつかの実施態様では、外側シャフトの遠端部が、外側シャフトの内側シャフトに対する近位方向へのスライドが、外転可能なチューブの遠端部を、外向きに曲げて折るように、外転可能なチューブの遠端部と結合されている。
【0031】
任意選択で、本方法は、選択された数の人工器官のそれぞれの、その展開中の移送カテーテルに対する軸方向変位を、人工器官を外転可能なチューブの粘着性の内部表面と接触させることによって制御するステップをさらに含んでもよい。一実施態様では、例えば、粘着性の表面が、外転可能なチューブの遠端部が人工器官から剥離されるまで人工器官との係合を維持する。いくつかの実施態様では、粘着性の表面が、摩擦を誘発する被覆または摩擦を誘発する表面形態を備える。いくつかの実施態様では、粘着性の表面を人工器官と接触させるステップが、内部表面上の1つまたは複数の保持構造を人工器官と解放可能に結合するステップを含む。別法として、粘着性の表面を人工器官と接触させるステップが、人工器官を粘着性の内部表面上の変形可能な材料内に埋め込むステップを含んでもよい。
【0032】
本発明のさらなる態様では、人工器官移送カテーテルは、遠端部と第1の内腔を有する外側シャフトと、第1の内腔内に担持され、第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するように構成された複数の自己拡張型の管状の人工器官と、外側シャフトの遠端部から遠位方向に延び、人工器官の1つまたは複数を受けるために第1の内腔と連絡している内部空間を形成する制御部材とを備える。制御部材は、人工器官の1つによって係合されていないときに偏位されない形状を有し、その拡張中人工器官によって係合されるとき、半径方向外向きに偏位するように構成されている。制御部材はまた、人工器官が内部空間から取り外されるときに偏位されない形状に弾性的に戻るように構成されている。一実施態様では、制御部材が一般に、カテーテルのノーズ・コーンまたはノーズ・ピース上の開口内で受けられる自由な遠端部を有する複数の偏位可能な歯を備える。任意選択で、制御部材が、歯の間に複数のウェブをさらに備えてもよい。代替となる実施態様では、制御部材が、拡張可能な管状構造を備えてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の性質および利点のさらなる態様が、図面に関連して行われる本発明の様々な実施態様についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0034】
図1を参照すると、本発明による人工器官移送カテーテルの第1の実施形態が示されている。移送カテーテル20は、参照によって本明細書に組み込まれる、2003年8月8日に提出された同時係属出願整理番号第10/637,713号(代理人整理番号第21629−000340)に記載されているものを含む、様々な構造のいずれかを有してもよい。移送カテーテル20は、ハンドル・アセンブリ21と、互いに対してすべて軸方向にスライド自在な3つの同心状の管状シャフト、すなわち、外側シャフト24、プッシャ26、内側シャフト28を備える細長いカテーテル本体22とを有する。プッシャ26は、プッシャ・リング29がそれに固定されている遠位延長部27を有する。カテーテル本体22の遠位領域では、ガイドワイヤ・チューブ30が、外側シャフト24内のポート32を通り、プッシャ・リング29を通ってスライド自在に延びており、遠端部34を有し、この遠端部にノーズ・コーン36と止め部材38が装着されている。
【0035】
移送カテーテル20は、1つまたは複数のステント拡張制御部材をさらに備え、この部材は、図示した実施形態では複数の制御ワイヤ40を備える。好ましくは、1つまたは複数対の制御ワイヤ40が、移送カテーテル20の両側に装着されている、例えば、4本の制御ワイヤ40が互いに90°偏位している。制御ワイヤ40は、その近端部42で内側シャフト28に固定され、自由な遠端部44を有する。
【0036】
外側シャフト24は、第1の内腔48を区画する遠位終端部46を有する。複数のステント50が、第1の内腔48内につぶれた形状で配置されている。ステント50は、好ましくは、第1の内腔48から展開されたとき、つぶれた形状から半径方向に拡張した形状まで自己拡張するように、ステンレス鋼またはNitinolなどの弾性材料から成る。図示のようなステント50は、複数の相互接続された円周部材内で波様または波状のパターンを有するが、図示されたパターンは単に例示に過ぎず、本発明のステントは、様々な支柱形状、パターン、幾何形状のいずれを有してもよい。2から10本またはそれ以上のステントが、外側シャフト24によって担持される。任意選択で、バルブ部材49が、参照によって本明細書に組み込まれる、2003年4月10日に提出された同時係属出願整理番号第10/412,714号に記載のように、展開される予定のこれらのステント50を、外側シャフト24内に留まるべきものから分離することを容易にするために、第1の内腔48内に装着される。
【0037】
制御ワイヤ40が、ステント50の外側面に沿ってまたはステント50の内部空間を通って走り、ステント50の壁内の開口を通って編成される、またはそうでない場合、以下でより詳細に説明されるように、ステントの展開を制御するためにステント50と結合される。制御ワイヤ40は、ステンレス鋼、Nitinol、または適切なポリマーなどの弾性材料から成り、好ましくはほぼ真直ぐであり、ガイドワイヤ・チューブ32に接して内向きに、または軸方向に対してほぼ平行な位置まで偏倚される。図1では、外側シャフト24が、以下でより詳細に説明するように、部分的に拡張され、制御ワイヤ40と結合されたままである、すなわち制御ワイヤによって保持されている複数のステント50を露出させるために引き込まれている。
【0038】
ハンドル・アセンブリ21は、シャフト・ハウジング53と結合された回転自在な引込みノブ52を有し、そのノブに外側シャフト24が固定されている。引込みノブ52を回転させることによって、外側シャフト24が、プッシャ26と内側シャフト28に対して近位方向に引き込まれるようにしてもよい。プル・リング54が、内側シャフト28と結合され、内側シャフト28、およびしたがって制御ワイヤ40が、外側シャフト24に対して近位方向に引き込まれることを可能にする。スイッチ56が、外側シャフト24が引き込まれたときプッシャ26が、外側シャフト24とともに運動するか静止したままであるかのいずれかであるように、プッシャ26を外側シャフト28と係合させたり係合解除させる。シャフト・ハウジング53上の印58が、距離、ステントの数またはその他の適切な測定値によって外側シャフト28の引込みの程度を示す。ハンドルアセンブリ21の他の態様が、参照によって本明細書に組み込まれる、2003年12月23日に提出された同時係属出願整理番号第10/746466号(代理人整理番号第21629−002200)に記載されている。別段の記載がなければ、以下で説明されるステント移送カテーテルの実施形態はいずれも、その特徴を組み込む、またはそうでない場合、ここで説明したように構成されることができる。
【0039】
図2A〜2Bは、本発明のさらなる実施形態での本発明によるステント移送カテーテル60の遠位の終端部を示している。この実施形態では、ステント62は、それを通って複数の制御ワイヤ66が編成される、一連のダイヤモンド状の開口64をその壁の中に有する。ステント62は、その遠端部および近端部に、軸方向に延びる複数のV字型の点63を有する。これらの点63は、隣接するステント62上の点63と交互配置または入れ子になるように構成され、好ましくは、つぶれた形状と拡張した形状の両方である。様々な適切な交互配置式ステント幾何形状が、参照によって本明細書に組み込まれる、2003年12月16日に提出された同時係属出願整理番号第10/736,666号に記載されている。この交互配置を維持するために、展開前と展開中の両方で、隣接するステント62の相対的な回転方向および軸方向位置を維持することが重要である。各ステント内の開口64を通って延びることによって、制御ワイヤ66が、隣接するステント62を、それらがカテーテルを通って前方へ進行するときおよび展開中に、回転方向に位置合わせして保持する。好ましくは、各制御ワイヤ66が、各ステント62内の少なくとも2つの開口64を通って編成され、一方の開口64aは各ステント62の遠端部の近くにあり、他方の開口64bは各ステント62の近端部の近くにある。別法として、制御ワイヤ66は、各ステント62上の単一の開口64のみを通って、または3つ以上の開口64を通って編成されるようにしてもよい。しかし、好ましくは、制御ワイヤ66は、以下で説明するように、ステント64の遠端部と近端部が、解放されたときにほぼ一様な速度で拡張するように編成されることである。
【0040】
制御ワイヤ66は、ステント62の拡張に対して制御された抵抗を与えるように十分な剛性を有する弾性かつ可撓性の金属またはポリマーで製造される。この剛性は、「ウォーターメロン・シード」が回避され、ステント間の間隔が維持され、かつ十分なステント拡張が生じるように、ステント62の所望の拡張挙動を可能にするために選択される。制御ワイヤ66は、ステントの拡張を制御し、間隔と回転方向位置を維持し、かつステント62からの妨害のない引出しを容易にするために、様々な断面幾何形状を有してもよく、平面状のリボンまたは刃、円形または楕円形のワイヤ、I型梁、またはその他の適切な構造としてもよい。制御ワイヤ66は、ステント62からの取外し中の摩擦を減少させるために、PTFEなどの潤滑材料で構成されるようにしてもよく、またはそれで被覆されるようにしてもよい。他の実施形態では、制御ワイヤ66は、ステント62との摩擦を増加させるために、表面形態を有してもよく、巻き線を巻きつけられるようにしてもよい、または「粘着性の」材料で被覆されるようにしてもよい。一方向の摩擦効果を有するスケールなどの被覆または表面構造もまた、制御ワイヤ66に付加されるようにしてもよい。
【0041】
さらなる代替形態として、制御ワイヤ66は、それらの堅固さまたは剛性を変化させるために空気圧または油圧で制御可能である可撓性の中空チューブを備えるようにしてもよい。例えば、制御ワイヤ66は、半径方向に収縮または平板化し、流体を排出されたとき極めて可撓性であるが、生理食塩水、空気またはその他の液体または気体などの圧縮流体で満たされたとき、より剛性になるポリマー製のチューブとしてもよい。このような実施形態では、制御ワイヤ66は、移送カテーテルの近端部でポンプ、注射器、またはその他の流体移送機構と流体的に接続されている。このようにして、制御ワイヤ66が、ステント62が展開されるとき剛性を増加させるために圧縮され、その後、展開されたステントからの引出し中、その形状と剛性を小さくするために流体を抜くようにしてもよい。
【0042】
ステント62が、内側シャフト68を覆ってスライド自在に配置され、内側シャフトにデバイスの遠端部でノーズ・コーン70が取り付けられている。外側シャフト72が、図2Aに示すように、内側シャフト68を覆ってスライド自在に配置され、ステント62を包囲し、ステントをつぶれた形状に維持する。プッシャ・シャフト74が、内側シャフト68を覆ってスライド自在に配置され、最も近位のステント62の近端部と係合するような形状にされている。外側シャフト72は、図2Bに示すように所望の数のステント62を露出させるために内側シャフト68に対して引込み可能である。外側シャフト72が引き込まれたとき、露出されたステント62が、大直径の拡張形状に自己拡張して、血管V内の病変部位Lと係合する。好ましくは、少なくとも最も遠位のステント62の遠端部、およびより好ましくは、展開中のすべてのステント62のかなりの部分が、制御ワイヤ66が開口64を通って編成されたままで、拡張して病変部位Lと係合することが可能である。次に、制御ワイヤ66が、好ましくは保持カテーテル60を定位置に保持することによって、および、図1を参照して上記で説明されたような適切な機構を使用して制御ワイヤ66を近位に引張ることによって、開口62から引き出される。別法として、制御ワイヤ66を開口62から引き出すために、カテーテル60全体がステント62に対して近位に引き込まれるようにしてもよい。ステント62の少なくとも一部分が病変部位Lと係合しているため、制御ワイヤ66が引き出されるとき、ステント62が血管内で定位置に保持される。
【0043】
任意選択で、内側シャフト68は、病変部位の前拡張または後拡張を可能にするために、その遠端部の近くでそれに装着されたバルーン76を有するようにしてもよい。この実施形態では、内側シャフト68が、それを通って拡張流体がバルーン76に移送される拡張内腔を有する。バルーン76は、好ましくは、カテーテル60を使用して治療される最長の病変部位と同じ長さである。ステント展開前に病変部位Lを拡張させるために、または展開後にステント62をさらに拡張させるために、外側シャフト72とその中に残っているステント62の外側シャフトが、所望の長さのバルーン76を露出させるために内側シャフト68に対して引き込まれる。次に、バルーン76の露出された部分が、病変部位Lおよび/または展開されたステント62内で拡張されるようにしてもよい。
【0044】
展開およびいずれかの後拡張に続いて、内側シャフト68が、プッシャ・シャフト74に対する圧力を維持しながら、外側シャフト72内へ引き込まれる。このことが、ステント62を制御ワイヤ66に沿って遠位方向へスライドさせ、ステント62を、展開の準備をするように内側シャフト68の遠端部に再配置する。その後、カテーテル60が、追加のステント62の展開のために別の脈管位置に再配置される。
【0045】
制御ワイヤ66は、様々な方式でステント62と結合されてもよく、これらの方式のいくつかはステント62の形状に依存する。例えば、図3A〜Bに示すように、各ステント62の端部の点63が、開口64’の一部分が軸方向に向けられるように内向きに曲げられる。次に、制御ワイヤ66が、これらの軸方向に向けられた開口64’を通って編成される。好ましくは、展開の際、点63は、軸方向に対してより平行になり、それによってステントを通る滑らかな開いた流路を提供するように、ステントの拡張とともに変形するように構成されている。
【0046】
図3Cに示す別の実施形態では、ステント80は、制御ワイヤ84が通って編成させられる、軸方向に位置合わせされた鳩目孔82を有する。これらの鳩目孔82は、図3Cに示すようにステント80の内部にあるようにするか、またはこのような鳩目孔が、ステント82の外部表面上にあるようにし、またはステント82の支柱の1つまたは複数を通って穿孔されるようにしてもよい。ステントの内部、外部または端部表面に配置された、または支柱自体を通って、フック、チャネル、孔、スリーブなどを含む他の様々な構造が、本発明のステントを制御ワイヤと結合させるために使用されてもよい。このような構造は、ステント支柱と一体であっても、同じ材料製であってもよく、ステント支柱に取り付けられても、同じまたは異なる材料製であるようにしてもよい、または、展開後、腐食し、最終的に体内に吸収される生体分解性の材料であるようにしてもよい。
【0047】
ここで図4A〜4Bを参照すると、さらなる実施形態では、ステント移送カテーテル90が、内側シャフト64を覆ってスライド自在に配置された外側シャフト92と、外側シャフト92内でつぶれた形状の少なくとも1つのステント96(図4Aに概略で示されている)を有する。複数の制御ワイヤ97が、内側シャフト94の外側の外側終端部98と、内側シャフト94内の1つまたは複数の内腔102および遠位のポート103を通って延びる内側終端部100とを有する。外側部分98と内側部分100の両方が、移送カテーテル90の近端部へ近位方向に延びている。外側終端部98は、ステント96の壁内の開口を通って編成されている、または、そうでない場合、展開の際ステント96の拡張に抵抗するように上記で説明したようにステントと結合されている。このようにして、制御ワイヤ97が、ステント移送カテーテル90の近端部からステント96を通りカテーテル90の近端部へ戻る、連続的なループを形成する。
【0048】
図4Bは、血管V内に配置され、複数のステント96’を担持している移送カテーテル90の本実施形態を示している。ステント96’は、ステント96’が外側シャフト92内でつぶされたとき、および血管V内で展開されたときに交互配置されるように構成された、軸方向の突起104をその遠端部と近端部に有する。1つまたは複数のステント96’を露出させるために外側シャフト92が引き込まれるとき、制御ワイヤ97上の引張力を維持することによってステント96’の拡張が抵抗され、制御されるようにしてもよい。引張力は、図4Bに示すように、ステント96’が拡張して病変部位Lと接触させるために、制御可能に解放されるようにしてもよい。拡張をこのようにして制御することによって、隙間と重なりが最小化され、軸方向の突起104の交互配置が維持されるように、隣接するステント96’の軸方向の間隔と回転方向の位置が維持される。ステント96’が完全に拡張したとき、各制御ワイヤ97の一方の端部が移送カテーテル90の近端部で解放され、その一方で、他方の端部が、制御ワイヤをステント96’から引き込むために引張られるようにしてもよい。
【0049】
図5A〜5Bに概略で示されているさらなる実施形態では、移送カテーテル108は、制御ワイヤ110が、内側シャフト112の遠端部とまたはノーズ・コーン114と解放可能に結合されることを除いて、上記で説明したように構成されている。例示的な実施形態では、制御ワイヤ110は、ノーズ・コーン114の外部表面上(図5A)、またはノーズ・コーン114の近位の面上(図5B、わかりやすくするために外側シャフトが示されていない)でスロット118内で受けられるように構成されたボール116をその遠端部に有する。スロット118は、ボール116を受けるのに十分なサイズの幅広部分120と、ボール116がそれを通ることができない幅狭部分122とを有する。内側シャフト112は、制御ワイヤ110に対して軸方向に回転自在である。ボール116がスロット118内で保持される図4A〜Bの実施形態でのように、ステント124の拡張に抵抗するために、引張力が制御ワイヤ110上に維持されるようにしてもよい。ステント124は、制御ワイヤ110上の徐々に解放する引張力によって拡張できるようにしてもよい。いったんステント124が完全に拡張されると、制御ワイヤ110上の引張力が完全に解放され、そのとき、内側シャフト112を回転させるためにノーズ・コーン114が回転し、それによってボール116が幅広部分120を通過させることができる。次に、制御ワイヤ110が、展開されたステント124から引き出されるようにしてもよい。その後、ノーズ・コーン114が引き出される、またはボール116をスロット118内へ再挿入するために制御ワイヤ110が進行される。次に、ボール116を幅狭部分122と位置合わせし、制御ワイヤをノーズ・コーン114に再び固定するために、ノーズ・コーン114が回転される。次に移送カテーテル108が、追加のステントを展開させるために再配置されるようにしてもよい。
【0050】
任意選択で、移送カテーテル108が、図5Aに示すように、ステント124がそれを覆って配置される中間シャフトまたはバルーン126を備えるようにしてもよい。この場合、内側シャフト112が、中間シャフトまたはバルーン126を通って内側内腔にスライド自在かつ回転自在に配置される。バルーンが備えられる場合、ステント展開前の病変部位の前拡張のために、または展開の後でのステント124のさらなる拡張のために使用される。
【0051】
前に述べた実施形態では、制御ワイヤ110が、ノーズ・コーン114が制御ワイヤ110を解放するために回転されるとき、回転、ねじりまたは曲げに抵抗するのに十分な剛性を有するように構成されることになる。ノーズ・コーン114が回転するときに制御ワイヤ110上でいくらかの引張力を維持することは、解放プロセスを容易にすることができる。また、制御ワイヤ110は、ステント124の展開の後でのスロット118内への再挿入を容易にするために十分な円柱強度を有することになる。このようにして、制御ワイヤ110のサイズ、材料、幾何形状が、ステント拡張の所望のレベルの制御を提供しながら、これらの動作を可能にするように選択されることになる。
【0052】
本発明によるステント移送カテーテルのさらなる実施形態では、拡張可能なスリーブ130が、外側シャフト132内にスライド自在に配置され、図6A〜Cに示すようにステント134を担持する。プッシャ・シャフト136は、スリーブ130内でスライド自在であり、最近位のステント134と係合する。内側シャフト138が、プッシャ・シャフト136を通って延びており、その遠端部に固定されたノーズ・コーン140を有する。スリーブ130、または少なくともその遠位の終端部が、ウレタンまたはその他の医療用エラストマーなどの弾性変形可能な材料で構成されたチューブであるようにしてもよい、または、管状のメッシュ、ケージ、格子、または可撓性かつ弾力性のポリマーまたはステンレス鋼またはNitinolなどの金属のその他の適切な構造であってよい。スリーブ130の弾性と剛性は、ステント134が、外側シャフト132から展開されたとき、互いに対する、または外側シャフト132に対する過度の軸方向または回転方向の変位なしで、所望の速度で拡張することを可能にするように選択される。スリーブ130は、ステント展開の後で、スリーブ130がほぼ管状の形状の戻るように、非拡張形状に弾性的に偏倚される。外側シャフト132は、ステント134とスリーブ130の拡張に抵抗するのに十分な半径方向の強度および剛性を有する材料で構成されており、このような目的のために、その遠端部の近くに金属製またはポリマー製のブレード、リブ、リングまたはその他の構造補強材を備えるようにしてもよい。
【0053】
スリーブ130の内部表面は任意選択で、ステント134との摩擦を強化するために、隆起、スケール、剛毛、リブまたは粗面など表面形態を有するようにしてもよい。これらの形態は、遠位方向の運動に対して近位方向の運動よりも大きな摩擦を提供する、またはその逆であるように木目を有するように構成されるようにしてもよい。さらに、このような形態は、スリーブ130が非拡張形状にあるとき、ステント134によって拡張されるときよりも大きな摩擦を提供するように構成されるようにしてもよい。例えば、剛毛が、スリーブ130がその非拡張の円筒形状であるときにより近位方向にある点に設けられるようにしてもよいが、その点は、スリーブ130が拡張されたとき、より遠位または半径方向(スリーブ130の表面に対して垂直)にある。このことは、ステント134が展開されたとき、スリーブ130がステント134からより容易に引き出されることを可能にする。
【0054】
ステント134を展開させるために、移送カテーテル129が、ノーズ・コーン140が病変部位の遠端部のすぐ遠位方向に配置されるように、脈管の病変部位を横切って配置される。次に、図6Bに示すように、病変部位の長さをカバーすることになる所望の数のステント134(およびそれに付随する長さのスリーブ130)を露出させるために、外側シャフト132が引き込まれる。外側シャフト132が引き込まれると、ステント134が、図6Cに示すように、拡張して病変部位と接触することを可能にされる。スリーブ130が、拡張速度を制御し、ステント134の位置を維持し、そのようにして、ステントが意図された位置に正確に展開される。いったんステント134が完全に拡張された後、スリーブ130が、スリーブ130が外側シャフト132内に再び配置されるまで、ステントと病変部位の間から引き込まれるようにしてもよい。移送カテーテル129に残っているステント134が、スリーブ130と外側シャフト132の遠端部へ進行されるように、このプロセス中プッシャ・シャフト136上で圧力が維持される。次に、移送カテーテル129が他の位置に追加のステントを展開させるために再配置されるようにしてもよい。
【0055】
図7A〜Bをここで参照すると、さらなる実施形態では、移送カテーテル142が、外側シャフト144、その中にスライド自在に配置された拡張可能なスリーブ146、プッシャ・シャフト148、内側シャフト150を備えて、図6A〜Cに関連して説明したように主として構成されている。複数のステント152が、拡張可能なスリーブ146内に担持されている(図7Bに示す)。拡張を容易にするために、拡張可能なスリーブ146は、少なくともその遠位の終端部に長手方向スリット154を備える。外側シャフト144がスリーブ146に対して引き込まれたとき、スリーブ146が、長手方向スリット154に沿って、対向する縁部156が互いから離れるように枢動してコーン形状を形成するように、スリーブ146を軸方向にねじることによって制御可能に拡張される(図7B)。このようにして、ステント152の拡張が、スリーブ146のねじりの速度を制御することによって、外側シャフト144の引込み後、さらに制御可能である。アクチュエータが、このようなねじりを制御するために移送カテーテル142の近端部に設けられるようにしてもよい。任意選択で、スリーブ146は、外側シャフト144が引き込まれるとスリーブ146が自動的にねじられるように、外側シャフト144の内部の相補的なねじれと対合するらせんねじれを、その外部表面上に有するようにしてもよい。図6A〜Cの実施形態でのように、ステント展開の後で、スリーブ146が、展開されたステントと血管壁の間の空間から引き込まれ、外側シャフト144内に戻される。スリーブ146は、その非拡張形状に戻るように弾性的に偏倚されるようにしてもよい、またはオペレータによって手でねじられてその非拡張形状に戻されるようにしてもよい。
【0056】
図8A〜Cに示す別の実施形態では、移送カテーテル160が、外側シャフト162、ステント166を担持し、スライド自在である拡張可能なスリーブ164、プッシャ・シャフト168、内側シャフト170を備えて、図6A〜Cに関連して説明した移送カテーテル129とほぼ同様に再び構成されるようにしてもよい。ノーズ・コーン172が、内側シャフト170の遠端部に取り付けられており、スリーブ164の遠端部を受けるように構成されたくぼみ174をその近端部に有する。スリーブ164の遠位の終端部は、別個の偏向可能な長手方向梁178を画定している複数の軸方向スリット176を備える。スリーブ164は、対応する数の長手方向梁178を設けるために、少なくとも2つ、好ましくは4つ、および6、8またはそれ以上のスリット176を備える。長手方向梁178は、スリーブ164がほぼ円筒形である軸方向に弾性的に偏倚される。長手方向梁178は、ステント166の拡張に抵抗し、かつ制御するために横方向のひずみに対して十分な剛性を有する。
【0057】
有利には、長手方向梁178の遠端部をくぼみ174内に含むことによって、外側シャフト162が、図8Bに示すように、ステント166を即時に拡張させることなく、目標とする病変部位を覆うために所望の数のステントを露出させるように引き込まれるようにしてもよい。所望の数のステント166が露出されたとき、内側シャフト170が、スリーブ164に対して遠位方向に進行され、長手方向梁178をくぼみ174から解放するようにしてもよい。このことは、長手方向梁178が横方向に偏向することを許し、図8Cに示すように、ステント166が拡張することを可能にする。完全な拡張が達成されたとき、長手方向梁178がステント166と血管壁の間から引き込まれるようにしてもよい。次に、長手方向梁178が、その偏向されない軸方向に戻され、長手方向梁178の遠端部をくぼみ174内へ戻すように、内側シャフト170が引き込まれることを可能にする。次に、内側シャフト170とスリーブ164が、プッシャ・シャフト168への圧力を維持しながら、外側シャフト162内へ引き込まれ、それによって追加のステント166を、追加の展開のために、スリーブ164の遠端部に向かって進行させるようにしてもよい。
【0058】
本発明のステント移送カテーテルのいくつかの実施形態では、ステント自体が、ステント展開の大きな制御と精度を提供するように構成されている。例えば、図9A〜9Bは、外側シャフト184内に配置された複数のステント182を有する移送カテーテル180を示している。オプションのバルーン188とノーズ・コーン190を備える内側シャフト186が、外側シャフト184とステント182を通って延び、それに対して軸方向に運動可能である。プッシャ・シャフト(図示せず)が、これより前の実施形態のように、内側シャフト186を覆ってスライド自在に配置され、ステント182を外側シャフト186から展開させ、残りのステント182を外側シャフト186内に再配置する目的で、ステント182と係合している。この実施形態では、ステント182は、ジョイント193で相互接続された一連のリング192を形成している複数の支柱191を備える。各リング192は、円周方向に相互接続され、非拡張形状で「I」字形状を有する一連の閉鎖したセル194を有する。
【0059】
外側シャフト184が、1つまたは複数のステント182を展開させるために引き込まれると、ステント182の長さ全体が外側シャフト184から展開される前に、少なくとも1つの遠位のリング192’が、拡張して血管壁と係合するように構成されている(図9A)。いったん血管V内の病変部位Lと係合した後、遠位のリング192’が、ステントの残りの部分が展開されるときに、ステント182を定位置に固定し(図9B)、カテーテルからのステントの「ウォーターメロン・シード」を防止する。ステント182の軸方向長さ、各リング192の長さ、リングの数、支柱191の剛性、ジョイント193の可撓性がすべて、この展開挙動を最適化するように選択される。各ステント182は、少なくとも2つの、好ましくは4つ以上のリング192を有し、各リングは長さ約2〜5mmであり、ステント182に少なくとも約8〜20mmの全長を与える。もちろん、これより短いまたは長い長さのステントも、本発明の範囲内で企図されている。各ステント182よりも長い病変部位が、端と端をつないだ複数のステント182を展開させることによって治療されるようにしてもよい。有利には、各ステント182の遠位のリング192’が拡張して、目標位置で血管と係合することが最初に可能であり、残りの部分が展開されるときステントを定位置に固定するため、各ステント182が前に展開されたステント182から所望の間隔で正確に展開されることができる。
【0060】
リング192が、好ましくは、共通の材料部片から形成されて、ジョイント193で一体的に相互接続され、ジョイント193を比較的剛性にする。この実施形態では、リング192の間の可撓性の大部分が、ジョイント193ではなく支柱191によって提供される。別法として、ジョイント193が、これもかなり剛性である、リング192の間に溶接された接続部を備えるようにしてもよい。さらなる代替形態では、ジョイント193が、以下で説明される図10A〜10Bで例示されているように、隣接するリング192間の、より大きな偏向を可能にするヒンジまたはばね構造を備えるようにしてもよい。
【0061】
図10A〜10Bの実施形態では、ステント200が、I字型セル204を有する複数の相互接続されたリング202を備えて、図9A〜9Bのステント182と同様に構成されている。しかし、この実施形態では、リング202のいくつかが、リング202間の距離を増加させるために細長くされ、かつリング202を互いに近づけるように引き出すために、弾性的に偏倚されて短い形状になるばね部材206によって相互接続されている。一実施形態では、ばね部材206は、波様の形状を有し、1つのリング202上の軸方向突起208の先端から、隣接するリング202上の軸方向突起208の間のくぼみ部分210まで延びている。もちろん、ジグザク状、コイル状、らせん状、アコーディオン状または望遠鏡状構造などの様々なばねの形状と接続位置が可能である。さらに、弾性の伸長可能なエラストマー要素が、隣接するリング202を結合しるようにしてもよい。図示した実施形態では、ステント200は、二対のリング202を備え、各対のリングは、図9A〜Bでのように一体型ジョイント212によって相互接続され、かつリング202の対は、ばね部材206によって互いに接続されている。ステント200は、別法として、2つ、3つ、5つ、6つまたはそれ以上のリング202を備え、かつばね部材206が、リング202のすべてまたは一部分のみを相互接続しるようにしてもよい。
【0062】
ばね部材206は、所望の性能特性に応じて、リング202の材料と同一のまたは異なる材料で形成されるようにしてもよい。また、ばね部材206は、腐食し、最終的に消失して、隣接するリング202の対を未接続のままにするように、生体分解性であるようにしてもよい。
【0063】
展開中、外側シャフト184が、ステント200を露出させるために引き込まれ、遠位のリング202’の対が最初に拡張して、血管V内の病変部位Lと係合する(図10A)。ばね部材206は、リング202’が外側シャフト184から第2のリング202”の対を引張ることなく、完全に拡張するように細長くなる。外側シャフト184の引込みが続くと、第2のリング202”の対が、拡張し、かつそれと同時に、ばね部材06の収縮によって遠位のリング対182’に向かって引き出される(図10B)。このことは、隣接するリング202の対の間の予測可能かつ一定の軸方向の間隔を結果として生じさせる。また、ばね部材206が、重なりのない軸方向突起208の交互配置を維持するために、リング202の回転方向の位置合わせを維持する。前の実施形態でのように、複数のステント200が、より長い病変部位を覆うために移送カテーテル180から次々に展開されるようにしてもよい。各ステントの正確な展開が可能であることは、このようなステントの相対的な軸方向間隔と回転方向位置が、過度の間隔または重なりを回避するために、制御されることを可能にする。
【0064】
図11A〜11Cに概略で示すさらなる実施形態では、移送カテーテル216が、複数のステント220を担持している外側シャフト218を備える。内側シャフト222が、外側シャフト218を通ってノーズ・コーン224へ延びており、プッシャ・シャフト226が、内側シャフト222を覆ってスライド自在に配置されている。固定バルーン228が、ノーズ・コーン224に近接する内側シャフト222に装着されている。固定バルーン228は、血管Vの壁と摩擦係合し、かつ、以下でさらに説明するように、移送カテーテル216を定位置に固定するように安定して留まるのに十分な軸方向長さを有する。好ましくは、固定バルーン228は、ステント220の1つの長さとほぼ等しい長さを有する。
【0065】
使用中、外側シャフト218が、第1のステント220’がそれから解放され、拡張して病変部位Lと係合するように引き込まれる(図11A)。次に、固定バルーン228が、ステント220’の内部と係合するまで拡張される(図11B)。このことは、移送カテーテル216を安定させるだけでなく、ステント220’をさらに拡張させるため、および/またはステント220’をしっかりと埋め込むために病変部位Lを拡張させるために使用される。固定バルーン228をステント220’内で拡張したままに保持しながら、第2のステント220”を解放するために外側シャフト218がさらに引き込まれ、第2のステント220”が、拡張して病変部位Lと係合する(図11C)。有利には、固定バルーン228が、移送カテーテル216を安定化させ、第2のステント220”が展開されるときに第1のステント220’に対して定位置に固定する。したがって、第2のステント220”は、第1のステント220’に対して意図された間隔と回転方向位置で正確に展開可能である。次に、固定バルーン228が収縮され、外側シャフト218内に引き込まれ、残りのステント220を内側シャフト222の遠端部に再配置するために、圧力がプッシャ・シャフト226上で維持されるようにしてもよい。
【0066】
図11D〜11Fは、その中に複数の自己拡張型ステント221が細長いバルーン223を覆ってスライド自在に配置される移送カテーテル219の別の実施形態を示している。バルーン223は、好ましくは、例えば50〜200mmの、デバイスで治療される予定の最長の病変部位と同じ長さを有する。プッシャ225が、バルーン223に対してスライド自在であり、最も近位のステント221Pと係合するバルーン223を覆って配置された管状の遠位部分227を有する。シース229が、プッシャ225、ステント221、バルーン223を覆ってスライド自在に配置され、ステント221を半径方向に収縮された形状に維持する。この実施形態では、バルーンが各ステントと同時に拡張するように、ステント221の展開中適度な圧力がバルーン223内で維持される。図11Bに示すように、シース229が引き込まれると、第1のステント221Aとバルーン223の遠位の部分が拡張される。シース220が引き込まれるときにバルーン223内で適度な拡張圧力を維持することによって、バルーン223の露出した部分が第1のステント221Aとともに拡張し、移送カテーテル219からのステントの遠位への移動を阻止する。1つまたは複数の追加のステント221が、シース229のさらなる引込みによって展開されてもよく、その間、バルーン223は、第1のステント221内で拡張されたままであり、移送カテーテル219を定位置に固定する(図示せず)。各追加のステントがシース229から露出されると、バルーン223内の圧力が、その回転と軸方向位置を制御するようにバルーンをステントとともに拡張させる。もちろん、ステント221は、上記で説明したように、開いたまたは閉じたセル、ジグザグ状または波状の支柱、および/または軸方向に交互配置する要素を有することを含む、多種多様な形状のいずれかを有するようにしてもよい。
【0067】
任意選択で、バルーン223は、ステント221のその上での保持を強化する、その周縁上の表面形態または被覆を有するようにしてもよい。このような形態は、バルーンが収縮されたとき保持力が減少され、バルーンが加圧されたとき増大するように、バルーンの圧縮によって活性化されるスケールや隆起などの構造を含んでもよい。ステント展開の後に、ステント221と目標病変部位Lの後拡張のために、圧力が、バルーン233内で任意選択で増加されることができる。その後、遠位の圧力がプッシャ225に対して維持されるとき、バルーン223が収縮され、シース229内に引き込まれ、図11Cに示すように、ステント221を、別の位置での展開のためにシース229内のバルーン223の遠端部の近くに再配置する。
【0068】
さらなる実施形態では、本発明の移送カテーテル内のステントが、展開中、より大きな制御と精度を可能にするために、互いにおよび/またはプッシャ・シャフトと解放可能に相互接続されるようにしてもよい。図12に示すように、移送カテーテル230が、図9A〜9Bに関連して上記で説明したものとほぼ同様の構造を有する複数のステント232を担持している。しかし、この実施形態では、ステント232から遠位と近位方向に延びる軸方向突起234が、拡張されるまで隣接するステント232上のくぼみ236と相互接続しているように構成されている。一実施形態では、軸方向突起234が、幅広の頭部246を有し、くぼみ236が、非拡張形状でくぼみ236内に頭部246を保持する首部248を有する。プッシャ・シャフト250が、ステント232のものと同様の突起254およびくぼみ256を有する遠端部252を有し、このようにして、最も近位のステント232’と相互接続させることができる。ステント232”が拡張するとき、その上の相互接続構造が、隣接するステントまたはプッシャ・シャフトから分離し、このようにして展開されたステント232”を移送カテーテル230から解放するように構成されている。図示した例では、ステント232”が拡張すると、頭部246”のサイズが収縮し、一方で首部248”が拡張し、それによって、拡張したステント上の頭部246”が、隣接する非拡張のステント内のくぼみ236から解放されること、またはその逆を可能にする。展開プロセス中にプッシャ・シャフト250に牽引力を及ぼすことによって、ステント232の線が、外側シャフト231に対して遠位に移動することが防止され、このようにして展開されたステント232”がそれが拡張するとき「ウォーターメロン・シード」することを防止する。
【0069】
参照によって本明細書に組み込まれる、2003年12月16日に提出された同時係属出願整理番号第10/738,666号に記載されているものなどの、様々なタイプの、隣接するステント間とステントとプッシャ・シャフトの間を相互接続する構造が、本発明の範囲内で可能である。このような相互接続構造はまた、ステントが拡張するときの分離を容易にするために、破壊可能または崩壊可能である。また、拡張可能なバルーンまたは切断デバイスなどの機構が、展開の際のステント232の分離を補助するために移送カテーテル230の遠端部に配置されるようにしてもよい。さらに、ステント間の相互接続は、最も近位のステントとプッシャ・シャフトの間の相互接続と異なっるようにしてもよい。例えば、プッシャ・シャフトは、ステントの近端部をそれが展開されるまで解放可能に保持し、牽引力を維持する、フック、磁石またはその他の適切な機構を有するようにしてもよい。
【0070】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、様々な代替、修正、改良および追加が、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による人工器官移送カテーテルの側部切開図である。
【図2A】本発明のさらなる実施形態での、本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図2B】血管内での人工器官の展開を示す、図2Aの人工器官移送カテーテルの側部断面図である。
【図3】本発明のさらなる実施形態による制御ワイヤと結合された人工器官の斜視図である。
【図4】A:本発明のさらなる実施形態での、本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図で、B:血管内での人工器官の展開を示す、図4Aの人工器官移送カテーテルの側部断面図である。
【図5】本発明のさらなる実施形態での、本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図6】A:引き込まれていない外側シャフトを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、B:スリーブが拡張されていない、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、C:ステントが拡張されているスリーブを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図7】A:スリーブが拡張されていない、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、B:スリーブとステントが拡張されている、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図8】A:引き込まれていない外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、B:スリーブが拡張されていない、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、C:ステントが拡張されているスリーブを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図9】A:人工器官が部分的に展開されている、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、B:人工器官が完全に展開されている、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明の別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図10】A:人工器官が部分的に展開されている、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図、B:人工器官が完全に展開されている、引き込まれた外側シャフトを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11A】展開された第1の人工器官を示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11B】第1の人工器官内で拡張された拡張可能な部材を示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11C】拡張可能な部材が第1の人工器官内で拡張されている、展開された第2のステントを示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11D】ステント展開前の移送カテーテルを示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11E】血管内での第1の人工器官の展開を示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図11F】血管内で展開された人工器官を示す、本発明の別の実施形態での本発明による人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。
【図12】病変部位内で展開された第1の人工器官を示す、本発明のさらに別の実施形態での本発明による血管内の人工器官移送カテーテルの遠位部分の側部断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の内腔を有する外側シャフトと、
前記第1の内腔内に担持され、前記第1の内腔からの展開の際に、半径方向に拡張するように構成された複数の自己拡張型の管状の人工器官と、
前記第1の内腔から選択された数の前記人工器官を展開させるための展開機構と、
前記人工器官が前記第1の内腔から展開されるとき前記人工器官の拡張を制御するために前記人工器官と相互作用する制御部材とを備える
人工器官移送カテーテル。
【請求項2】
前記制御部材が複数の軸方向に延びるワイヤを備え、前記人工器官が、前記ワイヤと結合され、かつその上で軸方向にスライド自在であり、前記ワイヤが前記人工器官の制御された拡張を可能にするために半径方向に偏位可能である請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項3】
前記ワイヤが、前記人工器官が拡張するとき半径方向外向きに移動するように構成された自由な遠端部を有する請求項2に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項4】
前記遠端部が、前記選択された数の人工器官の展開の後で前記外側シャフト内へ引込み可能である請求項3に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項5】
前記人工器官が、複数の開口を備える側壁を有し、前記ワイヤが前記開口を通って編成されている請求項2に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項6】
前記ワイヤが、前記人工器官の外側面の周囲に、および前記人工器官の内側面を通って延びるループを形成し、各ワイヤの少なくとも1つの端部が、人工器官展開の後で前記ワイヤを引き出すことができるように解放可能である請求項2に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項7】
前記制御部材が、前記人工器官の周囲に配置されたスリーブを備え、前記スリーブが、前記人工器官の制御された拡張を可能にするために拡張可能である請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項8】
前記スリーブが、エラストマー製である請求項7に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項9】
前記スリーブが、前記外側シャフトに対して軸方向に運動可能である請求項7に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項10】
前記スリーブが、少なくとも1つの長手方向スリットをその中に有し、前記スリーブが、前記長手方向スリットで分割することによって拡張する請求項7に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項11】
前記スリーブが、長手方向スリットによって分離された複数の長手方向部を備え、前記長手方向部が、人工器官の制御された拡張を可能にするために外向きに偏位可能である請求項10に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項12】
前記展開機構が、前記第1の内腔内にスライド自在に配置されたプッシング要素を備え、前記プッシング要素が、前記人工器官を前記外側シャフトに対して遠位方向に進行させるために前記人工器官の少なくとも1つと係合している請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項13】
前記複数の人工器官が互いに解放可能に相互接続されている請求項12に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項14】
前記制御部材が、前記プッシング要素上に相互接続構造を備え、前記相互接続構造が、前記人工器官の前記外側シャフトに対する遠位方向運動に抵抗するために、前記人工器官の少なくとも1つと解放可能に結合されている請求項13に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項15】
前記制御部材が、前記人工器官が前記第1の内腔から展開されるとき、前記人工器官の拡張を制御するために前記人工器官と相互作用する可動コイル部材を備える請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項16】
前記コイル部材が、前記コイル部材を回転させることによって前記展開された人工器官から取外し可能である請求項15に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項17】
前記人工器官が、複数の開口を備える側壁を有し、前記コイル部材が、前記開口を通って編成されている請求項15に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項18】
前記制御部材が、前記外側シャフトの遠端部から遠位方向に延びて、前記人工器官の1つまたは複数を受けるために前記第1の内腔と連絡する内部空間を区画し、前記制御部材が、前記人工器官のどれとも係合されないときに偏位しない形状を有し、その拡張の間人工器官によって係合されたとき、半径方向外向きに偏位するように構成され、前記制御部材が、前記人工器官が前記内部空間から取り外されるとき、前記偏位しない形状に弾性的に戻るように構成されている請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項19】
前記制御部材が、ほぼ円筒形のパターンで配置された複数の歯を備え、前記歯が、前記人工器官が拡張するとき外向きに偏位可能である請求項18に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項20】
前記制御部材が、前記歯の間に延びるウェブをさらに備える請求項19に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項21】
前記ウェブが、拡張可能なエラストマーである請求項20に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項22】
前記制御部材が、半径方向に拡張可能なエラストマー製のチューブを備える請求項18に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項23】
前記人工器官が、単一の治療部位で少なくとも2つのグループで展開するように構成されている請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項24】
前記人工器官のそれぞれが、隣接する人工器官上の軸方向に延びる要素と交互配置されるように構成された軸方向に延びる要素を有し、前記制御部材が、少なくとも2つの人工器官が互いに隣接して展開されたとき、前記軸方向に延びる要素が交互配置のままであるように、前記人工器官の拡張を制御するように構成されている請求項1に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項25】
複数の自己拡張型人工器官を担持している移送カテーテルを治療部位に配置するステップと、
展開するために所望の数の前記人工器官を選択するステップと、
展開させると、各人工器官が拡張して前記血管と接触する用に、前記移送カテーテルから前記血管内へ前記所望の数の人工器官を展開させるステップと、
前記選択された数の人工器官のそれぞれの、その展開中の前記移送カテーテルに対する軸方向変位を制御するステップとを含む
1つまたは複数の人工器官を血管内の治療部位に移送する方法。
【請求項26】
前記軸方向変位が、前記所望の数の人工器官の周囲に配置された拡張可能なスリーブによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記人工器官が展開された後、前記人工器官の周囲から前記スリーブを引き込むステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記軸方向変位が、前記所望の数の人工器官と結合された複数のワイヤによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記人工器官が展開された後、前記人工器官から前記ワイヤを引き込むステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ワイヤが、前記人工器官のそれぞれの中の開口を通って編成されている請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記軸方向変位が、前記人工器官と結合されたコイルによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記軸方向変位が、前記人工器官上に配置された外転可能なチューブによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記選択された数の人工器官の展開中、その前記移送カテーテルに対する回転方向変位を制御するステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記軸方向変位が、前記所望の数の人工器官の少なくとも一部分の展開中、血管内で拡張可能な部材を拡張させることによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記軸方向変位が、前記人工器官の第1のものの遠位部分を拡張させて前記血管と係合させる一方、前記人工器官の第1のものの近位部分を前記移送カテーテル内に残し、次に前記人工器官の第1のものの近位部分を拡張させて前記血管と係合させることによって制御される請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記人工器官が、前記移送カテーテル内にある間、解放可能に相互接続される請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記軸方向変位が、前記人工器官の少なくとも1つを前記移送カテーテルの拘束部材と接続させることによって制御される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記選択された数の人工器官が、展開の際に前記移送カテーテルに残っている前記人工器官から脱着する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
第1の内腔を形成する外側シャフトと、
前記第1の内腔内にスライド自在に配置された内側シャフトと、
前記外側シャフトの遠端部と結合された第1の端部および前記内側シャフトの遠端部と結合された第2の端部を有する外転可能なチューブと、
前記外転可能なチューブ内に担持され、前記外転可能なチューブからの展開の際に、半径方向に拡張するように構成された複数の自己拡張型の管状の人工器官とを備え、
前記外側シャフトを前記内側シャフトに対して近位方向に移動させることが、前記人工器官の1つまたは複数を展開させるように前記外転可能なチューブの遠位部分を外転させる
人工器官を血管内腔内へ移送するための人工器官移送カテーテル。
【請求項40】
前記内側シャフトの内部表面が、前記人工器官を前記内部表面に対して解放可能に保持するための粘着性の要素を備える請求項39に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項41】
前記粘着性の要素が、粘着性の表面被覆を備える請求項40に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項42】
前記粘着性の要素が、その中に前記人工器官が取外し可能に埋め込まれる軟化可能な材料を備える請求項40に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項43】
前記粘着性の要素が、前記人工器官内の開口を通って延びるように配置された複数の内側に面した突起を備える請求項39に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項44】
前記突起が、マッシュルーム状、L字型、T字型、ホック状、円形、スパイク状、ピラミッド状、棘状、矢印状、直線状から成るグループから選択された形状を有する請求項43に記載の人工器官移送カテーテル。
【請求項45】
前記粘着性の要素が、隆起、剛毛、棘、隆起リブ、波、溝、ピット、チャネル、戻り止め、ランダムな表面不規則性から成るグループから選択される構造を備える請求項40に記載の人工器官移送カテーテル。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−504078(P2008−504078A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518394(P2007−518394)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/024931
【国際公開番号】WO2006/005082
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(504214235)エクステント・インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】