説明

拡張通信による緊急通報システム

【課題】既設のLAN配線を、従来の緊急通報装置等の非IP機器の伝送路としても利用可能とすると共に、IP通信に依存しない、確実な緊急通報等の優先通信を実現する。
【解決手段】拡張通信制御装置1は、LANシステム50を制御するルータ5とWAN8の間に挿入され、監視制御装置3や端末制御アダプタ2に接続されたセンサやカメラ等の各種の特定機器30と、LAN50を形成する有線配線4を介して接続され、特定信号を検出した場合に、ルータ5を停止させて有線配線4によるIP通信を停止し、有線配線4を特定機器による拡張通信に占有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LANを形成する通常の有線配線に、各種センサや通報装置等を接続可能とする拡張通信制御装置及び特定機器接続アダプタとから成る緊急通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス内や家庭内における、電話やデータ等の通信をIP(Internet Protocol)化して、LAN配線に統合する傾向にある。
一方、従来から、安心,安全への対策として、電話回線に接続する緊急通報装置等も普及している。
この緊急通報機器等をもLAN配線に統合した場合、各種の音声機器やデータ機器によるIPパケットが同一のLAN配線に集中するため、緊急通報に支障をきたす恐れがある。 これを解決する手段として、IP電話システムの音声チャネルが全て使用されている状態の時に、緊急呼発信が発生した場合に、使用中の音声チャネルを強制的に切断して、その空けた音声チャネルに緊急呼発信を割り当てるという、優先処理技術がある。(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、IP通信としての優先処理であって、緊急通報装置についてもIP対応していることが前提であり、アナログ回線又はISDN回線対応の既存の緊急通報装置等は、IP回線には収容出来ない。
また、緊急通報装置等をIP対応化した場合、ベストエフォート型のIP通信では、例え、優先処理したとしても、従来の電話回線に比べれば、信頼性に劣るという欠点があった。
【0004】
【特許文献1】特開2007−13316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、既設のLAN配線を、従来の緊急通報装置等の非IP機器の伝送路としても利用可能とすると共に、IP通信に依存しない、確実な緊急通報等の優先通信を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、所定のセンサの状態を監視し前記センサの状態に応じて所定の制御を実行する監視制御手段と、LAN(Local Area Network)を形成する有線配線に接続され前記有線配線に接続された通信相手と前記LANにおけるIP(Internet Protocol)通信とは異なる通信方式である拡張通信を実行または制御する拡張通信制御手段と、前記有線配線と接続され前記有線配線に接続された通信相手と前記拡張通信を実行または制御する1以上の特定機器接続アダプタから成る緊急通報システムであって、前記監視制御手段は、前記センサの予め定められた状態または状態の変化を検知した場合に、前記拡張通信の開始を要求する予め定められた特定信号を前記拡張通信制御手段へ送出し、前記拡張通信制御手段は、前記監視制御手段または前記有線配線からの前記IP通信の信号とは異なる特定信号を検出する特定信号検出手段と、前記特定信号検出手段が前記特定信号を検出した場合にルータ等の前記LANを制御するLAN制御装置に対して前記IP通信を停止させるIP通信停止手段と、を有し、前記LANによるIP通信が停止している状態の時に、前記監視制御手段からの信号またはデータを前記有線配線もしくは所定の通報先へ送出し、前記有線配線からの信号またはデータを前記監視制御手段もしくは所定の通報先へ中継し、前記特定機器接続アダプタは、前記有線配線に接続された通信相手と信号またはデータを授受する特定機器を接続する特定機器接続手段と、前記有線配線から前記IP通信の信号とは異なる特定信号を検出する特定信号検出手段と、を有し、前記特定信号検出手段が前記特定信号を検出した場合に、自アダプタに接続された前記特定機器からの信号またはデータを前記有線配線に送出し、前記有線配線からの信号またはデータを自装置に接続された前記特定機器に中継することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の特徴は、請求項1に記載の緊急通報システムにおいて、前記特定機器接続アダプタは、自装置に接続された前記特定機器から通信開始を要求する信号を検出した場合に、前記拡張通信の開始を要求する予め定められた特定信号を前記有線配線に送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既設のLAN配線を、緊急通報装置等の通信にも利用して配線統合しつつ、IP通信に依存しない、確実な緊急通報等の優先通信を実現できる。
しかも、緊急通報装置等は、従来から使用中のアナログ回線やISDN回線対応の非IP機器であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、監視制御システムを例に、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る全体構成図であって、1は拡張通信制御装置、2は特定機器接続アダプタ(単にアダプタと称することもある)、3は監視制御装置、4は有線配線、5はルータ、6はパソコン、7は通報先、8はWAN(Wide Aria Network)である。
拡張通信制御装置1は、LAN(Local Aria Network)システム50を制御するルータ5とWAN8の間に接続される。ただし、拡張通信制御装置1内で、ルータ5とWAN8間がスルーとなっており、通常は、LANを形成する有線配線4によるIP通信へは影響を与えない。
また、拡張通信制御装置1は、外部機器(特定機器)を自装置に直接接続する接続端子を有しており、図1の例では監視制御装置3が接続されている。
【0010】
LANシステム50は、LANを制御するルータ5と各種LAN機器(例えばパソコン6)とで構成され、各機器は有線配線4を介してIP通信する。有線配線4は、電気信号を伝達可能な配線であり、例えばイーサネット(登録商標)のケーブルが適用出来る。
ルータ5は拡張通信制御装置1と接続され、拡張通信制御装置1を介してWAN8と通信すると共に、拡張通信制御装置1により、ルータ機能の停止/再起動を制御される。
【0011】
特定機器接続アダプタ2は、警報機31やセンサ32やカメラ33やモニタ34等の特定機器30を有線配線4に接続するためのアダプタであって、通常は、自アダプタに接続された各特定機器30を有線配線4から切り離しており、LANを形成する有線配線4によるIP通信へは影響を与えない。
【0012】
監視制御装置3は、警報機31,センサ32,カメラ33,モニタ34等の各種特定機器30を制御し、監視制御装置3と直接接続されたセンサ35が反応した時、警報機31,カメラ33,モニタ34等の特定機器30を起動及び制御する機能や、予め登録された通報先7に緊急通報する機能を有する。
監視制御装置3と各種特定機器30の接続手段としては、有線通信及び無線通信による各種の接続方式があるが、本発明は有線通信による接続方式に適用し、既設のLAN用の有線配線4を流用する。従って、本発明によれば、監視制御装置3と各種特定機器30を接続するための専用の有線配線を新たに敷設する必要はない。
【0013】
図2は、拡張通信制御装置1の内部構成図であって、101は拡張通信制御部、102は特定信号検出部、103はルータ停止/再起動部、104は特定信号送出部、105はスイッチ、106はWAN通信部、107はスケジューラである。
拡張通信制御部101は、有線配線4によるLAN通信に割り込んで拡張通信するための全体制御部であって、監視制御装置3の起動、及び特定信号検出部102からの特定信号を監視し、監視制御装置3の起動、又は特定信号を検出すると、ルータ停止/再起動部103にルータ5の停止を指示すると共に、スイッチ105をオンとし、監視制御装置3を有線配線4に接続する。
この時、ルータ5は停止しているので、有線配線4内にIPパケットは流れていないので、有線配線4を占有できる。
WAN通信部106は、WAN8との通信インタフェースであって、監視制御装置3や特定機器30からの情報をWAN8に送出したり、この拡張通信制御装置自体をWAN8を介してリモート制御したり、リモートモニタリングしたり出来る(図示せず)。
スケジューラ107は、LAN通信と拡張通信を定常的にシェアして使い分ける場合に使用する機能であり、一定時間毎や時間帯,曜日等の予め設定されたスケジュールに従って、強制的に拡張通信を起動する。
【0014】
図3は、特定機器接続アダプタ2の内部構成図であって、201はスイッチ、202はアダプタ制御部、203は特定信号検出部、204は特定信号送出部である。
通常、スイッチ201はオフであり、自アダプタに接続されている各特定機器30は有線配線4から切り離されており、各特定機器30は有線配線4を流れるIPパケットから影響を受けないと共に、IPパケットに影響を与えない。
アダプタ制御部202は、特定信号検出部203からの特定信号を監視し、特定信号を検出ならば、特定信号送出部204から特定信号を有線配線4へ送出させると共に、スイッチ201をオンとし、自アダプタに接続された各特定機器30を有線配線4に繋ぐ。
【0015】
なお、ルータ5が停止中にLAN機器であるパソコン6がIPパケットを有線配線4に送出しようとした場合、数回のリトライで送出停止となるが、それまでの間のIPパケットと、監視制御装置3と特定機器30の通信(拡張通信)と衝突することとなる。しかし、拡張通信側から見れば、このIPパケットは単なる雑音にしか見えず、例えばカメラ33からの映像がその時だけ乱れる程度で済む。また、警報機31やセンサ32の信号は接点型であり、有線配線4を短絡/開放するだけなので、パソコン6が送出するIPパケットはチャタリング的に見え、大きな支障にはならない。
【0016】
次に、拡張通信の概略シーケンスについて説明する。
図4は、拡張通信の概略シーケンスである。拡張通信は、監視制御装置3側からの起動(S401a)、または、特定機器30からの起動(S401b)で開始される。
拡張通信制御装置1は自制御装置に直接接続された監視制御装置3の出力信号を監視しており、例えば、監視制御装置3に直接繋がっているセンサ35が反応して、監視制御装置3が起動した場合、監視している出力信号の何らかの状態変化から、当該監視制御装置3の起動を検知する(S401a)。
また、アダプタ2は自アダプタに接続された特定機器30からの出力信号を監視しており、前記出力信号が予め設定された状態変化を検知した時に、自アダプタに接続された特定機器30が起動したと判断し(S401b)、特定信号Aを拡張通信制御装置1に送出する(S402)。
【0017】
ここで、特定信号Aは拡張通信の開始を要求する信号であって、有線配線4を流れるIP信号と衝突しても識別可能な信号である。例えば、通常のIP信号では発生しない長パルス幅のパルス信号や、特徴的な“1”,“0”パルスの生起パターンを適用すればよい。
別案として、有線配線4が空き芯を有するLANケーブルであった場合、その空き芯を利用して特定信号を伝達するようにしてもよい。
なお、この特定信号によって、有線配線4を流れるIP信号が破壊される可能性が高いが、これによるIP通信への影響は無視し、この拡張通信の方が優先する。ただし、破壊されたIPパケットがTCP(Transmission Control Protocol)パケットであれば、パソコン6等のLAN機器により再送されるのでパケット消失には至らない。
【0018】
拡張通信制御装置1は、監視制御装置3の起動(S401a)、または、特定信号A(S402)を検知すると、ルータ停止/再起動部103により、ルータ5に対して有線配線4を介したIP通信を停止させる(S403)。
この具体的な停止手段は、ルータ機能を起動/停止できる機能端子がルータ5にあれば、それを利用すればよい。
もし、ルータ5に前記の起動/停止できる機能端子が無い場合は、ルータ5の電源をオン/オフ制御すればよい。図示しないが、例えば、拡張通信制御装置1の内部にルータ5へ商用交流電力を給電するサービスコンセントを設け、ルータ5への給電を停止することで、ルータ5を停止できる。
ルータ5の停止により有線配線4を介したIP通信は停止し、有線配線4は拡張通信で占有出来る。
【0019】
次に、拡張通信制御装置1は、スイッチ105をオンし(S404)、監視制御装置3を有線配線4に接続すると共に、特定信号送出部104により、有線配線4を介して各アダプタ2に特定信号Bを送出する(S405)。
特定信号Bは、アダプタ2に対して拡張通信の開始を通知する信号であり、有線配線4への送出方法は、特定信号Aと同様である。なお、この特定信号Bは、特定信号Aと同じ形式の信号であってもよい。
【0020】
アダプタ2が特定信号Bを検出すると、アダプタ制御部202は、スイッチ201をオンし(S406)、自アダプタに接続された特定機器30を有線配線4に接続する。
以上により、拡張通信制御装置1のスイッチ105と、アダプタ2のスイッチ201が共にオンとなり、監視制御装置3と特定機器30は、有線配線4により接続された状態となり、監視制御装置3と特定機器30は直接通信(拡張通信)する(S407)。
【0021】
監視制御装置3と特定機器30が有線配線4を介して直接通信(拡張通信)している間、拡張通信制御装置1およびアダプタ2はスルーの状態となっているが、拡張通信制御装置1はその通信の終了を監視している。
また、監視制御装置3がWAN8を介して通報先7に緊急通報する場合は、拡張通信制御装置1は、WAN通信部106により、監視制御装置3からの通報情報をWAN8に転送する。
この時、ルータ5が停止しているため、パソコン6からWAN8へ送出されるIPパケットは発生しておらず、当該通報情報は、LAN50の影響を受けることなく、確実に通報先7に送出される。従って、実質的にこの通報情報は最優先で送信されるので、緊急通報に適している。
【0022】
次に、拡張通信制御装置1は、監視制御装置3と特定機器30の通信(拡張通信)の終了を検知すると(S408)、特定信号送出部104から特定信号Cを有線配線4に送出する(S409)と共に、スイッチ105をオフし(S410)、監視制御装置3を有線配線4から切り離す。
拡張通信終了の検知手段は、例えば、拡張通信制御装置1または特定機器30から送出される、予め登録された通信終了に係る信号を検出すればよい(図示せず)。
【0023】
この特定信号Cは、監視制御装置3と特定機器30の通信される信号と識別可能な信号であり、アダプタ2が誤検出しない信号形式である。
図示しないが、例えば、PB信号のような、監視制御装置3と特定機器30の通信で出現しない、特定周波数が一定時間以上持続する信号とすればよい。
【0024】
アダプタ2の特定信号検出部203が、特定信号Cを検出すると、スイッチ201をオフし、自アダプタに接続された特定機器30を有線配線4から切り離す(S411)。
なお、スイッチ201のオフは、拡張通信制御装置1と同様に、アダプタ2自体が拡張通信を監視して、自立的に拡張通信の終了を検知するようにしてもよい。
【0025】
そして、拡張通信制御装置1は、ルータ停止/再起動部103を制御して、ルータ5を再起動する。
この結果、ルータ5が動作再開してLAN50は機能が復活し、有線配線4は、IPパケットが流れる伝送路として機能する。
なお、ルータ5が停止した時に通信エラーとなったTCPパケットは、各パソコン6から再送信される。
【0026】
図5は拡張通信制御装置1の動作フローである。
電源が投入された状態から本フローはスタートし(S501)、監視制御装置3の起動が検出されるか(S502、Yes)、特定信号Aが検出された(S503、Yes)場合、ルータ5を停止し(S504)、スイッチ105をオンし(S505)、監視制御装置3を有線配線4に接続すると共に、特定信号Bを有線配線4に送出して(S506)、拡張通信(監視制御装置3と特定機器30の直接通信)を開始させる。
そして、拡張通信の終了を検知した場合(S507、Yes)、特定信号Cを有線配線4に送出し(S508)、スイッチ105をオフし(S509)、ルータ5を再起動する(S510)。
ルータ5を再起動した(S510)後、S502に戻って、以上の動作を繰り返す。
【0027】
図6は特定機器接続アダプタ2の動作フローである。
電源が投入された状態から本フローはスタートし(S601)、自アダプタ2に接続された特定機器30の起動が検出された場合(S602、Yes)、特定信号Aを有線配線4に送出し(S603)、S604のステップに進む。
S604のステップにおいて、特定信号B検出が無ければ(S604、No)、S602のステップに戻り、特定信号B検出が有れば(S604、Yes)、スイッチ201をオンし(S605)、自アダプタに接続された特定機器30を有線配線4に接続する。
そして、有線配線4からの特定信号Cを検出した場合(S606、Yes)、スイッチ201をオフする(S607)。
その後、S602のステップに戻って、以上の動作を繰り返す。
【0028】
以上、拡張通信制御装置1に、監視制御装置3が接続されたケースを例に、拡張通信の動作シーケンスを説明したが、本発明はこれに限るものではなく、LANケーブルが敷設された箇所の、各種の通信装置間を有線で直接接続することが可能である。
なお、有線配線をLAN通信と拡張通信でシェアするので、一方の通信が長時間占有すると不都合な場合もあるが、その場合は、拡張通信制御装置1内のスケジューラ107を活用して、有線配線をLAN通信と拡張通信のトラヒック量に応じて、適宜、通信を切替え制御すればよい。
【0029】
また、実施例で説明した拡張通信の通信方式は、拡張通信を実行する各通信機器が行う通信方式をそのまま適用しているが、拡張通信制御装置1の拡張通信制御部101にプロトコル変換やコマンド変換等の通信方式の変換機能を持たして、通信方式の異なる各通信機器間を変換接続するようにしてもよい。
【0030】
さらに、上記した実施形態において、拡張通信制御装置1と、ルータ5とは、それぞれ別々の装置として説明したが、これらの装置は1つの装置として実現されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る全体構成図
【図2】拡張通信制御装置1のブロック構成図
【図3】特定機器接続アダプタ2のブロック構成図
【図4】拡張通信の動作シーケンス
【図5】拡張通信制御装置1の動作フローチャート図
【図6】特定機器接続アダプタ2の動作フローチャート図
【符号の説明】
【0032】
1 拡張通信制御装置
2 特定機器接続アダプタ
3 監視制御装置
4 有線配線
5 ルータ
6 パソコン
7 通報先
8 WAN
101 拡張通信制御部
102 特定信号検出部
103 ルータ停止/再起動部
104 特定信号送出部
105 スイッチ
106 WAN通信部
107 スケジューラ
201 スイッチ
202 アダプタ制御部
203 特定信号検出部
204 特定信号送出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のセンサの状態を監視し前記センサの状態に応じて所定の制御を実行する監視制御手段と、LAN(Local Area Network)を形成する有線配線に接続され前記有線配線に接続された通信相手と前記LANにおけるIP(Internet Protocol)通信とは異なる通信方式である拡張通信を実行または制御する拡張通信制御手段と、前記有線配線と接続され前記有線配線に接続された通信相手と前記拡張通信を実行または制御する1以上の特定機器接続アダプタから成る緊急通報システムであって、
前記監視制御手段は、前記センサの予め定められた状態または状態の変化を検知した場合に、前記拡張通信の開始を要求する予め定められた特定信号を前記拡張通信制御手段へ送出し、
前記拡張通信制御手段は、前記監視制御手段または前記有線配線からの前記IP通信の信号とは異なる特定信号を検出する特定信号検出手段と、前記特定信号検出手段が前記特定信号を検出した場合にルータ等の前記LANを制御するLAN制御装置に対して前記IP通信を停止させるIP通信停止手段と、を有し、前記LANによるIP通信が停止している状態の時に、前記監視制御手段からの信号またはデータを前記有線配線もしくは所定の通報先へ送出し、前記有線配線からの信号またはデータを前記監視制御手段もしくは所定の通報先へ中継し、
前記特定機器接続アダプタは、前記有線配線に接続された通信相手と信号またはデータを授受する特定機器を接続する特定機器接続手段と、前記有線配線から前記IP通信の信号とは異なる特定信号を検出する特定信号検出手段と、を有し、前記特定信号検出手段が前記特定信号を検出した場合に、自アダプタに接続された前記特定機器からの信号またはデータを前記有線配線に送出し、前記有線配線からの信号またはデータを自装置に接続された前記特定機器に中継することを特徴とする拡張通信による緊急通報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の緊急通報システムにおいて、
前記特定機器接続アダプタは、自装置に接続された前記特定機器から通信開始を要求する信号を検出した場合に、前記拡張通信の開始を要求する予め定められた特定信号を前記有線配線に送出することを特徴とする拡張通信による緊急通報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213176(P2012−213176A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116925(P2012−116925)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【分割の表示】特願2007−183233(P2007−183233)の分割
【原出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】