拡散シート及びマルチレイヤーディスプレイ
【課題】画像表示用スクリーン同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持する。
【解決手段】少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成され、出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である拡散シート2を、2枚の画像表示用スクリーン1,3の間に設ける。
【解決手段】少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成され、出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である拡散シート2を、2枚の画像表示用スクリーン1,3の間に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散シート及びマルチレイヤーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在LCD(liquid crystal display)はテレビ、広告をはじめとした様々な表示装置に利用されている。表示装置の工夫により奥行きのある立体的な映像を再生することは視聴者により印象的な映像効果を与えることができる。LCD等のディスプレイデバイスを用いて視聴者に奥行きのある立体的な映像を体感させる手法の一つとして、複数のディスプレイデバイスを重ねたマルチレイヤーディスプレイが開示されている。
【0003】
一般に複数のディスプレイデバイスを重ねると、ディスプレイデバイス上の規則正しく並んだ画素によってモアレ干渉縞が発生することが知られている。特許文献1には複数のLCDを重ねる際に発生するモアレ干渉縞を解消するために僅かに拡散性を有する層をスクリーンの間に具備するマルチレイヤーディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO99/42889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、デザイン上の観点などから薄型のマルチレイヤーディスプレイを製造する場合、ディスプレイデバイス同士の距離を小さくしなければならないが、距離を小さくするとモアレ干渉縞の解消は一層困難となることから、拡散性の大きな拡散シートを用いる必要があった。しかしながら、拡散性の大きな拡散シートを用いると、モアレ干渉縞の解消には効果的である反面、拡散によって光が散逸することからディスプレイの正面輝度が低下し、視聴者が見る映像が暗くなる、或いは映像を明るくするために消費電力が増加するといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、画像表示装置同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明に係る拡散シートは、少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成された拡散シートであって、出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、前記第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、前記第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、前記第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である。
上記構成によれば、画像表示用スクリーン同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、スクリーン間に本発明に係る拡散シートを配置することにより、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【0008】
また、前記凹凸の高さ及びピッチが非周期的であることが望ましい。
また、前記凹凸構造は、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものとすることができる。
【0009】
また、前記第1の正規分布曲線の半値幅が20度以下であることが望ましい。
また、前記第1の正規分布曲線の半値幅と前記第2の正規分布曲線の半値幅の比が3以上であることが望ましい。
【0010】
また、前記出射光の拡散角度に対する強度の分布の半値幅が15度以下であることが望ましい。
【0011】
本発明に係るマルチレイヤーディスプレイは、2枚の画像表示用スクリーンの間に本発明に係る拡散シートを備えたものである。
上記構成によれば、画像表示用スクリーン同士の間隔を狭くしても、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【0012】
また、前記スクリーンの少なくとも1枚を液晶パネルとしてもよい。
また、前記スクリーン同士の間隔を2mm未満とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像表示装置同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態によるマルチレイヤーディスプレイの構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図3】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図2に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図4】比較例1による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図5】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図4に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図6】比較例2による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図7】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図6に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図8】比較例3による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図9】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図8に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図10】比較例4による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図11】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図10に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
なお、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
図1は本実施形態によるマルチレイヤーディスプレイの構成を示す模式図である。図1に示すように、マルチレイヤーディスプレイは、第一の画像表示用スクリーン1と第二の画像表示用スクリーン3との間に、本実施形態による拡散シート2が備えられており、スクリーン3と拡散シート2との間に設けられたスペーサ4の厚みによってスクリーン3と拡散シート2との間の距離が規定されている。
【0016】
画像表示用スクリーン1,3は、画像を表示する機能を有する平面状のディスプレイデバイスであり、その材質、厚さ、寸法等は限定されない。ディスプレイデバイスの表示形式としてはLCDを用いることが好ましいが、その他、例えば、PDP(plasma display panel)、有機/無機EL(electroluminescence)ディスプレイ、フロント/リアプロジェクションスクリーン、電界放出型ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ等が挙げられる。
【0017】
一般に、LCDは液晶層の両面に偏光フィルターを有しているが、本実施形態のマルチレイヤーディスプレイにおいてスクリーン1,3にLCDが用いられる場合、例えばスクリーン1,3の両面にそれぞれ偏光フィルターを設けてもよいし、スクリーン1,3が向かい合う側の面には偏光フィルターを設けないようにして、輝度を向上させるようにしてもよい。
【0018】
スクリーン1,3同士の間隔は任意であるが、マルチレイヤーディスプレイを収めるハウジング部材の小型化や、設置面積の低減のためには薄型のマルチレイヤーディスプレイであることが好ましい。具体的には、スクリーン同士の間隔は2.5 mm未満が好ましく、より好ましくは2mm未満である。
【0019】
拡散シート2は、光透過性で平面状の基材で形成されており、少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成されている。基材としては、シート、フィルム、膜、板等を用いることができる。基材の材質としては有機材料、無機材料、または有機材料と無機材料からなる複合材料を用いることができる。特に、有機材料、とりわけ有機高分子材料は、切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー ル、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
また、スクリーン1,3にLCDが用いられる場合には、拡散シート2には複屈折の無い材料を用いることが好ましい。そのような材料の例として、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、望ましい性質を得るために複数種類の有機高分子を混合してもよい。無機材料としては、例えばガラスは種々の光学特性に優れることから好ましい素材である。
【0021】
拡散シート2の表面の凹凸構造は、複数の微細な3次元構造で構成されており、凹凸の高さ及びピッチは非周期的であることが好ましい。凹凸構造は、具体的には、次のようにして形成することができる。まず、予め干渉露光によりスペックルパターンを形成したサブマスタ型を作製し、このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着することによりこの金属にスペックルパターンを転写してマスタ型を作製する。さらに、光透過性の基材に、マスタ型を用いて紫外線による腑形を行うことにより、光透過性基材の表面にスペックルパターンを転写する。このスペックルパターンが拡散シート2の表面の凹凸構造に対応する。
【0022】
サブマスタ型の詳細な製造方法については、例えば特許第3413519号公報に開示されている公知の方法を用いることができる。
【0023】
スペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散シート2の表面の凹凸構造が調節され、拡散シート2からの出射光の拡散角度を制御することができる。一般に、拡散角度の範囲は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが小さければ角度の範囲が広くなる。また、スペックルが横方向の長円形であれば、角度分布の形は縦方向の長円形となる。このように、所望する指向角度や拡散角度に応じてスペックルパターンを決定することができる。スペックルパターンの詳細な製法については、例えば特許第3390954号公報に開示されている公知の方法を用いることができる。
【0024】
出射光の拡散角度は凹凸構造のピッチ、高さ、アスペクト比を変えて制御しても構わないし、紫外線硬化等により光透過性基材の屈折率を変えて制御しても構わない。
【0025】
また、スペックルパターンで特徴づけられた拡散シート2の凹凸構造は、拡散シート2のどちらか一方の面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
【0026】
図2は、拡散シート2の出射光の角度に対する強度の分布(以後、角度分布と記す。)の実測値の例を示すグラフである。図2に示すように、拡散シート2の透過拡散光の出射角度をx軸、強度をy軸とし、出射角度に対する透過光強度の分布が示されている。図2のグラフは、例えば日本電飾工業株式会社製の変角光度計(GC−5000L)を用いて、拡散シート2に対して法線方向から、拡散シート2の凹凸構造を有する面に入射した光の出射角度に対する透過光強度の分布を測定することによって得られる。拡散シート2に対する法線方向とは、拡散シート2の水平面に対して垂直な方向のことである。
【0027】
拡散シート2の出射光の角度分布を正確に求めるためには、出射角度の測定間隔は1度以下であることが好ましい。また、各種の拡散シートの角度分布を比較するためには、出射光の強度は規格化されていることが好ましい。規格化の手法としては、ピーク強度を基準とすることが一般的であるが、一般に拡散シートの出射光の強度は0度付近において最も強いことから、ここでは各角度において測定された出射光強度を0度における出射光強度で割って100を掛けた値(相対強度)を用いている。また、拡散シート2の出射光の角度分布が異方性を有する場合には、後述の半値幅が最も大きくなるように測定方向を調整して測定を行う。
【0028】
図3は、2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図2に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。正規分布曲線とは、Cを定数、σを標準偏差とすると、次の式(1)によって表される曲線である。
【数1】
【0029】
図3に示す例では、各角度における2つの正規分布曲線(近似式1,2)の相対強度を足し合わせた相対強度の近似値(近似式合計)と、相対強度の実測値との差が小さくなるように、2つの正規分布曲線のC及びσを決定している。具体的には、例えば、−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計が、150未満となるように2つの正規分布曲線のC及びσを決定する必要がある。近似値を求めるにあたっては、例えばマイクロソフト社製MICROSOFT EXCEL(登録商標)のソルバーツールを用いて、近似値と実測値との差の絶対値の合計が最小となるように2つの正規分布曲線のC及びσを決定することができる。また、同様の機能を有する種々のプログラムを用いてもよい。
【0030】
上記式(1)より、各々の正規分布曲線のピーク値ypは次の式(2)によって求めることができる。
【数2】
【0031】
モアレ干渉縞の解消と正面輝度の保持を両立させるためには、2つの正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満であることが好ましく、より好ましくは1.5以上かつ2.5未満である。
【0032】
また、上記式(1)より、各々の正規分布曲線の半値幅xhは次の式(3)によって求めることができる。
【数3】
【0033】
ここでは、半値幅とは、出射光の角度分布あるいは角度分布を近似する正規分布曲線における強度がピーク強度の半分となる出射角度(半値角)の間隔(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。出射光の角度分布の実測値においては、測定された出射角度の間隔によっては必ずしも丁度半分の値が得られないことがあるが、そのような場合には強度がピーク強度の半分以上となる出射角度の範囲を半値幅とする。
【0034】
正面輝度を向上させるためには、2つの正規分布曲線のうち半値幅が小さい方の曲線の半値幅が3度以下であることが好ましく、より好ましくは2度以下である。また、正面輝度を向上させるためには、2つの正規分布曲線のうち半値幅が大きい方の曲線の半値幅が20度以下であることが好ましく、より好ましくは15度以下である。さらに、モアレ干渉縞の解消と正面輝度の両立には、2つの正規分布曲線の半値幅の比が3以上であることが好ましい。
なお、正面輝度を向上させるためには出射光の角度分布の半値幅は15度以下であることが好ましく、より好ましくは10度以下である。
【0035】
スペーサ4の材質については特に限定は無く、加工が容易で、かつ十分な強度を備えている材質であることが好ましい。そのような材質としては有機材料、無機材料、または有機材料と無機材料からなる複合材料を用いることができる。特に、有機材料、とりわけ、有機高分子材料は、切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、望ましい性質を得るために複数種類の有機高分子や繊維を混合することもできる。無機材料としては、例えば、金属は加工性と強度に優れることから好ましい素材である。
【0036】
なお、本実施形態では、マルチレイヤーディスプレイは2枚の画像表示用スクリーン1,3を備え、スクリーン1とスクリーン3の間に拡散シート2を備えた構成であるが、マルチレイヤーディスプレイの構成は図1の例に限られず、例えば画像表示用スクリーンの枚数は3枚以上であってもよい。
【実施例】
【0037】
以下、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
本実施例による拡散シートは、特許第3413519号公報に記載のホログラフ拡散体を通して拡散された干渉光により感光性媒体を露光することによって、非平面スペックルを有する感光性媒体を形成し、ノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。
【0038】
日本電飾工業株式会社製の変角光度計(GC−5000L)を用いて、この拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は6.0度であった。各角度において測定された出射光強度を0度における出射光強度で割って100を掛けた相対強度を計算したところ、表1の結果を得た。
【表1】
【0039】
図2は、表1に示す分布をグラフ上にプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表2に示す値を得た。
【0040】
【表2】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、60.8であった。図3は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図2のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0041】
実施例1による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、ミノルタ製輝度計LS−110を用いて正面輝度を測定したところ、24.1cd/m2であった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0042】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、26.0 cd/m2であった。この条件においてもモアレ干渉縞は観察されなかった。
いずれの厚みのスペーサ4を用いた場合も、マルチレイヤーディスプレイは明瞭に3次元画像を表示することができた。
【0043】
[比較例1]
比較例1による拡散シートは、恵和製拡散シートPBS−071からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は4.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表3の結果を得た。
【表3】
【0044】
図4は、表3に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表4に示す値を得た。
【0045】
【表4】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、17.1であった。図5は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図4のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0046】
比較例1による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、24.0cd/m2であった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0047】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、27.0 cd/m2であったが、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞が確認され、表示品質を著しく損なっていた。
【0048】
[比較例2]
比較例2による拡散シートは、MNTech製拡散シートUTE21−7Mからノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は5.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表5の結果を得た。
【表5】
【0049】
図6は、表3に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表6に示す値を得た。
【0050】
【表6】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、107であった。図7は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図6のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0051】
比較例2による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、7.8cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0052】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、7.8cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0053】
[比較例3]
比較例3による拡散シートは、恵和製拡散シートBS−700からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は26.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表7の結果を得た。
【表7】
【0054】
図8は、表7に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表8に示す値を得た。
【0055】
【表8】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、107であった。図9は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図8のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0056】
比較例3による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、6.6cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0057】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、6.4cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0058】
[比較例4]
比較例4による拡散シートは、恵和製拡散シートBS−04からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は18.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表9の結果を得た。
【表9】
【0059】
図10は、表9に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表10に示す値を得た。
【0060】
【表10】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、144であった。図11は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図10のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0061】
比較例4による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、5.3cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0062】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、4.9cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、立体映像表示用装置などに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0064】
1 第一の画像表示用スクリーン、2 拡散シート、3 第二の画像表示用スクリーン、4 スペーサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散シート及びマルチレイヤーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在LCD(liquid crystal display)はテレビ、広告をはじめとした様々な表示装置に利用されている。表示装置の工夫により奥行きのある立体的な映像を再生することは視聴者により印象的な映像効果を与えることができる。LCD等のディスプレイデバイスを用いて視聴者に奥行きのある立体的な映像を体感させる手法の一つとして、複数のディスプレイデバイスを重ねたマルチレイヤーディスプレイが開示されている。
【0003】
一般に複数のディスプレイデバイスを重ねると、ディスプレイデバイス上の規則正しく並んだ画素によってモアレ干渉縞が発生することが知られている。特許文献1には複数のLCDを重ねる際に発生するモアレ干渉縞を解消するために僅かに拡散性を有する層をスクリーンの間に具備するマルチレイヤーディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO99/42889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、デザイン上の観点などから薄型のマルチレイヤーディスプレイを製造する場合、ディスプレイデバイス同士の距離を小さくしなければならないが、距離を小さくするとモアレ干渉縞の解消は一層困難となることから、拡散性の大きな拡散シートを用いる必要があった。しかしながら、拡散性の大きな拡散シートを用いると、モアレ干渉縞の解消には効果的である反面、拡散によって光が散逸することからディスプレイの正面輝度が低下し、視聴者が見る映像が暗くなる、或いは映像を明るくするために消費電力が増加するといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、画像表示装置同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明に係る拡散シートは、少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成された拡散シートであって、出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、前記第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、前記第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、前記第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である。
上記構成によれば、画像表示用スクリーン同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、スクリーン間に本発明に係る拡散シートを配置することにより、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【0008】
また、前記凹凸の高さ及びピッチが非周期的であることが望ましい。
また、前記凹凸構造は、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものとすることができる。
【0009】
また、前記第1の正規分布曲線の半値幅が20度以下であることが望ましい。
また、前記第1の正規分布曲線の半値幅と前記第2の正規分布曲線の半値幅の比が3以上であることが望ましい。
【0010】
また、前記出射光の拡散角度に対する強度の分布の半値幅が15度以下であることが望ましい。
【0011】
本発明に係るマルチレイヤーディスプレイは、2枚の画像表示用スクリーンの間に本発明に係る拡散シートを備えたものである。
上記構成によれば、画像表示用スクリーン同士の間隔を狭くしても、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【0012】
また、前記スクリーンの少なくとも1枚を液晶パネルとしてもよい。
また、前記スクリーン同士の間隔を2mm未満とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像表示装置同士の間隔が狭いマルチレイヤーディスプレイにおいて、モアレ干渉縞を解消しながら高い正面輝度を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態によるマルチレイヤーディスプレイの構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図3】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図2に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図4】比較例1による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図5】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図4に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図6】比較例2による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図7】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図6に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図8】比較例3による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図9】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図8に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【図10】比較例4による拡散シートの出射光の角度に対する強度の分布の実測値の例を示すグラフである。
【図11】2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図10に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
なお、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
図1は本実施形態によるマルチレイヤーディスプレイの構成を示す模式図である。図1に示すように、マルチレイヤーディスプレイは、第一の画像表示用スクリーン1と第二の画像表示用スクリーン3との間に、本実施形態による拡散シート2が備えられており、スクリーン3と拡散シート2との間に設けられたスペーサ4の厚みによってスクリーン3と拡散シート2との間の距離が規定されている。
【0016】
画像表示用スクリーン1,3は、画像を表示する機能を有する平面状のディスプレイデバイスであり、その材質、厚さ、寸法等は限定されない。ディスプレイデバイスの表示形式としてはLCDを用いることが好ましいが、その他、例えば、PDP(plasma display panel)、有機/無機EL(electroluminescence)ディスプレイ、フロント/リアプロジェクションスクリーン、電界放出型ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ等が挙げられる。
【0017】
一般に、LCDは液晶層の両面に偏光フィルターを有しているが、本実施形態のマルチレイヤーディスプレイにおいてスクリーン1,3にLCDが用いられる場合、例えばスクリーン1,3の両面にそれぞれ偏光フィルターを設けてもよいし、スクリーン1,3が向かい合う側の面には偏光フィルターを設けないようにして、輝度を向上させるようにしてもよい。
【0018】
スクリーン1,3同士の間隔は任意であるが、マルチレイヤーディスプレイを収めるハウジング部材の小型化や、設置面積の低減のためには薄型のマルチレイヤーディスプレイであることが好ましい。具体的には、スクリーン同士の間隔は2.5 mm未満が好ましく、より好ましくは2mm未満である。
【0019】
拡散シート2は、光透過性で平面状の基材で形成されており、少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成されている。基材としては、シート、フィルム、膜、板等を用いることができる。基材の材質としては有機材料、無機材料、または有機材料と無機材料からなる複合材料を用いることができる。特に、有機材料、とりわけ有機高分子材料は、切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー ル、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
また、スクリーン1,3にLCDが用いられる場合には、拡散シート2には複屈折の無い材料を用いることが好ましい。そのような材料の例として、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、望ましい性質を得るために複数種類の有機高分子を混合してもよい。無機材料としては、例えばガラスは種々の光学特性に優れることから好ましい素材である。
【0021】
拡散シート2の表面の凹凸構造は、複数の微細な3次元構造で構成されており、凹凸の高さ及びピッチは非周期的であることが好ましい。凹凸構造は、具体的には、次のようにして形成することができる。まず、予め干渉露光によりスペックルパターンを形成したサブマスタ型を作製し、このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着することによりこの金属にスペックルパターンを転写してマスタ型を作製する。さらに、光透過性の基材に、マスタ型を用いて紫外線による腑形を行うことにより、光透過性基材の表面にスペックルパターンを転写する。このスペックルパターンが拡散シート2の表面の凹凸構造に対応する。
【0022】
サブマスタ型の詳細な製造方法については、例えば特許第3413519号公報に開示されている公知の方法を用いることができる。
【0023】
スペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散シート2の表面の凹凸構造が調節され、拡散シート2からの出射光の拡散角度を制御することができる。一般に、拡散角度の範囲は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが小さければ角度の範囲が広くなる。また、スペックルが横方向の長円形であれば、角度分布の形は縦方向の長円形となる。このように、所望する指向角度や拡散角度に応じてスペックルパターンを決定することができる。スペックルパターンの詳細な製法については、例えば特許第3390954号公報に開示されている公知の方法を用いることができる。
【0024】
出射光の拡散角度は凹凸構造のピッチ、高さ、アスペクト比を変えて制御しても構わないし、紫外線硬化等により光透過性基材の屈折率を変えて制御しても構わない。
【0025】
また、スペックルパターンで特徴づけられた拡散シート2の凹凸構造は、拡散シート2のどちらか一方の面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
【0026】
図2は、拡散シート2の出射光の角度に対する強度の分布(以後、角度分布と記す。)の実測値の例を示すグラフである。図2に示すように、拡散シート2の透過拡散光の出射角度をx軸、強度をy軸とし、出射角度に対する透過光強度の分布が示されている。図2のグラフは、例えば日本電飾工業株式会社製の変角光度計(GC−5000L)を用いて、拡散シート2に対して法線方向から、拡散シート2の凹凸構造を有する面に入射した光の出射角度に対する透過光強度の分布を測定することによって得られる。拡散シート2に対する法線方向とは、拡散シート2の水平面に対して垂直な方向のことである。
【0027】
拡散シート2の出射光の角度分布を正確に求めるためには、出射角度の測定間隔は1度以下であることが好ましい。また、各種の拡散シートの角度分布を比較するためには、出射光の強度は規格化されていることが好ましい。規格化の手法としては、ピーク強度を基準とすることが一般的であるが、一般に拡散シートの出射光の強度は0度付近において最も強いことから、ここでは各角度において測定された出射光強度を0度における出射光強度で割って100を掛けた値(相対強度)を用いている。また、拡散シート2の出射光の角度分布が異方性を有する場合には、後述の半値幅が最も大きくなるように測定方向を調整して測定を行う。
【0028】
図3は、2つの正規分布曲線の足し合わせによって、図2に示す角度分布の実測値を近似したグラフである。正規分布曲線とは、Cを定数、σを標準偏差とすると、次の式(1)によって表される曲線である。
【数1】
【0029】
図3に示す例では、各角度における2つの正規分布曲線(近似式1,2)の相対強度を足し合わせた相対強度の近似値(近似式合計)と、相対強度の実測値との差が小さくなるように、2つの正規分布曲線のC及びσを決定している。具体的には、例えば、−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計が、150未満となるように2つの正規分布曲線のC及びσを決定する必要がある。近似値を求めるにあたっては、例えばマイクロソフト社製MICROSOFT EXCEL(登録商標)のソルバーツールを用いて、近似値と実測値との差の絶対値の合計が最小となるように2つの正規分布曲線のC及びσを決定することができる。また、同様の機能を有する種々のプログラムを用いてもよい。
【0030】
上記式(1)より、各々の正規分布曲線のピーク値ypは次の式(2)によって求めることができる。
【数2】
【0031】
モアレ干渉縞の解消と正面輝度の保持を両立させるためには、2つの正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満であることが好ましく、より好ましくは1.5以上かつ2.5未満である。
【0032】
また、上記式(1)より、各々の正規分布曲線の半値幅xhは次の式(3)によって求めることができる。
【数3】
【0033】
ここでは、半値幅とは、出射光の角度分布あるいは角度分布を近似する正規分布曲線における強度がピーク強度の半分となる出射角度(半値角)の間隔(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。出射光の角度分布の実測値においては、測定された出射角度の間隔によっては必ずしも丁度半分の値が得られないことがあるが、そのような場合には強度がピーク強度の半分以上となる出射角度の範囲を半値幅とする。
【0034】
正面輝度を向上させるためには、2つの正規分布曲線のうち半値幅が小さい方の曲線の半値幅が3度以下であることが好ましく、より好ましくは2度以下である。また、正面輝度を向上させるためには、2つの正規分布曲線のうち半値幅が大きい方の曲線の半値幅が20度以下であることが好ましく、より好ましくは15度以下である。さらに、モアレ干渉縞の解消と正面輝度の両立には、2つの正規分布曲線の半値幅の比が3以上であることが好ましい。
なお、正面輝度を向上させるためには出射光の角度分布の半値幅は15度以下であることが好ましく、より好ましくは10度以下である。
【0035】
スペーサ4の材質については特に限定は無く、加工が容易で、かつ十分な強度を備えている材質であることが好ましい。そのような材質としては有機材料、無機材料、または有機材料と無機材料からなる複合材料を用いることができる。特に、有機材料、とりわけ、有機高分子材料は、切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、望ましい性質を得るために複数種類の有機高分子や繊維を混合することもできる。無機材料としては、例えば、金属は加工性と強度に優れることから好ましい素材である。
【0036】
なお、本実施形態では、マルチレイヤーディスプレイは2枚の画像表示用スクリーン1,3を備え、スクリーン1とスクリーン3の間に拡散シート2を備えた構成であるが、マルチレイヤーディスプレイの構成は図1の例に限られず、例えば画像表示用スクリーンの枚数は3枚以上であってもよい。
【実施例】
【0037】
以下、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
本実施例による拡散シートは、特許第3413519号公報に記載のホログラフ拡散体を通して拡散された干渉光により感光性媒体を露光することによって、非平面スペックルを有する感光性媒体を形成し、ノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。
【0038】
日本電飾工業株式会社製の変角光度計(GC−5000L)を用いて、この拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は6.0度であった。各角度において測定された出射光強度を0度における出射光強度で割って100を掛けた相対強度を計算したところ、表1の結果を得た。
【表1】
【0039】
図2は、表1に示す分布をグラフ上にプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表2に示す値を得た。
【0040】
【表2】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、60.8であった。図3は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図2のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0041】
実施例1による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、ミノルタ製輝度計LS−110を用いて正面輝度を測定したところ、24.1cd/m2であった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0042】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、26.0 cd/m2であった。この条件においてもモアレ干渉縞は観察されなかった。
いずれの厚みのスペーサ4を用いた場合も、マルチレイヤーディスプレイは明瞭に3次元画像を表示することができた。
【0043】
[比較例1]
比較例1による拡散シートは、恵和製拡散シートPBS−071からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は4.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表3の結果を得た。
【表3】
【0044】
図4は、表3に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表4に示す値を得た。
【0045】
【表4】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、17.1であった。図5は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図4のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0046】
比較例1による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、24.0cd/m2であった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0047】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、27.0 cd/m2であったが、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞が確認され、表示品質を著しく損なっていた。
【0048】
[比較例2]
比較例2による拡散シートは、MNTech製拡散シートUTE21−7Mからノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は5.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表5の結果を得た。
【表5】
【0049】
図6は、表3に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表6に示す値を得た。
【0050】
【表6】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、107であった。図7は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図6のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0051】
比較例2による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、7.8cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0052】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、7.8cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0053】
[比較例3]
比較例3による拡散シートは、恵和製拡散シートBS−700からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は26.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表7の結果を得た。
【表7】
【0054】
図8は、表7に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表8に示す値を得た。
【0055】
【表8】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、107であった。図9は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図8のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0056】
比較例3による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、6.6cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0057】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、6.4cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0058】
[比較例4]
比較例4による拡散シートは、恵和製拡散シートBS−04からノーランド社製光学用接着剤NOA63によって厚さ80ミクロンの富士フィルム社製トリアセチルセルロース基材TD80ULへ表面構造を転写したものである。実施例と同様に、拡散シートに対して法線方向から、凹凸面に入射した光の透過光強度の出射角度に対する分布を測定したところ、半値幅は18.0度であった。各角度において測定された相対強度を計算したところ、表9の結果を得た。
【表9】
【0059】
図10は、表9に示す分布をグラフにプロットしたものである。この分布を数式(1)によって表される近似式1,2の足し合わせによって近似するため、近似式1,2中の標準偏差σ及び定数Cを変化させ、各角度における相対強度を足し合わせた近似値と、実測値との差が小さくなるようにそれぞれの値を決定した。その結果、標準偏差σ及び定数C、半値幅xh、2つの正規分布曲線のピーク値の比(yp max /yp min)について表10に示す値を得た。
【0060】
【表10】
−85度から85度までの1度毎に求めた171点における近似値と実測値との差の絶対値の合計は、144であった。図11は近似式1,2及び近似式1,2を足し合わせた曲線をグラフにプロットしたものである。図に示すように、図10のグラフ形状が再現されていることが分かる。
【0061】
比較例4による拡散シートを用いて、図1に示すマルチレイヤーディスプレイを作製した。スペーサ4の厚みを2mmとして、実施例と同様に正面輝度を測定したところ、5.3cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【0062】
次に、スペーサ4の厚みを1mmとして同様に正面輝度を測定したところ、4.9cd/m2であり、ディスプレイとして用いるには非常に暗いものであった。また、2枚のスクリーン1,3を重ねたことによるモアレ干渉縞は観察されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、立体映像表示用装置などに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0064】
1 第一の画像表示用スクリーン、2 拡散シート、3 第二の画像表示用スクリーン、4 スペーサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成された拡散シートであって、
出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、前記第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、
前記第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、
前記第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である拡散シート。
【請求項2】
前記凹凸の高さ及びピッチが非周期的である請求項1に記載の拡散シート。
【請求項3】
前記凹凸構造は、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである請求項2に記載の拡散シート。
【請求項4】
前記第1の正規分布曲線の半値幅が20度以下である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項5】
前記第1の正規分布曲線の半値幅と前記第2の正規分布曲線の半値幅の比が3以上である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項6】
前記出射光の拡散角度に対する強度の分布の半値幅が15度以下である、請求項1乃至請求項5のいずれかに拡散シート。
【請求項7】
2枚の画像表示用スクリーンの間に請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の拡散シートを備えた、マルチレイヤーディスプレイ。
【請求項8】
前記スクリーンの少なくとも1枚が液晶パネルである、請求項7に記載のマルチレイヤーディスプレイ。
【請求項9】
前記スクリーン同士の間隔が2mm未満である、請求項7または請求項8に記載のマルチレイヤーディスプレイ。
【請求項1】
少なくとも一方の表面に凹凸構造が形成された拡散シートであって、
出射光の拡散角度に対する強度の分布が、第1の正規分布曲線と、前記第1の正規分布曲線よりも半値幅の小さい第2の正規分布曲線を足し合わせた曲線によって近似され、
前記第2の正規分布曲線の半値幅が3度以下であり、
前記第1の正規分布曲線のピーク値と前記第2の正規分布曲線のピーク値の比が1.0以上かつ3.5未満である拡散シート。
【請求項2】
前記凹凸の高さ及びピッチが非周期的である請求項1に記載の拡散シート。
【請求項3】
前記凹凸構造は、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである請求項2に記載の拡散シート。
【請求項4】
前記第1の正規分布曲線の半値幅が20度以下である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項5】
前記第1の正規分布曲線の半値幅と前記第2の正規分布曲線の半値幅の比が3以上である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の拡散シート。
【請求項6】
前記出射光の拡散角度に対する強度の分布の半値幅が15度以下である、請求項1乃至請求項5のいずれかに拡散シート。
【請求項7】
2枚の画像表示用スクリーンの間に請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の拡散シートを備えた、マルチレイヤーディスプレイ。
【請求項8】
前記スクリーンの少なくとも1枚が液晶パネルである、請求項7に記載のマルチレイヤーディスプレイ。
【請求項9】
前記スクリーン同士の間隔が2mm未満である、請求項7または請求項8に記載のマルチレイヤーディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−158697(P2011−158697A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20111(P2010−20111)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
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