説明

振り込め詐欺防止システム、通信端末、振り込め詐欺防止方法、及びプログラム

【課題】振り込め詐欺等の悪意ある相手との通話等に対して、通話人の関係者が第三者としての立場から警告メッセージの送信、通話内容の監視、通話割込み等を行う。
【解決手段】第1通信端末は、宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信する。第2通信端末は、第1通信端末から注意情報を受信した際、第1通信端末と未登録の相手との通信中に、第1通信端末にメッセージを送信する処理と、通信を監視する処理と、通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する。必要に応じて、第1サーバ装置は、第1通信端末から問い合わせを受けた通信用識別情報と第1データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、通信用識別情報が安全か否か判断し、判断結果に応じた情報を第1通信端末に通知する。また、第2サーバ装置は、通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を第1通信端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振り込め詐欺防止システムに関し、特にスマートフォンにおける振り込め詐欺の防止/抑止を支援する振り込め詐欺防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話やメール等で相手を騙して金銭の振り込みを要求する「振り込め詐欺」が大きな社会問題化している。
【0003】
従来、振り込め詐欺の対策としては、固定電話や銀行ATM等に振り込め詐欺に関する注意喚起のポップ(紙媒体)等を貼るというものであった。
【0004】
しかし、注意喚起のポップだけでは、被害を無くすことはできない。また、銀行振り込み以外の方法(例えば手渡し等)で金銭が詐取される場合もある。そのため、様々な方向から被害を防ぐ方法が提供されることが期待されている。
【0005】
今後発展が見込まれるスマートフォンにおいても、振り込め詐欺を防止/抑止するための何らかの対策が求められると考えられる。
【0006】
関連する技術として、特許文献1(特開2008−210085号公報)に振り込め詐欺防止システムに関する技術が開示されている。この振り込め詐欺防止システムでは、ユーザ電話端末は通話音声データを記録して通話内容判定サーバに送信し、通話内容判定サーバは、ユーザ電話端末から受信した通話音声データと予め登録された詐欺師の音声データを基に音声特徴を照合し、前記通話音声データをテキスト変換し、テキスト変換された通話内容に含まれる口座情報が予め登録された詐欺用口座情報と一致するかを照合し、予め登録されたキーワードとテキスト変換された通話内容に含まれるキーワードとの一致率を算出し、前記音声特徴、口座情報、キーワード一致率を基に判定レベルを決定し判定結果情報をユーザ電話端末に送信するとともに、前記判定結果情報を含むメールを生成し予め登録された通知先に送信する。
【0007】
また、特許文献2(特開2005−341383号公報)に電話機に関する技術が開示されている。この電話機では、音声入力部から入力させた予め登録を要する者の音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出し、記憶部に記憶する。一方、電話を受けた場合には、電話回線からの音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出し、当該個人性特徴量と記憶部に記憶された個人性特徴量とを比較して電話回線から入力された音声信号の発信者が記憶部に個人性特徴量が登録されている者であるか否かを判定し、判定結果を報知する。これにより、個人性特徴量が記憶部に記憶されていない未登録者からの電話であった場合にはその旨が報知されるので、近親者等を登録者としておけば、振り込め詐欺等の被害から護ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−210085号公報
【特許文献2】特開2005−341383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、スマートフォン向けに振り込め詐欺の防止/抑止を支援する振り込め詐欺防止システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る振り込め詐欺防止システムは、宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先(ここでは、第2通信端末)に注意情報を送信する第1通信端末と、該第1通信端末から該注意情報を受信した際、該第1通信端末と該相手との通信中に、該第1通信端末にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する第2通信端末とを含む。なお、第2通信端末は、メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理を実行しても良い。
【0011】
本発明に係る通信端末は、宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信する手段と、所定の通知元から注意情報を受信した際、該所定の通知元と該相手との通信中に、該所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する手段とを具備する。なお、該通信端末は、メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理を実行しても良い。
【0012】
本発明に係る振り込め詐欺防止方法は、通信端末により実施される振り込め詐欺防止方法であって、宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信することと、所定の通知元から注意情報を受信した際、該所定の通知元と該相手との通信中に、該所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行することとを含む。なお、メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理を実行しても良い。
【0013】
本発明に係るプログラムは、宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信するステップと、所定の通知元から注意情報を受信した際、該所定の通知元と該相手との通信中に、該所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行するステップとを通信端末に実行させるためのプログラムである。なお、メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理を実行しても良い。
【0014】
本発明に係るプログラムは、上記の振り込め詐欺防止方法における処理を、通信端末に実行させるためのプログラムである。なお、本発明に係るプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
振り込め詐欺等の悪意ある相手との通話等に対して、通話人の関係者が第三者としての立場から警告メッセージの送信、通話内容の監視、通話割込み等を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振り込め詐欺防止システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における振り込め詐欺防止処理について説明するためのフローチャートである。
【図3】各通信端末の内部構成の詳細について説明するための図である。
【図4】各通信端末に格納されるデータの詳細について説明するための図である。
【図5】各通信端末の画面表示の詳細について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る振り込め詐欺防止システムの構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態における振り込め詐欺防止処理について説明するためのフローチャートである。
【図8】各通信端末の内部構成の詳細について説明するための図である。
【図9】各通信端末及びサーバ装置に格納されるデータの詳細について説明するための図である。
【図10】ソーシャルDBに格納されるデータの詳細について説明するための図である。
【図11】着信履歴情報に格納されるデータの詳細について説明するための図である。
【図12】個人DBに格納されるデータの詳細について説明するための図である。
【図13】本発明の第3実施形態における振り込め詐欺防止処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0018】
[システムの基本構成]
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る振り込め詐欺防止システムは、第1通信端末10と、第2通信端末20を含む。
【0019】
第1通信端末10は、振り込め詐欺の相手からの電話やメール等を受ける通信端末である。第1通信端末10は、少なくとも、電話(通話)機能と、データ送受信機能を有する。
【0020】
第2通信端末20は、第1通信端末10のユーザ(利用者、所有者)の身内(家族、親類、保護者)、又は保佐人や後見監督人等が保有する通信端末である。第2通信端末20は、少なくとも、電話(通話)機能と、データ送受信機能を有する。
【0021】
第1通信端末10、及び第2通信端末20は、それぞれネットワークを介して接続可能である。
【0022】
第1通信端末10及び第2通信端末20の各々は、電話番号等を登録するための電話帳データ(アドレス帳データでも可。一般的な「宛先リスト」であれば良い。)と、本発明に関する処理を実現するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「アプリ」と呼ぶ。)と、該端末をネットワーク上で一意に特定できる端末識別情報(電話番号、機器ID、IPアドレス等の少なくとも1つ)を有する。なお、端末識別情報は、電話帳データ又はアプリに予め登録されていても良い。アプリに登録されている場合、端末識別情報は、当該アプリを一意に特定できる識別情報(アプリID等)でも良い。
【0023】
ここでは、第1通信端末10の端末識別情報を「第1端末識別情報」と呼ぶ。第1通信端末10のアプリを「第1アプリ」と呼ぶ。第2通信端末20の端末識別情報を「第2端末識別情報」と呼ぶ。第2通信端末20のアプリを「第2アプリ」と呼ぶ。
【0024】
なお、第1アプリと第2アプリは、一体化していても良い。すなわち、1つのアプリに、第1アプリと第2アプリが含まれていても良い。例えば、複数の通信端末の各々に、該アプリがダウンロードされている場合、ある通信端末が第1通信端末10となる場合は第1アプリとして起動し、他の通信端末が第2通信端末20となる場合は第2アプリとして起動するようにしても良い。この場合、電話の着信を受けた通信端末が、第1通信端末10となる。
【0025】
また、第1通信端末10と第2通信端末20との間で通信を行う際、第1アプリと第2アプリとの間で(第1アプリ及び第2アプリに基づく処理により)認証を行うようにしても良い。
【0026】
[振り込め詐欺防止処理1]
図2を参照して、本実施形態における振り込め詐欺防止処理の概要について説明する。
【0027】
(1)ステップS101
第1通信端末10は、電話の着信を検出し、第1アプリを実行/起動する。なお、第1通信端末10は、事前に(予め)第1アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0028】
(2)ステップS102
第1通信端末10は、第1アプリに従って、着信した電話番号と、電話帳データの電話番号とを比較し、善良な相手の電話番号としての登録の有無を確認する。
【0029】
(3)ステップS103
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されている場合、登録ありの旨を表示し、ユーザの操作に応じて通話を開始する。すなわち、第1通信端末10は、通常の動作を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0030】
(4)ステップS104
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、登録なしの旨を表示する。また、第1通信端末10は、着信した電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データに登録されている場合、悪意ある相手の電話番号である旨を表示する。第1通信端末10は、ユーザの操作を監視/検出し、通話を開始したか否か確認する。なお、第1通信端末10は、一定時間以上ユーザの操作がなく通話終了(切断)した場合、或いは、通話終了(切断)の操作が行われた場合、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0031】
(5)ステップS105
第1通信端末10は、通話を開始した場合、第2通信端末20(の第2アプリ)に注意情報を送信する。
【0032】
(6)ステップS106
第2通信端末20は、第1通信端末10から注意情報を受信した際、第2アプリを実行/起動し、注意メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、第1通信端末10へのメッセージ送信ボタンを表示する。なお、第2通信端末20は、事前に(予め)第2アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0033】
(7)ステップS107
第2通信端末20は、ユーザの操作を監視/検出し、該メッセージ送信ボタンの押下の有無を確認する。
【0034】
(8)ステップS108
第2通信端末20は、メッセージ送信ボタンの押下があれば、メッセージ作成画面を表示し、ユーザの操作により入力/選択されたメッセージをメッセージ作成画面に記入し、メッセージ作成画面に記入されたメッセージを第1通信端末10に送信する。
【0035】
(9)ステップS109
第1通信端末10は、第2通信端末20からメッセージを受信した際、該メッセージを表示する。
【0036】
(10)ステップS110
また、第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話監視/参加ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該通話監視/参加ボタンの押下の有無を確認する。
【0037】
(11)ステップS111
第2通信端末20は、通話監視/参加ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して通話監視/参加の要求を送信し、第1通信端末10での通話監視/参加を開始する。このとき、第2通信端末20は、第1通信端末10での通話を録音する。
【0038】
(12)ステップS112
第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話の強制切断指示ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該強制切断指示ボタンの押下の有無を確認する。
【0039】
(13)ステップS113
第2通信端末20は、強制切断指示ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して強制切断指示(要求)を送信する。その後、第2通信端末20は、第2アプリを終了/停止する。第2アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0040】
(14)ステップS114
第1通信端末10は、第2通信端末20から強制切断指示(要求)を受信した際、第1アプリに従って、通話の強制切断を行い、以後同じ電話番号からの着信を拒否する旨の設定を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0041】
[システムの構成の詳細]
図3を参照して、各通信端末の内部構成の詳細について説明する。
【0042】
ここでは、第1通信端末10と第2通信端末20とは、同種の通信端末であるものとする。すなわち、第1通信端末10と第2通信端末20の構成は、基本的に同一である。但し、実際には、第1通信端末10と第2通信端末20は、同種の通信端末でなくても良い。
【0043】
[第1通信端末の構成]
まず、第1通信端末10の構成例について説明する。
【0044】
第1通信端末10は、電話通信機能部11と、ネットワーク通信機能部12と、表示部13と、音声入出力部14と、入力部15と、記憶部16と、制御部17を備える。
【0045】
電話通信機能部11は、3G(3rd Generation)を始めとする無線電話網等の電話通信回線を利用するための第1の通信用インターフェース(I/F:interface)である。但し、電話通信回線は、通信回線の一例に過ぎない。電話通信機能部11が利用する無線通信回線は、音声通話が可能であれば良く、アナログ回線/デジタル回線を問わない。
【0046】
ネットワーク通信機能部12は、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)を始めとする無線LAN(Local Area Network)等のネットワーク通信回線を利用するための第2の通信用インターフェースである。但し、ネットワーク通信回線は、通信回線の一例に過ぎない。ネットワーク通信機能部12が利用する無線通信回線は、上記の電話通信機能部11が利用する通信回線とは異なる通信回線であると好適であるが、デジタル回線であれば、同一の通信回線でも良い。すなわち、ネットワーク通信機能部12は、電話通信機能部11での通話を阻害せずに通信できれば良い。例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバー等のデジタル回線であれば、互いの通信を阻害しないため、同一の通信回線を利用することも可能である。
【0047】
表示部13は、各種データを表示するための表示装置である。
【0048】
音声入出力部14は、音声の入出力、及び通話に用いられる音声入出力装置である。
【0049】
入力部15は、ユーザの操作に応じて、第1通信端末10の各種機能の起動/終了や、第1通信端末10へのデータ入力を行うための入力装置である。
【0050】
記憶部16は、プログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。
【0051】
制御部17は、上記の第1通信端末10内の各部(内部構成)の動作やデータ処理を制御する処理装置である。
【0052】
[第2通信端末の構成]
次に、第2通信端末20の構成例について説明する。
【0053】
第2通信端末20は、電話通信機能部21と、ネットワーク通信機能部22と、表示部23と、音声入出力部24と、入力部25と、記憶部26と、制御部27を備える。
【0054】
電話通信機能部21は、3Gを始めとする無線電話網等の電話通信回線を利用するための第2の通信用インターフェース(I/F:interface)である。但し、電話通信回線は、通信回線の一例に過ぎない。電話通信機能部21が利用する無線通信回線は、音声通話が可能であれば良く、アナログ回線/デジタル回線を問わない。
【0055】
ネットワーク通信機能部22は、Wi−Fi(登録商標)を始めとする無線LAN等のネットワーク通信回線を利用するための第2の通信用インターフェースである。但し、ネットワーク通信回線は、通信回線の一例に過ぎない。ネットワーク通信機能部22が利用する無線通信回線は、上記の電話通信機能部21が利用する通信回線とは異なる通信回線であると好適であるが、デジタル回線であれば、同一の通信回線でも良い。
【0056】
表示部23は、各種データを表示するための表示装置である。
【0057】
音声入出力部24は、音声の入出力、及び通話に用いられる音声入出力装置である。
【0058】
入力部25は、ユーザの操作に応じて、第2通信端末20の各種機能の起動/終了や、第2通信端末20へのデータ入力を行うための入力装置である。
【0059】
記憶部26は、プログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。
【0060】
制御部27は、上記の第2通信端末20内の各部(内部構成)の動作やデータ処理を制御する処理装置である。
【0061】
[データ構成の詳細]
図4を参照して、各通信端末に格納されるデータの詳細について説明する。
【0062】
[第1通信端末の記憶部のデータ構成]
まず、第1通信端末10の記憶部16に格納されるデータの詳細について説明する。
【0063】
第1通信端末10の記憶部16は、第1電話帳データ161と、第1アプリ162を格納する。
【0064】
電話帳データ161は、電話番号等の通信先識別情報を登録するためのテーブルである。電話帳データ161は、第1通信端末10が元から備えている(既存の)電話帳データを利用/転用(流用)したものでも良い。
【0065】
第1アプリ162は、第1通信端末10のアプリであり、本発明における第1通信端末10側での処理を、通信端末に実行させるためのアプリケーションソフトウェアである。なお、第1アプリ162は、記憶部16に格納されるアプリケーションソフトウェアに限らず、モジュール(module)、コンポーネント(component)、或いは専用デバイス、又はこれらの起動(呼出)プログラムでも良い。また、第1アプリ162は、必要であれば、第1通信端末10が元から備えている(既存の)機能を利用することも可能である。
【0066】
第1アプリ162は、第1メッセージ関連データ1621と、第1通話関連データ1622と、第1連携データ1623を利用する。第1メッセージ関連データ1621、第1通話関連データ1622、及び第1連携データ1623は、第1アプリ162の実行中に参照可能なデータである。第1メッセージ関連データ1621、第1通話関連データ1622、及び第1連携データ1623は、記憶部16に個別に記憶されていても良いし、第1アプリ162に組み込まれていても良い。
【0067】
第1メッセージ関連データ1621は、第1アプリ162が警告等のメッセージの表示や送信に関する処理を行う際に利用するデータである。例えば、メッセージの表示や送信を実行する機能を呼び出すためのボタン、メッセージの内容(定型文、制御コマンド等)、メッセージ記入欄を設けたメッセージ作成画面に関する情報等が考えられる。
【0068】
第1通話関連データ1622は、第1アプリ162が通話に関する処理を行う際に利用するデータである。例えば、通話処理に関連する機能を呼び出すためのボタンに関する情報等が考えられる。
【0069】
第1連携データ1623は、第1端末識別情報と第2端末識別情報とを対応付けて保持している。第1端末識別情報は、第1通信端末10又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。第2端末識別情報は、第2通信端末20又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。なお、第1通信端末10自体が第1端末識別情報を把握しており、第1端末識別情報を外部送信する必要がない場合、すなわち、第2端末識別情報のみ必要である場合、第1連携データ1623は、第2端末識別情報のみでも良い。また、端末識別情報が、電話番号やIPアドレス等の通信識別子でない場合、端末識別情報とは別に、通信識別子を保持する。なお、第1連携データ1623は、電話帳データ161でも良い。
【0070】
[第2通信端末の記憶部のデータ構成]
次に、第2通信端末20の記憶部26に格納されるデータの詳細について説明する。
【0071】
第2通信端末20の記憶部26は、第2電話帳データ261と、第2アプリ262を格納する。
【0072】
電話帳データ261は、電話番号等の通信先識別情報を登録するためのテーブルである。電話帳データ261は、第2通信端末20が元から備えている(既存の)電話帳データを利用/転用(流用)したものでも良い。
【0073】
第2アプリ262は、第2通信端末20のアプリであり、本発明における第2通信端末20側での処理を、通信端末に実行させるためのアプリケーションソフトウェアである。なお、第2アプリ262は、記憶部26に格納されるアプリケーションソフトウェアに限らず、モジュール、コンポーネント、或いは専用デバイス、又はこれらの起動(呼出)プログラムでも良い。また、第2アプリ262は、必要であれば、第2通信端末20が元から備えている(既存の)機能を利用することも可能である。
【0074】
第2アプリ262は、第2メッセージ関連データ2621と、第2通話関連データ2622と、第2連携データ2623を利用する。第2メッセージ関連データ2621、第2通話関連データ2622、及び第2連携データ2623は、第2アプリ262の実行中に参照可能なデータである。第2メッセージ関連データ2621、第2通話関連データ2622、及び第2連携データ2623は、記憶部26に個別に記憶されていても良いし、第2アプリ262に組み込まれていても良い。
【0075】
第2メッセージ関連データ2621は、第2アプリ262が警告等のメッセージの表示や送信に関する処理を行う際に利用するデータである。例えば、メッセージの表示や送信を実行する機能を呼び出すためのボタン、メッセージの内容(定型文、制御コマンド等)、メッセージ記入欄を設けたメッセージ作成画面に関する情報等が考えられる。
【0076】
第2通話関連データ2622は、第2アプリ262が通話に関する処理を行う際に利用するデータである。例えば、通話処理に関連する機能を呼び出すためのボタンに関する情報等が考えられる。
【0077】
第2連携データ2623は、第1端末識別情報と第2端末識別情報とを対応付けて保持している。第1端末識別情報は、第1通信端末10又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。第2端末識別情報は、第2通信端末20又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。なお、第2通信端末20自体が第2端末識別情報を把握しており、第2端末識別情報を外部送信する必要がない場合、すなわち、第1端末識別情報のみ必要である場合、第2連携データ2623は、第1端末識別情報のみでも良い。また、端末識別情報が、電話番号やIPアドレス等の通信識別子でない場合、端末識別情報とは別に、通信識別子を保持する。なお、第2連携データ2623は、電話帳データ261でも良い。
【0078】
[各構成の動作]
次に、本実施形態における各構成の具体的な動作について説明する。
【0079】
第1通信端末10の制御部17は、電話通信機能部11を介して電話を着信した際、第1アプリ162を実行/起動し、着信した送信元の電話番号と、記憶部16に記憶している電話帳データ161の電話番号とを比較する。なお、第1通信端末10の制御部17は、事前に(予め)第1アプリ162を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0080】
第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号に対応付けられた名前を表示し、入力部15でのユーザ操作(通話開始ボタンの押下等)があれば、通話を開始する。
【0081】
第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に未だ登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、表示部13にその電話番号が未登録である旨を表示する。また、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号が悪意ある相手の電話番号である旨を表示する。制御部17は、入力部15でのユーザ操作(通話開始ボタンの押下等)があれば、通話を開始すると同時に、ネットワーク通信機能部12を介して、第2通信端末20に注意情報(着信した電話番号を含んでいても良い)を送信する。
【0082】
なお、実際には、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、通話の有無に関係なく、ネットワーク通信機能部12を介して、第2通信端末20に注意情報(着信した電話番号を含んでいても良い)を送信しても良い。これにより、第2通信端末20のユーザは、第1通信端末10に悪意ある相手からの着信があったことを把握し、警戒することができるようになる。
【0083】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10から注意情報を受信した場合、第2アプリ262を実行/起動し、表示部23に注意情報を受信した旨(注意メッセージ等)の表示、音声入出力部24に予め設定された音声の出力、又は第2通信端末20自体の振動等を行う。このとき、制御部27は、表示部23に、第1通信端末10への干渉を行うためのボタンを表示する。なお、第2通信端末20の制御部27は、事前に(予め)第2アプリ262を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0084】
[第1通信端末への干渉]
図5の(a)に示すように、第2通信端末20の制御部27は、表示部23に、第1通信端末10への干渉を行うためのボタンとして、第1通信端末10へメッセージを送信する機能を呼び出すボタン、第1通信端末10の通話内容の監視(モニター)を行う機能を呼び出すボタン、又は三者通話を行う機能を呼び出すボタンのうち、少なくとも1つを表示する。
【0085】
(1)第1通信端末へメッセージを送信する機能を呼び出すボタンの押下
第2通信端末20の制御部27は、入力部25でのユーザ操作(表示されたボタンの押下等)により、第1通信端末10へメッセージを送信する機能を呼び出すボタンが選択された場合、図5の(b)に示すように、表示部23に、メッセージ記入欄を設けたメッセージ作成画面を表示し、入力部25でのユーザ操作(文字入力等)に応じてメッセージ記入欄にメッセージを記入し、記入完了ボタン又は送信ボタンが押下されると、ネットワーク通信機能部22を介して、メッセージ記入欄に記入されたメッセージを第1通信端末10に送信する。なお、制御部27は、入力部25でのユーザ操作に応じて、予め記憶部26に記憶された定型メッセージ(ユーザにより選択されたメッセージ等)を読み出し、メッセージ記入欄に該メッセージを記入しても良い。
【0086】
(2)第1通信端末の通話内容の監視を行う機能を呼び出すボタンの押下
第2通信端末20の制御部27は、入力部25でのユーザ操作(表示されたボタンの押下等)により、第1通信端末10の通話内容の監視を行う機能を呼び出すボタンが選択された場合、ネットワーク通信機能部22を介して、通信モニター要求を第1通信端末10に送信する。また、制御部27は、図5の(c)に示すように、表示部23に、第1通信端末10での通話を強制的に終了するための強制切断ボタンを表示する。
【0087】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20から通信モニター要求を受信した場合、電話通信機能部11を用いて通話中の相手の音声と、音声入出力部14から入力される第1通信端末10のユーザの音声を、逐次デジタルデータ化してネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に転送する。制御部17は、通話中の音声を、リアルタイムで第2通信端末20に転送すると好適である。
【0088】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10から音声を受信した場合、音声入出力部24に該音声を出力する。また、制御部27は、入力部25でのユーザ操作により、表示部23に表示された強制切断ボタンが選択(押下)された場合、ネットワーク通信機能部22を介して、切断要求を第1通信端末10に送信する。その後、第2通信端末20の制御部27は、第2アプリ262を終了/停止しても良い。
【0089】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20から切断要求を受信した場合、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)し、電話帳データ161に、該通話相手の電話番号と、該通話相手が悪意ある相手である旨を登録し、該通話相手の電話番号の着信拒否設定を行う。その後、第1通信端末10の制御部17は、第1アプリ162を終了/停止しても良い。その前に、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に、第2アプリ262の終了/停止要求を送信しても良い。
【0090】
(3)三者通話を行う機能を呼び出すボタンの押下
第2通信端末20の制御部27は、入力部25でのユーザ操作(表示されたボタンの押下等)により、三者通話を行う機能を呼び出すボタンが選択された場合、ネットワーク通信機能部22を介して、三者通話要求を第1通信端末10に送信する。このとき、制御部27は、音声入出力部24から入力される第2通信端末20のユーザの音声を、逐次デジタルデータ化してネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10に転送する。また、制御部27は、図5の(c)に示すように、表示部23に、第1通信端末10での通話を強制的に終了するための強制切断ボタンを表示する。
【0091】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20から三者通話要求を受信した場合、電話通信機能部11を用いて通話中の相手の音声と、音声入出力部14から入力される第2通信端末20のユーザの音声を、逐次デジタルデータ化してネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に転送する。制御部17は、通話中の音声を、リアルタイムで第2通信端末20に転送すると好適である。また、第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20から音声を受信した場合、電話通信機能部11及び音声入出力部14に該音声を出力する。このとき、音声と共に/音声の代わりに、ビープ音、チャイム、ブザー、ベル等のアラーム/アラート(警報)を出力しても良い。
【0092】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10から音声を受信した場合、音声入出力部24に該音声を出力する。また、制御部27は、入力部25でのユーザ操作により、表示部23に表示された強制切断ボタンが選択(押下)された場合、ネットワーク通信機能部22を介して、切断要求を第1通信端末10に送信する。その後、第2通信端末20の制御部27は、第2アプリ262を終了/停止しても良い。
【0093】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20から切断要求を受信した場合、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)し、電話帳データ161に、該通話相手の電話番号と、該通話相手が悪意ある相手である旨を登録し、該通話相手の電話番号の着信拒否設定を行う。その後、第1通信端末10の制御部17は、第1アプリ162を終了/停止しても良い。その前に、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に、第2アプリ262の終了/停止要求を送信しても良い。
【0094】
[補足]
なお、上記の説明では、第1通信端末10は、着信の際、無条件に/自動的に、第1アプリ162を実行/起動しているが、第1通信端末10のユーザにしてみれば、全ての通話が監視されるのは好ましくなく、疑わしい着信の際にのみ着信内容を第2通信端末20のユーザに問い合わせたい(一緒に確認して欲しい)場合もある。したがって、実際には、第1通信端末10のユーザが第1アプリ162を実行/起動するか否か(有効にするか無効にするか)選択できるようにしても良い。例えば、着信の際に、第1通信端末10の表示部13に、第1アプリ162を実行/起動するためのボタン(振り込め詐欺防止ボタン等)を表示し、入力部15でのユーザ操作(該ボタンの押下等)があれば、第1アプリ162を実行/起動するようにしても良い。また、原則、着信の際、無条件に/自動的に、第1アプリ162を実行/起動し、第1通信端末10の表示部13に、第1アプリ162を終了/停止するためのボタン(緊急停止ボタン、一時停止ボタン等)を表示し、入力部15でのユーザ操作(該ボタンの押下等)があれば、第1アプリ162を終了/停止するようにしても良い。
【0095】
また、ここでは、悪意ある相手との通話を防止することを例に説明しているが、悪意ある相手とのメール送受信を防止することについても同様の処理で対応可能である。すなわち、転用可能である。この場合、上記の説明において、「電話」を「メール」、「電話の着信」を「メールの着信」、「電話番号」を「メールアドレス」、「通話」を「メールの送受信」、「通話中の相手及びユーザの音声」を「通話中の相手及びユーザのメールデータ」と読み替える。また、「音声入出力部に音声を出力」を「表示部にメールの内容を表示」と読み替えても良いし、受診したメールの内容を音声データ化して出力する場合は、読み替えなくても良い。なお、メールは、デジタルデータの一種である。したがって、メール以外のデジタルデータについても同様の処理で対応可能である。また、電話やメールは一例に過ぎず、電話やメール以外の通信についても同様の処理で対応可能である。
【0096】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、サーバ装置を利用する。
【0097】
[システムの基本構成]
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る振り込め詐欺防止システムは、第1通信端末10と、第2通信端末20と、サーバ装置30を含む。
【0098】
第1通信端末10は、振り込め詐欺の相手からの電話やメール等を受ける通信端末である。
【0099】
第2通信端末20は、第1通信端末10のユーザ(利用者、所有者)の身内(家族、親類、保護者)、又は保佐人や後見監督人等が保有する通信端末である。
【0100】
サーバ装置30は、第1通信端末10及び第2通信端末20の両方からアクセス可能なネットワーク上の電子装置である。サーバ装置30は、各種DB(データベース)を参照可能である。なお、各種DBの所在は、サーバ装置30の内部/外部を問わない。各種DBは、電話番号のブラックリストや、第1通信端末10と第2通信端末20を対応付ける情報を保持している。或いは、サーバ装置30は、第1通信端末10から、第1通信端末10と第2通信端末20の対応関係を示す情報を取得する。
【0101】
なお、サーバ装置30は、ネットワーク上に存在する通信機器(通信機能を有する電子装置)であれば良い。したがって、サーバ装置30は、第1通信端末10及び第2通信端末20と同様の通信端末でも良いし、第1通信端末10と第2通信端末20との間の通信を中継する中継機器でも良い。
【0102】
第1通信端末10、第2通信端末20、及びサーバ装置30は、それぞれネットワークを介して接続可能である。
【0103】
第1通信端末10、及び第2通信端末20については、基本的に、第1実施形態と同じである。
【0104】
ここでは、サーバ装置30をネットワーク上で一意に特定できる識別情報を「サーバ識別情報」と呼ぶ。サーバ装置30のアプリを「サーバアプリ」と呼ぶ。
【0105】
また、各通信端末(第1通信端末10及び第2通信端末20)とサーバ装置30との間で通信を行う際、各通信端末とサーバ装置30との間で(第1アプリ、第2アプリ、及びサーバアプリに基づく処理により)認証を行うようにしても良い。
【0106】
[振り込め詐欺防止処理2]
図7を参照して、本実施形態における振り込め詐欺防止処理の概要について説明する。
【0107】
(1)ステップS201
第1通信端末10は、電話の着信を検出し、第1アプリを実行/起動する。なお、第1通信端末10は、事前に(予め)第1アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0108】
(2)ステップS202
第1通信端末10は、第1アプリに従って、着信した電話番号と、電話帳データの電話番号とを比較し、善良な相手の電話番号としての登録の有無を確認する。
【0109】
(3)ステップS203
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されている場合、登録ありの旨を表示し、ユーザの操作に応じて通話を開始する。すなわち、第1通信端末10は、通常の動作を行う。
【0110】
(4)ステップS204
第1通信端末10は、通話終了後、着信した電話番号に関する着信履歴をサーバ装置30に登録する。このとき、第1通信端末10は、着信した電話番号を、善良な相手の電話番号、又は悪意ある相手の電話番号として、各種DBに登録する。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0111】
(5)ステップS205
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、登録なしの旨を表示する。また、第1通信端末10は、着信した電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データに登録されている場合、悪意ある相手の電話番号である旨を表示する。第1通信端末10は、着信した電話番号の問い合わせをサーバ装置30に送信する。
【0112】
(6)ステップS206
サーバ装置30は、第1通信端末10から電話番号の問い合わせを受信した際、サーバアプリを実行/起動し、サーバアプリに従って、問い合わせがあった電話番号と、各種DBに登録された電話番号とを比較し、登録の有無を確認する。なお、サーバ装置30は、事前に(予め)サーバアプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0113】
(7)ステップS207
サーバ装置30は、問い合わせがあった電話番号が各種DBに登録されている場合、問い合わせがあった電話番号が、悪意ある相手の電話番号か否か確認する。
【0114】
(8)ステップS208
サーバ装置30は、問い合わせがあった電話番号が、悪意ある相手の電話番号である場合、第1通信端末10及び第2通信端末20に警告情報を送信する。
【0115】
(9)ステップS209
第1通信端末10は、サーバ装置30から警告情報を受信した際、第1アプリに従って、警告メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、通話の強制切断を行い、以後同じ電話番号からの着信を拒否する旨の設定を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0116】
(10)ステップS210
第2通信端末20は、サーバ装置30から警告情報を受信した際、第2アプリを実行/起動し、警告メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、第1通信端末10へのメッセージ送信や、第1通信端末10との通話を行う。このとき、第2通信端末20は、第1通信端末10から警告情報を受信しても良い。その後、第2通信端末20は、第2アプリを終了/停止する。第2アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0117】
(11)ステップS211
また、サーバ装置30は、問い合わせがあった電話番号が、悪意ある相手の電話番号ではない場合、問い合わせがあった電話番号が、善良な相手の電話番号か否か確認する。
【0118】
(12)ステップS212
サーバ装置30は、問い合わせがあった電話番号が、善良な相手の電話番号である場合、第1通信端末10に安全情報を送信する。
【0119】
(13)ステップS213
第1通信端末10は、安全情報を受信した際、安全メッセージを表示し、ユーザの操作に応じて通話を開始する。すなわち、第1通信端末10は、通常の動作を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0120】
(14)ステップS214
また、サーバ装置30は、問い合わせがあった電話番号が各種DBに登録されていない場合、第1通信端末10(の第1アプリ)に注意情報を送信する。このとき、各種DBに電話番号の登録があっても、その電話番号が「善良な相手」であるか「悪意ある相手」であるかを示す情報(善悪フラグ)が未記入であれば、その電話番号は各種DBに登録されていないものとみなす。すなわち、電話番号と善悪フラグの両方が登録されている場合のみ、その電話番号が正常に各種DBに登録されているものとみなす。
【0121】
(15)ステップS215
第1通信端末10は、サーバ装置30から注意情報を受信した際、注意メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、ユーザの操作を監視/検出し、通話を開始したか否か確認する。なお、第1通信端末10は、一定時間以上ユーザの操作がなく通話終了(切断)した場合、或いは、通話終了(切断)の操作が行われた場合、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0122】
(16)ステップS216
第1通信端末10は、通話を開始した場合、第2通信端末20(の第2アプリ)に注意情報を送信する。
【0123】
(17)ステップS217
第2通信端末20は、第1通信端末10から注意情報を受信した際、第2アプリを実行/起動し、注意メッセージを表示し、警告の音声等を出力する。なお、第2通信端末20は、事前に(予め)第2アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0124】
(18)ステップS218
また、第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話監視/参加ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該通話監視/参加ボタンの押下の有無を確認する。
【0125】
(19)ステップS219
第2通信端末20は、通話監視/参加ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して通話監視/参加の要求を送信し、第1通信端末10での通話監視/参加を開始する。このとき、第2通信端末20は、第1通信端末10での通話を録音する。
【0126】
(20)ステップS220
第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話の強制切断指示ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該強制切断指示ボタンの押下の有無を確認する。
【0127】
(21)ステップS221
第2通信端末20は、強制切断指示ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して強制切断指示(要求)を送信する。その後、第2通信端末20は、第2アプリを終了/停止する。第2アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0128】
(22)ステップS222
第1通信端末10は、第2通信端末20から強制切断指示(要求)を受信した際、第1アプリに従って、通話の強制切断を行い、以後同じ電話番号からの着信を拒否する旨の設定を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0129】
[システムの構成の詳細]
図8を参照して、各通信端末の内部構成の詳細について説明する。
【0130】
[通信端末の構成]
第1通信端末10、及び第2通信端末20の構成については、基本的に、第1実施形態と同じである。
【0131】
[サーバ装置の構成]
次に、サーバ装置30の構成例について説明する。
【0132】
サーバ装置30は、ネットワーク通信機能部31と、記憶部32と、制御部33を備える。
【0133】
ネットワーク通信機能部31は、インターネットを始めとするネットワーク通信回線を利用するための通信用インターフェースである。但し、ネットワーク通信回線は、通信回線の一例に過ぎない。
【0134】
記憶部32は、プログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。
【0135】
制御部33は、上記のサーバ装置30内の各部(内部構成)の動作やデータ処理を制御する処理装置である。
【0136】
[データ構成の詳細]
図9を参照して、各通信端末及びサーバ装置に格納されるデータの詳細について説明する。
【0137】
[第1通信端末の記憶部のデータ構成]
本実施形態では、上記の第1実施形態と比べて、第1通信端末10の記憶部16に格納されるデータの構成が一部変更されている。具体的には、第1連携データ1623に、サーバ装置30を一意に特定するためのサーバ識別情報が加わる。
【0138】
第1連携データ1623は、第1端末識別情報と第2端末識別情報とサーバ識別情報とを対応付けて保持している。第1端末識別情報は、第1通信端末10又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。第2端末識別情報は、第2通信端末20又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。サーバ識別情報は、サーバ装置30又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。なお、第1通信端末10自体が第1端末識別情報を把握しており、第1端末識別情報を外部送信する必要がない場合、すなわち、第2端末識別情報及びサーバ識別情報のみ必要である場合、第1連携データ1623は、第2端末識別情報及びサーバ識別情報のみでも良い。
【0139】
例えば、第1端末識別情報として第1通信端末10の電話番号やIPアドレスを使用する場合等、第1通信端末10自体が通信時に自動的に第1端末識別情報を送信する場合、これと同時/同一宛先に、第2端末識別情報及びサーバ識別情報を送信すれば、サーバ装置30側で対応付けることも可能である。この場合、第1連携データ1623は、第2端末識別情報及びサーバ識別情報のみでも良い。
【0140】
[第2通信端末の記憶部のデータ構成]
本実施形態では、上記の第1実施形態と比べて、第2通信端末20の記憶部26に格納されるデータの構成が一部変更されている。具体的には、第2連携データ2623に、サーバ装置30を一意に特定するためのサーバ識別情報が加わる。
【0141】
第2連携データ2623は、第1端末識別情報と第2端末識別情報とサーバ識別情報とを対応付けて保持している。第1端末識別情報は、第1通信端末10又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。第2端末識別情報は、第2通信端末20又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。サーバ識別情報は、サーバ装置30又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。なお、第2通信端末20自体が第2端末識別情報を把握しており、第2端末識別情報を外部送信する必要がない場合、すなわち、第1端末識別情報及びサーバ識別情報のみ必要である場合、第2連携データ2623は、第1端末識別情報及びサーバ識別情報のみでも良い。
【0142】
例えば、第2端末識別情報として第2通信端末20の電話番号やIPアドレスを使用する場合等、第2通信端末20自体が通信時に自動的に第2端末識別情報を送信する場合、これと同時/同一宛先に、第2端末識別情報及びサーバ識別情報を送信すれば、サーバ装置30側で対応付けることも可能である。この場合、第2連携データ2623は、第1端末識別情報及びサーバ識別情報のみでも良い。
【0143】
[サーバ装置の記憶部のデータ構成]
次に、サーバ装置30の記憶部32に格納されるデータの詳細について説明する。
【0144】
サーバ装置30の記憶部32は、各種DB321と、サーバアプリ322を格納する。
【0145】
各種DB321は、利用者DB3211と、ソーシャルDB3212と、個人DB3213を含む。
【0146】
利用者DB3211は、第1端末識別情報と第2端末識別情報とを対応付けて保持している。第1端末識別情報は、第1通信端末10又はそのアプリを一意に特定するための識別情報(電話番号、機器ID、IPアドレス等の少なくとも1つ)である。第2端末識別情報は、第2通信端末20又はそのアプリを一意に特定するための識別情報である。例えば、利用者DB3211は、「第1通信端末10の電話番号−第1通信端末10の機器ID−第2通信端末20の電話番号−第2通信端末20の機器ID」のようにデータを格納する。サーバ装置30の制御部33は、第1端末識別情報や第2端末識別情報を受信した際、この利用者DB3211を参照することで、第1通信端末10と第2通信端末20の対応関係を認識(把握)する。
【0147】
ソーシャルDB3212は、悪意ある通話相手の連絡先(電話番号等)が記入/登録されたブラックリストを保持する。ソーシャルDB3212は、複数の通信端末からアクセス可能であり、これらの通信端末により共有される。
【0148】
個人DB3213は、通信端末毎(ユーザ毎)の着信履歴を保持する。個人DB3213は、通信端末毎の着信履歴情報を蓄積したものでも良い。個人DB3213は、対応する通信端末からのみアクセス可能である。
【0149】
なお、個人DB3213の集合体(全ての個人DB3213の登録データを統合したもの)を別途作成し、それを複数の通信端末からアクセス可能として、ソーシャルDB3212の1つとして利用することも可能である。
【0150】
また、複数の個人DB3213に共通して登録された着信電話番号を、ソーシャルDB3212に登録するようにしても良い。例えば、ある着信電話番号が、一定の人数(例えば5人)以上の個人DB3213に共通して登録された場合、この着信電話番号を、ソーシャルDB3212に登録する。或いは、個人DB3213に登録された着信電話番号を、無条件にソーシャルDB3212に登録し、その着信電話番号が登録された個人DB3213の数に応じて、その着信電話番号が悪意ある通話相手の連絡先である信憑性の程度を示す値(通話禁止の優先度等)を付与するようにしても良い。登録された個人DB3213の数が多いほど、この付与された値(通話禁止の優先度等)も大きくなるようにする。サーバ装置30の制御部33は、通信端末から問い合わせがあった着信電話番号がソーシャルDB3212に登録されている場合、この付与された値(通話禁止の優先度等)を該通信端末に通知するようにしても良い。
【0151】
サーバアプリ322は、サーバ装置30が本発明に関する処理を実現するためのアプリケーションソフトウェアである。サーバアプリ322は、ソフトウェアエージェント(agent)やデーモン(daemon)でも良い。また、サーバアプリ322は、記憶部32に格納されるアプリケーションソフトウェアに限らず、モジュール、コンポーネント、或いは専用デバイス、又はこれらの起動(呼出)プログラムでも良い。また、サーバアプリ322は、必要であれば、サーバ装置30が元から備えている(既存の)機能を利用することも可能である。
【0152】
サーバアプリ322は、上記の利用者DB3211、ソーシャルDB3212、個人DB3213に加え、更にメッセージ関連データ3221を利用する。メッセージ関連データ3221は、サーバアプリ322の実行中に参照可能なデータである。メッセージ関連データ3221は、記憶部32に個別に記憶されていても良いし、サーバアプリ322に組み込まれていても良い。
【0153】
メッセージ関連データ3221は、サーバアプリ322が警告等のメッセージの表示や送信に関する処理を行う際に利用するデータである。例えば、メッセージの内容(定型文、制御コマンド等)等が考えられる。
【0154】
[ソーシャルDBのデータ構成]
図10を参照して、ソーシャルDB3212に格納されるデータの詳細について説明する。
【0155】
ソーシャルDB3212は、「電話番号」欄と、「記入した端末ID」欄と、「記入した日時」欄を含む。
【0156】
「電話番号」欄は、悪意ある通話相手の連絡先(電話番号等)を格納するための領域(フィールド)である。「記入した端末ID」欄は、上記の悪意ある通話相手の連絡先(電話番号等)を記入(情報提供)した通信端末の端末識別情報を格納するための領域である。「記入した日時」欄は、上記の悪意ある通話相手の連絡先(電話番号等)を記入した日時に関する情報を格納するための領域である。なお、ソーシャルDB3212は、ブラックリスト以外にも、ホワイトリストとして使用される場合、更に、「ブラックリストフラグ」欄を含んでいても良い。「ブラックリストフラグ」欄は、その電話番号がブラックリストのものかホワイトリストのものかを識別するためのフラグ(「ホワイトフラグ」と「ブラックフラグ」)を格納するための領域である。例えば、「ブラックリストフラグ」欄を1ビットのデータとした場合、「ホワイトフラグ」を「0」とし、「ブラックフラグ」を「1」としても良い。
【0157】
[着信履歴情報のデータ構成]
図11を参照して、着信履歴情報に格納されるデータの詳細について説明する。
【0158】
着信履歴情報は、「識別ID」欄と、「着信電話番号」欄と、「日時」欄を含む。
「識別ID」欄は、第1端末識別情報を格納するための領域である。「着信電話番号」欄は、第1通信端末10が着信した送信元の電話番号を格納するための領域である。「日時」欄は、上記の悪意ある通話相手の連絡先(電話番号等)が着信した日時に関する情報を格納するための領域である。
【0159】
[個人DBのデータ構成]
図12を参照して、個人DB3213に格納されるデータの詳細について説明する。
【0160】
個人DB3213は、「識別ID」欄と、「着信電話番号」欄と、「善悪フラグ有無」欄を含む。
【0161】
「識別ID」欄は、第1端末識別情報を格納するための領域である。「着信電話番号」欄は、第1通信端末10が着信した送信元の電話番号を格納するための領域である。「善悪フラグ有無」欄は、第1通信端末10が着信した送信元の電話番号が安全(善良な相手)か否(悪意ある相手)かを示す善悪フラグ(ここでは「善良フラグ」と「悪意フラグ」)を格納するための領域である。例えば、「善悪フラグ有無」欄を1ビットのデータとした場合、「善良フラグ」を「0」とし、「悪意フラグ」を「1」としても良い。なお、個人DB3213は、更に「着信日時(又は受信日時)」欄を含んでいても良い。「着信日時(又は受信日時)」欄は、上記の着信電話番号が第1通信端末10に着信した日時又はサーバ装置30が上記の着信電話番号を受信した日時を格納するための領域である。
【0162】
[各構成の動作]
次に、本実施形態における各構成の具体的な動作について説明する。
【0163】
第1通信端末10の制御部17は、電話通信機能部11を介して電話を着信した際、第1アプリ162を実行/起動し、着信した送信元の電話番号と、記憶部16に記憶している電話帳データ161の電話番号とを比較する。なお、第1通信端末10の制御部17は、事前に(予め)第1アプリ162を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0164】
第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号に対応付けられた名前を表示し、入力部15でのユーザ操作(通話開始ボタンの押下等)があれば、通話を開始する。
【0165】
第1通信端末10の制御部17は、入力部15でのユーザ操作(通話終了ボタンの押下等)や相手側での通話終了操作に応じて通話を終了した際、「自身の端末識別情報」と「着信した電話番号」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信する。なお、着信履歴情報には、「着信日時」を付加しても良い。
【0166】
第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に未だ登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、表示部13にその電話番号が未登録である旨を表示する。このとき、第1通信端末10の制御部17は、「自身の端末識別情報」と「着信した電話番号」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信する。なお、着信履歴情報には、「着信日時」を付加しても良い。
【0167】
また、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号が悪意ある相手の電話番号である旨を表示し、着信を拒否する。
【0168】
なお、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合でも、「自身の端末識別情報」と「着信した電話番号」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信しても良い。これにより、悪意ある相手からの着信があったことを示す着信履歴情報をサーバ装置30に残すことができるため、第2通信端末20のユーザは、この着信履歴情報を基に、第1通信端末10に悪意ある相手からの着信があったことを把握し、警戒することができるようになる。また、サーバ装置30側の最新の情報と比較した場合、登録済みの悪意ある相手の電話番号が、所有者の変更等により、悪意ある相手の電話番号ではなくなっている可能性もある。
【0169】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10から着信履歴情報を受信した場合、記憶部32に着信履歴情報を記憶する。着信履歴情報に着信日時が記入されていない場合には、着信日時の代わりに、サーバ装置30がこの着信履歴情報を受信/記憶した日時を記入しても良い。なお、サーバ装置30の制御部33は、事前に(予め)サーバアプリ322を実行/起動し、常駐させているものとする。或いは、サーバ装置30の制御部33は、第1通信端末10から着信履歴情報を受信した際に、第1アプリ162を実行/起動しても良い。
【0170】
また、制御部33は、記憶部32に記憶されたソーシャルDB3212及び第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213の各々に登録された電話番号と、着信履歴情報の電話番号を比較する。
【0171】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、ソーシャルDB3212のブラックリストの電話番号、或いは、個人DB3213で悪意フラグが付与された電話番号に合致した場合、着信履歴情報の端末識別情報を基に、第1通信端末10と対応付けられた第2通信端末20を特定し、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10と第2通信端末20に警告情報を送信する。
【0172】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が個人DB3213に登録されていない場合、この着信履歴情報の電話番号を個人DB3213に登録する。この着信履歴情報の電話番号が、ソーシャルDB3212のブラックリストの電話番号である場合、個人DB3213に登録する際に、悪意フラグを付与する。
【0173】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部11を介してサーバ装置30から警告情報を受信した場合、表示部13に該警告情報を受信した旨(警告メッセージ等)の表示、音声入出力部14に予め設定された音声の出力、又は第1通信端末10自体の振動等を行い、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)し、電話帳データ161に、該通話相手の電話番号と、該通話相手が悪意ある相手である旨を登録し、該通話相手の電話番号の着信拒否設定を行う。
【0174】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介してサーバ装置30から警告情報を受信した場合、第2アプリ262を実行/起動し、表示部23に第1通信端末10に警告レベルの電話の着信があった旨(警告メッセージ等)の表示、音声入出力部24に予め設定された音声の出力、又は第2通信端末20自体の振動等を行う。このとき、制御部27は、第1通信端末10への警告を行うためのボタンを表示する。なお、第2通信端末20の制御部27は、事前に(予め)第2アプリ262を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0175】
[第1通信端末への警告]
第2通信端末20の制御部27は、表示部23に、第1通信端末10への警告を行うためのボタンとして、第1通信端末10へメッセージを送信する機能を呼び出すボタン、第1通信端末10との通話を行う機能を呼び出すボタンのうち、少なくとも1つを表示する。
【0176】
(1)第1通信端末へメッセージを送信する機能を呼び出すボタンの押下
第2通信端末20の制御部27は、入力部25でのユーザ操作(表示されたボタンの押下等)により、第1通信端末10へメッセージを送信する機能を呼び出すボタンが選択された場合、メッセージ記入欄を設けたメッセージ作成画面を表示し、入力部25でのユーザ操作(文字入力等)に応じてメッセージ記入欄にメッセージを記入し、記入完了ボタン又は送信ボタンが押下されると、ネットワーク通信機能部22を介して、メッセージ記入欄に記入されたメッセージを第1通信端末10に送信する。なお、制御部27は、入力部25でのユーザ操作に応じて、予め記憶部26に記憶された定型メッセージ(ユーザにより選択されたメッセージ等)を読み出し、メッセージ記入欄に該メッセージを記入しても良い。
【0177】
(2)第1通信端末10との通話を行う機能を呼び出すボタンの押下
第2通信端末20の制御部27は、入力部25でのユーザ操作(表示されたボタンの押下等)により、第1通信端末10との通話を行う機能を呼び出すボタンが選択された場合、電話通信機能部11を介して第1通信端末10の電話番号に電話をかける。すなわち、第2通信端末20の制御部27は、第1通信端末10に発信し、第1通信端末10の応答があれば、第1通信端末10と通話を開始する。このとき、第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して、第1通信端末10との通話要求を第1通信端末10に送信し、音声入出力部24から入力される第2通信端末20のユーザの音声を、逐次デジタルデータ化してネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10に転送しても良い。
【0178】
[各構成の動作の続き]
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、個人DB3213で善良フラグが付与された電話番号に合致した場合、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10に安全情報を送信する。
【0179】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部11を介してサーバ装置30から安全情報を受信した場合、表示部13に、通話しても問題ない旨(安全メッセージ等)を表示し、通話開始ボタンと通話終了ボタンを表示する。入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話開始ボタンが選択(押下)された場合、通話を開始し、ネットワーク通信機能部11を介して第2通信端末20に通話開始情報を送信する。また、入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話終了ボタンが選択(押下)された場合、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)する。その後、第1通信端末10の制御部17は、第1アプリ162を終了/停止しても良い。その前に、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に、第2アプリ262の終了/停止要求を送信しても良い。
【0180】
また、サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、ソーシャルDB3212の電話番号、及び、個人DB3213で善悪フラグ(善意フラグ又は悪意フラグ)が付与された電話番号のいずれにも合致しなかった場合(善悪フラグ未記入の場合)、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10に注意情報を送信する。このとき、制御部33は、着信履歴情報の端末識別情報を基に、第1通信端末10と対応付けられた第2通信端末20を特定し、ネットワーク通信機能部31を介して第2通信端末20にも注意情報を送信しても良い。また、制御部33は、記憶部32に着信履歴情報を記憶する。また、制御部33は、この着信履歴情報の電話番号が個人DB3213に登録されていない場合、この着信履歴情報の電話番号を個人DB3213に登録する。この着信履歴情報の電話番号には、善悪フラグ(善意フラグ又はフラグ悪意フラグ)を付与しない。
【0181】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部11を介してサーバ装置30から注意情報を受信した場合、表示部13に注意情報を受信した旨(注意メッセージ等)の表示、音声入出力部14に予め設定された音声の出力、又は第1通信端末10自体の振動等を行い、表示部13に通話開始ボタンと通話終了ボタンを表示する。第1通信端末10の制御部17は、入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話開始ボタンが選択(押下)された場合、通話を開始し、ネットワーク通信機能部11を介して第2通信端末20に通話開始情報を送信する。また、入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話終了ボタンが選択(押下)された場合、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)する。
【0182】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介してサーバ装置30から注意情報を受信した場合、表示部23に注意情報を受信した旨(注意メッセージ等)の表示、音声入出力部24に予め設定された音声の出力、又は第2通信端末20自体の振動等を行う。
【0183】
更に、第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10から通話開始情報を受信した場合、表示部23に、第1通信端末10への干渉を行うためのボタンを表示する。
【0184】
「第1通信端末への干渉」については、基本的に、第1実施形態と同じである。
【0185】
[善悪フラグの入力/変更]
第1通信端末10の制御部17(又は第2通信端末20の制御部27)は、通話(又は通話監視/参加)の後に、入力部15(又は入力部25)でのユーザ操作により、表示部13(又は表示部23)に表示された通話開始ボタンが選択(押下)された場合、ネットワーク通信機能部11(又はネットワーク通信機能部21)を介してサーバ装置30に、第1通信端末10(又は第2通信端末20)の端末識別情報と送信元の電話番号を含む個人DB接続要求を送信する。
【0186】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10(又は第2通信端末20)から個人DB接続要求を受信した場合、記憶部32に記憶された個人DB3213のうち、第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213に登録された電話番号と、個人DB接続要求に含まれた送信元の電話番号を比較し、比較の結果に応じた個人DB情報画面を、第1通信端末10(又は第2通信端末20)に送信する。なお、サーバ装置30の制御部33は、利用者DB3211を基に、第2通信端末20の端末識別情報から、第1通信端末10の端末識別情報を特定することができる。個人DB情報画面は、電話番号を表示/入力する欄と、善悪フラグ有無を表示/入力する欄を有する。
【0187】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、送信元の電話番号が、個人DB3213に登録された電話番号に合致した場合、(個人DB3213のレコード中の)該電話番号に合致する「着信電話番号」欄の値とその「善悪フラグ有無」欄の値が記載された個人DB情報画面を第1通信端末10(又は第2通信端末20)に送信する。また、比較の結果、送信元の電話番号が、個人DB3213に登録された電話番号に合致しなかった場合、善悪フラグ有無が未記載で、送信元の電話番号のみ記載された記載された個人DB情報画面を第1通信端末10(又は第2通信端末20)に送信する。
【0188】
第1通信端末10の制御部17(又は第2通信端末20の制御部27)は、ネットワーク通信機能部11(又はネットワーク通信機能部21)を介してサーバ装置30から個人DB情報画面を受信し、表示部13(又は表示部23)に個人DB情報画面を表示する。なお、実際には、第1通信端末10の制御部17(又は第2通信端末20の制御部27)は、ネットワーク通信機能部11(又はネットワーク通信機能部21)を介してサーバ装置30から比較の結果を受信し、表示部13(又は表示部23)に、比較の結果に応じた個人DB情報画面を表示しても良い。
【0189】
第1通信端末10の制御部17(又は第2通信端末20の制御部27)は、入力部15(又は入力部25)でのユーザ操作により、表示部13(又は表示部23)に表示された個人DB情報画面の善悪フラグ有無の欄の値が入力/変更された場合、ネットワーク通信機能部11(又はネットワーク通信機能部21)を介してサーバ装置30に、第1通信端末10(又は第2通信端末20)の端末識別情報と、個人DB情報画面の電話番号の欄の値と善悪フラグ有無の欄の値とを含む個人DB登録要求を送信する。
【0190】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10(又は第2通信端末20)から個人DB登録要求を受信した場合、記憶部32に記憶された個人DB3213のうち、第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213に登録された電話番号と、個人DB登録要求に含まれた電話番号を比較する。なお、サーバ装置30の制御部33は、利用者DB3211を基に、第2通信端末20の端末識別情報から、第1通信端末10の端末識別情報を特定することができる。
【0191】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、個人DB登録要求に含まれた電話番号が、個人DB3213に登録された電話番号に合致した場合、該電話番号に合致する「着信電話番号」に対応する「善悪フラグ有無」欄に、個人DB登録要求に含まれた善悪フラグ有無の値を入力/上書きする。
【0192】
<第3実施形態>
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、第1通信端末がサーバ装置から各種DBを取得して、第1通信端末側で電話番号の比較を行う。
【0193】
[システムの基本構成]
本発明の第3実施形態に係る振り込め詐欺防止システムの構成は、基本的に、第2実施形態と同じである。
【0194】
[振り込め詐欺防止処理3]
図13を参照して、本実施形態における振り込め詐欺防止処理の概要について説明する。
【0195】
(1)ステップS301
第1通信端末10は、電話の着信を検出し、第1アプリを実行/起動する。なお、第1通信端末10は、事前に(予め)第1アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0196】
(2)ステップS302
第1通信端末10は、第1アプリに従って、着信した電話番号と、電話帳データの電話番号とを比較し、善良な相手の電話番号としての登録の有無を確認する。
【0197】
(3)ステップS303
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されている場合、登録ありの旨を表示し、ユーザの操作に応じて通話を開始する。すなわち、第1通信端末10は、通常の動作を行う。
【0198】
(4)ステップS304
第1通信端末10は、通話終了後、着信した電話番号に関する着信履歴をサーバ装置30に登録する。このとき、第1通信端末10は、着信した電話番号を、善良な相手の電話番号、又は悪意ある相手の電話番号として、各種DBに登録する。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0199】
(5)ステップS305
第1通信端末10は、着信した電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データに登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、登録なしの旨を表示し、各種DBのデータ取得要求をサーバ装置30に送信する。また、第1通信端末10は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、悪意ある相手の電話番号である旨を表示し、着信を許否する。但し、実際には、第1通信端末10は、着信を拒否する前/拒否した後に、各種DBのデータ取得要求をサーバ装置30に送信しても良い。なお、要求する各種DBのデータは、各種DB自体(全データ)でも良いし、電話番号に関連するデータ(一部データ)のみでも良い。
【0200】
(6)ステップS306
サーバ装置30は、第1通信端末10から各種DBのデータ取得要求を受信した際、サーバアプリを実行/起動し、サーバアプリに従って、各種DBのデータを第1通信端末10に送信する。
【0201】
(7)ステップS307
第1通信端末10は、各種DBのデータを受信した際、第1アプリに従って、着信した電話番号と、各種DBに登録された電話番号とを比較し、登録の有無を確認する。なお、第1通信端末10は、事前に(予め)サーバアプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0202】
(8)ステップS308
第1通信端末10は、着信した電話番号が各種DBに登録されている場合、着信した電話番号が、悪意ある相手の電話番号か否か確認する。
【0203】
(9)ステップS309
第1通信端末10は、着信した電話番号が、悪意ある相手の電話番号である場合、警告メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、通話の強制切断を行い、以後同じ電話番号からの着信を拒否する旨の設定を行う。
【0204】
(10)ステップS310
また、第1通信端末10は、第2通信端末20に警告情報を送信する。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0205】
(11)ステップS311
第2通信端末20は、第1通信端末10から警告情報を受信した際、第2アプリを実行/起動し、警告メッセージを表示し、警告の音声等を出力し、第1通信端末10へのメッセージ送信や、第1通信端末10との通話を行う。その後、第2通信端末20は、第2アプリを終了/停止する。第2アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0206】
(12)ステップS312
また、第1通信端末10は、着信した電話番号が、悪意ある相手の電話番号ではない場合、着信した電話番号が、善良な相手の電話番号か否か確認する。
【0207】
(13)ステップS313
第1通信端末10は、着信した電話番号が、善良な相手の電話番号である場合、安全メッセージを表示し、ユーザの操作に応じて通話を開始する。すなわち、第1通信端末10は、通常の動作を行う。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0208】
(14)ステップS314
また、第1通信端末10は、着信した電話番号が各種DBに登録されていない場合、注意メッセージを表示し、警告の音声等を出力する。このとき、各種DBに電話番号の登録があっても、その電話番号が「善良な相手」であるか「悪意ある相手」であるかを示す情報(善悪フラグ)が未記入であれば、その電話番号は各種DBに登録されていないものとみなす。すなわち、電話番号と善悪フラグの両方が登録されている場合のみ、その電話番号が正常に各種DBに登録されているものとみなす。更に、第1通信端末10は、ユーザの操作を監視/検出し、通話を開始したか否か確認する。なお、第1通信端末10は、一定時間以上ユーザの操作がなく通話終了(切断)した場合、或いは、通話終了(切断)の操作が行われた場合、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0209】
(15)ステップS315
第1通信端末10は、通話を開始した場合、第2通信端末20(の第2アプリ)に注意情報を送信する。
【0210】
(16)ステップS316
第2通信端末20は、第1通信端末10から注意情報を受信した際、第2アプリを実行/起動し、注意メッセージを表示し、警告の音声等を出力する。なお、第2通信端末20は、事前に(予め)第2アプリを実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0211】
(17)ステップS317
また、第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話監視/参加ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該通話監視/参加ボタンの押下の有無を確認する。
【0212】
(18)ステップS318
第2通信端末20は、通話監視/参加ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して通話監視/参加の要求を送信し、第1通信端末10での通話監視/参加を開始する。このとき、第2通信端末20は、第1通信端末10での通話を録音する。
【0213】
(19)ステップS319
第2通信端末20は、第2アプリに従って、第1通信端末10での通話の強制切断指示ボタンを表示し、ユーザの操作を監視/検出し、該強制切断指示ボタンの押下の有無を確認する。
【0214】
(20)ステップS320
第2通信端末20は、強制切断指示ボタンの押下があれば、第1通信端末10に対して強制切断指示(要求)を送信する。その後、第2通信端末20は、第2アプリを終了/停止する。第2アプリを常駐させている場合は、次の通信まで待機状態にする。
【0215】
(21)ステップS321
第1通信端末10は、第2通信端末20から強制切断指示(要求)を受信した際、通話の強制切断を行い、以後同じ電話番号からの着信を拒否する旨の設定を行う。
【0216】
(22)ステップS322
第1通信端末10は、第2通信端末20から強制切断指示(要求)を受信している場合、第1アプリに従って、自動的に、着信した電話番号を、悪意ある相手の電話番号として、各種DBに登録する。反対に、第2通信端末20から強制切断指示(要求)を受信していない場合、通話終了後、着信した電話番号に関する着信履歴をサーバ装置30に登録する。このとき、第1通信端末10は、着信した電話番号を、善良な相手の電話番号、又は悪意ある相手の電話番号として、各種DBに登録する。その後、第1通信端末10は、第1アプリを終了/停止する。第1アプリを常駐させている場合は、次の着信まで待機状態にする。
【0217】
[各構成の動作]
次に、本実施形態における各構成の具体的な動作について説明する。
【0218】
第1通信端末10の制御部17は、電話通信機能部11を介して電話を着信した際、第1アプリ162を実行/起動し、着信した送信元の電話番号と、記憶部16に記憶している電話帳データ161の電話番号とを比較する。なお、第1通信端末10の制御部17は、事前に(予め)第1アプリ162を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0219】
第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号に対応付けられた名前を表示し、入力部15でのユーザ操作(通話開始ボタンの押下等)があれば、通話を開始する。
【0220】
第1通信端末10の制御部17は、入力部15でのユーザ操作(通話終了ボタンの押下等)や相手側での通話終了操作に応じて通話を終了した際、「自身の端末識別情報」と「着信した電話番号」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信する。なお、着信履歴情報には、「着信日時」を付加しても良い。
【0221】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10から着信履歴情報を受信した場合、記憶部32に記憶された個人DB3213のうち、第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213に登録された電話番号と、着信履歴情報の電話番号を比較する。サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が個人DB3213に登録されていない場合、この着信履歴情報の電話番号を個人DB3213に登録する。なお、サーバ装置30の制御部33は、事前に(予め)サーバアプリ322を実行/起動し、常駐させているものとする。或いは、サーバ装置30の制御部33は、第1通信端末10から着信履歴情報を受信した際に、第1アプリ162を実行/起動しても良い。
【0222】
また、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が善良な相手の電話番号として電話帳データ161に未だ登録されていない場合(電話番号が未登録である場合や、登録されていても善悪が不明である場合)、ネットワーク通信機能部12を介して、「自身の端末識別情報」を含むDB取得要求をサーバ装置30に送信する。
【0223】
また、第1通信端末10の制御部17は、送信元の電話番号が悪意ある相手の電話番号として電話帳データ161に既に登録されている場合、電話帳データ161に基づいて、表示部13にその電話番号が悪意ある相手の電話番号である旨を表示し、着信を拒否する。但し、実際には、着信を拒否する前/拒否した後に、ネットワーク通信機能部12を介して、「自身の端末識別情報」を含むDB取得要求をサーバ装置30に送信しても良い。サーバ装置30が持つ最新の情報と比較した後に着信を拒否するか決定するためである。例えば、登録済みの悪意ある相手の電話番号が、所有者の変更等により、悪意ある相手の電話番号ではなくなっている可能性もある。
【0224】
なお、第1通信端末10の制御部17は、着信に関わらず、定期的にDB取得要求をサーバ装置30に送信しても良い。
【0225】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10からDB取得要求を受信した場合、記憶部32に記憶されたソーシャルDB3212、及び第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213の各々の登録情報(DB自体でも良い)を、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10に送信する。
【0226】
第1通信端末10の制御部17は、ネットワーク通信機能部12を介してサーバ装置30からソーシャルDB3212及び個人DB3213の各々の登録情報を受信した場合、記憶部16に記憶する。
【0227】
第1通信端末10の制御部17は、記憶部16に記憶されたソーシャルDB3212及び第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213の各々に登録された電話番号と、着信履歴情報の電話番号を比較する。
【0228】
第1通信端末10の制御部17は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、ソーシャルDB3212のブラックリストの電話番号、或いは、個人DB3213で善悪フラグ(善意フラグ又は悪意フラグ)が付与された電話番号に合致した場合、ネットワーク通信機能部12を介して、予め登録されている第2通信端末20に警告情報を送信する。
【0229】
また、第1通信端末10の制御部17は、「自身の端末識別情報」、「着信した電話番号」、及び「悪意フラグ」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信する。なお、着信履歴情報には、「着信日時」を付加しても良い。
【0230】
また、第1通信端末10の制御部17は、表示部13に警告レベルの電話の着信があった旨(警告メッセージ等)の表示、音声入出力部14に予め設定された音声の出力、又は第1通信端末10自体の振動等を行い、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)し、電話帳データ161に、該通話相手の電話番号と、該通話相手が悪意ある相手である旨を登録し、該通話相手の電話番号の着信拒否設定を行う。
【0231】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10から着信履歴情報を受信した場合、記憶部32に着信履歴情報を記憶する。着信履歴情報に着信日時が記入されていない場合には、着信日時の代わりに、サーバ装置30がこの着信履歴情報を受信/記憶した日時を記入しても良い。また、制御部33は、第1通信端末10の端末識別情報に対応付けられた個人DB3213の各々に登録された電話番号と、着信履歴情報の電話番号を比較する。
【0232】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が個人DB3213に登録されていない場合、この着信履歴情報の電話番号に悪意フラグを付与して個人DB3213に登録する。
【0233】
サーバ装置30の制御部33は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が個人DB3213に既に登録されているが、悪意フラグが付与されていない場合、個人DB3213の該電話番号に悪意フラグを付与する。
【0234】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介してサーバ装置30から警告情報を受信した場合、第2アプリ262を実行/起動し、表示部23に第1通信端末10に警告レベルの電話の着信があった旨(警告メッセージ等)の表示、音声入出力部24に予め設定された音声の出力、又は第2通信端末20自体の振動等を行う。このとき、制御部27は、第1通信端末10への警告を行うためのボタンを表示する。なお、第2通信端末20の制御部27は、事前に(予め)第2アプリ262を実行/起動しておき、常駐させていても良い。
【0235】
「第1通信端末への警告」については、基本的に、第2実施形態と同じである。
【0236】
第1通信端末10の制御部17は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、個人DB3213で善良フラグが付与された電話番号に合致した場合、表示部13に、通話しても問題ない旨(安全メッセージ等)を表示し、通話開始ボタンと通話終了ボタンを表示する。第1通信端末10の制御部17は、入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話開始ボタンが選択(押下)された場合、通話を開始し、ネットワーク通信機能部11を介して第2通信端末20に通話開始情報を送信する。また、入力部15でのユーザ操作により、表示部13に表示された通話終了ボタンが選択(押下)された場合、電話通信機能部11を用いた通信を切断(通話終了)する。その後、第1通信端末10の制御部17は、第1アプリ162を終了/停止しても良い。その前に、ネットワーク通信機能部12を介して第2通信端末20に、第2アプリ262の終了/停止要求を送信しても良い。
【0237】
また、第1通信端末10の制御部17は、比較の結果、着信履歴情報の電話番号が、ソーシャルDB3212の電話番号、或いは、個人DB3213で善悪フラグが付与された電話番号に合致しなかった場合、又は、個人DB3213に合致する電話番号はあるがフラグ未記入である場合、ネットワーク通信機能部12を介して、予め登録されている第2通信端末20に注意情報を送信する。
【0238】
また、上記のいずれの場合でも、第1通信端末10の制御部17は、「自身の端末識別情報」と「着信した電話番号」を含む着信履歴情報を作成し、ネットワーク通信機能部12を介して、この着信履歴情報をサーバ装置30に送信する。なお、着信履歴情報には、「着信日時」を付加しても良い。
【0239】
サーバ装置30の制御部33は、ネットワーク通信機能部31を介して第1通信端末10から着信履歴情報を受信した場合、記憶部32に着信履歴情報を記憶する。着信履歴情報に着信日時が記入されていない場合には、着信日時の代わりに、サーバ装置30がこの着信履歴情報を受信/記憶した日時を記入しても良い。
【0240】
第2通信端末20の制御部27は、ネットワーク通信機能部22を介して第1通信端末10から注意情報を受信した場合、表示部23に注意情報を受信した旨(注意メッセージ等)の表示、音声入出力部24に予め設定された音声の出力、又は第2通信端末20自体の振動等を行い、表示部23に、第1通信端末10への干渉を行うためのボタンを表示する。
【0241】
「第1通信端末への干渉」については、基本的に、第1実施形態と同じである。
【0242】
「善悪フラグの入力/変更」については、基本的に、第2実施形態と同じである。なお、サーバ装置30上で行われていた処理を、個人DB3213を取得した第1通信端末10上で行うようにしても良い。
【0243】
<第4実施形態>
以下に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態では、着信した電話番号が「特定の種類の電話番号」であれば、その電話番号を他の通信端末やサーバ装置等に通知しない。或いは、アプリを実行/起動しない。
【0244】
例えば、着信した電話番号が「固定電話の電話番号(市外・市内局番)」であれば、その電話番号を他の通信端末やサーバ装置等に通知しない。或いは、アプリを実行/起動しない。反対に、着信した電話番号が、「IP電話の電話番号(050)」、「携帯電話の電話番号(080/090)」、「PHS電話番号(070)」等であれば、アプリを実行/起動し(又は稼働を継続し)、その電話番号を他の通信端末やサーバ装置等に通知する。
【0245】
無論、着信した電話番号が「特定の種類の電話番号」でなければ、その電話番号を他の通信端末やサーバ装置等に通知しないか、アプリを実行/起動しないようにすることも可能である。条件設定の内容が反対であるに過ぎず、本質的に同じだからである。
【0246】
振り込め詐欺の着信の送信元の電話番号は、比較的取得/変更が容易で、身元や所在の特定が困難な「プリペイド式携帯電話の電話番号」や「別人が契約した(他人名義の)携帯電話の電話番号」等であることが多い。反対に、比較的身元や所在が特定しやすい「固定電話の電話番号」であることは稀である。したがって、本発明において、「固定電話の電話番号」については、無視しても構わない。
【0247】
本発明において、無条件に、未登録の全ての電話番号について処理を行うとすると、着信件数の多いユーザの場合、着信した電話番号の通知を受け取る側にも多大な負担をかけることになる。したがって、処理件数を削減するためには、着信した電話番号と電話帳データの電話番号とを比較する際に、上記のように、着信した電話番号の種類を確認し、本発明の適用対象の電話番号であるか否かを判別するためのフィルタリングを行うことが有効である。
【0248】
<第5実施形態>
以下に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態では、第1通信端末が悪意ある相手に「発信」することを防止する。
【0249】
具体的には、上記の各実施形態の説明において、「着信時」に行われていた処理を、「発信時」にも行うようにする。すなわち、上記の各実施形態の説明において、「着信」を「発信」と読み替え、「送信元」を「送信先(宛先)」と読み替える。
【0250】
例えば、電話での振り込め詐欺の場合、最初の着信時には、所定の連絡先(電話番号)へかけ直すように指示してすぐに通話を終了することも考えられる。この場合、かけ直してからの通話が、本当の意味での通話であるといえる。このような場合、電話の着信のみの監視では不十分であると考えられる。
【0251】
また、電話の着信履歴に残っていた未登録の電話番号にリダイヤルする場合や、街頭で配布された広告やチラシ等に掲載された電話番号に発信する場合、大半のユーザにとって、その連絡先が安全であるか不明である。その連絡先に発信する際に、有事に備えてリアルタイムに通話内容を確認して欲しいという需要や、その連絡先が安全であるか確認して欲しいという需要があると考えられる。
【0252】
また、判断能力が十分でない身内が通信端末を用いて好ましくない相手に対して発信することを防止したいという需要もあると考えられる。
【0253】
更に、電話の発信に限らず、メールの送信や、有害サイト等のWebサイトへのアクセスを防止したいという需要もあると考えられる。
【0254】
<各実施形態の関係>
なお、上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。例えば、各実施形態における各通信端末及びサーバ装置が、同一のネットワーク上に混在していても良い。また、第2実施形態で第1通信端末からサーバ装置に電話番号の問い合わせを行った際に、該サーバ装置が第3実施形態に対応している場合、この電話番号の問い合わせをデータ取得要求と判断して、該サーバ装置から第1通信端末に各種DBのデータを送信するようにしても良い。
【0255】
<ハードウェアの例示>
以下に、本発明に係る第1通信端末10、第2通信端末20、及びサーバ装置30に関する物理的なハードウェアの例について説明する。
【0256】
第1通信端末10及び第2通信端末20の例として、スマートフォンを想定している。但し、実際には、スマートフォンに限定されない。他にも、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、携帯型音楽プレーヤー、ハンディターミナル、或いは、同様の無線通信機能を有する電子機器(電子機器)等が考えられる。第1通信端末10及び第2通信端末20は、車両や船舶、航空機等の移動体に搭載されていても良い。また、第1通信端末10及び第2通信端末20は、固定電話機やFAX、IP電話機(Internet Protocol phone)、或いは、電話機能に対応したPC(パソコン)等の固定端末でも良い。
【0257】
サーバ装置30の例として、PC、アプライアンス(appliance)、シンクライアントサーバ、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等の計算機を想定している。他にも、サーバ装置30の例として、ネットワークスイッチ(network switch)、ルータ(router)、プロキシ(proxy)、ゲートウェイ(gateway)、ファイアウォール、ロードバランサ、帯域制御装置、セキュリティ監視制御装置、基地局、アクセスポイント等が考えられる。また、サーバ装置30は、計算機等に搭載される拡張ボードや、物理マシン上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))でも良い。
【0258】
電話通信機能部11及び電話通信機能部21の例として、基地局等を介して無線電話網と接続するためのアンテナ等の通信装置を想定している。また、電話通信機能部11及び電話通信機能部21は、Skype(登録商標)等のインターネット電話に対応していても良い。デジタル回線を介して電話を行う場合、通話とデータ送信を同一回線で行うことができるため、電話通信機能部11及び電話通信機能部21は、ネットワーク通信機能部12及びネットワーク通信機能部22と同じものでも良い。
【0259】
ネットワーク通信機能部12、ネットワーク通信機能部22、及びネットワーク通信機能部31の例として、ネットワーク通信に対応した基板(マザーボード、I/Oボード)やチップ等の半導体集積回路、NIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタや同様の拡張カード、アンテナ等の通信装置、接続口(コネクタ)等の通信ポート等が考えられる。
【0260】
また、電話通信回線及びネットワーク通信回線の例として、インターネット、LAN、無線LAN、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、固定電話網、携帯電話網、WiMAX(IEEE 802.16a)、3G(3rd Generation)、専用線(lease line)、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信回線、データバス等が考えられる。
【0261】
表示部13及び表示部23の例として、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置を想定している。他にも、出力内容を用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置、又は、出力内容を壁やスクリーンに投影するプロジェクタ等の映写装置等が考えられる。或いは、表示部13及び表示部23は、外部の表示装置や記憶装置に情報を出力するためのインターフェースでも良い。すなわち、表示部13及び表示部23は、何らかの出力装置であれば良い。
【0262】
音声入出力部14及び音声入出力部24の例として、マイク及びスピーカの組合せを想定している。マイクの例として、一般的なマイクロフォン(Microphone)のほか、コンタクトマイク、骨伝導マイク、接話型マイク、防水マイク(防雨マイク)、ワイヤレスマイク(ラジオマイク)等が考えられる。また、スピーカの例として、一般的なスピーカ(Speaker)やイヤフォン(Earphone)が考えられる。なお、マイク及びスピーカは、一体化していても良い。例えば、ヘッドセット(Headset)等が考えられる。
【0263】
入力部15及び入力部25の例として、キーパッド(keypad)、タッチパネル(touch panel)、タブレット(tablet)等の入力装置を想定している。他にも、KVM(キーボード・ビデオ・マウス)やコンソール(console)、又は、各種の情報伝達媒体の読取装置が考えられる。また、入力部15及び入力部25は、音声入力装置でも良い。或いは、入力部15及び入力部25は、外部の入力装置や記憶装置から情報を取得するためのインターフェースでも良い。
【0264】
記憶部16、記憶部26、及び記憶部32の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)等のリムーバブルディスクや、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等の記憶媒体(メディア)等が考えられる。また、レジスタ(register)でも良い。
【0265】
制御部17、制御部27、及び制御部33の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。
【0266】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0267】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載することも可能である。但し、実際には、以下の記載例に限定されない。
【0268】
(付記1)
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信する第1通信端末と、
前記第1通信端末から前記注意情報を受信した際、前記第1通信端末と該相手との通信中に、前記第1通信端末にメッセージを送信する処理と、該メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する第2通信端末と
を含む
振り込め詐欺防止システム。
【0269】
(付記2)
付記1に記載の振り込め詐欺防止システムであって、
前記第1通信端末から通信用識別情報の問い合わせを受けた際、該通信用識別情報と第1データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該通信用識別情報が安全か否か判断し、判断結果に応じた情報を前記第1通信端末に通知する第1サーバ装置(第2実施形態におけるサーバ装置に相当)
を更に含み、
前記第1通信端末は、
前記第1サーバ装置に、前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報の問い合わせを行う手段と、
前記第1サーバ装置から安全でない旨の情報を受信した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
前記第1サーバ装置から前記第1データベースに未登録である旨の情報を受信した場合、該相手と通信する際、前記第2通信端末に前記注意情報を送信する手段と、
前記第2通信端末から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第1データベースに登録する手段と
を具備する
振り込め詐欺防止システム。
【0270】
(付記3)
付記1又は2に記載の振り込め詐欺防止システムであって、
通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を前記第1通信端末に送信する第2サーバ装置(第3実施形態におけるサーバ装置に相当)
を更に含み、
前記第1通信端末は、
前記第2サーバ装置にデータ取得要求を行い、応答として前記第2データベースの情報を受信する手段と、
前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報と前記第2データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該相手の通信用識別情報が安全か否か判断する手段と、
安全でないと判断した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行い、前記第2通信端末に警告情報を送信する手段と、
前記第2データベースに未登録である場合、該相手と通信する際、前記第2通信端末に前記注意情報を送信する手段と、
前記第2通信端末から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第2データベースに登録する手段と
を具備する
振り込め詐欺防止システム。
【0271】
(付記4)
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先(第1通信端末に対する第2通信端末に相当)に注意情報を送信する手段と、
所定の通知元(第2通信端末に対する第1通信端末に相当)から注意情報を受信した際、前記所定の通知元と該相手との通信中に、前記所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該メッセージの送信前に該メッセージを作成又は選択する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する手段と
を具備する
通信端末。
【0272】
<備考>
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0273】
10… 第1通信端末
20… 第2通信端末
30… サーバ装置
11、21… 電話通信機能部
12、22、31… ネットワーク通信機能部
13、23… 表示部
14、24… 音声入出力部
15、25… 入力部
16、26、32… 記憶部
17、27、33… 制御部
161… 第1電話帳データ
162… 第1アプリ
1621… 第1メッセージ関連データ
1622… 第1通話関連データ
163… 第1連携データ
261… 第2電話帳データ
262… 第2アプリ
2621… 第2メッセージ関連データ
2622… 第2通話関連データ
263… 第2連携データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信する第1通信端末と、
前記第1通信端末から前記注意情報を受信した際、前記第1通信端末と該相手との通信中に、前記第1通信端末にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する第2通信端末と
を含む
振り込め詐欺防止システム。
【請求項2】
請求項1に記載の振り込め詐欺防止システムであって、
前記第1通信端末から通信用識別情報の問い合わせを受けた際、該通信用識別情報と第1データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該通信用識別情報が安全か否か判断し、判断結果に応じた情報を前記第1通信端末に通知する第1サーバ装置
を更に含み、
前記第1通信端末は、
前記第1サーバ装置に、前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報の問い合わせを行う手段と、
前記第1サーバ装置から安全でない旨の情報を受信した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
前記第1サーバ装置から前記第1データベースに未登録である旨の情報を受信した場合、該相手と通信する際、前記第2通信端末に前記注意情報を送信する手段と、
前記第2通信端末から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第1データベースに登録する手段と
を具備する
振り込め詐欺防止システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の振り込め詐欺防止システムであって、
通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を前記第1通信端末に送信する第2サーバ装置
を更に含み、
前記第1通信端末は、
前記第2サーバ装置にデータ取得要求を行い、応答として前記第2データベースの情報を受信する手段と、
前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報と前記第2データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該相手の通信用識別情報が安全か否か判断する手段と、
安全でないと判断した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行い、前記第2通信端末に警告情報を送信する手段と、
前記第2データベースに未登録である場合、該相手と通信する際、前記第2通信端末に前記注意情報を送信する手段と、
前記第2通信端末から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第2データベースに登録する手段と
を具備する
振り込め詐欺防止システム。
【請求項4】
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信する手段と、
所定の通知元から注意情報を受信した際、前記所定の通知元と該相手との通信中に、前記所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行する手段と
を具備する
通信端末。
【請求項5】
請求項4に記載の通信端末であって、
第1サーバ装置に、前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報の問い合わせを行う手段と、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が安全でない旨の情報を受信した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が前記第1データベースに未登録である旨の情報を受信した場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信する手段と、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第1データベースに登録する手段と
を更に具備する
通信端末。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の通信端末であって、
第2サーバ装置にデータ取得要求を行い、通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を受信する手段と、
前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報と前記第2データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該相手の通信用識別情報が安全か否か判断する手段と、
安全でないと判断した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行い、前記所定の通知先に警告情報を送信する手段と、
前記第2データベースに未登録である場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信する手段と、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行う手段と、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第2データベースに登録する手段と
を更に具備する
通信端末。
【請求項7】
通信端末により実施される振り込め詐欺防止方法であって、
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信することと、
所定の通知元から注意情報を受信した際、前記所定の通知元と該相手との通信中に、前記所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行することと
を含む
振り込め詐欺防止方法。
【請求項8】
請求項7に記載の振り込め詐欺防止方法であって、
第1サーバ装置に、前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報の問い合わせを行うことと、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が安全でない旨の情報を受信した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うことと、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が前記第1データベースに未登録である旨の情報を受信した場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信することと、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うことと、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第1データベースに登録することと
を更に含む
振り込め詐欺防止方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の振り込め詐欺防止方法であって、
第2サーバ装置にデータ取得要求を行い、通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を受信することと、
前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報と前記第2データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該相手の通信用識別情報が安全か否か判断することと、
安全でないと判断した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行い、前記所定の通知先に警告情報を送信することと、
前記第2データベースに未登録である場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信することと、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うことと、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第2データベースに登録することと
を更に含む
振り込め詐欺防止方法。
【請求項10】
宛先リストに未登録の相手と通信を開始する際、所定の通知先に注意情報を送信するステップと、
所定の通知元から注意情報を受信した際、前記所定の通知元と該相手との通信中に、前記所定の通知元にメッセージを送信する処理と、該通信を監視する処理と、該通信に介入する処理と、のうち少なくとも1つの処理を実行するステップと
を通信端末に実行させるための
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
第1サーバ装置に、前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報の問い合わせを行うステップと、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が安全でない旨の情報を受信した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うステップと、
前記第1サーバ装置から該相手の通信用識別情報が前記第1データベースに未登録である旨の情報を受信した場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信するステップと、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うステップと、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第1データベースに登録するステップと
を更に通信端末に実行させるための
プログラム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のプログラムであって、
第2サーバ装置にデータ取得要求を行い、通信用識別情報が登録された第2データベースの情報を受信するステップと、
前記宛先リストに未登録の相手の通信用識別情報と前記第2データベースに登録された通信用識別情報とを比較し、該相手の通信用識別情報が安全か否か判断するステップと、
安全でないと判断した場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行い、前記所定の通知先に警告情報を送信するステップと、
前記第2データベースに未登録である場合、該相手と通信する際、前記所定の通知先に注意情報を送信するステップと、
前記所定の通知先から前記通信の介入として強制切断指示を受けた場合、該相手との通信を強制切断し、該相手の通信用識別情報の着信拒否設定を行うステップと、
該相手の通信用識別情報に関する情報を前記第2データベースに登録するステップと
を更に通信端末に実行させるための
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−182707(P2012−182707A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44863(P2011−44863)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(306029774)NECビッグローブ株式会社 (115)
【Fターム(参考)】