説明

振動を減衰するための装置、特に多段式のトーショナルバイブレーションダンパ

本発明は、振動を減衰する装置(1)、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパであって、並列に接続されかつ同心的に配置され、少なくともそれぞれ1つの入力部分(8,11)と出力部分(10,12)とを有する少なくとも2つのダンパアッセンブリ(5,7)を有しており、直列に接続され中間フランジ(23)を介して連結された少なくとも2つのダンパ(6.1,6.2)を有する直列ダンパとして構成されている第1のダンパアッセンブリ(5)と、回動遊びをもって構成された第2のダンパアッセンブリ(7)とを有しており、第1のダンパアッセンブリ(5)の出力部分(10)は第2のダンパアッセンブリ(7)の出力部分(12)と共に構造的なユニットを形成し、第1及び第2のダンパアッセンブリ(5,7)は半径方向で、異なる直径(d,d)上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列にかつ同軸的に配置された少なくとも2つのダンパアッセンブリ、つまり第1のダンパアッセンブリと第2のダンパアッセンブリとを有する、振動を減衰するための装置、特に多段式のトーショナルバイブレーションダンパに関する。
【0002】
特に多段式のねじり振動ダンパ若しくはトーショナルバイブレーションダンパの形式の、振動を減衰するための装置は、複数の構成において先行技術にて既に公知になっている。これらの装置はパワートレーンにおいて力伝達方向で見て駆動部と被駆動部との間に配置され、駆動部と被駆動部とを形成する接続エレメントに連結した場合、弾性的なクラッチとして機能する。弾性的なクラッチはトルクを伝達すると同時に、出力伝達時の振動を補償する。振動ダンパとしての構成も考慮可能である。この場合、隣り合う接続エレメント間の装置を介してトルク伝達は行われず、単に、個々の構成要素を介してのトルクショックだけが解消される。振動を減衰するためのこのような装置は、減衰形式に応じて種々異なる機能原理に基づいている。純粋に機械的なダンパの構成の他に、液圧式のダンパの構成も公知であり、また機械・液圧式の組合せの構成が公知である。機械的なダンパは、力伝達方向に応じて振動を減衰するための装置の入力部分又は出力部分として機能する1つ又は複数の部分から成る回動部分、特に主要部分と二次部分とを有している。主要部分と二次部分とは互いに同軸的に配置されており、互いに相対的に制限して周方向に回動可能である。入力部分と出力部分との間の連結は、トルク伝達のための手段及び振動を減衰するための手段を介して行われる。2つの手段は、通常、圧縮ばねの形式の少なくとも1つのばねエレメントを有するばねユニットによって形成される。入力部分と出力部分との間の回動角の量及びばね力を介して振動を補償して解消することができる。
【0003】
DE3047039A1において、駆動部と被駆動部との間において、振動を減衰するための二段式の装置とトルクの伝達のための装置とが既に公知になっている。この装置は直列に接続された2つのダンパアッセンブリを有している。振動を減衰するための装置の駆動エレメント及び被駆動エレメントの間の比較的大きな相対運動を可能にするために、前記装置は二段式に構成された。前記装置は、1つのケーシング内に配置され駆動舌片によって駆動される減衰ばねの同心的な2つのサークルを有している。駆動舌片は駆動エレメントに、例えばロッキングクラッチのためのピストンプレートに取り付けられている。遊動型のエレメントは内側及び外側のばねサークルにおけるばねを、2つ以上のばね群に分ける。2つ以上のばね群は各サークルにおいて互いに平行に作動し、ばねは各個々の群において直列に作用する。内側に位置するダンパには回動遊びはなく、つまり常に有効な状態にある。
【0004】
US2004/0216979A1において、少なくとも2つのダンパアッセンブリを有する、振動を減衰するための装置の構成が既に公知になっている。2つのダンパアッセンブリは並列に接続されていて、常に有効な状態にある。比較的小さな回動角のためにダンパアッセンブリは半径方向内側の直径上に配置され、比較的大きな回動遊びが第2のダンパアッセンブリを介して半径方向外側の直径上に実現される。半径方向内側のダンパアッセンブリは直列ダンパとして構成されており、1つのフランジを介して分けられた、相前後して接続されているばねエレメントを有する。
【0005】
US2004/0185940において、冒頭で述べた形式の、直列・並列ダンパとして構成された、相対的に互いに制限して周方向で回動可能な第1の回動エレメントと第2の回動エレメントとを有する、振動を減衰するための装置が公知になっている。さらに、前記装置は、回動方向に配向されていて直列に接続された、遊動性の中間フランジを介して連結されている第1の弾性的なエレメントのペアを有し、かつ、第1の弾性的なエレメントに対して並列に接続されている他の第2の弾性的なエレメントを有している。第2の弾性的なエレメントは、第1の弾性的なエレメントのペアが、第1の回動エレメントと第2の回動エレメントとの相対的な回動に基づいて所定の第1の角において互いに圧縮された後に、回動方向で互いに圧縮されるように設計されている。第2の弾性的なエレメントに、遊動性のフランジに形成されている隙間角が割り当てられている。第1及び第2の弾性的なエレメントは、半径方向の構成スペースを減じるために一直径上に配置されているか、又はばねエレメントの延在経過により理論的にもたらされる環状の領域に対して半径方向で互いにオーバラップしている。第1の弾性的なエレメント間の連結は1つの遊動性のフランジを介して行われる。
【0006】
直列・並列ダンパ装置の別の構成が、US3138011から既に公知になっている。ここに記載のダンパはワンピースに構成されている被駆動フランジを有しているものの、その製造及び構成においては極めてコストがかかる。
【0007】
既述の全構成には、所定の運転領域における所望の特性を考慮したばね特性曲線の達成が共通している。
【0008】
したがって、本発明の目的は、比較的平坦な特性曲線を特徴とする、小さなトルク時に低いばね定数によって振動を減衰するための装置を提供することである。理論的に極めて高い確率で起こり得るモーメントの一部分を伝達するように設定可能な特性マップ領域は、入力・出力部分として機能する回動エレメントの間の可能な限り大きな回動角範囲により形成可能であることが望まれる。本発明に係る構成は、構造的及び製造技術的に少ない手間を特徴とし、さらに力伝達装置内に組み込むためにパワートレーンでの使用に適していることが望まれる。振動の減衰のための装置は半径方向及び軸線方向で可能な限り小さく構成したい。
【0009】
本発明に係る構成は、請求項1の特徴部に記載の構成を特徴としている。有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明は、振動を減衰する装置、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパであって、並列に接続されかつ同心的に配置され、少なくともそれぞれ1つの入力部分と出力部分とを有する少なくとも2つのダンパアッセンブリを有しており、直列に接続され中間フランジを介して連結された少なくとも2つのダンパを有する直列ダンパとして構成されている第1のダンパアッセンブリと、回動遊びをもって構成された第2のダンパアッセンブリとを有する、振動を減衰する装置、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパにおいて、第1のダンパアッセンブリの出力部分は第2のダンパアッセンブリの出力部分と共に1つの構造的なユニットを形成し、第1及び第2のダンパアッセンブリは半径方向で、異なる直径上に配置されていることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、並列に接続されたダンパアッセンブリの入力部分は1つの構成ユニットによって形成される。
【0012】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリの出力部分は、第2のダンパアッセンブリの出力部分と共に一体に構成されている。
【0013】
好ましくは、第2のダンパアッセンブリの前記回動遊びは、第2のダンパアッセンブリの入力部分と出力部分との間において予め規定された所定の隙間角を成す回動角により規定されており、回動角は出力部分に統合されている。
【0014】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリは半径方向で第2のダンパアッセンブリより大きな直径上に配置されている。
【0015】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリと第2のダンパアッセンブリとは軸線方向の一平面に配置されている。
【0016】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリと第2のダンパアッセンブリとは組付け状態において軸線方向で互いにずらされて配置されている。
【0017】
好ましくは、各ダンパアッセンブリは少なくとも1つの、1つの部材又は複数の部材から成る入力部分と、1つの部材又は複数の部材から成る出力部分とを有しており、入力部分及び出力部分はトルク伝達のための手段と減衰連結のための手段とを介して互いに連結されており、相対的に互いに制限されて周方向に回動可能である。
【0018】
好ましくは、トルク伝達のための手段及び減衰連結のための手段は、少なくとも1つの弾性的なエレメント、特にばねユニットを有する構成ユニットによって形成される。
【0019】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリの直列に接続された2つのダンパは軸線方向で一平面に配置されている。
【0020】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリの直列に接続された2つのダンパは周方向において共通の直径上に配置されている。
【0021】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリの入力部分は第2のダンパアッセンブリの入力部分に相対回動不能に接続されている。
【0022】
好ましくは、第1のダンパアッセンブリの入力部分は第2のダンパアッセンブリの入力部分と共に1つの構造的なユニットにより形成される。
【0023】
好ましくは、第1及び第2のダンパアッセンブリの入力部分は、軸線方向に互いに離間された2つのディスクエレメントによって形成され、出力部分はディスクエレメントの間に配置された、環状のディスクエレメントの形式のフランジによって形成される。
【0024】
好ましくは、第1及び第2のダンパアッセンブリの出力部分は、軸線方向に互いに離間された2つのディスクエレメントによって形成され、入力部分はディスクエレメントの間に配置された、環状のディスクエレメントの形式のフランジによって形成される。
【0025】
好ましくは、フランジは環状ディスク形のエレメントとして、周方向において均等な間隔を置いて半径方向で外周に配置され、半径方向外方に方向付けられた突出部を有しており、突出部は、トルク伝達のための手段及び減衰連結のための手段のためのストッパ面を周方向に形成し、さらにフランジは切欠きを有しており、切欠きにおいて第2のダンパアッセンブリのばねユニットは支持可能である。
【0026】
好ましくは、中間フランジは、内周に半径方向に設けられた複数の突出部を備えた環状のエレメントとして構成されており、これらの突出部は周方向において縁開放した凹部を内周に形成し、互いに離れる方向を向いている面領域にばねユニットのためのストッパ面を形成する。
【0027】
好ましくは、装置は、流体力学的な構成要素とロックアップクラッチとを有する力伝達装置内に配置されており、流体力学的な構成要素又はロックアップクラッチの下流側に接続されている。
【0028】
好ましくは、回動角Fは3〜50°の範囲内にある。
【0029】
振動を減衰するための装置、特に多段式の直列・並列ねじり振動ダンパは、並列に接続され同軸的に配置されていて少なくとも1つの入力部分及び出力部分を有する少なくとも2つのダンパアッセンブリ、つまり第1のダンパアッセンブリ及び回動遊びを有する第2のダンパアッセンブリを有している。一方のダンパアッセンブリは少なくとも直列に接続され1つの中間フランジを介して連結されている個々のダンパを有する直列ダンパとして構成されている。本発明によれば、第1のダンパアッセンブリの配置は半径方向において、第2のダンパアッセンブリの配置の直径よりも大きな直径上でなされる。第1のダンパアッセンブリの出力部分と第2のダンパアッセンブリの出力部分とは1つの構造的なユニットを形成する。
【0030】
本発明に係る構成によりまず、バイブレーションダンパは可能な限り大きな回動角範囲において小さな摩擦を伴う可能な限り小さなばね定数を特徴とする、極めてコンパクトに組み合わされた減衰アッセンブリを提供することができる。製造は個々の構成部材において機能を集中させたことに基づき比較的簡単であり、かつ低コストになっている。
【0031】
第2のダンパアッセンブリは回転軸線に対して可能な限り小さな間隔をおいて配置されている。2つのダンパアッセンブリは互いに同軸的に配置されていて、軸線方向でずらされているか、又は有利には一平面に配置されていてよい。一平面に配置されている場合、ダンパアッセンブリは、ダンパ特性曲線が個々のダンパアッセンブリの分離した構成に基づき可変に調節することができる多段式のダンパの形式において、軸線方向及び半径方向において比較的小さく構成される。
【0032】
半径方向外側での第1のダンパアッセンブリの配置に基づき、第1のダンパアッセンブリを介して大きな回動角を実現することができる。第1のダンパアッセンブリは回動角領域内で効果的であり、ひいては減衰は比較的大きなモーメントにおいても実現できる。特に有利な構成において、第1のダンパアッセンブリは直列に接続された少なくとも2つのダンパ、第1及び第2のダンパを有する。一方のダンパの出力部分はそれぞれ他のダンパの入力部分を形成するか、又は他のダンパの入力部分に相対回動不能に連結されている。特に有利な構成によれば、直列ダンパは1つの共通の直径上において実現される。つまり、2つの個々のダンパは1つの共通の一直径上に配置され、半径方向でずれてはいない。この構成では、ダンパ全体のために半径方向の寸法を小さく保持することができる。
【0033】
直列ダンパアッセンブリの個々のダンパはそれぞれ、有利には寸法設定に関して一致した、トルク伝達のための手段及び/又は減衰連結のための手段を有している。これによりシステム全体における適切な統合時、回動角方向からの独立性を実現することも可能であり、いずれにしてもトルクを、第2のダンパアッセンブリを介して導入されるモーメントと組み合わせて第1のダンパアッセンブリの出力部を介して、パワートレーンにおける駆動したいエレメントに導入することも可能である。
【0034】
別の構成によれば、第1のダンパアッセンブリの個々のダンパを異なる直径上に配置することも考慮可能である。この場合、理論的には伝達エレメントを種々異なって設計することもできる。
【0035】
直列ダンパとして構成された第1のダンパアッセンブリの個々のダンパは、接続に応じて連行体ディスク又は遊動性のフランジとして構成されていてもよい中間フランジを介して互いに連結されている。中間フランジは、内周面において半径方向で回転軸線を向いていて周方向に配向された、トルク伝達及び減衰連結のための手段のためのストッパ面を形成する突出部を備えた環状のエレメントとして構成されている。
【0036】
中間フランジの延在の半径方向内側に位置するフランジは、外周面において半径方向に配向された突出部を備えた環状のエレメントとして構成されている。環状のエレメントは、接続に応じて第2のダンパアッセンブリのための入力部分又は出力部分として機能する。
【0037】
第2のダンパアッセンブリの回動遊びは隙間角を構成する、第2のダンパアッセンブリの入力部分と出力部分との間の予め規定されている回動角を成す。回動角において第2のダンパアッセンブリは効果的ではない。回動角は出力部分に形成されている。
【0038】
個々のダンパアッセンブリはそれぞれ力伝達方向で見て、入力部分として機能する主要部分と、出力部分として構成する二次部分とを有している。機能は力伝達方向及び動力伝達方向の変向に応じて交換可能である、つまり交番する。入力部分及び出力部分は1つの部材又は複数の部材から構成することができる。有利には、1つの部材から成る構成はそれぞれディスク形式において選択される。1つの部材から成る構成は、トルク伝達のための手段及び減衰連結のための手段を介して互いに連結されている。トルク伝達及び減衰連結のための手段は、弾性的なエレメント、特にばねユニットによって構成されている。個々のばねユニットは個別のばねとして構成されているか、又は相前後して接続されているばねユニットとして存在していてもよい。個々のダンパアッセンブリはそれぞれ弾性的なクラッチとして機能する。弾性的なクラッチはトルクを伝達すると同時に振動を補償する。第1のダンパアッセンブリは少なくとも1つの入力部分も出力部分も有する。同じことが第2のダンパアッセンブリに当てはまる。しかし第1及び第2のダンパアッセンブリの入力部分は互いに連結されているか若しくは並列に接続されているので、2つのダンパアッセンブリを介したモーメント分配を行うことができる。
【0039】
並列接続の実現のために、個々のダンパアッセンブリの入力・出力部分は1つの構造的なユニットを形成する、つまり例えば互いに相対回動不能に連結されていてよい。この場合、個々の入力・出力部分は単に接続部を介して互いに機能的に連結されている分割されたエレメントとして構成されている。しかし特に有利な構成によれば、1つの統合的な構成が得られる、つまり第1及び第2のダンパアッセンブリの入力部分と出力部分とがそれぞれ1つの部材から構成されている、つまり入力部分若しくは出力部分を形成する、第1のダンパアッセンブリのエレメントは同時に、第2のダンパアッセンブリの入力部分若しくは出力部分として構成されている。
【0040】
装置は機械的な摩擦ダンパとして構成されていて、極めて単純な構成では、軸線方向に配置され互いに相対回動不能に連結された少なくとも2つのサイドディスクを有している。2つのサイドディスクは連行体ディスク又は出力部分として機能することになる。サイドディスクは、個々のダンパアッセンブリ及び第1のダンパアッセンブリのダンパのばねエレメントの収容、及び個々のダンパアッセンブリ及び第1のダンパアッセンブリのダンパのばねエレメントための、互いに逆方向に構成されたストッパ面の形成のための開口を有している。周方向でストッパ面を形成する切欠き若しくは貫通開口は、第2のダンパアッセンブリのために隙間角、つまり入力部分と出力部分との間に回動範囲が実現可能であるように互いに配置されている。回動範囲は第2のダンパ装置に関する作用は示さない。つまり、第2のダンパ装置は、入力部分と出力部分との間の予め規定された所定の回動角が達成されて初めて有効になる。
【0041】
同様に上記記載は、2つのサイドディスクの間に配置されたフランジ、特に同時に第1及び第2のダンパアッセンブリの出力部分を形成するフランジの形式のディスク形のエレメントにも当てはまる。
【0042】
力伝達ユニットにおける割当て及び連結若しくは接続に応じて、異なるエレメントがそれぞれ入力部分として機能する。このことは、どのエレメントが駆動アッセンブリに連結され、どのエレメントが力伝達方向で見て被駆動側に連結されるかに基づく。第1の構成によれば、駆動はサイドディスクを介して実現することができる。この構成では、サイドディスクは、例えばロックアップクラッチ又は駆動機械の力伝達装置において少なくとも間接的に駆動エレメントと相対回動不能に連結されている。出力伝達は第1のダンパアッセンブリにおいては中間フランジおいて行われ、中間フランジから、装置の出力部分及び第2のダンパアッセンブリの出力部分を形成するフランジへと行われる。
【0043】
別の第2の構成によれば、フランジを介して出力を導入することも考慮可能である。この構成において、出力伝達は出力部分として機能する第1及び第2のダンパアッセンブリのサイドディスクへと行われる。
【0044】
本発明による構成は、記載の構成に限定されない。構造に関する詳細は、当業者が推量できる範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1aにおいて、直列・並列ダンパの形式の振動を減衰するための本発明に係る装置の基本構造及び基本原理を簡略化して概略的に図において明示し、図1b及び図1cにおいて、二段式の直列・並列ダンパの形式の振動を減衰するための本発明に係る装置を、2つの断面、特に図1bに示した軸線方向断面及び断面B−Bに基づいて簡略化して概略的に明示した。
【図2】ダンパ装置のサイドディスクの実施の形態を側面図において明示した図である。
【図3】振動を減衰するための本発明に基づき構成された多段式の装置の特性曲線をグラフにおいて明示した図である。
【0046】
以下に、本発明に係る手段を図面に基づき説明する。
【0047】
図1aは、特にねじり振動ダンパ若しくはトーショナルバイブレーションダンパの形式の、振動を減衰するための本発明に基づき構成された装置1の基本構造及び基本原理を概略的に簡略化して明示した図である。振動を減衰するための本発明に係る装置1は多段式の直列・並列ダンパ2として構成されている。振動を減衰するための装置1は、機能的に2つダンパ段3,4を有している。これらのダンパ段3,4はそれぞれ−第1のダンパアッセンブリ5及び第2のダンパアッセンブリ7の−ダンパアッセンブリによって形成され、並列接続されている。並列接続とは本発明では、2つのダンパアッセンブリ5,7が力伝達経路内において平行に配置されていることを意味する。力伝達は平行に若しくは2つのダンパアッセンブリ5,7を介してなされる。第1のダンパアッセンブリ5は本発明によれば直列ダンパとして構成されている、つまり、少なくとも2つの直列に接続されたダンパ6.1,6.2を有している。直列に接続されたとは本発明では、出力伝達が力伝達経路内において直列になされる、特に2つのダンパ6.1,6.2がダンパ段3において相前後して連続していることを意味する。方向は力導入方向に基づいて規定される。図1aにおいては、力伝達は例えばダンパ6.1,6.2を介して行われる。
【0048】
各ダンパ段3,4は異なる運転領域において効果を発揮する。特に第2のダンパ段4のダンパアッセンブリ7は、隙間角とも称呼される予め規定された回動角Fの後に初めて効果的になるように構成されている。2つのダンパアッセンブリ5,7は平行に配置されていて、二段式の直列・並列ダンパに組み立てられている。各個々のダンパアッセンブリ5,7は、1つ又は複数の部材から構成されている、力伝達方向に見て、入力部分及び出力部分として機能する回動エレメントを有している。回動エレメントはトルク伝達のための手段及び/又は減衰連結のための手段を介して互いに連結されている。有利には、機械的な減衰コンセプトの使用時、トルク伝達のための手段及び減衰連結のための手段は同じ構成ユニットによって形成される、有利にはばねユニットによって形成される。個々のダンパアッセンブリ5,7及びダンパアッセンブリ5の個々のダンパ6.1,6.2の入力・出力部分はそれぞれ同軸的に互いに配置されており、制限されて互いに周方向に回動可能である。入力・出力部分の概念は、本発明では、力伝達方向に見て、パワートレーンにおける配置の際、駆動する構成部材から被駆動構成部材への力伝達に関係する。入力・出力部分としての機能は異なる運転状態において異なる構成部材に割り当てることができる、つまり、車両における使用時、トラクションドライブ(Traktionsbetrieb)におけるパワートレーンにおいて、駆動機械に連結可能なエレメントは入力部分として機能し、これに対してトラクションドライブにおいて出力部分として機能するエレメントがむしろ入力部分として機能することにより、エンジンブレーキドライブ(Schubbetrieb)においては機能が反転する。
【0049】
装置1は力伝達経路に見て入力部分Eと出力部分Aとを有している。入力部分Eはダンパアッセンブリ5及びダンパアッセンブリ7の1つのエレメントによって構造的なユニットとして形成されるか、又はダンパアッセンブリ5,7の入力部分は互いに相対回動不能に接続されている。ダンパアッセンブリ5は入力部分8と出力部分10とを有している。ダンパアッセンブリ7は入力部分11と出力部分12とを有している。入力部分8,11は有利には入力部分Eによって直接形成され、出力部分10,12は出力部分Aによって形成される。第1のダンパアッセンブリ5においては、2つのダンパ、ダンパ6.1とダンパ6.2とが直列に接続されている。全体ユニットの入力部Eに相対回動不能に接続されているか、又は有利には入力部Eによって直接形成される、第1のダンパアッセンブリの入力部8は、第1のダンパ6.1の入力部分13によって形成される。さらに第1のダンパ6.1は出力部分14を有しており、出力部分14は同時にダンパアッセンブリ5の直列に接続されている2つのダンパの第2のダンパ6.2の入力部分15を形成するか、又は入力部分15に相対回動不能に接続されている。さらに第2のダンパ6.2は出力部分16を有しており、出力部分16はダンパアッセンブリ5の出力部分10を形成し、かつ出力部Aに相対回動不能に接続されているか又は出力部Aを形成する。第1のダンパ6.1は入力部分13と出力部分14との間のトルク伝達のための手段17を有しており、かつ、減衰連結のための手段18を有している。これに類似して第2のダンパ6.2はトルク伝達のための手段20を有し、かつ減衰連結のための手段21を有する。第2のダンパアッセンブリ7は、入力部分11と出力部分12とがトルク伝達のための手段34及び減衰連結のための手段35を介して互いに連結されている少なくとも1つのダンパを有している。力伝達は装置の入力部分Eと出力部分Aとの間で回動方向に応じて第1の減衰アッセンブリ5においてダンパ6.1とダンパ6.2とを介して行われるか若しくは逆転して行われ、同時に入力部分Eと出力部分Aとの間の予め規定された回動角に達した後にダンパアッセンブリ7を介して行われる。
【0050】
図1aには基本原理における、第2のダンパアッセンブリ7が入力部分Eと出力部分Aとの間の回動角の発生時、即効果を発揮するのではなく、入力部分Eと出力部分Aとの間の所定の回動角の到達後に初めて効果を発することは示されていない。前記角は隙間角とも称呼される。隙間角に達すると第2のダンパアッセンブリ7によって形成される第2のダンパ段4が接続される。
【0051】
図1b及び図1cは2つの図面において、振動を減衰するための本発明に基づき構成された装置1、特に多段式の直列・並列ダンパアッセンブリ2を明示した。図1bは振動の減衰のための装置1を軸線方向に断面して明示し、図1cは右側から断面B−Bを見た図である。断面B−Bには、特に中立状態、つまりトルクがかかっていない状態のフランジ23,24の配置が記載されている。
【0052】
第1のダンパ段3は、装置1の回転軸線Rに関して半径方向において、直径d上の第2のダンパ段4よりも大きな直径d上に配置されている。したがって、第1のダンパアッセンブリ5は半径方向外側に配置され、第2のダンパアッセンブリ7は、第1のダンパアッセンブリ5の内径の延在の内側、ひいては比較的小さな直径d上に配置されている。装置1の入力部分E、ひいてはダンパアッセンブリ5,7の入力部分8,10は互いに離間して配置されていて、互いに同軸的に構成されている2つの連行体ディスク9.1,9.2によって形成される。連行体ディスク9.1,9.2は互いに相対回動不能に連結されている。連行体ディスク9.1,9.2の間には出力部分10が配置されていて、出力部分10はダンパアッセンブリ7の出力部分12に相対回動不能に接続されているか、又は出力部分12と共に有利には一構成部材の形式の構成的なユニットと同時に出力部Aを形成する。第1のダンパアッセンブリ5は2つのダンパ6.1,6.2から成っている。図1aに示した入力・出力部分の番号付与は維持される。第1のダンパ6.1の入力部分13は連行体ディスク9.1,9.2によって形成される。このことは類似して第2のダンパアッセンブリ7の入力部分11にも当てはまる。入力部分11は同様に連行体ディスク9.1,9.2によって形成されるか、又は連行体ディスク9.1,9.2に相対回動不能に連結されているエレメントによって形成される。第1のダンパは入力部分13と出力部分14との間のトルク伝達のための手段17と、減衰連結のための手段18とを有している。手段17,18は構成ユニット、特に圧縮ばねの形式の少なくとも1つのばねエレメントを有するばねユニット19によって形成される。これに類似して、第2のダンパ6.2はトルク伝達のための手段20と、減衰連結のための手段21とを有している。これらの手段20,21は別のばねユニット22によって形成される。入力部分13は、既述したように、連行体ディスク9.1,9.2によって形成され、出力部分14は、独自の支承から自由になっているか又は接続エレメントに相対回動不能に接合されているいわゆる遊動性の中間フランジ23によって形成される。中間フランジ23は第2のダンパ6.2の入力部分15を形成する。第2のダンパ6.2の出力部分16、ひいては装置1の出力部分10若しくはAはフランジ24によって形成される。手段17,18若しくは第1のダンパ6.1の個々のばねユニット19は連行体ディスク9.1,9.2においてフランジ24又は中間フランジ23に支持され、第2のダンパ6.2のばねユニット22も同様に連行体ディスク9.1,9.2又は中間フランジ23及びフランジ24に周方向で支持され得る。
【0053】
中間フランジ23はこの実施の形態では遊動性のフランジとして構成されている、つまり、中間フランジ23は独自の支承部を有しておらず、単にばねユニット19,22及びばねユニット19,22の間にフランジ24若しくはサイドディスク9.1,9.2を配置することにより保持される。中間フランジ23は環状のエレメントとして構成されており、環状のエレメントはその内周面に回転軸線Rを向いた突出部25を有している。突出部25は周方向に配向されていて互いに逆方向に向けられている、ダンパ6.1,6.2のばねユニット19若しくは22のためのストッパ面26,27を形成する。
【0054】
フランジ24は、第1及び第2のダンパアッセンブリ5,7の出力部分10,12を形成し、ひいては振動を減衰するための装置1全体の出力部分Aも形成する。このためにフランジ24はディスク形のエレメントとして形成されている。
【0055】
図1cに示した実施の形態では、中間フランジ23は半径方向で外側の中間フランジである。この中間フランジの内周面28は、周方向に互いに均等に離間されて構成されている突出部を有している。ダンパアッセンブリ5,7の出力部分10若しくは12を形成するフランジ24は、半径方向内側のフランジとして構成されていて、フランジ24の外周面29は半径方向外側に、つまり回転軸線Rから離れるように延在する、周方向に互いに等間隔で配置されている突出部30を有している。互いに離間可能な2つの突出部30は周方向に延在する縁開放型の切欠きを形成する。切欠き内には個々のダンパ6.1,6.2の2つのばねユニット19,22が配置され、フランジ24に設けられている前記切欠きの互いに相対している側面31,32に支持される。さらにフランジ24はその直径dにおいて周方向に延在する開口の形式の切欠き33を含有する。開口はトルク伝達のための手段34若しくは減衰連結のための手段35のばねユニット36のための支持面37.1,37.2を形成する。支持面37.1,37.2は周方向に互いに相対して配置されている。しかしこれらの支持面37.1,37.2は例えば3〜50°の所定の回動角Fの後に初めて効果を発揮するようになる。ばねユニット36はサイドディスク9.1,9.2と、フランジ24とに支持される。
【0056】
前記実施の形態では、パワートレーン及び車両における使用時、通常のトラクションドライブにおいて駆動機械から下流に配置されている出力伝達ユニットへの力伝達方向で見て、互いに相対回動不能に連結されている連行体ディスク9.1,9.2を介して、モーメントがダンパアッセンブリ5に導入される。図1cによれば、回動方向に応じてばねユニット19又は22は負荷される。ばねユニット19又は22はまた中間フランジ23、特にストッパ面26若しくは27を介して突出部25に作用し、これによりもたらされる連結に基づきトルク伝達は減衰連結と同時に、中間フランジ23を介して他のばねユニット、本実施の形態では例えばばねユニット22にもたらされ、ばねユニット22から出力部分Aを形成するフランジ24にもたらされる。連行体ディスク9.1,9.2とフランジ24との間の相対回動が隙間角Fのサイズにおいて行われる場合、第2のダンパ段4も効果を発揮する。隙間角Fの到達後に出力伝達は付加的に第2のダンパ段4を介して同様に装置全体の出力部分Aとして機能する、第2のダンパ段4の出力部12へと行われる。個々のばねユニット19,22,36は、例えばいわゆる圧縮ばねの形式で構成されていて、若しくはコイルばねとして構成されている。弾性的なエレメントの別の実施の形態も同様に理論的に考慮可能である。
【0057】
ダンパアッセンブリ5の連行体ディスク9.1,9.2の間の相対回動不能な連結部の形成は種々異なってなすことができる。記載の実施の形態では、有利にはリベットの形式の固定エレメント38が設けられている。固定エレメント38は、図1bに示されているように、ダンパ段3のばねユニット19,22の半径方向延在の半径方向外側に位置することができる。さらに中間フランジ23の外径の半径方向外側の配置をすることができる。相対回動不能な連結は、同時に周方向におけるストッパ、ひいては中間フランジ23若しくはフランジ24のための回動角制限部を形成する。
【0058】
第2のダンパ段、ひいてはダンパアッセンブリ7のための連行体ディスクの相対回動不能な付加的な連結部を、2つのダンパ段3,4の入力部分8,10の一部材から成る実施の形態に基づき省略することができる。
【0059】
さらに図1b及び図1cに示した実施の形態は、軸線方向の一平面における個々のダンパ段3,4の配置を明示している。このことは特に、装置1の出力部分Aとして機能する、2つのダンパアッセンブリ5,7の出力部分10若しくは12の構成により実現される。出力部分10,12は、既述したように極めて単純な場合には、ディスク形のエレメントとして構成されている。
【0060】
ずらして配置するという別の実施の形態も同様に考慮可能である。しかしこの実施の形態では、少なくともフランジ24及び連行体ディスク9.1,9.2を適切に成形することになる。しかし図1に記載の実施の形態は、必要な構成スペースに関して特に有利な構成である。このことは類似して2つのダンパ6.1,6.2の相互の、半径方向及び軸線方向における配置にも当てはまる。有利には、2つのダンパ6.1,6.2は半径方向においてずれることなく1つの共通の直径dに配置されていて、軸線方向において同様に一平面に配置されている。これにより最小限の構成スペースのままで同時に機能を極めて高い程度において集中させた直列・並列ダンパアッセンブリを実現することができる。
【0061】
フランジ24の外周面に設けられている突出部30もストッパ面39.1,39.2を有している。ストッパ面39.1,39.2は中間フランジ23の内周面28に適切に形成されていて、周方向でストッパ面39.1,39.2とは逆方向に配向されているストッパ面40.1,40.2と協働する。ストッパ面39.1,39.2とストッパ面40.1,40.2とは第1のダンパ段3においてばねユニット19,22のためのブロック保護部(Blockschutz)を形成する。したがって、ストッパ面39.1,39.2,40.1,40.2は所定の予め規定されたばね経路において、中間フランジ23とフランジ24との間に単に1つの回動角制限部を形成するように配置されている。
【0062】
図1に示した実施の形態においては、車両のためのパワートレーンにおける力伝達装置においての使用時、既述したように、連行体ディスク9.1,9.2は入力部分Eとして機能し、フランジ24は出力部分Aとして機能する。力伝達が反転すると、フランジ24に入力部分Eの機能が割り当てられ、連行体ディスク9.1,9.2は出力部分Aとして機能する。このような装置が2つの力伝達装置におけるパワートレーンにおいてそれぞれ入力・出力部分に対して適切に、駆動する及び駆動したいエレメントに連結されていると、常にトルクはこの装置に同時に伝達される。所定の機能状態、例えばエンジンブレーキドライブにおいて、入力部分E又は出力部分Aを形成するエレメントのうちの1つとの連結が存在しない場合、装置1は振動ダンパ(Tilger)として機能する、つまり振動を補償するものの、弾性的なクラッチのようにトルクは伝達しない。
【0063】
図1は特にコンパクトで、車両の力伝達装置における使用のための、流体力学的な構成要素とロックアップ装置とを有する流体力学的な構成要素に適した装置を示している。この装置は、流体力学的な構成要素に対してもロックアップ装置に対しても直列に配置されている。
【0064】
図2は概略的な図において、図1に示した装置1の連行体ディスク9.1,9.2の形式をしたサイドディスクの側面図を明示している。図2では、ダンパ6.1,6.2の、ばねユニット19,22の収容及び周方向及び半径方向での支持のために、周方向に形成されている開口41を備えた環状ディスクの形式のディスク状の構成を見て取ることができる。これに類似して、連行体ディスクは、第2のダンパアッセンブリ7のための開口42を有している。開口42は比較的小さな直径上に配置されていて、ばねユニット36を収容する。
【0065】
図1及び図2に示した本発明に係る実施の形態は、高い程度の機能集中、高いコンパクト性と同時に少ない構成部材数を特徴としている。さらに、この実施の形態によって、可能な限り小さなばね定数を備えたトーショナルバイブレーションダンパを構成することができる。トーショナルバイブレーションダンパは比較的小さな摩擦を伴う可能な限り大きな回動角を有する。このことは、有利には直列ダンパアッセンブリが比較的大きな直径上に配置されていることによっても実現される。
【0066】
図3は回動角/モーメントグラフα/Mに基づいて、総合ダンパユニットに関するダンパ特性曲線を明示している。図3から、ダンパ特性曲線が小さな回動角と小さなモーメントを特徴とする第1の回動角範囲において平坦に延在し、第2のダンパ段4の接続時、特性曲線が上昇することが判る。第1の範囲は符号Iで示し、第2の範囲は符号IIで示した。
【符号の説明】
【0067】
1 振動を減衰するための装置、 2 多段式の直列/並列ダンパ、 3 第1のダンパ段、 4 第2のダンパ段、 5 ダンパアッセンブリ、 6.1,6.2 ダンパ、 7 ダンパアッセンブリ、 8 入力部分、 9.1,9.2 連行体ディスク、 10 出力部分、 11 入力部分、 12 出力部分、 13 入力部分、 14 出力部分、 15 入力部分、 16 出力部分、 17 トルク伝達のための手段、 18 減衰連結のための手段、 19 ばねユニット、 20 トルク伝達のための手段、 21 減衰連結のための手段、 22 ばねユニット、 23 中間フランジ、 24 フランジ、 25 突出部、 26 ストッパ面、 27 ストッパ面、 28 内周面、 29 外周面、 30 突出部、 31 側面、 32 側面、 33 切欠き、 34 トルク伝達のための手段、 35 減衰連結のための手段、 36 ばねユニット、 37.1,37.2 ストッパ面、 38 固定エレメント、 39.1,39.2 ストッパ面、 40.1,40.2 ストッパ面、 41 開口、 42 開口、 R 回転軸線、 M モーメント、 α 回動角、 F 隙間角、 d 直径、 E 入力部分、 A 出力部分
【図1a】

【図1b】

【図1c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を減衰する装置(1)、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパであって、並列に接続され、同心的に配置され、かつ、少なくとも1つの入力部分(8,11)と出力部分(10,12)とをそれぞれ有する少なくとも2つのダンパアッセンブリ(5,7)を有しており、直列に接続され中間フランジ(23)を介して連結された少なくとも2つのダンパ(6.1,6.2)を有する直列ダンパとして構成されている第1のダンパアッセンブリ(5)と、回動遊びをもって構成された第2のダンパアッセンブリ(7)とを有する、振動を減衰する装置、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパにおいて、
第1のダンパアッセンブリ(5)の出力部分(10)は第2のダンパアッセンブリ(7)の出力部分(12)と共に構造的なユニットを形成し、第1及び第2のダンパアッセンブリ(5,7)は半径方向で、異なる直径(d,d)上に配置されていることを特徴とする、振動を減衰する装置、特に多段式の直列・並列バイブレーションダンパ。
【請求項2】
並列に接続されたダンパアッセンブリ(5,7)の入力部分(8,11)は構成ユニットによって形成されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
第1のダンパアッセンブリ(5)の出力部分(10)は、第2のダンパアッセンブリ(7)の出力部分(12)と共に一体に構成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
第2のダンパアッセンブリ(7)の前記回動遊びは、第2のダンパアッセンブリ(7)の入力部分(11)と出力部分(12)との間において予め規定された所定の隙間角(F)を成す回動角により規定されており、回動角は出力部分(12)に統合されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
第1のダンパアッセンブリ(5)は半径方向で第2のダンパアッセンブリ(7)より大きな直径(d)上に配置されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載の装置。
【請求項6】
第1のダンパアッセンブリ(5)と第2のダンパアッセンブリ(7)とは軸線方向の一平面に配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項記載の装置。
【請求項7】
第1のダンパアッセンブリ(5)と第2のダンパアッセンブリ(7)とは組付け状態において軸線方向で互いにずらされて配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項記載の装置。
【請求項8】
各ダンパアッセンブリ(5,7)は少なくとも1つの、一部材又は複数部材から成る入力部分(8,11)と、一部材又は複数部材から成る出力部分(10,12)とを有しており、入力部分(8,11)及び出力部分(10,12)はトルク伝達のための手段(17,20,34)と、減衰連結のための手段(18,21,35)とを介して互いに連結されており、周方向で相対的に互いに制限されて回動可能であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項記載の装置。
【請求項9】
トルク伝達のための手段(17,20,34)及び減衰連結のための手段(18,21,35)は、少なくとも1つの弾性的なエレメント、特にばねユニット(19,22,36)を有する構成ユニットによって形成されることを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
第1のダンパアッセンブリ(5)の直列に接続された2つのダンパ(6.1,6.2)は軸線方向で一平面に配置されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項記載の装置。
【請求項11】
第1のダンパアッセンブリ(5)の直列に接続された2つのダンパ(6.1,6.2)は周方向において共通の直径上に配置されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
第1のダンパアッセンブリ(5)の入力部分(8)は第2のダンパアッセンブリ(7)の入力部分(11)に相対回動不能に接続されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項記載の装置。
【請求項13】
第1のダンパアッセンブリ(5)の入力部分(8)は第2のダンパアッセンブリ(7)の入力部分(11)と共に構造的なユニットにより形成されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
第1及び第2のダンパアッセンブリ(5,7)の入力部分(8,11)は、軸線方向に互いに離間された2つのディスクエレメント(9.1,9.2)によって形成され、出力部分(10,12)はディスクエレメント(9.1,9.2)の間に配置された、環状のディスクエレメントの形式のフランジ(24)によって形成されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項記載の装置。
【請求項15】
第1及び第2のダンパアッセンブリ(5,7)の出力部分(10,12)は、軸線方向に互いに離間された2つのディスクエレメント(9.1,9.2)によって形成され、入力部分(8,11)はディスクエレメント(9.1,9.2)の間に配置された、環状のディスクエレメントの形式のフランジ(24)によって形成されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
フランジ(24)は環状ディスク形のエレメントとして、周方向において均等な間隔を置いて半径方向で外周(29)に配置され、半径方向外方に方向付けられた突出部(30)を有しており、該突出部(30)は、トルク伝達のための手段(17,20,34)及び減衰連結のための手段(18,21,35)のためのストッパ面を周方向に形成し、さらにフランジ(24)は切欠き(33)を有しており、該切欠き(33)において第2のダンパアッセンブリ(7)のばねユニット(36)は支持され得ることを特徴とする、請求項14又は15記載の装置。
【請求項17】
中間フランジ(23)は、内周(28)に半径方向に設けられた突出部(25)を備えた環状のエレメントとして構成されており、突出部(25)は周方向において縁開放して凹部を内周(28)に沿って形成し、互いに離れる方向を向いている面領域にばねユニット(19,22)のためのストッパ面を形成することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか一項記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、流体力学的な構成要素とロックアップクラッチとを有する力伝達装置内に配置されており、かつ、前記流体力学的な構成要素又は前記ロックアップクラッチの下流側に接続されていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか一項記載の装置。
【請求項19】
前記回動角Fは3〜50°の範囲内にあることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一項記載の装置。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−535312(P2010−535312A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518490(P2010−518490)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001223
【国際公開番号】WO2009/018801
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Germany