振動発生装置を備えたベッド
【課題】 不規則な体感振動により慣れや飽きることが少なく、また振動発生装置の小型化や騒音の問題を解決した振動発生装置を備えたベッドを提供すること。
【解決手段】 マットレス3内に振動発生装置10を備えベッド1であって、振動発生装置10は、振動板11と、振動板11の床側の面に設けられる振動子12と、振動板の人体が乗る側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体13とから構成される。
【解決手段】 マットレス3内に振動発生装置10を備えベッド1であって、振動発生装置10は、振動板11と、振動板11の床側の面に設けられる振動子12と、振動板の人体が乗る側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体13とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置を備えたベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のベッドとして、ベッド床に床フレームを備え、この床フレームには使用者の頭部および胴部を支える前側受部と、使用者の脚部を支える後側受部とが分けて設けられ、前側受部は床フレーム上に支持される弾性体を有して床フレームの振動が弾性体により緩衝吸収されるようにされており、また後側受部は床フレーム上に緩衝材を介して支持される振動部材を有し、その振動部材には、これに振動を付与する振動発生手段が設けられ、この振動発生手段の振動は後側受部には伝わるが、前側受部へは伝わりにくいようにされているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、連続する微振動を発生する連続微振動発生器と、概ね一定の周期で繰り返す単発的な振動を発生する間歇的単発振動発生器とを備えて、横たわった人体に連続微振動と間欠的単発振動とを複合して印加するようにしたベッドもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2007−37832号公報
【特許文献2】特開2004−24678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のベッドは身体に伝わる振動として上下もしくは左右の揺動である。人によっては身体に負担を感じ、使用していると慣れや飽きによってもっと刺激を求めたがり、結果として長期に渡って睡眠促進効果が得られない問題がある。また振動の発生にカムやアームなどの機械的な構造が必要なため、振動発生装置の大型化や騒音の問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、不規則な体感振動により慣れや飽きることが少なく、また振動発生装置の小型化や騒音の問題を解決した振動発生装置を備えたベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、振動発生装置を備えたベッドであって、前記振動発生装置は、振動板と、前記振動板の床側の面に設けられる振動子と、前記振動板の人体が載置される側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体と、を備えることを特徴とするベッド。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記弾性体は、円柱形状である。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記弾性体は、平面方向の縦横比が異なる柱形状である。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記弾性体は、該弾性体の縦横方向が同じになるように前記振動板に配列される。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記弾性体の平面形状は、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、前記弾性体の縦横比は5:4である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明では、振動子が単一方向に加振すると、振動は振動板を介して振動板の他方の面に設けられる複数の弾性体に伝達される。振動は弾性体により位相遅れ・減衰を伴いながらベッドの長手方向(X方向)、ベッドの幅方向(Y方向)、上下方向(Z方向)に不規則に使用者の身体に伝達される。よって、弾性体を介した体感振動は、慣れや飽きることが少なく、長期にわたって使用できる。また、位相遅れ・減衰を伴う振動は、使用者が負担を感じることが少なく癒し効果を奏する。また、振動の発生にカムやアームなどの機械的な構造が必要でなく、エラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体から構成されるため、振動発生装置の小型化が可能で、騒音発生の問題を解決できる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられるため、特定の部位(例えば頭部)に振動を伝達したくない場合や、腰部の振動を大きくして、脚部の振動を小さくする等の部位ごとに振動を変えることができ、長期にわたって睡眠促進効果が得られる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、弾性体に円柱形状のエラスティックポリマーを用いることで、X方向、Y方向、Z方向の振動のピークを50Hz近傍にすることができる。X方向、Y方向、Z方向の振動を50Hz近傍の低周波振動にすることで睡眠効果が促進される。
【0016】
また、請求項4に記載の発明では、弾性体は平面方向の縦横比が異なる柱形状であるため、振動体の振動の対称性をずらすことができる。また振動子の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることができる。また振動子の周波数を振動発生装置の共振周波数とすることで、特定の方向の振動をより大きくできる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、振動板に弾性体の縦横方向が同じになるように配列することで、例えばベッドのベッドの幅方向(Y方向)の揺れを大きくしたい場合に、弾性体の長さが短い側bをY方向に揃えることで、揺れを大きくすることが可能である。
【0018】
また、請求項6に記載の発明では、弾性体の平面形状を、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つにすることで、平面方向の振動の対称性をずらすことができる。また振動子の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることが可能である。
【0019】
また、請求項7に記載の発明では、弾性体の縦横比を5:4にすることで、ベッドに人体が乗った際の弾性体の強度(変形)と特定の方向の振動のバランスをとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する
図1は、本発明のベッド1で、ヘッドボード2と、マットレス3を備える。マットレス3内には、頭部4を除く背中部5、腰部6、脚部7に振動発生装置10を夫々設けてある。
【0021】
図2は、振動発生装置10を説明するための斜視図である。振動発生装置10は、振動板11と、振動板11の床面側で振動板11を上下方向(Z方向)に加振する振動子12と、振動板11のマットレス3側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の円柱形状の弾性体13とから構成される。
【0022】
図3は、脚部7の振動発生装置10に脚8(身体)を乗せた状態を示す説明図である。振動発生装置10はマットレス3内に設けられるため、通常の使用状態では使用者からは見えない。
【0023】
図4、振動発生装置10に脚8(身体)を乗せた場合のエラスティックポリマーの状態を示す説明図である。使用者が脚部7に脚8を乗せると、マットレス3を介して夫々の弾性体13は不規則に変形する。この状態で振動子12が上下方向に加振すると、上下方向の振動は弾性体13により位相遅れ・減衰を伴いながらX方向、Y方向、Z方向の不規則な振動に変化する。
【0024】
図5は、本発明のベッド1のX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。円柱形状の弾性体13を用いた場合、X方向、Y方向、Z方向の加速度(振動)のピークを50Hz近傍にすることができる。
【0025】
図6は、従来のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。従来のベッドでは、X方向、Y方向、Z方向の加速度(振動)のピークがそれぞれ異なる周波数帯にある。
【0026】
本発明のベッド1では、振動子12により上下方向に加振すると、振動は振動板11を介して振動板11の他方の面に設けられる複数の円柱形状の弾性体13に伝達される。振動は弾性体13により位相遅れ・減衰を伴いながらX方向、Y方向、Z方向に不規則に使用者の身体に伝達される。よって、弾性体13を介した体感振動は、慣れや飽きることが少なく、長期にわたって使用できる。また、位相遅れ・減衰を伴う振動は、使用者が負担を感じることが少なく癒し効果を奏する。
【0027】
また、振動発生装置10は、背中部5、腰部6、脚部7に設けられるため、頭部4に振動を伝達したくない場合や、腰部6の振動を大きくして、脚部7の振動を小さくする等の部位ごとに振動を変えることで長期にわたって睡眠促進効果が得られる。
【0028】
また、弾性体に円柱形状の弾性体13を用いることで、X方向、Y方向、Z方向の振動のピークを50Hz近傍にすることができる。X方向、Y方向、Z方向の振動を50Hz近傍の低周波振動にすることで睡眠効果が促進される。
【0029】
図7は、本発明の他の実施形態で、平面方向の縦横が異なる小判形の柱形状の弾性体14の斜視図を示す。弾性体14の縦a、横bの長さの比がa:b=5:4で、弾性体13と同様にエラスティックポリマー材料から成る。
【0030】
図8は、弾性体14の縦横方向が同じになるように振動板11に配列した振動発生装置10aの斜視図で、その他の構成は図2の振動発生装置10と同じであり、同一の部位、機能については同一の符号を用いて説明する。弾性体14は、振動板11に長さの短い側bをベッドの幅方向(Y方向)に揃えて配列される。振動子12は上下方向に振動する。
【0031】
図9は、(a)円柱の弾性体13、(b)小判形の柱形状の弾性体14、の振動発生装置10、10aでの振動加速度測定結果である。(a)の弾性体13では、振動子12は上下方向に振動すると、X、Y方向の加速度はほぼ等しくなる。これに対して(b)の弾性体14では、X、Y方向の加速度が異なる。ベッドの幅方向(Y方向)の加速度(振動)が大きくなる。
【0032】
図10は、平面が楕円の柱形状の弾性体15の斜視図を示す。弾性体15の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体14と同様にエラスティックポリマー材料から成り、弾性体14と同様の効果を奏する。
【0033】
図11は、平面が長方形の柱形状の弾性体16の斜視図を示す。弾性体16の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体14と同様にエラスティックポリマー材料から成り、弾性体14と同様の効果を奏する。
【0034】
本発明の他の実施形態では、弾性体14〜16は平面方向の縦横比が異なる柱形状であるため、振動体14〜16の振動の対称性をずらすことができる。また振動子12の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることが可能である(図9(b))。また振動子12の周波数を振動発生装置の共振周波数とすることで、特定の方向の振動をより大きくできる。
【0035】
また、弾性体14〜16の縦横比を5:4にすることで、ベッド1に人体が乗った際の弾性体14〜16の強度(変形)と特定の方向の振動とバランスをとることができる。
【0036】
図12は、図11の弾性体16の変形例で、四角錐形状の弾性体17である。弾性体17は垂直方向に対して5度傾斜しており、下方に向い水平断面が小さくなる。弾性体17の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体16と同様にエラスティックポリマー材料から成る。弾性体17は下方に向い水平断面が小さくなるため弾性体16と比較して長さの短い方向bの振動を大きくできる効果を奏する。
【0037】
図13は、図2の弾性体13の変形例で、円柱で上下方向(Z方向)に段差を備えた弾性体18である。(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は正面図である。弾性体18は弾性体13と同様にエラスティックポリマー材料から成る。円柱の高さ方向中央より下方に段部19を備え、段部19はベッドのベッドの幅方向(Y方向)に2カ所設けられる。段部19を備えることで弾性体18の下方の断面形状はベッドの略長方形となり、長さの短い方向bの加速度(振動)を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のベッドの上面からの説明図である。
【図2】振動発生装置を説明するための斜視図である。
【図3】振動発生装置に脚(身体)を乗せた状態を示す説明図である。
【図4】振動発生装置に脚(身体)を乗せた場合のエラスティックポリマーの状態を示す説明図である。
【図5】本発明のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。
【図6】従来のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。
【図7】本発明の他の実施形態で、平面方向の縦横が異なる小判形の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態の振動発生装置の斜視図である。
【図9】振動発生装置の振動加速度測定結果である。
【図10】平面が楕円の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図11】平面が長方形の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図12】四角錐形状の弾性体である。
【図13】円柱で上下方向(Z方向)に段差を備えた弾性体である。
【符号の説明】
【0039】
1 ベッド
3 マットレス
10、10a 振動発生装置
11 振動板
12 振動子
13 弾性体
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置を備えたベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のベッドとして、ベッド床に床フレームを備え、この床フレームには使用者の頭部および胴部を支える前側受部と、使用者の脚部を支える後側受部とが分けて設けられ、前側受部は床フレーム上に支持される弾性体を有して床フレームの振動が弾性体により緩衝吸収されるようにされており、また後側受部は床フレーム上に緩衝材を介して支持される振動部材を有し、その振動部材には、これに振動を付与する振動発生手段が設けられ、この振動発生手段の振動は後側受部には伝わるが、前側受部へは伝わりにくいようにされているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、連続する微振動を発生する連続微振動発生器と、概ね一定の周期で繰り返す単発的な振動を発生する間歇的単発振動発生器とを備えて、横たわった人体に連続微振動と間欠的単発振動とを複合して印加するようにしたベッドもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2007−37832号公報
【特許文献2】特開2004−24678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のベッドは身体に伝わる振動として上下もしくは左右の揺動である。人によっては身体に負担を感じ、使用していると慣れや飽きによってもっと刺激を求めたがり、結果として長期に渡って睡眠促進効果が得られない問題がある。また振動の発生にカムやアームなどの機械的な構造が必要なため、振動発生装置の大型化や騒音の問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、不規則な体感振動により慣れや飽きることが少なく、また振動発生装置の小型化や騒音の問題を解決した振動発生装置を備えたベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、振動発生装置を備えたベッドであって、前記振動発生装置は、振動板と、前記振動板の床側の面に設けられる振動子と、前記振動板の人体が載置される側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体と、を備えることを特徴とするベッド。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記弾性体は、円柱形状である。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記弾性体は、平面方向の縦横比が異なる柱形状である。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記弾性体は、該弾性体の縦横方向が同じになるように前記振動板に配列される。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記弾性体の平面形状は、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、前記弾性体の縦横比は5:4である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明では、振動子が単一方向に加振すると、振動は振動板を介して振動板の他方の面に設けられる複数の弾性体に伝達される。振動は弾性体により位相遅れ・減衰を伴いながらベッドの長手方向(X方向)、ベッドの幅方向(Y方向)、上下方向(Z方向)に不規則に使用者の身体に伝達される。よって、弾性体を介した体感振動は、慣れや飽きることが少なく、長期にわたって使用できる。また、位相遅れ・減衰を伴う振動は、使用者が負担を感じることが少なく癒し効果を奏する。また、振動の発生にカムやアームなどの機械的な構造が必要でなく、エラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体から構成されるため、振動発生装置の小型化が可能で、騒音発生の問題を解決できる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられるため、特定の部位(例えば頭部)に振動を伝達したくない場合や、腰部の振動を大きくして、脚部の振動を小さくする等の部位ごとに振動を変えることができ、長期にわたって睡眠促進効果が得られる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、弾性体に円柱形状のエラスティックポリマーを用いることで、X方向、Y方向、Z方向の振動のピークを50Hz近傍にすることができる。X方向、Y方向、Z方向の振動を50Hz近傍の低周波振動にすることで睡眠効果が促進される。
【0016】
また、請求項4に記載の発明では、弾性体は平面方向の縦横比が異なる柱形状であるため、振動体の振動の対称性をずらすことができる。また振動子の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることができる。また振動子の周波数を振動発生装置の共振周波数とすることで、特定の方向の振動をより大きくできる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、振動板に弾性体の縦横方向が同じになるように配列することで、例えばベッドのベッドの幅方向(Y方向)の揺れを大きくしたい場合に、弾性体の長さが短い側bをY方向に揃えることで、揺れを大きくすることが可能である。
【0018】
また、請求項6に記載の発明では、弾性体の平面形状を、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つにすることで、平面方向の振動の対称性をずらすことができる。また振動子の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることが可能である。
【0019】
また、請求項7に記載の発明では、弾性体の縦横比を5:4にすることで、ベッドに人体が乗った際の弾性体の強度(変形)と特定の方向の振動のバランスをとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する
図1は、本発明のベッド1で、ヘッドボード2と、マットレス3を備える。マットレス3内には、頭部4を除く背中部5、腰部6、脚部7に振動発生装置10を夫々設けてある。
【0021】
図2は、振動発生装置10を説明するための斜視図である。振動発生装置10は、振動板11と、振動板11の床面側で振動板11を上下方向(Z方向)に加振する振動子12と、振動板11のマットレス3側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の円柱形状の弾性体13とから構成される。
【0022】
図3は、脚部7の振動発生装置10に脚8(身体)を乗せた状態を示す説明図である。振動発生装置10はマットレス3内に設けられるため、通常の使用状態では使用者からは見えない。
【0023】
図4、振動発生装置10に脚8(身体)を乗せた場合のエラスティックポリマーの状態を示す説明図である。使用者が脚部7に脚8を乗せると、マットレス3を介して夫々の弾性体13は不規則に変形する。この状態で振動子12が上下方向に加振すると、上下方向の振動は弾性体13により位相遅れ・減衰を伴いながらX方向、Y方向、Z方向の不規則な振動に変化する。
【0024】
図5は、本発明のベッド1のX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。円柱形状の弾性体13を用いた場合、X方向、Y方向、Z方向の加速度(振動)のピークを50Hz近傍にすることができる。
【0025】
図6は、従来のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。従来のベッドでは、X方向、Y方向、Z方向の加速度(振動)のピークがそれぞれ異なる周波数帯にある。
【0026】
本発明のベッド1では、振動子12により上下方向に加振すると、振動は振動板11を介して振動板11の他方の面に設けられる複数の円柱形状の弾性体13に伝達される。振動は弾性体13により位相遅れ・減衰を伴いながらX方向、Y方向、Z方向に不規則に使用者の身体に伝達される。よって、弾性体13を介した体感振動は、慣れや飽きることが少なく、長期にわたって使用できる。また、位相遅れ・減衰を伴う振動は、使用者が負担を感じることが少なく癒し効果を奏する。
【0027】
また、振動発生装置10は、背中部5、腰部6、脚部7に設けられるため、頭部4に振動を伝達したくない場合や、腰部6の振動を大きくして、脚部7の振動を小さくする等の部位ごとに振動を変えることで長期にわたって睡眠促進効果が得られる。
【0028】
また、弾性体に円柱形状の弾性体13を用いることで、X方向、Y方向、Z方向の振動のピークを50Hz近傍にすることができる。X方向、Y方向、Z方向の振動を50Hz近傍の低周波振動にすることで睡眠効果が促進される。
【0029】
図7は、本発明の他の実施形態で、平面方向の縦横が異なる小判形の柱形状の弾性体14の斜視図を示す。弾性体14の縦a、横bの長さの比がa:b=5:4で、弾性体13と同様にエラスティックポリマー材料から成る。
【0030】
図8は、弾性体14の縦横方向が同じになるように振動板11に配列した振動発生装置10aの斜視図で、その他の構成は図2の振動発生装置10と同じであり、同一の部位、機能については同一の符号を用いて説明する。弾性体14は、振動板11に長さの短い側bをベッドの幅方向(Y方向)に揃えて配列される。振動子12は上下方向に振動する。
【0031】
図9は、(a)円柱の弾性体13、(b)小判形の柱形状の弾性体14、の振動発生装置10、10aでの振動加速度測定結果である。(a)の弾性体13では、振動子12は上下方向に振動すると、X、Y方向の加速度はほぼ等しくなる。これに対して(b)の弾性体14では、X、Y方向の加速度が異なる。ベッドの幅方向(Y方向)の加速度(振動)が大きくなる。
【0032】
図10は、平面が楕円の柱形状の弾性体15の斜視図を示す。弾性体15の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体14と同様にエラスティックポリマー材料から成り、弾性体14と同様の効果を奏する。
【0033】
図11は、平面が長方形の柱形状の弾性体16の斜視図を示す。弾性体16の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体14と同様にエラスティックポリマー材料から成り、弾性体14と同様の効果を奏する。
【0034】
本発明の他の実施形態では、弾性体14〜16は平面方向の縦横比が異なる柱形状であるため、振動体14〜16の振動の対称性をずらすことができる。また振動子12の周波数を変えることで特定の方向の振動を大きくすることが可能である(図9(b))。また振動子12の周波数を振動発生装置の共振周波数とすることで、特定の方向の振動をより大きくできる。
【0035】
また、弾性体14〜16の縦横比を5:4にすることで、ベッド1に人体が乗った際の弾性体14〜16の強度(変形)と特定の方向の振動とバランスをとることができる。
【0036】
図12は、図11の弾性体16の変形例で、四角錐形状の弾性体17である。弾性体17は垂直方向に対して5度傾斜しており、下方に向い水平断面が小さくなる。弾性体17の縦a、横bの長さの比はa:b=5:4で、弾性体16と同様にエラスティックポリマー材料から成る。弾性体17は下方に向い水平断面が小さくなるため弾性体16と比較して長さの短い方向bの振動を大きくできる効果を奏する。
【0037】
図13は、図2の弾性体13の変形例で、円柱で上下方向(Z方向)に段差を備えた弾性体18である。(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は正面図である。弾性体18は弾性体13と同様にエラスティックポリマー材料から成る。円柱の高さ方向中央より下方に段部19を備え、段部19はベッドのベッドの幅方向(Y方向)に2カ所設けられる。段部19を備えることで弾性体18の下方の断面形状はベッドの略長方形となり、長さの短い方向bの加速度(振動)を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のベッドの上面からの説明図である。
【図2】振動発生装置を説明するための斜視図である。
【図3】振動発生装置に脚(身体)を乗せた状態を示す説明図である。
【図4】振動発生装置に脚(身体)を乗せた場合のエラスティックポリマーの状態を示す説明図である。
【図5】本発明のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。
【図6】従来のベッドのX方向、Y方向、Z方向の加速度−周波数測定結果である。
【図7】本発明の他の実施形態で、平面方向の縦横が異なる小判形の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態の振動発生装置の斜視図である。
【図9】振動発生装置の振動加速度測定結果である。
【図10】平面が楕円の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図11】平面が長方形の柱形状の弾性体の斜視図を示す。
【図12】四角錐形状の弾性体である。
【図13】円柱で上下方向(Z方向)に段差を備えた弾性体である。
【符号の説明】
【0039】
1 ベッド
3 マットレス
10、10a 振動発生装置
11 振動板
12 振動子
13 弾性体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動発生装置を備えたベッドであって、
前記振動発生装置は、
振動板と、
前記振動板の床側の面に設けられる振動子と、
前記振動板の人体が乗る側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体と、
を備えることを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられることを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記弾性体は、円柱形状である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項4】
前記弾性体は、平面方向の縦横比が異なる柱形状である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項5】
前記弾性体は、該弾性体の縦横方向が同じになるように前記振動板に配列される、ことを特徴とする請求項4に記載のベッド。
【請求項6】
前記弾性体の平面形状は、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つである、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のベッド。
【請求項7】
前記弾性体の縦横比は5:4である、ことを特徴とする請求項4乃至6の少なくともいずれか一項に記載のベッド。
【請求項1】
振動発生装置を備えたベッドであって、
前記振動発生装置は、
振動板と、
前記振動板の床側の面に設けられる振動子と、
前記振動板の人体が乗る側の面に設けられるエラスティックポリマー材料から成る複数の弾性体と、
を備えることを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記振動発生装置は、脚部、腰部、背中部の少なくとも2箇所以上に設けられることを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記弾性体は、円柱形状である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項4】
前記弾性体は、平面方向の縦横比が異なる柱形状である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド。
【請求項5】
前記弾性体は、該弾性体の縦横方向が同じになるように前記振動板に配列される、ことを特徴とする請求項4に記載のベッド。
【請求項6】
前記弾性体の平面形状は、楕円、小判形、長方形の少なくともいずれか1つである、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のベッド。
【請求項7】
前記弾性体の縦横比は5:4である、ことを特徴とする請求項4乃至6の少なくともいずれか一項に記載のベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−254782(P2009−254782A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253554(P2008−253554)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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