説明

振動発生装置

【課題】
モータの回転を制御するスイッチとユーザーが実際に操作を行う操作釦が離れた位置にあっても、簡素な構造によって前記モータの近くに前記スイッチを配置したまま操作を可能とする振動発生装置を提供する。
【解決手段】
ホルダ4は、ケーストップ2によって囲繞されるケーストップ領域4eとケースボトム3によって囲繞されるケースボトム領域4fを有する。前記ケーストップ領域4eにモータ5やスイッチ6aを配設する基板6等の電子部品を取付ける。前記ケースボトム3には押圧片8cが形成された操作釦8を弾性部材9を介して取付ける。前記操作釦8の押圧操作によって前記押圧片8cが前記スイッチ6aを押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータを駆動源として振動を発生させる振動発生装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、モータを駆動源として振動を発生させる振動発生装置として、次の公報が公知の技術として開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−189937号公報
【特許文献2】特開平9−173151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報は何れもホルダに振動を発生させるための電子部品を取付ける構造としている。すなわち、振動を発生させるモータと、前記モータの回転を制御するスイッチを前記ホルダに集約して取付ける構造としている。この場合、前記スイッチと前記モータを近づけて配置することにより、接続する部材、例えば線材を最小限の長さにすることができる。そして、前記スイッチが、実際にユーザーが押圧等の操作を行う操作釦の操作を検知することで前記モータの回転および停止を可能としている。そのため、前記操作釦は、振動発生装置の筐体となるケースにおいて前記スイッチの近傍に設けられることが多い。
【0005】
ところで、振動発生装置によっては、前記モータと前記スイッチを離れた位置に取付けることが考えられる。例えば、ケースの端部に操作釦を設けた場合である。この場合、ケースの端部に設けられた操作釦の近傍にスイッチを配置することで、モータから離れた位置に前記スイッチが取付けられる。すると、前記モータと前記スイッチを接続する線材を長くする必要があるためにコストアップに繋がるばかりか、ケースの内部に収納するホルダに前記線材を保持する保持部を設けることで前記ホルダの構造が複雑となる。また、前記ホルダに対する線材の結線処理が必要になることで、振動発生装置の組み立て作業にも影響を与えることが懸念される。
【0006】
さらに、前記モータに電力を供給する手段として電池を使用する場合、前記電池をホルダに取付ける構成とし、前記電池の交換が行えるようケースの一部を着脱可能とするのが一般的である。そして、ケースの端部に操作釦を設け、前記操作釦の近傍にスイッチを配置するならば、電池を交換するときに前記スイッチおよび前記スイッチと前記モータを接続する線材が露出する。そのため、ユーザーが前記スイッチや前記線材に誤って触れてしまい、振動発生装置の故障や破壊の要因となる危険性が高くなる。
【0007】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、モータの回転を制御するスイッチとユーザーが実際に操作を行う操作釦が離れた位置にあっても、簡素な構造によって前記モータの近くに前記スイッチを配置したまま前記操作釦の操作を検知可能とする振動発生装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的としては、モータに電力を供給する手段として電池を使用する場合において、前記電池の交換時にモータやスイッチ等の電子部品が露出しない振動発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る振動発生装置は、ケーストップおよびケースボトムと、前記ケーストップおよび前記ケースボトムの収納空間に収納されるホルダと、前記ホルダに少なくともモータとスイッチを取付け構成する振動発生装置であって、前記ホルダは前記ケーストップによって囲繞されるケーストップ領域と前記ケースボトムによって囲繞されるケースボトム領域を有し、前記ケーストップ領域に少なくともモータとスイッチを取付け、前記ケースボトムには操作釦を設け、前記操作釦の操作を前記スイッチによって検知する構造を特徴としている。
【0010】
請求項2に係る振動発生装置は、請求項1に記載の振動発生装置であって、前記操作釦と一体に押圧片を形成し、前記操作釦の押圧操作と連動する前記押圧片の移動を前記スイッチによって検知する構造を特徴としている。
【0011】
請求項3に係る振動発生装置は、請求項2に記載の振動発生装置であって、前記ケースボトムの内面側には、前記操作釦の押圧操作と連動する押圧片の移動方向を規制するガイドリブを形成したことを特徴としている。
【0012】
請求項4に係る振動発生装置は、請求項2又は請求項3の何れか1項に記載の振動発生装置であって、前記ケースボトムの収納空間の開口よりリブを延出して設け、前記リブには周縁方向に係止孔と、前記リブの内面側であって前記係止孔と連設するガイド溝を形成し、前記ホルダには、前記ケースボトムを回転することで前記ガイド溝を伝って前記係止孔に係止する突起部を形成したことを特徴としている。
【0013】
請求項5に係る振動発生装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の振動発生装置であって、前記操作釦は、前記操作釦への押圧力に抗して付勢力を発生し、且つ、ケースボトムの収納空間への浸水を防止するための弾性部材を介して前記ケースボトムに対し保持されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
以上のような本発明の構造によれば、モータやスイッチをケーストップによって囲繞されるホルダのケーストップ領域に取付け、ケースボトムに取り付ける操作釦に形成された押圧片によって前記スイッチを押圧する構造としている。その結果、モータの近傍にスイッチを配置することができるため、前記モータと前記スイッチを接続するために必要となる部材を最小限とし、振動発生装置を簡素な構造で実現でき、その組み立て作業も容易となる。なお、本発明におけるモータとスイッチを接続するための部材として、例えば線材を使用する場合、前記モータの近傍に前記スイッチを配置できることで前記線材を必要以上に長くする必要がなくなる。
【0015】
また、モータやスイッチをホルダのケーストップ領域に取付け、前記ホルダのケースボトム領域に電池を取付ける構成とすることで、電池を交換する際にケーストップの収納空間に囲繞されたモータやスイッチが外部に露出しないため、ユーザーが電子部品に触れることによる振動発生装置の故障や破壊の要因を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例における振動発生装置の分解斜視図。
【図2】本発明の実施例におけるケーストップ、ケースボトム、およびホルダを示す平面側部分断面図。
【図3】本発明の実施例におけるケーストップ単体の部分断面斜視図。
【図4】本発明の実施例におけるケーストップとホルダを示す図であって、ホルダの係止片がケーストップの係止溝に係止する前の状態を示す平面側断面図。
【図5】本発明の実施例におけるケーストップとホルダを示す図であって、ホルダの係止片がケーストップの係止溝に係止した後の状態を示す平面側断面図。
【図6】本発明の実施例におけるケースボトム単体を示す斜視図。
【図7】本発明の実施例におけるケースボトムとホルダを示す図であって、ホルダの係合突起がケースボトムの係合孔に係合する前の状態を示す平面側断面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】本発明の実施例におけるケースボトムとホルダを示す図であって、ホルダの係合突起がケースボトムの係止孔に係合した後の状態を示す平面側断面図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】本発明の実施例におけるホルダ単体を示す図であって、図11(a)はホルダ単体の平面図、図11(b)は同側面図。
【図12】本発明の実施例におけるホルダと操作釦を示す側面図。
【図13】本発明の実施例におけるケースボトムを示しており、開口を正面側として視た図。
【図14】本発明の実施例におけるホルダの電池取付部近傍を示す図であり、図14(a)は電池取付部の底面側平面図、図14(b)は電池取付部の端面側を示す図。
【図15】本発明の実施例における歯ブラシ体とケーストップを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図15を用いて以下に説明する。なお、本発明はその主旨に反しない範囲で、実施例において説明した構成以外のものに対しても容易に適用可能である。
【0018】
図1は本発明の実施例における振動発生装置の分解斜視図である。また、図2は本発明の実施例におけるケーストップ、ケースボトム、およびホルダを示す平面側部分断面図である。図1および図2で示すように、ケーストップ2の内側には第1収納空間2aが形成されている。また、ケースボトム3の内側には第2収納空間3aが形成されている。そして、前記第1収納空間2aと前記第2収納空間3aの中にホルダ4が納まる構造としている。
【0019】
図3は本発明の実施例におけるケーストップ単体の部分断面斜視図である。また、図4は本発明の実施例におけるケーストップとホルダを示す図であって、ホルダの係止片がケーストップの係止溝に係止する前の状態を示す平面側断面図である。また、図5は本発明の実施例におけるケーストップとホルダを示す図であって、ホルダの係止片がケーストップの係止溝に係止した後の状態を示す平面側断面図である。本発明の実施構造について、図3〜図5を用いてさらに詳述する。ケーストップ2の第1収納空間2aの内面には、ガイドレール2b,2bと係止溝2c,2cが形成されている。また、ホルダ4には、前記ガイドレール2b,2bに沿って移動する突起片4a,4aが形成されている。加えて、前記ホルダ4には、前記前記ケーストップ2の係止溝2c,2cに係止する可撓部4b,4bを有する係止片4c,4cが形成されている。そして、ホルダ4をケーストップ2の第1収納空間2aに挿入するならば、突起片4a,4aはガイドレール2b,2bに沿って移動し、前記ホルダ4の収納が完了する位置において係止片4c,4cは可撓片4b,4bの弾性力によって係止溝2c,2cに係止する。なお、ホルダ4に係止したケーストップ2は、可撓片4b,4bの弾性力によって係止溝2c,2cに係止する係止片4c,4cによって容易に外れることはない。
【0020】
図6は本発明の実施例におけるケースボトム単体を示す斜視図である。また、図7は本発明の実施例におけるケースボトムとホルダを示す図であって、ホルダの係合突起がケースボトムの係合孔に係合する前の状態を示す平面側断面図である。また、図8は図7のA−A断面図である。また、図9は本発明の実施例におけるケースボトムとホルダを示す図であって、ホルダの係合突起がケースボトムの係止孔に係合した後の状態を示す平面側断面図である。また、図10は図9のB−B断面図である。図6〜図10で示すように、ケースボトム3の第2収納空間3aの開口には、リブ3bが延出形成されている。そして、前記リブ3bの周縁方向には係合孔3c,3cとガイド溝3d,3dが形成されている。なお、本発明の実施例におけるガイド溝3d,3dは、前記リブ3bを肉薄として形成し、前記係合孔3c,3cと連設している。
【0021】
一方で、ホルダ4には、前記係合孔3d,3dに係合する係合突起4d,4dが形成されている。そして、前記ホルダ4をケースボトム3の第2収納空間3aに挿入して、前記ホルダ4の挿入が完了する位置において前記ケースボトム3を図8で示す矢印aの方向へ回転するならば、前記係合突起4d,4dはガイド溝3d,3dに沿って移動し、係合孔3c,3cに係合する。なお、図10で示すように、ホルダ4に係合したケースボトム3は、矢印bの方向に回転することで前記係合孔3c,3cと前記係合突起4d,4dの係合状態を容易に解除できる。
【0022】
図11は本発明の実施例におけるホルダ単体を示す図であって、図11(a)はホルダ単体の平面図、図11(b)は同側面図である。同図で示すように、ホルダ4はケーストップ2によって囲繞されるケーストップ領域4eと、ケースボトム3によって囲繞されるケースボトム領域4fを有する。
【0023】
そして、ケーストップ領域4eには、少なくとも、モータ取付部4gと、基板取付部4hが形成されている。なお、前記モータ取付部4gには、回転軸に偏心部材を取着したモータ5が取付けられる。また、前記基板取付部4hには、前記モータ5の回転を制御するスイッチ6aを配設した基板6が取付けられる。すなわち、本発明の実施構造は、少なくとも、前記ホルダ4のケーストップ領域4eに振動を発生させるために必要な電子部品を集約している。そして、前記ケーストップ2の第1収納空間2aに前記ホルダ4のケーストップ領域4eを挿入した後は、前記ホルダ4から前記ケーストップ2が容易に外れない構造としている。
【0024】
具体的には、前記ケーストップ2に形成される第1収納空間2aの奥側において、前記ホルダ4に形成された係止片4c,4cが、可撓部4b,4bの弾性力によって前記ケーストップ2の第1収納空間2aに形成された係止溝2c,2cに係止する構造となっている。なお、前述の「奥側」とは、ケーストップ2の第1収納空間2aにホルダ4を挿入する側から視たときの位置を示す。その結果、例えば、ユーザーが誤ってケーストップ2からホルダ4を外してケーストップ領域4eに取付けられた電子部品に接触するなどの危険行為を防止できる。
【0025】
また、本発明の実施例では、前記ホルダ4のケースボトム領域4fにおいて前記モータ5に電力を供給するための電池を取付ける電池取付部4iが形成されている。そして、前記ケースボトム領域4fを囲繞するよう取付けるケースボトム3は、前記ホルダ4に対して回転することによって係合/解除が容易に行える構造としている。
【0026】
具体的に詳述すると、先ず、ケーストップ2が取付けられたホルダ4のケースボトム領域4fが前記ケースボトム3の第2収納空間3aに納まるよう、前記ケースボトム3を前記ケーストップ2側へ移動させる。そして、前記ホルダ4の前記ケースボトム領域4fが前記ケースボトム3の第2収納空間3aに納まる位置において前記ケースボトム3を回転する。ホルダ4に取付けられたケーストップ2に対し前記ケースボトム3を回転するならば、前記ホルダ4に形成された係合突起4d,4dは前記ケースボトム3に形成されたガイド溝3d,3dに沿って移動し、前記係合突起4d,4dが係合孔3c,3cに係合して前記ホルダ4に対し前記ケースボトム3を取付けることができる。なお、前記ホルダ4に前記ケースボトム3が取付けられた状態から、前記ケースボトム3を前述とは逆の方向に回転するならば、前記係合孔3c,3cから前記係合突起4d,4dが外れて、前記ホルダ4から前記ケースボトム3を容易に取外すことができる。その結果、モータ5を回転させるための電池の交換作業が容易となる。
【0027】
なお、本発明の実施例では、電力の寿命に応じて交換が必要となる電池を使用した振動発生装置について説明している。しかし、本発明は前述の構造に限定するものではなく、例えば、充電することで電力を維持できるバッテリを内蔵した振動発生装置も含まれる。充電可能なバッテリを内蔵した振動発生装置であれば、本発明の実施例で示すようにケースボトム3を取外して電池を交換する必要がない。そのため、ホルダ4に取付ける電子部品も含めその配置構成を変更することができる。以上、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であることを言及する。
【0028】
つぎに、操作釦の操作をスイッチによって検知する構造について説明する。図12は本発明の実施例におけるホルダと操作釦を示す側面図である。同図で示すように、ホルダ4のケーストップ領域4eにはスイッチ6aが配設された基板6が取付けられている。そして、ケースボトム3の開口とは反対側の端部には、ユーザーが実際に操作を行う操作釦8が弾性部材9を介して取付けられている。本発明の実施例では、前記ケースボトム3の端部から露出する操作釦8が押圧操作されたことをスイッチ6aによって検知し、モータ5を回転させて振動を発生させる構造としている。なお、前記弾性部材9は、主にケースボトム3の第2収納空間3aに水や異物の浸入を防止する役割と、押圧操作された操作釦8をその弾性力を利用して前記操作釦が押圧される前の状態へ復帰させる役割を担う。また、本発明の実施例で示す振動発生装置は、前記弾性部材9を取着した操作釦8をケースボトム3に取付ける際、前記ケースボトム3の開口側からでも、或いは、前記ケースボトム3の端部側からでも取付けられる構造としている。
【0029】
なお、前記操作釦8には、前記弾性部材9を取付けるための段差部8bが形成されている。さらに、前記操作釦8には、前記弾性部材9の弾性力に抗して前記操作釦8を押圧操作したときにスイッチ6aを直接押圧する押圧片8cが形成されている。そして、前記ケースボトム3の開口近傍であって、第2収納空間3aの内面には、前記操作釦8の押圧操作によって移動する押圧片8cをスイッチ6aに誘導するためのガイドリブ3e,3eが形成されている(図6参照)。
【0030】
前述の構造により、前記操作釦8の押圧操作によって前記ガイドリブ3e,3eに沿って移動する押圧片8cは、基板6に配設されたスイッチ6aを確実に押圧できる。そして、前記押圧片8cの移動を前記スイッチ6aによって検知し、モータ5の回転を制御する構造としている。なお、押圧された操作釦8は、負荷がなくなった時点で弾性部材9の復帰力により前記スイッチ6aから離間した押圧前の位置へ移動する。
【0031】
また、電池を交換する際、ケーストップ2に取付けられたホルダ4にユーザーが操作釦8を押圧した状態のケーストップ3を取付けることが考えられる。この場合、押圧片8cがスイッチ6aを破損させることが想定されるため、前記スイッチ6aの破損を防止する壁部(図示なし)を前記ホルダ4に形成するのが好ましい。前記壁部を形成することで、ケースボトム3を取付ける際に前記押圧片8aが前記スイッチ6aから離間した前記操作釦8の押圧前の位置に止めた状態で前記ホルダ4に取付けることが可能となる。なお、前記壁部の形状については特に限定せず、前記ホルダ4に対して前記ケースボトム3の着脱に支障がない形状を適宜選定すれば良い。
【0032】
以上、本発明の実施例では、ケースボトムの端部に操作釦8を設けた振動発生装置について説明している。しかし、本発明は前述の構造に限定するものではなく、例えば、前記ケースボトム3の周縁部分に前記操作釦8に代わるスイッチ6aを押圧するための部品を設けても良い。また、本発明の実施例では、押圧片8により押圧することを検知するスイッチ6aを用いた振動発生装置について説明している。しかし、本発明は前述の構造に限定するものではなく、例えば、非接触型のスイッチや、接触型のスイッチであっても他の切換方式によるスイッチを用いても良い。すなわち、本発明は、モータの回転を制御するスイッチから離れた位置にユーザーが実際に操作を行う操作釦を設けた振動発生装置に関するものである。そのため、本発明の実施例に限定することなく、電子部品も含めその配置構成を変更することができる。以上、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であることを言及する。
【0033】
ところで、本発明の実施例で示す構造によれば、ホルダ4のケーストップ領域4eに取付けられた基板6のスイッチ6aと、ケースボトム3の端部に取付けられた操作釦8の押圧片8cの位置関係が重要となる。すなわち、電池の交換を行うために取付け/解除が容易なケースボトム3に設けられる押圧片8cによって、ホルダ4のケーストップ領域4eに取付けられた基板6のスイッチ6aを確実に押圧できるようにするため、前記ホルダ4のケースボトム領域4fに対する前記ケースボトム3の取付ける際の位置関係を一定とする必要がある。
【0034】
つぎに、ホルダ4に対するケースボトム3の取付ける際の位置関係を一定とするための構造について説明する。図13は本発明の実施例におけるケースボトムを示しており、開口を正面側として視た図である。同図で示すように、ケースボトム3の開口近傍であって、第2収納空間3aの内面には、前述のガイドリブ3e,3eと平行に位置規制リブ3fが形成されている。
【0035】
図14は本発明の実施例におけるホルダの電池取付部近傍を示す図であり、図14(a)は電池取付部の底面側平面図、図14(b)は電池取付部の端面側を示す図である。同図で示すように、ホルダ4のケースボトム領域4fには、前記ケースボトム3に形成される位置規制リブ3fの当接を可能とする当接突起4jが形成されている。また、前記ケースボトム領域4fには、ホルダ4にケースボトム3を取付ける際にガイドリブ3e,3eおよび押圧片8cが当接しないよう退避面4kが形成されている。本発明の実施例において、その構造をより具体的に詳述するならば、前記当接突起4jおよび前記退避面4kは、電池取付部4iの底面側に形成されている。
【0036】
なお、前記当接突起4jは電池取付部4iの端部から一定の長さまで延出形成されており、前記電池取付部4iの全長に亘って形成されているものではない。本発明の実施例では、ホルダ4にケースボトム3を取付けるときに、前記ホルダ4の前記ケースボトム領域4fが前記ケースボトム3の第2収納空間3aに納まる位置において前記ケースボトム3を回転させる。そのため、前記ケースボトム3を回転する際には前記位置規制リブ3fが前記当接突起4jに当接しない長さに形成されている。なお、ホルダ4に形成される電池取付部4iの端部は、前記当接突起4jおよび前記退避面4kを設けたことによって円形状から一部欠けた形を成している。
【0037】
前述の構造により、異形状の電池取付部4iの端部よりケースボトム3を取付けるときに、前記ケースボトム3に形成された位置規制リブ3fとホルダ4に形成された当接突起4j、および、前記ケースボトム3に形成されたガイドリブ3eと前記ホルダ4に形成された退避面4kによってその位置が規制される。そして、ホルダ4に取付けられたケースボトムは、スイッチ6aを押圧片8cによって押圧可能な位置で確実に取付けることができる。
【0038】
より具体的に詳述するならば、ホルダ4のケースボトム領域4fをケースボトム3の第2収納空間3aに挿入するときには、前記ケースボトム3に形成された位置規制リブ3fとホルダ4に形成された当接突起4jによって前記ケースボトム3の一方向の回転が規制される。また、前記ケースボトム3に形成されたガイドリブ3eと前記ホルダ4に形成された退避面4kによって前記ケースボトムの他方向の回転が規制される。そして、前記ホルダ4の前記ケースボトム領域4fが前記ケースボトム3の第2収納空間3aに納まる位置においては、前記位置規制リブ3fと前記当接突起4jが互いに当接しない長さで形成されているため、前記ケースボトム3を回転させて取付けることができる。
【0039】
以上、本発明の実施例では、ホルダ4に対するケースボトム3の取付ける際の位置関係を一定とする手段として、位置規制リブ3fと当接突起4j、およびガイドリブ3eと退避面4kによる回転方向の規制を設けた振動発生装置について説明している。しかし、本発明は前述の構造に限定するものではなく、例えば、位置規制リブ3fを複数形成したり、当接突起4jの代わりにガイドリブ3eが摺動可能な溝を設ける構造としても良い。すなわち、本発明は、モータの回転を制御するスイッチから離れた位置にユーザーが実際に操作を行う操作釦を設けた振動発生装置に関するものである。そのため、前記スイッチと前記操作釦の位置関係を一定にする手段として本発明の実施例に限定することなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であることを言及する。
【0040】
つぎに、本発明の実施例で示す振動発生装置の利用方法について説明する。図15は歯ブラシ体とケーストップを示す斜視図である。同図で示すように、ケーストップ2の端部には着脱部2dが設けられている。そして、前記着脱部2dに対して歯ブラシ体11を着脱可能とした構造としている。ところで、本発明の実施例では、前記歯ブラシ体11の柄が透明な樹脂によって形成されている。そして、ケーストップ2の第1収納空間2aに収納された基板6にはLED(発光ダイオード)6bが配設されている。すなわち、本発明の実施例では、操作釦8の押圧操作によってモータ5の回転制御とLED6bの発光制御を行っている。
【0041】
ここで、LED6b近傍の構造について詳述する。基板6にはスイッチ6aとともにLED6bが配設されている。そして、ケーストップ2の着脱部2d側には、前記LED6bの光を歯ブラシ体11へ誘導するレンズ(図示なし)が取付けられている。
【0042】
なお、本発明の実施例では、操作釦8を押圧操作する回数によってモータ5の回転およびLED6bの発光を制御している。具体的に説明すれば、1回目の操作釦8の押圧操作をスイッチ6aによって検知するならば、LED6bが発光する。すなわち、振動発生装置1に取着した歯ブラシ体11は発光した状態となる。続けて、2回目の操作釦8の押圧操作をスイッチ6aによって検知するならば、LED6bが発光したままモータ5が回転する。すなわち、振動発生装置1に取着した歯ブラシ体11は発光したまま、振動を発生させる状態となる。さらに続けて、3回目の操作釦8の押圧操作をスイッチ6aによって検知するならば、LED6bの発光およびモータ5の回転が停止する。すなわち、振動発生装置1に取着した歯ブラシ体11の発光および振動が停止した状態となる。
【0043】
以上、本発明の実施例では、歯ブラシ体11を取着した振動発生装置1について説明した。しかし、本発明は前述の構造に限定するものではなく、例えば、歯ブラシの他に、耳や爪の掃除器具、或いは顔や肩等のマッサージ器具を取着する構造であっても良い。すなわち、本発明は、主にモータの回転を振動に変換する振動発生装置を利用したものであれば、本発明の主旨の範囲内で適用可能であることを言及する。また、本発明は、前述の振動発生装置に発光機能を付加した構造についても含む。
【符号の説明】
【0044】
1. 振動発生装置
2. ケーストップ
2a.第1収納空間
2b.ガイドレール
2c.係止溝
2d.着脱部
3. ケースボトム
3a.第2収納空間
3b.リブ
3c.ガイド溝
3d.係合孔
3e.ガイドリブ
3f.位置規制リブ
4. ホルダ
4a.突起片
4b.可撓部
4c.係止片
4d.係合突起
4e.ケーストップ領域
4f.ケースボトム領域
4g.モータ取付部
4h.基板取付部
4i.電池取付部
4j.当接突起
4k.退避面
5. モータ
6. 基板
6a.スイッチ
6b.LED
8. 操作釦
8b.段差部
8c.押圧片
9. 弾性部材
11. 歯ブラシ体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーストップおよびケースボトムと、前記ケーストップおよび前記ケースボトムの収納空間に収納されるホルダと、前記ホルダに少なくともモータとスイッチを取付け構成する振動発生装置であって、前記ホルダは前記ケーストップによって囲繞されるケーストップ領域と前記ケースボトムによって囲繞されるケースボトム領域を有し、前記ケーストップ領域に少なくともモータとスイッチを取付け、前記ケースボトムには操作釦を設け、前記操作釦の操作を前記スイッチによって検知する構造を特徴とする振動発生装置。
【請求項2】
前記操作釦と一体に押圧片を形成し、前記操作釦の押圧操作と連動する前記押圧片の移動を前記スイッチによって検知する構造を特徴とする請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記ケースボトムの内面側には、前記操作釦の押圧操作と連動する押圧片の移動方向を規制するガイドリブを形成したことを特徴とする請求項2に記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記ケースボトムの収納空間の開口よりリブを延出して設け、前記リブには周縁方向に係止孔と、前記リブの内面側であって前記係止孔と連設するガイド溝を形成し、前記ホルダには、前記ケースボトムを回転することで前記ガイド溝を伝って前記係止孔に係止する突起部を形成したことを特徴とする請求項2又は請求項3の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項5】
前記操作釦は、前記操作釦への押圧力に抗して付勢力を発生し、且つ、ケースボトムの収納空間への浸水を防止するための弾性部材を介して前記ケースボトムに対し保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の振動発生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−13284(P2013−13284A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145546(P2011−145546)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【特許番号】特許第5048151号(P5048151)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】