振動防止支持装置
【課題】スパイクを構成するホーン部分の形状を双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状にすることにより、振動の抑制・除去効果をさらに改善する。
【解決手段】 振動防止支持装置は筒状のスパイク受け30と、そのスパイク受け30に挿入され円柱部分41および双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するホーン部分42とを備えるスパイク40とよりなり、スパイク40の円柱部分41の上面に被載置機器を載置するようにする。
【解決手段】 振動防止支持装置は筒状のスパイク受け30と、そのスパイク受け30に挿入され円柱部分41および双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するホーン部分42とを備えるスパイク40とよりなり、スパイク40の円柱部分41の上面に被載置機器を載置するようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動防止支持装置に関し、特に、オーディオ機器や顕微鏡などの精密機器を支持する振動防止支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器は電源トランスなどの振動源を内部に持っていたり、スピーカなどのように振動源を含んでいるため、機器内部に振動エネルギーが発生し、これらの振動が再生音に大きく影響して音質の劣化や音像定位に影響を与えている。こうした対策のひとつに、特許第3848987号公報に記載されるように、円錐型構造のスパイクがある。
【0003】
図12は、従来の円錐型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置の構造を示す断面図である。円錐型構造のスパイクは筒状のスパイク受け1と、スパイク受け1に挿入される第1のスパイク10と、第1のスパイク10に重ねられる第2のスパイク20と、スパイク受け1に入れられた液体3とよりなる。
【0004】
第1のスパイク10は上側の円柱部分11と下側の円錐部分12とで構成され、第2のスパイク20は上側の円柱部分21と下側の円錐部分22とで構成され、円錐部分22は第1のスパイク10の円柱部分11の上面で支持されている。そして、第2のスパイク20の円柱部分21の上面に振動を防止するスピーカなどの音響機器が載置される。
【0005】
このように、円錐型構造のスパイクを多段構造にした振動防止支持装置がすでに実用化され、効果を発揮している。
【0006】
また、顕微鏡や電子天秤などの精密測定機器は外部からの振動を遮断するために、前述した円錐形構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置がすでに実用化され、効果を発揮している。
【特許文献1】特許第3848987号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまでにある多くの振動防止支持装置は、主に、機器とベースの間に異種の素材を挟むことで振動特性を変化させ、音の変化を生じさせている。
【0008】
しかし、積極的に機器の振動を除去するという観点からではなく、振動特性の変更による技術であり、一長一短を持っていた。
【0009】
そこで、前述したように、振動除去の観点から円錐型構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置が提案され、防振動効果を発揮している。
【0010】
しかし、円錐型構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置では、円錐形状内の波動伝播特性と端部での反射の影響により伝播特性に暴れが生じ、結果として白色雑音的ノイズは完全には除去されず、振動伝達特性が十分には改善されない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はこのスパイクの円錐形状ホーン部の形状を双曲線または指数関数曲線を持つようにすることにより、振動の抑制・除去効果をさらに改善するものであり、
筒状のスパイク受けと、該スパイク受けに挿入されるスパイクとよりなり、前記スパイクは上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成され、前記スパイクの円柱部分の上面に被載置機器を載置すること振動防止支持装置を提供する。
【0012】
また、本発明は前記ホーン部分が開口係数をmとした場合に、先端部SOの断面積Soに対して距離h進んだホーンの開口部SHでの断面積がSh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積がSx=So×exp{mx}で与えられる稜線の形状が指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーンである振動防止支持装置を提供する。
【0013】
更に、本発明は前記開口係数mを変えることにより、ホーン部分の断面積の変化を変える振動防止支持装置を提供する。
【0014】
更に、本発明は前記ホーンの先端部から開口部までの長さhにより開口部の開口角度を変えることにより端部での反射特性の改善が出来る振動防止支持装置を提供する。
【0015】
更に、本発明のスパイクは被載置機器が振動源を持つ場合には真鍮などの金属を用いた振動防止支持装置を提供する。
【0016】
本発明のスパイクは被載置機器が振動源を有しない場合にはナイロン6など樹脂系の材料を用いた振動防止支持装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明はスパイクのホーン部分を双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するイクスポーネンシャル型のホーンとしたので、スパイク内部の波動伝播特性の変動が抑制され、振動伝達特性が改善される。
【0018】
しかも、開口係数mを変えることにより、稜線の形状が変化し、スパイク内部の波動伝播・遮断特性を変えることができる。更に、先端部から開口部までの長さhにより開口部の広がり角度を変えることにより、開口端部での反射量を変えることができ、用途やスペースによって仕様を変更できる。
【0019】
従って、本発明の振動防止支持装置をスピーカあるいはパワーアンプなどの音響機器の振動防止支持に用いた場合、スピーカから再生される左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりして、楽器の音像位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識できるとともに、録音環境における残響や細かな余韻、演奏者の息遣いなどこれまで再現できなかった詳細な音響情報まで認識できる。
【0020】
本発明の振動防止支持装置をDVDなど映像機器への応用した場合に、アンプやCDプレーヤと同様に多段にして支持することにより、映像のボケが軽減・解消された。
【0021】
本発明の振動防止支持装置を顕微鏡に適用することにより、解像度の向上が見込まれる。さらに、精密測定機器の支持機構に用いることで精度の向上が見込まれる。
【0022】
本発明の振動防止支持装置は、振動除去を手段として、電気信号レベルで雑音を押さえる働きに寄与していることによるもので、電気信号といえども、振動対策を十分に行えば、回路構成や素子の高精度化のみでは対処できない種種の要因による雑音抑制の問題解決が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明に依る振動防止支持装置を説明する断面図であり、図2(A)は本発明の
振動防止支持装置に用いたスパイク受けの平面図であり、図2(B)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイク受けの断面図であり、図3(A)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイクの平面図であり、図3(B)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイクの断面図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の振動防止支持装置はスパイク受け30とスパイク40とよりなる。
【0025】
図2(A)(B)に示すように、スパイク受け30は底部32を有する円筒状の筒で構成され、内径はちょうどスパイク40が挿入される大きさになっている。スパイク受け30の底部32の中央に円錐台形の窪み33が設けられている。
【0026】
図3(A)(B)に示すように、スパイク40は円柱部分41と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するホーン部分42とよりなり、円柱部分41の中心に多段にして使用するときに便利なように円錐台形の窪み44を設けている。スパイク40の円柱部分41はOリング45でスパイク受け30の内径に接している。ホーン部分42の先端部はスパイク受け30の底部32にある窪み33に嵌合し安定にしている。
【0027】
図2(A)および図2(B)に示すように、スパイク受け30は外径=40mm、高さ=38mm、底部32の厚さ=6mm、底部32の中央部にある窪み33は深さ=1mm、内径=27mm、内部深さ=32mmとし、内部を水で満たした。
【0028】
スパイク40の上部円柱部分41の厚さもできる限り大きめにとり、開口部SHが自然に広い空間につながって、反射を起こしにくくすることが必要である。基本的な考え方は、ホルンなど金管楽器の管内の空気による波動の伝播を、真鍮や樹脂による振動伝播に置き換えて、管楽器で音を出すときと同様に必要な十分広い空間と同じ状況を、上部円柱部分で確保する。さらに、開口端部での反射を十分抑制するため開口部の稜線の中心線に対する傾きは45度以上を確保することが望ましく、できる限り大きくとることが望ましい。
【0029】
図3(A)および図3(B)に示すように、スパイク30は円柱部分41の直径=25mm、円柱部分41の高さ=9.8mm、先端部SOの断面積So=1.54平方ミリメートル、開口部SHの面積Sh=1480平方ミリメートル、ホーン部分42の高さ=25.2mmの大きさとしている。
【0030】
スパイク40のホーン部分42は稜線の形状が回転局面形状の中でも、指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーン部分42を有するスパイク40を提案する。ホーン部分42の先端部SO(のど)の断面積Soに対し、距離h進んだホーンの開口部SH(口、開口)での断面積Sh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積Sx=So×exp{mx}で与えられる。
【0031】
ホーン部分42の稜線の形状(ホーンの広がり方)は開口係数m値により変わる。開口係数mはホーン部分42の断面積の変化の程度を表す定数で、開口係数mが大きいと早く広がり、小さいとゆっくりと広がるホーンとなる。特に、指数型のホーンでは遮断周波数を決める重要なパラメータである。従って、ホーン部分42内の波動伝播・遮断特性もm値により変わる。従来の円錐形構造のホーンの場合、伝達特性は変化するものの、特定の遮断周波数はなくすべての周波数にわたって波動を伝播する。一方、本発明の回転曲面形状のホーン12では、m値と材質により遮断周波数fcが存在し、fc以下の周波数の波動は伝達されず、遮断される。
【0032】
図3(A)および図3(B)ではホーン部分42の口部での開き角は図1の例では40°であるが、長さhの増加を許せば、50°以上に十分な開き角を持たせる方が、口部と外界とのインピーダンスマッチングが十分にでき、反射を抑制することができて特性を向上できる。
【0033】
図4はインピーダンス特性図である。ホーン部分42の先端部分SOから開口部分SHの方向を見たときのインピーダンスZoに対し、ホーン部分42の開口部分SHから反射断面SO方向を見たときのインピーダンスZhが約1/1000ほど小さく、振動の伝達率が高くなる特性を持っている。
【0034】
尚、Re[Zo]はZoの実数部、Im[Zo]はZoの虚数部、Re[Zh]はZhの実数部、Im[Zh]はZhの虚数部である。
【0035】
ホーン部分42の開口部分SHから先端部分SO方向を見たときのインピーダンスZhが約1/1000ほどであるから、外部からの振動は開口部分SHから先端部分SOには伝達されるが、先端部分SOから開口部分SHに伝達され難いことが分かる。
【0036】
このことを示したのが図5で、本発明の双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42の先端部SOから開口部SHへ向かう場合と開口部SHから先端部SOへ向かう場合の波動エネルギーの比較(Re[Z]/|Z|2、m=200)である。波動エネルギーの伝達力は、先端部SOの断面Soおよび開口部SHの断面から見たインピーダンスの実数部と絶対値の二乗の比となる。
【0037】
スパイク40として材料には、振動源を持つ機器には真鍮など金属がよく、電源など振動源を持たない電子回路(例えば、ラインアンプなど)の場合、ナイロン6など樹脂系の材料が効果的である。
【0038】
【表1】
表1に示す値を用い、ナイロン6の物性値として、遮断周波数、反射断面および開口断面から見たインピーダンス、波動エネルギー伝達率などの算出を行った。
【0039】
図5において、ホーン部分42の先端部SOの断面から開口部SHの断面側へ向けての振動エネルギー伝達率は○印の曲線で示すように、□印の曲線で示す開口部SHから先端部SOの逆方向の振動エネルギー伝達率の1/1000の大きさで、開口部SHから先端部SOへ向かうエネルギー伝播が大きく、振動除去に大きく貢献する特性を持つ。
【0040】
また、図6には先端部SOから開口部SHの断面へ向かう場合[Pwe/Pwc[0]]と開口部SHの断面から先端部SOの断面へ向かう場合[Pwe/Pwc[h]]のエネルギー伝達率について、従来の円錐型構造のホーン(Pwc)と本発明に用いた双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42(Pwe)で比較した解析結果を示す。カットオフ周波数以上では、先端部SOの断面から開口部SHの断面に向けては波動エネルギーの伝達量は両者とも等しいが、開口部SHの断面から先端部SOの断面に向かう伝達は、◆の曲線で示すように従来の円錐型構造のホーン部分より■の曲線で示す本発明の指数関数型のホーン部分42の方が約3倍伝達率が大きいことが示される。
【0041】
図7は本発明の振動防止支持装置を用いた被載置機器を説明する側面から見た断面図であり、図8はその上面図である。
【0042】
図7は被載置機器としてスピーカ50を示している。スピーカ50はトゥイータ51とウーハ52を有し、メインアンプから入力信号によりコーン紙などの振動板を駆動して音を再生する。スピーカの下には本発明の振動防止支持装置100が置かれており、スピーカからの振動の絶縁を行う。
【0043】
図8に本発明の振動防止支持装置100の配置位置を示す。図8は3点支持の場合を示しており、スピーカ50からの前面に1個、裏面に2個配置される。
【0044】
図9に従来の円錐型のスパイクを用いた振動防止支持装置と本発明の双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42を用いた振動防止支持装置間で音質の比較をした結果を示す。◆の線で示すパワーアンプ、■の線で示すスピーカ、○の線で示すCDプレーヤには、図3に示すと同一形状で真鍮により作製したホーン部分41のスパイク40を適用した。
【0045】
また、試聴結果は従来との比較を示している。×の線で示すラインアンプについてはポリエチレンによる従来の円錐型のホーン部分(頂角40度)とナイロン6を用いた本発明のスパイクを用いた振動防止支持装置との比較を示している。グラフは、4名のオーディオショップ店員による評価結果の平均を示しており、評価は5段階評価とした。また、値は本発明の振動防止支持装置の評価値から従来の振動防止支持装置の評価値を引いた値を示している。グラフで0は両者に差が無く、正の値は本発明の振動防止支持装置の音質がよく、負の値は本発明の振動防止支持装置が劣ることを示している。CDプレーヤで若干従来の振動防止支持装置のほうが優位な面はあるが、他の機器では、本発明の振動防止支持装置の方がかなりのレベルで上回っている。
【0046】
次に、図10において音像定位について比較した結果の一例を示す。本発明の振動防止支持装置(図10(A)(D))、従来の振動防止支持装置(図10(B)(E)、未使用(図10(C)(F))の3ケースについて、スピーカの下に適用した結果を示す。図10(A)、(B)、(C)は被験者SとスピーカP、Pとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。図10(D)、(E)、(F)は被験者SとスピーカP、Pとを正面から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
【0047】
尚、各楕円はスピーカP、Pから出る音像認識位置を示すもので、Vnはバイオリンの音像位置、Timはティンパニの音像位置、Casはカスタネットの音像位置、Trはトランペットの音像位置を示す。
【0048】
スピーカを直接床の上に設置した場合は、図10(C)や図10(F)に示される様に、音像は相対的に前に出てきて低い位置に認識される。これに対し、従来の円錐型のホーンを用いた振動防止支持装置なら、図10(B)および図10(E)に示すように左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりしてきている。これだけでも十分な効果と言えるのであろうが、本発明の振動防止支持装置を用いるなら、図10(A)および図10(D)に示されるように、楽器に位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識しうることが示される。
【0049】
図11に、同じく音像定位について比較した結果の一例を示す。本発明の振動防止支持装置(図11(A)(D))、従来の振動防止支持装置(図11(B)(E)、未使用(図11(C)(F))の3ケースについて、電力増幅器(パワーアンプ)の下に適用し、電力増幅器でアンプされた音をスピーカに加え、スピーカで再生した結果を示す。図11(A)、(B)、(C)は被験者SとスピーカA、Aとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。図11(D)、(E)、(F)は被験者SとスピーカP、Pとを正面から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
【0050】
パワーアンプを振動吸収ボード上にプラスチック製の足を介して設置した場合では、図11(C)および図11(F)に示すように、音像は相対的に前に出てきて低い位置に認識され、中央よりに集まる傾向にある。これに対し、従来の振動防止支持装置を用いるなら図11(B)および図11(E)に示すように、左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりしてきている。本発明の振動防止支持装置を用いるなら図11(A)および図11(D)に示すように、さらに上下方向および前後の距離感や広がりが明確になっていることが示される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の振動防止支持装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の振動防止支持装置の(A)スパイク受けの平面図、(B)スパイク受けの断面図である。
【図3】本発明の振動防止支持装置の(A)スパイクの平面図、(B)スパイクの断面図である。
【図4】本発明の振動防止支持装置のインピーダンス特性図である。
【図5】本発明の振動防止支持装置のインピーダンス特性の差を示す特性図である。
【図6】本発明の振動防止支持装置と従来の振動防止支持装置とのエネルギー伝達率を示す特性図である。
【図7】本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカを示す断面図である。
【図8】本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカの振動防止支持装置の配置を示す平面図である。
【図9】本発明の振動防止支持装置と従来の振動防止支持装置の音改善の比較を示す図である。
【図10】スピーカに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図で(A)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた平面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の平面図、(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた正面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の正面図である。
【図11】アンプに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図で(A)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた平面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の平面図、(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた正面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の正面図である。
【図12】従来の円錐スパイクを用いた振動防止支持装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
30 スパイク受け
32 底部
40 スパイク
41 円柱部分
42 ホーン部分
SO 先端部
SH 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は振動防止支持装置に関し、特に、オーディオ機器や顕微鏡などの精密機器を支持する振動防止支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器は電源トランスなどの振動源を内部に持っていたり、スピーカなどのように振動源を含んでいるため、機器内部に振動エネルギーが発生し、これらの振動が再生音に大きく影響して音質の劣化や音像定位に影響を与えている。こうした対策のひとつに、特許第3848987号公報に記載されるように、円錐型構造のスパイクがある。
【0003】
図12は、従来の円錐型構造のスパイクを用いた振動防止支持装置の構造を示す断面図である。円錐型構造のスパイクは筒状のスパイク受け1と、スパイク受け1に挿入される第1のスパイク10と、第1のスパイク10に重ねられる第2のスパイク20と、スパイク受け1に入れられた液体3とよりなる。
【0004】
第1のスパイク10は上側の円柱部分11と下側の円錐部分12とで構成され、第2のスパイク20は上側の円柱部分21と下側の円錐部分22とで構成され、円錐部分22は第1のスパイク10の円柱部分11の上面で支持されている。そして、第2のスパイク20の円柱部分21の上面に振動を防止するスピーカなどの音響機器が載置される。
【0005】
このように、円錐型構造のスパイクを多段構造にした振動防止支持装置がすでに実用化され、効果を発揮している。
【0006】
また、顕微鏡や電子天秤などの精密測定機器は外部からの振動を遮断するために、前述した円錐形構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置がすでに実用化され、効果を発揮している。
【特許文献1】特許第3848987号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまでにある多くの振動防止支持装置は、主に、機器とベースの間に異種の素材を挟むことで振動特性を変化させ、音の変化を生じさせている。
【0008】
しかし、積極的に機器の振動を除去するという観点からではなく、振動特性の変更による技術であり、一長一短を持っていた。
【0009】
そこで、前述したように、振動除去の観点から円錐型構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置が提案され、防振動効果を発揮している。
【0010】
しかし、円錐型構造のスパイクを1段又は多段構造にした振動防止支持装置では、円錐形状内の波動伝播特性と端部での反射の影響により伝播特性に暴れが生じ、結果として白色雑音的ノイズは完全には除去されず、振動伝達特性が十分には改善されない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はこのスパイクの円錐形状ホーン部の形状を双曲線または指数関数曲線を持つようにすることにより、振動の抑制・除去効果をさらに改善するものであり、
筒状のスパイク受けと、該スパイク受けに挿入されるスパイクとよりなり、前記スパイクは上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成され、前記スパイクの円柱部分の上面に被載置機器を載置すること振動防止支持装置を提供する。
【0012】
また、本発明は前記ホーン部分が開口係数をmとした場合に、先端部SOの断面積Soに対して距離h進んだホーンの開口部SHでの断面積がSh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積がSx=So×exp{mx}で与えられる稜線の形状が指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーンである振動防止支持装置を提供する。
【0013】
更に、本発明は前記開口係数mを変えることにより、ホーン部分の断面積の変化を変える振動防止支持装置を提供する。
【0014】
更に、本発明は前記ホーンの先端部から開口部までの長さhにより開口部の開口角度を変えることにより端部での反射特性の改善が出来る振動防止支持装置を提供する。
【0015】
更に、本発明のスパイクは被載置機器が振動源を持つ場合には真鍮などの金属を用いた振動防止支持装置を提供する。
【0016】
本発明のスパイクは被載置機器が振動源を有しない場合にはナイロン6など樹脂系の材料を用いた振動防止支持装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明はスパイクのホーン部分を双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するイクスポーネンシャル型のホーンとしたので、スパイク内部の波動伝播特性の変動が抑制され、振動伝達特性が改善される。
【0018】
しかも、開口係数mを変えることにより、稜線の形状が変化し、スパイク内部の波動伝播・遮断特性を変えることができる。更に、先端部から開口部までの長さhにより開口部の広がり角度を変えることにより、開口端部での反射量を変えることができ、用途やスペースによって仕様を変更できる。
【0019】
従って、本発明の振動防止支持装置をスピーカあるいはパワーアンプなどの音響機器の振動防止支持に用いた場合、スピーカから再生される左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりして、楽器の音像位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識できるとともに、録音環境における残響や細かな余韻、演奏者の息遣いなどこれまで再現できなかった詳細な音響情報まで認識できる。
【0020】
本発明の振動防止支持装置をDVDなど映像機器への応用した場合に、アンプやCDプレーヤと同様に多段にして支持することにより、映像のボケが軽減・解消された。
【0021】
本発明の振動防止支持装置を顕微鏡に適用することにより、解像度の向上が見込まれる。さらに、精密測定機器の支持機構に用いることで精度の向上が見込まれる。
【0022】
本発明の振動防止支持装置は、振動除去を手段として、電気信号レベルで雑音を押さえる働きに寄与していることによるもので、電気信号といえども、振動対策を十分に行えば、回路構成や素子の高精度化のみでは対処できない種種の要因による雑音抑制の問題解決が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明に依る振動防止支持装置を説明する断面図であり、図2(A)は本発明の
振動防止支持装置に用いたスパイク受けの平面図であり、図2(B)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイク受けの断面図であり、図3(A)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイクの平面図であり、図3(B)は本発明の振動防止支持装置に用いたスパイクの断面図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の振動防止支持装置はスパイク受け30とスパイク40とよりなる。
【0025】
図2(A)(B)に示すように、スパイク受け30は底部32を有する円筒状の筒で構成され、内径はちょうどスパイク40が挿入される大きさになっている。スパイク受け30の底部32の中央に円錐台形の窪み33が設けられている。
【0026】
図3(A)(B)に示すように、スパイク40は円柱部分41と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有するホーン部分42とよりなり、円柱部分41の中心に多段にして使用するときに便利なように円錐台形の窪み44を設けている。スパイク40の円柱部分41はOリング45でスパイク受け30の内径に接している。ホーン部分42の先端部はスパイク受け30の底部32にある窪み33に嵌合し安定にしている。
【0027】
図2(A)および図2(B)に示すように、スパイク受け30は外径=40mm、高さ=38mm、底部32の厚さ=6mm、底部32の中央部にある窪み33は深さ=1mm、内径=27mm、内部深さ=32mmとし、内部を水で満たした。
【0028】
スパイク40の上部円柱部分41の厚さもできる限り大きめにとり、開口部SHが自然に広い空間につながって、反射を起こしにくくすることが必要である。基本的な考え方は、ホルンなど金管楽器の管内の空気による波動の伝播を、真鍮や樹脂による振動伝播に置き換えて、管楽器で音を出すときと同様に必要な十分広い空間と同じ状況を、上部円柱部分で確保する。さらに、開口端部での反射を十分抑制するため開口部の稜線の中心線に対する傾きは45度以上を確保することが望ましく、できる限り大きくとることが望ましい。
【0029】
図3(A)および図3(B)に示すように、スパイク30は円柱部分41の直径=25mm、円柱部分41の高さ=9.8mm、先端部SOの断面積So=1.54平方ミリメートル、開口部SHの面積Sh=1480平方ミリメートル、ホーン部分42の高さ=25.2mmの大きさとしている。
【0030】
スパイク40のホーン部分42は稜線の形状が回転局面形状の中でも、指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーン部分42を有するスパイク40を提案する。ホーン部分42の先端部SO(のど)の断面積Soに対し、距離h進んだホーンの開口部SH(口、開口)での断面積Sh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積Sx=So×exp{mx}で与えられる。
【0031】
ホーン部分42の稜線の形状(ホーンの広がり方)は開口係数m値により変わる。開口係数mはホーン部分42の断面積の変化の程度を表す定数で、開口係数mが大きいと早く広がり、小さいとゆっくりと広がるホーンとなる。特に、指数型のホーンでは遮断周波数を決める重要なパラメータである。従って、ホーン部分42内の波動伝播・遮断特性もm値により変わる。従来の円錐形構造のホーンの場合、伝達特性は変化するものの、特定の遮断周波数はなくすべての周波数にわたって波動を伝播する。一方、本発明の回転曲面形状のホーン12では、m値と材質により遮断周波数fcが存在し、fc以下の周波数の波動は伝達されず、遮断される。
【0032】
図3(A)および図3(B)ではホーン部分42の口部での開き角は図1の例では40°であるが、長さhの増加を許せば、50°以上に十分な開き角を持たせる方が、口部と外界とのインピーダンスマッチングが十分にでき、反射を抑制することができて特性を向上できる。
【0033】
図4はインピーダンス特性図である。ホーン部分42の先端部分SOから開口部分SHの方向を見たときのインピーダンスZoに対し、ホーン部分42の開口部分SHから反射断面SO方向を見たときのインピーダンスZhが約1/1000ほど小さく、振動の伝達率が高くなる特性を持っている。
【0034】
尚、Re[Zo]はZoの実数部、Im[Zo]はZoの虚数部、Re[Zh]はZhの実数部、Im[Zh]はZhの虚数部である。
【0035】
ホーン部分42の開口部分SHから先端部分SO方向を見たときのインピーダンスZhが約1/1000ほどであるから、外部からの振動は開口部分SHから先端部分SOには伝達されるが、先端部分SOから開口部分SHに伝達され難いことが分かる。
【0036】
このことを示したのが図5で、本発明の双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42の先端部SOから開口部SHへ向かう場合と開口部SHから先端部SOへ向かう場合の波動エネルギーの比較(Re[Z]/|Z|2、m=200)である。波動エネルギーの伝達力は、先端部SOの断面Soおよび開口部SHの断面から見たインピーダンスの実数部と絶対値の二乗の比となる。
【0037】
スパイク40として材料には、振動源を持つ機器には真鍮など金属がよく、電源など振動源を持たない電子回路(例えば、ラインアンプなど)の場合、ナイロン6など樹脂系の材料が効果的である。
【0038】
【表1】
表1に示す値を用い、ナイロン6の物性値として、遮断周波数、反射断面および開口断面から見たインピーダンス、波動エネルギー伝達率などの算出を行った。
【0039】
図5において、ホーン部分42の先端部SOの断面から開口部SHの断面側へ向けての振動エネルギー伝達率は○印の曲線で示すように、□印の曲線で示す開口部SHから先端部SOの逆方向の振動エネルギー伝達率の1/1000の大きさで、開口部SHから先端部SOへ向かうエネルギー伝播が大きく、振動除去に大きく貢献する特性を持つ。
【0040】
また、図6には先端部SOから開口部SHの断面へ向かう場合[Pwe/Pwc[0]]と開口部SHの断面から先端部SOの断面へ向かう場合[Pwe/Pwc[h]]のエネルギー伝達率について、従来の円錐型構造のホーン(Pwc)と本発明に用いた双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42(Pwe)で比較した解析結果を示す。カットオフ周波数以上では、先端部SOの断面から開口部SHの断面に向けては波動エネルギーの伝達量は両者とも等しいが、開口部SHの断面から先端部SOの断面に向かう伝達は、◆の曲線で示すように従来の円錐型構造のホーン部分より■の曲線で示す本発明の指数関数型のホーン部分42の方が約3倍伝達率が大きいことが示される。
【0041】
図7は本発明の振動防止支持装置を用いた被載置機器を説明する側面から見た断面図であり、図8はその上面図である。
【0042】
図7は被載置機器としてスピーカ50を示している。スピーカ50はトゥイータ51とウーハ52を有し、メインアンプから入力信号によりコーン紙などの振動板を駆動して音を再生する。スピーカの下には本発明の振動防止支持装置100が置かれており、スピーカからの振動の絶縁を行う。
【0043】
図8に本発明の振動防止支持装置100の配置位置を示す。図8は3点支持の場合を示しており、スピーカ50からの前面に1個、裏面に2個配置される。
【0044】
図9に従来の円錐型のスパイクを用いた振動防止支持装置と本発明の双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状のホーン部分42を用いた振動防止支持装置間で音質の比較をした結果を示す。◆の線で示すパワーアンプ、■の線で示すスピーカ、○の線で示すCDプレーヤには、図3に示すと同一形状で真鍮により作製したホーン部分41のスパイク40を適用した。
【0045】
また、試聴結果は従来との比較を示している。×の線で示すラインアンプについてはポリエチレンによる従来の円錐型のホーン部分(頂角40度)とナイロン6を用いた本発明のスパイクを用いた振動防止支持装置との比較を示している。グラフは、4名のオーディオショップ店員による評価結果の平均を示しており、評価は5段階評価とした。また、値は本発明の振動防止支持装置の評価値から従来の振動防止支持装置の評価値を引いた値を示している。グラフで0は両者に差が無く、正の値は本発明の振動防止支持装置の音質がよく、負の値は本発明の振動防止支持装置が劣ることを示している。CDプレーヤで若干従来の振動防止支持装置のほうが優位な面はあるが、他の機器では、本発明の振動防止支持装置の方がかなりのレベルで上回っている。
【0046】
次に、図10において音像定位について比較した結果の一例を示す。本発明の振動防止支持装置(図10(A)(D))、従来の振動防止支持装置(図10(B)(E)、未使用(図10(C)(F))の3ケースについて、スピーカの下に適用した結果を示す。図10(A)、(B)、(C)は被験者SとスピーカP、Pとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。図10(D)、(E)、(F)は被験者SとスピーカP、Pとを正面から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
【0047】
尚、各楕円はスピーカP、Pから出る音像認識位置を示すもので、Vnはバイオリンの音像位置、Timはティンパニの音像位置、Casはカスタネットの音像位置、Trはトランペットの音像位置を示す。
【0048】
スピーカを直接床の上に設置した場合は、図10(C)や図10(F)に示される様に、音像は相対的に前に出てきて低い位置に認識される。これに対し、従来の円錐型のホーンを用いた振動防止支持装置なら、図10(B)および図10(E)に示すように左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりしてきている。これだけでも十分な効果と言えるのであろうが、本発明の振動防止支持装置を用いるなら、図10(A)および図10(D)に示されるように、楽器に位置が上下方向および前後の距離感において明確に認識しうることが示される。
【0049】
図11に、同じく音像定位について比較した結果の一例を示す。本発明の振動防止支持装置(図11(A)(D))、従来の振動防止支持装置(図11(B)(E)、未使用(図11(C)(F))の3ケースについて、電力増幅器(パワーアンプ)の下に適用し、電力増幅器でアンプされた音をスピーカに加え、スピーカで再生した結果を示す。図11(A)、(B)、(C)は被験者SとスピーカA、Aとを上から見た平面図で、音像定位の前後と左右の変化を示す。図11(D)、(E)、(F)は被験者SとスピーカP、Pとを正面から見た正面図で、音像定位の上下と左右の変化を示す。
【0050】
パワーアンプを振動吸収ボード上にプラスチック製の足を介して設置した場合では、図11(C)および図11(F)に示すように、音像は相対的に前に出てきて低い位置に認識され、中央よりに集まる傾向にある。これに対し、従来の振動防止支持装置を用いるなら図11(B)および図11(E)に示すように、左右の広がりや音像位置の上下感、前後の位置関係の明確さがはっきりしてきている。本発明の振動防止支持装置を用いるなら図11(A)および図11(D)に示すように、さらに上下方向および前後の距離感や広がりが明確になっていることが示される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の振動防止支持装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の振動防止支持装置の(A)スパイク受けの平面図、(B)スパイク受けの断面図である。
【図3】本発明の振動防止支持装置の(A)スパイクの平面図、(B)スパイクの断面図である。
【図4】本発明の振動防止支持装置のインピーダンス特性図である。
【図5】本発明の振動防止支持装置のインピーダンス特性の差を示す特性図である。
【図6】本発明の振動防止支持装置と従来の振動防止支持装置とのエネルギー伝達率を示す特性図である。
【図7】本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカを示す断面図である。
【図8】本発明の振動防止支持装置を適用したスピーカの振動防止支持装置の配置を示す平面図である。
【図9】本発明の振動防止支持装置と従来の振動防止支持装置の音改善の比較を示す図である。
【図10】スピーカに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図で(A)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた平面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の平面図、(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた正面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の正面図である。
【図11】アンプに振動防止支持装置を用いた音像定位置の比較を示す模型図で(A)は本発明の振動防止支持装置を用いた平面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた平面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の平面図、(D)は本発明の振動防止支持装置を用いた正面図、(B)従来の振動防止支持装置を用いた正面図、(C)振動防止支持装置を用いなかった場合の正面図である。
【図12】従来の円錐スパイクを用いた振動防止支持装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
30 スパイク受け
32 底部
40 スパイク
41 円柱部分
42 ホーン部分
SO 先端部
SH 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイク受けと、該スパイク受けに挿入されるスパイクとよりなり、
前記スパイクは上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成され、
前記スパイクの円柱部分の上面に被載置機器を載置することを特徴とする振動防止支持装置。
【請求項2】
前記ホーン部分は開口係数をmとした場合に、先端部SOの断面積Soに対して距離h進んだホーンの開口部SHでの断面積がSh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積がSx=So×exp{mx}で与えられる稜線の形状が指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーンであることを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項3】
前記開口係数mを変えることにより、ホーン部分の断面積の変化を変えることを特徴とする請求項2に記載の振動防止支持装置。
【請求項4】
前記開口部までの距離hを変えることにより、開口端部での反射特性を変え、スパイクの振動防止性能を変えることを特徴とする請求項2に記載の振動防止指示装置。
【請求項5】
前記スパイクは被載置機器が振動源を持つ場合には真鍮などの金属を用いたことを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項6】
前記スパイクは被載置機器が振動源を有しない場合にはナイロン6など樹脂材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項7】
前記スパイクに同一のスパイクを重ね多段スパイク構造にしたことを請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項1】
スパイク受けと、該スパイク受けに挿入されるスパイクとよりなり、
前記スパイクは上側の円柱部分と双曲線又は指数関数曲線を稜線に持つ回転曲面形状を有する下側のホーン部分とで構成され、
前記スパイクの円柱部分の上面に被載置機器を載置することを特徴とする振動防止支持装置。
【請求項2】
前記ホーン部分は開口係数をmとした場合に、先端部SOの断面積Soに対して距離h進んだホーンの開口部SHでの断面積がSh=So×exp{mh}で与えられ、先端部SOから距離xでの断面積がSx=So×exp{mx}で与えられる稜線の形状が指数関数となるイクスポーネンシャル型のホーンであることを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項3】
前記開口係数mを変えることにより、ホーン部分の断面積の変化を変えることを特徴とする請求項2に記載の振動防止支持装置。
【請求項4】
前記開口部までの距離hを変えることにより、開口端部での反射特性を変え、スパイクの振動防止性能を変えることを特徴とする請求項2に記載の振動防止指示装置。
【請求項5】
前記スパイクは被載置機器が振動源を持つ場合には真鍮などの金属を用いたことを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項6】
前記スパイクは被載置機器が振動源を有しない場合にはナイロン6など樹脂材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の振動防止支持装置。
【請求項7】
前記スパイクに同一のスパイクを重ね多段スパイク構造にしたことを請求項1に記載の振動防止支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−41641(P2010−41641A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205356(P2008−205356)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(506314863)KRYNA&PLUTON株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(506314863)KRYNA&PLUTON株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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