説明

排ガス処理装置およびその処理方法

【課題】活性炭及び/又は触媒を用いた排オゾン処理装置において、安全に排オゾンを所定値以下に低減して信頼性を高め、かつ設備及び運転コストを低減すること。
【解決手段】オゾンなどを含む排ガス1が流路2に流入し活性炭塔4へ流入する。活性炭塔4では活性炭により排ガス1に含まれるオゾン等のガスが分解される。分解された排ガスの流路に設置されたガス濃度計3によりオゾンガス濃度が測定された後、空気等の希釈ガスが流れ込む分岐流路11でオゾンを含む排ガスは空気により希釈され、ブロワ6によって大気中へ放出される。制御装置7は、ガス濃度計3の測定値と、入力手段8から受信した設定値である、大気放出オゾン規制値CA、活性炭が発火するオゾン濃度CHに基づき、警報の発信9、排ガスの流入遮断10、ガス流路の切替え、希釈用空気の流量調整19などを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン、ダイオキシン類、臭気ガス等のガスを含む排ガスを処理する装置に係わり、特に、これらのガスを含む排ガスを活性炭及び/又は触媒で処理、又は空気などで希釈して処理する排ガス処理装置及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンガスは、上下水の消毒・脱臭、工場排水の処理、脱臭装置などに利用が広がっている。一方、オゾンは大気汚染物質である光化学オキシダントの主成分であり、人体や植物に悪影響を与えるため、未利用のオゾン(以下、排オゾンと称する)は極力除去する必要がある。大気汚染に係わる環境基準によると、光化学オキシダントは1時間値で0.06ppm以下と定められている。
【0003】
排オゾンの処理方法には、活性炭で吸着・分解する方法、触媒で分解する方法、加熱してオゾンを自己分解させる方法、薬液で洗浄する方法などがあり、処理効果、維持管理性、経済性等を考慮して選択されている。
【0004】
オゾンを処理する従来技術として、例えば非特許文献1には、活性炭で吸着・分解する方法が開示されており、この開示技術によると、オゾンを確実に処理でき、維持管理上も活性炭の取替えと追加のみであり、加熱や廃液処理が不要などの利点を有していて、広く利用されている。ただし、数100ppmといった高濃度の排オゾンが流入すると、急速な酸化反応に伴い発火する危険があるため、これを回避する措置が必要になる。
【0005】
非特許文献1には、排オゾン入口の後段にミストセパレータ、触媒用加温ヒータ、マンガン触媒塔、活性炭塔、ブロワの順に接続された排オゾン分解装置の例が示されている。マンガン触媒は活性炭に比べ高濃度のオゾンが分解可能である。マンガン触媒によって活性炭へ流入するガス中のオゾン濃度は0.1ppm以下に低減され、活性炭はさらに確実に0.06ppm以下にまで低減するためのバックアップの位置付けである。この例では、浄水処理を対象としており、入口の排オゾン濃度が最大4g/Nmと想定されている。
【0006】
また、オゾンを処理する従来技術として、例えば特許文献1には、上述の非特許文献1の処理装置と同様に、触媒塔の後段に活性炭塔を配した排オゾン処理装置において、触媒塔から流出したガスのオゾン濃度を測定して警報を発する方法が開示されている。この特許文献1の方法では、触媒のオゾン分解性能の低下を検知し、触媒を交換することにより、高濃度のオゾンを含む排ガスが活性炭塔に流入することを回避することができる。
【非特許文献1】「水道施設設計指針」、発行所日本水道協会 平成12年3月31日発行、318頁〜312頁
【特許文献1】特開平11−70321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オゾンを含む排ガスを、再度被処理水等に注入するリサイクル運転を行う場合や、下水や工場廃止等の処理にオゾンを使用する場合に、運転条件や非処理水の水質によっては、排オゾン濃度が100ppm以下程度の低濃度になる。例えば、発明者らが行った、消毒と脱色・脱臭を目的として下水二次処理水をオゾン処理する実験では、排オゾン濃度は最大でも50ppm以下、平均約20ppmであった。このように、排オゾン濃度が、活性炭を発火させる濃度(例えば、数100ppm)より充分低い場合、活性炭のみで排オゾン処理を行うことができる。
【0008】
それにも拘わらず、この場合の排オゾン処理装置として、上記の非特許文献1又は特許文献1に示された、触媒と活性炭を含む構成を用いた場合、触媒用の加温ヒータの運転コストや触媒塔の設備コストおよび触媒の維持管理が必要となる。
【0009】
また、排オゾン処理後の処理ガスのオゾン濃度は、規制値以下に維持する必要があるが、規制値は0.06ppmと低く、直接測定して警報を出すためには、この規制値より充分低い濃度でも感知できる高感度で高価なオゾン濃度計が必要である。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決すべく、活性炭及び/又は触媒を用いた排オゾン処理装置において、安全に排オゾンを所定値以下に低減し、かつ設備コストおよび運転コストを低減して、排オゾン除去に信頼性が高く、かつ経済的な排オゾン処理装置および処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、前記ガス濃度計は、前記排ガス分解塔で前記排ガスを分解した分解処理後の排ガスの流路に配置されるとともに、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示する構成とする。
【0012】
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【0013】
また、大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、前記ガス濃度計は、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、前記希釈ガス配管接続後の排ガスの流路には、前記排ガス分解塔を経由して前記送風機に繋がる第1の流路と、直接に前記送風機に繋がる第2の流路とを形成する三方弁が設けられ、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第1の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると、前記第2の流路から前記第1の流路に切り替えるように前記三方弁に指示し、さらに、前記制御部は、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第2の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示する構成とする。
【0014】
また、大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、前記ガス濃度計は、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、前記希釈ガス配管接続後の排ガスの流路には、前記排ガス分解塔としての活性炭塔を経由して前記送風機に繋がる第1の流路と、前記排ガス分解塔としての触媒塔を経由して前記送風機に繋がる第2の流路とを形成する三方弁が設けられ、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第1の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示し、さらに、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を前記活性炭塔の活性炭が発火する発火濃度値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第2の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると、前記第1の流路から前記第2の流路に切り替えるように前記三方弁に指示する構成とする。
【0015】
また、大気放出を規制されている排ガスを活性炭で分解する活性炭塔と、前記活性炭塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えて、排ガスを処理する処理方法において、前記制御部には、前記入力操作手段から、大気放出のガス濃度規制値と前記活性炭塔における活性炭が発火する発火濃度値とが予め入力され、続いて、前記ガス濃度計で計測されたガス濃度が入力され、前記計測されたガス濃度と前記活性炭による排ガス分解能力とから算出した換算ガス濃度値が前記発火濃度値未満の所定値に達していると判定されると、前記活性炭塔への排ガス入力を遮断するように指示され、さらに、前記計測されたガス濃度値が、前記大気放出のガス濃度規制値と希釈倍率とから算出した算出値未満の所定値に達していると判定されると、警報を指示する排ガス処理方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、活性炭及び/又は触媒を用いた排オゾン処理装置において、空気等による希釈前の処理ガス(活性炭などで排オゾン処理をした後のガス)の濃度と流量、及び空気などの希釈ガスの流量の計測値又は実験値から予測した希釈後のガスのオゾン濃度に基づいて、警報の発信、排ガスの流入遮断、ガス流路の切替え等を行い、排オゾンの濃度を所定値以下に低減させることができる。このように、空気等による希釈前に測定するため、オゾン濃度計の感度は低くてもよく、これによって、設備コストを低減することができ、経済性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る排ガス処理装置について、図1〜図9を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。図2は第1の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。図3は本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。図4は第2の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【0018】
また、図5は本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。図6は第3の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。図7は第3の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成における変形例を示す処理工程である。図8は本発明の第4の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程である。図9は第4の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【0019】
図面において、1は排ガス、2は流路、3はオゾン濃度計、4は活性炭塔、5は流路、6はブロワ、7は制御装置、8は入力手段、9は警報装置、10は排ガス発生元制御装置、11は分岐流路、12は三方弁、13は流路、14は触媒塔、15は流路、16は流量計、17は分岐流路、18は流量計、19は流量調整弁、をそれぞれ表す。
【0020】
「第1の実施形態」
まず、本発明の実施形態においては、排ガス処理の除去対象が排ガスに含まれるオゾンである場合を例示して以下説明するが、オゾンに限らず、活性炭及び/又は触媒で処理するガスとして、オゾン以外にダイオキシン類、臭気ガスが挙げられ、これらのガスはそのままでは大気に放出できないように規制されている規制ガスであり、これらのガスについても本発明は適用可能である。
【0021】
図1に示す排オゾン処理工程では、排ガス1が流路2を通過し、活性炭塔4へ流入する。活性炭塔4では、充填された活性炭により、排ガス1に含まれるオゾンが分解される。その後、排ガス1は流路5へ処理ガスとして流出し(排ガス中のオゾンが活性炭などで分解した後のガスを処理ガスと称する)、その一部がオゾン濃度計3に流入してオゾン濃度を測定された後、再び合流する。続いて流路5に接続した分岐流路11から注入した空気、窒素などの非オゾンガスにより希釈された後に、ブロワ6によって大気中へ放出される。
【0022】
また、制御装置7は、オゾン濃度計3、入力手段8、警報装置9、および排ガス発生元制御装置(オゾンを利用して消毒又は脱臭等を実行する装置の制御装置)10に接続される。制御装置7は、オゾン濃度計3から受信したオゾン濃度の測定値Cと入力手段8から受信した警報発信値CAを比較し、測定値Cの方が高い場合は、警報装置9へ信号を送り、警報装置9から警報が発信される。ここで、警報発信値CAは入力手段8で設定される値であり、例えば光化学オキシダントの規制値である0.06ppm未満の適宜の値に対応する値に設定するとよい(警報発信値CAは、オゾン濃度計3の計測値に対応して比較される値であり、上記規制値未満の適宜値に対応する希釈前の値である)。
【0023】
また、制御装置7は、入力手段8で設定した上限値CH(CH>CA)と測定値Cとを比較し、測定値Cの方が高い場合は、排ガス発生元制御装置10へ信号を送り、排ガス発生元制御装置10により、排ガスの流路2への流入が遮断されるようにする。上限値CHは、例えば活性炭塔4の入口におけるオゾン濃度が活性炭の発火濃度に達する値未満の適宜の値に対応する値に設定するとよい(上限値CHは、オゾン濃度計3の計測値に対応して比較される値であり、上記発火濃度未満の適宜値に対応する分解前の値である)。
【0024】
警報発信値CAは上限値CHより低い値とし、例えば、次に示す数1を用いて設定してもよい。
【0025】
CA=Ce(F1+F2)/F1 (数1)
数1において、CAは警報発信値、Ceは大気中へ放出されるオゾン濃度、F1は排ガス1の流量、F2は分岐流路11の非オゾンガスの流量である。F1およびF2は、流路2および分岐流路11に流量計を設けて、その測定値を制御手段7で取得してもよく、また、予め設計時に測定した所定値を用いてもよい
なお、F1とF2は設計時に予め規定されていて測定済みの所定値としてもよい。後述するが、図1の例示で、希釈ガス配管を大気開放にしておいて、ブロア6の吸引能力と、排ガスの配管及び希釈ガス配管の管径と、排ガス配管の圧力損失と、を基に予め決められるものである。ここで、(F1+F2)/F1は希釈倍率を表している。この希釈倍率とCeとによって、警報発信値CAが入力手段8で設定されるのである。ここで、警報が発せられるということは、作業者にガス濃度が大気放出規制値との比較で高いことを報知するともに、活性炭塔の活性炭の交換を促す役割を担っている。
【0026】
さらに、分岐流路11に流量調整弁19を設け、警報装置9から警報が発信された場合、流量調整弁19の開度を増加し、希釈倍率を上げてもよい。この開度調整は、流量調整弁19を接続された制御手段7が自動的に行っても、警報を受けた運転員が手動で行ってもよい。
【0027】
このように、本実施形態では、オゾン濃度を計測した部位の排ガスの後流側に、オゾン濃度を希釈する希釈用の分岐流路11が配置されており、オゾン濃度計3で計測する濃度は、希釈前であるので大気放出のオゾン濃度よりも濃く、その計測に当たって高感度の濃度計を必要としない。また、図1に示す処理工程の系統図によると、活性炭塔4のオゾン分解能力と活性炭塔4後流側のオゾン濃度計の計測値とを用いて、活性炭塔入口側の排ガス流路2におけるオゾン濃度が実験的に予測可能である。
【0028】
したがって、活性炭塔4に流入する排ガスのオゾン濃度の換算値に基づいて(換算値を元に入力手段8の値を設定する)、警報発信値CAと比較判断することにより警報を発信することができ、さらに、上限値CHと比較判断することにより、排ガスの流入を遮断することで活性炭の発火を回避し、運転の信頼性を向上できる。また、触媒を用いないため、触媒用の加温ヒータの運転コストや触媒塔の設備コストが不要となり、経済性を向上できる。
【0029】
なお、図1に示す処理工程の系統図では、オゾン濃度計3で計測したオゾン濃度(流路5における処理ガスのオゾン濃度)は、上述したように、活性炭塔4の前流側の流路2における排ガス1のオゾン濃度を予測し対応可能とし得るものであり、この排ガス1のオゾン濃度を対象として警報値と上限値を設定するとよい。そうすると、活性炭の発火回避の警報と排ガス入力阻止の作動を行わせることができる。諸条件次第ではあるが(例えば活性炭の分解能力、希釈の度合い)、一般的に云えば、排ガス1中のオゾン濃度が上昇すると、まず、オゾンの大気放出の規制値に達し、次いで活性炭の発火濃度に到達することとなる。条件によっては規制値と発火濃度の到達時期が逆転することもあり得る。
【0030】
図2に示す制御装置7のフローチャートによると、まず、ステップS1において、入力手段8で大気放出の警報発信値CAとその上限値CHを設定した値を受信し、ステップS2において、オゾン濃度計3で測定したオゾン濃度Cを受信し、ステップS3でCとCHとを比較して、C<CHであればステップS5に進む。ステップS5でC<CAでないときにステップS6で警報を発信し、適宜にステップS7で流量調整弁19の開度を増すように制御する。また、ステップS3で否であれば、排ガス発生元制御装置10に信号を送り排ガス1の流入を遮断する。
【0031】
「第2の実施形態」
本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理装置について、図3と図4を参照して以下説明する。第2の実施形態に関する処理工程を図3に示し、その処理方法を図4に示す。
【0032】
図3に示すように、排ガス1が流路2に流入し、その一部が流路2に並列に接続されたオゾン濃度計3に流入してオゾン濃度を測定された後、再び合流する。この合流後に希釈のための非オゾンガス(例えば、空気)の分岐流路11が接続される。
【0033】
空気等の非オゾンガスによって希釈された排ガス1は、オゾン濃度次第ではあるが原則的には活性炭塔4へ流入する。活性炭塔4では、充填された活性炭により、排ガス1に含まれるオゾンが分解される。その後、排ガス1は流路5へ流出し、ブロワ6によって大気中へ放出される。
【0034】
また、制御装置7はオゾン濃度計3、入力手段8、警報装置9、および排ガス発生元制御装置10に接続される。制御装置7は、オゾン濃度計3から受信したオゾン濃度の測定値Cと入力手段8から受信した警報発信値CAを比較し、測定値Cの方が高い場合は、警報装置9へ信号を送り、警報装置9から警報が発信される。さらに、制御装置7は、測定値Cと入力手段8から受信した上限値CHとを比較し、測定値Cの方が高い場合は、排ガス発生元制御装置10へ信号を送り、排ガス発生元制御装置10により、排ガスの流路2への流入が遮断される。
【0035】
また、制御手段7は、入力手段8から受信した目標値CLと測定値Cを比較し、測定値Cの方が低い場合は、活性炭塔4の入口側の流路に設けられた三方弁12へ信号を送り、流路13側へ三方弁12を切替える。その結果、排ガス1は活性炭塔4を通らず、ブロワ6へ流入する。この際、三方弁12を切り換える信号である目標値CLは、希釈後の排ガス1のオゾン濃度が活性炭塔4で分解する必要がなくてそのままブロア6で大気放出しても構わない低濃度の適宜の値(CL<CA)とし、例えば、大気中の光化学オキシダントの基準値0.06ppm以下の適宜の値とするとよい。ここで、分岐流路11は非オゾンガスである空気などを強制的に押し込むのではなくて、ブロア6の吸引力と分岐流路の径寸法によって一定量が流路2に吸引流入する構成であってもよい(なお、第1の実施形態においてもこの吸引流入する構成も適用可能である)。ここで、目標値CLは、大気放出の規制値(0.06ppm)未満の所定値(警報を発信する基準値)よりもさらに低い適宜の値とする(CH>CA>CL)。
【0036】
このように、空気などによる希釈流量は一定であるので、オゾン濃度計3によるオゾン濃度測定値と一定の希釈流量とに基づいて、オゾンを分解せずにそのまま大気放出するオゾン濃度に換算した目標値CLを設定することができる。
【0037】
図4において、ステップS1〜S6までの処理方法は、第1の実施形態を示す図2と同様であり、ステップS8でオゾン濃度測定値Cが目標値CLよりも小であれば、ステップS9で三方弁12を切り換えて、活性炭塔4経由ではなくてブロア6に直結する流路13に排ガスを流すのである。
【0038】
以上のように、第2の実施形態によると、空気等の非オゾンガスによる希釈の前流側でオゾン濃度を計測し、この計測値を基づいて、希釈のための分岐流路後に設置された、ブロアへの活性炭塔経由接続と直接接続とを切り替える三方弁の構成を採用しており、分岐流路の前流側におけるオゾン濃度の測定値に基づいて警報を発信する、又は排ガスの流入を遮断することにより、活性炭の発火を回避し、運転の信頼性を向上できる。また、触媒を用いないため、触媒用の加温ヒータの運転コストや触媒塔の設備コストが不要となり、経済性を向上できる。
【0039】
さらに、活性炭塔の排ガス入口におけるオゾン濃度の測定値が目標値以下の場合、ガス流路を切替えて、希釈後の排ガスを直接にブロワへ送ることにより、活性炭の消耗を遅らせ、活性炭交換に要する維持管理コストを低減できる。
【0040】
「第3の実施形態」
本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理装置について、図5と図6を参照して以下説明する。第3の実施形態に関する処理工程を図5に示し、その処理方法を図6に示す。本発明の第3の実施形態では、測定したオゾン濃度が高い場合のみ、オゾン分解触媒を充填した触媒塔を採用する構成を特徴とする。
【0041】
図5に示すように、排ガス1が流路2に流入し、その一部が流路2に並列に接続されたオゾン濃度計3に流入してオゾン濃度を測定された後、再び合流する。この合流後に希釈のための非オゾンガス(例えば、空気)の分岐流路11が接続される。
【0042】
空気等の非オゾンガスによって希釈された排ガス1は、測定されたオゾン濃度次第ではあるが通常の動作状況では活性炭塔4へ流入する。活性炭塔4では、充填された活性炭により、排ガス1に含まれるオゾンが分解される。その後、排ガス1は流路5へ流出し、ブロワ6によって大気中へ放出される。
【0043】
図5によると、希釈後のガスは三方弁12に流入して、三方弁12の出力の一方は前述の活性炭塔4に流れ、出力の他方は流路13を通って触媒塔14に流れる。三方弁12の切り替えは制御装置7によって行われ、後述するが、オゾン濃度計3で測定されたオゾン濃度の大小によって選択される。
【0044】
制御装置7は、オゾン濃度計3、入力手段8、及び警報装置9に接続される。制御装置7は、オゾン濃度計3から受信したオゾン濃度の測定値Cと入力手段8から受信した警報発信値CAを比較し、測定値Cの方が高い場合は、警報装置9へ信号を送り、警報装置9から警報が発信され、作業者にオゾン濃度の注意を促す。さらに、制御装置7は、入力手段8から受信した上限値CHと測定値Cを比較し、測定値Cの方が高い場合は、活性炭塔4の入口側流路に設けられた三方弁12へ信号を送り、流路13側へ三方弁12を切り替える。ここで、上限値CHは活性炭が発火する濃度に安全のための尤度を加えた値とするとよい。
【0045】
流路13には、オゾンを分解する触媒を充填した触媒塔14が接続され、触媒塔14に流入した排ガス1に含まれるオゾンが分解される。その後、排ガス1は触媒塔14に接続された流路15へ流出し、ブロワ6により大気中へ放出される。ここで、触媒塔14は、そのオゾン分解能力が活性炭塔4のそれよりも高いものである。
【0046】
図6において、ステップS1,S2,S3,S5,S6までの処理方法は、第2の実施形態を示す図4と同様であり、ステップS3でオゾン濃度測定値Cが上限値CHよりも大であれば、ステップS9で三方弁12の流路を切り換えて、触媒塔14に排ガスを流すのである。
【0047】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理装置の変形例を示すものであり、触媒塔14から排ガス1が流出する流路15を活性炭塔4の入口へ接続している。この変形例の場合には、触媒塔14で分解できなかった低濃度のオゾンを活性炭塔4でさらに除去する効果が期待できる。
【0048】
第3の実施形態によると、空気等の非オゾンガスによる希釈の前流側でオゾン濃度を計測し、この計測値を基づいて、希釈のための分岐流路後に設置された、活性炭塔経由と触媒塔経由とに接続する三方弁を切り換える構成を採用しており、希釈用の分岐流路の前流側におけるオゾン濃度の測定値に基づいて警報を発信する、又は活性炭塔の排ガス入口におけるオゾン濃度が活性炭の発火濃度より高い場合、ガス流路を切替えて排ガスを触媒塔へ送ることにより、排ガスの処理を停止することなく活性炭の発火を回避し、運転の安定性と信頼性を向上できる。また、触媒は排ガス中のオゾン濃度が高い場合にのみ使用するため、触媒装置を小型化でき、かつ交換頻度を低減できるため、経済性を向上できる。
【0049】
「第4の実施形態」
本発明の第4の実施形態に係る排ガス処理装置について、図8と図9を参照して以下説明する。第4の実施形態に関する処理工程を図8に示し、その処理方法を図9に示す。本発明の第4の実施形態では、排ガス処理の除去対象が排ガスに含まれるオゾンである場合に、そのオゾン濃度が低い場合を想定し、空気等の希釈のみで排オゾン処理を行う、すなわち活性炭塔と触媒塔を不要として排オゾン処理を行うことを特徴とする。
【0050】
図8に示すように、排ガス1が流路2に流入し、その一部が流路2に並列に接続されたオゾン濃度計3に流入してオゾン濃度を測定された後、流量計16に流入して流量を測定される。続いて、排ガス1は、流路2に接続した分岐流路17から注入した空気などの非オゾンガスにより希釈された後、ブロワ6によって大気中へ放出される。このとき、非オゾンガスは、分岐流路17に接続された流量計18で流量を測定され、続いて流量調整弁19を通過する。
【0051】
制御装置7は、オゾン濃度計3、入力手段8、警報装置9、流量計16、流量計18、および流量調整弁19に接続される。制御装置7は、オゾン濃度計3から受信したオゾン濃度の測定値Cと入力手段8から受信した警報発信値CAを比較し、測定値Cの方が高い場合は、警報装置9へ信号を送り、警報装置9から警報が発信される。
【0052】
また、制御装置7は、オゾン濃度計3の測定値Cと流量計16の測定値F1と流量計18の測定値F2を用いて(図9のステップS2を参照)、次の数2によって大気中へ放出されるオゾンガスの濃度Ceを算出する(図9のステップS3を参照)。
【0053】
Ce=C×F1/(F1+F2) (数2)
制御手段7は、入力手段8から受信した目標濃度Ce1(図9のステップS1を参照)と算出したCeを比較し(図9のステップS4を参照)、Ce<Ce1を満たすF2となるように、流量調整弁19へ信号を送り、弁の開度を変更する(図9のステップS5を参照)。ここで、目標濃度Ce1は、例えば大気中の光化学オキシダントの基準値0.06ppmとするとよい。また、流量調整弁19は、警報装置9からの警報を受けて、手動で実施してもよい。また、流量計16の計測値F1は、あらかじめ設計時に把握した測定値を用いてもよい。また、流量計18の計測値F2は、あらかじめ設計時に把握した流量調整弁19の開度とF2の関係を用いてもよい。
【0054】
第4の実施形態によると、排ガス1中のオゾン濃度が比較的低い場合を想定した排ガス処理装置であり、換言すると、空気等による希釈の調整範囲内で大気放出の規制値をクリアできる程度の排ガスに対して適用可能なものであり、ここでは、空気等の排オゾンガスの流量を能動的に制御するものである(空気等を分岐流路17に押し込むような送給システムを用いる)。このように、希釈のための分岐流路の前流側で測定したオゾン濃度に基づいて警報を発信、あるいは希釈倍率を変更することにより、触媒や活性炭が不要となり、排ガスの規制値を達成し、かつ経済性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。
【図2】第1の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。
【図4】第2の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程図である。
【図6】第3の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成における変形例を示す処理工程である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る排ガス処理装置の全体構成を示す処理工程である。
【図9】第4の実施形態に係る排ガス処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 排ガス
2 流路
3 オゾン濃度計
4 活性炭塔
5 流路
6 ブロワ
7 制御装置
8 入力手段
9 警報装置
10 排ガス発生元制御装置
11 分岐流路
12 三方弁
13 流路
14 触媒塔
15 流路
16 流量計
17 分岐流路
18 流量計
19 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、
前記ガス濃度計は、前記排ガス分解塔で前記排ガスを分解した分解処理後の排ガスの流路に配置されるとともに、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、
前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記希釈ガス配管に流量調整弁を設け、
前記制御部は、前記警報を指示するとともに、前記流量調整弁の開度を増加して前記希釈倍率を拡大する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記排ガス分解塔として活性炭塔を設置し、
前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を前記活性炭塔の活性炭が発火する発火濃度値とし、前記計測したガス濃度と前記活性炭の排ガス分解能力とから算出した換算ガス濃度値が前記発火濃度値未満の所定値に達すると、前記活性炭塔への排ガス入力を遮断するように指示する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項4】
大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、
前記ガス濃度計は、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、
前記希釈ガス配管接続後の排ガスの流路には、前記排ガス分解塔を経由して前記送風機に繋がる第1の流路と、直接に前記送風機に繋がる第2の流路とを形成する三方弁が設けられ、
前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第1の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると、前記第2の流路から前記第1の流路に切り替えるように前記三方弁に指示し、
さらに、前記制御部は、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第2の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記排ガス分解塔として活性炭塔を設置し、
前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を前記活性炭塔の活性炭が発火する発火濃度値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第3の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると、前記排ガス処理装置への排ガス入力を遮断するように指示する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項6】
大気放出を規制されている排ガスを活性炭及び/又は触媒で分解する排ガス分解塔と、前記排ガス分解塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、
前記ガス濃度計は、前記希釈ガス配管の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、
前記希釈ガス配管接続後の排ガスの流路には、前記排ガス分解塔としての活性炭塔を経由して前記送風機に繋がる第1の流路と、前記排ガス分解塔としての触媒塔を経由して前記送風機に繋がる第2の流路とを形成する三方弁が設けられ、
前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第1の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると警報を指示し、
さらに、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を前記活性炭塔の活性炭が発火する発火濃度値とし、前記入力設定値と希釈倍率とから算出した算出値未満の第2の所定値に、前記計測したガス濃度が達すると、前記第1の流路から前記第2の流路に切り替えるように前記三方弁に指示する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記排ガス分解塔としての触媒塔を経由して前記送風機に繋がる第2の流路の代わりに、前記三方弁、前記触媒塔入口、前記触媒塔出口、前記活性炭塔入口の順に繋がる流路を形成する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項8】
大気放出を規制されている排ガスの流れる第1の流路と、前記排ガスを空気、窒素等の非規制ガスで希釈するために前記第1の流路に合流させる前記非規制ガスの第2の流路と、前記合流した第3の流路の排ガスを含んだガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で前記第1の流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えた排ガス処理装置であって、
前記ガス濃度計は、前記第2の流路による合流点の前流側に配置されて、希釈前の排ガスの濃度を計測し、
前記第1の流路には前記排ガスの流量を計測する第1の流量計を設け、前記第2の流路には前記非規制ガスの流量を計測する第2の流量計及び流量調整弁を設け、
前記制御部は、前記第1の流量計と前記第2の流量計からの出力を基に希釈倍率を算出し、前記希釈倍率と前記ガス濃度計の測定値とに基づいて大気に放出されるガス濃度を演算し、
さらに、前記制御部は、前記入力操作手段による前記入力設定値を大気放出のガス濃度規制値とし、前記演算したガス濃度が前記入力設定値に達すると警報を指示するとともに、前記流量調整弁の開度を増加して前記希釈倍率を拡大する
ことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項9】
大気放出を規制されている排ガスを活性炭で分解する活性炭塔と、前記活性炭塔で分解したガスを大気に放出する送風機と、前記送風機の前流側で空気、窒素等の非除去対象ガスを前記排ガスの流路に連通させる希釈ガス配管と、前記排ガスの流路に設けられた排ガス濃度を計測するガス濃度計と、前記ガス濃度計からの計測値と入力操作手段からの入力設定値に基づいてガス濃度の警報を指示する制御部と、を備えて、排ガスを処理する処理方法において、
前記制御部には、前記入力操作手段から、大気放出のガス濃度規制値と前記活性炭塔における活性炭が発火する発火濃度値とが予め入力され、続いて、前記ガス濃度計で計測されたガス濃度が入力され、
前記計測されたガス濃度と前記活性炭による排ガス分解能力とから算出した換算ガス濃度値が前記発火濃度値未満の所定値に達していると判定されると、前記活性炭塔への排ガス入力を遮断するように指示され、
さらに、前記計測されたガス濃度値が、前記大気放出のガス濃度規制値と希釈倍率とから算出した算出値未満の所定値に達していると判定されると、警報を指示する
ことを特徴とする排ガス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−131564(P2010−131564A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312129(P2008−312129)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】