説明

排気冷却装置

【課題】チューブの外周面の間に凝縮水が滞留することを防止する。
【解決手段】EGRガスを導通させる複数の(ここでは、3本の)チューブ52と、複数のチューブ52が収納され、冷却水が流通可能に構成された筒状のシェル51と、シェル51内の両端部にそれぞれ配置され、冷却水のシェル51からの流出を阻止する2枚のヘッダープレート53と、を備え、ヘッダープレート53には、複数のチューブ52の両端部が、それぞれ、嵌合されて支持される支持孔531が形成され、複数のチューブ52は、その軸方向の端面が、それぞれ、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向(図2の左右方向)の両端間に位置するべく配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された内燃機関の排気ガスを冷却水と熱交換させることで冷却する排気冷却装置に関する。特に、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、EGRクーラ等の排気冷却装置において、排気冷却装置を構成する部品の凝縮水による腐食を防止する技術が知られている。
【0003】
例えば、EGRクーラのシェル底面を角度θ(少なくとも5°)だけ排気ガス入口側を下にして配置するEGR装置が開示されている(特許文献1参照)。このEGR装置によれば、排気ガス中に発生する凝縮水は途中で滞留することなく排気ガス出口側から排気ガス入口側に流れ、高温の排気ガスにより凝縮水中の有害な硫酸は分解、蒸発されるため、EGRクーラ、EGR配管あるいはEGRバルブ等が腐食される恐れのないEGR装置が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−328863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のEGR装置では、排気ガスを導通させる複数のチューブの両端部が貫通状態でヘッダープレートに固定されている(特許文献1の段落0005参照)ため、ヘッダープレートの側面に沿ってヘッダープレートから突出したチューブの外周面の間(図9(a)参照)に凝縮水が滞留する虞がある。
【0006】
このように、凝縮水が滞留する場合には、滞留した凝縮水によって、チューブ又はヘッダープレートが腐食される虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、チューブの外周面の間に凝縮水が滞留することを防止することの可能な排気冷却装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る排気冷却装置は、以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、本発明に係る排気冷却装置は、車両に搭載された内燃機関の排気ガスを冷却水と熱交換させることで冷却する排気冷却装置であって、前記排気ガスを導通させる複数のチューブと、前記複数のチューブが収納され、前記冷却水が流通可能に構成された筒状のシェルと、前記シェル内の端部に配置され、前記冷却水の前記シェルからの流出を阻止するヘッダープレートと、を備え、前記ヘッダープレートには、前記複数のチューブの端部が、それぞれ、嵌合されて支持される支持孔が形成され、前記複数のチューブは、その軸方向の端面が、それぞれ、前記支持孔において前記ヘッダープレートの厚み方向の両端間に位置するべく配設されることを特徴とする排気冷却装置である。
【0010】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、複数のチューブの軸方向の端面が、それぞれ、支持孔においてヘッダープレートの厚み方向の両端間に位置するべく配設されるため、複数のチューブの軸方向の端面がヘッダープレートに形成された支持孔から突出していないので、チューブの外周面の間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記ヘッダープレートが、前記複数のチューブの軸方向の端面と当接して、前記複数のチューブの軸方向の移動を規制する移動規制部を備えていることが好ましい。
【0012】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、ヘッダープレートが、複数のチューブの軸方向の端面と当接して、前記複数のチューブの軸方向の移動を規制する移動規制部を備えているため、複数のチューブが軸方向に移動することを防止することができる。
【0013】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記移動規制部が、前記支持孔において前記ヘッダープレートの厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材からなることが好ましい。
【0014】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、移動規制部が、支持孔においてヘッダープレートの厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材からなるため、複数のチューブが軸方向に移動することを簡素な構成で確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記移動規制部が、前記ヘッダープレートの厚み方向と直交する方向に前記複数のチューブの厚みに相当する高さを有することが好ましい。
【0016】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、移動規制部が、ヘッダープレートの厚み方向と直交する方向にチューブの厚みに相当する高さを有するため、移動規制部の内周面と複数のチューブの内周面との段差がないので、移動規制部とチューブとの間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記シェルが、前記車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、前記シェルが、その高い側の下側端部において、前記ヘッダープレートの前記複数のチューブと離間する側の端面に沿って屈曲されていることが好ましい。
【0018】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、シェルが、車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、前記シェルが、その高い側の下側端部において、ヘッダープレートのチューブと離間する側の端面に沿って屈曲されているため、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0019】
すなわち、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間で生成された凝縮水は、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブを通って、シェルの低い側の下側端部まで移動し、排気ガスに晒されて蒸発してしまうので、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間に凝縮水が滞留することを防止することができるのである。
【0020】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記シェルが、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と、当該シェルの内面の位置が略一致するべく屈曲されていることが好ましい。
【0021】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、シェルが、複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と、当該シェルの内面の位置が略一致するべく屈曲されているため、チューブにおける排気ガスの流通がシェルによって妨げられることを防止することができる。
【0022】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記シェルが、前記車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、前記シェルの高い側の端部において前記排気ガスを導通させる筒状の排気管を更に備え、前記ヘッダープレートが、その外周部が、前記チューブと離間する側に延設された筒状の延設部を備え、前記排気管が、そのチューブ側の端面が、前記延設部に嵌合されて固定されることが好ましい。
【0023】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、シェルが、車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、前記シェルの高い側の端部において排気ガスを導通させる筒状の排気管を備え、ヘッダープレートの外周部が、チューブと離間する側に延設された筒状の延設部を備え、前記排気管の前記チューブ側の端面が、前記延設部に嵌合されて固定されるため、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0024】
すなわち、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間で生成された凝縮水は、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブを通って、シェルの低い側の下側端部まで移動し、排気ガスに晒されて蒸発してしまうので、シェルとヘッダープレートのチューブと離間する側の端面との間に凝縮水が滞留することを防止することができるのである。
【0025】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記排気管が、その下部の上面位置が、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と上下方向に略一致するべく配設されていることが好ましい。
【0026】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、排気管の下部の上面位置が、複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と上下方向に略一致するべく配設されているため、チューブにおける排気ガスの流通が排気管によって妨げられることを防止することができる。また、排気管の下部の上面位置と、複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と、の間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0027】
また、本発明に係る排気冷却装置は、前記ヘッダープレートが、アルミニウム又は樹脂からなることが好ましい。
【0028】
かかる構成を備える排気冷却装置によれば、ヘッダープレートが、アルミニウム又は樹脂からなるため、従来と比較して、その厚みを大きくする(例えば、3mmにする)ことができるので、移動規制部を容易に形成することができる。
【0029】
すなわち、ヘッダープレートは、従来は、ステンレス(SUS304等)から構成されていたため、重量の制約からその厚み(例えば、1mm)を大きくすることができなかった。これに対して、ヘッダープレートを、アルミニウム又は樹脂で構成することによって、その厚みを大きくする(例えば、3mmにする)ことができるので、移動規制部を容易に形成することができるのである。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る排気冷却装置によれば、複数のチューブの軸方向の端面が、それぞれ、支持孔においてヘッダープレートの厚み方向の両端間に位置するべく配設されるため、複数のチューブの軸方向の端面がヘッダープレートに形成された支持孔から突出していないので、チューブの外周面の間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るEGRクーラが適用される内燃機関システムの一例を示す概念図である。
【図2】本発明に係るEGRクーラの一例を示す縦断面図である。
【図3】図2のEGRクーラの一例を示す横断面図である。
【図4】図2に示すEGRクーラの特徴的構成の一例を示す拡大縦断面図である。
【図5】本発明に係るEGRクーラの他の一例を示す縦断面図である。
【図6】図5に示すEGRクーラの特徴的構成の一例を示す拡大縦断面図である。
【図7】従来のEGRクーラの一例を示す縦断面図である。
【図8】従来のEGRクーラの一例を示す横断面図である。
【図9】図7、図8に示すEGRクーラに凝縮水が滞留することを示す拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
−内燃機関システム100の構成−
図1は、本発明に係るEGRクーラが適用される内燃機関システム100の一例を示す概念図である。まず、内燃機関システム100の概略構成について、以下に図1を参照して説明する。図1に示す内燃機関システム100は、エンジン1、吸気マニホールド21、排気マニホールド22、排気循環装置3、及び、ターボチャージャ7を備えている。ここで、エンジン1は「内燃機関」に相当する。
【0034】
エンジン1は、ここでは、直列型4気筒ガソリンエンジンとして構成されている。エンジン1は、シリンダブロックとシリンダヘッドとを備え、シリンダブロックの内部には、4つの燃焼室11が形成されている。シリンダヘッドには、燃焼室11に吸気を供給する吸気ポート及び燃焼室11内で発生した排気ガスを外部に排出する排気ポートが形成されている。本実施形態においては、エンジン1が直列型4気筒ガソリンエンジンである場合について説明するが、エンジン1は、ディーゼルエンジン等のその他の種類のエンジンであってもよいし、エンジン1の型式、気筒数についても、その他の形式、その他の気筒数である形態でもよい。
【0035】
エンジン1のシリンダヘッドに形成された吸気ポートには、吸気マニホールド21を介して吸気通路が接続されている。また、エンジン1のシリンダヘッドに形成された排気ポートには、排気マニホールド22を介して排気通路が接続されている。
【0036】
排気循環装置3は、エンジン1から排気マニホールド22を介して吸気通路に排出された排気ガスをEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスとして吸気通路に再び戻すことによって燃焼温度を低下させ、NOxの排出量を低減するものである。排気循環装置3において、EGRガスは、排気通路と吸気通路とを接続する排気循環通路4を通じて吸気通路へ戻されるべく構成されている。
【0037】
また、排気循環通路4には、EGRガスと冷却水とを熱交換させることでEGRガスを冷却するEGRクーラ5が介設されている。EGRガスは、排気通路から排気循環通路4を通じて吸気通路に戻される際に、EGRクーラ5によって冷却される。ここで、EGRクーラ5は、特許請求の範囲に記載の「排気冷却装置」に相当する。なお、EGRクーラ5は、車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、ここでは、EGRクーラ5は、EGRクーラ5中のEGRガスの流れについて下流側(EGRバルブ6側)が、上流側(排気通路側)よりも高い位置に配設されている場合について説明する。
【0038】
更に、排気循環通路4には、EGRクーラ5の下流側にEGRバルブ6が配設されている。EGRバルブ6は、排気通路から排気循環通路4を通じて吸気通路に戻される排気再循環量を調整するバルブである。EGRバルブ6は、図略のECU(Electronic Control Unit)からの指示に基づいて、その開度が調整される。
【0039】
ターボチャージャ7は、タービンシャフトによってタービンとコンプレッサとが一体回転可能に構成されたものであって、排気ガスのエネルギによってタービンが回転駆動され、タービンの回転力がタービンシャフトを介してコンプレッサに伝達されることによって、コンプレッサが回転駆動されて、過給動作を行うものである。
【0040】
−従来のEGRクーラ5Bの構成−
つぎに、従来のEGRクーラ5Bの構成について、図7、図8を参照して説明する。図7は、従来のEGRクーラ5Bの一例を示す縦断面図である。図8は、従来のEGRクーラ5Bの一例を示す横断面図であって、図7におけるC−C断面図である。なお、EGRクーラ5Bは、図1に示す内燃機関システム100のEGRクーラ5の位置に配設される。
【0041】
図7に示すように、EGRクーラ5Bは、シェル51B、チューブ52B、ヘッダープレート53B、入側ガス通路54B、及び、出側ガス通路55Bを備えている。チューブ52Bは、その内部に排気ガス(EGRガス)を導通させるものであって、ここでは、図7、図8に示すように、断面形状が方形環状の3本の管状体である。なお、EGRクーラ5Bは、EGRクーラ5B中のEGRガスの流れについて下流側(図7の右側)が、上流側(図7の左側)よりも高い位置に、車両の水平軸に対して角度θBだけ傾斜して配設されている。
【0042】
シェル51Bは、3本のチューブ52Bが収納され、冷却水が流通可能に構成された筒状体である。冷却水は、例えば、図7の左下側に形成された図略の流入口から流入し、3本のチューブ52Bの外周を順次経由して、図7の右上側に形成された図略の流出口から流出する。このように、冷却水が流動することによって、チューブ52B内を導通されるEGRガスとの熱交換を促進する。
【0043】
ヘッダープレート53Bは、シェル51B内の両端部にそれぞれ配置され、冷却水のシェル51Bからの流出を阻止する2枚の板状部材である。また、ヘッダープレート53Bは、3本のチューブ52Bの両端部が、それぞれ、貫通されて支持される支持孔531Bが形成されている。
【0044】
入側ガス通路54Bは、一方側端部(図7では、左側端部)が、排気循環通路4に接続され、排気マニホールド22を介して排気循環通路4に排出された排気ガス(EGRガス)が流入する通路である。入側ガス通路54Bに流入したEGRガスは、チューブ52B内を導通されて出側ガス通路55Bへ流出する。
【0045】
出側ガス通路55Bは、一方側端部(図7では、右側端部)が、排気循環通路4に接続され、チューブ52B内を導通されたEGRガスが流入する通路である。出側ガス通路55Bに流入したEGRガスは、EGRバルブ6を介して吸気マニホールド21へ流出する。なお、EGRクーラ5Bを構成するシェル51B、チューブ52B、ヘッダープレート53B、入側ガス通路54B、及び、出側ガス通路55Bは、ここでは、全てステンレス(例えば、SUS304等)からなるものである。
【0046】
図9は、図7、図8に示すEGRクーラ5Bに凝縮水が滞留することを示す拡大縦断面図である。図9(a)は、図7に示す領域B1を拡大したものであって、図9(b)は、図7に示す領域B2を拡大したものである。図9(a)に示すように、上側のチューブ52Bの下面と、下側のチューブ52Bの上面と、に挟まれた領域であって、ヘッダープレート53Bの冷却水と離間する側(ここでは、右側)の端面に接した状態で、凝縮水Wが滞留する場合がある。このように凝縮水Wが滞留すると、凝縮水Wと接触しているチューブ52B及びヘッダープレート53Bが腐食される虞がある。
【0047】
また、図1を用いて上述のように、EGRクーラ5Bは、EGRクーラ5B中のEGRガスの流れについて下流側(EGRバルブ6側)が、上流側(排気通路側)よりも高い位置に配設されているため、図9(b)に示すように、シェル51Bの内側面(上面)と、最下側のチューブ52Bの下面と、に挟まれた領域であって、ヘッダープレート53Bの冷却水と離間する側(ここでは、右側)の端面に接した状態で、凝縮水Wが滞留する場合がある。このように凝縮水Wが滞留すると、凝縮水Wと接触しているチューブ52B、ヘッダープレート53B、及び、シェル51Bが腐食される虞がある。
【0048】
−本発明の第1実施形態に係るEGRクーラ5の構成−
つぎに、本発明の第1実施形態に係るEGRクーラ5の構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係るEGRクーラ5の一例を示す縦断面図である。図3は、図2のEGRクーラの一例を示す横断面図であって、図2におけるA−A断面図、B−B断面図である。
【0049】
図2に示すように、EGRクーラ5は、シェル51、チューブ52、ヘッダープレート53、入側ガス通路54、及び、出側ガス通路55を備えている。チューブ52は、その内部に排気ガス(EGRガス)を導通させるものであって、ここでは、図2、図3に示すように、扁平な方形の断面形状を有する管状体である。なお、EGRクーラ5は、EGRクーラ5中のEGRガスの流れについて下流側(図2の右側)が、上流側(図2の左側)よりも高い位置に、車両の水平軸に対して角度θだけ傾斜して配設されている。
【0050】
シェル51は、3本のチューブ52が収納され、冷却水が流通可能に構成された断面形状が方形環状の筒状体である。冷却水は、例えば、図2の左下側に形成された図略の流入口から流入し、3本のチューブ52の外周を順次通過して、図2の右上側に形成された図略の流出口から流出する。このように、冷却水が流動することによって、チューブ52内を導通されるEGRガスとの熱交換を促進する。
【0051】
本実施形態では、シェル51に3本のチューブ52が収納される場合について説明するが、シェル51に複数のチューブ52が収納される形態であればよい。例えば、シェル51に2本のチューブ52が収納される形態でもよいし、シェル51に4本以上のチューブ52が収納される形態でもよい。
【0052】
また、本実施形態では、シェル51及びチューブ52が扁平な方形の断面形状を有する管状体である場合について説明するが、シェル51及びチューブ52の少なくとも一方の断面形状が、円環状である形態でもよい。
【0053】
ヘッダープレート53は、シェル51内の両端部にそれぞれ配置され、冷却水のシェル51からの流出を阻止する2枚の板状部材である。また、ヘッダープレート53は、3本のチューブ52の両端部が、それぞれ、嵌合されて支持される支持孔531が形成されている。なお、3本のチューブ52の軸方向の端面は、それぞれ、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向の両端間に位置するべく配設される(図4(a)参照)。
【0054】
入側ガス通路54は、一方側端部(図2では、左側端部)が、排気循環通路4に接続され、排気マニホールド22を介して排気循環通路4に排出された排気ガス(EGRガス)が流入する通路である。入側ガス通路54に流入したEGRガスは、チューブ52内を導通されて出側ガス通路55へ流出する。
【0055】
出側ガス通路55は、一方側端部(図2では、右側端部)が、排気循環通路4に接続され、チューブ52内を導通されたEGRガスが流入する通路である。出側ガス通路55に流入したEGRガスは、EGRバルブ6を介して吸気マニホールド21へ流出する。なお、本実施形態では、入側ガス通路54、及び、出側ガス通路55は、溶接、溶着等によってシェル51と一体に形成されている。また、EGRクーラ5を構成するシェル51、チューブ52、ヘッダープレート53、入側ガス通路54、及び、出側ガス通路55は、全て、例えば、アルミニウム又は樹脂からなるものである。
【0056】
このようにして、ヘッダープレート53が、アルミニウム又は樹脂からなるため、従来のEGRクーラ5B(図7〜図9参照)と比較して、その厚みを大きくする(例えば、3mmにする)ことができるので、移動規制部532(図4参照)を容易に形成することができる。
【0057】
すなわち、ヘッダープレート53は、従来は、ステンレス(SUS304等)から構成されていたため、重量の制約からその厚みを大きくすることができなかった。これに対して、ヘッダープレート53を、アルミニウム又は樹脂で構成することによって、その厚みを大きくする(例えば、3mmにする)ことができるので、移動規制部532を容易に形成することができるのである。
【0058】
本実施形態では、ヘッダープレート53が、アルミニウム又は樹脂からなる場合について説明するが、ヘッダープレート53が、アルミニウム合金等からなる形態でもよい。すなわち、ヘッダープレート53は、耐熱性、耐食性に優れ、比重がステンレス(SUS304等)より小さい材料からなる形態であればよい。
【0059】
図4は、図2に示すEGRクーラ5の特徴的構成の一例を示す拡大縦断面図である。図4(a)は、図2に示す領域A1を拡大したものであって、図4(b)は、図2に示す領域A2を拡大したものである。図2に示すように、複数の(ここでは、3本の)チューブ52の軸方向の端面は、それぞれ、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向の両端間に位置するべく配設される。ここでは、図4(a)に示すように、チューブ52の軸方向の端面は、ヘッダープレート53の厚み方向(図4(a)の左右方向)の略中央に位置するべく配設されている。
【0060】
このようにして、3本のチューブ52の軸方向の端面が、それぞれ、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向の両端間(ここでは、ヘッダープレート53の厚み方向の略中央位置)に位置するべく配設されるため、チューブ52の軸方向の端面がヘッダープレート53に形成された支持孔531から突出していないので、チューブ52の外周面の間に凝縮水が滞留すること(図8(a)参照)を防止することができる。
【0061】
本実施形態では、チューブ52の軸方向の端面が、ヘッダープレート53の厚み方向の略中央に位置するべく配設される場合について説明するが、チューブ52の軸方向の端面が、ヘッダープレート53の厚み方向の両端間に位置するべく配設される形態であればよい。ただし、車両の振動に伴うEGRクーラ5の振動、EGRクーラ5の熱膨張、熱収縮等によって、チューブ52がヘッダープレート53の支持孔531から抜け落ちることを防止するために、チューブ52の軸方向の端面は、ヘッダープレート53に形成された支持孔531に深く(図4(a)ではヘッダープレート53の右側端面の近傍まで)挿入されているほうが好ましい。
【0062】
また、図4(a)に示すように、ヘッダープレート53は、チューブ52の軸方向の端面と当接して、チューブ52の軸方向の移動を規制する移動規制部532を備えている。具体的には、移動規制部532は、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材からなる。支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材(すなわち、移動規制部532)のチューブ52側の端面532aは、チューブ52と当接して、チューブ52の軸方向の移動を規制する。また、移動規制部532は、ヘッダープレート53の厚み方向と直交する方向にチューブ52の厚みに相当する高さh1を有する。
【0063】
このようにして、移動規制部532が、支持孔531においてヘッダープレート53の厚み方向と直交する方向(図4(a)では、上下方向)に立設された壁状部材からなるため、複数の(ここでは、3本の)チューブ52が軸方向(図4(a)では、左右方向)に移動することを簡素な構成で確実に防止することができる。
【0064】
本実施形態では、移動規制部532が壁状部材からなる場合について説明するが、移動規制部532がその他の形態でもよい。例えば、移動規制部532が、例えば、ヘッダープレート53の厚み方向と直交する方向に突出して形成された半球状の(又は、四角錐状の)凸部材である形態でもよい。なお、この凸部材は、支持孔531の周面に沿って複数個(例えば、4個)配設されている形態でもよい。
【0065】
また、移動規制部532が、ヘッダープレート32の厚み方向と直交する方向(図4(a)では、上下方向)にチューブ52の厚みに相当する高さh1を有するため、移動規制部532の内周面とチューブ52の内周面との段差がないので、移動規制部532とチューブ52との間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0066】
本実施形態では、移動規制部532がチューブ52の厚みに相当する高さh1を有する壁状部材からなる場合について説明するが、移動規制部532がチューブ52の厚みより大きい(又は小さい)高さh1を有する壁状部材からなる形態でもよい。この場合には、移動規制部532の内周面とチューブ52の内周面との段差はあるが、この箇所は、EGRガスの通路の一部であるから、凝縮水が滞留する虞は少ないし、凝縮水が滞留する場合であっても、EGRガスによって短時間で蒸発され、腐食に至る可能性は少ない。
【0067】
図4(b)に示すように、シェル51は、その高い側(図4(b)では、右側)の下側端部において、ヘッダープレート53のチューブ52と離間する側の(図4(b)では、右側の)端面に沿って(ここでは、上向きに直角に)屈曲されている。
【0068】
このようにして、シェル51が、車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、シェル51が、その高い側(図4(b)では、右側)の下側端部において、ヘッダープレート53のチューブ52と離間する側の(図4(b)では、右側の)端面に沿って(ここでは、上向きに直角に)屈曲されているため、排気ガスがEGRクーラ5で冷却されて発生した凝縮水がヘッダープレート53の端部に溜まることを抑制することができる。
【0069】
すなわち、出側ガス通路55内の凝縮水は、複数の(ここでは、3本の)チューブ52のうち最下端に配設されたチューブ52を通って、シェル51の低い側(ここでは、左側の下側端部まで移動し、排気ガス(EGRガス)に晒されて蒸発してしまうので、シェル51とヘッダープレート53の複数の(ここでは、3本の)チューブ52と離間する側の端面との間に凝縮水が滞留する(図9(b)参照)ことを防止することができるのである。
【0070】
本実施形態では、シェル51が、その高い側(図4(b)では、右側)の下側端部において、ヘッダープレート53のチューブ52と離間する側の(図4(b)では、右側の)端面に沿って屈曲されている場合について説明するが、シェル51と、高い側(図4(b)では、右側)の下側端部のヘッダープレート53とが一体に形成されている形態でもよい。この場合には、EGRクーラ5の構造を簡略化することができる。
【0071】
また、シェル51は、複数の(ここでは、3本の)チューブ52のうち最下端に配設されたチューブ52の下部の上面521位置と、シェル51の内面551の位置が上下方向に一致するべく屈曲されている。
【0072】
このようにして、シェル51が、複数の(ここでは、3本の)チューブ52のうち最下端に配設されたチューブ52の下部の上面521位置と、シェル51(ここでは、出側ガス通路55)の内面551の位置が上下方向に一致するべく(ここでは、右向きに直角に)屈曲されているため、チューブ52における排気ガス(EGRガス)の流通がシェル51及び出側ガス通路55によって妨げられることを防止することができる。
【0073】
本実施形態では、最下端に配設されたチューブ52の下部の上面521、ヘッダープレート53に形成された移動規制部532の内周面、及び、出側ガス通路55の内面551が、段差なく配設されている場合について説明するが、最下端に配設されたチューブ52の下部の上面521、ヘッダープレート53に形成された移動規制部532の内周面、及び、出側ガス通路55の内面551において、段差がある形態でもよい。ただし、排気ガスの出側(図4(b)では、右側)の部材程、高く形成されていることが好ましい。この場合には、段差の位置で凝縮水が発生することがあっても、EGRクーラ5の傾斜によって、排気ガスの入側(図4(b)では、左側)へ凝縮水が流動し、排気ガスの熱によって凝縮水が蒸発されるため、腐食に至る可能性は極めて低い。
【0074】
−本発明の第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの構成−
つぎに、本発明の第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの構成について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの一例を示す縦断面図である。
【0075】
図5に示すように、第2実施形態に係るEGRクーラ5Aは、第1実施形態に係るEGRクーラ5と同様に、シェル51A、チューブ52A、ヘッダープレート53A、及び、出側ガス通路55Aを備えている。ここで、出側ガス通路55Aは、特許請求の範囲に記載の「排気管」に相当する。以下の説明においては、第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの構成のうち、第1実施形態に係るEGRクーラ5の構成と相違する点について詳細に説明し、共通する構成についてはその説明を簡略化する。なお、EGRクーラ5Aは、EGRクーラ5A中のEGRガスの流れについて下流側(図5の右側)が、上流側(図5の左側)よりも高い位置に、車両の水平軸に対して角度θAだけ傾斜して配設されている。
【0076】
まず、第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの構成のうち、第1実施形態に係るEGRクーラ5の構成と共通する構成について、図6(a)を参照して簡単に説明する。図6は、図5に示すEGRクーラ5Aの特徴的構成の一例を示す拡大縦断面図である。図6(a)は、図5に示す領域A3を拡大したものであって、図6(b)は、図5に示す領域A4を拡大したものである。図6(a)に示すように、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aの軸方向の端面は、第1実施形態に係るEGRクーラ5と同様に、それぞれ、支持孔531Aにおいてヘッダープレート53Aの厚み方向の両端間に位置するべく配設される。ここでは、チューブ52Aの軸方向の端面は、ヘッダープレート53Aの厚み方向(図6(a)の左右方向)の略中央に位置するべく配設されている。
【0077】
また、図6(a)に示すように、第1実施形態に係るEGRクーラ5と同様に、ヘッダープレート53Aは、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aの軸方向の端面と当接して、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aの軸方向の移動を規制する移動規制部532Aを備えている。具体的には、移動規制部532Aは、支持孔531Aにおいてヘッダープレート53Aの厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材からなる。また、第1実施形態に係るEGRクーラ5と同様に、移動規制部532Aは、ヘッダープレート53Aの厚み方向と直交する方向にチューブ52Aの厚みに相当する高さh2を有する。
【0078】
つぎに、第2実施形態に係るEGRクーラ5Aの構成のうち、第1実施形態に係るEGRクーラ5の構成と相違する構成について、図5、図6(b)を参照して説明する。図5に示すように、第1実施形態に係るEGRクーラ5では、出側ガス通路55が、溶接等によってシェル51と一体に形成されている(図2参照)のに対して、第2実施形態に係るEGRクーラ5Aでは、出側ガス通路55Aのチューブ52A側(ここでは、左側)の端面551Aが、ヘッダープレート53の延設部533Aに嵌合されて固定される点で相違している。
【0079】
ヘッダープレート53Aは、その外周部が、チューブ52Aと離間する側(ここでは、図5の右側)に延設された筒状の延設部533Aを備える。換言すれば、延設部533Aは、ヘッダープレート53Aの外周に沿って、出側ガス通路55A側(ここでは、図5の右側)へ筒状に突出して形成されている。また、ヘッダープレート53Aと、延設部533Aとは一体に形成されている。ただし、ヘッダープレート53Aが延設部533Aと一体に形成されていない形態でもよい。
【0080】
また、上述のように、出側ガス通路55Aのチューブ52A側(ここでは、左側)の端面は、ヘッダープレート53Aの延設部533Aに嵌合されて固定されている。
【0081】
シェル51Aは、車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、シェル51Aの高い側の端部において排気ガスを導通させる筒状の出側ガス通路55Aを備え、ヘッダープレート53Aの外周部が、チューブ52Aと離間する側に延設された筒状の延設部533Aを備え、出側ガス通路55Aのチューブ52A側(図5、図6(b)では、左側)の端面が、延設部533Aに嵌合されて固定されるため、排気ガスがEGRクーラ5で冷却されて発生した凝縮水がヘッダープレート53の端部に溜まることを抑制することができる。
【0082】
すなわち、排気ガスがEGRクーラ5で冷却されて発生した凝縮水は、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aのうち最下端に配設されたチューブ52Aを通って、図略の入側排気ガス通路の下側端部まで移動する間に、排気ガスに晒されて蒸発してしまうので、排気ガスがEGRクーラ5で冷却されて発生した凝縮水がヘッダープレート53の端部に溜まることを抑制することができるのである。
【0083】
本実施形態では、延設部533Aが、ヘッダープレート53Aと一体に形成されている場合について説明するが、延設部533Aが、シェル51A又は出側ガス通路55Aと一体に形成されている形態でもよい。
【0084】
また、図6(b)に示すように、出側ガス通路55Aが、その下部の上面551A位置が、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aのうち最下端に配設されたチューブ52Aの下部の上面521A位置と上下方向に一致するべく配設されている。
【0085】
このようにして、出側ガス通路55Aの下部の上面551A位置が、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aのうち最下端に配設されたチューブ52Aの下部の上面521A位置と上下方向に一致するべく配設されているため、チューブ52Aにおける排気ガスの流通が出側ガス通路55Aによって妨げられることを防止することができる。また、出側ガス通路55Aの下部の上面551A位置と、複数の(ここでは、3本の)チューブ52Aのうち最下端に配設されたチューブの52A下部の上面521A位置と、の間に凝縮水が滞留することを防止することができる。
【0086】
すなわち、図6(b)に示すように、最下端に配設されたチューブ52Aの下部の上面521A、ヘッダープレート53Aに形成された移動規制部532Aの内周面、及び、出側ガス通路55Aの下部の上面551Aが、段差なく略面一に配設されているため、ヘッダープレート53Aに形成された移動規制部532Aの内周面と出側ガス通路55Aの下部の上面551Aとの間に凝縮水が滞留することがなく、排気ガスがEGRクーラ5で冷却されて発生した凝縮水をチューブ52A内に流入させることができるのである。
【0087】
本実施形態では、最下端に配設されたチューブ52Aの下部の上面521A、ヘッダープレート53Aに形成された移動規制部532Aの内周面、及び、出側ガス通路55Aの下部の上面551Aが、段差なく配設されている場合について説明するが、最下端に配設されたチューブ52Aの下部の上面521A、ヘッダープレート53Aに形成された移動規制部532Aの内周面、及び、出側ガス通路55Aの下部の上面551Aにおいて、段差がある形態でもよい。ただし、排気ガスの出側(図6(b)では、右側)の部材程、高く形成されていることが好ましい。この場合には、段差の位置で凝縮水が発生することがあっても、EGRクーラ5Aの傾斜によって、排気ガスの入側(図6(b)では、左側)へ凝縮水が流動し、排気ガスの熱によって凝縮水が蒸発されるため、腐食に至る可能性は極めて低い。
【0088】
−他の実施形態−
第1実施形態、第2実施形態では、排気冷却装置がEGRクーラである場合について説明したが、排気冷却装置が車両に搭載された内燃機関の排気ガスを冷却水と熱交換させることで冷却するものである形態であればよい。例えば、排気冷却装置が、排気ガスの熱を回収する熱回収装置である形態でもよい。
【0089】
第1実施形態、第2実施形態では、EGRクーラ5、5Aは、EGRクーラ5、5A中のEGRガスの流れについて下流側(EGRバルブ6側)が、上流側(排気通路側)よりも高い位置に配設されている場合について説明したが、逆に、下流側(EGRバルブ6側)が、上流側(排気通路側)よりも低い位置に配設されている形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、車両に搭載された内燃機関の排気ガスを冷却水と熱交換させることで冷却する排気冷却装置に利用可能である。特に、EGRクーラに利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
100 内燃機関システム
1 エンジン
3 排気循環装置
4 排気循環通路
5、5A EGRクーラ(排気冷却装置)
51、51A シェル
52、52A チューブ
53、53A ヘッダープレート
531、531A 支持孔
532、532A 移動規制部
533A 延設部
54 入側ガス通路
55、55A 出側ガス通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された内燃機関の排気ガスを冷却水と熱交換させることで冷却する排気冷却装置であって、
前記排気ガスを導通させる複数のチューブと、
前記複数のチューブが収納され、前記冷却水が流通可能に構成された筒状のシェルと、
前記シェル内の端部に配置され、前記冷却水の前記シェルからの流出を阻止するヘッダープレートと、を備え、
前記ヘッダープレートは、前記複数のチューブの端部が、それぞれ、嵌合されて支持される支持孔が形成され、
前記複数のチューブは、その軸方向の端面が、それぞれ、前記支持孔において前記ヘッダープレートの厚み方向の両端間に位置するべく配設されることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気冷却装置において、
前記ヘッダープレートは、前記複数のチューブの軸方向の端面と当接して、前記複数のチューブの軸方向の移動を規制する移動規制部を備えていることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の排気冷却装置において、
前記移動規制部は、前記支持孔において前記ヘッダープレートの厚み方向と直交する方向に立設された壁状部材からなることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項4】
請求項3に記載の排気冷却装置において、
前記移動規制部は、前記ヘッダープレートの厚み方向と直交する方向に前記チューブの厚みに相当する高さを有することを特徴とする排気冷却装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の排気冷却装置において、
前記シェルは、前記車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、
前記シェルは、その高い側の下側端部において、前記ヘッダープレートの前記チューブと離間する側の端面に沿って屈曲されていることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項6】
請求項5に記載の排気冷却装置において、
前記シェルは、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と、当該シェルの内面の位置が略一致するべく屈曲されていることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の排気冷却装置において、
前記シェルは、前記車両の水平軸に対して傾斜して配設されており、
前記シェルの高い側の端部において前記排気ガスを導通させる筒状の排気管を更に備え、
前記ヘッダープレートは、その外周部が、前記チューブと離間する側に延設された筒状の延設部を備え、
前記排気管は、その前記チューブ側の端面が、前記延設部に嵌合されて固定されることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記載の排気冷却装置において、
前記排気管は、その下部の上面位置が、前記複数のチューブのうち最下端に配設されたチューブの下部の上面位置と上下方向に略一致するべく配設されていることを特徴とする排気冷却装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の排気冷却装置において、
前記ヘッダープレートは、アルミニウム又は樹脂からなることを特徴とする排気冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−24109(P2013−24109A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158763(P2011−158763)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】