説明

排気管センサの加熱制御装置

【課題】排気管内の凝縮水の発生を正確に検出して排気管センサの加熱状態を制御することで排気管センサを保護する排気管センサの加熱制御装置を提供する。
【解決手段】加熱手段22aで加熱されるセンサ素子22を備えた排気管センサ20と、排気管10の内壁面の温度を推定する壁面温度推定手段30と、推定内壁面温度に基づいて排気管10の内壁面に液水が付着しているか否かを判定する液水付着判定手段(S104,S106)と、エンジン始動後に液水付着判定手段(S104)で排気管内壁面に液水が付着していると判定したときは加熱手段22aを停止して(S105)、液水付着判定手段(S104)で排気管内壁面に液水が付着しなくなったら加熱手段22aを通常加熱モードにしてセンサ素子22を活性化する活性化手段(S107)と、通常加熱モードのときに液水付着判定手段(S106)で排気管内壁面に液水が付着するようになったら低加熱モードにして加熱手段の加熱量を低減する加熱量低減手段(S109)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、O2センサ、空燃比センサなどのように内燃機関の排気管に配置されるセンサ(以下「排気管センサ」という)の加熱状態を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排気管センサはエンジン始動後短時間で作動できるように、内蔵ヒータの加熱によって早期活性化を図っている。
【0003】
排ガスは高温であるので、通常排ガス中の水分は水蒸気として存在し、液体の水分(以下「液水」という)は存在しない。しかし例えば低温下でアイドル状態を継続した場合などは排ガス中の水蒸気が凝結して液水(凝縮水)になることがある。この凝縮水にセンサ素子が被水すると急激な温度変化が生じてセンサ素子が破損するおそれがある。
【0004】
そこで例えば特許文献1では排気管内の水たまり部位に温度センサを取り付けて水温を測定することで、排気管内の液水の存在を推定している。
【特許文献1】実開平5−47379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した従来装置では、排気管内の水たまり部位に溜まっている水温を測定するので、エンジン稼働中に水が発生し始める状況を判断することができない。そのためセンサ素子の破損を防ぎきることができない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、排気管内の凝縮水の発生を正確に検出して排気管センサの加熱状態を制御することで排気管センサを破損から保護する排気管センサの加熱制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0008】
本発明は、エンジンの排気管(10)に設けられ、加熱手段(22a)で加熱されるセンサ素子(22)を備えた排気管センサ(20)と、前記排気管(10)の内壁面の温度を推定する壁面温度推定手段(30)と、前記壁面温度推定手段(30)で推定した排気管内壁面温度に基づいて、前記排気管(10)の内壁面に液水が付着しているか否かを判定する液水付着判定手段(ステップS104,S106)と、エンジン始動後に、前記液水付着判定手段(ステップS104)で排気管内壁面に液水が付着していると判定したときは、前記加熱手段(22a)を停止して(ステップS105)、前記液水付着判定手段(ステップS104)で排気管内壁面に液水が付着しなくなったことを判定したら、前記加熱手段(22a)を通常加熱モードにして前記センサ素子(22)を活性化するセンサ活性化手段(ステップS107)と、前記通常加熱モードのときに、前記液水付着判定手段(ステップS106)で排気管内壁面に液水が付着するようになったことを判定したときは、低加熱モードにして前記加熱手段の加熱量を低減するセンサ加熱量低減手段(ステップS109)とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排気管内壁面の温度を推定して、その温度に基づいて排気管の内壁面に液水が付着しているか否かを判定する液水付着判定手段を有し、エンジン始動後に排気管内壁面に液水が付着しなくなったことを判定したら加熱手段を通常加熱モードにしてセンサ素子を活性化し、通常加熱モードのときに排気管内壁面に液水が付着するようになったことを判定したときは低加熱モードにして加熱手段の加熱量を低減するようにした。このようにしたので、発生した液水にセンサ素子が万一被水しても温度変化を小さく抑えることができ、センサ素子の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明による排気管センサの加熱制御装置の第1実施形態を示す図である。
【0011】
排気管センサの加熱制御装置1は、測温センサ30と、コントローラ40とを有し、排気管10に取り付けられた排気管センサ20に内蔵されたヒータ線22a(図2参照)の発熱量を制御する装置である。
【0012】
ここで図2を参照して排気管センサ20の構成について説明する。
【0013】
排気管センサ20は、ハウジング21の中心に配置されたセンサ素子22を有する。センサ素子22の内部にはヒータ線22aが埋め込まれている。センサ素子22はプロテクタ23で保護されている。なおプロテクタ23には排ガスを通流可能な通気孔23aが形成されている。排気管センサ20は、この内蔵ヒータ22aの加熱によって早期活性化が図られるとともに、一旦活性化した後は活性状態を維持してセンサ精度を向上する。
【0014】
再び図1に戻る。測温センサ30は、排気管10の外側であって排気管センサ20の直下に取り付けられている。コントローラ40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。なおコントローラ40を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。コントローラ40は、測温センサ30の検出値に基づいて排気管センサ20の内蔵ヒータ22aの発熱量を制御する。
【0015】
ここでコントローラ40の制御概要について説明する。
【0016】
排ガスは高温であるので、通常、排ガス中の水分は水蒸気として存在し、液水は存在しない。しかし例えば低温下でアイドル状態を継続した場合などは排ガス中の水蒸気が凝結水になることがある。この凝縮水に内蔵ヒータ22aで加熱されて活性状態の維持されているセンサ素子22が被水すると急激な温度変化が生じてセンサ素子22が破損するおそれがある。
【0017】
そこで本発明は、液水の発生の有無を検出し、液水が発生するときには、その液水にセンサ素子22が万一被水しても大きな温度変化が生じないように内蔵ヒータ22aによる加熱量を低下することで、センサ素子22の破損を防止しようとするものである。
【0018】
以下では、コントローラ40の具体的な制御について図3のフローチャートに沿って説明する。なお本ルーチンはエンジン稼働中に一定時間ごとに(例えば100ミリ秒ごとに)繰り返し実行されている。
【0019】
ステップS101では、測温センサ30の出力値である排気管温度Tを読み込む。
【0020】
ステップS102では、内蔵ヒータ22aが低加熱モードであるか否かを判定する。
【0021】
ステップS103では、内蔵ヒータ22aが通常加熱モードであるか否かを判定する。
【0022】
ステップS104では、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きいか否かを判定する。なお水分蒸発判定温度T1とは排気管10の中の水分が蒸気になっていると判定できる温度である。これは排気管10の大きさや材質等によっても変わるので、あらかじめ実験によって適合させておくことが必要であるが、例えば水の沸点よりも高温である120℃に設定しておく。
【0023】
ステップS105では、内蔵ヒータ22aの通電を行わない。
【0024】
ステップS106では、排気管温度Tが凝縮水発生温度T2よりも小さいか否かを判定する。なお凝縮水発生温度T2とは排気管10の中の蒸気が凝縮水となると判定できる温度である。これは排気管10の大きさや材質等によっても変わるので、あらかじめ実験によって適合させておくことが必要であるが、例えば図4に示した実験結果に基づいてT2=70℃としておく。
【0025】
ステップS107では、内蔵ヒータ22aを通常加熱モードとして通電を行う。
【0026】
ステップS108では、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きいか否かを判定する。
【0027】
ステップS109では、内蔵ヒータ22aを低加熱モードとして通電を行う。具体的にはセンサ素子22の温度が200℃程度以下になるように内蔵ヒータ22aの加熱量を低減する。
【0028】
ステップS110では、内蔵ヒータ22aを通常加熱モードとして通電を行う。
【0029】
次に本制御の作用について説明する。
【0030】
エンジン始動後、測温センサ30によって排気管温度Tを読み込み(ステップS101)、ヒータが低加熱モードであるか(ステップS102)、ヒータが通常加熱モードであるかを判定し(ステップS103)、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きくなるまでは(ステップS104)、排ガス中に液水が存在する可能性があるので、ヒータをOFFしておく(ステップS105)。そしてエンジン始動後排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きくなるまで、ステップS101→S102→S103→S104→S105を繰り返す。
【0031】
排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きくなったら(ステップS104にてY)、排ガス中に液水が存在しなくなったので、ヒータを通常加熱モードして通電する(ステップS107)。そして排気管温度Tが凝縮水発生温度T2よりも大きいときは、ステップS101→S102→S103→S106→S107を繰り返す。
【0032】
排気管温度Tが凝縮水発生温度T2よりも小さくなったら(ステップS106にてY)、排ガス中に凝縮水が存在する可能性があるので、ヒータを低加熱モードして通電する(ステップS109)。そして排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも小さいときは、ステップS101→S102→S108→S109を繰り返す。
【0033】
排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1よりも大きくなったら(ステップS108にてY)、排ガス中に液水が存在しなくなったので、再度ヒータを通常加熱モードして通電する(ステップS110)。
【0034】
本実施形態によれば、排気管温度Tが凝縮水発生温度T2よりも低下したときには、内蔵ヒータ22aによる加熱量を低下するようにしたので、凝縮水が発生して、その凝縮水に万一センサ素子22が被水しても、センサ素子22に大きな温度変化は生じない。そのため、センサ素子22の破損を防止することができるのである。
【0035】
また測温センサ30は排気管10の外側に取り付けられている。したがって構成が簡単であり、コストを安価に抑えることができる。
【0036】
(第2実施形態)
図5は本発明による排気管センサの加熱制御装置の第2実施形態の制御ロジックのフローチャートである。
【0037】
なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0038】
本実施形態では、排気管内に液水が存在しないときに立てる液水不存在フラグを導入し、そのフラグをエンジン停止中もメモリしておくようにした。このようにすることで、今回エンジン始動時にヒータを迅速に加熱するようにした。
【0039】
以下では、本実施形態におけるコントローラ40の具体的な制御について図5のフローチャートに沿って説明する。なお本ルーチンはエンジン稼働中に一定時間ごとに(例えば100ミリ秒ごとに)繰り返し実行されている。
【0040】
なお液水不存在フラグは、例えば、図3のセンサ保護制御1(S100ルーチン)において、ステップS105,ステップS109でオフし(すなわち液水は存在する)、ステップS107,ステップS110でオンする(すなわち液水は不存在である)、というようにすればよい。
【0041】
ステップS201では、今回がエンジン始動初回時であるか否かを判定し、今回がエンジン始動初回時であればステップS202へ進み、今回がエンジン始動初回時でなければステップS100のセンサ保護制御1(図3)へ進む。
【0042】
ステップS202では、コントローラのメモリに基づいて前回エンジン停止前に液水不存在フラグがONであるか否かを判定する。液水不存在フラグがOFFのとき(すなわち前回エンジンは液水が存在する状態で停止したとき)は、ステップS100のセンサ保護制御1(図3)へ進む。
【0043】
ステップS203では、測温センサ30の出力値である排気管温度Tを読み込む。
【0044】
ステップS204では、排気管温度Tが凝縮水発生温度T2よりも大きいか否かを判定する。大きいときは、エンジンは前回液水が存在しない状態で停止し、かつ現在も排気温度が凝縮水を発生しない温度のままであるので、ステップS205へ進んで内蔵ヒータ22aを通常加熱モードとして通電を行う。
【0045】
本実施形態によれば、液水不存在フラグを導入し、そのフラグをエンジン停止中もメモリしておくようにしたので、今回エンジン始動時にヒータを迅速に加熱できるようになったのである。
【0046】
(第3実施形態)
図6は本発明による排気管センサの加熱制御装置の第3実施形態の制御ロジックのフローチャートである。なお本ルーチンはエンジン稼働中に一定時間ごとに(例えば100ミリ秒ごとに)繰り返し実行されている。
【0047】
上記実施形態においては、液水不存在フラグを、図3のセンサ保護制御1(S100ルーチン)において、ステップS105,ステップS109でオフし、ステップS107,ステップS110でオンしたが、これとは別ルーチンで液水不存在フラグを設定してもよい。本実施形態は、この液水不存在フラグ設定するためのルーチンである。
【0048】
ステップS301では、測温センサ30の出力値である排気管温度Tを読み込む。
【0049】
ステップS302では、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T3以上であるか否かを判定する。なお水分蒸発判定温度T3とは所定時間継続したときに排気管10の中の水分が蒸気になっていると判定できる温度である。これは排気管10の大きさや材質等によっても変わるので、あらかじめ実験によって適合させておくことが必要であるが、例えば水の沸点よりも高温である110℃に設定しておく。排気管温度Tが水分蒸発判定温度T3よりも小さい間はステップS303へ進み、ステップS303でカウンタをリセットしてゼロにし、ステップS304で液水不存在フラグをオフにする。
【0050】
排気管温度Tが水分蒸発判定温度T3よりも大きくなったらステップS302からステップS305へ進み、カウントアップする。本ルーチンは、エンジン稼働中に一定時間ごとに(例えば100ミリ秒ごとに)繰り返し実行されているので、このカウンタ値は、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T3以上である状態の継続時間を示す。
【0051】
ステップS306では、カウンタCounterが所定値Count0よりも大きいか否かを判定し、大きければステップS307で液水不存在フラグをオンにする。なおこの所定値Count0は、水分蒸発判定温度T3が継続することで排気管10の中の水分が蒸気になっていると判定できる時間である。具体的には予備実験によって水分蒸発判定温度T3とともに決定しておく。
【0052】
本実施形態によれば、水分蒸発判定温度が継続している時間をも考慮して液水不存在フラグを設定するようにしたので、一層正確に液水の不存在を判定することができる。
【0053】
(第4実施形態)
図7は本発明による排気管センサの加熱制御装置の第4実施形態を示す図である。
【0054】
本実施形態では排気管10は、下方に凸状に曲げられた屈曲部11を有する。したがって排気管内で凝縮水が発生した場合は、この屈曲部11に溜まる。すなわちこの屈曲部11が水溜まり部位となっている。測温センサ30はこの屈曲部11に取り付けられている。
【0055】
ここで図8を参照して本実施形態の基本的な考え方について説明する。
【0056】
屈曲部11のような水溜まり部位のエンジン稼働後の温度変化は、図8に示すようになる。すなわち屈曲部11に液水が存在する場合は、液水が存在しない場合に比べて昇温速度が遅い。これは熱が液水の気化熱として奪われるためである。そして液水がすべて蒸気となった後は、昇温速度が速くなる。したがって或る温度T(例えば液水の沸点である100℃。ただし排気管の熱伝達率等に影響されるので、具体的には予備実験に基づいて決定しておくとよい。)において、液水があるときの昇温速度dT/dtと、液水がないときの昇温速度dT/dtとをあらかじめ実験的に求めておけば、昇温速度dT/dtに基づいて液水の有無を判定することができる。
【0057】
本実施形態では、このように昇温速度dT/dtに基づいて液水の有無を判定する。
【0058】
図9は具体的な制御ロジックを示すフローチャートである。なお本ルーチンはエンジン稼働中に一定時間ごとに(例えば100ミリ秒ごとに)繰り返し実行されている。
【0059】
ステップS401では、測温センサ30の出力値である排気管温度Tを読み込む。
【0060】
ステップS402では、排気管温度Tが水分蒸発判定温度T1以上であるか否かを判定し、水分蒸発判定温度T1以上のときはステップS406に進んで液水不存在フラグをオンにし、水分蒸発判定温度T1よりも小さいときはステップS403に進む。
【0061】
ステップS403では、排気管温度の前回値と今回値とに基づいて温度変化速度dT/dtを算出する。
【0062】
ステップS404では、温度変化速度dT/dtが基準値以上であるか否かを判定し、基準値以上であるときはステップS406に進んで液水不存在フラグをオンにし、基準値よりも小さいときはステップS405に進んで液水不存在フラグをオフにする。
【0063】
ここで基準値とは、液水が存在しないことを判定するための基準値であり、或る液水温度のときに昇温速度dT/dtがその基準値よりも速いときには昇温速度が速いので液水は存在しないと判断できる基準値であり、あらかじめ実験的に求めておく。
【0064】
本実施形態によっても、液水の有無を正確に判定することができる。
【0065】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による排気管センサの加熱制御装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】排気管センサの構成を示す図である。
【図3】コントローラの具体的な制御を示すフローチャートである。
【図4】排気管温度と凝縮水の発生量との関係を示す図である。
【図5】本発明による排気管センサの加熱制御装置の第2実施形態の制御ロジックのフローチャートである。
【図6】本発明による排気管センサの加熱制御装置の第3実施形態の制御ロジックのフローチャートである。
【図7】本発明による排気管センサの加熱制御装置の第4実施形態を示す図である。
【図8】エンジン稼働時間と排気管温度との関係を示す図である。
【図9】第4実施形態の具体的な制御ロジックを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 排気管センサの加熱制御装置
10 排気管
11 屈曲部(水溜部)
20 排気管センサ
22 センサ素子
22a ヒータ線(加熱手段)
30 測温センサ(壁面温度推定手段,水溜部温度センサ)
40 コントローラ
ステップS104,S106,S108,S306,S404 液水付着判定手段
ステップS107,S205 センサ活性化手段
ステップS109 センサ加熱量低減手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気管に設けられ、加熱手段で加熱されるセンサ素子を備えた排気管センサと、
前記排気管の内壁面の温度を推定する壁面温度推定手段と、
前記壁面温度推定手段で推定した排気管内壁面温度に基づいて、前記排気管の内壁面に液水が付着しているか否かを判定する液水付着判定手段と、
エンジン始動後に、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着していると判定したときは、前記加熱手段を停止して、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着しなくなったことを判定したら、前記加熱手段を通常加熱モードにして前記センサ素子を活性化するセンサ活性化手段と、
前記通常加熱モードのときに、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着するようになったことを判定したときは、低加熱モードにして前記加熱手段の加熱量を低減するセンサ加熱量低減手段と、
を有する排気管センサの加熱制御装置。
【請求項2】
前記壁面温度推定手段は、前記排気管センサの直下の排気管外表面に設けられ、その排気管外表面の温度を検出する温度センサであって、その排気管外表面の温度に基づいて排気管内壁面の温度を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の排気管センサの加熱制御装置。
【請求項3】
前回のエンジン停止時の排気管内壁面が凝縮水発生温度以上であったか否かを記憶しておく記憶手段を備え、
前記センサ活性化手段は、前記記憶手段で前回のエンジン停止時の排気管内壁面が凝縮水発生温度以上であることを記憶しており、かつ前記壁面温度推定手段で今回エンジン始動時に排気管内壁面が凝縮水発生温度以上であることを推定したときは、直ちに前記加熱手段を通常加熱モードにして前記センサ素子を活性化する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気管センサの加熱制御装置。
【請求項4】
前記液水付着判定手段は、前記壁面温度推定手段で排気管内壁面が水の蒸発温度以上になったと推定したときには排気管内壁面に液水が付着していないと判定し、壁面温度推定手段で排気管内壁面が凝縮水発生温度以下になったことを推定したときには排気管内壁面に液水が付着していると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気管センサの加熱制御装置。
【請求項5】
前記液水付着判定手段は、前記壁面温度推定手段で推定した温度が水の蒸発温度以上であって、その状態が所定時間以上継続したときには、排気管内壁面に液水が付着していないと判定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気管センサの加熱制御装置。
【請求項6】
エンジンの排気管に設けられ、加熱手段で加熱されるセンサ素子を備えた排気管センサと、
前記排気管に形成され、排気凝縮水を貯留する水溜部と、
前記水溜部の外表面に設けられ、その水溜部外表面の温度を検出する水溜部温度センサと、
前記水溜部温度センサで検出した水溜部外表面温度の昇温速度に基づいて、排気管内壁面に液水が付着しているか否かを判定する液水付着判定手段と、
エンジン始動後に、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着していると判定したときは、前記加熱手段を停止して、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着しなくなったことを判定したら、前記加熱手段を通常加熱モードにして前記センサ素子を活性化するセンサ活性化手段と、
前記通常加熱モードのときに、前記液水付着判定手段で排気管内壁面に液水が付着するようになったことを判定したときは、低加熱モードにして前記加熱手段の加熱量を低減するセンサ加熱量低減手段と、
を有する排気管センサの加熱制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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