説明

排気路構成部品

【課題】配管を二次熱交換器に直結することなくドレン通路を確保でき、しかも、ドレン通路へ粗大な異物が侵入するのを抑制可能な排気路構成部品を提供すること。
【解決手段】給湯器が備える排気トップ11は、二次熱交換器側からの排気が流入する上流側開口部21と、排気トップ11の内部空間から排気筒側へ排気を流出させる下流側開口部23とを備える。また、排気トップ11の内部空間から凝縮水を排出するため、ドレン通路用開口部25が形成されている。この排気トップ11は、排気トップ背面上側部品31、排気トップ背面下側部品32、排気トップ正面側部品33などの板金部品を溶接して構成され、これらの板金部品には、絞り加工によって形成された凹部45、凹部51などが設けられ、凹部45は、凹部51の一部及びドレン通路用開口部25に重なる範囲に形成されることにより、ドレン通路用開口部25に至るドレン通路を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器具において発生する燃焼排気を器具外へと導くための排気路を構成する際に利用される排気路構成部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼排気中から主に顕熱を回収する一次熱交換器と、一次熱交換器での熱交換に伴って温度が低下した排気中から主に潜熱を回収する二次熱交換器とを備えた潜熱回収型の給湯器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この種の給湯器では、二次熱交換器において燃焼排気の温度が低下するのに伴って、燃焼排気の相対湿度がきわめて高くなるため、排気路内において凝縮水(ドレン水)が発生する。そのため、この凝縮水を排出するためにドレン排出管が設けられ、また、酸性の凝縮水を中和するために中和器なども設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−92286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、潜熱回収型給湯器の二次熱交換器は、内部が燃焼排気の流通空間となっているケーシングの内部に伝熱管を通した構造になっており、二次熱交換器のケーシングに排気筒や排気トップなどの排気路構成部品が直接取り付けられていた。そして、上述のような凝縮水が発生した場合、凝縮水は、二次熱交換器のケーシングに取り付けられたドレン排出管を介して排出されるようになっていた。
【0006】
しかしながら、例えば給湯器の小型化・薄型化を図った場合等、給湯器の構造によっては、その構造上、ドレン排出管を配置可能なスペースが限られることから、上述のように二次熱交換器のケーシングに直接ドレン排出管を取り付けることが困難になるおそれがあった。
【0007】
また、凝縮水の排出経路に粗大な異物(例えば砂粒程度の異物)が侵入した際に、そのような異物が中和器にまで流れ込まないようにしたい場合には、例えば排出経路の途中に専用のフィルターを設けるなど、異物対策用の専用部品を追加しなければならないため、その分だけ構造が複雑化しやすく、追加部品分のコストが増大し、組立工数も増大するなどの問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、配管を二次熱交換器に直結することなくドレン通路を確保でき、しかも、ドレン通路へ粗大な異物が侵入するのを抑制可能な排気路構成部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載の排気路構成部品は、給湯器の排気路の一部として利用される内部空間を形成するとともに、前記内部空間内において凝縮水が生じた際に、当該凝縮水を前記内部空間外へと流出させるドレン通路が形成された排気路構成部品であって、少なくとも一部が、絞り加工によって形成された第一凹部と当該第一凹部の周囲にある板状部とを有する形態とされた第一板金部材と、少なくとも一部が、絞り加工によって形成された第二凹部と当該第二凹部の周囲にあるフランジ部とを有する形態とされた第二板金部材とを備え、前記第一板金部材及び前記第二板金部材は、前記板状部と前記フランジ部を互いに突き合わせた状態で、互いに接合された構造になっていて、前記第二凹部は、前記第一板金部材との間に前記内部空間を形成するとともに、前記第一板金部材側には、排気路上流側から前記内部空間へ排気を流入させる上流側開口部が形成される一方、前記第二板金部材側には、前記内部空間から排気路下流側へ排気を流出させる下流側開口部が形成され、さらに、前記フランジ部には、前記ドレン通路の出口となる貫通孔が形成されていて、前記第一凹部は、前記板状部と前記フランジ部を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記第二凹部の一部及び前記貫通孔に重なる範囲に形成されることにより、前記ドレン通路を形成していることを特徴とする。
【0010】
このように構成された排気路構成部品によれば、絞り加工が施された板金部品を組み合わせるという簡便な手法で、排気路の一部となる内部空間と、その内部空間内において凝縮水が生じた際に、当該凝縮水を内部空間外へと流出させるドレン通路を形成することができる。
【0011】
また、ドレン通路の出口となる貫通孔が、フランジ部に形成されているので、ドレン通路の出口に連設される配管を、第二凹部の隣となる空間に配置できる。したがって、第二凹部の底にドレン通路の出口が形成されている場合に比べ、第一板金部材と第二板金部材を突き合わせた面に垂直な方向の寸法を抑えることができる。
【0012】
また、ドレン通路の出口となる貫通孔がフランジ部に形成されていれば、絞り加工で第二凹部を形成する際に同時に貫通孔を穿設すること、絞り加工で第二凹部を形成してから別工程で貫通孔を穿設すること、どちらも可能となる。したがって、第二凹部の周壁面にドレン通路の出口が形成されるものとは異なり、第二凹部と貫通孔を別工程で形成することが必須とはならず、製造工程の自由度が高くなり、第二凹部と貫通孔を同時に形成することで加工工程の工数を削減することも可能となる。
【0013】
さらに、第一凹部の深さを調節することにより、ドレン通路となる間隙の最大幅を任意に設定できるので、この最大幅を粗大な異物が侵入しないような狭い幅にしておくことで、粗大な異物がドレン通路へ侵入するのを阻止することもできる。
【0014】
請求項2に記載の排気路構成部品は、請求項1に記載の排気路構成部品において、前記板状部と前記フランジ部を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記フランジ部と、前記第一凹部の底面部分とが重なる部分において、前記ドレン通路へ侵入可能な異物の最大寸法が確定されており、しかも、当該部分には傾斜が付けられていて、当該部分で前記ドレン通路への侵入が阻止された異物は、前記傾斜に沿って当該傾斜の下端側へと自重で寄り集まりやすい構造になっていることを特徴とする。
【0015】
このように構成された排気路構成部品によれば、ドレン通路への侵入が阻止された異物は、傾斜に沿って当該傾斜の下端側へと自重で寄り集まるので、ドレン通路への入口部分において目詰まりが発生するのを抑制することができる。
【0016】
請求項3に記載の排気路構成部品は、請求項1又は請求項2に記載の排気路構成部品において、前記第一板金部材と前記第二板金部材を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記第一凹部の底面上で、前記フランジ部と対向する位置には、前記第一凹部の底面をさらに深く凹ませた第三凹部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
このように構成された排気路構成部品によれば、第一凹部の底面をさらに深く凹ませた第三凹部が形成されているので、このような第三凹部が形成されていないものに比べ、ドレン通路の容量を増大させることができ、凝縮水をよりスムーズにドレン通路へ導入できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】給湯器の内部構造を示す説明図。
【図2】排気トップの斜視図。
【図3】排気トップ背面上側部品の三面図。
【図4】排気トップ背面下側部品の三面図。
【図5】排気トップ正面側部品の三面図。
【図6】排気トップが備える凹部の位置関係を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
[給湯器の構造]
図1に示す給湯器1は、燃焼排気から顕熱及び潜熱を回収する潜熱回収型の燃焼器具であり、燃焼排気から主に顕熱を回収する主熱交換器3と、主熱交換器3での熱交換に伴って温度が低下した排気中から主に潜熱を回収する二次熱交換器5が設けられている。
【0020】
この二次熱交換器5は、内部が燃焼排気の流通空間となっているケーシングの内部に伝熱管を通した構造になっており、そのケーシングの底面には、給湯器1の背面側から正面側に向かって下り勾配となる傾斜が付与されている。
【0021】
また、二次熱交換器5よりも正面側(図1において紙面手前側)には、排気トップ11が取り付けられ、この排気トップ11の正面側に排気筒13が取り付けられている。これら排気トップ11及び排気筒13は、正面側から見て、排気トップ11の上部が二次熱交換器5と重なる位置にあり、排気トップ11の下部が主熱交換器3と重なる位置にある。
【0022】
二次熱交換器5での熱交換が行われた排気は、排気トップ11の背面側から排気トップ11の内部へと流入し、さらに排気トップ11の正面側に取り付けられた排気筒13へと流入して、排気筒13の正面側にある開口部13aから、給湯器1の外部へと排出される。
【0023】
さらに、このような潜熱回収型の燃焼器具では、二次熱交換器5での熱交換に伴って排気温度が低下すると、それに伴って排気中の相対湿度が上昇して排気中の水蒸気が凝縮し、凝縮水(ドレン水)が発生する。
【0024】
二次熱交換器5のケーシング内で凝縮水が生じた場合、その凝縮水は、二次熱交換器5のケーシングが有する傾斜した底面を伝って、給湯器1の正面側へと流れて排気トップ11へと流入する。また、排気筒13内で発生する凝縮水も排気トップ11へと流入する。
【0025】
そのため、排気トップ11の下部左方には、ドレン排出管15の一端が接続され、ドレン排出管15の他端が中和器17に接続されている。中和器17は、窒素酸化物や硫黄酸化物を含有する酸性の凝縮水を中和するために設けられたもので、中和器17の内部には、凝縮水を中和させる中和剤が充填されている。
【0026】
[排気トップの構造]
排気トップ11は、図2に示すように、二次熱交換器5側から排気トップ11の内部空間へ排気を流入させる上流側開口部21と、排気トップ11の内部空間から排気筒13側へ排気を流出させる下流側開口部23とを備えている。
【0027】
また、ドレン排出管15の一端が接続されるドレン通路用開口部25が形成され、その他、排気トップ11をねじ止めする際に利用される透孔27a〜27eが形成されている。
【0028】
このような排気トップ11は、排気トップ背面上側部品31、排気トップ背面下側部品32、及び排気トップ正面側部品33、以上三つの板金部品を溶接することによって製造される。これら三つの板金部品は、いずれもプレス機での絞り加工によって形成された凹部を有する金属部品である。
【0029】
より詳しく説明すると、まず、排気トップ背面上側部品31は、図3(a)〜同図(c)に示すように、絞り加工によって形成された凹部41を有する形態とされている。この凹部41は排気トップ11の内部空間の一部を形成する。また、凹部41の底に相当する位置には、上述の上流側開口部21が形成されている。
【0030】
凹部41の周囲には、フランジ部43が形成されており、このフランジ部43に上述の透孔27a,27bが形成されている。また、フランジ部43のうち、図3(b)中に斜線で示した範囲は、排気トップ背面下側部品32、又は排気トップ正面側部品33との溶接領域として利用される。
【0031】
排気トップ背面下側部品32は、図4(a)〜同図(c)に示すように、絞り加工によって形成された凹部45及び凹部47を有する形態とされている。凹部47は、凹部45の底に相当する位置に形成され、これにより、凹部45及び凹部47は双方で段付きの凹部を形成している。
【0032】
これらの凹部45及び凹部47は、排気トップ11の内部空間の一部を形成するとともに、排気トップ11の内部空間と上述したドレン通路用開口部25とを連通させる排水経路を形成する。なお、この排水経路の詳細については後述する。
【0033】
凹部45の周囲には、板状部49が形成されており、この板状部49のうち、図4(b)中に斜線で示した範囲は、排気トップ背面上側部品31、又は排気トップ正面側部品33との溶接領域として利用される。
【0034】
板状部49の上端部分49aには段が付けられ、これにより、排気トップ背面上側部品31と排気トップ背面下側部品32は、互いに溶接される部分が重ねられた際に、双方の排気トップ正面側部品33側に対向する面が面一となるようにされている。また、板状部49の上部中央付近には、上述の透孔27dが形成され、さらに、板状部49の側端部分49b,49cには、上述の透孔27c,27eが形成されている。
【0035】
排気トップ正面側部品33は、図5(a)〜同図(c)に示すように、絞り加工によって形成された凹部51を有する形態とされている。この凹部51は排気トップ11の内部空間の一部を形成する。また、凹部51の底に相当する位置には、上述の下流側開口部23が形成されている。
【0036】
凹部51の周囲には、フランジ部53が形成されており、このフランジ部53には、上述のドレン通路用開口部25が形成されている。また、このフランジ部53のうち、図5(b)中に斜線で示した範囲は、排気トップ背面上側部品31、又は排気トップ背面下側部品32との溶接領域として利用される。さらに、下流側開口部23の周囲で凹部51側とは反対側となる位置には、円筒部55が突設されている。この円筒部55は、上述した排気筒13との接続を行うために利用される。
【0037】
以上のような排気トップ背面上側部品31、排気トップ背面下側部品32、及び排気トップ正面側部品33は、図6に示したような位置関係で組み合わせられると、フランジ部43、板状部49、及びフランジ部53が相互に面で接する状態となる。この状態において、排気トップ背面上側部品31、排気トップ背面下側部品32、及び排気トップ正面側部品33は、既に説明した溶接領域で互いに溶接され、これにより、排気トップ11が構成されることとなる。
【0038】
このような排気トップ11において、排気トップ背面下側部品32に形成された凹部45と、排気トップ正面側部品33に形成された凹部51は、正面側から見て(図6参照。)、一部が互いに重なる位置にあり、この重なった部分で互いに連通する状態にある。
【0039】
そのため、二次熱交換器5側から排気トップ11内へ流入する凝縮水、あるいは、排気トップ11内において発生する凝縮水は、凹部51側から凹部45側へと流れ込み、凹部47を経由して、最終的にはドレン通路用開口部25へと至り、図1に示したドレン排出管15を介して中和器17へと排出されることになる。
【0040】
したがって、このような排気トップ11が設けてあれば、二次熱交換器5に対してドレン排出管15を直接接続しなくても済む。よって、例えば二次熱交換器5の小型化・薄型化を図ったことで、二次熱交換器5の構造上、二次熱交換器5に直接ドレン排出管15を取り付けることが困難な場合でも、この排気トップ11経由で凝縮水を排出する経路を確保することができる。
【0041】
また、凹部51とフランジ部53との境界線のうち、図6に示した点P1から点P2を経て点P3に至る境界部分57は、凹部45との間に、凹部45の深さ相当の隙間をなす部分となるが、凹部45の深さは比較的浅くされており、具体的には、中和器への侵入を防ぎたい異物の寸法を想定して、その異物の寸法よりも小さい寸法の深さとされている。
【0042】
そのため、例えば、下流側開口部23側から想定よりも粗大な異物が侵入するようなことが仮にあったとしても、そのような異物は境界部分57でせき止められ、それ以上、奥へと侵入することはない。したがって、排気トップ11とは別に専用のフィルターを設けなくても異物対策を行うことができ、異物対策用の専用部品を追加しなくても済む分だけ、構造を簡素化することができ、また、追加部品分のコストを抑制することができる。
【0043】
なお、以上説明した実施形態において、排気トップ11は、本発明でいう排気路構成部品の一例に相当する。また、排気トップ背面上側部品31及び排気トップ背面下側部品32は、本発明でいう第一板金部材の一例に相当し、排気トップ正面側部品33は、本発明でいう第二板金部材の一例に相当する。すなわち、本発明でいう第一板金部材及び第二板金部材は、単一の板金部品として構成されていてもよいし、二以上の板金部品を接合して構成されていてもよい。
【0044】
また、上記実施形態において、凹部45は、本発明でいう第一凹部の一例に相当し、凹部51は、本発明でいう第二凹部の一例に相当し、凹部47は、本発明でいう第三凹部の一例に相当する。ドレン通路用開口部25は、本発明でいう「ドレン通路の出口となる貫通孔」の一例に相当する。
【0045】
[効果]
以上説明したように、上記このように構成された排気トップ11によれば、絞り加工が施された板金部品を組み合わせるという簡便な手法で、排気路の一部となる内部空間と、その内部空間内において凝縮水が生じた際に、当該凝縮水を内部空間外へと流出させるドレン通路を形成することができる。
【0046】
また、ドレン通路の出口となるドレン通路用開口部25が、フランジ部53に形成されているので、ドレン通路用開口部25に連設されるドレン排出管15を、凹部51の隣となる空間に配置できる。
【0047】
したがって、この排気トップ11を利用してドレン排出管15を配管すれば、凹部51の底にドレン通路の出口が形成されている場合に比べ、前後方向(排気トップ背面上側部品31及び排気トップ背面下側部品32と排気トップ正面側部品33とを突き合わせた面に垂直な方向)の寸法を抑えることができる。
【0048】
また、ドレン通路用開口部25がフランジ部53に形成されていれば、絞り加工で凹部51を形成する際に同時にドレン通路用開口部25を穿設することができる。したがって、凹部51の周壁面にドレン通路の出口が形成されるものとは異なり、凹部51とドレン通路用開口部25を別工程で形成しなくても済み、加工工程の工数を削減することができる。
【0049】
さらに、凹部45の深さを調節することにより、ドレン通路となる間隙(境界部分57における間隙)の最大幅を任意に設定できるので、この最大幅を粗大な異物が侵入しないような狭い幅にしておくことで、粗大な異物がドレン排出管15へ侵入するのを阻止することもできる。
【0050】
また、境界部分57には、点P1から点P2を経て点P3に至る下り勾配の傾斜が付けられていて、当該境界部分57でドレン排出管15への侵入が阻止された異物は、傾斜に沿って当該傾斜の下端側へと自重で寄り集まる。したがって、少なくとも境界部分57の上端側では目詰まりが発生しにくく、多くの異物が溜まっても凝縮水の排出経路を確保・維持することができる。
【0051】
さらに、凹部45の底には、さらに深く凹ませた凹部47が形成されているので、このような凹部47が形成されていないものに比べ、凝縮水が通過する経路の容量を増大させることができ、凝縮水をよりスムーズにドレン排出管15へ導入できるようになる。
【0052】
加えて、上記のような構造の排気トップ11であれば、前後方向寸法を比較的薄くした構造にすることができるので、上記実施形態のように、排気トップ11の下部を主熱交換器3と重なる位置に配置することができ、コンパクトでありながら、十分な容積を確保することも可能となる。
【0053】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0054】
例えば、上記実施形態では、排気トップ背面上側部品31及び排気トップ背面下側部品32を、これら二部品に分けてあったが、単一の板金部品として構成することもできる。
また、上記実施形態では、絞り加工で凹部51を形成する際に同時にドレン通路用開口部25を穿設する例を示したが、絞り加工で凹部51を形成してから別工程でドレン通路用開口部25を穿設してもよい。ただし、加工工程の工数を削減する観点からは、上記実施形態のように、絞り加工で凹部51を形成する際に同時にドレン通路用開口部25を穿設する方が好ましい。
【0055】
また、上記実施形態では、各部品について具体的な形態を例示したが、本発明の特徴を阻害しない範囲内であれば、細部の具体的形態等については任意に変更しても構わない。
【符号の説明】
【0056】
1・・・給湯器、3・・・主熱交換器、5・・・二次熱交換器、11・・・排気トップ、13・・・排気筒、13a・・・開口部、15・・・ドレン排出管、17・・・中和器、21・・・上流側開口部、23・・・下流側開口部、25・・・ドレン通路用開口部、27a〜27e・・・透孔、31・・・排気トップ背面上側部品、32・・・排気トップ背面下側部品、33・・・排気トップ正面側部品、41,45,47,51・・・凹部、43,53・・・フランジ部、49・・・板状部、49a・・・上端部分、49b,49c・・・側端部分、55・・・円筒部、57・・・境界部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器の排気路の一部として利用される内部空間を形成するとともに、前記内部空間内において凝縮水が生じた際に、当該凝縮水を前記内部空間外へと流出させるドレン通路が形成された排気路構成部品であって、
少なくとも一部が、絞り加工によって形成された第一凹部と当該第一凹部の周囲にある板状部とを有する形態とされた第一板金部材と、
少なくとも一部が、絞り加工によって形成された第二凹部と当該第二凹部の周囲にあるフランジ部とを有する形態とされた第二板金部材と
を備え、
前記第一板金部材及び前記第二板金部材は、前記板状部と前記フランジ部を互いに突き合わせた状態で、互いに接合された構造になっていて、
前記第二凹部は、前記第一板金部材との間に前記内部空間を形成するとともに、前記第一板金部材側には、排気路上流側から前記内部空間へ排気を流入させる上流側開口部が形成される一方、前記第二板金部材側には、前記内部空間から排気路下流側へ排気を流出させる下流側開口部が形成され、
さらに、前記フランジ部には、前記ドレン通路の出口となる貫通孔が形成されていて、前記第一凹部は、前記板状部と前記フランジ部を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記第二凹部の一部及び前記貫通孔に重なる範囲に形成されることにより、前記ドレン通路を形成している
ことを特徴とする排気路構成部品。
【請求項2】
前記板状部と前記フランジ部を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記フランジ部と、前記第一凹部の底面部分とが重なる部分において、前記ドレン通路へ侵入可能な異物の最大寸法が確定されており、しかも、当該部分には傾斜が付けられていて、当該部分で前記ドレン通路への侵入が阻止された異物は、前記傾斜に沿って当該傾斜の下端側へと自重で寄り集まりやすい構造になっている
ことを特徴とする請求項1に記載の排気路構成部品。
【請求項3】
前記第一板金部材と前記第二板金部材を突き合わせた面に垂直な方向から見て、前記第一凹部の底面上で、前記フランジ部と対向する位置には、前記第一凹部の底面をさらに深く凹ませた第三凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気路構成部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122646(P2012−122646A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272609(P2010−272609)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000112015)株式会社パロマ (298)
【Fターム(参考)】