説明

排水性舗装道路用側溝ブロック

【課題】 透水性の表層を形成した排水性舗装道路に使用する側溝ブロックであって、透水性の表層を造るための舗装作業を効率的に行うことができる排水性道路用側溝ブロックを提供すること。
【解決手段】 全長に亘って排水路を形成した側溝ブロックの外側面に、長手方向の全長に亘って導水溝を横設し、該導水溝の開口部を表層に使用する砕石の径より狭く開口部を広く形成し、且つ導水溝の適所に側溝ブロック内の排水路に通ずる排水孔を形成したことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路床上に不透水性下地層と透水性の表層を形成した排水性舗装道路に使用する側溝ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、路面に降った雨水を透水性の表層内に浸透させ、これを側溝内に流入させる排水性舗装工法による道路が広く施工されている。このような舗装道路に関しては、実用新案登録第3005384号公報の図5のように、側溝ブロックの外側面に長手方向の全長に亘って開口部の広い断面三角形状の導水溝を形成し、この導水溝内に表層中に浸透した雨水を流入させ、更に導水溝から側溝ブロック内の排水路に通ずる排水孔より排水路内に流入させる方式のもが開発された。
【0003】
この方式にあっては、舗装作業時に表層の素材である砕石が、開口部が広い導水溝内に嵌入し、表層に浸透した雨水を排水させることができなくなる欠点がある。
【0004】
また、特許第2882764号公報の図1のように、側溝ブロックの外側面に長手方向の全長に亘って導水溝を形成し、この導水溝内に透水パイプを嵌合して、表層からの雨水を透水パイプ内に浸入させ、導水溝に設けた排水孔より側溝ブロック内の排水路に流入させる方式のものが開発された。
【0005】
この方式の場合は、透水パイプの使用により、砕石による導水溝の遮断は阻止されるが、透水パイプが高価なため、工事費が嵩む欠点があった。また雨水と共に表層内に流れ込んだ砂塵等が透水パイプの表面に付着して目詰まりを生じ、排水効果が損なわれることがあった。
【特許文献1】実用新案登録第3005384号公報
【特許文献2】特許第2882764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、透水性の表層を形成した排水性舗装道路に使用する側溝ブロックであって、透水性の表層を造るための舗装作業を効率的に行うことができる排水性舗装道路用側溝ブロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る排水性舗装道路に使用する側溝ブロックは、内側の全長に亘って排水路を形成した側溝ブロックの外側面に、長手方向の全長に亘って導水溝を横設し、該導水溝の開口部を表層に使用する砕石の径より狭く、内部を広く形成し、且つ導水溝の適所に排水路に通ずる排水孔を形成したことを特徴としている。
【0008】
上記側溝ブロックを道路に敷設し、路床に形成した不透水性下地層上にコールタール等と砕石との混合材を積層することにより、端面が導水溝に当接する透水性の表層を形成し、排水性舗装道路を構成する。この舗装道路に降った雨水は、表層内に浸透し、導水溝内に流入して、排水孔より排水路内に流入する。
【0009】
排水性舗装工法において、透水性の表層に使用されている砕石は、一般に径が13mmの大きさであり、従って、上記導水溝の開口部を砕石より狭くすることにより、舗装作業中における砕石の導水溝内への侵入が防止される。そのため、表層の舗装作業が容易となる。また導水溝の内側を大きくすることにより、大量の雨水を排水路に流すことが可能でとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る排水性舗装道路に使用する側溝ブロックは、導水溝の開口部が表層を形成するための砕石の径より狭いため、舗装作業時における砕石の導水溝内への浸入を防止することができる。その結果、効率的な舗装作業ができる。
【0011】
しかも、高価な透水パイプを使用する必要がないので、排水性舗装道路の工事費を大幅に低減することができ、塵埃等により目詰まりを生ずることもない。また導水溝の内部を大きくすることが可能なため、路面の雨水の浸透を一層良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図1〜3を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る側溝ブロックの斜視図、図2は同上側溝ブロックの施工状態を示す断面図、図3は同上施工状態の要部を示す断面図である。
【0013】
符号1は側溝ブロックであり、内側に全長に亘って排水路3を設け、上面には雨水等を流入するためのスリット2を形成している。上記側溝ブロック1の外側面には、長手方向の全長に亘って導水溝4を横設している。この導水溝4は、開口部4aの隙間を後記する砕石の径より狭い5mm程度とし、内部4bを開口部4aより広い径で形成している。また側溝ブロック1の端面には、導水溝4と排水路3を結ぶ排水孔5を形成している。上記導水溝4の内部4bの大きさは、側溝ブロック1の強度を損なわない程度に拡大することが可能であり、水の流入量を増大することができる。
【0014】
符号Aは排水性舗装道路であり、該舗装道路Aは路床6上に形成した高密度のアスファルト舗装による不透水性下地層7と、その上に形成した透水性の表層8とよりなり、表層8は直径が13mm程度の砕石8aをコールタール等により接合すると共に、砕石8a間に連続した空隙8bを形成している。上記表層8の側端面の下部は、側溝ブロック1の導水溝4に当接している。
【0015】
このように構成された舗装道路A上に降った雨水は、表層8内の空隙8a内に浸透した後、側溝ブロック1の導水溝4内に流入し、排水孔5より排水路2に流れ込んで排出される。
【0016】
上記導水溝4の開口部4aは、舗装時に砕石8aが導水溝4に嵌入することがないので、舗装作業が容易となる。また図3に示すように導水溝4の内部4aを広くすることにより、雨水を速やかに排水させ、路面上への水溜りの発生が防止される。しかも図3に鎖線で示すように、内部4aの底面Tを極率半径の小さい断面形状とするときは、底部に流入した塵埃等が、滞留することなく雨水と共に排水路に流し込まれる。また内部4aの形状を縦長にすることにより、内部4a内の水は導水勾配を生じ、排水路にスムーズに排水される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る排水性舗装道路用側溝ブロックの斜視図である。
【図2】同上側溝ブロックの実施形態を示す断面図である。
【図3】同上実施形態における要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 側溝ブロック
2 スリット
3 排水路
4 導水溝
4a 開口部
4b 内 部
5 排水孔
A 排水舗装道路
6 路 床
7 不透水性下地層
8 表 層
8a 砕 石
8b 空 隙
T 底 面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の全長に亘って排水路を形成した側溝ブロックの外側面に、長手方向の全長に亘って導水溝を横設し、該導水溝の開口部を表層に使用する砕石の径より狭く、内部を広く形成し、且つ導水溝の適所に排水路に通ずる排水孔を形成したことを特徴とする排水性舗装道路用側溝ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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