説明

排水溝構造

【課題】溝蓋と受枠との隙間にごみおよび小石等が詰まって固着するのを解消でき、さらに、ほうき等による通水路の清掃を簡便に行える排水溝構造を提供する。
【解決手段】路面舗装1に埋設される受枠2と、受枠2の上開口を覆う溝蓋3とを備える。受枠2は、底部材20と、左右一対の側壁21・21と、両側壁21の対向面の長手方向に沿って断続的に固定されて、溝蓋3を支持する左右一対ずつの支持体22とで構成する。支持体22を、側壁21に固定されるベース壁28と、ベース壁28の上縁から溝中央へ向かって突出されて溝蓋3を支持する第1支持板29と、ベース壁28の下縁から溝中央へ向かって突出する第2支持板30とを含んで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車道と歩道との境界部、あるいは歩道に沿って設置される排水溝構造、とくに、集水開口の幅が狭い幅狭型の排水溝構造に関する。
【背景技術】
【0002】
幅狭型の排水溝構造は、例えば特許文献1から4に公知である。特許文献1の路面用排水溝は、上部に開口を有する断面略コ字状の樋本体と、樋本体の開口に装着される蓋部材とで構成されている。特許文献2の路面用排水流路製品は、流路本体とグレーチングとを含んで構成されている。流路本体は断面略U字形状のプレス成形品からなり、両側壁の上縁からグレーチングの厚み分だけ下方に下がった位置に設けた一対の突出部で、グレーチングを支持している。特許文献3の蓋付き排水溝は、底面と左右の側板からなる側溝部と、側溝部に装着した蓋とで構成されている。蓋は、その下縁が所要間隔置きに左右側板に固定したロッドで支持されている。
【0003】
特許文献4のグレーチング装置は、グレーチング本体と受枠とをボルトで締結固定している。詳しくは、断面がL字状の一対の枠部材からなる受枠と、受枠内に収容されてその排水溝の上部の開口部を覆うグレーチング本体と、これら両者を締結する締結具とで、グレーチング装置を構成している。受枠の各側壁部の内面には、長手方向に沿って延びる受材が互いに対向するように取り付けてある。締結具は受材の下面側に係止される固定部材(雌ねじ体)とボルトとからなり、グレーチング本体に挿通したボルトを固定部材にねじ込むことにより、グレーチング本体が受材に締結固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3930839号公報(段落番号0014、0018、0019、図3)
【特許文献2】特開2003-313933号公報(段落番号0009〜0011、図4)
【特許文献3】特開2004−44081号公報(段落番号0008、図3)
【特許文献4】特開2005−30042号公報(段落番号0014〜0017、0030、図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
幅狭型の排水溝構造は、通水路に堆積したごみおよび小石等を取り除くなどの管理作業のために、定期的に点検および清掃が行われる。こうした管理作業を行う際には、蓋部材を樋本体から取り外して通水路を開放するが、特許文献1の路面用排水溝では、蓋部材の一対の壁部の高さを、樋本体の一対の壁面部と概ね同じ高さに設定するので、蓋部材の重量が重い。そのため、蓋部材の取り外し、あるいは再装着作業を簡便に行えない。また、蓋部材の壁部は樋本体の下面部と当接しているため、樋本体の壁面部と、蓋部材の壁部との隙間に詰まったごみおよび小石等が通水路へ流下しにくい。さらに、隙間に詰まったごみおよび小石等が固着し、清掃時に蓋部材を取り外せなくなる不具合がある。
【0006】
特許文献2の排水流路製品では、側壁の上縁からグレーチングの厚み分だけ下方に下がった位置に設けられた突出部でグレーチングを支持するので、グレーチングの高さを小さくでき、全体重量を軽くできる。しかし、突出部が長さ方向に連続した状態で設けてあるので、グレーチングと側壁との隙間にごみおよび小石等が詰まりやすく、特許文献1の蓋部材と同様に、グレーチングが取り外せなくなる不具合がある。また、外力を受けてグレーチング、流路本体あるいは突出部が変形すると、グレーチングを適正に支持できなくなり、グレーチングが通水路内に落下するおそれがある。
【0007】
特許文献3の蓋付き排水溝における蓋は、所要間隔置きに左右側板にわたって固定されたロッドで支持するので、蓋と側板との隙間にごみおよび小石等が詰まることはない。しかし、ほうきで通水路を清掃する際に、ロッド部分が邪魔になって連続して掃き進めることができず、清掃に多くの手間を要する。
【0008】
特許文献4のグレーチング装置では、グレーチング本体の下面に設けた支持部材を受材で支持するので、グレーチング本体と側壁部との隙間にごみおよび小石等が詰まることはない。しかし、締結具を構成する固定部材は、固定位置を保持する構成を備えていないので、車両通過時の振動等によりボルトが緩むと固定部材が回転し、固定部材の先端が受材から外れるおそれがある。また、固定部材の先端が受材から外れると、車両等の通過によりグレーチングが跳ね上がり、事故を発生するおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、溝蓋と受枠との隙間にごみおよび小石等が詰まって固着するのを解消でき、さらに、ほうき等による通水路の清掃を簡便に行える排水溝構造を提供することにある。
本発明の目的は、溝蓋を固定するボルトが緩んだとしても、溝蓋の跳ね上がりを確実に防止でき、さらに、外力を受けて溝蓋あるいは受枠が変形した場合でも、溝蓋が通水路内に落下するのを確実に阻止できる、安全性に優れた排水溝構造を提供することにある。
本発明の目的は、溝蓋を受枠の締結位置に簡単に配置できるようにして、溝蓋の受枠に対する一連の組付作業を容易にしかも的確に行うことができる排水溝構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、路面舗装1に埋設される受枠2と、受枠2の上開口を覆う溝蓋3とを備えている幅狭型の排水溝構造を対象とする。受枠2は、底部材20と、左右一対の側壁21・21と、両側壁21・21の対向面の長手方向に沿って断続的に固定されて、溝蓋3を支持する左右一対ずつの支持体22・22とで構成する。支持体22は、側壁21に固定されるベース壁28と、ベース壁28の上縁から溝中央へ向かって突出されて溝蓋3を支持する第1支持板29と、ベース壁28の下側から溝中央へ向かって突出する第2支持板30とを含んで構成する。
【0011】
ベース壁28の前後端のいずれか一方に、第1支持板29の下面および突端面と面一になる周縁部を備えた補強壁31を、ベース壁28と一体に形成する。
【0012】
第1支持板29の突端に、溝蓋3が受枠2の通水路35へ落下するのを規制する支持壁32を、上向きに突設する。
【0013】
溝蓋3の前後方向の複数箇所に、溝蓋3を支持体22に締結する締結構造10を設ける。締結構造10は、溝蓋3に設けられる締結ベース11と、対向する一対の第1支持板29の下面に掛止される締結プレート12と、締結ベース11と締結プレート12とを締結するねじ構造13とを含む。締結プレート12は、一対の支持体22・22に対して前後方向へ出入れは自在に、しかし、一対の支持体22・22のベース壁28・28の間で回転は不能な長さに設定する。そして、溝蓋3と締結プレート12とを、第1支持板29を上下に挟持する状態でねじ構造13で締結する。
【0014】
溝蓋3に、締結プレート12の周縁を受止めて、同プレート12をその長手方向が支持体22の前後方向と交差する挿入姿勢に保持するプレート保持体49を設ける。
【0015】
支持体22の第2支持板30の前後いずれか一方の端部に補強壁31を設け、第2支持板30の他方の端部に連続して前後方向へ延びるプレート案内板46を設ける。溝蓋3を支持体22に仮組みする過程で、締結プレート12をプレート案内板46で受止めた状態で、溝蓋3を支持体22へ向かってスライド移動させて仮組みできるようにする。プレート案内板46は、支持体22と一体化して設ける、または、支持体22とは別体で受枠2に設けることができる。ここでいう「端部に連続」とは、第2支持板30とプレート案内板46が面一で一体化してある場合、両者が一体でプレート案内板46が支持体22へ向かって傾斜している場合、両者が別体で小さな隙間を介して隣接している場合などを含む。
【0016】
締結プレート12の両端の隅部分に、ベース壁28に対する引っ掛かりを防止する挿入ガイド部47を形成する。
【0017】
路面舗装1を透水性舗装1Aで構成し、受枠2の透水性舗装1Aに臨む側の側壁21に複数の通水孔23を形成する。
【0018】
受枠2を金属板材にプレス加工を施して形成し、底部材20と左右一対の側壁21・21とを一体に設ける。
【0019】
受枠2の底部材20をコンクリートで成形された成形側溝50で構成し、成形側溝50の上面に左右一対の側壁21・21を設ける。
【0020】
溝蓋3のサイドプレート7に弾性を有する金属クリップCを装着する。金属クリップCの弾性で溝蓋3を一方の側壁21に押し付けることにより、溝蓋3を受枠2に固定する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る排水溝構造は、受枠2の左右一対の側壁21・21の対向面の長手方向に沿って、左右一対の支持体22・22を断続的に固定し、これらの支持体22で溝蓋3を支持して、受枠2の上開口を覆うようにした。このように、溝蓋3を受枠2の開口近傍で支持すると、溝蓋3を底部材20で支持する場合に比べて、溝蓋3の厚み寸法を小さくして、重量を小さくすることができる。したがって、清掃時の溝蓋3の取り外し、あるいは再装着作業を軽快かつ簡便に行える。また、支持体22を断続的に設けるので、溝蓋3と受枠2との隙間に詰まったごみおよび小石等は、支持体22の前後端部から通水路35へと流下できる。したがって、隙間内でごみおよび小石等が固着することを解消でき、溝蓋3が取り外せなくなることを防止できる。さらに、支持体22を左右に分離した状態で設けてあるので、通水路35の清掃時に支持体22が邪魔にならず、ごみおよび小石等をほうき等で連続して掃き進めることができ、清掃の手間を軽減できる。
【0022】
加えて、ベース壁28と、ベース壁28の上縁に設けた第1支持板29、および下側に設けた第2支持板30とを含んで支持体22を構成するので、大きな外力を受けて第1支持板29が変形した場合でも、その下方に設けた第2支持板30で溝蓋3を受止めることができる。これにより、溝蓋3が支持体22から外れて通水路35内に落下することを阻止でき、人の足あるいは車両の車輪等が通水路35に落ち込む等の事故の発生を防止できる、安全性に優れた排水溝構造とすることができる。
【0023】
ベース壁28の前後端のいずれか一方に補強壁31を一体に形成すると、第1支持板29が変形した場合でも、補強壁31で溝蓋3を支持することができる。したがって、第1支持板29が大きく変形することがなく、溝蓋3が通水路35内に落下することをさらに確実に阻止でき、事故の発生を防止できる安全性に優れた排水溝構造とすることができる。
【0024】
第1支持板29の突端に支持壁32を上向きに突設すると、例えば受枠2に固定されていない溝蓋3上を人または車両が通過し、溝蓋3が支持体22から少し浮き上がった状態になっても、溝蓋3が支持壁32を乗越えない限り、通水路35内に落下することがない。したがって、溝蓋3が通水路35内に落下するのを確実に阻止できる、事故の発生を防止できる安全性に優れた排水溝構造とすることができる。
【0025】
溝蓋3側の締結ベース11と、締結プレート12と、これら両者3・12を締結するねじ構造13などで締結構造10を構成し、第1支持板29の下面に掛止した締結プレート12と締結ベース11とをねじ構造13で締結した。この締結構造10では、締結プレート12の長さが、前後方向へ出入れは自在に、しかし、一対のベース壁28・28の間で回転は不能な長さに設定してある。したがって、ねじ構造13を締め付ける際に締結プレート12が回転するのを確実に防止して、溝蓋3の受枠2に対する締結作業を容易にしかも的確に行うことができる。
【0026】
締結構造10は、溝蓋3上を通過する人あるいは車両の振動により、ねじ構造13が緩む場合があるが、締結プレート12をベース壁28の間で回転不能に設けたので、締結プレート12が回転して第1支持板29の下面から外れることがなく、ねじ構造13が分離しない限り、溝蓋3と受枠2との締結状態を維持できる。したがって、溝蓋3の跳ね上がり、あるいは通水路35内への落下を確実に阻止できる、安全性に優れた排水溝構造とすることができる。
【0027】
本発明に係る締結構造10は、ねじ構造13で締結プレート12を締結する構成であるので、溝蓋3に仮組みした状態の締結プレート12は、ねじ軸心廻りに自由に回動することができる。そのため、溝蓋3を支持体22に仮組みする過程では、締結プレート12を回動操作して適正な挿入姿勢に調整する必要がある。しかし、溝蓋3にプレート保持体49を設けると、溝蓋3に仮組みした締結プレート12を、プレート保持体49で受止めて適正な挿入姿勢に保持できる。つまり、締結プレート12を溝蓋3に仮組みした時点で、締結プレート12の姿勢をプレート保持体49で適正な挿入姿勢に保持できる。さらに、溝蓋3を支持体22に仮組みする際に、締結プレート12の姿勢が大きくずれ動くこともない。したがって、溝蓋3の受枠2に対する仮組み作業を容易にしかも的確に行うことができる。
【0028】
また、図20に示すように、縞鋼板で形成された溝蓋3A(3)を設置する場合には、溝蓋3Aを受枠2に仮組みするとき、溝蓋3Aの下面に位置する締結プレート12の姿勢を上方から目視することができない。しかし、上記のように、プレート保持体49で締結プレート12を適正な挿入姿勢に保持すると、先のような状況であっても、締結プレート12を支持体22に対して適正に組付けることができる。
【0029】
支持体22または受枠2のいずれか一方にプレート案内板46を設けると、溝蓋3を支持体22に仮組みする過程で、締結プレート12をプレート案内板46で受止めて仮位置決めできる。したがって、以後は、溝蓋3を支持体22へ向かってスライド移動させるだけで、溝蓋3を支持体22に対して簡単に仮組みでき、全体として、仮組み、位置決め、締結などの溝蓋3の受枠2に対する一連の組付作業を容易にしかも的確に行なうことができる。
【0030】
締結プレート12の両端の隅部分に挿入ガイド部47を形成すると、締結プレート12を一対の支持体22・22に挿入する際に、締結プレート12がベース壁28に引っ掛かるのを防止できる。したがって、締結プレート12の支持体22への仮組みをスムーズに行って、溝蓋3の受枠2に対する一連の組付作業をさらに容易にしかもさらに的確に行なうことができる。
【0031】
受枠2の透水性舗装1Aに臨む側の側壁21に複数の通水孔23を形成すると、受枠2の上開口からに加えて、透水性舗装1A内に吸収された水も通水路35内に取り込むことができる。したがって、透水性舗装1Aの排水性を向上させることができ、路面舗装1上に水が溜るのを防止できる。
【0032】
金属板材にプレス加工を施して受枠2を形成し、底部材20と左右一対の側壁21・21とを一体に設けるようにすると、金属板材を曲げ加工するだけで受枠2を製造することができ、受枠2の製造コストを抑えることができる。
【0033】
受枠2の底部材20をコンクリートで成形された成形側溝50で構成し、成形側溝50の上面に左右一対の側壁21・21を設けると、受枠2の流路断面を大きくすることができ、比較的水量の多い場所にでも幅狭型の排水溝構造を適用することができる。
【0034】
弾性を有する金属クリップCで溝蓋3を一方の側壁21に押し付けて、溝蓋3を受枠2に固定すると、幅狭型の排水溝構造を、例えば地下駐車場の壁面沿いなどの、人および車両が通行しないような場所に設置する場合に、溝蓋3を受枠2に簡単に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1に係る排水溝構造の縦断正面図である。
【図2】実施例1に係る排水溝構造の部分省略平面図である。
【図3】実施例1に係る溝蓋を取り外した状態の平面図である。
【図4】実施例1に係る受枠を示す斜視図である。
【図5】実施例1に係る締結構造を示す縦断側面図である。
【図6】実施例1に係る溝蓋の取付け方法を示す縦断側面図である。
【図7】実施例2に係る受枠を構成する側壁を示す斜視図である。
【図8】実施例2に係る排水溝構造の縦断正面図である。
【図9】実施例2に係る締結構造を示す縦断正面図である。
【図10】実施例3に係る受枠を構成する側壁を示す斜視図である。
【図11】実施例3に係る排水溝構造の縦断側面図である。
【図12】実施例3に係る排水溝構造の縦断正面図である。
【図13】実施例3に係る締結構造を示す縦断正面図である。
【図14】実施例4に係る溝蓋を取り外した状態の平面図である。
【図15】実施例4に係る排水溝構造の縦断正面図である。
【図16】実施例5に係る締結構造を示す縦断側面図である。
【図17】実施例5に係る受枠を示す斜視図である。
【図18】実施例5に係る溝蓋の取付け方法を示す縦断側面図である。
【図19】図18のA−A線断面図である。
【図20】実施例6に係る溝蓋の取付け方法を示す平面図である。
【図21】実施例7に係る支持体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(実施例1) 図1から図6に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例1を示す。本実施例では、排水溝構造は車道と歩道の境界部分に設置してある。本発明における前後、左右、上下とは、図中に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図1、図2および図3に示すように、排水溝構造は、路面舗装1に埋設される受枠2と、受枠2の上開口を覆う溝蓋3とを備えている。受枠2は、一方を透水性舗装1Aに、他方を歩道端部に設置した縁石1Bに臨む状態で、受枠2の上端が透水性舗装1Aと面一状に路面舗装1に埋設してある。
【0037】
図3に示すように、溝蓋3は、左右一対のサイドプレート7と、前後一対のエンドプレート8と、左右のサイドプレート7の間に配置した4個のベアリングバー5と、これらベアリングバー5の上部に配置した多数個のクロスバー6とで前後に長い格子体状に構成する。ベアリングバー5は断面がI字状の条材を一定長さに切断して形成してあり(図1参照)、その前後端のそれぞれがエンドプレート8に溶接してある。ベアリングバー5の上面には、必要に応じて滑り止めの突起群が設けられる。クロスバー6は、断面が円形の鋼棒からなり、ベアリングバー5の上面と面一になる状態で溶接してある。
【0038】
図1、図3および図5に示すように、溝蓋3は前後端にそれぞれ締結構造10を備えている。締結構造10は、溝蓋3に設けられる締結ベース11と、締結プレート12と、締結ベース11と締結プレート12とを締結するねじ構造13とを含んで構成してある。ねじ構造13は、締結ベース11に設けた挿通孔に挿通されるボルト14と、締結プレート12に固定されたナット15とからなる。締結プレート12は、中央にボルト14を挿通するための挿通孔を設けた長方形の板体であり、挿通孔に臨むようにナット15が溶接固定してある。締結プレート12の長手方向の長さは、後述する一対の支持体22・22のベース壁28・28の間の長さよりも、僅かに小さく設定されている(図1参照)。
【0039】
図2および図5に示すように、締結ベース11を設ける個所では中央の2本のベアリングバー5が省略されており、その左右辺部が左右一対のベアリングバー5に溶接してある。また、締結ベース11の前後辺部に対向する状態で、一対の隔壁16・16が一対のベアリングバー5に溶接してある。締結ベース11と一対のベアリングバー5と一対の隔壁16・16とで、ボルト14の操作頭部、および締結工具のレンチを収容する凹部が形成されている。凹部内に収容したボルト14の操作頭部は、溝蓋3の上面からは突出しない。締結ベース11と前後の隔壁16・16との間には、それぞれ開口17・17を設けてあり(図5参照)、凹部内に水、ごみおよび小石等が溜らないようになっている。
【0040】
図1および図4に示すように、受枠2は、底部材20と、底部材20に連続する左右一対の側壁21・21と、溝蓋3を支持する左右一対ずつの支持体22・22とで構成してある。底部材20と一対の側壁21・21とは、金属板材にプレス加工を施して、断面コ字状に一体に形成してあり、その内部空間が通水路35を構成している。両側壁21・21の対向面の長手方向に沿って、5組の一対の支持体22・22が等間隔おきに断続的に溶接してある。なお、前後に隣り合う支持体22の間隔は、隣接して設置される受枠2に跨る場合でも、同じ間隔になるように設定されている。透水性舗装1Aに臨む左方の側壁21には、長穴状の通水孔23が形成してあり、透水性舗装1Aに吸収された水は、通水孔23を通って通水路35に流入できるようになっている。通水孔23は、側壁21の上下方向中央より上側に位置する状態で、等間隔に10個設けてある。透水性舗装1A側の側壁21の下端側には、3個のL字状の固定部材24が設けてあり、受枠2は、固定部材24が路面基礎に設けられたアンカーボルト25にナット26で締結固定された状態で、路面舗装1に埋設されている。図3および図4において、符号36は、施工時に隣接する受枠2との位置合わせをするための位置決め片であり、側壁21の後端下部に固定してある。
【0041】
図4に示すように、支持体22はプレス成形品からなり、側壁21に固定されるベース壁28と、ベース壁28の上縁および下縁から中央へ向かって突出される第1支持板29および第2支持板30を備えている。さらに、ベース壁28の後端から中央へ向かって折曲げられる補強壁31と、第1支持板29の突端から上向きに突設してある支持壁32とを一体に備えている。ベース壁28、第1支持板29および第2支持板30で、断面コ字状の挿入溝33を構成しており、挿入溝33の後端は、補強壁31で塞がれている。溝蓋3は、左右のサイドプレート7が第1支持板29に支持される状態で支持体22に載置され、締結構造10で受枠2に固定されて受枠2の上開口を覆う(図1参照)。
【0042】
溝蓋3は、例えば以下の要領で受枠2に載置し締結固定する。まず、ボルト14を締結ベース11の挿通孔に挿通し、締結プレート12のナット15に軽くねじ込み、締結プレート12の長手方向が、溝蓋3の幅方向に沿うようにする。このとき、前後のボルト14・14のねじ込み量が異なっていても問題はない。次に、図6に示すように、締結プレート12が掛止される受枠2に対して溝蓋3を前方にずらし、締結構造10と支持体22が重ならない位置で溝蓋3を受枠2内に挿入し、締結プレート12の左右両端の掛止部34・34が、支持体22・22の挿入溝33・33に入り込むように、溝蓋3を後方に移動させる。溝蓋3を移動させると、掛止部34が補強壁31に接触して後方への移動が規制され、溝蓋3を所定の位置に位置決めすることができる。この状態では、締結プレート12に対するボルト14の締め込み量が少ない場合には、掛止部34が第2支持板30に支持された状態で載置され、逆に締め込み量が多い場合には、サイドプレート7が第1支持板29に支持された状態で載置される。
【0043】
上記のように、溝蓋3を位置決めして載置した状態で、各ボルト14を締め込み操作する。このとき、締結プレート12は、両ベース壁28・28または両補強壁31・31により、回転が規制されるので、締め込み操作に伴う共回りを防止できる。ボルト14の締め込み操作により、締結プレート12は上方へ引寄せられ、やがて、溝蓋3のサイドプレート7と締結プレート12の掛止部34とで、第1支持板29が上下に狭持される。これにより、溝蓋3は受枠2に強固に締結固定されるので、人または車両の通過による溝蓋3の跳ね上がりを防止できる。
【0044】
溝蓋3上を通過する人あるいは車両の振動により、溝蓋3と受枠2を固定しているねじ構造13が緩む場合がある。この場合でも、ねじ構造13が分離しない限り、締結プレート12の掛止部34が、支持体22の挿入溝33内に位置しているので、溝蓋3の跳ね上がり、あるいは通水路35内への落下を阻止することができる。なお、振動によるねじ構造13の緩みを防止する目的で、ボルト14に緩み止め剤をあらかじめ塗布してもよい。
【0045】
上記の実施例では、底部材20を直線状に形成したがその必要はなく、底部材20と側壁21との隣接部分に斜面を設けてもよい。また、底部材20を曲面状に形成してもよい。ボルト14をナット15にねじ込んで締結プレート12を掛止した状態で、ボルト14先端のねじ山をつぶす等して、ねじ構造13が分離できないように構成することもできる。
【0046】
(実施例2) 図7から図9に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例2を示す。本実施例では、排水溝構造を歩道に設置した場合を示す。図8に示すように、受枠2は、底部材20をコンクリートで成形された円形水路(成形側溝)50で構成し、円形水路50の上面に左右一対の側壁21・21を固定してある。側壁21は、その下端に固定板40を設けて、断面L字状のプレス成形品として形成してあり、固定板40が円形水路50に設けたアンカーボルト41にナット42で締結固定してある。一対の側壁21・21と円形水路50とで通水路35が構成されている。歩道の場合、路面舗装1の表面は通常のアスファルト舗装、あるいはレンガブロック等であるので、側壁21の通水孔23は省略してある。これら以外の点は、先の実施例1と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。本実施例では、成形側溝50は、円形水路を使用したが、U字型側溝等を使用することもできる。
【0047】
(実施例3) 図10から図13に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例3を示す。本実施例では、溝蓋3が蓋高さを高くするための嵩上げ部材45を備えている点と、支持体22の支持壁32が省略されている点が、先の実施例2とは異なる。図11に示すように、溝蓋3の底面の3箇所には、嵩上げ部材45が一体に設けられており、前後端の嵩上げ部材45は、締結構造10の締結ベース11を兼ねている。嵩上げ部材45は、溝蓋3の幅寸法と同じ長さに切断した角パイプで形成し、溝蓋3の底面に溶接固定してある。嵩上げ部材45の上下壁の中央には、ボルト14を挿通するための挿通孔が設けてある。溝蓋3は、各嵩上げ部材45が支持体22の第1支持板29に支持された状態で載置され、締結構造10で受枠2に固定された状態で、受枠2の上開口を覆うようになっている(図13参照)。これら以外の点は、先の実施例2と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
本実施例では、支持壁32を省略して断面コ字状の支持体22としたが、支持壁32を備える支持体22の上下方向を逆に固定することにより、支持壁32を省略した場合と同じ形態で溝蓋3を支持することができる。
【0049】
(実施例4) 図14から図15に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例4を示す。本実施例では、溝蓋3は、締結構造10を省略してあり、弾性を有する金属クリップCを使用して受枠2に固定する。金属クリップCは、自身の弾性力で一方のサイドプレート7に下方から差し込んだ状態で取付けられており、サイドプレート7が第1支持板29に受止められない部分に装着する。溝蓋3は、金属クリップCを取付けた状態で受枠2内に挿入され、左右のサイドプレート7が第1支持板29に支持された状態で、受枠2の上開口を覆うようになっている。このとき、溝蓋3は、金属クリップCの弾性力で、側壁21に押し付けられて、受枠2に固定されている(図15参照)。これら以外の点は、先の実施例1と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。このように、本発明に係る受枠2は、締結構造10を備えない溝蓋3であっても支持することができ、したがって、締結構造10を備える溝蓋3と受枠2を共用することができるので、受枠2の製造コストおよび管理コストを抑えることができる。
【0050】
(実施例5) 図16から図19に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例5を示す。本実施例では、以下に列挙する点が先の実施例1と異なる。第一点目は、締結プレート12を挿入姿勢に保持するプレート保持体49を溝蓋3に設けた点である。第二点目は、溝蓋3を支持体22に仮組みする際に、締結プレート12を受止め、さらにスライド案内するプレート案内板46を支持体22に設けた点である。第三点目は、締結プレート12とベース壁28との引っ掛かりを防止する挿入ガイド部47を締結プレート12に形成した点である。第四点目は、受枠2の底部材20と両側壁21・21との接続部を円弧状に形成した点である。
【0051】
図16および図18に示すように、プレート保持体49は、締結ベース11の前端から下向きに折り曲げられて、締結ベース11と一体に形成してある。図19に示すように、プレート保持体49は、溝蓋3に仮組みした締結プレート12を適正な挿入姿勢に保持するために設けてあり、その後面で締結プレート12の前端面(周縁)を受止めて、同プレート12を、その長手方向線が支持体22の前後方向と直交する姿勢に保持している。
【0052】
図16から図19に示すように、プレート案内板46は、支持体22の第2支持板30を前方向に延設して支持体22と一体に形成してあり、第2支持板30と面一になっている。プレート案内板46は、全ての支持体22に設ける必要はなく、図17に示すように受枠2の前後端に位置する合計4個の支持体22に限って設ける。受枠2の底部材20と両側壁21・21との隣接部分の断面を、半径値が大きな4分円弧状に形成して、両者20・21の隣接部分にごみおよび小石等が固着するのを防止している。図19に示すように、挿入ガイド部47は、平面視における締結プレート12の四隅を斜めに切欠いて形成してある。これら以外の点は、先の実施例1と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
本実施例の溝蓋3は、例えば以下の要領で受枠2に載置し締結固定する。まず、ボルト14を締結ベース11の挿通孔に挿通し、さらに締結プレート12のナット15にねじ込んで、締結プレート12の前端面がプレート保持体49の後面で受止められる状態になるまで、締結プレート12を締結ベース11側へ引寄せる。このとき、前後のボルト14・14のねじ込み量が異なっていても問題はない。次に、図18に示すように、締結プレート12が前後端の支持体22のプレート案内板46と対向する状態で溝蓋3を受枠2内に挿入し、支持体22上に溝蓋3を仮載置する。このとき、締結プレート12は、プレート案内板46で受止められて、締結プレート12の下面が第2支持壁30の上面と同じ高さ位置に保持されて仮位置決めされる。次に、溝蓋3を後方にスライド移動させると、締結プレート12はプレート案内板46で案内されて、両掛止部34が支持体22・22の挿入溝33・33に入り込む。最終的には、締結プレート12が補強壁31で受止められて後方への移動が規制され、溝蓋3を所定の位置に位置決めした状態で仮組みできる。
【0054】
上記のように、溝蓋3を位置決めして載置した状態で、各ボルト14を締め込み操作する。このとき、締結プレート12は、両ベース壁28・28、両補強壁31・31、あるいはプレート保持体49により回転が規制されるので、ボルト14の締め込み操作に伴う共回りを防止できる。ボルト14を締め込むのに伴って、締結プレート12は上方へ引寄せられ、やがて、溝蓋3のサイドプレート7と締結プレート12の掛止部34とで、第1支持板29が上下に狭持される。これにより、溝蓋3は受枠2に強固に締結固定されるので、人または車両が通過するときの、重量モーメントによる溝蓋3の跳ね上がりを防止できる。
【0055】
このように、溝蓋3にプレート保持体49を設けると、締結プレート12を溝蓋3に仮組みした時点で、締結プレート12の姿勢をプレート保持体49で適正な挿入姿勢に保持できる。さらに、溝蓋3を支持体22に仮組みする際に、締結プレート12の姿勢が大きくずれ動くこともない。したがって、溝蓋3の受枠2に対する仮組み作業を容易にしかも的確に行うことができる。
【0056】
支持体22または受枠2のいずれか一方にプレート案内板46を設けると、溝蓋3を支持体22に仮組みする過程で、締結プレート12をプレート案内板46で受止めて仮位置決めできる。したがって、以後は、溝蓋3を支持体22へ向かってをスライド移動させるだけで、溝蓋3を支持体22に対して簡単に仮組みでき、全体として、仮組み、位置決め、締結などの溝蓋3の受枠2に対する一連の組付作業を容易にしかも的確に行なうことができる。
【0057】
締結プレート12の両端の隅部分に挿入ガイド部47を形成すると、締結プレート12を一対の支持体22・22に挿入する際に、締結プレート12がベース壁28に引っ掛かるのを防止できる。したがって、締結プレート12の支持体22への仮組みをスムーズに行って、溝蓋3の受枠2に対する一連の組付作業をさらに容易にしかもさらに的確に行なうことができる。加えて、挿入ガイド部47を締結プレート12の四隅に形成すると、同プレート12の前後方向を気にすることなく締結プレート12を溝蓋3に仮組みすることができる。
【0058】
本実施例では、プレート案内板46と第2支持板30とは、両者30・46の上面を同一高さに形成したが、その必要はなく、両者30・46の上面の高さが異なっていてもよい。この場合には、両者30・46の接続部分を傾斜面等で滑らかに連続させることにより、締結プレート12を挿入溝33に案内することができる。また、プレート案内板46は支持体22と別体で構成して、受枠2に設けることができる。この場合には、プレート案内板46と第2支持板30とは、小さな隙間を介して隣接していてもよい。挿入ガイド部47の形状は、斜めに切欠くほか、隅部をR状に丸めてあってもよい。
【0059】
(実施例6) 図20に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例6を示す。本実施例では、溝蓋3A(3)を縞鋼板で形成する点が先の実施例5とは異なる。溝蓋3Aは、縞鋼板の両端を下方に折り曲げ加工を施して、開口が下向きの断面コ字状に形成してあり、その上面に複数の排水孔48を設けてある。縞鋼板にはボルト14の操作頭部を挿通するための貫通孔が形成してあり、ボルト14を締結プレート12のナット15に締結した状態では、先の実施例と同様に、操作頭部がプレート保持体49に密着して貫通孔より下方に位置している。これ以外の点は、先の実施例5と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。このように、縞鋼板で形成された溝蓋3Aにおいては、上方から締結プレート12の姿勢を確認できないが、こうした状況であっても、プレート保持体49で締結プレート12を常に適正な挿入姿勢に保持できるので、溝蓋3Aの受枠2に対する仮組み作業を容易にしかも的確に行なうことができる。
【0060】
(実施例7) 図21に、本発明に係る幅狭型の排水溝構造の実施例7を示す。本実施例では、支持体22を2個のプレス成形品で形成する点と、支持体22にプレート案内板46を設けた点が先の実施例3とは異なる。支持体22は、ベース壁28と第1支持板29とをL字状に一体に形成したプレス成形品と、第2支持壁30と補強壁31とをL字状に一体に形成したプレス成形品とを溶接固定して形成してある。第2支持壁30はベース壁28の上下方向の下側中途部に固定されており、補強壁31は第1支持板29の上面よりも上方に突出している。受枠2の前後端に位置する合計4個の支持体22・22に限っては、第2支持板30をベース壁28の前後長さよりも長く形成して、溝蓋3を支持体22に仮組みする過程で締結プレート12を受止めるプレート案内板46としてある。これ以外の点は、先の実施例3と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
上記実施例のように、支持体22は複数個のプレス成形品または板材を溶接固定して形成することができる。また、第2支持板30はベース壁28の下縁に位置する必要はなく、締結プレート12を挿入することができる挿入溝33が形成できる位置であればよい。ベース壁28の上下長さを長くすると、受枠2の側壁21に支持体22を溶接固定する場合には溶接長を大きくすることができ、より強固に支持体22を側壁21に溶接固定することができる。
【0062】
以上のように、受枠2に支持体22を断続的に設けると、支持体22の上側において溝蓋3と受枠2との隙間に入り込んだごみおよび小石等は、支持体22の前後端部から通水路35へと流下されるので、先の隙間にごみ等が詰まることはない。これにより、隙間内でごみおよび小石等が固着することを解消でき、溝蓋3が取り外せなくなることを防止できる。さらに、支持体22を左右に分離した状態で設けてあるので、通水路35の清掃時に支持体22が邪魔にならず、ごみおよび小石等をほうきで連続して掃き進めることができ、清掃の手間を軽減できる。
【0063】
本発明に係る受枠2を構成する一対の支持体22・22の数は、実施例1〜6に示したものに限られない。一対の支持体22・22は2組以上あればよく、溝蓋3を支持するのに必要な強度に応じた数に適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 路面舗装
1A 透水性舗装
2 受枠
3 溝蓋
10 締結構造
11 締結ベース
12 締結プレート
13 ねじ構造
20 底部材
21 側壁
22 支持体
23 通水孔
28 ベース壁
29 第1支持板
30 第2支持板
31 補強壁
32 支持壁
35 通水路
45 嵩上げ部材
46 プレート案内板
47 挿入ガイド部
49 プレート保持体
50 成形側溝(円形水路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面舗装(1)に埋設される受枠(2)と、受枠(2)の上開口を覆う溝蓋(3)とを備えている幅狭型の排水溝構造であって、
受枠(2)は、底部材(20)と、左右一対の側壁(21・21)と、両側壁(21・21)の対向面の長手方向に沿って断続的に固定されて、溝蓋(3)を支持する左右一対ずつの支持体(22・22)とで構成されており、
支持体(22)が、側壁(21)に固定されるベース壁(28)と、ベース壁(28)の上縁から溝中央へ向かって突出されて溝蓋(3)を支持する第1支持板(29)と、ベース壁(28)の下側から溝中央へ向かって突出する第2支持板(30)とを含んで構成してある排水溝構造。
【請求項2】
ベース壁(28)の前後端のいずれか一方に、第1支持板(29)の下面および突端面と面一になる周縁部を備えた補強壁(31)が、ベース壁(28)と一体に形成してある請求項1記載の排水溝構造。
【請求項3】
第1支持板(29)の突端に、溝蓋(3)が受枠(2)の通水路(35)へ落下するのを規制する支持壁(32)が、上向きに突設してある請求項1から2のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項4】
溝蓋(3)の前後方向の複数箇所に、溝蓋(3)を支持体(22)に締結する締結構造(10)が設けられており、
締結構造(10)は、溝蓋(3)に設けられる締結ベース(11)と、対向する一対の第1支持板(29)の下面に掛止される締結プレート(12)と、締結ベース(11)と締結プレート(12)とを締結するねじ構造(13)とを含み、
締結プレート(12)は、一対の支持体(22・22)に対して前後方向へ出入れは自在に、しかし、一対の支持体(22・22)のベース壁(28・28)の間で回転は不能な長さに設定されており、
溝蓋(3)と締結プレート(12)とが、第1支持板(29)を上下に挟持する状態でねじ構造(13)で締結してある請求項1から3のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項5】
溝蓋(3)に、締結プレート(12)の周縁を受止めて、同プレート(12)をその長手方向が支持体(22)の前後方向と交差する挿入姿勢に保持するプレート保持体(49)が設けてある請求項4に記載の排水溝構造。
【請求項6】
支持体(22)の第2支持板(30)の前後いずれか一方の端部に補強壁(31)が設けられており、
第2支持板(30)の他方の端部に連続して前後方向へ延びるプレート案内板(46)が設けられており、
溝蓋(3)を支持体(22)に仮組みする過程で、締結プレート(12)をプレート案内板(46)で受止めた状態で、溝蓋(3)を支持体(22)へ向かってスライド移動させて仮組みできる請求項4または5に記載の排水溝構造。
【請求項7】
締結プレート(12)の両端の隅部分に、ベース壁(28)に対する引っ掛かりを防止する挿入ガイド部(47)が形成してある請求項4から6のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項8】
路面舗装(1)が透水性舗装(1A)で構成されており、
受枠(2)の透水性舗装(1A)に臨む側の側壁(21)に複数の通水孔(23)が形成してある請求項1から7のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項9】
受枠(2)が金属板材にプレス加工を施して形成されて、底部材(20)と左右一対の側壁(21・21)とが一体に設けてある請求項1から8のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項10】
受枠(2)の底部材(20)がコンクリートで成形された成形側溝(50)で構成されており、成形側溝(50)の上面に左右一対の側壁(21・21)が設けてある請求項1から7のいずれかひとつに記載の排水溝構造。
【請求項11】
溝蓋(3)のサイドプレート(7)に弾性を有する金属クリップ(C)が装着されており、金属クリップ(C)の弾性で溝蓋(3)を一方の側壁(21)に押し付けることにより、溝蓋(3)が受枠(2)に固定してある請求項1から3のいずれかひとつに記載の排水溝構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−60804(P2013−60804A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182385(P2012−182385)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【出願人】(598084851)片岡産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】