説明

排熱構造及び排熱構造を備えたテレビジョン受像機

【課題】 排熱効率を向上させるとともに静音性及び防塵性を向上させた排熱構造及びこの排気構造を備えたテレビジョン受像機を提供する。
【解決手段】 テレビジョン受像機1は、表示パネル4と、表示パネル4に画像を表示させるための電子部品(図示省略)が搭載された上部回路基板6a及び下部回路基板6b(複数の回路基板6)とを内蔵する筐体3の排熱構造を有しており、回動軸としてのヒンジ11を支点に筐体3の背面上部5aを開状態と閉状態とに開閉する開閉手段としての支持アーム8と、筐体3の背面上部5aが開状態において筐体3の内部と外部とを連通するとともに閉状態において筐体3内に収納される上部スリット9と、筐体3の下部に設けられ筐体3の内部と外部とを連通する下部スリット10と、を有する排熱構造を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱構造及び排熱構造を備えたテレビジョン受像機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、液晶テレビ等のテレビジョン受像機の排熱構造においては、例えば、背面部に設けた複数のスリットから自然放熱するものや、内部に排気用のファンを設けて強制的に排気することで放熱するものが知られている。
【0003】
ところで、背面部や上部にスリットを設けた場合、テレビジョン受像機がONのとき(使用時)は、表示パネルや電子部品等の発熱体からの熱によりテレビジョン受像機の筐体内部に対流が起き、筐体上部の内側から外側に向けて空気が排出されるが、テレビジョン受像機がOFFのとき(不使用時)は、この対流が起きないことから、上記スリットを通って筐体の内部に埃等が混入し易く、故障や誤動作等の虞があるという問題があった。
【0004】
かかる問題に鑑みて、例えば、形状記憶合金の変形により使用時のみ放熱孔を形成する放熱構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、電源投入時にアクチュエータにより通気口を開く構成とした放熱構造も知られている(例えば、特許文献2〜3参照)。
【特許文献1】特開平7−183680号公報
【特許文献2】特開平9−33879号公報
【特許文献3】特開2006−330393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される排熱構造は、放熱孔を開閉するために形状記憶合金からなる専用の開閉手段を設ける必要があり、また、上記特許文献2〜3に開示される排熱構造は、何れも通気口を開閉するためのアクチュエータを必要とするため、取付工程が増加するとともに筐体内部に占める部品スペースが増大するため好ましくないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、筐体内部に占める部品スペースの増大を防止しつつ、排熱効率、静音性及び防塵性を向上させた排熱構造及びこの排気構造を備えたテレビジョン受像機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
電子部品が搭載された複数の回路基板を内蔵する筐体の排熱構造であって、
回動軸を支点に前記筐体の背面上部を開状態と閉状態とに開閉する開閉手段と、
前記筐体の背面上部が前記開状態において前記筐体の内部と外部とを連通するとともに前記閉状態において前記筐体内に収納される上部スリットと、
前記筐体の下部に設けられ前記筐体の内部と外部とを連通する下部スリットと、を備え、
前記筐体の背面上部の内面に上部回路基板が取り付けられるとともに、前記筐体の背面下部の内面に下部回路基板が取り付けられ、
前記上部回路基板と前記下部回路基板とが、温度変化により変形可能な形状記憶合金により一部が構成されたコネクタにより電気的に接続され、
前記開閉手段は、前記コネクタにより構成され、前記筐体内の温度上昇に伴う前記コネクタの変形により前記筐体の上部が開状態とされ、前記筐体内の温度低下に伴う前記コネクタの復元動作により前記筐体の上部が閉状態とされることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排熱構造において、
前記コネクタは、前記上部回路基板と下部回路基板とを連結する前記形状記憶合金からなる支持アームを有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の排熱構造において、
前記筐体の前面側に表示パネルを備え、
前記表示パネルと前記上部回路基板及び前記下部回路基板との間に前記下部スリットと上部スリットとを連通するダクト部を有してなることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、
表示パネルと、前記表示パネルに画像を表示させるための電子部品が搭載された複数の回路基板とを内蔵する筐体の排熱構造を有するテレビジョン受像機であって、
回動軸を支点に前記筐体の背面上部を開状態と閉状態とに開閉する開閉手段と、
前記筐体の背面上部が前記開状態において前記筐体の内部と外部とを連通するとともに前記閉状態において前記筐体内に収納される上部スリットと、
前記筐体の下部に設けられ前記筐体の内部と外部とを連通する下部スリットと、を備え、
前記筐体の背面上部の内面に上部回路基板が取り付けられるとともに、前記筐体の背面下部の内面に下部回路基板が取り付けられ、
前記上部回路基板と前記下部回路基板とが、温度変化により変形可能な形状記憶合金により一部が構成されたコネクタにより電気的に接続され、
前記表示パネルと前記上部回路基板及び前記下部回路基板との間に前記下部スリットと上部スリットとを連通するダクト部を有し、
前コネクタは、前記上部回路基板と下部回路基板とを連結する前記形状記憶合金からなる支持アームを有し、
前記開閉手段は、前記コネクタにより構成され、前記筐体内の温度上昇に伴う前記コネクタの変形により前記筐体の上部が開状態とされ、前記筐体内の温度低下に伴う前記コネクタの復元動作により前記筐体の上部が閉状態とされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体の背面上部を開閉可能とし、該背面上部に搭載された上部回路基板と背面下部に搭載された下部回路基板とを電気的に接続するコネクタの一部を、温度変化により変形可能な形状記憶合金で形成したことにより、従来からある部品であるコネクタを駆動源とすることができる。これにより、各回路基板に搭載された電子部品の発熱に伴い筐体内部の温度が上昇した際に、コネクタを駆動源として背面上部を閉状態から開状態に自動的に開放することができる。また、電子部品の発熱が終了して筐体内部の温度が低下した際に、コネクタの形状が復元することにより、背面上部を開状態から閉状態に自動的に閉塞させることができる。つまり、背面上部を開閉するためのアクチュエータを別に設ける必要がなく、筐体内部に占める部品スペースの増大を防止しつつ、簡易な構成で、背面上部を開閉させることができる。
【0012】
また、複数の回路基板を、筐体の背面下部や背面上部に搭載したことにより、筐体内に下部スリットから上部スリットまで連通する排熱路を形成することができ、下部スリットから流入したエアーを、発熱体となる電子部品の間を通過させて上部スリットから排出することができるため、排熱効率を向上させることができる。そして、排熱効率の向上により、例えば、排熱用のファン等を駆動する必要がなく、或いは、駆動させたとしても、従来よりも低速な回転で足りるため、静音性を向上させることができる。
【0013】
また、背面上部を開閉するための駆動源であるコネクタを形状記憶合金としたことにより、電子部品の使用に伴い筐体内部の温度が上昇した際には、背面上部を自動的に開状態として上部スリットを露出させることができる。また、電子部品の使用終了により筐体内部の温度が低下した際には、背面上部を自動的に閉状態として上部スリットを筐体内に収納することができる。つまり、未使用時には筐体の上部を自動的に閉塞することができるため防塵性の向上が図られる。従って、例えば、筐体内部への埃や金属片等の混入を効果的に防止することができ、結果、機器の故障や誤動作等を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るテレビジョン受像機1を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、以下の説明及び図示例に限定されない。
【0015】
<テレビジョン受像機の構成>
まず、テレビジョン受像機1の構成について、図1〜図6を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明を適用した好適な実施形態として例示するテレビジョン受像機1における背面上部5aの閉状態を示す概略側面図であり、図2は、本実施形態に係るテレビジョン受像機1における背面上部5aの開状態を示す概略側面図であり、図3は、上部回路基板6aと下部回路基板6bとの連結部を示す模式図であり、図4は、本実施形態におけるコネクタ7及び支持アーム8を示す模式図であり、図5、図6は、本実施形態における背面上部の開閉動作を示す動作説明図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るテレビジョン受像機1は、表示パネル4と、この表示パネル4に画像を表示させるための種々の電子部品(図示省略)が搭載された上部回路基板6a及び下部回路基板6b(複数の回路基板6)とを内蔵する筐体3と、回動軸としてのヒンジ11を支点に筐体3の背面上部5aを開状態と閉状態とに開閉する開閉手段としてのコネクタ7と、筐体3の背面上部5aが開状態において筐体3の内部と外部とを連通するとともに閉状態において筐体3内に収納される上部スリット9と、筐体3の下部に設けられ筐体3の内部と外部とを連通する下部スリット10と、を有する排熱構造を備えている。
【0017】
筐体3は、例えば、図2に示すように、主として表示パネル4(後述する)が搭載される前面部(図1,2において左側)と、その逆側の一端をなす背面部5(同右側)とからなり、背面部5は上下に二分されている。そして、背面部5の上部をなす背面上部5aの下端部と、背面部5の下部をなす背面下部5bとは、互いがヒンジ11を介して、水平方向に沿う軸(回動軸)を中心に回動自在に連結されている。そして、背面上部5aの下端部がヒンジ11を介して背面下部5bと連結されていることにより、該背面上部5aの上端部が図1〜2に示すように、開閉自在となっている。
【0018】
背面上部5aの上端部には、例えば、図1〜2に示すように、上部スリット9が設けられている。この上部スリット9は、背面上部5aの上部に固定されていて、ヒンジ11(回動軸)を中心に揺動する背面上部5aと一体的に揺動されるようになっている。そして、上部スリット9は、背面上部5aが図2に示す開状態に配置された状態において、筐体3の内部と外部とを連通するとともに、背面上部5aが図1に示す閉状態に配置された状態においては、筐体3内部に収納されて筐体3の内部と外部とを閉塞するようになっている。
【0019】
下部スリット10は、例えば、図1〜2に示すように、筐体3の下部に設けられ、該筐体3の下部において当該筐体3の内部と外部とを連通させるものである。この下部スリット10は、ほぼ上下方向に沿って開口するように形成されており、上方或いは側方から筐体3内部への埃等の侵入を防止するようになっている。
【0020】
表示パネル4は、図1〜2に示すように、筐体3の前面側に搭載されており、回路基板6に組み込まれた図示しない種々の電子部品によって駆動される。そして、表示パネル4は、図示しない受信部が受信した画像(映像)を表示する。かかる表示パネル4は、テレビジョン受像機1の駆動(ON)により発熱する、いわば発熱体である。
【0021】
上部回路基板6aは、例えば、図1〜2に示すように、筐体3の背面上部5aの内面に取り付けられている。また、下部回路基板6bは、例えば、筐体3の背面下部5bの内面に取り付けられている。そして、これら上部回路基板6aと下部回路基板6bとは、例えば、図3〜6に示すように、コネクタ7により電気的に接続されている。本実施形態におけるコネクタ7は、一部が温度変化により変形可能な形状記憶合金により構成されている。すなわち、コネクタ7は、上部回路基板6aと下部回路基板6bとを連結する、形状記憶合金からなる支持アーム8を備えている(図4参照)。
【0022】
具体的に、本実施形態における支持アーム8付きのコネクタ7は、例えば、図5に示すように、筐体3内部の温度が常温である通常状態においては、背面上部5a及び背面下部5bを、いわゆる面一の平行状態で維持するように構成されている。一方、筐体3の内部が高温(例えば、50℃以上等)の加熱状態においては、コネクタ7の支持アーム8が変形することで、背面上部5aを筐体3の外側に向けて開放させるようになっている(図1及び図6参照)
【0023】
つまり、上部回路基板6a及び下部回路基板6bを連結する形状記憶合金からなる支持アーム8を備えたコネクタ7により、本発明の開閉手段が構成されている。そして、該筐体3内部の温度上昇に伴う支持アーム8(コネクタ7)の変形により筐体3の上部が開状態とされるとともに、筐体3内の温度低下に伴う支持アーム8(コネクタ7)の復元動作により筐体3の上部が閉状態とされるようになっている。
【0024】
さらに、表示パネル4と上部回路基板6a及び下部回路基板6bとの間には、下部スリット10と上部スリット9とを連通するダクト部12が形成されている(図1〜2参照)。
【0025】
<実施形態の作用>
次に、図2〜図4に基づき、本実施形態に係るテレビジョン受像機1の動作説明を行う。
まず、テレビジョン受像機1の電源がOFFのときは、図1に示すように、背面上部5aが閉じて上部スリット9が閉塞された状態となっている。
次に、ユーザがテレビジョン受像機1の電源をONすると、上部回路基板6a及び下部回路基板6bに組み込まれた図示しない電子部品と、表示パネル4とからなる発熱体が駆動することにより、筐体3の内部の温度が上昇する。
そして、筐体3内部が一定の温度(例えば、50℃等)に達すると、形状記憶合金からなる支持アーム8(コネクタ7)が、図6に示す矢印A方向に向けて湾曲を開始する。
【0026】
支持アーム8(コネクタ7)が矢印A方向に湾曲することにより、テレビジョン受像機1の背面上部5aが図2のように開状態となり、上部スリット9が露出する。これに伴い、筐体3の内部で加熱されて膨張した空気が上部スリット9から放出されるとともに、下部スリット10から筐体3内部に空気が流入する。このように、下部スリット10から流入した空気が筐体3内部で加熱され、加熱された空気が上部スリット9から放出されるという具合に、筐体3内部の空気が対流することにより、表示パネル4及び回路基板5の両方から、効率よく熱が除去され、放熱されることとなる。
【0027】
一方、ユーザがテレビジョン受像機1の電源をOFFにすると、自然放熱により、筐体3の内部の発熱体(例えば、上部回路基板6a及び下部回路基板6bに組み込まれた電子部品や表示パネル4等)が冷却され、筐体3内部の温度が低下する。これに伴い、支持アーム部8(コネクタ7)が冷却されて元の形状に復元する。そして、上部スリット9が筐体3内に格納されることにより、テレビジョン受像機1の内部には、上部、側面部、から埃や金属片等が混入しなくなる。
【0028】
<実施形態の効果>
以上説明した本発明に係るテレビジョン受像機1によれば、筐体3の背面上部5aに搭載された上部回路基板6aと背面下部5bに搭載された下部回路基板6bとを電気的に接続するコネクタ7を、温度変化により変形可能な形状記憶合金で形成したことにより、従来からある部品であるコネクタ7を駆動源とすることができる。すなわち、各回路基板6a,6bに搭載された電子部品の発熱に伴い筐体3内部の温度が上昇した際に、コネクタ7を駆動源として背面上部5aを閉状態から開状態に自動的に開放することができる。また、電子部品の発熱が終了して筐体3内部の温度が低下した際に、コネクタ7(支持アーム8)の形状が復元することにより、背面上部5aを開状態から閉状態に自動的に閉塞させることができる。つまり、背面上部5aを開閉するためのアクチュエータを別に設ける必要がなく、筐体3内部に占める部品スペースの増大を防止しつつ、簡易な構成で、背面上部を開閉させることができる。
【0029】
また、複数の回路基板6を、筐体3の背面下部5bや背面上部5aに搭載したことにより、筐体3内に下部スリット10から上部スリット9まで連通するダクト部12(排熱路)を形成することができ、下部スリット10から流入したエアーを、発熱体となる電子部品の間を通過させて上部スリット9から排出することができるため、排熱効率を向上させることができる。そして、排熱効率の向上により、例えば、排熱用のファン等を駆動する必要がなく、或いは、駆動させたとしても、従来よりも低速な回転で足りるため、静音性を向上させることができる。
【0030】
また、背面上部5aを開閉するための駆動源であるコネクタ7の一部(支持アーム8)を形状記憶合金としたことにより、電子部品の使用に伴い筐体3内部の温度が上昇した際には、背面上部5aを自動的に開状態として上部スリット9を露出させることができる。また、電子部品の使用終了により筐体3内部の温度が低下した際には、背面上部5aを自動的に閉状態として上部スリット9を筐体3内に収納することができる。つまり、未使用時には筐体3の上部を自動的に閉塞することができるため防塵性の向上が図られる。従って、例えば、筐体3内部への埃や金属片等の混入を効果的に防止することができ、結果、機器の故障や誤動作等を効果的に防止することができる。
【0031】
(その他)
なお、本実施形態では、背面上部5aの上部に上部スリット9を設けて、これら背面上部5a及び上部スリット9が一体的に揺動する構成としたが、例えば、上部スリット9を筐体3の上部に固定して取り付け、背面上部5aが開状態の際に上部スリット9を露出させ、閉状態の際に上部スリット9を閉塞する構成としてもよい。
【0032】
また、コネクタ7(支持アーム8)が変形を開始する温度は50℃に限定されるものではなく、所望に設定することができる。
【0033】
また、上部スリット9及び下部スリット10は、筐体3の内部と外部とを連通させるものであればよく、その形状はスリットに限定されるものではない。すなわち、例えば、円形の孔部であってもよく、格子状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態におけるテレビジョン受像機の背面上部の閉状態を示す概略側面図である。
【図2】本実施形態におけるテレビジョン受像機の背面上部の開状態を示す概略側面図である。
【図3】本実施形態における上部回路基板と下部回路基板との連結部を示す模式図である。
【図4】本実施形態におけるコネクタ及び支持アームを示す模式図である。
【図5】本実施形態におけるテレビジョン受像機の背面上部の開閉動作を示す動作説明図である。
【図6】本実施形態におけるテレビジョン受像機の背面上部の開閉動作を示す動作説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 テレビジョン受像機
3 筐体
4 表示パネル
5 背面部
5a 背面上部
5b 背面下部
6 回路基板
6a 上部回路基板(回路基板)
6b 下部回路基板(回路基板)
7 コネクタ(開閉手段、形状記憶合金)
8 支持アーム(開閉手段、形状記憶合金)
9 上部スリット
10 下部スリット
11 ヒンジ(回動軸)
12 ダクト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載された複数の回路基板を内蔵する筐体の排熱構造であって、
回動軸を支点に前記筐体の背面上部を開状態と閉状態とに開閉する開閉手段と、
前記筐体の背面上部が前記開状態において前記筐体の内部と外部とを連通するとともに前記閉状態において前記筐体内に収納される上部スリットと、
前記筐体の下部に設けられ前記筐体の内部と外部とを連通する下部スリットと、を備え、
前記筐体の背面上部の内面に上部回路基板が取り付けられるとともに、前記筐体の背面下部の内面に下部回路基板が取り付けられ、
前記上部回路基板と前記下部回路基板とが、温度変化により変形可能な形状記憶合金により一部が構成されたコネクタにより電気的に接続され、
前記開閉手段は、前記コネクタにより構成され、前記筐体内の温度上昇に伴う前記コネクタの変形により前記筐体の上部が開状態とされ、前記筐体内の温度低下に伴う前記コネクタの復元動作により前記筐体の上部が閉状態とされることを特徴とする排熱構造。
【請求項2】
請求項1に記載の排熱構造において、
前記コネクタは、前記上部回路基板と下部回路基板とを連結する前記形状記憶合金からなる支持アームを有することを特徴とする排熱構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排熱構造において、
前記筐体の前面側に表示パネルを備え、
前記表示パネルと前記上部回路基板及び前記下部回路基板との間に前記下部スリットと上部スリットとを連通するダクト部を有してなることを特徴とする排熱構造。
【請求項4】
表示パネルと、前記表示パネルに画像を表示させるための電子部品が搭載された複数の回路基板とを内蔵する筐体の排熱構造を有するテレビジョン受像機であって、
回動軸を支点に前記筐体の背面上部を開状態と閉状態とに開閉する開閉手段と、
前記筐体の背面上部が前記開状態において前記筐体の内部と外部とを連通するとともに前記閉状態において前記筐体内に収納される上部スリットと、
前記筐体の下部に設けられ前記筐体の内部と外部とを連通する下部スリットと、を備え、
前記筐体の背面上部の内面に上部回路基板が取り付けられるとともに、前記筐体の背面下部の内面に下部回路基板が取り付けられ、
前記上部回路基板と前記下部回路基板とが、温度変化により変形可能な形状記憶合金により一部が構成されたコネクタにより電気的に接続され、
前記表示パネルと前記上部回路基板及び前記下部回路基板との間に前記下部スリットと上部スリットとを連通するダクト部を有し、
前コネクタは、前記上部回路基板と下部回路基板とを連結する前記形状記憶合金からなる支持アームを有し、
前記開閉手段は、前記コネクタにより構成され、前記筐体内の温度上昇に伴う前記コネクタの変形により前記筐体の上部が開状態とされ、前記筐体内の温度低下に伴う前記コネクタの復元動作により前記筐体の上部が閉状態とされることを特徴とするテレビジョン受像機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−300925(P2008−300925A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141693(P2007−141693)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】