説明

掘削工具

【課題】好適な掘削を可能にする掘削工具を実現する。
【解決手段】掘削工具1は、掘削方向に沿う幅が広い扁平形状を呈し、掘削方向に長尺な断面形状を呈する掘削爪10を有しており、この掘削爪10は、掘削方向に長尺な断面形状を呈するようになっているので、掘削方向に作用する力に対して効果的に抗することができ、掘削強度の向上を図ることができる。また、掘削工具1の掘削爪10の軸部12は、ホルダ20の支持孔21に挿入されるようになっており、掘削爪10の軸部12の外面には、軸端に向かって先細りになるテーパが設けられ、ホルダ20の支持孔21の内面には、奥に向かって先細りになるテーパが設けられているので、ホルダ20に対する掘削爪10の抜き差しが行いやすくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を掘削する掘削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤を掘削して掘削孔を形成する装置としてアースオーガが知られている。このアースオーガに設けられているオーガスクリューの下端部には、地盤を掘削する掘削工具であるオーガヘッドが接続されている。
オーガヘッドとしては、例えば、回転軸に対して略垂直方向に突出した羽部を有し、その羽部に複数の掘削爪が所定間隔に配設されたものがある。なお、羽部には、各掘削爪を支持するホルダが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来の掘削工具の掘削爪50は、例えば、図7(a)(b)に示すように、ホルダ60に挿入される略六角柱状あるいは略円柱状の軸部52と、軸部52の前端側に設けられて地盤に対して接触する掘削部51とを備えている。なお、掘削部51には、地盤を削る刃部512が設けられている。
そして、略六角柱状あるいは略円柱状の軸部52がホルダ60に支持されている掘削爪50は、様々な方向から作用する抵抗力に対してほぼ均等に抗することができ、あらゆる方向に対する十分な強度を有するようになっている。また、この軸部52の長手方向のほぼ中央部分に、ホルダ60の内壁面に係合する抜け止めリング521bが備えられた係合部521が設けられている。
【特許文献1】特開2006−22593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地盤の掘削時において、掘削爪50には、地盤に対する掘削爪50の移動方向(掘削方向)に逆らう向きに抵抗力が作用するため、掘削爪50はその移動方向に沿った方向に対する強度を有していればよいので、この掘削爪50における全方向強度は必要でなく、その移動方向と交差する横方向に対する強度は過剰なものであったといえる。
また、掘削爪50は、略六角柱状あるいは略円柱状の軸部52がホルダ60に挿入されて支持されているので、軸部52とホルダ60との間の隙間は、軸部52の挿入方向に沿い略平行であって略一定間隔の隙間であるので、この隙間に土砂が入り込んでしまうと、その土砂を介してホルダ60と軸部52が噛み合わさってしまい、ホルダ60から軸部52が抜け出にくくなり、刃部512の磨耗などに伴う掘削爪50の交換が困難になってしまうことがあるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、好適な掘削を可能にする掘削工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
地盤を掘削する掘削爪と、前記掘削爪を支持するホルダと、を備える掘削工具であって、
前記掘削爪は、地盤と接触する掘削部がその前端側に設けられた軸部を有し、
前記ホルダは、前記軸部が挿入される支持孔を有し、
前記軸部の外面には、その軸部の後端側に向けて先細りになるテーパが設けられ、前記支持孔の内面には、その支持孔の奥に向かって先細りになり、前記軸部のテーパに適合するテーパが設けられており、
前記軸部は、前記掘削爪が地盤に押し付けられる方向と、その掘削爪が地盤を掘削する方向とを含む面に沿う扁平な形状を呈し、前記支持孔は、前記軸部の扁平形状に応じた略長穴となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削工具において、
前記軸部の後端に、前記支持孔の内面に係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の掘削工具において、
前記軸部が前記支持孔に挿入された際に、前記軸部のテーパと、前記支持孔のテーパとの間には、0.1mm以上1.0mm以下の隙間があり、
前記各テーパの角度は、1度以上15度以下であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の掘削工具において、
前記軸部には、前記支持孔に挿入される方向に長く、前記支持孔の内面に向かって隆起する隆起部が形成され、
前記支持孔には、前記隆起部が位置合わせされる位置決め溝部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、掘削工具は、掘削方向に沿う幅が広い扁平形状を呈する掘削爪を有しており、この掘削爪は、掘削方向に長尺な断面形状を呈するようになっているので、掘削方向に作用する力に対して効果的に抗することができ、掘削強度の向上を図ることができる。
また、掘削工具の掘削爪の軸部は、ホルダの支持孔に挿入されるようになっており、掘削爪の軸部の外面には、軸端に向かって先細りになるテーパが設けられ、ホルダの支持孔の内面には、奥に向かって先細りになるテーパが設けられているので、ホルダに対する掘削爪の抜き差しが行いやすくなっている。
特に、掘削爪の軸部の外面が先細りになるテーパとなり、ホルダの支持孔の内面が奥に向かって先細りになるテーパとなっていることによって、支持孔から軸部を抜き出す際には、軸部のテーパ外面と支持孔のテーパ内面との間の隙間が広がるようになるので、その隙間に土砂などの異物が詰まるなどして支持孔に対する軸部の移動が規制されてしまうことはなく、ホルダ(支持孔)から掘削爪(軸部)を容易に抜き出して取り外すことができる。そして、掘削爪の交換を容易に行うことが可能になる。
このように、本発明の掘削工具は、好適な掘削を可能にする掘削工具であるといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態たる掘削工具について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態においては、ホルダに支持される掘削爪を備えるオーガヘッドなどの掘削工具を例に説明する。
【0012】
掘削工具1は、図1から図3に示すように、地盤を掘削する掘削爪10と、掘削爪10を支持するホルダ20と、を備えている。
【0013】
掘削爪10は、図1から図3に示すように、地盤と接触する掘削部11と、その掘削部11が前端側に設けられた軸部12と、を備えている。
なお、掘削爪10は、側面視した際の幅(図1参照)の方が、正面視した際の幅(図2参照)よりも広い形状を有している。
【0014】
掘削部11は、側面視略コ字形状を呈する凹部を有するチップ保持部111と、チップ保持部111の凹部内に埋め込まれた掘削チップ112とから構成されている。
掘削チップ112は、例えば、タングステンカーバイドやコバルトの焼結体が成形されてなる刃部であり、チップ保持部111に強固に固定されている。
【0015】
軸部12は、軸部の後端部に位置する係合部121と、係合部121から軸部の前端に亘る軸側テーパ面部122と、軸側テーパ面部122に形成されている隆起部123と、を備えている。
【0016】
係合部121は、軸部12の後端側に設けられている環状溝121aと、環状溝121aに嵌め込まれている抜止部材121bとから構成されている。
環状溝121aは、軸部12の軸線方向(長手方向)と略直交する向きに、軸部の後端周囲を一周するように形成された溝部である。
抜止部材121bは、例えば、Oリングや拡縮リングであり、ホルダ20の支持孔21の内面に密接するようになっている。
【0017】
軸側テーパ面部122は、軸部12の後端側に向けて先細りになるテーパが、軸部12の外面に設けられてなる略円錐台形状を呈する部分であり、そのテーパの角度は、1度以上15度以下が好ましく、より好ましくは3度以上10度以下である。
テーパの角度が1度より小さいと、軸側テーパ面部122が略円柱状となってしまい、その外面(側面)が、軸部12がホルダ20の支持孔21に挿入される方向とほぼ平行になるため、従来の略六角柱状あるいは略円柱状の軸部と同様に、ホルダ20から軸部12が抜け出にくくなってしまうことがある。
また、テーパの角度が15度より大きいと、軸部12の後端が細くなり過ぎてしまい、係合部121がホルダ20の支持孔21内に係合しにくくなってしまうことがある。
【0018】
隆起部123は、軸部12がホルダ20の支持孔21に挿入される方向であって、軸部12の軸線方向(長手方向)に長く、軸部12が挿入される支持孔21の内面に向かって隆起する形状を有している。
【0019】
そして、この軸部12は、掘削爪10が地盤に押し付けられる方向(例えば、図1中、下向きの方向)と、その掘削爪10が地盤を掘削する方向(図1中、左向きの方向)とを含む面に沿うような、扁平な形状を呈している。つまり、軸部12は、掘削方向に沿う幅が広い扁平形状を有している(図1〜図3参照)。
なお、掘削部11も軸部12と同様に、掘削方向に沿う幅が広い扁平形状であって、掘削方向に長尺な断面形状を有しているので、掘削部11に設けられている掘削チップ112は、従来の掘削工具の刃部512よりも刃物幅が狭い形状を有している。
【0020】
ホルダ20は、図1から図3に示すように、掘削爪10の軸部12が挿入される支持孔21を備えている。
【0021】
支持孔21は、支持孔の奥側に位置する被係合部211と、被係合部211から支持孔の開口に亘る孔側テーパ面部212と、孔側テーパ面部212に形成されている位置決め溝部213と、を備えている。
【0022】
被係合部211は、支持孔21に挿入された軸部12の係合部121が係合する箇所であり、係合部121の抜止部材121bが密接し嵌合する形状を有している。
【0023】
孔側テーパ面部212は、支持孔21の奥側に向かって先細りになり、軸部12の軸側テーパ面部122に適合するテーパが、支持孔21の内面に設けられた面部である。このテーパの角度は、軸側テーパ面部122と同様に、1度以上15度以下が好ましく、より好ましくは3度以上10度以下である。
【0024】
位置決め溝部213は、軸部12がホルダ20の支持孔21に挿入される際に、軸部12の隆起部123が係入される溝部である。
この位置決め溝部213に、軸部12の隆起部123を係入する向きに、軸部12を支持孔21に挿入することによって、掘削爪10を所定の向きにホルダ20に取り付けることが可能になっている。
【0025】
そして、この支持孔21は、軸部12の扁平形状に応じた略長穴となっている(図3参照)。
【0026】
そして、掘削爪10の軸部12をホルダ20の支持孔21に挿入し、係合部121が被係合部211に係合した際に、軸側テーパ面部122と孔側テーパ面部212の間には、0.1mm以上1.0mm以下の隙間が生じるようにテーパが形成されている。
隙間が0.1mmより小さいと、軸側テーパ面部122と孔側テーパ面部212とが密着してしまい、ホルダ20から掘削爪10を取り外しにくくなってしまうことがある。
また、隙間が1.0mmより大きいと、ホルダ20に取り付けた掘削爪10ががたつきやすい不具合や、隙間に土砂などの異物が入り込みやすい不具合が発生しやすくなる。
【0027】
なお、この隙間は、円錐台形の側面形状のように、支持孔21の開口側に広がる形状となっており、支持孔21から軸部12を抜き出す際に、軸側テーパ面部122と孔側テーパ面部212の隙間は広がることとなるため、その隙間に土砂などの異物が入り込んでいても、その異物が隙間に嵌り込むことないので、従来のように、ホルダ20と軸部12が噛み合わさってしまうようなことはなく、支持孔21から軸部12を抜き出しやすい。
つまり、軸側テーパ面部122と孔側テーパ面部212の隙間に土砂などの異物が入り込んでしまっていても、従来の掘削工具の略六角柱状あるいは略円柱状の軸部52に応じた隙間であって軸部52の挿入方向に略平行な隙間の場合とは異なり、支持孔21から軸部12を抜き出しやすくなっている。
【0028】
次に、地盤の掘削時に掘削工具1に作用する力(モーメント)について説明し、掘削工具1の強度について説明する。
【0029】
図4(a)に示すように、掘削工具1におけるホルダ20に固定された掘削爪10が、図中、左向きの掘削力、下向きの喰い込み力で地盤を掘削する際に、掘削爪10(掘削チップ112)の先端部に軸直角分力Fが作用する。
そして、ホルダ20に支持されている軸部12の前端と後端にはそれぞれ支持力fが作用する。
この軸部12の前端側において支持力fが作用するポイントPaから、掘削爪10の先端部までの長さ(na)が「44.5mm」、そのポイントPaにおける縦方向の断面係数が「3022mm」である場合、この掘削爪10におけるポイントPaに作用するモーメントMa[kg・mm]は、
Ma=F×na=F×44.5 ・・・・・(1)
であり、
このポイントPaでの発生曲げ応力Sa[kg/mm]は、応力集中係数が1であると、
Sa=F×44.5/3022×1=0.015F ・・・・・(2)
である。
なお、ここで縦方向とは、掘削力の方向に沿った方向である。
【0030】
また、図4(b)に示すように、従来の掘削工具におけるホルダ60に固定された掘削爪50が、図中、左向きの掘削力、下向きの喰い込み力で地盤を掘削する際にも同様に、掘削爪50(刃部512)の先端部に軸直角分力Fが作用する。
そして、ホルダ60に支持されている軸部52の前端と後端にはそれぞれ支持力fが作用する。
この軸部52の前端側において支持力fが作用するポイントPbから、掘削爪50の先端部までの長さ(a)が「59.5mm」、そのポイントPbにおける縦方向の断面係数が「2342mm」である場合、この掘削爪50におけるポイントPbに作用するモーメントMb[kg・mm]は、
Mb=F×a=F×59.5 ・・・・・(3)
であり、
このポイントPbでの発生曲げ応力Sb[kg/mm]は、応力集中係数が1であると、
Sb=F×59.5/2342×1=0.025F ・・・・・(4)
である。
【0031】
さらに、図4(b)に示すように、従来の掘削工具におけるホルダ60における係合部521部分のポイントPcに関し、f−f間の距離(b)が「35mm」、f−Pc間の距離(X)が「13.5mm」、そのポイントPcにおける縦方向の断面係数が「1043mm」である場合、この掘削爪50におけるポイントPcに作用するモーメントMc[kg・mm]は、
Mc=F×a×X/b
=F×59.5×13.5/35=F×22.95 ・・・・・(5)
であり、
このポイントPcでの発生曲げ応力Sc[kg/mm]は、応力集中係数が1.7であると、
Sc=F×22.95/1043×1.7=0.037F ・・・・・(6)
である。
【0032】
このように、従来技術の掘削工具のポイントPbにおける発生曲げ応力Sbが、0.025F[kg/mm]であるのに対し、ほぼ同じ部分に相当する、本発明に係る掘削工具1のポイントPaにおける発生曲げ応力Saが、0.015F[kg/mm]であり、その発生曲げ応力が低減しているので、本発明に係る掘削工具1は、従来技術の掘削工具に比べて約166%強度が向上しているといえる。
また、従来技術の掘削工具の最も弱い部分であるポイントPcにおける発生曲げ応力Scが、0.037F[kg/mm]であるのに対し、本発明に係る掘削工具1の最も弱い部分であるポイントPaにおける発生曲げ応力Saが、0.015F[kg/mm]であり、その発生曲げ応力が低減しているので、本発明に係る掘削工具1は、従来技術の掘削工具に比べて約246%強度が向上しているといえる。
【0033】
以上のように、本発明に係る掘削工具1は、従来の掘削工具に比べて、掘削方向に沿う幅が広い扁平形状、つまり、掘削方向に長尺な断面形状を呈する掘削爪10を有しているので、掘削方向に作用する力に効果的に抗することができ、掘削強度の向上を図ることができる。
また、掘削爪10の軸部12の後端側の係合部121が、ホルダ20の支持孔21の被係合部211に係合するようになっており、従来技術の掘削工具の係合部521よりも、支持孔21の奥側で軸部12が支持されることによって、掘削爪10に作用する力に効果的に抗することができる。
【0034】
また、このように従来の掘削爪50に比べて、刃物幅の狭い掘削爪10であれば、同じ大きさのオーガヘッドの羽部に対して、より多くの掘削爪10を配設することが可能になるので、より効率的な掘削を行うことができる。
そして、掘削時には、掘削爪10における刃物幅の狭い掘削チップ112の先端部は、従来の掘削爪50のような刃物幅の広い刃部521よりも、地盤に食い込みやすいので、効率よく地盤を掘削することができる。
【0035】
また、従来の掘削爪50に比べて、刃物幅の狭い掘削爪10であるため、従来の刃部512よりも小さな掘削チップ112とすることができるので、高価な材料からなる刃部(掘削チップ112)の製造コストを低減することができる。
【0036】
また、掘削爪10の軸部12には軸側テーパ面部122が設けられ、ホルダ20の支持孔21には孔側テーパ面部212が設けられており、支持孔21の開口側に広がるテーパ形状を有する軸部12がその支持孔21に挿入されて、掘削爪10がホルダ20に支持されるようになっているので、ホルダ20に対する掘削爪10の抜き差しを行い易い。
特に、支持孔21から軸部12を抜き出す際に、軸側テーパ面部122と孔側テーパ面部212の隙間は広がることとなるため、その隙間に土砂などの異物が詰まり、ホルダ20と軸部12が噛み合わさってしまい、軸部12の移動が規制されてしまうようなことがないので、ホルダ20(支持孔21)から掘削爪10(軸部12)を抜き出しやすくなっている。
そして、掘削爪10の交換を容易に行うことが可能になる。
【0037】
このように、本発明に係る掘削工具1は、好適な掘削を可能にする掘削工具であるといえる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
掘削工具1は、図3に示すように、断面視した際に、略楕円形状を呈する軸部12、ホルダ20を有していたが、例えば、図5(a)に示すように、断面視した際に、丸みを帯びた長方形状を呈する軸部12a及びホルダ20aを有する掘削工具であってもよい。
また、図5(b)に示すように、断面視した際に、角張った長方形状を呈する軸部12b及びホルダ20bを有する掘削工具であってもよい。
【0039】
また、軸部12の軸側テーパ面部122は、その全周に亘ってテーパとなっていることに限らず、例えば、図6に示すように、掘削工具1aにおける軸部12の軸側テーパ面部122aの一部の面がテーパになっていなくてもよい。
具体的には、軸側テーパ面部122aを前面部、後面部、左面部、右面部と4つの面部に区分した場合に、少なくとも1つの面部がテーパ面になっていればよく、その他の面部は挿入方向に沿う平行面であってよい。
また、2つの面部や3つの面部がテーパ面になる場合、それら面部(前面部、後面部、左面部、右面部)の組み合わせは任意であってよい。
なお、軸側テーパ面部のテーパ面形状や平行面形状に応じて、孔側テーパ面部の面形状が定められることとなる。
【0040】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る掘削工具を一部断面視して示す側面図である。
【図2】図1の矢印II方向からの掘削工具を示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】本発明に係る掘削工具の各部寸法(a)と、従来の掘削工具の各部寸法(b)を示すとともに、掘削時に作用する力を示す説明図である。
【図5】掘削工具の変形例を示す断面図であり、丸みを帯びた長方形状を呈するホルダ及び軸部(a)と、角張った長方形状を呈するホルダ及び軸部(b)を示す説明図である。
【図6】掘削工具の変形例を示す側面図である。
【図7】従来の掘削工具を一部断面視して示す側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 掘削工具
10 掘削爪
11 掘削部
111 チップ保持部
112 掘削チップ
12 軸部
121 係合部
121a 環状溝
121b 抜止部材
122a 軸側テーパ面部
123 隆起部
20 ホルダ
21 支持孔
211 被係合部
212 孔側テーパ面部
213 位置決め溝部
1a 掘削工具
122a 軸側テーパ面部
12a、12b 軸部
20a、20b ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を掘削する掘削爪と、前記掘削爪を支持するホルダと、を備える掘削工具であって、
前記掘削爪は、地盤と接触する掘削部がその前端側に設けられた軸部を有し、
前記ホルダは、前記軸部が挿入される支持孔を有し、
前記軸部の外面には、その軸部の後端側に向けて先細りになるテーパが設けられ、前記支持孔の内面には、その支持孔の奥に向かって先細りになり、前記軸部のテーパに適合するテーパが設けられており、
前記軸部は、前記掘削爪が地盤に押し付けられる方向と、その掘削爪が地盤を掘削する方向とを含む面に沿う扁平な形状を呈し、前記支持孔は、前記軸部の扁平形状に応じた略長穴となっていることを特徴とする掘削工具。
【請求項2】
前記軸部の後端に、前記支持孔の内面に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
【請求項3】
前記軸部が前記支持孔に挿入された際に、前記軸部のテーパと、前記支持孔のテーパとの間には、0.1mm以上1.0mm以下の隙間があり、
前記各テーパの角度は、1度以上15度以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の掘削工具。
【請求項4】
前記軸部には、前記支持孔に挿入される方向に長く、前記支持孔の内面に向かって隆起する隆起部が形成され、
前記支持孔には、前記隆起部が位置合わせされる位置決め溝部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の掘削工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−180030(P2009−180030A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21290(P2008−21290)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)
【出願人】(000221144)株式会社タンガロイ (185)
【Fターム(参考)】