掘削装置および掘削方法
【課題】掘削した土砂のエアハンマー装置内への逆流を防止できる掘削装置を提供する。
【解決手段】ハンマーシリンダ18内と外部とを連通するエア抜き孔23を具備する掘削装置において、エア抜き孔23に、ハンマーシリンダ18内からデバイス10外への高圧エアの通過は許容し、デバイス10外からハンマーシリンダ18内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置34を設けたことを特徴とする。
【解決手段】ハンマーシリンダ18内と外部とを連通するエア抜き孔23を具備する掘削装置において、エア抜き孔23に、ハンマーシリンダ18内からデバイス10外への高圧エアの通過は許容し、デバイス10外からハンマーシリンダ18内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置34を設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸等の孔を掘削する掘削装置および掘削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地面に穴を掘る掘削装置として、ハンマーの衝撃力及びハンマーシリンダの回転力を受けるデバイスの底面に取り付けられて回転し、土砂等を掘削するビット装置を有する掘削装置が知られている(特許文献1)。上記従来の掘削装置を図3、図4、図5により説明する。10はデバイスである。デバイス10は、エアハンマー装置11のハンマーシリンダ18の下部内に螺合して固定されたネジ筒13の内周壁に設けた突条がスプライン溝25に嵌入することで、上下動自在、かつネジ筒13に対して非回転状態に係合し、図示しない駆動装置によりハンマーシリンダ18が軸線を中心として回転されることで、ハンマーシリンダ18と共に回転される。
【0003】
ハンマーシリンダ18内に位置するデバイス10の上端部にはカラー19(抜け止め部)が嵌着されて抜け止めがなされている。また、デバイス10にはエアハンマー装置11からの排出エアをハンマーシリンダ18内から外部に排出するため、ハンマーシリンダ18の内外を連通するエア抜き穴23が設けられている。12a、12bは形状がほぼ半円状をなすビット装置であり、上面に設けた偏心軸14a、14bがデバイス10の円形をなす底面の中心に対し、点対称の位置に設けた軸穴に回動自在に挿入、固定されることでデバイス10に装着される。ビット装置12a、12bの底面には超硬合金で形成したビット16が十分な数固定される。
【0004】
17はパイプであり、掘削が進むにつれてデバイス10の大径部に設けられた押圧部21がパイプ17の内周下部に設けられたカラー22に当接することで、デバイス10に引き連れられて掘削穴内に進入するようになっている。両ビット装置12a、12bは、図4のように、その両周面が底面側から見て円形のとき、その直状端面が適宜な間隔15をもって対向位置し、また両ビット装置で形成する円の直径はパイプ17の内径よりも小さい。そして図5のように、ビット装置12a、12bが偏心軸14a、14bを中心に回動して、直状端面が当接したとき、両ビット装置12a、12bの端部がパイプ17より外方に突出して土砂等を掘削する。
【0005】
ハンマーシリンダ18、デバイス10が矢A方向に回転すると、土砂から抵抗を受けているビット装置12a、12bもそれぞれ偏心軸14a、14bを中心に回動し、図5のようにその直状端面が当接する。以後この直状端面が互いのストッパ面として作用し、両ビット装置12a、12bは先端がパイプ17より外方に突出した状態で回転し、かつエアハンマー装置11のハンマー20からの殴打を受けつつ土砂を掘削する。なお、エアハンマー装置11にはロッド15が連結され、このロッド15から回転力が伝達されるとともに、ロッド15から高圧の圧縮エアが供給される。
掘削された土砂等は、エアハンマー装置11からの高圧の排出エアがエア抜き孔23からデバイス10の下面側に噴出され、この排出エアによりデバイス10の外周に設けた排出溝24およびハンマーシリンダ18とパイプ17との間を通って外部に排出される。
【0006】
掘削穴はパイプ17の径よりも大きくなるので、パイプ17が掘削穴内にデバイス10と共に引き込まれる。掘削時両ビット装置12a、12bはその直状端面が当接するので、安定して回転する。掘削終了時には、ハンマーシリンダ18、およびデバイス10が若干逆方向に回転される。これにより両ビット装置12a、12bが図6の状態に戻り、径が減少するので、パイプ17を地中に残したまま、デバイス10等と共にビット装置12a、12bをパイプ17内を通して上方に回収することができる。
【特許文献1】特許文献1:特公平3−21717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
掘削が進行し、掘削孔が深くなるにつれて、ロッド15およびパイプ17は順次継ぎ足され、これにより深い掘削孔の掘削が可能となる。
ところで、ロッド15を継ぎ足す際には、どうしても、ロッド15内およびエアハンマー11内が一旦大気に開放されることになる。このように、高圧のエアハンマー11内が大気に開放されることから、空気が逆流し、デバイス10の下面側に残留している掘削屑等がエア抜き孔23を通じてハンマーシリンダ18内にまで入り込む不具合がある。エアハンマー装置11内に逆止弁が組み込まれているが、実際、細かい掘削屑の進入を食い止めることはできない。
【0008】
このため、掘削作業を中止し、エアハンマー装置11を掘削孔から外方に引き出し、分解掃除などをしなければならず、作業効率が大幅に低下するという課題があった。また、エアハンマー装置11のピストンが傷つき、エアハンマー装置11自体を交換しなければならないなどの不具合があった。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、掘削した土砂のエアハンマー装置内への逆流を防止し、もって作業効率を向上させることのできる掘削装置および掘削方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受け、エアハンマー装置との間に所定の間隙をあけて掘削穴内に挿入されるパイプを押圧してパイプを掘削穴内に引き連れていくための押圧部を有するデバイスと、該デバイスの下端に取り付けられてデバイスと共に回転し、土砂等を掘削可能なビット装置と、前記デバイスまたはビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、前記エア抜き孔に、前記ハンマーシリンダ内から前記デバイス外への高圧エアの通過は許容し、前記デバイス外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受けて土砂等を掘削可能なビット装置と、該ビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、前記エア抜き孔に、前記ハンマーシリンダ内から前記ビット装置外への高圧エアの通過は許容し、前記ビット装置外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、前記弁装置は、前記エア抜き孔に設けられた弁座と、該弁座にスプリングに付勢されて当接して、エア抜き孔を閉塞する弁体とを有する逆止弁機構であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る掘削方法は、上記掘削装置を用いて掘削孔を掘削し、ロッドの継ぎ足し時には、弁装置によってエア抜き孔を閉塞して、掘削屑のエアハンマー装置内への流入を阻止することを特徴とする掘削方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロッドの継ぎ足し時に、弁装置によって、エアーハンマー装置に至る前のエア抜き孔の部位を遮断するので、エアーハンマー装置内への掘削屑等の流入をほぼ完全に阻止でき、エアハンマー装置の分解掃除がほとんど必要なくなり、作業効率の向上が図れ、また、エアーハンマー装置の故障も少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態も基本構成は図3、図4、図5に示す従来の掘削装置と同じである。すなわち、ハンマー装置11、デバイス10、ビット装置12a、12b、パイプ17を掘削穴内に引き連れて行く基本構成は従来装置と同じである。この従来装置と同じ部材は同一符号を付して説明を省略する。
【0016】
本実施の形態では、デバイス10において、ハンマーシリンダ18(図3)内に通じるエア抜き孔23を、デバイス10の中途部にまで伸びるめくら孔状の縦孔28と、デバイス10の側面から穿設され、縦孔28の中途部に交差する横孔30と、デバイス10の底面から穿設されて、横孔30に連通する2つの縦孔31、32とで構成している。横孔30のデバイス10の側面に開口する開口孔はイモねじ33で塞ぐようにしている。したがって、エア抜き孔23は、縦孔28から二股状に分岐してデバイス10の下面に開口している。
【0017】
本実施の形態では、エア抜き孔23の上記分岐部に、ハンマーシリンダ18内からデバイス10外(下面側)への高圧エア(排出エア)の通過は許容し、デバイス10外からハンマーシリンダ18内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置34を設けている。弁装置34は本実施の形態では逆止弁とした。
【0018】
この逆止弁34は、エア抜き孔23の、縦孔28と横孔30との交差部近傍の縦孔28内にノックピン36により固定した筒状の弁座35と、弁座35にスプリング38に付勢されて当接して、エア抜き孔23(弁座)を閉塞する、キャップ状の弁体37とを有する。
エア抜き孔23に高圧の排出エアが作用しないときは、弁体37はスプリング38によって押し上げられて弁座35に当接して、縦孔28と横孔30との連通を遮断し、エア抜き孔23に高圧の排出エアが作用すると、弁体37はスプリング38の付勢力に抗して押し下げられ、縦孔28と横孔30とが連通し、高圧の排出エアはデバイス10の下面側に排出される。
なお、逆止弁は上記構造のものに限定されるものではない。
また、エア抜き孔23も上記のように必ずしも分岐する流路でなくともよい。要は逆止弁によってエア抜き孔の逆流を防止できる構造となっていればよい。
【0019】
本実施の形態は上記のように構成されている。
したがって、掘削作業時、高圧の排出エアは、弁体37を押し下げ、エア排出路が確保されるので、何ら支障なく掘削作業が行える。掘削孔が深くなってロッド15を継ぎ足す必要が生じ、ロッド15を高圧エア供給源(図示せず)と切り離すと、ロッド15内およびエアハンマー装置11内は大気に開放されるが、すると、弁体37はスプリング38によって押し上げられ、弁座35に当接し、エア抜き孔23が閉塞され、したがって、デバイス10の外部とエアハンマー装置11内との連通が遮断され、エアハンマー装置11内へのエアや掘削屑が逆流して流入するのを阻止できる。
【0020】
これにより、エアハンマー装置11の分解掃除がほとんど必要なくなり、作業効率の向上が図れる。エアーハンマー装置11の故障も少なくできる。
すなわち、エアーハンマー装置11に至る前のエア抜き孔23の部位を遮断するので、エアーハンマー装置11内への掘削屑等の流入をほぼ完全に阻止できる。また、エアーハンマー装置11内にも逆止弁が配設されているときは、いわば2段の逆止弁が設けられていることになるので、掘削屑の逆流阻止効果はさらに増大する。
【0021】
上記実施の形態では、デバイス10に対してビット装置12a、12bが回動するタイプの掘削装置の例で説明したが、デバイス10に対してビット装置が回動しないタイプのものの掘削装置(例えば特開2006−152602)にも本発明を適用できる。この場合、エア抜き孔は、デバイスを貫通し、さらにビット装置の下面側に開口する構成にし、このエア抜き孔の適所に上記弁装置を配設するとよい。
【0022】
また、上記実施の形態では、デバイス10によりパイプ17を掘削孔内に引き連れていくタイプの掘削装置の例をあげたが、パイプを掘削孔内に引き連れていくタイプのものでなく、ビット装置による素掘りタイプの掘削装置にも適用できる。この場合のビット装置はデバイスに取り付けたものでもよいし、あるいはエアハンマー装置に直接ビット装置を取り付けたものでもよい。
図2は、ビット装置12にエア抜き孔23を設け、このエア抜き孔23内に上記と同様の弁装置34を設けた例を示す。本実施の形態でも、エアハンマー装置内への掘削屑の流入を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】デバイスのエア抜き孔内に弁装置を設けた実施の形態の説明図である。
【図2】ビット装置のエア抜き孔内に弁装置を設けた実施の形態の説明図である。
【図3】従来の掘削装置の概略を示す断面図である。
【図4】図3のビット装置の底面図である。
【図5】掘削時のビット装置の状況を示す底面図である。
【符号の説明】
【0024】
10 デバイス
11 エアハンマー装置
12 ビット装置
23 エア抜き孔
28 縦孔
30 横孔
31、32 縦孔
33 イモねじ
34 弁装置
35 弁座
36 ノックピン
37 弁体
38 スプリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸等の孔を掘削する掘削装置および掘削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地面に穴を掘る掘削装置として、ハンマーの衝撃力及びハンマーシリンダの回転力を受けるデバイスの底面に取り付けられて回転し、土砂等を掘削するビット装置を有する掘削装置が知られている(特許文献1)。上記従来の掘削装置を図3、図4、図5により説明する。10はデバイスである。デバイス10は、エアハンマー装置11のハンマーシリンダ18の下部内に螺合して固定されたネジ筒13の内周壁に設けた突条がスプライン溝25に嵌入することで、上下動自在、かつネジ筒13に対して非回転状態に係合し、図示しない駆動装置によりハンマーシリンダ18が軸線を中心として回転されることで、ハンマーシリンダ18と共に回転される。
【0003】
ハンマーシリンダ18内に位置するデバイス10の上端部にはカラー19(抜け止め部)が嵌着されて抜け止めがなされている。また、デバイス10にはエアハンマー装置11からの排出エアをハンマーシリンダ18内から外部に排出するため、ハンマーシリンダ18の内外を連通するエア抜き穴23が設けられている。12a、12bは形状がほぼ半円状をなすビット装置であり、上面に設けた偏心軸14a、14bがデバイス10の円形をなす底面の中心に対し、点対称の位置に設けた軸穴に回動自在に挿入、固定されることでデバイス10に装着される。ビット装置12a、12bの底面には超硬合金で形成したビット16が十分な数固定される。
【0004】
17はパイプであり、掘削が進むにつれてデバイス10の大径部に設けられた押圧部21がパイプ17の内周下部に設けられたカラー22に当接することで、デバイス10に引き連れられて掘削穴内に進入するようになっている。両ビット装置12a、12bは、図4のように、その両周面が底面側から見て円形のとき、その直状端面が適宜な間隔15をもって対向位置し、また両ビット装置で形成する円の直径はパイプ17の内径よりも小さい。そして図5のように、ビット装置12a、12bが偏心軸14a、14bを中心に回動して、直状端面が当接したとき、両ビット装置12a、12bの端部がパイプ17より外方に突出して土砂等を掘削する。
【0005】
ハンマーシリンダ18、デバイス10が矢A方向に回転すると、土砂から抵抗を受けているビット装置12a、12bもそれぞれ偏心軸14a、14bを中心に回動し、図5のようにその直状端面が当接する。以後この直状端面が互いのストッパ面として作用し、両ビット装置12a、12bは先端がパイプ17より外方に突出した状態で回転し、かつエアハンマー装置11のハンマー20からの殴打を受けつつ土砂を掘削する。なお、エアハンマー装置11にはロッド15が連結され、このロッド15から回転力が伝達されるとともに、ロッド15から高圧の圧縮エアが供給される。
掘削された土砂等は、エアハンマー装置11からの高圧の排出エアがエア抜き孔23からデバイス10の下面側に噴出され、この排出エアによりデバイス10の外周に設けた排出溝24およびハンマーシリンダ18とパイプ17との間を通って外部に排出される。
【0006】
掘削穴はパイプ17の径よりも大きくなるので、パイプ17が掘削穴内にデバイス10と共に引き込まれる。掘削時両ビット装置12a、12bはその直状端面が当接するので、安定して回転する。掘削終了時には、ハンマーシリンダ18、およびデバイス10が若干逆方向に回転される。これにより両ビット装置12a、12bが図6の状態に戻り、径が減少するので、パイプ17を地中に残したまま、デバイス10等と共にビット装置12a、12bをパイプ17内を通して上方に回収することができる。
【特許文献1】特許文献1:特公平3−21717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
掘削が進行し、掘削孔が深くなるにつれて、ロッド15およびパイプ17は順次継ぎ足され、これにより深い掘削孔の掘削が可能となる。
ところで、ロッド15を継ぎ足す際には、どうしても、ロッド15内およびエアハンマー11内が一旦大気に開放されることになる。このように、高圧のエアハンマー11内が大気に開放されることから、空気が逆流し、デバイス10の下面側に残留している掘削屑等がエア抜き孔23を通じてハンマーシリンダ18内にまで入り込む不具合がある。エアハンマー装置11内に逆止弁が組み込まれているが、実際、細かい掘削屑の進入を食い止めることはできない。
【0008】
このため、掘削作業を中止し、エアハンマー装置11を掘削孔から外方に引き出し、分解掃除などをしなければならず、作業効率が大幅に低下するという課題があった。また、エアハンマー装置11のピストンが傷つき、エアハンマー装置11自体を交換しなければならないなどの不具合があった。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、掘削した土砂のエアハンマー装置内への逆流を防止し、もって作業効率を向上させることのできる掘削装置および掘削方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受け、エアハンマー装置との間に所定の間隙をあけて掘削穴内に挿入されるパイプを押圧してパイプを掘削穴内に引き連れていくための押圧部を有するデバイスと、該デバイスの下端に取り付けられてデバイスと共に回転し、土砂等を掘削可能なビット装置と、前記デバイスまたはビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、前記エア抜き孔に、前記ハンマーシリンダ内から前記デバイス外への高圧エアの通過は許容し、前記デバイス外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受けて土砂等を掘削可能なビット装置と、該ビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、前記エア抜き孔に、前記ハンマーシリンダ内から前記ビット装置外への高圧エアの通過は許容し、前記ビット装置外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、前記弁装置は、前記エア抜き孔に設けられた弁座と、該弁座にスプリングに付勢されて当接して、エア抜き孔を閉塞する弁体とを有する逆止弁機構であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る掘削方法は、上記掘削装置を用いて掘削孔を掘削し、ロッドの継ぎ足し時には、弁装置によってエア抜き孔を閉塞して、掘削屑のエアハンマー装置内への流入を阻止することを特徴とする掘削方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロッドの継ぎ足し時に、弁装置によって、エアーハンマー装置に至る前のエア抜き孔の部位を遮断するので、エアーハンマー装置内への掘削屑等の流入をほぼ完全に阻止でき、エアハンマー装置の分解掃除がほとんど必要なくなり、作業効率の向上が図れ、また、エアーハンマー装置の故障も少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態も基本構成は図3、図4、図5に示す従来の掘削装置と同じである。すなわち、ハンマー装置11、デバイス10、ビット装置12a、12b、パイプ17を掘削穴内に引き連れて行く基本構成は従来装置と同じである。この従来装置と同じ部材は同一符号を付して説明を省略する。
【0016】
本実施の形態では、デバイス10において、ハンマーシリンダ18(図3)内に通じるエア抜き孔23を、デバイス10の中途部にまで伸びるめくら孔状の縦孔28と、デバイス10の側面から穿設され、縦孔28の中途部に交差する横孔30と、デバイス10の底面から穿設されて、横孔30に連通する2つの縦孔31、32とで構成している。横孔30のデバイス10の側面に開口する開口孔はイモねじ33で塞ぐようにしている。したがって、エア抜き孔23は、縦孔28から二股状に分岐してデバイス10の下面に開口している。
【0017】
本実施の形態では、エア抜き孔23の上記分岐部に、ハンマーシリンダ18内からデバイス10外(下面側)への高圧エア(排出エア)の通過は許容し、デバイス10外からハンマーシリンダ18内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置34を設けている。弁装置34は本実施の形態では逆止弁とした。
【0018】
この逆止弁34は、エア抜き孔23の、縦孔28と横孔30との交差部近傍の縦孔28内にノックピン36により固定した筒状の弁座35と、弁座35にスプリング38に付勢されて当接して、エア抜き孔23(弁座)を閉塞する、キャップ状の弁体37とを有する。
エア抜き孔23に高圧の排出エアが作用しないときは、弁体37はスプリング38によって押し上げられて弁座35に当接して、縦孔28と横孔30との連通を遮断し、エア抜き孔23に高圧の排出エアが作用すると、弁体37はスプリング38の付勢力に抗して押し下げられ、縦孔28と横孔30とが連通し、高圧の排出エアはデバイス10の下面側に排出される。
なお、逆止弁は上記構造のものに限定されるものではない。
また、エア抜き孔23も上記のように必ずしも分岐する流路でなくともよい。要は逆止弁によってエア抜き孔の逆流を防止できる構造となっていればよい。
【0019】
本実施の形態は上記のように構成されている。
したがって、掘削作業時、高圧の排出エアは、弁体37を押し下げ、エア排出路が確保されるので、何ら支障なく掘削作業が行える。掘削孔が深くなってロッド15を継ぎ足す必要が生じ、ロッド15を高圧エア供給源(図示せず)と切り離すと、ロッド15内およびエアハンマー装置11内は大気に開放されるが、すると、弁体37はスプリング38によって押し上げられ、弁座35に当接し、エア抜き孔23が閉塞され、したがって、デバイス10の外部とエアハンマー装置11内との連通が遮断され、エアハンマー装置11内へのエアや掘削屑が逆流して流入するのを阻止できる。
【0020】
これにより、エアハンマー装置11の分解掃除がほとんど必要なくなり、作業効率の向上が図れる。エアーハンマー装置11の故障も少なくできる。
すなわち、エアーハンマー装置11に至る前のエア抜き孔23の部位を遮断するので、エアーハンマー装置11内への掘削屑等の流入をほぼ完全に阻止できる。また、エアーハンマー装置11内にも逆止弁が配設されているときは、いわば2段の逆止弁が設けられていることになるので、掘削屑の逆流阻止効果はさらに増大する。
【0021】
上記実施の形態では、デバイス10に対してビット装置12a、12bが回動するタイプの掘削装置の例で説明したが、デバイス10に対してビット装置が回動しないタイプのものの掘削装置(例えば特開2006−152602)にも本発明を適用できる。この場合、エア抜き孔は、デバイスを貫通し、さらにビット装置の下面側に開口する構成にし、このエア抜き孔の適所に上記弁装置を配設するとよい。
【0022】
また、上記実施の形態では、デバイス10によりパイプ17を掘削孔内に引き連れていくタイプの掘削装置の例をあげたが、パイプを掘削孔内に引き連れていくタイプのものでなく、ビット装置による素掘りタイプの掘削装置にも適用できる。この場合のビット装置はデバイスに取り付けたものでもよいし、あるいはエアハンマー装置に直接ビット装置を取り付けたものでもよい。
図2は、ビット装置12にエア抜き孔23を設け、このエア抜き孔23内に上記と同様の弁装置34を設けた例を示す。本実施の形態でも、エアハンマー装置内への掘削屑の流入を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】デバイスのエア抜き孔内に弁装置を設けた実施の形態の説明図である。
【図2】ビット装置のエア抜き孔内に弁装置を設けた実施の形態の説明図である。
【図3】従来の掘削装置の概略を示す断面図である。
【図4】図3のビット装置の底面図である。
【図5】掘削時のビット装置の状況を示す底面図である。
【符号の説明】
【0024】
10 デバイス
11 エアハンマー装置
12 ビット装置
23 エア抜き孔
28 縦孔
30 横孔
31、32 縦孔
33 イモねじ
34 弁装置
35 弁座
36 ノックピン
37 弁体
38 スプリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受け、エアハンマー装置との間に所定の間隙をあけて掘削穴内に挿入されるパイプを押圧してパイプを掘削穴内に引き連れていくための押圧部を有するデバイスと、該デバイスの下端に取り付けられてデバイスと共に回転し、土砂等を掘削可能なビット装置と、前記デバイスまたはビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、
前記エア抜き孔に、
前記ハンマーシリンダ内から前記デバイス外への高圧エアの通過は許容し、前記デバイス外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする掘削装置。
【請求項2】
ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受けて土砂等を掘削可能なビット装置と、該ビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、
前記エア抜き孔に、
前記ハンマーシリンダ内から前記ビット装置外への高圧エアの通過は許容し、前記ビット装置外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする掘削装置。
【請求項3】
前記弁装置は、
前記エア抜き孔に設けられた弁座と、
該弁座にスプリングに付勢されて当接して、エア抜き孔を閉塞する弁体とを有する逆止弁機構であることを特徴とする掘削装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載の掘削装置を用いて掘削孔を掘削し、ロッドの継ぎ足し時には、弁装置によってエア抜き孔を閉塞して、掘削屑のエアハンマー装置内への流入を阻止することを特徴とする掘削方法。
【請求項1】
ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受け、エアハンマー装置との間に所定の間隙をあけて掘削穴内に挿入されるパイプを押圧してパイプを掘削穴内に引き連れていくための押圧部を有するデバイスと、該デバイスの下端に取り付けられてデバイスと共に回転し、土砂等を掘削可能なビット装置と、前記デバイスまたはビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、
前記エア抜き孔に、
前記ハンマーシリンダ内から前記デバイス外への高圧エアの通過は許容し、前記デバイス外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする掘削装置。
【請求項2】
ハンマーシリンダ内を移動可能なハンマーを備えたエアハンマー装置と、該エアハンマー装置にエアを供給するロッドを介してエアハンマー装置を軸線を中心として回転させる駆動装置と、エアーハンマー装置の下端に取り付けられ、エアーハンマー装置と共に軸線を中心として回転すると共にエアハンマー装置のハンマーからの衝撃力を受けて土砂等を掘削可能なビット装置と、該ビット装置に下端が開口し、前記ハンマーシリンダ内と外部とを連通するエア抜き孔とを具備する掘削装置において、
前記エア抜き孔に、
前記ハンマーシリンダ内から前記ビット装置外への高圧エアの通過は許容し、前記ビット装置外からハンマーシリンダ内へのエアおよび掘削屑の流入を阻止する弁装置を設けたことを特徴とする掘削装置。
【請求項3】
前記弁装置は、
前記エア抜き孔に設けられた弁座と、
該弁座にスプリングに付勢されて当接して、エア抜き孔を閉塞する弁体とを有する逆止弁機構であることを特徴とする掘削装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載の掘削装置を用いて掘削孔を掘削し、ロッドの継ぎ足し時には、弁装置によってエア抜き孔を閉塞して、掘削屑のエアハンマー装置内への流入を阻止することを特徴とする掘削方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2009−243058(P2009−243058A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88108(P2008−88108)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000252160)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000252160)
【Fターム(参考)】
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