説明

採取装置及び水底資源の採取方法

【課題】水底に密閉空間を形成することで汚濁物質の拡散を最小限に抑えることが可能であるとともに、少ないエネルギー消費量で採取対象物の採取をおこなうことが可能な採取装置を提供する。
【解決手段】水底Sから採取対象物を水上に搬送させる採取装置1である。そして、水底に対向させる天井部21とその外縁から下方に延出される下壁部22とを有するとともに水底との間に密閉空間20を形成する函体部2と、密閉空間に送水をおこなう送水管3と、密閉空間の水を排水する排水管4と、函体部に連結される吊り部5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底などに埋蔵されている鉱物資源などの水底資源を採取する際に使用される採取装置、及びその採取装置を使った水底資源の採取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海底に堆積した鉱物資源を採取するための海底資源の採取方法、採取システム及び採取された海底資源を搬送させる流動搬送装置が知られている(特許文献1など参照)。
【0003】
この特許文献1には、海底にある鉱物資源を海水と一緒に水面上の母船に吸い上げ、固形物を分別した後に海水を戻す方法が開示されている。また、この特許文献1では、海底に堆積している鉱物資源は、原則として水底に設置される吸上げ装置の吸込み力で破砕して採取する。そして、この吸込み力では破砕できない場合には、ジェット噴水によって破砕をおこなってから吸い上げをおこなう。
【0004】
また、この吸上げ装置は、ドーム状のハウジングの底部が水底から離隔しており、採取箇所と外部の海水とが連通する構造となっている。
【0005】
一方、特許文献2には、港湾建設工事や橋梁基礎工事で水底の岩盤を掘削する際に使用される破砕棒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−248874号公報
【特許文献2】特開平5−306594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された海底資源の採取システムでは、海底資源の採取箇所と外部の海水とが繋がっているため、海底資源を採取する際に発生する汚濁物質が海中に拡散して海水を汚染するおそれがある。
【0008】
また、特許文献1の採取システムでは、海底が岩盤など硬質の場合は、ジェット噴射装置というエネルギー消費量が大きな装置を使用して破砕させる必要がある。さらに、この吸上げ装置は、採取箇所となるハウジングの内外が連通しているため、ジェット噴水で巻き上げられた汚濁物質は、広く海中に拡散することになる。
【0009】
そこで、本発明は、水底に密閉空間を形成することで汚濁物質の拡散を最小限に抑えることが可能であるとともに、少ないエネルギー消費量で採取対象物の採取をおこなうことが可能な採取装置、及びそれを使った水底資源の採取方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の採取装置は、水底から採取対象物を水上に搬送させる採取装置であって、前記水底に対向させる天井部とその天井部の外縁から下方に延出される下壁部とを有するとともに前記水底との間に密閉空間を形成する函体部と、前記密閉空間に送水をおこなう送水管と、前記密閉空間の水を排水する排水管と、前記函体部に連結される吊り部とを備えている。
【0011】
ここで、前記函体部は、前記水底を破砕させる破砕部を有する構成であることが好ましい。また、前記破砕部は、前記天井部から前記水底に向けて突出される破砕棒によって形成することができる。
【0012】
また、前記送水管は、前記天井部の上方で分岐して複数の送水用分岐管が前記天井部を前記密閉空間に向けて貫通するとともに、前記排水管も前記天井部の上方で分岐して複数の排水用分岐管が前記天井部を前記密閉空間に向けて貫通する構成であってもよい。
【0013】
さらに、前記下壁部の下部には、前記水底に向けて垂れ下がる可撓性のスカート部が形成されていてもよい。
【0014】
また、前記送水管及び前記排水管にはバルブが設けられるとともに、前記密閉空間の内圧を低減させる圧力低減手段を備えた構成とすることができる。さらに、前記圧力低減手段は、上室と下室の2室が内部に形成されるとともに底面を貫通するピストン摺動孔が形成された外殻部と、その外殻部の軸方向に移動して前記ピストン摺動孔を開閉させるピストン部と、水上から延設されて前記上室の圧力を調整する圧力パイプと、前記ピストン摺動孔と前記密閉空間を連通させる連通管とを備え、前記ピストン部は、前記ピストン摺動孔に挿入されて前記下室と前記上室とに貫入される軸部と、前記上室において前記軸部から軸直交方向に延出されて上室内を区切る上閉塞板と、前記下室において前記軸部から軸直交方向に延出されて下室内を区切る下閉塞板とを有し、前記外殻部には、前記下室の前記下閉塞板の下方に設けられる逆止弁付き排水孔と、前記下室の前記下閉塞板の上方に設けられる通水孔と、前記上室の前記上閉塞板の下方に設けられて前記圧力パイプと接続される送排水孔と、前記上室の前記上閉塞板の上方に設けられる通水孔とが形成される構成であってもよい。
【0015】
また、本発明の水底資源の採取方法は、上記の採取装置を使った水底資源の採取方法であって、前記吊り部を使って吊り下げられた前記函体部を前記水底に沈設する工程と、前記送水管を通して前記密閉空間に送水し、その水とともに前記採取対象物を前記排水管に流し込み、水上まで搬送させる工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】
ここで、前記函体部の下端と前記水底との隙間を充填するために、前記送水管又は前記排水管の少なくとも一方を使って前記水底に向けて充填材を搬送する工程を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
このように構成された本発明の採取装置は、水底との間に密閉空間を形成する函体部を備えている。また、その密閉空間に送水をおこなう送水管と、密閉空間の水を排水する排水管を備えている。
【0018】
このため、汚濁物質が外部に漏れだすことがない密閉空間の中で採取対象物を採取することができるので、汚濁物質の周辺水域への拡散を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、密閉空間に対して送水管で水を送り、排水管によって返送させる構成であれば、送水管で水を送り出すときに駆動源が必要となるだけなので、エネルギー消費量を最小限に抑えることができる。
【0020】
さらに、吊り部によって吊り下げ可能な構成であれば、深海の水底に対しても海上から容易に設置することができる。また、一度設置すれば、荒天時に水上の作業船を避難させる際にも、そのまま水底に設置しておくことができる。
【0021】
また、函体部に破砕部を設けることで、水底が岩盤であっても破砕することが可能になり、所望する採取対象物を採取することができる。さらに、天井部から破砕棒を突出させる構造であれば、函体部内側の水底を破砕させることができるうえに、破砕棒の配置間隔を調整することで、破砕力の調整を容易におこなうことができる。
【0022】
また、送水管及び排水管を分岐させることで、広い範囲の水底から効率よく採取対象物を採取することができる。
【0023】
さらに、下壁部の下部に可撓性のスカート部が形成されていれば、下壁部の下端と水底とが密着していなくても、密閉空間を形成することができる。
【0024】
また、送水管及び排水管のバルブを閉じて密閉空間の内圧を圧力低減手段によって低減させることで、函体部及びそこに設けられる破砕部に作用する水圧が相対的に増加するため、天井部にかかる外水圧を利用して岩盤などの硬質地盤を破砕することができるようになる。
【0025】
さらに、外水圧を相殺させて少ない圧力差で駆動する圧力低減手段を使うことで、エネルギー消費量を最小限に抑えることができる。
【0026】
そして、このような採取装置を使った水底資源の採取方法であれば、深海の水底からも少ないエネルギー消費量で水底資源を採取することができる。また、送水管又は排水管を利用して充填材を水底に搬送することで、水底に凹凸がある場合でも、水密性の高い密閉空間を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の採取装置の構成を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の採取装置の函体部周辺の構成を説明する断面図である。
【図3】圧力低減手段の構成を説明する断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の水底資源の採取方法を説明する説明図である。
【図5】実施例の採取装置の函体部周辺の構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態の採取装置1の全体構成を説明する斜視図である。
【0030】
この採取装置1は、深海などの水底Sの岩盤などに埋蔵していたり、水底Sに堆積していたりする鉱物資源などの水底資源を採取する装置である。
【0031】
まず、構成から説明すると、この採取装置1は、水底Sとの間に図2に示すような密閉空間20を形成する円筒状の函体部2と、その密閉空間20に送水をおこなう送水管3と、密閉空間20の水を排水する排水管4と、函体部2に連結される吊り部5とを備えている。
【0032】
この函体部2は、図1,2に示すように、円板状の天井部21と、その天井部21の外縁から垂下される環状の下壁部22と、天井部21の外縁から立設される環状の上壁部23とを備えている。なお、本実施の形態では、円筒状の函体部2を例に説明するが、この形状に限定されるものではなく、平面視楕円形、平面視多角形など様々な形状の函体部を使用することができる。
【0033】
この函体部2は、外殻2aが鋼板で形成されており、その外殻2aの内空にコンクリート2bが充填されている。なお、函体部2としての必要な剛性及び重量が確保できる場合は、鋼材だけで製作することもできる。
【0034】
また、函体部2の下壁部22の下端には、水底Sを破砕させる破砕部としての刃部22aが形成されている。この刃部22aは、下壁部22の内周側から外周側に向けて先細る断面視直角三角形の形状に形成されている。
【0035】
さらに、天井部21の下面には、水底Sを破砕させる破砕部としての破砕棒24が、水底Sに向けて突出されている。この破砕棒24は、下端が先鋭に形成された鋼製の棒体である。
【0036】
また、破砕棒24,・・・は、天井部21の下面に、間隔を置いて複数、設けられる。この破砕棒24,・・・の数及び配置間隔は、所望する破砕力によって調整することができる。
【0037】
例えば、水深1000m地点に函体部2を沈設し、密閉空間20の内圧を急速に減圧すれば、天井部21に作用している10MPaの外水圧は、刃部22a及び破砕棒24,・・・に水底Sへの破砕力となって伝達される。その破砕力の大きさは、1m2当たり平均10MNであり、硬質の岩盤でも容易に破砕できる。
【0038】
このため、破砕棒24の1本当たりの破砕力を大きくする場合には配置間隔を広くし、破砕棒24の1本当たりの破砕力が小さくなっても水底Sを細かく破砕したい場合は配置間隔を密にするように調整すればよい。
【0039】
また、上壁部23は、函体部2の水底Sへの沈降が進行したときに、周囲の土砂が天井部21に流れ込むのを防ぐ土留め壁の役割を果たしている。このため、上壁部23が埋没する程、沈降が進行する場合は、増しリング(図示省略)を上壁部23に接続して嵩上げをおこなう。
【0040】
また、この函体部2は、吊り部5によって吊り下げられ、水底Sに沈設される。この吊り部5は、水上まで延設される複数本の吊りワイヤ51,・・・と、その吊りワイヤ51の下端が連結される吊りリング53と、吊りリング53と函体部2とを連結する連結ワイヤ53a,・・・と、吊りワイヤ51,・・・に浮力を付与するために上下方向に間隔を置いて複数、設置される浮部52,・・・と、送水管3及び排水管4を浮部52,・・・で支持させるために上下方向に間隔を置いて複数、設置される管支持板54,・・・とを備えている。
【0041】
この浮部52は、円筒状に形成された浮体であって、その壁52cの内部は中空に形成されて所望する浮力が確保できるようになっている。また、この壁52cには、上下方向に貫通するワイヤ孔52a,・・・が形成されており、そのワイヤ孔52a,・・・に吊りワイヤ51,・・・が挿通される。
【0042】
また、吊りワイヤ51,・・・の途中には、ワイヤ孔52a,・・・より外形が大きなワイヤストッパ52b,・・・が固定されており、浮部52が浮上すると、ワイヤストッパ52b,・・・に浮部52の上端面が当接してそれ以上の上昇が阻止される。
【0043】
さらに、浮部52の上方には、送水管3及び排水管4が挿通される浮部52の中央貫通孔52dよりも、平面視の外形が大きな円板状の管支持板54が配置される。
【0044】
この管支持板54は、送水管3及び排水管4に固着されており、送水管3及び排水管4との位置関係は固定されている。しかしながら、吊りワイヤ51,・・・に沿って上下方向に移動する浮部52と管支持板54との距離は、浮部52の位置によって変化する。
【0045】
例えば、図1の一番上に位置する浮部52は、水上にあるときと同じ状態で、浮部52の上端面と管支持板54とは離隔している。これに対して、図1の省略線より下方に示した浮部52は、水中で浮き上がり、ワイヤストッパ52b,・・・に上端面が当接した位置で留まっている。そして、その浮部52の中央貫通孔52dを塞ぐように管支持板54が載置される。
【0046】
すなわち、管支持板54は、水中においては浮遊する浮部52によって支持された状態になる。そして、この管支持板54には、送水管3及び排水管4が固定されているので、送水管3及び排水管4は、管支持板54を介して浮部52に支持されることになる。このため、送水管3及び排水管4の自重は、浮部52,・・・の位置毎に支持され、全長にわたる大きな自重が一箇所に集中して作用することがない。
【0047】
なお、浮部52,・・・が潮流などによって流される場合は、アンカー(図示省略)に係留することによって、所定の位置に留まるようにしておく。
【0048】
また、送水管3は、水上から水を密閉空間20に送水するための管体である。この送水管3は、図1に示すように水上から函体部2の天井部21の上面に向けて延設され、図1,2に示すように天井部21と略平行に配管される分流管33に接続される。
【0049】
また、この分流管33は、天井部21の上面に配管された二本の環状連絡管32,32に接続される。さらに、この環状連絡管32,32には、天井部21を密閉空間20に向けて貫通する複数の送水用分岐管31,・・・が接続される。このため、送水管3から分流管33に流れ込んだ水は、環状連絡管32,32の中を流れる間に送水用分岐管31,・・・に流れ込み、密閉空間20に向けて吐出される。
【0050】
一方、排水管4は、密閉空間20の水を水上に排水するための管体である。この排水管4は、図1に示すように水上から函体部2の天井部21の上面に向けて延設され、図1,2に示すように天井部21と略平行に配管される分流管43に接続される。
【0051】
また、この分流管43は、天井部21の上面に配管された二本の環状連絡管42,42に接続される。さらに、この環状連絡管42,42には、天井部21を密閉空間20に向けて貫通する複数の排水用分岐管41,・・・が接続される。このため、密閉空間20から排水用分岐管41,・・・に取り込まれた水は、環状連絡管42,42を通って分流管43に流れ込み、排水管4の内部を上昇して水上に吐出される。
【0052】
さらに、この採取装置1は、密閉空間20の内圧を低減させるための圧力低減手段6を備えている。この圧力低減手段6は、図4及び図3に示すように、圧力ポンプ66に接続される圧力パイプ61と、ピストン摺動孔62cが底面に形成された円筒状の外殻部62と、その外殻部62の軸方向に移動してピストン摺動孔62cを開閉させるピストン部63と、ピストン摺動孔62cと密閉空間20を連通させる連通管64とを備えている。
【0053】
この圧力パイプ61は、送水管3及び排水管4と平行に延設され、送水管3及び排水管4と同様に、管支持板54,・・・に固定される。また、外殻部62は、図3に示すように、上室62aと下室62bとが中間床62dによって区切られることで内部に2室が形成された鋼殻である。
【0054】
また、ピストン部63は、円柱状のピストン摺動孔62cに沿って摺動する軸部63aと、軸部63aの途中で軸直交方方向に延出される円板状の下閉塞板63cと、軸部63aの上端で軸直交方方向に延出される円板状の上閉塞板63bとを有している。
【0055】
この軸部63aは、下端が円錐状に形成された円柱状の棒体で、ピストン摺動孔62cに挿入されると、下室62bと連通管64との間の流体の移動は阻止される。
【0056】
さらに、軸部63aは、中間床62dに貫通された上室62aと下室62bとを連通させる孔に対して、Oリングを介在させるなどして水密状態で摺動可能に挿入されている。
【0057】
また、上室62a内を区切る上閉塞板63bは、外縁に止水材などが貼り付けられることで、上室62aの内壁面に対して水密状態で摺動可能となるように構成されている。さらに、下室62b内を区切る下閉塞板63cも、外縁に止水材などが貼り付けられることで、下室62bの内壁面に対して水密状態で摺動可能となるように構成されている。
【0058】
このため、上閉塞板63bによって区切られた上室62a内の上下の空間では、内圧を変えることができる。また、下閉塞板63cによって区切られた下室62b内の上下の空間も、内圧を変えることができる。
【0059】
そして、ピストン部63がどの位置に移動していても上閉塞板63bの下方に位置する上室62aの側壁には、圧力パイプ61と接続される送排水孔65cが水平方向に向けて貫通される。また、上室62aの天井には、上下方向に貫通する通水孔65dが形成される。
【0060】
また、ピストン部63がどの位置に移動していても下閉塞板63cの上方に位置する下室62bの側壁には、水平方向に貫通する通水孔65bが形成される。さらに、下室62bの底面には、逆止弁付き排水孔65aが形成される。
【0061】
この逆止弁付き排水孔65aは、下室62b内から外部に向けた一方向の水の流れのみ許容する弁である。すなわち、下室62b内からの外部に向けての排水は、弁が下降して孔との間に隙間ができるため許容され、外部から下室62b内への水の浸入は、弁が上昇して孔を塞ぐことによって阻止される。
【0062】
次に、本実施の形態の水底資源の採取方法について説明する。
【0063】
まず、水上の作業船(図示省略)又は陸上において、図1に示すような採取装置1の組み立てをおこなう。そして、水底資源を採取する位置の真上に作業船を移動させ、作業船のクレーン(図示省略)に吊りワイヤ51,・・・を連結する。
【0064】
続いてクレーンを操作して、採取装置1の函体部2が水底Sに接地されるまで吊り下げる。このとき、クレーンを操作して函体部2の上下動を繰り返し、函体部2が正確に鉛直に設置されるようにする。
【0065】
なお、この函体部2には、図示していないが傾斜計などの計測センサや水中カメラなどが取り付けられており、作業船から函体部2の姿勢を確認することができる。
【0066】
そして、水底Sの地盤が比較的軟らかければ、図2に示すように刃部22aが水底Sに食い込み、水底Sと下壁部22と天井部21とに囲まれた空間は、密閉空間20となる。
【0067】
この密閉空間20が形成されているか否かは、排水管4の水上バルブ44を閉めた状態で、送水管3から試験的に送水をおこない、密閉空間20内の水圧の減衰状況を観察することで判断できる。
【0068】
これに対して、水底Sに凹凸があったりすると、水密性の高い密閉空間20を形成することができない。また、函体部2が傾いて設置されると、刃部22aの一部の食い込みだけが先行し、外殻2a表面と地盤との摩擦力が増大し、函体部2の沈下を進行させることができなくなるおそれがある。
【0069】
そこで、図4に示すように水底Sに凹凸がある場合は、送水管3又は排水管4を使って作業船からシルトモルタルや砂などの充填材7を水底Sに送り込み、凹部を埋めて水底Sを平坦にする。なお、この充填材7の強度は、刃部22aの貫入が可能な程度の強度にしておく。
【0070】
また、この充填材7の充填工程は、水底資源の採取を開始した後に、断層やオープンクラックなどが出現して止水性が確保できなくなった場合にもおこなわれる。
【0071】
一方、水底Sの岩盤が硬く、刃部22aを自重だけでは水底Sに貫入できない場合は、密閉空間20の減圧をおこなう。
【0072】
この減圧をおこなう際には、まず、送水管3の水中バルブ35(電磁バルブ)と排水管4の水中バルブ45(電磁バルブ)とを閉めて、減圧が送水管3及び排水管4に及ばないようにする。すなわち、送水管3及び排水管4の内圧が低下すると、外側から大きな外水圧を受けて損傷するおそれがあるため、高耐力の管材を使用しない場合は、水中バルブ35,45を閉めておく。
【0073】
ここで、図3に示した圧力低減手段6の圧力パイプ61の内部には、水が充満しており、圧力パイプ61の内外の圧力差はほとんどない状態となっている。すなわち、圧力パイプ61による圧力調整がおこなわれない状態では、上室62aの上閉塞板63bで区切られた上下の圧力は、ほぼ同じ大きさとなっている。
【0074】
そして、圧力低減手段6の圧力パイプ61の水を、図4に示すように水面W上の作業船(図示省略)に設置された圧力ポンプ66で抜いてその圧力を低下させると、図3に示す上室62aの上閉塞板63bの下方の圧力が低下し、上閉塞板63bに通水孔65dを介して作用する外水圧との差圧が、ピストン部63を押し下げる力となる。
【0075】
さらに、このようにして作用する力によってピストン部63が下がると、逆止弁付き排水孔65aの弁が開き、下室62bの下閉塞板63cの下方の水が外部の海中に排水されることになる。これに対してピストン摺動孔62cは、下がったピストン部63の軸部63aによって塞がれるので、連通管64を通って下室62bの水が密閉空間20に流れ込むことはほとんどない。
【0076】
このようにしてピストン部63が一番下まで下がった状態で、圧力パイプ61の圧力を上げると、上室62aの上閉塞板63bの下方の圧力が増加して、上閉塞板63bに上向きの力が作用してピストン部63が上昇することになる。
【0077】
また、ピストン部63の上昇に伴って下閉塞板63cが上昇すると、下閉塞板63cの下方の内圧が下がり、外水圧によって弁が上昇した逆止弁付き排水孔65aは閉塞される。
【0078】
そして、さらにピストン部63が上昇し、軸部63aの先端がピストン摺動孔62cから抜け出すと、密閉空間20と下室62bの下閉塞板63cの下方とが連通することになって、密閉空間20の水が下室62bに流れ込むことになる。
【0079】
このように圧力パイプ61の圧力を、外殻部62近傍の外水圧の前後で増減させると、ピストン部63が上昇と下降を繰り返し、密閉空間20の水が吸い上げられて排水されることになる。
【0080】
そして、密閉空間20の水が排水されると、外部から水が供給されない密閉空間20の内圧は低下し、天井部21の上面に作用する外水圧と低下した内圧との差圧が、函体部2を押し下げる力となる。
【0081】
このように密閉空間20の圧力を低減することによって、刃部22a及び破砕棒24,・・・に作用する力が増し、硬い岩盤をも破砕させることができるようになる。
【0082】
また、破砕棒24,・・・で岩盤を破砕しただけでは塊状の岩石になるだけだが、減圧状態で岩盤を破砕した場合は、岩盤の内部の間隙水圧の方が密閉空間20の圧力より高くなり、内側からの破壊も起こって岩石が粒状に破砕されることになる。
【0083】
すなわち、水底Sの岩盤の内部には、外水圧と同程度の圧力の間隙水が存在しており、水深1000m地点では間隙水圧も10MPa程度になる。これに対して、密閉空間20の圧力を急激に下げると、間隙水圧はそれに瞬時に追従できないため、間隙水圧が密閉空間20の圧力に対して極端に大きくなって岩石が破壊することになる。
【0084】
そして、採取対象物を粒状に破砕した後に、送水管3及び排水管4のバルブ(34,35,44,45)をすべて開放し、送水管3から密閉空間20に向けて送水をおこなう。
【0085】
この送水管3によって搬送された水は、分流管33で分かれて2本の環状連絡管32,32に流れ込み、周回する途中で送水用分岐管31,・・・に流れ落ちて密閉空間20に吐出される。
【0086】
そして、密閉空間20に吐出された水は、粒状に破砕された鉱物などの採取対象物と混合し、混合水として送水用分岐管31,・・・よりも圧力の低い排水用分岐管41,・・・に取り込まれる。
【0087】
さらに、排水用分岐管41,・・・に取り込まれた混合水は、連結された2本の環状連絡管42,42に流れ込み、分流管43を経由して排水管4内を上昇し、作業船に設けられたろ過装置に供給される。
【0088】
そして、ろ過装置によって採取すべき鉱物などの水底資源を混合水から取り出し、鉱石運搬船(図示省略)に水底資源を積み込み、残りのろ過水は、再び、送水管3によって密閉空間20に送り出す。
【0089】
なお、送水管3による水の供給は、圧送ポンプを使っておこなうが、送水される水の圧力によって函体部2が浮き上がることがない程度の圧力に抑える必要がある。
【0090】
また、採取が終了した後に、別の採取場所に函体部2を移動させるに際しては、水底Sの破砕物によって海水が汚濁することがないように、送水管3及び排水管4から充填材7や固化不溶化剤を調合したシルトモルタルなどを水底Sに送って破砕物を封じ込め、函体部2を撤去しても汚濁物質が拡散したり鉱物の有害物質が溶出したりしないようにする。
【0091】
そして、函体部2を移動させる際には、作業船のクレーンで吊りワイヤ51,・・・を張った状態にし、排水管4の水上バルブ44を閉じ、送水管3によって送水をおこなって密閉空間20内の水圧を上げることで函体部2を浮き上がらせる。
【0092】
さらに、浮き上がった函体部2を吊りワイヤ51,・・・を介してクレーンで吊り、所望する位置まで横移動して再び水底Sに接地させ、上述した手順で再び採取をおこなう。
【0093】
次に、本実施の形態の採取装置1及び水底資源の採取方法の作用について説明する。
【0094】
このように構成された本実施の形態の採取装置1は、水底Sとの間に密閉空間20を形成する函体部2を備えている。また、その密閉空間20に送水をおこなう送水管3と、密閉空間20の水を排水する排水管4を備えている。
【0095】
このため、汚濁物質が外部に漏れだすことがない密閉空間20の中で採取対象物を採取することができるので、汚濁物質の周辺水域への拡散を最小限に抑えることができる。
【0096】
また、密閉空間20に対して送水管3で水を送り、閉じられた経路内で排水管4によって返送させる構成であれば、送水管3で水を送り出す圧送ポンプを稼働させるだけでよいので、エネルギー消費量を最小限に抑えることができる。
【0097】
さらに、水底Sに凹凸があるなどして密閉空間20が形成しにくい場所であっても、送水管3又は排水管4の少なくとも一方を利用して充填材7を水底Sに敷き均して平坦にすることで、水密性の高い密閉空間20を容易に形成することができる。
【0098】
また、吊り部5によって吊り下げられる構成であれば、深海の水底Sであっても海上から吊り下ろすだけで容易に設置することができる。また、一度、函体部2を水底Sに設置すれば、荒天時に水上の作業船を避難させる際にも、そのまま水底Sに設置しておき、作業を再開する際には、浮部52を目印に作業船と採取装置1とを再接続して、迅速に作業を再開させることができる。
【0099】
また、函体部2は、水底Sに対向させる天井部21と、その外縁から垂下させる下壁部22とによって、高水圧に耐え得る簡素で破損し難い構造にすることができる。
【0100】
さらに、函体部2に刃部22a及び破砕棒24,・・・を設けることで、水底Sが岩盤であっても破砕して採取対象物を採取することができる。すなわち、天井部21から複数の破砕棒24,・・・を突出させる構造であれば、天井部21にかかる水圧を利用して水底Sを細かく破砕させることができるため、エネルギーを消費する駆動源が必要な破砕装置を使用しなくてもよい。特に、破砕棒24,・・・の配置間隔を変えると、一本の破砕棒24に作用する力の大きさが変わるので、間隔を調整するだけで容易に破砕力を調整することができる。
【0101】
また、送水管3及び排水管4を分岐させて天井部21に点在させた送水用分岐管31,・・・及び排水用分岐管41,・・・によって水の供給及び排出をおこなうようにすれば、密閉空間20に均等に水が供給され、広い範囲の水底Sから効率よく採取対象物を採取することができる。
【0102】
また、送水管3及び排水管4の水中バルブ35,45を閉じて密閉空間20の内圧を圧力低減手段6によって低減させることで、函体部2及び破砕棒24,・・・に作用する水圧が相対的に増加するため、外水圧を利用して岩盤などの硬質地盤を破砕することができる。
【0103】
さらに、外水圧を相殺させて少ない圧力差で駆動する圧力低減手段6を使うのであれば、深海のように水底S付近の水圧が非常に高水圧になる場合でも、エネルギー消費量を最小限に抑えて圧力低減手段6を作動させることができる。
【0104】
そして、このような採取装置1を使った水底資源の採取方法であれば、深海の水底からも少ないエネルギー消費量で水底資源を採取することができる。
【実施例】
【0105】
次に、前記実施の形態とは別の形態の採取装置1Aについて、図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0106】
前記実施の形態では、函体部2の刃部22a及び破砕棒24,・・・によって水底Sの岩盤を破砕することで、水底Sに埋蔵された鉱物資源などの水底資源を採取する方法について説明した。
【0107】
しかしながら、コバルトリッチクラストと呼ばれる鉱床は、水底Sに数センチメートルから数十センチメートル程度堆積しているだけである。このような鉱床は、広域的に分布しているため、函体部2を正確に据え付けることよりも、迅速に移動させることの方が重要になる。
【0108】
そこで、実施例の採取装置1Aでは、水底Sに接地させなくても密閉空間20を形成できる函体部2Aの構成について説明する。
【0109】
この函体部2Aは、図5に示すように、下壁部22の下部の外周面を囲繞するスカート部8が巻き付けられている。このスカート部8は、下壁部22の下端付近から水底Sに向けて垂れ下がる可撓性の部材である。
【0110】
また、スカート部8は、並行に配置される帯状の内側サンドバック81及び外側サンドバック83と、内側サンドバック81と外側サンドバック83の間に介在される遮水シート82と、外側サンドバック83と遮水シート82と内側サンドバック81とを貫通して下壁部22に固定させる固定ボルト84,・・・とを備えている。
【0111】
この内側サンドバック81及び外側サンドバック83は、アラミド繊維などの柔軟性と高強度を有する袋体の中に、砂鉄や粒状ガーネットなどの硬質の粒状物が充填されることによって形成される。
【0112】
また、遮水シート82には、ワイヤで補強されたゴムシートなどが使用できる。さらに、この遮水シート82は、内側サンドバック81及び外側サンドバック83よりも下方に垂下する長さに形成される。
【0113】
次に、本実施例の水底資源の採取方法について説明する。
【0114】
まず、前記実施の形態と同様にして函体部2Aを水底Sに向けて吊り下ろす。この際、前記実施の形態のように刃部22aを接地させなくてもよく、図5に示すように刃部22aが水底Sから離隔した状態であっても、スカート部8の下部が撓んで水底Sに密着していればよい。
【0115】
続いて、送水管3の水上バルブ34を閉じ、排水管4を使ってエアリフトや水中ポンプにより密閉空間20から揚水をおこなう。すると、密閉空間20の圧力が低下し、スカート部8が密閉空間20側に引き寄せられ、水密性を更に高めることができる。
【0116】
また、スカート部8が引き寄せられて刃部22aと水底Sとの間に潜り込んだり減圧衝撃を受けたりしても、内側サンドバック81がその力を受けるだけなので、破損することがない。さらに、遮水シート82は、外側サンドバック83が錘になって押さえつけられているので、浮き上がって水密性が低下することがない。
【0117】
このように下壁部22の下部に可撓性のスカート部8が形成されていれば、下壁部22の刃部22aを水底Sに食い込ませなくても高い水密性が確保された密閉空間20を形成することができる。
【0118】
また、前記実施の形態で説明したように、充填材7によって水底Sの凹凸を埋める必要がないので、迅速に採取作業を開始することができる。さらに、水底Sに薄く堆積した水底資源を、充填材7を混入させることなく良好な状態で採取することができる。
【0119】
また、刃部22aや破砕棒24,・・・を水底Sに深く食い込ませていなければ、函体部2Aの移動を容易におこなうことができるので、広範囲に薄く広がる水底資源を効率よく採取することができる。
【0120】
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
【0121】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0122】
例えば、前記実施の形態及び実施例では、破砕部として刃部22aと破砕棒24,・・・を設けたが、これに限定されるものではなく、いずれか一方でもよい。また、前記実施例のように軟質な堆積物を採取する場合は、破砕部がなくてもよい。
【0123】
また、前記実施の形態及び実施例では、水底資源を採取するために採取装置1,1Aを使用したが、これに限定されるものではなく、港湾建設工事や橋梁基礎工事で水底の岩盤を掘削する際にも、破砕された岩盤を採取して掘削をおこなう装置として本発明の採取装置を適用できる。
【0124】
また、前記実施の形態では、圧力低減手段6による密閉空間20の減圧方法について説明したが、これに限定されるものではなく、送水管3及び排水管4を使って密閉空間20に圧縮空気を送り、その後、急速放出をおこなって減圧させる方法、又は爆発力や蒸気圧を使って減圧させる方法などであってもよい。
【0125】
さらに、前記実施の形態では、作業船を使って水底資源を採取する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、荒天時にも現地係留が可能な大型作業台(海底油田からの石油掘削作業などに使われるセミサブマーシブルなど)を据え付けてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1,1A 採取装置
2,2A 函体部
20 密閉空間
21 天井部
22 下壁部
22a 刃部(破砕部)
24 破砕棒(破砕部)
3 送水管
31 送水用分岐管
34 水上バルブ
35 水中バルブ
4 排水管
41 排水用分岐管
44 水上バルブ
45 水中バルブ
5 吊り部
6 圧力低減手段
61 圧力パイプ
62 外殻部
62a 上室
62b 下室
62c ピストン摺動孔
63 ピストン部
63a 軸部
63b 上閉塞板
63c 下閉塞板
64 連通管
65a 排水孔
65b 通水孔
65c 送排水孔
65d 通水孔
7 充填材
8 スカート部
S 水底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底から採取対象物を水上に搬送させる採取装置であって、
前記水底に対向させる天井部とその天井部の外縁から下方に延出される下壁部とを有するとともに前記水底との間に密閉空間を形成する函体部と、
前記密閉空間に送水をおこなう送水管と、
前記密閉空間の水を排水する排水管と、
前記函体部に連結される吊り部とを備えていることを特徴とする採取装置。
【請求項2】
前記函体部は、前記水底を破砕させる破砕部を有することを特徴とする請求項1に記載の採取装置。
【請求項3】
前記破砕部は、前記天井部から前記水底に向けて突出される破砕棒であることを特徴とする請求項2に記載の採取装置。
【請求項4】
前記送水管は、前記天井部の上方で分岐して複数の送水用分岐管が前記天井部を前記密閉空間に向けて貫通するとともに、前記排水管も前記天井部の上方で分岐して複数の排水用分岐管が前記天井部を前記密閉空間に向けて貫通することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の採取装置。
【請求項5】
前記下壁部の下部には、前記水底に向けて垂れ下がる可撓性のスカート部が形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の採取装置。
【請求項6】
前記送水管及び前記排水管にはバルブが設けられるとともに、前記密閉空間の内圧を低減させる圧力低減手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の採取装置。
【請求項7】
前記圧力低減手段は、上室と下室の2室が内部に形成されるとともに底面を貫通するピストン摺動孔が形成された外殻部と、その外殻部の軸方向に移動して前記ピストン摺動孔を開閉させるピストン部と、水上から延設されて前記上室の圧力を調整する圧力パイプと、前記ピストン摺動孔と前記密閉空間を連通させる連通管とを備え、
前記ピストン部は、前記ピストン摺動孔に挿入されて前記下室と前記上室とに貫入される軸部と、前記上室において前記軸部から軸直交方向に延出されて上室内を区切る上閉塞板と、前記下室において前記軸部から軸直交方向に延出されて下室内を区切る下閉塞板とを有し、
前記外殻部には、前記下室の前記下閉塞板の下方に設けられる逆止弁付き排水孔と、前記下室の前記下閉塞板の上方に設けられる通水孔と、前記上室の前記上閉塞板の下方に設けられて前記圧力パイプと接続される送排水孔と、前記上室の前記上閉塞板の上方に設けられる通水孔とが形成されることを特徴とする請求項6に記載の採取装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の採取装置を使った水底資源の採取方法であって、
前記吊り部を使って吊り下げられた前記函体部を前記水底に沈設する工程と、
前記送水管を通して前記密閉空間に送水し、その水とともに前記採取対象物を前記排水管に流し込み、水上まで搬送させる工程とを備えたことを特徴とする水底資源の採取方法。
【請求項9】
前記函体部の下端と前記水底との隙間を充填するために、前記送水管又は前記排水管の少なくとも一方を使って前記水底に向けて充填材を搬送する工程を備えたことを特徴とする請求項8に記載の水底資源の採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−236179(P2010−236179A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81818(P2009−81818)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】