採掘方法および装置
採掘動作における水平制御のための方法および装置が提供される。新しい産出物3はシーム1から切出される。この切出しによって新しい切断産出物表面25が露出される。新しい切断産出物表面25はカッター11のすぐ近くの位置で観察される。観察の上限と観察の下限との間のIR観察からの任意の温度コントラスト領域が注目される。温度コントラスト領域33の少なくとも1つの高さの座標位置が決定され、決定された高さの座標位置の出力信号が与えられ、それによって出力信号は水平制御のための水平データとして使用されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は採掘方法および装置に関し、特に長壁式採掘法に適している採掘方法および装置に関するがそれだけ限定されない。本発明は他の採掘応用に応用を有しているが、長壁式採掘法専用に限定されない。
【背景技術】
【0002】
これまで、鉱山で採掘した産出物のシームからの産出物の採掘を制御するための採掘方法および装置が知られている。1つの既知の長壁式採掘法では、切断の垂直壁がその切断の上壁または下壁のいずれかと交差する領域でカッターのすぐ近くの位置における新しい切断産出物表面からの赤外線(IR)放射を観察している。このような方法は垂直の切断壁と水平切断床または水平切断天井の一方との交差位置でIR温度の増加が存在するか否かに注目することによって鉱山の産出物のシームの上限または下限のいずれかを決定する。IR温度の増加はカッターが産出物のシームのすぐ上または下の天井または床の地層を切り込むときに生じる。これは地層が通常、シーム中の産出物よりも硬く、それ故層が切断プロセス期間中に産出物よりも熱くなるためである。したがって、この領域におけるIR温度の増加に注目することによって、鉱山の産出物のシームの上限および/または下限を決定することができる。シームの上限または下限を規定する信号が発生されることができることによって、カッターを上に位置するかまたは下に位置する層へ切り込ませないように採掘機械が制御されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような方法および装置は有効であるが、このような方法および装置には欠点があり、上に位置するか下に位置する地層が採掘され、時々刻々と産出物と共に切断されることが可能である。これは採掘装置に余分な負担を与え、産出物の含有量を希釈し、鉱山内の人員の安全性に影響する鉱山内の塵の増加を含めた他の産出問題を生じる。
【0004】
したがって改良された方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1特徴によれば、採掘される産出物が産出物のシームの採掘面から切出される採掘動作における水平制御方法が提供され、この方法は、
新しい切断産出物表面を露出するカッターによってシームから産出物を切出し、
カッターのすぐ近くに隣接する位置において産出物表面の新しい切断部からIR放射を視覚的に観察し、
観察の上限と観察の下限との間のIR観察から温度コントラスト領域に注目し、
少なくとも1つの温度コントラスト領域の少なくとも1つの高さの座標位置を決定し、
発生された出力信号が水平制御のための水平データとして使用されることができるように、決定された高さの座標位置の出力信号を発生するステップを含んでいる。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、採掘機械の水平制御装置と共に動作するための感知装置が提供され、
その感知装置は、採掘機械のカッターのすぐ近くに隣接する新しい切断採掘された産出物表面についての観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部と、
画像の上部と画像の下部との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目するように捕捉されたIR画像信号を処理するための信号処理コンポーネントと、
信号処理コンポーネントにより処理される注目された温度コントラスト領域を受取り、少なくとも1つの注目された温度コントラスト領域の高さ位置を計算する高さ位置コンポーネントと、
採掘機械の水平制御装置についての計算された高さ位置の出力信号を提供する信号出力コンポーネントとを具備している。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、カッターが産出物を切り出し、新しい切断産出物表面を露出する鉱山内の採掘面から採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する方法が提供され、
その方法は、カッターのすぐ近くに隣接する新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察し、
そのIR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目し、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさまたは、
2.温度しきい値を超えるコントラスト領域のいずれかによって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を決定するステップを含んでいる。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、鉱山から産出物を採掘するときに採掘される産出物の熱的に識別可能な構造を識別する装置が提供され、
その装置は鉱山からの産出物を切出す採掘機械カッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部と、
捕捉されたIR画像信号を処理し、少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目する信号処理コンポーネントと、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさに注目するかまたは、
2.温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目するかのいずれか一方によって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する画像処理コンポーネントと、
鉱山産出物中の熱的に識別可能な構造を示す出力を与えるための出力コンポーネントとを具備している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明がさらに明白に確認されることができるように、本発明の実施形態の例を長壁式採掘法に基づいて添付図面を参照して説明する。前述したように、本発明は長壁式採掘法に限定されないから、以下の説明は1例として理解されるべきである。他の採掘応用では、ここで概説されている原理は類似の方法で使用されることができる。
【0010】
以下の説明では、長壁式採掘法について説明する。前述したように本発明の概念は長壁式採掘に限定されない。本発明の概念は他の採掘応用/技術で実施されることができ、本発明は他の採掘応用/技術にも同様に拡張されることができる。
【0011】
図1は鉱山中の産出物3のシーム1を示す斜視図である。典型的に、産出物3は石炭であるが他の材料であってもよい。石炭は通常、複数の層でシーム1に埋蔵されている。シーム1は上部地層5と下部地層7により境界を定められている。石炭は石炭自体、粘土または火山灰或いは可変の厚さおよび硬さを有するその他の材料のような異なる地質的材料の層に埋蔵されている可能性がある。この層は石炭のシーム1中の薄い水平の線状の帯状体として現れる可能性がある。これらの線状の帯状体はシーム1のプロフィールに強く連結されている。これらの線状の帯状体はシームのプロフィールに強く連結されているので、これらの線状の帯状体に注目することによって、採掘機械の水平制御のためのデータを設定する手段を提供することができることが認識される。典型的に、帯状体は常に裸眼で明らかに可視であるわけではなく、幾つかの自動化されたプロセスは1以上の帯状体の検出と、採掘機械およびそれに搭載されているカッターの水平位置を制御するための採掘機械の通常の水平制御回路によって使用されることのできる出力信号の提供することが必要とされる。
【0012】
図1は部分的に採掘された鉱山を示しており、採掘機械9は回転カッタードラム11を搭載している。カッタードラム11は採掘機械9に関して上下に揺動できるアーム13上に支持されている。採掘機械9はシーム1の幅を横切って(または少なくともシーム1の目的とする採掘領域の幅を横切って)延在するレール手段15上に支持されている。採掘機械9はレール手段15に沿って移動し、アーム13は回転カッタードラム11がシーム1から産出物3を切出すために上昇または下降される。幾つかの例では、採掘機械9はその採掘機械9の他方の端部に位置される第2のアーム13とカッタードラム11を有することができる。この場合、カッタードラム11のうちの1つがシーム1から鉱山の天井17方向へ上方向へ産出物3を切断し、他のカッタードラム11は鉱山の床19方向へ下方向へ切断する。典型的に、天井17はシーム1と上部地層5との間の境界で決定される。同様に、床19はシーム1と下部地層7との間の境界で決定される。張り出した天井17は複数のチョック21により支持される。2つのチョック21しか示されていないが、実際にはレール手段15の長さに沿って相互に隣接して間隔を隔てられている多数のチョック21が存在する。チョック21はそれらの下部の足部領域でレール手段15に接続し、前進してシーム方向へレール手段15を押すように操作されることができ、採掘機械9が進路を進むことができる。チョック21はさらに全体としてそれらをレール手段15方向へ引張るように操作されることができ、シーム1の新しい切断産出物表面25の近くに上部支持アーム23を動かすことができる。採掘機械9を動かし、カッタードラム11を揺動する技術と、チョック21の動作は本質的に長壁式採掘技術で知られていると考えられるので、ここでさらに詳細には説明しない。
【0013】
図2は、上部地層5、下部地層7、採掘機械9、チョック21が除かれた図1に示されている産出物3のシーム1を示している分解斜視図である。ここで採掘機械のカッタードラム11はシーム1を横切って左右に延在する直立した壁27を有する新しい切断産出物表面25を切出していることが明白に示されている。さらにカッタードラム11の深さに等しい深さまでシームへ切り込まれた直立の端部壁29も含んでいる。図2はまた新しい切断産出物表面25に平行に延在する先に切断された産出部の面31も示している。図2はさらにシーム1を通して延在する単一の帯状体または特性33を示している。実際には、全てが相互に平行な面にほぼ延在する1以上の帯状体または特性33が存在する可能性がある。帯状体または特徴33は一般的に平坦であるが、シーム1の層の性質によって幾つかの落ち込みその他の形状が存在する。典型的に帯状体または特徴33は産出物3自体よりも硬度が大きい材料の堆積から形成されている。場合によっては、帯状体または特徴33は裸眼で可視的に弁別可能であるが、裸眼では可視ではないこともある。
【0014】
カッター11の近くの新しい切断産出物表面25から放出されるIR放射が観察されたならば、帯状体または特徴33は周囲の産出物3のレベルよりも高いIR放射レベルを示すことを発見した。これは恐らくカッター11が切断/採掘プロセス期間中に産出物3の材料よりも帯状体または特徴33の材料を加熱するためである。したがって、カッター11のすぐ近くの位置における新しい切断産出物表面25からのIR放射を観察することによって、観察の上限と観察の下限との間のIR観察からの任意の温度コントラスト領域に注意することが可能である。このようにして上限が理想的にシーム1と上部地層5および/または下部地層7との間の境界の丁度下であるならば、任意の注意されるコントラスト領域は帯状体または特徴33の存在を示す。帯状体または特徴33の位置はその後、採掘機械9の水平制御に使用されることができる。帯状体または特徴33は通常、天井17または床19に関してシーム1の上限または下限に対して平行であるので、少なくとも1つのコントラスト領域に基づくデータの提供は、採掘機械9の制御のための水平データ設定用の理想的な機構を可能にする。
【0015】
好ましい実施形態の例では、25fpsにおけるPAL長波長(8−14ミクロン)の熱IRビデオカメラが新しい切断産出物表面25のデジタルピクチャ画像を提供するために使用される。新しい切断産出物表面25を視覚的に観察するために短波長(1−3ミクロン)の熱IR放射に対して感度のあるCCDビデオカメラを使用することも可能である。画像捕捉装置は採掘される特定の産出物および採掘環境に適するように適切に選択されることができる。ビデオカメラが使用されるとき、結果的なデジタルピクチャ画像の解析は各フレームまたは選択されたフレームで、例えば25番目のフレーム毎に行われることができる。その代わりに、熱IR静止カメラが使用されてもよく、画像は採掘動作期間中にシーム1の表面を横切る採掘機械9の移動速度の結果、予め定められた時間間隔で生成されることができる。この例では、画像装置はシーム1の採掘幅を横切る方向に延在する新しい切断産出物表面25を観察するデジタル熱IRビデオカメラであり、これは例えば25番目毎にフレームを解析するのと比較して低い熱IR値までシステムの感度を増加するのでそれぞれのフレームは解析される。別の構成では、新しい切断産出物表面はカッタードラム11の切断の深さを表す直立した端部壁29であってもよい。この別の構成は本発明の技術的範囲内であると考えられる。望ましくは、カメラはカッタードラム11の直ぐ近くの新しい切断産出物表面25中の関心のある領域を観察する。このようにして、残りのIR放射はピークレベルに近いことが予想され、ここでは温度はカッタードラムの通行後の時間の経過によって放散されない。
【0016】
熱赤外線カメラの赤外線感度は特に採掘動作における標準的な可視波長カメラよりも優れた特別な利点を有する。特に、長波長の熱赤外線カメラは埃により生じる閉鎖に対して非常に感応性が低い。熱IRカメラはまた完全な暗闇で機能することができ、これはさらにこのタイプのIRカメラの実際の実行に対して適切なものにする。カメラの関心のある領域35を含む視野34は可視ドメインでは現れない可能性がある熱ドメインで現れる関心のある重要な特徴を示す傾向がある。カメラの取付けの典型的な位置は採掘機械9の本体上であり、カメラがカッタードラム11および任意の周囲のシーム1または地層5、7の関心のある領域において観察可能な特徴を有するように、および採掘のおおよその操作状況から保護されるように方向付けされる。
【0017】
図3はデジタルビデオカメラの関心のある領域35を含む視野34を示している。この場合、関心のある領域35は形状がやや台形である。これは新しい切断産出物表面25に関するカメラの傾斜角度の結果である。関心のある領域35はその関心のある領域の面積を規定するため特定の画素を選択することによってピクチャ画像34内で選択される。図3は単一の帯状体または特徴33を示しているが、他の帯状体または特徴33が存在してもよい。
【0018】
図4は、水平軸“X”上のゼロ位置からの距離“a”における観察データ37の設定を示している。データ位置37はIR放射の視野35の高さを上下する垂直軸方向“Y”に延在する。図4は“Y”(垂直)方向の高さ“b”における帯状体または特徴33との交差点を有していることを示している。したがってデータ位置37と帯状体または特徴33との交差点に関する座標を決定することによって、帯状体または特徴33の位置に注目し、採掘機械9を水平制御するために座標位置を使用することができる。
【0019】
採掘機械9がシーム1を横切って移動するとき、視野34も動き、1以上の帯状体または特徴33の位置が追跡されることを認識すべきである。したがって、シーム1が上下に動くとき、帯状体または特徴33も同時に動くことが予測され、採掘機械9の連続的な制御は帯状体または特徴33とのデータ位置37の交差位置の高さに注目することによって実現されることができる。したがって、帯状体または特徴33の高さの位置が変化するならば、採掘機械9を制御するための信号を提供するために使用されることのできる交差の座標位置において対応する変化が存在する。
【0020】
図5を参照すると、視野34中の関心のある領域35の背景に関してカメラから決定されるIR画素の強度値レベルの図が示されている。ここでの例では、データ位置37はデジタルビデオカメラから得られたデジタルピクチャ画像の特別な画素位置によって規定される。図5は観察する高さを上下する方向で延在するデータ位置9に沿った画素のグレースケール画素強度値レベルを示している。グラフは図4の高さ距離“b”における画素グレースケール強度値のピークを示している。図5では、高さ距離“b”は水平軸に沿って示されている。ここで、局所化されたピーク39が高さ“b”において画素グレースケール強度値で現されている。局所化されたピーク39の大きさは縦座標“d”により示されている。図5はまた縦座標“dmin”を有するしきい値が設定されることができることも示している。したがって局所化されたピーク39がしきい値dminを超えるならば、これは周囲の背景に関する温度コントラスト領域を表している。これはしたがって帯状体または特徴33の高さの位置を表している。典型的に、dminは石炭のような産出物3の既知の組成に対する新しい切断産出物表面25から放出されたIR放射の背景しきい値レベルを丁度超えるように設定される。dminにより表されるしきい値は、帯状体または特徴33が存在しないか、または背景から弁別されることが不十分である場合に対応するために必要である。垂直線のグレースケール画素強度データの“d”の最大値が最小の帯検出しきい値dmin以上であるならば、その最大値“d”に関連される(垂直軸に沿った)指数“b”は画像中の温度コントラスト領域(および帯状体または特徴)の有効位置であると考えられる。値“d”がしきい値dminよりも小さいならば、高さの決定は計算されない。
【0021】
帯状体または特徴33の任意の追跡は検出および/または局所化プロセスに関連される誤差および観察雑音を考慮する必要がある。これは特に帯状体または特徴33がIR画像中で比較的微かしか現れない場合に重要である。場合によっては、強度値は背景に関して高いので、特別な処理が必要とされないこともある。比較的微かなIR局所化されたピーク39が存在する場合には、頑強なフィルタ追跡特徴が構成されてもよい。「カルマン」フィルタは特に有用な頑強なフィルタを表し、信号処理のためのよく知られたフィルタである。
【0022】
カルマンフィルタは状態ベクトル、システムモデル、観察モデルを使用して回帰的にパラメータ評価を行う。この1次元の位置−速度追跡シナリオでは、状態ベクトルは(2×1)ベクトルにより与えられ、
x(t)=[h(t)]
[v(t)]
これは瞬間tにおける帯状体または特徴33の真の高さh(t)および速度v(t)を含んでいる。システムモデルは式x(t+1)=Fx(t)+w(t)により与えられ、ここで、
F=[1ΔT]
[0 T]
の式はシステムの進化を説明する(2×2)モデル行列であり、ΔTは隣接する画像フレーム間の時間を表し、w(t)はマーカーの帯状体の特徴の追跡を可能にするためのシステム摂動を表す(2×1)行列である。行列w(t)は(2×2)分散行列Qにより、ゼロ平均ガウス雑音プロセスとして分布されると仮定する。観察式はb(t)=Hx(t)+u(t)により与えられ、ここでb(t)は瞬間tにおける帯状体または特徴33検出器と位置プロセスにより発生される高さの評価であり、H=[1 0]は(1×2)ベクトルであり、x(t)は前述したように状態ベクトルであり、u(t)はマーカー帯状体位置アルゴリズムに関連される不確定性を表している。値u(t)はバリアンスRにより、ゼロ平均ガウス雑音プロセスとして分布されると仮定される。
【0023】
追跡プロセスの初期化中、状態ベクトルのそれぞれの要素には現在の帯状体または特徴33の高さとゼロ速度が割当てられ、システムモデルの分散行列Qの対角線要素は、帯状体または特徴33の典型的に低速度の進化力学の良好なモデルを表す0.01に割当てられ、観察式Rに関連されるバリアンスはコンバージェンスを確認するために現在の実際のものにしたがって比較的大きい値10.0に設定される。カルマンフィルタは標準的な予測および更新ステップを使用して構成され、その詳細は公開された文献で広く入手可能である。
【0024】
カルマンのフィルタから得られる評価は観察された帯状体または特徴33力学に対する優れた表示を与え、濾波されていない評価に対する高い雑音排除性を示す。カルマンフィルタ処理ステップは必須ではないが、雑音および測定の不確定性に対処するための頑強で決定的な方法を表すので、帯状体または特徴33の強度が比較的微かである(即ち低いSNR)場合に特に有用であることが証明されている。
【0025】
データに沿って多くのグレースケール画素強度レベルピークが存在する可能性があることを認識すべきであり、各ピークは異なる帯状体または特徴33を表している。さらに、これらのピークは異なるピーク画素強度値を有することができる。これらがしきい値を超過するか否かを決定するためにこれらは全て処理され、さらにこれらの全てまたはこれらのうちの選択されたものが水平制御のために使用される。
【0026】
図6は帯状体または特徴33と採掘機械9の位置のグラフを示している。帯状体または特徴33の高さ座標で実際に注意することは本質的に空間量である。採掘機械動作では、時間の代わりに位置に関する帯状体または特徴33の高さ座標を参照することが便利である。これは帯状体または特徴33の高さ値を採掘機械の位置に対して注目することにより容易に行われる。図6はシーム1の幅を横切る採掘機械の水平面位置の関数として帯状体または特徴33の高さを示している追跡アルゴリズムからの典型的な出力(後に参照する)を示している。
【0027】
図7は、採掘機械の水平制御のための信号出力を与えるために使用される装置のコンポーネントを示しているブロック概略図である。ここで装置は前述した概念を使用する。熱IRデジタルビデオカメラ41は新しい切断産出物表面25を観察し、関心のある領域35を含む視野34を有する。デジタル出力信号43は、採掘機械のカッタードラム11のすぐ近くの新しい切断産出物表面25のIR画像信号を受信するための画像捕捉コンポーネント45に供給される。信号47は画像捕捉コンポーネント45から出力され、信号処理コンポーネント49に供給され、ここで関心のある領域35のIR画像信号は画像の上部と画像の下部との間およびシームの上限とシームの下限との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に対して注目される。少なくとも1つの温度コントラスト領域が決定されるならば、信号51は高さ位置コンポーネント53に与えられ、ここで高さ位置の座標が少なくとも1つの注目される温度コントラスト領域について計算される。高さ位置座標信号55はその後、少なくとも1つの温度コントラスト領域の計算された高さ位置の出力信号59を与えるために信号出力コンポーネント57に与えられ、したがってその出力信号59は採掘機械の水平制御回路61で使用されることができる。図7で参照されている種々のコンポーネントはディスクリートなコンポーネントであってもよく、またはコンピュータ装置内のコンポーネントであってもよい。典型的に、コンポーネントは要求される機能を行うためにコンピュータを構成する目的に専用のソフトウェアを使用してコンピュータ装置内で構成される。高さ位置座標を1次元のものとして説明したが、この座標は鉱山内の採掘機械9の絶対位置のデータ信号を適切に入力することによって2次元または3次元のものであってもよい。このような信号は採掘機械9に関連される慣性ナビゲーションコンポーネントから得られることができる。
【0028】
図8は関係されるプロセスのアルゴリズムを示している。ここでステップ1は採掘機械の位置を決定する。適切な位置測定装置は長壁式剪断器または連続的な採掘装置のような最も大きな採炭装置で通常設けられている。したがって信号は採掘機械9の位置を表すステップ1で得られることができる。独立した既知の採掘機械位置決め手段は必要ならば採掘機械位置信号を提供するために使用されることができる。ステップ2で、熱赤外線画像は直接デジタルインターフェースを使用して、または画像がアナログ画像である場合には標準的なアナログデジタル変換技術を使用することによって受信される。典型的な熱画像はここでは図4により示されている画像である。データ捕捉点から、熱IRビデオカメラからの出力は標準的な静止画像カメラに類似しており、即ちデジタルまたはアナログ形態の静止画像のシーケンスであることに注意すべきである。図8に示されているアルゴリズムは公称上捕捉速度にかかわりなく、各画像フレームを逐次的に処理する。このフレーム選択は随意選択的な選択であり、発明を限定するものではない。
【0029】
ステップ3で、機械の位置変更の感知が決定される。これは採掘機械9がシーム3の面を横切って前進しないならば、カメラ41により捕捉される既存の画像を再処理する必要はないためである。したがって、機械の位置決め装置からの信号は機械9が移動し、それによって画像信号がステップ4で処理されることができる場合に注目するために比較される。ステップ4で、帯状体または特徴33が存在するならば、局部的背景に関する局所的な特徴を示す。したがってデータセットはデータ位置37における画像の画素値を追跡することにより形成される。これによって図5に示されているのと類似のデータセットが発生される。ステップ5で、局所化されたピーク39がデータ位置37の視野34の観察の高さを上下する垂直データ線に沿ったグレースケール画素値の強度レベルにより決定される。画素強度値の最も明るい点は局所化されたピーク39を表す。ステップ6はピーク39がdmin(図5)により表される設定しきい値を超えるか否かを決定する。ステップ7で前述のカルマンフィルタのような頑強な追跡フィルタが適用される。ステップ8で局所化されたピーク39の高さ(図4の高さ“b”)が決定される。この高さ値を採掘機械座標位置のような他の座標システムで表すことが望ましいこともある。これは採掘機械9上のカメラの位置を知るカメラ較正技術を直接適用することにより実現されることができる。
【0030】
ここまでの説明は関心のある領域35の視野34中の単一の帯状体または特徴33を検出することに関するものであることをここで注意すべきである。多数の帯状体または特徴33が検出されることができ、2以上の注目される帯状体または特徴33の相対的な追跡を可能にするためにアルゴリズムは適切に処理されることができる。したがって1以上の注目される帯状体または特徴33は採掘機械の水平制御のための制御に使用されることができる。これは帯状体または特徴33が関心のある領域35で消滅するが、他の帯状体または特徴は残留している場合に特に有用である。
【0031】
ステップ9で、ステップ8で決定された高さ座標はここで図6により表されているように機械の位置の関数として変換される。したがって出力信号63は水平制御のために採掘機械9に与えられることができる。図9を参照すると、図3に類似の図が示されているが、さらにIR画像の関心のある第2の領域67を示している。ここで、関心のある第2の領域67は天井17または床19と垂直の新しい切断面25の交差を囲むように構成されている。関心のある第2の領域67の面積および位置は視野34の画像中の画素位置により規定される。したがって、関心のある第2の領域67は垂直の切断面25(図2)と、天井17または床19の一方または両者の水平切断面との交差における任意の温度コントラスト領域に注目するためにさらにIR画像信号を供給する。ここで任意の注目されるIR温度コントラスト領域はシーム1と上部地層5および/または下部地層との交差を規定する。したがって水平制御について前述した帯状体または特徴33の信号と共に使用するための新しい切断産出物表面からの更に別のIR画像信号について高さ位置信号が発生されることができる。したがってこの場合、更に別のIR画像信号がアーム13の上方および/または下方の移動範囲を限定するように天井17または床19との垂直切断面25の交差の高さ位置を提供するように処理され、それによりシーム採掘の上限とシーム採掘の下限を制御することができる。この場合、交差における温度コントラスト領域についての決定された高さ座標位置を示す第2の出力信号が与えられる。
【0032】
図10は、前述の帯状体または特徴33を有する構成と、天井17または床19との垂直切断面の交差に注目するための装置のブロック図を示している。この例では、1つのIRビデオカメラ41が関心のある領域35で使用され、さらに別のIRビデオカメラ69が関心のある第2の領域67に対して使用される。前述の説明では、単一のIRカメラ41は関心のある両領域35、67を含むために使用された。この例では、第2のIRビデオカメラ69はその概念が単一のIRカメラ構成に限定される必要がないことを示すために使用されている。図10の左側のコンポーネントはここで図7に示されているコンポーネントを反復しているので、さらに説明はしない。図10の右側には、視野67を有する第2の熱IRビデオカメラ69が示されている。デジタル出力信号71は画像捕捉コンポーネント73に与えられる。信号75は画像捕捉コンポーネント73から出力され、信号処理コンポーネント49へ供給される。ここで信号は高さ位置コンポーネント53に与えられ、このコンポーネントでは天井17および/または床19とシームの垂直切断面25との交差を規定する温度コントラスト領域の高さ座標位置が計算される。ここでその信号は信号出力コンポーネントへ出力され、それは採掘機械を制御するための採掘機械制御回路61に与えられる座標位置信号を規定する。
【0033】
図11は天井17または床19との新しい切断産出物表面25の交差を検出するための処理アルゴリズムを示している。このアルゴリズムは2つのパラメータが初期較正期間中に設定されることを必要とする。第1のパラメータは、天井17または床19との石炭シームの交差がそれを超えて到達されると予想されるしきい値に対応する。検出しきい値は最大強度値の70%に設定され、適切な初期選択を表している。第2のパラメータは既知のプロセスを使用して採掘機械9自体から容易に決定されることのできるシーム抽出の高さである。
【0034】
ステップ1で、機械の位置は図8のステップ1に関連して説明したのと同じプロセスにしたがって確かめられる。ステップ2で、画像捕捉が行われ、これも図8に示されているステップ2と同じであるが、異なるカメラまたは単一のカメラからの画像内の関心のある領域からのものである。ステップ3で、視野の画像中の全ての画素の平均強度値が決定される。第2のカメラ69からの画像中の画素の全ての強度値レベルの平均化プロセスによって注目されるように、平均強度値が変更するならば、天井17または床19とのカッタードラム11の交差が存在することが決定されることができる。ステップ4で、最大平均画素強度値が記憶される。このような値は切断ドラム11がより硬い材料(例えば岩)のセグメントを通って移動し、任意の熱強度値の頑強な測定を行うときに非常に変化する可能性がある。最大平均値は現在の機械9の位置について記憶される。
【0035】
ステップ5で、機械の水平位置が変更されるか否かを決定するためのプロセスが呼出される。これは図8のステップ4と同じである。ステップ6で、ステップ6で計算された平均強度値の大きさが予め決定されたインターフェース検出しきい値に対して比較される。平均値が石炭のインターフェース検出しきい値を超えるならば、石炭のシームインターフェースは中断されていると考えられる。反対に、平均値が石炭のインターフェースよりも下であるならば、採掘機械はシーム1内で切断していると想定される。ステップ8で、天井17または床19とのインターフェースのシームインターフェース位置の出力が与えられる。これは機械の採掘の最大の高さ、またはシームの採掘のより低い高さを提供する。ステップ9で、石炭インターフェースの交差がないことが決定されないならば、中間点の出力信号が与えられる。これは水平制御システムで使用するのに適した出力を与えるように適切なセンチネル信号(例えば抽出されたシームの高さの半分)を与える。その代わりに、適切なセンチネル信号は開ループモードで採掘機械制御システムを動作させるために設定されることができる。
【0036】
ここで説明された帯状体または特徴33の追跡システムと、天井17または床19との垂直の新しい切断産出物表面25との交差を検出するための石炭インターフェース検出器は、シーム1の性質の2つの補足的な原位置の測定を行う。システムの出力は独立して与えられることができるが、それらは採掘機械9の実時間水平制御で使用するための頑強な予測的で反応的な感知能力を提供するために組み合わせられると有効である。
【0037】
図12は、帯状体または特徴33の追跡およびインターフェース検出システムの出力がどのように水平制御のための頑強なデータを提供するために組合わせられることができるかを示している。すなわち帯状体または特徴33を使用する主要な、および好ましい動作モードが利用可能ではないことが生じたならば、出力セレクタは水平制御のための反応的(およびより粗い)石炭シーム境界インターフェース信号を使用するように動作されることができる。帯状体または特徴33追跡信号が与えられ、インターフェース交差信号が与えられないならば、システムは採掘場所の特定の水平制御ポリシーにしたがって、最後の帯状体または特徴33の出力信号、半分シームの抽出高さ信号またはゼロ信号を出力することができる。ここでステップ1において、帯状体または特徴33が存在するか否かを決定するためにマーカー帯評価が行われる。存在するならば、出力高さ信号がステップ2で与えられる。帯状体または特徴33が決定されないならば、ステップ3で床の石炭インターフェースが検出されたか否かの評価が行われる。検出されたならば、出力信号は床の高さを示すために決定される。床インターフェースが検出されないならば、ステップ5で天井の交差が検出されるかについての評価が行われる。これが検出されたならば、天井17の高さを示すための出力信号が与えられる。インターフェースが検出されないならば、ステップ7は最後に知られた帯の高さ出力信号を提供する。
【0038】
長壁式採掘剪断器のような採掘機械の水平制御を行うため、帯状体または特徴33の追跡システムの出力は既存の採掘機械剪断器アーム13の制御システムに与えられる。アーム13は石炭のような産出物3を抽出するとき長壁剪断機械9の水平位置を調節するための主要な手段である。水平の採掘に対する補正は、通常はレール手段15に沿った採掘機械9の前後方向の横断サイクルに対して行われる。帯状体または特徴33の高さ信号は観察された高さを使用して、瞬間的な方法で制御システムにより作用されることができる。これは高さの任意の変化がかなり小さいと予測されるためである。必要ならば、鉱山の面に沿った種々の位置における高さ位置はメモリ中に記憶され、その後、レール手段15に沿った採掘機械9の次の前後方向の横断サイクルで検索され、それにおいてこれらは検索され、帯状体または特徴33の任意の新たに測定された高さ位置と比較されることができる。
【0039】
安全で実用的な制御を行うために、カッタードラム11の特別な機械的限定と、変化の任意の所望の水平プロフィールレートに注目して、採掘機械9の制御システムの力学を考慮することができる。
【0040】
図13は採掘機械9の水平制御の自動化のための一般的な構成を示す概略ブロック図である。シーム1内の所望の垂直位置は典型的に帯状体または特徴33の高さ位置からの固定されたオフセットを有している。ここでステップ1において、所望の水平設定点が設定される。ステップ2におけるコマンド(位置誤差)信号がステップ3のアーム位置制御システムに与えられる。ステップ4で、採掘機械9の実際の垂直位置がシーム内で決定される。ステップ5で、組合わせられた帯状体または特徴33のシステムとインターフェース検出システムとは制御ループを与えるための垂直位置感知能力を提供する。
【0041】
前述のタイプのシステムは長壁式採掘で石炭を採掘するための自動化された制御システムにおいて有用であり、生産性を増加して人員の安全性を改良しながら装置の損傷を最小にする。ここに示された方法を使用すると、ビーコン、マーカー、ストライプのような外部参照インフラストラクチャは動作に必要とされない。したがって、ここに示された概念を使用して採掘機械の実用性と頑強さが増加される。ここで示された原理は実時間またはオフラインのいずれでも動作することできる。ここで説明された技術は水平制御のための天井または床検出および帯状体または特徴33の検出用の自動的でオンラインで自己調整する方法を表している。さらに帯状体または特徴33の位置、或いは天井17または床19のインターフェース位置の座標位置出力信号は、採掘動作を非常に強化するために採掘調査プロセスで使用されることができる。
【0042】
ここで説明された帯状体または特徴33システムは鉱山からその産出物を採掘するときに、採掘される産出物中の熱的に識別可能な構造を識別するために使用されることができることもまた認識されるべきである。したがって、採掘機械のカッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察される位置のIR画像信号に注目することによって、採掘される産出物中の熱的に識別可能な構造を識別するために使用可能である信号を得ることができる。熱的に識別可能な構造は少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさ(即ち高強度画素の数)に注目するか、温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目することによって識別されることができる。出力信号は採掘された産出物中の熱的に識別可能な構造を示すため出力コンポーネントから与えられることができる。この例では、図7は出力信号59が熱的に識別可能な産出物の指示を与える場合の必要な信号処理コンポーネントを示している。特定の回路図が図14に示されている。この回路図でデジタルビデオカメラ41は出力信号43を画像捕捉コンポーネント45に供給する。画像捕捉コンポーネント45は図7に関して説明したような方法で信号43を処理する。出力信号47は信号処理コンポーネント49に与えられ、このコンポーネント49はIR温度画素強度値が特定のしきい値を超えるか否かを感知し、出力信号51を信号出力コンポーネント57に提供し、このコンポーネント57は次に採掘される産出物中に熱的に識別可能な構造が存在するか存在しないかを示す出力信号59を提供する。したがってこの実施形態では、信号処理コンポーネント49は少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさ、または温度コントラスト領域が温度しきい値を超える大きさを有するか否かに注目できる。
【0043】
採掘機械制御技術における当業者に明白であるように、本発明に変形が行われることができる。これらおよびその他の変形は、本発明の技術的範囲から逸脱せずに行われることができ、その特性は前述の説明から決定される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】地中内の深くを採掘する長壁式採掘プロセスの斜視図。
【図2】新しい切断産出物表面において帯状形態のIRコントラスト領域を示す採掘された産出物のシームを示している図1に類似した概略図。
【図3】カッター領域の位置およびシームの下限とシームの上限との間の新しい切断産出物表面を観察するIRカメラの視野を示す図。
【図4】図3に示されているが、温度コントラスト領域に注目するためのデータ位置を示しているIRカメラの視野を示す図。
【図5】図4に示されているデータに沿って測定された画像画素のグレースケール強度レベルを示すグラフ。
【図6】熱コントラスト領域の高さと採掘機械位置を示すグラフ。
【図7】新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察するIRカメラから得られるIRコントラスト領域のピクチャ画像信号を処理するための装置を示す機能ブロック回路の概略図。
【図8】図7に概略的に示されている装置と共に使用される処理アルゴリズム。
【図9】図3に類似しているが、シームの上限または下限を決定するために新しい切断産出物表面の第2のIR観察を示す図。
【図10】図7に類似しているが、産出物のシームの上限および/または下限を処理するためのコンポーネントの付加を示しているブロック概略図。
【図11】シームの上限または下限の決定において図10に示されている装置と共に使用するアルゴリズムの図。
【図12】採掘機械の水平制御で使用するための出力を示しているアルゴリズムの図。
【図13】採掘機械における自動化された水平制御を示す機能図。
【図14】特定の回路図。
【技術分野】
【0001】
本発明は採掘方法および装置に関し、特に長壁式採掘法に適している採掘方法および装置に関するがそれだけ限定されない。本発明は他の採掘応用に応用を有しているが、長壁式採掘法専用に限定されない。
【背景技術】
【0002】
これまで、鉱山で採掘した産出物のシームからの産出物の採掘を制御するための採掘方法および装置が知られている。1つの既知の長壁式採掘法では、切断の垂直壁がその切断の上壁または下壁のいずれかと交差する領域でカッターのすぐ近くの位置における新しい切断産出物表面からの赤外線(IR)放射を観察している。このような方法は垂直の切断壁と水平切断床または水平切断天井の一方との交差位置でIR温度の増加が存在するか否かに注目することによって鉱山の産出物のシームの上限または下限のいずれかを決定する。IR温度の増加はカッターが産出物のシームのすぐ上または下の天井または床の地層を切り込むときに生じる。これは地層が通常、シーム中の産出物よりも硬く、それ故層が切断プロセス期間中に産出物よりも熱くなるためである。したがって、この領域におけるIR温度の増加に注目することによって、鉱山の産出物のシームの上限および/または下限を決定することができる。シームの上限または下限を規定する信号が発生されることができることによって、カッターを上に位置するかまたは下に位置する層へ切り込ませないように採掘機械が制御されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような方法および装置は有効であるが、このような方法および装置には欠点があり、上に位置するか下に位置する地層が採掘され、時々刻々と産出物と共に切断されることが可能である。これは採掘装置に余分な負担を与え、産出物の含有量を希釈し、鉱山内の人員の安全性に影響する鉱山内の塵の増加を含めた他の産出問題を生じる。
【0004】
したがって改良された方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1特徴によれば、採掘される産出物が産出物のシームの採掘面から切出される採掘動作における水平制御方法が提供され、この方法は、
新しい切断産出物表面を露出するカッターによってシームから産出物を切出し、
カッターのすぐ近くに隣接する位置において産出物表面の新しい切断部からIR放射を視覚的に観察し、
観察の上限と観察の下限との間のIR観察から温度コントラスト領域に注目し、
少なくとも1つの温度コントラスト領域の少なくとも1つの高さの座標位置を決定し、
発生された出力信号が水平制御のための水平データとして使用されることができるように、決定された高さの座標位置の出力信号を発生するステップを含んでいる。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、採掘機械の水平制御装置と共に動作するための感知装置が提供され、
その感知装置は、採掘機械のカッターのすぐ近くに隣接する新しい切断採掘された産出物表面についての観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部と、
画像の上部と画像の下部との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目するように捕捉されたIR画像信号を処理するための信号処理コンポーネントと、
信号処理コンポーネントにより処理される注目された温度コントラスト領域を受取り、少なくとも1つの注目された温度コントラスト領域の高さ位置を計算する高さ位置コンポーネントと、
採掘機械の水平制御装置についての計算された高さ位置の出力信号を提供する信号出力コンポーネントとを具備している。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、カッターが産出物を切り出し、新しい切断産出物表面を露出する鉱山内の採掘面から採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する方法が提供され、
その方法は、カッターのすぐ近くに隣接する新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察し、
そのIR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目し、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさまたは、
2.温度しきい値を超えるコントラスト領域のいずれかによって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を決定するステップを含んでいる。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、鉱山から産出物を採掘するときに採掘される産出物の熱的に識別可能な構造を識別する装置が提供され、
その装置は鉱山からの産出物を切出す採掘機械カッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部と、
捕捉されたIR画像信号を処理し、少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目する信号処理コンポーネントと、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさに注目するかまたは、
2.温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目するかのいずれか一方によって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する画像処理コンポーネントと、
鉱山産出物中の熱的に識別可能な構造を示す出力を与えるための出力コンポーネントとを具備している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明がさらに明白に確認されることができるように、本発明の実施形態の例を長壁式採掘法に基づいて添付図面を参照して説明する。前述したように、本発明は長壁式採掘法に限定されないから、以下の説明は1例として理解されるべきである。他の採掘応用では、ここで概説されている原理は類似の方法で使用されることができる。
【0010】
以下の説明では、長壁式採掘法について説明する。前述したように本発明の概念は長壁式採掘に限定されない。本発明の概念は他の採掘応用/技術で実施されることができ、本発明は他の採掘応用/技術にも同様に拡張されることができる。
【0011】
図1は鉱山中の産出物3のシーム1を示す斜視図である。典型的に、産出物3は石炭であるが他の材料であってもよい。石炭は通常、複数の層でシーム1に埋蔵されている。シーム1は上部地層5と下部地層7により境界を定められている。石炭は石炭自体、粘土または火山灰或いは可変の厚さおよび硬さを有するその他の材料のような異なる地質的材料の層に埋蔵されている可能性がある。この層は石炭のシーム1中の薄い水平の線状の帯状体として現れる可能性がある。これらの線状の帯状体はシーム1のプロフィールに強く連結されている。これらの線状の帯状体はシームのプロフィールに強く連結されているので、これらの線状の帯状体に注目することによって、採掘機械の水平制御のためのデータを設定する手段を提供することができることが認識される。典型的に、帯状体は常に裸眼で明らかに可視であるわけではなく、幾つかの自動化されたプロセスは1以上の帯状体の検出と、採掘機械およびそれに搭載されているカッターの水平位置を制御するための採掘機械の通常の水平制御回路によって使用されることのできる出力信号の提供することが必要とされる。
【0012】
図1は部分的に採掘された鉱山を示しており、採掘機械9は回転カッタードラム11を搭載している。カッタードラム11は採掘機械9に関して上下に揺動できるアーム13上に支持されている。採掘機械9はシーム1の幅を横切って(または少なくともシーム1の目的とする採掘領域の幅を横切って)延在するレール手段15上に支持されている。採掘機械9はレール手段15に沿って移動し、アーム13は回転カッタードラム11がシーム1から産出物3を切出すために上昇または下降される。幾つかの例では、採掘機械9はその採掘機械9の他方の端部に位置される第2のアーム13とカッタードラム11を有することができる。この場合、カッタードラム11のうちの1つがシーム1から鉱山の天井17方向へ上方向へ産出物3を切断し、他のカッタードラム11は鉱山の床19方向へ下方向へ切断する。典型的に、天井17はシーム1と上部地層5との間の境界で決定される。同様に、床19はシーム1と下部地層7との間の境界で決定される。張り出した天井17は複数のチョック21により支持される。2つのチョック21しか示されていないが、実際にはレール手段15の長さに沿って相互に隣接して間隔を隔てられている多数のチョック21が存在する。チョック21はそれらの下部の足部領域でレール手段15に接続し、前進してシーム方向へレール手段15を押すように操作されることができ、採掘機械9が進路を進むことができる。チョック21はさらに全体としてそれらをレール手段15方向へ引張るように操作されることができ、シーム1の新しい切断産出物表面25の近くに上部支持アーム23を動かすことができる。採掘機械9を動かし、カッタードラム11を揺動する技術と、チョック21の動作は本質的に長壁式採掘技術で知られていると考えられるので、ここでさらに詳細には説明しない。
【0013】
図2は、上部地層5、下部地層7、採掘機械9、チョック21が除かれた図1に示されている産出物3のシーム1を示している分解斜視図である。ここで採掘機械のカッタードラム11はシーム1を横切って左右に延在する直立した壁27を有する新しい切断産出物表面25を切出していることが明白に示されている。さらにカッタードラム11の深さに等しい深さまでシームへ切り込まれた直立の端部壁29も含んでいる。図2はまた新しい切断産出物表面25に平行に延在する先に切断された産出部の面31も示している。図2はさらにシーム1を通して延在する単一の帯状体または特性33を示している。実際には、全てが相互に平行な面にほぼ延在する1以上の帯状体または特性33が存在する可能性がある。帯状体または特徴33は一般的に平坦であるが、シーム1の層の性質によって幾つかの落ち込みその他の形状が存在する。典型的に帯状体または特徴33は産出物3自体よりも硬度が大きい材料の堆積から形成されている。場合によっては、帯状体または特徴33は裸眼で可視的に弁別可能であるが、裸眼では可視ではないこともある。
【0014】
カッター11の近くの新しい切断産出物表面25から放出されるIR放射が観察されたならば、帯状体または特徴33は周囲の産出物3のレベルよりも高いIR放射レベルを示すことを発見した。これは恐らくカッター11が切断/採掘プロセス期間中に産出物3の材料よりも帯状体または特徴33の材料を加熱するためである。したがって、カッター11のすぐ近くの位置における新しい切断産出物表面25からのIR放射を観察することによって、観察の上限と観察の下限との間のIR観察からの任意の温度コントラスト領域に注意することが可能である。このようにして上限が理想的にシーム1と上部地層5および/または下部地層7との間の境界の丁度下であるならば、任意の注意されるコントラスト領域は帯状体または特徴33の存在を示す。帯状体または特徴33の位置はその後、採掘機械9の水平制御に使用されることができる。帯状体または特徴33は通常、天井17または床19に関してシーム1の上限または下限に対して平行であるので、少なくとも1つのコントラスト領域に基づくデータの提供は、採掘機械9の制御のための水平データ設定用の理想的な機構を可能にする。
【0015】
好ましい実施形態の例では、25fpsにおけるPAL長波長(8−14ミクロン)の熱IRビデオカメラが新しい切断産出物表面25のデジタルピクチャ画像を提供するために使用される。新しい切断産出物表面25を視覚的に観察するために短波長(1−3ミクロン)の熱IR放射に対して感度のあるCCDビデオカメラを使用することも可能である。画像捕捉装置は採掘される特定の産出物および採掘環境に適するように適切に選択されることができる。ビデオカメラが使用されるとき、結果的なデジタルピクチャ画像の解析は各フレームまたは選択されたフレームで、例えば25番目のフレーム毎に行われることができる。その代わりに、熱IR静止カメラが使用されてもよく、画像は採掘動作期間中にシーム1の表面を横切る採掘機械9の移動速度の結果、予め定められた時間間隔で生成されることができる。この例では、画像装置はシーム1の採掘幅を横切る方向に延在する新しい切断産出物表面25を観察するデジタル熱IRビデオカメラであり、これは例えば25番目毎にフレームを解析するのと比較して低い熱IR値までシステムの感度を増加するのでそれぞれのフレームは解析される。別の構成では、新しい切断産出物表面はカッタードラム11の切断の深さを表す直立した端部壁29であってもよい。この別の構成は本発明の技術的範囲内であると考えられる。望ましくは、カメラはカッタードラム11の直ぐ近くの新しい切断産出物表面25中の関心のある領域を観察する。このようにして、残りのIR放射はピークレベルに近いことが予想され、ここでは温度はカッタードラムの通行後の時間の経過によって放散されない。
【0016】
熱赤外線カメラの赤外線感度は特に採掘動作における標準的な可視波長カメラよりも優れた特別な利点を有する。特に、長波長の熱赤外線カメラは埃により生じる閉鎖に対して非常に感応性が低い。熱IRカメラはまた完全な暗闇で機能することができ、これはさらにこのタイプのIRカメラの実際の実行に対して適切なものにする。カメラの関心のある領域35を含む視野34は可視ドメインでは現れない可能性がある熱ドメインで現れる関心のある重要な特徴を示す傾向がある。カメラの取付けの典型的な位置は採掘機械9の本体上であり、カメラがカッタードラム11および任意の周囲のシーム1または地層5、7の関心のある領域において観察可能な特徴を有するように、および採掘のおおよその操作状況から保護されるように方向付けされる。
【0017】
図3はデジタルビデオカメラの関心のある領域35を含む視野34を示している。この場合、関心のある領域35は形状がやや台形である。これは新しい切断産出物表面25に関するカメラの傾斜角度の結果である。関心のある領域35はその関心のある領域の面積を規定するため特定の画素を選択することによってピクチャ画像34内で選択される。図3は単一の帯状体または特徴33を示しているが、他の帯状体または特徴33が存在してもよい。
【0018】
図4は、水平軸“X”上のゼロ位置からの距離“a”における観察データ37の設定を示している。データ位置37はIR放射の視野35の高さを上下する垂直軸方向“Y”に延在する。図4は“Y”(垂直)方向の高さ“b”における帯状体または特徴33との交差点を有していることを示している。したがってデータ位置37と帯状体または特徴33との交差点に関する座標を決定することによって、帯状体または特徴33の位置に注目し、採掘機械9を水平制御するために座標位置を使用することができる。
【0019】
採掘機械9がシーム1を横切って移動するとき、視野34も動き、1以上の帯状体または特徴33の位置が追跡されることを認識すべきである。したがって、シーム1が上下に動くとき、帯状体または特徴33も同時に動くことが予測され、採掘機械9の連続的な制御は帯状体または特徴33とのデータ位置37の交差位置の高さに注目することによって実現されることができる。したがって、帯状体または特徴33の高さの位置が変化するならば、採掘機械9を制御するための信号を提供するために使用されることのできる交差の座標位置において対応する変化が存在する。
【0020】
図5を参照すると、視野34中の関心のある領域35の背景に関してカメラから決定されるIR画素の強度値レベルの図が示されている。ここでの例では、データ位置37はデジタルビデオカメラから得られたデジタルピクチャ画像の特別な画素位置によって規定される。図5は観察する高さを上下する方向で延在するデータ位置9に沿った画素のグレースケール画素強度値レベルを示している。グラフは図4の高さ距離“b”における画素グレースケール強度値のピークを示している。図5では、高さ距離“b”は水平軸に沿って示されている。ここで、局所化されたピーク39が高さ“b”において画素グレースケール強度値で現されている。局所化されたピーク39の大きさは縦座標“d”により示されている。図5はまた縦座標“dmin”を有するしきい値が設定されることができることも示している。したがって局所化されたピーク39がしきい値dminを超えるならば、これは周囲の背景に関する温度コントラスト領域を表している。これはしたがって帯状体または特徴33の高さの位置を表している。典型的に、dminは石炭のような産出物3の既知の組成に対する新しい切断産出物表面25から放出されたIR放射の背景しきい値レベルを丁度超えるように設定される。dminにより表されるしきい値は、帯状体または特徴33が存在しないか、または背景から弁別されることが不十分である場合に対応するために必要である。垂直線のグレースケール画素強度データの“d”の最大値が最小の帯検出しきい値dmin以上であるならば、その最大値“d”に関連される(垂直軸に沿った)指数“b”は画像中の温度コントラスト領域(および帯状体または特徴)の有効位置であると考えられる。値“d”がしきい値dminよりも小さいならば、高さの決定は計算されない。
【0021】
帯状体または特徴33の任意の追跡は検出および/または局所化プロセスに関連される誤差および観察雑音を考慮する必要がある。これは特に帯状体または特徴33がIR画像中で比較的微かしか現れない場合に重要である。場合によっては、強度値は背景に関して高いので、特別な処理が必要とされないこともある。比較的微かなIR局所化されたピーク39が存在する場合には、頑強なフィルタ追跡特徴が構成されてもよい。「カルマン」フィルタは特に有用な頑強なフィルタを表し、信号処理のためのよく知られたフィルタである。
【0022】
カルマンフィルタは状態ベクトル、システムモデル、観察モデルを使用して回帰的にパラメータ評価を行う。この1次元の位置−速度追跡シナリオでは、状態ベクトルは(2×1)ベクトルにより与えられ、
x(t)=[h(t)]
[v(t)]
これは瞬間tにおける帯状体または特徴33の真の高さh(t)および速度v(t)を含んでいる。システムモデルは式x(t+1)=Fx(t)+w(t)により与えられ、ここで、
F=[1ΔT]
[0 T]
の式はシステムの進化を説明する(2×2)モデル行列であり、ΔTは隣接する画像フレーム間の時間を表し、w(t)はマーカーの帯状体の特徴の追跡を可能にするためのシステム摂動を表す(2×1)行列である。行列w(t)は(2×2)分散行列Qにより、ゼロ平均ガウス雑音プロセスとして分布されると仮定する。観察式はb(t)=Hx(t)+u(t)により与えられ、ここでb(t)は瞬間tにおける帯状体または特徴33検出器と位置プロセスにより発生される高さの評価であり、H=[1 0]は(1×2)ベクトルであり、x(t)は前述したように状態ベクトルであり、u(t)はマーカー帯状体位置アルゴリズムに関連される不確定性を表している。値u(t)はバリアンスRにより、ゼロ平均ガウス雑音プロセスとして分布されると仮定される。
【0023】
追跡プロセスの初期化中、状態ベクトルのそれぞれの要素には現在の帯状体または特徴33の高さとゼロ速度が割当てられ、システムモデルの分散行列Qの対角線要素は、帯状体または特徴33の典型的に低速度の進化力学の良好なモデルを表す0.01に割当てられ、観察式Rに関連されるバリアンスはコンバージェンスを確認するために現在の実際のものにしたがって比較的大きい値10.0に設定される。カルマンフィルタは標準的な予測および更新ステップを使用して構成され、その詳細は公開された文献で広く入手可能である。
【0024】
カルマンのフィルタから得られる評価は観察された帯状体または特徴33力学に対する優れた表示を与え、濾波されていない評価に対する高い雑音排除性を示す。カルマンフィルタ処理ステップは必須ではないが、雑音および測定の不確定性に対処するための頑強で決定的な方法を表すので、帯状体または特徴33の強度が比較的微かである(即ち低いSNR)場合に特に有用であることが証明されている。
【0025】
データに沿って多くのグレースケール画素強度レベルピークが存在する可能性があることを認識すべきであり、各ピークは異なる帯状体または特徴33を表している。さらに、これらのピークは異なるピーク画素強度値を有することができる。これらがしきい値を超過するか否かを決定するためにこれらは全て処理され、さらにこれらの全てまたはこれらのうちの選択されたものが水平制御のために使用される。
【0026】
図6は帯状体または特徴33と採掘機械9の位置のグラフを示している。帯状体または特徴33の高さ座標で実際に注意することは本質的に空間量である。採掘機械動作では、時間の代わりに位置に関する帯状体または特徴33の高さ座標を参照することが便利である。これは帯状体または特徴33の高さ値を採掘機械の位置に対して注目することにより容易に行われる。図6はシーム1の幅を横切る採掘機械の水平面位置の関数として帯状体または特徴33の高さを示している追跡アルゴリズムからの典型的な出力(後に参照する)を示している。
【0027】
図7は、採掘機械の水平制御のための信号出力を与えるために使用される装置のコンポーネントを示しているブロック概略図である。ここで装置は前述した概念を使用する。熱IRデジタルビデオカメラ41は新しい切断産出物表面25を観察し、関心のある領域35を含む視野34を有する。デジタル出力信号43は、採掘機械のカッタードラム11のすぐ近くの新しい切断産出物表面25のIR画像信号を受信するための画像捕捉コンポーネント45に供給される。信号47は画像捕捉コンポーネント45から出力され、信号処理コンポーネント49に供給され、ここで関心のある領域35のIR画像信号は画像の上部と画像の下部との間およびシームの上限とシームの下限との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に対して注目される。少なくとも1つの温度コントラスト領域が決定されるならば、信号51は高さ位置コンポーネント53に与えられ、ここで高さ位置の座標が少なくとも1つの注目される温度コントラスト領域について計算される。高さ位置座標信号55はその後、少なくとも1つの温度コントラスト領域の計算された高さ位置の出力信号59を与えるために信号出力コンポーネント57に与えられ、したがってその出力信号59は採掘機械の水平制御回路61で使用されることができる。図7で参照されている種々のコンポーネントはディスクリートなコンポーネントであってもよく、またはコンピュータ装置内のコンポーネントであってもよい。典型的に、コンポーネントは要求される機能を行うためにコンピュータを構成する目的に専用のソフトウェアを使用してコンピュータ装置内で構成される。高さ位置座標を1次元のものとして説明したが、この座標は鉱山内の採掘機械9の絶対位置のデータ信号を適切に入力することによって2次元または3次元のものであってもよい。このような信号は採掘機械9に関連される慣性ナビゲーションコンポーネントから得られることができる。
【0028】
図8は関係されるプロセスのアルゴリズムを示している。ここでステップ1は採掘機械の位置を決定する。適切な位置測定装置は長壁式剪断器または連続的な採掘装置のような最も大きな採炭装置で通常設けられている。したがって信号は採掘機械9の位置を表すステップ1で得られることができる。独立した既知の採掘機械位置決め手段は必要ならば採掘機械位置信号を提供するために使用されることができる。ステップ2で、熱赤外線画像は直接デジタルインターフェースを使用して、または画像がアナログ画像である場合には標準的なアナログデジタル変換技術を使用することによって受信される。典型的な熱画像はここでは図4により示されている画像である。データ捕捉点から、熱IRビデオカメラからの出力は標準的な静止画像カメラに類似しており、即ちデジタルまたはアナログ形態の静止画像のシーケンスであることに注意すべきである。図8に示されているアルゴリズムは公称上捕捉速度にかかわりなく、各画像フレームを逐次的に処理する。このフレーム選択は随意選択的な選択であり、発明を限定するものではない。
【0029】
ステップ3で、機械の位置変更の感知が決定される。これは採掘機械9がシーム3の面を横切って前進しないならば、カメラ41により捕捉される既存の画像を再処理する必要はないためである。したがって、機械の位置決め装置からの信号は機械9が移動し、それによって画像信号がステップ4で処理されることができる場合に注目するために比較される。ステップ4で、帯状体または特徴33が存在するならば、局部的背景に関する局所的な特徴を示す。したがってデータセットはデータ位置37における画像の画素値を追跡することにより形成される。これによって図5に示されているのと類似のデータセットが発生される。ステップ5で、局所化されたピーク39がデータ位置37の視野34の観察の高さを上下する垂直データ線に沿ったグレースケール画素値の強度レベルにより決定される。画素強度値の最も明るい点は局所化されたピーク39を表す。ステップ6はピーク39がdmin(図5)により表される設定しきい値を超えるか否かを決定する。ステップ7で前述のカルマンフィルタのような頑強な追跡フィルタが適用される。ステップ8で局所化されたピーク39の高さ(図4の高さ“b”)が決定される。この高さ値を採掘機械座標位置のような他の座標システムで表すことが望ましいこともある。これは採掘機械9上のカメラの位置を知るカメラ較正技術を直接適用することにより実現されることができる。
【0030】
ここまでの説明は関心のある領域35の視野34中の単一の帯状体または特徴33を検出することに関するものであることをここで注意すべきである。多数の帯状体または特徴33が検出されることができ、2以上の注目される帯状体または特徴33の相対的な追跡を可能にするためにアルゴリズムは適切に処理されることができる。したがって1以上の注目される帯状体または特徴33は採掘機械の水平制御のための制御に使用されることができる。これは帯状体または特徴33が関心のある領域35で消滅するが、他の帯状体または特徴は残留している場合に特に有用である。
【0031】
ステップ9で、ステップ8で決定された高さ座標はここで図6により表されているように機械の位置の関数として変換される。したがって出力信号63は水平制御のために採掘機械9に与えられることができる。図9を参照すると、図3に類似の図が示されているが、さらにIR画像の関心のある第2の領域67を示している。ここで、関心のある第2の領域67は天井17または床19と垂直の新しい切断面25の交差を囲むように構成されている。関心のある第2の領域67の面積および位置は視野34の画像中の画素位置により規定される。したがって、関心のある第2の領域67は垂直の切断面25(図2)と、天井17または床19の一方または両者の水平切断面との交差における任意の温度コントラスト領域に注目するためにさらにIR画像信号を供給する。ここで任意の注目されるIR温度コントラスト領域はシーム1と上部地層5および/または下部地層との交差を規定する。したがって水平制御について前述した帯状体または特徴33の信号と共に使用するための新しい切断産出物表面からの更に別のIR画像信号について高さ位置信号が発生されることができる。したがってこの場合、更に別のIR画像信号がアーム13の上方および/または下方の移動範囲を限定するように天井17または床19との垂直切断面25の交差の高さ位置を提供するように処理され、それによりシーム採掘の上限とシーム採掘の下限を制御することができる。この場合、交差における温度コントラスト領域についての決定された高さ座標位置を示す第2の出力信号が与えられる。
【0032】
図10は、前述の帯状体または特徴33を有する構成と、天井17または床19との垂直切断面の交差に注目するための装置のブロック図を示している。この例では、1つのIRビデオカメラ41が関心のある領域35で使用され、さらに別のIRビデオカメラ69が関心のある第2の領域67に対して使用される。前述の説明では、単一のIRカメラ41は関心のある両領域35、67を含むために使用された。この例では、第2のIRビデオカメラ69はその概念が単一のIRカメラ構成に限定される必要がないことを示すために使用されている。図10の左側のコンポーネントはここで図7に示されているコンポーネントを反復しているので、さらに説明はしない。図10の右側には、視野67を有する第2の熱IRビデオカメラ69が示されている。デジタル出力信号71は画像捕捉コンポーネント73に与えられる。信号75は画像捕捉コンポーネント73から出力され、信号処理コンポーネント49へ供給される。ここで信号は高さ位置コンポーネント53に与えられ、このコンポーネントでは天井17および/または床19とシームの垂直切断面25との交差を規定する温度コントラスト領域の高さ座標位置が計算される。ここでその信号は信号出力コンポーネントへ出力され、それは採掘機械を制御するための採掘機械制御回路61に与えられる座標位置信号を規定する。
【0033】
図11は天井17または床19との新しい切断産出物表面25の交差を検出するための処理アルゴリズムを示している。このアルゴリズムは2つのパラメータが初期較正期間中に設定されることを必要とする。第1のパラメータは、天井17または床19との石炭シームの交差がそれを超えて到達されると予想されるしきい値に対応する。検出しきい値は最大強度値の70%に設定され、適切な初期選択を表している。第2のパラメータは既知のプロセスを使用して採掘機械9自体から容易に決定されることのできるシーム抽出の高さである。
【0034】
ステップ1で、機械の位置は図8のステップ1に関連して説明したのと同じプロセスにしたがって確かめられる。ステップ2で、画像捕捉が行われ、これも図8に示されているステップ2と同じであるが、異なるカメラまたは単一のカメラからの画像内の関心のある領域からのものである。ステップ3で、視野の画像中の全ての画素の平均強度値が決定される。第2のカメラ69からの画像中の画素の全ての強度値レベルの平均化プロセスによって注目されるように、平均強度値が変更するならば、天井17または床19とのカッタードラム11の交差が存在することが決定されることができる。ステップ4で、最大平均画素強度値が記憶される。このような値は切断ドラム11がより硬い材料(例えば岩)のセグメントを通って移動し、任意の熱強度値の頑強な測定を行うときに非常に変化する可能性がある。最大平均値は現在の機械9の位置について記憶される。
【0035】
ステップ5で、機械の水平位置が変更されるか否かを決定するためのプロセスが呼出される。これは図8のステップ4と同じである。ステップ6で、ステップ6で計算された平均強度値の大きさが予め決定されたインターフェース検出しきい値に対して比較される。平均値が石炭のインターフェース検出しきい値を超えるならば、石炭のシームインターフェースは中断されていると考えられる。反対に、平均値が石炭のインターフェースよりも下であるならば、採掘機械はシーム1内で切断していると想定される。ステップ8で、天井17または床19とのインターフェースのシームインターフェース位置の出力が与えられる。これは機械の採掘の最大の高さ、またはシームの採掘のより低い高さを提供する。ステップ9で、石炭インターフェースの交差がないことが決定されないならば、中間点の出力信号が与えられる。これは水平制御システムで使用するのに適した出力を与えるように適切なセンチネル信号(例えば抽出されたシームの高さの半分)を与える。その代わりに、適切なセンチネル信号は開ループモードで採掘機械制御システムを動作させるために設定されることができる。
【0036】
ここで説明された帯状体または特徴33の追跡システムと、天井17または床19との垂直の新しい切断産出物表面25との交差を検出するための石炭インターフェース検出器は、シーム1の性質の2つの補足的な原位置の測定を行う。システムの出力は独立して与えられることができるが、それらは採掘機械9の実時間水平制御で使用するための頑強な予測的で反応的な感知能力を提供するために組み合わせられると有効である。
【0037】
図12は、帯状体または特徴33の追跡およびインターフェース検出システムの出力がどのように水平制御のための頑強なデータを提供するために組合わせられることができるかを示している。すなわち帯状体または特徴33を使用する主要な、および好ましい動作モードが利用可能ではないことが生じたならば、出力セレクタは水平制御のための反応的(およびより粗い)石炭シーム境界インターフェース信号を使用するように動作されることができる。帯状体または特徴33追跡信号が与えられ、インターフェース交差信号が与えられないならば、システムは採掘場所の特定の水平制御ポリシーにしたがって、最後の帯状体または特徴33の出力信号、半分シームの抽出高さ信号またはゼロ信号を出力することができる。ここでステップ1において、帯状体または特徴33が存在するか否かを決定するためにマーカー帯評価が行われる。存在するならば、出力高さ信号がステップ2で与えられる。帯状体または特徴33が決定されないならば、ステップ3で床の石炭インターフェースが検出されたか否かの評価が行われる。検出されたならば、出力信号は床の高さを示すために決定される。床インターフェースが検出されないならば、ステップ5で天井の交差が検出されるかについての評価が行われる。これが検出されたならば、天井17の高さを示すための出力信号が与えられる。インターフェースが検出されないならば、ステップ7は最後に知られた帯の高さ出力信号を提供する。
【0038】
長壁式採掘剪断器のような採掘機械の水平制御を行うため、帯状体または特徴33の追跡システムの出力は既存の採掘機械剪断器アーム13の制御システムに与えられる。アーム13は石炭のような産出物3を抽出するとき長壁剪断機械9の水平位置を調節するための主要な手段である。水平の採掘に対する補正は、通常はレール手段15に沿った採掘機械9の前後方向の横断サイクルに対して行われる。帯状体または特徴33の高さ信号は観察された高さを使用して、瞬間的な方法で制御システムにより作用されることができる。これは高さの任意の変化がかなり小さいと予測されるためである。必要ならば、鉱山の面に沿った種々の位置における高さ位置はメモリ中に記憶され、その後、レール手段15に沿った採掘機械9の次の前後方向の横断サイクルで検索され、それにおいてこれらは検索され、帯状体または特徴33の任意の新たに測定された高さ位置と比較されることができる。
【0039】
安全で実用的な制御を行うために、カッタードラム11の特別な機械的限定と、変化の任意の所望の水平プロフィールレートに注目して、採掘機械9の制御システムの力学を考慮することができる。
【0040】
図13は採掘機械9の水平制御の自動化のための一般的な構成を示す概略ブロック図である。シーム1内の所望の垂直位置は典型的に帯状体または特徴33の高さ位置からの固定されたオフセットを有している。ここでステップ1において、所望の水平設定点が設定される。ステップ2におけるコマンド(位置誤差)信号がステップ3のアーム位置制御システムに与えられる。ステップ4で、採掘機械9の実際の垂直位置がシーム内で決定される。ステップ5で、組合わせられた帯状体または特徴33のシステムとインターフェース検出システムとは制御ループを与えるための垂直位置感知能力を提供する。
【0041】
前述のタイプのシステムは長壁式採掘で石炭を採掘するための自動化された制御システムにおいて有用であり、生産性を増加して人員の安全性を改良しながら装置の損傷を最小にする。ここに示された方法を使用すると、ビーコン、マーカー、ストライプのような外部参照インフラストラクチャは動作に必要とされない。したがって、ここに示された概念を使用して採掘機械の実用性と頑強さが増加される。ここで示された原理は実時間またはオフラインのいずれでも動作することできる。ここで説明された技術は水平制御のための天井または床検出および帯状体または特徴33の検出用の自動的でオンラインで自己調整する方法を表している。さらに帯状体または特徴33の位置、或いは天井17または床19のインターフェース位置の座標位置出力信号は、採掘動作を非常に強化するために採掘調査プロセスで使用されることができる。
【0042】
ここで説明された帯状体または特徴33システムは鉱山からその産出物を採掘するときに、採掘される産出物中の熱的に識別可能な構造を識別するために使用されることができることもまた認識されるべきである。したがって、採掘機械のカッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察される位置のIR画像信号に注目することによって、採掘される産出物中の熱的に識別可能な構造を識別するために使用可能である信号を得ることができる。熱的に識別可能な構造は少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさ(即ち高強度画素の数)に注目するか、温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目することによって識別されることができる。出力信号は採掘された産出物中の熱的に識別可能な構造を示すため出力コンポーネントから与えられることができる。この例では、図7は出力信号59が熱的に識別可能な産出物の指示を与える場合の必要な信号処理コンポーネントを示している。特定の回路図が図14に示されている。この回路図でデジタルビデオカメラ41は出力信号43を画像捕捉コンポーネント45に供給する。画像捕捉コンポーネント45は図7に関して説明したような方法で信号43を処理する。出力信号47は信号処理コンポーネント49に与えられ、このコンポーネント49はIR温度画素強度値が特定のしきい値を超えるか否かを感知し、出力信号51を信号出力コンポーネント57に提供し、このコンポーネント57は次に採掘される産出物中に熱的に識別可能な構造が存在するか存在しないかを示す出力信号59を提供する。したがってこの実施形態では、信号処理コンポーネント49は少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさ、または温度コントラスト領域が温度しきい値を超える大きさを有するか否かに注目できる。
【0043】
採掘機械制御技術における当業者に明白であるように、本発明に変形が行われることができる。これらおよびその他の変形は、本発明の技術的範囲から逸脱せずに行われることができ、その特性は前述の説明から決定される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】地中内の深くを採掘する長壁式採掘プロセスの斜視図。
【図2】新しい切断産出物表面において帯状形態のIRコントラスト領域を示す採掘された産出物のシームを示している図1に類似した概略図。
【図3】カッター領域の位置およびシームの下限とシームの上限との間の新しい切断産出物表面を観察するIRカメラの視野を示す図。
【図4】図3に示されているが、温度コントラスト領域に注目するためのデータ位置を示しているIRカメラの視野を示す図。
【図5】図4に示されているデータに沿って測定された画像画素のグレースケール強度レベルを示すグラフ。
【図6】熱コントラスト領域の高さと採掘機械位置を示すグラフ。
【図7】新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察するIRカメラから得られるIRコントラスト領域のピクチャ画像信号を処理するための装置を示す機能ブロック回路の概略図。
【図8】図7に概略的に示されている装置と共に使用される処理アルゴリズム。
【図9】図3に類似しているが、シームの上限または下限を決定するために新しい切断産出物表面の第2のIR観察を示す図。
【図10】図7に類似しているが、産出物のシームの上限および/または下限を処理するためのコンポーネントの付加を示しているブロック概略図。
【図11】シームの上限または下限の決定において図10に示されている装置と共に使用するアルゴリズムの図。
【図12】採掘機械の水平制御で使用するための出力を示しているアルゴリズムの図。
【図13】採掘機械における自動化された水平制御を示す機能図。
【図14】特定の回路図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
採掘される産出物が産出物のシームの採掘表面から切出される採掘動作における水平制御方法において、
新しい切断産出物面を露出するカッターによってシームから産出物を切出し、
カッターのすぐ近くの位置において産出物表面の新しい切断表面からのIR(赤外線)放射を観察し、
観察の上限と観察の下限との間のIR観察から温度コントラスト領域に注目し、
少なくとも1つの温度コントラスト領域の少なくとも1つの高さの座標位置を決定し、決定された高さの座標位置の出力信号を発生させて発生された出力信号が水平制御のための水平データとして使用されることができるようにするステップを含んでいる制御方法。
【請求項2】
しきい値フィルタを注目された温度コントラスト領域へ適用し、温度コントラスト領域の温度がしきい値を超えた場合のみ決定された高さ座標位置の出力信号を発生するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
IR放射を観察する視野はIR放射に対して関心のある領域の高さを上下させる水平軸方向で延在する水平軸方向でデータ位置を与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定される請求項1記載の方法。
【請求項4】
観察はデジタルカメラにより行われ、データ位置は前記デジタルカメラから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定される請求項3記載の方法。
【請求項5】
温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下の方向で延在するデジタル画像のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することによって決定される請求項4記載の方法。
【請求項6】
高さの座標位置の出力信号は2次元座標で少なくとも1つの温度コントラストの位置を規定する座標コンポーネントを含む信号である請求項1記載の方法。
【請求項7】
高さの座標位置の出力信号を、採掘機械により使用される採掘機械のカッター位置の制御回路へ供給し、前記位置出力信号により採掘機械のカッター位置を水平制御するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
IR放射において関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
デジタルピクチャ画像とデータ位置の観察結果はデジタルピクチャ画像の特定の画素位置とにより規定され、
少なくとも1つの温度コントラスト領域はデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項7記載の方法。
【請求項9】
新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察し、通常、産出物のシームの壁の垂直の切断部と産出物のシームの天井および/または床の水平の切断面との交差点における第2の温度コントラスト領域に注目し、
産出物のシームの天井および/または床の座標を規定するため第2の温度領域の高さ座標位置を決定し、
第2の温度のコントラスト領域についての決定された高さ座標の位置の第2の出力信号を発生するステップも含んでおり、それによって第2の出力信号は水平制御のために前記出力信号と共に使用されることが可能にされている請求項1記載の方法。
【請求項10】
第2の温度コントラスト領域の観察は関心のある第2の領域のデジタルピクチャ画像を生成し、関心のある第2の領域のデジタル画像の全ての画素のグレースケールの画素強度値は平均され、平均画素強度値がシームからの産出物のみを切断するときよりも高い平均画素強度値に変化するならば、産出物のシームを採掘するため下限および/または上限が注目される請求項9記載の方法。
【請求項11】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置において決定され、
熱赤外線カメラにより行われる観察とデータ位置はそこから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定され、少なくとも1つの温度コントラスト領域は、観察の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項10記載の方法。
【請求項12】
IR放射の位置の観察は、カッターが鉱山の表面を横切って動くとき、新しい切断産出物表面における多数の間隔を隔てられた位置で行われ、多数の温度コントラスト領域はこれらの多数の位置から決定され、頑強な追跡のフィルタが、温度のコントラストの低レベルにより生じ得る誤差を最小にするために多数の温度コントラスト領域に与えられる請求項6記載の方法。
【請求項13】
採掘機械の水平制御装置と共に動作する感知装置において、
前記感知装置は採掘機械のカッターのすぐ近くの新しい切断採掘された産出物表面についての観察された位置のIR(赤外線)画像信号を受信するための画像捕捉部を有しており、
画像の上部と画像の下部との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目するように捕捉されたIR画像信号を処理するための信号処理コンポーネントと、
信号処理コンポーネントにより処理される任意の注目された温度コントラスト領域を受取り、少なくとも1つの注目された温度コントラスト領域の高さ位置を計算する高さ位置コンポーネントと、
前記採掘機械の水平制御装置についての計算された高さ位置の出力信号を提供するための信号出力コンポーネントとを具備している感知装置。
【請求項14】
信号処理コンポーネントは注目される温度コントラスト領域のしきい値フィルタを含んでおり、信号出力コンポーネントは温度コントラスト領域の温度がしきい値を超える場合のみ決定された高さ座標位置の出力信号を発生する請求項13記載の感知装置。
【請求項15】
前記信号処理コンポーネントはその関心のある領域の高さを上下に垂直軸方向で延在する水平軸方向のデータ位置を有するIR放射のための関心のある領域を与えられ、高さ位置コンポーネントにより処理される少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定されることが可能である請求項13記載の感知装置。
【請求項16】
観察によりデジタルピクチャ画像を生成し、データ位置はデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により前記信号処理コンポーネント中で規定される請求項15記載の感知装置。
【請求項17】
前記信号処理コンポーネントは、関心のある領域の高さを上下の方向で延在するデジタルピクチャ画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することによって温度コントラスト領域を決定するように構成可能である請求項16記載の感知装置。
【請求項18】
前記出力信号コンポーネントからの高さの座標位置の出力信号は2次元の座標で温度コントラスト領域の位置を規定する信号である請求項13記載の感知装置。
【請求項19】
高さ座標位置出力信号は採掘機械によって使用される採掘機械カッター位置制御装置に供給可能であり、それによって採掘機械カッターの位置の水平制御は前記位置出力信号により行われることが可能である請求項13記載の感知装置。
【請求項20】
前記信号処理コンポーネントは、IR放射の観察視野の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置を有するIR放射の観察に対して関心のある領域を提供するように構成可能であり、少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
熱赤外線カメラとデータ位置による観察はそこから得られるデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、
温度コントラスト領域は関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項19記載の感知装置。
【請求項21】
前記感知装置の画像捕捉部はまたシームの壁の垂直の切断面と、シームの天井および/または床の水平切断面との交差点における新しい切断産出物表面のIR画像信号を受信し、
ここで、前記信号処理コンポーネントはさらに、垂直切断面と、天井または床の水平切断面の一方または両者との交差点における任意の温度コントラスト領域に対して注目するためさらにIR画像信号を処理することができ、高さ決定コンポーネントは産出物のシームの天井および/または床の座標を規定するために温度コントラスト領域の高さ座標位置を決定でき、信号出力コンポーネントは交差点の温度コントラスト領域についての決定された高さ座標位置を示す第2の出力信号を生成可能であり、それによって第2の出力信号は水平制御のため前記出力信号と共に使用されることができる請求項13記載の感知装置。
【請求項22】
第2の温度コントラスト領域の観察は熱赤外線カメラにより行われ、高さ位置コンポーネントはそのデジタル画像の全ての画素のグレースケールの画素強度値を平均することができ、平均画素強度値がシームからの産出物のみを切断するときよりも高い平均画素強度値に変化するならば、産出物のシームを採掘するための下限および/または上限に注目する請求項21記載の感知装置。
【請求項23】
前記信号処理コンポーネントは、IR放射の関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向で延在する垂直軸方向のデータ位置を提供し、温度コントラスト領域はそのデータ位置における前記信号処理コンポーネントによって決定され、
前記データ位置は熱赤外線カメラから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定可能であり、
前記少なくとも1つの温度コントラスト領域は関心のある領域の高さを上下する方向で延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定可能である請求項22記載の感知装置。
【請求項24】
IR放射の位置の観察は、カッターが鉱山の表面を横切って動くとき、新しい切断産出物表面における多数の位置で行われ、多数の温度コントラスト領域はこれらの多数の位置から決定され、前記信号処理コンポーネントは温度コンラストの低いレベルにより生じ得る誤差を最小にするために頑強な追跡のフィルタを多数の温度コントラスト領域へ適用する請求項18記載の感知装置。
【請求項25】
採掘機械の水平制御装置と相互接続されている請求項13記載の装置。
【請求項26】
カッターが産出物に切り込まれ、新しい切断産出物表面を露出する鉱山の採掘表面から採掘された産出物中の熱的に識別可能な構造を識別する方法において、
前記方法は、カッターのすぐ近くの新しい切断産出物表面からのIR放射を観察し、
IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目し、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさまたは、
2.温度しきい値を超えるコントラスト領域の温度のいずれかによって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を決定するステップを含んでいる方法。
【請求項27】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、温度コントラスト領域のサイズの大きさはそのデータ位置で決定される請求項26記載の方法。
【請求項28】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
観察は熱赤外線カメラデータによって行われ、データ位置は関心のある領域のデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、少なくとも1つの温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える強度値の画素グレースケールピークに注目することにより決定される請求項26記載の方法。
【請求項29】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域がそのデータ位置で決定され、
観察は熱赤外線カメラデータによって行われ、データ位置はそこから得られるデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、
少なくとも1つの温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像のデータ位置で多くの画素を超える強度値の画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項26記載の方法。
【請求項30】
鉱山から産出物を採掘するときに採掘される産出物の熱的に識別可能な構造を識別する装置において、
前記装置は鉱山からの産出物を切出す採掘機械カッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部を有し、
捕捉されたIR画像信号を処理し、少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目する信号処理コンポーネントと、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさに注目するかまたは、
2.温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目するかのいずれか一方によって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する画像処理コンポーネントと、
鉱山産出物中の熱的に識別可能な構造を示す出力を与える出力コンポーネントとを具備している装置。
【請求項1】
採掘される産出物が産出物のシームの採掘表面から切出される採掘動作における水平制御方法において、
新しい切断産出物面を露出するカッターによってシームから産出物を切出し、
カッターのすぐ近くの位置において産出物表面の新しい切断表面からのIR(赤外線)放射を観察し、
観察の上限と観察の下限との間のIR観察から温度コントラスト領域に注目し、
少なくとも1つの温度コントラスト領域の少なくとも1つの高さの座標位置を決定し、決定された高さの座標位置の出力信号を発生させて発生された出力信号が水平制御のための水平データとして使用されることができるようにするステップを含んでいる制御方法。
【請求項2】
しきい値フィルタを注目された温度コントラスト領域へ適用し、温度コントラスト領域の温度がしきい値を超えた場合のみ決定された高さ座標位置の出力信号を発生するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
IR放射を観察する視野はIR放射に対して関心のある領域の高さを上下させる水平軸方向で延在する水平軸方向でデータ位置を与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定される請求項1記載の方法。
【請求項4】
観察はデジタルカメラにより行われ、データ位置は前記デジタルカメラから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定される請求項3記載の方法。
【請求項5】
温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下の方向で延在するデジタル画像のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することによって決定される請求項4記載の方法。
【請求項6】
高さの座標位置の出力信号は2次元座標で少なくとも1つの温度コントラストの位置を規定する座標コンポーネントを含む信号である請求項1記載の方法。
【請求項7】
高さの座標位置の出力信号を、採掘機械により使用される採掘機械のカッター位置の制御回路へ供給し、前記位置出力信号により採掘機械のカッター位置を水平制御するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
IR放射において関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
デジタルピクチャ画像とデータ位置の観察結果はデジタルピクチャ画像の特定の画素位置とにより規定され、
少なくとも1つの温度コントラスト領域はデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項7記載の方法。
【請求項9】
新しい切断産出物表面からのIR放射を視覚的に観察し、通常、産出物のシームの壁の垂直の切断部と産出物のシームの天井および/または床の水平の切断面との交差点における第2の温度コントラスト領域に注目し、
産出物のシームの天井および/または床の座標を規定するため第2の温度領域の高さ座標位置を決定し、
第2の温度のコントラスト領域についての決定された高さ座標の位置の第2の出力信号を発生するステップも含んでおり、それによって第2の出力信号は水平制御のために前記出力信号と共に使用されることが可能にされている請求項1記載の方法。
【請求項10】
第2の温度コントラスト領域の観察は関心のある第2の領域のデジタルピクチャ画像を生成し、関心のある第2の領域のデジタル画像の全ての画素のグレースケールの画素強度値は平均され、平均画素強度値がシームからの産出物のみを切断するときよりも高い平均画素強度値に変化するならば、産出物のシームを採掘するため下限および/または上限が注目される請求項9記載の方法。
【請求項11】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置において決定され、
熱赤外線カメラにより行われる観察とデータ位置はそこから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定され、少なくとも1つの温度コントラスト領域は、観察の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項10記載の方法。
【請求項12】
IR放射の位置の観察は、カッターが鉱山の表面を横切って動くとき、新しい切断産出物表面における多数の間隔を隔てられた位置で行われ、多数の温度コントラスト領域はこれらの多数の位置から決定され、頑強な追跡のフィルタが、温度のコントラストの低レベルにより生じ得る誤差を最小にするために多数の温度コントラスト領域に与えられる請求項6記載の方法。
【請求項13】
採掘機械の水平制御装置と共に動作する感知装置において、
前記感知装置は採掘機械のカッターのすぐ近くの新しい切断採掘された産出物表面についての観察された位置のIR(赤外線)画像信号を受信するための画像捕捉部を有しており、
画像の上部と画像の下部との間の少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目するように捕捉されたIR画像信号を処理するための信号処理コンポーネントと、
信号処理コンポーネントにより処理される任意の注目された温度コントラスト領域を受取り、少なくとも1つの注目された温度コントラスト領域の高さ位置を計算する高さ位置コンポーネントと、
前記採掘機械の水平制御装置についての計算された高さ位置の出力信号を提供するための信号出力コンポーネントとを具備している感知装置。
【請求項14】
信号処理コンポーネントは注目される温度コントラスト領域のしきい値フィルタを含んでおり、信号出力コンポーネントは温度コントラスト領域の温度がしきい値を超える場合のみ決定された高さ座標位置の出力信号を発生する請求項13記載の感知装置。
【請求項15】
前記信号処理コンポーネントはその関心のある領域の高さを上下に垂直軸方向で延在する水平軸方向のデータ位置を有するIR放射のための関心のある領域を与えられ、高さ位置コンポーネントにより処理される少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定されることが可能である請求項13記載の感知装置。
【請求項16】
観察によりデジタルピクチャ画像を生成し、データ位置はデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により前記信号処理コンポーネント中で規定される請求項15記載の感知装置。
【請求項17】
前記信号処理コンポーネントは、関心のある領域の高さを上下の方向で延在するデジタルピクチャ画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することによって温度コントラスト領域を決定するように構成可能である請求項16記載の感知装置。
【請求項18】
前記出力信号コンポーネントからの高さの座標位置の出力信号は2次元の座標で温度コントラスト領域の位置を規定する信号である請求項13記載の感知装置。
【請求項19】
高さ座標位置出力信号は採掘機械によって使用される採掘機械カッター位置制御装置に供給可能であり、それによって採掘機械カッターの位置の水平制御は前記位置出力信号により行われることが可能である請求項13記載の感知装置。
【請求項20】
前記信号処理コンポーネントは、IR放射の観察視野の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置を有するIR放射の観察に対して関心のある領域を提供するように構成可能であり、少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
熱赤外線カメラとデータ位置による観察はそこから得られるデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、
温度コントラスト領域は関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項19記載の感知装置。
【請求項21】
前記感知装置の画像捕捉部はまたシームの壁の垂直の切断面と、シームの天井および/または床の水平切断面との交差点における新しい切断産出物表面のIR画像信号を受信し、
ここで、前記信号処理コンポーネントはさらに、垂直切断面と、天井または床の水平切断面の一方または両者との交差点における任意の温度コントラスト領域に対して注目するためさらにIR画像信号を処理することができ、高さ決定コンポーネントは産出物のシームの天井および/または床の座標を規定するために温度コントラスト領域の高さ座標位置を決定でき、信号出力コンポーネントは交差点の温度コントラスト領域についての決定された高さ座標位置を示す第2の出力信号を生成可能であり、それによって第2の出力信号は水平制御のため前記出力信号と共に使用されることができる請求項13記載の感知装置。
【請求項22】
第2の温度コントラスト領域の観察は熱赤外線カメラにより行われ、高さ位置コンポーネントはそのデジタル画像の全ての画素のグレースケールの画素強度値を平均することができ、平均画素強度値がシームからの産出物のみを切断するときよりも高い平均画素強度値に変化するならば、産出物のシームを採掘するための下限および/または上限に注目する請求項21記載の感知装置。
【請求項23】
前記信号処理コンポーネントは、IR放射の関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向で延在する垂直軸方向のデータ位置を提供し、温度コントラスト領域はそのデータ位置における前記信号処理コンポーネントによって決定され、
前記データ位置は熱赤外線カメラから得られるデジタルピクチャ画像中の特定の画素位置により規定可能であり、
前記少なくとも1つの温度コントラスト領域は関心のある領域の高さを上下する方向で延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定可能である請求項22記載の感知装置。
【請求項24】
IR放射の位置の観察は、カッターが鉱山の表面を横切って動くとき、新しい切断産出物表面における多数の位置で行われ、多数の温度コントラスト領域はこれらの多数の位置から決定され、前記信号処理コンポーネントは温度コンラストの低いレベルにより生じ得る誤差を最小にするために頑強な追跡のフィルタを多数の温度コントラスト領域へ適用する請求項18記載の感知装置。
【請求項25】
採掘機械の水平制御装置と相互接続されている請求項13記載の装置。
【請求項26】
カッターが産出物に切り込まれ、新しい切断産出物表面を露出する鉱山の採掘表面から採掘された産出物中の熱的に識別可能な構造を識別する方法において、
前記方法は、カッターのすぐ近くの新しい切断産出物表面からのIR放射を観察し、
IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目し、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさまたは、
2.温度しきい値を超えるコントラスト領域の温度のいずれかによって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を決定するステップを含んでいる方法。
【請求項27】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、温度コントラスト領域のサイズの大きさはそのデータ位置で決定される請求項26記載の方法。
【請求項28】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、少なくとも1つの温度コントラスト領域はそのデータ位置で決定され、
観察は熱赤外線カメラデータによって行われ、データ位置は関心のある領域のデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、少なくとも1つの温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像中のデータ位置で多くの画素を超える強度値の画素グレースケールピークに注目することにより決定される請求項26記載の方法。
【請求項29】
IR放射の関心のある領域には、関心のある領域の高さを上下する垂直軸方向に延在する水平軸方向のデータ位置が与えられ、IR観察からの少なくとも1つの温度コントラスト領域がそのデータ位置で決定され、
観察は熱赤外線カメラデータによって行われ、データ位置はそこから得られるデジタルピクチャ画像の特定の画素位置により規定され、
少なくとも1つの温度コントラスト領域は、関心のある領域の高さを上下する方向に延在するデジタル画像のデータ位置で多くの画素を超える強度値の画素グレースケール強度値のピークに注目することにより決定される請求項26記載の方法。
【請求項30】
鉱山から産出物を採掘するときに採掘される産出物の熱的に識別可能な構造を識別する装置において、
前記装置は鉱山からの産出物を切出す採掘機械カッターのすぐ近くの新しく露出された切断産出物表面の観察された位置のIR画像信号を受信するための画像捕捉部を有し、
捕捉されたIR画像信号を処理し、少なくとも1つの温度コントラスト領域に注目する信号処理コンポーネントと、
1.少なくとも1つの温度コントラスト領域のサイズの大きさに注目するかまたは、
2.温度しきい値を超える少なくとも1つの温度コントラスト領域の大きさに注目するかのいずれか一方によって採掘された産出物の熱的に識別可能な構造を識別する画像処理コンポーネントと、
鉱山産出物中の熱的に識別可能な構造を示す出力を与える出力コンポーネントとを具備している装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−541063(P2008−541063A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510353(P2008−510353)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000674
【国際公開番号】WO2006/119534
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(393028081)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000674
【国際公開番号】WO2006/119534
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(393028081)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (12)
【Fターム(参考)】
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