説明

接合体の製造方法および接合体

【課題】2つの焼結体同士を容易かつ確実に接合して、接合体を得ることができる接合体の製造方法、およびかかる製造方法により製造された接合体を提供すること。
【解決手段】本発明の接合体の製造方法は、第1焼結体11および第2焼結体12を用意し、第2の焼結体12の前面121に、第1の焼結体11を載置し、この第1の焼結体11の前面111に、治具20を載置する。これにより、治具20の自重によって、第1の焼結体11が下方に向かって押圧され、第1の焼結体11と第2の焼結体12との間の接触面には、両者を圧接するような圧力が作用する。この状態を維持しつつ、2つの焼結体に対して焼成を施すことにより、第1の焼結体11と第2の焼結体12とが接合され、椎弓スペーサ1が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合体の製造方法およびかかる方法により製造される接合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミックス複合体(接合体)を製造する方法として、例えば、2つの成形体を別々に作製した後、これらの間に、接合用セラミックスの一次粒子が分散したスラリーを介在させて焼成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、かかる方法によれば、2つの成形体とスラリーは、それぞれ焼成の際の収縮率が異なるため、得られた接合体に歪みが生じ、変形や接合不良等が発生し易いという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2000−169251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、2つの焼結体同士を容易かつ確実に接合して、接合体を得ることができる接合体の製造方法、およびかかる製造方法により製造された接合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 主としてセラミックス材料で構成された第1の焼結体および第2の焼結体を用意し、
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体を直接圧接した状態で、焼成して、前記第1の焼結体および前記第2の焼結体を接合して接合体を得ることを特徴とする接合体の製造方法。
【0007】
これにより、第1の焼結体および第2の焼結体を容易かつ確実に接合して、接合体を得ることができる。
【0008】
(2) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその焼結温度が異なり、前記焼成は、前記第1の焼結体の焼結温度と前記第2の焼結体の焼結温度との間の温度で行う上記(1)に記載の接合体の製造方法。
【0009】
これにより、2つの焼結体に対して再焼結に必要十分な熱エネルギーが供給され、接合体をより確実に得ることができる。
【0010】
(3) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその焼結温度が等しく、前記焼成は、前記第1の焼結体の焼結温度および前記第2の焼結体の焼結温度にほぼ等しい温度で行う上記(1)に記載の接合体の製造方法。
【0011】
これにより、2つの焼結体に対して再焼結に必要十分な熱エネルギーが供給され、接合体をより確実に得ることができる。
【0012】
(4) 前記焼成の際の時間は、0.1〜10時間である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0013】
これにより、2つの焼結体に対して再焼結に必要十分な熱エネルギーが供給され、接合体をより確実に得ることができる。
【0014】
(5) 前記圧接の際の圧力は、0.05〜5kgf/cmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0015】
これにより、2つの焼結体に、破損を生じさせることがなく、接合体をより確実に得ることができる。
【0016】
(6) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその空孔率が異なっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
これにより、1つの接合体の各部において、異なる機能を付与することができる。
【0017】
(7) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、同種の材料で構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0018】
これにより、2つの焼結体の間の熱膨張率の差を小さくすることができるため、2つの焼結体同士を焼成する際に、熱膨張差に伴う第1の焼結体と第2の焼結体との位置ズレを防止することができる。その結果、高い寸法精度の接合体を得ることができる。
【0019】
(8) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、それぞれ、その空孔率が60%以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0020】
これにより、焼結体を比較的大きな圧力で、2つの焼結体同士を圧接した場合でも破壊するのを防止することができる。
【0021】
(9) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体の少なくとも一方は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0022】
リン酸カルシウム系化合物は、生体親和性が高く、人工骨や人工歯根等の骨補填材の構成材料として有用な材料である。
【0023】
(10) 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトを主成分とするものである上記(9)に記載の接合体の製造方法。
【0024】
ハイドロキシアパタイトは、骨の無機成分と同様の構造であるため、特に優れた生体親和性を有し、骨補填材の構成材料としてより有用である。
【0025】
(11) 前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、それらの位置決めをする位置決め手段を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【0026】
これにより、第1の焼結体と第2の焼結体との位置ズレを防止し、寸法精度の高い接合体を得ることができる。
【0027】
(12) 前記位置決め手段は、前記第1の焼結体および前記第2の焼結体の一方に設けられた凸部と、他方に設けられた前記凸部に係合する凹部とで構成されている上記(11)に記載の接合体の製造方法。
【0028】
これにより、第1の焼結体と第2の焼結体との位置ズレを確実に防止し、より寸法精度の高い接合体を得ることができる。
【0029】
(13) 前記位置決め手段は、接合体に内包されるように設けられている上記(11)または(12)に記載の接合体の製造方法。
【0030】
これにより、例えば、得られた接合体を骨補填材として骨欠損部に装着する場合、位置決め手段が不要な箇所に接触するのを防止することができ、その操作を確実に行うことができる。
【0031】
(14) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の接合体の製造方法により製造されたことを特徴とする接合体。
これにより、寸法精度の高い接合体が得られる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、2つの焼結体同士を容易かつ確実に接合して、接合体を得ることができる。
【0033】
また、2つの焼結体同士を直接圧接した状態で、焼成して接合することで、また、2つの焼結体を一度焼成しているので、焼成の際の焼結による収縮が小さく、寸法精度の高い接合体が得られる。
【0034】
また、接合面に接合を担う介在物、例えば樹脂成分等の生体に悪影響を及ぼす物質を用いないため、生体安全性が高い。
【0035】
また、特性(例えば、空孔率)が異なる焼結体同士を接合することによって、1つの接合体の各部において、異なる機能を付与することができる。
【0036】
さらに、位置決め手段を設けることにより、2つの焼結体の間の位置ズレを防止し、より寸法精度の高い接合体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の接合体の製造方法および接合体を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0038】
以下、本発明の接合体を骨補填材、特に椎弓スペーサに適用した場合を代表に説明する。
【0039】
図1は、本発明の接合体を椎弓スペーサに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す椎弓スペーサの使用方法を説明するための図であり、(a)は、椎弓を切断した状態を示し、(b)は、椎弓スペーサを装着した状態を示す。
【0040】
なお、以下の説明では、椎弓スペーサを椎弓に装着した状態を基準にして、患者の腹側(脊柱管側)を「前」、背側を「後」と言う。
【0041】
図1に示す椎弓スペーサ1は、平面視形状がほぼ台形状をなすブロック体で構成されている。また、椎弓スペーサ1の後端部には、側方に突出する一対のフランジ部10、10が設けられている。
【0042】
この椎弓スペーサ1は、脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症等の脊椎疾患に対する外科的手術の手技の1つである骨形成的脊柱管拡大術において用いられるものである。
【0043】
具体的には、椎弓スペーサ1は、図2(a)に示すように、椎弓42を切断し、図2(b)に示すように、この切断により形成された椎弓42の切断部(骨欠損部)46に介挿、設置(装着)される。
【0044】
以下、説明の便宜上、切断された椎弓42のうち、椎骨47から分離された棘突起41側の椎弓42を棘突起側椎弓42aと、椎骨47(椎体)側の椎弓42を椎骨側椎弓42bという。また、棘突起側椎弓42aの切断面を棘突起側切断面43と、椎骨側椎弓42bの切断面を椎骨側切断面44という。
【0045】
切断部46に椎弓スペーサ1を設置した状態で、側面1a、1bに、それぞれ、棘突起側切断面43と椎骨側切断面44が当接する。これにより、棘突起側椎弓42aと椎骨側椎弓42bとの距離を一定に保つことができる。
【0046】
また、この状態で、各フランジ部10、10が、それぞれ棘突起側椎弓42aおよび椎骨側椎弓42bの端部外側に当接する。これにより、椎弓スペーサ1の椎弓42に対する位置決めがなされる。
【0047】
また、椎弓スペーサ1の前面111は、凹曲面で構成されている。これにより、椎弓42に装着した状態で、椎弓スペーサ1は、脊髄神経を圧迫するのを効果的に防止することができる。
【0048】
このような椎弓スペーサ1は、前方部分を構成する第1の焼結体11と、後方部分を構成する第2の焼結体12とを接合して得られた接合体である。
各焼結体11、12は、それぞれ主としてセラミックス材料で構成されるものである。
【0049】
このセラミックス材料としては、例えば、リン酸カルシウム系化合物、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、フォルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジュメン、チタン酸アルミニウム、スピネル、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等のうちの、少なくとも1種で構成されるものが挙げられる。
【0050】
特に、セラミックス材料としては、リン酸カルシウム系化合物を主成分とするものが好ましい。すなわち、焼結体としては、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されているものが好ましい。リン酸カルシウム系化合物は、生体親和性が高く、人工骨や人工歯根等の骨補填材の構成材料として有用な材料である。
【0051】
また、リン酸カルシウム系化合物は、カルシウムイオン、リン酸イオンおよびその他のイオンがイオン結合して形成されたものである。リン酸カルシウム系化合物を主材料とする焼結体同士を接合すると、接合面付近において、分子間力による接合体を得ることができる。
【0052】
このように、本発明の接合体の製造方法は、特に、リン酸カルシウム系化合物を主成分とする焼結体同士の接合に好適に適用される。
【0053】
リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、フッ素アパタイトのようなハロゲン化アパタイト等が挙げられるが、特に、ハイドロキシアパタイトを主成分とするものであるのがより好ましい。ハイドロキシアパタイトは、骨の無機成分と同様の構造であるため、特に優れた生体親和性を有し、骨補填材の構成材料としてより有用な材料である。
【0054】
また、各焼結体11、12は、それぞれ、その空孔率が60%以下であるのが好ましく、55%以下であるのがより好ましい。このように、空孔率が比較的小さい焼結体、すなわち、比較的緻密な焼結体であれば、後述するような接合体の製造方法において、比較的大きな圧力で、焼結体11、12同士を圧接した場合でも破壊するのを好適に防止することができる。
【0055】
また、各焼結体11、12は、その空孔率が互いにほぼ等しいものであってもよいが、互いに異なっているのが好ましい。
【0056】
例えば、第1の焼結体11の空孔率を第2の焼結体12の空孔率に比べて大きく設定することができる。
【0057】
この場合、第1の焼結体11では、効率のよい体液流通が可能となり、棘突起側切断面43および椎骨側切断面44からの骨伝導を促進させることができる。その結果、椎弓スペーサ1と椎弓42とが効率よく癒合するようになり、早期の骨形成を図ることができる。一方、第2の焼結体12において、椎弓スペーサ1全体の機械的強度を確保することができる。
【0058】
また、各焼結体11、12は、異なる材料で構成することもできるが、同種の材料で構成されているのが好ましい。各焼結体11、12を同種の材料で構成することにより、これらの間の熱膨張率の差を小さくすることができるため、焼結体11、12同士を接合する際の焼成において、熱膨張差に伴う第1の焼結体11と第2の焼結体12との位置ズレを防止することができる。その結果、高い寸法精度の椎弓スペーサ1を得ることができる。
【0059】
以下、第1の焼結体11と第2の焼結体12とを接合して、椎弓スペーサ1を製造する方法(本発明の接合体の製造方法)について説明する。
【0060】
<第1実施形態>
まず、本発明の接合体の製造方法の第1実施形態について説明する。
【0061】
図3は、本発明の接合体の製造方法の第1実施形態を示す図であり、(a)は接合する前の状態、(b)は接合した後の状態をそれぞれ示している。
なお、以下の説明では、図3中、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0062】
[1]第1の焼結体11および第2の焼結体12の製造工程
まず、第1の焼結体11および第2の焼結体12の形状に対応する成形体を製造する。
【0063】
この成形体は、例えば、I:セラミックス原料粉末を含むスラリーを、所定の型内に充填して、成形する方法、II:前記スラリーに対して、沈殿または遠心分離により固形分を偏在させる方法、III:前記スラリーを所定の型内に入れ、脱水処理し、固形分を型内に残す方法、IV:圧縮成形法(粉末の場合、圧粉成形)、V:セラミックス原料粉末と水状の糊とを混ぜ、これを型に入れ乾燥させる方法等、種々の方法により製造することができる。なお、前記スラリーは、予めスプレードライ法などにより造粒した二次粒子をセラミックス原料粉末として含むものであっても良い。
【0064】
得られた成形体に対しては、例えば、自然乾燥、温風乾燥、フリーズドライ、真空乾燥等の方法により、乾燥がなされる。
【0065】
なお、成形体には、成形後、例えば、切断、切削、研削、研磨等の機械加工を施してもよい。
【0066】
次に、このようにして得られた成形体を、例えば炉等で焼成して焼結することにより、焼結体が得られる。この時の焼成温度は、例えばセラミックス材料がリン酸カルシウム系化合物である場合、700〜1300℃程度であるのが好ましい。
【0067】
なお、各焼結体11、12の空孔率は、例えば、セラミックス原料粉体合成の条件(1次粒子径、1次粒子分散状態等)、セラミックス原料粉体の条件(平均粒径、仮焼成の有無、粉砕処理の有無等)、スラリーの攪拌起泡の条件(界面活性剤の種類、スラリーを攪拌する攪拌力等)、成形体の焼成条件(焼成雰囲気、焼成温度等)等を適宜設定することにより、所望の値に設定することができる。
【0068】
また、焼結体は、市販されているものを用いるようにしてもよい。
また、焼結体は、ほぼ完全に焼結に至った焼結体であってもよく、完全に焼結には至らない焼結体(仮焼結体)であってもよい。
【0069】
[2]第1の焼結体11と第2の焼結体12との圧接工程
次に、図3(a)に示すように、第2の焼結体12の前面121に、第1の焼結体11の後面112が当接するように、第1の焼結体11を載置する。さらに、第1の焼結体11の上に、図3(a)に示すような直方体状の治具20を載置する。
【0070】
これにより、治具20の自重によって、第1の焼結体11が下方に向かって押圧され、第1の焼結体11と第2の焼結体12との間の接触面には、両者を圧接するような圧力が作用する。
【0071】
圧接する際の圧力の大きさは、各焼結体11、12が損傷を受けない程度で、できるだけ大きいほうが好ましい。具体的には、圧力の大きさは、0.05〜5kgf/cmであるのが好ましく、0.1〜3kgf/cmであるのがより好ましい。圧力の大きさが前記下限値より小さいと、後述する焼成の際の温度や時間等によっては、各焼結体11、12同士を十分に接合できないおそれがある。一方、圧力の大きさが前記上限値より大きいと、各焼結体11、12に、破損(例えば、割れや欠け等)が生じるおそれがある。
【0072】
治具20の構成材料としては、前記の焼結体で挙げたセラミックス材料の他、例えば、各種金属材料、各種ガラス材料、各種炭素系材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、治具20の構成材料としては、セラミックス材料を主とするものが好ましい。セラミックス材料は、融点が高く、高温時での硬度が高いことより、各焼結体11、12を焼成する際に溶融または軟化し難く、治具20の構成材料として好ましい。
【0073】
また、セラミックス材料としては、アルミナおよびリン酸カルシウム系化合物の少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。これらのものは、熱膨張率が小さく、耐熱性が高い。したがって、各焼結体11、12を焼成する際に、各焼結体11、12に対して、均一かつ安定的に圧力を与えることができるため、治具20の構成材料として特に好ましい。
【0074】
なお、治具20の構成材料としては、各焼結体11、12を焼成する際に、第1の焼結体11と接合し難い材料を選択するのが好ましい。例えば、第1の焼結体11がハイドロキシアパタイトを主材料として構成される場合、治具20の構成材料としては、アルミナを主成分とするものが好適である。
【0075】
なお、治具20の形状は、各焼結体11、12に圧力を加えることができれば、特に限定されない。
【0076】
[3]第1の焼結体11および第2の焼結体12の焼成工程
次に、前記工程[2]の状態を維持しつつ、各焼結体11、12に対して焼成を施す。これにより、第1の焼結体11と第2の焼結体12の接触面には、焼成する際の熱エネルギーが与えられる。その結果、接触面で接触している第1の焼結体11および第2の焼結体12の結晶粒同士に新たな結合が生じ、第1の焼結体11と第2の焼結体12とが接合され、図3(b)に示す椎弓スペーサ1が得られる。
【0077】
この焼成の際の温度は、各焼結体11、12の構成材料に応じて適宜設定され、特に限定されない。焼成の際の温度は、例えば、第1の焼結体11および第2の焼結体12の焼結温度が異なる場合、第1の焼結体11の焼結温度と第2の焼結体12の焼結温度との間の温度とするのが好ましく、また、第1の焼結体11および第2の焼結体12の焼結温度が等しい場合、第1の焼結体11の焼結温度および第2の焼結体12の焼結温度とほぼ等しい温度とするのが好ましい。
【0078】
前者の場合において、例えば、第1の焼結体11の構成材料がアルミナ、第2の焼結体12の構成材料がハイドロキシアパタイトである場合、アルミナの焼結温度が1000〜1800℃程度であるのに対し、ハイドロキシアパタイトの焼結温度が900〜1300℃程度であるので、焼成の際の温度は、1000〜1300℃程度であるのが好ましく、1100〜1250℃程度であるのがより好ましい。
【0079】
このように、第1の焼結体11および第2の焼結体12のそれぞれの焼結温度が異なる場合、または等しい場合のいずれにおいても、各焼結体11、12を焼成する際の温度が前記下限値より低いと、各焼結体11、12に、再焼結に必要な熱エネルギーが十分に供給されず、各焼結体11、12を十分に接合することができないおそれがある。一方、焼成の際の温度が前記上限値より高いと、各焼結体11、12の再焼結が急速に進みやすく、過焼結となって、得られた椎弓スペーサ(接合体)1の機械的強度が低下するおそれがある。
【0080】
焼成の際の時間は、前記焼成温度等によっても若干異なり、特に限定されないが、0.1〜10時間程度であるのが好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。焼成の際の時間が前記下限値より短いと、各焼結体11、12に、再焼結に必要な熱エネルギーが十分に供給されず、各焼結体11、12を十分に接合することができないおそれがある。一方、焼成の際の時間が前記上限値より長いと、各焼結体11、12の再焼結が進みやすく、過焼結となって、得られた椎弓スペーサ1の機械的強度が低下するおそれがある。
【0081】
焼成の際の雰囲気としては、特に限定されないが、例えば、大気、酸素等の酸化性雰囲気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性雰囲気、水素、一酸化炭素等の還元性雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられる。
【0082】
以上のような焼成は、必要に応じて、各焼結体11、12に対して複数回繰り返し行うようにしてもよい。
【0083】
このようにして得られた椎弓スペーサ1は、接合用材料を用いることなく、焼結体同士が直接接合されている。したがって、接合体中に生体に悪影響を及ぼす物質、例えば、接合用材料中の樹脂成分等が残留するおそれがない。このため、椎弓スペーサ1を生体内に留置した場合、前述のような物質(成分)の溶出等がなく、安全性が高い。
【0084】
<第2実施形態>
次に、本発明の接合体の製造方法の第2実施形態について説明する。
【0085】
図4は、本発明の接合体の製造方法の第2実施形態を示す図である。
なお、以下の説明では、図4中、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0086】
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0087】
第2実施形態では、第1の焼結体11および第2の焼結体12が位置決め手段を備えることが異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0088】
図4に示すように、第1の焼結体11の後面(接合面)112の長手方向のほぼ中央部には、下方に向かって突出する凸条117が形成されている。この凸条117は、その長さが第1の焼結体11の厚さ(短手方向の長さ)とほぼ等しく設定されている。
【0089】
一方、第2の焼結体12の前面(接合面)121の長手方向のほぼ中央部には、溝127が形成されている。この溝127は、その長さが第2の焼結体12の厚さ(短手方向の長さ)とほぼ等しく設定されている。
【0090】
第1の焼結体11を第2の焼結体12に重ね合わせることにより、凸条117が溝127に挿入し、係合する。すなわち、本実施形態では、凸条117と溝127とにより位置決め手段が構成されている。
【0091】
このような位置決め手段を設けることにより、各焼結体11、12を焼成する際に、第1の焼結体11の第2の焼結体12の長手方向への位置ズレを防止し、寸法精度の高い椎弓スペーサ(接合体)1を得ることができる。
【0092】
また、位置決め手段は、各焼結体11、12の接合面に設けられているので、目的とする椎弓スペーサ1の形状に影響を与えるのを防止することができる。
【0093】
特に、凸条117の長さが第1の焼結体11の厚さとほぼ等しく設定され、かつ、溝127の長さが第2の焼結体12の厚さとほぼ等しく設定されているので、位置決め手段は、完成した椎弓スペーサ1に内包されるようになる。これにより、例えば、椎弓スペーサ1を、椎弓42の切断部(骨欠損部)46に設置する際に、位置決め手段が不要な箇所に接触することを防止することができ、その操作を確実に行うことができる。
【0094】
なお、凸条117が溝127に嵌合するように構成すると、第1の焼結体11の第2の焼結体12の長手方向への位置ズレをより確実に防止することができ、より寸法精度の高い椎弓スペーサ1を得ることができる。
【0095】
また、位置決め手段は、第1の焼結体11と第2の焼結体12との位置ズレを防止することができれば、その構成(例えば、形成位置や形状等)は、特に限定されない。
【0096】
<第3実施形態>
次に、本発明の接合体の製造方法の第3実施形態について説明する。
【0097】
図5は、本発明の接合体の製造方法の第3実施形態を示す図であり、(a)は、第1の焼結体を後方から見た図、(b)は、第2の焼結体を前方から見た図である。
【0098】
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0099】
第3実施形態では、位置決め手段の構成が異なり、それ以外は、前記第2実施形態と同様である。
【0100】
図5(a)に示すように、凸条117の長手方向のほぼ中央部には、凸条117の側方に突出する一対の突起117a、117aが形成されている。一方、図5(b)に示すように、溝127の長手方向のほぼ中央部には、溝127の側方に突出する一対の凹部127a、127aが形成されている。
【0101】
第1の焼結体11を第2の焼結体12に重ね合わせると、凸条117が溝127に挿入して係合するとともに、各突起117aが各凹部127aにそれぞれ挿入する。これにより、第1の焼結体11の第2の焼結体12の長手方向および短手方向への位置ズレを防止することができる。
【0102】
<第4実施形態>
次に、本発明の接合体の製造方法の第4実施形態について説明する。
【0103】
図6は、本発明の接合体の製造方法の第4実施形態を示す図である。
なお、以下の説明では、図6中、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0104】
第4実施形態について説明するが、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0105】
第4実施形態では、位置決め手段の形状が異なり、それ以外は、前記第2実施形態の接合体の製造方法と同様である。
【0106】
図6に示すように、第1の焼結体11の後面112のほぼ中央部には、下方に向かって突出する突起部118が形成されている。一方、第2の焼結体12の前面121のほぼ中央部には、穴部128が形成されている。
【0107】
第1の焼結体11を第2の焼結体12に重ね合わせると、突起部118が穴部128に挿入して係合する。これにより、第1の焼結体11の第2の焼結体12の長手方向および短手方向への位置ズレを防止することができる。
【0108】
本実施形態では、位置決め手段の大きさを小さく設定することができる。すなわち、各焼結体11、12の接合面の面積を比較的大きく設定することができる。これにより、第1の焼結体11を第2の焼結体12に重ね合わせた際の接触面積を十分に大きくすることができる。その結果、第1の焼結体11および第2の焼結体12の接合強度をより大きくすることができる。
【0109】
なお、前述したような実施形態において用いる治具20には、必要に応じて、各焼結体11、12を焼成する際に、治具20と第1の焼結体11とが接合するのを防止する接合防止手段を設けるようにしてもよい。
【0110】
この接合防止手段としては、例えば、治具20の表面に設けられた複数の凹部や剥離材層等で構成することができる。
【0111】
前者の場合、凹部は、例えば、不連続なものであってもよく、互いに連続するもの(溝)であってもよい。また、凹部を溝で構成する場合、各溝は、互いにほぼ平行となるように設けるようにしてもよく、一部で交差、分岐等するように設けるようにしてもよい。
【0112】
後者の場合、剥離材層の構成材料には、第1の焼結体11または第2の焼結体12と接合し難い材料が選択され、特に限定されないが、前記の焼結体で挙げたセラミックス材料の他に、例えば、各種ガラス材料、シリコン、窒化ホウ素、グラファイト等を主成分とする材料が挙げられる。
【0113】
このような接合防止手段を設けることにより、各焼結体11、12を焼成する際に、治具20と第1の焼結体11とが接合するのを好適に防止することができ、得られた椎弓スペーサ(接合体)1が破損するのをより確実に防止しつつ、椎弓スペーサ1を治具20から容易かつ確実に離脱させることができる。
【0114】
以上、本発明の接合体の製造方法および接合体を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0115】
例えば、本発明の接合体の製造方法は、3つ以上の焼結体を接合する場合に適用することもできる。
【実施例】
【0116】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.焼結体の製造
1−1.第1の焼結体の製造
(サンプルNo.1A)
まず、水酸化カルシウムスラリーとリン酸水溶液から公知の湿式合成法によりハイドロキシアパタイトスラリーとした。これをスプレードライ法により乾燥した後、大気炉において700℃で仮焼成を行うことにより、球状粉体を得た。
【0117】
次に、得られたハイドロキシアパタイトの球状粉体と高分子化合物水溶液とを混合し、撹拌することにより、混合液に気泡を生じさせた。この混合物を乾燥させ、これにより、成形体を得た。
【0118】
焼結後の収縮を計算し、バンドソー、マシニングセンターを用いて、成形体を、焼結後に図3に示す第1の焼結体11と等しい形状になるように、それぞれ加工した。
【0119】
この成形体を大気炉に入れ、1200℃で4時間焼成することにより、図3に示す第1の焼結体11と等しい形状の焼結体を得た。
【0120】
なお、得られた焼結体は、寸法:幅18mm×厚さ8mm×高さ5.1mm、空孔率:50%であった。
【0121】
(サンプルNo.2A)
混合液の撹拌時間を短くして、混合液中に生じる気泡数を少なくした以外は、前記サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
【0122】
なお、得られた焼結体の空孔率は30%であった。
【0123】
(サンプルNo.3A)
ハイドロキシアパタイトの球状粉体を2t/cmの加圧力でラバープレスすることにより、成形体を得るようにした以外は、前記サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の空孔率は略0%であった。
【0124】
(サンプルNo.4A)
得られた焼結体の形状を、図4に示す第1の焼結体11と等しい形状にした以外は、サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
【0125】
(サンプルNo.5A)
得られた焼結体の形状を、図5に示す第1の焼結体11と等しい形状にした以外は、サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
【0126】
(サンプルNo.6A)
得られた焼結体の形状を、図6に示す第1の焼結体11と等しい形状にした以外は、サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
【0127】
1−2.第2の焼結体の製造
(サンプルNo.1B)
得られた焼結体の形状を、図3に示す第2の焼結体12と等しい形状にした以外は、サンプルNo.1Aと同様にして、焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体は、寸法:幅24mm×厚さ8mm×高さ4.6mmであった。
【0128】
(サンプルNo.2B)
混合液の撹拌時間を短くして、混合液中に生じる気泡数を少なくした以外は、前記サンプルNo.1Bと同様にして、焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の空孔率は30%であった。
【0129】
(サンプルNo.3B)
ハイドロキシアパタイトの球状粉体を2t/cmの加圧力でラバープレスすることにより、成形体を得るようにした以外は、前記サンプルNo.1Bと同様にして、焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の空孔率は略0%であった。
【0130】
(サンプルNo.4B)
得られた焼結体の形状を、図4に示す第2の焼結体12と等しい形状にした以外は、サンプルNo.2Bと同様にして、焼結体を製造した。
【0131】
(サンプルNo.5B)
得られた焼結体の形状を、図5に示す第2の焼結体12と等しい形状にした以外は、サンプルNo.2Bと同様にして、焼結体を製造した。
【0132】
(サンプルNo.6B)
得られた焼結体の形状を、図6に示す第2の焼結体12と等しい形状にした以外は、サンプルNo.2Bと同様にして、焼結体を製造した。
【0133】
(サンプルNo.7B)
焼結体の構成材料をリン酸3カルシウムとした以外は、前記サンプルNo.2Bと同様にして、焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の空孔率は30%であった。
【0134】
2.椎弓スペーサの製造
以下、各実施例および比較例に示すようにして、それぞれ椎弓スペーサを製造した。
なお、各実施例および比較例において、それぞれ椎弓スペーサを20個ずつ製造した。
【0135】
(実施例1)
図3(a)に示すように、サンプルNo.2Bに、サンプルNo.1Aを重ねあわせ、その上に治具を載置した。この状態で、2つの焼結体を1200℃×0.05時間で焼成することにより、2つの焼結体を接合して、図3(b)に示す椎弓スペーサ(接合体)を得た。
なお、治具の仕様は、以下に示す通りである。
【0136】
構成材料 :アルミナ
重量(圧力) :3500g(2.43kgf/cm
【0137】
(実施例2〜8)
表1に示すように焼成の条件を変更した以外は、それぞれ、前記実施例1と同様にして、椎弓スペーサを得た。
【0138】
(実施例9)
第1の焼結体としてサンプルNo.2Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.1Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0139】
(実施例10)
第1の焼結体としてサンプルNo.2Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.3Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0140】
(実施例11)
第1の焼結体としてサンプルNo.1Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.1Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0141】
(実施例12)
第1の焼結体としてサンプルNo.3Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.3Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0142】
(実施例13)
第1の焼結体としてサンプルNo.4Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.4Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0143】
(実施例14)
第1の焼結体としてサンプルNo.5Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.5Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0144】
(実施例15)
第1の焼結体としてサンプルNo.6Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.6Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0145】
(実施例16)
第1の焼結体としてサンプルNo.2Aを、第2の焼結体としてサンプルNo.7Bを用いた以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0146】
(比較例)
治具を用いなかった以外は、前記実施例3と同様にして椎弓スペーサを得た。
【0147】
3.評価
各実施例および比較例で得られた椎弓スペーサについて、それぞれ第1の焼結体と第2の焼結体とが接合しているか否かを確認した。
【0148】
そして、第1の焼結体と第2の焼結体とが接合したものの数を、以下に示す4段階の基準にしたがって、評価した。
【0149】
◎:19個(95%)以上
○:17個(85%)以上、19個(95%)未満
△:17個(85%)未満
×:接合不可
これらの結果を表1に示す。
【0150】
【表1】

【0151】
表1に示すように、各実施例では、いずれも、第1の焼結体と第2の焼結体とを接合することが可能であった。
【0152】
特に、焼成の際の温度や時間を設定することによって、より確実に接合できる傾向を示した。
【0153】
これに対して、比較例では、第1の焼結体と第2の焼結体とを接合することが困難であった。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の接合体を椎弓スペーサに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す椎弓スペーサの使用方法を説明するための図である。
【図3】本発明の接合体の製造方法の第1実施形態を示す図である。
【図4】本発明の接合体の製造方法の第2実施形態を示す図である。
【図5】本発明の接合体の製造方法の第3実施形態を示す図である。
【図6】本発明の接合体の製造方法の第4実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0155】
1 椎弓スペーサ
1a、1b 側面
10 フランジ部
11 第1の焼結体
111、121 前面
112 後面
117 凸条
117a 突起
118 突起部
12 第2の焼結体
127 溝
127a 凹部
128 穴部
20 治具
41 棘突起
42 椎弓
42a 棘突起側椎弓
42b 椎骨側椎弓
43 棘突起側切断面
44 椎骨側切断面
45 脊柱管
46 切断部
47 椎骨

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主としてセラミックス材料で構成された第1の焼結体および第2の焼結体を用意し、
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体を直接圧接した状態で、焼成して、前記第1の焼結体および前記第2の焼結体を接合して接合体を得ることを特徴とする接合体の製造方法。
【請求項2】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその焼結温度が異なり、前記焼成は、前記第1の焼結体の焼結温度と前記第2の焼結体の焼結温度との間の温度で行う請求項1に記載の接合体の製造方法。
【請求項3】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその焼結温度が等しく、前記焼成は、前記第1の焼結体の焼結温度および前記第2の焼結体の焼結温度にほぼ等しい温度で行う請求項1に記載の接合体の製造方法。
【請求項4】
前記焼成の際の時間は、0.1〜10時間である請求項1ないし3のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項5】
前記圧接の際の圧力は、0.05〜5kgf/cmである請求項1ないし4のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項6】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、互いにその空孔率が異なっている請求項1ないし5のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、同種の材料で構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項8】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、それぞれ、その空孔率が60%以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項9】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体の少なくとも一方は、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項10】
前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトを主成分とするものである請求項9に記載の接合体の製造方法。
【請求項11】
前記第1の焼結体および前記第2の焼結体は、それらの位置決めをする位置決め手段を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の接合体の製造方法。
【請求項12】
前記位置決め手段は、前記第1の焼結体および前記第2の焼結体の一方に設けられた凸部と、他方に設けられた前記凸部に係合する凹部とで構成されている請求項11に記載の接合体の製造方法。
【請求項13】
前記位置決め手段は、接合体に内包されるように設けられている請求項11または12に記載の接合体の製造方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の接合体の製造方法により製造されたことを特徴とする接合体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−248866(P2006−248866A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70043(P2005−70043)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】